特許第6416209号(P6416209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6416209超音波シール、ならびにフィルム構造及び超音波シールを有する可撓性容器を生成するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6416209
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】超音波シール、ならびにフィルム構造及び超音波シールを有する可撓性容器を生成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20181022BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20181022BHJP
   B65D 30/02 20060101ALI20181022BHJP
   B65D 33/16 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   B29C65/08
   B32B27/32 Z
   B65D30/02
   B65D33/16
【請求項の数】15
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-507627(P2016-507627)
(86)(22)【出願日】2014年4月9日
(65)【公表番号】特表2016-525464(P2016-525464A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】US2014033427
(87)【国際公開番号】WO2014169005
(87)【国際公開日】20141016
【審査請求日】2017年3月28日
(31)【優先権主張番号】61/810,123
(32)【優先日】2013年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】セリム・ベンサソン
(72)【発明者】
【氏名】ヨゼフ・ジェイ・ヴァン・ダン
(72)【発明者】
【氏名】ガガン・サイニ
【審査官】 越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/052445(WO,A1)
【文献】 特開2000−117834(JP,A)
【文献】 特開2011−031907(JP,A)
【文献】 特開2009−039979(JP,A)
【文献】 特開2007−137438(JP,A)
【文献】 特表2002−513368(JP,A)
【文献】 特開昭52−020187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00−65/82
B32B 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波ポリマーシールを生成するためのプロセスであって、
バッキング層と、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含むシール層と、を含む多層フィルムを調製することと、
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)
前記多層フィルムの前記シール層を
バッキング層と、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含むシール層と、を含む第2の多層フィルムのシール層と接触させて、シール領域を形成することと、
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)
前記シール領域に超音波エネルギー及び2N/mm〜6N/mmのシール力を供することと、
30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成することと、を含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記シール領域に(i)超音波エネルギー及び(ii)4N/mmのシール力を供することを含む、請求項1に記載の前記プロセス。
【請求項3】
超音波シール装置のホーンとアンビルとの間に前記シール領域を設置することと、前記シール領域に(i)超音波エネルギー及び(ii)4N/mmのシール力を供することと、を含む、請求項1に記載の前記プロセス。
【請求項4】
第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムを含むフィルム構造であって、各多層フィルムは、連続フィルム層であるバッキング層及びシール層を含み、各シール層は、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含み、
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)
前記多層フィルムは、前記第1の多層フィルムの前記シール層が前記第2の多層フィルムの前記シール層と接触するように配置され、
前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、前記フィルム構造。
【請求項5】
前記バッキング層は、PET、ポリアミド、BOPP、及び金属箔から成る群から選択される材料である、請求項4に記載の前記フィルム構造。
【請求項6】
前記USOPは、PBPE、LLDPE、ULDPE、POP、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料である、請求項4または5のいずれかに記載の前記フィルム構造。
【請求項7】
前記第1の多層フィルム及び前記第2の多層フィルムは、前記第2の多層フィルムを前記第1の多層フィルム上に重ねるように折り畳まれる単一の可撓性シートの成分である、請求項4〜6のいずれかに記載の前記フィルム構造。
【請求項8】
前記バッキング層は、BOPPを含み、前記シール層は、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含む単層であり、前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、55N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、請求項4〜7のいずれかに記載の前記フィルム構造。
【請求項9】
前記バッキング層は、PETであり、前記シール層は、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含む単層であり、前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、37N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、請求項4〜7のいずれかに記載の前記フィルム構造。
【請求項10】
前記シール層は、表面層、コア層、及び内層を含む共押出構造であり、
前記表面層は、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含み、
前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、35N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、請求項4〜7のいずれかに記載の前記フィルム構造。
【請求項11】
前記シール層は、表面層、コア層、及び内層を含む共押出構造であり、
前記コア層及び前記内層のうちの少なくとも1つは、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含み、
前記表面層は、USOPがなく、
前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、35N/15mm〜50N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、請求項4〜7のいずれかに記載の前記フィルム構造。
【請求項12】
前記第2の多層フィルムは、前記第1の多層フィルム上に重ねられて、共通の周縁部を形成し、前記超音波シールは、前記共通の周縁部に沿って位置する、請求項4〜11のいずれかに記載の前記フィルム構造。
【請求項13】
前記多層フィルムは、各多層フィルムの前記シール層が互いに接触するように配置され、前記第2の多層フィルムは、前記第1の多層フィルム上に重ねられて、共通の周縁部を形成する、請求項4に記載の前記フィルム構造と、
ガセットシールである2倍ゾーン及び断面フィンシールである4倍ゾーンであって、前記ゾーンが4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールをそれぞれ形成する、2倍ゾーン及び4倍ゾーンと、を含む、可撓性容器。
【請求項14】
前記2倍ゾーンは、前記共通の周縁部の少なくとも一部を含む、請求項13に記載の前記可撓性容器。
【請求項15】
前記4倍ゾーンは、縦方向シールの少なくとも一部を含む、請求項13または14のいずれかに記載の前記可撓性容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波シール可能なフィルム構造及び超音波シールを有する可撓性容器を生成するためのプロセスを対象とする。
【背景技術】
【0002】
従来のヒートシールと比べて、可撓性包装における超音波シールの利用は、(i)異物を通してシールする能力、(ii)より狭いシールゾーンを形成する能力、及び(iii)より高い線速度及びより低い温度環境でシールを形成する能力等の性能の利点を提供する。超音波溶接に適した包装システムは、垂直または水平フォームフィルシールを含む。これらの利点にもかかわらず、超音波シールは、著しい弱点を有する。ホーンとアンビルとの間の接触形状及び振動変形に起因して、超音波シールは、著しい材料流出及びシール領域からのポリマーの押出しをもたらす場合がある。超音波シールのこの「押出し」現象は、形成された超音波シールにおける積層構造の損傷及び最終的な破壊を引き起こし得る。層段階、すなわち、ホーンとアンビルとの間の材料の厚さの段階的変化(ガセット及び折畳部ならびに断面フィンシール等)は、超音波シールされると、特に損傷を受けやすい。これらの領域の不完全なシールは、(剥離試験によって測定される)シール強度を低減させ、シールゾーンにおける積層を破壊し得、アルミニウムの薄層またはエチレンビニルアルコールコポリマー(EvOH)等の障壁ポリマーを有する包装積層における障壁特性の損失につながるチャネル漏出を生じさせる。
【0003】
上述の問題を軽減するように提案されるアプローチは、(i)接触形状、特に、エネルギーディレクターの最適化及び(ii)シール時のホーン移動の制御を含み、これらの両方ともが制限を受ける。
【0004】
ポリマーの慎重な選択及び多層構造の最適化は、上記の問題を軽減する代替的な方法を提供する。したがって、超音波シールすることができるポリマー及び構造を特定し、従来のヒートシールによって達成可能なものに匹敵するシール強度を提供する必要性がある。さらに、超音波シール強度を増加させる超音波シールプロセスに対する必要性が存在する。また、接触形状の最適化またはシール力移動の調整における欠点を克服する強化された超音波シールに対する必要性も存在する。さらに、可撓性容器のより多用途の使用に対する需要を満たすように、向上された超音波シール可能なフィルムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、超音波シール、ならびにフィルム構造及び超音波シールを含有する可撓性容器を生成するためのプロセスを対象とする。本発明のプロセスは、接触形状の最適化及びシール力の調整に加えて、超音波シール領域内の材料の流れに影響する4つの要因に基づいた超音波シールのためのポリマーの選択を含む。加えて、プロセスは、超音波シール強度のさらなる向上のために、フィルム組成物及び構造を適合させることを含む。
【0006】
本開示は、超音波シールを生成するためのプロセスを提供する。超音波シールは、2つのポリマーフィルム間に形成される。プロセスは、バッキング層及びシール層を有する多層フィルムを調製することを含む。シール層は、超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含む。USOPは、以下の特性に基づいて選択される:
【0007】
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)。
【0008】
プロセスは、第1の多層フィルムのシール層を第2の多層フィルムのシール層と接触させて、シール領域を形成することを含む。プロセスは、シール領域に超音波エネルギーを供することを含む。プロセスは、2つのシール層の間に、超音波シールを形成することを含み、超音波シールは、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する。
【0009】
本開示は、フィルム構造を提供する。フィルム構造は、第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムを含む。各多層フィルムは、バッキング層及びシール層を含む。各シール層は、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含む:
【0010】
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)。
【0011】
多層フィルムは、第1の多層フィルムのシール層が第2の多層フィルムのシール層と接触するように配置される。シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0012】
本開示は、可撓性容器を提供する。可撓性容器は、第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムを含む。各多層フィルムは、バッキング層及びシール層を含む。シール層は、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含む:
【0013】
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)。
【0014】
多層フィルムは、各多層フィルムのシール層が互いに接触するように配置され、第2の多層フィルムは、第1の多層フィルム上に重ねられて、共通の周縁部を形成する。可撓性容器は、2倍ゾーン及び4倍ゾーンを含む。2倍ゾーン及び4倍ゾーンは、ゾーンが4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールをそれぞれ形成する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施形態に従うG’〜G”のプロットを示すグラフである。
図2A】本開示の実施形態に従う平面超音波シール形状を有する可撓性容器の概略図である。
図2B】本開示の実施形態に従う平面シール形状を有する超音波シールの概略図である。
図3A】本開示の実施形態に従う2倍ゾーン及び4倍ゾーンを有する可撓性容器の概略図である。
図3B】本開示の実施形態に従う2倍/4倍シール形状を有する2倍ゾーン及び4倍ゾーンの超音波シールの概略図である。
図4】本開示の実施形態に従う超音波シールされるフィルム構造に対する超音波シール強度対シール力のグラフを示す。
図5】本開示の実施形態に従う超音波シールされるフィルム構造に対する超音波シール強度対シール力のグラフを示す。
図6】本開示の実施形態に従う超音波シールされるフィルム構造に対する超音波シール強度対シール力のグラフを示す。
図7】本開示の実施形態に従う超音波シールされるフィルム構造に対する超音波シール強度対シール力のグラフを示す。
図8】本開示の実施形態に従う超音波シールされるフィルム構造に対する超音波シール強度対シール力のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、超音波シールを生成するためのプロセスを提供する。超音波シールは、2つのポリマーフィルム間に形成される。プロセスは、バッキング層及びシール層を有する多層フィルムを調製することを含む。シール層は、超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含む。USOPは、以下の特性に基づいて選択される:
【0017】
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)。
【0018】
プロセスは、第1の多層フィルムのシール層を第2の多層フィルムのシール層と接触させて、シール領域を形成することを含む。プロセスは、シール領域に超音波エネルギーを供することを含む。プロセスは、2つのシール層間に超音波シールを形成することを含み、超音波シールは、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する。
【0019】
本発明のプロセスは、超音波シール装置を利用して、2つのポリマーフィルム間に超音波シールを生成する。超音波シール装置は、以下の成分を含む。
【0020】
(1)フィルムが加圧下で接触されるように設置される、アンビル。アンビルは、高周波振動が、シール領域内のフィルムを対象とすることを可能にする。アンビルは、フィルムのうちの1つと接触するエネルギーディレクターを含む。
【0021】
(2)(a)変換器(電気信号を機械振動に変換する)、(b)ブースター(振動の振幅を修正する)、及び(c)ホーン(溶接またはシールされる部分に機械振動を適用する)を含む、超音波スタック。ホーンは、ソノトロードとも呼ばれる。超音波スタックの全ての3つの要素は、同一の超音波周波数(典型的には、15kHz、20kHz、30kHz、35kHz〜40kHzまたは70kHz)で共鳴するように調整される。
【0022】
ポリマーフィルムに超音波エネルギーを供することは、振動エネルギーの吸収に起因して、プラスチックの局所融解を引き起こす。振動は、溶接される結合部にわたって導入される。
【0023】
超音波シールは、ヒートシールと異なり、かつヒートシールを除外する。ヒートシール手順は、開位置から閉位置に移動する溶銑シールジョーを含む。閉位置において、溶銑ジョーは、ある時間(滞留時間)の間、所定のシール圧力、及び所定のシール温度で、フィルムの最外層と直接接触する。滞留時間の間、熱は、フィルムの最外層を通じて伝達して、対向する内側シール層を溶解及び融合して、ヒートシールを形成する。概して、最外層は、シール層より高い融解温度を有する。したがって、シール層が、融解されて、シールを形成する一方で、フィルムの最外層は、融解せず、シールジョーに粘着または実質的に粘着しない。シールジョーバーへの表面処理は、フィルムへの粘着効果をさらに低減させるように適用され得る。シールジョーが再度開かれた後、フィルムは、室温まで冷却される。
【0024】
ヒートシールにおいて、対向するフィルムは、界面における材料相互拡散を介して共に結合され、ヒートシールバーの温度及び滞留時間が重要な独立変数となる、シールバーからシール界面への伝導熱流によって促進される。例えば、ポリエチレン等の半結晶ポリマーシーラントの場合、ヒートシールバーの温度は、強力なシールの形成のために、少なくともシーラントの完全な溶解に対応する温度に設定される必要がある。
【0025】
逆に、超音波シールにおいて、シールバー(ホーン及びアンビルの対)は、典型的には、環境温度であり、超音波発生及び流量は、接触形状、振動振幅及び周波数、静荷重、ならびに材料選択によって決定される従属変数である。界面における完全融解を達成するために必要な超音波エネルギーは、ポリマー内で内部的に発生する。所与の周波数及び接触形状に対し、超音波シール形成に影響するプロセス変数は、振動の振幅及びホーンを通じて印加された、重ねられたシール力である。超音波シールを促進するために必要とされる高温は、ポリマーの粘弾性特性によって決定されるような、超音波への変形エネルギーの部分的な消散によって内部的に発生する。消散されたエネルギーは、温度の上昇を生じさせ、その大きさは、システムの超音波容量に依存する。
【0026】
従来の超音波溶接システムにおいて、シール力は、ホーン振動の振幅を、材料内の振動変形に転換させ、シールゾーンへのアンビルの徐々の不注意な浸透をもたらす。アンビルからシール領域に延在するエネルギーディレクターの輪郭作られた半球状の形は、シール領域内の応力集中をさらに増幅させ、アンビルの周囲の過剰な材料の流れの問題をさらに悪化させる。
【0027】
線形粘弾性領域内の振動変形に対し、単位体積当たり(引張変形の正弦波サイクル当たり)の超音波発生率を、式(I)に示す:
【数1】
【0028】
fは、振動の周波数であり、
εは、変形振幅であり、
E”は、損失弾性率である。
【0029】
式(I)は、超音波発生率が、変形の所与の振幅及び周波数に対する損失弾性率に線形的に比例し、一方で、振動振幅への依存度は、2乗であることを示す。式(I)の超音波シールへの直接的な適用は、(i)変形が均質ではない、(ii)シール領域内の材料の相当量が非等温である、及び(iii)上記式中の振幅εがホーンのものではなく、シールサイクル時に変動するシール力に依存する、材料に適用される変形のものであるため、問題である。
【0030】
1.バッキング層及びシール層
プロセスは、多層フィルムを調製することを含む。多層フィルムは、バッキング層、シール層、及び任意の接着剤層を有する。バッキング層に適した材料の非限定的な例は、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリアミド、プロピレン系ポリマー(二軸延伸ポリプロピレンまたはBOPP等)、及び金属箔(アルミニウム箔等)を含む。
【0031】
多層フィルムのシール層は、超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含む。
【0032】
上記の式(I)を考慮して、出願人は、ポリマーが超音波シールに適しているかを判定するためのパラメータを開発した。第1に、超音波発生率と損失弾性率との間のスケーリングに基づいて、ホーン振動の発生時に高い損失弾性率を示すポリマーが、迅速な超音波処理に望ましい。
【0033】
第2に、変形振幅への超音波発生率の平方依存は、所与のシール力に対して、より大きい変形振幅がポリマーにおいて実現されることを可能にするため、より低い強剛性のポリマーが望ましいことを示唆する。ホーンへのシール力を増加させることが、振動の開始時にポリマーにおける変形振幅を増強させ得るとしても、融解時にポリマーの押出しを回避するために、超音波シールを生成する最小のシール力が望ましい。半結晶ポリマーの弾性率は、融解時に2桁を超えて減少し得るため、大きいシール力を使うことは、シールゾーンからの融解物の過剰な押出しをもたらす。最小のシール力で最大の超音波発生を確実にするため、シールサイクルの早い段階で振動の最大の振幅を生成するように、低い弾性率を有するポリマーを選択することが望ましい。周囲条件でより低い弾性率を有するポリマーはまた、溶解物の材料の過剰な流動を防ぐさらなる要因である、固体弾性率と融解弾性率との間の差がより小さい。上記に基づいて、変形の発生時、低い貯蔵弾性率と組み合わせられる高い損失弾性率を特徴とするポリマーが望ましい。
【0034】
第3に、粘弾性消散に起因して発生する超音波は、温度を上昇させ、それによって、界面において半結晶を融解させ、それによって、強力なシールの形成を可能にする。完全な融解のために低温と組み合わせられる融解のより低い超音波を有するポリマーが、迅速な超音波シール特徴にとって望ましい。そのようなポリマーの場合、ポリマーを融解物に形質転換するために必要な振動の持続時間は、著しく短いことができ、したがって、より短いサイクル時間であることができる。
【0035】
第4に、シール領域から押し出され得る高応力下の融解物の凝固を防ぐために、迅速な緩和時間を有するポリマーが望ましい。迅速な緩和時間は、より低い分子量、狭い分子量分布、長鎖分枝の低減または長鎖分枝なしを含む、要因のうちの1つ以上によって得られ得る。押出されたポリマー材料のビーズは、剥離形状の初期応力の領域を形成し、したがって、周囲の材料へのこのビーズの強力な接着ならびに大きな凍結応力の欠如が、高剥離強度に対して有益である。接着不良または凍結配向を有する領域は、剥離試験時の亀裂の開始及び伝播に対する抵抗性がより低い経路を提供し得る。
【0036】
第5に、コーキング力の向上、すなわち、シーラントが間隙中及び混入物の周りに流れる能力に対して、低分子量を有するポリオレフィンが望ましい。超音波シールは、ツールと接触している間にシールの効率的な冷却を可能にする、低温シールツールを利用するため、超音波シールは、ホットタック強度(ヒートシール等)によって限定されない。そのような冷却セグメントは、振動の終了後にシールサイクルに組み込まれ得、したがって、従来の超音波シールにおいて可能なものより非常に高速な、迅速なホットタック強度の増強及びポリマーの凝固を可能にする。
【0037】
したがって、コーキング力及び包装サイクル時間の組み合わせを有する組成物が、本発明の超音波シールプロセスを介して可能にされる。全ての条件が等しいとすると、より低い分子量のポリオレフィンは、高分子量ポリオレフィンより超音波シールの性能が良好である。
【0038】
上記の原理を考慮して、本発明のプロセスは、シール層のために超音波シール可能なオレフィン系ポリマーを選択することを含む。本明細書で用いられる場合、「超音波シール可能なオレフィン系ポリマー、」(またはUSOP)は、超音波エネルギーに供されるときにシールを形成し、以下の特性のそれぞれを有するオレフィン系ポリマーである:
【0039】
(a)130J/g未満の、本明細書に記載される示差走査熱量測定(DSC)によって測定される、融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満の、本明細書に記載される(DSC)方法によって測定される、ピーク融解温度(Tm)、
(c)G’が本明細書に記載される動的機械熱分析(DMTA)によって測定される弾性率の同相成分である、10℃で50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)G”が本明細書に記載される動的機械熱分析(DMTA)によって測定される弾性率の異相成分である、10℃で10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)。
【0040】
一実施形態において、USOPは、超音波エネルギーに供されるときにシールを形成し、以下の特性のそれぞれを有するオレフィン系ポリマーである:
【0041】
(a)50J/g〜130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)90℃を超えて125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)10℃で50MPa〜350Mpaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えて40MPaまでのせん断損失弾性率(G”)。
【0042】
一実施形態において、超音波シール可能なオレフィン系ポリマーは、プロピレン系プラストマーまたはエラストマー(「PBPE」)である。「プロピレン系プラストマーまたはエラストマー」(または「PBPE」)は、プロピレンに由来する単位の少なくとも50重量パーセント及びプロピレン以外のコモノマーに由来する単位の少なくとも約5重量パーセントを有する少なくとも1つのコポリマーを含む。そのようなPBPEタイプのポリマーは、米国特許第6,960,635号及び同第6,525,157号にさらに記載され、参照により本明細書に組み込まれる。そのようなPBPEは、商品名VERSIFYでThe Dow Chemical Companyから市販されるか、または商品名VISTAMAXXでExxonMobil Chemical Companyから市販される。
【0043】
一実施形態において、PBPEは、さらに、(A)プロピレンに由来する単位の60〜100未満、80〜99、または85〜99重量%、及び(B)エチレン及び任意に1つ以上のC4ー10−オレフィンに由来する単位のゼロを超えて40までの、または1〜20、4〜16、または4〜15重量%を含むと特徴付けられ、かつ平均少なくとも0.001、少なくとも0.005、または少なくとも0.01の長鎖分岐/1000全炭素を含有すると特徴付けられ、用語長鎖分岐は、短鎖分岐より少なくとも1つ多い炭素の鎖長を指し、短鎖分岐は、コモノマー中の炭素の数より2つ少ない炭素の鎖長を指す。例えば、プロピレン/1−オクテンインターポリマーは、長さが少なくとも7個の炭素の長鎖分岐を有する骨格を有するが、これらの骨格は、長さが6個のみの炭素の短鎖分岐も有する。プロピレン/エチレンコポリマーインターポリマーにおける長鎖分岐の最大数は、3長鎖分岐/1000全炭素を超えない。
【0044】
一実施形態において、PBPEコポリマーは、55℃〜125℃未満の融解温度(Tm)を有する。
【0045】
USOPに適したPBPEの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なVERSIFY 2000及びVERSIFY 2200を含む。
【0046】
一実施形態において、超音波シール可能なオレフィン系ポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレンである。直鎖状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)は、重合形態において、LLDPEの総重量に基づいてエチレンに由来する単位の大部分の重量パーセントを含む。一実施形態において、LLDPEは、エチレンのインターポリマー及び少なくとも1つのエチレン性不飽和コモノマーである。一実施形態において、コモノマーは、C−C20α−オレフィンである。別の実施形態において、コモノマーは、C−Cα−オレフィンである。別の実施形態において、C−Cα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンから選択される。一実施形態において、LLDPEは、以下のコポリマーから選択される:エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、及びエチレン/オクテンコポリマー。さらなる実施形態において、LLDPEは、エチレン/オクテンコポリマーである。
【0047】
一実施形態において、LLDPEは、0.865g/cc〜0.940g/cc、または0.90g/cc〜0.94g/ccの範囲の密度を有する。LLDPEは、0.1g/10分〜10g/10分、または0.5g/10分〜5g/10分のメルトインデックス(MI)を有する。
【0048】
LLDPEは、チーグラー・ナッタ触媒またはシングルサイト触媒、例えば、バナジウム触媒、拘束幾何触媒、及びメタロセン触媒で生成することができる。一実施形態において、LLDPEは、チーグラー・ナッタタイプの触媒で生成される。LLDPEは、直鎖状であり、長鎖分枝を含有せず、分岐した、または不均質に分岐したポリエチレンである低密度ポリエチレン(「LDPE」)と異なる。LDPEは、主なポリマー骨格から延在する比較的多数の長鎖分岐を有する。LDPEは、フリーラジカル開始剤を用いて高圧で調製することができ、典型的には、0.915g/cc〜0.940g/ccの密度を有する。
【0049】
一実施形態において、LLDPEは、チーグラー・ナッタ触媒エチレン及びオクテンコポリマーであり、0.90g/cc〜0.93g/cc、または0.92g/ccの密度を有する。適したチーグラー・ナッタ触媒LLDPEの非限定的な例は、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能な商品名DOWLEXで販売されるポリマーである。
【0050】
USOPに適したLLDPEの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なDOWLEX 5056Gを含む。
【0051】
一実施形態において、超音波シール可能なオレフィン系ポリマーは、超低密度ポリエチレンである。超低密度ポリエチレン(「ULDPE」)は、重合形態において、ULDPEの総重量に基づいてエチレンに由来する単位の大部分の重量パーセントを含む。一実施形態において、ULDPEは、エチレンのインターポリマー及び少なくとも1つのエチレン性不飽和コモノマーである。一実施形態において、コモノマーは、C−C20α−オレフィンである。別の実施形態において、コモノマーは、C−Cα−オレフィンである。別の実施形態において、C−Cα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンから選択される。一実施形態において、ULDPEは、以下のコポリマーから選択される:エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、及びエチレン/オクテンコポリマー。さらなる実施形態において、ULDPEは、エチレン/オクテンコポリマーである。
【0052】
一実施形態において、ULDPEは、0.900g/cc〜0.915g/ccの範囲の密度を有する。ULDPEは、0.1g/10分〜10g/10分、または0.5g/10分〜5g/10分のメルトインデックス(MI)を有する。
【0053】
USOPに適したULDPEの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なATTANE 4100及びATTANE SL4102を含む。
【0054】
一実施形態において、超音波シール可能なオレフィン系ポリマーは、ポリオレフィンプラストマー(またはPOP)である。適したPOPの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY PL 1881G等のエチレン/オクテンプラストマーを含む。
【0055】
一実施形態において、超音波シール可能なオレフィン系ポリマーは、エチレン/アクリル酸コポリマー(またはEAA)である。適したエチレン/アクリル酸コポリマーの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なPRIMACOR 1410である。
【0056】
一実施形態において、USPOは、ポリブテンである。
【0057】
一実施形態において、USOPは、プロピレン/ブテン/エチレンターポリマー等のプロピレン系ターポリマーである。
【0058】
プロセスは、第1の多層フィルムのシール層を第2の多層フィルムのシール層に接触させて、シール領域を形成することを含む。第2の多層フィルムは、第1の多層フィルムと同一であるか、または異なる多層フィルムの成分であり得る。第2の多層フィルムのシール層の組成物は、第1の多層フィルムのシール層の組成物と同一であり得るか、または異なり得る。
【0059】
一実施形態において、第2の多層フィルムは、第1の多層フィルムと同一の材料組成物及び構造を有する。
【0060】
プロセスは、さらに、シール領域に(i)超音波エネルギー及び(ii)2N/mm、または3N/mm、または4N/mm〜5N/mm、または6N/mmのシール力を供すること、及び30N/15mm、または31N/15mm、または32N/15mm、または33N/15mm、または34N/15mm、または35N/15mm、または36N/15mm、または37N/15mm、または38N/15mm、または39N/15mm、または40N/15mm、または45N/15mm、または50N/15mm、または55N/15mm、または60N/15mm、または65N/15mm〜70N/15mm、または75N/15mm、または80N/15mmのシール強度を有するシール層間に超音波シールを形成することを含む。
【0061】
超音波エネルギー及びシール力パラメータの非限定的な例を、以下の表Aに提供する。供するステップは、以下の表Aに示される任意のパラメータの組み合わせを含み得る。
【表A】
【0062】
出願人は、USOP(特性(a)〜(d))に対する要件を満たすポリマー材料が、最小のシール力(2〜6N/mm)を用いて強力な超音波シール形成(30〜80N/15mm)を予想外に可能にすることを発見した。特定の理論に制限されず、上述の特性(a)〜(d)を有するUSOPの選択は、適した超音波シールを生成するために必要とされるシール力を相乗的に最小化すると考えられる。最小のシール力(2〜6N/mm)は、有利に、(i)フィルムポリマーへの応力を低減し、(ii)他のフィルム層(例えば、障壁層等)への損傷を低減または除去し、(iii)シール領域からのポリマーの「押出し」を低減または除去し、及び(iv)混入物がシール領域内に存在するときのシール形成を可能にする。特定の超音波シール用途と適合するように特性(a)〜(d)を適合させることで、本発明のプロセスは、それぞれ、例えば、FFS生成の場合等の可撓性ポーチの商業規模の生成時に有利である、より少ないエネルギーを用いること(荷重強度を最小化すること)及びシール不良を最小化することによって、生成効率を有利に増加させる。
【0063】
一実施形態において、第1の多層フィルムのシール層及び第2の多層フィルムのシール層は、同一の材料である。
【0064】
一実施形態において、多層フィルムは、対向するシール層が互いに向き合うようにその上に折り畳まれ、シール領域を形成する。この実施形態において、第1の多層フィルムは、折り畳まれた第1の部分であり、第2の多層フィルムは、その上に折り畳まれる、折り畳まれたフィルムの第2の部分である。言い換えると、第2の多層フィルムは、シール層にわたって折り畳まれ、シール層に対して対向して設置される、多層フィルムの一部である。同一のシール層の一部を互いに対して対向して設置して、シールを形成する、単一の多層フィルムの操作は、例えば、フォーム、フィル、及びシール包装システムにおいて行われる。
【0065】
一実施形態において、シール領域内のフィルム部分は、超音波シール装置のホーン及びアンビルと接触する。プロセスは、形成するステップ時に、ホーンを、0ミクロン、または0ミクロンを超える、または2ミクロン、または5ミクロンから10ミクロン、または15ミクロン、または20ミクロンの距離に移動させることを含む。シールプロセス時のホーン移動は、例えば、レーザーセンサーを用いて測定することができる。この方法で、本発明のプロセスは、超音波シールプロセス時に、シール領域へのホーン移動を有利に低減または除去する。
【0066】
一実施形態において、バッキング層は、ポリ(エチレンテレフタレート)(またはPET)であり、シール層は、単層であり、USOPを含む。シール層内に存在するUSOPは、ULDPE及びPOPから選択される。プロセスは、シール領域に超音波エネルギー及び4N/mm〜6N/mm、または4N/mmのシール力に供すること、及び37N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成することを含む。
【0067】
一実施形態において、バッキング層は、BOPPであり、シール層は、単層であり、ULDPE、PBPE、及びPOPから選択されるUSOPを含む。プロセスは、シール領域に超音波エネルギー及び3N/mm〜6N/mmまたは4N/mmのシール力を供すること、及び55N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成することを含む。
【0068】
一実施形態において、シール層は、共押出構造を含む。共押出構造は、表面層、コア層、及び内層を含む。バッキング層は、共押出構造に積層される。これは、以下の層構造を有する多層フィルムを形成する:バッキング層/接着剤層/内層/コア層/表面層。表面層は、接触層である。内層は、バッキング層とコア層との間に位置する。コア層は、ULDPE、PBPE、及びPOPから選択されるUSOPを含む。プロセスは、シール領域に超音波エネルギー及び4N/mmのシール力を供すること、及び35N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成することを含む。
【0069】
一実施形態において、シールは、共押出構造を含む。共押出構造は、表面層、コア層、及び内層を含む。コア層及び任意に内層は、USOPを含む。表面層は、USOPがない。プロセスは、35N/15mm〜50N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成することを含む。USOPの適切な選択で、本発明のプロセスは、表面層ではない共押出層のうちの1つにUSOPを設置することを可能にする。特性(a)〜(d)を有するUSOPの選択は、強力な超音波シール(30〜80N/15mm)を生成するためにUSOPが表面層に存在することを必要としないことを、出願人は予想外に発見した。
【0070】
2.混合物
第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムにおける任意の層は、2つ以上の成分の混合物であり得る。
【0071】
一実施形態において、多層フィルムは、シール層である共押出構造を含む。コア層及び任意に内層は、低密度ポリエチレン及びUSOPの混合物を含む。表面層は、LDPEがない。用語「低密度ポリエチレンまたは「LDPE」は、管状高圧重合プロセス等のオートクレーブまたは高圧重合プロセスで作られるポリエチレンである。さらなる実施形態において、LDPEは、直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンを除外する。LDPEは、0.2g/10分、または0.5g/10分〜10g/10分、または20g/10分、または50g/10分のメルトインデックス(MI)を有する。
【0072】
LDPEは、0.915g/cc〜0.925g/cc、または0.930g/cc、0.935g/cc、または0.940g/ccの密度を有する。
【0073】
一実施形態において、多層フィルムは、障壁層を含む。障壁層は、バッキング層とシール層との間に位置する内層である。障壁層に適したポリマーは、HDPE、LLDPE、LDPE、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、無水マレイン酸変性ポリエチレン、ポリアミド(PA)、環状オレフィンコポリマー(COC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、プロピレンホモポリマー(PP)及び塩化ビニリデンポリマー、ならびにそれらの組み合わせを含む。
【0074】
多くの商業的用途において、2つの超音波シール可能な可撓性フィルムは、第1の多層フィルムのシール層が第2の多層フィルムのシール層と接触するように、第2の多層フィルムが第1の多層フィルム上に重ねられるように、共に用いられる。他の用途において、単一の多層フィルムまたは単一のシートは、同一のシール層の2つの表面が互いに接触するように折り畳まれ得る。
【0075】
本発明のプロセスは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0076】
3.フィルム構造
本発明のプロセスは、シールされたフィルム構造を生成する。一実施形態において、プロセスは、フィルム構造を生成する。フィルム構造は、第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムを含む。各多層フィルムは、バッキング層及びシール層を含む。各シール層は、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含む:
【0077】
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)。
【0078】
多層フィルムは、第1の多層フィルムのシール層が第2の多層フィルムのシール層と接触するように配置される。シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0079】
一実施形態において、4N/mmで超音波シールされると、シール層は、30N/15mm、または31N/15mm、または32N/15mm、または33N/15mm、または34N/15mm、または35N/15mm、または36N/15mm、または37N/15mm、または38N/15mm、または39N/15mm、または40N/15mm、または45N/15mm、または50N/15mm、または55N/15mm、または60N/15mm、または65N/15mm〜70N/15mm、または75N/15mm、または80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0080】
一実施形態において、フィルム構造のバッキング層は、PET、ポリアミド、BOPP、金属箔、及びそれらの組み合わせから選択される材料である。
【0081】
一実施形態において、フィルム構造のUSOPは、PBPE、LLDPE、ULDPE、POP、及びそれらの組み合わせから選択される材料である。
【0082】
一実施形態において、多層フィルムは、障壁層を含む。
【0083】
一実施形態において、第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムは、単一の可撓性シートの成分である。単一の可撓性シートは、第2の多層フィルムを第1の多層フィルム上に重ねるように折り畳まれる。
【0084】
一実施形態において、フィルム構造は、多層フィルムを含み、バッキング層は、BOPPを含み、シール層は、ULDPE、POP、及びPBPEから選択されるUSOPを含む単層である。シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、55N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0085】
一実施形態において、フィルム構造は、多層フィルムを含み、バッキング層は、PETであり、シール層は、ULDPE、POP、及びPBPEから選択されるUSOPを含む単層である。シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、37N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0086】
一実施形態において、フィルム構造は、多層フィルムを含み、シール層は、表面層、コア層、及び内層を含む共押出構造である。表面層は、ULDPE、POP、及びPBPEから選択されるUSOPを含む。シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、35N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0087】
一実施形態において、フィルム構造は、多層フィルムを含み、シール層は、表面層、コア層、及び内層を含む共押出構造である。コア層及び内層のうちの少なくとも1つは、ULDPE、POP、及びPBPEから選択されるUSOPを含む。表面層は、USOPがない。シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、35N/15mm〜50N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0088】
一実施形態において、フィルム構造は、多層フィルムを含み、第2の多層フィルムは、第1の多層フィルムの上に重ねられて、共通の周縁部を形成する。超音波シールは、共通の周縁部に沿って位置する。
【0089】
一実施形態において、超音波シールは、硬性シールである。
【0090】
一実施形態において、超音波シールは、破砕性シールである。
【0091】
一実施形態において、本開示は、本発明のフィルム構造を含む可撓性容器を含む。適した可撓性容器の非限定的な例は、ポーチ、小袋、スタンド式ポーチ、及びフォーム−フィル−及びシールポーチを含む。
【0092】
本発明のフィルム構造は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0093】
4.可撓性容器
本発明のプロセスは、可撓性容器を生成する。一実施形態において、可撓性容器は、第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムを含む。各多層フィルムは、バッキング層及びシール層を含む。シール層は、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含む:
【0094】
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)。
【0095】
多層フィルムは、各多層フィルムのシール層が互いに接触するように配置され、第2の多層フィルムは、第1の多層フィルム上に重ねられて、共通の周縁部を形成する。可撓性容器は、2倍ゾーン及び4倍ゾーンを含む。2倍ゾーン及び4倍ゾーンは、ゾーンが4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールをそれぞれ形成する。
【0096】
一実施形態において、2倍ゾーン及び4倍ゾーンは、4N/mmで超音波シールされ、30N/15mm、または31N/15mm、または32N/15mm、または33N/15mm、または34N/15mm、または35N/15mm、または36N/15mm、または37N/15mm、または38N/15mm、または39N/15mm、または40N/15mm、または45N/15mm、または50N/15mm、または55N/15mm、または60N/15mm、または65N/15mm〜70N/15mm、または75N/15mm、または80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する。
【0097】
一実施形態において、2倍ゾーンは、共通の周縁部の少なくとも一部を含む。
【0098】
一実施形態において、4倍ゾーンは、縦方向シールの少なくとも一部を含む。
【0099】
一実施形態において、可撓性容器の多層フィルムは、PET及びBOPPから選択されるバッキング層を含む。
【0100】
一実施形態において、可撓性容器は、多層フィルムを含み、シール層は、単層であり、ULDPE、POP、PBPE、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるUSOPを含む。
【0101】
一実施形態において、2倍ゾーンは、ガセットシールである。
【0102】
一実施形態において、4倍ゾーンは、断面フィンシールである。
【0103】
適した可撓性容器の非限定的な例は、ポーチ、小袋、スタンド式ポーチ、及びフォーム−フィル−及びシールポーチを含む。
【0104】
可撓性容器による封じ込めに適した内容物の非限定的な例は、食品(飲料、スープ、チーズ、シリアル、スナック、クラッカー、ポテトチップ)、液体、シャンプー、油、ワックス、軟化薬、ローション、保湿剤、薬剤、ペースト、界面活性剤、ゲル、接着剤、懸濁液、溶液、酵素、石鹸、化粧品、リニメント剤、流動性微粒子、及びそれらの組み合わせを含む。
【0105】
本発明の可撓性容器は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含む。
【0106】
定義
否定する記載がない限り、文脈から暗に、または本技術分野において慣習的に、全ての部及びパーセントは、重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で現行のものである。
【0107】
本明細書で用いられる場合、用語「組成物」は、組成物を含む材料の混合物、ならびに反応生成物及び組成物の材料から形成される分解生成物を含む。
【0108】
用語「含む」及びその派生語は、任意のさらなる成分、ステップ、または手順が、本明細書で開示されているかにかかわらず、それらの存在を除外するよう意図されない。曖昧さを避けるために、用語「含む」の使用を通じて、本明細書で主張される全ての組成物は、否定する記載がない限り、任意のさらなる添加剤、アジュバント、またはポリマー化合物であるかにかかわらず化合物を含み得る。対照的に、用語「から本質的に成る」は、実施可能性に不可欠でないものを除き、任意の次に続く詳説の範囲から他の任意の成分、ステップ、または手順を除外する。用語「から成る」は、具体的に規定または列挙されていない任意の成分、ステップ、または手順を除外する。用語「または」は、別途示されない限り、個々に、または任意の組み合わせで列挙されている部材を指す。
【0109】
本明細書で用いられる場合、用語「エチレン系ポリマー」は、重合形態において、(ポリマーの重量に基づいて)エチレンモノマーの大部分の量を含むポリマーを指し、任意に、1つ以上のコモノマーを含み得る。
【0110】
本明細書で用いられる場合、用語オレフィン系ポリマー」は、重合形態において、(ポリマーの重量に基づいて)、例えば、エチレンまたはプロピレン等のオレフィンモノマーの大部分の量を指す。
【0111】
本明細書で用いられる場合、用語「プロピレン系ポリマー」は、重合形態において、(ポリマーの重量に基づいて)プロピレンモノマーの大部分の量を含むポリマーを指し、任意に、1つ以上のコモノマーを含み得る。
【0112】
本明細書で用いられる場合、用語「プロピレン/エチレンコポリマー」は、重合形態において、(ポリマーの重量に基づいて)プロピレンモノマーの大部分の量及びエチレンコモノマーの少量を含み、任意に、1つ以上のさらなるコモノマーを含み得る。
【0113】
試験方法
ASTM D792に従い密度を測定する。
【0114】
DMTA(動的機械熱分析)
試料を、185℃で顆粒から圧縮成形し、10±5℃/分の平均冷却速度で凝固させる。成形したシートから長方形の試料を測定のためにカットする。ねじれの動的機械測定を、−100℃から試料の完全な融解温度の付近の温度範囲で、TA Instrumentsによる回転レオメータARESで行う。温度は、120秒のソーク時間で5℃ずつ上昇する。10rad/sの周波数で0.1%の動的振動変形を、長さ30mm、幅12.7mm、及び厚さ2.8mmの長方形の試料に適用する。測定したトルクを用いて、温度の関数として、せん断貯蔵及び損失弾性率G’及びG”を計算する。
【0115】
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)を用いて、ポリマー(例えば、エチレン系(PE)ポリマー)の融解及び結晶化挙動を測定する。最初に、試料を、約175℃で薄膜フィルムに融解加圧し、その後、室温まで冷却する。約5〜8mgのポリマーフィルム試料を、ダイパンチでカットし、秤量し、DSC皿に設置する。蓋を皿に圧着して、閉雰囲気を確実にする。試料皿を、窒素ガスでパージした、較正されたDSCセルに設置し、その後、PEの場合、約10℃/分の速度で180℃の温度まで加熱する。試料を、3分間この温度で保持する。その後、試料を、10℃/分の速度で−40℃まで冷却して、結晶化トレースを記録し、3分間その温度で等温的に保持する。その後、試料を完全な融解まで10℃/分の速度で再加熱し、結果としての第2の融解トレースを用いて、融解熱及び融解温度を計算する。パーセント結晶化度は、第2の加熱曲線から判定される融解熱(H)を、PEの場合、292J/gf(PPの場合、165J/g)の理論熱融解で割り、この量に100を掛けることによって計算する(例えば、%結晶化度=(H/292J/g)×100(PEの場合))。
【0116】
別途述べられない限り、ピーク融点(T)は、第2の加熱曲線から判定し、吸熱量の最高ピークの温度と一致する。結晶化温度(T)は、冷却曲線(ピークTc)から判定する。
【0117】
メルトフローレートまたはMFRを、ASTM D 1238、条件230℃/2.16kgに従い測定する。
【0118】
メルトインデックスまたはMIを、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kgに従い測定する。
【0119】
シール強度
シールは、シールバーを構成インフレーションフィルムの横方向に整列させることによって、幅100mmの試料を用いて行う。幅15mmの3つの試料をシール強度の測定のためにカットする。手順を3回繰り返して、シール強度試験のために合計9つの検体を取得する。シール強度は、DIN 55529に従って測定する。引っ張り速度は、T剥離形状に荷重される長さ50mmアームの場合、100mm/分である。シール強度は、最大の力伸長曲線から判定される。報告される値は、9つの検体のシール強度の平均及び標準偏差である。
【0120】
次に、いくつかの本開示の実施形態を、以下の実施例において詳細に説明する。
【実施例】
【0121】
1.材料
本発明の実施例の材料及び比較試料を以下の表1に提供する。
【表1-1】
【表1-2】
【0122】
図1は、表1のUSOPを含むいくつかのUSOPに対するG’対G”のプロットを示す。
【0123】
実施例1
シール層は、インフレーションフィルム押出しによって形成される単層構造または共押出構造であり得る。
1.単層インフレーションフィルムを、45mm(28L/D)の押出機及び150mm直径のダイを有するCovexインフレーションフィルムライン上で調製する。ダイギャップは、LLDPE及びエチレンコポリマーでは1.5mm、LDPEでは1.0mm、及びプロピレンコポリマーでは2.0mmである。50ミクロンゲージのフィルムを、2.5のブローアップ比を用いて22.5kg/hで生成する。融解温度は、220℃である。フィルムを、44ダインの表面張力のためにコロナ処理する。
2.共押出多層インフレーションフィルムを、2台の50mm表面押出機(30L/D)及び65mmコア層押出機(30L/D)ならびに内部気泡冷却が装備されている200mm直径のダイを備えるAlpineライン上で調製する。ダイギャップは、2.5mmである。50ミクロンゲージのフィルムを、三層構造に対して1:3:1の公称厚さ比を用いて、115kg/hの総出力速度で生成する。ブローアップ比は、2.5であり、融解温度は、約230℃である。フィルムを、44ダインの表面張力のためにシーラントの側面でコロナ処理する。
【0124】
多層フィルムを、50ミクロンシール層(単層構造または共押出構造のいずれか)上にバッキング層(12ミクロンPET層または20ミクロンBOPP層)を積層することによって生成する。バッキング層は、接着剤層を用いてシール層に積層される。積層をオーブン硬化して、接着剤を完全に硬化し、超音波シール可能な可撓性フィルム構造を形成する。シール層が共押出構造である場合、多層フィルムは、以下の層構成を有する:バッキング層(12または20)/接着剤層/内層(10)/コア層(30)/表面層(10)、括弧内はミクロンでの厚さ)。
【0125】
多層フィルムは、以下の表2に提供される条件で超音波シールされる。
【0126】
表2は、多層フィルムを評価するために用いられる超音波シール条件を提供する。
【表2】
【0127】
対向する多層フィルムのシール層は互いに接触するように設置され、上記の表2の超音波シール条件に供される。
【0128】
図2Aは、図2Bに概略的に表されるような平面シール形状で生成される超音波シールの概略図である。
【0129】
図3Aは、図3Bに概略的に表されるような2倍/4倍シール形状で生成される2倍ゾーン及び4倍ゾーンに対する超音波シールの概略図である。
【0130】
以下の表3は、本発明の超音波ヒートシール及び比較試料に対する特性を提供する。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0131】
考察
図4〜6は、単層シール層及びPETバッキング層またはBOPPバッキング層を有する多層フィルムに対する超音波シール強度(USS)対シール力曲線を示す。
【0132】
図7は、単層シール層及び共押出シール層に対するUSS対シール力を示す。実施例6の単層シールは、実施例16(AFFINITY 1881G)の表面層と同一である。実施例5の単層シールは、実施例17(ATTANE 4102)の表面層と同一である。実施例8の単層は、実施例18(VERSIFY 2200)の表面層と同一である。
【0133】
図8は、2倍/4倍シール形状で製造される超音波シールに対するUSS対シール力曲線を示す。
【0134】
A.出願人は、USOPが(i)単層シール層、(ii)共押出シール層の表面層、または(iii)共押出シール層のコア層及び/または内層に存在すること、及び表面層にないこと、ならびにシール力が、35〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを生成することを発見した。言い換えると、USOPは、強力な超音波シールの生成に寄与するために、表面層に存在する必要はない。
【0135】
B.出願人は、シール層内のUSOPがバッキング層に適合されると、バッキング層は、強化されたUSSに相乗的に寄与する。バッキング層がBOPPである場合、4〜6N/mm、または4N/mmのシール力は、55N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを生成する。バッキング層及びUSOPの適切な選択で、層は、シール強度の向上に寄与する。
【0136】
C.出願人は、2倍ゾーン及び4倍ゾーンを有し、4N/mmのシール力で超音波シールされる、可撓性フィルム容器におけるUSOPの使用は、ヒートシールされた同一の2倍/4倍シールより0.8大きいUSSを有することを発見した(0.8大きいUSS:PHSS比)。
【0137】
本開示は、本明細書に包含される実施形態及び例示に限定されないが、以下の特許請求の範囲に入る、実施形態の一部及び様々な実施形態の要素の組み合わせを含む、それらの実施形態の修正された形態を含むよう特に意図される。

本発明は、以下の態様を含む。
[1]
超音波ポリマーシールを生成するためのプロセスであって、
バッキング層と、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含むシール層と、を含む多層フィルムを調製することと、
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)
前記多層フィルムの前記シール層を第2の多層フィルムのシール層と接触させて、シール領域を形成することと、
前記シール領域に超音波エネルギーを供することと、
30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成することと、を含む、前記プロセス。
[2]
前記シール領域に(i)超音波エネルギー及び(ii)2N/mm〜6N/mmのシール力を供することを含む、[1]に記載の前記プロセス。
[3]
超音波シール装置のホーンとアンビルとの間に前記シール領域を設置することと、前記シール領域に(i)超音波エネルギー及び(ii)4N/mmのシール力を供することと、を含む、[1]に記載の前記プロセス。
[4]
第1の多層フィルム及び第2の多層フィルムを含むフィルム構造であって、各多層フィルムは、バッキング層及びシール層を含み、各シール層は、以下の特性を有する超音波シール可能なオレフィン系ポリマー(USOP)を含み、
(a)130J/g未満の融解熱(ΔHm)、
(b)125℃未満のピーク融解温度(Tm)、
(c)50MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率(G’)、及び
(d)10MPaを超えるせん断損失弾性率(G”)
前記多層フィルムは、前記第1の多層フィルムの前記シール層が前記第2の多層フィルムの前記シール層と接触するように配置され、
前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、前記フィルム構造。
[5]
前記バッキング層は、PET、ポリアミド、BOPP、及び金属箔から成る群から選択される材料である、[4]に記載の前記フィルム構造。
[6]
前記USOPは、PBPE、LLDPE、ULDPE、POP、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料である、[4]または[5]のいずれかに記載の前記フィルム構造。
[7]
前記第1の多層フィルム及び前記第2の多層フィルムは、前記第2の多層フィルムを前記第1の多層フィルム上に重ねるように折り畳まれる単一の可撓性シートの成分である、[4]〜[6]のいずれかに記載の前記フィルム構造。
[8]
前記バッキング層は、BOPPを含み、前記シール層は、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含む単層であり、前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、55N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、[4]〜[7]のいずれかに記載の前記フィルム構造。
[9]
前記バッキング層は、PETであり、前記シール層は、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含む単層であり、前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、37N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、[4]〜[7]のいずれかに記載の前記フィルム構造。
[10]
前記シール層は、表面層、コア層、及び内層を含む共押出構造であり、
前記表面層は、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含み、
前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、35N/15mm〜55N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、[4]〜[7]のいずれかに記載の前記フィルム構造。
[11]
前記シール層は、表面層、コア層、及び内層を含む共押出構造であり、
前記コア層及び前記内層のうちの少なくとも1つは、ULDPE、POP、及びPBPEから成る群から選択されるUSOPを含み、
前記表面層は、USOPがなく、
前記シール層は、4N/mmのシール力で超音波シールされると、35N/15mm〜50N/15mmのシール強度を有する超音波シールを形成する、[4]〜[7]のいずれかに記載の前記フィルム構造。
[12]
前記第2の多層フィルムは、前記第1の多層フィルム上に重ねられて、共通の周縁部を形成し、前記超音波シールは、前記共通の周縁部に沿って位置する、[4]〜[11]のいずれかに記載の前記フィルム構造。
[13]
前記多層フィルムは、各多層フィルムの前記シール層が互いに接触するように配置され、前記第2の多層フィルムは、前記第1の多層フィルム上に重ねられて、共通の周縁部を形成する、[4]に記載の前記フィルム構造と、
2倍ゾーン及び4倍ゾーンであって、前記ゾーンが4N/mmのシール力で超音波シールされると、30N/15mm〜80N/15mmのシール強度を有する超音波シールをそれぞれ形成する、2倍ゾーン及び4倍ゾーンと、を含む、可撓性容器。
[14]
前記2倍ゾーンは、前記共通の周縁部の少なくとも一部を含む、[13]に記載の前記可撓性容器。
[15]
前記4倍ゾーンは、縦方向シールの少なくとも一部を含む、[13]または[14]のいずれかに記載の前記可撓性容器。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8