(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出口ハウジングに対する前記旋回ディスクの回転を制限するために前記旋回ディスクがストッパ面の第1の対を含むとともに前記出口ハウジングがストッパ面の第2の対を含み、
前記ストッパ面の対のそれぞれは、前記出口ハウジングに対する前記旋回ディスクの回転を180°よりも大きく360°よりも小さい角度に制限するように配置される請求項1に記載の接続アセンブリ。
前記出口コネクタは、前記旋回ディスク上に位置される少なくとも1つの対応する切り欠きを介して前記出口コネクタを前記旋回ディスクに対して解放可能に接続するための少なくとも1つの保持機能部を含み、
前記出口コネクタが少なくとも1つのタブを含み、前記少なくとも1つの保持機能部のそれぞれが対応するアクチュエータを有する対応するタブ上に位置され、
前記アクチュエータのそれぞれは、前記旋回ディスクの対応する切り欠きから前記保持機能部のそれぞれを解放するようになっている請求項7から9のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【背景技術】
【0002】
3(B)技術の背景
3.1(1)技術の分野
本技術は、呼吸器疾患の診断、処置、及び、改善のうちの1つ以上に関するとともに、呼吸器疾患を防止するための手順に関する。特に、本技術は、呼吸器疾患を処置するとともに呼吸器疾患を防止するための医療機器及び該医療機器の使用に関する。
【0003】
3.2(2)関連技術の説明
身体の呼吸器系は、ガス交換を容易にする。鼻及び口は、患者の気道への入口を形成する。
【0004】
気道は一連の分岐管から成り、これらの分岐管は、それらが肺の中へとより深くまで入り込むにつれて、より細くなり、より短くなり、より多くなる。肺の主な機能はガス交換であり、それにより、酸素が空気から静脈血中へと移動できるとともに、二酸化炭素が外部へ移動できる。気管は左右の主気管支へと分かれ、更に、主気管支は最終的に終末細気管支へと分かれる。気管支は、誘導気道を形成するとともに、ガス交換に関与しない。気道の更なる分割は、呼吸細気管支をもたらし、最終的に肺胞をもたらす。肺の肺胞領域は、ガス交換が行われる場所であり、呼吸域と称される。これについては、ウエスト呼吸生理学−必須(Respiratory Physiology−the essentials)を参照されたい。
【0005】
一連の呼吸器疾患が存在する。
【0006】
睡眠呼吸障害(SDB)の一形態である閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠中の上部気道の閉鎖又は閉塞によって特徴付けられる。OSAは、異常に小さい上気道と、睡眠中の舌、軟口蓋、及び、後口腔咽頭壁の領域における筋緊張の通常の損失との組み合わせに起因する。病状により、罹患患者は、一般に30〜120秒の持続期間にわたって、時として夜ごとに200〜300回呼吸を停止する。それにより、しばしば、過度の日中傾眠を引き起こすとともに、循環器疾患及び脳損傷を引き起こす場合がある。該症候群は特に中高年の肥満男性に一般的な疾患であるが、罹患者はその問題に気付いていない場合がある。これについては、米国特許第4,944,310号明細書(Sullivan)を参照されたい。
【0007】
チェーン−ストークス呼吸(CSR)は、動脈血の脱酸素及び再酸素化の繰り返しを引き起こす、換気量の増大及び減少の律動的な交互の周期が存在する患者の呼吸制御器の疾患である。CSRは、反復性の低酸素症に起因して有害であると考えられる。一部の患者において、CSRは、重度の睡眠乱れ、交感神経作用の増大、及び、後負荷の増大を引き起こす、睡眠からの繰り返し覚醒と関連付けられる。これについては、米国特許第6,532,959号明細書(Berthon−Jones)を参照されたい。
【0008】
肥満低換気症候群(OHS)は、低換気の他の既知の原因がない場合の重度の肥満と覚醒慢性的高炭酸ガス血症との組み合わせとして規定される。症状としては、呼吸困難、起床時の頭痛、及び、過度の日中の眠気が挙げられる。
【0009】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、特定の特徴を共通して有する任意の一群の下気道疾患を包含する。これらの特徴としては、空気移動に対する抵抗の増大、呼吸の長い呼気相、及び、肺の正常な弾力性の損失が挙げられる。COPDの例は、肺気腫及び慢性気管支炎である。COPDは、慢性的なタバコ喫煙(第一危険因子)、職業被爆、空気汚染、及び、遺伝因子によって引き起こされる。症状としては、労作時の呼吸困難、慢性咳、及び、痰が出ることが挙げられる。
【0010】
神経筋疾患(NMD)は、内在筋病変を介して直接的に或いは神経病変を介して間接的に筋肉の機能を低下させる多くの疾患及び病気を包含する広義語である。一部のNMD患者は、歩行能力の喪失をもたらす進行性筋肉機能障害、車いすに束縛されること、嚥下障害、呼吸筋力低下、及び、最終的には呼吸不全による死によって特徴付けられる。神経筋疾患は急速進行性と緩徐進行性とに分けられ得る。すなわち、(i)急速進行性疾患:数か月にわたって悪化して数年内に死をもたらす筋肉機能障害によって特徴付けられる(例えば、十代の若者の筋萎縮側索硬化症(ALS)及びデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD));(ii)可変進行性又は緩徐進行性の疾患:数年にわたって悪化して平均余命をほんの少し減少させる筋肉機能障害によって特徴付けられる(例えば、肢帯筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、及び、筋強直性ジストロフィー)。NMDにおける呼吸不全の症状としては、逓増的な全身衰弱、嚥下障害、労作時及び安静時の呼吸困難、疲労、眠気、起床時の頭痛、並びに、集中及び情緒変化の困難が挙げられる。
【0011】
胸壁疾患は、呼吸筋と胸郭との間の非効率的な結合をもたらす一群の胸郭変形である。疾患は、通常、拘束性障害によって特徴付けられるとともに、長期高炭酸ガス性呼吸不全を共有する。脊柱側弯症及び/又は脊椎後側弯症が重度の呼吸不全を引き起こす場合がある。呼吸不全の症状としては、労作時の呼吸困難、末梢浮腫、起座呼吸、反復性肺感染症、起床時の頭痛、疲れ、睡眠の質の低下、及び、食欲低下が挙げられる。
【0012】
それ以外には、健常人が、呼吸器疾患の発症を防止するためにシステム及び装置をうまく利用してもよい。
【0013】
3.2.1治療:
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を処置するために鼻持続的気道陽圧(CPAP)治療が使用されてきた。前提は、持続的気道陽圧が、空気圧スプリントとして作用するとともに、軟口蓋及び舌を後口腔咽頭壁から離れるように前方へ押し進めることによって上気道閉塞を防止し得ることである。
【0014】
非侵襲的換気(NIV)は、呼吸仕事量の一部又は全てを行なうことによって、上気道を通じた患者の換気を補助して、患者が深く息を吸うこと/適切な酸素レベルを体内で維持すること助ける。換気補助は、患者インタフェースを介して与えられる。OHS、COPD、MD、及び、胸壁疾患を処置するために非侵襲的換気(NIV)が使用されてきた。
【0015】
侵襲的換気(IV)は、もはや自身で効果的に呼吸できない患者に対して換気補助を与え、また、気管切開チューブを使用して与えられてもよい。
【0016】
人工呼吸器が、患者内へ圧送される呼気のタイミング及び圧力を制御してもよく、また、患者により取り込まれる呼気を監視してもよい。患者を制御して監視する方法は、一般に、容量サイクル式方法及び圧力サイクル式方法を含む。容量サイクル式方法としては、数ある中で、圧力調整式容量制御(PRVC)技術、容量換気(VV)技術、及び、容量制御式連続強制換気(VC−CMV)技術を挙げることができる。圧力サイクル式方法としては、数ある中で、アシスト制御(AC)技術、同期的間欠的強制換気(SIMV)技術、調節機械換気(CMV)技術、圧補助換気(PSV)技術、鼻持続的気道陽圧(CPAP)技術、又は、呼気終末陽圧(PEEP)技術を挙げることができる。
【0017】
3.2.2 治療システム
治療システム又は呼吸治療システムは、呼吸圧力治療装置(RPT)装置、空気回路、加湿器、患者インタフェース、及び、データ管理を備えてもよい。
【0018】
3.2.2.1患者インタフェース
患者インタフェースは、例えば空気の流れを与えることによって、呼吸器をそのユーザに対して接続するために使用されてもよい。空気の流れは、マスクを介して鼻及び/又は口へ与えられてもよく、チューブを介して口へ与えられてもよく、或いは、気管切開チューブを介してユーザの気管へ与えられてもよい。適用されるべき治療に応じて、患者インタフェースは、治療をもたらすのに十分な周囲圧との差異がある圧力、例えば約10cmH2Oの陽圧のガスの送出を容易にするために、例えば患者の顔面領域とシールを形成してもよい。酸素の送出などの他の形態の治療において、患者インタフェースは、約10cmH2Oの陽圧の所定量のガスの気道への送出を容易にするのに十分なシールを含まない場合がある。
【0019】
患者インタフェースの設計は多くの課題を与える。顔は複雑な三次元形状を有する。鼻のサイズ及び形状は、個人間でかなり異なる。頭部は骨、軟骨、及び、軟組織を含むため、顔の異なる領域は、機械的な力に対して異なって反応する。顎及び下顎は、頭蓋骨の他の骨に対して移動し得る。頭部全体は、呼吸治療の期間の経過中にわたって移動し得る。
【0020】
これらの課題の結果として、一部のマスクは、非常に目立ち、審美的に望ましくない、高価である、嵌め付け具合いが悪い、使用するのが難しい、及び、特に長期間にわたって着用されるとき或いは患者がシステムに不慣れなときに不快であるといったことのうちの1つ以上に見舞われる。例えば、飛行士のためのみに形成されるマスク、個人的保護機器の一部として形成されるマスク(例えば、フィルタマスク)、SCUBAマスク、又は、麻酔薬の投与のために形成さえるマスクは、それらの当初の適用においては許容できる場合があるが、それにもかかわらず、長期間、例えば数時間にわたって着用するには不快であり、望ましくない。この不快は、患者の治療順守の低下をもたらす場合がある。これは、マスクが睡眠中に着用されなければならない場合には、なおさらである。
【0021】
鼻CPAP治療は、患者が治療を順守する場合には、特定の呼吸疾患を処置するのに非常に有効である。マスクが不快である或いは使用が難しい場合には、患者が治療を順守しない場合がある。患者が自分のマスクを定期的に洗浄することがしばしば推奨されるため、マスクの洗浄が難しい(例えば、組み付け或いは取り外しが難しい)場合には、患者が自分のマスクを洗浄しない場合があり、これにより、患者の順守に悪影響が及ぶ場合がある。
【0022】
他の用途のためのマスク(例えば、飛行士)は睡眠呼吸障害の処置で用いるのに適さない場合があるが、睡眠呼吸障害で用いるように設計されたマスクは他の用途に適する場合がある。
【0023】
これらの理由により、睡眠中の鼻CPAPの送出のためのマスクは、独特の分野を成す。
【0024】
3.2.2.1.1シール形成部
患者インタフェースはシール形成部を含む。シール形成部は患者の顔面と直接に接触しているため、シール形成部の形状及び形態は、患者インタフェースの有効性及び快適さに対して直接に影響を与え得る。
【0025】
患者インタフェースは、部分的に、シール形成部が使用時に顔面と係合するようになっているというその設計意図にしたがって特徴付けられてもよい。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部は、左右のそれぞれの鼻孔と係合するための2つのサブ部分を備えてもよい。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部は、使用時に両方の鼻孔を取り囲む単一要素を備えてもよい。そのような単一要素は、例えば、顔面の上唇領域及び鼻梁領域を覆い隠すように形成されてもよい。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部は、例えば顔面の下唇領域に対するシールを形成することよって使用時に口領域を取り囲む要素を備えてもよい。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部は、使用時に鼻孔領域及び口領域の両方を取り囲む単一要素を備えてもよい。これらの異なるタイプの患者インタフェースは、鼻マスク、フルフェースマスク、鼻枕、鼻パフ、及び、口鼻マスクを含むそれらの製造業者による様々な名前によって知られていてもよい。
【0026】
患者の顔面の1つの領域で有効な場合があるシール形成部は、例えば患者の顔面の異なる形状、構造、多様性、及び/又は、敏感領域に起因して、他の領域で適さない場合がある。例えば、患者の前頭を覆い隠すスイミングゴーグルに対するシールがは、患者の鼻での使用に適さない場合がある。
【0027】
特定のシール形成部は、1つの形態が幅広い範囲の異なる顔面形状及びサイズにわたって適合できるとともに快適で有効となり得るように大量生産向けに設計される場合がある。患者の顔面の形状と大量生産された患者インタフェースのシール形成部との間に不一致が存在する限り、一方又は両方は、シールが生じるように適合しなければならない。
【0028】
1つのタイプのシール形成部は、患者インタフェースの外周にわたって延在するとともに、シール形成部をユーザの顔面と突き合わせ係合させた状態で力が患者インタフェースに印加されるときにユーザの顔面に対してシールするようになっている。シール形成部は、空気充填クッション又は流体充填クッションを含んでもよく、或いは、ゴムなどのエラストマーから形成される弾性シール要素の成形面又は形成面を含んでもよい。この種のシール形成部を用いると、嵌め合いが適切でなければ、シール形成部と顔面との間に隙間が存在し、また、患者インタフェースを顔面に押して付けてシールを達成するために更なる力が必要とされる。
【0029】
他のタイプのシール形成部は、陽圧がマスク内に印加されるときにユーザの顔面に対する自己シール作用をもたらすようにマスクの外周にわたって位置される薄い材料のフラップシールを組み込む。これまでのスタイルのシール形成部のように、顔面とマスクとの間の適合が良くなければ、シールをもたらすために更なる力が必要とされる場合があり、或いは、マスクが漏れる場合がある。また、シール形成部の形状が患者の形状と適合しなければ、シール形成部が使用時に折れる或いは座屈する場合があり、それにより、漏れが生じる。
【0030】
他の形態のシール形成部は、シールをもたらすために接着剤を使用する場合がある。一部の患者は、接着剤を自分達の顔面に絶えず塗布して除去することが不便であると感じる場合がある。
【0031】
一連の患者インタフェースシール形成部技術は、レスメドリミテッドに譲渡された以下の特許出願、すなわち、国際特許出願公開第1998/004,310号明細書;国際特許出願公開第2006/074,513号明細書;国際特許出願公開第2010/135,785号明細書に開示される。鼻枕の1つの形態は、Puritan Bennettにより製造されたAdam Circuitにおいて見出される。他の鼻枕又は鼻パフは、Puritan Bennettコーポレーションに譲渡された米国特許第4,782,832号明細書(Trimble及びその他)の主題である。
【0032】
レスメドリミテッドは、鼻枕を組み込む以下の製品、すなわち、SWIFT鼻枕マスク、SWIFT II鼻枕マスク、SWIFT LT鼻枕マスク、SWIFT FX鼻枕マスク、及び、LIBERTYフルフェースマスクを製造してきた。レスメドリミテッドに譲渡された以下の特許出願、すなわち、国際特許出願公開第2004/073,778号明細書(数ある中でも、レスメドSWIFT鼻枕について記載する)、米国特許出願公開第2009/0044808号明細書(数ある中でも、レスメドSWIFT LT鼻枕について記載する)、国際特許出願公開第2005/063,328号明細書及び国際特許出願公開第2006/130,903号明細書(数ある中でも、レスメドLIBERTYフルフェースマスクについて記載する)、国際特許出願公開第2009/052,560号明細書(数ある中でも、レスメドSWIFT FX鼻枕について記載する)は、鼻枕マスクについて記載する。
【0033】
3.2.2.1.2位置決め安定化
陽圧空気治療のために使用される患者インタフェースのシール形成部は、シールに支障を来す空気圧の対応する力に晒される。したがって、シール形成部を位置決めしてそれを顔の適切な部分とのシール関係に維持するために様々な技術が使用されてきた。
【0034】
1つの技術は接着剤の使用である。これについては、例えば米国特許出願公開第2010/0000534号明細書を参照されたい。
【0035】
他の技術は、1つ以上のストラップ及び安定化ハーネスの使用である。多くのそのようなハーネスは、似合わない、嵩張る、不快、及び、使用し難いといったことの1つ以上に見舞われる。
【0036】
3.2.2.1.3ベント技術
患者インタフェースシステムの幾つかの形態は、吐き出された二酸化炭素の流出を可能にするためのベントを含んでもよい。ベントは、患者インタフェースの内部空間、例えばプレナムチャンバから患者インタフェースの外部への、例えば周囲環境へのガスの流れを可能にし得る。ベントがオリフィスを備えてもよく、また、マスクの使用時にガスがオリフィスを通じて流れてもよい。多くのそのようなベントは雑音がある。他のベントは、使用時に塞がって不十分な流出をもたらす場合がある。一部のベントは、例えば雑音或いは集束気流によって、患者1000のベッドパートナー1100の睡眠に支障を来す場合がある。
【0037】
レスメドリミテッドは多くの改良されたマスクベント技術を開発してきた。これについては、国際特許出願公開第1998/034,665号明細書;国際特許出願公開第2000/078,381号明細書;米国特許第6,581,594号明細書;米国特許出願公開第2009/0050156号明細書;米国特許出願公開第2009/0044808号明細書を参照されたい。
【0038】
【表1】
【0039】
様々な対象の音圧レベル値が以下に挙げられる。
【0040】
【表2】
【0041】
3.2.2.2呼吸圧治療(RPT)装置
睡眠呼吸障害を処置するために使用される1つの既知のタイプのRPT装置は、レスメドによって製造されるS9シリーズなどの気道陽圧(PAP)装置である。RPT装置の他の例は、人工呼吸器及び高流量治療装置を含む。ある場合には、PAP装置などのRPT装置が流量発生器と称されることで知られてきた。Adult and Paediatric VentilatorsのResMed Stellar(商標)シリーズなどの人工呼吸器は、NMD,OHS及びCOPDなどがあるがこれらに限定されない多くの病状を処置するために侵襲的及び非侵襲的な非依存換気への支援を一連の患者に与えることができる。
【0042】
ResMed Elisee(商標)150人工呼吸器及びResMed VS III(商標)人工呼吸器は、多くの病状を処置するために成人患者又は小児患者に適した侵襲的及び非侵襲的な依存換気への支援を与えることができる。これらの人工呼吸器は、1つ或いは2つの四肢回路を伴う容量換気モード及び気圧換気モードを与える。
【0043】
RPT装置は、一般に、モータ駆動のブロワ又は圧縮ガスリザーバなどの圧力発生器を備えるとともに、空気の流れを患者の気道へ供給するように構成される。ある場合には、空気の流れが陽圧で患者の気道へ供給されてもよい。RPT装置の出口は、空気回路を介して、患者インタフェース、例えば前述した患者インタフェースに接続される。
【0044】
RPT装置は、一般に、入口フィルタ、様々なトランスデューサ、及び、マイクロプロセッサベースのコントローラも含む。ブロワは、サーボ制御モータ、ボリュート、及び、インペラを含んでもよい。ある場合には、モータ及びインペラの慣性に打ち勝つべくブロワの速度をより素早く低下させるためにモータのためのブレーキが実装されてもよい。制動により、ブロワは、慣性にもかかわらず呼息との同期化に間に合うように、より素早く低圧状態を達成できる。ある場合には、圧力発生器は、モータ速度制御に代わるものとしての、患者へ送出される圧力を変えるための手段として、発生された空気を大気へ排出できる弁を含んでもよい。トランスデューサは、特に、例えば圧力トランスデューサ等を用いて、モータ速度、質量流量、及び、出口圧力を測定してもよい。コントローラは、データ検索機能及びディスプレイ機能の組み込みを伴って或いは伴わずにデータ記憶容量を含んでもよい。
【0045】
【表3】
【0046】
3.2.2.3加湿器
加湿を伴わない空気の流れの送出は、気道の乾燥を引き起こす場合がある。医用加湿器は、必要とされるときに、一般的には患者が(例えば病院で)眠っているかもしれない或いは休んでいるかもしれない場合に、空気の流れの湿度及び/又は温度を外気に対して高めるために使用される。結果として、医用加湿器は、ベッドサイドに配置できるように比較的小さくてもよく、また、患者の周囲環境を加湿する及び/又は加熱することなく患者へ送出される空気の流れのみを加湿する及び/又は加熱すうように構成されてもよい。部屋をベースとするシステム(例えば、サウナ、エアコン、蒸発冷却器)は、例えば、患者によって呼吸される空気を加湿してもよいが、これらのシステムは、部屋全体を加湿及び/又は加熱することもあり、それにより、居住者に不快感をもたらす場合がある。
【0047】
RPT装置及び患者インタフェースと共に加湿器を使用すると、鼻粘膜の乾燥を最小限に抑えるとともに患者気道の快適さを高める加湿ガスが生み出される。加えて、涼しい気候において、一般に患者インタフェース内及び患者インタフェースの付近の顔面領域に印加される暖かい空気は、冷気よりも快適である。
【0048】
呼吸加湿器は、多くの形態で利用可能であり、また、空気回路を介してRPT装置に結合され、RPT装置と一体化され、或いは、関連するRPT装置に直接に結合されるように構成されるスタンドアロン装置であってもよい。既知の受動加湿器は、幾らかの安心を与えることができるが、一般に、加温加湿器は、患者が快適となるように十分な湿度及び温度を空気に与えるために使用されてもよい。加湿器は、一般に、数百ミリリットル(ml)の容量を有する水リザーバ又はタブと、リザーバ内の水を加熱るための加熱要素と、加湿レベルを変えることができるようにするための制御器と、RPT装置から空気を受けるためのガス入口と、加湿された空気を患者インタフェースへ送出する空気回路に接続されるようになっているガス出口とを備える。
【0049】
パスオーバー型加温加湿は、RPT装置と共に使用される加湿の1つの共通の形態である。そのような加湿器において、加熱要素は、下側に位置するヒータプレート内に組み込まれてもよく、また、水タブと熱接触する。したがって、熱がヒータプレートから水リザーバへと主に伝導によって伝えられる。RPT装置からの空気流は、水タブ内の加熱された水を通り越し、それにより、水蒸気が空気流によって取り上げられる。ResMed H4i(商標)及びH5i(商標)加湿器は、ResMed S8装置及びS9 CPAP装置のそれぞれと組み合わせて使用される そのようなパスオーバー型加温加湿器 の例である。
【0050】
バブル加湿器又は拡散加湿器、ジェット加湿器、或いは、ウィッキング加湿器などの他の加湿器が使用されてもよい。バブル加湿器又は拡散加湿器において、空気は、水の表面下で導かれて、泡となって水上に戻り上がることができる。ジェット加湿器は水のエアロゾルを生み出し、また、粒子が加湿器から出る前に除去され或いは蒸発されるようにバッフル又はフィルタが使用されてもよい。ウィッキング加湿器は、毛管作用によって水を吸収するためにスポンジ又は紙などの吸水性材料を使用する。吸水性材料は、吸水性材料中の水の蒸発を空気流中に取り込むことができるようにするべく空気流路の少なくとも一部内又はその近傍に配置される。
【0051】
加湿の別の形態は、大きい表面積にわたって空気流を第1の方向に方向付ける一方で加熱された水を第2の反対の方向で大きい表面積へ供給する CounterStream(商標)技術を使用するResMed HumiCare(商標)D900加湿器によって与えられる。The ResMed HumiCare(商標)D900加湿器は、一連の侵襲的及び非侵襲的な人工呼吸器と共に使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
5(D)図面の幾つかの図の簡単な説明
本技術は、添付図面の図に一例として示されており、限定的に示されていない。図中、同様の参照数字は同様の要素を示す。
【0069】
5.1治療システム
【
図1a】本技術に係るシステムを示す。鼻枕の形態を成す患者インタフェース3000を着用する患者1000は、陽圧の所定量の空気をRPT装置4000から受ける。RPT装置からの空気は、加湿器5000で加湿されて、空気回路4100に沿って患者1000へ向けて通過する。
【
図1b】RPT装置4000から陽圧の所定量の空気を受ける、鼻マスクの形態を成す患者インタフェース3000を着用する患者1000を含むシステムを示す。RPT装置からの空気は、加湿器5000で加湿されて、空気回路4100に沿って患者1000へ向けて通過する。
【
図1c】RPT装置4000から陽圧の所定量の空気を受ける、フルフェースマスクの形態を成す患者インタフェース3000を着用する患者1000を含むシステムを示す。RPT装置からの空気は、加湿器5000で加湿されて、空気回路4100に沿って患者1000へ向けて通過する。 5.2治療 5.2.1呼吸器系
【
図2a】鼻腔及び口腔、喉頭、声帯、食道、気管、気管支、肺、肺胞嚢、心臓、及び、横隔膜を含む人の呼吸器系の全体図を示す。
【
図2b】鼻腔、鼻骨、側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、鼻孔、上唇、下唇、喉頭、硬口蓋、軟口蓋、中咽頭、舌、喉頭蓋、声帯、食道、及び、気管を含む人の上気道の図を示す。 5.2.2患者インタフェース
【
図2c】本技術の1つの形態に係る鼻マスクの形を成す患者インタフェースを示す。 5.3RPT装置及び加湿器
【
図3a】本技術の1つの形態に係るRPT装置を分解図で示す。
【
図3b】本技術の1つの態様に係る一体型加湿器5000を伴う他のRPT装置4000を分解図で示す。
【
図3c】本技術の1つの態様に係る一体型加湿器5000を伴うRPT装置4000の正面斜視図を示す。
【
図3d】本技術の1つの態様に係る一体型加湿器5000を伴うRPT装置4000の背面斜視図を示す。
【
図3e】本技術の1つの形態に係るRPT装置の空気圧回路の概略図を示す。上流側及び下流側の方向が示される。
【
図3f】本技術の1つの形態に係るRPT装置の電気構成要素の概略図を示す。
【
図3g】本技術の1つの形態に加湿器5000の斜視図を示す。
【
図3h】加湿器リザーバ5180を分解状態で示す、本技術の1つの形態に係る加湿器5000の斜視図を示す。
【
図4a】本技術の一例に係る出口コネクタを備える空気回路の斜視図を示す。
【
図4b】本技術の一例に係る出口コネクタを備える空気回路の他の斜視図を示す。
【
図4c】本技術の一例に係る出口コネクタの電気コネクタの詳細実図を示す。
【
図4d】本技術の一例に係る出口コネクタの一部の他の斜視図を示す。
【
図4e】本技術の一例に係る空気流チューブの一部及び出口コネクタの詳細な底面図を示す。
【
図4f】本技術の一例に係る出口コネクタの詳細な底面図を示す。
【
図4g】本技術の一例に係る出口コネクタを備える空気回路の他の斜視図を示す。
【
図4h】本技術の一例に係る出口コネクタを備える空気回路の他の斜視図を示す。
【
図5a】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の斜視図を示す。
【
図5b】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の底面図を示す。
【
図5c】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の側面図を示す。
【
図5d】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の端面図を示す。
【
図5e】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の下面斜視図を示す。
【
図5f】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の分解斜視図を示す。
【
図5g】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の部分分解斜視図を示す。
【
図5h】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の詳細な側断面図を示す。
【
図5i】本技術の一例に係るチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の側断面図を示す。
【
図6a】本技術の一例に係る電気コネクタ及び出口コネクタの下部構造体の斜視図を示す。
【
図6b】本技術の一例に係る出口コネクタの電気コネクタの斜視図を示す。
【
図6c】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体の詳細な斜視図を示す。
【
図6d】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体の上面斜視図を示す。
【
図6e】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体の他の詳細な斜視図を示す。
【
図6f】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体、チューブ、及び、電気コネクタの斜視図を示す。
【
図6g】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体、チューブ、及び、電気コネクタの断面斜視図を示す。
【
図6h】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体の斜視図を示す。
【
図6i】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体の下面斜視図を示す。
【
図7a】本技術の一例に係るグロメットの斜視図を示す。
【
図7b】本技術の一例に係るグロメットの断面斜視図を示す。
【
図7c】本技術の一例に係るグロメットの斜視図を示す。
【
図7d】本技術の一例に係るグロメットの他の斜視図を示す。
【
図7e】本技術の一例に係るグロメットの側面図を示す。
【
図7f】本技術の一例に係るグロメットの端面図を示す。
【
図8a】本技術の一例に係る旋回ディスク及びケーブルの下面斜視図を示す。
【
図8b】本技術の一例に係るケーブルハウジング、旋回ディスク、及び、ケーブルの下面斜視図を示す。
【
図8c】本技術の一例に係るケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図8d】本技術の一例に係る、旋回ディスク及びケーブルがケーブルハウジングに対して第1の位置にあるケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図8e】本技術の一例に係る、旋回ディスク及びケーブルがケーブルハウジングに対して第2の位置にあるケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図8f】本技術の一例に係る、旋回ディスク及びケーブルがケーブルハウジングに対して第3の位置にあるケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図8g】本技術の一例に係る、旋回ディスク、ケーブル、及び、出口コネクタの下部構造体がケーブルハウジングに対して第1の位置にあるケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図8h】本技術の一例に係る、旋回ディスク、ケーブル、及び、出口コネクタの下部構造体がケーブルハウジングに対して第2の位置にあるケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図8i】本技術の一例に係るケーブルハウジングの平面図を示す。
【
図9a】本技術の一例に係る旋回ディスクの斜視図を示す。
【
図9b】本技術の一例に係る旋回ディスクの側面図を示す。
【
図9c】本技術の一例に係る旋回ディスクの他の側面図を示す。
【
図9d】本技術の一例に係る旋回ディスクの下面斜視図を示す。
【
図9e】本技術の一例に係る旋回ディスクの底面図を示す。
【
図10a】本技術の一例に係る空気流チューブの側面図を示す。
【
図10b】本技術の一例に係る空気流チューブの他の側面図を示す。
【
図10c】本技術の一例に係る空気流チューブの他の側面図を示す。
【
図10d】本技術の一例に係る空気流チューブの分解斜視図を示す。
【
図11a】本技術の一例に係るケーブルハウジングの側面図を示す。
【
図11b】本技術の一例に係るケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図11c】本技術の一例に係るケーブルハウジングの平面図を示す。
【
図11d】本技術の一例に係るケーブルハウジングの他の側面図を示す。
【
図12a】本技術の一例に係る、出口コネクタと、ケーブルハウジング及び空気流チューブに接続されるチューブとを備える空気回路の下面斜視図を示す。
【
図12b】本技術の一例に係る、出口コネクタと、ケーブルハウジング及び空気流チューブに接続されるチューブとを備える空気回路の底面図を示す。
【
図12c】本技術の一例に係る、出口コネクタと、ケーブルハウジング及び空気流チューブに接続されるチューブとを備える空気回路の端面図を示す。
【
図12d】本技術の一例に係る、出口コネクタと、ケーブルハウジング及び空気流チューブに接続されるチューブとを備える空気回路の側面図を示す。
【
図12e】本技術の一例に係る、出口コネクタと、ケーブルハウジング及び空気流チューブに接続されるチューブとを備える空気回路の部分分解斜視図を示す。
【
図12f】本技術の一例に係る、出口コネクタと、ケーブルハウジング及び空気流チューブに接続されるチューブとを備える空気回路の斜視図を示す。
【
図13a】本技術の一例に係る加湿器ハウジングに接続される出口コネクタの平面図を示す。
【
図13b】本技術の一例に係る加湿器ハウジングに接続される出口コネクタの側面図を示す。
【
図13c】本技術の一例に係る加湿器ハウジングに接続される出口コネクタの他の側面図を示す。
【
図13d】本技術の一例に係る加湿器ハウジングに接続される出口コネクタの斜視図を示す。
【
図13e】本技術の一例に係る加湿器ハウジングから取り外された出口コネクタの斜視図を示す。
【
図13f】本技術の一例に係る加湿器ハウジングの出口の斜視図を示す。
【
図13g】本技術の一例に係る加湿器ハウジングの出口の正面図を示す。
【
図13h】本技術の一例に係る加湿器ハウジングから取り外された出口コネクタの他の斜視図を示す。
【
図13j】本技術の一例に係る加湿器ハウジングに接続される出口コネクタの斜視図を示す。
【
図13k】本技術の一例に係る出口コネクタの側面図を示す。
【
図13l】本技術の一例に係る出口コネクタの平面図を示す。
【
図13m】本技術の一例に係る出口コネクタの他の側面図を示す。
【
図13n】本技術の一例に係る出口アセンブリの斜視図を示す。
【
図14a】本技術の一例に係る、出口コネクタ及びチューブを備える空気回路、旋回ディスク、ケーブル、及び、ケーブルハウジングの部分分解斜視図を示す。
【
図14b】本技術の一例に係る、出口コネクタ及びチューブを備える空気回路、旋回ディスク、及び、ケーブルハウジングの他の部分分解斜視図を示す。
【
図14c】本技術の一例に係る、出口コネクタ及びチューブを備える空気回路、旋回ディスク、ケーブル、及び、ケーブルハウジングの他の部分分解斜視図を示す。
【
図14d】本技術の一例に係る、出口コネクタ及びチューブを備える空気回路、旋回ディスク、ケーブル、及び、ケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図14e】本技術の一例に係る旋回ディスクの斜視図を示す。
【
図14f】本技術の一例に係るケーブルハウジング及びケーブルの斜視図を示す。
【
図14g】本技術の一例に係るエルボーから取り外された電気コネクタの斜視図を示す。
【
図14h】本技術の一例に係るエルボーに接続された電気コネクタの斜視図を示す。
【
図14i】本技術の一例に係るチューブ及びチューブカフの上面斜視図を示す。
【
図14j】本技術の一例に係るチューブ及びチューブカフの下面斜図を示す。
【
図15a】本技術の一例にしたがって互いに組み付けられた旋回ディスク、旋回電気コネクタ、及び、ケーブルハウジングの斜視図を示す。
【
図15b】本技術の一例に係る、旋回ディスクから取り外された出口コネクタ及びチューブを備える空気回路、旋回電気コネクタ、及び、ケーブルハウジングの側面図を示す。
【
図16a】本技術の一例に係る、旋回ディスクから取り外された出口コネクタ及びチューブを備える空気回路、及び、ケーブルハウジングの側面図を示す。
【
図16b】本技術の一例に係るケーブルハウジング及び旋回ディスクの上面斜視図を示す。
【
図17】本技術の一例に係る金型を伴うチューブ及び出口コネクタを備える空気回路の断面図を示す。
【
図18a】本技術の一例に係る雌電気コネクタの斜視図を示す。
【
図18b】本技術の一例に係る雌電気コネクタの側面図を示す。
【
図18c】本技術の一例に係る雌電気コネクタの背面図を示す。
【
図18d】本技術の一例に係る雌電気コネクタの斜視図を示す。
【
図18e】
図18fに関してとられた断面を示す、本技術の一例に係る雌電気コネクタの正面図を示す。
【
図18f】本技術の一例に係る雌電気コネクタの側断面図を示す。
【
図18g】本技術の一例に係る電気コネクタ受け部接点要素の背面斜視図を示す。
【
図18h】本技術の一例に係る電気コネクタ受け部接点要素の正面斜視図を示す。
【
図19a】本技術の一例に係るRPT装置/加湿器の一部及び空気流チューブの分解下面斜視図を示す。
【
図19b】本技術の一例に係るRPT装置/加湿器の一部及び空気流チューブの下面斜視図を示す。
【
図19c】本技術の一例に係るRPT装置/加湿器の一部及び空気流チューブの分解背面斜視図を示す。
【
図19d】本技術の一例に係るRPT装置/加湿器の一部及び空気流チューブの背面斜視図を示す。
【
図19e】本技術の一例に係るRPT装置/加湿器の一部、空気流チューブ、及び、ケーブルハウジングの背面斜視図を示す。
【
図20a】本技術の一例に係るRPT装置/加湿器及び空気流チューブの分解背面斜視図を示す。
【
図20b】本技術の一例に係るRPT装置/加湿器及び空気流チューブの背面斜視図を示す。
【
図21a】本技術の一例に係る出口アセンブリの平面図を示す。
【
図21b】本技術の一例に係る線21b−21bに沿ってとられた
図21aの出口アセンブリの断面図を示す。
【
図21c】本技術の一例に係る線21c−21cに沿ってとられた
図21aの出口アセンブリの断面図を示す。
【
図22a】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの正面斜視図を示す。
【
図22b】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの背面斜視図を示す。
【
図22c】本技術の他の例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの他の正面斜視図を示す。
【
図22d】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの側面図を示す。
【
図22e】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの他の側面図を示す。
【
図22f】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの平面図を示す。
【
図22g】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの分解正面斜視図を示す。
【
図22h】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの部分分解背面斜視図を示す。
【
図23a】本技術の一例に係る電気コネクタを伴わない出口コネクタの下部構造体アセンブリの正面斜視図を示す。
【
図23b】本技術の一例に係る電気コネクタを伴わない出口コネクタの下部構造体アセンブリの他の正面斜視図を示す。
【
図23c】本技術の一例に係る電気コネクタを伴わない出口コネクタの下部構造体アセンブリの背面斜視図を示す。
【
図23d】本技術の一例に係る電気コネクタを伴わない出口コネクタの下部構造体アセンブリの側面図を示す。
【
図23e】本技術の一例に係る電気コネクタを伴わない出口コネクタの下部構造体アセンブリの平面図を示す。
【
図23f】本技術の一例に係る電気コネクタを伴わない出口コネクタの下部構造体アセンブリの他の側面図を示す。
【
図24】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリのためのキャップを示す。
【
図25a】本技術の一例に係る出口コネクタのための非成形状態の電気コネクタを示す。
【
図25b】本技術の一例に係る出口コネクタのための成形状態の電気コネクタを示す。
【
図26a】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の断面図を示す。
【
図26b】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の詳細な断面図を示す。
【
図27a】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の断面図を示す。
【
図27b】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の断面図を示す。
【
図27c】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の詳細な断面図を示す。
【
図28a】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の断面図を示す。
【
図28b】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の断面図を示す。
【
図28c】本技術の一例に係る呼吸器に連結される出口コネクタの出口端の詳細な断面図を示す。
【
図29a】本技術の一例に係る呼吸器に連結されようとしている出口コネクタの出口端の断面図を示す。
【
図29b】本技術の一例に係る呼吸器に連結された後の出口コネクタの出口端の断面図を示す。
【
図30a】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの正面斜視図を示す。
【
図30b】本技術の一例に係る出口コネクタの下部構造体アセンブリの分解正面斜視図を示す。
【
図30c】本技術の一例に係るチューブ部に連結される出口コネクタの下部構造体アセンブリの斜視図を示す。
【
図30d】本技術の一例に係るチューブ部に連結される出口コネクタの下部構造体アセンブリの部分分解斜視図を示す。
【
図30e】本技術の一例に係るチューブ部に連結される出口コネクタの斜視図を示す。
【
図30f】本技術の一例に係るチューブ部に連結される出口コネクタの下部構造体アセンブリの断面図を示す。
【
図30g】本技術の一例に係るチューブ部に連結される出口コネクタの下部構造体アセンブリの部分分解下面斜視図を示す。
【
図30h】本技術の一例に係るチューブ部に連結される出口コネクタの下部構造体アセンブリの部分分解下面斜視図を示す。
【
図30i】本技術の一例に係るチューブ部に連結される出口コネクタの下部構造体アセンブリの他の部分分解下面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
6(E) 本技術の実施例の詳細な説明
本技術を更に詳しく説明する前に、本技術が本明細書中に記載される様々であってもよい特定の実施例に限定されないことが理解されるべきである。また、この開示において使用される用語は、本明細書中で論じられる特定の実施例を説明するという目的のためにすぎず、限定しようとするものでないことも理解されるべきである。
【0071】
以下の説明は、1つ以上の共通の特性及び/又は特徴を共有し得る様々な実施例に関連して与えられる。任意の1つの実施例の1つ以上の特徴が他の1つの実施例又は他の複数の実施例のうちの1つ以上の特徴と組み合わされてもよいことが理解されるべきである。また、任意の実施例における任意の単一の特徴又は特徴の組み合わせが更なる実施例を構成してもよい。
【0072】
6.1治療システム
1つの形態において、本技術は、呼吸器疾患を処置するための呼吸治療システムを備える。呼吸治療システムは、空気などの呼吸用ガスの流れを患者インタフェース3000に通じる空気回路4100を介して患者1000へ供給するためのRPT装置4000を備えてもよい。幾つかの形態において、呼吸治療システムは、空気の流れを周囲環境に対して加湿するように構成される加湿器5000を更に備えてもよい。
【0073】
6.2 治療
1つの形態において、本技術は、患者1000の気道の入口に陽圧を印加するステップを備える呼吸器疾患を処置するための方法を備える。
【0074】
1つの形態において、本技術は、鼻連続陽性気道圧を患者に印加することによって患者の閉塞性睡眠時無呼吸を処置する方法を備える。
【0075】
本技術の特定の例において、陽圧の所定量の空気は、一方又は両方の鼻孔を介して患者の鼻通路へ供給される。
【0076】
本技術の特定の例では、口呼吸が制限される、抑制される、或いは、防止される。
【0077】
6.3 患者インタフェース3000
本技術の1つの態様に係る非侵襲的な患者インタフェース3000は、以下の機能的態様、すなわち、シール形成構造体3100、プレナムチャンバ3200、位置決め安定化構造体3300、及び、空気回路4100への接続のための接続ポート3600を備える。例えば、これについては
図2cを参照されたい。幾つかの形態では、機能的態様が1つ以上の物理的な構成要素によって与えられてもよい。幾つかの形態では、1つの物理的構成要素が1つ以上の機能的態様を与えてもよい。使用時、シール形成構造体は、陽圧の空気の気道への供給を容易にするために患者の気道への入口を取り囲むように配置される。
【0078】
6.3.1 シール形成構造体
本技術の1つの形態において、シール形成構造体3100は、シール形成面を与えるとともに、クッション機能を更に与えてもよい。
【0079】
本技術に係るシール形成構造体は、シリコンなどの柔軟な、可撓性のある、弾性材料から構成されてもよい。
【0080】
1つの形態では、シール形成構造体がシールフランジと支持フランジとを備える。シールフランジは、プレナムチャンバの外周にわたって延在する約1mm未満、例えば約0.25mm〜約0.45mmの厚さを有する比較的薄い部材を備えてもよい。支持フランジは、シールフランジよりも相対的に厚くてもよい。支持フランジは、シールフランジとプレナムチャンバの周縁との間に配置され、外周の少なくとも一部の経路にわたって延在する。支持フランジは、スプリング状要素であり或いはスプリング状要素を含み、使用時にシールフランジを座屈しないように支持するべく機能する。使用時、シールフランジは、該シールフランジを顔面との緊密なシール係合状態へと付勢するべくシールフランジの下面に作用するプレナムチャンバ内のシステム圧力に容易に応答し得る。
【0081】
他の形態において、非侵襲的な患者インタフェース3000のシール形成部は、一対の鼻パフ又は一対の鼻枕を備え、それぞれの鼻パフ又は鼻枕は、患者の鼻のそれぞれの鼻孔とのシールを形成するように構成されて配置される。
【0082】
本技術の一態様に係る鼻枕は、その少なくとも一部が患者の鼻の下面でシールを形成する円錐台と、柄部と、円錐台の下面にあって円錐台を柄部に接続する可撓性領域とを含む。また、本技術の鼻枕が接続される構造体は、柄部の基部に隣接する可撓性領域を含む。可撓性領域は、円錐台と鼻枕が接続される構造体との相対動作−変位及び傾斜の両方−に順応するユニバーサルジョイント構造を促進するように協調して作用し得る。例えば、円錐台は、柄部が接続される構造体へ向けて軸方向に移動されてもよい。
【0083】
1つの形態において、非侵襲的な患者インタフェース3000は、使用時に患者の顔面の上唇領域(すなわち、唇上部)でシールを形成するシール形成部を備える。
【0084】
1つの形態において、非侵襲的な患者インタフェース3000は、使用時に患者の顔面の顎領域でシールを形成するシール形成部を備える。
【0085】
6.3.2 プレナムチャンバ
プレナムチャンバ3200は、使用時にシールが生じる領域で平均的な人の顔の表面輪郭に対して相補的であるように形成される外周を有してもよい。使用時、プレナムチャンバの周縁は、顔の隣接する表面に近接して位置される。顔との実際の接触はシール形成構造体によってもたらされる。シール形成構造体は、使用時に、プレナムチャンバの全周にわたって延在してもよい。
【0086】
6.3.3 位置決め安定化構造体
本技術の患者インタフェース3000のシール形成部は、使用時に位置決め安定化構造体3300、例えばヘッドギアシステム又はストラップによってシール位置に保持されてもよい。
【0087】
6.3.4 ベント
1つの形態において、患者インタフェース3000は、吐き出される二酸化炭素の流出を可能にするように構成されて配置されるベント3400を含んでもよい。
【0088】
本技術に係るベント3400の1つの形態は、複数の穴、例えば約20〜約80個の穴、又は、約40〜約60個の穴、又は、約45〜約55個の穴を備える。
【0089】
ベント3400がプレナムチャンバ3200に位置されてもよい。或いは、ベントは、デカップリング構造体、例えばスイベル又はボールアンドソケットに位置されてもよい。
【0090】
6.3.5他の患者インタフェース構成要素
患者インタフェース3000は、以下の更なる構成要素のうちの1つ以上を含んでもよい。
(i)患者インタフェースを顔面上に支持するのを助ける前頭支持体3700;
(ii)患者1000が必要に応じて新鮮な空気を患者インタフェース3000内に受けることができるようにするための窒息防止弁;及び
(iii)プレナムチャンバ内の容積へのアクセスを可能にするための1つ以上のポート(例えば、接続ポート3600)。1つの形態では、これにより、医師が酸素補給を行なうことができる。1つの形態では、これにより、プレナムチャンバ内のガスの特性、例えば圧力の直接的な測定を行なうことができる。
【0091】
6.4 RPT装置4000
本技術の1つの態様に係るRPT装置4000(
図3a参照)は、機械的な空気圧式の構成要素4300と電気構成要素4200とを備えるとともに、1つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラミングされる。RPT装置は外部ハウジング4010を有してもよく、外部ハウジング4010は、2つの部分を成して、すなわち、上部4012と下部4014とを成して形成される。また、外部ハウジング4010が1つ以上のパネル4015を含んでもよい。RPT装置4000は、RPT装置4000の1つ以上の内部構成要素を支持する筐体4016を備えてもよい。1つの形態では、空気圧ブロック4020が筐体4016によって支持され或いは筐体4016の一部として形成される。RPT装置4000がハンドル4018を含んでもよい。一体型加湿器5000を含むRPT装置4000の他の例が
図3b〜
図3dに示される。
【0092】
RPT装置4000の空気圧経路(例えば
図3eに示される)は、入口空気フィルタ4312と、入口マフラ4322と、陽圧の空気を供給できる制御可能な圧力装置4340(例えば、ブロワ4342)と、出口マフラ4324とを備えてもよい。1つ以上の圧力センサ及び流量トランスデューサが空気圧経路中に含まれてもよい。
【0093】
空気圧ブロック4020は、制御可能な圧力装置4340(例えばブロワ4342)を少なくとも収容する。空気圧ブロックは、外部ハウジング4010内に位置される空気圧経路の一部を構成してもよい。1つの形態において、筐体4016は、
図3aに示されるように空気圧ブロック4020の一部を形成してもよい。他の形態において、筐体4016は、
図3bに示されるように空気圧ブロック4020をその一部を形成することなく支持してもよい。
【0094】
RAP装置4000は、電源4210と、1つ以上の入力装置4220と、中央コントローラ4230と、治療装置コントローラ4240と、圧力装置と、1つ以上の保護回路と、メモリと、トランスデューサ4270と、データ通信インタフェースと、1つ以上の出力装置とを有してもよい。電気構成要素4200が単一のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に装着されてもよい。別の形態では、RPT装置4000が複数のPCBA4202を含んでもよい。
【0095】
RPT装置4000の中央コントローラは、前処理モジュール、治療エンジンモジュール、圧力制御モジュール、及び、更なる故障状態モジュールを含む1つ以上のアルゴリズムモジュールを実行するようにプログラミングされてもよい。
【0096】
6.4.1 RPT機械的構成要素及び空気圧式構成要素4300
6.4.1.1 空気フィルタ4310
本技術の1つの形態に係るRPT装置は、1つの空気フィルタ4310又は複数の空気フィルタ4310を含んでもよい。
【0097】
1つの形態では、入口空気フィルタ4312がブロワ4342の上流側の空気圧経路の冒頭に位置される。
図3e参照
【0098】
1つの形態では、出口空気フィルタ4314、例えば抗菌フィルタが空気圧ブロック4020の出口と患者インタフェース3000との間に位置される。
図3e参照
【0099】
6.4.1.2 マフラ4320
本技術の1つの形態では、ブロワ4342の上流側の空気圧経路中に入口マフラ4322が位置される。
図3e参照
【0100】
本技術の1つの形態では、ブロワ4342と患者インタフェース3000の間の空気圧経路中に出口マフラ4324が位置される。
図3e参照
【0101】
6.4.1.3 圧力装置4340
本技術の一形態では、陽圧の空気の流れを生み出すための圧力装置4340(圧力発生器とも称される)が制御可能なブロワ4342である。例えば、ブロワは、1つ以上のインペラが渦巻きを成して収容されるブラシレスDCモータ4344を含んでもよい。ブロワは、約4cmH
2O〜約20cmH
2Oの範囲内、又は、他の形態では最大で約30cmH
2Oの陽圧の例えば約120リットル/分の所定量の空気を送出することができてもよい。
【0102】
圧力装置4340は治療装置コントローラ4240の制御下にある。
【0103】
6.4.1.4 トランスデューサ4270
1つ以上のトランスデューサ4270は、空気圧経路中の1つ以上の所定のポイントで空気の特性又は外気の特性を測定するように構成されて配置されてもよい。
【0104】
本技術の1つの形態において、1つ以上のトランスデューサ4270は、圧力装置4340の下流側及び空気回路4100の上流側に位置される。本技術の1つの形態において、1つ以上のトランスデューサ4270は、圧力装置4340の上流側に位置される。
【0105】
本技術の1つの形態において、1つ以上のトランスデューサ4270は患者インタフェース3000に近接して位置される。
【0106】
6.4.1.5 逆流防止弁4360
本技術の1つの形態では、加湿器5000と空気圧ブロック4020との間に逆流防止弁が位置される。逆流防止弁は、水が加湿器5000よりも上流側へ、例えばモータ4344へ流れる危険を減らすように構成されて配置される。
【0107】
6.4.1.6 空気回路4100
本技術の一態様に係る空気回路4100は、空気圧ブロック4020と患者インタフェース3000との間での空気又は呼吸用ガスの流れを可能にするように構成されて配置される。
【0108】
6.4.1.7 酸素送出4380
本技術の1つの形態では、補給酸素4380が空気圧経路中の1つのポイントへ送出される。
【0109】
本技術の1つの形態では、補給酸素4380が空気圧ブロック4020の上流側に送出される。
【0110】
本技術の1つの形態では、補給酸素4380が空気回路4100へ送出される。
【0111】
本技術の1つの形態では、補給酸素4380が患者インタフェース3000へ送出される。
【0112】
6.4.2 RPT装置電気構成要素4200
6.4.2.1 電源4210
電源4210ハンドル、基本的なRPT装置4000の他の構成要素、すなわち、入力装置4220、中央コントローラ4230、圧力装置4340、及び、出力装置4290(
図3f参照)へ電力を供給する。
【0113】
本技術の1つの形態において、電源4210は、RPT装置4000の外部ハウジング4010の内部にある。本技術の1つの形態において、電源4210は、RPT装置4000の外部ハウジング4010の外部にある。
【0114】
6.4.2.2 入力装置4220
入力装置4220は、人がRPT装置4000と情報をやりとりできるようにするためにボタン、スイッチ、又は、ダイヤルを備える。ボタン、スイッチ、又は、ダイヤルは、物理的な装置であってもよく、或いは、タッチスクリーンを介してアクセスできるソフトウェア装置であってもよい。ボタン、スイッチ、又は、ダイヤルは、1つの形態では、外部ハウジング4010に物理的に接続されてもよく、或いは、他の形態では、中央コントローラに電気的に接続している受信器と無線通信状態にあってもよい。
【0115】
1つの形態において、入力装置4220は、人が値及び/又はメニューオプションを選択できるようにするべく構成されて配置されてもよい。
【0116】
6.4.2.3 中央コントローラ4230
本技術の1つの形態において、中央コントローラ4230は、RPT装置4000を制御するのに適した1つ或いは複数のプロセッサである。中央コントローラ4230は、入力装置4220から入力信号を受けるように構成されてもよく、また、出力信号を出力装置4290及び/又は治療装置コントローラ4240へ与えるように構成されてもよい。
【0117】
適したプロセッサは、x86 INTELプロセッサ、ARM Holdingsが提供しているARM Cortex−Mプロセッサに基づくプロセッサ、例えばST MICROELECTRONICが提供している STM32シリーズマイクロプロセッサを含んでもよい。本技術の特定の別の形態では、32ビットRISC CPU、例えばST MICROELECTRONICSが提供しているSTR9シリーズマイクロプロセッサ、或いは、16ビットRISC CPU,例えばTEXAS INSTRUMENTSにより製造されるマイクロコントローラのMSP430系からのプロセッサも適しているかもしれない。
【0118】
本技術の1つの形態では、中央コントローラ4230が専用の電子回路である。
【0119】
1つの形態では、中央コントローラ4230が特定用途向け集積回路である。他の形態では、中央コントローラ4230が別個の電子構成要素を備える。
6.4.2.4 出力装置4290
【0120】
本技術に係る出力装置4290は、視覚的出力、音声出力、及び、触覚的出力のうちの1つ以上のの形態を成してもよい。視覚的出力は、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであってもよい。音声出力は、スピーカ又は音響トーンエミッタであってもよい。
【0121】
6.5 加湿器5000
6.5.1 加湿器の概要
本技術の1つの形態では、患者への送出のための空気の絶対湿度を外気に対して変えるために加湿器5000が設けられる。一般に、加湿器5000は、患者の気道への送出前に外気に対して空気の流れの絶対湿度を増大させて温度を増大させるために使用される。加湿器5000は、一般に、空気の流れを受けるための入口と、湿気が加えられた空気の流れを送出するための出口とを備える。
【0122】
1つの形態において、加湿器5000は、加湿器リザーバ5180と、加熱要素5240と、1つ以上のトランスデューサとを備えてもよい。加湿器5000は、RPT装置から空気の流れを受けて加湿空気流を例えば空気回路4100を介して患者インタフェース3000へ送出するように構成されてもよい。空気回路4100は、
図3g〜
図3hに示されるような加湿器リザーバ出口5182などの出口を介して加湿器5000に結合されてもよい。
【0123】
前述したように、加湿器5000は、粘膜の乾燥を防止して患者気道の快適さを高めるのに十分な湿度を有する加圧空気流を患者1000へ送出してもよい。同時に、加湿器5000及び空気回路4100は、特に空気回路4100内で任意の凝縮の発生を防止するように構成される。この目的を達成するために、空気回路4100には、以下で更に詳しく説明されるような加熱要素が設けられてもよい。加湿器5000及び空気回路4100は、患者1000が自分の睡眠の快適さを向上させるように空気回路4100を配置できるようにするべく更に構成されてもよい。また、加湿器5000及び空気回路4100は、空気回路4100及び/又は加湿器5000の洗浄を可能にするとともに、任意の電子構成要素内への、例えば加湿器5000内、空気回路4100内、又は、RPT装置4000内への水の進入を防止するように構成される。
【0124】
RPT装置4000と一体化される加湿器5000の一例が
図3b〜
図3dに示される。加湿器5000の他の例が
図3g〜
図3hに示される。
【0125】
6.6 空気回路−出口接続
6.6.1 接続の概要
先に幾らか詳しく説明されたように、呼吸治療システムは、RPT装置4000、加湿器5000、及び、患者インタフェース3000などの特定の構成要素を含んでもよい。RPT装置4000及び加湿器5000は、
図3b〜
図3dに示されるような単一の一体化されたユニットへと組み合わされてもよい。或いは、RPT装置4000及び加湿器5000は、患者が加湿器を伴うことなくRPT装置を使用できるように分離可能であってもよい。いずれのシナリオにおいても、患者がRPT装置4000及び/又は加湿器5000から空気流を受けることができるように患者インタフェース3000に対して接続がなされなければならない。空気回路4100は、前述したように、患者インタフェース3000をRPT装置4000及び/又は加湿器5000に空気圧的に接続するように設けられてもよい。
図4aに示されるように、空気回路4100は、該空気回路をRPT装置4000及び/又は加湿器5000に接続するためにチューブ部4102及び出口コネクタ4106を含んでもよい。チューブ部4102は、該チューブ部のための支持をもたらすべく螺旋コイル4103を含んでもよい。空気回路4100は、螺旋コイル4103内に設けられてもよい加熱要素を組み込んでもよい。空気回路4100内の加熱要素は、レインアウト(例えばチューブ部4102内又は患者インタフェース3000内での水蒸気の凝縮)を防止するために空気回路4100及び該空気回路を通じて移動するガス流を加熱してもよい。加熱要素が螺旋コイル4103内に設けられる場合には、例えば加熱要素が電気抵抗ヒータであれば、給電及び/又は信号送信が必要な場合がある。ある場合には、患者インタフェース3000とRPT装置4000及び/又は加湿器5000との間で給電のため及び/又はこれらの間の通信のために電気的な接続が必要とされる場合がある。
【0126】
図20a及び
図20bは、単一の一体型ユニットへと組み合わされたRPT装置4000及び加湿器5000の一例を示し、この場合、水リザーバは示されない。
図20aは、RPT装置4000から分離された空気回路4100を示し、
図20bは、RPT装置4000と組み付けられた空気回路4100を示す。
【0127】
6.6.1.1 単一のコネクタとの空気圧的接続及び電気的接続
空気回路4100は、加湿器5000(又はRPT装置4000)して空気圧的接続及び電気的接続の両方が形成されることを要する場合があり、また、機械的接続を要する場合もある。これらの接続は、加圧ガスが患者インタフェース3000へ流れることができるようにするため、螺旋コイル4103内の加熱要素に電力及び信号を供給するため、及び、空気回路4100を加湿器5000(又はRPT装置4000)に対して位置決めして固定するために出口コネクタ4106を介して形成されてもよい。これらの接続は、同時に形成されてもよく、或いは、機械的接続、空気圧的接続、又は、電気的接続のうちの1つが他の接続前に完了されるように順次に形成されてもよい。空気回路4100は、患者インタフェース3000に結合するための患者インタフェースコネクタ4107を他端に備えてもよい。幾つかの形態では、
図4g〜
図4hに示されるように、患者インタフェースコネクタ4107が出口コネクタ4106と異なってもよい。
【0128】
図4a〜
図4h及び
図5a〜
図5iは、本技術の実施例に係る空気回路又はその一部を描く。また、
図12a〜
図12fは、出口アセンブリ5107に接続される典型的な空気回路を描く。
図4aにおいて分かるように、螺旋コイル4103を有するチューブ部4102は、出口コネクタ4106に接続されてもよい。
図5aに示されるように、出口コネクタ4106に対する螺旋コイル4103の接続は、グロメット4104の使用によって容易にされてもよい。前述したように、螺旋コイル4103は、加熱要素を含んでもよく、また、チューブ部4102のための支持構造体として機能してもよい。電気的接続は、(以下で更に詳しく論じられる)出口アセンブリ5107に対して、電気コネクタ4112が出口アセンブリの電気構成要素と電気的に接触するように出口コネクタ4106を挿入することによって形成されてもよい。
図4c〜
図4dにおいて分かるように、電気コネクタ4112は、出口接続領域4114の中心軸線と平行に方向付けられてもよく、また、出口コネクタ4106の下面から下方へ延在して開口4118から出てもよい。
【0129】
6.6.1.1.1 空気圧的接続及び電気的接続の形成
出口コネクタ4106に凹部4116が形成されてもよく、該凹部4116は、例えば出口アセンブリ5107での加湿器5000に対する出口コネクタ4106の解放可能な固定に役立つように旋回ディスク5104の電気コネクタ受け部5114に結合するよう構成される(以下で更に論じられる
図8d参照)。凹部4116は、電気コネクタ受け部5114に対応するように形成されることによって患者が出口アセンブリ5107に対して出口コネクタ4106を位置決めするのを助ける視覚的表示を与えてもよい(
図12e参照)。電気コネクタ受け部5114は、例えば
図18a〜
図18hに示されるような雌電気コネクタ5158を収容してもよい。出口コネクタ4106は、保持機能部4110を制御するアクチュエータ4108を含んでもよい。出口コネクタが出口アセンブリ5107に挿入されると、保持機能部4110が旋回ディスク5104の対応する切り欠き5126と係合してもよい(以下で更に論じられる
図21b参照)。アクチュエータ4108は、切り欠き5126と協働して、係合時に可聴音を生み出してもよく及び/又はアクチュエータ4108で触覚フィードバックを与えてもよい。アクチュエータ4108及び/又は保持機能部4110は、一般に消耗し得る構成要素である空気回路4100で摩耗が生じ得るように旋回ディスク5104よりも高い摩耗特性を伴って形成されてもよい。これは、旋回ディスク5104を形成する材料と比べて低い硬度を有する材料を使用して保持機能部4110を形成することによって達成されてもよい。保持機能部4110及び切り欠き5126はスナップ嵌合によって係合してもよく、また、アクチュエータ4108は、保持機能部を切り欠き5126から解放するべく保持機能部を取り込むように押し下げ可能であってもよい。ある場合には、保持機能部4110及び切り欠き5126は、例えばタブ4148に作用する治療圧力が保持機能部4110を切り欠き5126へ向け付勢するように構成されることにより、保持機能部及び切り欠きが完全に係合されないときにそれらが治療の開始時に治療圧力によって所定位置へ押し進められ得るように構成されてもよい。
図6aに示されるように、アクチュエータを内側へ押すことによっても保持機能部が内側へ移動されてそれにより保持機能部が切り欠き5126から解放されるようにアクチュエータ4108及び保持機能部4110がいずれもタブ4148上に位置されてもよい。1つの形態では、アクチュエータ4108が保持機能部4110よりもタブ4148の回動軸から離れて位置されてもよく、それにより、機械的な利点が与えられるとともに、アクチュエータ4108を押し下げるために必要な移動量が増大し、保持機能部4110の移動のユーザへの転換が改善される。この配置は、出口コネクタ4106の係合/離脱中にユーザに与えられるフィードバックを更に改善し得る。出口接続領域4114は、例えば
図9aに示されるような旋回ディスク5104の形状と対応するように形成されてもよい。
【0130】
図6h及び
図6iに示されるように、この技術の幾つかの例では、リブ4120の内端に位置される移動ストッパ4178が、ハウジング4134の周囲部分の塑性変形を防止するため及び/又はハウジング4134の裂けを防止するために挿入及び取り外しの最中にアクチュエータ4108の移動又は押し込み移動を制限するために使用されてもよい。移動ストッパ4178は、リブ4120の内端から延在するとともに、アクチュエータ4108の位置で出口コネクタ4106の内面と位置合わせされる。アクチュエータが内側に押し込められ或いは押圧されると、出口コネクタ4106の内面は、それに対応して、それが移動ストッパ4178と接触するまで内側に押し込まれ或いは押圧される。移動ストッパは、アクチュエータの更なる押し込み或いは押圧を防止する。
【0131】
本技術の更なる例において、切り欠きは、保持機能部を介して出口コネクタを保持できるがその回転を許容する径方向スロットと置き換えられてもよい。そのような例において、旋回ディスクは、出口ハウジングに対して固定されてもよく、或いは、径方向スロットがハウジングに位置されるように完全に排除されてもよい。また、言うまでもなく、そのような例は、出口コネクタが回転する間に電気的接続を維持できるように移動可能な電気コネクタが出口アセンブリ内に必要であることを留保する。
【0132】
図4e及び
図4fは、出口コネクタ4106、具体的には出口接続領域4114の実施例の詳細な下面図を示す。
図4eは、出口接続領域4114で空気流チューブ5130(以下で更に論じられる
図10a〜
図10dに示される)の出口端5134に接続される出口コネクタ4106を示す。空気流チューブ5130は、取り外し可能、交換可能、及び/又は、洗浄可能なマルチ患者/マルチユーザ(MPMU)チューブとして形成されてもよい。なお、明確にするために、この図には出口端5134が示され、また、更なる描写のために、
図10a〜
図10dが参照されるべきである。空気流チューブ5130は、空気回路4100の出口コネクタ4106とRPT装置4000及び/又は加湿器5000の空気出口との間の取り外し可能な中間空気圧結合器として機能してもよい。
【0133】
6.6.1.1.2 出口コネクタ4106の内部リブ
図4eは、出口コネクタ4106の出口接続領域4114の内周にわたって配置される複数のリブ4120を示す。図示の例では、4つのリブ4120が示されるが、異なる数のリブ、例えば2つ、3つ、5つ又はそれ以上のリブが利用されてもよい。リブ4120は、空気流チューブ5130の出口端5134に対して出口コネクタ4106を支持して位置決めするように機能してもよい。リブ4120は、空気圧的接続を形成するために出口コネクタ4106を挿入中に出口アセンブリ5107内の空気流チューブ5130の出口端5134に結合するように案内するべく機能してもよい。この案内は、電気コネクタ4112と出口アセンブリ5107の旋回ディスク5104上の電気コネクタ受け部5114との間の電気的接続を容易にするために出口接続領域4114を位置合わせすることに関与してもよい。この構成では、RPT装置の出口アセンブリ5107に対する空気回路出口コネクタ4106の挿入又は接続のために単一の動作が必要とされるが、空気圧的接続が最初に形成されて、電気的接続が二番目に形成される。出口コネクタ4106、出口アセンブリ5107、及び、空気流チューブ5130は、電気コネクタ受け部5114が電気コネクタ4112と電気的接続を形成する前に空気流チューブ5130が出口コネクタ4106のシール4170と係合するように構成されてもよい。したがって、取り外し或いは切断の最中に、電気的接続が最初に切断されるようになり、空気圧的接続が二番目に切断される。これは、空気圧シールがRPT装置4000及び/又は加湿器5000から空気回路4100まで、より具体的には出口コネクタ4106と空気流チューブ5130との間で維持されるようにするために有利な場合がある。また、これは、例えば加湿器5000により送出される空気の流れに補給酸素が加えられる場合に、安全性の向上をもたらし得る。これは、この構成により、酸素が電気的接続の接続及び/又は切断に晒されることを防止できるからである。
図4fは
図4eと同様の図を示すが、リブ4120の一例の更に明確な描写を与えるために空気流チューブ5130の出口端5134が示されない。これらの図の両方は凹部4116の形状も示す。
【0134】
ある場合には、加熱要素を組み込まない非加熱空気回路4100が使用されてもい。したがって、旋回ディスク5104の中心開口の直径は、そのような非加熱空気回路4100を受け入れるように設定されてもよい(例えば、十分大きく寸法付けられ及び/又は形成される)。したがって、この技術の1つの例において、空気流チューブの外径は、標準的な22mm外径の非加熱空気回路に対する接続を可能にするべく約22mmであってもよく、また、出口コネクタ4106の外径は約36mmであってもよい。しかしながら、他の外径サイズが利用されてもよいことが分かる。
【0135】
内部リブ4120は、出口接続領域4114の内部と空気流チューブ5130との間の任意の径方向隙間を減少させるために使用されてもよい。更にまた、リブ4120及び空気流チューブ5130は、それらの間の隙間が出口接続領域4114の外部と旋回ディスク5104との間の隙間よりも相対的に小さくなるように構成されてもよい。これは、旋回ディスク5104と比べてより大きな摩耗が回転によって空気流チューブ5130に生じることができるようにし得る。これは、旋回ディスク5104よりも容易に空気流チューブ5130を交換できるため有利である。
【0136】
リブ4120の他の利点は、傾動及び/又は非軸方向移動に起因し得る任意の機械的な負荷のより大きな部分を出口コネクタ4106から空気流チューブ5130へ伝えることができるようにすることかもしれない。これは、このことが旋回ディスク5104などの加湿器5000の非消耗可能構成要素よりも空気回路4100及び/又は空気流チューブ5130などの消耗可能構成要素で摩耗が生じるのを助けることができるという点において有利な場合がある。リブ4120の更なる他の利点は、出口コネクタ4106と出口アセンブリ5107との係合中に、(
図5eに示されるような)ベースシール4170の変形を、該ベースシール4170が出口コネクタ4106の内部へ向けて受け得る最大軸方向変形を制限することによって維持する又は制限することかもしれない。
【0137】
6.6.1.1.3 電気接続部
電気コネクタ4112は、例えば
図5cに示される挿入方向の引き込み面上のその縁部に、面取りなどの1つ以上の引き込み機能部、或いは、湾曲された半径を含んでもよい。これは、ワイプ接続(wipe connection)をもたらすべく電気コネクタ受け部5114内への電気コネクタ4112の挿入を助けて、電気コネクタ4112上の導体の損傷を防止できる。電気コネクタ4112上の電気リード4128の太さは、約0.2mm〜1.2mm、例えば0.4mm、0.6mm、0.8mm、又は、1mmであってもよい。太さは、電気コネクタ4112の設計寿命、電気リード4128のために選択される材料、及び、受け部接点要素5146のために選択される材料などの多くのパラメータにしたがって変化し得る。電気リード4128のための材料の1つの適した例は、ニッケルメッキされた後に金メッキされる高温焼き戻しリン青銅(high temper phosphor bronze)であってもよい。ある状況では、増大された量の導電材料及び/又は高伝導メッキ(金及び/又は白金など)が電気リード4128で使用されてもよい。これは、摩耗特性を向上させる及び/又はコネクタ4112からの熱を放散するという利点を有し得る。電気リード4128は、電気的接続を行なうために完全挿入が必要とされるようにするために、露出された導電面を電気コネクタ4112の下端に有してもよい。
【0138】
旋回ディスク5104上の電気コネクタ受け部5114に対する電気コネクタ4112の接続により与えられる他の特徴は、
図12e及び
図12fに示されるように互いに組み付けられるときに電気コネクタ受け部5114が出口コネクタ4106によって覆われることかもしれない。
図12eは、出口コネクタ4106が旋回ディスク5104よりも上側に示される分解図を示し、また、
図12fは、旋回ディスク5104と係合した状態の出口コネクタ4106を示す。
図4cに示されるように凹部4116の形状については前述したが、これにより、凹部の形状は、例えば
図9aに描かれる電気コネクタ受け部5114の内側部分に一致し得る。また、
図4c及び
図4dは、電気コネクタ4112(
図4dに示されない)が受けられる出口コネクタの開口4118を取り囲む出口コネクタ4106の領域も描く。
図12c及び
図12dに示されるように出口コネクタ4106が旋回ディスク5104へ挿入されると、電気コネクタ4112を取り囲む出口コネクタの領域は、破片や汚染物(液体など)が電気コネクタ受け部に入るのを防止するために電気コネクタ受け部5114の開口を覆い隠してよい。前述したように、コネクタ4112及び受け部5114は、それらの間の電気的接続が出口コネクタ4106と旋回ディスク5104との機械的な係合の後に行なわれるように構成される。このことは、出口コネクタ4106と電気コネクタ4112及び受け部5114によって支持される旋回ディスク5104との間の位置ずれによる任意の変形又は負荷の割合を減少させる。これは、旋回ディスク5104に対する出口コネクタ4106の挿入中に電気コネクタ4112と受け部5114との係合前に空気流チューブ5130とリブ4120とが係合するように出口コネクタ4106及び旋回ディスク5104を構成することによって達成され得る。この形態は、空気回路4100を介して与えられるガスが補給酸素を含む場合にも有利となり得る。これは、それによって空気圧回路が分離されない状態での電気アークの発生を防止できるからである。
【0139】
この技術の更なる他の特徴は、
図18a〜
図18bに示されるような電気コネクタ受け部5114内における雌電気コネクタ5158上の受け部接点要素5146の配置において見出され得る。電気リード4128は、電気コネクタ4112がコネクタの上端TSから受け部5114内へ挿入されるにつれて受け部接点要素5146と係合し得る。この係合は、
図18a〜
図18bに示される矢印ENGの方向でのスライド動作によって行なわれ得る。受け部接点要素5146は、
図18bに示されるような傾斜した三角形状に構成されてもよい、及び/又は、電気リード4128とのそれらの係合を助けるべくスライド面に対して垂直な方向PERで順応性があるように構成されてもよい。
【0140】
前述した三角形状及び/又は順応性は、コネクタ4112側の電気リード4128と受け部接点要素5146との間の改善された係合を可能にし得る。これは、コネクタ4112が電気コネクタ受け部5114内へ徐々に挿入されるからである。コネクタ4112との係合中、コネクタ4112が雌電気コネクタ5158の長さに沿ってスライドするにつれて、接点要素5146が内側に押圧されて電気リード4128に対する接触を維持してもよい。これは、製造ばらつき又は使用中の変形等のような根源による機械的許容誤差の受け入れの改善を可能にし得る。
【0141】
更にまた、受け部接点要素5146は、その当初の形態(
図18bに示される)から変形されて内側に押圧されるときに受け部接点要素5146を非変形位置へ戻る方向へ付勢できるように付勢されてもよく、それにより、電気リード4128とのその接続の忠実性が高められる。雌電気コネクタ5158のそのような構成の他の利点は、それが自浄式であるという点かもしれない。雌電気コネクタ5158及びコネクタ4112がスライド取り付け、スライド取り外し動作で互いに係合し得るため、それにより、洗浄しないままであれば2つの部品間に形成される電気的接続の忠実性に影響を及ぼし得る汚染物の蓄積が防止される。拭き取り動作によって除去されてきた任意の汚染物は、例えば旋回ディスクシール5113によって、空気経路に入ることが防止されてもよい。また、雌電気コネクタ5158が垂直位置に配置されて接続が垂直方向で行なわれると、電気接点から拭き取られる任意の汚染物がコネクタの下方に落ちる。受け部5114内の雌電気コネクタ5158の下方にキャビティが形成されてもよく、このキャビティ内へと汚染物が集まってもよい。このキャビティは空気経路と連通しない。
【0142】
図18cは、ケーブル5102に接続されてもよい雌電気コネクタ5158の表面を示す。コネクタは複数の溶接ポイント5150,5152,5154を備え、例えば、各導電トラックごとに2つの溶接ポイントが存在してもよく、それにより、負荷に対する機械的強度を高めることができる。コネクタは、組立中の位置合わせ及び/又は機械的な結合のための1つ以上のペグ、リベット、又は、ピン5156を組み込んでもよい。随意的に、機械的拘束を与えるために1つ以上のペグ、リベット、又は、ピン5156が熱カシメされてもよい。特定の構成では、機械的拘束力をコネクタのより大きな表面にわたって広げるために、1つ以上のペグ、リベット、又は、ピン5156とケーブルとの間にワッシャ又はプレートが設けられてもよい。
【0143】
図18d〜
図18fは、
図18g〜
図18hに更に詳しく示される受け部接点要素5146の他の例を含む、雌電気コネクタ5158の他の例を示す。受け部接点要素5146のこの例の特徴は、接点部5164及び/又は湾曲部5168ではなく基部5166から分岐保持機能部5162が形成されるという点である。受け部接点要素5146は、ベリリウム銅などの高い強度及び硬度を伴う電気伝導性及び熱伝導性が高い材料から形成されてもよい。
【0144】
空気回路4100の出口コネクタ4106で電気接続部を露出させると、更なる電気的安全性がもたらされる。これは、空気回路が、電源を含まないが、電力を受けるためにRPT装置4000側の旋回ディスク5104及び/又は加湿器5000に対する接続を必要とするからである。また、洗浄プロセスに晒される場合がある露出された電気接続部は、交換可能な空気回路4100の構成要素上にもある。
【0145】
6.6.1.2 エルボー出口コネクタ
図4a〜
図4b、
図5a〜
図5f、及び、
図12a〜
図12dにおいて分かるように、エルボーを伴う出口コネクタ4106を形成することにより、(例えば、患者が睡眠中に偶然に空気回路4100を強く引っ張ることにより)空気回路4100が誤って或いは意図せずにRPT装置4000及び/又は加湿器5000から引き抜かれる機会が減少され得る。これは、空気回路の引張力ベクトルの方向が空気回路4100とRPT装置4000及び/又は加湿器5000との係合の方向に対して角度を成して(例えば垂直に)位置されるからである。また、
図1a〜
図1cに示されるように、RPT装置4000及び/又は加湿器5000は、ベッドに横たわっている患者がRPT装置及び/又は加湿器とほぼ同じ高さとなるように処置中に例えば寝室用小卓上に位置されてもよい。そのような状況において、出口コネクタ4106の一部としてエルボーを含ませることにより、特にエルボーで或いはエルボー付近で空気回路の曲げ角度を減らすことができるように空気回路4100をより直接的に患者に向けることができ、それにより、空気回路に作用する応力を減らすことができる。本技術の1つの例において、出口コネクタ4106は、約90°の角度を有するエルボーを含んでもよい。しかしながら、例えば20°、40°、60°、80°、又は、100°を含む0°〜120°などの任意の角度を想定し得ることが理解されるべきである。この角度の選択は、流れ抵抗(flow impedance)、利便性、出口コネクタ4106の位置、又は、雑音関連などの任意の数の設計要件によって影響される場合がある。
【0146】
6.6.1.3 回転可能な出口コネクタ
患者が処置中に移動して空気回路4100を引っ張る場合があるため、空気回路の曲げ角度を更に減少させて、アセンブリ、特に空気回路に作用する、及び、出口コネクタ4106からの空気回路に対する接続部に作用する応力を低減することが有益な場合がある。これは、機械的接続、空気圧的接続、及び、電気的接続が維持される状態で出口コネクタ4106がRPT装置4000及び/又は加湿器5000に対して回転できるようにすることによって達成されてもよい。
【0148】
図8a、
図8b、
図8d〜
図8h、
図9a〜
図9c、
図21a〜
図21cは、本技術の様々な例に係る旋回ディスク5104の様々な図を示す。前述したように、旋回ディスク5104は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000に対して空気回路4100を接続するときに出口コネクタ4106を受ける構成要素であってもよい。旋回ディスク5104は、空気圧的接続及び電気的接続を維持しつつRPT装置及び/又は加湿器に対する回転可能性を(例えば、出口コネクタ4106に)与えてもよい。
【0149】
図8a及び
図9a〜
図9cは、本技術の例に係る旋回ディスク5104の図を示す。
図8aは、典型的な旋回ディスク5104の底部の斜視図を示す。言い換えると、この図は、出口コネクタ4106が接続し得る側と反対側に位置される旋回ディスク5104の特徴を描く。以下で更に詳しく論じられるケーブル5102が電気コネクタ受け部5114の下面から延在しているのが分かる。電気コネクタ受け部5114の内側にあるケーブル5102の端部は、出口コネクタ4106が旋回ディスク5104へ挿入されるときに電気コネクタ4112と電気的に通じてもよい。図示のケーブル5102の自由端は、例えばケーブル5102の他端(図示せず)で、RPT装置4000及び/又は加湿器5000の少なくとも1つの電気構成要素4200(例えば、コントローラ、プリント回路基板(PCB)、及び/又は、電源)と電気的に通じてもよい。以下で更に詳しく論じられるように、ケーブル5102がその接続機能を果たすのに十分な任意の長さを有してもよいことが理解されるべきである。
【0150】
図8aでは、ケーブル5102の両側にケーブルと隣接して一対のディスクストッパ面5108,5110が示される。以下で更に詳しく説明されるように、これらのディスクストッパ面5108,5110は、ケーブルハウジング5100に対する旋回ディスク5104の回転を制限してもよい。また、ケーブル5102の周囲の出口フランジ5109は、ケーブルが電気コネクタ受け部5114の雌電気コネクタ5158に接続される場所からケーブルが出口アセンブリ5107を貫通して延在するようにケーブル5102を支持する。以下でも更に詳しく論じられるように、シールを行なうため及び/又はケーブル5102を閉じ込めるためにフランジ5112が旋回ディスク5104の周囲に径方向で配置されてもよい。複数存在してもよい切り欠きのうちの切り欠き5126も見ることができる。
【0151】
図9b〜
図9eは、
図8aに関連して説明された特徴と同様の特徴を示すが、旋回ディスク5104をケーブルハウジング5100に対してスナップ嵌合させることができるようにするタング5128も示す。タング5128は、旋回ディスク5104をそれがケーブルハウジング5100に対して回転できるようにしつつケーブルハウジング上に保持してもよい。
【0152】
また、旋回ディスク5104は、TPEなどの順応性がある材料を備えてもよい
図9a〜
図9eに示されるような旋回ディスクシール5113を組み込んでもよい。旋回ディスクシール5113は、旋回ディスク5104と空気流チューブ5130との間のシールを維持して任意の汚染物が空気経路に入ることを防止するように機能してもよい。
【0153】
前述したように、出口コネクタ4106は、保持機能部4110を対応する切り欠き5126に係合させることによって、及び、凹部4116を電気コネクタ受け部5114に係合させることによって、旋回ディスク5104に解放可能に結合されてもよい。出口コネクタ4106は、旋回ディスク5104に接続されると、旋回ディスクと一体となってケーブルハウジング5100に対して回転できてもよい。
【0154】
図21a〜
図21cは、ケーブルハウジング5100に連結される旋回ディスク5104の図を示す。
図21aは、本技術の一例に係る出口アセンブリの平面図を示す。
図21aにおいて、旋回ディスク5104は、ケーブルハウジング5100に対して中間回転位置にあってもよい。
【0155】
図21bは、
図21aの線21b−21bに沿ってとられた雌電気コネクタ5158の対称面を横切る出口アセンブリ5107の断面を示す。本技術のこの例は、電気コネクタ受け部5114の開口から雌電気コネクタ5158を奥まった所に置く内側肩部5160を示し、これにより、電気コネクタ受け部5114のコネクタ4122と係合するとき及び/又はコネクタ4112から離脱するときの電気的安全性を高めることができる。電気コネクタ受け部5114の開口から奥まった雌電気コネクタ5158の配置は、露出領域又はその近傍での任意の電気アークの発生も防止できる。雌電気コネクタ5158及び電気コネクタ受け部5114のこの配置は、任意の電動構成要素がユーザにより触られることも防止できる。
【0156】
図21cは、
図21aの線21c−21cに沿ってとられた出口アセンブリ5107の他の断面図を示す。旋回ディスク5104の内壁5101は、ケーブルハウジング5100の外壁内で見ることができる。ケーブルハウジング5100のタブ5106も見ることができる。旋回ディスク5104のフランジ5112もケーブルハウジング5100の外壁5103よりも上側で見ることができる。
【0157】
6.6.1.3.1 限定的回転
本技術の他の特徴は、
図8a及び
図8cにおいて見ることができる。前述のディスクストッパ面5108,5110(
図8aに示される)は、ケーブルハウジング5100も内壁5101に位置されてもよい一対の相補的なハウジングストッパ面5120,5122(
図8cに示される)を有する。例えば
図8d〜
図8fに示されるように、旋回ディスク5104をケーブルハウジング5100の内壁5101内でこの内壁5101に接続することにより、ケーブルハウジング5100に対する旋回ディスク5104の回転がその極端位置又はその近傍で対応するストッパ面の係合によって制限されてもよい。本技術の1つの例では、旋回ディスク5104の回転が約360°未満に制限されてもよい。回転は、約180°よりも大きい量に制限されてもよい。更なる例では、回転が約270°に制限されてもよい。旋回ディスク5104の望ましい回転範囲は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000に対する旋回ディスク5104の位置、出口コネクタ4106のエルボー角度、及び、構成要素の材料特性などの多くの因子によって決定されてもよい。
【0158】
描かれた例は、1つの構造体の両側の端部又は表面を表わしてもよい前述した相補的なストッパ面の2つの対を示す。複数のストッパ構造がそれぞれの構成要素に形成されることも想定し得る。例えば、ハウジングの内壁上のストッパ面に2つの別個の突起が設けられてもよく、また、旋回ディスクに関しても同様である。また、ハウジングと旋回ディスクとの単一の組み合わせに複数の形態のストッパ面を設けて、1つの組み合わせが多くの利用可能な回転制限を含むことができるようにすることも想定される。
【0159】
図8dは、ケーブルハウジング5100に対して反時計回り方向に一方の極端位置へと回転される旋回ディスク5104を示す。
図8fは、ケーブルハウジング5100に対して時計回り方向に他の移動限界へ向かう他方の極端位置へと回転される旋回ディスク5104を示す。
図8eは、
図8d及び
図8fに示される極端位置間にある位置をケーブルハウジング5100に対してとる旋回ディスク5104を示す。
図8d〜
図8fにおいては、旋回ディスク5104により、ストッパ面5108,5110,5120,5122を見ることができないが、旋回ディスク5104が
図8d及び
図8fに示されるいずれかの位置にあるときにディスクストッパ面5108,5110のうちの一方が対応するハウジングストッパ面5120,5122と係合される及び/又は当接されることが理解されるべきである。
【0160】
図8g及び
図8hは、ケーブルハウジング5100に対して時計周り方向の極端位置及び反時計回り方向の極端位置へと回転される旋回ディスク5104の例も示す。また、
図8g及び
図8hは、旋回ディスク5104に接続される出口コネクタ4106の下部構造体4132(
図6a〜
図6gに更に詳しく示されるとともに以下で更に説明される)も示す。
図8gにおける旋回ディスク5104及び下部構造体4132の位置は
図8fに示される位置に対応し、また、同様に、
図8hは
図8dに対応する。
図8g及び
図8hでは見えないが、下部構造体を旋回ディスクに解放可能に接続してそれらがケーブルハウジング5100に対して一体で回転できるようにするために、各タブ4148が旋回ディスク5104の対応する切り欠き5126と係合される保持機能部4110を含むことが理解されるべきである。また、
図8g及び
図8hがこの例では旋回ディスク5104に対する下部構造体の接続に基づく下部構造体4132の回転の想定し得る極端位置を描くことも理解されるべきである。
【0161】
6.6.1.4 電気ケーブル接続
前述したように、ケーブル5102は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000の少なくとも1つの電気構成要素に対して電気コネクタ4112を電気的に接続するために設けられてもよい。
図8a〜
図8hに示されるケーブル5102は、フレキシブル回路基板(FCB)又はリボンケーブルであってもよい。ケーブル5102は、給電機能及び信号送信機能のための複数の電気的接続を行なうために複数の配線を含んでもよい。ケーブル5102は、主面又は長い方の側面が旋回ディスクの回転軸線と平行に向けられるように方向付けられてもよい。FCBがケーブル5102として使用される場合、FCBは、ケーブル5102の寿命を延ばすのに役立つべく、FCBが旋回ディスク5104と共に回転する際に導電トラックが位置されるFCBの表面がケーブルハウジング5100との摩擦接触から保護されるように方向付けられてもよい。更にまた、(導電トラックから離れている)接触面は、それがケーブルハウジング5100に対してスライドするときに形成される摩擦力が最小限に抑えられるように低摩擦面を備えてもよい。これは、ケーブル5102で生じる摩擦の大きさを減少させるとともに、ケーブル5102と該ケーブルに接続される雌電気コネクタ5158などの任意の電気コネクタとの間の半田接合部/装着接合部に課される負荷を減らすという効果を有することができる。そのような低摩擦面の一例がポリアミド基質であってもよい。
【0162】
6.6.1.4.1 ケーブル管理
本技術の一例によれば、ケーブル5102は、一端が旋回ディスク5104の電気コネクタ受け部5114に固定されてもよい。図示しないが、言うまでもなく、ケーブル5102の反対側の端部は、電力をケーブルに供給するためにRPT装置4000及び/又は加湿器5000の少なくとも1つの電気構成要素4200、例えばPCBに接続固定されてもよい。したがって、ケーブル5102は、旋回ディスク5104への接続部とRPT装置4000及び/又は加湿器5000の少なくとも1つの電気構成要素4200への接続部との間で所定の長さを有してもよい。
【0163】
ケーブル5102は、
図8d〜
図8hに示される本技術の例では、内壁5101と外壁5103との間の環状部分5174内又は旋回ディスク5104の位置に応じてケーブルハウジング5100により少なくとも部分的に画定される凹部又は空洞5124内のいずれかに収容されてもよい弛み部を含んでもよい。旋回ディスク5104のフランジ5112は、環状部分5174の上側カバーを画定することに寄与してもよいが、フランジ5112は、環状部分5174内のケーブル5102と接触しない。ケーブルハウジング5100(
図8c参照)が内壁5101及び外壁5103を含んでもよいが、これらの両方の壁が空洞5124を更に画定してもよい。ケーブルハウジング5100がリテーナ5118を含んでもよく、該リテーナは、ケーブル5102をもつれや締め付けの機会を減らすことによって適切な方向に維持するのに役立ってもよく、或いは、弛み部がケーブルハウジング5100から押し出されることを防止するのに役立ってもよい。リテーナ5118の外径は、ケーブル5102の電気要素を損傷させることなくケーブル5102の屈曲のための最小直径、例えば約4mm、4.5mm、5mm、又は、何らかの他の外径を与えるように設計されてもよい。使用されるケーブルのサイズやタイプに応じてリテーナ5118の外径サイズが変えられてもよいことが理解されるべきである。
図8cにおいて分かるように、描かれる典型的なケーブルハウジング5100は、ほぼ所定の長さのケーブル5102をケーブルハウジング5100内に保持しつつケーブル5102が通過できるスロットの形状に形成されてもよい開口5116を含んでもよい。
【0164】
ケーブル5102は、旋回ディスクが
図8fに示される極端位置へ向けて回転されるときに環状部分5174内で内壁5101の周囲に少なくとも部分的に巻き付けられる。ケーブル5102は、旋回ディスク5104の周囲に巻き付かず、旋回ディスク5104が回転されるときに環状部分5174内で旋回ディスクと共に移動する。
【0165】
図8d〜
図8iは、本技術の描かれた例の他の特徴を描く。旋回ディスク5104が極端位置間で回転されると、ケーブル5102は、旋回ディスクに対するその接続に起因して、ケーブルハウジング5100の空洞5124と環状部分5174との間で押し引きされ得る。例えば、旋回ディスク5104が
図8dに示される位置から
図8eに示される位置まで回転されると、ケーブル5102の一部が空洞5124から引き出されて環状部分5174に引き込まれることが分かる。例えば
図8dにおいて空洞5124内に折り畳まれて示されるケーブル5102の部分が弛み部と見なされてもよいことが理解されるべきである。言い換えると、弛み部は、旋回ディスク5104に直接に接続する必要があるもの以外のケーブルの長さを表わす余分なケーブルであってもよい。したがたって、旋回ディスク5104が
図8dに示される位置から
図8eに示される位置へと回転されると、弛み部は、ケーブルが引っ張られるにつれてケーブル5102の弛み部を環状部分5174に徐々に引き込んで内壁5101の周囲に巻回し始めることができるように、空洞5124から次第に取り除かれてもよい。旋回ディスク5104が
図5eに示される位置から
図5fに示される位置へと更に回転されると、環状部分5174へと引き込まれるケーブル5102の部分が増大して、弛み部が空洞5124から完全に或いはほぼ完全に引き出され得る。凹部又は空洞5124及び環状部分5174は内壁5101の相対する側に形成されてもよい。
【0166】
図8fの位置から
図8eの位置を経て
図8dの位置へと至る旋回ディスク5104の反対方向の回転により、ケーブル5102を環状部分5174から徐々に押し進めて内壁5101の周囲から繰り出すことができ、それにより、空洞5124内の弛み部が増大して折り重なり始める。本技術の一例では、ケーブル5102の最大の弛み部が所定の長さを有してもよい。他の例において、その所定の長さは、旋回ディスク5104の周長未満であってもよく、及び/又は、旋回ディスクが極端位置間で回転する際に電気コネクタ受け部5114により掃き出される円弧の距離にほぼ等しくてもよい。また、本技術の一例では、旋回ディスク5104が
図8dに示される位置にあるときにケーブル5102の最も大きな量の弛み部が空洞5124内に集められる或いは収容されることも理解されるべきである。また、
図8g及び
図8hに描かれる本技術の例が前述した
図8d及び
図8fに描かれる特徴と同様の特徴を示すことが理解されるべきである。
【0167】
6.6.1.4.2 ケーブルハウジング
図8b〜
図8i及び
図11a〜
図11dは、本技術の例に係るケーブルハウジング5100の特徴を描く。前述したように、ケーブルハウジング5100は、共同して空洞5124及び環状部分5174を画定してもよい内壁5101及び外壁5103を含んでもよい。内壁5101が開口を画定してもよく、出口アセンブリ5107がRPT装置4000及び/又は加湿器5000に組み付けられるときに前記開口を通じて空気流チューブ5130が延在してもい。この組み付けを更に容易にするため、ケーブルハウジングをRPT装置4000及び/又は加湿器5000或いはその更なるハウジングに取り付けるべくケーブルハウジング5100にタブ5106が位置されてもよい。これは、ケーブルハウジング5100の製造可能性及び保守点検可能性を向上させることができる。タブ5106は、それらがそれら自体で及び/又はセットとして加湿器5000及び/又はRPT装置4000の重量を支えることができるように構成されてもよい。これは、アセンブリが空気回路4100及び/又は出口コネクタ4106によって誤って持ち上げられるときに損傷が加湿器5000、RPT装置4000、及び/又は、ケーブルハウジング5100に生じることを防止し得る。ある場合には、空気回路4100及び/又は出口コネクタ4106は、加湿器5000及び/又はRPT装置4000が所定位置に保持されて力が空気回路4100及び/又は出口コネクタ4106に対して(
図5cに対して)上向きに課される場合に機械的に機能しなくなるように構成されてもよい。
【0168】
内壁5101及び外壁5103に戻ると、本技術の例では、ケーブル5102の弛み部が空洞5124内で半径を形成するのが分かる(例えば、
図8e参照)。この半径は、ケーブル5102に課される応力(したがって、潜在的にケーブルの動作寿命)に影響を与える場合があり、部分的には空洞5124内の内壁5101と外壁5103との間の距離(
図8i中のVO
H)によって規定される。したがって、これらの壁は、ケーブル5102の所望の最小半径に基づいて空洞5124を横切る2mm〜5mmの範囲内の距離だけ離間されてもよい。1つの例では、距離が4mm〜5mmの範囲内である。ケーブル5102の特性及び設計寿命などのケーブルの設計パラメータ或いは使用状況に応じてケーブルの所望の最小半径が変化してもよいことが理解されるべきである。同様に、旋回ディスク5104の最大回転によってもたらされ得るケーブル5102の最大弛み長さにしたがって空洞5124の長さ(
図8i中のVO
L)が長くされ或いは短くされてもよい。
【0169】
内壁5101と外壁5103との間の環状部分5174の幅(
図8iのAN
W)は、旋回ディスク5104が一方の極端位置から他方の極端位置へと回転する際にケーブル5102が環状部分内で移動するにつれて最小にされてもよい。これは、ケーブルにより生み出される雑音を減少させて環状部分内のケーブルの座屈を防止するという利点を有し得る。環状部分の幅は、約1mm〜4mm、例えば2mm又は3mmであってもよく、また、言うまでもなく、幅は、アセンブリの様々な特徴及び/又は特性、例えば選択されるケーブルの特徴又は内壁5101の半径によって決まってもよい。幾つかの構成において、環状部分5174の内壁5101及び/又は環状部分5174の外壁5103は、旋回ディスクが回転されるときに音性能を向上させるのに役立つ緩衝材料を含んでもよい。緩衝材料は、ケーブルが外壁5103ではなく内壁5101の周囲で或いはその逆で移動することを確保してもよい。
【0170】
本技術の一例において、ケーブルハウジング5100は、ポリプロピレン又はポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)から形成されてもよい。旋回ディスク5104は、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)と熱可塑性エラストマー(TPE)との組み合わせから形成されてもよい。
【0171】
6.6.1.5 空気流チューブ
図10a〜
図10dは、空気流チューブ5130の様々な図を示す。前述したように、空気流チューブは、交換され得る或いは洗浄され得る取り外し可能な構成要素として形成されるマルチ患者/マルチユーザ(MPMU)チューブであってもよい。空気流チューブ5130は、
図19a〜
図19dに示されるように加湿器5000又はRPT装置4000に接続する入口端部5132を含んでもよい。入口端部5132は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000の出口からシールされた空気圧接続をもたらすために圧力作動式の面シール又はベローズシールを備えてもよい。シールは、例えば参照することによりその全体が本願に組み入れられる米国特許出願公開第2011/0271956号明細書に記載されるシールなどが使用されてもよい。本技術の他の例において、空気流チューブ5130は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000に接続される少なくとも1つの導管に入口端部5132が接続されてもよい。任意のこれらのシナリオにおいて、空気流チューブ5130、具体的には入口端部5132の1つの機能は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000からガス流を受けてそれを装置外で出口コネクタ4106を介して空気回路4100へと方向付けることであってもよい。また、空気流チューブ5130は、出口コネクタ4106が出口端5134の周りで回転できるようにすることによって空気回路4100の出口コネクタ4106の回転を容易にする。
【0172】
図19a〜
図19eには、加湿器5000の一部が空気流チューブ5130及び/又はケーブルハウジング5100と共に示される。また、空気流チューブ5130は、空気流チューブをRPT装置4000内及び/又は加湿器5000内の正しい位置に位置決めする及び/又は保持するべくRPT装置4000及び/又は加湿器5000の受け部5176と接続するためのラッチ部5172を組み込んでもよい。ラッチ部5172は、空気流チューブの入口端部5132を正しい位置に位置決めするのに役立ち得る。ラッチ部5172と受け部との係合は、正しい接続を知らせるためにクリックなどの感覚フィードバックを与えてもよい。ラッチ部5172は、空気流チューブが受け部から係合が解除されるにつれて空気流チューブ5130が受け部から取り外されるように更に構成されてもよい。ラッチ部5172は、視認性を向上させるために、相補的な受け部又はRPT装置4000及び/又は加湿器5000の構成要素とは異なる色であってもよい。特定の状況において、空気流チューブ5130及び/又は受け部5176は、空気流チューブ5130を受け部5176から解放するために例えばラッチ部5172の端部にあるボタンを使用できるように構成されてもよい。空気流チューブ5130を受け部5176から解放するために工具が使用されてもよい。
【0173】
空気流チューブ5130は、空気回路4100がRPT装置4000及び/又は加湿器5000に取り付けられるときにラッチ部5172と受け部5176との係合が空気回路4100とRPT装置4000及び/又は加湿器5000との間の空気圧的接続も完了させるように構成されてもよい。したがって、空気漏れの検出によって空気流チューブ5130の接続の欠如又は不正確な接続或いは空気流チューブの離脱を検出することが想定し得る。
【0174】
更なる随意的な構成において、空気回路4100の出口コネクタ4106がRPT装置4000及び/又は加湿器5000に接続されるときに、その接続動作は、空気流チューブ5130と受け部5176との正しい接続を確保するように構成されてもよい。受け部5176に対する空気流チューブ5130の不正確な接続が、出口コネクタ4106を空気流チューブ5130に正しく接続できることを妨げてもよく、それは、例えば高い漏れ流量の検出によってRPT装置4000により知らされてもよい。更なる別の手段において、空気回路4100の出口コネクタ4106は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000からの空気流チューブ5130の挿入及び/又は除去を容易にするために使用されてもよい。
【0175】
前述したように、空気回路4100がRPT装置4000及び/又は加湿器5000に取り付けられるときに、空気流チューブ5130の出口端5134が出口コネクタ4106の出口接続領域4114に結合されてもよい。標準的な非加熱空気回路の接続を可能にするために、出口端5134には、ISOテーパー、例えば22mm外径のISOテーパーが形成されてもよい。
【0176】
図10aにおいて分かるように、空気流チューブ5130は、空気流チューブ5130を通じた空気流の抵抗(impedance)を減少させるように構成される内部円形又は湾曲状断面を有する流れ屈曲部を備えてもよい。
図10dに示されるように空気流チューブ5130は2部品プロセスとして構成されてもよく、この場合、第1の部分5130aは、Bisphenol A (BPA)遊離型ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)などの硬質材料から成形され、また、流れ屈曲部の少なくとも一部を備える第2の部分5130bは、シリコンなどの順応性がある材料からオーバーモールドされる。屈曲部の一部を備える第2の部分5130bを形成するために順応性がある材料を使用することは、成形プロセスの終わりに第2の部分5130bを変形させることにより内部屈曲部を備える成形型の内部キャビティからの抜き出しを可能にし得る。
【0177】
また、空気流チューブ5130は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000又はそのハウジング或いは筐体に対する空気流チューブ5130の位置決め及び/又は固定に関与するための保持フランジ5136を含んでもよい。保持フランジ5136は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000の位置決めフランジと当接することにより、
図19c〜
図19dに示されるようにRPT装置4000及び/又は加湿器5000の出口内に空気流チューブ5130の出口端5134を正確に位置決めする或いは位置させるのに役立ってもよい。保持フランジ5136が空気流チューブ5130の当接固定を可能にしてもよいことが理解されるべきである。或いは、保持フランジ5136は、空気流チューブが例えば洗浄され或いは交換され得るように空気流チューブ5130の取り外し可能な取り付けを可能にしてもよい。
【0178】
6.6.2 空気回路の製造
ここで、本技術の実施例にしたがって、空気回路4100の特定の特徴及びその製造とのそれらの関係について説明する。
図5fは、本技術の一例に係る空気回路4100の構成要素の分解図を示す。出口コネクタ4106の下部構造体4132は、チューブ部4102を取り付けるための構造を伴うチューブ接続領域4136を含む成形部品であってもよい。チューブ接続領域4136の反対側のオリフィス4144は、出口コネクタ4106に対する空気圧シールを部分的にもたらすためにエンドキャップ4124を受けてもよい。出口コネクタ4106を空気圧的に更にシールして更なる構造的支持を行なうために、下部構造体4132の上端を覆ってハウジング4134が設けられてもよい。ハウジング4134は、オーバーモールドプロセスによって下部構造体4132に導入されてもよい。電気コネクタ4112は、少なくとも1つの電気リード4128を支持するための支持構造体4126を含んでもよい。電気コネクタ4112はインサート成形によって形成されてもよく、この場合、電気リード4128は、電気リード4128の周囲で支持構造体4126を成形することにより電気コネクタ4112中へ成形される。電気コネクタ4112は、下部構造体4132のチューブ接続領域4136付近で突出タブ4180により出口コネクタ4106に対して位置され及び/又は接続されてもよい。また、以下で更に詳しく述べるように、グロメットをチューブ部4102に螺合できるようにするためにグロメット4104はネジ4130を伴って示される。
【0179】
図6a及び
図6c〜
図6eは、電気コネクタ4112を含む下部構造体4132の様々な図を示す。下部構造体4132及び電気コネクタ4112の支持構造体4126は、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)から成形されてもよい。
図6aには、チューブ接続領域4136、及び、アクチュエータ4108と保持機能部4110とが配置されて成るタブ4148も見える。チューブ接続領域の反対側にオリフィス4144も見える。オリフィス4144は、下部構造体の成形中に下部構造体4132に形成されてもよい。成形中にチューブ接続領域4136及び下部構造体4132の内部を形成するためにマンドレルが使用されてもよく、また、マンドレルの周囲にオリフィス4144が形成されることにより、下部構造体が成形された後にマンドレルが引き出されるときにこの領域が開放したまま残ってもよい。エンドキャップ4124は、
図5fに示されるように、オリフィス4144をシール状態で覆うために下部構造体4132上に超音波溶接されてもよい。エンドキャップ4124は、出口コネクタ4106を通じた流れ抵抗を減らすように構成される内部形状を備えてもよい。例えば、エンドキャップ4124は、出口コネクタ4106の内側角部の半径を増大させるように構成される
図5g〜
図5iに示されるような流れ半径部4176を組み入れてもよい。流れ半径部4176は、熱的性能及び/又は音響性能の向上に適した材料から構成されてもよく、及び/又は、熱的性能及び/又は音響性能の向上のために流れ半径部4176とハウジング4134との間に空隙を備えてもよい。
【0180】
図6bは、電気コネクタ4112の支持構造体4126を少なくとも1つの電気リード4128と共に示す。支持構造体4126の接続端部4138及びチューブ端部4140も示される。なお、
図6bにおいて、電気リード4128は、チューブ端部4140へ向けて突出するスナップオフプレート4174を示し、該プレートは組立図(
図6f)には示されない。スナップオフプレート4174は、組立中においてのみ使用され、完成した出口コネクタ4106の一部を形成しない。1つの形態において、スナップオフプレート4174は、(例えば螺旋コイル4103の)個々の配線がそれらの対応する電気リード4128に接続された後に除去される。
【0181】
図6fは、内部構造を示すためにハウジング4134が除去された状態の組み立てられた出口コネクタ4106の斜視図を示す。
図6gは、同様の図を断面で示す。
図6gは、チューブ部4102の螺旋コイル4103に対するグロメット4104のネジ4130の係合を示す。また、チューブ部4102の一部が下部構造体4132のチューブ接続領域4136にコネクタネジ4142で取り付くためにグロメット4104を貫通して延在しているのが分かる。これらのコネクタネジ4142は
図6cにおいても見ることができる。幾つかの形態では、螺旋コイル4103の一部を繰り出すことができるようにするために、チューブ接続領域4136と係合するチューブ部4102の部分が引き裂かれてもよい。これにより、電気コネクタ4112との電気的な接続を形成するために螺旋コイル4103の繰り出された部分をチューブ接続領域4136の周りで経路付けることができる。
【0182】
図17は、チューブ部4102、グロメット4104、及び、下部構造体4132のアセンブリの周囲にハウジング4134をどのように形成できるのかについての本技術に係るハッチング断面を示す。
図17は、上側及び下側の金型6000,6002がアセンブリの上下に位置された状態で
図6f及び
図6gに示されるように組み付けられた出口コネクタ4106を示す。金型6000,6002がハウジング4134の外側を画定しているのが分かり、また、ハウジング4134の内側がグロメット4104及び下部構造体4132によって画定されてもよい。グロメット4104の機能は、この図からも理解することができるが、以下で説明される。出口コネクタ4106を完成させるためにハウジング4134を成形するときには、金型6000,6002が内部構造体の周囲にシールを完成させなければならない場合があり、これは、十分なシールに影響を及ぼすために何らかの圧力を必要とする場合がある。このシールを達成するために必要な大きさの金型6000,6002からの圧力は、金型がチューブ部に押し付けられる場合にチューブ部4102を損傷させる場合がある。一般に、マンドレル(図示せず)は、成形の間にチューブ部の形状を維持するためにチューブ部4102内に挿入され、これにより、チューブ部4102の任意の露出部が金型6000,6002に対して効果的に‘クランプ’される。したがって、グロメット4104は、該グロメットがチューブ部4102を保護する間に金型6000,6002がシールチャンバを形成してハウジング4134を成形できるようにするべく含められてもよい。
図6f、
図6g、及び、
図17においても見ることができる他の特徴は、グロメットが下部構造体4132のチューブ接続領域4136に当接するようにガス送出チューブ部4102をグロメット4104に螺合挿通できることである。これは、更なるシール機能を与えることができる。
【0183】
6.6.2.1 グロメット
図7a〜
図7fは、本技術の例に係るグロメット4104の図を示す。
図7b〜
図7dに示されるように、本技術の例に係るグロメット4104は、該グロメットをチューブ部4102に螺合できるようにするべくネジ4130を内側に含んでもよい。ネジ4130は、チューブ部4102の螺旋コイル4103を受け入れるように構成されてもよく、また、螺旋コイルの1つの巻回部全体を覆うように形成されて寸法付けられてもよい。
図7c〜
図7fに示されるように、グロメット4104は、径方向部分の周囲にグリップ部分又はグリップ4154を含んでもよい。グリップ4154は、グロメットがチューブ部4102に螺合される際にグロメット4104のより容易な握持を可能にしてもよい。
【0184】
6.6.2.1.1 グロメットの製造
本技術の一例に係るグロメット4104は、空気回路4100の他の構成要素とは別個に予備成形又は成形されてもよい。そのような状況では、
図7aに示されるように、少なくとも1つのキー溝4150をグロメット4104に含めることが有利な場合がある。この典型的なグロメット4104にキー溝を含めることにより、内部金型が回転されて成形グロメットから引き抜かれる間にグロメットをキー溝4150によって拘束することができてもよい。グリップ4154は、内部工具の除去中にグロメット4104の固定のために使用されてもよい。
【0185】
本技術の一例に係るグロメット4104は、
図17に示されるようなハウジング4134の成形中にチューブ部4102を保護するのに十分な強度及び硬さの材料から形成されてもよい。同時に、材料は、グロメット4104それ自体がチューブ部4102を損傷させるように硬質であってはならない。
【0186】
また、グロメット4104は、その径方向部分の周囲に配置される少なくとも1つのフランジ4152を含んでもよい。フランジ4152は、
図17に示されるような成形中に上側及び下側の金型6000,6002がグロメット4104の周囲でより良くシールできるようにする。フランジ4152は、締め付けを防止するべく金型6000,6002の圧力をグロメット4104の周囲にわたって分配するのに役立ってもよい。これは、金型6000,6002がシールを達成するためにフランジ4152が存在しない場合に比べて低い圧力で済む場合があるからである。
【0187】
グロメット4104の他の特徴は、チューブ部4102とチューブ接続領域4136との連結部で生み出されるピーク応力を減らすことによってチューブ部4102の寿命を延ばすことかもしれない。一般に、チューブ接続領域4136は、チューブ部4102におけるよりもかなり高い剛性を曲げ方向で有し、したがって、剛性の突然の変化が局所的な高応力部位をもたらす場合がある。グロメット4104は、チューブ接続領域4136とチューブ部4102との間で組み付けられた出口コネクタ4106の長さに沿う剛性の変化を減らすことによって応力低減を達成してもよい。これは、チューブ部4102でもたらされる応力集中を減少させてもよい。
【0188】
したがって、本技術の一例によれば、グロメット4104を形成するために熱可塑性エラストマーが使用されてもよい。しかしながら、同様の特性を有する他の材料が同様に適する場合があることが理解されるべきである。
【0189】
6.6.2.2 クリップ受け部チューブ取り付け
図30a〜
図30iは、チューブ部4102を下部構造体4132に対して接続するための本技術の更なる例を描く。本技術のこれらの例によれば、クリップ受け部構成は、出口コネクタ4106を形成するためにオーバーモールド前にチューブ部4102を下部構造体4132に対して位置決めする及び/又は固定するべく設けられる。クリップ受け部構成は、下部構造体4132に例えばハウジング4134がオーバーモールドされる間においてチューブ部4102を損傷から保護してもよい。
【0190】
これらの例のチューブ接続領域4136には受け部4135が形成される。受け部4135は、下部構造体4132と一体部品を成す状態で一体的に成形されてもよい。受け部4135には受け部ネジ4135.1が内側に設けられ、それにより、螺旋コイル4103を受け部ネジに螺合してチューブ部4102を下部構造体4132に位置決めすることができる。1つの形態において、受け部4135は、チューブ部4102の外周(又は周囲)を完全に取り囲まなくてもよいが、受け部ネジ4135.1が螺旋コイル4103上に被嵌するようにチューブ部4102を受け部内へ挿入できるようにする。この形態では、チューブ部4102の外周の残りの部分の周囲に嵌合するようにクリップ4137が設けられてもよく、また、クリップ4137が受け部4135と係合してもよい。クリップが受け部4135に取り付けられるときにチューブ部4102の外周がクリップと受け部とにより取り囲まれるようにクリップネジ4137.1がクリップ4137の内側に形成されてもよい。また、クリップネジ4137.1及び受け部ネジ4135.1は、組み付けられたこれらのネジが螺旋コイル4103とほぼ適合する相補的な形状を有するように形成されてもよい。
【0191】
クリップ4137を受け部4135に取り付けてチューブ部4102を固定するために、受け部4135の両側に突起4139.1が設けられてもよく、また、対応するタブ4139がクリップに形成されてもよい。タブ4139は、クリップ4137をスナップ嵌合によって受け部4135に対して保持するためにそれぞれの突起4139.1にスナップ係合する。
図30aは、受け部4135に取り付けられるクリップ4137を示し、また、
図30bは、クリップをどのように取り付けることができるのかを示す。
図30d及び
図30gは、クリップ4137の取り付け前に受け部4135内へ挿入されるチューブ部4102を示し、また、
図30cは、チューブ接続領域4136にチューブを固定するために取り付けられるクリップを示す。
【0192】
図30e及び
図30fは、チューブ部4102に取り付けられた後に空気回路4100の出口コネクタ4106を完成させるためにハウジング4134がオーバーモールドされる下部構造体4132の図を示す。
図30cに示されるように、チューブ部4102が下部構造体4132に取り付けられて受け部4135とクリップ4137との間でチューブ接続領域4136に固定された時点で、このアセンブリは、
図17に示されるものと同様な態様でオーバーモールドされてもよい。しかしながら、この例では前述したグロメット4104が使用されないため、ハウジング4134のオーバーモールド中に金型6000,6002とのシールを形成するべく、グロメットのフランジ4152の代わりに、受け部4135に受け部フランジ4135.2が設けられてもよく、また、クリップ4137にクリップフランジ4137.2が設けられてもよい。
図30fは、下部構造体4132上にハウジング4134をオーバーモールドした後の出口コネクタ4106の断面図を示す。螺旋コイル4103が受け部ネジ4135.1及びクリップネジ4137.1に係合されているのが分かる。螺旋コイル4103を電気コネクタ4112に対して電気的に接続するために、螺旋コイル4103を所定位置へと(例えば繰り出しによって)移動させることができるようにするべくチューブ部4102の端部が引き裂かれてもよい。また、ハウジング4134が受け部4135及びクリップ4137の周囲に受け部フランジ4135.2及びクリップフランジ4137.2に至るまで成形されているのが分かる。
【0193】
図30h及び
図30iは、ヒンジ4141などの回動構造体によってクリップ4137が受け部4135に取り付けられる本技術の他の例を示す。この例によれば、ヒンジ4141及びクリップ4137は、これらの構成要素が一体部品となるように下部構造体4132と一体に成形されてもよい。チューブ部4102を下部構造体4132に固定するために、チューブが前述したように受け部4135内へ挿入されてもよく、その後、クリップ4137が、チューブ部4102の露出された外周上にわたって位置されて、タブ4139を突起4139.1にスナップ係合させることにより固定されてもよい。したがって、この例は、クリップ4137の取り付けのために1つの突起4139.1及び1つのタブ4139だけを有してもよい。
【0194】
6.6.2.3 分離可能なガス送出チューブ及びエルボーコネクタ
図14a〜
図14jは、チューブ部4102がエルボーコネクタ4158から分離できてもよい本技術の他の例を描く。この例において、チューブ部4102は、少なくとも1つのカフ保持機能部4160とカフ電気コネクタ4164とを含むチューブカフ4156に接続されてもよい(
図14l及び14j参照)。チューブカフ4156は、出口コネクタ4106の構成要素であってもよいエルボーコネクタ4158に取り付けできてもよい。エルボーコネクタ4158は、対応するカフ保持機能部4160を受けるための少なくとも1つのカフ受け部4162を含んでもよく、それにより、チューブカフ4156をエルボーコネクタ4158に対して解放可能に取り付ける。
【0195】
チューブカフ4156は、出口コネクタ4106の電気コネクタ4112との電気的接続を形成するためにカフ電気コネクタ4164を含んでもよい。電気コネクタ4112は、旋回電気コネクタ5105を介してケーブル5102に電気的に接続してもよい。
【0196】
この構成は、本明細書中に記載される他の例と同様な態様で、出口コネクタ4106との空気圧的接続及び電気的接続の両方をもたらしてもよい。この例において、一方の電気的且つ空気圧的な接続は、エルボーコネクタ4158に対するカフ4156の接続によって形成されてもよく、また、他方の電気的且つ空気圧的な接続は、出口アセンブリ5107に対する出口コネクタ4106の接続によって形成されてもよい。また、この例は、回転可能な構成を与えてもよい。
【0197】
6.6.2.3.1 出口アセンブリに固定される電気コネクタ
図15a及び
図15bは、
図14a〜
図14jに描かれる構成に代わる例を示す。この例において、旋回電気コネクタ5105は、電気コネクタ4112が必要とされないようにカフ電気コネクタ4164(
図14jに示される)との電気的接続を形成するべく成形される。旋回電気コネクタ5105が出口アセンブリ5107に取り付け固定されてもよく、また、出口アセンブリ5107に対する出口コネクタ4106の取り付けによって電気的接続及び空気圧的接続の両方がなされることが理解されるべきである。言い換えると、この構成は、この例における露出された電気コネクタが出口アセンブリ5107に位置され且つ出口コネクタ4106が電気接続部を受けて形成するための機能部を有するように、他の例に開示される構成とは逆のものであってもよい。
【0198】
6.6.2.4 延在チューブを伴う接続アセンブリ
図16a及び
図16bは本技術の他の例を描く。他の例と同様に、この例は、出口アセンブリ5107と出口コネクタ4106との間に形成されるべき電気的接続及び空気圧的接続の両方をもたらしてもよい。接続は、他の例と同様の態様で回転可能であってもよい。また、この例は、空気圧的接続を形成して該接続の回転軸線を規定するために出口アセンブリ5107から延在してもよい出口チューブ5142も含む。出口チューブ5142は、前述した空気流チューブ5130の一部であってもよい。
【0199】
6.6.3 複数の別個の位置を有する空気回路−出口接続
図13a〜
図13nに示される本技術の他の例によれば、接続アセンブリがもたらされ、この場合、空気回路4100、具体的には出口コネクタ4106は、複数の別個の位置のうちの1つで出口5140に接続されてもよい。本技術のこの例の出口5140は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000のハウジング5138に位置されてもよい。出口5140は、出口チューブ5142と、少なくとも1つの出口電気コネクタ5144とを含んでもよい。出口チューブ5142は、前述した空気流チューブ5130の一部であってもよい。これらの図に示されないが、反対側の端部で患者インタフェースに接続できるとともに前述したような加熱要素を含んでもよいガス送出チューブに出口コネクタ4106が接続可能であることが理解されるべきである。ガス送出チューブが出口コネクタ4106と一体に形成されてもよく、或いは、ガス送出チューブが取り外し可能であってもよく、その場合には、更なる電気接続部をチューブに設ける必要がある。これらの図に描かれる例は、先に開示されるような電気的及び空気圧的な接続をもたらしてもよい。これらの例に描かれる出口コネクタ4106は、エルボーとして形成されてもよく、約90°曲げられてもよいが、直線(180°)、150°、120°、又は、60°などの多くの角度を想定し得ることが理解されるべきである。
【0200】
図13a〜
図13nに示される典型的な構成の1つの特徴は、出口コネクタ4106を出口5140に取り外し可能に取り付けるために複数の別個の位置を設けることである。これは、
図13f〜
図13hに示されるように複数の出口電気コネクタ5144を出口5140に設けることによって達成されてもよい。このとき、
図13kに示されるように、出口コネクタ4106が電気コネクタ4112を含んでもよい。したがって、出口コネクタ4106が出口5140に接続されると、電気コネクタ4112が出口電気コネクタ5144のうちの対応する1つと電気的に通じる。
図13b及び
図13dは、第1の位置で出口5140に接続される出口コネクタ4106を示し、また、
図13jは第2の位置にある出口コネクタを示す。これらの図に描かれる例は、出口5140に対する出口コネクタ4106のための2つの想定し得る位置を示すが、更なる出口電気コネクタ5144によって任意の数の位置が設けられてもよいことが理解されるべきである。
【0201】
また、言うまでもなく、これまでに説明された例に代わる例が出口コネクタ4106に複数の電気コネクタ4112をもたらしてもよく、一方、出口5140が単一の出口電気コネクタ5144を含む。そのような構成は、出口コネクタのための複数の別個の位置により前述した同様の構成をもたらす。言い換えると、この構成は、本構成では出口コネクタに複数の電気コネクタが設けられるように、前述した構成の単なる逆である。
【0202】
図13b、
図13d、及び、
図13jにおいて分かるように、出口5140及び出口コネクタ4106が互いに相補的に形成されてもよい。これらの図では相補的な長方形形状が示されるが、出口5140及び出口コネクタ4106が任意の他の相補的に形成された構成を成してもよいことが理解されるべきである。
【0203】
図13nは、内部の構成要素を示ために外部の構成要素が除去された状態で、例えば
図13jに示される接続アセンブリと同様である接続アセンブリの図を描く。出口コネクタチューブ4168が約90°の屈曲部を有するエルボーとして示され、この出口コネクタチューブ4168は出口5140に接続される。電気コネクタ4112が対応する出口電気コネクタ5144に接続されているのも分かり、また、他の出口電気コネクタは接続に関与していない。ケーブル5102も出口電気コネクタ5144を横切って通過して出口電気コネクタ5144と通じた状態で示される。この図は、出口コネクタ4106の構成要素、出口コネクタチューブ4168、及び、電気コネクタ4112が空気圧的接続及び電気的接続の両方をどのようにして与えることができるのかを示す。また、電気コネクタ4112が他の出口電気コネクタ5144に接続されてもよく、したがって、出口コネクタチューブ4168が反対方向に向けられてもよいことも想定し得る。代わりの例は、様々な垂直方向及び水平方向に位置される出口電気コネクタ5144を含んでもよい。
【0204】
ケーブル5102は、RPT装置4000及び/又は加湿器5000の少なくとも1つの電気構成要素4200に接続ために、
図13nに示されるようなフレキシブル回路基板(FCB)であってもよい。そのような構成において、多層FCBは、それぞれの出口電気コネクタ5144ごとに複数の信号送信経路を容易にしてもよい。或いは、多くの別個の配線ルーム(wiring loom)が設けられてもよい。各配線ルームは、そのような構成では、個々の出口電気コネクタ5144に接続される。
【0205】
出口電気コネクタ5144、電気コネクタ4112、及び、ケーブル5102は、給電機能及び/又は信号送信機能を与えるために複数の接続を含んでもよい。
6.6.3.1.1 電気コネクタの保護
【0206】
出口コネクタ4106は、少なくとも1つのダミーコネクタ4113を含んでもよい。ダミーコネクタ4113は、
図13e及び
図13hに示されるように、出口コネクタ4106が出口5140に取り付けられるときに未使用の出口電気コネクタ5144を覆って保護するように機能してもよい。未使用の出口電気コネクタ5144を覆うことにより、未使用の出口電気コネクタは、破片や汚染物に起因する損傷から保護されてもよい。複数の未使用の電気コネクタが設けられる構成では、対応する数のダミーコネクタが設けられてもよい。また、出口コネクタ4106上の複数の電気コネクタ4112と1つの出口電気コネクタ5144とが存在する状況においても、出口5140は、未使用の電気コネクタを保護するのに十分な数のダミーコネクタを含んでもよい。
【0207】
6.6.4 回転可能な出口コネクタ
図22a〜
図29bは、出口コネクタが接続時に完全な回転自由度、すなわち、360°にわたる回転自由度を可能にしつつ空気圧的接続、電気的接続、及び、機械的接続を同時に与えることができる本技術の例を示す。出口コネクタは、例えば、電気回路を備える空気回路(加熱式空気回路、又は、電気信号を通信できる空気回路など)をRPT装置、加湿器、又は、一体型PAP−加湿器装置などの呼吸器に連結するために使用されてもよい。
【0208】
図22a〜
図22hは、出口コネクタの典型的な下部構造体アセンブリ4500を示す。
図22gは、下部構造体アセンブリの個々の構成要素を描くために下部構造体アセンブリ4500の分解図を示す。本体4502は、下部構造体アセンブリ4500の骨組を与えてもよい。本体4502は、出口接続領域4530での呼吸器機器との機械的接続及びチューブ接続領域4526でのチューブ部4102との機械的接続を容易にしてもよい。以下で更に詳しく説明されるように、呼吸器からの離脱に抵抗するために本体4502には出口接続領域4530付近に肩部4532が形成されてもよい。チューブ接続領域4526は、チューブ部4102の螺旋コイルと連結するためのネジ4528を有してもよい。
【0209】
図22gにおいて分かるように、本体4502だけが呼吸器によって発生されるガス流のための出口接続領域4530からチューブ接続領域4526へと至る完全に空気圧的にシールされる経路を形成しなくてもよい。したがって、出口接続領域4530からチューブ接続領域4526へと至る空気流経路を与えるために、
図24に別個に示されるキャップ4504が本体4502に連結されてもよい。キャップ4504には、本体4502の切り欠き4524と係合するためのタブ4520などの保持機能部が設けられてもよい。また、キャップ4504には、本体4502の戻り止め4522と係合するための突起4518が設けられてもよい。タブ4520と切り欠き4524との間の係合及び突起4518と戻り止め4522との間の係合は、キャップ4504を本体4502に対して位置決め及び/又は強固に接続してもよい。
図22hは、本体4502に対するキャップ4504の取り付けの一例を示す。この係合は本体4502とキャップ4504との間に機械的な接続をもたらしてもよいが、出口接続領域4530とチューブ接続領域4526との間の空気流経路のための完全な空気圧シールがキャップと本体との間に形成されなくてもよいことが理解されるべきである。完全な空気圧シールは、節5.6.2において前述したものと同様のオーバーモールドプロセスによって形成されてもよい。したがって、下部構造体アセンブリ4500がチューブ接続領域4526でチューブ部に連結されてもよく、その後、このアセンブリは、下部構造体アセンブリ及びチューブ部の周囲にシールを形成するために、下部構造体アセンブリ4500の周囲にハウジングを成形することによってオーバーモールドされてもよい。
【0210】
本技術のこの例によれば空気回路4100が加熱されてもよいため、下部構造体アセンブリ4500には出口接続領域4530にコネクタ接点4510,4512,4514が設けられてもよい。コネクタ接点4510,4512,4514は、電力及び/又は信号を空気回路に与えるために呼吸器との電気的な接続を形成してもよい。コネクタ接点4510,4512,4514は、出口接続領域4530の外周を取り囲んでもよい。コネクタ接点4510,4512,4514は、電気接点アセンブリ4506の配線4508に連結されてもよい。スナップオフプレート4536が電気接点アセンブリ4506に設けられてもよく、また、スナップオフプレートは、製造中に電気接点アセンブリ4506に対してチューブ部の電気配線を連結するときに除去されてもよい。電気接点アセンブリ4506は、コネクタ接点4510,4512,4514及びスナップオフプレート4536だけが露出されるように電気接点アセンブリ上にわたって本体を成形することによって本体4502に連結されてもよい。コネクタ接点4510,4512,4514は、成形プロセス中に注入される高分子によって覆われないように保護される。例えば、コネクタ接点4510,4512,4514は、それらが成形プロセス中に移動されず且つ注入される高分子によって覆われないように金型内で強固に保持される。電気接点アセンブリ4506上にわたる本体4502の成形は、配線4508を保護してもよい及び/又は配線4508によって運ばれる電力及び/又は信号を維持してもよい。例えば、電気接点アセンブリ4506上にわたって本体4502を成形することにより、配線4508は、呼吸器の動作中に空気流経路内の水分から保護されてもよく、また、配線4508内の短絡が低減されてもよい。電気接点アセンブリ4506の構成要素が電気を伝導する材料、例えば金属又は金属合金から構成されてもよいことが理解されるべきである。電気接点アセンブリ4506が3つのコネクタ接点4510,4512,4514を伴って示されるが、任意の数のコネクタ接点が利用されてもよいことが分かる。
【0211】
図25a及び
図25bは、配線4508の一部及びコネクタ接点4510,4512,4514をスナップオフプレート4536と共に示す。
図25aは、平坦な形状を成す配線4508、コネクタ接点4510,4512,4514、及び、スナップオフプレート4536を示し、これらの部分は、材料の平坦なシートからスタンピング加工されて形成されてもよい。
図25bは、本体4502が電気接点アセンブリ4506上にわたって成形されるときに出口接続領域4530で露出されるコネクタ接点4510,4512,4514を形成するために円形形状に巻回された配線4508を示す。
図22gに示されるような電気接点アセンブリ4506を形成するために
図25a及び
図25bに示される配線4508の部分が配線の1つ以上の部分と連結されてもよく、或いは、幾つかの形態では、電気接点アセンブリ4506が1つのシートから(例えば、導電性材料のシートからスタンピング加工及び/又は曲げ加工によって)形成されてもよいことが分かる。
【0212】
前述したように、電気接点アセンブリ4506を空気流経路中の水分に晒さないように遮蔽することが望ましい場合があり、また、これは、例えばインサート成形によって本体4502を電気接点アセンブリ上に対して成形することによって達成されてもよい。このようにして本体4502を電気接点アセンブリ4506上に成形することは、配線オーバーモールド4534の形成をもたらし得る。配線オーバーモールド4534は、チューブ接続領域でチューブ部と連結されるように配線が出現する本体におけるポイントに至るまで配線4508を囲繞して配線を空気流経路中の水分から保護するために本体4502の一部として形成されてもよい。
【0213】
図22dは、下部構造体アセンブリの湾曲屈曲部を描くために典型的な下部構造体アセンブリ4500の側面図を示す。湾曲屈曲部は、下部構造体アセンブリの内半径Ri及び外半径Roが共通の円弧中心を有し得る下部構造体アセンブリ4500の屈曲形状として二次元(平面)的な意味で理解されてもよい。三次元的な意味では、湾曲屈曲部は、断面の全体の輪郭が共通の円弧中心を有し、それにより、空気流経路に沿う下部構造体アセンブリ4500の屈曲部の長さにわたって一定の断面形状を与える屈曲部として理解されてもよい。幾つかの形態において、Roは、断面の直径の約1〜約3倍であってもよい。更なる例において、Roは、断面の直径の1.5〜2倍であってもよい。
【0214】
湾曲屈曲部(二次元又は三次元的な意味で)は、より鋭い及び/又はより急激な屈曲部、例えば直角の屈曲部、又は、ほぼ同様の直径の内半径を備える直角屈曲部と比べて小さい圧力降下が湾曲屈曲部によってもたらされ得るという点において有益となり得る。また、典型的な湾曲屈曲部は、湾曲屈曲部の中心半径(内半径と外半径との平均)が下部構造体アセンブリ4500の内部によって画定される空気流経路の内径の0.5−3倍となり得るという点において比較的大きい曲率半径を有してもよい。
【0215】
図23a〜
図23fは、電気接点アセンブリ4506を伴わない下部構造体アセンブリ4500の例を示す。以上、電気接点アセンブリ4506が本体4502と共に成形されて成るように下部構造体アセンブリ4500を説明してきたが、これらの図が電気接点アセンブリの存在に起因して見えない場合がある下部構造体アセンブリ4500の幾つかの構造的特徴を描くことが理解されるべきである。例えば、本体4502には出口接続領域4530に接点凹部4511,4513,4515が形成されてもよい。接点凹部4511,4513,4515は、電気接点アセンブリ4506上に本体4502を成形するときにコネクタ接点4510,4512,4514の周囲に形成されてもよい。例えば、
図23d及び
図23fは、出口接続領域4530におけるコネクタ接点4510,4512,4514の不存在を示す。また、出口接続領域4530は、出口接続領域4530のハウジング端部へ向けて外径が減少するように先細るのが分かる。以下で更に詳しく説明するように、この構成は、1つの戻り止め4522を備え、それにより、力フィードバックの1つのポイントを係合時にユーザに与えてもよい。また、複数の戻り止めが使用されることも想定されるが、幾つかの場合には、これが望ましくない場合がある。それは、ユーザが潜在的に1つの戻り止めの係合を(他の戻り止めが係合されていない場合があるのに)接続の係合として認識するからである。
【0216】
6.6.4.1 出口コネクタの製造
1つの形態では、下部構造体アセンブリ4500が以下のステップにしたがって製造されてもよい。電気接点アセンブリ4506は、材料の平坦なシートをスタンピング加工するとともに、
図22gに示される最終形状に必要とされる屈曲部及び曲率を形成することによって形成されてもよい。本体4502は、例えば電気接点アセンブリ4506上にわたってインサート成形することによって、電気接点アセンブリ4506を含めて成形されてもよい。
【0217】
その後、キャップ4504が本体4502上に位置され、例えば戻り止め4522及びタブ4520により結合されてもよく、また、電気接点アセンブリ4506が配線に転結されて、チューブ部4102との電気的な接続が形成されてもよい。その後、プレート4536が除去されてもよく、また、先と同様に下部構造体アセンブリ4500がハウジング(図示せず)でオーバーモールドされてもよい。このプロセス中、キャップ4504が本体4502の空気経路の内部へと潰れるのを防止するために1つ以上の内部冶具(図示せず)が下部構造体アセンブリ4500内へ挿入されてもよい。
【0218】
6.6.4.2 出口コネクタの接続
図26aは、本技術の一例に係る呼吸器のハウジング5200と出口接続領域4530との間の接続構成の断面図を示す。出口接続領域4530におけるコネクタ接点4510,4512,4514が出口接点5202,5204,5206と接触した状態で示される。出口接点5202,5204,5206は、ハウジング5200の開口5201の外周の溝5208,5210,5212内に位置されてもよい。
【0219】
図26bは、この接続構成の詳細図を示す。
図26bでは、ハウジング5200内での出口接続領域4530の保持を容易にするためにどのようにして肩部4532を出口接点5202と係合するように形成できるのかも分かる。描かれた例では出口接点5202が主に保持機能を果たしてもよいが、更なる例では複数の出口接点が保持機能を果たしてもよいことが理解されるべきである。したがって、更なる対応する肩部が出口接続領域4530に形成されてもよい。
【0220】
本技術の一例によれば、各出口接点5202,5204,5206が対応する溝5208,5210,5212内に斜め巻きスプリングを備えてもよい。典型的な斜め巻きスプリングは、Bal Seal Engineering Co. Incが提供しているBalContact(商標)スプリングである。出口接点5202,5204,5206が斜め巻きスプリングである例において、斜め巻きスプリングは、電気を伝導する弾性材料、例えば金属又は金属合金から構成されてもよい。出口接続領域4530との係合及び/又は離脱中に出口接点が弾性的に変形するように出口接点5202,5204,5206の材料及び/又は形態が弾性であることが有利な場合がある。これは、出口接続領域4530がハウジング5200と係合されるときに出口接点5202,5204,5206がコネクタ接点4510,4512,4514との電気的な接触を維持するようにする。また、斜め巻きスプリングを出口接点5202,5204,5206として使用することが有利な場合もある。これは、これらのスプリングの弾性が出口接続領域4530の確実な保持も与えつつ機械的な及び/又は聞き取れるフィードバックを与えて接続がなされたことをユーザに知らせることができるからである。また、斜め巻きスプリングは、確実な係合を維持しつつ、回転のために必要な接続内で何らかの遊びも可能にし得る。また、溝5208,5210,5212のそれぞれは、電気を伝導する材料、例えば金属又は金属合金から形成されてもよい。これらの図に示されないが、溝5208,5210,5212が電源、例えば呼吸器内の電源と電気的に通じることが理解されるべきである。したがって、呼吸器は、溝5208,5210,5212から出口接点5202,5204,5206を通じてコネクタ接点4510,4512,4514へ与えられる電力を供給してチューブを加熱する。また、形成される電気的な接続は、電気信号送信などの通信機能を与えてもよい。
【0221】
これらの描かれた例によれば、電気的、空気圧的、及び、機械的な接続は、出口接続領域4530がハウジング5200内へ挿入されるときに形成されて維持されてもよい。この接続が形成された時点で、電気的、空気圧的、及び、機械的な接続を維持しつつ出口コネクタが回転されてもよい。電気的な接続は、各コネクタ接点の少なくとも一部がハウジング5200内にある間に出口接点5202,5204,5206のうちの対応する1つと常に接触しているようにコネクタ接点4510,4512,4514が出口接続領域4530の周囲にわたって延在することによって維持されてもよい。肩部4532と出口接点5202との係合は、回転中に機械的な接続を維持する役目を果たしてもよい。更なる保持が望ましい場合には他の出口接点と係合するために更なる肩部が設けられてもよいことが理解されるべきである。空気圧的な接続は、出口接続領域4530がハウジング5200の開口5201との緊密な嵌合を形成するように寸法付けられて形成され得ることにより回転中に維持されてもよい。また、出口コネクタと呼吸器との間の確実な空気圧的接続を確保するべく外周シールが設けられてもよい。
【0222】
図27a〜
図27cは、本技術に係る接続構成の更なる例の断面図を示す。
図27aは、出口接続領域4530がコネクタ接点4510を含む例を示し、コネクタ接点4510は、該コネクタ接点4510が凹状を成すように一方側に肩部4532を伴うとともに、他方側に更なる肩部4532.1を伴う。出口接点5202は、肩部4532と更なる肩部4532.1との間で溝5208から凹状のコネクタ接点4510へと延在してもよい。
図27cは、この構成の詳細図を描く。
図27bは、コネクタ接点4510が肩部4532と更なる肩部4532.1との間で更に奥まって位置されてもよい更なる代替的手段を示す。また、この例において、出口接点5202は、ハウジング5200の溝5208内ではなく肩部4532と更なる肩部4532.1との間で出口接続領域4530上に支持される。これらの例におけるコネクタ接点4510及び溝5208の外周面は、それらが出口接点5202と係合する場所で平坦であってもよい。
【0223】
図28a〜
図28cは、本技術の一例に係る接続構成の更なる例の断面図を示す。
図28a及び
図28cに示される例は、溝5208の表面がV形状を成すという点において
図27a及び
図27cに示される例とは異なる。
図28bに示される例は、コネクタ接点4510がV形状を成すという点において
図27bに示される例とは異なる。
【0224】
図29a及び
図29bは、出口接続領域4530がハウジング5200内に取り付けられて保持されてもよい本技術の例を示す。
図29aは、ハウジング5200内に挿入されようとしている出口接続領域4530を示す。出口接続領域4530は、該出口接続領域がハウジング内へ挿入されるにつれて出口接点5202を溝5208内へと徐々に押し込むように先細っていてもよい。挿入された時点で、
図29bに示されるように、出口接点5202が肩部4532及び/又は更なる肩部4532.1と当接して、ハウジング5200に対する出口接続領域4530の軸方向の動きが制限されてもよい。
【0226】
前述した例は、描かれた出口コネクタを呼吸器に接続することに言及してきたが、他の構成要素間で、例えば2つの空気回路間、RPT装置と加湿器との間、RPT装置と患者インタフェースとの間、及び/又は、加湿器と患者インタフェースとの間でこれらの接続構成が電気的、機械的、及び、空気圧的な接続を形成するのに適し得ることが理解されるべきである。例えば、完全な回転自由度を可能にしつつ電気的、機械的、及び、空気圧的な接続を維持できることは、それによって患者がチューブの反対側の端部で患者インタフェースを着用しつつ動くことによりもたらされるチューブ応力を減少させるのに役立ち得るため、有益な場合がある。本技術の他の利点は、回転位置合わせが例えば出口コネクタと呼吸器との間の接続構成の係合及び/又は離脱を必要としない場合があるという点であるかもしれない。
【0227】
6.7用語解説
本技術の開示目的のため、本技術の特定の形態では、以下の定義のうちの1つ以上が適用される場合がある。本技術の他の形態では、別の定義が適用される場合がある。
【0228】
6.7.1総則
空気:本技術の特定の形態では、患者へ供給される空気が大気であってもよく、また、本技術の他の形態では、大気に酸素が補給されてもよい。
【0229】
持続的気道陽圧(CPAP):CPAP処置は、大気に対して持続的にプラスで且つ好ましくは患者の呼吸サイクルにわたってほぼ一定である圧力で所定量の空気又は呼吸用ガスを気道への入口に印加することを意味するべく解釈される。幾つかの形態において、気道への入口における圧力は、単一の呼吸サイクル内で数センチメートルの水の分だけ変化し、例えば吸気中において高く、呼気中において低い。幾つかの形態において、気道への入口における圧力は、呼気中においては僅かに高く、吸気中においては僅かに低い。幾つかの形態において、圧力は、患者の異なる呼吸サイクル間で変化し、例えば、部分上気道閉塞の兆候の検出に応じて増大され、また、部分上気道閉塞の兆候がない場合には減少される。
【0230】
6.7.2RPT装置の態様
空気回路:使用時に所定量の空気又は呼吸用ガスを2つの構成要素間、例えばRPT装置と患者インタフェースとの間で送出するように構成されて配置される導管又はチューブ。空気回路が空気送出チューブと称されてもよい。ある場合には、吸気及び呼気のための回路の別個の肢が存在してもよい。他の場合には、単一の肢が使用される。
【0231】
コントローラ:入力に基づいて出力を調整する装置又は装置の一部。例えば、コントローラの1つの形態は、装置への入力を構成する制御下の変数−制御変数−を有する。装置の出力は、制御変数の現在の値の関数、及び、変数のための設定点である。サーボ人工呼吸器は、入力としての換気量、設定点としての目標換気量、及び、出力としての圧力サポートレベルを有するコントローラを含んでもよい。他の形態の入力は、酸素飽和度(SaO
2)、二酸化炭素の分圧(PCO
2)、動作、光電指尖容積脈波からの信号、及び、ピーク流量のうちの1つ以上であってもよい。コントローラの設定点は、固定、可変、又は、学習のうちの1つ以上であってもよい。例えば、人工呼吸器における設定点は、患者の測定された換気量の長期平均値であってもよい。他の人工呼吸器は、時間に伴って変化する換気量設定点を有してもよい。圧力コントローラは、特定の圧力の空気を送出するためにブロワ又はポンプを制御するように構成されてもよい。
【0232】
トランスデューサ:1つの形態のエネルギー又は信号を他の形態のエネルギー又は信号へと変換するための装置。トランスデューサは、機械エネルギー(動作など)を電気信号へ変換するためのセンサ又は検出器であってもよい。トランスデューサの例としては、圧力トランスデューサ、流量トランスデューサ、二酸化炭素(CO2)トランスデューサ、酸素(O2)トランスデューサ、エフォートトランスデューサ、動作トランスデューサ、ノイズトランスデューサ、プレチスモグラフ、及び、カメラが挙げられる。
【0233】
6.7.3加湿器
露点:それを下回ると水滴が凝縮し始めて露が生じ得る大気温度(圧力及び湿度にしたがって変化する)。
【0234】
絶対湿度:通常は単位体積当たりの質量(例えば、g/m
3)で表わされる、空気の単位体積中に存在する水蒸気の量。
【0235】
相対湿度:同じ温度で飽和のために必要とされる量のパーセンテージとして表わされる空気中に存在する水蒸気の量。
【0236】
6.7.4材料
シリコン又はシリコンエラストマー:合成ゴム。この明細書において、シリコンへの言及は、液状シリコンゴム(LSR)又は圧縮成形シリコンゴム(CMSR)への言及である。市販のLSRの1つの形態は、Dow Corningにより製造されるSILASTIC(この商標の下で販売される一連の製品に含まれる)である。LSRの他の製造業者はWackerである。正反対のことが別段に明示されなければ、LSRの好ましい形態は、ASTM D2240を使用して測定される約35〜約45の範囲内のショアA(又はタイプA)圧入硬度を有する。
【0237】
ポリカーボネート:ビスフェノール−Aカーボネートの一般的に透明な熱可塑性高分子。
【0238】
6.7.5患者インタフェースの態様
窒息防止弁(AAV):フェイルセーフ態様で大気へ開放することによって患者による過剰なCO
2再呼吸の危険を減らすマスクシステムの構成要素又はサブアセンブリ。
【0239】
6.7.6患者インタフェースに関して使用される用語
(表面の)曲率:1つの方向で上方に曲がるとともに異なる方向で下方に曲がるサドル形状を有する表面の領域は、マイナスの曲率を有していると言われる。2つの主方向で同じように曲がるドーム形状を有する表面の領域は、プラスの曲率を有していると言われる。平坦な表面は、ゼロ曲率を有するように解釈される。
【0240】
軟質:以下の特徴の組み合わせである材料、構造体、又は、複合体の品質。・指圧に容易に順応する。・それ自体の重量を支持させられるときにその形状を保つことができない。・硬質ではない。・僅か労力で弾性的に伸長され得る或いは曲げられ得る。
【0241】
軟質であるという品質が関連する方向を有してもよく、したがって、特定の材料、構造体、又は、複合体は、第1の方向で軟質であってもよいが、第2の方向で、例えば第1の方向と垂直な第2の方向で高剛性又は硬質であってもよい。
【0242】
弾性:1秒などの比較的短い時間内で、ほぼ弾力的に変形できるとともに、荷重除去時にエネルギーのほぼ全てを解放できる。
【0243】
硬質:指圧に応じて、及び/又は、患者インタフェースを患者の気道への入口とのシール関係に設定して維持するときに一般に直面される張力又は負荷に応じて、容易に変形しない。
【0244】
半硬質:気道陽圧治療中に一般に印加される機械的な力の作用下で実質的に歪まないように十分に硬質であることを意味する。
【0245】
6.8他の所見
この特許文献の開示の一部は、著作権保護を受ける題材を含む。著作権所有者は、特許文献又は特許開示のうちのいずれかによる複製に何ら異存はない。これは、複製が、特許商標局の特許ファイル又は記録に現れるが、そのほかの点では全ての著作権を何であれ留保するからである。
【0246】
文脈が別段に明確に指示する場合を除き、値の範囲が与えられる場合、その範囲の上限と下限との間にある下限の単位の1/10までのそれぞれの介在値、及び、任意の他の述べられた或いはその述べられた範囲内にある介在値は、本技術内に含まれることが理解される。これらの介在範囲の該介在範囲内に独立に含まれてもよい上限及び下限も、述べられた範囲内の任意の特に排除された限界値の制約下で本技術内に含まれる。述べられた範囲がその限界値の一方又は両方を含む場合、それらの含まれた限界値のいずれか一方又は両方を排除する範囲も本技術内に含まれる。
【0247】
また、1又は複数の値が本技術の一部として実施されるように本明細書中で述べられる場合には、別段に述べられなければ、そのような値が近似されてもよいことが理解され、また、そのような値は、任意の適した有効数字まで利用されてもよい。ただし、実用的な技術的実施がそれを許容する或いは必要とする場合に限る。
【0248】
別段に規定されなければ、本明細書中で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この技術が属する技術分野における当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法及び材料と同様又は等価な任意の方法及び材料を本技術の実施又は試験で使用することもできるが、本明細書中には、限られた数の典型的な方法及び材料が記載される。
【0249】
特定の材料が一構成要素を構成するために使用されるように特定される場合、同様の特性を有する自明な別の材料が代替物として使用されてもよい。また、反対のことが明示されなければ、本明細書中に記載される任意の全ての構成要素は、製造され得ると理解され、例えば一緒に或いは個別に製造されてもよい。
【0250】
本明細書中において及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び、「その(the)」は、文脈が別段に明確に指示しなければ、それらの複数の等価物を含むことが留意されなければならない。
【0251】
本明細書中で言及される全ての刊行物は、それらの刊行物の主題である方法及び/又は材料を開示して説明するべく、参照することにより本願に組み入れられる。本明細書中で論じられる刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためだけに与えられているにすぎない。本明細書中のいずれも、本技術が従前の発明に基づきそのような刊行物に先行する権利を有さないという自白として解釈されるべきでない。また、与えられる刊行物の日付は、実際の公開日とは異なる場合があり、公開日は独立に確認される必要があるかもしれない。
【0252】
詳細な説明で使用される主題の表題は、読者の参照を容易にするためだけに含まれており、開示又は特許請求の範囲の全体にわたって見出される主題を限定するために使用されるべきでない。主題の表題は、1又は複数の特許請求項の範囲を限定的に解釈して使用されるべきでない。
【0253】
本明細書中の技術を特定の実施例に関連して説明してきたが、これらの実施例が本技術の原理及び用途の単なる例示にすぎないことが理解されるべきである。ある場合には、専門用語及び記号が、本技術を実施するために必要とされない特定の詳細を示唆する場合がある。例えば、「第1」及び「第2」という用語が使用される場合があるが、別段に明記されなければ、それらの用語は、任意の順序を示すように意図されず、別個の要素間を区別するために利用される場合がある。また、方法論におけるプロセスステップが所定の順序で説明され或いは図示される場合があるが、そのような順序付けは必要とされない。当業者であれば分かるように、そのような順序付けが変更されてもよく、及び/又は、その態様が同時に或いは更には同期して行われてもよい。
【0254】
したがって、本技術の思想及び範囲から逸脱することなく、例示された実施例に対して多数の変更が成されてもよく、また、他の構成が考え出されてもよいことが理解されるべきである。