(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
個人衛生用の吸収性物品(20)であって、前記吸収性物品が、前縁部(10)、後縁部(12)、前記物品の長手方向に延びる長手方向軸線(80)を有し、前記物品が、前記前縁部から前記後縁部まで前記長手方向軸線に沿って測定される、少なくとも320mmの長さLを有し、
前記吸収性物品は、
液体透過性トップシート(24)と、
液体不透過性バックシート(25)と、
前記トップシートとバックシートとの間の吸収性コア(28)であって、前記吸収性コアが、吸収性材料(60)を封入するコアラップ(16、16’)を備え、前記吸収性材料が、前記吸収性材料の少なくとも80重量%の超吸収性ポリマー(「SAP」)を含み、前記吸収性コアが、前記物品の前記長手方向に少なくとも部分的に方向付けられた、少なくとも1つのチャネル(26,26’)を備える、吸収性コアと、
前記トップシートと前記吸収性コアとの間の獲得/分配システム(ADS)であって、前記獲得/分配システム(ADS)が、少なくとも50重量%の合成繊維を含む層であって、150gsmを上回る坪量を有する層、を含まないという条件で、1つ、2つ、又はそれよりも多くの層を含む、獲得/分配システム(ADS)と、を備え、
前記少なくとも1つのチャネルが、実質的に吸収性材料を含まず、少なくとも前記チャネルの一部で、少なくとも2mmの幅を有し、
前記コアラップが、第1の不織布(16)及び第2の不織布(16’)を含み、前記第1の不織布が、前記第2の不織布の周囲にCラップを形成し、
前記吸収性コアが、第1の吸収性層及び第2の吸収性層を備え、前記第1の吸収性層が、第1の基材(16)及び第1の超吸収性ポリマーの層(61)を含み、前記第2の吸収性層が、第2の基材(16’)及び第2の超吸収性ポリマーの層(62)を含み、繊維状熱可塑性接着剤材料(51)が、前記超吸収性ポリマーの層を、それらの対応する基材に少なくとも部分的に結合し、前記第1の基材及び前記第2の基材が、前記コアラップを形成する、吸収性物品。
前記吸収性物品が、湿潤キャリパー及び圧縮力(WCACF)試験によって測定される、32.0%未満の相対的湿潤キャリパー増大(RWCI)値を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
少なくとも一対のチャネル(26、26’)を備え、好ましくは、前記1対のチャネルの前記チャネルが、前記長手方向軸線に関して対称的に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
少なくとも1つのチャネルが、前記吸収性物品の前記長さLの少なくとも10%である、前記物品の前記長手方向軸線(80)上に投影された長さを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記獲得/分配システムが、少なくとも50重量%の架橋セルロース繊維を含む少なくとも1つの分配層(54)を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記コアラップ内部の前記吸収性材料の周縁部が、吸収性材料堆積区域(8)を画定し、前記吸収性材料堆積区域が、矩形であるか、又は、クロッチ点(C)で前記吸収性材料堆積区域の最大幅よりも狭い幅を有するように成形され、前記クロッチ点が、前記長手方向軸線上で、前記吸収性物品の前記前縁部から、前記長さLの5分の2(2/5)の距離に配置された地点として定義される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記コアラップが、上側部及び底側部を含み、前記上側部及び前記底側部が、前記少なくとも1つのチャネルの少なくとも一部分を通して互いに結合され、及び/又は、前記少なくとも1つのチャネルが、湿潤チャネル一体性試験によって測定される、少なくとも20%の一体性の百分率を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0014】
緒言
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」は、着用者の身体に接触又は近接して配置され、身体から排出される様々な滲出物を吸収及び収容する、小児用おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、婦人衛生生理用ナプキンなどの、使い捨て装置を指す。典型的には、これらの物品は、トップシート、バックシート、吸収性コア、及び任意選択の(1つ又は幾つかの層を含み得る)獲得システム、並びに典型的には他の構成要素を備え、吸収性コアは、通常、バックシートと獲得システム又はトップシートとの間に配置される。
【0015】
本発明の吸収性物品を、テープ式おむつの形態で、以下の説明及び図で更に例示する。
しかしながら、この説明におけるいかなるものも、特に明示的な指示がない限り、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。特に指示がない限り、この説明は、乾燥物品、すなわち、使用前の、21℃+/−2℃及び50+/−20%の相対湿度(RH)で少なくとも24時間調整されたものに言及する。
【0016】
本明細書で使用するとき、「不織布ウェブ」は、摩擦並びに/あるいは粘着及び/又は接着によって結合された、方向付けられ若しくは不規則に配向された繊維の製造シート、ウェブ、又は打延べ綿シートを指すものであり、紙、並びに、更なるニードル加工の有無を問わず、結束糸若しくはフィラメントを組み込んだ織り製品、編み製品、タフテッド製品、ステッチ結合製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品は含まない。これらの繊維は、天然起源又は人工起源のものとすることができ、ステープル若しくは連続フィラメントとするか、又はその場で形成することもできる。市販の繊維は、約0.001mm未満〜約0.2mm超の範囲の直径を有し、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として既知)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず)、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)などの、幾つもの異なる形態で提供される。不織布ウェブは、メルトブロー法、スパンボンド法、溶媒紡糸法、電界紡糸法、カーディング、及びエアレイイングなどの、多くのプロセスによって形成することができる。不織布ウェブの坪量は、通常、グラム毎平方メートル(g/m
2又はgsm)で表される。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「接合される」又は「結合される」又は「取り付けられる」は、ある要素を他の要素に直接取り付けることによって、その要素をその別の要素に直接固定する構成、及び、ある要素を中間部材に取り付け、その中間部材を同様に他の要素に取り付けることによって、その要素をその別の要素に間接的に固定する構成を包含する。
【0018】
「含む」、「含んでいる」、及び「備える」は、非限定的な用語であり、それぞれが、例えば構成要素などの、後に記載されるものの存在を指定するものであるが、他の特徴、例えば当該技術分野において既知であるか又は本明細書で開示される要素、工程、構成要素の存在を除外するものではない。動詞「含む」に基づくこれらの用語は、指定されていないあらゆる要素、工程、又は成分を排除する、より下位の用語「からなる」、並びに、要素の範囲を、指定された材料若しくは工程、及び要素がその機能を実行する方式に著しい影響を及ぼさないものに限定する、「から本質的になる」を包含するものとして解釈されるべきである。以下で説明される、あらゆる好ましい実施形態又は例示的実施形態は、具体的に指示されない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。用語「典型的には」、「通常は」、「有利には」などもまた、具体的に指示されない限り、特許請求の範囲を限定することを意図しない、要素を修飾するものである。
【0019】
吸収性物品の概説
小児用おむつ20の形態の、本発明による例示的吸収性物品を、
図1〜3に示す。
図1は、平坦化された状態の、例示的おむつ20の平面図であり、おむつ20の構造をより明瞭に示すために、その構造体の諸部分が切り取られている本発明は、多種多様なおむつ又は他の吸収性物品を作製するために使用することができるため、このおむつ20は、説明目的のみのために示される。
【0020】
この吸収性物品は、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート25、トップシート24とバックシート25との間の吸収性コア28、並びに、表示される実施例では分配層54及び獲得層52を含む、以下で更に詳述される獲得/分配システム(「ADS」)を備える。この物品はまた、典型的にはトップシート及び/又はバックシートを介して、吸収性物品のシャーシに接合され、おむつのシャーシと実質的に平面的な、バリアレッグカフ34及び伸縮性ガスケットカフ32も備え得る。
【0021】
図1はまた、この物品の後縁部に向けて取り付けられ、この物品の前側上のランディング領域44と協働する、接着タブ42を備える、締結システムなどの他の典型的なテープ式おむつ構成要素も示す。この吸収性物品はまた、後側弾性腰部機構、前側弾性腰部機構、横方向バリアカフ、ローション塗布などの、表示されていない他の典型的要素も備え得る。
【0022】
吸収性物品20は、前縁部10、後縁部12、及び2つの側縁部若しくは長手方向縁部13、14を備える。この物品の前縁部10は、着用時にユーザの前側に向けて配置されるように意図された縁部であり、後縁部12は、その物品の反対側の縁部である。この吸収性物品は、物品の前縁部から後縁部に延びる長手方向軸線80によって、概念的に分割することができ、この長手方向軸線80は、
図1のように、物品を平坦に配置して上から見た状態で、この軸線に関して2つの実質的に対称的な半分へと物品を分割する。物品の長さLは、前縁部10から後縁部12まで、長手方向軸線80に沿って測定することができる。この物品は、物品20の前縁部10から開始するLの5分の2(2/5)の距離で、長手方向軸線上に配置された地点として本明細書で定義される、クロッチ点Cを備える。2つの長手方向縁部13、14の間で測定される、この物品のクロッチ点での幅は、WCACF試験を実施するために十分なものとするべきであり、すなわち、少なくとも40mmとするべきである。この物品のクロッチ点での幅は、特に、50mm〜300mm、又は80mm〜250mmとすることができる。
【0023】
クロッチ領域は、クロッチ点Cを長手方向の中心として、吸収性物品の前側及び後側に向けて、Lの5分の1(L/5)の距離で延びる、おむつの領域として定義することができる。前側領域及び後側領域は、それぞれ、この物品の前縁部及び後縁部に向けて配置される、おむつの残余部分として定義することができる。
【0024】
トップシート24、バックシート25、吸収性コア28、及び他の物品構成要素は、様々な周知の構成で、特に、接着又は熱型押しによって、組み立てることができる。例示的おむつ構成は、米国特許第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号で全般的に説明されている。この吸収性物品は、薄いことが好ましい。この物品のクロッチ点Cでのキャリパーは、例えば、4.0mm〜12.0mm、特に、本明細書で説明される物品キャリパー試験で測定される、6.0mm〜10.0mmとすることができる。
【0025】
吸収性コア28は、少なくとも80重量%の超吸収性ポリマーを含む吸収性材料、及びその超吸収性ポリマーを封入するコアラップを備える。コアラップは、典型的には、コアの上側部及び底側部用の、2つの基材16及び基材16’を含み得る。このコアは、4つのチャネル26、26’及びチャネル27、27’として
図1に示される、少なくとも1つのチャネルを更に備える。
【0026】
この物品は、例示的に獲得層52及び分配層54を含む、獲得/分配システムを更に備える。ここで、この物品のこれらの構成要素及び他の構成要素を、より詳細に論じる。
【0027】
トップシート24
トップシート24は、着用者の皮膚と直接接触する、吸収性物品の部分である。トップシート24は、バックシート25、コア28、及び/又は当該技術分野において既知の任意の他の層に接合することができる。通常、トップシート24及びバックシート25は、幾つかの箇所で(例えば、物品の周縁部上、又は周縁部の近くで)互いに直接接合され、他の箇所では、おむつ20の1つ以上の他の要素に直接それらのシートを接合することによって、間接的に一体に接合される。
【0028】
トップシート24は、順応性があり、柔らかな感触で、着用者の皮膚を刺激しないことが好ましい。更には、トップシート24の少なくとも一部分は、液体透過性であり、その厚さを貫通して液体が容易に浸透することを可能にする。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、あるいは、天然繊維(例えば、木材繊維又は綿繊維)、合成繊維若しくはフィラメント(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維、又は2成分PE/PP繊維、あるいはこれらの混合物)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料若しくは不織布材料などの、広範囲の材料から製造することができる。トップシートが繊維を含む場合には、その繊維は、スパンボンド処理、カード処理、湿式堆積処理、メルトブロー処理、水流交絡処理、又は当該技術分野において既知であるように他の方式で処理することができ、特に、スパンボンドPP不織布とすることができる。ステープル長のポリプロピレン繊維のウェブを含む好適なトップシートは、International Paper Company(Walpole,MA)の一部門であるVeratec,Inc.により、名称P−8で製造されている。
【0029】
好適な成形フィルムトップシートもまた、米国特許第3,929,135号、同4,324,246号、同4,342,314号、同4,463,045号、及び同5,006,394号で説明されている。他の好適なトップシートは、Curroらに発行された米国特許第4,609,518号及び同第4,629,643号に従って作製することができる。そのような成形フィルムは、Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio)より「DRI−WEAVE」として、及びTredegar Corporation(Richmond,VAに拠点)より「CLIFF−T」として、入手可能である。
【0030】
トップシート24の任意の部分を、当該技術分野で既知のように、ローションでコーティングすることができる。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,643,588号、同第5,968,025号、及び同第6,716,441号で説明されるものが挙げられる。トップシート24はまた、抗菌剤を含むか、又は抗菌剤で処理することもでき、その抗菌剤の幾つかの実施例が、PCT国際公開第95/24173号で開示されている。更には、トップシート24、バックシート25、又はトップシート若しくはバックシートの任意の部分は、より布様の外観をもたらすように、エンボス加工及び/又は艶消し仕上げを施すことができる。
【0031】
トップシート24は、尿及び/又は糞便(固体、半固体、又は液体)などの、トップシート24を貫通する滲出物の浸透を容易にするように、1つ以上の開口を備え得る。少なくとも一次開口のサイズは、所望の排泄物封入性能を達成する際に重要である。一次開口が過度に小さい場合には、排泄物は、排泄物源と開口の場所との位置合せが不良であることにより、又は糞便の塊が開口よりも大きい直径を有することにより、開口を通過することができない。開口が過度に大きい場合には、物品からの「再湿潤」によって汚染される恐れのある皮膚の面積が増大する。典型的には、おむつの表面の開口の総面積は、約10cm
2〜約50cm
2、特に、約15cm
2〜35cm
2の面積を有し得る。有孔トップシートの実施例は、BBA NONWOVENS SIMPSONVILLEに譲渡される米国特許第6632504号で開示されている。国際公開第2011/163582号はまた、12〜18gsmの坪量を有し、かつ複数の結合点を備える、好適な着色トップシートも開示している。結合点のそれぞれは、2mm
2〜5mm
2の表面積を有し、それらの複数の結合点の累積表面積は、トップシートの総表面積の10〜25%である。
【0032】
典型的なおむつトップシートは、約10〜約28gsm、特に約12〜約18gsmの坪量を有するが、他の坪量も可能である。
【0033】
バックシート25
バックシート25は、一般的に、ユーザによって着用される場合に、物品の外側表面の大半を形成する、吸収性物品20の部分である。バックシートは、吸収性コアの底側部に向けて位置決めされ、吸収性コア内に吸収及び収容された滲出物が、ベッドシーツ及び下着などの物品を汚すことを防ぐ。バックシート25は、典型的には、液体(例えば、尿)に対して不透過性である。このバックシートは、例えば、約0.012mm〜約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの、薄いプラスチックフィルムとするか、又は薄いプラスチックフィルムを含み得る。例示的なバックシートフィルムとしては、Tredegar Corporation(Richmond,VAを拠点)により製造され、商品名CPC2フィルムで販売されているものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、おむつ20から蒸気が逃れることを可能にしつつ、バックシート25を滲出物が通過することを依然として防ぐ、通気性材料を挙げることができる。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブなどの材料、フィルムコーティングされた不織布ウェブなどの複合材料、Mitsui Toatsu Co.(Japan)により商品名ESPOIR NOで製造されるもの、及びTredegar Corporation(Richmond,VA)により製造され商品名EXAIREで販売されているものなどの微多孔性フィルム、並びにClopay Corporation(Cincinnati,OH)によりHYTRELブレンドP18−3097の名称で製造されているものなどのモノリシックフィルムを挙げることができる。幾つかの通気性複合材料が、E.I.DuPontの名義で1995年6月22日に公開されたPCT出願国際公開第95/16746号、米国特許第5,938,648号(LaVonら)、同第4,681,793号(Linmanら)、同第5,865,823号(Curro)、及び同第5,571,096号(Dobrinら)、同第6,946,585(B2)号(London Brown)で、より詳細に説明されている。
【0034】
バックシート25は、当該技術分野において既知の任意の取り付け手段によって、トップシート24、吸収性コア28、又はおむつ20の任意の他の要素に接合することができる。好適な取り付け手段は、物品20の他の要素にトップシート24を接合するための手段に関連して、上述されている。例えば、取り付け手段としては、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン層、又は接着剤の分離線、らせん、若しくは点の配列を挙げることができる。好適な取り付け手段は、米国特許第4,573,986号で開示されるような、接着剤のフィラメントの開放パターン網目構造を含む。他の好適な取り付け手段としては、米国特許第3,911,173号、同第4,785,996号、及び同第4,842,666号で示される装置並びに方法によって例示されるような、らせんパターンへと渦を巻く、接着剤フィラメントの幾つかの線が挙げられる。要件を満たすことが判明している接着剤は、H.B.Fuller Company(St.Paul,Minnesota)により製造され、HL−1620及びHL−1358−XZPとして市販されている。あるいは、この取り付け手段は、熱結合、加圧結合、超音波結合、動的機械的結合、又は当該技術分野で既知であるような、任意の他の好適な取り付け手段、若しくはこれらの取り付け手段の組み合わせを含み得る。
【0035】
吸収性コア28
本明細書で使用するとき、用語「吸収性コア」は、最大の吸収能力を有し、吸収性材料、及びその吸収性材料を封入するコアラップを備える、物品の個別構成要素を指す。用語「吸収性コア」は、獲得/分配システム又は層、あるいは、コアラップの一体部分でもなくコアラップ内部に配置されるものでもない物品の任意の他の構成要素を、包含するものではない。このコアは、以下で定義されるようなコアラップ、吸収性材料、及びコアラップ内部に封入される接着剤から本質的になるか、若しくはそれらからなるものとすることができる。
【0036】
本発明の吸収性コア28は、コアラップ内部に封入された多量の超吸収性ポリマー(本明細書では略して「SAP」)を有する、吸収性材料を含む。SAP含量は、コアラップ内に収容される吸収性材料の少なくとも80重量%を示す。吸収性コア内のSAPの百分率を評価する目的のために、コアラップは、吸収性材料とは見なされない。
【0037】
「吸収性材料」とは、SAP、セルロース繊維、並びに合成繊維などの、何らかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味するものとする。典型的には、吸収性コアを作製する際に使用される接着剤は、吸収特性を有さず、吸収性材料とは見なされない。SAP含量は、コアラップ内部に収容される吸収性材料の80重量%よりも高く、例えば、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、更に100重量%を含め、100重量%までとすることができる。このことにより、典型的には40〜60%のSAP及び高含量のセルロース繊維を含む従来のコアと比較して、相対的に薄いコアが提供される。吸収性材料は、特に、天然若しくは合成繊維を10重量%未満、又は5重量%未満含み得るか、あるいは更に、天然及び/又は合成繊維を実質的に含まないものとすることができる。吸収性材料は、有利には、エアフェルト(セルロース)繊維を殆ど又は全く含み得ず、特に、吸収性コアは、吸収性コアの15重量%、10重量%、5重量%未満のエアフェルト(セルロース)繊維を含み得るか、又は更に、セルロース繊維を実質的に含まないものとすることができる。
【0038】
図4、5の吸収性物品の例示的な吸収性コア28を、
図6〜8に分離して示す。吸収性コアは、典型的には、前側280、後側282、並びに前側280及び後側282を接合する2つの長手方向側284、286を備える。吸収性コアはまた、概ね平面的な上側部、及び概ね平面的な底側部も備え得る。このコアの前側280は、吸収性物品の前縁部10に向けて配置される、コアの側である。このコアは、
図1のように平面図の上から見て、物品の長手方向軸線80に実質的に対応する、長手方向軸線80’を有し得る。典型的には、より多くの吸収性が前側で必要とされるため、吸収性材料は、有利には、後側に向けてよりも、前側に向けて多量に分布される。典型的には、コアの前側及び後側は、コアの長手方向側よりも短い。コアラップは、吸収性コアの側部に沿って少なくとも部分的に封止することが可能な、2つの不織布材料16、16’によって形成することができる。
コアラップは、吸収性材料が実質的に吸収性コアラップの外に漏出しないように、その前側、後側、及び2つの長手方側に沿って、少なくとも部分的に封止することができる。
【0039】
本発明の吸収性コアは、例えば、コアラップ内部でSAPを不動化することを助けるために、及び/又は、特にコアラップが2つ以上の基材で作製される場合、そのコアラップの一体性を確実にするために、接着剤を更に含み得る。コアラップは、典型的には、吸収性材料を内部に収容するために厳密に必要とされるよりも、大きい区域まで延びる。吸収性コアは、有利には、国際公開第2010/0051166(A1)号で説明される湿潤不動化試験に従って、約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下のSAP損失を達成し得る。
【0040】
様々なコア設計を有する、比較的多量のSAPを含むコアが、過去に提案されており、例えば、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許第2008/0312622(A1)号(Hundorf)、国際公開第2012/052172号(Van Malderen)を参照されたい。
【0041】
吸収性材料は、コアラップ内部に存在する連続層とすることができる。他の実施形態では、吸収性材料は、コアラップ内部に封入された、吸収性材料の個別のポケット又はストライプから構成され得る。第1の場合には、吸収性材料は、例えば、吸収性材料の単一の連続層の適用によって得ることができる。この吸収性材料の連続層、特にSAPの連続層はまた、例えば、米国特許第2008/0312622(A1)号(Hundorf)で教示されるように、不連続な吸収性材料適用パターンを有する、2つの吸収性層を組み合わせることによって得ることもでき、得られた層は、実質的に、吸収性粒子状ポリマー材料区域にわたって連続的に分布される。吸収性コア28は、例えば、第1の吸収性層及び第2の吸収性層を備え得るものであり、第1の吸収性層は、第1の基材16と、100%SAPとすることができる第1の吸収性材料の層61とを含み、第2の吸収性層は、第2の基材16’と、同様に100%SAPとすることができる第2の吸収性材料の層62とを含み、繊維状熱可塑性接着剤材料51が、各吸収性材料の層61、62を、その対応する基材に少なくとも部分的に結合する。このことは、第1及び第2のSAP層が、組み合わせられる前に、それらの対応する基材上の所望の吸収性材料堆積区域と同じ幅を有する、横断ストライプ又は「ランド区域」として適用されている、
図7、8に示される。これらのストライプは、有利には、異なる量の吸収性材料(SAP)を含むことにより、コアの長手方向軸線80’に沿ってプロファイルされた坪量を提供することができる。第1の基材16及び第2の基材16’は、コアラップを形成することができる。
【0042】
繊維状熱可塑性接着剤材料51は、ランド区域内で吸収性材料61、62と少なくとも部分的に接触し、接合区域内で基材層と少なくとも部分的に接触することができる。このことにより、熱可塑性接着剤材料51の繊維層に、本質的に3次元的な構造が付与されるが、この繊維層自体は、本質的に、長さ方向及び幅方向の寸法と比較して、相対的に小さい厚さの2次元構造体である。それにより、この繊維状熱可塑性接着剤材料は、ランド区域内の吸収性材料を覆うための空洞部を提供することができ、それにより、100%SAPとすることができる、この吸収性材料を不動化する。
【0043】
熱可塑性接着剤材料51は、ASTM法D−36−95「環球法」によって判定される、50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する、単一の熱可塑性ポリマー若しくは熱可塑性ポリマーの配合物を、その全体として含み得るものであり、並びに/又は、この熱可塑性接着剤材料は、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤などの、他の熱可塑性希釈剤と組み合わせた、少なくとも1種の熱可塑性ポリマーを含む、ホットメルト接着剤とすることができる。
【0044】
この熱可塑性ポリマーは、典型的には、10,000超の分子量(Mw)を有し、通常、ガラス転移温度(Tg)は室温未満であるか、又は−6℃<Tg<16℃である。ホットメルト中のポリマーの典型的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲である。この熱可塑性ポリマーは、非感水性とすることができる。例示的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を含む、(スチレン)ブロックコポリマーであり、Aブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非弾性ポリマーブロックであり、Bブロックは、不飽和共役ジエン又はその(部分的)水素添加物である。Bブロックは、典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。採用可能な他の好適な熱可塑性ポリマーは、メタロセンポリオレフィンであり、これは、シングルサイト触媒又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーである。その場合、少なくとも1種のコモノマーをエチレンと重合して、コポリマー、ターポリマー、又はより高次のポリマーを作製することができる。C2〜C8のαオレフィンのホモポリマー、コポリマー若しくはターポリマーである、非晶質ポリオレフィン又は非晶質ポリアルファオレフィン(APAO)もまた適用可能である。
【0045】
粘着付与樹脂は、例示的には、5,000未満のMw、及び通常は室温よりも高いTgを有し得るものであり、ホットメルト中の樹脂の典型的な濃度は、約30〜約60%の範囲であり、可塑剤は、典型的には1,000未満の低いMw、及び室温よりも低いTgを有し、約0〜約15%の典型的な濃度を有する。
【0046】
繊維層のために使用される熱可塑性接着剤は、好ましくは、弾性の特性を有することにより、SAP層上のそれらの繊維によって形成されるウェブは、SAPが膨潤するにつれて延伸することが可能である。例示的な弾性ホットメルト接着剤としては、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、硬質成分(一般的には、ポリプロピレン又はポリエチレンなどの結晶質ポリオレフィン)と軟質成分(エチレン−プロピレンゴムなど)とのポリオレフィン配合物などの、熱可塑性エラストマー;ポリ(エチレンテレフタレート−コ−エチレンアゼレート)などのコポリエステル;A−B−Aブロックコポリマーとして指定される、熱可塑性末端ブロック及びゴム状中央ブロックを有する熱可塑性弾性ブロックコポリマー;構造が異なるホモポリマー又はコポリマーの混合物、例えば、ポリエチレン又はポリスチレンとA−B−Aブロックコポリマーとの混合物;熱可塑性エラストマーと低分子量の樹脂改質剤との混合物、例えば、スチレン−イソプレンスチレンブロックコポリマーとポリスチレンとの混合物;及び本明細書で説明される、弾性ホットメルト感圧接着剤が挙げられる。これらのタイプの弾性ホットメルト接着剤は、1988年3月15日にKorpmanに発行された米国特許第4,731,066号でより詳細に説明されている。
【0047】
熱可塑性接着剤材料は、有利には、繊維として適用される。これらの繊維は、例示的には、約1〜約50マイクロメートル、若しくは約1〜約35マイクロメートルの平均厚さ、及び約5mm〜約50mm、若しくは約5mm〜約30mmの平均長さを有し得る。基材、又は任意の他の層、特に任意の他の不織布層に対する、この熱可塑性接着剤材料の接着を改善するために、そのような層を補助接着剤で前処理することができる。これらの繊維は、互いに接着することにより、メッシュとして説明することも可能な、繊維層を形成する。
【0048】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料は、以下のパラメータのうちの少なくとも1つ、又は幾つか、又は全てを満たす。例示的な熱可塑性接着剤材料は、少なくとも30,000Paかつ300,000Pa未満、又は200,000Pa未満、又は140,000Pa〜200,000Pa、又は100,000Pa未満の、20℃で測定される貯蔵弾性率G’を有し得る。更なる態様では、35℃で測定される貯蔵弾性率G’は、80,000Paよりも大きいものとすることができる。更なる態様では、60℃で測定される貯蔵弾性率G’は、300,000Pa未満かつ18,000Pa超、又は24,000Pa超、又は30,000Pa超、又は90,000Pa超とすることができる。更なる態様では、90℃で測定される貯蔵弾性率G’は、200,000Pa未満かつ10,000Pa超、又は20,000Pa超、又は30,000Pa超とすることができる。
60℃及び90℃で測定される貯蔵弾性率は、高い周囲温度での、熱可塑性接着剤材料の形状安定性に関する尺度とすることができる。この値は、吸収性製品が暑い気候で使用される場合には、特に重要であり、60℃及び90℃での貯蔵弾性率G’が十分に高くはない場合には、熱可塑性接着剤材料は、その一体性を失うことになる。
【0049】
G’は、国際公開第2010/27719号で示されるように、レオメータを使用して測定することができる。このレオメータは、一定温度で接着剤に剪断応力を加え、生じる歪み(剪断変形)応答を測定することが可能である。接着剤は、下側の固定プレートとして機能するペルチェ素子と、剪断応力を発生させるようにモータの駆動軸に接続された、例えば10mmの半径Rを有する上側プレートとの間に配置される。双方のプレート間の間隙は、例えば1500マイクロメートルの高さHを有する。ペルチェ素子により、材料の温度制御(+0.5℃)が可能となる。歪み速度及び周波数は、全ての測定が直線的な粘弾性領域内で実施されるように選択されるべきである。
【0050】
超吸収性ポリマー(SAP)
本明細書で使用するとき、「超吸収性ポリマー」(「SAP」)は、遠心分離保持容量(CRC)試験(EDANA法WSP 241.2−05E)を使用して測定される、その重量の少なくとも10倍の0.9%生理食塩水溶液を吸収することが可能な、架橋ポリマー材料である吸収性材料を指す。使用されるSAPは、特に、20g/g超、又は24g/g超、又は20〜50g/g、又は20〜40g/g、又は24〜30g/gのCRC値を有し得る。本発明で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収することが可能な、様々な水膨潤性ポリマーが挙げられる。
【0051】
超吸収性ポリマーは、乾燥状態で流動可能であるように、粒子形態にすることができる。典型的な粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーで作製される。しかしながら、例えば、デンプン系の粒子状吸収性ポリマー材料もまた、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びポリアクリロニトリルのデンプングラフト化コポリマーと同様に使用することができる。超吸収性ポリマーは、内部架橋及び/又は表面架橋された、ポリアクリレート並びにポリアクリル酸ポリマーとすることができる。好適な材料は、PCT特許出願国際公開第07/047598号、又は例えば、国際公開第07/046052号、又は例えば、同第2009/155265号及び同第2009/155264号で説明されている。一部の実施形態では、好適な超吸収性ポリマー粒子は、国際公開2006/083584号でより具体的に説明されるように、現行の当該技術の製造プロセスによって得ることができる。超吸収性ポリマー粒子は、好ましくは内部架橋されるものであり、すなわち、その重合は、ポリマー網目構造へとフリーラジカル的に共重合することが可能な、2つ以上の重合可能な基を有する化合物の存在下で行なわれる。有用な架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、欧州特許出願第A 530 438号で説明されるようなテトラアリルオキシエタン、欧州特許出願第A 547 847号、同第第A 559 476号、同第第A 632 068号、国際公開第93/21237号、同第03/104299号、同第03/104300号、同第03/104301号、及び独国特許出願第A 103 31 450号で説明されるようなジ−及びトリアクリレート、独国特許出願第A 103 31 456号、及び同第第A 103 55 401号で説明されるような、アクリレート基のみならずエチレン性不飽和基を更に含む、混合アクリレート、あるいは、例えば独国特許出願第A 195 43 368号、同第A 196 46 484号、国際公開第90/15830号、及び同第02/32962号で説明されるような架橋剤混合物、並びに国際公開第2009/155265号で説明される架橋剤が挙げられる。超吸収性ポリマー粒子は、外部に表面架橋するか、又は後架橋することができる)。有用な後架橋剤としては、ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成することが可能な、2つ以上の基を含む化合物が挙げられる。有用な化合物としては、例えば、欧州特許出願第A 083 022号、同第A 543 303号、及び同第A 937 736号で説明されるようなアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジ−又はポリグリシジル化合物、独国特許出願第C 33 14 019号で説明されるような多価アルコール、同第A 40 20 780号で説明されるような環状炭酸塩、同第A 198 07 502号で説明されるようなN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンなどの2−オキサゾリドン及びその誘導体、同第A198 07 992号で説明されるようなビス−及びポリ−2−オキサゾリドン、同第A 198 54 573号で説明されるような2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体、同第A 198 54 574号で説明されるようなN−アシル−2−オキサゾリドン、同第A 102 04 937号で説明されるような環状尿素、同第A 103 34 584号で説明されるような二環式アミドアセタール、欧州特許第1,199,327号で説明されるようなオキセタン及び環状尿素、並びに国際公開第03/031482号で説明されるようなモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が挙げられる。
【0052】
一部の実施形態では、SAPは、例えばナトリウム対イオンを有し、例えば60%〜90%、又は約75%の中和度を有する、ポリアクリル酸ポリマー/ポリアクリレートポリマーから形成される。
【0053】
本発明に関して有用なSAPは、数多くの形状のものとすることができる。用語「粒子」は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びに、超吸収性ポリマー粒子の当業者には既知の他の形状及び形態を指す。一部の実施形態では、SAP粒子は、繊維の形状、すなわち細長い針状の、超吸収性ポリマー粒子とすることができる。それらの実施形態では、超吸収性ポリマー粒子繊維は、約1mm未満、通常は約500μm未満、好ましくは250μm未満から50μmまでの、小さい寸法(すなわち、繊維の直径)を有する。
これらの繊維の長さは、好ましくは、約3mm〜約100mmである。これらの繊維はまた、織ることが可能な長いフィラメントの形態とすることもできる。
【0054】
典型的には、SAPは、球状粒子である。繊維とは対照的に、「球状粒子」は、粒子の最長粒子寸法と最短粒子寸法との比が1〜5の範囲である、最長寸法及び最短寸法を有し、1の値は、完全な球形粒子に等しいものであり、5は、そのような球形粒子からの幾分かの逸脱を可能にするものである。超吸収性ポリマー粒子は、EDANA法WSP 220.2−05に従って測定される、850μm未満、又は50〜850μm、好ましくは100〜710μm、より好ましくは150〜650μmの粒径を有し得る。比較的小さい粒径を有するSAPは、液体滲出物と接触する吸収性材料の表面積の増大に役立ち、それゆえ、液体滲出物の素早い吸収を支援する。
【0055】
SAPは、45μm〜4000μmの範囲の粒径、より特に、45μm〜約2000μm、又は約100μm〜約1000、850、若しくは600μmの範囲内の粒径分布を有し得る。粒子形態の材料の粒径分布は、当該技術分野において既知であるように、例えば、乾式篩分け分析(EDANA 420.02「粒径分布」)によって判定することができる。
【0056】
本明細書の一部の実施形態では、超吸収性材料は、例えば、欧州特許出願第0,691,133号に記載の方法によって測定することが可能な、最大2mm、又は50マイクロメートル〜2mm若しくは〜1mm、又は好ましくは100、200、300、400、若しくは500μm〜、又は〜1000、若しくは〜800、若しくは〜700μmの質量中央粒径を有する、粒子の形態である。本発明の一部の実施形態では、超吸収性ポリマー材料は、粒子の形態であり、その少なくとも80重量%は、50μm〜1200μmのサイズであり、かつ上記の範囲の組み合わせのいずれかの間の質量中央粒径を有する粒子である。更には、又は本発明の別の実施形態では、前述の粒子は、本質的に球形である。
本発明の更に別の実施形態又は更なる実施形態では、超吸収性ポリマー材料は、比較的狭い範囲の粒径を有し、例えば粒子の大半(例えば、少なくとも80重量%、又は好ましくは少なくとも90重量%、又は更に少なくとも95重量%)は、50μm〜1000μm、好ましくは100μm〜800μm、より好ましくは200μm〜600μmの粒径を有する。
【0057】
好適なSAPは、例えば、米国特許第4,340,706号及び同第5,849,816号で説明されるような逆相懸濁重合、あるいは米国特許出願第2009/0192035号、同第2009/0258994号、及び同第2010/0068520号で説明されるような噴霧液相分散重合若しくは他の気相分散重合から得ることができる。一部の実施形態では、好適なSAPは、国際公開第2006/083584号の12頁23行目〜20頁27行目でより具体的に説明されるように、現行の当該技術の製造プロセスによって得ることができる。
【0058】
SAPの表面は、例えば、カチオン性ポリマーでコーティングすることができる。好適なカチオン性ポリマーとしては、ポリアミン材料又はポリイミン材料を挙げることができる。一部の実施形態では、SAPは、米国特許第7,537,832(B2)号で開示されるものなどの、キトサン材料でコーティングすることができる。一部の他の実施形態では、SAPは、国際公開第99/34841号及び同第99/34842号で開示されるものなどの、混合床イオン交換吸収性ポリマーを含み得る。
【0059】
吸収性コアは、典型的には、1つのタイプのSAPのみを含むが、SAPの配合物が使用可能であることを排除するものではない。超吸収性ポリマーの流体透過性は、欧州特許出願第12174117.7号で開示される試験で測定される、その尿透過性測定(UPM)値を使用して定量化することができる。SAPのUPMは、例えば、少なくとも10×10
−7cm
3.秒/g、又は少なくとも30×10
−7cm
3.秒/g、又は少なくとも50×10
−7cm
3.秒/g以上、例えば、少なくとも80又は100×10
−7cm
3.秒/gとすることができる。この流動特性はまた、第2の吸収性層内で使用されるSAPの量及び分布を変化させることによって調節することもできる。
【0060】
殆どの吸収性物品に関して、特におむつに関しては、液体の排出は、主に物品の前側半分で発生する。物品の(前縁部と、前縁部又は後縁部からLの半分の距離に配置される横断線との間の領域によって画定されるような)前側半分は、それゆえ、コアの吸収能力の殆どを含み得る。それゆえ、SAPの少なくとも60%、又はSAPの少なくとも65%、70%、75%、又は80%は、吸収性物品の前側半分内に存在し得るものであり、残余のSAPは、その吸収性物品の後側半分内に配置される。
【0061】
吸収性コア内に存在するSAPの合計量もまた、想定されるユーザに従って変化させることができる。新生児用のおむつは、小児又は成人用の失禁用おむつよりも、必要とされるSAPを少なくすることができる。コア内のSAPの量は、例えば、約5〜60g、特に5〜50gを含み得る。SAPの堆積区域8(又は、幾つか存在する場合には、「少なくとも1つの」堆積区域8)内の平均SAP坪量は、例えば、少なくとも50、100、200、300、400、500g/m
2以上とすることができる。吸収性材料堆積区域8内に存在するチャネルの区域を、吸収性材料堆積区域から推定して、この平均坪量を算出する。
【0062】
コアラップ(16、16’)
コアラップは、吸収性材料の周囲で折り畳まれる単一の基材で作製することができ、又は有利には、2つ(以上)の基材を含み得るものであり、それらの基材は、もう一方の基材に取り付けられる。典型的な取り付けは、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。Cラップでは、
図2及び
図7で例示的に示されるように、基材のうちの一方の長手方向縁部及び/又は横断方向縁部が、他方の基材の上に折り畳まれて、フラップを形成する。次いで、これらのフラップは、典型的には接着によって、他方の基材の外側表面に結合される。
【0063】
コアラップは、吸収性材料を受容及び収容するために適した、任意の材料によって形成することができる。従来のコアの製造に使用される典型的な基材材料、特に、紙、ティッシュ、フィルム、織布若しくは不織布、又はこれらのいずれかの積層体を使用することができる。コアラップは、特に、カード不織布、スパンボンド不織布(「S」)、若しくはメルトブローン不織布(「M」)、及びこれらのいずれかの積層体などの、不織布ウェブによって形成することができる。例えば、スパンメルトポリプロピレン不織布、特に、積層体ウェブSMS構造、又はSMMS構造、又はSSMMS構造を有し、かつ約5gsm〜15gsmの坪量範囲を有するものが好適である。好適な材料は、例えば、米国特許第7,744,576号、同第2011/0268932(A1)号、同第2011/0319848(A1)号、又は同第2011/0250413(A1)号で開示されている。PE、PET、及び特にPPなどの、合成繊維から提供される不織布材料を使用することができる。
【0064】
コアラップが第1の基材16及び第2の基材16’を含む場合には、これらの基材は、同じタイプの材料で作製することができ、又は異なる材料で作製することもでき、又は、基材のうちの一方に、他方とは異なる処理を施して、その基材に異なる特性を提供することもできる。不織布の製造に使用されるポリマーは、本質的に疎水性であるため、それらのポリマーは、吸収性コアの流体受容側に配置される場合には、好ましくは、親水性コーティングでコーティングされる。コアラップの上側部、すなわち、吸収性物品内で、より着用者に近く配置される側は、コアラップの底側部よりも親水性であることが有利である。耐久的な親水性コーティングを有する不織布を製造することが可能な方法は、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に適用し、紫外線によって活性化される重合を実施することにより、不織布の表面に化学結合したモノマーを生じさせることによるものである。耐久的な親水性コーティングを有する不織布を製造することが可能な代替的方法は、例えば、国際公開第02/064877号で説明されるように、親水性ナノ粒子で不織布をコーティグすることである。
【0065】
恒久的な親水性不織布もまた、一部の実施形態では有用である。米国特許第7744576号(Busamら)で説明されるように、表面張力を使用して、特定の親水性レベルがどの程度恒久的に達成されるかを測定することができる。米国特許第7744576号で説明されるように、液体の裏抜けを使用して、親水性レベルを測定することができる。
第1の基材及び/又は第2の基材は、特に、生理食塩水溶液で湿潤される場合、少なくとも55mN/m、好ましくは少なくとも60mN/m、最も好ましくは少なくとも65mN/m以上の表面張力を有し得る。これらの基材はまた、液体の5回目の噴出に関して、5秒未満の液体裏抜け時間も有し得る。これらの値は、それぞれ、米国特許第7,744,576(B2)号の「Determination Of Surface Tension」及び「Determination of Strike Through」で説明される試験方法を使用して、測定することができる。
【0066】
親水性及び濡れ性は、典型的には、流体の接触角及び裏抜け時間、例えば不織布を通過する流体の裏抜け時間によって定義される。このことは、Robert F.Gould編の「Contact angle,wettability and adhesion」と題されたAmerican Chemical Societyの刊行物(著作権1964年)で詳細に論じられている。水と基材の表面との間の、より低い接触角を有する基材は、別の基材よりも親水性であると言うことができる。
【0067】
これらの基材はまた、空気透過性とすることもできる。本明細書で有用なフィルムは、それゆえ微小孔を含み得る。基材は、例えば、EDANA法140−1−99(125Pa、38.3cm
2)によって判定される、40又は50〜300又は200m
3/(m
2×分)の空気透過性を有し得る。あるいは、コアラップの材料は、より低い空気透過性を有し、例えば空気不透過性であることにより、例えば、真空を含む移動表面上での取り扱いを容易にすることができる。
【0068】
コアラップが、2つの基材16、16’によって形成される場合には、典型的には4つの封止部を使用して、コアラップ内部に吸収性材料60を封入することができる。例えば、第1の基材16は、コアの一方の側(図に示されるような上側部)に配置することができ、そのコアの反対側の底側部を少なくとも部分的に包み込むように、コアの長手方向縁部の周囲に延びる。第2の基材16’は、典型的には、第1の基材16の包み込んだフラップと吸収性材料60との間に存在する。第1の基材16のフラップを、第2の基材16’に接着することにより、強固な封止部を提供することができる。このいわゆるCラップ構造は、サンドイッチ封止部と比較して、湿潤充填状態での破裂に対する改善された耐性などの、利益を提供することができる。次いで、コアラップの前側及び後側もまた、例えば、第1の基材及び第2の基材を、もう一方に接着することによって封止することにより、コアの全周にわたって、吸収性材料の完全な封入を提供することができる。コアの前側及び後側に関しては、第1の基材及び第2の基材は、実質的に平面方向で延びて一体に接合することにより、これらの縁部に関して、いわゆるサンドイッチ構造を形成することができる。このいわゆるサンドイッチ構造では、第1の基材及び第2の基材はまた、コアの全ての側で外向きに延びて、典型的には、接着及び/又は熱/加圧結合によって、コアの周縁部の全体又は諸部分に沿って平坦に封止することができる。典型的には、第1の基材又は第2の基材のいずれも、成形する必要がないため、それらの基材は、製造の容易性のために矩形に切断することができるが、当然ながら他の形状も可能である。
【0069】
用語「封止」は、広義に理解されたい。この封止は、コアラップの全周に沿って連続的である必要はなく、線上に離間配置された一連の封止点によって形成されるような、コアラップの一部又は全体に沿って不連続なものとすることができる。典型的には、接着及び/又は熱結合によって、封止部を形成することができる。コアラップはまた、小包ラップのように吸収性材料を封入して、例えば、コアの前側及び後側、並びに一方の長手方向封止部に沿って封止することが可能な、単一の基材によって形成することもできる。
【0070】
吸収性材料堆積区域8
吸収性材料堆積区域8は、吸収性コアの上側部から見て、コアラップ内部の吸収性材料60によって形成された層の周縁部によって、画定することができる。吸収性材料堆積区域8は、様々な形状を取ることが可能であり、特に、コアの中央領域又は「クロッチ」領域に向けて、その幅に沿ったテーパリングを示す、いわゆる「ドッグボーン」形状又は「砂時計」形状を示し得る。この方式では、吸収性材料堆積区域は、
図1に示すように、吸収性物品のクロッチ領域内に配置されることが意図されるコアの区域内で、比較的狭い幅を有し得る。このことは、例えば、より良好な着用快適性をもたらし得る。吸収性材料堆積区域8は、それゆえ、その最も狭い地点で、約100mm、90m、80mm、70mm、60mm未満、又は更に約50mm未満である(横断方向で測定される)幅を有し得る。この最も狭い幅は、更には、堆積区域8の前側領域及び/又は後側領域内の、その堆積区域の最も広い地点での幅よりも、例えば、少なくとも5mm、又は少なくとも10mm小さくすることができる。吸収性材料堆積区域8はまた、例えば
図4〜6に示すように、概して矩形にすることもできるが、「T」又は「Y」又は「砂時計」又は「ドッグボーン」形状などの、他の堆積区域もまた使用することができる。
【0071】
SAPの坪量(単位表面当りの堆積量)もまた、コアの長手方向、横断方向、又は双方の方向で、吸収性材料、特にSAPの、プロファイルされた分布を作り出すために、堆積区域8に沿って変化させることができる。それゆえ、コアの長手方向軸線に沿って、並びに横断方向軸線、又はこれらの軸線のいずれかに平行な任意の軸線に沿って、吸収性材料の坪量は変化し得る。それゆえ、比較的高い坪量の区域内のSAPの坪量は、例えば、比較的低い坪量の区域内よりも、少なくとも10%、又は20%、又は30%、又は40%、又は50%高くすることができる。特に、クロッチ点Cの長手方向位置で吸収性材料堆積区域内に存在するSAPは、吸収性材料堆積区域8の別の区域と比較して、単位表面当り、より多く堆積したSAPを有し得る。
【0072】
吸収性材料は、比較的高速に比較的正確なSAPの堆積を可能にし得る、既知の技術を使用して堆積させることができる。特に、例えば、米国特許第2006/24433号(Blessing)、同第2008/0312617号、及び同第2010/0051166(A1)号(双方ともHundorfら)で開示されるような、SAP印刷技術を使用することができる。この技術は、印刷ロールを使用して、支持体のグリッド上に配置された基材上にSAPを堆積させるが、この支持体は、互いに実質的に平行かつ離間して延びる、複数のクロスバーを含むことにより、それらの複数のクロスバーの間に延びるチャネルを形成することができる。この技術は、基材上の、高速かつ正確なSAPの堆積を可能にする。吸収性コアのチャネルは、例えば、チャネルに相当する区域内にSAPが適用されないように、グリッド及び受容ドラムのパターンを修正することによって、形成することができる。欧州特許出願第11169396.6号は、この修正をより詳細に開示している。
【0073】
チャネル26、26’
吸収性コアは、そのコアの長手方向に少なくとも部分的に方向付けられた、少なくとも1つのチャネルを備える。複数形の「チャネル」が、以下で使用される場合には、「少なくとも1つのチャネル」を意味するものとする。チャネルは、様々な方式で形成することができる。例えば、チャネルは、吸収性材料、特にSAPを、実質的に又は完全に含み得ない、吸収性材料堆積区域内の領域によって形成することができる。更には、又は代替的には、チャネルはまた、吸収性材料堆積区域を通って、連続的又は不連続的に、コアラップの底側部を形成する材料にコアラップの上側部を形成する材料を結合することによって、形成することもできる。チャネルは、有利には連続的なものとすることができるが、チャネルが断続的なものであることを排除するものではない。トップシートと吸収性コアとの間の獲得/分配システム若しくは任意の副層、又は物品の別の層もまた、チャネルを含み得るが、それらのチャネルは、吸収性コアのチャネルに対応する場合もあれば、又は対応しない場合もある。チャネルは、特に、吸収性材料堆積区域8内に完全に包囲することができる。
【0074】
チャネルは、特に、2つの長手方向に延びるチャネル26、26’によって
図1に示されるように、その物品のクロッチ領域内に、特に、少なくともクロッチ点Cと同じ長手方向レベルに存在し得る。一部のチャネルはまた、クロッチ領域から、コアの後側領域及び/又は前側領域内に延びる場合もあり、あるいは、より小さいチャネル27、27’によって
図1に示されるように、単にコアの前側領域内及び/又は後側領域内にのみ存在する場合もある。
【0075】
吸収性コア28はまた、3つ以上の、例えば少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つ、又は少なくとも6つのチャネルも含み得る。より短いチャネルもまた、例えば、コアの前側に向けた
図1のチャネル27、27’の対によって示されるように、コアの後側領域又は前側領域内に存在し得る。チャネルは、長手方向軸線80’に関して対称的に配置構成された、1つ以上のチャネルの対を含み得る。
【0076】
チャネルは、吸収性材料堆積区域が矩形である場合に、吸収性コア内で特に有用であり得るが、これは、非矩形の(成形された)コアを使用する利点が少なくなる程度まで、それらのチャネルによってコアの可撓性を向上させることができるためである。当然ながら、チャネルはまた、成形された堆積区域を有するSAPの層内にも存在し得る。
【0077】
チャネルは、実質的に長手方向に延び得るが、このことは、典型的には、各チャネルが横方向よりも長手方向で大きく、典型的には横方向よりも長手方向で(対応する軸線上への投影の後に測定される)少なくとも2倍大きく延びることを意味する。チャネルは、吸収性物品の長さLの少なくとも10%である、コアの長手方向軸線80’上に投影された長さL’を有し得る。少なくとも一部又は全てのチャネルは、コア内で、完全に又は実質的に完全に横方向に方向付けられたチャネルではないことが有利であり得る。
【0078】
チャネルは、長手方向に完全に方向付けて、長手方向軸線と平行にすることができるが、湾曲させることもまた可能である。特に、一部又は全てのチャネル、特にクロッチ領域内に存在するチャネルは、例えばチャネル26、26’の対に関して
図1及び
図6に示されるように、長手方向軸線80’に向けて凹状にすることができる。曲率半径は、典型的には、吸収性材料堆積区域8の平均横方向寸法に少なくとも等しい(また好ましくは、この平均横方向寸法の少なくとも1.5倍、又は少なくとも2.0倍)とすることができ、また、直線状ではあるが、長手方向軸線に平行な線と(例えば、5°〜)最大30°、又は例えば最大20°、又は最大10°の角度を下回るものとすることもできる。曲率半径は、チャネルに関して一定にすることができ、又はその長さに沿って変化させることもできる。このことはまた、内部に角度を有するチャネルも包含し得るが、これは、チャネルの2つの部分の間の前述の角度が、少なくとも120°、好ましくは少なくとも150°であり、またこれらのいずれの場合にも、チャネルの長手方向の延伸が、横方向の延伸よりも大きいという条件が伴う。チャネルはまた、分岐させることもでき、例えば、クロッチ領域内で長手方向軸線に重ね合わされた中央のチャネルが、物品の後側に向けて及び/又は前側に向けて分岐する。
【0079】
一部の実施形態では、コアの長手方向軸線80’と一致するチャネルは存在しない。長手方向軸線に関して対称的な対として存在する場合、チャネルは、それらの長手方向寸法の全体にわたって互いに離間して配置することができる。最小の間隔距離は、例えば、少なくとも5mm、又は少なくとも10mm、又は少なくとも16mmとすることができる。
【0080】
更には、流体漏出のリスクを低減するために、長手方向の主要チャネルは、典型的には、吸収性材料堆積区域8のいずれの縁部にまでも延びることなく、それゆえ、コアの吸収性材料堆積区域内に完全に包囲される。典型的には、チャネルと吸収性材料堆積区域の最も近い縁部との最小距離は、少なくとも5mmである。
【0081】
チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って、少なくとも2mm、又は少なくとも3mm、又は少なくとも4mm〜例えば20mm、又は16mm、又は12mmまでの、幅Wcを有し得る。このチャネルの幅は、実質的にチャネルの全長を通して、一定にすることができ、又はその長さに沿って変化させることもできる。
【0082】
少なくとも一部又は全てのチャネルは、有利には、恒久的チャネルであり、これは、それらのチャネルの一体性が、乾燥状態及び湿潤状態の双方で、少なくとも部分的に維持されることを意味する。恒久的チャネルは、1種以上の接着剤材料、例えば、接着剤材料の繊維層、又は、例えばチャネルの壁部内の吸収性材料と基材とを接着するために役立つ構造用接着剤の提供によって、得ることができる。恒久的チャネルはまた、特に、コアラップの上面及び下面(例えば、第1の基材16及び第2の基材16’)を、そのチャネルを通して一体に結合することによって形成することもできる。典型的には、接着剤を使用して、チャネルを通してコアラップの両側を結合することができるが、加圧結合、超音波結合、又は熱結合、あるいはこれらの組み合わせなどの、他の既知の手段を介して結合することも可能である。コアラップは、チャネルに沿って連続的に結合することができ、又は断続的に結合することもできる。チャネルは、有利には、以下の湿潤チャネル一体性試験で開示されるように、吸収性物品が流体で完全に充填されるとき、少なくともトップシート及び/又はバックシートを通して可視のまま維持されるか、又は可視となることができる。このことは、実質的にSAPを含まないチャネルを作製することによって達成することができ、そのため、それらのチャネルは、膨潤することなく、また十分に大きいことにより、それらのチャネルは、湿潤時に閉鎖することがない。更には、コアラップを、チャネルを通してそのコアラップ自体に結合することが有利であり得る。以下で説明される湿潤チャネル一体性試験を使用して、チャネルが湿潤飽和後に恒久的かつ可視であるか否か、及びその度合を試験することができる。有利には、本発明による恒久的チャネルは、以下で説明される湿潤チャネル一体性試験に従って、少なくとも20%、又は30%、又は40%、又は50%、又は60%、又は70%、又は80%、又は90%の一体性の百分率を有する。
【0083】
バリアレッグカフ34
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ34及び/又はガスケットカフ32を備え得る。米国特許第3,860,003号では、伸縮性レッグカフ(ガスケットカフ)を提供するために、サイドフラップ、及び1つ以上の弾性部材を有する収縮可能な脚部開口部を提供する、使い捨ておむつが説明されている。Azizらに発行された米国特許第4,808,178号及び同第4,909,803号では、脚部領域の収容を改善する「立ち上がり」伸縮性フラップ(バリアレッグカフ)を有する、使い捨ておむつが説明されている。
Lawson及びDragooにそれぞれ発行された、米国特許第4,695,278号及び同第4,795,454号では、ガスケットカフ及びバリアレッグカフを含む二重カフを有する、使い捨ておむつが説明されている。バリアレッグカフ及び/又はガスケットカフの全て若しくは一部分は、ローションで処理することができる。
【0084】
バリアレッグカフ32は、1個の材料、典型的には不織布から形成することができ、この材料は、物品の残部に部分的に結合されることにより、例えば
図1に示すように物品が平坦に引張された場合、その材料の一部分であるバリアレッグカフは、トップシートによって画定される平面から、部分的に隆起して離れ、立ち上がることができる。バリアレッグカフは、着用者の胴体と脚との接合部付近での、液体及び他の身体滲出物の改善された収容を提供することができる。バリアレッグカフは、長手方向軸線の両側で、おむつの前縁部と後縁部との間で少なくとも部分的に延び、少なくともクロッチ点(C)の長手方向位置に存在する。バリアレッグカフは、物品の残部、典型的にはトップシート及び/又はバックシートに接合された、近位縁部64と、着用者の皮膚と接触して封止部を形成するように意図された、自由末端縁部66とによって画定される。バリアレッグカフは、近位縁部64で、結合部65によって物品のシャーシと接合され、この結合部65は、例えば、接着、溶融結合、又は既知の結合手段の組み合わせによって作製することができる。近位縁部64の結合部65は、連続的又は断続的とすることができる。バリアレッグカフ32の隆起区間に最も近い、結合部65の側は、レッグカフの立ち上り区間の近位縁部64を画定する。
【0085】
バリアレッグカフ32の近位縁部64間の(典型的には結合部65の内側間で測定される)距離は、その物品のクロッチ点(C)での乾燥幅Wd及び湿潤幅Wwを定義する。小児用おむつに関しては、バリアレッグカフの近位縁部間で測定される乾燥幅Wdは、典型的には、70mm〜200mmの範囲とすることができる。
図3は、液体で充填された後の、
図2の物品を示す。湿潤幅Wwは、典型的には、乾燥幅Wdよりも小さいものとなり得るが、これは、本発明の吸収性コアが、湿潤時に、トップシート及びバックシートに向けて膨張すると同時に、横方向で縮退し得るためである。
【0086】
バリアレッグカフ32は、トップシート若しくはバックシートと一体にするか、又は、より典型的には、物品の残部に接合される別個の材料から形成することができる。典型的には、バリアレッグカフの材料は、おむつの全長を通して延び得るが、物品の前縁部及び後縁部に向けて、トップシートに「タック結合」されることにより、これらの区間では、バリアレッグカフ材料は、トップシートと同一平面のまま維持される。各バリアレッグカフ34は、より良好な封止部を提供するために、この自由末端縁部66の近くに、1つ、2つ、又はそれよりも多くの弾性糸35を備え得る。
【0087】
バリアレッグカフ34に加えて、この物品は、吸収性物品のシャーシ、特に、トップシート及び/又はバックシートに接合され、かつバリアレッグカフに対して外部に配置することが可能な、ガスケットカフ32を備え得る。このガスケットカフは、着用者の大腿の周囲に、より良好な封止部を提供することができる。通常、各ガスケットレッグカフは、おむつのシャーシ内、例えば、脚部開口部の区域内のトップシートとバックシートとの間に含まれる、1つ以上の弾性糸又は弾性要素を含む。
【0088】
獲得/分配システム50
本発明の吸収性物品は、獲得/分配システム50(本明細書では「ADS」)を備える。ADSの機能は、流体を迅速に獲得して、その流体を効率的な方式で吸収性コアに分配することである。ADSは、少なくとも50重量%の合成繊維を含む層であって、150gsmを上回る坪量を有する層、を含まないという条件で、1つ、2つ、又はそれよりも多くの層を含み得る。ADSが、複数の層を含む場合には、これらの層は、複合層を形成するように結合することができ、又は、互いに多少近接して取り付けられる、個別層のまま維持することもできる。ADSが2つの層を含む場合、そのADSは、獲得層52、例えば、合成繊維に基づく比較的低い坪量の不織布と、より高い坪量の、少なくとも50%の架橋セルロース繊維を含む、分配層54とを含み得るが、本発明は、この実施例に制限されるものではない。
【0089】
典型的には、ADSはSAPを含まないが、これは、流体の獲得及び分配を遅らせる恐れがあるためである。先行技術は、多くのタイプの獲得/分配システムを開示しており、例えば、国際公開第2000/59430号(Daley)、同第95/10996号(Richards)、米国特許第5,700,254号(McDowall)、国際公開第02/067809号(Graef)を参照されたい。ADSは、必ずしも必須ではないが、分配層及び獲得層の2つの層を含み得るものであり、それらの層を、ここでより詳細に例示する。
【0090】
分配層54
分配層54の機能は、より効率的にコアの吸収能力を使用することができるように、侵襲する流動性液体を、物品の内部で、より大きい表面にわたって拡散させることである。
典型的には、分配層は、合成繊維又はセルロース繊維に基づき、かつ比較的低い密度を有する、不織布材料で作製される。この分配層の密度は、物品の圧縮に応じて変化し得るが、典型的には、0.30psi(2.07kPa)で測定して、0.03〜0.25g/cm
3、特に0.05〜0.15g/cm
3の範囲とすることができる。分配層54はまた、米国特許第5,137,537号で開示される手順で指示されるように測定して、25〜60の、好ましくは30〜45の保水値を有する材料とすることもできる。この分配層は、典型的には、30〜400g/m
2の、特に100〜300g/m
2の平均坪量を有し得る。
【0091】
分配層は、例えば、少なくとも50重量%の架橋セルロース繊維を含み得る。この架橋セルロース繊維は、捲縮、撚り合わせ、又はカールさせることができ、あるいは捲縮、撚り合わせ、及びカールを含めた、それらの組み合わせとすることもできる。このタイプの材料は、過去に、例えば米国特許第2008/0312622(A1)号(Hundorf)で、獲得システムの一部として、使い捨ておむつ内で使用されている。この架橋セルロース繊維は、製品のパッケージングの際の圧縮、又は使用条件での、例えば乳幼児の重量下での圧縮に対して、第1の吸収性層に、高い復元力、またそれゆえ高い耐性を提供する。このことにより、より高い空隙容積、透過性、及び液体吸収作用がコアに提供され、またそれゆえ、漏出の低減、及び乾燥度の改善がコアに提供される。
【0092】
分配層に関して好適な、例示的な化学架橋セルロース繊維が、米国特許第5,549,791号、同第5,137,537号、国際公開第9534329号、又は米国特許第2007/118087号で開示されている。例示的な架橋剤としては、クエン酸などのポリカルボン酸、及び/又はアクリル酸及びマレイン酸コポリマーなどのポリアクリル酸が挙げられる。例えば、この架橋セルロース繊維は、繊維内エステル架橋結合形態でその繊維と反応させた、セルロースアンヒドログルコースモル換算で約0.5モル%〜約10.0モル%のC2〜C9のポリカルボン酸架橋剤を有し得る。このC2〜C9のポリカルボン酸架橋剤は、
−1分子当り少なくとも3つのカルボキシル基を有するC2〜C9の脂肪族及び脂環式ポリカルボン酸と、
−1分子当り2つのカルボキシル基を有し、カルボキシル基の一方又は双方に対するα位、β位の炭素−炭素二重結合を有する、C2〜C9の脂肪族及び脂環式ポリカルボン酸とからなる群から選択することができ、このC2〜C9のポリカルボン酸架橋剤中の1つのカルボキシル基は、2つ又は3つのいずれかの炭素原子によって、第2のカルボキシル基から分離される。これらの繊維は、特に、その繊維と繊維内エステル架橋結合形態で反応させた、セルロースアンヒドログルコースモル換算で約1.5モル%〜約6.0モル%の架橋剤を有し得る。この架橋剤は、クエン酸、1、2、3、4ブタンテトラカルボン酸、及び1、2、3プロパントリカルボン酸、特にクエン酸からなる群から選択することができる。
【0093】
ポリアクリル酸架橋剤はまた、ポリアクリル酸ホモポリマー、アクリル酸のコポリマー、及びこれらの混合物から選択することもできる。これらの繊維は、繊維内架橋結合の形態で繊維と反応させた、乾燥繊維の重量換算で1.0重量%〜10.0重量%、好ましくは3重量%〜7重量%の、これらの架橋剤を有し得る。架橋剤は、500〜40,000、好ましくは1,000〜20,000の分子量を有する、ポリアクリル酸ポリマーとすることができる。この高分子ポリアクリル酸架橋剤は、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーとすることができ、特に、アクリル酸対マレイン酸の重量比は、10:1〜1:1、好ましくは5:1〜1.5:1である。有効量のクエン酸を、前述の高分子ポリアクリル酸架橋剤と更に混合することができる。
【0094】
架橋セルロース繊維を含む分配層は、他の繊維を含み得るが、この層は、有利には、この層の少なくとも50重量%、又は60重量%、又は70重量%、又は80重量%、又は90重量%、又は更には最大100重量%の架橋セルロース繊維(架橋剤を含む)を含み得る。そのような架橋セルロース繊維の混合層の実施例は、約70重量%の化学架橋セルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)繊維、及び約20重量%未処理のパルプ繊維を含み得る。別の実施例では、架橋セルロース繊維の層は、約70重量%の化学架橋セルロース繊維、約20重量%のリヨセル繊維、及び約10重量%のPET繊維を含み得る。別の実施例では、この層は、約68重量%の化学架橋セルロース繊維、約16重量%の未処理のパルプ繊維、及び約16重量%のPET繊維を含み得る。別の実施例では、架橋セルロース繊維の層は、約90〜100重量%の化学架橋セルロース繊維を含み得る。
【0095】
獲得層52
吸収性物品20は、獲得層52を含み得るものであり、その機能は、着用者に良好な乾燥度を提供するために、トップシートから離れる方向で、流体を迅速に獲得することである。獲得層52は、典型的には、トップシートの下に直接配置される。存在する場合には、その獲得層の下に、分配層を少なくとも部分的に配置することができる。獲得層は、典型的には、不織布材料、例えば、スパンボンド層、メルトブローン層、及び更なるスパンボンド層を含む、SMS材料若しくはSMMS材料、又は代替的に、カード処理された化学結合不織布とするか、あるいはそれらを含み得る。この不織布材料は、特に、ラテックス結合することができる。例示的な上部獲得層52は、米国特許第7,786,341号で開示されている。特に、使用される繊維が、中実円形、又は円形かつ中空のPETステープル繊維(6デニール繊維と9デニール繊維との50/50又は40/60混合)である場合に、カード処理された樹脂結合不織布を使用することができる。例示的な結合剤は、ブタジエン/スチレンラテックスである。不織布は、加工ラインの外部で製造して、材料のロールとして保管及び使用することができるという利点を有する。
【0096】
更なる有用な不織布が、米国特許第6,645,569号(Cramerら)、同第6,863,933号(Cramerら)、同第7,112,621号(Rohrbaughら)、並びに同時係属中の米国特許出願第2003/148684号(Cramerら)及び同第2005/008839号(Cramerら)で説明されている。
【0097】
獲得層52は、ラッテクス結合剤、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)によって安定化させることができる。そのような格子状構造を得るためのプロセスは、例えば、欧州特許第149880号(Kwok)及び米国特許第2003/0105190号(Diehlら)により既知である。特定の実施形態では、結合剤は、獲得層52内に、約12重量%、約14重量%、又は約16重量%を超過して存在し得る。SBラテックスは、商品名GENFLO(商標)3160(OMNOVA Solutions Inc.(Akron,Ohio))で入手可能である。
【0098】
上述の第1の獲得層に加えて、更なる獲得層を使用することができる。例えば、第1の獲得層と分配層との間に、ティッシュ層を配置することができる。このティッシュは、上述の獲得層と比較して、強化された毛管現象分配特性を有し得る。ティッシュ及び第1の獲得層は、同じサイズのものとすることができ、又は異なるサイズのものとすることもでき、例えば、ティッシュ層は、吸収性物品の後側に、第1の獲得層よりも更に延び得る。
親水性のティッシュの実施例は、供給元Havixによるセルロース繊維で作製された、13〜15gsmの高い湿潤強度のものである。
【0099】
締結システム42、44
この吸収性物品は、締結システムを含み得る。締結システムは、テープ式おむつに関して典型的であるように、着用者に接して吸収性物品を保持するための、吸収性物品の外周付近での横方向の張力を提供するために使用することができる。この締結システムは、トレーニングパンツ物品に関しては必須ではないが、これは、それらの物品の腰部領域が既に結合されているためである。締結システムは、通常、テープタブ、フック及びループ締結構成要素、タブ及びスロットなどの噛み合い式締結具、バックル、ボタン、スナップ、並びに/あるいは雌雄同体の締結構成要素などの締結具を含むが、任意の他の既知の締結手段も、全般的に容認可能である。締結具が解除可能に取り付けられるように、ランディング領域が、通常、前側腰部領域上に提供される。幾つかの例示的な表面締結システムが、Buellに発行された、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274で開示されている。例示的な噛み合い式締結システムが、米国特許第6,432,098号で開示されている。締結システムはまた、Robertsonらに発行された米国特許第4,963,140号で開示されるように、廃棄処分構成で物品を保持するための手段も、提供することができる。
【0100】
締結システムはまた、米国特許第5,242,436号、同第5,499,978号、同第5,507,736号、及び同第5,591,152号で開示されるように、重ね合わされた部分の移動を低減させるために、又はフィットを改善するために、米国特許第4,699,622号で開示されるような、一次及び二次締結システムも含み得る。
【0101】
前側耳部46及び後側耳部40
この吸収性物品は、当該技術分野において既知であるように、前側耳部46及び後側耳部40を備え得る。これらの耳部は、例えば、サイドパネルとしてトップシート及び/又はバックシートから形成される、シャーシの一体部分とすることができる。あるいは、
図1に示すように、それらの耳部は、接着及び/又は熱型押し若しくは加圧結合によって取り付けられる、別個の要素とすることができる。後側耳部40は、有利には、ランディング領域40上へのタブ42の取り付けを容易にし、着用者の腰部の周囲でテープ式おむつを定位置に維持するために、伸縮自在である。後側耳部40はまた、弾性又は伸張可能とすることで、より快適かつ身体の輪郭に適合したフィットを提供することもできるが、これは、その伸縮性の耳部により、吸収性物品の側方部が伸縮することが可能となるため、最初に吸収性物品を着用者に適合するようにフィットさせ、このフィットを、吸収性物品が滲出物で充填されたかなり後の着用時間を通して持続させることによるものである。
【0102】
弾性腰部機構
この吸収性物品はまた、改善されたフィット及び収容を提供するために役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構(図示せず)も備え得る。弾性腰部機構は、一般的に、弾性的に伸縮することにより、着用者の腰部に動的にフィットするように意図される。弾性腰部機構は、好ましくは、吸収性コア28の少なくとも1つの腰部縁部から、少なくとも長手方向外側に延びて、吸収性物品の端縁部の少なくとも一部分を全般的に形成する。使い捨ておむつは、一方が前側腰部領域内に位置決めされ、一方が後側腰部領域内に位置決めされた、2つの弾性腰部機構を有するように構築することができる。弾性腰部機構は、米国特許第4,515,595号、同第4,710,189号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号で説明されるものを含めた、多種多様な構成で構築することができる。
【0103】
層間の関係
典型的には、隣接する層及び構成要素は、層の表面の全体又は一部上へのスロットコーティング若しくは噴霧を介した接着剤コーティング、又は熱結合、又は加圧結合、あるいはこれらの組み合わせなどの従来の結合方法を使用して、一体に接合される。この結合は、明瞭性及び可読性のために、図では示されないが(レッグカフ65の隆起要素とトップシート24との間の結合を除く)、この物品の層間の結合は、具体的に排除されない限り、存在していると見なされるべきである。種々の層の接着、例えばバックシートとコアラップとの接着を改善するために、典型的には、接着剤を使用することができる。この接着剤は、当該技術分野において既知のような、任意の標準的なホットメルト接着剤とすることができる。
【0104】
獲得層52が存在する場合には、この獲得層が、長手方向寸法及び/又は横断方向寸法で、分配層54よりも大きいか、若しくは少なくとも同じ大きさであることが有利であり得る。それゆえ、分配層52を、獲得層上に堆積させることができる。このことにより、特に、獲得層がストック材料のロールから巻き出すことが可能な不織布である場合には、取り扱いが簡略化される。分配層はまた、吸収性コアのコアラップの上面、又は物品の別の層上に、直接堆積させることもできる。また、分配層よりも大きい獲得層52は、貯蔵コアに獲得層を直接(より大きい区域で)接着することも可能にする。このことは、パッチの一体性の向上、及びより良好な液体連通をもたらし得る。
【0105】
吸収性コア、及び特に、その吸収性材料堆積区域8は、有利には、少なくとも獲得/分配システム(ADS)と同じ大きさ及び長さであり、また有利には、獲得/分配システム(ADS)よりも、少なくとも部分的に大きく及び/又は長くすることができる。これは、コア内の吸収性材料が、通常、ADSよりも大きい区域にわたって、より効率的に流体を保持し、乾燥度の利益をもたらすことができるためである。吸収性物品は、矩形のSAP層、及び非矩形の(成形された)ADSを有し得る。吸収性物品はまた、矩形の(非成形の)ADS、及び矩形のSAPの層を有する場合もある。
【0106】
物品の作製方法
本発明の吸収性物品は、当該技術分野において既知の、任意の従来方法によって作製することができる。特に、この物品は、手製のものとするか、又は工業的に高速生産することもできる。
【0107】
実験の設定
本明細書で示される値は、特に指定がない限り、本明細書に以下で示される方法に従って測定される。全ての測定は、特に指定がない限り、21±2℃、及び50±20%のRHで実行される。全てのサンプルは、特に指示がない限り、試験を実施する前に、これらの条件に少なくとも24時間保ち、平衡化するべきである。全ての測定は、特に指示がない限り、少なくとも4つのサンプルに対して再現し、得られた平均値を示すべきである。
【0108】
遠心保持容量(CRC)
CRCは、過剰な液体中で、自由膨潤するために超吸収性ポリマー粒子によって吸収される液体を測定する。CRCは、EDANA法WSP 241.2−05に従って測定される。
【0109】
吸収性物品キャリパー試験
機器:0.01mmの分解能を有するMitutoyo手動キャリパーゲージ−−又は同等の計器。
【0110】
コンタクトフット:17.0mm(±0.2mm)の直径を有する平坦な円形フット。
円形の重り(例えば、計器のシャフトの周囲への適用を容易にするためのスロットを有する重り)をフットに適用することにより、目標重量を達成することができる。フット及び付加重量の総重量(シャフトを含む)は、サンプルに対して2.07kPa(0.30psi)の圧力を提供するように選択される。フットをサンプルに押し付けるためのバネが存在していた場合には、計器が実際に2.07kPaの圧力を印加するように、計器からバネを取り外す。
【0111】
コンタクトフットの下面が、約20×25cmのベースプレートの平坦水平上面の中心に接触するように、キャリパーゲージを、水平面でコンタクトフットの下面に取り付ける。ゲージは、コンタクトフットがベースプレート上に安置された状態でゼロを示すように設定される。
【0112】
定規:mm単位で目盛り付けされた較正金属定規。
【0113】
ストップウォッチ:精度1秒
サンプルの調製:
吸収性物品がパッケージで提供される場合には、パッケージの中心区域から、試験するためのサンプル物品を取り出す。パッケージが5つ以上の物品を含む場合には、そのパッケージの各側の、外側から2つまでの物品は、試験に使用しない。パッケージが、5つ以上ではあるが14個未満の物品を含む場合には、試験を完了するために、物品の2つ以上のパッケージが必要とされる。パッケージが14個以上の物品を含む場合には、試験を実行するために必要な物品のパッケージは、1つのみである。パッケージが4つ以下の物品を含む場合には、そのパッケージ内の全ての物品が測定され、測定を実行するためには複数のパッケージが必要とされる。キャリパー読み取り値は、パッケージから物品を取り出した24±1時間後に取得するべきである。製品の物理的操作は最小限とし、必須のサンプル調製のみに制限するべきである。
【0114】
キャリパーフットの下に物品が平坦に配置されることを妨げる、その物品のあらゆる弾性構成要素を、切断又は除去する。これらの構成要素としては、レッグカフ又はウエストバンドを挙げることができる。パンツ型物品は、必要に応じて、サイドシームに沿って開放又は切断する。あらゆる折り目/しわを平坦に伸ばすように、十分な張力を適用する。
吸収性コア及びADS区域に接触すること、及び/又はそれらの区域を圧縮することを回避するように、注意を払う。
【0115】
測定手順:
カウンター甲板上に、衣類に面する側を下にして、物品を平坦に配置する。クロッチ点Cの長手方向レベルで、物品の身体に面する表面を横断して横線を引く。
【0116】
キャリパーゲージのコンタクトフットを上昇させ、フットの中心が、下降したときにクロッチ点Cの印付けされた測定点上に存在するように、衣類に面する表面側を下にして、ベースプレート上に物品を配置する。
【0117】
物品上にフットを穏やかに下降させて、解除する(測定の開始前に確実に「0」に較正する)。フットを解除した10秒後、0.01mmの位までのキャリパー値を読み取る。
【0118】
この手順を、各測定点に関して繰り返す。測定点に折り目が存在する場合には、この点に最も近いが折り目を全く有さない区域内で測定を行う。所定の製品に関して、この方式で10個の物品を測定し、平均キャリパーを算出して、10分の1mmの精度で報告する。
【0119】
湿潤キャリパー及び圧縮力(WCACF)試験
この試験は、a)1回の標準化された横方向圧縮後の、飽和した吸収性物品のキャリパーの増大の百分率、及びb)飽和した吸収性物品を40mmの幅まで横方向に圧縮するために必要とされる力を測定する。このWCACF試験は、以下の指示に従って吸収性物品に対して実行するべきである。
1.吸収性物品上の長手方向軸線を、物品の上側部に印付けする。この長手方向軸線は、
図1に例示的に示すように、物品を上から見た場合、その物品の上側部を、吸収性物品の長さに沿って、概略的に対称な2つの部片へと概ね分割する。この物品の上側部は、着用者に向けて配置されるように意図された側である。不確かな場合、上側部は、通常、底側部よりも親水性である。印付けは、印付けの間に物品に損傷を与えないように注意して、任意のペンで実施することができる。
2.吸収性物品の長手方向中心線と同じ側に、クロッチ線を印付けする。このクロッチ線は、長手方向軸線に垂直であり、吸収性物品の長さLの5分の2(2/5)に等しい距離で長手方向軸線と交差する。この距離は、吸収性物品の前側から測定される(例示的な図に関しては、
図1を参照)。このクロッチ線と長手方向軸線との交点が、クロッチ点Cである。吸収性物品の前側は、吸収性物品の前方に向けて配置されるように意図された、物品の側である。
3.次いで、吸収性物品を、蒸留水中に適量の塩化ナトリウムを溶解させることによって調製した、1000mL溶液当り9.00gのNaCl濃度を有する、大過剰の、例えば5Lの、合成尿「生理食塩水」中に浸漬させる。容器は、物品を平坦な構成で収容するために、十分に大きいものとしなければならない。浸漬の間、その物品の印付けされた側を上に向ける。
4.この生理食塩水中で1分の後、吸収性物品を取り出し、前側によって垂直に10秒間保持して排水する。
5.吸収性物品を、上側部を下向きにした状態で、水平表面上で平坦に引張することによって、10分間平衡化させる。物品の前側及び後側に配置されたクランプを使用することにより、充填された物品を平坦に保つことができる。
6.次いで、充填された吸収性物品の圧縮前のキャリパーを、クロッチ点で測定し、C初期として報告する。この目的のために、17.0mmの直径を有する押えフットを使用して、2.07kPa(0.30psi)の圧力を印加する。吸収性物品を、プレキシグラスプレート上に、印付けされた側を上向きにして平坦に配置し、押えフットを、クロッチ点Cが中央に配置されるように、穏やかに下降させる。フットと物品との初期の接触の30±2秒後に、厚さC初期を測定し、0.1mmの位まで報告する。
7.次いで、
図9で概略的に示されるように、充填された吸収性物品を、その上側部を上向きにした状態で、剛性のプラスチック製円筒体上に固定する。円筒体600は、150mm(+−1mm)の直径を有する。吸収性物品を、確実かつ解除可能に円筒体に取り付けることができるように、最初に、物品の前側10の最後の20.0mm(+−0.5mm)を、円筒体上に従前に適用されている両面テープ、又は他の締結手段を介して、オペレータに最も近い円筒体の外側表面に取り付ける。次いで、物品の後側12の最後の20.0mm(+−0.5mm)を、クロッチ点Cが円筒体600の中心軸線610と一致するために十分な高さで、その円筒体の直径方向反対側の外側表面に取り付ける。
8.この円筒体は、物品の後側を取り付けることができるように、十分に高い必要があることが理解されよう。
9.次いで、以下で詳述するように、吸収性物品を横方向に圧縮する。使用中の吸収性物品を圧縮する脚の部分をシミュレートする、一対の圧縮プレート630、640を含む組立体によって、吸収性物品に圧縮力を加える。各圧縮プレートは、90mm(+−1mm)×90mm(+−1mm)の寸法を有するべきである。これらのプレートは、必要とされる平坦な正方形の形状に形成することが可能な、任意の好適な材料(例えば、アルミニウム、プレキシグラス)から作製することができる。これらのプレートは、互いに対向して並立するように配置するべきである。物品の上側部のクロッチ線と各圧縮プレートの幾何学的中心とが位置合せされ、かつ水平面内に存在するように、圧縮プレートを配置する。
10.各圧縮プレートを、100mm/分の一定速度で、クロッチ点に向けて駆動する(合計の閉鎖速度は200mm/分である)。双方の圧縮プレート間の間隙は、140.0mm+−0.5mm、又は、物品の幅によって必要となる場合には、それよりも大きい距離から開始して、次いで、吸収性物品が圧縮される際の、40.0mm+−0.5mmの最終間隙まで狭まる。圧縮プレートは、例えば、Zwick Z 1.0又は同様のものなどの装置を使用することができる。この試験計器は、一方の圧縮プレートを固定するための右側クランプ、及びもう一方の圧縮プレートを固定するための左側クランプを含む。この機器は、例えば最大100Nの適切な測定範囲、及び少なくとも+/−0.01Nの精度を有する、力セルを含むべきである。
11.吸収性物品を40mmまで圧縮した後、圧縮を30秒間維持する。圧縮を解除する直前の30秒の終了時での力を、0.01Nの位まで記録して、「湿潤圧縮力」として報告する。次いで、圧縮プレートを、各プレートに関して100mm/分の速度で、それらの初期位置まで戻すことができる。
12.その直後に、圧縮されていた区域に接触しないように注意して、吸収性物品を円筒体600から取り外す。圧縮工程の間に、物品のラップの外に一部の吸収性材料が漏出した場合には、この外に漏出した吸収性材料を収集して秤量する。
13.工程6で上述したような厚さ測定手順を使用して、クロッチ点Cでのキャリパーを再び測定する。このキャリパー値を、C最終として報告する。
【0120】
この手順を、少なくとも4つの物品サンプルに関して繰り返す。次いで、吸収性物品の相対的湿潤キャリパー増大(RWCI)を、以下のように算出する:
相対的湿潤キャリパー増大(%)=(ΣC最終−ΣC初期)
*100/ΣC初期
式中、ΣC最終は、全てのサンプルに関して測定されたC最終の値の総和であり、ΣC初期は、全てのサンプルに関して測定されたC初期の値の総和である。本発明による物品の相対的湿潤キャリパー増大値は、32.0%未満であり、特に、10.0%〜30.0%、又は15.0%〜29.0%の範囲とすることができる。
【0121】
実験
本発明による以下の製品を調製した。
発明実施例1:
図1の実施形態に関して示されたものと同様の、成形された吸収性材料堆積区域、及び二対のチャネルを有するおむつを、以下の仕様で調製した。チャネルの一方の対は、相対的に長く、主に物品のクロッチ領域内に存在するものとし、他方の対は、より小さいものとして、物品の前側に向けて配置した。これらのチャネルは、吸収性材料を含まないものとし、これらのチャネルを通して、コアラップの上側部及び底側部を一体に取り付けた。
チャネルの幅は、均一に8mmとし、長いチャネル及び短いチャネルの、物品の長手方向軸線上の投影長さは、それぞれ、約170mm及び40mmとした。より長いチャネルは、
図1に示すように、湾曲して、物品の長手方向中心線に向けて凹状のものとした。より長いチャネル間の最小距離は、約16mmとした。より短いチャネル間の最小距離は、約14mmとした。より小さいチャネルもまた、僅かに湾曲するものとした。
【0122】
吸収性コアは、
図1に示すような、360mmの長さ及び成形された幅プロファイルを有する堆積の区域内に適用された、合計11.53gの急速吸収SAPを含むものとした。この吸収性材料堆積区域の幅は、堆積区域の前側及び後側で110mmとし、吸収性材料堆積区域のクロッチ点で90mmとした。SAPは、SAPの坪量が、前側領域よりもクロッチ領域内で高く、かつ後側領域に向けて更に低くなるように分布させた。横断方向(「機械横方向」又は「CD」)には、SAPのプロファイリングは存在しないものとした。吸収性コアは、米国特許第2010/0051166(A1)号で開示されるような、2つの不織布基材を組み合わせるSAP印刷技術によって作製するものとし、それぞれの不織布基材は、SAP層を支持するものであり、基材上にSAP層を不動化する、各SAP層上に適用されたマイクロファイバー弾性接着剤を有するものである。これらの不織布基材は、下側基材上に上側基材をCラッピングすることによって、コアラップを形成する。補助接着剤を、下側SAP層と、その対応する下側基材との間に適用するものとし、この補助接着剤は、コアラップの全長(390mm)に沿って、1mmのスロット間距離を有する1mm幅の41のスロットで、スロットコーティングした。各SAP層上に適用されるマイクロファイバー接着剤(H.B.Fuller製)を、108mmの幅及び390mmの長さで各SAP層上に均一に適用するものとし、0.211gのマイクロファイバー接着剤をコアカバー側で使用し、0.211gをダスティング層側で使用した。チャネル形状を画定する好適な印刷ドラムを使用することによって、チャネルを形成したが、チャネルの形成方法についての更なる情報は、印刷SAP技術を使用する欧州特許出願第12174117.7号に見出すことができる。
【0123】
コアラップは、吸収性コアの後側及び前側に、15mmの長さを有する吸収性材料を含まない2つの端部フラップを備えて、390mmの長さを有するものとした。コアの前端及び後端の封止部を、一体にスロット接着し、この接着剤スロットは、前端封止部から30mm及び後端封止部から20mmの長さを有するものとした。コアラップの折り畳み幅は、120mmとした。コアラップは、2つの不織布を含むものとし、上側基材(「コアカバー」と更に称される、
図1の16)は、親水性とするために界面活性剤によって処理した、10gsmのSMMS不織布とした。下側基材(「ダスティング層」と更に称される、
図1の16’)は、11gsmのSMMS不織布とした。コアカバーを、390mmの長さ、及び165mmの切断幅で切断した。ダスティング層は、390mmの切断長、及び130mmの切断幅を有するものとした。コアカバーを、コアの側方でダスティング層の周囲にCラッピングして、ダスティング層の側縁部を、コアの吸収性材料の縁部上で僅かに上向きに形成することにより、折り畳まれたコアラップの全幅を約120mmとした。
【0124】
コアカバー及びダスティング層を、チャネルを通して一体に結合した。この結合は、本明細書で上述された補助接着剤及びマイクロファイバー接着剤によって形成した。この結合は、強固なものとした。
【0125】
298mmの長さ及び90mmの幅を有する、60gsmのラテックス結合不織布の獲得層、並びに181gsmの均一な坪量を有する、298mmの長さ及び80mmの幅を有する架橋セルロース繊維の分配層によって、獲得/分配システムを形成した。スロットコーティングを使用して、獲得層を分配層に接着し、分配層を不織布コアカバーに接着した。トップシートは、12gsmの不織布とし、バックシートは、16gsmの不透過性フィルムとした。
【0126】
レッグカフは、
図1、2に示すものと同様の市販のレッグカフとし、おむつの各側に、15gsm、長さ478mm、及び幅77mmの、2つの不織布を含むものとした。これらのレッグカフを、自由縁部から4mmの距離で、おむつの縁部の前側から100mm及び後側から91mmの距離にタック止め結合した。これらの不織布を、それらの長さに沿って、トップシートに、それらの結合線に沿った3mmの連続的結合幅で溶融結合した。
このレッグカフ材料とトップシートとの連続的結合部に沿って、幅1mmの接着剤のスロットを更に適用した。それらの連続的結合部間の距離は、148mmとした(この距離は、Wdに相当する)。ガスケットカフ(隆起しないカフの部分)を、カフの各側の弾性接着剤の3つの線(図の33を参照)を使用して伸縮性とし、これらの線は、おむつの前縁部から75mmで開始して、外側から2つまでの線に関しては266mmの長さ、及び最も内側の線に関しては301mmの長さに沿って延びるものとした。隆起したバリアレッグカフは、それぞれがバリアレッグカフの末端縁部(図の66を参照)に近い、2つの弾性体(図の35を参照)を使用して伸縮性とした。これらの弾性体は、300%の予歪み、及び119.5mmの収縮切断長を有するものとした。接着された弾性体の長さは、298mmとした。おむつの様々な構成要素は、特に指示がない限り、従来の方式で、典型的には、接着又は溶融結合によって組み立てた。
【0127】
発明実施例2:
この実施例は、実施例1と同じ方式で作製し、以下の相違点を有するものとした。吸収性材料(SAP)分布区域は、
図4〜8で例示的に示されるように、110mmのSAP堆積幅を有する矩形であり、その吸収性物品のクロッチ領域内に、吸収性材料を含まないチャネルを一対のみ含み、14.1gのSAPの合計量とした。これらのチャネルは、長手方向軸線80に関して対称であり、約227mmの長手方向軸線上への投影長さ、約8mmの幅、及び20mmの互いからの最短距離を有するものとした。実施例1との別の相違点は、ダスティング層が10gsmのSMMS不織布であることとした。各SAP層上に適用されるマイクロファイバー接着剤(H.B.Fuller製)を、108mmの幅及び390mmの長さで各SAP層上に均一に適用するものとし、0.211gのマイクロファイバー接着剤をコアカバー側で使用し、0.168gをダスティング層側で使用した。補助接着剤を、上側SAP層と、その上側基材との間に適用した。318mmの長さ及び90mmの幅を有する、43gsmのラテックス結合不織布の獲得層、並びに176gsmの均質な坪量を有する、長さ290mm及び幅80mmの架橋セルロース繊維の分配層によって、獲得/分配システムを形成した。
【0128】
トップシートは、15gsmの不織布とし、バックシートは、16gsmの不透過性フィルムとした。前述の実施例に関しては、コアカバーをダスティング層の周囲にCラッピングして、チャネルを通して双方の層を恒久的に結合した。
【0129】
比較実施例1
この比較実施例は、実施例1同じ方式で作製し、吸収性コアがチャネルを備えていないという相違点を有するものとした。
【0130】
従来製品
SAPと多量のセルロース綿毛(>40%)との混合物を含む従来の吸収性コアを有する、市販の製品もまた、全てサイズ4で試験した。第1の製品は、2012年10月に独国で入手可能な、Pampers Baby−Dry(登録商標)とした。第2の製品は、材料を含まないチャネルを吸収性コア内部に有する、商標名Libero(登録商標)の競合的なおむつとした。
【0131】
試験結果
上述の製品のそれぞれに関して、相対的湿潤キャリパー増大(RWCI)及び湿潤圧縮力を、各製品に関して少なくとも4つのサンプルについて測定した。
【0133】
本発明の製品は、低い相対的湿潤キャリパー増大と、27.0N未満の容認可能な湿潤圧縮力との組み合わせのみであった。
【0134】
本明細書で開示される寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。むしろ、特に指定のない限り、そのような各寸法は、記載された値、及びその値の周辺の機能的に等価な範囲の双方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。