特許第6416852号(P6416852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6416852プロジェクタ、ならびにシネマ、エンターテイメントシステム、ディスプレイを含む他の発光装置のためのレーザ光源の局所的調光
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6416852
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】プロジェクタ、ならびにシネマ、エンターテイメントシステム、ディスプレイを含む他の発光装置のためのレーザ光源の局所的調光
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20181022BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20181022BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/00 D
   H04N5/74 Z
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-228722(P2016-228722)
(22)【出願日】2016年11月25日
(62)【分割の表示】特願2016-10607(P2016-10607)の分割
【原出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2017-45070(P2017-45070A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】61/452,641
(32)【優先日】2011年3月14日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ、マーティン ジェイ.
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−292725(JP,A)
【文献】 特開2006−323391(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/097256(WO,A1)
【文献】 特開2007−114358(JP,A)
【文献】 特表2011−514546(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0291343(US,A1)
【文献】 特開2010−256862(JP,A)
【文献】 特開2009−86163(JP,A)
【文献】 特表2009−512896(JP,A)
【文献】 特表2005−520188(JP,A)
【文献】 特開2008−287209(JP,A)
【文献】 特開2002−287249(JP,A)
【文献】 特開2005−25126(JP,A)
【文献】 特開2008−268465(JP,A)
【文献】 特開2010−49236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/35 、26/00 −26/08 、
G02F 1/1335、 1/13363、
G03B21/00 −21/10 、21/12 −21/13 、
21/134−21/30 、33/00 −33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタであって、
光源と、
ディスプレイ変調器と、
前記光源からの光を前記ディスプレイ変調器上に向けるように構成された中点変調器とを備え、
前記中点変調器は、前記ディスプレイ変調器の1次エリアから前記ディスプレイ変調器の別のエリアに光を選択的にリダイレクトするようにさらに構成されており、
前記ディスプレイ変調器上に照射される光は、オーバラップする光のパターンを含み、前記オーバラップする光のパターンは、照明エリア全体にわたって、エリア間の相対的混合が中央エリアに向かって増加するか、または減少することにより徐々に変化するように、構成されており、
前記ディスプレイ変調器は、画像データ、前記オーバラップする光のパターン、および選択的にリダイレクトされる光に従ってエネルギー付与される、プロジェクタ。
【請求項2】
前記中点変調器は、反射器を含む反射により動作し、かつ前記中点変調器は、拡散光を前記ディスプレイ変調器上にホログラフィックに分配するように構成されている、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記中点変調器は、画像データに基づく明るいエリアと暗いエリアとの間の遷移を含む方式で前記ディスプレイ変調器の全域に光を分配する、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
光の分配は、レンズ効果を示す光の分配を含む、請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記ディスプレイ変調器上の暗いエリアは、黒への漸次フェードを含む、請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
ホログラフ効果および小型レンズのレンズ効果を有する光学素子によって前記ディスプレイ変調器上の光の拡散が生じる、請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記ディスプレイ変調器上に向けられる光は、滑らかに変化する局所的に調光されたパターンの光を含む、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記光源は、赤色レーザ、緑色レーザ、及び青色レーザを含む、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記ディスプレイ変調器上に向けられる光は、ホログラフィックに修正された光を含む、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記中点変調器は、複数の光学素子のアレイを含み、該複数の光学素子は、複数の光学素子に向けられる光の個々の経路を前記ディスプレイ変調器の暗いエリアから明るいエリアに変更するように構成されている、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項11】
前記中点変調器は、小型レンズのアレイを含むように構成される、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項12】
前記ディスプレイ変調器上に照射されるホログラフィックに修正された光の光照射野シミュレーション及び投射されるべき所望の画像の画像データに基づいて前記ディスプレイ変調器のエネルギー付与を決定するように構成されたコントローラを更に備える請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項13】
所望の画像の画像データは、高ダイナミックレンジの画像データを含む、請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項14】
前記中点変調器は、リダイレクション光学素子を含み、該リダイレクション光学素子は、リダイレクトされる光のホログラフィックな拡散を含む、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項15】
前記中点変調器は、少なくとも部分的に反射及びホログラフィにより光をリダイレクトし、2以上のホログラフィックに修正された反射が前記ディスプレイ変調器の少なくとも1つの他のエリアよりも明るい前記ディスプレイ変調器の同じエリアにリダイレクトされる、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザイメージングシステムに関し、より具体的には、レーザ投射システムならびにその局所的調光(ローカルディミング)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シネマプロジェクタおよびホームシアタなど、様々な投射システムが知られている。その他、種々の投射方式が、例えばLCDディスプレイにおける変調器を照明することで知られている。このような投射システムは、一般的には2Dシステムであるが、人気が高まりつつあるのは、3D立体プロジェクタを実現する様々な構成である。
【0003】
3D立体投射法には、アナグリフ、直線偏光、円偏光、シャッタメガネ、スペクトル分離が含まれる。アナグリフは最も昔からある技術であり、一般的には一方の眼用の赤色と、他方の眼用のシアンである2つのカラーフィルタで光をフィルタリングすることにより、左/右眼分離を提供する。プロジェクタでは、左眼用画像は(一般に)赤色フィルタでフィルタリングされ、右眼用画像はシアンフィルタでフィルタリングされる。メガネは、左眼用の赤色フィルタと、右眼用のシアンフィルタとからなる。この方法は、白黒の原画像の場合に最もうまく機能し、カラー画像にはあまり適していない。
【0004】
直線偏光3Dは、(一般に)垂直方向の直線偏光子により左眼をフィルタリングし、水平方向の直線偏光子により右眼用画像をフィルタリングすることで、プロジェクタにおいて分離を提供する。メガネは、左眼用の垂直方向の直線偏光子と、右眼用の水平方向の偏光子とからなる。投射スクリーンは、その独特の色から一般に「シルバースクリーン」と呼ばれる偏光保持型のものである必要がある。直線偏光によって、色歪みのほとんどないフルカラー画像を表示することが可能となる。これにはいくつかの問題があり、それには、高価で、損傷しやすく、不均一であるシルバースクリーンを用いなくてはならないことが含まれる。別の問題は、片方の眼からもう片方の眼へのクロストークを回避するためには、鑑賞者が自身の頭を垂直方向に維持する必要があるということである。
【0005】
円偏光3Dは、鑑賞者が自身の頭を垂直方向に維持する必要があるという問題に対処するために考案されたものである。円偏光は、(一般に)左回り円偏光子によって左眼用画像をフィルタリングし、右回り円偏光子によって右眼用画像をフィルタリングすることで、プロジェクタにおいて分離を提供する。メガネは、左眼用の左回り円偏光子と、右眼用の右回り円偏光子とからなる。このアプローチでも、シルバースクリーンが必要である。
【0006】
シャッタメガネは、左右画像を時分割多重化することで、分離を提供する。プロジェクタにおいては分離のためのフィルタが必要ない。メガネは、シャッタメガネからなる。これらは、プロジェクタのフレームレートと同期してレンズを電子的にシャッタ操作するアクティブメガネである。左眼用画像がまず表示され、その後に右眼用画像が続くなどする。メガネへの直接有線接続である場合、映画館では実用的ではないので、無線または赤外線信号方式を用いて、左/右眼のシャッタ操作のためのタイミング基準が提供される。この方法は、客席にIRまたはRF送信機を必要とする。シャッタメガネは、高価で、クリーニングが難しく、頻繁に交換しなければならないバッテリを必要とし、さらには、切り替え速度が制限される。シャッタメガネは、D‐シネマまたは他の電子投射システムで用いる場合にのみ、シャッタメガネをフレームレートに同期させるために必要な信号が非常に少数のフィルムプロジェクタで供給されるため、実用的である。この方法は、シルバースクリーンを必要としない。
【0007】
スペクトル分離は、左/右眼をスペクトル的にフィルタリングすることで、プロジェクタにおいて分離を提供する。このシステムは、左眼用と右眼用のフィルタが、それぞれ赤色、緑色、青色のスペクトル部分を通過させることで、フルカラー画像を提供する点で、アナグリフとは異なる。左眼用フィルタのバンドパス・スペクトルは、右眼用フィルタのバンドパス・スペクトルに相補的である。メガネは、プロジェクタで用いられるのと同じ全体的分光特性を持つフィルタからなる。この方法は、フルカラー画像を提供するものの、左/右眼における色を原画像にあった色と一致させるための色補正が必要であり、また、プロジェクタの色域と比較して色域がわずかに縮小されることがある。
【0008】
3D立体表示において左/右眼分離を提供するための上記の方法はすべて、2つのプロジェクタ(左眼用に1つと右眼用に1つ)で用いるか、または単一のD‐シネマプロジェクタシステムで用いるか、いずれかとすることができる。典型的な投射システムでは、左画像と右画像は時分割多重化される。これは、投射フィルタを必要としないシャッタメガネの場合を除き、投射フィルタをL/R多重化周波数で切り替えなければならないことを意味する。これは、多重化周波数に同期させたプロジェクタ内のフィルタホイールによるか、または電子的に切り替えられるフィルタによるか、いずれかにより実施することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、投射システムにおいてコントラストを含む性能を向上させる必要性を認識した。本発明は、局所的調光(ローカルディミング)を実現するとともに、プロジェクタまたは照明システムの性能を向上させる、発光部品および光学部品の具体的な配置構成を含むものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態において、本発明はディスプレイ装置を提供し、該ディスプレイ装置は、各光源からの光を拡散させて1次変調器上にオーバラップ・パターンを形成させるように構成されたスプレッダに向けられた複数のレーザ光源と、オーバラップ・パターンが局所的に調光されるように、画像信号に基づき各レーザ光源のエネルギー付与レベルを計算するように構成された処理装置とを備える。ディスプレイ装置は、さらに、1次変調器を照明する前のレーザ光を変調するように構成された2次変調器を備えることができる。
【0011】
局所的に調光されたオーバラップ・パターンは、これによって、画像信号により搬送される画像のより暗い領域に対応する変調器のエリアは、より明るい領域に対応する変調器のエリアよりも少なく照明されるように、構成することができる。
【0012】
局所的に調光されたオーバラップ・パターンは、これによって、平均して、画像信号により搬送される画像のより暗い領域に対応する変調器のエリアは、より明るい領域に対応する変調器のエリアよりも少なく照明されるように、構成することができる。
【0013】
局所的に調光されたオーバラップ・パターンは、合成された原色光のオーバラップ・インスタンス、および/または3つよりも多い原色光のオーバラップ・インスタンスを含む。オーバラップ・パターンは、赤、緑、青、シアン色の光のオーバラップ・インスタンスを含むことができる。オーバラップ・パターンは、原色光による変調器のシーケンシャルな照明を含むことができ、これによって、オーバラップ・パターンは、第1の時間期間において、第1の原色光のオーバラップ・インスタンスを含み、第2の時間期間において、第2の原色光のオーバラップ・インスタンスを含み、第3の時間期間において、第3の原色光のオーバラップ・インスタンスを含む。原色光には、赤色、緑色、青色、および黄色、シアンの、少なくとも1つを含むことができる。
【0014】
処理装置は、さらに、画像信号と光源のエネルギー付与レベルとに基づいて、変調器の各ピクセルに対するエネルギー付与レベルを計算するように構成することができる。変調器のピクセルに対するエネルギー付与レベルは、少なくとも部分的に、オーバラップ・パターンの光照射野シミュレーション(LFS:LightField Simulation)に基づくものとすることができる。
【0015】
ディスプレイは、光源からの光ビームを、拡散させて、隣接および/または周辺の複数の光ビーム間でオーバラップさせて、変調器上に生じさせるように構成されたスプレッダを通過させるように方向づけるように構成された光学ブロックを備えることができる。
【0016】
ディスプレイは、さらに、複数の第2のレーザ光源であって、該複数の第2の各光源からの光を拡散させて第2の変調器上にオーバラップ・パターンを形成させるように構成された第2のスプレッダに向けられた複数の第2のレーザ光源と、複数の第3のレーザ光源であって、該複数の第3の各光源からの光を拡散させて第3の変調器上にオーバラップ・パターンを形成させるように構成された第3のスプレッダに向けられた複数の第3のレーザ光源と、を備えることができる。上記複数の光源は、第1の原色のみの複数の光源を含むことができ、複数の第2のレーザ光源は、第2の原色のみの複数の光源を含むことができ、複数の第3の光源は、第3の原色のみの複数の光源を含むことができる。
【0017】
本発明は、デバイス、装置、方法、システム、または本明細書で提示するものと矛盾しない他の形態として具現化される。本発明のデバイス、方法、システム、または他の形態の様々な部分は、汎用コンピュータ上またはネットワーク接続されたコンピュータ上でプログラムすることにより好適に実現することができ、その結果は、汎用コンピュータ、ネットワーク接続されたコンピュータのいずれかに接続された出力装置に表示するか、または遠隔装置に出力もしくは表示のために伝送することができる。また、コンピュータプログラム、データシーケンス、および/または制御信号で表現される本発明のコンポーネントは、いずれかの媒体で、任意の周波数でブロードキャスト(または伝送)される電子信号として具現化することができ、それには、限定するものではないが、無線ブロードキャスト、および銅線、光ファイバケーブル、同軸ケーブルを介した伝送などが含まれる。
【0018】
本発明およびそれに伴う数多くの効果は、以下の詳細な説明を添付の図面と関連させて検討し参照することで、さらによく理解されるようになり、より完全な理解が容易に得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態により変調器を照明するレーザ光源の図である。
図2図2は、本発明の一実施形態により変調器を照明するレーザ光源束の図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による光源束および多重リダイレクト・ブロックの図である。
図4図4は、本発明の一実施形態によるスプレッダおよび照明パターンを示す図である。
図5図5は、本発明による様々な照明パターンの例を示す図である。
図6図6は、本発明の様々な実施形態に関連するシステムおよび処理を示す図である。
図7図7は、本発明の一実施形態による投射装置のレトロフィットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、同等の部材または対応する部材を同様の参照符号で示す図面を参照し、より具体的にはその図1を参照すると、そこに、本発明の一実施形態により変調器120を照明するレーザ光源105を示している。レーザ光は、スプレッダ110を通ることで拡散する(115)。そして、この拡散光115は、レーザ光源が発する光の面積よりも大きい領域であって、スプレッダが存在しなかった場合に光源と変調器との間の光路で生じ得る「本来の」拡散よりも大きい変調器120の領域を照明する。1つの光源により照明される面積が増加することによって、複数のレーザ光源および/または複数のオーバラップするレーザ光源を用いて変調器全体を照明することが可能となる。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態により変調器225を照明するレーザ光源束205を示す図である。ここでは、束ねたいくつかのレーザ光源205が、エネルギーを付与されて光を発する。光は、スプレッダ210で拡散される(220)。そして、この拡散光220は、変調器225を照明する。図示するように、追加のレーザ光のエネルギー付与によって、変調器225全体が照明される。様々に異なるエネルギー付与/輝度レベルによって、変調器の照明は局所的に調光される。
【0022】
一実施形態において、図示の光源により供給される光のうちの2つ以上を、別々の光源ではなく、共通の光源とスプリッタまたは他の分離光学素子/複数の分離光学素子によって生成することができる。一実施形態において、一連の光源をそれぞれ複数回分割することで、すべての光ビームが供給される。一実施形態において、共通の光源により供給される光ビームは、液晶パネルを用いて、個々のビームが入射する液晶セルに個別にエネルギーを付与することにより、個別に変調することができる。個々のビームの変調は、例えば、光源のエネルギー付与レベルと、光またはそれの部分が入射する液晶セルへのエネルギー付与レベルとの組み合わせによって、実現することができる。
【0023】
再び図2の例示的な実施形態において、追加の光源にエネルギーを付与することもできる。例えば、光源のすべてに同時にエネルギーを付与することができる。束ねた光源205は、例えば、投射システムにおけるいずれかの原色とすることができる。束ねたレーザ光源205は、例えば、RGB方式の赤色、緑色、青色のいずれかの、または黄色、マゼンタ、シアンのいずれかの、または他の原色の、単色レーザ光源のセットとすることができる。
【0024】
また、束ねた光源は、赤色、緑色、青色のレーザ光源のセットなど、原色の混合セットとすることもできる。プロジェクタ設計の他の因子に応じて、赤色、緑色、青色のレーザは、同時に、または時系列で交代に、エネルギーを付与されるようにプログラムすることができる(例えば、T1で赤色レーザにエネルギーを付与し、T2で緑色レーザにエネルギーを付与し、T3で青色レーザにエネルギーを付与する)。時間周期は、シーケンシャル、繰り返し、またはブランキング時間のような他の間隔が組み込まれたものとすることができる。時間周期は、いずれかの色は他のものよりも時間が長くなるように調整することができ、また、1つ、複数、またはすべての色の時間周期は可変とすることができる。
【0025】
一実施形態において、各色の時間間隔(または時間枠数)は、画像データに基づいて決定される。例えば、より暗いシーンでは、時間間隔を減少させることができる。特定の色要件があるシーンでは、主要な色について増加させることができる(例えば、青空のシーンは、青の時間を増加させて利用することができる)。このような時間周期の調整と合わせて、フラッシュ期間を対応して調整することができる。
【0026】
他の実施形態では、時間周期は、プロジェクタまたは光源自体の特性に基づいて調整することもできる。例えば、特定の色の光損失がより高いプロジェクタでは、その色の時間を増加させることができる。また、不具合のあるレーザまたはレーザバンクを、レーザへのエネルギー付与の時間周期または他のパラメータを調整することによって、補償することもできる。同じ色の個々のレーザへのエネルギー付与のタイミングを、対応するエネルギー付与時間内で変化させることもできる。このようなタイミングは、例えば、変調器(複数の場合もある)または他の要素(例えば、フィルタ、シャッタ、偏光子など)のイメージチェーン内での機械的動作を含む通電パターンと一致させることができる。
【0027】
任意の形のパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を利用することができる。ただし、PWMが生じる周波数は、考慮する必要がある。DMD(DigitalMirror Device:デジタルミラーデバイス)変調器による実現の場合、PWM周波数は、DMD変調器の周波数と一致させてはならず、それによると、全く効果が得られない(ミラーがイメージチェーンに反射しているときにのみレーザがオンになる)か、または照明がない(イメージチェーンに反射するように位置付けられたときにレーザはオンではない)ことになり得る。一実施形態において、レーザのPWMは、プロジェクタまたはディスプレイにおける変調器(複数の場合もある)の切り替え周波数よりもはるかに高い周波数で実施される(例えば、DMDの場合に400MHz超であり、または通常のLCDでは60FPS(FramesPer Second:1秒あたりのフレーム数)超である)。
【0028】
レーザの振幅変調を利用することもできる。
図3は、本発明の一実施形態による光源束305およびリダイレクト・ブロック335の図である。図示のように、リダイレクト・ブロック335は、複数の光源(光源束305)からの光を受けて、個々の光源のビームを変調器320に向けてリダイレクトする、多重リダイレクト・ブロックである。このリダイレクトは、光学素子(例えば、光学素子330および332)によって提供される。光学素子は、例えば、反射器またはビームスプリッタ(例えば、分割ビームの一部分は変調器320に向けられ、その他の部分は第2の変調器に向けられる)(例えば、ある光ビームを通過させ、他の光ビームを同一または同様の光路に反射するように構成されたスプリッタ)とすることができる。光学素子は、該光学ブロックに埋め込まれたミラーまたは銀面とすることができる。また、光学素子は、全反射を生じさせる光学ブロックにおける模様(impression)または他の変化(permutation)とすることもできる。各光路に、1つよりも多くの光学素子(または反射器)を用いることができる。
【0029】
さらに、スプレッダ310を図示しており、これは、非発散または低発散型の光源(例えば、レーザ光源)の場合について例示するものであり、この場合、それらは変調器320を照明するように拡散される。しかし、このような構成は、本明細書に記載のすべての例示的な実施形態と同じく、レーザ光による実現に限定されない。また、エネルギーを付与される光源の選択は、例示目的で示している。一方で、上述のように、すべての光源にエネルギーを付与することもでき、あるいは選択したものにエネルギーを付与することもでき、様々に異なるタイミング(例えば、パルス幅変調PWM)でそれらにエネルギーを付与することもでき、さらに/または異なるエネルギーレベル(例えば、振幅変調)でそれらにエネルギーを付与することもできる。
【0030】
一実施形態において、リダイレクト光学素子とスプレッダ/拡散機能は併合される。例えば、反射器は、さらに、小型レンズ、拡散器(例えば、ホログラフィック)、または拡散を実現する他の光学素子のうち、いずれかを備えることができ、これをスプレッダ310の機能に置き換えて用いることができる。
【0031】
通常、輝度が要求される場合に(例えば、画像の完全に暗い部分または黒色部分では、変調器を照明する必要がない場合がある)、選択されてエネルギーを付与される光源は、変調器320の変調面全体を十分にカバーする。画像またはシーンの完全に暗い領域が、(例えば、空間的または時間的のいずれかで)部分的または完全に照明されている領域の近くにある場合には、任意選択的に、いくらかの照明が暗い領域に提供されることがある(これは、徐々に黒にフェードする形をとることができる)。一実施形態において、黒へのフェード率は、画像の時間的変化、周辺領域の相対輝度などの画像データ、または(イメージングシステムの1つまたは複数の構成要素の光学性能を含む)他の因子に基づき、「暗い」領域内のエリアにおいて調整される。
【0032】
一実施形態において、破損または不具合のある光源が検出され、さらに、障害を認識するアルゴリズムによって、不具合を補償するように、黒へのフェード率または他の光源の輝度/変調などの内部パラメータが調整される。リアルタイムでパフォーマンス・フィードバックを提供するために、イメージチェーンにセンサを配置することができ、また、表示性能を向上させるため、または不具合を補償するために必要な調整を、画像の表示中または投射中にリアルタイムかつオンザフライで実施することができる。
【0033】
一実施形態において、光源の光路長は整合される。例えば、図3に示すような光学ブロックを用いる場合、光源とそれらに対応するリダイレクト素子との間の相対距離に基づき、光源を互いに対して上流または下流に移動させることができる(例えば、反射器330の光源を、反射器332に対して下流にすることができる)。光路にある他の要素を同様に調整することによって、光路を等しくすることができる。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態によるスプレッダ410および照明パターン420を示す図である。スプレッダ410は、一連のスプレッダ要素(例えば、スプレッダ要素412)を備えている。スプレッダ要素は、例えば、基板416上または基板416内に配置される。スプレッダ要素は、例えば、レンズ材の層、拡散器、408、さらに場合によって、シャッタ、導光体、および/または光分岐器(図示せず)、を用いて構成することができる。一実施形態において、スプレッダ要素は、1つまたは複数の光源/光ビームの標的となるレンズ部分要素と、それに続く拡散器部分要素とを含み、拡散器部分要素は、下流の変調器上で所定の照明パターンを埋めるように光の拡散を導く光反射壁を有している。
【0035】
一実施形態において、スプレッダは、ホログラフィック材料を用いて構成される。ホログラフィック材料は、光を、所定の角度で、または所定の点広がり関数(PSF:PointSpread Function)で、拡散させる。一般的な拡散器と比較して、ホログラフィック拡散器は、制御された角度および/または制限されたPSFで、光を発散させる。一実施形態において、スプレッダはホログラフィック拡散器の単層であり、他の実施形態では、拡散器の部分要素としてホログラフィック材料が含まれる。ホログラフィック拡散器またはホログラフィック材料を、他の光学素子と共に用いることができる。
【0036】
一般に、スプレッダは、光を均一に分散するように拡散させる。ところが、実施形態には、一様または等方的ではない照明パターンを実現するため、異なる特性を持つ部分要素が含まれる。
【0037】
照明パターン420は、いくつかの光源からの光の例示的な混合を示しており、隣接する光源の照明パターンのエッジにオーバラップを含んでいる。例えば、照明エリア422は、その東側で照明パターン422‐Eと、その南側で照明パターン422‐Sと、その南東角で照明パターン422‐SEとオーバラップしている。照明パターン424は、この照明パターン424を取り囲む8つの照明パターンとオーバラップしている。すべてのパターンが一緒になって変調器上の照明パターンを形成している。
【0038】
好ましくは、照明パターンは、所望の画像または結果として得られる画像が表示されるデバイスまたはシステムの表示サイズまたは画面サイズに比例している。16:9画面では、図示した照明エリアは、それ自体、16:9比率の形状のものとなる。一方、他のサイズ、形状、または相対比率を用いることもできる。
【0039】
図5は、本発明によるいくつかの例示的な照明パターンを示す図である。図示した照明パターンは、光源から拡散なしで生じるであろうおおよその照明パターンを示す黒丸を含んでいる。照明パターンは、各光源の周辺の反射器によって始まる自然拡散によって、自然拡散のみによって、または、特にレーザ光源(個々の光源または分割ビームのいずれか)の場合に、主に上流の光路にあるスプレッダ要素による拡散によって、生成することができる。なお、どのケースも、黒丸は参照のために提示している。
【0040】
照明パターン532は、光の円型拡散または点広がり関数(PSF)によって提供される。照明パターン534は、矩形状の広がり関数(例えば、光のスプレッダおよび/またはPSF)によって提供される。照明パターン536は、エッジにある照明エリアに比較して、照明エリア全体の内部にある照明エリアが、より大きく(オーバラップがより多く)混合された、混合オーバラップを示している。照明エリア全体にわたって、エリア間の相対的混合を、中央エリアに向かって増加させるか、または減少させるか、いずれかにより徐々に変化させることができる。最終的に、そのような混合は、光学システム、ディスプレイシステム、または投射システムの、変調器もしくは他の構成要素の表面上に生成される。
【0041】
例示目的で主として隣接する光源/PSFのエッジがオーバラップするものとして示しているが、本発明は、各光源のフットプリントまたはPSFがより広く、例えば、所定数の光源の照明パターンの中央エリアを包含し得るものも含んでいる。例えば、ある光源は、9つまたはそれ以上の他の光源により照明されるエリアを包含するPSF(例えば、PSF533)を有することができる(例えば、単に隣接する照明エリアよりも多くのエリアがオーバラップする)。例えば、第1の光源の拡散によって、この第1の光源の照明パターンの中心点を直接取り囲むエリア全体を照明し、さらに、隣接する光源による照明の中心点を直接取り囲むエリア全体を照明する。これを、エリアまたは光源の数に応じて、1つまたは複数のレベルについて続けることができる。その場合、第1の光源は、さらに、第1の光源により照明パターンの全体が照明される光源に隣接する光源による照明の中心点を直接取り囲むエリアを部分的に照明することができる。
【0042】
図6は、本発明の様々な実施形態に関連するシステム600および処理を示す図である。レーザ光源605のアレイは、狭バンド照明ビーム608を供給し、それらは、狭バンドレーザ光を拡散するように作用するアレイ・スプレッダに向けられる。そして、その拡散光615は、変調器620を照明する。
【0043】
変調器620は、LCDパネル、デジタルミラーデバイス(DMD)、シリコン上液晶(LCOS:LiquidCrystal On Silicon)チップ、または他の変調/ライトバルブ素子とすることができる。変調器の選択は、構築するシステムの他のアーキテクチャ因子に基づいて決定することができる。変調器は、透過型または反射型とすることができ、変調後の光がイメージチェーンの上流の光路から下流部分に向かって角度をなして反射されるような角度に向けることができる。
【0044】
好ましくは、変調器620の照明には、表示すべき望ましい画像の近似を含む局所的に調光された照明が含まれる。近似は、例えば、所望の画像の表現を搬送する画像信号640から求められる。プロセッサ650(例えば、近似モジュール655‐1)は、画像信号を受け取って、レーザ光源605のアレイの近似および適切なエネルギー付与レベルを決定することで、変調器620上に近似を生成する。近似は、イメージチェーンで生じる光拡散の量に基づく計算を含み、これはスプレッダ610の光学特性およびシステムの他の特性に依存する。個別に制御可能な光源(例えば、M個の光源)のそれぞれのエネルギー付与レベルは、光源に信号で伝えられる(さらに、追加のドライバ・ハードウェア(図示せず)を含むことができる)。
【0045】
光源が色または他の名目でグループ分けされている実施形態では、近似信号は、グループごとに計算される。各グループの信号は、何らかの類似した特徴を含んでいる可能性があり、その共通点を利用することで、各グループについての処理の効率を高めることができる。
【0046】
変調器620により行われる変調は、隣接する光源または周辺の光源からの照明のオーバラップがあれば、これを含めて変調器に入射する照明パターンを考慮して実現される。変調は、例えば、変調器における照明野のシミュレーションを求めることにより計算することができ、そして、視点に投射および/または集束されたときに所望の画像を含むように光を完全に変調するため、変調器にエネルギーを付与することで照明が変更される。また、変調は、レーザエネルギー付与レベルを算出した後に、元の画像信号とレーザエネルギー付与レベルの両方を用いて、ルックアップテーブルまたは他の変換(式)を適用することで、画像信号に完全に基づいて計算することもできる。変調信号は、例えば、変調器620のN個のピクセルについてのエネルギー付与データを含む。
【0047】
一実施形態において、L個の追加の「中点(midpoint)」変調が行われる。「中点」変調は、例えば、中点変調器612によって実現することができる。中点変調器は、例えば、グレースケールもしくはカラーのLCDパネル、または光スイッチ(例えば、光ファイバケーブルを介した通信に使用されるタイプのスイッチ)のアレイとすることができる。中点変調器は、変調器620を照明する前のレーザ光を変調するように構成された2次変調器である。
【0048】
中点変調器612は、スプレッダ610の後であって、光がオーバラップするより前の点に配置することができる。一実施形態において、中点変調器612は、オーバラップが生じた後の点に配置される。一実施形態において、中点変調器は、スプレッダよりも前に配置される(例えば、光スイッチによる実施形態では、この位置で高効率となる)。中点変調器612へのエネルギー付与には、例えば、光照射野シミュレーション(LFS)の使用、または中点変調器612の位置における望ましい変調を決定するための他のアルゴリズムの使用を含むことができる。中点変調器により提供される追加的な変調は、LFSまたは他の計算のいずれかにより考慮されて、変調器620へのエネルギー付与を決定するために用いられる。
【0049】
一実施形態において、中点変調器は、変調器上の1次エリアから変調器上の別のエリアへ光を選択的にリダイレクトするように構成された光スイッチで構成される。スイッチは、光を誘導することができる2つまたはそれ以上の方向を有することができ、また、この実施形態では、スイッチは、例えば、変調される画像の暗い部分に対応する変調器の「暗い」エリアから「明るい」エリアに光をリダイレクトする。変調器でのLFS(またはエネルギー付与を決定するための他の方法)における対応する変更は、スイッチ自体のプログラミングとともに、例えばプロセッサ650において実現される。
【0050】
図7は、本発明の一実施形態による投射装置750のレトロフィットを示す図である。投射装置は、色光を分離および再合成するためのプリズムと、色光を個別に変調するための変調器と、を有する中核を含んでいる。一実施形態において、原色光のそれぞれに個別のレーザバンクが設けられる。例えば、レーザバンク705Rは、変調(局所的調光、ローカルディミング)された赤色光を生成し、レーザバンク705Gは、変調された緑色光を生成し、レーザバンク705Bは、変調された青色光を生成する。これらの変調光は、次に、個々のスプレッダ(例えば、710R、710B、710G)によって拡散され(拡散を開始し)、合成されて、プロジェクタ中核に(例えば、光学素子720を介して)入力され、そこで、それらは分離され、さらに変調され、再合成されて、投射レンズにより表示スクリーン上に投射される。
【0051】
他の実施形態では、単一のレーザバンクが、原色光のセットおよび共通スプレッダと共に設けられる。共通スプレッダは、光を拡散させる個別または共通の光学素子(例えば、小型レンズのアレイ)を含むことができる。小型レンズは、個々の照明パターンのそれぞれの中央エリアに比較してオーバラップするエッジが次第に暗くなるような点広がり関数(PSF)を、それぞれの光に与えることで、混合光を所定の形で変化させる(例えば、ある照明エリアから隣のエリアへ滑らかに変化させる)ように、設計することができる。他のPSFを実現することもできる。
【0052】
他の実施形態には、個別の赤色、緑色、青色の変調器に、対応する赤色、緑色、青色のレーザバンク(レーザ束)とスプレッダとで直接照明することが含まれる。
本発明について、本明細書では、レーザ光で照明する場合に関して説明したが、本発明は、広帯域またはより広帯域の光源(例えば、LED、ナノチューブベースの光源など)を用いて実施することもできる。図面に示す本発明の好ましい実施形態についての説明では、明確にするために具体的な用語を用いている。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されるものではなく、具体的要素のそれぞれは、同様に機能するあらゆる技術的均等物を含むものと理解されるべきである。
【0053】
例えば、本発明の部材について記載している場合はいずれも、本明細書で列挙しているか否かにかかわらず、他の等価なデバイス、または等価な機能もしくは能力を有する他のデバイスで、それを置き換えることができる。また、記載の部材を、現時点では周知ではない新たに開発された技術で置き換えることもでき、それでも本発明の範囲から逸脱することはないと、本発明者は認識している。限定するものではないが、光源、レーザ、変調器、パネル、処理装置、光学素子などを含む他のすべての記載のアイテムについても、同じく、適用可能なあらゆる均等物に照らして考慮されるべきである。
【0054】
コンピュータ技術に精通した者には明らかなように、本発明の様々な部分は、本開示の教示に従ってプログラムされた通常の汎用または専用のデジタルコンピュータもしくはマイクロプロセッサを用いて、好適に実現することができる。
【0055】
ソフトウェア技術に精通した者には明らかなように、熟練したプログラマであれば、本開示の教示に基づき、適切なソフトウェアコードを容易に作製することが可能である。また、本開示によって当業者には容易に明らかとなるように、本発明は、特定用途向け集積回路を作製することにより、または従来の回路部品を適当なネットワークで相互接続することにより、実現することもできる。
【0056】
本発明には、本発明のプロセスのいずれかを実行するようにコンピュータを制御するため、またはコンピュータにそのようなプロセスを実行させるために用いることが可能な命令が格納された記憶媒体(複数の場合もある)であるコンピュータプログラム・プロダクトが含まれる。記憶媒体として、限定するものではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、ミニディスク(MD)、光ディスク、DVD、HD‐DVD、ブルーレイ、CD‐ROM、CDもしくはDVDRW+/−、マイクロドライブ、光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ装置(フラッシュカード、メモリスティックを含む)、磁気または光カード、SIMカード、MEMS(MicroElectro Mechanical System:微小電気機械システム)、ナノシステム(分子メモリICを含む)、RAID(Redundant Array of InexpensiveDisks:レイド)装置、リモート・データストレージ/アーカイブ/ウェアハウス、または命令および/もしくはデータ(リモートで保存もしくは実行されるプログラムもしくはデータを含む)を記憶するのに適した任意のタイプの媒体もしくはデバイスであって、インターネットもしくは無線ネットワーク、セルラネットワーク、衛星ネットワークなど他のネットワークによって、本発明を実施する機器もしくは本発明の1つ以上の結果を利用する機器(例えば、コンピュータディスプレイ、携帯機器、HDTV(High‐DefinitionTelevision:高解像度テレビ)、もしくはシネマシアタシステムなど)に接続されているもの、を含むことができる。また、そのような命令は、ネットワークサーバとエンドユーザ機器との間で分割して、リモートサーバとデジタルシネマサーバにより処理を実行することで、本発明のいずれか1つ以上の教示に従って、シネマシアタで光源および変調器を駆動するのに必要な信号を生成するなど、することもできる。
【0057】
そのような信号は、さらに、例えば、本出願と同一発明者による交付済み米国特許第7784938号、および同時係属中の米国特許出願第11/804602号、第12/530379号(代理人整理番号:DOL213US、DOL216US、DOL217US)、および2011年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/452638号(代理人整理番号:D10101USP1)“PROJECTORAND PROJECTION SYSTEMS USING LASERLIGHT SOURCES AND RELATED METHODSFOR 3D PROJECTION AND COLORGAMUT IMPROVEMENTS(レーザ光源を用いるプロジェクタおよび投射システムならびに3D投射および色域改善のための関連手法)”に記載されているような、3Dおよび/または広色域を実現するための特別な処理およびアーキテクチャを含むことができる。
【0058】
コンピュータ可読媒体のいずれか1つに格納される本発明には、汎用/専用コンピュータまたはマイクロプロセッサ双方のハードウェアを制御するためのソフトウェア、および本発明の結果を利用する人間ユーザまたは他の機構とコンピュータまたはマイクロプロセッサが対話することを可能にするためのソフトウェアが含まれる。そのようなソフトウェアとして、限定するものではないが、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、およびユーザアプリケーションを含むことができる。究極的には、そのようなコンピュータ可読媒体は、さらに、上述のように本発明を実施するためのソフトウェアを含むものである。
【0059】
汎用/専用コンピュータまたはマイクロプロセッサのプログラム(ソフトウェア)に含まれるのは、限定するものではないが、多重変調システムにおけるレーザエネルギー付与レベルおよび後続の変調を計算することと、本発明のプロセスに従って結果を表示、保存、通信することとを含む、本発明の教示を実施するためのソフトウェアモジュールである。
【0060】
本発明は、適宜、任意の要素(本発明の様々な部材または特徴である、例えば、光源、変調器、光学素子、および処理)およびそれらの均等物を備え、それらにより構成され、それらにより基本的に構成されることができる。また、本明細書において例示的に開示された本発明は、本明細書において具体的に開示されているかどうかにかかわらず、いずれかの要素を省いて実施することができる。言うまでもなく、上記の教示に照らして、本発明の数多くの変更および変形が可能である。従って、本発明は、添付の請求項の範囲内で、本明細書に具体的に記載しているのとは別の方法で実施することができるものと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7