特許第6416903号(P6416903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティドの特許一覧

特許6416903基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法
<>
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000002
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000003
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000004
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000005
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000006
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000007
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000008
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000009
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000010
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000011
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000012
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000013
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000014
  • 特許6416903-基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6416903
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】基板反転機システム及びクランプシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20181022BHJP
   B65G 49/00 20060101ALI20181022BHJP
   B05C 13/00 20060101ALI20181022BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20181022BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20181022BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/00 A
   B05C13/00
   B05C5/00 101
   B05D1/26 Z
   B05D3/00 C
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-530990(P2016-530990)
(86)(22)【出願日】2014年8月21日
(65)【公表番号】特表2016-538724(P2016-538724A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】US2014052200
(87)【国際公開番号】WO2015073086
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年8月9日
(31)【優先権主張番号】14/080,169
(32)【優先日】2013年11月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】デニス ジー.ドイル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス イー.ロビンソン
【審査官】 石丸 昌平
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第2010−0079524(KR,A)
【文献】 特開平10−146744(JP,A)
【文献】 特開2006−086261(JP,A)
【文献】 特開平08−032225(JP,A)
【文献】 特開2009−154526(JP,A)
【文献】 実開平03−061400(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67 − 21/683
B05C 5/00 − 5/04
B05C 7/00 − 21/00
B05D 1/00 − 7/26
B65G 49/00 − 49/08
H05K 3/00, 3/32 − 3/34
H05K 13/00 − 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂面及び底面を有する基板上に粘性材料を供給するディスペンサーであって、
フレームと、
前記フレームに結合されるガントリシステムと、
前記ガントリシステムに結合される供給ユニットであって、前記ガントリシステムは、該供給ユニットをX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動させるように構成されている供給ユニットと、
前記フレームに結合され、前記基板を、該基板の前記頂面上及び該基板の前記底面上に材料を供給する供給位置に支持するように構成されている基板支持アセンブリであって、該基板支持アセンブリは、
前記基板を受けて前記供給位置に支持するように構成されているクランプシステムと、
前記フレーム及び前記クランプシステムに結合される反転機システムであって、前記基板の前記頂面が前記供給位置にある第1の位置と、前記基板の前記底面が前記供給位置にある第2の位置との間で、前記Y軸方向に対して平行な軸の回りに前記クランプシステムを回転させるように構成されている反転機システムと、
を含む、基板支持アセンブリと、
を備えており
前記クランプシステムは、前記基板の一方の縁部を締め付けるように構成されている第1のクランプアセンブリと、前記基板の反対側の縁部を締め付けるように構成されている第2のクランプアセンブリとを備え、
各クランプアセンブリは上側クランプ部材及び下側クランプ部材を備え、該上側クランプ部材及び該下側クランプ部材は、前記基板の縁部を締め付けるように構成されており、
前記上側クランプ部材及び前記下側クランプ部材は、締付け位置に付勢されるようにばね付勢される、
ディスペンサー。
【請求項2】
前記反転機システムは、Z軸方向に移動するように更に構成されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記反転機システムは、支持プレートと、該支持プレートに可動に結合される昇降機プレートと、該昇降機プレートを前記支持プレートに対して前記Z軸方向に移動させるように構成されているZ軸駆動アセンブリと、前記クランプシステムを回転させるように構成されている回転駆動アセンブリとを備える、請求項2に記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記Z軸駆動アセンブリは、ボールねじによって前記フレームに結合される少なくとも1つの軸受と、前記ボールねじの回転を駆動し、前記昇降機プレートを前記支持プレートに対して移動させるように構成されているモーターとを備える、請求項3に記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記第1のクランプアセンブリ及び前記第2のクランプアセンブリのそれぞれについて、前記回転駆動アセンブリは、前記クランプアセンブリに固定される枢動軸と、該枢動軸に結合されるベルトと、該ベルトを駆動し、前記枢動軸を回転させるように構成されているモーターとを備える、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記上側クランプ部材は、前記支持プレート上に設けられるカムの隆起部に係合し、該上側クランプ部材を開放位置に動かすように構成されている第1のカムフォロワーを備え、前記下側クランプ部材は、前記カムに係合し、前記下側クランプ部材を開放位置に動かすように構成されている第2のカムフォロワーを備える、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記上側クランプ部材又は前記下側クランプ部材が前記締付け位置にある場合、前記クランプシステムによって支持されている基板は上揃え位置にある、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記上側クランプ部材及び前記下側クランプ部材のうちの少なくとも一方の向きを判定するように構成されている少なくとも1つのセンサーを更に備える、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項9】
前記基板支持アセンブリは、2つのレーン、すなわち前方レーン及び後方レーンを備え、前記ディスペンサーは、基板を前記ディスペンサーの前記前方レーン及び前記後方レーンに送達するように構成されている上流のコンベアシステムと、基板を前記ディスペンサーの前記前方レーン及び前記後方レーンから取り出すように構成されている下流のコンベアシステムとを更に備える、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項10】
基板の頂面上及び該基板の底面上に材料を堆積させる方法であって、
前記基板を受けて供給位置に支持するように構成されているクランプシステムと、フレーム及び前記クランプシステムに結合される反転機システムであって、前記頂面が供給位置にある第1の位置と、前記底面が供給位置にある第2の位置との間で、Y軸方向に対して平行な軸の回りに前記クランプシステムを回転させるように構成されている反転機システムとを含む、ディスペンサーの基板支持アセンブリに、前記基板を送達することと、
前記基板の前記頂面上への供給動作を実行することと、
前記基板の前記底面が上向きになるように該基板を回転させることと、
前記基板の前記底面上への供給動作を実行することと、
前記ディスペンサーの前記基板支持アセンブリから前記基板を取り出すことと、
前記基板の前記頂面上への前記供給動作を実行する前に、前記クランプシステムを用いて前記基板の両縁部をクランプすることと、
を含んでおり
前記基板の前記両縁部をクランプすることは、前記基板を前記供給位置まで持ち上げ、それにより前記クランプシステムのばね付勢されているクランプ部材が前記基板に係合することによって達成される、
方法。
【請求項11】
前記基板を回転させる前に該基板を下降させること、及び前記基板を回転させた後に該基板を持ち上げることを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基板支持アセンブリから前記基板を取り出す前に、該基板の前記両縁部のクランプを解除することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記基板の両縁部のクランプ解除は、前記基板を前記供給位置から下降させ、それにより前記クランプシステムのばね付勢されているクランプ部材が前記基板から係合解除されることによって達成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板を前記ディスペンサーの前記基板支持アセンブリに送達することは、前記基板を第1のレーンに通して前記供給位置に送達することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
別の基板を第2のレーンに通して前記ディスペンサーの前記基板支持アセンブリに送達することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、本願と同日に出願された、Dennis G. Doyleによる「DISPENSING APPARATUS HAVING SUBSTRATE INVERTER SYSTEM AND ROLLER SYSTEM, AND METHOD FOR DISPENSING A VISCOUS MATERIAL ON A SUBSTRATE(基板反転機システム及びローラーシステムを備える供給装置、並びに基板上に粘性材料を供給する方法)」と題する米国特許出願第*******号(代理人整理番号C2013−731819)、及び、本願と同日に出願された、Dennis G. Doyle及びThomas E. Robinsonによる「DISPENSING APPARATUS HAVING TRANSPORT SYSTEM AND METHOD FOR TRANSPORTING A SUBSTRATE WITHIN THE DISPENSING APPARATUS(搬送システムを備える供給装置及び供給装置内で基板を搬送する方法)」と題する米国特許出願第*******号(代理人整理番号C2013−731919)の関連出願である。これらの関連出願の全ては、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、包括的には、プリント回路基板等の基板上に粘性材料を供給する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多様な用途に向けて、計測した量の液体又はペーストを供給するのに用いられる、いくつかのタイプの従来技術の供給システム又はディスペンサーが存在する。そのような用途の1つは、集積回路チップ及び他の電子構成要素を、回路基板上に組み付けることである。本願では、液体エポキシ樹脂、若しくははんだペースト、又は何らかの他の関連材料のドットを回路基板上に供給するのに、自動供給システムが使用される。自動供給システムは、構成要素を回路基板に機械的に固定するアンダーフィル材及び封入材の線を供給するのにも使用される。アンダーフィル材及び封入材は、その組付けの機械的特性及び環境的特性を向上させるように用いられる。
【0004】
図1は、全体として10で示されている既知のディスペンサーを概略的に示している。ディスペンサー10は、粘性材料(例えば、接着剤、封入材、エポキシ樹脂、はんだペースト、アンダーフィル材等)又は半粘性材料(例えば、はんだ付け用フラックス等)を、プリント回路基板又は半導体ウェハー等の電子基板12上に供給するのに用いられる。代替的に、ディスペンサー10は、自動車のガスケット材を塗布するため又はいくつかの医療用途等の他の用途において用いてもよい。本明細書において用いられるとき、粘性材料又は半粘性材料への言及は、例示的であり、限定的ではないように意図されていることが理解されるべきである。1つの実施形態において、ディスペンサー10は、それぞれ全体として14及び16で示されている第1の供給ユニット又は供給ヘッド及び第2の供給ユニット又は供給ヘッドと、ディスペンサーの動作を制御するコントローラー18とを備える。2つの供給ユニットが示されているが、1つ又は複数の供給ユニットを設けてもよいことが理解されるべきである。
【0005】
また、ディスペンサー10は、基板12を支持するベースすなわち支持体22を備えるフレーム20と、フレーム20に可動に結合され、供給ユニット14、16を支持するとともに移動させる供給ユニットガントリ24と、例えば校正手順の一環として粘性材料の供給量を計量し、コントローラー18に重量データを提供する重量測定装置又は計量器26とを備えてもよい。ディスペンサー10において、コンベアシステム(図示せず)、又はウォーキングビーム等の他の搬送機構を用いて、ディスペンサーへの基板の装填及びディスペンサーからの基板の取出しを制御してもよい。ガントリ24は、コントローラー18の制御下にあるモーターを用いて移動させて、供給ユニット14、16を基板の上方にある所定の場所に位置決めすることができる。ディスペンサー10は、コントローラー18に接続され、作業者に対して種々の情報を表示する表示ユニット28を備えてもよい。供給ユニットを制御する第2のコントローラーが必要に応じて存在してもよい。
【0006】
供給動作を実行する前に、上述したように、基板、例えばプリント回路基板をディスペンサーの供給ユニットと位置合わせさせるか、又は別様に整合させなければならない。ディスペンサーは視覚システム30を更に備える。視覚システム30は、フレーム20に可動に結合され、視覚システムを支持するとともに移動させる視覚システムガントリ32に結合される。視覚システムガントリ32は、供給ユニットガントリ24とは別個に示しているが、供給ユニット14、16と同じガントリシステムを利用してもよい。述べたように、視覚システム30は、基板上の基準部又は他の特徴部及び構成要素として知られている目印の場所を確認するのに使用される。コントローラーは、場所が特定されると、供給ユニット14、16のうちの一方又は双方の動きを操作して、電子基板上に材料を供給するようにプログラムすることができる。供給動作はコントローラー18によって制御してもよく、コントローラー18は、材料ディスペンサーを制御するように構成されているコンピューターシステムを備えてもよい。別の実施形態において、コントローラー18は、作業者によって操作してもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、ディスペンサー10は以下のように動作してもよい。コンベアシステムを用いて、ディスペンサー10内の堆積位置に回路基板を装填してもよい。回路基板は、視覚システム30を使用することで供給ユニット14、16と位置合わせされる。次に、供給ユニット14、16がコントローラー18によって始動され、堆積動作を実行してもよい。この堆積動作において、材料が回路基板上の正確な位置に堆積される。供給ユニット14、16が堆積動作を実行すると、この回路基板を、第2の後続の回路基板を材料堆積システムに装填することができるようにコンベアシステムによってディスペンサー10から搬送してもよい。供給ユニット14、16は、素早く取り外され、他のユニットと交換されるように構築してもよい。ディスペンサー10は、回路基板の片側にしか材料を供給することが可能でない。
【0008】
このような材料を基板の両側に供給することが望ましい場合がある。このようなディスペンサーの1つは、韓国のインチョン所在のProtec Co., Ltd社によって提供されており、基板がディスペンサーを通って進む方向に対して横断方向にある軸の回りに回転する基板支持体を組み込んでいる。このディスペンサーでは、基板の縁部に係合するベルトが、基板をディスペンサーに通して移動させる。この構成では、基板の縁部付近に材料を供給しようとする場合、これらのベルトが供給ユニットに干渉するので、基板の縁部付近に材料を供給することが困難である。
【発明の概要】
【0009】
本開示の一態様は、頂面及び底面を有する基板上に粘性材料を供給するディスペンサーに関する。1つの実施の形態において、ディスペンサーは、フレームと、前記フレームに結合されるガントリシステムと、前記ガントリシステムに結合される供給ユニットとを含む。前記ガントリシステムは、該供給ユニットをX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動させるように構成されている。前記ディスペンサーは更に、前記フレームに結合され、前記基板を、該基板の前記頂面上及び該基板の前記底面上に材料を供給する供給位置に支持するように構成されている基板支持アセンブリを更に含む。該基板支持アセンブリは、前記基板を受けて前記供給位置に支持するように構成されているクランプシステムと、前記フレーム及び前記クランプシステムに結合される反転機システムとを備える。前記反転機システムは、前記基板の前記頂面が前記供給位置にある第1の位置と、前記基板の前記底面が前記供給位置にある第2の位置との間で、前記Y軸方向に対して平行な軸の回りに前記クランプシステムを回転させるように構成されている。
【0010】
ディスペンサーの実施形態は、前記反転機システムがZ軸方向に移動するように構成することを更に含む。前記反転機システムは、支持プレートと、該支持プレートに可動に結合される昇降機プレートと、該昇降機プレートを前記Z軸方向に移動させるように構成されているZ軸駆動アセンブリと、前記クランプシステムを回転させるように構成されている回転駆動アセンブリとを備える。前記Z軸駆動アセンブリは、ボールねじによって前記フレームに結合される少なくとも1つの軸受と、前記ボールねじの回転を駆動し、前記昇降機プレートを移動させるように構成されているモーターとを備えることができる。前記クランプシステムは、前記基板の一方の縁部を締め付けるように構成されている第1のクランプアセンブリと、前記基板の反対側の縁部を締め付けるように構成されている第2のクランプアセンブリとを備えることができる。前記第1のクランプアセンブリ及び前記第2のクランプアセンブリのそれぞれについて、回転駆動アセンブリは、前記クランプアセンブリに固定される枢動軸と、該枢動軸に結合されるベルトと、該ベルトを駆動し、前記枢動軸を回転させるように構成されているモーターとを備えることができる。各クランプアセンブリは上側クランプ部材及び下側クランプ部材を備えることができ、該上側クランプ部材及び該下側クランプ部材は、前記基板の縁部を締め付けるように構成されている。前記上側クランプ部材及び前記下側クランプ部材は、締付け位置に付勢されるようにばね付勢される。前記上側クランプ部材は、前記支持体上に設けられるカムの隆起部に係合し、該上側クランプ部材を開放位置に動かすように構成されている第1のカムフォロワーを備え、前記下側クランプ部材は、前記カムに係合し、前記下側クランプ部材を開放位置に動かすように構成されている第2のカムフォロワーを備える。前記上側クランプ部材又は前記下側クランプ部材が前記締付け位置にある場合、前記クランプシステムによって支持されている基板は上揃え位置にある。前記ディスペンサーは、前記上側クランプ部材及び前記下側クランプ部材のうちの少なくとも一方の向きを判定するように構成されている少なくとも1つのセンサーを更に備えることができる。前記基板支持アセンブリは、2つのレーン、すなわち前方レーン及び後方レーンを備えることができ、前記ディスペンサーは、基板を前記ディスペンサーの前記前方レーン及び前記後方レーンに送達するように構成されている上流のコンベアシステムと、基板を前記ディスペンサーの前記前方レーン及び前記後方レーンから取り出すように構成されている下流のコンベアシステムとを更に備えることができる。
【0011】
本開示の別の態様は、基板の頂面上及び該基板の底面上に材料を堆積させる方法に関する。1つの実施形態において、該方法は、前記基板をディスペンサーの基板支持アセンブリに送達することと、
なお、前記基板支持アセンブリは、前記基板を受けて供給位置に支持するように構成されているクランプシステムと、フレーム及び前記クランプシステムに結合される反転機システムであって、前記頂面が供給位置にある第1の位置と、前記底面が供給位置にある第2の位置との間で、Y軸方向に対して平行な軸の回りに前記クランプシステムを回転させるように構成されている反転機システムとを含み、
前記基板の前記頂面上への供給動作を実行することと、
前記基板の前記底面が上向きになるように該基板を回転させることと、
前記基板を持ち上げることと、
前記基板の前記底面上への供給動作を実行することと、
前記ディスペンサーの前記基板支持アセンブリから前記基板を取り出すことと、
を含む。
【0012】
本方法の実施形態は、前記基板を回転させる前に該基板を下降させることを更に含む。前記方法は、前記基板の前記頂面上への前記供給動作を実行する前に、前記クランプシステムを用いて前記基板の両縁部を締め付けることを更に含むことができる。前記基板の前記両縁部のクランプは、前記基板を前記供給位置まで持ち上げ、それにより前記クランプシステムのばね付勢されているクランプ部材が前記基板に係合することによって達成することができる。前記方法は、前記基板支持アセンブリから前記基板を取り出す前に、該基板の前記両縁部のクランプを解除することを更に含むことができる。前記基板の両縁部のクランプ解除は、前記基板を前記供給位置から下降させ、それにより前記クランプシステムのばね付勢されているクランプ部材が前記基板から係合解除されることによって達成することができる。前記基板を前記ディスペンサーの前記基板支持アセンブリに送達することは、前記基板を第1のレーンに通して前記供給位置に送達することを含むことができる。前記方法は、別の基板を第2のレーンに通して前記ディスペンサーの前記基板支持アセンブリに送達することを更に含むことができる。
【0013】
本開示のよりよい理解のために図が参照される。図は、参照することにより本明細書の一部をなす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来技術のディスペンサーの概略図である。
図2】ディスペンサーの反転機システム及びクランプシステムをよりよく示すために一部を除去した、本開示の一実施形態のディスペンサーの部分的な上面斜視図である。
図3図2に示すディスペンサーの上面平面図である。
図4】ディスペンサーの拡大した部分的な上面斜視図である。
図5】ディスペンサーの拡大した部分的な下面斜視図である。
図6】実施形態の種々の態様を示すようにディスペンサーのいくつかの構成部材を除去し、ディスペンサーの後方から見た、ディスペンサーの別の拡大した部分的な上面斜視図である。
図7】反転機システムの斜視図である。
図8】クランプシステムの斜視図である。
図9】クランプシステムの一部の上面斜視図である。
図10】クランプシステムの端面図である。
図11】基板を供給位置で示す、ディスペンサーのクランプシステム及び供給ユニットの端面図である。
図12】基板を搬送位置で示す、クランプシステム及び供給ユニットの端面図である。
図13】基板を反転位置で示す、クランプシステム及び供給ユニットの端面図である。
図14】反転機システムの、2つのカムが取り付けられている支持プレートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
単に例示のためであり、普遍性を制限するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に記述される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することが可能である。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、制限するものと見なされるべきではない。本明細書において「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」及びそれらの変形の用語を使用することは、その対象となるものと、その均等物及び追加のものとを包含することを意味する。
【0016】
以下、例示のために、回路基板上にはんだペーストを供給するのに用いられるディスペンサーを参照しながら本開示の実施形態を記載する。この装置及び関連の方法は、種々の基板上に糊、接着剤、及び封入材等の他の粘性材料又は供給材料の供給を必要とする他の用途において用いることもできる。例えば、この装置を用いて、チップスケールパッケージのアンダーフィルとして使用されるエポキシ樹脂を供給してもよい。いくつかの実施形態において、供給ユニットは、マサチューセッツ州フランクリン所在のSpeedline Technologies, Inc.社によって提供されているタイプのものとしてもよい。
【0017】
本開示は、ディスペンサー内に反転機システムが設けられる、基板支持アセンブリを備えるディスペンサーに関する。反転機システムは、基板の縁部付近に材料を供給する場合に供給ユニットに干渉しない状態で、基板に係合するように設計される。本明細書に開示されるディスペンサーは、基板を反転させることが可能であり、それにより、供給ユニットが基板の両側で、オーガタイプの供給ユニットでは基板の縁部から5ミリメートル(mm)以内、また噴射器タイプの供給ユニットでは基板の縁部から8mm以内に材料を供給することを可能にする。従来の搬送ベルトは基板上方の空間で供給ユニットに干渉するので、ディスペンサーは、1つの実施形態において、基板を供給位置に固定するクランプシステムを備える。基板をディスペンサー内の供給位置に送達するために、ディスペンサーは、基板の縁部を押すように構成されている基板押し器とベルトとの組合せを備える。なぜなら、ベルト単独では基板支持アセンブリのクランプシステム上へ又はクランプシステムから基板を完全に搬送することができないからである。別の実施形態において、ディスペンサーの基板支持アセンブリは、反転機システムとともにローラーシステムを備える。このようなローラーシステムは、ローラーの使用、また1つの好ましい実施形態では、テーパー付きローラーの使用を組み込む。クランプシステム及びローラーシステムの双方を備える各システムは、基板の頂面及び底面の双方で基板の縁部付近に供給を行うことが可能である。
【0018】
クランプシステムに関して、クランプシステムは、基板をクランプシステム上に完全に駆動する機構を有せず、それにより押し器の使用を必要とする。押し器がなければ、ベルトは、基板を供給位置まで約65%だけ移動させることが可能である。これだけ移動するとベルトが滑り始め、それにより、基板が供給位置に達するのが妨げられる。押し器とベルトとは同期して、ベルトの滑りを阻止及び/又は考慮するようにともに機能する。ベルトが基板に対するグリップを失い始める場合、基板が基板支持アセンブリのクランプシステム内の供給位置に完全に送達されるまで、押し器が基板を移動させ続ける。予熱ゾーンに予熱チャックが存在するので、この押し器は、レールの上方に持ち上がるように構成されている。或る特定の実施形態において、上流の押し器は、基板に接触するフィンガーを有する空気シリンダーである。
【0019】
クランプシステムにはベルトが設けられないので、クランプシステムから基板を取り出す場合に同様の問題が生じる。押し器は、下流のコンベアベルトと同期した動作で移動する。押し器は、全行程において、ベルトと基板との間に相対移動がないように基板を実際に押すので、ベルトは尚早に摩耗する。この押し器はコンベアの下にあり、押し器が、反転機の上方における供給ユニットの障害がない通路を維持することができるようになっている。また、押し器は、コンベアが移動を開始する場合に押し器が邪魔にならないよう、押し器がコンベアレールの真下に位置するように後退することが可能である。或る特定の実施形態において、下流の押し器は、基板に接触するフィンガーを有する空気シリンダーである。
【0020】
本開示は、クランプシステムと押し器とベルトアセンブリとの構成体に関し、これらのシステムのディスペンサーにおいて利用可能な空間が限定されることを含む問題に対処する。反転機システムは、基板が供給位置に固定されると基板を回転させるように構成されている。1つの実施形態において、反転機システムは、ステッピングモーターによってベルト駆動され、10対1の比を有し、正確な搬送角度を達成するようになっている。これらのシステムの複雑性は、これらのシステムは同期する(基板にいかなる歪みも発生させずにともにスピンする)必要がある点にある。これは、双方が駆動モジュールからの同じステップパルスによって駆動される、2つの異なるステッピングモーターを使用することによって達成される。
【0021】
反転機システムは、供給位置内での供給ユニット及び/又はガントリとの衝突を回避しながら、基板を回転させる前に基板を下降させることが可能である。基板を1つのレーンにおいて回転させている間、ディスペンサーの供給ユニットは、隣接するレーンに配置されている基板上に供給を継続することができる。反転機システムは、リニア軸受と、ボールねじと、リニア軸受及びボールねじを駆動するステッピングモーターとを備えるリニア運動装置を備える。供給ユニットが効果的に動作する空間が非常に小さいので、クランプシステムは、供給ユニットが基板の縁部に接近することを可能にするように十分小さい。クランプシステムは、基板の向き及び厚さに関わらず、基板を供給高さに位置決めする。クランプシステムのクランプ部材は、搬送高さにおいて開き、進入する基板がクランプ部材の上方を移動する場合にクランプ部材に干渉しないようになっている。適所に置かれると、クランプ部材は、基板上への供給中及び基板の回転中に基板をクランプするように動かされる。クランプシステムは、堅固であり、双方の向き並びに搬送高さ及び供給高さにおいて緊密に位置合わせされるように構成されている。
【0022】
図面、より詳細には図2及び図3を参照すると、本開示の一実施形態のディスペンサーが全体として100で示されている。図示のように、ディスペンサーは、ディスペンサーのシステム及び構成部材を支持するフレーム102を備える。ディスペンサーのシステム及び構成部材には、ディスペンサーを出入りするように基板を往復移動させる、全体として104で示されている搬送システムと、全体として106で示され、プロセス中に基板を締め付けるクランプシステムと、クランプシステムとともに動作して、基板の両側に材料を供給するために基板を反転させる、すなわちひっくり返す、全体として108で示されている反転機システムとが含まれる。基板は図面を通して110で示されており、基板の頂面は112で示されており、基板の底面は114で示されている。各システムは、ディスペンサー100の他のシステム及び他の構成部材のサブアセンブリと相互作用し、ディスペンサーを出入りするように基板110を移動させ、また基板上に材料を供給するサブアセンブリを含む。ディスペンサー100と連係するコントローラーが、ディスペンサーのシステムの動作を制御するように構成されている。1つの実施形態において、コントローラーは、ディスペンサー10のコントローラー18と同様であり、コントローラー18の機能を提供する。
【0023】
図3は、フレーム102と、2つの平行な搬送路、すなわち、ディスペンサーの前部の方に位置する前方搬送路116及びディスペンサーの後部の方に位置する後方搬送路118に沿って基板110を移動させるように構成されている搬送システム104とを示している。搬送システム104は、ディスペンサー100の左側に設けられる、全体として120で示されている第1の上流のコンベアシステムを備える。第1の上流のコンベアシステムは、基板110を前方搬送路116及び後方搬送路118に送達するように構成されている。具体的には、上流のコンベアシステム120は、可動なコンベアであって、可動なコンベアが前方搬送路116と位置合わせされる第1の位置と、可動なコンベアが後方搬送路118と位置合わせされる第2の位置との間で移動するように構成されている可動なコンベアを備える。図2及び図3は、上流のコンベアシステムが前方搬送路116と位置合わせされるその第1の位置にある、上流のコンベアシステム120の可動なコンベアを示している。搬送システム104は、ディスペンサー100の右側に設けられる第2の下流のコンベアシステム122を更に備える。第2の下流のコンベアシステム122は、基板110を前方搬送路116及び後方搬送路118から除去するように構成されている。上流のコンベアシステム120と同様に、下流のコンベアシステム122は、可動なコンベアであって、可動なコンベアが前方搬送路116と位置合わせされる第1の位置と、可動なコンベアが後方搬送路118と位置合わせされる第2の位置との間で移動するように構成されている可動なコンベアを備える。図2及び図3は、下流のコンベアシステムが前方搬送路116と位置合わせされるその第1の位置にある、下流のコンベアシステム122の可動なコンベアを示している。
【0024】
更に図4を参照すると、各搬送路116、118について、基板110は上流のコンベアシステム120によって、往復運動装填機等の上流のシステムから供給前に基板を加熱するように構成されている予熱位置124に送達される。ディスペンサー100は、前方搬送路116及び後方搬送路118と連係する予熱チャックを備える。次に、基板110は、ベルトと押し器との搬送システムによって、予熱位置124から供給位置126に移動される。上記搬送システムにおいて、基板は供給ユニット128の下に配置される。供給ユニット128は、この供給ユニットをX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動させるように供給ユニットガントリ130に取り付けられる。以下で更に詳細に記載されるように、前方搬送路116及び後方搬送路118のそれぞれについて、供給ユニット128は、供給動作中、クランプシステム106が基板を適所に保持しながら、基板110の両側にはんだペースト等の材料を供給することが可能である。供給後、基板110はベルトと押し器との搬送システムを備える下流のコンベアシステム122によって、供給位置126からピックアンドプレース機又は別のディスペンサー等の下流のシステムに移動される。
【0025】
更に図5及び図6を参照すると、各搬送路116、118について、搬送システム104はまた、基板110を予熱位置124からディスペンサー100内の供給位置126に移動させるように構成されている、全体として132で示されている上流の基板押し器アセンブリ(図6)と、基板を供給位置から下流のコンベアシステム122に移動させるように構成されている、全体として134で示されている下流の基板押し器アセンブリ(図5)とを備える。下流のコンベアシステム122は、基板を、例えば別のディスペンサー又はピックアンドプレース機等の下流のシステムに更に送達する。上流の押し器アセンブリ132及び下流の押し器アセンブリ134は本明細書では「押し器」と称しているが、これらの構成部材は、把持器を備えて基板を引っ張るように同様に構成することもできるので、「引張器(pullers)」と称し、本開示の範囲内とすることもできることが認識されるべきである。各押し器アセンブリ132、134は、リニア軸受136を用いて、押し器部材140を備える空気シリンダー138を搬送路に沿って左から右に移動させる。各押し器アセンブリ132、134は、ベルト駆動装置によって制御される。ベルト駆動装置は、それぞれ142で示されているプーリーを備え、プーリーに乗るベルト143を駆動するモーター144が設けられている。下流の押し器部材140の空気シリンダー138は、基板を移動させるように基板の下方から上方に延びる。下流の押し器アセンブリ134に関して、押し器部材140は、以下に記載の反転プロセス中は下流のコンベアシステム122の下で停止し、クランプシステム106が180度スピンする行程に障害がないようにする。
【0026】
図7は、ディスペンサー100の残りの構成部材から分離した反転機システム108を示している。図2図6に示されているように、反転機システム108は、フレーム102に対してZ軸方向に移動し、基板110の頂面112が供給ユニット128の下の供給位置にある第1の位置と、基板の底面114が供給位置にある第2の位置との間で、Y軸方向に対して平行な軸の回りにクランプシステム106を回転させるように構成されている。図7に示されているように、基板110の各側について、反転機システム108は支持プレート146、昇降機プレート147を備える。昇降機プレート147は、以下で更に詳細に記載されるように昇降機プレート上に設けられる、全体として148で示されているクランプシステム106のクランプアセンブリを枢動可能に支持する。反転機システム108は、昇降機プレート147を支持プレート146に対してZ軸方向に移動させるように構成されているZ軸駆動アセンブリ150と、クランプアセンブリ148を回転させるように構成されている回転駆動アセンブリ152とを更に備える。Z軸駆動アセンブリ150は、それぞれ154で示されている一対の離間したZ軸軸受を備える。これらのZ軸軸受は、支持プレート146に取り付けられるとともに、Z軸ボールねじ156によって、昇降機プレートを支持プレートに対して上方及び下方に移動させるように昇降機プレート135に結合される。Z軸駆動アセンブリ150は、ボールねじ156の回転を駆動するように構成されているモーター158を更に備える。その構成は、反転機システム108が昇降機プレート147の上下運動を駆動することが可能であるようになっており、その目的は、ディスペンサーの記載が進むにつれて明らかとなる。反転機システム108の回転駆動アセンブリ152は、クランプシステム106の記載後に記載される。
【0027】
戻って図2及び図3を参照すると、各搬送路116、118について、クランプシステム106は、基板110の一方の縁部を締め付けるように構成されている第1のクランプアセンブリ160と、基板の反対側の縁部を締め付けるように構成されている相手の第2のクランプアセンブリ162とを備える。第1のクランプアセンブリ160及び第2のクランプアセンブリ162は、供給及び回転動作中は基板110をしっかりと固定し、基板がクランプシステム106に送達される場合及びクランプシステム106から取り出される場合は基板を解放するように構成されている。
【0028】
図8及び図9を参照すると、各クランプアセンブリ160、162(図8及び図9にはクランプアセンブリ160が示されている)は、枢動シャフト166を有するフレーム構造体164と、一対のクランプアーム168、170と、クランプアーム170によってフレーム構造体に枢動可能に接続される上側クランプ部材172と、クランプアーム168によってフレーム構造体に枢動可能に接続される下側クランプ部材174とを備える。上側クランプ部材172及び下側クランプ部材174は、クランプ部材が互いに離間する開放位置と、クランプ部材が互いの方に移動し、基板110の縁部を締め付けて基板を固定する締付け位置との間で移動するように設計される。
【0029】
上側クランプ部材172及び下側クランプ部材174は、クランプ部材を締付け位置に付勢する、それぞれ176で示されている一対のばねに接続される。各クランプアセンブリ160、162は、上側クランプ部材172と下側クランプ部材174との間に配置されるクランプジョー178を更に備える。ばね176は、クランプジョー178と枢動シャフト166との間にねじり荷重を印加し、それによりクランプ力を印加する。クランプジョー178には、基板110の固定時、上側クランプ部材172及び下側クランプ部材174からの歯182を受けるような寸法及び構成の、それぞれ180で示されている開口部が形成されている。フレーム構造体164は、枢動軸186を含むプレート184を備える。枢動軸186は、プレートから垂直に延びる。枢動軸186は、クランプアセンブリ160又は162を枢動軸の回りに枢動させ、基板110を回転させるように備えられる。1つの実施形態において、枢動軸186は、反転システム108の昇降機プレート147内に設けられるその自由端にアンギュラ玉軸受を備えるシャフトを具現する。
【0030】
図10を参照すると、各クランプアセンブリ、例えばクランプアセンブリ160は、クランプアーム168によってフレーム構造体164及び下側クランプ部材174に枢動可能に接続される第1(上側)の対のカムフォロワー188と、クランプアーム170によってフレーム構造体及び上側クランプ部材172に枢動可能に接続される第2(下側)の対のカムフォロワー190とを更に備える。その構成は、第1のカムフォロワー188及び第2のカムフォロワー190のそれぞれが、それぞれ下側クランプ部材174及び上側クランプ部材172を締付け位置に維持するよう、ばね付勢されるようになっている。図10は、浮動している(すなわちカム面から離間している)第1のカムフォロワー188及び第2のカムフォロワー190を示している。図示のように、基板110は、下側クランプ部材174が、基板をクランプジョー内で持ち上げるように基板の底面114に係合することで、クランプジョー178内で上昇される。
【0031】
図10は、クランプアセンブリ160によって支持されている最小厚さの基板110を更に示している。クランプアームの両側に2つの形状部が機械加工されている。一方の形状部は、スロット194に嵌入する第1の突出部192である。クランプアセンブリ160内に基板がない場合、第1の突出部192は、スロット194にある確実な停止部196に係合する。第1の突出部192は、ばね176によって与えられる荷重を吸収し、そのため、図示のようなクランプ歯182が互いに押し合わず、それにより変形及び尚早な摩耗が発生しない。他方の形状部は第2の突出部198であり、下側クランプ部材174に係合するクランプアーム168に機械加工される。この第2の突出部198は、クランプ歯182が、クランプジョー178に形成されているそれらのそれぞれの開口部180内に受けられるように、クランプアセンブリ160の上側クランプ部材172及び下側クランプ部材174を位置合わせ状態に維持する。より厚い基板110の場合、確実な停止部196とのクリアランスが増加される。図示のように、確実な停止部196は、互いに係合し、歯182間にギャップが存在する。
【0032】
一方のばね176を、より強力なばねであるように選択してもよい。より強力なばねの一端部は、カムフォロワーシャフト200に係合し、より強力なばねの反対側の端部は、クランプジョー178に係合する。この向きにあるより強力なばね176は、1つのクランプアーム168を第2のアームの突出部192及びスロットに係合させ、対向する下側クランプ部材174を持ち上げる。他方のばね177は、この例ではより弱いばねであるように選択してもよい。異なるばね値を選択する成果として、基板の反転中にカムフォロワーがカムから外れても、クランプ部材172、174が基板をクランプジョーの頂面又は底面に対して一貫して位置決めすることが可能になる。
【0033】
図11を参照すると、クランプアセンブリ160が供給ユニット128とともに示されている。図示のように、供給ユニット128は、基板110の縁部に隣接して材料を供給するように構成されている。供給ユニット128が基板110の縁部に接近することは、クランプシステム106及び反転機システム108の使用によって達成される。クランプアセンブリ160は、ディスペンサー100のフレーム102に固定されるカム202を更に備える。第1のカムフォロワー188はカム202から外れており、それにより、下側クランプ部材174のばね176が基板110をクランプジョー178の頂面まで推進することが可能になる。第2のカムフォロワー190は、カム202の隆起部204上に留まり、上側クランプ部材が下側クランプ部材174に干渉しないように上側クランプ部材172を後退させ、それにより基板110を供給のための繰返し可能な上方揃え位置に位置揃えする。
【0034】
図12を参照すると、第1のカムフォロワー188及び第2のカムフォロワー190の双方は、カム202の隆起部204に係合し、下側クランプ部材174及び上側クランプ部材172の双方を後退させる。この位置では、クランプ部材172、174の双方が後退されており、基板110は、クランプアセンブリ160を出入りして自由に搬送することができる。図示のように、基板110は、クランプジョー178の底部の方へ、搬送高さに配置される。
【0035】
図13を参照すると、クランプシステム106のクランプアセンブリ160は、反転機システム108のZ軸駆動アセンブリ150によって下降された位置で示されている。他方のクランプアセンブリ、すなわち基板110の他方の側を固定するクランプアセンブリ162は図示されていないが、同様に下降位置にある。この位置では、クランプシステム106のクランプアセンブリ160及び基板110は、基板の底面114を上向き位置に位置決めするように回転させることができる。下降位置では、第1のカムフォロワー188及び第2のカムフォロワー190の双方がカム202から外れ、そのためクランプ部材172、174のばね176、177が基板110に作用して基板を締め付ける。基板110は、基板が歪まないように前方クランプジョー及び後方クランプジョーの双方についてクランプジョーの同じ側で、クランプジョー178の一方の側に対して押される。これを位置揃えする手段は、一方の側で2倍強力なばね176、177を使用することであり、そのため、基板を反転させる場合に基板110が位置決めされる場所に関して確実となる。
【0036】
戻って図4図7を参照すると、反転機システム108は、基板の底面114が上向きになり、それにより供給ユニット128が底面上に材料を供給することができるように、基板110を回転させることが可能である。反転プロセス中、基板110は、反転システム106によって反転位置まで下降される。或る特定の実施形態において、基板110の最大寸法は、おおよそ10インチ×10インチである。したがって、10インチ×10インチの長さ及び幅の基板に関して、基板の回転経路は、10インチ幅及び10インチ長となる。その構成は、クランプ部材172、174が基板を締め付けて固定するようにクランプアセンブリ160、162が下降された状態で、基板110がクランプシステム106によって固定されるようになっている。別様には反転位置と称される下降位置になると、基板110の底面114が上向きになるように、反転機システム108はクランプアセンブリ160、162を回転させる。
【0037】
クランプアセンブリ160、162を回転させるために、反転機システム108の回転駆動アセンブリ152は、各クランプアセンブリのフレーム構造体164の枢動軸186に接続されるベルト206を備える。ベルト206は、1つの実施形態において10:1の駆動比を有する、好適なモーター208によって駆動される。枢動軸186は、反転システム108の移動するZ軸昇降機プレート147に取り付けられるアンギュラ軸受に嵌入する。枢動軸186は、枢動軸の端部付近に取り付けられるプーリー210を備え、ベルト206がクランプアセンブリ160又は162の回転を駆動する。図示のように、基板110の各側にはクランプアセンブリ160又は162が係合し、支持プレート146と、クランプアセンブリ(160又は162)と、回転駆動アセンブリ152とは、同期してともに動作し、基板を締め付けるとともに回転させる。
【0038】
搬送幅を調整するために、それぞれ212で示されているリニア軸受がディスペンサーの搬送幅を置いて設けられる。上流のコンベアシステム120及び下流のコンベアシステム122について、特定していない4つの他のリニア軸受212が存在する。リニア軸受212の真上には、それぞれ214で示されているボールねじが存在し、これらのボールねじは、モーター216及びベルト駆動装置218によって後部から搬送幅を動かす。2つのボールねじ214、すなわち右側のボールねじと左側のボールねじとの間には交点220が存在する。2つのボールねじ214を設けることで、レーン及び通路の双方の幅を同じ基板寸法に合わせて同時に動かすことが可能になる。
【0039】
図14を参照すると、反転機システム108の支持プレート146は、支持プレートに取り付けられる2つのカム202を備える。クランプシステム106及び反転機システム108のカム202は、それぞれのカムに隣接して設けられるホームセンサー226及び回転安全センサー228を備える。これらのセンサー226、228は、クランプジョー178に取り付けられるか又は別様に連係するフラグ又は構造特徴部を検出するか又は別様に検知する。ホームセンサー226は、クランプジョー178の向き及びひいては基板110のどちらの側が上を向いているかを検知し、ばね176、177が適切な方向に向くことを可能にする。ホームセンサー226と連動する安全センサー228は、カムフォロワー188、190をカム202上に駆動しようとする前に、クランプジョー178が水平方向にあるか否かを確認することを可能にし、したがって、クランプアセンブリ160、162が適切な方向に向けられていない場合にクランプシステム106が損傷を受けるのを防止する。
【0040】
動作中、上流のコンベアシステムは、基板をディスペンサーに通して前方搬送路及び後方搬送路に送達する。具体的には、上流のコンベアシステムの可動なコンベアは、搬送路のうちの一方、例えば前方搬送路と位置合わせされ、基板を予熱位置に送達する。予熱位置になると、基板は、搬送システムの上流の基板押し器及び加熱ゾーンコンベアによって供給位置に移動される。供給ユニットは、基板の頂面上への供給動作を実行する。完了すると、基板は下降され、反転機システムによって、基板の底面が上向きになるように回転され、供給位置まで持ち上げられる。次に、供給ユニットは、基板の底面上への供給動作を実行する。完了すると、基板は、下流の押し器及び往復運動コンベアシステムによって供給位置から取り出される。
【0041】
基板の送達後、上流のコンベアシステムの可動なコンベアが別の基板を受け取り、上流のコンベアシステムが他の搬送路、例えば後方搬送路と位置合わせされるように移動し、基板を予熱位置に送達する。この基板は、予熱位置から、基板の頂面及び底面の双方に供給動作を実行することができる供給位置に同様に移動する。この基板も、下流のコンベアシステムによって供給位置から取り出される。
【0042】
上記動作は、基板の頂面上への供給動作を実行する前に、クランプシステムを用いて基板の両縁部を締め付けることを含む。基板の両縁部のクランプは、基板を供給位置に持ち上げ、それによりクランプシステムのばね付勢されているクランプ部材が基板に係合することによって達成される。上記動作は、基板を基板支持アセンブリから取り出す前に、基板の両縁部のクランプを解除することを含む。基板の両縁部のクランプ解除は、基板を供給位置から搬送高さまで下降させ、それによりクランプシステムのばね付勢されているクランプ部材が基板から係合解除されることによって達成される。
【0043】
上述したように、前述の動作は、ディスペンサー10に関して参照したコントローラー18等のコントローラーによって制御してもよい。
【0044】
このように本開示の少なくとも1つの実施形態を記載したが、当業者には、種々の代替形態、変更形態、及び改良形態が容易に想起される。そのような変形形態、変更形態、及び改良形態は、本開示の範囲及び趣旨内にあることが意図されている。したがって、前述の記載は、単に例であり、限定を意図していない。添付の特許請求の範囲及びその均等物においてのみ、限定が規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14