特許第6416904号(P6416904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6416904
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】多層ポリマー反射体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/30 20060101AFI20181022BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20181022BHJP
   C08L 33/12 20060101ALI20181022BHJP
   C08L 27/16 20060101ALI20181022BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20181022BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20181022BHJP
【FI】
   B32B27/30 A
   B32B27/30 D
   B32B27/36
   C08L33/12
   C08L27/16
   G02B5/08 A
   B32B27/00 N
【請求項の数】1
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-532593(P2016-532593)
(86)(22)【出願日】2014年11月18日
(65)【公表番号】特表2017-503677(P2017-503677A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】US2014066220
(87)【国際公開番号】WO2015077249
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2017年10月19日
(31)【優先権主張番号】61/906,160
(32)【優先日】2013年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ホゥイウエン タイ
【審査官】 大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−193040(JP,A)
【文献】 米国特許第05122905(US,A)
【文献】 特開2012−212148(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0186408(US,A1)
【文献】 特開平05−309940(JP,A)
【文献】 特開平03−139603(JP,A)
【文献】 特開2003−035799(JP,A)
【文献】 田中章、小島雄次、沢田寿史,ポリフッ化ビニリデン/ポリメチルメタクリレートポリマーアロイの光学材料への適用,高分子論文集,日本,1990年 4月,47巻、4号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
G02B 5/00− 5/136
C08K 3/00−13/08
C08L 1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層ポリマー反射体であって、
a)複数の第1の光学層であって、それぞれの第1の光学層が、テレフタレートコモノマー単位とエチレングリコールコモノマー単位とを有するポリエステルを含み、前記ポリエステルがガラス転移温度を有し、それぞれの第1の光学層が配向されている、複数の第1の光学層と、
b)前記複数の第1の光学層と交互に繰り返す順序で配設されている複数の第2の光学層であって、それぞれの第2の光学層が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とフッ化ポリビニリデン(PVDF)とのブレンドを含み、前記ブレンドが、前記第1の光学層を構成する前記ポリエステルのガラス転移温度より低い前記ガラス転移温度を有し、前記PMMA/PVDFブレンドのPVDFの量が約40%より高く、約65%以下である、複数の第2の光学層と、を備え、
前記多層ポリマー反射体は、可視波長域で97.8%を超える反射率、及び可視波長域で50%未満の透過ヘイズ値を有する、多層ポリマー反射体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、耐久性及び黄変に対する抵抗性のために、高輝度の光源との関連において特に有用である、多層ポリマー反射体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第7,141,297号は、PETより低いTgを有する、配向されたPETとPMMA/PVDFブレンドとの交互の層を備える多層ポリマー鏡を開示する。この参照は、以下を教示している。
【0003】
「このブレンドに使用されているPVDFの量は、典型的には、約40重量%以下である(すなわち、60/40のPMMA/PVDFブレンド)。PVDFの濃度が増すと、PMMAとPVDFとの混和性が低下し、それにより透明度の損失を引き起こす傾向がある。一般に、屈折率及びガラス転移温度の低下における利益を高めるために、ブレンド中に可能な限り高い量でPVDFを用いることが望ましい。しかしながら、特定の用途のための特定の光学的又は物理的な特性を提供するために組成物を微調整することが所望されるときに、より少ない量を使用する場合がある。例えば、75/25のブレンドは、PEN、PET、及びそれらの混合物又はコポリマーなどの高い屈折率の材料との使用に非常に望ましい物理的及び光学的特性を提供する。」(米国特許第7,141,297号の14列、42〜55行)。
【0004】
「上述したように、PMMAとポリフッ化ビニリデン(PVDF)とのブレンドは、ブレンドされたポリマーのガラス転移温度を低下させる。好ましくは、ブレンドは、約20〜40重量%のPVDFと、60〜80重量%のPMMAとを含む。PVDFが約20重量%未満では、ガラス転移温度がPETのそれよりも高くなるが、これらのブレンドも依然として一部の用途では許容可能である。約40重量%より高いと、PVDFが結晶化する。第2の光学層へのPVDFの追加はまた、例えば耐溶剤性などの他の特性を向上させる場合がある。(米国特許第7,141,297号の14列65行目〜第15列7行目)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約すると、本開示は、多層ポリマー反射体であって、a)複数の第1の光学層であって、それぞれの第1の光学層が、テレフタレートコモノマー単位とエチレングリコールコモノマー単位とを有するポリエステルを含み、ポリエステルがガラス転移温度を有し、それぞれの第1の光学層が配向されている、複数の第1の光学層と、b)複数の第1の光学層と交互に繰り返す順序で配設されている複数の第2の光学層であって、それぞれの第2の光学層が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とフッ化ポリビニリデン(PVDF)とのブレンドを含み、ブレンドが、第1の光学層を構成するポリエステルのガラス転移温度より低いガラス転移温度を有し、PMMA/PVDFブレンドのPVDFの量が約40%より高く、約65%以下である、複数の第2の光学層と、を備える、多層ポリマー反射対を提供する。この多層ポリマー反射体は、可視波長域で97.8%を超える反射率、及び可視波長域で50%未満の透過ヘイズ値を有する。いくつかの実施形態では、PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量は45%を超えており、いくつかの実施形態では、PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量は約50%以上である。いくつかの実施形態では、PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量は約50%である。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、98.0%を超える反射率を有し、いくつかの実施形態では、98.2%を超える反射率を有する。いくつかの実施形態では、第1の層と第2の層との合計数は700以下であり、いくつかの実施形態では650以下である。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、摂氏120度の温度への15分間の曝露後に幅と長さとの合計で1.5%未満の収縮率を示す程度に、使用中の収縮に抵抗する。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、1.0%未満、いくつかでは0.5%未満、いくつかでは0.2%未満の収縮率を示す。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、可視波長域で46%未満、いくつかでは42%未満、いくつかでは30%未満、いくつかでは20%未満、いくつかでは10%未満の透過ヘイズ値を有する。いくつかの実施形態において、第1の光学層と第2の光学層とは共押し出しされる。いくつかの実施形態では、第1の光学層は二軸配向される。いくつかの実施態様において、多層ポリマー反射体は、少なくとも30秒間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる。いくつかの実施態様において、多層ポリマー反射体は、少なくとも30秒間、摂氏80〜95度のアニーリング温度でアニールされる。いくつかの実施態様において、多層ポリマー反射体は、少なくとも35秒間、摂氏80〜95度のアニーリング温度でアニールされる。いくつかの実施態様において、多層ポリマー反射体は、少なくとも2分間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる。いくつかの実施態様において、多層ポリマー反射体は、少なくとも1時間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、光学的に透明な紫外線拒絶アクリルコーティング層を追加的に含む。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、接着剤層を追加的に含む。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、可視波長で鏡面又は半鏡面である。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、可視波長で少なくとも50%鏡面である。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、屋外用途のために設置される。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、周囲屋外光に直接曝露され、いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、周囲屋外光及び周囲外気に直接曝露される。
【0006】
別の態様では、本開示は物品を提供し、この物品は、a)光源と、b)本開示による多層ポリマー反射体と、を備えている。いくつかの実施形態では、光源はLEDである。いくつかの実施形態では、物品は照明器具である。いくつかの実施形態では、物品は電球である。
【0007】
別の態様において、本開示は、太陽光を受けて反射するように、いくつかの実施形態では直射日光を受けて反射するように、またいくつかの実施携帯では集中太陽光を受けて反射するように位置づけられた本発明による多層ポリマー反射体を含む物品を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態において、本開示による物品は、屋外用途ために設計される。いくつかの実施形態では、物品は、屋外用途のために取り付けられる。いくつかの実施形態では、物品の多層ポリマー反射体は周囲屋外光に直接曝露される。いくつかの実施形態では、物品の多層ポリマー反射体は周囲屋外光及び周囲外気に直接曝露される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例に記載されているように、本開示による多層ポリマー反射体材料と比較材料の紫外線抵抗性を示すグラフである。
図2】実施例に記載されているように、本開示による多層ポリマー反射体と比較材料の収縮率を示すグラフである。
図3】実施例に記載されているように、本開示による多層ポリマー反射体のヘイズレベルを示すグラフである。
図4a】実施例に記載のように、クリア紫外線コートを加えることによるヘイズの低減を示す、本開示による多層ポリマー反射体材料の顕微鏡写真である。
図4b】実施例に記載のように、クリア紫外線コートを加えることによるヘイズの低減を示す、本開示による多層ポリマー反射体材料の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、多層ポリマー反射体であって、a)複数の第1の光学層であって、それぞれの第1の光学層が、テレフタレートコモノマー単位とエチレングリコールコモノマー単位とを有するポリエステルを含み、ポリエステルがガラス転移温度を有し、それぞれの第1の光学層が配向されている、複数の第1の光学層と、b)複数の第1の光学層と交互に繰り返す順序で配設されている複数の第2の光学層であって、それぞれの第2の光学層が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とフッ化ポリビニリデン(PVDF)とのブレンドを含み、ブレンドが、第1の光学層を構成するポリエステルのガラス転移温度より低いガラス転移温度を有し、PMMA/PVDFブレンドのPVDFの量が約40%より高く、約65%以下である、複数の第2の光学層と、を備え、多層ポリマー反射体は、可視波長域で97.8%を超える反射率、及び可視波長域で50%未満の透過ヘイズ値を有する、多層ポリマー反射体を提供する。本開示はまた、かかる反射体を含む物品、具体的には、反射体が光源に近接して配置されている物品、太陽光を受けて反射するように反射体が使用される物品、又は太陽光への曝露を伴う屋外で使用される物品も提供する。
【0011】
本開示は、PMMA/PVDF比が60/40未満であり、最も典型的には50/50であるPMMA/PVDFブレンドの層と交互のPETの配向された層を備える多層ポリマー反射体に関する。本開示の反射体は、97.8%以上の反射率を達成する。理論に束縛されるものではないが、著者らは、本発明の反射体が、先行技術において予測されていた、製造中のアニール工程の使用による透明度の損失を伴わずにこの結果を達成すると考える。多くの実施形態において、本開示の反射体は、黄変に対する優れた抵抗性もまた示す。いくつかの実施形態では、鏡は、許容できないレベルのヘイズを導入することなく使用中の収縮の可能性を減少させるために、アニーリング後に追加の熱処理に供する場合がある。最後に、いくつかの実施形態では、光学的に透明な紫外線拒絶性アクリルコーティングの添加は、更に、黄変に対する抵抗性を増加させ、PETポリマーのヘイズの分離メカニズムを防ぐように作用する。
【0012】
本発明は、概して、光反射多層光学フィルム(多層光学フィルムなど)である多層ポリマー反射体、その製造、並びに鏡として及び光の方向づけ及び光提供物品としての多層光学フィルムの使用を目的とする。これらの多層光学フィルムは、多層光学フィルム、これらの多層光学フィルムを製造及び使用する方法、並びにこれらの多層光学フィルムを組み込んだ物品を含む。多層光学フィルムは、ある波長範囲にわたって光を反射する(例えば、可視、IR、又はUVスペクトルの全域又は一部であるが、最も典型的には、可視波長範囲の全域又は一部)。多層光学フィルムは、典型的には、共押出しされ、配向された多層構造物であり、少なくとも部分的に、処理、光学特性、機械的特性、耐久性、耐候性、及び経済性、並びに他の利点を提供できる材料の選択によって、これまでの光学体と異なる。本発明はそのように限定されるものではないが、下記で提供する実施例の考察を通じて本発明の様々な態様の理解が得られるであろう。
【0013】
用語「複屈折」は、直交x、y、z方向における屈折率の全てが同じでないことを意味する。本明細書で記載されるポリマー層においては、軸は、x及びy軸が層の平面内にあり、z軸が層の平面に対して直角であり、典型的には層の厚み又は高さに相当するように選択される。配向ポリマーにおいては、x軸は、一般に、最大屈折率を伴う面内方向となるように選択され、典型的には、光学体が配向される(例えば延伸される)方向の1つに相当する。
【0014】
用語「面内複屈折」は、面内屈折率(nとn)間の差の絶対値である。
【0015】
特に断りのない限り、用語「ポリマー」は、ポリマー及びコポリマー(すなわち、2つ以上のモノマーから形成されるポリマーであり、ターポリマー等を含む)、並びに例えば、エステル交換を含む、共押出し又は反応による混和性ブレンドに形成することができるポリマー又はコポリマーを含むことが理解されるであろう。特に断りのない限り、ブロック、ランダム、グラフト、及び交互コポリマーが包含される。
【0016】
全複屈折率及び屈折率値は、特に断りのない限り632.8nmの光に関して報告される。
【0017】
多層光学フィルム
特定の多層光学フィルムは、米国特許第7,141,297号及びそこに引用されている参照文献に記載されており、それらの全ては、本明細書中に参照として援用される。
【0018】
本開示において使用することができる多層光学フィルムは、1つ以上の第1の光学層と1つ以上の第2の光学層とを含み、任意に1つ以上の非光学層を含むことがある。非光学層は、スキン層として多層光学フィルムの表面上に配置されるか、又は光学層の間に配置される場合がある。第1及び第2の光学層、並びに任意に非光学層(存在する場合)は、例えば延伸によって共押出しされ、配向される。配向は、通常、第1若しくは第2の光学層又は両方の複屈折性により、多層光学フィルムの光学力(例えば、反射率)を有意に向上させる。
【0019】
光学層は、典型的には、交互に配置されて層の積層体を形成し、任意に、その積層体のスキン層の中に、又はそのスキン層として、1つ以上の非光学層が含まれる。典型的には、光学層は、交互の対として配列されて、異なる光学特性を有する層間の一連の界面を形成する。光学層は、典型的には1m以下の厚さであり、400nm以下の厚さを有することができる。光学層は、同じ厚さを有することができる。あるいは、多層光学フィルムは、反射波長範囲を大きくするために、異なる厚さを有する層を含んでもよい。
【0020】
多層光学フィルムは、多数の光学層を有してよい。好適な多層光学フィルムの例としては、約2〜5000の光学層を有するものが挙げられる。一般には、多層光学フィルムは約25〜700の光学層、典型的には、約50〜700の光学層又は約75〜700の光学層を有する。いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、700以下の第1及び第2の光学層を有する。いくつかの実施形態では、多層光学フィルムは、650以下の第1及び第2の光学層を有する。多層光学フィルムは、続いて光学体を形成するために結合される複数の積層体から製造することができることが理解されるであろう。
【0021】
第1及び第2の光学層と同様の光学層の追加的なセットもまた、多層光学フィルムに使用することができる。第1及び第2の光学層のセットのために本明細書に開示された設計原理は、光学層の任意の追加のセットに適用することができる。加えて、光学層の異なる反復パターンを使用することができる(例えば、A、B、及びCが異なる組成を有する光学層である「ABCBA...」)。そのようなパターンのいくつかは、参照として本明細書に援用される米国特許第5,360,569号に記載されている。
【0022】
多層光学フィルムの透過性及び反射特性は、第1の光学層と第2の光学層との間の屈折率差によって生じる光のコヒーレント干渉、並びに第1及び第2の層の厚さに基づいている。面内屈折率が第1の光学層と第2の光学層との間で異なるとき、隣接する第1の光学層と第2の光学層との間の界面は反射面を形成する。界面の反射能は、第1の光学層と第2の光学層との面内屈折率の差の二乗に依存する(例えば、(n10−n20(式中、n10は第1の光学層の面内屈折率であり、n20は第2の光学層の面内屈折率である))。
【0023】
鏡用途において、多層光学フィルムは、典型的には、両方の面内屈折率が層間で実質的に異なる(例えば、少なくとも0.04、多くの場合少なくとも0.1の差)第1の光学層と第2の光学層を含む(すなわち、n1x≠n2x及びn1y≠n2y(式中、n1x及びn1yは第1の光学層の面内屈折率であり、n2x及びn2yは第2の光学層の面内屈折率である))。偏光子用途において、多層光学フィルムは、典型的には、一方の面内屈折率が層間で実質的に異なり、他方の面内屈折率が実質的に類似している、第1及び第2の層を含む(例えば、n1x≠n2x及びn1y≒n2y)。好ましくは、実質的に類似している面内屈折率の差は約0.04以下である。偏光子用途に関しては、第1の光学層の面内複屈折率は、典型的には少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.15、より好ましくは少なくとも約0.2である。
【0024】
第1の光学層は、第1の光学層の面内屈折率(複数可)を上げるように一軸又は好ましくは二軸配向される複屈折ポリマー(好ましくは、正の複屈折を有するポリマー)を用いて作製され、それにより、第1の層と第2の層との屈折率の差を上げる。いくつかの実施形態では、第2の光学層は複屈折性(好ましくは、負の複屈折性)のポリマー層であり、一軸又は二軸配向されるポリマー層である。他の実施形態では、第2の光学層は、第1の光学層の面内屈折率の一方又は両方と典型的に異なる等方性の屈折率を有するポリマー層である(例えば、すべての方向において屈折率が実質的に同一である)。
【0025】
第1の光学層は、例えば第1の光学層を所望の1つ以上の方向に延伸することによって複屈折させることができる。例えば、第1の光学層は、2つの異なる方向に延伸することにより二軸配向にすることができる。2方向への光学層の延伸は、2つの選択された直交軸に純対称又は非対称の延伸を結果的にもたらすことができる。2方向の対称延伸は、実質的に類似している面内屈折率をもたらし得る(例えば、差が0.4以下)。2方向の延伸の代わりに、第1の光学層は、例えば層を一方向に延伸することによって一軸配向されてもよい。第2の直交方向を、その元の長さよりいくらか小さい値にネックインする(例えば、長さ、幅、又は厚さを減らす)のを可能にし得る。延伸方向は、典型的には面内軸(例えばx又はy軸)のいずれかに対応するが、他の方向を選択してもよい。
【0026】
典型的には、第1の光学層と第2の光学層との間の特定の界面の最も高い反射率は、一対の光学層の合計の光学厚さの2倍に相当する波長で生じる。光学厚さは、一対の光学層の下表面と上表面から反射される光線の通り道の長さにおける差である。光学フィルムの平面に対して90度で入射する光(通常、入射光)では、2層の光学厚さはn+n(式中、n、nは2層の面内屈折率であり、d、dは対応する層の厚さである)である。この等式λ/2=n+nを用いて、通常の入射光に対して光学層を調整することができる。他の角度では、光学的距離は、それらの層を通じて移動する距離(それらの層の厚さより大きい)、及び層の3つの光学軸のうちの少なくとも2つの光学軸の屈折率に依存する。光学層はそれぞれ4分の1波長の厚さでもよく、又は光学厚さの和が波長の半分(若しくはその倍数)である限り、光学層は異なる光学厚さを有してもよい。2つを超える光学層を有する多層光学フィルムは、ある波長範囲にわたって反射能を提供するために、異なる光学厚さを有する光学層を含むことができる。例えば、多層光学フィルムは、特定の波長を有する垂直入射光を最適に反射させるように個別に調整された層対又は層セットを含むことができるか、又はより大きい帯域幅にわたって光を反射させるために層対厚みの勾配を含んでもよい。
【0027】
これらの多層光学フィルムは、少なくとも1つの帯域幅にわたって光の一方又は両方の偏光を反射するように設計されてもよい。光学体内の光学積層体の層の厚さ及び屈折率は、(特定の入射角において)光の特定の波長のうちの少なくとも1つの偏光を反射する一方で、その他の波長に対しては透明であるように制御され得る。これらの層の厚さ及び様々な光学体軸に沿った屈折率の慎重な操作を通して、本発明の多層光学フィルムは、スペクトラムの1つ以上の区域にわたって鏡又は偏光子として機能するよう作製され得る。
【0028】
例えば、光学体は、可視鏡を形成するように可視光域の実質的に全域(約400〜750nm)にかけての光を反射するように設計され得る。可視鏡は、光の可視波長のみを反射し、IRを透過するコールドミラーであってもよく、あるいは、可視及びIR波長の両方を反射する広帯域ミラーであってもよい。可視鏡は、例えば、米国特許第5,882,774号及び国際公開第97/01774号に記載されており、コールドミラーは、例えば米国特許第5,339,198号及び同第5,552,927号に記載されており、これらの全ては参照として本明細書に援用される。コールドミラーに関しては、典型的な光学層の厚さは100〜200nmの範囲である。可視/IRミラーに関しては、典型的な光学層の厚さは100〜600nmの範囲である(1/4波長設計の場合)。
【0029】
別の実施形態は、赤外線(IR)の少なくとも一部分を反射する光学体である。約750〜1200nmまでの領域の光を反射するために、層は約185〜300nmの範囲の光学厚さを有する(反射することが所望される光の波長の4分の1)。例えば、本発明の光学体は、スペクトルのIR域の少なくとも一部分の光の両方の偏光を反射する一方で、スペクトルの他の部分にかけて透過性になるように調整することができる。このタイプの光学体をIRフィルムに使用して、例えば建物及び自動車の窓などから例えば太陽エネルギーを反射することができる。好ましくは、これらの用途でのIRフィルムは可視光の大部分を透過し、より好ましくは、色の出現を避けるために可視範囲にわたって実質的に均一の透過スペクトルを有する。IRフィルムの更なる説明及びフィルム構成の例は、国際公開第97/01778号、同第99/36808号、及び米国特許第5,360,659号に記載されており、これらの全ては参照として本明細書に援用される。
【0030】
また別の実施形態は、可視範囲の一部分のみにわたって光を反射する多層光学フィルムである。これらの光学体は、視角が変化するにつれて反射の波長域もまた変化するので、変色フィルムとして使用することができる。変色フィルムの更なる説明、動作原理、及びフィルム構成の例は、国際公開第99/36257号及び同第99/36258号に記載されており、これらの両方を参照として本明細書に援用する。これらの光学体を調整して、少なくとも1つの反射帯域の一方又は両方の側で鋭いバンドエッジを呈するようにして、本明細書に参照として援用する国際公開第99/36809号に記載されているように、所望の場合には鋭角で高度の色飽和を与えることができる。
【0031】
第1の光学層
第1の光学層は、典型的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はそのコポリマー若しくはブレンドの配向可能なフィルムである。適したコポリマーの例は、例えば、国際公開第99/36262号及び同時係属米国特許第09/399,531号に記載されており、これらの両方は参照として本明細書に援用される。
【0032】
第1の光学層に使用する材料の好ましい特性としては、1)複屈折(好ましくは正複屈折)、2)熱安定性、3)第2の光学層の材料と適合性のある処理温度、4)紫外線に対する安定性又は保護性、5)高い透明度(例えば、高い透過度及び低い吸光率)、6)歪み誘起複屈折を提供する第2の光学層と適合性のあるガラス転移温度、7)第2の光学層の材料と一致する粘性を可能にする粘性範囲、8)第2の光学層との良好な層間接着、9)低分散、10)第2の光学層と一致する良好なz指数、及び11)延伸性(例えば伸長される能力)が挙げられる。その他の因子としては、コスト及び市販入手可能性が挙げられる。
【0033】
PET、PETのコポリマー及びブレンド、並びに上記のその他のポリマーは、例えば、第1の光学層を所望の1つ以上の方向に延伸することによって複屈折にすることができる。配向は、通常、ポリマーのガラス転移温度より高い温度で達成されるが、例えば本明細書に参照として援用する同時係属米国特許出願第09/399,531号に記載されているように、低い結晶度のいくつかのコポリマーをガラス転移温度以下で配向することも可能である。
【0034】
ポリエチレンテレフタレート(PET)の単軸配向は、配向方向におけるPETの屈折率を1.57から1.69まで上げることができる。PETの二軸配向は、配向方向におけるPETの屈折率を1.57から1.65まで上げることができる一方で、zの屈折率を1.50に低下させるので、面内の屈折率とz軸の屈折率との間の複屈折を0.13〜0.15にする。
【0035】
これらのポリマーに対して得られる複屈折の量及び屈折率の変化量は、例えば、伸長比、配向温度、及びポリマーが単軸又は二軸のどちらで配向されるかなど、様々な因子に依存する。典型的には、伸長比が大きいほど屈折率の変化が大きくなる。しかしながら、実現可能な伸長比は配向温度によって制限される場合がある。
【0036】
典型的には、比較的結晶質の材料に関しては、配向温度はガラス転移温度より高い。一般には、ポリマーが伸長されたときに過度の歪み硬化を呈し、亀裂する又は微小空隙を形成することがあるために、配向温度がガラス転移温度に近いほど、実現可能な伸長比は低くなる。しかしながら、一般には、配向温度がガラス転移温度に近いほど、所与の伸長比に対する屈折率の変化は大きくなる。このため、ポリマーのガラス転移温度より実質的に高い(例えば20℃又は30℃)の温度でポリマーを伸長することは、典型的には、所与の伸長比に対する屈折率の変化を実質的に少なくする。このため、所望の屈折率の変化を実現するには、伸長比と配向温度との間のバランスが必要とされる。
【0037】
材料の選択は、多層光学フィルムの光学特性及び物理的特性に影響し得る。PETのようなポリエステルは、カルボキシレート及びグリコールのサブユニットを含み、例えば(a)カルボキシレートモノマーとグリコールモノマーの反応、又は(b)エステル交換によって生成することができる。各カルボキシレートモノマーは、2つ以上のカルボン酸又はエステル官能基を有し、各グリコールモノマーは、2つ以上のヒドロキシ官能基を有する。ポリエステルは、1種類のカルボキシレートモノマーか、又は2種類以上の異なるカルボキシレートモノマーを使って形成することができる。グリコールモノマーについても同じである。
【0038】
ポリマー層又はフィルムの特性は、モノマーの特定の選択によって異なる。PETは、テレフタル酸又はそのエステルから形成されるカルボキシレートサブユニットを含む。
【0039】
PETは、エチレングリコールを使って形成されたグリコールサブユニットを含む。PETのグリコールサブユニットを形成するための好適なグリコールコモノマーとしては、プロピレングリコール;1,4−ブタンジオール及びそのアイソマー;1,6−ヘキサンジオール;ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール;ジエチレングリコール;トリシクロデカンジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール及びその異性体;ノルボルナンジオール;ビシクロ−オクタンジオール;トリメチロールプロパン;ペンタエリトリトール;1,4−ベンゼンジメタノール及びその異性体;ビスフェノールA;1,8−ジヒドロキシビフェニル及びその異性体;及び1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンが挙げられる。
【0040】
一方、PETは、320nmで光を吸収し、テールは370nmまで延びる。このため、UV保護コーティング又は添加剤が可視範囲まで延びる必要はないであろう。この能力は、IR光を反射し可視光を透過するように設計された多層光学フィルム(例えば、建物及び自動車の窓のための太陽光反射フィルム)、又は可視範囲の特定の帯域のみを反射し他のすべての光を透過するように設計された光学体を調製する場合に、とりわけ重要である。
【0041】
適したPET含有多層光学フィルムは、様々な構成において形成することが可能である。とりわけ有用なPETベースの材料としては、約90℃以下又は約80℃又は70℃以下のガラス転移温度を有するPET又はPETコポリマー若しくはブレンドが挙げられる。典型的には、これらのPETベースの材料で最も有用なものは、ナフタレンジカルボキシレート(NDC)モノマーを含まない、又は実質的に含まない。そのような構成体において、第2の光学層の材料もまた、一般には、約90℃以下のガラス転移温度を有する材料を含む。適した第2の光学層の材料の中には、ポリアクリレート及びアリファティックポリオレフィンがあり、これらのポリマーと他の材料及びコポリマーとのブレンドも含まれる。あるいは、第1の光学層を、NDCモノマーを実質的に含まない、少なくとも約100℃又は少なくとも120℃のガラス転移温度を有する、PETのコポリマー又はブレンドを用いて形成してもよい。そのような構成体において、第2の光学層の材料は、一般には、少なくとも約100℃のガラス転移温度を有する材料も含むであろう。
【0042】
あるいは、より高いガラス転移温度を有する第2のポリマーとPETを混合することによって、PETのガラス転移温度を上げてもよい。PETと第2のポリマーとの混合には、ポリマーブレンドを形成するための混和性混合、又はコポリマーを形成するための反応性混合(例えばエステル交換によって)が含まれる。例えば、PETは、130℃以上のガラス転移温度を有する第2のポリマー、又は160℃以上のガラス転移温度を有する第2のポリマー、又は更には200℃以上のガラス転移温度を有する第2のポリマーとブレンドすることができる。適した第2のポリマーの例としては、例えば、PEN(T=130℃)、ポリカーボネート(T=157℃)、ポリアリレート(T=193℃)、又はポリエーテルイミド(T=218℃)が挙げられる。
【0043】
あるいは、例えばテレフタル酸及びエチレングリコールなどPETのモノマー材料を、PEN、ポリカーボネート、及びポリアリレートのようなより高いガラス転移温度を有する第2のポリマーに対応するモノマー材料と共重合してコポリマーを形成してもよい。例えば、PETは、130℃以上のガラス転移温度を有する第2のポリマー、又は160℃以上のガラス転移温度を有する第2のポリマー、又は更には200℃以上のガラス転移温度を有する第2のポリマーに対応するモノマー材料と共重合することができる。
【0044】
その他のPETのコポリマーもまた使用することができ、それらには(i)カルボキシレートモノマー材料、例えば、イソフタル酸;フタル酸;アゼライン酸;アジピン酸;セバシン酸;ジカルボン酸ノルボルネン;バイシクロオクタンジカルボン酸;1,6−シクロヘキサンジカルボン酸及びその異性体;T−ブチルイソフタル酸;トリメリット酸;スルホン化イソフタル酸ナトリウム;2,2’−ビフェニルジカルボン酸及びその異性体;及び、メチル又はエチルエステルなど、これらの酸の低級アルキルエステル、並びに、(ii)グリコールモノマー材料、例えば、プロピレングリコール;1,4−ブタンジオール及びその異性体;1,6−ヘキサンジオール;ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール;ジエチレングリコール;トリシクロデカンジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール及びその異性体;ノルボルナンジオール;ビシクロ−オクタンジオール;トリメチロールプロパン;ペンタエリトリトール;1,4−ベンゼンジメタノール及びその異性体;ビスフェノールA;1,8−ジヒドロキシビフェニル及びその異性体;及び1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを組み込むものが挙げられる。
【0045】
第2の光学層
第2の光学層は、フィルムの所望の動作に少なくとも部分的に応じて、様々な光学的及び物理的特性とともに調製することができる。第2の光学層の好ましい特性としては、例えば、1)等方性の複屈折又は負の複屈折性、2)熱安定性、3)第1の光学層の材料と適合性のある処理温度、4)紫外線に対する安定性又は保護性、5)高い透明度(例えば、高い透過度及び低い吸光率)、6)歪み誘起複屈折性を提供する第1の光学層と適合性のあるガラス転移温度、7)第1の光学層の材料と一致する粘性を可能にする粘性範囲、8)第1の光学層との良好な層間接着、9)低分散、10)第1の光学層と一致する良好なz指数、及び11)延伸性(例えば伸ばされる能力)が含まれる。その他の因子としては、コスト及び市販入手可能性が含まれる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第2の光学層は、第1の光学層の配向に使用される条件下で延伸されたときに評価可能に光学的に配向しないポリマー材料で作製される。そのような層は、例えば共押出しによって層の積層体を形成することを可能にし、次いで第1の光学層を配向するように延伸して、その一方で第2の光学層を比較的等方性(例えば、0.05以下の面内複屈折)のままにすることができるので、反射光学体の形成において特に有用である。他の実施形態では、第2の光学層は配向可能であり、かつ(第1の光学層が正の複屈折性であるときに)好ましくは負の複屈折性であるので、配向とともに面内複屈折指数は減少する。
【0047】
第1及び第2の光学層のための材料の選択では様々な考慮事項がある。これらの考慮事項の重要性は、通常、所望の光学特性及び光学体の用途に依存する。考慮事項の1つは、第2の光学層のガラス転移温度である。典型的には、第1及び第2の光学層の材料は、第2の光学層のガラス転移温度が第1の光学層のガラス転移温度より実質的に高くならないように選択される。より好ましくは、第2の光学層のガラス転移温度は、第1の光学層のガラス転移温度以下である。第2の光学層のガラス転移温度が高すぎる場合、第1の光学層のガラス転移温度の近くの好適な配向温度における第1の光学層の配向が、第2の光学層に過度の歪み硬化を引き起こす場合がある。これは、例えば亀裂又は微小空隙の導入によって、第2の光学層の光学的質を低減する場合がある。光学層のガラス転移温度は、個々の成分のガラス転移温度ではなく、光学層を形成するために使用される成分のガラス転移温度として定義される。
【0048】
別の考慮事項は、第1の光学層と第2の光学層との間のz軸屈折率の差である。それら2つの層のz軸屈折率が等しいとき、p偏光の反射率は、光の入射角に依存しない。視角の範囲にわたって反射率の均一性が所望されるとき、この特徴は有用である場合がある。このような実施形態では、第1の光学層と第2の光学層との間のz軸屈折率の差は、好ましくは約0.04以下であり、材料の選択によって、その差を約0.02以下又は約0.01以下にすることができる。
【0049】
別の考慮事項は、第2の光学層に使用するために選択されるポリマーの分解温度である。典型的なPETの共押出し処理温度は約250℃を超える。第2の光学層の成分の分解は、例えば、変色及びゲル形成領域のような光学体の欠陥をもたらす場合がある。許容できない特性を分解がもたらさない場合、処理温度で分解する材料でも使用することができる。
【0050】
第2光学層は、様々なポリマー組成物を用いて作製され得る。特定の光学体構成に関して好適なポリマーの説明を以下に記載する。
【0051】
本発明の一態様は、低屈折率材料として第2の光学層にポリメチルメタクリレート/ポリフッ化ビニリデンブレンド(PMMA/PVDF)を利用する。PMMA/PVDFブレンドは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)並びにそのブレンド及びコポリマーのような芳香族ポリエステルなど、高屈折率のポリエステル材料との使用にとりわけ有用である。
【0052】
多層光学フィルムに使用されるポリマーは、散乱又は吸収によって光が失われないように透明でなくてはならない。多くの用途が、光と光学フィルムとの間の複数の相互作用を伴い、これが散乱及び吸収の悪影響を増大する。PMMAのような光学ポリマーは、スペクトルの可視領域での透過性が92%であり、ほとんどの目的に関して十分に透明であると考えられる。PVDFの透過性は96%である。PMMA/PVDF混和性ブレンドは、PMMAよりも高い透過性(透明度)を有する。
【0053】
PMMA/PVDF混和性ブレンドは、PVDFの低屈折率(n=1.42)のために、PMMA(n=1.49)より低い屈折率を有する。屈折率の差が大きいほど多層フィルムの光学力は大きくなる。PMMA/PVDF(60/40)(重量百分率)混和性ブレンドの屈折率は、約1.458である。PMMAと比較して、PMMA/PVDFブレンドによって提供される、より大きい屈折率の差はまた、カラーリークを有意に抑え、より高い反射性をもたらす。
【0054】
PETを使用する多層フィルムは、これらのポリエステルの高い融点のために、高い共押出し温度(約250℃以上)を必要とする。熱的に安定でない第2の光学層は、分解に伴う粘性損失のために、多層フィルムに流れの不安定性を引き起こす場合がある。分解生成物もまた、光学フィルムのポイント不良又は変色をもたらす場合がある。PMMA/PVDF混和性ブレンドは、PMMAよりも熱的に安定である。
【0055】
このため、PVDFとPMMAとを配合することによって、改善された特性を有する低屈折率の材料(第2の光学層のための)が実現される。そのようなブレンドはPMMAと比較してより低い屈折率及びより低いガラス転移温度を有する一方で、透明度、粘性、熱安定性、及び層間接着のような特性の好適なパフォーマンスを少なくとも維持する。具体的には、これらのブレンドは、高屈折率の材料(第1の光学層のための)としてPETと共押出しされたときに、卓越した透明度(例えば透過率>90%)、低屈折率(n≦1.49)、高屈折率の材料の粘性と類似した粘性、250℃を超える温度での熱安定性、高屈折率の材料のガラス転移温度より低いガラス転移温度(T)、及び高屈折率の材料との良好な層間接着のような特性を呈する。
【0056】
低屈折率の材料を提供するためにこのブレンドに使用される特定のPMMA及びPVDFは、それらの材料が十分に互いに混和性であり、結果的に得られるブレンドが高屈折率の材料と共押出しされて、多層フィルムを形成することができる限りは、限定されない。例えば、ICI Americas,Inc.(デラウエア州Wilmington)によりPerspex(商標)CP80及びCP82の商品名で市販されているPMMA、及びSolwayによりSolef(商標)1008/0001の商品名で市販されているPVDFは、PETの高屈折率の材料との使用に有用である。
【0057】
このブレンドに使用されているPVDFの量は、約40重量%より高く、より典型的には、約50%である(すなわち、50/50のPMMA/PVDFブレンド)。
【0058】
非光学層
1つ以上の非光学層は、例えば、処理中及び/又は後の物理的損傷から光学層を保護するために、積層体の少なくとも1つの表面を覆う1つ以上のスキン層として形成することができる。加えて、又は代わりに、1つ以上の非光学層は、例えば、積層体により大きい機械強度を提供するために、又は処理中に積層体を保護するために、層の積層体内に形成することもできる。
【0059】
非光学層は、理想的には、少なくとも目的の波長域(例えば可視IR又はUV波長域)にわたっては、多層光学フィルムの光学特性の決定に有意に影響しない。非光学層は、複屈折又は配向性であっても、そうでなくてもよい。典型的には、非光学層がスキン層として使用されるとき、少なくともいくらかの表面反射が存在する。光の高透過率が望まれる少なくともいくつかの用途では、非光学層は、表面反射(例えば虹色)を減らすために比較的低い屈折率(例えば1.6以下、又は好ましくは1.5以下)を好ましくは有する。光の反射性が望まれる他の用途では、非光学層は、多層光学フィルムの反射率を上げるために、比較的高い屈折率(例えば少なくとも1.6、より好ましくは少なくとも1.7)を好ましくは有する。
【0060】
非光学層が積層体内に見出されるとき、典型的には、非光学層と隣接する光学層と組み合わせた非光学層によって、少なくともいくらかの光の偏光、又は反射が存在する。しかしながら、少なくともいくつかの例では、非光学層は、積層体内の非光学層によって反射された光が、可視光を反射する光学体についての関心領域外の波長、例えば、赤外線領域内の波長を有するような厚さを有するように、選択することができる。非光学層の厚さは、個別の光学層の1つの厚さの少なくとも2倍、典型的には少なくとも4倍であり、多くの場合には少なくとも10倍であってよい。特定の厚さを有する光学フィルムを作成するために、非光学層の厚さを変更することができる。典型的には、1つ以上の非光学層は、光学層によって透過、偏光及び/又は反射される光の少なくとも一部もまた、当該非光学層を通って伝わるように定置される(即ち、非光学層は、光学層を通って伝わる又は光学層によって反射される光路内に定置される)。
【0061】
非光学層は、第1及び第2の光学層に使用されているポリマーのいずれかを含むポリマーから形成され得る。幾つかの実施形態では、非光学層に選択される材料は、第2の光学層に選択された材料と類似しているか又は同じである。非光学層には、例えば、多層光学フィルムの耐引裂性、耐穿刺性、靭性、耐候性及び耐溶剤性などの特性を付与するか又は改善する材料が選択されてもよい。
【0062】
その他の層及びコーティング
本発明の多層光学フィルムに様々な機能的な層又はコーティングを加えて、特に多層光学フィルムの表面に沿って、それらの物理的又は化学的特性を変更又は改善することができる。このような層又はコーティングとしては、本明細書に参照として援用される国際公開第97/01440号に記載のように、フィルム又は装置の機械的完全性又は強度を改善するように設計された、例えば、スリップ剤、低接着性裏面材料、導電層、帯電防止コーティング若しくはフィルム、バリア層、難燃剤、UV安定剤、耐摩耗性材料、光学コーティング、及び/又は基板が挙げられる。二色性偏光フィルムは、また、参照として本明細書に援用される国際公開第95/17691号、同第99/36813号、及び同第99/36814号に記載されているように、多層光学フィルムにコーティングすること、又は多層光学フィルムと共押出しすることができる。
【0063】
製造
多層光学フィルムを形成するための一方法の簡潔な説明が提供される。プロセス条件及び考慮事項のより完全な記述は、参照として本明細書に援用されるPCT公開第99/36248号、同第99/06203号、及び同第99/36812号に見出される。
【0064】
多層光学フィルムの製造における最初の工程は、第1及び第2の光学層、並びに非光学層の形成に使用されるポリマーの生成である(ポリマーが市販されている場合は除く)。典型的には、これらのポリマーは共押出しによって形成されるが、他のポリマー形成方法を使用してもよい。押出し条件は、ポリマー樹脂送達流を連続的及び安定的な方法で、適切に送達、溶解、混合及びポンプ移送するように選択される。最終溶解流温度は、範囲の下限における凍結、結晶化又は不当に高い圧力低下を減らし、かつ範囲の上限における分解を減らす範囲内で選択される。2つ以上のポリマーの、冷却ロールでのフィルムキャスティングまでを含む溶解流のプロセス全体は、共押出しと呼ばれることが多い。
【0065】
好ましくは、第1の光学層、第2の光学層、及び非光学層のポリマーは、共押出できるように、類似したレオロジー特性(例えば溶融粘度)を有するように選択される。典型的には、第2の光学層及び非光学層は、第1の光学層のガラス転移温度を約30℃未満で超えるか、又はガラス転移温度を約30℃以下で超えるいずれかのガラス転移温度T,を有する。好ましくは、第2の光学層のガラス転移温度及び非光学層は、第1の光学層のガラス転移温度より低い。
【0066】
押出しの後に、それぞれの溶融流は、ポリマー流量を連続的かつ均一に調節するために使用されるギアポンプに搬送される。静的混合装置は、均一な溶融ストリーム温度を有する多層フィードブロックにギアポンプからのポリマー溶融流を搬送するために使用することができる。溶融流全体は通常、溶融流の均一流量を向上すること、及び溶解処理中の分解を低減することの両方を可能にするように均一に加熱される。
【0067】
多層フィードブロックは、2つ以上のポリマーの各層を多くの層へと分割し、これらの層を交互配置し、多くの層を合わせて単一の多層流にする。任意の所与の溶解流から生成される層は、主流路からフィードブロック多岐管の層スロットに続く側路管に連続的に溶解流の一部分を流出することによって生成される。層の流れは、個々の側路管及び層スロットの形状並びに物理寸法に加えて、機械装置を選択することによって制御され得る。
【0068】
2つ以上の溶融流の側路管及び層スロットは、多くの場合、交互に配置されて交互の層を形成する。フィードブロックの下流側多岐管は、典型的には、一体化された多層積層体の層を横方向に圧縮し、均一に広げるように成形される。保護境界層(PBL)として既知の厚い非光学層は、光学多層積層体の溶融流を用いて、又は分離した溶融流によって、多岐管の壁の近くに供することができる。上記のように、非光学層を使用して、より薄い光学層を、壁応力の影響とその結果生じる可能性のある流れの不安定性から保護することができる。
【0069】
フィードブロック多岐管から出てくる多層積層体はダイなどの最終形成ユニットに入る。あるいは、ストリームを、積層体内の層に対して好ましくは垂直に分割して、積み重ねることによって再び一緒にすることができる2つ以上の多層のストリームを形成してもよい。このストリームを、層に垂直以外の角度で分割してもよい。ストリームを分割し積み重ねるフローチャネリングシステムは、マルチプライヤーと呼ばれる。分割されたストリームの幅(すなわち個々の層の厚さの合計)は等しくても、等しくなくてもよい。マルチプライヤー比は、より幅広のストリームの幅のより狭いストリームの幅に対する比率として定義される。等しくないストリーム幅(すなわち、1より大きいマルチプライヤ比)は、層厚勾配を作るのに有用である場合がある。等しくないストリーム幅の場合、マルチプライヤーは、積み重ねたときの層の幅が同じになるように、より狭いストリームを広げる、かつ/又はより広いストリームを厚さ及び流れ方向に対して横方向に圧縮することができる。
【0070】
マルチプライヤー処理の前に、追加の非光学層を多層積層体に追加することができる。これらの非光学層は、マルチプライヤーの中でPBLとして働くことができる。マルチプライヤー処理及び積み重ねの後に、これらの層のいくつかは光学層の間に内部境界層を形成する一方で、それら以外の層はスキン層を形成する。
【0071】
マルチプライヤー処理の後、ウェブは最終形成装置に送られる。次いでそのウェブを、鋳造ホイール又は鋳造ドラムと称されることもある冷却ロール上で鋳造する。この鋳造は、多くの場合、静電ピニングにより支援されるが、その詳細はポリマーフィルム製造の技術分野で周知である。ウェブは、ウェブ全体にわたり均一の厚さに鋳造され得るか、あるいは、ダイの縁の制御を用いて、ウェブの厚さの意図的なプロファイリングを行ってもよい。
【0072】
多層ウェブを、次いで、単軸又は二軸で伸長して、最終多層光学フィルムを生成する。単軸伸長は、幅出機又は長さ配向装置で実施される。二軸伸長は、通常、両方のタイプの設備を含む。典型的な幅出機は、ウェブ通路に対して横方向(TD)に伸長されるが、特定の幅出機は、寸法的にウェブ通路又は機械方向(MD)にフィルムを伸長する、又は弛緩する(収縮する)ための機構で装備される。長さ配向装置は、機械方向に伸長する。
【0073】
例えば、面内両方向に複屈折材料を配向するために、2工程伸長プロセスが使用される。伸長プロセスは、面内二方向への伸長を可能にする上記の単一工程プロセスの任意の組み合わせであってよい。加えて、機械方向に沿った伸長を可能にする幅出機、例えば、連続して、又は同時に二方向に伸長することができる二軸幅出機が使用され得る。この後者の場合、単一の二軸伸長プロセスが使用され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、後の処理又は使用の前にフィルムをアニールする。典型的には、フィルムは、70〜95℃のアニール温度でアニールされる。典型的には、フィルムは、80〜95℃の温度で少なくとも20秒間アニールされる。より典型的には、フィルムは、80〜95℃の温度で少なくとも25秒間アニールされる。より典型的にはフィルムは、80〜95℃の温度で少なくとも30秒間アニールされる。より典型的にはフィルムは、80〜95℃の温度で少なくとも35秒間アニールされる。いくつかの実施形態では、フィルムは、摂氏70〜95度の温度で少なくとも2分間アニールされる。いくつかの実施形態では、フィルムは、摂氏70〜95度の温度で少なくとも1時間アニールされる。いくつかの実施形態では、フィルムは、アニール工程中に、いずれの次元も無張力下で保持される。いくつかの実施形態では、フィルムは、アニール工程中に、少なくとも1つの面内の次元において無張力下で保持される。いくつかの実施形態では、フィルムは、アニール工程中に、1つの面内次元において無張力下で保持され、垂直面内の次元において低張力で保持される。
【0075】
いくつかの実施形態では、本発明による多層ポリマー反射体は、建物、歩道、橋などの建築構造物に取り付けられる反射パネルを形成するために使用される。パネルは、本開示による多層ポリマー反射体、及び建築構造物に取り付けるために適応された支持要素を含む場合がある。支持要素は、フレーム部材、取付ブラケット、接着剤、コネクタ、取り付けピン、アンカーなど、及びそれらの任意の組み合わせから選択される要素を含む場合がある。多層ポリマー反射体は、可視波長で半鏡面である場合がある。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、可視波長で少なくとも50%鏡面である。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、可視波長で90%以下の鏡面である。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、可視波長で80%以下の鏡面である。いくつかの実施形態では、多層ポリマー反射体は、可視波長で70%以下の鏡面である。いくつかの実施形態では、2つ以上の反射パネルを2つの建築構造物の間又は単一の建築構造物の2つの部分の間に形成される隙間の両側に取り付けて、その隙間の頂部からその隙間のより下の場所への太陽光の伝播を増加させる。いくつかの実施形態では、隙間は、単一の建物の中庭、エアシャフト、又は凹部である。いくつかの実施形態では、隙間は、2つ以上の建築構造物の間に形成された中庭、エアシャフト、凹部、路地、又は分離である。いくつかの実施形態では、2つ以上の反射パネルは、少なくとも2つの対向する表面に取り付けられる。いくつかの実施形態では、反射パネルは、少なくとも2つの対向する表面の面積の少なくとも50%に取り付けられる。いくつかの実施形態では、2つ以上の反射パネルは、少なくとも2つの対向かつ実質的に平行な表面に取り付けられる。いくつかの実施形態では、反射パネルは、少なくとも2つの対向かつ実質的に平行な表面の面積の少なくとも50%に取り付けられる。いくつかの実施形態では、4つ以上の反射パネルは、少なくとも2対の対向する表面に取り付けられる。いくつかの実施形態では、反射パネルは、少なくとも2対の対向する表面の面積の少なくとも50%に取り付けられる。いくつかの実施形態では、4つ以上の反射パネルは、少なくとも2対の対向かつ実質的に平行な表面に取り付けられる。いくつかの実施形態では、反射パネルは、少なくとも2対の対向かつ実質的に平行な表面の面積の少なくとも50%に取り付けられる。
【0076】
選択実施形態
以下の番号が付された実施形態は、本開示を更に例示することを意図しているが、本開示を不当に限定するように解釈されるべきではない。
【0077】
1.多層ポリマー反射体であって、
a)複数の第1の光学層であって、それぞれの第1の光学層が、テレフタレートコモノマー単位とエチレングリコールコモノマー単位とを有するポリエステルを含み、前記ポリエステルがガラス転移温度を有し、それぞれの第1の光学層が配向されている、複数の第1の光学層と、
b)前記複数の第1の光学層と交互に繰り返す順序で配設されている複数の第2の光学層であって、それぞれの第2の光学層が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とフッ化ポリビニリデン(PVDF)とのブレンドを含み、前記ブレンドが、前記第1の光学層を構成する前記ポリエステルのガラス転移温度より低い前記ガラス転移温度を有し、前記PMMA/PVDFブレンドのPVDFの量が約40%高く、約65%以下である、複数の第2の光学層と、を備え、
前記多層ポリマー反射体は、可視波長域で97.8%を超える反射率、及び可視波長域で50%未満の透過ヘイズ値を有する、多層ポリマー反射体。
2.前記PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量が45%を超えている、実施形態1に記載の多層ポリマー反射体。
3.前記PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量が約50%以上である、実施形態1に記載の多層ポリマー反射体。
4.前記PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量が約50%である、実施形態1に記載の多層ポリマー反射体。
5.前記多層ポリマー反射体が、98.0%を超える反射率を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
6.前記多層ポリマー反射体が、98.2%を超える反射率を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
7.第1の層と第2の層との合計数が700以下である、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
8.第1の層と第2の層との合計数が650以下である、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
9.前記多層ポリマー反射体が、摂氏120度の温度への15分間の曝露後に幅と長さとの合計で1.5%未満の収縮率を示す程度に、使用中の収縮に抵抗する、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
10.前記多層ポリマー反射体が、1.0%未満の収縮率を示す、実施形態9に記載の多層ポリマー反射体。
11.前記多層ポリマー反射体が、0.5%未満の収縮率を示す、実施形態9に記載の多層ポリマー反射体。
12.前記多層ポリマー反射体が、0.2%未満の収縮率を示す、実施形態9に記載の多層ポリマー反射体。
13.前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で46%未満の透過ヘイズ値を有する、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
14.前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で42%未満の透過ヘイズ値を有する、実施形態13に記載の多層ポリマー反射体。
15.前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で30%未満の透過ヘイズ値を有する、実施形態13に記載の多層ポリマー反射体。
16.前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で20%未満の透過ヘイズ値を有する、実施形態13に記載の多層ポリマー反射体。
17.前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で10%未満の透過ヘイズ値を有する、実施形態13に記載の多層ポリマー反射体。
18.前記第1の光学層と第2の光学層とが共押出しされる、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
19.前記第1の光学層が二軸配向される、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
20.前記多層ポリマー反射体が、少なくとも30秒間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
21.前記多層ポリマー反射体が、少なくとも30秒間、摂氏80〜95度のアニーリング温度でアニールされる、実施形態20に記載の多層ポリマー反射体。
22.前記多層ポリマー反射体が、少なくとも35秒間、摂氏80〜95度のアニーリング温度でアニールされる、実施形態20に記載の多層ポリマー反射体。
23.前記多層ポリマー反射体が、少なくとも2分間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる、実施形態20に記載の多層ポリマー反射体。
24.前記多層ポリマー反射体が、少なくとも1時間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる、実施形態20に記載の多層ポリマー反射体。
25.光学的に透明なUV拒絶アクリルコーティング層を追加的に備える、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
26.接着剤層を追加的に備える、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
27.可視波長で鏡面又は半鏡面である、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
28.可視波長で少なくとも50%鏡面である、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体。
29.物品であって、
a)光源と、
b)前記光源が発する光を反射するように位置づけられた実施形態1〜28のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体と、を備える、物品。
30.前記光源がLEDである、実施形態29に記載の物品。
31.照明器具である、実施形態29又は30に記載の物品。
32.電球である、実施形態29又は30に記載の物品。
33.太陽光を受けて反射するように位置づけられた実施形態1〜28のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体を備える、物品。
34.直射日光を受けて反射するように位置づけられた実施形態1〜28のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体を備える、物品。
35.集中太陽光を受けて反射するように位置づけられた実施形態1〜28のいずれか1つに記載の多層ポリマー反射体を備える、物品。
36.屋外用途のために設計された、実施形態29〜35のいずれか1つに記載の物品。
37.屋外用途のために取り付けられた、実施形態29〜35のいずれか1つに記載の物品。
38.前記多層ポリマー反射体が周囲屋外光に直接曝露される、実施形態29〜37のいずれか1つに記載の物品。
39.前記多層ポリマー反射体が、周囲屋外光及び周囲外気に直接曝露される、実施形態29〜37のいずれか1つに記載の物品。
40.屋外用途のために取り付けられた、実施形態1〜28のいずれか1つに記載のフィルム。
41.前記多層ポリマー反射体が周囲屋外光に直接曝露される、実施形態40に記載のフィルム。
42.前記多層ポリマー反射体が、周囲屋外光及び周囲外気に直接曝露される、実施形態40に記載のフィルム。
43.建築構造物に取り付けるために適応された支持要素を追加的に備える、請求項33に記載の物品である反射パネル。
44.前記多層ポリマー反射体が、可視波長で少なくとも50%鏡面であり、可視波長で90%以下の鏡面である、請求項43に記載の反射パネル。
45.前記多層ポリマー反射体が、可視波長で少なくとも50%鏡面であり、可視波長で80%以下の鏡面である、請求項43に記載の反射パネル。
46.請求項43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記2つ以上の反射パネルが、建築構造物の少なくとも2つの対向する表面に取り付けられる、配置。
47.請求項43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記2つ以上の反射パネルが、2つ以上の建築構造物の少なくとも2つの対向する表面に取り付けられる、配置。
48.請求項43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記反射パネルが、建築構造物の少なくとも2つの対向かつ実質的に平行な表面の少なくとも50%に取り付けられる、配置。
49.請求項43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記反射パネルが、2つ以上の建築構造物の少なくとも2つの対向かつ実質的に平行な表面の少なくとも50%に取り付けられる、配置。
50.請求項43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記反射パネルが、少なくとも2対の対向かつ実質的に平行な表面の少なくとも50%に取り付けられる、配置。
【0078】
本開示の目的及び利点は以下の実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な物質及びそれらの量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0079】
特に断らない限り、すべての試薬はAldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI)より入手したか、又は販売されるものであり、あるいは公知の方法で合成することができるものである。
【0080】
以下のフィルムは、上記の方法により、2つの光学層材料の共押出し及び二軸配向によって作製した。
【0081】
「ESR」は、265 PENの第1の光学層と265 PMMAの第2の光学層とがインタリーブ方式で交互になっており、追加的に、99.50%の反射率及び約2.6ミル(66μm)の物理的キャリパーを有するPENの外側スキン層で構成された、比較フィルムである。
【0082】
「DESR」は、ESRと、追加的なアクリルUVコーティングとで構成された、比較フィルムである。
【0083】
「PETb−ESR」は、325 PETの第1の光学層と325 PMMA/PVDF(50/50)の第2の光学層とがインタリーブ方式で交互になっており、追加的に、約98パーセントの反射率及び約3.2ミル(81μm)の物理的キャリパーを有するPETの外側スキン層で構成された、例示フィルムである。
【0084】
「PETb−DESR」は、PETb−ESRと、追加的なアクリルUVコーティングとで構成された、例示フィルムである。
【0085】
平均反射率
反射率は、ASTME 1164−02/E308−01に従って、4つの異なるPETb−ESRの例と2つの比較フィルム(PETb−ESRと類似しているが第2の光学層がPMMA/PVDF(70/30)である「PETb−ESR30」、及び、PETb−ESRと類似しているが第2の光学層がPMMA/PVDF(60/40)である「PETb−ESR40」のフィルム)について、Lambda 1050分光計を使用して、可視範囲で測定した。これらのフィルムのいずれもアニールされておらず、熱処理もされていない。結果を表Iに報告する。
【0086】
【表1】
【0087】
PET系のESRフィルムの紫外線低効性
紫外線抵抗性は、比較ESRフィルム及びDESRフィルム、並びに例示PETb−ESR(2例)及びPETb−DESRフィルムについて、ブラックライト紫外線照射(340nmピークを有する放射束87W/m)で測定した。反射体の反射面を紫外線照射した。黄変(bの変化)は、Konica Minolta製の分光光度計(モデルCM−5)を用いて反射体の反射面上で測定した。結果を図1のグラフに報告する。
【0088】
比較PEN系フィルム「ESR」は、25時間で顕著に黄変した(bが4増加した)。例示PET系フィルム「PETb−ESR」では、bは、56日以上の曝露後にわずか3.2の増加であった。紫外線コーティングした例示PET系フィルム「PETb−DESR」では、ブラックライトに56日曝露した後でさえbの増加はごくわずかであった。
【0089】
高輝度可視光耐久性
高輝度LED源の白色光及び青色光下での耐久性について、比較PEN系フィルム「ESR」及び例示PET系フィルム「PETb−ESR」を追加的に試験した。例示PET系フィルム「PETb−ESR」は、比較PEN系フィルム「ESR」と比較して、顕著な黄変なく80倍長い曝露に耐えた。
【0090】
熱安定処理による収縮の低下
4つのフィルム(図2で「普通のESR」と記載されている)比較フィルムESR、及び3つの例示フィルム(図2で「PETb−ESR」(未処理)と記載されている)PETb−ESR、及び熱安定化したPETb−ESRのサンプル2つ(「PETb−ESR(HS1)」及び「PETb−ESR(HS2)」))について、収縮率の試験を行った。PETb−ESR(HS1)は、140℃で5分間加熱して前処理した。PETb−ESR(HS12)は、150℃で30分間加熱して前処理した。4つ全てを、85℃、100℃、及び120℃の温度への15分間の曝露後に、収縮率を測定した。結果を図2のグラフに報告する。
【0091】
熱安定化処理なしでは、PET系PETb−ESRフィルムは、60℃を超える温度でより大きい収縮を示しているという点において、比較PEN系ESRと比較して欠点を有する。これは、PETのガラス転移温度が低いこと(70℃)、及びPMMA/PVDFブレンドのガラス転移温度が低いこと(50℃)によると考えられる。本開示は、低張力又は無張力で標的適用温度より20〜30℃高い温度までPET系フィルムを熱することによってアニールすることを考慮する。
【0092】
ヘイズ測定値
ヘイズ値は、Hazegard+で様々なフィルムについて測定した。ヘイズ値は、フィルムを通過する光について測定した。特に断りのない限り、ヘイズは、フィルムの反射面に光源を用いて、フィルムの裏面で測定した。あるいは、ヘイズは、フィルムの裏面に光源を用いて、フィルムの反射面で測定してもよい(「反射面測定)。図3のグラフは、未処理のPETb−ESRフィルム(「オフA3ライン」と指定されている)及び、様々な熱処理に供されたPETb−ESRフィルムについての結果を報告する。85℃でアニールされたサンプルがヘイズに抵抗したことが容易に認められる。
【0093】
PETb−ESR40について追加のヘイズ値を測定し、表IIに報告する。
【0094】
【表2】
【0095】
追加のヘイズ値は、3段階オーブンで処理後のPETb−ESRについて測定した。3段階の温度は、アニールと後の熱安定化を提供するために、82℃、148℃、及び148℃に設定した。測定されたヘイズ値を表IIIに報告する。
【0096】
【表3】
【0097】
クリアUVコート層はオリゴマー移行/結晶化を排除することが見出された。
PETb−ESR及びPETb−dESRのサンプルを150℃で15時間保持し、PET表面のヘイズを検査した。このタイプのヘイズの形成メカニズムは、フィルムの最も外側のPET層の表面へのPETオリゴマー結晶の移行であると考えられる。図4に示されているように、クリアUVコートの適用はこのヘイズのメカニズムを排除した。
【0098】
屋外曝露試験
米国アリゾナ州New Riverで、83日間にわたりASTM G147〜2009及びASTM G90〜2010(水噴霧なし)の試験方法を用いて、比較ESR及びDESRフィルム、並びに例示PETb−ESR及びPETb−DESRフィルムの屋外曝露試験を行った。測定された放射エネルギー:
紫外線:270MJ/m2(295〜385nm)
合計放射線量:10,592MJ/m2
及び明所重み付け反射率は、曝露の前及び後に測定した。結果を表IVに報告する。
【0099】
【表4】
【0100】
本開示の様々な修正及び変更は、本開示の範囲及び原理から逸脱することなく当業者には明白であり、また、本開示は、本明細書に記載した例示的な実施形態に不当に制限されるものではないと理解すべきである。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[50]に記載する。
[項目1]
多層ポリマー反射体であって、
a)複数の第1の光学層であって、それぞれの第1の光学層が、テレフタレートコモノマー単位とエチレングリコールコモノマー単位とを有するポリエステルを含み、前記ポリエステルがガラス転移温度を有し、それぞれの第1の光学層が配向されている、複数の第1の光学層と、
b)前記複数の第1の光学層と交互に繰り返す順序で配設されている複数の第2の光学層であって、それぞれの第2の光学層が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とフッ化ポリビニリデン(PVDF)とのブレンドを含み、前記ブレンドが、前記第1の光学層を構成する前記ポリエステルのガラス転移温度より低い前記ガラス転移温度を有し、前記PMMA/PVDFブレンドのPVDFの量が約40%より高く、約65%以下である、複数の第2の光学層と、を備え、
前記多層ポリマー反射体は、可視波長域で97.8%を超える反射率、及び可視波長域で50%未満の透過ヘイズ値を有する、多層ポリマー反射体。
[項目2]
前記PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量が45%を超えている、項目1に記載の多層ポリマー反射体。
[項目3]
前記PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量が約50%以上である、項目1に記載の多層ポリマー反射体。
[項目4]
前記PMMA/PVDFブレンド中のPVDFの量が約50%である、項目1に記載の多層ポリマー反射体。
[項目5]
前記多層ポリマー反射体が、98.0%を超える反射率を有する、項目1〜4のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目6]
前記多層ポリマー反射体が、98.2%を超える反射率を有する、項目1〜4のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目7]
第1の層と第2の層との合計数が700以下である、項目1〜6のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目8]
第1の層と第2の層との合計数が650以下である、項目1〜6のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目9]
前記多層ポリマー反射体が、摂氏120度の温度への15分間の曝露後に幅と長さとの合計で1.5%未満の収縮率を示す程度に、使用中の収縮に抵抗する、項目1〜8のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目10]
前記多層ポリマー反射体が、1.0%未満の収縮率を示す、項目9に記載の多層ポリマー反射体。
[項目11]
前記多層ポリマー反射体が、0.5%未満の収縮率を示す、項目9に記載の多層ポリマー反射体。
[項目12]
前記多層ポリマー反射体が、0.2%未満の収縮率を示す、項目9に記載の多層ポリマー反射体。
[項目13]
前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で46%未満の透過ヘイズ値を有する、項目1〜12のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目14]
前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で42%未満の透過ヘイズ値を有する、項目13に記載の多層ポリマー反射体。
[項目15]
前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で30%未満の透過ヘイズ値を有する、項目13に記載の多層ポリマー反射体。
[項目16]
前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で20%未満の透過ヘイズ値を有する、項目13に記載の多層ポリマー反射体。
[項目17]
前記多層ポリマー反射体が、可視波長域で10%未満の透過ヘイズ値を有する、項目13に記載の多層ポリマー反射体。
[項目18]
前記第1の光学層と第2の光学層とが共押出しされる、項目1〜5のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目19]
前記第1の光学層が二軸配向される、項目1〜18のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目20]
前記多層ポリマー反射体が、少なくとも30秒間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる、項目1〜19のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目21]
前記多層ポリマー反射体が、少なくとも30秒間、摂氏80〜95度のアニーリング温度でアニールされる、項目20に記載の多層ポリマー反射体。
[項目22]
前記多層ポリマー反射体が、少なくとも35秒間、摂氏80〜95度のアニーリング温度でアニールされる、項目20に記載の多層ポリマー反射体。
[項目23]
前記多層ポリマー反射体が、少なくとも2分間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる、項目20に記載の多層ポリマー反射体。
[項目24]
前記多層ポリマー反射体が、少なくとも1時間、摂氏70〜95度のアニーリング温度でアニールされる、項目20に記載の多層ポリマー反射体。
[項目25]
光学的に透明なUV拒絶アクリルコーティング層を追加的に備える、項目1〜24のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目26]
接着剤層を追加的に備える、項目1〜25のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目27]
可視波長で鏡面又は半鏡面である、項目1〜26のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目28]
可視波長で少なくとも50%鏡面である、項目1〜26のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体。
[項目29]
物品であって、
a)光源と、
b)前記光源が発する光を反射するように位置づけられた項目1〜28のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体と、を備える、物品。
[項目30]
前記光源がLEDである、項目29に記載の物品。
[項目31]
照明器具である、項目29又は30に記載の物品。
[項目32]
電球である、項目29又は30に記載の物品。
[項目33]
太陽光を受けて反射するように位置づけられた項目1〜28のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体を備える、物品。
[項目34]
直射日光を受けて反射するように位置づけられた項目1〜28のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体を備える、物品。
[項目35]
集中太陽光を受けて反射するように位置づけられた項目1〜28のいずれか一項に記載の多層ポリマー反射体を備える、物品。
[項目36]
屋外用途のために設計された、項目29〜35のいずれか一項に記載の物品。
[項目37]
屋外用途のために取り付けられた、項目29〜35のいずれか一項に記載の物品。
[項目38]
前記多層ポリマー反射体が周囲屋外光に直接曝露される、項目29〜37のいずれか一項に記載の物品。
[項目39]
前記多層ポリマー反射体が、周囲屋外光及び周囲外気に直接曝露される、項目29〜37のいずれか一項に記載の物品。
[項目40]
屋外用途のために取り付けられた、項目1〜28のいずれか一項に記載の反射体。
[項目41]
周囲屋外光に直接曝露される、項目40に記載の反射体。
[項目42]
周囲屋外光及び周囲外気に直接曝露される、項目40に記載の反射体。
[項目43]
建築構造物に取り付けるために適応された支持要素を追加的に備える、項目33に記載の物品である反射パネル。
[項目44]
前記多層ポリマー反射体が、可視波長で少なくとも50%鏡面であり、可視波長で90%以下の鏡面である、項目43に記載の反射パネル。
[項目45]
前記多層ポリマー反射体が、可視波長で少なくとも50%鏡面であり、可視波長で80%以下の鏡面である、項目43に記載の反射パネル。
[項目46]
項目43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記2つ以上の反射パネルが、建築構造物の少なくとも2つの対向する表面に取り付けられる、配置。
[項目47]
項目43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記2つ以上の反射パネルが、2つ以上の建築構造物の少なくとも2つの対向する表面に取り付けられる、配置。
[項目48]
項目43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記反射パネルが、建築構造物の少なくとも2つの対向かつ実質的に平行な表面の少なくとも50%に取り付けられる、配置。
[項目49]
項目43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記反射パネルが、2つ以上の建築構造物の少なくとも2つの対向かつ実質的に平行な表面の少なくとも50%に取り付けられる、配置。
[項目50]
項目43〜45のいずれか一項に記載の2つ以上の反射パネルの配置であって、前記反射パネルが、少なくとも2対の対向かつ実質的に平行な表面の少なくとも50%に取り付けられる、配置。
図1
図2
図3
図4a
図4b