(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6416944
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】抑制部材
(51)【国際特許分類】
F01N 1/02 20060101AFI20181022BHJP
【FI】
F01N1/02 N
F01N1/02 M
F01N1/02 S
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-5790(P2017-5790)
(22)【出願日】2017年1月17日
(65)【公開番号】特開2018-115577(P2018-115577A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2017年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】納見 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】小堀 清道
(72)【発明者】
【氏名】貝沼 克彦
【審査官】
首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】
実開平04−129827(JP,U)
【文献】
特開平07−332077(JP,A)
【文献】
特開2005−325720(JP,A)
【文献】
特開平04−225398(JP,A)
【文献】
特開2010−065559(JP,A)
【文献】
実開昭56−50713(JP,U)
【文献】
実開昭59−84213(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるマフラの内部に配置される抑制部材であって、
開口を有した状態で、抑制空間と他の空間とを隔てる部位であって、前記開口に対面する底面と、前記底面の縁から前記開口に向かって突出する側面とを有する壁部と、
前記開口の縁に設けられたフランジ状の部位であって、前記マフラの外面をなす板状の外殻部材により前記開口が覆われた状態で、前記外殻部材の内側に取り付けられる部位である取付部と、
前記外殻部材と前記壁部とにより覆われた前記抑制空間と、前記抑制空間の外部の空間とを繋ぐ1又は複数の孔部と、
を備え、
前記底面は、円形状、楕円形状、又は、多角形状であり、
前記取付部は、前記外殻部材における湾曲の度合いが一定の水準に達していない部分に取り付けられる
抑制部材。
【請求項2】
請求項1に記載された抑制部材において、
前記外殻部材の形状は、柱状であり、長手方向に延びる楕円形状又は長方形状の底面を有し、
前記外殻部材のうち、前記外殻部材の側面をなす部分を側面部とし、
前記取付部は、前記側面部における前記長手方向に広がる部分である長手領域に前記開口が覆われた状態で、前記側面部の内側に取り付けられる
抑制部材。
【請求項3】
請求項2に記載された抑制部材において、
前記外殻部材は、前記長手領域が車両の底部に沿うように配置され、
前記取付部は、上側に位置する前記長手領域に前記開口が覆われた状態で、前記側面部の内側に取り付けられる
抑制部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載された抑制部材において、
前記1又は複数の孔部は、前記底面を貫通する部位である
抑制部材。
【請求項5】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載された抑制部材において、
前記1又は複数の孔部は、前記取付部に設けられた溝状の部位である
抑制部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のマフラに取り付けられる抑制部材に関する。
【背景技術】
【0002】
柱状のマフラの側面をなす板状の部材であるアウタシェルを、二重構造とすることが知られている。また、特許文献1には、二重構造の円筒状のアウタシェルの内側の部分に、溝状の2つのビードを設けることが記載されている。これにより、アウタシェルの剛性が向上する。その結果、アウタシェルの振動が抑制され、マフラにて生じる放射音を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−266215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単にアウタシェルの剛性を向上させるだけでは、マフラからの騒音を十分に抑制できない恐れがある。
マフラからの騒音を、より好適に抑制するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面である抑制部材は、車両に搭載されるマフラの内部に配置される。抑制部材は、壁部と、取付部と、1又は複数の孔部とを備える。壁部は、開口を有した状態で、抑制空間と他の空間とを隔てる。また、取付部は、開口の縁に設けられ、マフラの外面をなす板状の外殻部材により開口が覆われた状態で、外殻部材の内側に取り付けられる。また、1又は複数の孔部は、外殻部材と壁部とにより覆われた抑制空間と、抑制空間の外部の空間とを繋ぐ。
【0006】
このような構成によれば、抑制部材をマフラの外殻部材の内側に取り付けることにより、ヘルムホルツ共鳴器を形成可能となる。このため、特定の周波数の排気音を減衰可能となる。また、抑制部材を外殻部材の内側に取り付けることで、外殻部材の剛性が向上する。これにより、外殻部材の振動が抑制され、その結果、マフラから生じる放射音を抑制できる。さらに、外殻部材の内側に取り付けられた抑制部材により、マフラの外部への騒音の透過が抑制される。したがって、マフラからの騒音を、より好適に抑制できる。
【0007】
なお、外殻部材の形状は、予め定められた伸長方向に延びる柱状であっても良い。また、外殻部材のうち、外殻部材の側面をなす部分を側面部としても良い。そして、取付部は、側面部に開口が覆われた状態で、側面部の内側に取り付けられても良い。
【0008】
柱状の外殻部材の側面部は、底面をなす部分等に比べて剛性が低い。このため、側面部の振動による放射音が生じ易い。これに対し、上記構成によれば、側面部の剛性を高め、振動を抑制できる。したがって、より一層、放射音を抑制できる。
【0009】
また、外殻部材の形状は、伸長方向に直交又は略直交する長手方向に延びる形状であっても良い。そして、取付部は、側面部における長手方向に沿って広がる部分に開口が覆われた状態で、該部分の内側に取り付けられても良い。
【0010】
側面部における長手方向に広がる部分は、他の部分に比べ、湾曲及び/又は屈曲の度合いが小さく、剛性が低い。このため、長手方向に広がる部分では、振動による放射音が生じ易い。これに対し、上記構成によれば、該部分の剛性を高め、振動を抑制できる。したがって、効果的に放射音を抑制できる。
【0011】
また、1又は複数の孔部は、壁部を貫通する部位であっても良い。
このような構成によれば、好適に特定の周波数の排気音を減衰させることができる。
また、取付部は、開口の縁に沿って延びるフランジ状の部位であっても良い。そして、1又は複数の孔部は、取付部に設けられた溝状の部位であっても良い。
【0012】
このような構成によれば、好適に特定の周波数の排気音を減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1A,1Bは、それぞれ、本実施形態の抑制部材が取り付けられたマフラの内部を透過的に示した斜視図、及び、下面図である。
図1Cは、該マフラの伸長方向に直交する断面を示す説明図である。
【
図2】
図2A〜2Cは、それぞれ、本実施形態の抑制部材の斜視図、上面図、及び、側面図である。
【
図3】
図3Aは、ヘルムホルツの共鳴原理による消音効果についての説明図であり、本実施形態の抑制部材を側方から見た断面図である。
図3Bは、本実施形態の抑制部材が取り付けられたマフラ、及び、抑制部材が取り付けられていないマフラから生じる放射音の大きさを示すグラフである。
【
図4】
図4A,4Bは、それぞれ、変形例1の抑制部材の斜視図及び側面図である。また、
図4C,4Dは、それぞれ、変形例2の抑制部材の斜視図及び側面図である。
【
図5】
図5Aは、変形例3の抑制部材の上面図である。また、
図5Bは、変形例4の抑制部材の斜視図である。
【
図6】
図6A,6Bは、それぞれ、変形例4の抑制部材の上面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0015】
[構成の説明]
図1A〜1Cに示すように、本実施形態の抑制部材1は、車両に搭載されたマフラ2の内部に配置される。マフラ2は、車両のエンジンの排気を車外に排出する排気経路に配置される。排気は、マフラ2の内部を流下して車外に流出する。本実施形態では、1又は複数の抑制部材1が、マフラ2の外殻部材20における側面部21の内側に取り付けられる。
【0016】
外殻部材20とは、マフラ2の外面をなす板状の部材である。外殻部材20は、マフラ2の内部と外部とを隔てる。外殻部材20の形状は、予め定められた伸長方向2aに延びる柱状となっている。さらに、外殻部材20は、伸長方向2aに直交又は略直交する長手方向2bに延びる形状となっている。そして、マフラ2は、伸長方向2a及び長手方向2bが車両の底部に沿うように、車両に搭載される。換言すれば、マフラ2は、横方向に広がった状態で車両の底部に搭載される。なお、外殻部材20の形状は、例えば、円柱状、又は、角柱状等であっても良い。
【0017】
また、側面部21とは、外殻部材20における側面をなす部分である。側面部21は、一重に配置された板状部材により構成されている(以後、一重構造と記載)。なお、側面部21は、二重に配置された板状部材により構成されていても良い(以後、二重構造と記載)。また、外殻部材20における底面をなす2つの部分を、それぞれ、第1,第2底面部25,26と記載する。第1及び第2底面部25,26の形状は、一例として、楕円形状となっている。なお、該形状は、例えば、長方形状であっても良い。また、マフラ2の内部空間には、少なくとも1つのセパレータが設けられていても良い。少なくとも1つのセパレータとは、マフラの内部空間を仕切る板状の部位である。また、側面部21は、長手方向2bに沿って広がる2つの長手領域22を有する。2つの長手領域22は、長手方向2bに直交する向きに対面する。換言すれば、長手領域22は、側面部21において、湾曲の度合いが一定の水準に達していない扁平な部分である。
【0018】
そして、抑制部材1は、その内部に抑制空間10を有した状態で、側面部21の内側に取り付けられる。なお、抑制空間10は、例えば、空であっても良い。また、抑制空間10には、例えば、グラスウール等の吸音材が配置されても良い。そして、
図2A〜2Cに示すように、抑制部材1は、壁部11と、取付部15とを備える。また、本実施形態では、抑制部材1は、一例として1つの孔部16を備える。
【0019】
壁部11は、板状の部位である。壁部11は、開口を有した状態で、抑制空間10と他の空間とを隔てる。換言すれば、壁部11は、抑制空間10が開口を介して他の空間と連通した状態で、抑制空間10と他の空間とを隔てる。壁部11は、底面12と側面13とを有する。底面12は、抑制空間10の開口に対面する。一方、側面13は、底面12の外縁から開口に向かって突出する。
【0020】
抑制部材1の開口及び底面12は、一例として、略正方形状となっている。しかし、抑制部材1の開口及び底面12は、例えば、円形状、楕円形状、矩形状、又は、多角形状等の形状であっても良い。換言すれば、抑制部材1の開口及び底面12は、中心に相当する位置から外縁までの距離の変動幅が一定の範囲内である形状(換言すれば、細長くない形状)を有していても良い。なお、抑制部材1の開口及び底面12は、細長い形状であっても良い。また、例えば、抑制部材1の開口及び底面12は、異なる形状であっても良い。
【0021】
取付部15は、壁部11の開口の縁に沿って設けられたフランジ状の部位である。取付部15は、開口の外側に突出する。また、取付部15は、側面部21の内面により開口が覆われた状態で、側面部21の内側に取り付けられる。具体的には、取付部15は、例えば、側面部21の内側にスポット溶接により接合されても良い。
【0022】
孔部16は、側面部21と壁部11とにより覆われた抑制空間10と、外殻部材20の内部における抑制空間10以外の他の空間とを繋ぐ。孔部16は、一例として、壁部11の底面12に設けられており、底面12を貫通する。また、孔部16は、一例として円形となっている。しかし、孔部16は、他の形状であっても良い。
【0023】
なお、孔部16は、壁部11の側面13に設けられていても良い。また、孔部16には、ルーバー状の板部が設けられていても良い。該板部は、孔部16の縁部の一部から、抑制空間10の内側又は外側に突出する部位である。該板部は、その根元部分以外が孔部16の縁から離れた状態で、孔部16の正面に位置する。
【0024】
そして、抑制部材1は、一例として、マフラ2が車両に搭載された際に上側に位置する側面部21の長手領域22に取り付けられる。具体的には、抑制部材1の取付部15は、該長手領域22により開口が覆われた状態で、該長手領域22の内側に取り付けられる。なお、抑制部材1は、マフラ2が車両に搭載された際に下側に位置する長手領域22に取り付けられても良い。また、抑制部材1は、例えば、側面部21における長手領域22以外の部分、或いは、第1又は第2底面部25,26の内側に取り付けられても良い。
【0025】
[効果]
(1)上記実施形態の抑制部材1をマフラ2の側面部21の内側に取り付けることにより、ヘルムホルツ共鳴器を形成可能となる。これにより、車両のエンジンの稼働中に、特定の周波数の排気音を減衰させることができる。なお、排気音とは、例えば、排気の流れにより生じた騒音を意味しても良い。
【0026】
具体的には、
図3Aに示すように、排気がマフラ2の内部を流下する際、抑制部材1の孔部16での空気振動が大きくなり、摩擦が生じる。これにより、特定の周波数の排気音を発するエネルギーが熱に変換される。その結果、該周波数の排気音が減衰される。
【0027】
なお、孔部16及び/又は抑制空間10の大きさ等を調整することで、減衰させる排気音の周波数を調整できる。また、上記実施形態では、壁部11の底面12に1つの孔部16が設けられている。しかし、孔部16の数及び/又は位置等を変えることで、減衰させる排気音の周波数を調整できる。なお、孔部16の数が多くなるに従い、より周波数の高い排気音を減衰可能となる。また、孔部16の面積が広くなるに従い、より周波数の高い排気音を減衰可能となる。
【0028】
また、側面部21の内側に取り付けられた抑制部材1により、マフラ2の外部への騒音の透過が抑制される。したがって、マフラ2からの騒音を、より好適に抑制できる。
なお、
図3Bのグラフは、抑制部材1が取り付けられたマフラ2からの放射音の大きさと、抑制部材1が取り付けられていないマフラ2からの放射音の大きさとを示している。該グラフは、車両のエンジンの回転数に応じた、上記各マフラ2から生じる放射音の大きさを示している。また、
図3Bのグラフは、抑制部材1を取り付けることにより、マフラ2からの放射音が抑制されることを示している。
【0029】
(2)また、側面部21は、第1及び第2底面部25,26に比べ剛性が低い。このため、側面部21の振動による放射音が生じ易い。これに対し、上記実施形態では、側面部21の内側に抑制部材1が取り付けられる。これにより、側面部21の剛性が向上する。このため、側面部21の振動が抑制され、その結果、マフラから生じる放射音を抑制できる。
【0030】
また、抑制部材1は、一重構造又は二重構造の側面部21に取り付けることができる。二重構造の側面部21は、一重構造の側面部21に比べ剛性が高く、放射音をより抑制可能となっている。しかし、側面部21を二重構造とする場合、一重構造に比べ、側面部21を構成する板状部材を薄くする必要がある。このため、二重構造の側面部21を有するマフラ2は、一重構造の側面部21を有するマフラ2に比べ製造が困難になり、コストが増加する。
【0031】
これに対し、側面部21を一重構造にした場合であっても、抑制部材1を取り付けることで、側面部21の剛性を向上できる。さらに、側面部21を構成する板状部材を薄くしてマフラの質量を低下させた場合であっても、抑制部材1を取り付けることで、側面部21の剛性を向上できる。このため、側面部21の振動を抑制でき、その結果、放射音を抑制できる。さらに、上述したようにして、特定の周波数の排気音を減衰できる。このため、マフラ2の製造コストを抑えつつ、マフラ2からの騒音を抑制できる。
【0032】
(3)また、側面部21における長手領域22は、他の部分に比べ、湾曲及び/又は屈曲の度合いが小さく、剛性が低い。このため、長手領域22では、振動による放射音が生じ易い。これに対し、上記実施形態によれば、長手領域22に抑制部材1が取り付けられる。このため、長手領域22の剛性を高め、振動を抑制できる。したがって、効果的に放射音を抑制できる。
【0033】
[変形例]
次に、上記実施形態の抑制部材1の変形例1〜4について説明する。変形例1〜4の抑制部材1は、上記実施形態の抑制部材1と同様の構成を有しているが、孔部16の構成が上記実施形態と相違している。以下では、各変形例における上記実施形態との相違点について説明する。
【0034】
変形例1の抑制部材1は、
図4A,4Bに示すように、壁部11の底面12に設けられた孔部16の縁に、円筒状の突出部17が設けられる。突出部17は、抑制空間10の外側に向かって突出する。なお、突出部17は、バーリング加工により設けられても良い。
【0035】
また、変形例2の抑制部材1における孔部16の縁においても、
図4C,4Dに示すように、変形例1と同様の突出部17が設けられる。該突出部17は、抑制空間10に向かって突出する。
【0036】
また、変形例3の抑制部材1は、
図5Aに示すように、壁部11の底面12に、複数の孔部16が設けられている。これらの孔部16は、底面12の全体にわたって配置される。
【0037】
また、変形例4の抑制部材1では、
図5B〜6Bに示すように、孔部16は、取付部15に設けられている。孔部16は、取付部15の取付面に設けられた溝状の部位である。なお、取付面とは、取付部15が外殻部材20に取り付けられた際、外殻部材20に隣接した状態となる面である。また、孔部16は、取付部15における幅方向の一端から他端にわたって延びる。つまり、孔部16の一端は、抑制空間10に繋がる。また、孔部16の他端は、抑制空間10の外部に繋がる。
【0038】
そして、抑制部材1が外殻部材20に取り付けられた際、外殻部材20と孔部16との間に隙間が生じる。該隙間は、抑制空間10と、抑制空間10の外部とを繋ぐ。該隙間により、抑制部材1は、ヘルムホルツ共鳴器として動作する。なお、取付部15には、同様に構成された複数の孔部16が設けられていても良い。
【0039】
上述した各変形例における抑制部材1においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
上記実施形態、及び、変形例1〜4における抑制部材は、マフラ2の外殻部材20の内側に抑制空間10を設けることで、特定の周波数の排気音を減衰させる。しかしながら、マフラ2の外殻部材20の外側に抑制空間を設けることで、特定の周波数の排気音の減衰を行っても良い。具体的には、マフラ2の外殻部材20の外面に、上記実施形態、及び、変形例1〜4と同様の抑制部材を取り付けても良い。より詳しくは、該抑制部材は、抑制空間の開口が外殻部材20の外側に覆われた状態で、外殻部材20の外側に取り付けられても良い。そして、外殻部材20の外面における該抑制部材に覆われた部分に、外殻部材20を貫通する孔部を設けても良い。このような構成を有する場合においても、上記実施形態、及び、変形例1〜4と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0040】
1…抑制部材、2…マフラ、10…抑制空間、11…壁部、12…底面、13…側面、15…取付部、16…孔部、17…突出部、20…外殻部材、21…側面部、22…長手領域、25…第1底面部、26…第2底面部。