特許第6417047号(P6417047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6417047ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのアップリンクサービスエリアを操作するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6417047
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのアップリンクサービスエリアを操作するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20181022BHJP
   H04W 36/04 20090101ALI20181022BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20181022BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W36/04
   H04W16/32
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-527793(P2017-527793)
(86)(22)【出願日】2014年12月18日
(65)【公表番号】特表2018-503292(P2018-503292A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(86)【国際出願番号】CN2014094212
(87)【国際公開番号】WO2016095158
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チャン
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0206330(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/077747(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのアップリンク(UL)サービスエリアを操作するための方法(300、300')であって、
前記アクセスノードの近傍の端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件が満たされるかどうかを、一セットのセルのためのセル個別オフセット(CIO)の第一のセットを考慮することによって判定し(s330)、ここで前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記端末装置のダウンリンク(DL)送信のための在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされるかどうかの判定において考慮される、前記一セットのセルのための前記CIOの第ニのセットとはそれぞれ異なっており、
前記判定に従って、前記端末装置のUL受信のためのセルリストを更新(s340)
前記端末装置のUL受信のための前記セルリストを更新するための前記条件は、前記セルリストにセルを追加するための条件を含み、
前記セルリストにセルを追加するための前記条件は、
qualitynewCPICH + CIOnewfirst > qualitybestCPICH + CIObestfirst - addhysteresis
であり、ここで、
qualitynewCPICHおよびqualitybestCPICHはそれぞれ、前記セルリストに含まれていないセルの品質測定結果および前記セルリスト内の最良のセルの品質測定結果を示し、
CIOnewfirstおよびCIObestfirstはそれぞれ、前記セルリストに含まれていない前記セルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつ、および前記セルリスト内の最良のセルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつを示し、
addhysterisisは前記セルの追加を遅らせるヒステリシス値を示すことを特徴とする方法。
【請求項2】
ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのアップリンク(UL)サービスエリアを操作するための方法(300、300')であって、
前記アクセスノードの近傍の端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件が満たされるかどうかを、一セットのセルのためのセル個別オフセット(CIO)の第一のセットを考慮することによって判定し(s330)、ここで前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記端末装置のダウンリンク(DL)送信のための在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされるかどうかの判定において考慮される、前記一セットのセルのための前記CIOの第ニのセットとはそれぞれ異なっており、
前記判定に従って、前記端末装置のUL受信のためのセルリストを更新し(s340)、
前記端末装置のUL受信のための前記セルリストを更新するための前記条件は、前記セルリストからセルを削除するための条件を含み、
前記セルリストからセルを削除するための前記条件は、
qualitynotbestCPICH + CIOnotbestfirst < qualitybestCPICH + CIObestfirst - removehysteresis
であり、ここで、
qualitynotbestCPICHおよび qualitybestCPICHはそれぞれ、前記セルリスト内の最良ではないセルの品質測定結果および前記セルリスト内の最良のセルの品質測定結果を示し、
CIOnotbestfirstおよびCIObestfirstはそれぞれ、前記セルリスト内の前記最良ではないセルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつ、および前記セルリスト内の前記最良のセルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつを示し、
removehysterisisは前記セルの削除を遅らせるヒステリシス値を示す
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法(300、300')であって、
前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記一セットのセルのための前記CIOの第三のセットを前記一セットのセルのための前記CIOの第二のセットにそれぞれ追加することで形成されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法(300、300')であって、
前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記アクセスノードにより提供されるセルのための増大したCIOおよび/または前記アクセスノードに隣接する他のアクセスノードにより提供されるセルのための減少したCIOを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法(300、300')であって、
前記ワイヤレスネットワークはヘテロジニアスワイヤレスネットワークであり、前記アクセスノードは低電力ノード(LPN)であり、前記他のアクセスノードは非LPNであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法(300、300')であって、前記判定に従って、前記端末装置のUL受信のための前記セルリストを更新すること(s340)は、
追加するための前記条件が或る期間にわたって満たされていて、かつ前記セルリストがまだいっぱいでないならば、セルを前記セルリストに追加し(s341)、
削除のための前記条件が或る期間にわたって満たされているならば、セルを前記セルリストから削除する(s342)ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項乃至のいずれか一項に記載の方法(300)であって、
前記方法は端末装置において実行され、さらに、
ネットワークエンティティから前記CIOの第一のセットを受信し(s310)、
前記アクセスノードにより提供される前記セルおよび前記他のアクセスノードにより提供される前記セルについて、更新のための前記条件が満たされているかどうかの判定(s330)において利用される品質測定を実行する(s320)
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項乃至のいずれか一項に記載の方法(300')であって、
前記方法はネットワークエンティティのみにおいて実行され、さらに、
前記アクセスノードにより提供されるセルおよび前記他のアクセスノードにより提供されるセルについての、更新のための前記条件が満たされているかどうかの判定(s330)において利用される品質測定結果を前記端末装置から受信する(s310')
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのアップリンク(UL)サービスエリアを操作するための装置(700、700')であって、
前記アクセスノードの近傍の端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件が満たされるかどうかを、一セットのセルのためのセル個別オフセット(CIO)の第一のセットを考慮することによって判定するように構成された判定部(730)であって、前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記端末装置のダウンリンク(DL)送信のための在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされるかどうかの判定において考慮される、前記一セットのセルのための前記CIOの第ニのセットとは異なっている判定部(730)と、
前記判定に従って、前記端末装置のUL受信のための前記セルリストを更新するよう構成された更新部(740)と
を有し、
前記端末装置のUL受信のための前記セルリストを更新するための前記条件は、前記セルリストにセルを追加するための条件を含み、
前記セルリストにセルを追加するための前記条件は、
qualitynewCPICH + CIOnewfirst > qualitybestCPICH + CIObestfirst - addhysteresis
であり、ここで、
qualitynewCPICHおよび qualitybestCPICHはそれぞれ、前記セルリストに含まれていないセルの品質測定結果および前記セルリスト内の最良のセルの品質測定結果を示し、
CIOnewfirstおよびCIObestfirstはそれぞれ、前記セルリストに含まれていない前記セルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつ、および前記セルリスト内の最良のセルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつを示し、
addhysterisisは前記セルの追加を遅らせるヒステリシス値を示す
ことを特徴とする装置。
【請求項10】
ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのアップリンク(UL)サービスエリアを操作するための装置(700、700')であって、
前記アクセスノードの近傍の端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件が満たされるかどうかを、一セットのセルのためのセル個別オフセット(CIO)の第一のセットを考慮することによって判定するように構成された判定部(730)であって、前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記端末装置のダウンリンク(DL)送信のための在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされるかどうかの判定において考慮される、前記一セットのセルのための前記CIOの第ニのセットとは異なっている判定部(730)と、
前記判定に従って、前記端末装置のUL受信のための前記セルリストを更新するよう構成された更新部(740)と
を有し、
前記端末装置のUL受信のための前記セルリストを更新するための前記条件は、前記セルリストからセルを削除するための条件を含み、
前記セルリストからセルを削除するための前記条件は、
qualitynotbestCPICH + CIOnotbestfirst < qualitybestCPICH + CIObestfirst - removehysteresis
であり、ここで、
qualitynotbestCPICHおよびqualitybestCPICHはそれぞれ、前記セルリスト内の最良ではないセルの品質測定結果および前記セルリスト内の最良のセルの品質測定結果を示し、
CIOnotbestfirstおよびCIObestfirstはそれぞれ、前記セルリスト内の前記最良ではないセルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつ、および前記セルリスト内の前記最良のセルに対応する前記CIOの第一のセットのひとつを示し、
removehysterisisは前記セルの削除を遅らせるヒステリシス値を示す
ことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の装置(700、700')であって、
前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記一セットのセルのための前記CIOの第三のセットを前記一セットのセルのための前記CIOの第二のセットにそれぞれ追加することで形成されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか一項に記載の装置(700、700')であって、
前記一セットのセルのための前記CIOの第一のセットは、前記アクセスノードにより提供されるセルのための増大したCIOおよび/または前記アクセスノードに隣接する他のアクセスノードにより提供されるセルのための減少したCIOを含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置(700、700')であって、
前記ワイヤレスネットワークはヘテロジニアスワイヤレスネットワークであり、前記アクセスノードは低電力ノード(LPN)であり、前記他のアクセスノードは非LPNであることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の装置(700、700')であって、
前記更新部(740)は、
追加するための前記条件が或る期間にわたって満たされていて、かつ前記セルリストがまだいっぱいでないならば、セルを前記セルリストに追加し、
削除のための前記条件が或る期間にわたって満たされているならば、セルを前記セルリストから削除するよう構成されることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか一項に記載の装置(700)であって、前記装置は端末装置であって、さらに、
ネットワークエンティティから前記CIOの第一のセットを受信するよう構成される受信部(710)と、
前記アクセスノードにより提供される前記セルおよび前記他のアクセスノードにより提供される前記セルについて、更新のための前記条件が満たされているかどうかの判定において利用される品質測定を実行するよう構成される測定部(720')と
を有することを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項12乃至14のいずれか一項に記載の装置(700')であって、
前記装置はネットワークエンティティであって、さらに、
前記アクセスノードにより提供される前記セルおよび前記他のアクセスノードにより提供される前記セルについての、更新のための前記条件が満たされているかどうかの判定において利用される品質測定結果を前記端末装置から受信するよう構成される受信部(710')を有することを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、無線通信の技術分野と、そして特に、ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのアップリンク(UL)サービスエリアを操作するための方法および装置に関連している。
【背景技術】
【0002】
本節は、この開示において説明された様々な技術の実施形態に背景を提供することを意図している。このセクションの説明は、追及できた概念を含むことがあり得るが、必ずしも、以前に考案されているか、追及されたものではない。従って、ここに違った形で示されない限り、このセクションの中で説明されるものはこの開示の説明および/または請求項に対する先行技術ではなく、本節に含まれているにすぎないことによって先行技術であると認められるものではない。
【0003】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて、アクセスノードのULとダウンリンク(DL)サービスエリアは、アクセスノードの近傍の端末装置のセルリストを更新するための条件、および端末装置の在圏アクセスノードを変更するための条件と緊密に関連している。ULにおいて、端末装置は、そのセルリストの中のすべてのセルと関連づけられたアクセスノードに送信する。DLにおいて、端末装置はその在圏アクセスノードから受信する。
【0004】
従来技術によると、端末装置のセルリストを更新するための条件とそれらの在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされているかどうかの判定において、一セットのセルのために構成されたセル個別オフセット(CIO)のセットが考慮される。
【0005】
具体的には、端末装置のセルリストを更新するための条件は、セルをセルリストに追加するための条件と、セルをセルリストから削除するための条件とを含むことがあり、それらはそれぞれ以下の数式(1)および(2)として表現され得る。端末装置の在圏アクセスノードを変更するための条件は以下の数式(3)として表現され得る。
qualitynewCPICH + CIOnew > qualitybestCPICH + CIObest - addhysteresis (1)
qualitynotbestCPICH + CIOnotbest < qualitybestCPICH + CIObest - addhysteresis (2)
qualitynotbestCPICH + CIOnotbest > qualitybestCPICH + CIObest - switchhysteresis (3)
ここで、
qualitynewCPICH、qualitynotbestCPICHおよび qualitybestCPICHはそれぞれ、セルリストに含まれていないセルの品質測定結果、セルリスト内の最良ではないセルの品質測定結果、およびセルリスト内の最良のセルの品質測定結果を示す。CIOnewfirst、CIOnotbestfirst、CIObestfirstはそれぞれ、セルリストに含まれていないセルに対応するCIOのセットのひとつ、セルリスト内の最良ではないセルに対応するCIOのセットのひとつ、およびセルリスト内の最良のセルに対応するCIOのセットのひとつを示す。addhysteresis、removehysteresis、switchhysteresisはそれぞれ、セルの追加を遅らせるヒステリシス値、セルの削除を遅らせるヒステリシス値、および在圏アクセスノードの変更を遅らせるヒステリシス値を示す。
【0006】
あるシナリオにおいては、アクセスノードのULサービスエリアを操作することが望ましいことがある。制限ではなく実例として、ヘテロジニアス(混成)ネットワークの中の低電力ノード(LPN)にとってはそのULサービスエリアを拡張することは望ましいことである。
【0007】
これを説明するために、図1は、マクロ基地局といくつかの低電力ノード(LPN)を含むヘテロジニアスネットワークを示しており、そのそれぞれは遠隔無線ユニット(RRU)、ピコ基地局、マイクロ基地局などでよい。一般に、マクロ基地局(例えば20W)の送信電力がLPN(例えば2W)のそれより非常に高いので、図2で示すように、固有のマクロ−LPN不均衡領域が存在している。マクロ基地局についての経路損失がLPNについての経路損失と等しい第一の境界、および、マクロ基地局からのDL受信電力がLPNからのDL受信電力と等しい第二の境界により決定されるその領域内で、LPNへのUL送信品質はマクロ基地局へのUL送信品質よりも良い一方、マクロ基地局からのDL送信品質はLPNからのDL送信品質よりも良い。
【0008】
DLにおいて、不均衡領域に置かれた端末装置はマクロ基地局によってだけサービスを受ける(すなわち不均衡領域に置かれた端末装置はマクロ基地局からのDL送信だけを受信する)。その結果、マクロ基地局およびLPNのDLサービスエリアの間の境界は不均衡領域の第二の境界と一致している。
【0009】
ULにおいて、不均衡領域とオーバーラップするソフトハンドオーバー(SHO)領域に置かれた端末装置は、マクロ基地局とLPNによって両方にサービスを受ける(すなわちSHO領域に置かれた端末装置はUL送信をマクロ基地局とLPNの両方に送信する)。その結果、LPNのULサービスエリアの境界は、不均衡領域内に落ちるSHO領域の二つの境界の一方と一致している。
【0010】
不均衡領域の中のLPNによって提供されたより高品質のUL送信からもっと利益を得るために、LPNのULサービスエリアを拡張することが望ましい。この目的のための一つのアプローチは、LPNに近接する端末装置のセルリストを更新するための条件が満たされているかどうかの判定のみならず、端末装置の在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされているかどうかの判定においてもまた上記の数式(1)-(3)に従って考慮される、LPNのためのCIOを増大させることである。望ましくないことに、LPNのCIOを増大させることはまたLPNのDLサービスエリアをマクロ−LPN不均衡領域に拡張し、LPNのDLサービスエリアの拡張部分に置かれた端末装置は、もはやマクロ基地局からのより高品質のDL送信から利益を得ることができない。
【0011】
LPNのULサービスエリアを拡張するための別のアプローチは、上記の数式(1)と(2)中のaddhysteresisおよび/またはremovehysteresisを増大させることによってSHO領域を拡大することである。LPNのULサービスエリアの拡張に加えて、SHO領域の拡大がマクロ基地局のULサービスエリアの拡張を招き、その結果処理コストの増大をもたらす。さらに、マクロ基地局の追加の後でセルリストがいっぱいであるかもしれないので、セルリストの中へのマクロ基地局の追加により、LPNの追加が阻まれることがあり得る。従って、不均衡領域の中のLPNによって提供されたより均等性の高いUL送信から利益を得ることはまだ不可能である。
【0012】
マクロ基地局の観点から、マクロ基地局のULサービスエリアを、そのCIOを減少させることによって縮小させるアプローチは、望ましくないマクロ基地局のDLサービスエリアの収縮を引き起こすことがあり得る。SHO領域を縮小させることによってマクロ基地局のULサービスエリアを縮小させるアプローチは、望ましくないLPNのULサービスエリアの収縮を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0013】
前述の事項を考慮して、本開示の目的は、アクセスノードのULサービスエリアを操作するための既存のアプローチの上述した欠点の少なくとも一つを克服することである。
【0014】
この目的を達成するために、本開示の第一の側面によると、ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのULサービスエリアを操作するための方法が提供される。この方法は、一セットのセルのためのCIOの第一のセットを考慮することによって、アクセスノードの近傍の端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件が満たされているかどうかを判定することを含む。一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、端末装置のDL送信のための在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされているかどうかの判定において考慮される、その一セットのセルのためのCIOの第二のセットとはそれぞれ異なる。この方法は、その判定に従って、端末装置のUL受信のためのセルリストを更新することをさらに含む。
【0015】
この目的を達成するために、本開示の第二の側面によると、ワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのULサービスエリアを操作するための装置が提供される。この装置は、判定部および更新部を含む。判定部は、一セットのセルのためのCIOの第一のセットを考慮することによって、アクセスノードの近傍の端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件が満たされているかどうかを判定するよう構成される。一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、端末装置のDL送信のための在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされているかどうかの判定において考慮される、その一セットのセルのためのCIOの第二のセットとは異なる。更新部は、その判定に従って、端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するよう構成される。
【0016】
提案された方法と装置によって、アクセスノードの近傍の端末装置は、CIOの第二のセットを考慮することによって変更されたDL送信のための在圏アクセスノードを持つ一方、CIOの第一のセットを考慮することによって更新されたUL受信のためのそのセルリストを持つことができる。CIOの第一のセットが同じセットのセルのためのCIOの第二のセットとそれぞれ異なるので、UL受信のための端末装置のセルリストの更新は、DL送信のための端末の在圏アクセスノードの変更とは独立して実行できる。従って、アクセスノードのULサービスエリアは、そのDLサービスエリアに悪影響を与えずに操作(拡張または縮小)できる。
【0017】
さらに、提案された方法と装置によって、アクセスノードのULサービスエリアは、SHO領域のサイズを変えることなく、その結果アクセスノードに隣接する他のアクセスノードのULサービスエリアに悪影響を与えることなく、操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の上記および他の目的、特徴、および利点は、図面への参照により本開示の実施形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
図1図1はマクロ基地局といくつかのLPNを含むヘテロジニアスネットワークを説明している概略図である。
図2図2は、ヘテロジニアスネットワークの中のマクロ基地局とLPNの一つとの間で成形されたマクロ−LPN不均衡領域およびSHO領域を説明している概略図である。
図3図3は、本開示の実施形態に従って、ワイヤレスネットワークの中のアクセスノードのULサービスエリアを操作するための方法を説明しているフローチャートである。
図4図4図3中で示された方法のステップをより詳細に説明しているフローチャートである。
図5図5は、LPNのDLサービスエリアとマクロ基地局のULサービスエリアとに悪影響を与えずにヘテロジニアスネットワークの中のLPNのULサービスエリアを拡張するために図3の方法を適用する例示的な結果を説明している概略図である。
図6図6は、本開示の他の実施形態に従って、ワイヤレスネットワークの中のアクセスノードのULサービスエリアを操作するための方法を説明しているフローチャートである。
図7】、
図8図7及び図8は、本開示の実施形態に従って、ワイヤレスネットワークの中のアクセスノードのULサービスエリアを操作するための例示的な装置の構造を説明しているブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この後の論考において、現在の技術の特定の実施形態の具体的な詳細が限定ではなく説明の目的のために記述される。他の実施形態が、これらの具体的な詳細とは別に使用されてもよいことは当業者によって理解されるであろう。さらに、場合によっては、公知の方法、ノード、インタフェース、回路、およびデバイスの詳細な説明は、不要な詳細のせいで説明が不明りょうになるといけないので割愛される。
【0020】
当業者は、説明された機能が一つまたはいくつかのノードの中で実装できることを理解するであろう。説明された機能のいくつかまたはすべてが、特殊化した機能、ASIC、PLAなどを実行するために相互接続されたアナログおよび/または離散的論理ゲートなどのハードウェア回路を使って実装され得る。同様に、機能のいくつかまたはすべてが、一つ以上のデジタルマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと連携してソフトウェアプログラムおよびデータを用いて実装され得る。エアインタフェースを使って通信するノードが説明される場合、それらのノードがまた適当な無線通信回路を持っていることが理解されるであろう。またこの技術は、さらに、ここに説明された技術をプロセッサに実行させるであろうコンピュータ命令の適切なセットを含んでいる固体メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなどの一時的でない具体物を含む、コンピュータ可読メモリのどのような形でも完全に具現化すると考えることができる。
【0021】
現在開示される技術のハードウェア実装は、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、縮小命令セットプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA(s))を含むがそれらに制限されないハードウェア(例えばデジタルまたはアナログ)回路、および、そのような機能を実行可能なステートマシンを含むか、或いは網羅できるが制限されることはない。
【0022】
コンピュータ実装に関して、コンピュータは一般に、一つ以上のプロセッサまたは一つ以上のコントローラを含むと理解されていて、用語コンピュータ、プロセッサ、およびコントローラは区別なく使用されることがある。コンピュータ、プロセッサ、またはコントローラによって提供される場合に、機能は一つの専用のコンピュータまたはプロセッサまたはコントローラによって、一つの共有されたコンピュータまたはプロセッサまたはコントローラによって、または複数の個別のコンピュータまたはプロセッサまたはコントローラによって提供されてよい(それらのいくつかが共有されてもよいし、分散されてもよい)。さらに、用語「プロセッサ」または「コントローラ」はまた、上述した例のハードウェアなど、そのような機能を実行し、および/またはソフトウェアを実行することが可能な他のハードウェアを示す。
【0023】
当業者によって理解されるであろうように、様々なワイヤレスシステムが、この開示の中でカバーされたアイデアを利用することから利益を得ることができるので、ここで使われるような「アクセスノード」および「端末装置」のような用語は広い意味で理解されるべきである。具体的には、アクセスノードは、第二世代(2G)ネットワークにおけるレガシー基地局、第三世代(3G)ネットワークにおけるNodeB、発展型3Gネットワークにおける発展型NodeB、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)におけるアクセスポイント、およびそのようなものを包含すると理解されるべきである。端末装置は、携帯電話、スマートフォン、ワイヤレス対応のタブレットまたはパーソナルコンピュータ、ワイヤレスのマシン対マシンユニットおよびそのようなものを包含すると理解されるべきである。
【0024】
この後に、本開示に従ってワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのULサービスエリアを操作するための方法300を、図3を参照して説明する。
【0025】
説明するように、方法300はステップs330およびs340を含む。ステップs330において、アクセスノードに近接する端末装置について、一セットのセルのためのCIOの第一のセットを考慮することで、UL受信のための端末装置のセルリストの更新のための条件が満たされるかどうかが判定される。一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、DL送信のために端末装置の在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされているかどうかの判定において考慮される、その一セットのセルのためのCIOの第二のセットとはそれぞれ異なる。ステップs340において、UL受信のための端末装置のセルリストが、ステップs330でなされた判定に従って更新される。
【0026】
一つのCIOのセットが、UL受信のための端末装置のセルリストの更新、および、DL送信のためのその在圏アクセスノードの変更の両方において考慮される従来技術とは異なり、提案方法は、DL送信のための端末装置の在圏アクセスノードの変更において考慮されるCIOの第二のセットとはそれぞれ異なるCIOの第一のセットを考慮することで、UL受信のための端末装置のセルリストを更新する。同様に、UL受信のための端末装置のセルリストの更新は、DL送信のための端末の在圏アクセスノードの変更とは独立に実行されることができる。従って、アクセスノードのULサービスエリアは、そのDLサービスエリアに悪影響を与えずに操作(拡張または縮小)できる。
【0027】
さらに、提案された方法によって、アクセスノードのULサービスエリアは、SHO領域のサイズを変えることなく、その結果アクセスノードに隣接する他のアクセスノードのULサービスエリアに悪影響を与えることなく、操作することができる。
【0028】
一実施形態においては、UL受信のための端末装置のセルリストを更新するための条件は、セルリストに一つのセルを追加するための条件および/またはセルリストから一つのセルを削除するための条件を含んでよい。
【0029】
したがって、ステップs340は図4に示すサブステップs341およびs342を含んでよい。ステップs341で、追加するための条件が或る期間にわたって満たされていて、かつ、セルリストがまだいっぱいでないならば、セルがセルリストに追加される。ステップs342で、削除のための条件が或る期間にわたって満たされているならば、セルがセルリストから削除される。そういうわけで、適切に期間を設定することにより、セルリスト更新の迅速さと信頼性との間でトレードオフを達成することが可能である。
【0030】
一実施形態において、セルをセルリストに追加するための条件およびセルをセルリストから削除するための条件は、以下の式(4)および(5)によりそれぞれ表され、在圏アクセスノードを変更するための条件は、以下の式(6)により表される。
qualitynewCPICH + CIOnewfirst > qualitybestCPICH + CIObestfirst - addhysteresis (4)
qualitynotbestCPICH + CIOnotbestfirst < qualitybestCPICH + CIObestfirst - removehysteresis (5)
qualitynotbestCPICH + CIOnotbestsecond > qualitybestCPICH + CIObestsecond - switchhysteresis (6)
ここで、
qualitynewCPICH、qualitynotbestCPICHおよび qualitybestCPICHはそれぞれ、セルリストに含まれていないセルについての品質測定結果、セルリスト内の最良ではないセルについての品質測定結果、およびセルリスト内の最良のセルについての品質測定結果を示す。
【0031】
CIOnewfirst、CIOnotbestfirst、CIObestfirstはそれぞれ、セルリストに含まれていないセルに対応するCIOの第一のセットのひとつ、セルリスト内の最良ではないセルに対応するCIOの第一のセットのひとつ、およびセルリスト内の最良のセルに対応するCIOの第一のセットのひとつを示す。
【0032】
CIOnotbestsecond、CIObestsecondはそれぞれ、セルリスト内の最良ではないセルに対応するCIOの第二のセットのひとつ、およびセルリスト内の最良のセルに対応するCIOの第二のセットのひとつを示す。
【0033】
addhysteresis、removehysteresis、switchhysteresisはそれぞれ、セルの追加を遅らせるヒステリシス値、セルの削除を遅らせるヒステリシス値、および在圏アクセスノードの変更を遅らせるヒステリシス値を示す。
【0034】
限定ではなく説明として、セルについての品質の測定は、セルについて測定されたCPICH(Common Pilot Channel:共通パイロットチャネル) Ec/IoまたはCPICH RSCP(Received Signal Code Power:受信信号符号電力)であってよい。
【0035】
一実施形態においては、一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、その一セットのセルのためのCIOの第三のセットをその一セットのセルのためのCIOの第二のセットにそれぞれ追加することで形成してよい。すなわち、一セットのセルの各々について、式CIOfirst = CIOsecond + CIOthirdは真であり、ここでCIOfirst、CIOsecondおよびCIOthirdはCIOのそれぞれのセット内におけるセルのCIOを示す。
【0036】
一実施形態においては、一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、アクセスノードにより提供されるセルのための増大したCIOおよび/またはそのアクセスノードに隣接する他のアクセスノードにより提供されるセルのための減少したCIOを含んでよい。その様な解決策は、アクセスノードとしてLPNを、前記他のアクセスノードとして非LPN(例えばマクロ基地局)を含むヘテロジニアスワイヤレスネットワークに特に適している。図5に示すように、上記解決策を適用することで、SHO領域は、そのサイズは不変のままでありつつ、マクロ基地局の方向へと移動する。したがって、LPNのULサービスエリアは、LPNのDLサービスエリア及びマクロ基地局のULサービスエリアに悪影響を与えることなく拡張される。
【0037】
当業者が理解するであろうように、上記の解決策はまた、アクセスノードと前記他のアクセスノードが、同じ様な送信電力を持つ同じタイプのアクセスノードである同種ワイヤレスネットワークにも適用可能である。
【0038】
一実施形態においては、ステップs330及びステップs340は端末装置により実行されてもよい。この場合、端末装置はCIOの第一のセットを知る必要がある。したがって、方法300は図3に示すサブステップs310およびs320をさらに含んでよい。ステップs310で、CIOの第一のセットはネットワークエンティティから(例えばワイヤレスネットワークの中のアクセスノードを調整している中央制御ノードから、またはそれぞれのアクセスノードから)受信される。ステップs320で、品質の測定はアクセスノードによって提供されるセルおよび前記他のアクセスノードにより提供されるセルについて実行される。品質の測定結果は、更新のための条件が満たされているかどうかを判定するためにステップs330において用いられる。
【0039】
他の実施形態においては、端末装置により実行される代わりに、ステップs330及びs340はネットワーク側でネットワークエンティティにより実行されてもよい。この場合、端末装置はCIOの第一のセットを知らない。代わりに、CIOの第一のセットを知っているネットワークエンティティは、端末装置から、アクセスノードにより提供されるセル及び他のアクセスノードにより提供されるセルについての品質測定結果を受信する。明りょうさのために、これは、図6に示す方法300'のステップs310'として説明する。そして、受信した品質の測定結果は、更新のための条件が満たされているかどうかを判定するためにステップs330において用いられる。
【0040】
具体的な実施において、アクセスノードによって提供されるセル及び他のアクセスノードにより提供されるセルについての品質測定結果は、端末装置から周期的に報告されてもよい。
【0041】
品質の測定結果を送信するために必要とされる資源の量をさらに減らす改良された実施として、品質の測定結果の周期的な報告はイベントトリガでもよい。
【0042】
具体的には、端末装置がアクセスノードによりサービスされる場合、アクセスノードにより提供されるセル及び前記他のアクセスノードにより提供されるセルについての品質測定結果は、前記他のアクセスノードをセルリストに追加するための条件が満たされることを、CIOの第二のセットを考慮することで判定した後で報告されてもよい。
【0043】
上記の数式(1)-(3)として表された条件が、CIOの第二のセットを考慮することによって満たされているかどうかの判定に基づいた従来技術におけるように、端末装置はCIOの第二セットとトリガーイベント1a、1b、1dとを知っていると仮定し、イベント1aがトリガされたときに、品質測定結果の報告が開始されてよい。
【0044】
さらに、それが、前記他のアクセスノードをセルリストに追加するための条件が満たされていることをCIOの第一のセットを考慮することで判定した後に、品質測定結果の報告を停止してもよい。
【0045】
端末装置が前記他のアクセスノードによりサービスされる場合、アクセスノードにより提供されるセル及び前記他のアクセスノードにより提供されるセルについての品質測定結果は、前記アクセスノードをセルリストから削除するための条件が満たされることをCIOの第二のセットを考慮することで判定した後で報告されてもよい。例えば、上記の数式(1)-(3)として表された条件が満たされているかどうかの判定において、CIOの第二のセットを使う端末装置でイベント1bがトリガされたときに、品質測定結果の報告が開始されてもよい。さらに、CIOの第一のセットを考慮することによって前記アクセスノードをセルリストから削除するための条件が満たされていることを判定した後に、品質測定結果報告を停止してもよい。
【0046】
端末装置が前記他のアクセスノードによりサービスされる場合、アクセスノードにより提供されるセル及び前記他のアクセスノードにより提供されるセルについての品質測定結果は、端末装置が、端末装置の在圏ANを前記他のアクセスノードからアクセスノードへと変更するための条件が満たされることを判定した後で報告されてもよい。例えば、上記の数式(1)-(3)として表された条件が満たされているかどうかの判定において、CIOの第二のセットを使う端末装置でイベント1dがトリガされたときに、品質測定結果の報告が開始されてもよい。さらに、CIOの第一のセットを考慮することによって前記他のアクセスノードをセルリストから削除するための条件が満たされていることを判定した後に、品質測定結果報告を停止してもよい。
【0047】
アクセスノードがLPNであり、前記他のアクセスノードが非LPNであるヘテロジニアスワイヤレスネットワークのシナリオにおいて、端末装置が非LPNによりサービスされ、どのLPNもセルリストの中に存在していない場合に、LPNによって提供されたセルと非LPNによって提供されたセルについての品質測定結果が報告されてもよい。
【0048】
この後に、本開示に従ってワイヤレスネットワークにおけるアクセスノードのULサービスエリアを操作するための装置の考えられる二つの構造を、装置700および装置700'それぞれとして装置が表される図7及び図8を参照して説明する。
【0049】
図7及び図8に説明されたように、装置700及び装置700'の両方が判定部730および更新部740を含む。判定部730は、一セットのセルのためのCIOの第一のセットを考慮することによって、アクセスノードの近傍の端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件が満たされているかどうかを判定するよう構成される。一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、端末装置のDL送信のための在圏アクセスノードを変更するための条件が満たされているかどうかの判定において考慮される、その一セットのセルのためのCIOの第二のセットとは異なる。更新部は、その判定に従って、端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するよう構成される。
【0050】
一実施形態においては、一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、その一セットのセルのためのCIOの第三のセットをその一セットのセルのためのCIOの第二のセットにそれぞれ追加することで形成してよい。
【0051】
一実施形態においては、一セットのセルのためのCIOの第一のセットは、アクセスノードにより提供されるセルのための増大したCIOおよび/またはそのアクセスノードに隣接する他のアクセスノードにより提供されるセルのための減少したCIOを含んでよい。
【0052】
一実施形態において前記ワイヤレスネットワークはヘテロジニアスワイヤレスネットワークであり、前記アクセスノードはLPNであり、前記他のアクセスノードは非LPNであってよい。
【0053】
一実施形態においては、端末装置のUL受信のためのセルリストを更新するための条件は、セルリストに一つのセルを追加するための条件またはセルリストから一つのセルを削除するための条件を含んでよい。
【0054】
方法300及び300'に関して上述したセルリストにセルを追加するための特定の条件および/またはセルリストからセルを削除するための特定の条件は、装置700および700'のためにも適用できる。
【0055】
一実施形態においては、更新部740は、追加のための条件が或る期間にわたって満たされており、かつセルリストがまだいっぱいでないならば、セルをセルリストに追加し、削除のための条件が或る期間にわたって満たされているならば、セルをセルリストから削除するよう構成されてよい。
【0056】
一実施形態において、装置700は端末装置であってよく、図7に示したように受信部710及び測定部720をさらに含む。受信部710は、ネットワークエンティティからCIOの第一のセットを受信するよう構成されてよい。測定部720は、アクセスノードによって提供されるセルおよび前記他のアクセスノードにより提供されるセルについて品質測定を実行するよう構成されてよい。品質測定結果は、更新のための条件が満たされているかどうかの判定において用いられる。
【0057】
一実施形態において、装置700'はネットワークエンティティであってよく、受信部710'をさらに含んでよい。受信部710'は、前記アクセスノードによって提供されるセルおよび前記他のアクセスノードにより提供されるセルについての品質測定結果を端末装置から受信するよう構成されてよい。品質の測定結果は、更新のための条件が満たされているかどうかの判定において用いられる。
【0058】
当業者が理解するであろうように、上述した装置700または700'の部分は適切な専用回路として別々に実装できる。それにも関わらず、これらの部分はまた、機能的な結合または分離を通して任意の数の専用回路を用いて実施することもできる。いくつかの実施形態においては、これらの部分はひとつの特定用途向け集積回路(ASIC)内で組み結合することさえできる。
【0059】
代替のソフトウェアベースの実装として、装置は、メモリ、プロセッサ(マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)その他を含むがそれらに限定されない)およびトランシーバを含んでよい。メモリは、装置に上述した方法300または300'を実行させるために、マシン読み取り可能な、プロセッサで実行可能なプログラムコードを格納する。
【0060】
本開示はその実施形態を参照して上述される。しかしながら、これらの実施形態は本開示を限定するのではなく、説明目的のためだけに提供される。この開示の範囲は添付した特許請求の範囲とその均等物により定められる。当業者は、この開示の範囲から離れることなしに、開示の範囲にすべて収まる様々な代替および変更をすることができる。
図1
図2
図3
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図5
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図8