特許第6417070号(P6417070)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6417070
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年10月31日
(54)【発明の名称】コーナーパット
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20181022BHJP
【FI】
   B65D81/05 510Z
   B65D81/05 530Z
   B65D81/05 500Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-120778(P2018-120778)
(22)【出願日】2018年6月26日
【審査請求日】2018年6月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年4月12日、特許出願したコーナーパットを三菱電気照明株式会社 掛川南工場へ販売、納入した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305006624
【氏名又は名称】ダイナパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丸山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】阿久沢 竜介
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−112577(JP,U)
【文献】 実開昭57−74163(JP,U)
【文献】 特開平4−367466(JP,A)
【文献】 特開平7−76373(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3063652(JP,U)
【文献】 特開2006−160313(JP,A)
【文献】 特開2007−119008(JP,A)
【文献】 特開2017−197214(JP,A)
【文献】 実開昭52−125573(JP,U)
【文献】 米国特許第2670122(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有するシート部材と、
前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て一方の側に設けられ、前記貫通孔の縁の一部に沿う折り返し部と、
を備え、
前記折り返し部は、前記縁の一部に沿って前記シート部材に形成された切れ目と、前記切れ目における一方の端部から前記縁まで前記シート部材に形成された第1折り目と、前記切れ目における反対の端部から前記縁まで前記シート部材に形成され、前記第1折り目と同一直線上にある第2折り目と、前記縁とにより囲まれた部分であり、
前記折り返し部を、前記第1折り目及び前記第2折り目で折り返したとき、前記折り返し部の少なくとも一部は、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て前記一方とは反対側の部分と重畳するように構成されたコーナーパット。
【請求項2】
貫通孔を有するシート部材と、
前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て一方の側に設けられ、前記貫通孔の外周方向に沿って並ぶ複数の折り返し部と、
を備え、
前記複数の折り返し部は、それぞれ、前記貫通孔の縁の一部に沿って前記シート部材に形成された切れ目と、前記切れ目における一方の端部から内側の境界まで前記シート部材に形成された第1折り目と、前記切れ目における反対の端部から前記内側の境界まで前記シート部材に形成され、前記第1折り目と同一直線上にある第2折り目と、前記内側の境界とにより囲まれた部分であり、
前記内側の境界は、前記折り返し部が、前記縁と接するものである場合は、前記縁であり、それ以外の場合は、内周方向にある隣接した前記切れ目であり、
前記複数の折り返し部は、それぞれ、前記第1折り目及び前記第2折り目で折り返したとき、前記折り返し部の少なくとも一部が、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て前記一方とは反対側の部分と重畳するように構成されたコーナーパット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコーナーパットであって、
前記貫通孔から見て、前記折り返し部よりもさらに外周側に設けられた外周側折り返し部をさらに備え、
前記外周側折り返し部は、前記シート部材の外縁と、前記外縁上の第1起点から前記切れ目まで形成された第1外周側折り目と、前記外縁上の第2起点から前記切れ目まで延び、前記第1外周側折り目と同一直線上にある第2外周側折り目と、前記切れ目とにより囲まれた部分であり、
前記外周側折り返し部を、前記第1外周側折り目及び前記第2外周側折り目で折り返したとき、前記外周側折り返し部の少なくとも一部は、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て前記一方とは反対側の部分と重畳するように構成されたコーナーパット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーナーパットであって、
前記シート部材は複数の前記貫通孔を有し、
それぞれの前記貫通孔について、前記折り返し部が前記シート部材に設けられているコーナーパット。
【請求項5】
請求項4に記載のコーナーパットであって、
隣接する前記貫通孔同士の間に前記折り返し部を備えるコーナーパット。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーナーパットであって、
前記シート部材は段ボールから成り、
前記一方とは反対側の部分における段目の方向と、折り返された前記折り返し部における段目の方向とが交差するコーナーパット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はコーナーパットに関する。
【背景技術】
【0002】
製品を梱包するとき、製品を保護するために、外装箱と製品との間に緩衝材が入れられる。緩衝材として、コーナーパットがある。コーナーパットは、外装箱のコーナー部分に用いられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平02−001264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下のようにしてコーナーパットを製造することが考えられる。まず、段ボールから成るシートを用意する。このシートの形態は、中央に貫通孔を有する枠形状である。次に、シートの四辺それぞれにおいて、内側の部分を折り返し、外側の部分に重ねることで、コーナーパットを製造する。製造されたコーナーパットは、4辺のそれぞれにおいて、段ボールが重ねられた部分を有する。そのため、段ボールを重ねない場合に比べて強度が高い。
【0005】
しかしながら、上記のコーナーパットの製造方法では、コーナーパットのうち、コーナーの部分において段ボールを重ねることができない。その結果、コーナーの部分の強度が不足する。本開示の一局面は、強度が不足する部分が生じ難いコーナーパットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面は、貫通孔を有するシート部材と、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て一方の側に設けられ、前記貫通孔の縁の一部に沿う折り返し部と、を備え、前記折り返し部は、前記縁の一部に沿って前記シート部材に形成された切れ目と、前記切れ目における一方の端部から前記縁まで前記シート部材に形成された第1折り目と、前記切れ目における反対の端部から前記縁まで前記シート部材に形成され、前記第1折り目と同一直線上にある第2折り目と、前記縁とにより囲まれた部分であり、前記折り返し部を、前記第1折り目及び前記第2折り目で折り返したとき、前記折り返し部の少なくとも一部は、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て前記一方とは反対側の部分と重畳するように構成されたコーナーパットである。
【0007】
本開示の一局面であるコーナーパットによれば、前記反対側の部分に対し、広い範囲にわたって折り返し部を重ねることができる。そのため、本開示の一局面であるコーナーパットでは、強度が不足する部分が生じ難い。
【0008】
本開示の別の局面は、貫通孔を有するシート部材と、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て一方の側に設けられ、前記貫通孔の外周方向に沿って並ぶ複数の折り返し部と、を備え、前記複数の折り返し部は、それぞれ、前記貫通孔の縁の一部に沿って前記シート部材に形成された切れ目と、前記切れ目における一方の端部から内側の境界まで前記シート部材に形成された第1折り目と、前記切れ目における反対の端部から前記内側の境界まで前記シート部材に形成され、前記第1折り目と同一直線上にある第2折り目と、前記内側の境界とにより囲まれた部分であり、前記内側の境界は、前記折り返し部が、前記縁と接するものである場合は、前記縁であり、それ以外の場合は、内周方向にある隣接した前記切れ目であり、前記複数の折り返し部は、それぞれ、前記第1折り目及び前記第2折り目で折り返したとき、前記折り返し部の少なくとも一部が、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て前記一方とは反対側の部分と重畳するように構成されたコーナーパットである。
【0009】
本開示の別の局面であるコーナーパットによれば、前記反対側の部分に対し、広い範囲にわたって複数の折り返し部を重ねることができる。そのため、本開示の別の局面であるコーナーパットでは、強度が不足する部分が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】コーナーパット1の構成を表す斜視図である。
図2】折り返し部11を折り返した状態にあるコーナーパット1の構成を表す斜視図である。
図3】折り返し部11及び外周側折り返し部21を折り返した状態にあるコーナーパット1の構成を表す斜視図である。
図4】コーナーパット101の構成を表す斜視図である。
図5】一部の折り返し部11を折り返した状態にあるコーナーパット101の構成を表す斜視図である。
図6】折り返し部11、39を折り返した状態にあるコーナーパット101の構成を表す斜視図である。
図7】全ての折り返し部11、39を折り返した状態にあるコーナーパット101の構成を表す斜視図である。
図8】コーナーパット201の構成を表す斜視図である。
図9】一部の折り返し部11を折り返した状態にあるコーナーパット201の構成を表す斜視図である。
図10】一部の折り返し部11、39を折り返した状態にあるコーナーパット201の構成を表す斜視図である。
図11】一部の折り返し部11、39、47を折り返した状態にあるコーナーパット201の構成を表す斜視図である。
図12】全ての折り返し部11、39、47を折り返した状態にあるコーナーパット201の構成を表す斜視図である。
図13】コーナーパット301の構成を表す斜視図である。
図14】一部の折り返し部11、55、57を折り返した状態にあるコーナーパット301の構成を表す斜視図である。
図15】全ての折り返し部11、55、57を折り返した状態にあるコーナーパット301の構成を表す斜視図である。
図16】コーナーパット401の構成を表す斜視図である。
図17】一部の折り返し部11、69、71を折り返した状態にあるコーナーパット401の構成を表す斜視図である。
図18】全ての折り返し部11、69、71を折り返した状態にあるコーナーパット401の構成を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の例示的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.コーナーパット1の構成
コーナーパット1の構成を、図1図3に基づき説明する。コーナーパット1は、貫通孔3を有するシート部材5を備える。シート部材5の形状は、平面視において正方形である。シート部材5の材質は段ボールである。貫通孔3の形状は正方形である。貫通孔3の縁7を構成する各辺7A〜7Dは、シート部材5の外縁9を構成する各辺と平行であるか直交する。
【0012】
コーナーパット1は、折り返し部11を備える。図1に示すように、折り返し部11は、貫通孔3から見て、一方の側に設けられている。折り返し部11は、辺7A及び辺7Bに沿っている。辺7A及び辺7Bは縁7の一部である。
【0013】
折り返し部11は、切れ目13と、第1折り目15と、第2折り目17と、縁7とにより囲まれた部分である。切れ目13は、辺7A及び辺7Bに沿って形成されている。第1折り目15は、切れ目13における一方の端部13Aから縁7まで形成されている。第2折り目17は、切れ目13における反対の端部13Bから縁7まで形成されている。第2折り目17は第1折り目15と同一直線上にある。第1折り目15及び第2折り目17は、縁7の対角線と同一直線上にある。
【0014】
折り返し部11を、第1折り目15及び第2折り目17で折り返したとき、図2に示すように、折り返し部11は、反対部分19と重畳する。反対部分19とは、シート部材5のうち、貫通孔3から見て、折り返されていない状態にある折り返し部11とは反対側にある部分である。反対部分19は、辺7C、7Dに沿った略L字型の部分である。折り返し部11を折り返したとき、辺7Aは辺7Dと重なり、辺7Bは辺7Cと重なる。
【0015】
コーナーパット1は、外周側折り返し部21をさらに備える。外周側折り返し部21は、折り返し部11よりもさらに外周側に設けられている。外周側とは、貫通孔3から遠ざかる方向を意味する。外周側折り返し部21は、外縁9と、第1外周側折り目23と、第2外周側折り目25と、切れ目13とに囲まれた部分である。
【0016】
第1外周側折り目23は、外縁9上の第1起点27から切れ目13まで形成されている。第2外周側折り目25は、外縁9上の第2起点29から切れ目13まで形成されている。第1起点27及び第2起点29は、外縁9における角に位置する。
【0017】
第2外周側折り目25は、第1外周側折り目23と同一直線上にある。第1外周側折り目23及び第2外周側折り目25は、縁7の対角線と平行である。第1外周側折り目23及び第2外周側折り目25は、第1折り目15及び第2折り目17よりも、辺7C、7Dから離れている。
【0018】
外周側折り返し部21を、第1外周側折り目23及び第2外周側折り目25で折り返したとき、図3に示すように、外周側折り返し部21は、折り返し部11及び反対部分19と重畳する。なお、重畳とは、平面視において重なって見えることを意味し、必ずしも直接的に接触していなくてもよい。外周側折り返し部21を折り返したとき、コーナーパット1は、略L字型の形状となる。
【0019】
2.コーナーパット1が奏する効果
(1A)コーナーパット1は、例えば、図3に示す状態として、使用することができる。コーナーパット1は、例えば、外装箱のコーナー部分において、外装箱の内面と製品との間に配置される。コーナーパット1は、コーナーの部分も含めて、反対部分19と折り返し部11とを重畳することができる。その結果、コーナーパット1は強度が高い。
【0020】
(1B)コーナーパット1は、外周側折り返し部21をさらに備える。外周側折り返し部21は、折り返すことにより、反対部分19及び折り返し部11と重畳する。そのため、コーナーパット1は一層強度が高い。
【0021】
(1C)コーナーパット1は段ボールから成る。折り返し部11及び外周側折り返し部21を折り返したとき、折り返し部11及び外周側折り返し部21の段目の方向と、反対部分19の段目の方向とは交差する。そのため、折り返し部11、外周側折り返し部21、及び反対部分19を重畳した部分の強度が一層高い。
<第2実施形態>
1.コーナーパット101の構成
コーナーパット101の構成を、図4図7に基づき説明する。コーナーパット101は4個の貫通孔31、33、35、37を有するシート部材5を備える。シート部材5の形状は、平面視において正方形である。シート部材5の材質は段ボールである。
【0022】
貫通孔31、33、35、37は、それぞれ、コーナーパット101の角の付近に配置されている。貫通孔31、33、35、37は同一の形状を有する。ここでは、貫通孔31について説明する。貫通孔31の形状は正方形である。貫通孔31の縁7を構成する各辺7A〜7Dは、シート部材5の外縁9を構成する各辺と平行であるか直交する。
【0023】
コーナーパット101は、貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応して、複数の折り返し部11、39を備える。ここでは、貫通孔31に対応する折り返し部11、39について説明する。貫通孔33、35、37に対応する折り返し部11、39も同様の構成を有する。
【0024】
図4に示すように、折り返し部11は、貫通孔31から見て、一方の側に設けられている。折り返し部11は、辺7A及び辺7Bに沿っている。辺7A及び辺7Bは縁7の一部である。
折り返し部11は、切れ目13と、第1折り目15と、第2折り目17と、縁7とにより囲まれた部分である。切れ目13は、辺7A及び辺7Bに沿って形成されている。第1折り目15は、切れ目13における一方の端部13Aから縁7まで形成されている。第2折り目17は、切れ目13における反対の端部13Bから縁7まで形成されている。第2折り目17は第1折り目15と同一直線上にある。第1折り目15及び第2折り目17は、縁7の対角線と同一直線上にある。折り返し部11にとって縁7は内側の境界に対応する。
【0025】
折り返し部11を、第1折り目15及び第2折り目17で折り返したとき、図5に示すように、折り返し部11は、反対部分19と重畳する。反対部分19とは、シート部材5のうち、貫通孔31から見て、折り返されていない状態にある折り返し部11とは反対側にある部分である。反対部分19は、辺7C、7Dに沿った略L字型の部分である。折り返し部11を折り返したとき、辺7Aは辺7Dと重なり、辺7Bは辺7Cと重なる。
【0026】
折り返し部39は、折り返し部11よりもさらに外周側に設けられている。外周側とは、貫通孔31から遠ざかる方向を意味する。折り返し部39は、切れ目41と、第1折り目43と、第2折り目45と、切れ目13とに囲まれた部分である。
【0027】
切れ目41は、辺7A及び辺7Bに沿って形成されている。切れ目41は、切れ目13よりも外周側に形成されている。第1折り目43は、切れ目41における一方の端部41Aから切れ目13まで形成されている。第2折り目45は、切れ目41における反対の端部41Bから切れ目13まで形成されている。なお、切れ目13は、切れ目41にとって、内周方向に隣接した切れ目に対応する。折り返し部39にとって切れ目13は内側の境界に対応する。
【0028】
第2折り目45は、第1折り目43と同一直線上にある。第1折り目43及び第2折り目45は、縁7の対角線と平行である。第1折り目43及び第2折り目45は、第1折り目15及び第2折り目17よりも、辺7C、7Dから離れている。
【0029】
折り返し部39を、第1折り目43及び第2折り目45で折り返したとき、図6に示すように、折り返し部39は、折り返し部11及び反対部分19と重畳する。なお、重畳とは、平面視において重なって見えることを意味し、必ずしも直接的に接触していなくてもよい。
【0030】
図4に示すように、貫通孔31に対応する折り返し部39は、貫通孔33に対応する折り返し部39、及び、貫通孔37に対応する折り返し部39と隣接している。また、貫通孔35に対応する折り返し部39は、貫通孔33に対応する折り返し部39、及び、貫通孔37に対応する折り返し部39と隣接している。
【0031】
貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応する折り返し部11、39を全て折り返したとき、図7に示すように、コーナーパット101は枠形状となる。
2.コーナーパット101が奏する効果
(2A)コーナーパット101は、例えば、図7に示す状態として、使用することができる。コーナーパット101は、コーナーの部分も含めて、反対部分19と折り返し部11、39とを重畳することができる。その結果、コーナーパット101は強度が高い。
【0032】
(2B)コーナーパット101は段ボールから成る。折り返し部11、39を折り返したとき、折り返し部11、39の段目の方向と、反対部分19の段目の方向とは交差する。そのため、折り返し部11、39、及び反対部分19を重畳した部分の強度が一層高い。
【0033】
(2C)コーナーパット101は、複数の貫通孔31、33、35、37のそれぞれについて、折り返し部11、39を備える。そのことにより、コーナーパット101の形状を、図7に示すような枠形状とすることができる。
<第3実施形態>
1.第2実施形態との相違点
第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0034】
前述した第2実施形態では、貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応して、複数の折り返し部11、39を備えていた。それに対し、第3実施形態のコーナーパット201は、図8に示すように、貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応して、折り返し部11、39に加えて、折り返し部47をさらに備える点で、第2実施形態と相違する。
【0035】
折り返し部47は、折り返し部39よりもさらに外周側に設けられている。折り返し部47は、切れ目49と、第1折り目51と、第2折り目53と、切れ目41とに囲まれた部分である。
切れ目49は、辺7A及び辺7Bに沿って形成されている。切れ目49は、切れ目41よりも外周側に形成されている。第1折り目51は、切れ目49における一方の端部49Aから切れ目41まで形成されている。第2折り目53は、切れ目49における反対の端部49Bから切れ目41まで形成されている。なお、切れ目41は、切れ目49にとって、内周方向に隣接した切れ目に対応する。折り返し部47にとって切れ目41は内側の境界に対応する。
【0036】
第2折り目53は、第1折り目51と同一直線上にある。第1折り目51及び第2折り目53は、縁7の対角線と平行である。第1折り目51及び第2折り目53は、第1折り目43及び第2折り目45よりも、辺7C、7Dから離れている。
【0037】
折り返し部11を、第1折り目15及び第2折り目17で折り返したとき、図9に示すように、折り返し部11は、反対部分19と重畳する。折り返し部39を、第1折り目43及び第2折り目45で折り返したとき、図10に示すように、折り返し部39は、折り返し部11及び反対部分19と重畳する。
【0038】
折り返し部47を、第1折り目51及び第2折り目53で折り返したとき、図11に示すように、折り返し部47は、折り返し部11、折り返し部39及び反対部分19と重畳する。貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応する折り返し部11、39、47を全て折り返したとき、図12に示すように、コーナーパット201は枠形状となる。
【0039】
2.コーナーパット201が奏する効果
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第2実施形態の効果を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0040】
(3A)コーナーパット201は、コーナーの部分も含めて、反対部分19と折り返し部11、39、47とを重畳することができる。その結果、コーナーパット101は強度が高い。
<第4実施形態>
1.第2実施形態との相違点
第4実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0041】
前述した第2実施形態では、貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応して、複数の折り返し部11、39を備えていた。それに対し、第4実施形態のコーナーパット301は、図13に示すように、貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応して、折り返し部11は備えるが、折り返し部39は備えない点で、第2実施形態と相違する。
【0042】
また、コーナーパット301は、貫通孔31、33、35、37のそれぞれにおいて、折り返し部55、57を備える点でも、第2実施形態と相違する。
折り返し部55は、辺7Dに沿って設けられている。折り返し部55は、辺7D、折り目59、切れ目61、63で囲まれた部分である。折り目59は辺7Dと平行である。折り返し部57は、辺7Cに沿って設けられている。折り返し部57は、辺7C、折り目65、切れ目63、67で囲まれた部分である。折り目65は辺7Cと平行である。
【0043】
折り返し部11を、第1折り目15及び第2折り目17で折り返したとき、図14に示すように、折り返し部11は、反対部分19と重畳する。
さらに、図14に示すように、折り返し部55を折り目59で折り返すと、折り返し部55は反対部分19と重畳する。また、折り返し部57を折り目65で折り返すと、折り返し部57は反対部分19と重畳する。
【0044】
貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応する折り返し部11、55、57を全て折り返したとき、図15に示すように、コーナーパット301は枠形状となる。
2.コーナーパット301が奏する効果
以上詳述した第4実施形態によれば、前述した第2実施形態の効果を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0045】
(4A)コーナーパット301は、折り返し部55、57を、反対部分19に重畳させることができる。その結果、コーナーパット301は強度が高い。
<第5実施形態>
1.第2実施形態との相違点
第5実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0046】
前述した第2実施形態では、貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応して、複数の折り返し部11、39を備えていた。それに対し、第5実施形態のコーナーパット401は、図16に示すように、貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応して、折り返し部11は備えるが、折り返し部39は備えない点で、第2実施形態と相違する。
【0047】
また、コーナーパット401は、貫通孔31、33、35、37のそれぞれにおいて、折り返し部69、71を備える点でも、第2実施形態と相違する。
折り返し部69は、折り返し部11の一部である。折り返し部69は、辺7Aに沿って設けられている。折り返し部69は、辺7A、折り目73、切れ目75、切れ目77で囲まれた部分である。折り目73は辺7Aと平行である。
【0048】
折り返し部71は、折り返し部11の一部である。折り返し部71は、辺7Bに沿って設けられている。折り返し部71は、辺7B、折り目79、切れ目77、切れ目81で囲まれた部分である。折り目79は辺7Bと平行である。なお、切れ目75、81は貫通孔31の一部である。
【0049】
折り返し部11を、第1折り目15及び第2折り目17で折り返したとき、図17に示すように、折り返し部11は、反対部分19と重畳する。
さらに、図17に示すように、折り返し部69を折り目73で折り返すと、折り返し部69は反対部分19と重畳する。また、折り返し部71を折り目79で折り返すと、折り返し部71は反対部分19と重畳する。
【0050】
貫通孔31、33、35、37のそれぞれに対応する折り返し部11、69、71を全て折り返したとき、図18に示すように、コーナーパット401は枠形状となる。
2.コーナーパット401が奏する効果
以上詳述した第5実施形態によれば、前述した第2実施形態の効果を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0051】
(5A)コーナーパット401は、折り返し部69、71を、反対部分19に重畳させることができる。その結果、コーナーパット401は強度が高い。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0052】
(1)コーナーパットの材質は段ボール以外の材質であってもよい。
(2)第1実施形態のコーナーパット1は、図2に示す形態で使用してもよい。この場合、第1外周側折り目23及び第2外周側折り目25は設けなくてもよい。
【0053】
(3)第1実施形態において、折り返し部11と外周側折り返し部21との間に、さらに、1以上の折り返し部を設けてもよい。
(4)第2〜第5実施形態において、貫通孔の外周方向に沿って並ぶ折り返し部の数は適宜設定することができ、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8・・・・等とすることができる。
【0054】
(5)第1実施形態のコーナーパット1が、第4実施形態における折り返し部55、57を備えていてもよい。また、第1実施形態のコーナーパット1が、第5実施形態における折り返し部69、71を備えていてもよい。
(6)貫通孔3、31、33、35、37の形状は正方形以外の形状であってもよく、例えば、円形、楕円形、菱形、正六角形、正八角形等であってもよい。
(7)第2〜第5実施形態において、シート部材5の形状は、平面視において、正方形以外の形状でもよい。正方形以外の形状として、例えば、長方形等が挙げられる。
【0055】
(8)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0056】
(9)上述したコーナーパットの他、当該コーナーパットを構成要素とするシステム、コーナーパットの製造方法、製品の梱包方法、製品の輸送方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0057】
1、101、201、301、401…コーナーパット、3、31、33、35、37…貫通孔、5…シート部材、7…縁、7A、7B、7C、7D…辺、9…外縁、11、39、47、55、57、69、71…折り返し部、13、41、49…切れ目、13A、41A、49A…一方の端部、13B、41B、49B…反対の端部、15、43、51…第1折り目、17、45、53…第2折り目、19…反対部分、21…外周側折り返し部、23…第1外周側折り目、25…第2外周側折り目、27…第1起点、29…第2起点
【要約】
【課題】強度が不足する部分が生じ難いコーナーパットを提供すること。
【解決手段】コーナーパットは、貫通孔を有するシート部材と、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て一方の側に設けられ、前記貫通孔の縁の一部に沿う折り返し部とを備える。前記折り返し部は、前記縁の一部に沿って前記シート部材に形成された切れ目と、前記切れ目における一方の端部から前記縁まで前記シート部材に形成された第1折り目と、前記切れ目における反対の端部から前記縁まで前記シート部材に形成され、前記第1折り目と同一直線上にある第2折り目と、前記縁とにより囲まれた部分である。前記折り返し部を、前記第1折り目及び前記第2折り目で折り返したとき、前記折り返し部の少なくとも一部は、前記シート部材のうち、前記貫通孔から見て前記一方とは反対側の部分と重畳する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
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図18