(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記湿調ガス導入手段は、前記処理室内の空気を吸入し、除湿した前記空気を前記処理室内に導入する除湿手段であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の表面処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明には適宜省略する。
【0013】
また、本明細書中において「湿度」、「相対湿度」は同義とする。また、「反応種」、「プラズマ生成物」は同義とする。
【0014】
[第1の実施形態](表面処理装置100)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表面処理装置100を例示するための模式図である。
図2は、本実施の形態に係る表面処理装置100に設けられたプラズマ発生手段2を例示するための模式図である。
図1に示すように、表面処理装置100には、処理室1、搬送部6、プラズマ発生手段2、制御部8が設けられている。
【0015】
(処理室1)
処理室1の側壁には、例えばガラス基板などの被処理物Wを処理室1に搬入する搬入口5aと、被処理物Wを処理室1から搬出する搬出口5bが、互いに対向して設けられている。搬入口5aと搬出口5bは、少なくとも被処理物Wの搬入と搬出を行う間、および被処理物Wの処理を行う間は開口されている。
【0016】
処理室1の天井部付近には、湿調ガス導入手段3が設けられる。湿調ガス導入手段3は、処理室1内の湿度を調整する湿調ガスG1を処理室1内に導入できるようになっており、処理室1内における被処理基板Wの搬送方向前方と後方にそれぞれ対向するように2個設置されている。湿調ガス導入手段3については後述する。
【0017】
(搬送部6)
搬送部6は、処理室1の外部から内部にかけて延在し、搬入口5aと搬出口5bとを結ぶ経路上に設けられている。搬送部6は、
図1に示すように、複数のローラ6aを備え、複数のローラ6aをそれぞれ同じ方向に回転させることでローラ6aの上に載置した被処理物Wを搬送する。例えば、被処理物Wを、搬入口5aから処理室1内部に搬入し、搬出口5bから処理室1外部に搬出する。
【0018】
(プラズマ発生手段2)
図2に示すように、プラズマ発生手段2には、本体部21、第1の電極22a、第2の電極22b、高周波電源20、ガス供給部23が設けられている。
【0019】
本体部21は処理室1内に設けられ、アルミナや石英などの誘電体の材料からなるものとすることができる。
【0020】
また、本体部21は、二つの開口を有する筐体である。一方の開口はガス導入口21aであり、流量制御弁23aを介してガス供給部23に接続され、処理ガスGが供給される開口である。他方の端部の開口は、被処理物Wに向けて開口する吹き出し口21bであり、処理ガスGを吹き出す開口である。
【0021】
また、本体部21の内部の、ガス導入口21aと吹き出し口21bとの間の空間を放電空間Pとすることができる。
【0022】
第1、第2の電極22a、22bは、放電空間Pを挟み、互いに平行になるように配置され、いわゆる平行平板電極を形成するように設けられている。すなわち、第1、第2の電極22a、22bが電界印加手段となる。第1、第2の電極22a、22bは、銅やアルミなどの金属、合金、金属間化合物からなり、表面をアルミナや石英などの誘電体22cで覆われている。第1の電極22aには高周波電源20が接続され、高周波電圧を印加されるようになっており、第2の電極22bは接地されている。
【0023】
高周波電源20は例えば、100HHz〜100MHz程度の高周波電力を第1の電極22aに印加するものとすることができる。
【0024】
ガス供給部23は、処理ガスGが封入されたガスボンベとすることができ、ガス導入口21aを介して、処理ガスGを放電空間Pに向けて供給する。処理ガスGは、処理や被処理物Wの種類によって適宜変更することができる。例えば、CF
4、NF
3、O
2、H
2などのガスを例示することができる。ただし、これらに限定されるものではなく、エッチング、アッシング、薄膜堆積、表面硬化、表面活性化、表面洗浄など表面処理の内容に応じて適宜変更することができる。
【0025】
流量制御弁23aは、ガス供給部23から供給される処理ガスGが、所定の流量になるように制御される。
【0026】
なお、プラズマ発生手段2には、冷却水を流通させることで本体部21を冷却する図示しない冷却手段や、第1、第2の電極22a、22bに供給する高周波電力を調整する図示しない整合器を設けることができる。
【0027】
プラズマ発生手段2は、第1の電極22aと第2の電極22bに高周波電圧を印加し、ガス供給部23から供給した処理ガスGが、ガス導入口21aから吹き出し口21bを通過するとき放電空間Pにおいてプラズマを発生させる。そして、吹き出し口21bからプラズマ生成物(イオンやラジカルなどの活性種)を含んだ処理ガスGを被処理物Wに向かって吹き出すことができる。
【0028】
プラズマ生成物は、被処理物Wの表面に到達し、被処理物Wの表面と反応することにより、被処理物Wの表面処理が行われる。
【0029】
ここで、処理室1内部の湿度が高いと、プラズマ生成物と処理室1内部の水分とが反応し、プラズマ生成物の失活量が多くなる。
【0030】
図3は、表面処理効果と被処理物Wの搬送速度の関係を表した図である。
図において、横軸は被処理物Wの搬送速度、縦軸は表面処理効果(純水を使った接触角の改善度)を示している。湿度を管理せずに処理を行った場合(相対湿度が約45%)と、湿度を管理し、低湿度環境下で処理を行った場合(相対湿度が約20%)での表面改質効果を比べると、明らかに低湿度環境下(相対湿度が約20%)での表面改質効果が高いことが分かる。
【0031】
すなわち、処理室1内部の湿度を管理する(例えば、相対湿度を20%程度に維持する)ことで、プラズマ生成物の失活量が少なくなり、プラズマ生成物の残存量を多くすることができる。その結果、被処理物Wの処理に寄与するプラズマ生成物の量を比較例に比べて多くすることができ、処理効率の低下を抑止することができる。
【0032】
また、
図3のように、湿度を管理し、低湿度環境下で処理を行った場合(相対湿度が約20%)では、被処理物Wの搬送速度を速くしても、湿度を管理せずに処理を行った場合(相対湿度が約45%)に比べ高い表面処理効果が得られるため、搬送速度を速くすることができる。その結果、一枚あたりの被処理物Wの処理時間を短くすることができ、生産効率を向上させることができる。
【0033】
そこで、本実施形態においては、湿度センサ4および湿調ガス導入手段3により処理室1内部の湿度管理を行う。
【0034】
(湿度センサ4)
図1に示すように、湿度センサ4は処理室1の例えば側壁に設けられ、処理室1内の相対湿度を検出することができる。湿度センサ4は、電子式湿度計などの公知の湿度計を用いることができる。また、湿度センサ4は、温度変化による測定誤差を抑えるため、温度センサを用いた補正機構も備えるものとすることができる。湿度センサ4は制御部8に接続され、湿度センサ4が検出した相対湿度の情報は、制御部8に送られ、後述する湿調ガス導入手段3の制御、または搬送部6の制御に使用される。湿度センサ4はリアルタイムに検出してもよいし、ある所定の時間間隔で検出するようにしてもよい。
【0035】
(湿調ガス導入手段3)
処理室1の天井には、湿調ガス導入手段3が設けられている。湿調ガス導入手段3は、処理室1内部の湿度が低湿度に調整されるように湿調ガスG1を導入する。そのため、湿調ガス導入手段3の一端は、湿度の調整されたガスが封入されたガスボンベ(図示せず)に接続され、他端を処理室1に接続されたガスノズルとすることができる。湿調ガス導入手段3は、処理室1に設けられた開口(ノズルの開口)3aから湿調ガスG1を処理室1内部に供給する。湿調ガスG1は、処理室1内部に存在する空気の相対湿度よりも、相対湿度が低いガスとすることができ、例えば、湿調ガスG1の相対湿度を20%とすることができる。また、湿調ガスG1は、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスとすることができる。
【0036】
また、湿調ガス導入手段3は、制御部8により、湿調ガスG1の供給タイミング、供給量、または供給方向のいずれかを制御される。
【0037】
例えば、処理ガスGが処理室1内部に導入される前に、処理室1内部の空気を湿調ガスG1に置換するように、湿調ガスG1の導入を開始することができる。また、例えば、湿度センサ4によって検出された処理室1内部の湿度が閾値以下の場合は、湿調ガスG1の供給を停止し、閾値以上になったことを検知した場合は、湿調ガスG1の導入を開始するように制御することができる。この閾値は、プラズマ生成物の失活量が、所望の処理に影響を与えない程度の湿度で、予め実験などによって求められたものとすることができる。例えば相対湿度が20%とすることができる。
【0038】
また、湿調ガス導入手段3は、制御部8により、湿調ガスG1の導入量を制御される。例えば、処理ガスGの導入を開始したときに、湿調ガスG1の導入量を湿調ガスG1の導入開始時の導入量よりも少なくすることができる。
【0039】
また、湿調ガス導入手段3は、制御部8により、湿調ガスG1の導入方向を制御される。例えば、湿調ガス導入手段3のノズル向きを処理室1内壁に向け、処理室1内壁に沿って湿調ガスG1が流れるように制御することができる。これにより、湿調ガスG1の供給方向を処理ガスGの流れを阻害しないようにすることができ、処理性能を安定させることができる。
【0040】
なお、搬入口5aや搬入口5bから処理室1内の既存ガスが排出されるようにしてもよいし、処理室1内に通じる排気口を設け、湿調ガス導入手段3で処理室1内に湿調ガスを供給するとともに、処理室1内の既存ガスを排気するようにしても良い。
【0041】
(制御部8)
制御部8は、搬送部6、プラズマ発生手段2、ガス供給部23、湿調ガス導入手段3などを制御する。
【0042】
また、制御部8は、湿度センサ4が検出した処理室1内の湿度の情報に基づいて、湿調ガス導入手段3、プラズマ発生手段2、または、搬送部6の少なくともいずれかを制御する。以下、それぞれの制御について説明する。
【0043】
(1)湿調ガス導入手段3を制御する場合。
湿度センサ4が検出した処理室1内の湿度の情報に基づき、制御部8は、処理室1内の湿度が所定の湿度になるように、湿調ガス導入手段3が処理室1内に導入する湿調ガスG1の時間当たりの導入量を制御する。例えば、湿度センサ4が検出した湿度が制御部8に予め設定した閾値よりも高いとき、制御部8は閾値以下になるまで湿調ガスG1を導入する。
【0044】
これにより、処理室1内部の湿度を低くすることができ、プラズマ生成物の失活量を少なくすることができる。その結果、被処理物Wの処理に寄与するプラズマ生成物の量を多くすることができ、被処理物Wの処理効率を向上させることができる。
【0045】
また、例えば、湿度センサ4が検出した湿度が閾値以下になったとき、湿調ガスG1の導入を停止、または導入量を少なくするように制御する。
【0046】
これにより、湿調ガスG1の使用量を少なくすることができる。また、プラズマ発生手段2から噴出されるプラズマ生成物を含む処理ガスGの流れが、湿調ガスG1の気流によって乱れることを抑えることができ、被処理物Wの処理を安定させることができる。
【0047】
(2)プラズマ発生手段2を制御する場合。
湿度センサ4が検出した処理室1内の湿度の情報に基づき、制御部8は、プラズマ発生手段2が所定のタイミングで放電空間Pにおいてプラズマを生成するように、プラズマ発生手段2を制御する。
【0048】
例えば、プラズマ発生手段2が放電空間Pにおいてプラズマを生成するタイミングは、湿度センサ4が検出した処理室1内の湿度が、閾値以下であるときを条件とすることができる。その場合、制御部8は、湿度センサ4が検知した湿度が閾値以下になったことを判断し、処理ガスGを導入するようにすることができる。もしくは、湿度が閾値以下になったことを判断し、高周波電圧を印加することができる。
【0049】
これにより、処理室1内の湿度が所定の湿度となった後に、プラズマ発生手段2が放電空間Pにおいてプラズマを生成することができるので、プラズマ生成直後におけるプラズマ生成物の失活量を少なくすることができる。その結果、プラズマ生成直後の処理ガスGの無駄を削減することができる。その結果、生産性が向上する。
【0050】
(3)搬送部6を制御する場合。
湿度センサ4が検出した処理室1内の湿度の情報に基づき、制御部8は、搬送部6を制御する。
【0051】
例えば、湿度センサ4が検出した処理室1内の湿度が、閾値以下であることを条件として、搬送部6による被処理物Wの搬送を開始し、処理室1内に被処理物Wを搬入することができる。これにより、被処理物Wを処理室1内に搬入する前に、処理室1内の相対湿度を処理に最適な湿度とすることができ、一枚の被処理物Wの処理効率を安定させることができる。
また、例えば、処理室1内部の相対湿度に応じて、制御部8は、搬送部6が被処理物Wを搬送する搬送速度を制御することができる。処理室1内部の相対湿度と搬送速度の関連は、
図3に示した通りである。例えば、所定の表面処理効果を得る場合に、処理開始(被処理物Wの搬送を開始する)時の処理室1内部の相対湿度が低ければ搬送速度を速くし、相対湿度が高ければ搬送速度を遅くすることができる。これにより、処理室1内の湿度に応じて最適な搬送速度で処理を行うことができる。その結果、一枚の被処理物Wの処理時間の無駄をなくすことができ、生産性を向上させることができる。
【0052】
(表面処理装置100の作用)
次に、本実施形態に係る表面処理装置100の作用について例示をする。
【0053】
まず、湿度センサ4が処理室1内の湿度を検出し、制御部8に送る。制御部8は処理室1内の湿度が閾値以下になるまで、湿調ガスG1を導入するように湿調ガス導入手段3を制御する。
【0054】
処理室1内の湿度が閾値以下になった後、制御部8は、プラズマを生成するようにプラズマ発生手段2を制御する。
【0055】
まず、ガス供給部23から流量が制御された処理ガスGが放電空間Pに供給される。一方、第1の電極22aに高周波電源20から高周波電力が印加される。これにより、放電空間P内の処理ガスGが励起され、プラズマPが発生する。プラズマPが発生することにより生成されたプラズマ生成物は、励起しなかった処理ガスGとともに吹き出し口21bから噴出される。
【0056】
一方、図示しない搬送手段により被処理物Wが、処理室1の外部に延在した搬送部6の上面(載置面)に載置される。載置された被処理物Wは、搬送部6に設けられた図示しない保持手段により保持される。被処理物Wが搬送部6に載置されると、搬送部6は、ローラ6aを回転させ、被処理物Wを、搬入口5aから処理室1内部に所定の速度で搬入する。
【0057】
このとき、湿度センサ4が検出した処理室1内の湿度の情報に基づき、制御部8によって搬送部6の搬送速度が制御される。被処理物Wは搬送部6によって移動しながら、プラズマ生成物によって処理が行われる。
【0058】
被処理物Wの処理が終わると、搬送部6は搬出口5bから処理室1外部へ被処理物Wを搬出し、図示しない搬送手段によって、被処理物Wが搬送部6から取り出される。
【0059】
本実施形態によれば、処理室1内部の湿度を検出する湿度センサ4を設け、湿度センサ4が検出した情報に基づき、制御部8が、プラズマ発生手段2、湿調ガス導入手段3、搬送部6の少なくともいずれかを制御するようにした。
【0060】
これにより、処理室1内部の湿度に応じた処理を行うことができ、高い表面処理・表面改質効果を得ることが可能になる。その結果、生産効率が向上する。
【0061】
また、本実施形態によれば、プラズマ生成物の失活量を少なくすることにより、プラズマ生成物の残存量を多くすることができる。その結果、被処理物Wの処理に寄与するプラズマ生成物の量を多くすることができ、被処理物Wの処理効率を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、被処理物Wの処理に寄与するプラズマ生成物の量に応じた最適の搬送速度で処理を行うことができる。その結果、処理時間を最適化することができ、被処理物Wの処理効率を向上させることができる。
【0063】
[第2の実施形態](表面処理装置200)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る表面処理装置200を例示するための模式図である。表面処理装置200は、第1の実施形態に係る表面処理装置100の湿調ガス導入手段3を、除湿手段9としたものである。除湿手段9は、除湿部9aと、除湿部9aと処理室1を接続する配管9bと、処理室1内部の空気を吸引して配管9b内を循環させる不図示の吸引手段(ポンプなど)を備えている。この除湿手段9により、処理室1内部の空気を吸引し、除湿部9aによって除湿した空気を湿調ガスG1として再び処理室1内部に導入することができる。すなわち、除湿手段9は、処理室1内の湿った空気を除湿し、湿調ガスG1として再利用することができるものである。これにより、新たな湿調ガスG1の導入を不要にすることができる。
【0064】
除湿手段9は、湿度センサ4が検知する湿度が閾値以下になるまで、処理室内の空気の吸入と除湿、排出を繰り返すことができる。
【0065】
[第3の実施形態](表面処理装置300)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る表面処理装置300を例示するための模式図である。表面処理装置300は、第1の実施形態に係る表面処理装置100に、さらに排気手段11を配置したものである。排気手段11は、被処理物Wの被処理面よりも下部に設けられた排気口11aから、圧力制御部11bを介して接続された排気部11cによって処理室1内部の空気の排気を行う。
【0066】
また、表面処理装置300は、処理室1内部の気流が一方向になるように湿調ガスG1導入手段10と排気手段11を配置している。すなわち、湿調ガスG1導入手段10の開口10aと排気手段11の排気口11aとを結ぶ線が、処理室1の対角線上に位置するように両者を配置する。そして、処理室1上流から湿調ガスG1を導入し、下流から処理室1内の空気を排気する。これにより、流れが一方向になる気流を作ることができる。プラズマ発生手段2はこの気流に伴い、プラズマ生成物を被処理物Wに向かって噴出することができる。その結果、プラズマ生成物を含む処理ガスGが拡散することが抑制され、被処理物Wに寄与するプラズマ生成物の量を多くすることができる。また、湿調ガスG1も拡散することが抑制されるので、処理室1内において、湿調ガスG1の使用量を少なく抑えることができる。
【0067】
なお、図示したように、湿調ガスG1導入手段10およびプラズマ発生手段2(以下、両者という)がそれぞれ噴出する湿調ガスG1と処理ガスGが、処理室1内に角度を持って導入されるように、両者を処理室1壁に対して傾斜させるようにしてもよい。これにより、より気流の流れを作りやすくすることができる。また被処理物Wの移動にともない、両者の傾斜角度を変化させるように制御してもよい。
【0068】
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の各実施形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0069】
例えば、プラズマ処理装置が備える各要素の形状、寸法、材料、配置、数などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0070】
また、例えば、搬送部6は、回転する複数のローラ6aに替わり、水平移動手段を備えた載置台により被処理物Wを搬送するようにしてもよい。
【0071】
また、例えば、プラズマ発生手段2は、第1、第2の電極22bにより平行平板電極を構成し、高周波電源20により第1の電極22aに高周波電力を印加するものでなくてもよく、放電空間Pにパルス波、マイクロ波などの電界が印加されるものであってもよい。その場合は、第1、第2の電極22bを省略し、電界印加手段としてパルス波やマイクロ波などを発生させるものを設ければよい。
【0072】
また、例えば、湿度センサ4が検出した湿度は、制御部8に接続されるものでなくてもよく、図示しない表示部に接続されるものであってもよい。その場合は、表示部に表示された湿度の情報に基づいて、オペレータが、プラズマ発生手段2、湿調ガス導入手段3または搬送部6の手動制御を行っても良い。
【0073】
また、例えば、プラズマ発生手段2に移動手段を設け、水平方向に移動させることもできる。その場合、搬送部6の搬送速度の制御とともに、プラズマ発生手段2の搬送速度の制御も行い、両者の相対速度を制御することによって被処理物Wの反応速度を制御することもできる。
【0074】
また、被処理物として、ガラス基板を例に挙げたが、本発明はこれに限られず、プラズマ処理される被処理物に対して適用可能である。