(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一部が水槽内の水面下に配置され、かつ濾過材が収容されたフィルターケーシングと、水槽内の水が前記フィルターケーシング内に流入して前記濾過材を通って前記フィルターケーシングから水槽内に流出する循環流路と、前記循環流路上に設定される循環ポンプとを備え、前記循環ポンプの駆動によって前記循環流路に沿って水が流動するようにした水槽用フィルターであって、
前記循環流路における前記循環ポンプよりも下流側に流路切替手段が設けられ、
前記流路切替手段は、前記循環流路に対応して配置される流入口および循環用出口と、水中以外の位置において前記循環流路から離間した位置に配置される排水用出口とを有し、
前記流路切替手段は、前記流入口から流入した水を前記循環用出口から流出させて前記循環流路に沿って循環させる循環状態と、前記流入口から流入した水を前記排水用出口から排出させる排水状態との間で切替操作可能に構成され、
前記流路切替手段の排水用出口が水槽の水面上に配置され、
前記循環用出口および前記排水用出口が同じ方向を向いていることを特徴とする水槽用フィルター。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、市販の汎用ホースや水槽掃除用ホースを用いて水槽内の水を排出する場合には、ホースの端部が確実に水面下に配置されるようにホースの端部を比較的水槽内の深い位置まで投入するのが通例であるため、水槽の底面上に敷き詰められた小石、砂利、砂等の敷き材や、水槽内に設置された水草、人工プランツ等の装飾部品を水と共に吸い込んで排出してしまうおそれがあった。そうすると、水槽内のレイアウトが崩れて変化するため、面倒なことに排水後(水替え後)に水槽内のレイアウトを再調整する必要があり、排水処理が困難であるという課題があった。さらに汎用ホースで排水する場合、サイフォン現象を発動する際に呼び水等の煩雑な操作を行う必要があり、この点においても排水処理が困難になるという課題があった。
【0006】
また水槽専用のオーバーフロー式排水装置は、水槽の壁部に取り付けるものであるため、水槽に排水装置を取り付けるための新たな取付スペースを確保する必要がある。このため例えば水槽にフィルター、照明装置、ヒーター等の他の機器を設置していると、排水装置取付用の新たな取付スペースを確保することが困難になる。換言すると、他の機器に加えて排水機構も設置するとなると、水槽回りが複雑な構造となり、美観上好ましくないという課題があった。
【0007】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、排水処理を簡単に行えるとともに、排水機構設置用のスペースを実質的に必要とせず水槽回りを簡素な構造に仕上げることができる水槽用フィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
【0009】
[1]少なくとも一部が水槽内の水面下に配置され、かつ濾過材が収容されたフィルターケーシングと、水槽内の水が前記フィルターケーシング内に流入して前記濾過材を通って前記フィルターケーシングから水槽内に流出する循環流路と、前記循環流路上に設定される循環ポンプとを備え、前記循環ポンプの駆動によって前記循環流路に沿って水が流動するようにした水槽用フィルターであって、
前記循環流路における前記循環ポンプよりも下流側に流路切替手段が設けられ、
前記流路切替手段は、前記循環流路に対応して配置される流入口および循環用出口と、水中以外の位置において前記循環流路から離間した位置に配置される排水用出口とを有し、
前記流路切替手段は、前記流入口から流入した水を前記循環用出口から流出させて前記循環流路に沿って循環させる循環状態と、前記流入口から流入した水を前記排水用出口から排出させる排水状態との間で切替操作可能に構成されていることを特徴とする水槽用フィルター。
【0010】
[2]前記流路切替手段の排水用出口が水槽の水面上に配置されている前項1に記載の水槽用フィルター。
【0011】
[3]前記流路切替手段の切替操作を行うための操作部が水中以外の位置に配置されている前項1または2に記載の水槽用フィルター。
【0012】
[4]前記流路切替手段の排水用出口に、排水ホースの端部を連結可能なパイプ状ジョイントが設けられている前項1〜3のいずれか1項に記載の水槽用フィルター。
【発明の効果】
【0013】
発明[1]の水槽用フィルターによれば、流路切替手段を切替操作するだけで簡単に、水槽内の水を流路切替手段の排水用出口から排出することができる。さらに循環流路上に流路切替手段を取り付けるだけのものであるため、排水専用の排水装置等を取り付ける必要がなくその分、水槽回りを簡素な構造に仕上げることができる。
【0014】
発明[2]の水槽用フィルターによれば、濾過処理中に謝って排水処理に切り替えてしまったとしても、流路切替手段の排出用出口から排出される水は水槽内に回収されるため、水槽外部に水が散乱してしまうような不具合を確実に防止することができる。
【0015】
発明[3]の水槽用フィルターによれば、流路切替手段の操作部が水中以外の位置に配置されているため、切替操作を簡単かつスムーズに行うことができる。
【0016】
発明[4]の水槽用フィルターによれば、流路切替手段の排水用出口に排水ホースを簡単かつ確実に連結できるため、排水時に排水ホースを介して水を所望の排水箇所に簡単かつ確実に排出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態である水槽用フィルターF1を示す斜視図、
図2はその水槽用フィルターF1の側面断面図である。両図に示すようにこの水槽用フィルターF1は、ほぼ全域が観賞魚用水槽Aの内部における水面下(水中)に設置される、いわゆる水中フィルターと称されるものである。
【0019】
このフィルターF1は、観賞魚用水槽Aのコーナー部に沿うように配置されるフィルターケーシング1と、フィルターケーシング1に取り付けられる電動式循環ポンプ2と、循環ポンプ2に取り付けられる流路切替手段としての流路切替パイプP1とを基本的な構成要素として備えている。
【0020】
フィルターケーシング1は、カップ形状に形成されており、上端に開口部が形成されている。
【0021】
このフィルターケーシング1の側壁下端部および底壁には、複数のスリット状のケーシング入口3が形成されており、そのケーシング入口3を介して水槽A内の水Wがフィルターケーシング内に導入されるようになっている。さらにフィルターケーシング1の内部は通水性を有する仕切壁18によって上下に仕切られており、上下の各室内に種類の異なる濾過材15a,15bがそれぞれ収容されている。
【0022】
このフィルターケーシング1は、図示しない吸盤等の取着手段を介して水槽Aの内壁面に取り付けられている。
【0023】
循環ポンプ2は電動式のポンプによって構成されている。この循環ポンプ2の下端部はフィルターケーシング1の上端開口部の形状に対応するように形成されており、循環ポンプ2の下端部がフィルターケーシング1の上端開口部を閉塞するようにして水密状態に取り付けられている。
【0024】
循環ポンプ2の下端面には吸引口21が設けられており、この吸引口21がフィルターケーシング1の内部に配置されている。循環ポンプ2の一側面(前面)には吐出口22が設けられており、この吐出口22がフィルターケーシング1の上方に配置されている。
【0025】
そして循環ポンプ2が駆動して吸引口21およびフィルターケーシング1内が負圧になると、水槽A内の水Wがケーシング入口3からフィルターケーシング1内に吸引されるとともに、その水Wが濾過材15a,15bを通って循環ポンプ2の吸引口21から吸引されて吐出口22から吐出されるようになっている。
【0026】
図3は水槽用フィルターF1に適用された流路切替パイプP1を示す斜視図、
図4は流路切替パイプP1を分解して示す斜視図、
図5は流路切替パイプP1を示す概略断面図である。
図3〜
図5に示すように循環ポンプP1の吐出口22に連結固定される流路切替パイプP1は、アウターパイプ41と、インナーパイプ51とを備えた二重管構造を有している。
【0027】
アウターパイプ41の両端は開口されており、その一端開口にパイプ状ジョイント421が軸心方向に沿って外方に突出するように取り付けられている。本実施形態においてはこのパイプ状ジョイント421のパイプ孔およびアウターパイプの一端開口によって、アウターパイプ41の内外間を連通する流入口42が構成されている。
【0028】
またアウターパイプ41の周壁には、軸心方向に並び、かつ径方向外側に向けてそれぞれ突出するようにパイプ状ジョイント431,441が取り付けられている。アウターパイプ41の周壁にはパイプ状ジョイント431,441の各パイプ孔に対応して貫通孔が形成されている。そして本実施形態においてはパイプ状ジョイント431のパイプ孔および一方の貫通孔によって、アウターパイプ41の内外間を連通する循環用出口43が構成されるとともに、パイプ状ジョイント441のパイプ孔および他方の貫通孔によって、アウターパイプ41の内外間を連通する排水用出口44が構成されている。
【0029】
なおパイプ状ジョイント421,431,441は、必要な箇所に取り付けられていれば良く、他のパイプが接続される部分等、例えば流入口42や排水用出口44だけに取り付けるようにしても良い。さらにパイプ状ジョイント421,431,441は、先端に向かうに従って段階的に径寸法が小さくなるように形成しておけば、管径の異なる複数種のパイプやホース等を確実に連結することができる。
【0030】
インナーパイプ51は、その一端が開口されるとともに、他端側に大径の操作部56が取り付けられている。インナーパイプ51の他端側は操作部56によって閉塞されている。インナーパイプ51の周壁には、その周壁を貫通する態様に循環用開口53および排水用開口54が形成されている。循環用開口53および排水用開口54はアウターパイプ41の循環用出口43および排水用出口44にそれぞれ対応するとともに、両開口53,54は互いに180°位相をずらせて配置されている。
【0031】
なおインナーパイプ51における循環用開口53の一端側と、両開口53,54間と、排水用開口54の他端側とに水密用Oリング55がそれぞれ巻回されている。
【0032】
このインナーパイプ51がアウターパイプ41内にアウターパイプ41に対し周方向(軸回り方向)に回動自在に挿入配置されて、流路切替パイプP1が形成されている。
【0033】
この流路切替パイプP1においては、アウターパイプ41の流入口42は、インナーパイプ51の一端開口に対応して配置され、この流入口42および一端開口を介して、インナーパイプ51の内部が外部に連通されている。
【0034】
さらに本実施形態においては、流路切替パイプP1におけるインナーパイプ51をその操作部56をつまんで回転操作することによって、インナーパイプ51の循環用開口53をアウターパイプ41の循環用出口43に対応させて配置し、かつインナーパイプ51の周壁によってアウターパイプ51の排水用出口44を閉塞した状態(循環状態)と、インナーパイプ51の周壁によってアウターパイプ41の循環用出口43を閉塞し、かつインナーパイプ51の排水用開口54をアウターパイプ41の排水用出口44に対応させて配置した状態(排水状態)との間で切替自在に構成されている。
【0035】
この構成の流路切替パイプP1において循環状態では
図5(a)に示すように、アウターパイプ41の流入口42から水Wが流入されると、その水Wはインナーパイプ51内に流入されるとともに、インナーパイプ51内に流入された水Wは循環用開口53および循環用出口43を介して外部に流出されるようになっている。さらに排水状態では同図(b)に示すように、アウターパイプ41の流入口42からインナーパイプ51内に流入された水Wは排水用開口54および排水用出口44を介して外部に排出されるようになっている。
【0036】
図2に示すようにこの構成の流路切替パイプP1における流入口42が、上記循環ポンプ2の吐出口22にL字状のジョイントパイプ14を介して連結固定されている。この連結状態において流路切替パイプP1は一端側(流入口42側)が下方に位置し、かつ他端側(操作部56側)が上方に位置するように垂直に配置されている。
【0037】
さらにこの状態においては循環用出口43よりも排水用出口44が上方に配置されている。さらにこの排水用出口44は平面視において水槽A内に配置されており、水槽Aの水面上に配置されている。換言すると、排水用出口44は水中以外の位置に配置されている。
【0038】
なお、流路切替パイプP1の操作部56は、排水用出口44の上方に配置されており、言うまでもなく水槽Aの液面上に配置されている。
【0039】
また流路切替パイプP1の循環用出口43は、平面視において水槽A内に配置されていれば良い。つまり、循環用出口43は水中に配置されていても良いし、水面上に配置されていても良いが、通常は水中に配置されるようになっている。
【0040】
以上のように構成された本実施形態の水槽用フィルターF1においては、水槽A内の水Wを濾過する本来の機能に加えて、水槽Aの清掃や保守点検時に水替えを行う際に水槽A内の水Wを排出する排水機能も備えている。
【0041】
まず通常の濾過処理を行う場合には、必要に応じて流路切替パイプP1の操作部56を操作して循環状態に設定して、流路切替パイプP1の循環用出口43を開放し、かつ排水用出口44を閉塞しておく。その状態で循環ポンプ2を駆動する。
【0042】
これにより水槽A内の水Wがケーシング入口3からフィルターケーシング1に吸い込まれて、濾過材15a,15bを順次通過して循環ポンプ2の吸引口21から吸引される。循環ポンプ2内に吸引された水Wは吐出口22から吐出されて流入口42から流路切替パイプP1内に流入する。流路切替パイプP1内に流入した水Wは循環用出口43から吐出されて水槽A内に戻される。
【0043】
こうして水槽A内の水Wはフィルターケーシング1内に導入されて濾過材15a,15bを通過した後、水槽A内に戻るように循環することによって、水槽Aの水Wが濾過される。
【0044】
ここで本実施形態においては、フィルターケーシング1、濾過材15a,15b、循環ポンプ2、流路切替パイプP1の流入口42から循環用出口43までの部分によって循環流路が形成されている。さらにケーシング入口3によって、循環流路のうちの導入流路が構成されている。さらに循環ポンプ2、流路切替パイプP1の流入口42から循環用出口43までの部分によって、循環流路のうちの戻り流路が構成されている。従って本実施形態においては循環流路における循環ポンプ2よりも下流側に流路切替手段としての流路切替パイプP1が設けられている。さらに流路切替パイプP1の流入口42および循環用出口43は循環流路に対応して配置されるとともに、排水用出口44は循環用出口43(循環流路)に対し離間した位置に配置されている。
【0045】
一方、排水処理を行う場合には、必要に応じて流路切替パイプP1の操作部56を操作して排水状態に設定し、流路切替パイプP1の排水用出口44を開放し、かつ循環用出口43を閉塞する。さらに流路切替パイプP1の排水用出口44のパイプ状ジョイント441に、排水ホース(図示省略)の一端を接続するとともに、その排水ホースの他端をバケツ等の所定の排水箇所に配置する。その状態で循環ポンプ2を駆動する。なお言うまでもなく循環ポンプ2を駆動したままの状態で、流路切替パイプP1を操作して濾過状態から排水状態に切り替えるようにしても良い。
【0046】
この排水状態においては、水槽A内の水Wがケーシング入口3からフィルターケーシング1内に吸い込まれて濾過材15a,15bを順次通過して循環ポンプ2に吸い込まれて流路切替パイプP1内に流入する。流路切替パイプP1内に流入した水Wは排水用出口44から吐出されて、上記排水ホース等を介してバケツ等の所定の排水箇所に排出される。こうして水Wを所定量排出した後、所定量の水Wを新たに投入することにより、水替えを行うことができる。
【0047】
このように本実施形態の水槽用フィルターF1においては、水替え時等の排水時に流路切替パイプP1の切替操作を行うというワンタッチ操作を行うだけで、水槽A内の水Wを簡単かつスムーズに排出することができる。
【0048】
さらにこの排水時においては、水槽Aに予め設置されているフィルターケーシング1の入口3から水槽A内の水Wを吸い込むようにしている。換言すれば、ケーシング入口3は、水槽A内に敷き詰められる小石、砂利、砂等の敷き材や、水槽A内に設置される人工プランツ等の装飾部品を吸い込まない位置に予め設定されている。さらにケーシング入口3は、複数のスリット状の細孔によって構成されているため、異物の吸込を防止するためのストレーナの作用も備えている。このため本実施形態の水槽用フィルターF1によれば、排水時に敷き材や装飾部品を水と一緒に吸い込んで排出してレイアウトを崩してしまうような不具合を確実に防止でき、排水後(水替え後)にレイアウトを再調整するという面倒な作業も不要で、排水処理をより一層簡単に行うことができる。
【0049】
また本実施形態の水槽用フィルターF1においては、排水時にフィルターケーシング1の下端部に位置するケーシング入口3から水槽A内の水Wを吸い込んで排出するようにしているため、水槽A内の水位がケーシング入口3よりも低くなると、それ以上の排水を防止することができる。つまり水Wを必要以上に多く排出してしまうのを防止でき、水Wの排出量、ひいては入れ替え量を適正に保つことができ、水槽A内の飼育栽培環境を良好に維持することができる。
【0050】
また本実施形態の水槽用フィルターF1においては、従来のフィルター(濾過装置)に流路切替パイプP1等を取り付けて排水機構を付加するものであるため、従来の排水専用の排水装置(排水機構)を組み付ける場合と比較して、水槽周辺に排水機構設置用のスペースを確保する必要がない。従って省スペース化を図ることができるとともに、水槽回りの構造を簡素に仕上げることができ、水槽全体として良好な美観を得ることができる。
【0051】
また本実施形態においては、流路切替パイプP1の排水用出口44を水槽Aの水面上に配置しているため、濾過処理中に使用者が謝って排水状態に切り替えて水Wを流路切替パイプP1の排水用出口44から吐出させてしまったとしても、排水用出口44から吐出される水Wは水槽A内に回収される。このため水Wが水槽Aの外部に散乱してしまうような不具合も確実に防止することができる。
【0052】
またこの第1実施形態の水槽用フィルターF1においては、循環ポンプ2の吐出口22が流路切替パイプP1の流入口41に閉管路で連結されているため、排水時には、循環ポンプ2の駆動力によって水Wを効率良くスムーズに排出することができる。
【0053】
また本実施形態においては、流路切替パイプP1の排水用出口44にパイプ状ジョイント441を取り付けているため(
図3および
図4参照)、そのパイプ状ジョイント441を介して排水用出口44に排水ホース等を簡単かつ確実に接続することができ、利便性を向上させることができる。
【0054】
さらに流路切替パイプP1の流入口42にもパイプ状ジョイント421を取り付けているため(
図4および
図5参照)、上記と同様、そのパイプ状ジョイント421をジョイントパイプ14を介して循環ポンプ2に簡単かつ確実に接続することができる。
【0055】
<第2実施形態>
図6はこの発明の第2実施形態である水槽用フィルターF2を示す斜視図、
図7はその水槽用フィルターF2の側面断面図である。両図に示すようにこの水槽用フィルターF2は、循環ポンプ2がフィルターケーシング1内における濾過材15よりも上流側に配置されている点が、上記第1実施形態の水槽用フィルターF1と大きく相違する点である。
【0056】
すなわちこの水槽用フィルターF2においては、フィルターケーシング1が仕切壁18によって下側のポンプ室と、上側の濾過室とに仕切られている。
【0057】
フィルターケーシング1の前壁下部にはポンプ室に対応して複数の小孔状のケーシング入口3が形成されており、そのケーシング入口3を介して水槽A内の水Wがフィルターケーシング1のポンプ室内に導入されるようになっている。
【0058】
さらにフィルターケーシング1の前壁上部には濾過室に対応して矩形状のケーシング出口13が形成されており、そのケーシング出口13を介してフィルターケーシング1内の水Wが水槽A内に吐出されるようになっている。
【0059】
フィルターケーシング1の下側のポンプ室内には循環ポンプ2が収容されている。この循環ポンプ2はその吸引口21がケーシング入口3に対向して配置されるとともに、吐出口22が仕切壁18を貫通して濾過室に配置されている。
【0060】
またフィルターケーシング1の上側の濾過室内にはケーシング出口13に対応して濾過材15が収容されている。フィルターケーシング1の濾過室内における濾過材15の裏面側(上流側)には流路切替手段としての流路切替パイプP2が配置されている。
【0061】
この流路切替パイプP2の下端に位置する流入口42は、上記循環ポンプ2の吐出口22に連結固定されて、流路切替パイプP2が垂直に配置されている。さらに流路切替パイプP2の下部に位置する循環用出口43は、水面下において濾過材15に対向して配置されるとともに、上部に位置する排水用出口44および操作部56は水面上に配置されている。
【0062】
この第2実施形態の水槽用フィルターF2において他の構成は、上記第1実施形態の水槽用フィルターF1と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
【0063】
この第2実施形態の水槽用フィルターF2において、循環状態(濾過状態)ではケーシング入口3を介してフィルターケーシング1に吸い込まれた水槽A内の水Aは、循環ポンプ2の吸引口21から吸い込まれて吐出口22から吐出されて、流路切替パイプP2内に流入口42から流入する。流路切替パイプP2内に流入した水Wは循環用出口43から流出して濾過材15を通過した後、ケーシング出口13から浴槽A内に吐出される。
【0064】
ここで本実施形態においては、フィルターケーシング1、循環ポンプ2、流路切替パイプP1の流入口42から循環用出口43までの部分、濾過材15によって循環流路が形成されている。さらにケーシング入口3によって、循環流路のうちの導入流路が構成されている。さらにケーシング出口13によって、循環流路のうちの戻り流路が構成されている。従って本実施形態においては循環流路における循環ポンプ2よりも下流側に流路切替手段としての流路切替パイプP2が設けられている。さらに流路切替パイプP2の流入口42および循環用出口43は循環流路に対応して配置されるとともに、排水用出口44は循環用出口43(循環流路)に対し離間した位置に配置されている。
【0065】
一方、排水処理においては水槽A内の水Wはケーシング入口3を介して循環ポンプ2に吸い込まれて流路切替パイプP2に流入口42から流入して、排水用出口44から排出されて排水ホース(図示省略)等を介して所定の排水箇所に排出される。
【0066】
この第2実施形態の水槽用フィルターF2においても、上記第1実施形態の水槽用フィルターF1と同様の効果を得ることができる。
【0067】
<第3実施形態>
図8はこの発明の第3実施形態である水槽用フィルターF3を示す斜視図である。同図に示すようにこの水槽用フィルターF3においては、流路切替パイプP3の循環用出口43および排水用出口44の形成位置が、上記第1実施形態の流路切替パイプP1に対し異なっている点が大きく相違している。
【0068】
すなわち
図8および
図9に示すようにこの水槽用フィルターF3の流路切替パイプP3は、アウターパイプ41の循環用出口43と排水用出口44とがほぼ同じ高さ位置で180°位相をずらせた位置に配置されている。またインナーパイプ51には、循環用開口および排水用開口を兼用する一つの開口52がアウターパイプ41の循環用出口43および排水用出口44に対応して形成されている。
【0069】
そしてインナーパイプ51がアウターパイプ41内に軸回り方向(周方向)に回動自在に収容されて流路切替パイプP3が形成されている。この流路切替パイプP3においては、操作部56をつまんで回転操作(切替操作)することによって、インナーパイプ51の開口52をアウターパイプ51の循環用出口43に対応させて配置し、かつインナーパイプ51の周壁によってアウターパイプ51の排水用出口44を閉塞した状態では流入口42が循環用出口43に連通した循環状態となる。また切替操作によってインナーパイプ51の開口52をアウターパイプ51の排水用出口44に対応させて配置し、かつインナーパイプ51の周壁によってアウターパイプ51の循環用出口43を閉塞した状態では流入口42が排水用出口44に連通した排水状態となる。
【0070】
従ってこの水槽用フィルターF3において、循環状態(濾過状態)ではケーシング入口3から吸い込まれた浴槽A内の水Wは流路切替パイプP3の循環用出口43から流出されて水槽A内に戻る一方、排水状態ではケーシング入口3から吸い込まれた水槽A内の水は流路切替パイプP3の排水用出口44から排出されるようになっている。
【0071】
なおこの水槽用フィルターF3において、流路切替パイプP3の循環用出口43、排水用出口44および操作部56は共に水面上(水中でない位置)に配置されている。
【0072】
第3実施形態の水槽用フィルターF3において他の構成は、上記第1実施形態の水槽用フィルターF1と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
【0073】
この第3実施形態の水槽用フィルターF3においても上記水槽用フィルターF1と同様の効果を得ることができる。
【0074】
<変形例>
本発明においては、流路切替手段としての流路切替パイプの構成は上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば以下に示す流路切替パイプP4〜P8を用いることができる。
【0075】
すなわち
図10に示す第1変形例の流路切替パイプP4は、アウターパイプ41の周壁に、上記第1実施形態と同様に軸心方向に並んで循環用出口43および排水用出口44が形成されるとともに、アウターパイプ41の端部に流入口42が形成されている。このアウターパイプ41内にインナーパイプ51が軸心方向にスライド自在に挿入されており、インナーパイプ51には循環および排水兼用の一つの開口52が形成されている。そしてこの流路切替パイプP4においては、インナーパイプ51をアウターパイプ41に対し軸心方向に沿ってスライド操作して、同図(a)に示すようにインナーパイプ51の開口52をアウターパイプ41の循環用出口43に対応させることによって、流入口42から流入した水Wを循環用出口43から流出させるようにした循環状態と、同図(b)に示すようにインナーパイプ51の開口52をアウターパイプ41の排水用出口44に対応させることによって、流入口42から流入した水Wを排水用出口44から流出させるようにした排水状態との間で切替可能に構成されている。
【0076】
なおこの流路切替パイプP4においては、インナーパイプ51をアウターパイプ41に対し単に軸心方向にスライドさせるようにしているが、それだけに限られず、例えばインナーパイプ51の外周面に雄ねじを形成するとともに、アウターパイプ41の内周面に雌ねじを形成しておき、インナーパイプ51をアウターパイプ41にねじ込んで取り付けるようにしても良い。そしてインナーパイプ51をアウターパイプ41に対しねじ込み操作(回転操作)することによって軸心方向にスライドさせて、循環用出口43および排水用出口44を適宜開閉できるようにしても良い。
【0077】
また
図11に示す第2変形例の流路切替パイプP5は、アウターパイプに相当するパイプ本体41の周壁に、上記第1変形例と同様に軸心方向に並んで循環用出口43および排水用出口44が形成されるとともに、パイプ本体41の端部に流入口42が形成されている。このパイプ本体41内に軸心に沿って軸部材61が軸心回りに回転自在に収容されている。この軸部材61はパイプ本体41の端部閉塞壁を貫通して、軸部材61の端部が外部に配置されるとともに、その外端部に操作部56が設けられている。さらに軸部材61にはパイプ本体41の循環用出口43を閉塞可能な循環用出口閉塞弁63が設けられるとともに、排水用出口44を閉塞可能な排水用出口閉塞弁64が、上記循環用出口閉塞弁63に対し180°位相をずらせた位置に設けられている。そしてこの流路切替パイプP6においては、操作部56をつまんで軸部材61を回転操作して、同図(a)に示すように循環用出口43に対し循環用出口閉塞弁63の位置をずらせて循環用出口43を開放し、かつ排水用出口44を排水用出口閉塞弁64によって閉塞することによって、流入口42から流入した水Wを循環用出口43から流出させるようにした循環状態と、同図(b)に示すように循環用出口43を循環用出口閉塞弁63によって閉塞し、かつ排水用出口44に対し排水用出口閉塞弁64の位置をずらせて排水用出口44を開放することによって、流入口42から流入した水Wを排水用出口44から流出させるようにした排水状態との間で切替可能に構成されている。
【0078】
また
図12に示す第3変形例の流路切替パイプP6は、アウターパイプに相当するパイプ本体41の周壁に、上記第2実施形態と同様に循環用出口43および排水用出口44が同じ高さ位置で軸回り方向(周方向)に180°位相をずらせて形成されるとともに、パイプ本体41の端部に流入口42が形成されている。このパイプ本体41内に軸部材61が軸心回りに回転自在に収容されている。この軸部材61はパイプ本体41の端部閉塞壁を貫通して、軸部材61の端部が外部に配置されるとともに、その外端部に操作部56が設けられている。さらに軸部材61にはパイプ本体41の循環用出口43および排水用出口44を閉塞可能な1つの出口閉塞弁62が設けられている。そしてこの流路切替パイプP7においては、操作部56をつまんで軸部材61を回転操作して、同図(a)に示すように循環用出口43に対し出口閉塞弁62の位置をずらせて循環用出口43を開放し、かつ排水用出口44を出口閉塞弁62によって閉塞することによって、流入口42から流入した水Wを循環用出口43から流出させるようにした循環状態と、同図(b)に示すように循環用出口43を出口閉塞弁62によって閉塞し、かつ排水用出口44に対し出口閉塞弁62の位置をずらせて排水用出口44を開放することによって、流入口42から流入した水Wを排水用出口44から流出させるようにした排水状態との間で切替可能に構成されている。
【0079】
また
図13に示す第4変形例の流路切替パイプP7は、アウターパイプに相当するパイプ本体41の周壁に、上記第1実施形態と同様に循環用出口43および排水用出口44が軸心方向に並んで形成されるとともに、パイプ本体41の端部に流入口42が形成されている。このパイプ本体41内に軸部材61が軸心方向にスライド自在に収容されている。この軸部材61はパイプ本体41の端部閉塞壁を貫通して、軸部材61の端部が外部に配置されるとともに、その外端部に操作部56が設けられている。さらに軸部材61にはパイプ本体41の循環用出口43および排水用出口44を閉塞可能な1つの出口閉塞弁62が設けられている。そしてこの流路切替パイプP7においては、操作部56をつまんで軸部材61をスライド操作して、同図(a)に示すように循環用出口43に対し出口閉塞弁62の位置をずらせて循環用出口43を開放し、かつ排水用出口44を出口閉塞弁62によって閉塞することによって、流入口42から流入した水Wを循環用出口43から流出させるようにした循環状態と、同図(b)に示すように循環用出口43を出口閉塞弁62によって閉塞し、かつ排水用出口44に対し出口閉塞弁62の位置をずらせて排水用出口44を開放することによって、流入口42から流入した水Wを排水用出口44から流出させるようにした排水状態との間で切替可能に構成されている。
【0080】
この第4変形例の流路切替パイプP7においては、軸部材61をパイプ本体41に対し単に軸心方向にスライドさせるようにしているが、それだけに限られず、例えば軸部材61におけるパイプ本体41の端部閉塞壁に対する貫通部外周面に雄ねじを形成するとともに、パイプ本体41の端部閉塞壁の貫通孔内周面に雌ねじを形成しておき、軸部材61をパイプ本体41にねじ込んで取り付けるようにしても良い。そして軸部材61をパイプ本体41に対しねじ込み操作(回転操作)することによって軸心方向にスライドさせて、循環用出口43および排水用出口44を適宜開閉できるようにしても良い。
【0081】
また
図14に示す第5変形例の流路流路切替パイプP8は、パイプ本体41の一端に流入口42が形成されている。さらにこのパイプ本体41の他端側は二股に分岐されて一方側の分岐管に循環用出口43が設けられるとともに、他方側の分岐管に排水用出口44が形成されている。さらに循環用出口43を有する一方側の分岐管に循環用出口開閉弁63が取り付けられるとともに、排水用出口44を有する他方側の分岐管に排水用出口開閉弁64が取り付けられている。そしてこの流路切替パイプP9においては、循環用出口開閉弁63を開いて排水用出口開閉弁64を閉じることにより、流入口42から流入した水Wを循環用出口43から流出させるようにした循環状態と、循環用出口開閉弁63を閉じて排水用出口開閉弁64を開くことにより、流入口42から流入した水Wを排水用出口44から流出させるようにした排水状態との間で切替可能に構成されている。
【0082】
また本発明においては、流路切替パイプの流入口42、循環用出口43および排水用出口44の形成位置は特に限定されるものではなく、例えば流入口をアウターパイプの周壁に形成するようにしても良く、循環用出口や排水用出口をアウターパイプの端部閉塞壁に形成するようにしても良い。さらに本発明においては、流入口、循環用出口および排水用出口の相対的な位置関係も特に限定されるものではなく、流入口を循環用出口および排水用出口間に形成するようにしても良い。
【0083】
また上記実施形態においては、フィルターケーシング1のほぼ全域が水槽Aの水面下に配置されるものを例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明はフィルターケーシング1の少なくとも一部、例えば濾過材の部分が水中に配置されるものであれば、どうような水槽用フィルターにも適用することができる。
【0084】
また本発明においては、流路切替パイプP1〜P8の排水用出口44に着脱自在な閉塞栓を設けておき、排水時等の必要時のみに排水用出口44を開放するようにしても良い。