特許第6417377号(P6417377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6417377
(24)【登録日】2018年10月12日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】木造建築物の構造躯体の接合構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20181029BHJP
   E04B 1/26 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   E04B1/58 507L
   E04B1/26 G
【請求項の数】19
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-192715(P2016-192715)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-53617(P2018-53617A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】397048287
【氏名又は名称】株式会社エヌ・シー・エヌ
(73)【特許権者】
【識別番号】500460690
【氏名又は名称】銘建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099047
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】伊東 洋路
(72)【発明者】
【氏名】藤代 東
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】森本 知宏
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−197528(JP,A)
【文献】 特開2004−285654(JP,A)
【文献】 実開平04−119007(JP,U)
【文献】 特開2003−155781(JP,A)
【文献】 特開2011−001707(JP,A)
【文献】 特開2012−021303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/58
E04B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を配置し、前記接合金具を介して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、
前記第1の構造躯体にその上下面から露出する部分を有するように間隔保持部材を埋設し、上下に配置させた前記接合金具を前記間隔保持部材の前記露出する部分に当接させることによって前記第1の構造躯体と前記接合金具との間隔を空けて保持させ、その状態で前記第1の構造躯体内に配置した連結部材によって前記接合金具同士を互いに引き合うように固定したことを特徴とする木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項2】
前記間隔保持部材は上端側の縁から外方に張り出す張り出し部を有し、前記張り出し部によって前記第1の構造躯体の上面に載置された状態で前記間隔保持部材は前記第1の構造躯体の上下面から露出する部分を有することを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項3】
前記間隔保持部材は上下位置支持手段によって前記第1の構造躯体に埋設された状態で埋設位置で保持されることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項4】
前記上下位置支持手段は、横断面円形の前記間隔保持部材の外周に形成した雄ネジ面が前記第1の構造躯体に形成された透孔の内周の雌ネジ面との間で螺合関係を有して埋設されるものであることを特徴とする請求項3に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項5】
前記上下位置支持手段は、前記間隔保持部材を前記第1の構造躯体内部に案内孔に対して無理嵌め状態に埋設するものであることを特徴とする請求項4に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項6】
前記上下位置支持手段は、前記間隔保持部材に形成した第1の差し込み穴と、前記第1の構造躯体の厚み方向に形成した第2の差し込み穴と、連通した前記第1の差し込み穴と前記第2の差し込み穴間に挿通される長尺部材とにより構成されるものであることを特徴とする請求項3に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項7】
前記間隔保持部材は1又は複数の金属製の長尺体であって、長手方向に上下端部が前記露出する部分となることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項8】
1又は複数の前記長尺体は前記第1の構造躯体側に向いた前記接合金具の連結部の背面に形成した凹部内に前記露出する部分を収容させていることを特徴とする請求項7に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項9】
複数の前記長尺体は前記連結部材を中心に回転対称となる位置に配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項10】
前記長尺体の先端部は前記第1の構造躯体の上下面と面一となる位置に配置されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項11】
前記長尺体は筒体であって、前記連結部材は前記筒体内に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項12】
前記筒体の上下の開口部位置には前記接合金具が当接されるフランジ体が形成され、少なくともいずれか一方の前記フランジ体は前記筒体の外周に雄ネジと雌ネジの関係で螺合されていることを特徴とする請求項11に記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項13】
前記接合金具は挿入プレートを有し、前記挿入プレートは前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体側に挿入され前記挿入プレートを介して前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体は前記第1の構造躯体に固定され、前記挿入プレートは前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体側に挿入された状態で前記長尺体の軸方向に平行な方向に延出されていることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項14】
前記第2の構造躯体及び第3の構造躯体は直交集成板であって、前記挿入プレートは前記直交集成板を構成する板層に沿ってその面方向が配設されること特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項15】
前記第1の構造躯体は直交集成板であって、前記長尺体は前記直交集成板を構成する板層に沿った方向に対して直交する方向が軸方向となるように埋設されることを特徴とする請求項7〜14のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項16】
前記連結部材は雄ネジ部材と雌ネジ部材を有し、前記雄ネジ部材を前記第1の構造躯体内の透孔を通じて上下に配置された前記接合金具の連結部と交差させるように配置し、前記雌ネジ部材を前記雄ネジ部材に螺合させて前記雌ネジ部材を前記連結部方向に移動させることによって上下に配置された前記接合金具を前記間隔保持部材を間に介して締め付け固定するようにしたことを請求項1〜15のいずれかに記載の特徴とする木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項17】
前記接合金具の連結部は前記第1の構造躯体に接触していないことを特徴とする1〜16のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項18】
前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体を前記接合金具を介して連結固定した際に前記第2の構造躯体は前記第1の構造躯体に接触していないことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の木造建築物の構造躯体の接合構造。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかの木造建築物の構造躯体の接合構造を使用して前記第1の構造躯体の上面に配置される前記第2の構造躯体が当該階層よりも1つ上層の前記第1の構造躯体の下面に配置される前記第3の構造躯体となるように積層配置されていることを特徴とする木造建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木造建築物の構造躯体の接合構造等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から木造建築物の隣接する構造躯体を連結固定するため、構造躯体の接合面に接合金具を配置することが行われている。
このような接合構造が開示された文献として特許文献1及び2を示す。特許文献1では構造躯体としての梁11の上に同じく構造躯体としての管柱12を連結するために接合金具としてのT字金具13を配置した接合構造が開示されている。また、例えば特許文献2では構造躯体としての基礎15の上に同じく構造躯体としての柱22を連結するために接合金具としての柱脚用接合金具を配置した接合構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−64426号公報
【特許文献2】特開2013−167133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら特許文献1及び2の接合金具は接合金具を使用しない構造に比べると段違いな接合強度で構造躯体を接合することができる。このような接合構造のバリエーションとして、第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定し、接合金具を介して第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するケースを想定したものを一例として図21に示す。図21は、第1の構造躯体100(例えば床パネルや梁等)に対して第2の構造躯体101と第3の構造躯体102(例えば壁パネルや柱等)がT字状の外形の接合金具103によって接合された木造建築物の構造躯体の接合構造である。第1の構造躯体100には上下に連通する透孔104が形成されている。透孔104にはボルト105が挿通され、上下の接合金具103はボルト105と交差するように第1の構造躯体100に対して配置され、ボルト105に螺合されたナット105によって第1の構造躯体100を間に介在させて締め付け固定されている。
このような木造建築物の構造躯体の接合構造において、矢印のように第2の構造躯体101から第1の構造躯体100方向に圧縮力が作用するとそのほとんどの圧縮力は第1の構造躯体100に集中することとなる。そのため、第1の構造躯体100にはそのような圧縮力に対する十分な耐力が求められるわけであるが、材質が一定しなければ第1の構造躯体100の耐力も安定せず構造体の強度計算も困難となってしまう。また、材質が一定していても繊維方向と直交する方向への過大な圧縮力がかかることは材のめり込み等の変形が生じる要因となってしまい構造体の強度への影響と点からも好ましくない。特にこのような接合構造が上下に複数段積み重なるような多層階の構造物では下層階の第1の構造躯体100にかかる荷重が非常に大きくなってしまうため問題である。
本発明の目的は、接合金具を介して第1の構造躯体に対して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、第1の構造躯体に過度の圧縮力がかかることを防止するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、手段1として、第1の構造躯体の上下面にそれぞれ金属製の接合金具を固定配置し、前記接合金具を介して垂直方向に第2の構造躯体と第3の構造躯体を連結固定するようにした木造建築物の構造躯体の接合構造において、前記第1の構造躯体にその上下面から露出する部分を有するように間隔保持部材を埋設し、上下に配置させた前記接合金具を前記間隔保持部材の前記露出する部分に当接させることによって間隔を保持させた状態で前記第1の構造躯体内に配置した連結部材によって互いに引き合うように固定した。
このような構成とすることで、上側の第2の構造躯体内の接合金具からの下方への圧縮力は間隔保持部材を介して下側の第3の構造躯体内の接合金具へと伝達されるため、第1の構造躯体に過大な圧縮力がかかることがなく、第1の構造躯体にめり込み等の変形が生じるおそれがなくなる。
【0006】
ここに「構造躯体」とは、木造建築物を建築する際の骨組み(架構を構成する部材)にあたる部分であって、例えば基礎、壁、柱、横架材(梁、桁等)、土台、母屋等を広くいう。また、ムクの木でも集成材、例えば、CLT(Cross Laminated Timber)と称される直交集成板であってもよい。第2の構造躯体は1つ上の階層の第1の構造躯体を基準とした場合には第3の構造躯体となる。
第1の構造躯体内部に埋設される「間隔保持部材」は、第1の構造躯体内に埋設されて上下面から露出する部分を有するのであれば形状は問わない。間隔保持部材は上方からの圧縮力を受ける圧縮補強部材となる。間隔保持部材は第1の構造躯体にその上下面から露出する部分を有するため、少なくとも間隔保持部材は第1の構造躯体の上下幅(背)よりも長く構成される。
「連結部材」は第1の構造躯体の上下に配置させた接合金具を互い引き付けあうような構成の部材であればよく、例えば雄ネジ部材と雌ネジ部材で構成したり、ワイヤーを接合金具間に緊設するようにしたりしてもよい。つまり、連結部材によって常時上下に配置させた接合金具を互いに接近する方向に引き付けるようにするとともに、両接合金具の間に間隔保持部材を配置させることで、第1の構造躯体に上方の接合金具からの大きな荷重がかかることのないようにしたものである。
「間隔保持部材を埋設する」こととして、例えば前もって形成した間隔保持部材の外形に対応した第1の構造躯体側の透孔に落とし込んだり、前もって形成した案内孔を使用してラグスクリューボルト(木ねじ)でドリル状にねじ込んだり、雄ネジ側の間隔保持部材を雌ネジ側の第1の構造躯体側の内壁の雌ネジに螺合させたり、第1の構造躯体側の透孔に無理嵌めさせたりする等ができる。また、埋設する前提として第1の構造躯体の上下方向に沿って透孔を形成する。
【0007】
また、手段2として、前記間隔保持部材は上端側の縁から外方に張り出す張り出し部を有し、前記張り出し部によって前記第1の構造躯体の上面に載置された状態で前記間隔保持部材は前記第1の構造躯体の上下面から露出する部分を有するようにした。
これによって、間隔保持部材は張り出し部が第1の構造躯体の上面に載置されて第1の構造躯体内で埋設状態で保持されることとなるため、第1の構造躯体内で下動することなく位置が安定し、第1の構造躯体の上下面から露出する部分を確実に露出状態に保持することができる。
ここに「張り出し部」は間隔保持部材は上端側の縁から外方に張り出して間隔保持部材を保持できれば形状は問わず、例えば、円筒の端部全周に張り出したフランジ状の形状でもよく、全周ではなく例えば梁部材が張り出すものでもよい。梁部材が張り出す場合には対向して張り出しても放射状に張り出してもよい。
また「張り出し部」は所定の厚みを有して自身が「上面から露出する部分」を成してもよい。その場合には間隔保持部材の本体部分よりも外側のより広い領域で上側の接合金具の荷重を受けることができるため、荷重を受ける面積が広くなるため耐荷重性がよくなり、また接合金具を支持する領域も広くなって間隔保持部材に支持される接合金具の安定がよくなる。また、間隔保持部材は「張り出し部」とは別に「上面から露出する部分を有する」ように構成してもよい。
「縁」は最も端部だけでなく最も端部を含む端部寄り部分をある程度含む。
【0008】
また、手段3として、前記間隔保持部材は上下位置支持手段によって前記第1の構造躯体に埋設された状態で埋設位置で保持されるようにした。
これによって間隔保持部材は埋設位置で確実に保持されるため、間隔保持部材の第1の構造躯体の上下面から露出する部分の露出量が間隔保持部材が移動して変化してしまうという不具合がない。
また、手段4として、前記上下位置支持手段は、横断面円形の前記間隔保持部材の外周に形成した雄ネジ面が前記第1の構造躯体に形成された透孔の内周の雌ネジ面との間で螺合関係を有して埋設されるものであるようにした。
これによって間隔保持部材は埋設位置で上下に進退せず確実に保持されるため、間隔保持部材の第1の構造躯体の上下面から露出する部分の露出量が間隔保持部材が移動して変化してしまうという不具合がない。
また、手段5として、前記上下位置支持手段は、前記間隔保持部材を前記第1の構造躯体内部に案内孔に対して無理嵌め状態に埋設するものであるようにした。
これによって間隔保持部材は埋設位置で上下に進退せず確実に保持されるため、間隔保持部材の第1の構造躯体の上下面から露出する部分の露出量が間隔保持部材が移動して変化してしまうという不具合がない。
「無理嵌め状態に埋設する」とは、例えば一部(又は全部)に透孔内径より大径部分のある間隔保持部材を叩いて嵌めるようにすることである。例えばドリフトピンのように長手方向の一部が膨出して大径になっているような形状の部材を使用することがよい。
また、手段6として、前記上下位置支持手段は、前記間隔保持部材に形成した第1の差し込み穴と、前記第1の構造躯体の厚み方向に形成した第2の差し込み穴と、連通した前記第1の差し込み穴と前記第2の差し込み穴間に挿通される長尺固定部材とにより構成することである。
これによって間隔保持部材は埋設位置で上下に進退せず確実に保持されるため、間隔保持部材の第1の構造躯体の上下面から露出する部分の露出量が間隔保持部材が移動して変化してしまうという不具合がない。
「長尺固定部材」は例えばドリフトピンであり、第1の差し込み穴と第2の差し込み穴が連通した状態でドリフトピンを打ち込んで、間隔保持部材を保持させる。
【0009】
また、手段7として、前記間隔保持部材は1又は複数の金属製の長尺体であって、長手方向に上下端部が前記露出する部分となるようにした。
これによって、接合金具を連結部材によって互いに引き合うように固定する際に間隔保持部材である金属製の長尺体の両端部を長手方向(軸方向)に圧縮することとなるため、長尺体は容易に変形せず、強い圧縮力にも耐えることとなる。
「長尺体」は、例えば棒状体や筒体の外形がよい。棒状体であれば中実体で構成することがよい。
また、手段8として、1又は複数の前記長尺体は前記第1の構造躯体側に向いた前記接合金具の連結部の背面に形成した凹部内に前記露出する部分を収容させているようにした。
これによって、長尺体の上端の露出する部分が接合金具の連結部の背面に形成した凹部内収容されることとなるため組み立ての際に接合金具の位置決めがしやすく、また、一旦組み付けると長尺体と接合金具が横ずれしにくくなる。
また、手段9として、複数の前記長尺体は前記連結部材を中心に回転対称となる位置に配置されるようにした。
これによって、接合金具を連結している連結部材に対してその周囲に回転対称となるようにバランスよく長尺体が配置されているため、接合金具を連結部材によって互いに引き合った状態で接合金具が長尺体に当接していても、長尺体に対して接合金具がずれたり外れたりすることがなくなる。
また、手段10として、前記長尺体の先端部は前記第1の構造躯体の上下面と面一となる位置に配置されているようにした。
これによって、接合金具を連結部材によって互いに引き合った状態で接合金具が長尺体に当接しる場合に、接合金具は長尺体の先端に当接すると同時にその周囲の第1の構造躯体の面とも接するため、長尺体に対して接合金具がずれたり外れたりすることがなくなる。
【0010】
また、手段11として、前記長尺体は筒体であって、前記連結部材は前記筒体内に配置されているようにした。
これによって、接合金具を引っ張り合っている位置が接合金具が支持される位置、つまり筒体周囲よりも内側にあるため、間隔保持部材である筒体に支持される接合金具の安定がよくなる。
また、手段12として、前記筒体の上下の開口部位置には前記接合金具が当接されるフランジ体が形成され、少なくともいずれか一方の前記フランジ体は前記筒体の外周に雄ネジと雌ネジの関係で螺合されているようにした。
これによって、接合金具がより広い面積で筒体側に支持されることとなり、筒体に支持される接合金具の安定がよくなる。
【0011】
また、手段13として、前記接合金具は挿入プレートを有し、前記挿入プレートは前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体側に挿入され前記挿入プレートを介して前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体は前記第1の構造躯体に固定され、前記挿入プレートは前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体側に挿入された状態で前記長尺体の軸方向に平行な方向に延出されているようにした。
このような挿入プレートが第2の構造躯体又は前記第3の構造躯体側に挿入され、第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体と固定手段(例えばドリフトピン)によって固定されることによって引っ張り力(引き抜き力)や圧縮力が上下方向に伝達されることとなる。挿入プレートは1つの接合金具において複数の挿入プレートを設けるようにしてもよく、複数の接合金具それぞれに1枚の挿入プレートを設けるようにしてもよい。
また、手段14として、記第2の構造躯体及び第3の構造躯体は直交集成板であって、前記挿入プレートは前記直交集成板を構成する板層に沿ってその面方向が配設されるようにした。
つまり、第2の構造躯体及び第3の構造躯体が直交集成板の場合には直交集成板を横切って切断しないように挿入プレートは直交集成板を構成する板層に沿って延出させるようにしている。これによって直交集成板の強度が低下しないようにする。
また、手段15として、前記第1の構造躯体は直交集成板であって、前記長尺体は前記直交集成板を構成する板層に沿った方向に対して直交する方向が軸方向となるように埋設されるようにした。
つまり、第1の構造躯体が直交集成板の場合には長尺体は直交集成板を構成する板層に沿った方向に対して直交する方向(強軸層と弱軸層を横切るように)に配置される。これは本発明の構造では第1の構造躯体が寝た状態で配置されることを意味している。
【0012】
また、手段16として、前記連結部材は雄ネジ部材と雌ネジ部材を有し、前記雄ネジ部材を前記第1の構造躯体内の透孔を通じて上下に配置された前記接合金具の連結部と交差させるように配置し、前記雌ネジ部材を前記雄ネジ部材に螺合させて前記雌ネジ部材を前記連結部方向に移動させることによって上下に配置された前記接合金具を前記間隔保持部材を間に介して締め付け固定するようにした。
これは連結部材をより具体的にクレームしたものである。このようにすれば第1の構造躯体の上下に配置された接合金具に任意のテンションを与えて互いに引き合うように固定することができる。
また、手段17として、前記接合金具の連結部は前記第1の構造躯体に接触していないようにした。
これは基本的に接合金具の連結部が間隔保持部材の上下に露出する部分に当接させる構造であるため、接合金具の連結部が第1の構造躯体の外面に配置されればそのような構成になることを確認的にクレームしたものである。尚、第1の構造躯体と面一に間隔保持部材の上下端面が配置される場合に接合金具が第1の構造躯体に接触するケースがあり得ることは手段17より前の手段では排除していない。
また、ここで「接触していない」とは当初全部あるいは一部が接触していても経年使用することで第1の構造躯体が痩せて接合金具の連結部が第1の構造躯体に接触しなくなるケースも含んでいる。
また、手段18として、前記第2の構造躯体及び前記第3の構造躯体を前記接合金具を介して連結固定した際に前記第2の構造躯体は前記第1の構造躯体に接触しないようにした。
これによって第2の構造躯体から第1の構造躯体に圧縮力が伝達されることが防止される。ここでは上方からの荷重と第1の構造躯体に伝達させないために第2の構造躯体を第1の構造躯体に接触しないように構成したが、第3の構造躯体を第1の構造躯体に接触しないようにすることもよい。
【0013】
また、手段1〜18のいずれかの木造建築物の構造躯体の接合構造を使用して前記第1の構造躯体の上面に配置される前記第2の構造躯体が当該階層よりも1つ上層の前記第1の構造躯体の下面に配置される前記第3の構造躯体となるように積層配置されている木造建築物を構築するようにした。
これによって多層階の木造建築物を構築する際に特に下層階の第1の構造躯体に圧縮方向の大きな荷重がかかることがなくなるため、第1の構造躯体に対する材のめり込み等の変形が生じることがなくなり多層階の木造建築物の構築が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1の構造躯体に過大な圧縮力がかかることがなく、第1の構造躯体にめり込み等の変形が生じるおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の木造建築物の構造躯体の接合構造を使用した木造建築物の一部切り欠き斜視図。
図2】実施の形態1の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する接合金具であって(a)は斜め上方からの斜視図、(b)は斜め下方からの斜視図。
図3】実施の形態の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する連結部材であって(a)はボルトの正面図、(b)は(a)のボルトの側面図、(c)はそのボルトとセットとなるナットの斜視図。
図4】実施の形態1の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する圧縮補強ピンであって(a)は斜視図、(b)は側面図。
図5】実施の形態1の木造建築物の構造躯体の接合構造における接合位置の床パネルであって(a)は断面図、(b)は部分拡大平面図。
図6図5の床パネルの上方に圧縮補強ピンを配置した状態の部分断面図。
図7図5の床パネルに圧縮補強ピンを埋設し、その上下位置に接合金具とボルト及びナットを配置した状態の部分断面図。
図8】接合金具を連結した状態を説明する説明図。
図9】(a)は床パネルに連結固定された下側の接合金具に壁パネルを接続する途中の状態を説明する説明図、(b)は床パネルに連結固定された下側の接合金具に壁パネルを接続した後、ドリフトピンで固定しようとする状態を説明する説明図。
図10図1の円で囲われた部分の床パネルと壁パネルの接合状態を拡大して説明する説明図。
図11】実施の形態2の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する圧縮補強ピンであって(a)は斜視図、(b)は中央位置で破断した部分断面図。
図12】床パネルの上方に圧縮補強筒を配置した状態の部分断面図。
図13図12の床パネルに圧縮補強筒を埋設し、その上下位置に接合金具とボルト及びナットを配置した状態の部分断面図。
図14】接合金具を連結した状態を説明する説明図。
図15】実施の形態2の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する接合金具であって(a)は斜め上方からの斜視図、(b)は斜め下方からの斜視図。
図16】(a)〜(d)は実施の形態3〜6で使用する圧縮補強ピンの斜視図。
図17】実施の形態7の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する圧縮補強筒であって(a)は斜視図、(b)は中央位置で破断した部分断面図。
図18】実施の形態8の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する圧縮補強筒であって(a)は斜視図、(b)は中央位置で破断した部分断面図。
図19】(a)は実施の形態8において圧縮補強筒を床パネルの挿通孔に挿入する直前の状態を説明する説明図、(b)は床パネルに圧縮補強筒を埋設した状態で側方からドリフトピンで固定し、その後接合金具を取り付けた状態を説明する説明図。
図20】他の実施の形態の木造建築物の構造躯体の接合構造において使用する圧縮補強筒であって(a)は分解斜視図、(b)は中央位置で破断した部分断面図。
図21】従来の木造建築物の構造躯体の接合構造において床パネルにラグスクリューボルトを介して接合金具を連結固定した状態の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態である木造建築物の構造躯体の接合構造について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の接合構造を使用して構築された木造建築物1である。実際にはこのスケルトンの架構状態に外装材及び内装材が配設される。この木造建築物1は第1の構造躯体としての床パネル2と第2の構造躯体及び第3の構造躯体としての壁パネル3を組み合わせて構築されている。隣接する壁パネル3間の上部寄りには桁パネル4が配設されている。本実施の形態では床パネル2は長さ3000mm、幅1000mm、厚み210mmの基準となる直方体形状の7層構造のCLTパネルを適時カットして使用している。また、壁パネル3は長さ3000mm、幅1000mm、厚み150mmの基準となる直方体形状の5層構造のCLTパネルを適時カットして使用している。床パネル2は長さ及び幅方向が水平となるように(つまり、厚み方向が垂直方向となるように)配置され、長さ及び幅方向が垂直方向となる壁パネル3によって上下方向において挟まれている。木造建築物1は下層階から順に本発明の接合構造によって床パネル2と壁パネル3が接合されていく。木造建築物1ではすべての床パネル2と壁パネル3との接合部分に本発明の接合構造が適用されているが、以下では一例として図1の円Pで囲んだ位置の具体的な接合方法と接合構造を説明するものとする。
【0017】
(実施の形態1)
まず、床パネル2に壁パネル3を接合するために使用する主要な部材(金具)について説明する。
図2(a)(b)は床パネル2と壁パネル3とを接合するために使用される接合金具5である。接合金具5は一辺120mmの正方形形状の外観の連結部としてのベースプレート6と、ベースプレート6上面の左右方向中央位置において上方に延出される略長方形形状の挿入プレート7によって正面T字形状となる基本骨格を構成している。挿入プレート7はベースプレート6と同幅で2.5倍程度の長さ(300mm)とされている。挿入プレート7はベースプレート6に対して溶接によって固着されている。挿入プレート7の上端寄りには左右方向の2カ所に前後に連通するピン孔8が形成されている。挿入プレート7のベースプレート6との連結位置に面した中央位置には前後方向に連通するアーチ状の切り欠き部9が形成されている。ベースプレート6の中央位置、つまり切り欠き部9と交差する位置には表裏に連通する円形形状の透孔10が形成されている。ベースプレート6の裏面6aには透孔10を取り囲むように4つの円形形状の凹部11が形成されている。各凹部はベースプレート6の各角部から等距離の位置に配置されている。凹部11には後述する圧縮補強ピン17の上端部分が収容される。
図3(a)(b)は床パネル2の表裏面2a、2bに接合金具5を固定するために使用される連結部材としてのボルト12である。ボルト12は外周に雄ネジ部が形成された軸部13と、軸部13の一端に形成された正六角形状の外形のヘッド部14から構成されている。図3(c)はボルト12とセットとなる連結部材としてのナット15である。軸部13の径は接合金具5の透孔10に挿通可能なように透孔10より若干小径に構成され、ボルト12が透孔10から脱落しないようにヘッド部14は透孔10の径より大径とされている。
【0018】
図4(a)(b)は床パネル2に埋設される長尺体又は間隔保持部材としての圧縮補強ピン17である。圧縮補強ピン17は合金製の中実体の丸棒を加工したものであって、長手方向の途中に外方に張り出すように一端寄り付近を押しつぶして扁平にすることで形成された膨出部18が形成されている。圧縮補強ピン17の全長は本実施の形態では212mmとされており、床パネル2の上下幅よりもわずかに長く構成されている。
【0019】
次に床パネル2の壁パネル3接合予定位置に接合金具5を固定する工程について説明する。
前提として床パネル2の壁パネル3を接合する位置には、図5に示すように挿通孔21と、複数の(本実施の形態1では4つの)案内孔22が形成されている。挿通孔21は接合金具5のベースプレート6の透孔10と、案内孔22はベースプレート6の凹部11とそれぞれ対応する位置に形成されている。
挿通孔21は接合金具5の透孔10と同径であって、ボルト12の軸部13よりわずかに大きい。案内孔22の径は圧縮補強ピン17の膨出部18以外の部分の径と同じである。案内孔22は挿通孔21から等距離でかつ等角度で異なる位相となるように(本実施の形態1では90度の位相)配置され、配置状態で挿通孔21に対してこれら複数の案内孔22は鏡像対称かつ回転対称とされている(接合金具5の透孔10と凹部11も同じ関係にある)。
このような床パネル2に対して作業者は、まず図6に示すように圧縮補強ピン17を各案内孔22に例えばハンマーで打ち込む。ここでは上方から打ち込んでいるが、下方から打ち込んでもよい。膨出部18側が打ち込み側となる。圧縮補強ピン17は案内孔22と同じ径であるため、若干案内孔22の内壁の抵抗を受けながらも膨出部18が案内孔22の開口部に至るまで速やかに進入する。膨出部18が案内孔22の開口部に係合して進出しにくくなるが、以後は膨出部18を案内孔22の内壁に食い込ませながら無理嵌め状に圧縮補強ピン17を打ち込んでいく。そして、圧縮補強ピン17先端が床パネル2の下面から突出する量と圧縮補強ピン17後端が床パネル2の上面から突出する量が均等になった段階で打ち込みが終了する。つまり、圧縮補強ピン17が床パネル2内の所定の位置に埋設されることとなる。打ち込まれたすべての圧縮補強ピン17の上下の突出量はすべて均等である。
【0020】
次いで、作業者は図7に示すように上下に突出する圧縮補強ピン17に対して、上下方向から接合金具5のベースプレート6の裏面6aをちょうど上下が鏡像対称となるように当接させる。このとき、ベースプレート6の中央位置の透孔10が挿通孔21と一致するように配置する。併せて圧縮補強ピン17に接合金具5のベースプレート6の裏面6aに形成した凹部11が嵌合されるようにする。これによって自動的に接合金具5の位置決めがされることとなる。
実際には作業性を考慮して、まず上側の接合金具5側から作業を行っていく。
上側の接合金具5を上方向に突出する圧縮補強ピン17上に載置(当接させる)する。次に、ベースプレート6の上側から座金23を介して透孔10にボルト12を軸部13の先端側から挿入する。ボルト12の軸部13はベースプレート6と交差して床パネル2の挿通孔21内に至り、挿入に伴って軸部13の下端側が床パネル2の下側に露出する。この状態で下側の接合金具5を下方向に突出する圧縮補強ピン17上に載置(当接させる)する。
そして、ベースプレート6の透孔10から突出するボルト12の軸部13に対してベースプレート6の下側から座金23を介してナット15を螺合させ、軸部13に沿ってナット15をベースプレート6方向に移動させ、レンチのような工具でナット15とヘッド部14との間でベースプレート6を互いに引き合うようにしっかりと締め付けるようにする(図8の状態)。本実施の形態1では床パネル2の間隔を空けた2箇所にこのように挿通孔21と、複数の案内孔22の金具取り付け領域を設け、それぞれの位置で圧縮補強ピン17を介して表裏面2a、2bに接合金具5を連結固定する。金具取り付け領域の間隔は壁パネル3に形成された2つのスリット28の間隔に対応している。
【0021】
次に、このように床パネル2に接合金具5を取り付けた状態において壁パネル3を連結する工程について説明する。
接合木造建築物1の構築に当たっては下層階から順に構築していくため、先に下側の壁パネル3から床パネル2に接合させる工法を採用する(もちろん上下から同時に壁パネル3を床パネル2に接近させるような工法であってもよい)。この状態で図9(a)のようにまず下方向の壁パネル3を接近させ、壁パネル3の端部3aに形成したスリット28に接合金具5の挿入プレート7を挿入させる。壁パネル3の端部3aが接合金具5のベースプレート6に当接した状態で挿入プレート7のピン孔8は壁パネル3に形成されたピン孔29と照合される。そして、図9(b)に示すように公知のドリフトピン30を照合されたピン孔8、29に打ち込むことで壁パネル3は固定される。その後、当該床パネル2と同じ階及び下側の階の構築が概ね終了した段階で図9(a)(b)に準じて上側から壁パネル3を床パネル2に接合させるようにする。
このように床パネル2の表裏面2a、2bに壁パネル3が接合された状態においては図10に示すように、接合金具5のベースプレート6は床パネル2に当接せず、ベースプレート6上に載置されて壁パネル3も床パネル2に当接することはない。尚、図9(a)(b)や図10では壁パネル3と床パネル2との間隔が開いていることを強調すべく若干広めに間隔が描かれている。
【0022】
このように構成することで上記実施の形態1では次のような効果が奏される。
(1)接合金具5は床パネル2に固定されて上下の壁パネル3を支持する一方、上方側の壁パネル3側から接合金具5を介して下方にかかる圧縮力は、圧縮補強ピン17を介して下側の接合金具5に伝達されるようになっている。また、壁パネル3は接合金具5によって床パネル2には接触せず僅かに浮いた状態で支持される。このため、床パネル2には圧縮力が伝達されずに圧縮補強ピン17に迂回してしまうため、過大な圧縮力が生じても床パネル2がめり込んで変形してしまうことがない。
(2)圧縮補強ピン17は床パネル2に無理嵌め状態に埋設されているため、上下方向にずれずに保持されることとなる。叩き込むだけで固定できるため作業的に有利である。叩き込む量も圧縮補強ピン17の膨出部18は打ち込み側に配置されるため、叩き込む回数も少なくてよい。また、圧縮補強ピン17の間隔は床パネル2の上下幅よりも長いため、例え圧縮補強ピン17が上下にずれたとしても常に床パネル2の上下に突出した部分を有した状態となって、床パネル2に過大な圧縮力が作用することはない。
(3)接合金具5のベースプレート6の一辺は壁パネル3の厚みよりも短いため、装着状態でベースプレート6が壁パネル3から外方にはみ出ることはない。
(4)接合金具5を圧縮補強ピン17上に当接させる際に、接合金具5のベースプレート6の裏面6aに形成した凹部11に圧縮補強ピン17を嵌合させるようにしたため、位置ズレがなく、位置決めも簡単かつ正確に行うことができる。
【0023】
(実施の形態2)
実施の形態2ではボルト12、ナット15、座金23等の連結手段の構成は実施の形態1と同様である。そのため、実施の形態1と異なる構成部材とその構成部材を使用した接合構造(又は工程)に特化して説明する。壁パネル3を連結する工程については上記実施の形態1と同様であるため省略する。
実施の形態2の接合金具31は基本的な形状は上記実施の形態1の接合金具5と同じである。そのため、接合金具31を構成する要素については実施の形態1の接合金具5と同じ番号で図示することで詳しい説明は省略する。
図11(a)(b)に示すように、実施の形態2では長尺体又は間隔保持部材としての圧縮補強筒32を使用する。合金製の圧縮補強筒32は上下に連通した円筒形状の本体33と、本体33の上端全周から外方に張り出したフランジ部34を備えている。圧縮補強筒32はフランジ部34上面から本体33の下端までの長さ、つまり全長が本実施の形態2では212mmとされており、床パネル2の上下幅よりもわずかに長く構成されている。
図15(a)〜(c)に示すように、接合金具31のベースプレート6の裏面6aには直線が縦横に交差する模様で構成された断面V字状のメッシュ加工からなる滑り止め面35が施されている。上下一対の接合金具31のベースプレート6の裏面6a側であって中央の透孔10の周囲には図15(b)(c)に示すようにリング状の第1の凹部36と第2の凹部37がそれぞれ形成されている。第1の凹部36の形状は圧縮補強筒32のフランジ部34の上面形状に対応している。つまり、フランジ部34の上部側が第1の凹部36に嵌合可能とされている。第2の凹部37の形状は圧縮補強筒32の本体33の端部形状に対応している。つまり、フランジ部34の本体33の下部側が第2の凹部37に嵌合可能とされている。本実施の形態2では図15(b)に示す第1の凹部36の形成されている側を接合金具31Aとし、図15(c)に示す第2の凹部37の形成されている側を接合金具31Bとする。
【0024】
次に床パネル2の壁パネル3接合予定位置に接合金具5を固定する工程について説明する。
前提として床パネル2の壁パネル3を接合する位置には、図12に示すように挿通孔41が形成されている。挿通孔41は圧縮補強筒32の本体33とほぼ同径で抜き差しの抵抗とならない程度にわずかに本体33より大きく構成されている。
このような床パネル2に対して作業者は、まず図12図13に示すように、圧縮補強筒32を挿通孔41に上方から落とし込む。すると圧縮補強筒32はフランジ部34の径が挿通孔41の径よりも大きいため、フランジ部34が挿通孔41の上部開口部周囲の面に支持され(係合され)る。つまり、フランジ部34はその厚み分だけ床パネル2の上面(表面)2aから突出する。一方、このように圧縮補強筒32が支持された状態でフランジ部34の厚みと同じ長さで本体33の下部側が床パネル2の下面(裏面)2bに露出する。この段階で圧縮補強筒32の床パネル2内への埋設が完了する。
【0025】
次いで、上側の接合金具31Aを圧縮補強筒32のフランジ部34上に載置(当接させる)する。このとき、接合金具31Aの(ベースプレート6の裏面6aの)第1の凹部36にフランジ部34を嵌合させることで接合金具31Aのベースプレート6の透孔10を正確に圧縮補強筒32の本体33の中央位置に配置することができる。
次に、ベースプレート6の上側から座金23を介して透孔10にボルト12を軸部13の先端側から挿入する。ボルト12の軸部13は圧縮補強筒32内部を通過して、軸部13下端が本体33下側から露出する。この状態で下側の接合金具31Bのベースプレート6を下方向に突出する本体33の下端面に載置(当接させる)する。このとき、接合金具31Bの(ベースプレート6の裏面6aの)第2の凹部37に本体33下端部を嵌合させることで接合金具31Bのベースプレート6の透孔10を正確に圧縮補強筒32の本体33の中央位置に配置することができる。
そして、ベースプレート6の透孔10から突出するボルト12の軸部13に対してベースプレート6の下側から座金23を介してナット15を螺合させ、軸部13に沿ってナット15をベースプレート6方向に移動させ、レンチのような工具でナット15とヘッド部14との間でベースプレート6を互いに引き合うようにしっかりと締め付けるようにする(図14の状態)。本実施の形態2でも実施の形態1と同様、床パネル2の間隔を空けた2箇所にこのように挿通孔41の金具取り付け領域を設け、それぞれの位置で圧縮補強筒32を介して表裏面2a、2bに接合金具31A、31Bを連結固定する。金具取り付け領域の間隔は壁パネル3に形成された2つのスリット28の間隔に対応している。
このように床パネル2に接合金具31A、31Bを取り付けた状態において壁パネル3を連結する工程については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0026】
このように構成することで上記実施の形態2では次のような効果が奏される。
(1)接合金具31A、31Bは床パネル2に固定されて上下の壁パネル3を支持する一方、上方側の壁パネル3側から接合金具31A、31Bを介して下方にかかる圧縮力は、圧縮補強筒32を介して下側の接合金具31A、31Bに伝達されるようになっている。また、壁パネル3は接合金具31A、31Bによって床パネル2には接触せず僅かに浮いた状態で支持される。このため、床パネル2には圧縮力が伝達されずに圧縮補強筒32に迂回してしまうため、過大な圧縮力が生じても床パネル2がめり込んで変形してしまうことがない。
(2)圧縮補強筒32は床パネル2に上から落とし込むだけで特に積極的な固定手段がなくともフランジ部34によって床パネル2の埋設位置に保持されるため、作業時間が短縮される。また、圧縮補強筒32は落とし込むだけで床パネル2の上下面から常に一定の突出量となるため、突出量を調整する手間もないため、作業的に有利である。
(3)前もって床パネル2に形成する穴として一つの挿通孔41を穿設するだけでよいため、作業上有利である。
(4)接合金具31A、31B5のベースプレート6の一辺は壁パネル3の厚みよりも短いため、装着状態でベースプレート6が壁パネル3から外方にはみ出ることはない。
(5)接合金具31A、31Bを圧縮補強筒32上に当接させる際に、接合金具31A、31Bのベースプレート6の裏面6aに形成した第1及び第2の凹部36、37に対して圧縮補強筒32を嵌合させるようにしたため、位置ズレがなく、位置決めも簡単かつ正確に行うことができる。
【0027】
(実施の形態3〜6)
次に、実施の形態3〜6について説明する。実施の形態3〜6では間隔保持部材のみ異なるため、図16に基づいて異なる点を説明する。
(実施の形態3)
図16(a)の圧縮補強ピン45は上記実施の形態1で使用した圧縮補強ピン17の他の形態の一例である。圧縮補強ピン45は合金製の中実体であり、全長は212mmとされ、床パネル2の上下幅よりもわずかに長く構成されている。圧縮補強ピン45の外周の基部寄りには雄ネジ部46が形成されており、基部端面には六角形状の内周形状の係合凹部47が形成されている。圧縮補強ピン45は例えば六角レンチのような工具を係合凹部47に係合させて床パネル2の案内孔22に食い込ませるように使用される。圧縮補強ピン45は実施の形態1の圧縮補強ピン17が膨出部18を案内孔22に食い込ませるようにして固定するものであるのに対して、案内孔22に雄ネジ部46を食い込ませて案内孔22に形成される雌ネジとの間で螺合関係を形成させて固定する間隔保持部材である。このような圧縮補強ピン45を実施の形態1の圧縮補強ピン17に代えて使用しても、上記実施の形態1の(1)と同様の効果が奏される。また、ネジ手段を使用して固定しているため、圧縮補強ピン45の進出量の微妙な調整も可能である。
(実施の形態4)
図16(b)の実施の形態4の圧縮補強ピン48は実施の形態3の圧縮補強ピン45のバリエーションである。圧縮補強ピン48は圧縮補強ピン45と同様の雄ネジ部49が形成されており、基部端面には六角形状の外周形状の係合凸部50が形成されている。圧縮補強ピン48は例えばスパナやソケットレンチのような工具を係合凹部47に係合させて案内孔22に食い込ませるように使用される。案内孔22に食い込ませる作用としては実施の形態3と同様である。また、実施の形態3と同様の効果が奏される。
【0028】
(実施の形態5)
図16(c)の実施の形態5の圧縮補強ピン51は実施の形態3及び4の圧縮補強ピン45、49のバリエーションである。圧縮補強ピン51は圧縮補強ピン45、49と同様の雄ネジ部52が形成されており、基部には六角形状のヘッド53が形成されている。圧縮補強ピン51は例えばスパナやソケットレンチのような工具をヘッド53に係合させて案内孔22に食い込ませるように使用される。案内孔22に食い込ませる作用としては実施の形態3と同様である。圧縮補強ピン51はヘッド53の裏面が床パネル2の上面2aに当接した状態でヘッド53の厚みと同量の先端部分が床パネル2の下面2bからちょうど突出するように構成されている。これによって上記実施の形態1の(1)と同様の効果が奏されるとともに、ヘッド53の床パネル2への当接によって自動的に圧縮補強ピン51の床パネル2内での上下方向の位置決めができる。
(実施の形態6)
図16(d)の実施の形態6の圧縮補強ピン54は実施の形態1及び5の圧縮補強ピン17、51のバリエーションである。圧縮補強ピン54には実施の形態1と同様に膨出部55が形成されている。圧縮補強ピン54の基部には実施の形態5と同様に円板形状のヘッド56が形成されている。このような構成であれば、実施の形態1の圧縮補強ピン17と同様に膨出部55を案内孔22の内壁に食い込ませながら無理嵌め状に圧縮補強ピン54を打ち込んでいくことができる。また、実施の形態5と同様にヘッド56の裏面が床パネル2の上面2aに当接した状態でヘッド56の厚みと同量の先端部分が床パネル2の下面2bからちょうど突出するように構成されている。そのため、上記実施の形態1の(1)と同様の効果が奏されるとともに、実施の形態5と同様にヘッド56の床パネル2への当接によって自動的に圧縮補強ピン54の床パネル2内での上下方向の位置決めができる。
【0029】
(実施の形態7)
次に、図17(a)(b)に基づいて実施の形態7について説明する。実施の形態7では間隔保持部材のみ異なるため、図17(a)(b)に基づいて異なる点を説明する。
図17(a)(b)の圧縮補強筒57は上記実施の形態2で使用した圧縮補強筒32の他の形態の一例である。合金製の圧縮補強筒57は上下に連通した円筒形状の本体58を有する。本体58の上部寄りには六角ナット形状に加工した係合凸部59が形成されている。本体58の係合凸部59に寄った外周位置には雄ネジ部60が形成されている。圧縮補強筒57は係合凸部59上面から本体58の下端までの長さ、つまり全長が本実施の形態2では212mmとされており、床パネル2の上下幅よりもわずかに長く構成されている。実施の形態7の圧縮補強筒57は実施の形態2の圧縮補強筒32とは異なり上下位置支持手段としてのフランジ部34を有していない。そのため、圧縮補強筒57は例えばレンチのような工具を係合凸部59に係合させて床パネル2の挿通孔41の内壁に雄ネジ部60を食い込ませるように使用される。挿通孔41の内壁に雄ネジ部46を食い込ませることで挿通孔41に形成される雌ネジとの間で螺合関係を形成させて圧縮補強筒57を所定の位置で固定する。雄ネジ部46とこれと螺合関係にある挿通孔41の内壁との間で上下位置支持手段が構成される。作業者は圧縮補強筒32の床パネル2の表裏面2a、2bへの突出量が同じになる位置に圧縮補強筒57を配置させるようにする。
このように構成すれば、上記実施の形態2の(1)と同様の効果が奏される。
【0030】
(実施の形態8)
次に、図18(a)(b)及び図19(a)(b)に基づいて実施の形態8について説明する。実施の形態8では間隔保持部材のみ異なるため、図18(a)(b)及び図19(a)(b)に基づいて異なる点を説明する。
図18(a)(b)の圧縮補強筒61は上記実施の形態2で使用した圧縮補強筒32の他の形態の一例である。合金製の圧縮補強筒61は上下に連通した円筒形状の本体62を有する。本体62の側面の任意の位置(本実施の形態8では上下方向における中央位置)には2つの円形の透孔63が形成されている。2つの透孔63は本体62の軸心を通る直線を中心として本体62の外周の180度対向した位置に配置されている。つまり一方の透孔63から内部を除くと軸心位置を透過して向こう側の透孔63から外部が見えるような位置である。
図19(a)に示すように、前もって床パネル2には上下に連通する断面円形の挿通孔64が形成されている。床パネル2には挿通孔64の上下方向に中央位置であって挿通孔64の軸心と交差する床パネル2と平行な第1の水平挿通孔65が形成されている。第1の水平挿通孔65は床パネル2の木口面2cから挿通孔64に至る。第1の水平挿通孔65の軸線方向であって挿通孔64を挟んだ対向位置には第2の水平挿通孔66が形成されえいる。
作業者は挿通孔64の上方から本体62の2つの透孔63がちょうど第1の水平挿通孔65と第2の水平挿通孔66の挿通孔64側の開口部に照合されるように落とし込む。そして、透孔63が挿通孔65、66に照合された状態で床パネル2の木口面2c側からドリフトピン67を打ち込むようにする(図19(b)の状態)。透孔63が挿通孔65、66に照合された状態で、圧縮補強筒61の床パネル2の表裏面2a、2b方向への上下の突出量は均等とされる。透孔63と挿通孔65、66との間で上下位置支持手段が構成される。このようにして圧縮補強筒61を床パネル2内に埋設状態で支持し、例えば接合金具5を接合する(図19(b)の状態)。
このように構成すれば、上記実施の形態2の(1)と同様の効果が奏される。
【0031】
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記実施の形態では一例として図1において木造建築物1の円Pで囲んだ位置の接合について説明したが、他の位置やこの木造建築物1以外の木造建築物に適用することが可能である。
・床パネル2や壁パネル3の基準となるサイズについては上記は一例である。
・上記実施の形態では床パネル2に対して壁パネル3を接合する場合に間隔を空けて2つの接合金具5(31)を配置するようにしていた。しかし、壁パネル3の幅に応じて壁パネル3に沿って配置される接合金具5(31)の数を適宜変更(1又は3以上)とすることは可能である。
・上記実施の形態2の圧縮補強筒32はフランジ部34が本体33の上部に一体形成されていたが、図20に示すように圧縮補強筒71の円筒形状の本体72の上部に雄ネジ73を形成し、この雄ネジ73に螺合する雌ネジ74の形成されたリング体75を装着するようにして上記圧縮補強筒32と同様に使用するようにしてもよい。
・接合金具5(31)の形状について上記は一例である。また、圧縮補強ピン17、45、48、51、54や圧縮補強筒32、57、61のサイズや形状の上記は一例である。例えば、接合金具5に圧縮補強ピン45、48、51、54を使用してもよい(凹部11に嵌合させる)。例えば、接合金具31に圧縮補強筒71を使用してもよい。
図17(a)の圧縮補強筒57に形成した雄ネジ部60を、例えば実施の形態2の圧縮補強筒32や図20の圧縮補強筒71に適用するようにしてもよい。
・上記実施の形態では例えば圧縮補強ピン17や圧縮補強筒32の床パネル2の上下方向への突出量を均等にするようにしていた。しかし、必ずしも均等である必要はない。
・上下の接合金具5(31)をテンションを与えた状態で固定するために上記では連結部材としてボルト12とナット15を使用したが、例えばワイヤーなどで引き合うような構造としてもよい。
・上記実施の形態では圧縮補強ピン17や圧縮補強筒32を床パネル2の上下方向へ突出させていたが、明確に突出させなくとも大きな圧縮力が床パネル2に伝達されなければよいため、圧縮補強ピン17、45、48、51、54や圧縮補強筒32、57、61は突出せずに床パネル2の表裏面2a、2bと面一となってもよい。実際には木材は痩せが生じるため面一に構成しても経年的に相対的に突出状態となるからでもある。
図15の実施の形態2の接合金具31のベースプレート6の裏面6aに形成した滑り止め面35は実施の形態1の接合金具5に適用してもよい。
・接合金具5裏面の凹部11はなくともよい。接合金具31の凹部36、37をなくしてもよい。また、接合金具31のベースプレート6の裏面6aの滑り止め面35をなくしてもよい。ベースプレート6の裏面6aの全面に滑り止め面35を形成してもよい。
・上記床パネル2や壁パネル3はCLTパネルを使用したが、CLTパネル以外の集成材やムクの材を使用するようにしてもよい。
・上記では第1の構造躯体として床パネル2としていたが、例えば天井パネルにこの発明を適用するようにしてもよい。
・壁パネル3に形成されるスリット28は接合金具側の挿入プレートの形状や位置によって適宜変更して形成される。
【0032】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また、意匠出願への変更出願により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。
【符号の説明】
【0033】
2…床パネル、3…第2及び第3の構造躯体としての壁パネル、5、31…接合金具、12…連結部材としてのボルト、15…連結部材としてのナット、17、45、48、51、54…間隔保持部材としての圧縮補強ピン、32、57、61…間隔保持部材としての圧縮補強筒。
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