(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サブスペーサ柱状スペーサ構造体がパッドを含まず、前記中間柱状スペーサ構造体が、前記カラーフィルタ層の前記下面上の金属パッド、及び前記金属パッド上の中間柱状スペーサを含むことを特徴とする、請求項11に記載のディスプレイ。
【背景技術】
【0001】
本出願は、2013年4月11日出願の米国特許出願第13/861,231号に対する優先権を主張する。同出願は全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願は概して電子デバイスに関し、より詳細には、ディスプレイを有する電子デバイスに関する。
【0003】
電子デバイスはディスプレイをしばしば含む。例えば、携帯電話及びポータブルコンピュータは、ユーザに情報を提示するためのディスプレイをしばしば含む。
【0004】
液晶ディスプレイは液晶材料の層を包含する。液晶ディスプレイ内の表示画素は、液晶材料に電界を印加するための薄膜トランジスタ及び電極を包含する。表示画素内の電界の強度は液晶材料の偏光状態を制御し、それにより、表示画素の輝度を調整する。
【0005】
液晶ディスプレイ内では、カラーフィルタ層及び薄膜トランジスタ層などの基板層が用いられる。薄膜トランジスタ層は、液晶層内の電界の制御に用いられる薄膜トランジスタのアレイを包含する。カラーフィルタ層は、赤色、青色、及び緑色要素などのカラーフィルタ要素のアレイを包含する。カラーフィルタ層は、カラー画像を表示する能力をディスプレイに提供する。
【0006】
組み立てられたディスプレイ内で、液晶材料の層は薄膜トランジスタ層とカラーフィルタ層との間に挟み込まれる。ポリイミド不活性化層が、カラーフィルタ層の内面及び薄膜トランジスタ層の上面を被覆する。カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間の所望の間隙を維持するために、カラーフィルタ層の内面上には柱状スペーサのアレイが形成される。柱状スペーサは通例、フォトレジストなどの硬質の有機材料から形成される。
【0007】
液晶ディスプレイ内には通例、2種類の柱状スペーサが存在する。カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間には、メイン柱状スペーサの比較的まばらなセットが延びる。柱状スペーサ及びそれらの関連付けられたランディングパッドの厚さが、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間の分離量を確立する。サブスペーサと呼ばれる柱状スペーサの別のセットは、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間の途中までのみ延びる構造体を有する。サブスペーサは、薄膜トランジスタ層及び柱状スペーサが互いに接触するのを妨げるために用いられる。サブスペーサは、ディスプレイのための周囲温度が降下した時の薄膜トランジスタに対するカラーフィルタ層の変形を吸収するために、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間の全域にわたっては延びない。
【0008】
所与のディスプレイ内で使用するために適切な数の柱状スペーサを決定する際にはそれに伴うトレードオフが存在する。提供されるメイン柱状スペーサが少なすぎる場合には、ディスプレイのための支持が不足することになるであろう。このせいで、ディスプレイは、プーリングムラと呼ばれる望ましくない視覚効果を被りやすくなる。提供されるメイン柱状スペーサが多すぎる場合には、ディスプレイは過度に堅くなってしまうことになる。このせいで、ディスプレイは、変形されると応力誘起複屈折を起こしやすくなり、不所望の光漏れ効果を生じさせる。既存の柱状スペーサ設計を用いる場合には、プーリングと光漏れとの間の受け入れ可能なトレードオフを特定することは難しくなり得る。ディスプレイは、多くの場合、製造のばらつきに敏感であり、所望よりも多くのプーリング及び光漏れ効果を呈することがある。
【0009】
したがって、改善された柱状スペーサ構成を有するディスプレイを提供することができることが望ましいであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
電子デバイスはディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、ユーザに画像を表示するために用いられてもよい。
図1、
図2、
図3、及び
図4に、ディスプレイが提供されてもよい例示的な電子デバイスが示されている。
【0016】
図1は、電子デバイス10がどのように、上部筐体12A、並びにキーボード16及びタッチパッド18などの構成要素を有する下部筐体12Bを有するラップトップコンピュータの形態を有し得るのかを示す。デバイス10は、上部筐体12Aが、下部筐体12Bに対して回転軸24を中心として方向22に回転することを可能にするヒンジ構造体20を有してもよい。ディスプレイ14は上部筐体12A内に装着されてもよい。上部筐体12Aは、時によりディスプレイ筐体又は蓋と呼ばれることがあるが、上部筐体12Aを回転軸24の周りに下部筐体12Bに向かって回転させることによって、閉鎖位置に配されてもよい。
【0017】
図2は、電子デバイス10がどのように、携帯電話、ミュージックプレーヤ、ゲームデバイス、ナビゲーションユニット、又はその他のコンパクトデバイスなどのハンドヘルドデバイスとなり得るのかを示す。デバイス10のためのこの種の構成では、筐体12は反対の前面及び背面を有してもよい。ディスプレイ14は筐体12の前面上に装着されてもよい。ディスプレイ14は、所望の場合には、ボタン26などの構成要素のための開口部を有してもよい。開口部はまた、スピーカポートを収容するためにディスプレイ14内に形成されてもよい(例えば、
図2のスピーカポート28参照)。
【0018】
図3は、電子デバイス10がどのようにタブレットコンピュータとなり得るのかを示す。
図3の電子デバイス10では、筐体12は反対の平面状の前面及び背面を有してもよい。ディスプレイ14は筐体12の前面上に装着されてもよい。
図3に示されるように、ディスプレイ14は、(一例として)ボタン26を収容するための開口部を有してもよい。
【0019】
図4は、電子デバイス10がどのように、コンピュータディスプレイ、又はコンピュータディスプレイ内に一体化されたコンピュータとなり得るのかを示す。この種の機構を用いる場合には、デバイス10のための筐体12は台27などの支持構造体上に装着されてもよい。ディスプレイ14は筐体12の前面上に装着されてもよい。
【0020】
図1、
図2、
図3、及び
図4に示されているデバイス10のための例示的な構成は単なる例示にすぎない。一般的に、電子デバイス10は、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを内蔵するコンピュータモニタ、タブレットコンピュータ、携帯電話、メディアプレーヤ、又はその他のハンドヘルド若しくはポータブル電子デバイス、腕時計デバイスなどのより小さいデバイス、ペンダントデバイス、ヘッドホン若しくはイヤピースデバイス、又はその他のウェアラブル若しくは小型デバイス、テレビ、組み込み型コンピュータを内蔵しないコンピュータディスプレイ、ゲームデバイス、ナビゲーションデバイス、キオスク若しくは自動車内におけるディスプレイを有する電子機器が装着されるシステムなどの組み込みシステム、これらのデバイスのうちの2つ以上の機能性を実装する機器、あるいはその他の電子機器であってもよい。
【0021】
デバイス10の筐体12は、時によりケースと呼ばれるが、プラスチック、ガラス、セラミックス、炭素繊維複合材及びその他の繊維ベースの複合材、金属(例えば、機械加工アルミニウム、ステンレス鋼、若しくはその他の金属)、その他の材料、又はこれらの材料の組み合わせなどの材料で形成されてもよい。デバイス10は、筐体12のほとんど又は全てが単一の構造要素(例えば、機械加工金属片若しくは成型プラスチック片)から形成されるユニボディ構造を用いて形成されてもよいか、又は複数の筐体構造体(例えば、内部フレーム要素若しくはその他の内部筐体構造体に装着された外部筐体構造体)から形成されてもよい。
【0022】
ディスプレイ14は、タッチセンサを含むタッチ感知ディスプレイであってもよいか、又はタッチに対して非感知性であってもよい。ディスプレイ14のためのタッチセンサは、容量性タッチセンサ電極のアレイ、抵抗性タッチアレイ、音響的タッチ技術、光学的タッチ技術、若しくは力ベースのタッチ技術に基づくタッチセンサ構造体、又はその他の好適なタッチセンサ構成要素から形成されてもよい。
【0023】
デバイス10のためのディスプレイ14は、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)構成要素又はその他の好適な画像画素構造体から形成される表示画素を含む。
【0024】
ディスプレイカバー層がディスプレイ14の表面を被覆してもよいか、又はカラーフィルタ層などの表示層、若しくはディスプレイのその他の部分がディスプレイ14内の最外部の(又はほぼ最外部の)層として用いられてもよい。最外部の表示層は、透明ガラス板、クリアプラスチック層、又はその他の透明部材から形成されてもよい。
【0025】
図5に、デバイス10のディスプレイ14のための(例えば、
図1、
図2、
図3、
図4のデバイス又はその他の好適な電子デバイスのディスプレイ14のための)例示的な構成の断面側面図が示されている。
図5に示されるように、ディスプレイ14は、バックライト44を作り出すためのバックライトユニット42などのバックライト構造体を含んでもよい。動作中、バックライト44は外側へ(
図5の配向における次元Z内の垂直上方へ)進み、表示層46内の表示画素構造体を通過する。これは、表示画素によって作り出されているあらゆる画像をユーザによる観察のために照明する。例えば、バックライト44は、観察者48によって方向50に観察されている表示層46上の画像を照明してもよい。
【0026】
表示層46は、筐体12内に装着するためのディスプレイモジュールを形成するためのプラスチックシャーシ構造体及び/若しくは金属シャーシ構造体などのシャーシ構造体内に装着されてもよいか、又は表示層46は筐体12内に(例えば、表示層46を筐体12内の凹部内に積み重ねることによって)直接装着されてもよい。表示層46は液晶ディスプレイを形成してもよいか、又は他の種類のディスプレイの形成に用いられてもよい。
【0027】
表示層46が液晶ディスプレイの形成に用いられる構成では、表示層46は液晶層52などの液晶層を含んでもよい。液晶層52は、表示層58及び56などの表示層間に挟み込まれてもよい。層56及び58は、下部偏光板層60と上部偏光板層54との間に介在させてもよい。
【0028】
層58及び56は、ガラス又はプラスチックの透明層などの透明基板層から形成されてもよい。層56及び58は、薄膜トランジスタ層及び/又はカラーフィルタ層などの層であってもよい。層58及び56の基板上には、導電トレース、カラーフィルタ要素、トランジスタ、及びその他の回路及び構造体が(例えば、薄膜トランジスタ層及び/又はカラーフィルタ層を形成するために)形成されてもよい。層58及び56などの層内にはタッチセンサ電極も組み込まれてよく、並びに/又はタッチセンサ電極はその他の基板上に形成されてもよい。
【0029】
1つの例示的な構成では、層58は、液晶層52に電界を印加し、それにより、ディスプレイ14上に画像を表示するための薄膜トランジスタ及び関連付けられた電極(表示画素電極)のアレイを含む薄膜トランジスタ層であってもよい。層56は、カラー画像を表示する能力をディスプレイ14に提供するためのカラーフィルタ要素のアレイを含むカラーフィルタ層であってもよい。所望の場合には、層58がカラーフィルタ層であってもよく、層56が薄膜トランジスタ層であってもよい。
【0030】
デバイス10内のディスプレイ14の動作中には、ディスプレイ14上に表示されるべき情報(例えば、ディスプレイデータ)を生成するための制御回路機構(例えば、プリント回路上の1つ以上の集積回路)が用いられてもよい。表示されるべき情報は、(一例として)プリント回路64などのリジッド又はフレキシブルプリント回路内の導電金属トレースから形成される信号経路などの信号経路を用いて回路62A又は62Bなどのディスプレイドライバ集積回路へ伝達されてもよい。
【0031】
バックライト構造体42は導光板78などの導光板を含んでもよい。導光板78は、クリアガラス又はプラスチックなどの透明材料から形成されてもよい。バックライト構造体42の動作中には、光源72などの光源が光74を発生してもよい。光源72は、例えば、発光ダイオードのアレイであってもよい。
【0032】
光源72からの光74は導光板78の端面76内に結合されてもよく、内部全反射のプリンシパルによって導光板78全体にわたり次元X及びY内に分散されてもよい。導光板78はくぼみ又は隆起などの光散乱性の特徴を含んでもよい。光散乱性の特徴は、導光板78の上面上、及び/又は反対の下面上に配置されてもよい。
【0033】
導光板78からZ方向に上方へ散乱する光74はディスプレイ14のためのバックライト44の役割を果たしてもよい。下方へ散乱する光74は反射板80によって上方向に反射されてもよい。反射板80は、白色のプラスチック又はその他の光沢のある材料の層などの反射性材料から形成されてもよい。
【0034】
バックライト構造体42のためのバックライト性能を高めるために、バックライト構造体42は光学フィルム70を含んでもよい。光学フィルム70は、バックライト44を均質化し、それにより、ホットスポットを減少させるのを助けるための拡散板層、軸外視(off−axis viewing)を向上させるための補償フィルム、及びバックライト44を平行にする(collimate)ための輝度向上フィルム(時により、転向フィルムとも呼ばれる)を含んでもよい。光学フィルム70は、導光板78及び反射板80などのバックライトユニット42内の他の構造体と重なり合ってもよい。例えば、導光板78が
図5のX−Y平面内に長方形の設置面を有する場合には、光学フィルム70及び反射板80は、一致する長方形の設置面を有してもよい。
【0035】
カラーフィルタ層56の下面と薄膜トランジスタ層58の上面との間の液晶材料のための所望の間隙を維持するために、ディスプレイ14に柱状スペーサ構造体(時によりポストスペーサと呼ばれる)が提供されてもよい。柱状スペーサ構造体は、カラーフィルタ層56及び/又は薄膜トランジスタ層58の表面上の柱状構造体(例えば、円柱ポスト)及び/又は金属パッドなどの平面状構造体から形成されてもよい。
【0036】
図6、
図7、
図8、及び
図9は、異なるそれぞれの柱状スペーサ構造体(時により、柱状スペーサと呼ばれる)を有する機構におけるディスプレイ14の一部分の断面側面図である。
図6、
図7、
図8、若しくは
図9の機構、その他の柱状スペーサ構造体、並びにこれらの構成のうちの2つ以上の組み合わせが、ディスプレイ14のための柱状スペーサ構造体の形成に用いられてもよい。
図6の例では、カラーフィルタ層56の下面(最内部面)114と薄膜トランジスタ層58の上面(最外部面)116との間に柱状スペーサ構造体100が延びる。
【0037】
図6の柱状スペーサ構造体100は柱状スペーサ102及びランディングパッド104を含む。ディスプレイ14内の柱状スペーサ102及びその他の柱状スペーサなどの柱状スペーサ構造体は、フォトレジスト、その他のポリマー、又は非ポリマー材料から形成されてもよい。カラーフィルタ層56などの層上に柱状スペーサをパターニングするために、フォトリソグラフィ製作技術が用いられてもよい。ランディングパッド104は有機又は無機材料から形成されてもよい。一例として、ランディングパッド104は金属から形成されてもよい。薄膜トランジスタ層58の表面116上のランディングパッド104の厚さ(次元Z内の垂直高さ)と、柱状スペーサ102の厚さの両方が柱状スペーサ構造体100の総厚に寄与する。所望の場合には、柱状スペーサ構造体100の柱状スペーサ102の下面とパッド104の上面106との間に間隙110などの間隙が形成され得るように、柱状スペーサ102は位置108までのみ延びてもよい。
【0038】
所望の場合には、柱状スペーサ構造体100は、
図7に示されるように、カラーフィルタ層56の下面114上にパッド(例えば、金属パッド104)が形成される構成を用いて、ディスプレイ14内に形成されてもよい。柱状スペーサ102はパッド104の上に形成されてもよい。このシナリオにおける柱状スペーサ構造体100の総厚は、パッド104の厚さ・プラス・柱状スペーサ102の厚さで構成される。
図6の例示的な構成と同様に、
図7の柱状スペーサ構造体100は、カラーフィルタ56の下面114から薄膜トランジスタ層58の上面116まで延びてもよいか、又は柱状スペーサ構造体100の下面と薄膜トランジスタ層の上面116との間に間隙110などの間隙が形成されるように、表面114から位置108まで延びてもよい。
【0039】
図8の例示的な機構では、柱状スペーサ102の上方及び下方に金属パッドなどのパッドが形成されている。具体的には、カラーフィルタ層56の表面114上に金属パッド104−1が形成されており、薄膜トランジスタ層58の表面116上に金属パッド104−2が形成されている。この種の構成では、柱状スペーサ構造体100は、金属パッド104−1及び104−2の間に延びる柱状スペーサ102などの柱状スペーサ、又は柱状スペーサとパッド104−2の上面との間の間隙110を作り出すためにパッド104−1から表面108まで延びる柱状スペーサを含んでもよい。
【0040】
図9に示されるように、柱状スペーサ構造体100は、カラーフィルタ層56の表面114上に直接形成される柱状スペーサ102などの柱状スペーサを含んでもよい。薄膜トランジスタ層58の表面116上に、接合するランディングパッドが提供される必要はない。間隙110が柱状スペーサ102の下面を薄膜トランジスタ層58の上面116から分離してもよい。
【0041】
図10は、カラーフィルタ層56と薄膜トランジスタ層58との間に3つの異なる種類の柱状スペーサ構造体が存在する構成のディスプレイ14の一部分の断面側面図である。
図10に示されるように、カラーフィルタ層56は基板120及びカラーフィルタ要素アレイ122を含んでもよい。基板120は、ガラス又はプラスチックの透明層などの透明平面状部材から形成されてもよい。カラーフィルタアレイ122は基板120の下面上に形成されてもよい。カラーフィルタアレイ122は、マスキング線126などの不透明なマスキング線の格子によって分離されたカラーフィルタ要素124のアレイを包含してもよい。カラーフィルタ要素124は着色ポリマー(例えば、赤色、青色、及び緑色フォトレジスト要素)から形成されてもよい。被覆層128は透明な材料(例えば、ポリマー材料)であってもよい。薄膜トランジスタ層58は、薄膜トランジスタ回路機構125(例えば、薄膜層から形成されたトランジスタ、電極、パターニングされた信号線、キャパシタ、及びその他の表示画素アレイ回路機構)の層から形成されてもよい。薄膜トランジスタ回路機構125は薄膜トランジスタ基板127上に形成されてもよい。基板127は、透明なガラス、プラスチック、又はその他の材料の層であってもよい。カラーフィルタ層56及び薄膜トランジスタ層58の表面上にコーティング(例えば、ポリマーコーティング層)が形成されてもよい(例えば、これらの表面上のパッド構造体を被覆するコーティング)。
【0042】
柱状スペーサ構造体100A、100B、及び100Cは、カラーフィルタ層56の表面114上に柱状スペーサ102A、102B、及び102Cなどの柱状スペーサを堆積させることによって形成されてもよい。1つ以上のマスク(例えば、バイナリマスク、ハーフトーンマスク、及び/又はグレースケールマスク)が、異なる厚さのフォトレジスト柱(柱状スペーサ)の形成に用いられてもよい。ランディングパッド104などのランディングパッド及びその他のパッド構造体が柱状スペーサ102Aなどの柱状スペーサと重なり合ってもよく、表示層の表面内のひっかき傷を防止するため、及び/又は柱状スペーサ構造体内の所望の厚さ調整を行うために用いられてもよい。金属又はその他の材料がパッドの形成に用いられてもよい。
【0043】
ディスプレイ14内には、一般的に、柱状スペーサ構造体100Aなどの多数の柱状スペーサ構造体、柱状スペーサ構造体100Bなどの多数の柱状スペーサ構造体、及び柱状スペーサ構造体100Cなどの多数の柱状スペーサ構造体が存在し、構造体100A、100B、及び100Cは一般的にディスプレイ14の表面にわたって均等に分布する。これらの種類の柱状スペーサ構造体の各々が1つずつ存在する
図10に示されるディスプレイ14の部分は、単なる例示にすぎない。
【0044】
柱状スペーサ102A、102B、及び102Cは異なる厚さ(時により、高さと呼ばれる)を有する。例えば、
図10の柱状スペーサ102Aは厚さ(高さ)H1を有してもよく、
図10の柱状スペーサ102Bは厚さ(高さ)H2を有してもよく、
図10の柱状スペーサ102Cは厚さ(高さ)H3を有してもよい。H1、H2、及びH3の値は(一例として)全て異なってもよい。
【0045】
柱状スペーサ構造体100A(及び柱状スペーサ102A)は、時により、メイン柱状スペーサ構造体(又はメイン柱状スペーサ)と呼ばれることがある。
図10に示されるように、メイン柱状スペーサ構造体100Aは、カラーフィルタ層56の下面114と薄膜トランジスタ層58の上面116との間に延び、そのため、柱状スペーサ構造体内に間隙は存在しない。したがって、メイン柱状スペーサ構造体100Aは、液晶材料52が配置されるカラーフィルタ層56と薄膜トランジスタ層58との間の分離距離を規定する。
【0046】
柱状スペーサ構造体100Bはカラーフィルタ層56上の表面114と薄膜トランジスタ層58上の表面116との間の全域にわたっては延びず、したがって、時により、サブスペーサと呼ばれる。
図10に示されるように、柱状サブスペーサ構造体100Bはパッド104のような金属パッドを含まない。サブスペーサ柱状スペーサ102Bと薄膜トランジスタ層58の上面116との間には間隙ΔHが存在する。液晶材料52(
図5)の温度が変化する条件においては、カラーフィルタ層56は薄膜トランジスタ層58に向かって変形し得る。カラーフィルタ層56はまた、カラーフィルタ層56に圧力が加えられた場合にも、薄膜トランジスタ層58に向かって変形され得る。これらなどの状況においては、柱状スペーサ102Bの下面が薄膜トランジスタ層の表面116と接触するため、間隙ΔHは一時的に消える。したがって、柱状スペーサ構造体100Bの存在は、ディスプレイ14の使用中にカラーフィルタ層56及び薄膜トランジスタ層58が互いに接触するのを阻止するべくカラーフィルタ層56の動きを止めるために用いられる。
【0047】
柱状スペーサ構造体100Cは、サイズが、サブスペーサ柱状スペーサ構造体100Bに関連付けられる間隙ΔHのサイズと、メイン柱状スペーサ構造体100Aに関連付けられる0の間隙サイズとの間の中間である間隙ΔH’を形成する。柱状スペーサ構造体100Cの厚さもまた、メイン柱状スペーサ構造体100Aの厚さとサブスペーサ柱状スペーサ構造体100Bの厚さとの間にある。したがって、柱状スペーサ構造体100Cは、時により、中間柱状スペーサ構造体、中間厚柱状スペーサ構造体、又は移行柱状スペーサ構造体と呼ばれることもある。
【0048】
中間柱状スペーサ構造体100Cはサブスペーサ構造体100Bよりも厚く(例えば、中間柱状スペーサ102はサブスペーサ柱状スペーサ102Bよりも厚い)、したがって、ディスプレイ14の層のためにサブスペーサ柱状スペーサ100Bよりも多くの支持を提供する。これは、ディスプレイ14が不所望のプーリングムラに抗するのを助けることができる。
図10に示されるように、中間柱状スペーサ構造体100Cは、薄膜トランジスタ層l58の表面116から(ΔHと異なる)間隙ΔH’だけ分離された厚さH3の中間厚柱状スペーサ102Cを有してもよい。
【0049】
一般的に、
図10のディスプレイ14などのディスプレイにおける光漏れ性能とプーリング性能との間で考慮されるべきトレードオフが存在する。
図11は、プーリング性能が左手の縦軸上にメイン柱状スペーサ濃度の関数としてプロットされ、光漏れ性能が右手の縦軸上にメイン柱状スペーサ濃度の関数としてプロットされたグラフである。
【0050】
プーリングムラ曲線140は、ディスプレイ内のメイン柱状スペーサの濃度が減少するにつれて、プーリング性能がどのように低下する傾向を有するのかを示す。これは、ディスプレイ内の柱状スペーサ構造体が、層56及び58が互いに接触するのを阻止する助けとなるためである。十分な数のメイン柱状スペーサを提供することによって、
図11の曲線140の下向きの勾配によって指示されるように、プーリング性能を改善することができる。
【0051】
光漏れ曲線142は、ディスプレイ内のメイン柱状スペーサの数が減少するにつれて、応力誘起複屈折及びしたがって光漏れがどのように悪化する傾向を有するのかを示す。ディスプレイ14の平面性の所与の変形に対して、応力はディスプレイの剛性に比例して上昇する傾向を有する。より少ないメイン柱状スペーサを有するディスプレイは、より多くの柱状スペーサを有するディスプレイよりも可撓性が高い。その結果、より少ないメイン柱状スペーサを有するディスプレイは、変形された時に発現させる応力がより小さくなり、発生する応力誘起複屈折及び光漏れ(ディスプレイの不所望の局所的輝度増大)がそれに対応してより小さくなる。この振る舞いは曲線142の上向きの勾配によって反映される。より少ないメイン柱状スペーサが存在する場合には(
図11における曲線142の左手側付近)、光漏れ性能はより向上する。より多くのメイン柱状スペーサが存在する場合には(
図11における曲線142の右手側付近)、光漏れ性能はより悪化する。
【0052】
サブスペーサ構造体100Bの厚さよりも大きな厚さを有する柱状スペーサ構造体100Cなどの中間厚柱状スペーサ構造体を含めることは、カラーフィルタ層56などの層に対して曲げ圧力を及ぼす温度変化及びその他の力の間に、ディスプレイ14内のメイン柱状スペーサ102Aの数を増加させることによって生じ得る種類の過度の剛性を生み出すことなく、ディスプレイ14の層のための追加の構造支持を提供することによって、プーリングムラ性能を向上させる。
図10の柱状スペーサ構造体100Cなどの中間厚柱状スペーサ構造体をディスプレイ14内に含めることの利点が破線の曲線144によって示されている。
【0053】
矢印146によって示されるように、曲線144は、中間柱状スペーサを含めることでもたらされる曲線140に対する改善を表す。中間柱状スペーサ構造体100Cを用いずにディスプレイにおいてプーリングムラ性能に対して光漏れ性能をトレードオフする場合には、ディスプレイは、
図11のグラフの点148に関連付けられるメイン柱状スペーサの数を用いるように構成されてもよいであろう。中間柱状スペーサ構造体100Cを用いてディスプレイにおけるプーリングムラ性能に対して光漏れ性能をトレードオフする場合には、対照的に、ディスプレイは、
図11のグラフの点150に関連付けられるメイン柱状スペーサの数を用いるように構成されてもよいであろう。点150に従ってディスプレイ14が構成されると、点148に従って構成されるディスプレイに対してプーリングムラ性能及び光漏れ性能を両方とも改善することができる。
【0054】
図12は、ディスプレイ14内で用いられてもよいメイン柱状スペーサ密度、中間柱状スペーサ密度、及びサブスペーサ柱状スペーサ密度の例示的な(百分率の)数を示す表である。
図12の表はまた、柱状スペーサ102A、102B、及び102Cについての例示的な厚さを示し、例示的な間隙サイズΔ(メイン柱状スペーサについては0、中間柱状スペーサ及びサブスペーサについては非0)を示す。
【0055】
所望の場合には、柱状スペーサ構造体は、柱状スペーサ構造体についての所望の全厚を達成するために、異なる厚さの上部及び/又は下部パッド(例えば、金属パッド)及び/又は柱状スペーサを用いることができる。一例として、
図13の構成を考える。この構成では、メイン柱状スペーサ構造体100Aは、カラーフィルタ層56の表面114上のメイン柱状スペーサ102A、及び薄膜トランジスタ層58の表面116上のランディングパッド104から形成される。サブスペーサ柱状スペーサ構造体100Bはカラーフィルタ層56の表面114上のサブスペーサ102Bから形成される。
図13の中間柱状スペーサ構造体100Cは、中間柱状スペーサ102C、及び薄膜トランジスタ層58の表面116上のパッド104Cから形成される。スペーサ102A、102B、及び102Cの厚さは、所望の場合には、全て等しくてもよい(H1)。
【0056】
図13の例では、2種類のパッドが用いられている−パッド104Aなどのパッドはディスプレイ14のためのメイン柱状スペーサ構造体の一部の役割を果たし、パッド104Cなどのパッドはディスプレイ14のための中間柱状スペーサ構造体の一部の役割を果たす。所望の場合には、パッドのその他の組み合わせが柱状スペーサ構造体内に用いられてもよい(例えば、
図6、
図7、
図8、及び
図10参照)。2つの異なる種類の柱状スペーサ構造体内で、薄膜トランジスタ層の表面116上のパッドの2つの異なる厚さが用いられる
図14の例は、単なる例示にすぎない。
【0057】
図14は、各柱状スペーサの厚さH1が同じであり、パッド104Cがカラーフィルタ層56の表面114上に形成された構成のディスプレイ14の一部分の断面側面図である。一般的に、パッドは、表面114上、表面116上、又は表面114及び116の組み合わせの上に形成されてもよい。所望の場合には、サブスペーサ柱状スペーサ構造体100B(及び/又は構造体100A及び/又は構造体100C)は、
図6、
図7、及び
図8に関して説明されたように、1つ以上のパッドを含んでもよい。
【0058】
図15の例は、4つの異なる種類の柱状スペーサ構造体の使用を含む。メイン柱状スペーサ構造体100A及びサブスペーサ柱状スペーサ構造体100Bに加えて、
図15の柱状スペーサ構造体は、異なるそれぞれの厚さを各々有する、第1及び第2の中間柱状スペーサ構造体100C−1及び100C−2を含む。
図15の例では、メイン柱状スペーサ構造体100Aはメイン柱状スペーサ102A及びメイン柱状スペーサパッド104Aから形成され、サブスペーサ柱状スペーサ構造体100Bはサブスペーサ柱状スペーサ102Bから形成される(パッドは有しない)。中間柱状スペーサ構造体100C−1は、厚さH3の中間柱状スペーサ102C−1を用いることによって、パッドを用いずに形成された。中間柱状スペーサ構造体100C−2は、サブスペーサ柱状スペーサ102Bの厚さと同じであり、メイン柱状スペーサ102Aのメイン柱状スペーサ厚さH1と異なる、厚さH2の柱状スペーサ102C−2から形成される。パッド104C−2及びスペーサ102C−2が柱状スペーサ構造体100C−2の全厚に寄与する。ディスプレイ14のための中間柱状支持の2つの異なるレベルを提供するために、中間柱状スペーサ構造体100C−1の厚さは好ましくは中間柱状スペーサ構造体100C−2の厚さと異なる。
【0059】
一実施形態によれば、ディスプレイであって、下面を有するカラーフィルタ層と、上面を有する薄膜トランジスタ層と、下面と上面との間の液晶層と、下面と上面との間のメイン柱状スペーサ構造体であって、メイン柱状スペーサ構造体はメイン柱状スペーサ構造体厚さを有する、メイン柱状スペーサ構造体と、下面と上面との間のサブスペーサ柱状スペーサ構造体であって、サブスペーサ柱状スペーサ構造体は、メイン柱状スペーサ構造体厚さよりも小さいサブスペーサ柱状スペーサ構造体厚さを有する、サブスペーサ柱状スペーサ構造体と、下面と上面との間の中間柱状スペーサ構造体であって、中間柱状スペーサ構造体は、メイン柱状スペーサ構造体厚さよりも小さく、サブスペーサ柱状スペーサ構造体厚さよりも大きい中間柱状スペーサ構造体厚さを有する、中間柱状スペーサ構造体と、を含む、ディスプレイが提供される。
【0060】
別の実施形態によれば、メイン柱状スペーサ構造体は、メイン柱状スペーサ及び対応するパッドを含む。
【0061】
別の実施形態によれば、パッドは薄膜トランジスタ層の上面上に形成される。
【0062】
別の実施形態によれば、サブスペーサ柱状スペーサ構造体はサブスペーサ柱状スペーサを含み、パッドを含まない。
【0063】
別の実施形態によれば、中間柱状スペーサ構造体は、中間柱状スペーサ、及び上面上の対応するパッドを含む。
【0064】
別の実施形態によれば、メイン柱状スペーサ、サブスペーサ柱状スペーサ、及び中間柱状スペーサは、異なるそれぞれの厚さを有する。
【0065】
別の実施形態によれば、中間柱状スペーサ構造体は、異なるそれぞれの厚さの第1及び第2の中間柱状スペーサ構造体を含む。
【0066】
別の実施形態によれば、中間柱状スペーサ構造体はカラーフィルタ層の下面上の金属パッドを含む。
【0067】
別の実施形態によれば、メイン柱状スペーサ構造体はメイン柱状スペーサを含み、中間柱状スペーサ構造体は中間柱状スペーサを含み、サブスペーサ柱状スペーサ構造体はサブスペーサ柱状スペーサを含み、メイン柱状スペーサ、中間柱状スペーサ、及びサブスペーサ柱状スペーサは全て同じ厚さを有する。
【0068】
別の実施形態によれば、メイン柱状スペーサはカラーフィルタ層の下面上に形成される。
【0069】
別の実施形態によれば、メイン柱状スペーサ構造体は薄膜トランジスタ層の上面上の金属パッドを含む。
【0070】
別の実施形態によれば、サブスペーサ柱状スペーサはカラーフィルタ層の下面上に形成される。
【0071】
別の実施形態によれば、サブスペーサ柱状スペーサ構造体はパッドを含まず、中間柱状スペーサはカラーフィルタ層の下面上に形成される。
【0072】
別の実施形態によれば、サブスペーサ柱状スペーサ構造体はパッドを含まず、中間柱状スペーサ構造体は、カラーフィルタ層の下面上の金属パッド、及び金属パッド上の中間柱状スペーサを含む。
【0073】
一実施形態によれば、ディスプレイであって、カラーフィルタ層と、薄膜トランジスタ層と、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間の液晶材料の層と、カラーフィルタ層と薄膜トランジスタ層との間の複数の柱状スペーサ構造体であって、柱状スペーサ構造体は、第1の厚さの第1の柱状スペーサ構造体、第2の厚さの第2の柱状スペーサ構造体、及び第1及び第2の厚さの間にある第3の厚さの第3の柱状スペーサを含む、複数の柱状スペーサ構造体と、を含む、ディスプレイが提供される。
【0074】
別の実施形態によれば、柱状スペーサ構造体は、第1及び第3の厚さの間にある第4の厚さの第4の柱状スペーサ構造体を含む。
【0075】
別の実施形態によれば、柱状スペーサ構造体のうちの少なくともいくつかはフォトレジスト柱及び金属パッドを含む。
【0076】
一実施形態によれば、ディスプレイであって、第1の表示層と、第2の表示層と、第1及び第2の表示層の間の液体材料の層であって、第1及び第2の表示層は距離だけ分離される、液体材料と、第1の厚さの第1のスペーサ構造体、第2の厚さの第2のスペーサ構造体、並びに第1及び第2の厚さの間にある第3の厚さの第3のスペーサを含む第1及び第2の表示層の間のスペーサ構造体であって、第1の厚さは距離と等しい、スペーサ構造体と、を含む、ディスプレイが提供される。
【0077】
別の実施形態によれば、スペーサ構造体はポリマー構造体及び金属パッドを含む。
【0078】
別の実施形態によれば、ポリマー構造体は、第1のスペーサ構造体内の第1のポリマー構造体、第2のスペーサ構造体内の第2のポリマー構造体、及び第3のスペーサ構造体内の第3のポリマー構造体を含み、第1、第2、及び第3のポリマー構造体は等しい厚さを有する。
【0079】
以上のものは、本発明の原理の単なる例示にすぎず、当業者は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な変更を行うことができる。