特許第6417619号(P6417619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6417619
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】非接触管理媒体、帳票
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20181029BHJP
   B42D 11/00 20060101ALI20181029BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20181029BHJP
【FI】
   G06K19/077 296
   G06K19/077 200
   B42D11/00 E
   B42D25/305 100
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-199847(P2014-199847)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-71587(P2016-71587A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】大石 教博
(72)【発明者】
【氏名】水流 慶太郎
【審査官】 梅沢 俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−229357(JP,A)
【文献】 特開2012−070076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
B42D 11/00
B42D 25/305
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面基材と、ICチップおよび該ICチップに接続された第1アンテナを有する非接触通信部を有する第1基材、前記第1アンテナと非接触で共振するブースター用の第2アンテナを有する第2基材と、を備え、前記表面基材、前記第1基材および前記第2基材が、この順に積層された非接触管理媒体であって、
前記表面基材は、配送物品の配送先情報を記入する第1領域、配送物品の配送元情報を記入する第2領域、配送日時を記入する第3領域、配送物品の種別を記入する第4領域を有し、
前記第1基材において、前記非接触通信部が設けられる領域は、前記表面基材と前記第1基材が積層された状態で、前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域と重ならない領域であり、
前記第2基材において、前記第2アンテナが設けられる領域は、前記表面基材と前記第2基材が積層された状態で、前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域と重ならない領域であり、
前記第1基材と前記第2基材は、分離可能または折り曲げ可能に形成され、
前記非接触通信部は、それ自体で第1の周波数帯域において、第1の通信距離で通信可能であり、
前記第1基材と前記第2基材が積層され、前記第1アンテナと前記第2アンテナが共振可能な状態にて、前記第1の周波数帯域と略同一の周波数帯域で前記第1の通信距離よりも長距離の第2の通信距離で通信することを特徴とする非接触管理媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触管理媒体を備えたことを特徴とする帳票。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送品に貼付されて、配送品の配送業務や業務管理等に用いられる非接触管理媒体およびそれを備えた帳票に関し、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波または電波を媒体として外部から情報を受信し、また、外部に情報を送信できるようにした非接触管理媒体およびそれを備えた帳票に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の配送において、物品に貼付されて、物品に関する配送情報が記入される配送伝票が用いられている。配送伝票の所定の箇所には、物品の差出人の住所や氏名、物品の受取人の住所や氏名等の配送情報が記入される。物品の配送量が膨大になるに伴って、配送情報の管理が煩雑になっている。そこで、配送情報の記入の手間を削減し、配送情報の管理を容易にするために、バーコード情報等によって管理情報が印刷されるとともに、非接触状態にて情報の読み出しが可能なICモジュールを備えた配送伝票が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−045944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の配送伝票に設けられたICモジュールは、常に同じ通信状態(共振周波数帯、通信距離)で通信できるものの、配送伝票が使用される状況に応じて、通信状態を変えることができなかった。すなわち、ICモジュールは、配送伝票が使用される状況に応じて、通信可の状態と、通信不可の状態とを切り替えるのではなく、通信距離の長短を切り替えることが求められていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、使用状況に応じて、通信距離の長短を切り替えることができる非接触管理媒体およびそれを備えた帳票を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の非接触管理媒体は、表面基材と、ICチップおよび該ICチップに接続された第1アンテナを有する非接触通信部を有する第1基材、前記第1アンテナと非接触で共振するブースター用の第2アンテナを有する第2基材と、を備え、前記表面基材、前記第1基材および前記第2基材が、この順に積層された非接触管理媒体であって、前記表面基材は、配送物品の配送先情報を記入する第1領域、配送物品の配送元情報を記入する第2領域、配送日時を記入する第3領域、配送物品の種別を記入する第4領域を有し、前記第1基材において、前記非接触通信部が設けられる領域は、前記表面基材と前記第1基材が積層された状態で、前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域と重ならない領域であり、前記第2基材において、前記第2アンテナが設けられる領域は、前記表面基材と前記第2基材が積層された状態で、前記第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域と重ならない領域であり、前記第1基材と前記第2基材は、分離可能または折り曲げ可能に形成され、前記非接触通信部は、それ自体で第1の周波数帯域において、第1の通信距離で通信可能であり、前記第1基材と前記第2基材が積層され、前記第1アンテナと前記第2アンテナが共振可能な状態にて、前記第1の周波数帯域と略同一の周波数帯域で前記第1の通信距離よりも長距離の第2の通信距離で通信することを特徴とする。
【0007】
本発明の帳票は、本発明の非接触管理媒体を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使用状況に応じて、通信距離の長短を切り替えることができる非接触管理媒体およびそれを備えた帳票を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の非接触管理媒体の一実施形態を示す概略平面図である。
図2】本発明の非接触管理媒体を構成する第1基材を示す概略平面図である。
図3】本発明の非接触管理媒体を構成する第2基材を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の非接触管理媒体および帳票の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0011】
図1は、本発明の非接触管理媒体の一実施形態を示す概略平面図である。図2は、本発明の非接触管理媒体を構成する第1基材を示す概略平面図である。図3は、本発明の非接触管理媒体を構成する第2基材を示す概略平面図である。
本実施形態の非接触管理媒体10は、表面基材20と、非接触通信部31を有する第1基材30と、第2アンテナ41を有する第2基材40とから概略構成されている。
また、表面基材20と、第1基材30と、第2基材40とは、この順に積層され、かつ、それぞれの長手方向の一端部22,32,42で接合されている。
本実施形態の非接触管理媒体10は、物品の配送時に、物品に貼付されて用いられる帳票である。
【0012】
第1シート20は、配送物品に関する情報を記入する領域が設けられた第1破断片21と、第1シート20の長手方向と垂直に設けられた破断線(ミシン目)23を介して、破断片21と連設された一端部22とから概略構成されている。
破断片21の一方の面21aには、配送物品の配送先情報(宛先、宛名など)を記入する第1領域24、配送物品の配送元情報(配送元住所、配送依頼者など)を記入する第2領域25、配送日時を記入する第3領域26、配送物品の種別を記入する第4領域27などが設けられている。また、表面基材20の裏面側、かつ上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27と重なる領域に、カーボン紙が設けられていてもよい。
破断片21は、破断線23において、一端部22から分離可能または折り曲げ可能である。
【0013】
第1基材30は、一方の面32aに非接触通信部31が設けられた破断片32と、第1基材30の長手方向と垂直に設けられた破断線(ミシン目)34を介して、破断片32と連設された一端部33とから概略構成されている。
非接触通信部31は、平面視正方形状の絶縁基材35と、絶縁基材35の一方の面35aに設けられた、ICチップ36およびICチップ36に物理的に接続された第1アンテナ37とから構成されるインレットである。第1アンテナ37は、線状または帯状の導電体が平面視正方形のループ状(環状)に周回された2つのアンテナ38,39から構成されている。アンテナ38は、アンテナ39の内側に沿うように配設されている。言い換えれば、アンテナ39は、アンテナ38の外側に沿うように配設されている。
破断片32は、破断線34において、一端部32から分離可能または折り曲げ可能である。また、第1アンテナ37が設けられた破断片32は、非接触管理媒体10が貼付された物品の配送者(ドライバー)が持ち帰る、ドライバー控片である。
【0014】
破断片32において、非接触通信部31が設けられる領域は、表面基材20と第1基材30が積層された状態で、上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27と重ならない領域である。これにより、各領域に必要な情報を記入する際に、各領域に加えられた力によって、非接触通信部31を構成するICチップ36や第1アンテナ37が損傷することがない。一方、破断片32における上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27と重なる領域には、上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27に記入された情報が、表面基材20の裏面側に設けられたカーボン紙によって転写される領域が設けられていてもよい。さらに、破断片32の裏面側、かつ上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27と重なる領域に、カーボン紙が設けられていてもよい。
【0015】
第2基材40は、一方の面42aに第2アンテナ41が設けられた破断片42と、第2基材40の長手方向と垂直に設けられた破断線(ミシン目)44を介して、破断片42と連設された一端部43とから概略構成されている。
破断片42は、第1基材30と第2基材40が積層された状態で、第1アンテナ37に沿って、かつ、第1アンテナ37に対して未接着状態で配設されるブースター用の第2アンテナ41を有している。すなわち、第1基材30と第2基材40が積層された状態で、第1アンテナ37と第2アンテナ41が共振可能となる。
破断片42は、破断線44において、一端部43から分離可能または折り曲げ可能である。
【0016】
第2アンテナ41は、第1基材30と第2基材40が積層された状態で、第1アンテナ37の外側、すなわち、アンテナ38の外側に沿うように配設された部分(中央部)45と、中央部45から第3破断片41の長手方向の両側に延在する線状または帯状の放射素子46,46とからなるアンテナである。第2アンテナ41の中央部45は、線状または帯状の導電体が平面視コ字形状をなしている。
第2アンテナ41の中央部45は、第1基材30と第2基材40が積層された状態で、その内側に配される非接触通信部31(第1アンテナ37)とほぼ同一の形状に形成されていることが好ましい。さらに、非接触通信部31(第1アンテナ37)と中央部45は非接触に設けられているが、両者の間の隙間はできる限り小さくなるように中央部45を形成し、かつ、両者の間の隙間はできる限り小さくなるように中央部45内に非接触通信部31(第1アンテナ37)を配置することが好ましい。
【0017】
なお、第1アンテナ37は、少なくともその一辺が第2アンテナ41の少なくとも一辺に対して非接触でかつ略平行になるよう配されていればよく、第2アンテナ41に非接触通信部31(第1アンテナ37)とほぼ形状が同一の中央部45が形成されていなくてもよい。
【0018】
第2アンテナ41は、第1アンテナ37と、電磁結合による電気的な接続を行い、第1アンテナ37のみによって非接触通信を行う場合よりも、通信距離を長くする(長距離通信を可能とする)ためのものである。
【0019】
破断片42において、第2アンテナ41が設けられる領域は、表面基材20と第2基材40が積層された状態で、上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27と重ならない領域である。これにより、各領域に必要な情報を記入する際に、各領域に加えられた力によって、第2アンテナ43が損傷することがない。一方、破断片42における上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27と重なる領域には、上記の第1領域24、第2領域25、第3領域26および第4領域27に記入された情報が、破断片32の裏面側に設けられたカーボン紙によって転写される領域が設けられていてもよい。
【0020】
また、非接触管理媒体10は、第2基材40の裏面側に、物品等に非接触管理媒体10を貼付するための粘着部を裏面に有する粘着基材50を備えていてもよい。
粘着基材50は、破断片(図示略)と、粘着基材50の長手方向と垂直に設けられた破断線(図示略)を介して、破断片と連設された一端部(図示略)とから概略構成されている。破断片は、破断線において、一端部から分離可能または折り曲げ可能である。
さらに、非接触管理媒体10は、粘着基材50の裏面側に、粘着基材50の粘着部を被覆し、かつ、その粘着部から剥離可能な被覆基材を備えていてもよい。
【0021】
表面基材20、第1基材30、第2基材40および粘着基材50としては、絶縁基材が用いられ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等のポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;ガラスエポキシ樹脂からなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙からなる基材等が用いられる。
【0022】
表面基材20、第1基材30、第2基材40および粘着基材50の厚さは、それぞれの破断線において、それぞれの一端部から、それぞれの破断片が分離可能または折り曲げ可能とすることができれば特に限定されない。
【0023】
ICチップ36としては、特に限定されず、第1アンテナ37および第2アンテナ41を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能なものであれば、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカード等のRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0024】
第1アンテナ37は、絶縁基材35の一方の面35aに銅箔を貼着し、その銅箔をエッチングしてなるもの、または、電気メッキや静電メッキ、もしくは金属蒸着等各種形成法により形成された銅薄膜からなるものである。
【0025】
第1アンテナ37の給電部(図示略)にICチップ36を実装するには、異方性導電性接着剤等が用いられる。
【0026】
第2アンテナ41は、導電回路の形成に用いられる導電性のインクから構成されている。導電性のインクとしては、例えば、既知のポリマー型導電インク、銀インク組成物等が用いられる。絶縁基材の一方の面に銅箔を貼着し、その銅箔をエッチングしてなるもの、または、電気メッキや静電メッキ、もしくは金属蒸着等各種形成法により形成された銅薄膜からなるものであってもよい。
【0027】
本実施形態の非接触管理媒体10は、第1基材30に設けられ、ICチップ36およびICチップ36に接続された第1アンテナ37を有する非接触通信部31と、第2基材40に設けられ、第1アンテナ37と非接触で共振するブースター用の第2アンテナ38と、を備え、第1基材30と第2基材40は、分離可能または折り曲げ可能に形成されている。したがって、非接触管理媒体10を配送品に貼付することにより、配送品の配送時または管理時に、使用状況に応じて、通信距離の長短を切り替えることができる。例えば、配送品を搭載した車両が、配送センター(集配所)の通用門(ゲート)を通過する時には、第1基材30と第2基材40が積層された状態とし、第1アンテナ37と第2アンテナ41が電磁結合により電気的に接続され、長距離通信が可能となる。これにより、配送品を車両に搭載したまま、配送品に関する配送情報(配送先情報(宛先、宛名等)、配送元情報(依頼元住所、依頼者等)、配送日時、配送物品の種別等)を管理することができる。一方、配送品の配送が終了した後、非接触管理媒体10から、第1基材30の破断片32を分離して回収することにより、破断片32に設けられた非接触通信部31のみで、第2アンテナ41と組み合わせて通信する周波数帯域と同一の周波数帯域にて、短距離(第1アンテナ37と第2アンテナ41を組み合わせて用いた場合よりも短い距離)通信が可能となる。これにより、配送完了前とは異なる状態で、配送品に関する配送情報を管理することができる。すなわち、配送完了前と、配送完了後とを混同することなく、配送品に関する配送情報を管理することができる。
【0028】
なお、本実施形態では、非接触管理媒体10が帳票である場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、非接触管理媒体は、通信距離の長短を、意図的に切り替えることにより、物品の管理を行う必要がある場合において、非接触型ICタグとして用いることもできる。
また、本実施形態の非接触管理媒体10では、第1基材30の破断片32を破断線34において折り曲げるか、または、第2基材40の破断片42を破断線44において折り曲げることにより、第1アンテナ37と第2アンテナ41が、電磁結合による電気的な接続ができないように、第1基材30と第2基材40を配置することによって、第1基材30に設けられた非接触通信部31のみによる短距離通信が可能となる。
【0029】
また、本実施形態では、第2アンテナ41として、ポール状のアンテナを例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第2アンテナの長手方向の長さが非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波の周波数帯域(300MHz〜30GHz)で通信するものであれば、第2アンテナの形状はいかなるものであってもよい。
【0030】
また、本実施形態では、第1アンテナ37が平面視正方形のループ状(環状)に周回された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第1アンテナが、複数回捲き回された導体からなるコイル状をなしていてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、非接触管理媒体10が、表面基材20、第1基材30、第2基材40および粘着基材50を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、非接触管理媒体が、第1アンテナを有する非接触通信部が設けられた第1基材と、ブースター用の第2アンテナが設けられた第2基材と、を少なくとも備えていればよい。
【符号の説明】
【0032】
10・・・非接触管理媒体、20・・・表面基材、21・・・破断片、22・・・一端部、23・・・破断線、24・・・第1領域、25・・・第2領域、26・・・第3領域、27・・・第4領域、30・・・第1基材、31・・・非接触通信部、32・・・破断片、33・・・一端部、34・・・破断線、35・・・絶縁基材、36・・・ICチップ、37・・・第1アンテナ、38,39・・・アンテナ、40・・・第2基材、41・・・第2アンテナ、42・・・破断片、43・・・一端部、44・・・破断線、45・・・中央部、46・・・放射素子、50・・・粘着基材。
図1
図2
図3