特許第6417811号(P6417811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6417811
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】トラクタ
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/462 20100101AFI20181029BHJP
【FI】
   F16H61/462
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-189157(P2014-189157)
(22)【出願日】2014年9月17日
(65)【公開番号】特開2016-61359(P2016-61359A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078031
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 皓一
(74)【代理人】
【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100078260
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 レイ子
(72)【発明者】
【氏名】谷 良孝
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−247065(JP,A)
【文献】 特開2002−331956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/38− 61/478
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体を旋回走行可能に支持する走行装置(4,5)と、この走行装置(4,5)の走行動力を無段階に変速伝動する静油圧式無段変速機(8)と、この静油圧式無段変速機(8)を条件に応じて変速制御する変速制御部(60)とを備えて対地作業走行可能なトラクタにおいて、
前記変速制御部(60)は、前記走行装置(4,5)による旋回走行に応じて、所定の走行指示速度から増速側に変速制御する旋回時増速制御に移行する増速モードスイッチ(61a)および所定の走行指示速度から減速側に変速制御する旋回時減速制御に移行する減速モードスイッチ(61b)を備え、
前記走行装置(4,5)の左右の独立ブレーキと、それぞれのブレーキペダル(21L,21R)と、これら左右のブレーキペダル(21L,21R)を連結位置で一体化するロック板(23)とを設け、このロック板(23)が前記連結位置の場合に、前記変速制御部(60)により、増速モードスイッチ(61a)による変速制御を規制することを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記機体に傾斜センサ(62)を設け、前記機体が所定以上に傾斜した場合に、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による変速制御を規制することを特徴とする請求項に記載のトラクタ。
【請求項3】
前記機体に傾斜センサ(62)を設け、前記機体の傾斜の変化量が所定以上の場合に、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御を規制することを特徴とする請求項に記載のトラクタ。
【請求項4】
前記機体に車速センサ(63)を設け、前記ロック板(23)が前記連結位置であって、車速が所定以上の場合に、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御を規制することを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載のトラクタ。
【請求項5】
前後進切換手段(27)による機体の後進走行を検知する前後進センサ(27s)を設け、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御を後進走行について規制することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のトラクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無段変速機を備えて圃場整地走行する作業車両であるトラクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
静油圧式無段変速伝動機構を備える圃場整地用のトラクタは、特許文献1に示すように、変速制御部により、一定車速で作業走行することができ、特に、往復作業走行を順次繰り返す圃場作業の際に機体旋回時に限って増速制御する旋回増速制御により、旋回前後の煩わしい変速操作を要することなく、圃場端において速やかに折り返して次の一定車速の作業走行に効率よく移行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5472397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、安全走行のために機体旋回と連動して減速したい場合があり、その一方で、作業時間の短縮等のために旋回連動の増速も必要であり、両方を共に満たすことができないという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、静油圧式無段変速伝動機構を備えて所定速度で走行しつつ、旋回走行時に限定して増速する旋回時増速制御に加え、旋回走行時に限定して減速する旋回時減速制御の選択を可能とするトラクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項に係る発明は、機体を旋回走行可能に支持する走行装置(4,5)と、この走行装置(4,5)の走行動力を無段階に変速伝動する静油圧式無段変速機(8)と、この静油圧式無段変速機(8)を条件に応じて変速制御する変速制御部(60)とを備えて対地作業走行可能なトラクタにおいて、
前記変速制御部(60)は、前記走行装置(4,5)による旋回走行に応じて、所定の走行指示速度から増速側に変速制御する旋回時増速制御に移行する増速モードスイッチ(61a)および所定の走行指示速度から減速側に変速制御する旋回時減速制御に移行する減速モードスイッチ(61b)を備え、
前記走行装置(4,5)の左右の独立ブレーキと、それぞれのブレーキペダル(21L,21R)と、これら左右のブレーキペダル(21L,21R)を連結位置で一体化するロック板(23)とを設け、このロック板(23)が前記連結位置の場合に、前記変速制御部(60)により、増速モードスイッチ(61a)による変速制御を規制することを特徴とする。
【0008】
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において、前記機体に傾斜センサ(62)を設け、前記機体が所定以上に傾斜した場合に、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による変速制御を規制することを特徴とする。
【0009】
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において、前記機体に傾斜センサ(62)を設け、前記機体の傾斜の変化量が所定以上の場合に、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御を規制することを特徴とする。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項から請求項のいずれかに係る発明において、
前記機体に車速センサ(63)を設け、前記ロック板(23)が前記連結位置であって、車速が所定以上の場合に、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御を規制することを特徴とする。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれかに係る発明において、前後進切換手段(27)による機体の後進走行を検知する前後進センサ(27s)を設け、前記変速制御部(60)により、前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御を後進走行について規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明により、変速制御部(60)は静油圧式無段変速機(8)を条件に応じて所定速度に変速制御し、この静油圧式無段変速機(8)から走行動力を走行装置(4,5)に受けることにより機体が所定速度で走行され、この場合において、増速モードスイッチ(61a)または減速モードスイッチ(61b)によって選択されたモードにより、変速制御部(60)が機体の旋回走行に応じて増速側または減速側に前記静油圧式無段変速機(8)を変速制御することから、旋回時の走行車速の増速または減速をスイッチ操作によって任意に選択できるので、オペレータの意に沿った旋回走行が可能となる。
【0013】
加えて、連結位置のロック板(23)によって左右の独立ブレーキを一体化した場合は、旋回時増速制御の規制により、増速モードスイッチ(61a)による増速モードの選択であっても、増速なしに旋回走行することから、左右のブレーキペダル(21L,21R)の連結による移動走行の場合、特に、倉庫等の屋内における機体位置調節の際に、増速モードスイッチ(61a)の解除操作を要することなく、機体の安全な旋回移動が可能となる。
【0014】
請求項に係る発明により、請求項に係る発明の効果に加え、前記変速制御部(60)は、前記機体が所定以上に傾斜した場合に前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御が規制されることから、傾斜地における増速モードスイッチ(61a)の解除操作を要することなく、旋回走行時の増速による走行の不安定化や機体の転倒を防止することができる。
【0015】
請求項に係る発明により、請求項に係る発明の効果に加え、前記変速制御部(60)は、前記機体の傾斜変化が所定以上に激しい場合に前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御が規制されることから、凹凸の激しい枕地等における増速モードスイッチ(61a)の解除操作を要することなく、旋回走行時の増速による走行の不安定化を防止することができる。
【0016】
請求項に係る発明により、請求項から請求項のいずれかに係る発明の効果に加え、前記変速制御部(60)は、前記ロック板(23)が前記連結位置で車速が所定以上の場合に前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御が規制されることから、路上等における高速の移動走行の際に、増速モードスイッチ(61a)の解除操作を要することなく、機体の安全な旋回移動走行が可能となり、特に、増速モードスイッチ(61a)の切り忘れのバックアップを確保することができる。
【0017】
請求項に係る発明により、請求項1から請求項のいずれかに係る発明の効果に加え、後進走行の場合に前記増速モードスイッチ(61a)による旋回時増速制御が規制されることから、増速モードスイッチ(61a)の解除操作を要することなく、機体の安全な旋回後進が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】トラクタの平面図
図2】トラクタの側面図
図3】ブレーキペダルの要部拡大図
図4】変速伝動装置の伝動系統展開図
図5】走行車速の制御構成図
図6】圃場走行例の平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1図2は、本発明の適用対象となる作業車両の一例として示すトラクタの平面図および側面図である。このトラクタ1は、前後の走行車輪4,5によって圃場作業可能に機体を支持し、機体前部に配置のエンジン7の動力を受けて走行車輪4,5に無段変速伝動する変速伝動系を内設した変速伝動装置を備えるとともに、後部連結の耕耘用ロータリ等の作業機を駆動可能に構成する。
【0020】
また、走行操作および作業機操作の操作具として、操舵ハンドル13の周りに、クラッチペダル20、ブレーキペダル21、アクセルペダル22、前後進レバー27、また、作業座席12の周りに、主変速レバー30、副変速レバー31、作業機昇降レバー33が配置される。
【0021】
ブレーキペダル21については、ブレーキペダルの要部拡大図を図3に示すように、左右独立のブレーキペダル21L,21Rによって左右の独立ブレーキを操作を可能としつつ、両ペダルを連結位置にて連結するロック板23により、圃場外の移動走行時に両者を連結して一体操作可能に構成し、また、ロック板23の連結位置センサである左右ブレーキ連結解除ペダル入切検出スイッチ23sを付帯する。
【0022】
(伝動系)
変速伝動装置は、その伝動系統展開図を図4に示すように、エンジン7からクラッチ42を経てHSTと略称される静油圧式無段変速機8の入力軸46にエンジン動力を受け、変速軸50と同速軸51に分けて出力する。入力軸46は、油圧ポンプ47を駆動するとともに同速軸51に作業機動力を出力し、また、油圧ポンプ47はトラニオンアーム48によって油圧モータ49を正逆転の範囲で無段階に回転調節して変速軸50に走行動力を出力する。
【0023】
変速軸50は、3段切換えの副変速部9を経て走行動力を後輪5に伝動するとともに、2段切換えの前輪増速部10を経由して前輪4に走行動力を正逆転について無段変速伝動し、また、同速軸51は、PTO正逆転切換部53から中継軸54と3段切換えの変速部55を経てPTO軸11に作業動力を伝動する。
【0024】
(変速制御)
図5は、走行車速の制御制御構成図である。走行車速の制御構成は、コントローラ60によってトラニオンアーム48を回動制御することによって走行車速を制御可能に構成する。車速制御の入力信号として、前後進選択のリニアレバー27の前後進センサである前後進位置検知スイッチ27s、車速調節用の主変速レバー30のレバー位置センサ30s、傾斜センサ62、車速センサ63、ブレーキ連結解除ペダル入切検出スイッチ23s、ブレーキペダルセンサ21s、クラッチペダル検出スイッチ20s等の信号をコントローラ60に入力するとともに、旋回車速の調節のための増速モードスイッチ61a、減速モードスイッチ61bを設けてコントローラ60に入力する。
【0025】
コントローラ60は、主変速レバー30のレバー位置に応じた速度で車速調節を可能とし、また、増速モードスイッチ61a、減速モードスイッチ61bは、適用除外のモードオフを含め、択一操作可能に構成し、増速または減速のモード選択により、主変速レバー30によって規定される車速を、旋回走行時に限定して増速する旋回時増速制御に加え、旋回走行時に限定して減速する旋回時減速制御の選択を可能に構成する。
【0026】
具体的には、圃場走行例の平面図を図6に示すように、主変速レバー30を所定の操作位置に合せて最適の作業車速を維持しつつ走行する往復作業走行Aにおいて、増速モードを選択することにより、圃場端で直線走行から旋回走行に入ると、主変速レバー30の操作を要することなく、増速側に車速が制御されて速やかに旋回走行することができ、次の直線走行に入ると元の作業速度に移行することから、圃場端毎の折返し走行の繰り返しを効率よく進めることができる。
【0027】
また、圃場周縁部の周回作業走行Bにおいて、減速モードを選択することにより、圃場端で後進旋回走行に入ると、主変速レバー30の操作を要することなく、低速側に車速が制御されて慎重に後進旋回走行することができ、次の直線走行に入ると元の作業速度に移行することから、圃場コーナー毎の確実な切り返し走行が可能となる。
【0028】
次に、ロック板23の取扱いに基づく旋回車速調節について説明する。
ブレーキ連結解除ペダル入切検出スイッチ23sの信号により、ロック板23を連結位置に切替えて左右のブレーキペダル21L,21Rを連結した場合について、増速モードスイッチ61aと減速モードスイッチ61bによる旋回車速調節を規制する制御をコントローラ60に設ける。
【0029】
上記制御構成により、ロック板23を連結位置から戻した場合に限定して増速モードスイッチ61aと減速モードスイッチ61bが有効となることから、ロック板23を連結位置に切替えて圃場外を移動走行する際は、増速モードスイッチ61aの解除操作を要することなく、主変速レバー30の操作に対応した通常の旋回車速を確保することができ、オペレータが増速モードスイッチ61aを切り忘れた場合もカバーすることができる。
【0030】
また、増速モードスイッチ61aによる旋回時増速について、ロック板23を連結位置に切替えた場合に、旋回時減速に切替える制御を設けることにより、納屋等に機体を収容する際に、増速モードスイッチ61aの解除を失念したまま切り返し操作して増速する危険な事態を回避するとともに、機体移動の微調整が容易となる。
【0031】
次に、傾斜地の走行によって機体が所定の傾斜を超えた場合について、傾斜センサ62の検出によって増速モードスイッチ61aによる旋回時増速調節を規制する制御を設けることにより、傾斜地における旋回時の増速による不安定走行や機体の転倒の危険を低減することができる。
【0032】
また、傾斜地の走行によって機体が所定の傾斜を超えた場合について、傾斜センサ62の検出によって増速モードスイッチ61aによる旋回時増速を逆に旋回時減速に切替える制御を設けることにより、傾斜地における旋回の際に、さらに走行の安定化を図ることができる。
【0033】
また、圃場の枕地等の凹凸部の走行により所定の程度を超えて傾斜変化が激しい場合に、傾斜センサ62による傾斜変化の検出により、増速モードスイッチ61aによる旋回時増速調節を規制する制御を設けることにより、乗り心地の向上、安定走行による安全性の向上が可能となる。
【0034】
次に、ロック板23を連結位置として所定車速を超えて走行した場合に、ブレーキ連結解除ペダル入切検出スイッチ23sと車速センサ63の検出信号により、増速モードスイッチ61aによる旋回時増速調節を規制するようにコントローラ60を構成することにより、高速の移動走行時において、旋回時増速調節による危険性をを抑えることができ、オペレータの切り忘れもカバーすることができる。
【0035】
次に、減速モードスイッチ61bについては、後進旋回時に限定して旋回時減速調節し、前進旋回時の減速調節を規制することにより、枕地等の切り返しの際の後退旋回について旋回時減速調節が適用されて安全を確保できるとともに、旋回時減速調節なしの前進走行によって作業性を確保することができる。
【0036】
また、減速モードスイッチ61bによる旋回時減速制御の別の構成例として、後進旋回時に大なる減速率とし、前進時に小なる減速率とすることにより、一般的に低車速走行の小型トラクタは、前進旋回時の大きな減速は殆ど必要がないことから、枕地等における後進旋回に限って大きく減速調節することにより、安全性および作業性の向上が可能となる。
【0037】
上記減速モードスイッチ61bによる後進旋回時減速制御については、クラッチペダル20の踏込み操作によって後進減速モードを解除することにより、操作性を向上することができ、また、ブレーキペダル21L,21Rの踏込み操作によって後進減速モードを解除することによっても、同様に操作性を向上することができる。
【0038】
(ポイント)
上述の構成のトラクタの変速制御技術の大要は、以下のとおりである。
上記トラクタの変速制御部60は、静油圧式無段変速機8を条件に応じて所定速度に変速制御し、この静油圧式無段変速機8から走行動力を走行装置4,5に受けることにより機体が所定速度で走行され、この場合において、増速モードスイッチ61aまたは減速モードスイッチ61bによって選択されたモードにより、変速制御部60が機体の旋回走行に応じて増速側または減速側に前記静油圧式無段変速機8を変速制御することから、旋回時の走行車速の増速または減速をスイッチ操作によって任意に選択できるので、オペレータの意に沿った旋回走行が可能となる。
【0039】
連結位置のロック板23によって左右の独立ブレーキを一体化した場合は、旋回時増速制御の規制により、増速モードの選択であっても、増速なしに旋回走行することから、左右のブレーキペダル21L,21Rの連結による移動走行の場合、特に、倉庫等の屋内における機体位置調節の際に、増速モードスイッチ61aの解除操作を要することなく、機体の安全な旋回移動が可能となる。
【0040】
機体が所定以上に傾斜した場合は、前記増速モードの選択による旋回時増速制御が規制されることから、傾斜地における増速モードスイッチ61aの解除操作を要することなく、旋回走行時の増速による走行の不安定化や機体の転倒を防止することができる。
【0041】
機体の傾斜変化が所定以上に激しい場合は、前記増速モードによる旋回時増速制御が規制されることから、凹凸の激しい枕地等における増速モードスイッチ61aの解除操作を要することなく、旋回走行時の増速による走行の不安定化を防止することができる。
【0042】
前記ロック板23が前記連結位置で車速が所定以上の場合に前記増速モードの選択による旋回時増速制御が規制されることから、路上等における高速の移動走行の際に、増速モードスイッチ61aの解除操作を要することなく、機体の安全な旋回移動走行が可能となり、特に、増速モードスイッチ61aの切り忘れのバックアップを確保することができる。
【0043】
後進走行の場合は、前記増速モードによる旋回時増速制御が規制されることから、増速モードスイッチ61aの解除操作を要することなく、機体の安全な旋回後進が可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1 トラクタ
4 前輪(走行装置)
5 後輪(走行装置)
8 静油圧式無段変速機
21L ブレーキペダル
21R ブレーキペダル
23 ロック板
23s 連結位置センサ(連結解除ペダル入切検出スイッチ)
27 前後進切換手段(リニアレバー)
27s 前後進センサ(リニアレバー位置検知スイッチ)
60 変速制御部
61a 増速モードスイッチ
61b 減速モードスイッチ
62 傾斜センサ
63 車速センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6