(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0016】
[画像形成装置10の構成]
まず、
図1,2を参照しつつ、実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。画像形成装置10は、シート材に画像を形成する装置である。
【0017】
図1が示す画像形成装置10は、原稿から画像を読み取る画像読取装置の機能およびシート材へ画像を形成する画像形成装置の機能を兼ね備えた複合機である。なお、画像形成装置10が、画像送信機能を兼ね備えるファクシミリ装置などであることも考えられる。
【0018】
画像形成装置10は、主制御部1、タッチパネルユニット2、ハードウェアキー3、スキャン部31、スキャン制御部30、プリント部41、プリント制御部40、画像処理部50および通信部60などを備える。なお、
図1において、タッチパネルユニット2は"TPU"と略して表記されている。
【0019】
主制御部1、タッチパネルユニット2およびハードウェアキー3の各々は、ユーザーインターフェイス装置4の一部を成している。ユーザーインターフェイス装置4は、ユーザーに情報を表示し、さらに、前記ユーザーの操作を受け付ける装置である。
【0020】
主制御部1、スキャン制御部30、プリント制御部40、通信部60および画像処理部50は、それぞれバス90に接続されおり、バス90を通じて相互にデータの受け渡しが可能である。
【0021】
スキャン部31は、前記原稿に光を走査する不図示の光学系、および原稿からの反射光の光量を画素ごとに検出して原稿画像データを出力する不図示のイメージセンサーなどを備える。
【0022】
スキャン制御部30は、スキャン部31を制御して前記原稿画像データを取得する。さらに、スキャン制御部30は、バス90を通じて前記原稿画像データを画像処理部50などの他の機器に転送する。
【0023】
プリント部41は、周知の電子写真方式の画像形成処理によって前記シート材に画像を形成する。プリント部41は、不図示の像担持体およびその周辺機器を備え、前記像担持体から前記シート材に現像剤の画像を転写するとともにその画像を前記シート材に定着させる。
【0024】
なお、前記プリント部41がインクジェット方式などの他の方式の画像形成処理によって前記シート材に画像を形成することも考えられる。
【0025】
プリント制御部40は、画像処理部50から記録用画像データを取得し、前記記録用画像データ基づく画像を前記記録シートに形成する処理をプリント部41に実行させる。
【0026】
通信部60は、ネットワーク100を通じて外部装置との間でデータの送受信を行う。前記外部装置は、他の画像形成装置10および不図示のパーソナルコンピューターなどである。
【0027】
さらに、通信部60は、バス90を通じて他の機器とデータの受け渡しを行う。例えば、通信部60は、前記外部機器から画像形成用のジョブデータを受信し、そのジョブデータをバス90を通じて画像処理部50に転送する。
【0028】
また、通信部60は、スキャン制御部30から画像処理部50を介して前記原稿画像データを取得し、その原稿画像データを含むデータを前記外部装置へ送信する機能も備える。
【0029】
画像処理部50は、バス90を通じて他の機器から得た画像データなどに対する各種のデータ処理を実行する。画像処理部50によるデータ処理の対象は、例えば、スキャン制御部30から得られる前記原稿画像データまたは前記外部装置から通信部60を通じて得られる前記ジョブデータなどである。
【0030】
例えば、スキャン制御部30から得られる前記原稿画像データおよび通信部60から得られる前記ジョブデータを前記記録用画像データへ変換し、プリント制御部40へ転送する処理などを実行する。
【0031】
[ユーザーインターフェイス装置4の構成]
図1,2が示すように、ユーザーインターフェイス装置4は、タッチパネル21を有するタッチパネルユニット2を含む。タッチパネル21は、画面の表示部および操作部を兼ねる。なお、
図1において、タッチパネル21は"TP"と略して表記されている。
【0032】
図2が示す例では、ユーザーインターフェイス装置4は、ハードウェアキー3も備える。タッチパネル21は液晶表示パネルなどのパネル表示部と、そのパネル表示部の表面に形成されたタッチパネルセンサーとを含む。
【0033】
さらに、タッチパネルユニット2は、操作検知部22および振動出力部23を備える。操作検知部22は、操作検知処理を実行するプロセッサーまたは回路である。前記操作検知処理は、タッチパネル21に対する操作状況を検知する処理である。操作検知部22は、例えばDSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成される。
【0034】
操作検知部22は、タッチパネル21における前記タッチセンサーからタッチパネル21に対する操作体9の接触の有無およびタッチパネル21における操作体9の接触位置の情報を入力する。操作体9は、タッチパネル21を操作するユーザーの指などの物体である。
【0035】
さらに、操作検知部22は、前記タッチセンサーからの入力情報から、タッチパネル21に対する操作体9の接触時間、接触中の操作体9の移動方向および加速度などを算出する。操作検知部22は、操作体9の接触時間、接触中の操作体9の移動方向および加速度などと、タッチパネル21の表示画面の内容とに基づいてタッチパネル21に対する操作パターンを検知する。
【0036】
振動出力部23は、タッチパネル21を振動させる振動エネルギーを出力する装置である。振動出力部23は、タッチパネル21を振動させることにより、タッチパネル21を通じて前記ユーザーに触覚の刺激を与える。
【0037】
例えば、振動出力部23が、モーターと、前記モーターの回転運動を往復運動へ変換してタッチパネル21に伝達する偏心カムとを備えた機構であることが考えられる。
図2が示す例では、振動出力部23が、タッチパネル21の裏面における2箇所のコーナー部分各々に設けられている。
【0038】
なお、前記振動エネルギーは、タッチパネル21を操作する前記ユーザーに触覚の刺激を与える刺激エネルギーの一例である。また、振動出力部23が刺激エネルギー出力部の一例である。
【0039】
主制御部1は、タッチパネル21に対する操作状況の検知結果、即ち、操作検知部22の検知結果に応じて振動出力部23を制御する。なお、振動出力部23を制御する主制御部1が刺激制御部の一例である。
【0040】
図1が示すように、主制御部1は、MPU(Micro Processor Unit)11および記憶部12などを備える。
【0041】
MPU11は、各種の演算およびデータ処理を実行するプロセッサーである。記憶部12は、MPU11が参照する各種情報を記憶する不揮発性の記憶部である。また、記憶部12は、MPU11による各種情報の読み書きが可能な記憶部でもある。
【0042】
記憶部12は、MPU11に各種の処理を実行させるためのプログラムおよびそれらのプログラムを実行するMPU11によって参照される情報および書き込まれる情報を記憶する。
【0043】
主制御部1は、タッチパネルユニット2およびその他の機器を統括して制御する。例えば、主制御部1は、タッチパネル21に画像処理に関するメニュー画面などを表示させる。さらに、主制御部1は、タッチパネル21およびハードウェアキー3の操作を通じて入力される入力情報および各種センサーの検出結果に応じて他の制御部に制御指令を出力する。
【0044】
ところで、前記ユーザーが、意図せずまたは意図的にタッチパネル21に対してスワイプ操作を行う場合がある。前記スワイプ操作は、指などの物体である操作体9がタッチパネル21に接触したまま予め定められた移動条件で移動する操作である。
【0045】
前記移動条件は、操作位置の移動量および移動の加速度などの条件である。例えば、前記移動条件が、以下の第1条件および第2条件の論理積であることが考えられる。前記第1条件は、操作位置の移動量が予め定められた最小移動量を超えるという条件である。前記第2条件は、最初の操作位置からの移動の加速度が予め定められた最小加速度を超えるという条件である。
【0046】
例えば、前記ユーザーが、タッチパネル21から目をそらしたときに、意図せず前記スワイプ操作を行ってしまう場合がある。この場合、前記ユーザーが意図しない処理が実行されてしまうおそれがある。
【0047】
また、前記ユーザーが、タッチパネル21の表示画面を切り替えるために、意図的に前記スワイプ操作を行う場合がある。この場合、タッチパネル21の表示状態が、前記スワイプ操作の方向に応じた他の表示状態に更新される。
【0048】
但し、タッチパネル21の表示状態が、前記スワイプ操作に応じて更新できない状態であることも考えられる。例えば、複数のページ画面のうちの最終のページ画面が表示されている場合、次のページ画面への更新のための前記スワイプ操作は無効である。
【0049】
しかしながら、タッチパネル21の表示状態が前記スワイプ操作に応じて更新されない場合に、前記ユーザーが、その原因が前記スワイプ操作の不備であると誤認するおそれがある。そうすると、前記ユーザーが、無駄に前記スワイプ操作を繰り返してしまう。
【0050】
画像形成装置10は、タッチパネル21に対する意図的な、または意図しない操作によって前記ユーザーの誤操作および誤認識が生じることを防止できるユーザーインターフェイス装置4を備える。ユーザーインターフェイス装置4において、主制御部1および操作検知部22は、タッチパネル制御を実行する。
【0051】
[前記タッチパネル制御]
以下、
図3〜8を参照しつつ、前記タッチパネル制御の手順の一例について説明する。
図3は、前記タッチパネル制御の手順の一例を示すフローチャートである。以下の説明において、S1,S1,…は、主制御部1および操作検知部22が実行する各工程の識別符号を表す。前記タッチパネル制御における主制御部1の処理は、MPU11がタッチパネル制御プログラムPr1を実行することによって実現される。
【0052】
<工程S1>
前記タッチパネル制御において、操作検知部22は、タッチパネル21に対する操作体9の接触の有無を常時監視する。
【0053】
<工程S2>
操作検知部22は、タッチパネル21に対する操作体9の接触を検知すると、さらに、タッチパネル21に対する操作パターン検知処理を実行する。前記操作パターン検知処理は、操作体9によるタッチパネル21に対する操作パターンを検知する処理である。操作検知部22は、前記操作パターンが予め定められた複数の候補パターンのいずれに該当するかを判定することにより、前記操作パターンを検知する。
【0054】
本実施形態において、操作検知部22は、適正アイコン操作、アイコン跨ぎ操作および前記スワイプ操作などを区別して検知する。また、操作検知部22は、タッチパネル21における前記タッチセンサーの検出結果とタッチパネル21における画面の表示内容とに基づいて、操作のパターンを判定する。
【0055】
図4は、前記適正アイコン操作が行われるときのタッチパネル21を示す。操作検知部22は、主制御部1がタッチパネル21に操作アイコンg11を含む第1画面g1を表示させているときに、前記適正アイコン操作が行われたか否かを判定する。
図4,5に示される第1画面g1は、複数の操作アイコンg11が並ぶマルチアイコン画面である。
【0056】
なお、主制御部1は、前記マルチアイコン画面である第1画面g1をタッチパネル21に表示させる第2画面制御部の一例である。主制御部1は、新たな画面をタッチパネル21に表示させるごとに、表示画面に含まれる操作アイコンg11各々の表示領域の情報を操作検知部22に出力する。
【0057】
前記適正アイコン操作は、操作体9がタッチパネル21の表示画面におけるいずれか1つの操作アイコンg11のみに重なる領域に接触する操作である。以下の説明において、タッチパネル21における操作体9が接触する領域のことを接触領域T0と称する。
【0058】
図4が示すように、前記適正アイコン操作において、接触領域T0は、タッチパネル21におけるいずれか1つの操作アイコンg11のみに重なる。
図4,5において、B1は操作アイコンg11各々の境界を示す
【0059】
図5,6は、前記アイコン跨ぎ操作が行われるときのタッチパネル21を示す。操作検知部22は、主制御部1がタッチパネル21に複数の操作アイコンg11が並ぶ第1画面g1を表示させているときに、前記アイコン跨ぎ操作が行われたか否かを判定する。
【0060】
前記アイコン跨ぎ操作は、操作体9がタッチパネル21の表示画面における隣り合う2つの操作アイコンg11各々の境界B1に亘る領域に接触する操作である。
【0061】
図6に示されるように、前記ユーザーは、タッチパネル21を手前側の斜め上方から視認しつつ操作する場合、意図する位置よりも手前側の位置に触ってしまいやすい傾向がある。そのため、複数の操作アイコンg11が比較的近くに並んで表示されている場合、前記アイコン跨ぎ操作が生じやすい。
【0062】
図7,8は、前記スワイプ操作が行われるときのタッチパネル21を示す。
図7,8に示される第2画面g2は、スワイプ更新画面である。
【0063】
前記スワイプ更新画面は、前記スワイプ操作が検知されるごとに、予め定められた画面更新条件が成立する場合に、検知された前記スワイプ操作の方向に対応する他の表示状態に更新される画面である。前記画面更新条件は、検知された前記スワイプ操作の方向に対応して定められた条件である。
【0064】
図7,8に示される第2画面g2は、予め順序が設定された複数のページ画面の中から選択されて表示される1つの前記ページ画面である。前記ページ画面は、左方向への前記スワイプ操作が検知されるごとに、次ページの表示状態に更新される画面である。
【0065】
図7,8が示す第2画面g2が表示されている場合、左方向への前記スワイプ操作に対応する前記画面更新条件は、表示中の前記ページ画面が最終ページの画面ではないという条件である。即ち、最終ページの前記ページ画面がタッチパネル21に表示されている場合、左方向への前記スワイプ操作は無効である。
【0066】
図7は、表示中の前記ページ画面が先頭ページの画面であるため、左方向への前記スワイプ操作が有効である状況を示す。
図8は、表示中の前記ページ画面が最終ページの画面であるため、左方向への前記スワイプ操作が無効である状況を示す。
【0067】
また、前記ページ画面は、右方向への前記スワイプ操作が検知されるごとに、前ページの表示状態に更新される画面でもある。この場合、右方向への前記スワイプ操作に対応する前記画面更新条件は、表示中の前記ページ画面が先頭ページの画面ではないという条件である。即ち、先頭ページの前記ページ画面がタッチパネル21に表示されている場合、右方向への前記スワイプ操作は無効である。
【0068】
なお、第2画面g2が、いわゆるスクロール画面であることも考えられる。前記スクロール画面は、タッチパネル21の一部または全部を占める表示枠に表示される画面であり、前記表示枠を超える大きさの全体画面のうちの一部の範囲の部分画面である。この場合、主制御部1は、前記スワイプ操作が検知されるごとに、前記画面更新条件を満たす場合に、タッチパネル21の画面の表示状態を、検知された前記スワイプ操作の方向に隣接する他の前記部分画面が表示される状態に更新する。
【0069】
前記スクロール画面の表示中の前記画面更新条件は、表示中の前記スクロール画面が、前記全体画面における前記スワイプ操作の方向の反対方向の端に位置する前記部分画面ではないことである。即ち、表示中の前記スクロール画面が、前記スワイプ操作の方向の反対方向の端に位置する前記部分画面である場合、前記スワイプ操作は無効である。
【0070】
<工程S3>
タッチパネル21に対する前記適正アイコン操作が検知されると、主制御部1は、予め定められた標準パターンの振動を振動出力部23に出力させる。例えば、前記標準パターンの振動が、予め定められた単位時間における一定の強度での振動であることが考えられる。なお、一定の強度で振動することは、刺激エネルギーが一定であることに相当する。
【0071】
<工程S4>
さらに、前記適正アイコン操作が検知された場合、主制御部1は、操作体9の接触位置が操作アイコンg11の範囲から完全に外れることなくタッチパネル21から離れたことが検知されたときに、工程S4の処理を実行する。工程S4の処理は、前記適正アイコン操作の対象となった操作アイコンg11に対応する処理である。
【0072】
例えば、操作アイコンg11に対応する処理は、タッチパネル21に表示させる画面を予め設定された画面に更新する処理、画像形成に関するパラメーターを設定する処理および画像形成のジョブなどである。
【0073】
図4において、前記標準パターンの振動波Pt0が模式的に示されている。工程S3,S4の処理が終了すると、工程S1からの処理が繰り返される。なお、前記適正アイコン操作が検知された後に、操作体9の接触位置が操作アイコンg11の範囲から完全に外れた場合、工程S4の処理はスキップされる。
【0074】
<工程S5>
一方、タッチパネル21に対する前記アイコン跨ぎ操作が検知されると、主制御部1は、前記標準パターンとは異なる警告パターンの振動を振動出力部23に出力させる。例えば、前記警告パターンの振動が、前記標準パターンの振動よりも強い振動が時間間隔を空けて複数回発生する振動であることが考えられる。
【0075】
図5,6において、前記警告パターンの振動波Pt1が模式的に示されている。工程S5の処理が終了すると、工程S1からの処理が繰り返される。
【0076】
前記アイコン跨ぎ操作が検知されたときに、前記標準パターンの振動よりも強い前記警告パターンの振動の刺激が、タッチパネル21を通じて前記ユーザーに与えられる。これにより、前記ユーザーは、意図せず前記アイコン跨ぎ操作を行ってしまったことを触覚によって知覚できる。
【0077】
<工程S6>
タッチパネル21に対する前記スワイプ操作が検知されると、主制御部1は、タッチパネル21の画面の表示状態が、検知された前記スワイプ操作に対応する前記更新条件を満たすか否かを判定する。なお、前述したように、前記更新条件は、前記スワイプ操作に応じてタッチパネル21の画面の表示状態を更新することを許容する条件である。
【0078】
<工程S7,S8>
タッチパネル21の画面の表示状態が前記更新条件を満たす場合、主制御部1は、工程S7,S8の処理を実行する。工程S7の処理は、前記スワイプ操作が検知されている期間中継続して、振動出力部23に振動を出力させる処理である。例えば、主制御部1は、前記標準パターンの振動が連続する標準連続パターンの振動を振動出力部23に出力させる。
図7において、前記標準連続パターンの振動波Pt01が模式的に示されている。
【0079】
また、工程S8の処理は、タッチパネル21の画面の表示状態を、検知された前記スワイプ操作の方向に対応する他の表示状態に更新する処理である。例えば、タッチパネル21に表示中の画面が前記ページ画面である場合、工程S8の処理は、タッチパネル21の画面の表示状態を、次ページまたは前ページの前記ページ画面を表示する状態に更新する処理である。
【0080】
なお、主制御部1は、第2画面g2をタッチパネル21に表示させる。さらに主制御部1は、前記スワイプ操作が検知されるごとに、タッチパネル21の表示状態が前記画面更新条件を満たす場合に、タッチパネル21の画面の表示状態を、検知された前記スワイプ操作の方向に対応する他の表示状態に更新する(S6,S8)。これらの処理を実行する主制御部1が第1画面制御部の一例である。
【0081】
工程S7,S8の処理が終了すると、工程S1からの処理が繰り返される。
【0082】
<工程S9>
前記スワイプ操作が検知され、かつ、タッチパネル21の画面の表示状態が前記更新条件を満たさない場合、主制御部1は、前記スワイプ操作が検知されている期間中継続して、振動出力部23に振動を出力させる。工程S9の処理が終了すると、工程S1からの処理が繰り返される。
【0083】
例えば、主制御部1は、工程S9において、予め定められた無効通知パターンの振動を振動出力部23に出力させる。前記無効通知パターンの振動は、その他の場合に振動出力部23が出力する振動とは異なる。
【0084】
例えば、前記無効通知パターンの振動が、弱い振動から強い振動へ変化するパターンの振動であることが考えられる。
図8において、前記無効通知パターンの振動波Pt2が模式的に示されている。なお、前記無効通知パターンの振動の出力は、特定パターンの刺激エネルギーの出力の一例である。
【0085】
弱い振動から強い振動へ変化する前記無効通知パターンの振動は、前記ユーザーに対し、前記スワイプ操作の方向への操作体9の移動に抗する抵抗が増大する感触を与える。この場合、前記ユーザーは、現在行っている前記スワイプ操作に対応する画面更新ができない状況であることを直感的に認識しやすい。
【0086】
<工程S10>
また、判定された前記操作パターンが、前記適正アイコン操作、前記アイコン跨ぎ操作および前記スワイプ操作のいずれでもない場合、主制御部1は、その他の処理を実行する。前記その他の処理は、判定された前記操作パターンに応じて予め定められた処理である。工程S10の処理が終了すると、工程S1からの処理が繰り返される。
【0087】
本実施形態によれば、前記ユーザーに対する触覚の刺激であるタッチパネル21の振動が、前記スワイプ操作が検知されている期間中継続して発生する。これにより、例えば、前記ユーザーが、意図せず前記スワイプ操作を行ってしまった場合でも、その意図しない操作を振動による刺激によって知覚することができる。
【0088】
さらに、タッチパネル21の表示状態が前記画面更新条件を満たさない状態であるときに、前記ユーザーは、前記スワイプ操作によって画面が更新されない原因を、振動による刺激によって認識することができる。従って、前記ユーザーが、画面が更新されない原因が前記スワイプ操作の不備であると誤認することが防止される。
【0089】
さらに、前記ユーザーは、前記適正アイコン操作を行うつもりであるにも関わらず、意図せず前記アイコン跨ぎ操作を行ってしまった場合に、そのことを振動による刺激によって認識することができる。
【0090】
従って、ユーザーインターフェイス装置4が採用されれば、タッチパネル21に対する意図的な、または意図しない操作によって前記ユーザーの誤操作および誤認識が生じることを防止できる。
【0091】
[応用例]
以上に示された実施形態において、振動出力部23が、振動とは異なる触覚の刺激エネルギーを出力する装置に置き換えられることも考えられる。例えば、振動出力部23が、前記ユーザーの指に電気的な刺激を与える電気信号または超音波信号などを出力する装置であることが考えられる。
【0092】
また、ユーザーインターフェイス装置4が、画像形成装置10以外の電子機器に適用されることも考えられる。例えば、ユーザーインターフェイス装置4が、スマートフォンまたはタブレットコンピューターなどの電子機器に適用されることなどが考えられる。
【0093】
なお、本発明に係るユーザーインターフェイス装置および画像形成装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。