特許第6418810号(P6418810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6418810
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】水晶デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20181029BHJP
【FI】
   H03H9/02 A
   H03H9/02 K
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-130937(P2014-130937)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2016-10093(P2016-10093A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】那須 義紀
【審査官】 竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−189282(JP,A)
【文献】 実開昭61−140569(JP,U)
【文献】 特開2013−102315(JP,A)
【文献】 特開2011−211681(JP,A)
【文献】 特開平04−118987(JP,A)
【文献】 特開2000−323616(JP,A)
【文献】 特開2009−016949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/00−9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上面に設けられた電極パッドと、
前記基板の下面に設けられた外部端子と、
平面視して矩形状であり、前記基板の上下方向に貫通するように設けられた貫通部と、
前記貫通部内の対向する位置にある角部に設けられた接続パッドと、
前記接続パッドに実装され、長辺が前記貫通部の開口部の対角線に略平行になるように配置された感温素子と、
前記貫通部の上開口部を塞ぐように設けられた保護部材と、
前記電極パッドに実装された水晶素子と、
前記基板の上面に接合された封止蓋体と、
前記基板の上面と前記封止蓋体の下面との間に設けられた接合部材と、を備えていることを特徴とする水晶デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の水晶デバイスであって、
前記保護部材が前記貫通部の下開口部を塞ぐように設けられていることを特徴とする水晶デバイス。
【請求項3】
請求項1記載の水晶デバイスであって、
前記基板の下面に設けられ、前記外部端子の内の二つと前記接続パッドと電気的に接続されている接続パターンを備え、
前記保護部材が前記接続パターンを被覆するように設けられていることを特徴とする水晶デバイス。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3記載の水晶デバイスであって、
前記基板の上面及び下面に設けられ、前記電極パッド及び前記外部端子と電気的に接されている配線パターンと、
前記基板の側面に設けられており、前記配線パターンと電気的に接続された導体部と、を備え、
前記保護部材が、前記配線パターンを被覆するように設けられていることを特徴とする水晶デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子機器等に用いられる水晶デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子は、水晶素子の圧電効果を利用して、特定の周波数を発生させるものである。基板と、基板の下面の外周縁に沿って設けられた枠体と、基板の上面に設けられた電極パッドに実装された水晶素子と、基板の下面に設けられた感温素子と、を備えた水晶振動子が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−211340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した水晶デバイスは、基板の下面に枠体を設け、枠体内に感温素子を実装している。また、基板の外部端子と接続するため、圧電素子及び感温素子と電気的に接続する配線が基板の内部及び表面に形成されている。そのため、基板の薄型化が困難であると共に、感温素子を実装する空間を形成するために枠体を削除することができないため、これ以上水晶デバイスを薄型化するのが困難であった。
【0005】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、感温素子を実装すると共に、薄型化が可能な水晶デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様による水晶デバイスは、基板と、基板の上面に設けられた電極パッドと、基板の下面に設けられた外部端子と、平面視して矩形状であり、基板の上下方向に貫通するように設けられた貫通部と、貫通部内の対向する位置にある角部に設けられた接続パッドと、接続パッドに実装され、長辺が貫通部の開口部の対角線に略平行になるように配置された感温素子と、貫通部の上開口部を塞ぐように設けられた保護部材と、電極パッドに実装された水晶素子と、基板の上面に接合された封止蓋体と、基板の上面と封止蓋体の下面との間に設けられた接合部材と、を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様による水晶デバイスは、基板の上下方向に貫通するように設けられた貫通部と、貫通部内の角部に設けられた接続パッドと、接続パッドに実装された感温素子と、貫通部の上面の開口部を塞ぐように設けられた保護部材と、を備えている。このようにすることによって、感温素子を実装するためのスペースは貫通部内に確保されることになり、従来の水晶デバイスと比して枠体を削除することができるので、水晶デバイスは、枠体の厚み分の薄型化をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一つの態様による水晶デバイスは、基板の上下方向に貫通するように設けられた貫通部と、貫通部内の対向する位置にある角部に設けられた接続パッドと、接続パッドに実装され、長辺が貫通部の開口部の対角線に略平行になるように配置された感温素子と、貫通部の上面の開口部を塞ぐように設けられた保護部材と、を備えている。このようにすることによって、感温素子を実装するためのスペースは貫通部内に確保されることになり、従来の水晶デバイスと比して枠体を削除することができるので、水晶デバイスは、枠体の厚み分の薄型化をすることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態における水晶デバイスは、図1及び図2に示されているように、基板110と、基板110の上面に接合された水晶素子120と、水晶素子120を気密封止するための封止蓋体130と、基板110の貫通部H内に実装された感温素子160とを含んでいる。このような水晶デバイスは、電子機器等で使用する基準信号を出力するのに用いられる。
【0010】
基板110は、矩形状であり、上面で実装された水晶素子120を、貫通部H内部で感温素子160を実装するための実装部材として機能するものである。基板110の一辺に沿って、水晶素子120を接合するための第一電極パッド111a及び第二電極パッド111bが設けられている。基板110の一辺と対向する一辺に沿って第三電極パッド111cが設けられている。基板110の下面の四隅には、外部端子112が設けられている。また、四つの外部端子112の内の二つが、水晶素子120と電気的に接続されて、水晶素子120の入出力端子として用いられる。
【0011】
基板110の中央付近で、基板110の上下方向に貫通した貫通部Hが設けられている。貫通部Hの上開口部及び下開口部は、平面視すると、矩形状になっている。貫通部Hは、図1及び図2に示されているように、貫通部H内の向かい合う面にそれぞれ一つずつ接続パッド116が設けられている。接続パッド116は、第一接続パッド116aと第二接続パッド116bによって構成されている。接続パッド116は、図1及び図2に示されているように、内部の一つの面から基板110の上下面にある貫通部Hの外周縁にかかるようにして設けられている。また、四つの外部端子112の内の残りの二つが、感温素子160と電気的に接続されている。
【0012】
基板110は、例えばアルミナセラミックス又はガラス−セラミックス等のセラミック材料である絶縁層からなる。基板110は、絶縁層を一層用いたものであっても、絶縁層を複数層積層したものであってもよい。基板110の上面及び下面には、上面に設けられた電極パッド111と下面の外部端子112とを電気的に接続するための配線パターン113がそれぞれ設けられている。また、基板110の上面には、第一電極パッド111aと第三電極パッド111cとを電気的に接続するための電極パターン115が設けられている。
【0013】
基板1の第一電極パッド111a、第二電極パッド111b及び第三電極パッド111cは、図1図3に示すように、水晶素子120を実装するために用いられている。また、第三電極パッド111cは、水晶素子120が第一電極パッド111a及び第二電極パッド111b上に実装されている場合には、水晶素子120の外周縁が基板110と接触することを抑制するために用いられている。第一電極パッド111a及び第二電極パッド111bは、図3に示すように、基板110の一辺に沿って設けられており、第三電極パッド111cは、基板110の一辺と対向する一辺に沿って設けられている。また、第二電極パッド111bと第三電極パッド111cとは、基板110の上面の対角の位置に設けられている。また、電極パッド111は、基板110の上面及び下面に設けられた配線パターン113及び基板110の角部に設けられた導体部114を介して、外部端子112と電気的に接続されている。外部端子112は、基板110の下面の四隅に、基板110の外周縁に沿って設けられている。
【0014】
電極パッド111は、図3に示すように、第一電極パッド111a、第二電極パッド111b及び第三電極パッド111cによって構成されている。また、外部端子112は、図3(b)に示すように第一外部端子112a、第二外部端子112b、第三外部端子112c及び第四外部端子112dによって構成されている。配線パターン113は、図3に示すように、第一配線パターン113a及び第二配線パターン113bによって構成され、導体部114は、第一導体部114a及び第二導体部114bによって構成されている。第二電極パッド111bと第二外部端子112bとは、基板110の上面及び下面に設けられた第一配線パターン113aと、基板110の角部に設けられた第一導体部114aにより接続されている。第三電極パッド111cと第四外部端子112dとは、基板110の上面及び下面に設けられた第二配線パターン113bと、基板110の角部に設けられた第二導体部114bにより接続されている。また、第一電極パッド111aと第三電極パッド111cとは、基板110の上面に設けられている電極パターン115により電気的に接続されている。よって、第一電極パッド111aは、第三電極パッド111cを介して第四外部端子112dと電気的に接続されることになる。
【0015】
外部端子112は、外部の電子機器等を構成する実装基板上に実装するために用いられている。外部端子112は、基板110の下面の四隅に設けられている。外部端子112の内の二つの端子は、基板110の上面に設けられた一対の電極パッド111とそれぞれ電気的に接続されている。また、電極パッド111と電気的に接続されている外部端子112は、基板110の下面の対角に位置するように設けられている。また、第三外部端子112cが、外部の実装基板上の基準電位であるグランド電位と接続されている実装パッド(図示せず)と接続されている。
【0016】
また、電極パッド111及び外部端子112は、基板110に沿って設けられた形状となっている。ここで基板110を平面視したときの長辺の寸法が、1.2〜2.5mmであり、短辺の寸法が、1.0〜2.0mmである場合を例にして、電極パッド111及び外部端子112の大きさを説明する。第一電極パッド111a及び第二電極パッド111bの長辺の長さは、0.20〜0.60mmであり、短辺の長さは、0.10〜0.50mmとなっている。第三電極パッド111cは、長辺の長さが、0.60〜1.10mmであり、短辺の長さは、0.10〜0.50mmとなっている。外部端子112の長辺の長さは、0.30〜0.90mmであり、短辺の長さは、0.20〜0.60mmとなっている。
【0017】
配線パターン113は、基板110の上面及び下面に設けられ、電極パッド111及び外部端子112から近傍の基板110の角部に向けて引き出されている。第一配線パターン113aの長さと第二配線パターン113bの長さは、略等しい長さとなる。ここで、略等しい長さとは、基板110の上面及び下面に設けられた第一配線パターン113aの長さと基板110の上面及び下面に設けられた第二配線パターン113bの長さとの差が0〜200μm異なるものを含むものとする。配線パターン113の長さは、各配線パターン113の中心を通る直線の長さを測定したものとする。
【0018】
導体部114は、図3に示すように、基板110の角部に設けられた切れ込みの内部に設けられている。導体部114の両端は、配線パターン113と接続されている。このようにすることで、電極パッド111は、配線パターン113及び導体部114を介して外部端子112と電気的に接続されている。また、導体部114は、切り込み内に導体ペーストを印刷するようにして設けられているため、基板110の上面の外周縁と導体部114との境界線箇所の導体部114の厚みが薄くなっている。このような導体部114は、銀パラジウム合金により形成されており、ガラス成分も含有されている。
【0019】
電極パターン115は、基板110の上面に設けられており、その一端で第一電極パッド111aと接続されており、他端で第三電極パッド111cと電気的に接続されている。このようにすることで、第一電極パッド111aは、第三電極パッド111cを介して第四外部端子112dと電気的に接続されることになる。
【0020】
接続パッド116は、感温素子160を実装するために用いられている。また、接続パッド116は、図3に示すように、貫通部Hの対向する位置にある角部に一対で設けられている。また、接続パッド116は、第一接続パッド116a及び第二接続パッド116bによって構成されている。第一接続パッド116aと第一外部端子112aとは、基板110の下面に設けられた第一接続パターン117aにより接続されており、第二接続パッド116bと第三外部端子112cとは、基板110の下面に設けられた第二接続パターン117bにより接続されている。このように接続パッド116は、貫通部Hの対向する位置にある角部に一対で設けられていることによって、一対の接続パッド116同士の距離を長くすることができるので、一対の接続パッド116に設けられた導電性接合材180が接触することに生じる短絡を低減することができる。
【0021】
接続パターン117は、基板110の下面に設けられ、接続パッド116からから近傍の外部端子112に向けて引き出されている。また、接続パターン117は、図3に示すように、第一接続パターン117a及び第二接続パターン117bによって構成されている。第一接続パターン117aの長さと第二接続パターン117bの長さは、略等しい長さとなる。ここで、略等しい長さとは、基板110の上面及び下面に設けられた第一接続パターン117aの長さと基板110の上面及び下面に設けられた第二接続パターン117bの長さとの差が0〜200μm異なるものを含むものとする。接続パターン117の長さは、各接続パターン117の中心を通る直線の長さを測定したものとする。
【0022】
貫通部Hは、基板110の上下面を貫通するようにして設けられており、平面視して、開口部の形状が矩形状となっている。貫通部Hの長辺の長さは、0.45〜0.7mmであり、短辺の長さは、0.3〜0.5mmとなっている。感温素子160の厚み方向の長さは、0.1〜0.3mmとなっている。このようにすることで、感温素子160を実装する際に力が加わった場合でも、貫通部H内の内壁面にて感温素子160が押さえられることになるので、貫通部H内より外に感温素子160の位置ズレが生じることを低減することができる。
【0023】
ここで、基板110の作製方法について説明する。基板110がアルミナセラミックスから成る場合、まず所定のセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得た複数のセラミックグリーンシートを準備する。また、セラミックグリーンシートの表面或いはセラミックグリーンシートに打ち抜き等を施して予め穿設しておいた貫通部内に、従来周知のスクリーン印刷等によって所定の導体ペーストを塗布する。さらに、これらのグリーンシートを積層してプレス成形したものを、高温で焼成する。最後に、導体パターンの所定部位、具体的には、電極パッド111、外部端子112、配線パターン113、導体部114、電極パターン115、接続パッド116及び接続パターン117となる部位にニッケルメッキ又、金メッキ、銀パラジウム等を施すことにより作製される。また、導体ペーストは、例えばタングステン、モリブデン、銅、銀又は銀パラジウム等の金属粉末の焼結体等から構成されている。
【0024】
水晶素子120は、図1及び図2に示されているように、導電性接着剤140を介して電極パッド111上に接合されている。水晶素子120は、安定した機械振動と圧電効果により、電子装置等の基準信号を発振する役割を果たしている。
【0025】
また、水晶素子120は、図1及び図3に示されているように、水晶素板121の上面及び下面のそれぞれに励振用電極122及び引き出し電極123を被着させた構造を有している。励振用電極122は、水晶素板121の上面及び下面のそれぞれに金属を所定のパターンで被着・形成したものである。励振用電極122は、上面に第一励振用電極122aと、下面に第二励振用電極122bを備えている。引き出し電極123は、励振用電極122から水晶素板121の一辺に向かってそれぞれ延出されている。引き出し電極123は、上面に第一引き出し電極123aと、下面に第二引き出し電極123bとを備えている。第一引き出し電極123aは、第一励振用電極122aから引き出されており、水晶素板121の一辺に向かって延出するように設けられている。第二引き出し電極123bは、第二励振用電極122bから引き出されており、水晶素板121の一辺に向かって延出するように設けられている。つまり、引き出し電極123は、水晶素板121の長辺又は短辺に沿った形状で設けられている。また、本実施形態においては、第一電極パッド111a及び第二電極パッド111bと接続されている水晶素子120の一端を基板110の上面と接続した固定端とし、他端を基板110の上面と間を空けた自由端とした片持ち支持構造にて水晶素子120が基板110上に固定されている。
【0026】
ここで、水晶素子120の動作について説明する。水晶素子120は、外部からの交番電圧が引き出し電極123から励振用電極122を介して水晶素板121に印加されると、水晶素板121が所定の振動モード及び周波数で励振を起こすようになっている。
【0027】
ここで、水晶素子120の作製方法について説明する。まず、水晶素子120は、人工水晶体から所定のカットアングルで切断し、水晶素板121の外周の厚みを薄くし、水晶素板121の外周部と比べて水晶素板121の中央部が厚くなるように設けるベベル加工を行う。そして、水晶素子120は、水晶素板121の両主面にフォトリソグラフィー技術、蒸着技術又はスパッタリング技術によって、金属膜を被着させることにより、励振用電極122、引き出し電極123を形成することにより作製される。
【0028】
水晶素子120の基板110への接合方法について説明する。まず、導電性接着剤140は、例えばディスペンサによって第一電極パッド111a及び第二電極パッド111b上に塗布される。水晶素子120は、導電性接着剤140上に搬送され、導電性接着剤140上に載置される。そして導電性接着剤140は、加熱硬化させることによって、硬化収縮される。水晶素子120は、電極パッド111に接合される。つまり、水晶素子120の第一引き出し電極123aは、第二電極パッド111bと接合され、第二引き出し電極123bは、第一電極パッド111aと接合される。これによって、第二外部端子112bと第四外部端子112dが水晶素子120と電気的に接続されることになる。
【0029】
また、水晶素子120は、水晶素子120の自由端と対向する位置に第三電極パッド111cが配置されているように実装されている。このようにすることによって、水晶素子120の引き出し電極123と、電極パッド111とが接合している箇所を軸として傾いても、水晶素子120の自由端が第三電極パッド111cに接触するので、基板110の上面に水晶素子120の自由端が接触することを抑制することできる。仮に、水晶素子120の自由端が基板110に接触した状態で、落下試験を行うと、水晶素子120の自由端が欠けてしまう虞がある。このようにすることで、水晶素子120の自由端側が欠けてしまうことを抑えつつ、水晶素子120の発振周波数が変動することを低減することができる。
【0030】
導電性接着剤140は、シリコーン樹脂等のバインダーの中に導電フィラーとして導電性粉末が含有されているものであり、導電性粉末としては、アルミニウム、モリブデン、タングステン、白金、パラジウム、銀、チタン、ニッケル又はニッケル鉄のうちのいずれか、或いはこれらの組み合わせを含むものが用いられている。また、バインダーとしては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はビスマレイミド樹脂が用いられる。
【0031】
感温素子160は、サーミスタ、白金測温抵抗体又はダイオード等が用いられている。サーミスタ素子の場合、感温素子160には、直方体形状であり、両端に接続端子161が設けられている。感温素子160は、温度変化によって電気抵抗が顕著な変化を示すものであり、この抵抗値の変化から電圧が変化するため、抵抗値と電圧との関係及び電圧と温度との関係により、出力された電圧から温度情報を得ることができる。感温素子160は、第一外部端子112a及び第三外部端子112c間の電圧が、第一外部端子112a及び第三外部端子112cを介して水晶振動子の外へ出力されることにより、例えば、電子機器等のメインIC(図示せず)で出力された電圧を温度に換算することで温度情報を得ることができる。このような感温素子160を水晶振動子の近くに配置して、これによって得られた水晶振動子の温度情報に応じて、メインICにより水晶振動子を駆動する電圧を制御し、いわゆる温度補償をすることができる。
【0032】
また、白金測温抵抗体が用いられている場合、感温素子160は、直方体形状のセラミック板上の中央に白金を蒸着し、白金電極が設けられている。また、セラミック板の両端には接続端子161が設けられている。白金電極と接続端子とは、セラミック板上面に設けられた引き出し電極により接続されている。白金電極の上面を被覆するようにして絶縁性樹脂が設けられている。
【0033】
また、ダイオードが用いられている場合、感温素子160は、半導体素子を半導体素子用基板の上面に実装し、その半導体素子及び半導体素子用基板の上面を絶縁性樹脂で被覆された構造である。半導体素子用基板の下面から側面には、アノード端子及びカソード端子となる接続端子161が設けられている。感温素子160は、アノード端子からカソード端子へは電流を流すが、カソード端子からアノード端子へはほとんど電流を流さない順方向特性を有している。感温素子の順方向特性は、温度によって大きく変化する。感温素子に一定電流を流しておいて順方向電圧を測定することによって、電圧情報を得ることができる。その電圧情報から換算することで水晶素子の温度情報を得ることができる。ダイオードは、電圧と温度との関係が直線を示している。第一外部端子112a及び第三外部端子112c間の電圧が、第一外部端子112a及び第三外部端子112cを介して水晶振動子の外へ出力される。
【0034】
感温素子160は、図2及び図3に示すように、貫通部H内に設けられた接続パッド116に半田等の導電性接合材180を介して実装されている。また、感温素子160の第二接続端子161bは、第二接続パッド116bに接続されている。第二接続パッド116bは、基板110の下面に設けられた第二接続パターン117bを介して第三外部端子112cと電気的に接続されている。この第三外部端子112cは、外部の実装基板上の基準電位であるグランドと接続されている実装パッドと接続されることにより、グランド端子の役割を果たす。よって、感温素子160の第二接続端子161bは、基準電位であるグランドに接続されることになる。
【0035】
また、感温素子160は、平面視で水晶素子120に設けられる励振用電極122の平面内に位置させていることにより、励振用電極122の金属膜によるシールド効果によって感温素子160を、電子機器を構成するパワーアンプ等の他の半導体部品や電子部品からのノイズから保護する。よって、励振用電極122のシールド効果により、感温素子160にノイズが重畳することを低減し、感温素子160の正確な電圧を出力することができる。また、感温素子160から正確な電圧値を出力することができるので、感温素子160から出力された電圧を換算することで得られた温度情報と、実際の水晶素子120の周囲の温度情報との差異をさらに低減することが可能となる。
【0036】
感温素子160の基板110への接合方法について説明する。まず、感温素子160を貫通部H内に収容するように載置される。導電性接合材180は、例えばディスペンサによって貫通部Hの対向する角部に設けられた一対の接続パッド116から感温素子160の接続端子161に跨るようにして塗布される。そして導電性接合材180は、加熱させることによって溶融接合される。よって、感温素子160は、基板110の貫通部H内の対向する角部に設けられた一対の接続パッド116に接合される。このように接合されることで、感温素子160は、貫通部Hの開口部の対角線に平行になるように配置されている。
【0037】
また、感温素子160がサーミスタ素子の場合には、図1図3に示すように、直方体形状の両端にそれぞれ一つずつ接続端子161が設けられている。一方の接続端子161aは、図3(a)及び図3(b)に示すように、感温素子160の左側面及び上下面に設けられている。他方の接続端子161bは、図3(a)及び図3(b)に示すように、感温素子160の右側面と上下面に設けられている。感温素子160の長辺の長さは、0.4〜0.6mmであり、短辺の長さは、0.2〜0.3mmとなっている。感温素子160の厚み方向の長さは、0.1〜0.3mmとなっている。感温素子160の接続端子161a、161bの側面と貫通部Hの内面との間隔が、0.05〜0.1mmとなるように設けられている。このようにすることで、感温素子160を実装する際に力が加わった場合でも、貫通部H内の内壁面にて感温素子160が押さえられることになるので、貫通部H内より外に感温素子160の位置ズレが生じることを低減することができる。
【0038】
保護部材170は、貫通部Hの上面の開口部を塞ぐようにして、基板110の上面に設けられている。このようにすることにより、収容空間K内を気密封止すると共に、感温素子160を接続パッド116に実装する際に導電性接合材180より発生するガスが水晶素子120に付着することを抑えることができる。保護部材170は、接合部材150よりも融点が高い500〜800℃のものを用いている。また、保護部材170は、例えば、ガラスフリットペーストをスクリーン印刷法で基板110に設けられた貫通部Hの上面の開口部を塞ぐようにして塗布され焼成することで設けられる。また、保護部材170の上下方向の厚みは、0.01〜0.03mmとなっている。
【0039】
導電性接合材180は、例えば、銀ペースト又は鉛フリー半田により構成されている。また、導電性接合材180には、塗布し易い粘度に調整するための添加した溶剤が含有されている。鉛フリー半田の成分比率は、錫が95〜98%、銀が2〜4%、銅が0〜1.0%のものが使用されている。
【0040】
封止蓋体130は、矩形状の封止基部130aと、封止基部130aの下面の外周縁に沿って設けられている封止枠部130bとで構成されており、封止基部130aの下面と封止枠部130bの内側側面とで収容空間Kが形成されている。封止枠部130bは、封止基部130aの下面に収容空間Kを形成するためのものである。封止枠部130bは、封止基部130aの下面の外縁に沿って設けられている。
【0041】
封止基部130a及び封止枠部130bは、例えば、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなり、一体的に形成されている。このような封止蓋体130は、真空状態にある収容空間K又は窒素ガスなどが充填された収容空間Kを気密的に封止するためのものである。具体的には、封止蓋体130は、所定雰囲気で、基板110の上面に載置され、基板110の上面と封止枠部130bの下面との間に設けられた接合部材150とが熱が印加されることで、溶融接合される。
【0042】
接合部材150は、封止蓋体130の下面と基板110の上面の外周縁とを接合するために用いられている。接合部材150は、図2に示すように、封止枠部130bの下面から基板110上の外周縁上にかけて設けられている。
【0043】
接合部材150は、300℃〜400℃で溶融するガラスである例えばバナジウムを含有した低融点ガラス又は酸化鉛系ガラスから構成されている。ガラスは、バインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接着する。接合部材150は、例えば、ガラスフリットペーストをスクリーン印刷法で封止枠部130bの下面に沿って環状に塗布され焼成することで設けられる。また、この酸化鉛系ガラスの組成は、酸化鉛、フッ化鉛、二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化第二鉄、酸化銅及び酸化カルシウムとから構成されている。
【0044】
本実施形態における水晶デバイスは、基板110の上下方向に貫通するように設けられた貫通部Hと、貫通部H内の向かい合う角部に設けられた接続パッド116と、接続パッド116に実装された感温素子160と、貫通部Hの上面を塞ぐように設けられた保護部材170と、を備えている。このようにすることによって、感温素子160を実装するためのスペースは貫通部H内に確保されることになり、従来の水晶デバイスと比して枠体110bを削除することができるので、水晶デバイスは、枠体110bの厚み分の薄型化をすることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態における水晶デバイスは、一対の接続パッド116が貫通部H内の向かい合う角部に設けられていることによって、一対の接続パッド116同士の距離を長くすることができるので、一対の接続パッド116に設けられた導電性接合材180同士が接触することに生じる短絡を低減することができる。
【0046】
また、本実施形態における水晶デバイスは、貫通部Hの上面の開口部を塞ぐようにして、基板110の上面に保護部材170が設けられている。このようにすることにより、収容空間K内を気密封止することができ、感温素子160を接続パッド116に実装する際に導電性接合材180より発生するガスが水晶素子120に付着することを抑えることができる。
【0047】
(第一変形例)
以下、本実施形態の第一変形例における水晶デバイスについて説明する。なお、本実施形態の第一変形例における水晶デバイスのうち、上述した水晶デバイスと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。本実施形態の第一変形例における水晶デバイスは、図4に示されているように、保護部材270が貫通部Hの下開口部を塞ぐように設けられている点において本実施形態と異なる。
【0048】
保護部材270は、図4に示されているように、貫通部Hの上開口部及び下開口部を塞ぐようにして、基板110の上面及び下面に設けられている。このようにすることにより、収容空間K内を気密封止すると共に、感温素子160を接続パッド116に実装する際に導電性接合材180より発生するガスが水晶素子120に付着することをさらに抑えることができる。また、保護部材270は、貫通部Hの下開口部を塞ぐように設けられることにより、水晶デバイスを実装する際に、外部端子112に付着した半田が貫通部H内の感温素子160に付着して短絡することを低減することができる。また、保護部材270は、例えば、ガラスフリットペーストをスクリーン印刷法で基板110に設けられた貫通部Hの上開口部及び下開口部を塞ぐように塗布され焼成することで設けられる。
【0049】
本実施形態の第一変形例における水晶デバイスは、貫通部Hの下面を覆うように保護部材270が設けられている。このように貫通部Hの開口部の下面を保護部材270で覆うことで、水晶デバイスを実装する際に、外部端子112に付着した半田が貫通部H内の感温素子160に付着して短絡することを低減することができる。
【0050】
(第二変形例)
以下、本実施形態の第二変形例における水晶デバイスについて説明する。なお、本実施形態の第二変形例における水晶デバイスのうち、上述した水晶デバイスと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。本実施形態の第二変形例における水晶デバイスは、図5に示されているように、基板110の下面に設けられ、外部端子112の内の二つと接続パッド116と電気的に接続されている接続パターン117と、を備え、保護部材370が接続パターン117を被覆するように設けられている点において本実施形態と異なる。
【0051】
保護部材370は、図5に示されているように、貫通部Hの上面及び接続パターン117を覆うように設けられている。また、接続パターン117を覆うように設けられた保護部材370は、基板110の短辺側外周縁部と平行になるように設けられている。このように接続パターン117に設けられた保護部材370は、接続パッド116に導電性接合材180を塗布したのち、接続パターン117に沿って導電性接合材180が流れることを低減でき、感温素子160の接合強度を保つのに十分な導電性接合材180を維持させることができる。よって、感温素子160が接続パッド116から外れてしまうことを低減することができる。
【0052】
本実施形態の第二変形例における水晶デバイスは、基板110の下面に設けられ、外部端子112の内の二つと接続パッド116と電気的に接続されている接続パターン117を備え、保護部材370が接続パターン117を被覆するように設けられている。このように接続パターン117の上面を保護部材370で覆うことで、接続パッド116に導電性接合材180を塗布したのち、接続パターン117に沿って導電性接合材180が流れることを低減でき、感温素子160の接合強度を保つのに十分な導電性接合材180を維持させることができる。よって、感温素子160が接続パッド116から外れてしまうことを低減することができる。
【0053】
(第三変形例)
以下、本実施形態の第三変形例における水晶デバイスについて説明する。なお、本実施形態の第三変形例における水晶デバイスのうち、上述した水晶デバイスと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。本実施形態の第三変形例における水晶デバイスは、図6に示されているように、基板110の上面及び下面に設けられ、電極パッド111及び外部端子112と電気的に接続されている配線パターン113と、基板110の側面に設けられており、配線パターン113と電気的に接続された導体部114と、を備え、保護部材470が、配線パターン113を被覆するように設けられている点において本実施形態と異なる。
【0054】
保護部材470は、配線パターン113が金属製の封止蓋体130と接触して短絡することを低減するために用いられている。また、保護部材470は、図6に示すように、基板110の上面に設けられた配線パターン113を被覆するようにして設けられている。保護部材470は、例えば、ガラスフリットペーストをスクリーン印刷法で基板110に設けられた配線パターン113の上面に塗布され焼成することで設けられる。また、保護部材470の上下方向の厚みは、0.01〜0.03mmとなっている。
【0055】
また、保護部材470は、貫通部Hの上面及び下面の開口部を塞ぐようにして、基板110の上面に設けられていると共に基板110の角部に位置する配線パターン113上に設けられている。このようにすることによって、金属製の封止蓋体130が配線パターン113に接触することを抑えることが可能となる。また、保護部材470が、基板110の角に、平面視して円弧状になるように設けられており、導体部114が設けられている切欠き内には、保護部材470が設けられていない。このようにすることにより、基板110が電子機器等を構成する実装基板上に実装される際に、外部端子112に付着した半田が、導体部114に這い上がるようにして形成されるため、半田フィレットが形成される。また、半田が、保護部材470で覆われている基板110の配線パターン113上には、這い上がらないため、半田と金属製の封止蓋体130との短絡を低減することができる。
【0056】
本実施形態の第三変形例における水晶デバイスは、配線パターン113を覆うように保護部材470が設けられている。このように配線パターン113の上面を保護部材470で覆うことで、金属製の封止蓋体130を基板110の上面に接合する際に、金属製の封止蓋体130と基板110の上面に設けられている配線パターン113との短絡を低減することができる。
【0057】
(第四変形例)
以下、本実施形態の第四変形例における水晶デバイスについて説明する。なお、本実施形態の第四変形例における水晶デバイスのうち、上述した水晶デバイスと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。本実施形態の第四変形例における水晶デバイスは、図7に示されているように、感温素子160の長辺が、基板210の短辺と平行になるように貫通部Hに配置されている点において本実施形態と異なる。
【0058】
基板210の中央付近で、基板210の上下方向に貫通した貫通部Hが設けられている。貫通部Hの開口部は、平面視して矩形状であり、貫通部Hの長辺と基板310の短辺とが平行になるように設けられている。貫通部Hの短辺方向となる向かい合う面にそれぞれ接続パッド216が設けられている。接続パッド216は、第一接続パッド216aと第二接続パッド216bによって構成されている。接続パッド216は、内部の一つの面から基板210の上下面にある貫通部Hの外周縁にかかるようにして設けられている。また、四つの外部端子312の内の残りの二つが、感温素子160と電気的に接続されている。
【0059】
感温素子160の長辺と基板210の短辺とが平行となるように、感温素子260は、貫通部H内に配置されている。このようにすることにより、水晶素子120と電気的に接続されている外部端子212と、接続パッド216との間隔を長くすることができるので、感温素子160を接合している導電性接合材180が溢れ出たとしても、導電性接合材180が付着することを抑えることができる。よって、感温素子160と水晶素子120と電気的に接続されている外部端子212との短絡を低減することができる。
【0060】
(第五変形例)
以下、本実施形態の第五変形例における水晶デバイスについて説明する。なお、本実施形態の第五変形例における水晶デバイスのうち、上述した水晶デバイスと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。本実施形態の第五変形例における水晶デバイスは、図8に示されているように、第一電極パッド311a、第二電極パッド311b及び第三電極パッド311cは、ビア導体314を介して、第二外部端子312b、第四外部端子312dと接続されている点において本実施形態と異なる。
【0061】
ビア導体314は、第一ビア導体314a及び第二ビア導体314bによって構成されている。第二電極パッド311bと第二外部端子312bとは、基板310に設けられた第一ビア導体314aにより接続されている。第三電極パッド311cと第四外部端子312dとは、基板310に設けられた第二ビア導体314bにより接続されている。また、第一電極パッド311aと第三電極パッド311cとは、基板310の上面に設けられている電極パターン315により電気的に接続されている。よって、第一電極パッド311aは、第三電極パッド311cを介して第四外部端子312dと電気的に接続されることになる。
【0062】
ビア導体314は、基板310の内部に設けられ、その両端は、電極パッド311と外部端子312に電気的に接続されている。ビア導体314は、基板310に設けられた貫通孔の内部に導体を充填することで設けられている。また、ビア導体314は、図8及び図4に示すように、第一ビア導体314a及び第二ビア導体314bによって構成されている。また、このようにすることによっても、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0063】
尚、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。上記の実施形態では、水晶素子は、AT用水晶素子を用いた場合を説明したが、基部と、基部の側面より同一の方向に延びる二本の平板形状の振動腕部とを有する音叉型屈曲水晶素子を用いても構わない。また、上記の実施形態では、水晶素子は、片持ち支持構造にて基板110上に固定されている場合を説明したが、水晶素子が両持ち支持構造であっても構わない。
【0064】
また、水晶素子120のベベル加工方法について説明する。所定の粒度のメディアと砥粒とを備えた研磨材と、所定の大きさに形成された水晶素板121とを用意する。円筒体に用意した研磨材と水晶素板121とを入れ、円筒体の開口した端部をカバーで塞ぐ。研磨材と水晶素板121とを入れた円筒体を、円筒体の中心軸線を回転軸として回転させる水晶素板121が研磨材で研磨されてベベル加工が行われる。
【0065】
上記の実施形態では、接合部材150が封止蓋体130の封止枠部130bの下面に設けられた場合を説明したが、接合部材150が基板110上面の外周縁に環状に設けられるようにしても構わない。このような接合部材150は、例えば、ガラスフリットペーストがスクリーン印刷法で基板110の外周縁に沿って塗布され焼成することで設けられる。
【符号の説明】
【0066】
110、210・・・基板
111、211・・・電極パッド
112、212・・・外部端子
113、213・・・配線パターン
114、214・・・導体部
115、215・・・電極パターン
116、216・・・接続パッド
117、217・・・接続パターン
120・・・水晶素子
121・・・水晶素板
122・・・励振用電極
123・・・引き出し電極
130・・・封止蓋体
131・・・封止基部
132・・・封止枠部
140・・・導電性接着剤
150・・・接合部材
160・・・感温素子
170、270、370、470・・・保護部材
180・・・導電性接合材
K・・・収容空間
H・・・貫通部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8