特許第6418892号(P6418892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6418892
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20181029BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   G02B15/20
   G02B13/18
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-214503(P2014-214503)
(22)【出願日】2014年10月21日
(65)【公開番号】特開2016-80973(P2016-80973A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】雨貝 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】横山 貴嘉
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−098699(JP,A)
【文献】 特開2009−042271(JP,A)
【文献】 特開2011−197302(JP,A)
【文献】 特開2014−137409(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0237626(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動することで隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配置されており、
前記第3レンズ群は、正の屈折力の第1部分群と正又は負の屈折力の第2部分群より構成され、
無限遠から近距離へのフォーカシングに際して前記第1部分群が像側へ移動し、
物体側から数えて第i番目(i=1〜n)のレンズ群を第iレンズ群、無限遠に合焦しているときの望遠端における前記第iレンズ群の横倍率をβiT、無限遠に合焦しているときの広角端における前記第iレンズ群の横倍率をβiW、前記第2レンズ群よりも像側に位置するレンズ群の合成変倍比
ZR=(β3T×β4T×・・・×βnT)/(β3W×β4W×・・・×βnW)
とするとき、
3.00<ZR<10.00
−2.50<β2T<−0.90
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、無限遠に合焦しているときの望遠端における全系の焦点距離をfTとするとき、
−0.07<f2/fT<−0.03
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第1部分群の焦点距離をfa、望遠端における全系の焦点距離をfTとするとき、
0.02<fa/fT<0.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記第2レンズ群の変倍比をZ2=β2T/β2Wとし、全系の変倍比をZとするとき、
0.10<Z2/Z<0.35
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1及至3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第1部分群に含まれるレンズのうち、一つのレンズの材料の屈折率とアッベ数を各々nd3A、νd3Aとするとき、
nd3A>1.50
νd3A>55.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第1部分群は一つの正レンズから構成されることを特徴とする請求項1及至5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
無限遠から近距離へのフォーカシングに際して前記第2部分群が物体側へ移動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動することで隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配置されており、
前記第3レンズ群は、正の屈折力の第1部分群と正又は負の屈折力の第2部分群より構成され、
無限遠から近距離へのフォーカシングに際して前記第1部分群が像側へ移動し、
物体側から数えて第i番目(i=1〜n)のレンズ群を第iレンズ群、無限遠に合焦しているときの望遠端における前記第iレンズ群の横倍率をβiT、無限遠に合焦しているときの広角端における前記第iレンズ群の横倍率をβiW、前記第2レンズ群よりも像側に位置するレンズ群の合成変倍比を
ZR=(β3T×β4T×・・・×βnT)/(β3W×β4W×・・・×βnW)
とするとき、
3.00<ZR<10.00
−2.50<β2T<−0.90
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項9】
請求項1及至8のいずれか一項に記載のズームレンズと、前記ズームレンズによって形成される像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はズームレンズ及びそれを有する撮像装置に関し、例えばビデオカメラ、電子スチルカメラ、放送用カメラ、監視カメラ等のように固体撮像素子を用いた撮像装置、或いは銀塩フィルムを用いたカメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置に用いる撮像光学系には、全系が小型でありながら高ズーム比で高性能なズームレンズであることが要求されている。またこれらのズームレンズには高速かつ高精度にフォーカスができること等が要望されている。従来、全系が小型で高ズーム比で最も物体側の第1レンズ群より像側の小型、軽量のレンズ群を用いてフォーカシングを行ったインナーフォーカス式を用いたポジティブリード型のズームレンズが知られている(特許文献1乃至4)。
【0003】
一般に、第1レンズ群以外のレンズ群でフォーカシングを行うインナーフォーカス式のズームレンズは第1レンズ群を移動させてフォーカスを行うズームレンズに比べて第1レンズ群の有効径が小さくなり、レンズ系全体の小型化が容易になる。また、近接撮影、特に極至近撮影が容易となる。さらに、小型軽量のレンズ群を移動させているので、レンズ群の駆動力が小さくて済み、迅速なフォーカスができる等の特徴がある。
【0004】
特許文献1は物体側から像側へ順に、正,負,正,負,正の屈折力の第1レンズ群乃至第5レンズ群よりなり、隣り合うレンズ群の間隔を変えてズーミングを行い、第2レンズ群の一部のレンズ群でフォーカシングを行ったズームレンズを開示している。また特許文献2は物体側から像側へ順に、正,負,正,正,負の屈折力の第1レンズ群乃至第5レンズ群よりなり、隣り合うレンズ群の間隔を変えてズーミングを行い、第3レンズ群でフォーカシングを行ったズームレンズを開示している。
【0005】
特許文献3は物体側から像側へ順に、正,負,正,負,正の屈折力の第1レンズ群乃至第5レンズ群よりなり、隣り合うレンズ群の間隔を変えてズーミングを行い、第3レンズ群でフォーカシングを行ったズームレンズを開示している。特許文献4は物体側から像側へ順に、正,負,正,正,負の屈折力の第1レンズ群乃至第5レンズ群よりなり隣り合うレンズ群の間隔を変えてズーミングを行い、第5レンズ群でフォーカシングを行ったズームレンズを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−159746号公報
【特許文献2】特開1997−090226号公報
【特許文献3】特開2009−251114号公報
【特許文献4】特開2011−090190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ズームレンズにおいて、所定のズーム比を確保しつつ、ズーム全域及び物体距離全般にわたり高い光学性能を得るには、ズームレンズを構成する各要素を適切に設定することが重要となってくる。例えばズームタイプ(レンズ群の数や各レンズ群の屈折力)、各レンズ群のズーミングに伴う移動軌跡、そして各レンズ群の変倍負担、フォーカシング用のレンズ群の選択及びレンズ構成等を適切に設定することが重要になってくる。
【0008】
これらの構成が適切でないと、高ズーム比化を図る際に全系が大型化し、又、ズーミング及びフォーカシングに伴う諸収差の変動が増大し、全ズーム範囲、及び物体距離全般にわたり高い光学性能を得るのが大変難しくなってくる。例えば特許文献1乃至4のポジティブリードタイプのズームレンズは主変倍レンズ群である第2レンズ群に大きな変倍比を持たせて高ズーム比化を図っている。しかしながら、第2レンズ群に大きな変倍比を持たせると、第1レンズ群と第2レンズ群のズーミングにおける間隔変化を大とする必要があり、レンズ系全体が大型化してくる傾向がある。
【0009】
また、迅速なフォーカシングを行うためには、フォーカスレンズ部が小型であり、フォーカシング移動量が小さくなるようにフォーカスレンズ部及びフォーカスレンズ部より像側に位置するレンズ群の結像倍率を適切に設定する必要がある。特に、高ズーム比化及び迅速なフォーカシングを図るためには、各レンズ群の結像倍率とズーミングに伴う結像倍率の変化を適切に設定することが重要になってくる。
【0010】
本発明は、迅速なフォーカスが容易で、高ズーム比でかつ全ズーム範囲及び物体距離全般にわたり高い光学性能が得られる小型のズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のズームレンズは、 物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動することで隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配置されており、
前記第3レンズ群は、正の屈折力の第1部分群と正又は負の屈折力の第2部分群より構成され、
無限遠から近距離へのフォーカシングに際して前記第1部分群が像側へ移動し、
物体側から数えて第i番目(i=1〜n)のレンズ群を第iレンズ群、無限遠に合焦しているときの望遠端における前記第iレンズ群の横倍率をβiT、無限遠に合焦しているときの広角端における前記第iレンズ群の横倍率をβiW、前記第2レンズ群よりも像側に位置するレンズ群の合成変倍比を
ZR=(β3T×β4T×・・・×βnT)/(β3W×β4W×・・・×βnW)
とするとき、
3.00<ZR<10.00
−2.50<β2T<−0.90
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明のこの他のズームレンズは、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動することで隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配置されており、
前記第3レンズ群は、正の屈折力の第1部分群と正又は負の屈折力の第2部分群より構成され、
無限遠から近距離へのフォーカシングに際して前記第1部分群が像側へ移動し、
物体側から数えて第i番目(i=1〜n)のレンズ群を第iレンズ群、無限遠に合焦しているときの望遠端における前記第iレンズ群の横倍率をβiT、無限遠に合焦しているときの広角端における前記第iレンズ群の横倍率をβiW、前記第2レンズ群よりも像側に位置するレンズ群の合成変倍比を
ZR=(β3T×β4T×・・・×βnT)/(β3W×β4W×・・・×βnW)
とするとき、
3.00<ZR<10.00
−2.50<β2T<−0.90
なる条件式を満足することを特徴としている。
なる条件式を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、迅速なフォーカスが容易で、高ズーム比でかつ全ズーム範囲及び物体距離全般にわたり高い光学性能が得られる小型のズームレンズが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1のレンズ断面図
図2】(A),(B),(C) 実施例1の広角端と中間のズーム位置と望遠端における無限遠物体に合焦したときの縦収差図
図3】(A),(B),(C) 実施例1の広角端と中間のズーム位置と望遠端における有限距離(像面から700mm)に合焦したときの縦収差図
図4】本発明の参考例1のレンズ断面図
図5】(A),(B),(C) 参考例1の広角端と中間のズーム位置と望遠端における無限遠物体に合焦したときの縦収差図
図6】(A),(B),(C) 参考例1の広角端と中間のズーム位置と望遠端における有限距離(像面から700mm)に合焦したときの縦収差図
図7】本発明の実施例2のレンズ断面図
図8】(A),(B),(C) 実施例2の広角端と中間のズーム位置と望遠端における無限遠物体に合焦したときの縦収差図
図9】(A),(B),(C) 実施例2の広角端と中間のズーム位置と望遠端における有限距離(像面から700mm)に合焦したときの縦収差図
図10】本発明の実施例3のレンズ断面図
図11】(A),(B),(C) 実施例3の広角端と中間のズーム位置と望遠端における無限遠物体に合焦したときの縦収差図
図12】(A),(B),(C) 実施例3の広角端と中間のズーム位置と望遠端における有限距離(像面から700mm)に合焦したときの縦収差図
図13】本発明の撮像装置の要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のズームレンズ及びそれを有する撮像装置の実施例について説明する。本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、2つ以上のレンズ群を含む後群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りを有し、第3レンズ群は、正の屈折力の第1部分群と正又は負の屈折力の第2部分群より構成され、フォーカシングに際し、少なくとも第1部分群が光軸上を移動する。
【0015】
図1は本発明の実施例1のズームレンズの広角端(短焦点距離端)において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図2(A),(B),(C)はそれぞれ実施例1のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端(長焦点距離端)において無限遠物体に合焦したときの縦収差図である。図3(A),(B),(C)はそれぞれ実施例1のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端において有限距離(後述する数値実施例をmm単位で表したとき像面から700mm)に合焦したときの縦収差図である。
【0016】
図4は本発明の参考例1のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図5(A),(B),(C)はそれぞれ参考例1のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端において無限遠物体に合焦したときの縦収差図である。図6(A),(B),(C)はそれぞれ参考例1のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端において有限距離(後述する数値実施例をmm単位で表したとき像面から700mm)に合焦したときの縦収差図である。
【0017】
図7は本発明の実施例2のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図8(A),(B),(C)はそれぞれ実施例2のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端において無限遠物体に合焦したときの縦収差図である。図9(A),(B),(C)はそれぞれ実施例2のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端において有限距離(後述する数値実施例をmm単位で表したとき像面から700mm)に合焦したときの縦収差図である。
【0018】
図10は本発明の実施例3のズームレンズの広角端において無限遠物体に合焦したときのレンズ断面図である。図11(A),(B),(C)はそれぞれ実施例3のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端において無限遠物体に合焦したときの縦収差図である。図12(A),(B),(C)はそれぞれ実施例3のズームレンズの広角端と中間のズーム位置と望遠端において有限距離(後述する数値実施例をmm単位で表したとき像面から700mm)に合焦したときの縦収差図である。
【0019】
図13は本発明のズームレンズを備えるカメラ(撮像装置)の要部概略図である。各実施例のズームレンズはビデオカメラやデジタルカメラ、そして銀塩フィルムカメラ等の撮像装置に用いられる撮像レンズ系である。
【0020】
レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。レンズ断面図において、iは物体側からレンズ群の順番を示し、Liは第iレンズ群である。LRは2つ以上のレンズ群を有する後群である。SPは開口絞りであり、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置されている。L3Aは第3レンズ群L3の一部の正の屈折力の第1部分群、L3Bは第3レンズ群L3の一部の負の屈折力の第2部分群である。
【0021】
IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサーやCMOSセンサーなどの固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置され、銀塩フィルム用カメラのときはフィルム面が配置される。
【0022】
球面収差図において、実線のdはd線、二点鎖線のgはg線である。非点収差図において点線のΔMはメリディオナル像面、実線のΔSはサジタル像面である。倍率色収差はg線について示している。ωは半画角(度)、FnoはFナンバーである。尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は各レンズ群が機構上光軸上を移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。矢印は広角端から望遠端へのズーミングにおける各レンズ群の移動軌跡を示している。またフォーカスに関する矢印は無限遠から近距離へのフォーカシングに際しての移動方向を示している。
【0023】
本発明のズームレンズは物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、2つ以上のレンズ群を含む後群LRより構成されている。ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。第3レンズ群L3は、正の屈折力の第1部分群L3Aと正又は負の屈折力の第2部分群L3Bによって構成される。
【0024】
無限遠から有限距離へのフォーカシング(合焦)に際し、少なくとも第1部分群L3Aが光軸に沿って移動する。各実施例において第1部分群L3Aは、フォーカスレンズ部の光軸に沿った移動量に対する像面位置の光軸に沿った移動量の比である敏感度が高いことから、フォーカシング移動量が少ないので迅速なフォーカシングが容易である。また、フォーカスレンズ部である正の屈折力の第1部分群L3Aを開口絞りSPよりも像側へ配置し、開口絞りSPとの距離を近づけることでフォーカスレンズ部L3Aの小型化を図っている。
【0025】
そして物体側から数えて第i番目(i=1〜n)のレンズ群を第iレンズ群、無限遠に合焦しているときの望遠端における前記第iレンズ群の横倍率をβiT、無限遠に合焦しているときの広角端における第iレンズ群の横倍率をβiWとする。第2レンズ群よりも像側に位置するレンズ群の合成変倍比ZRを
ZR=(β3T×β4T×・・・×βnT)/(β3W×β4W×・・・×βnW)
とする。このとき、
3.00<ZR<10.00 ・・・(1)
−2.50<β2T<−0.90 ・・・(2)
なる条件式を満足する。
【0026】
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(1)は第2レンズ群L2よりも像側に存在するレンズ群による合成変倍比に関する。条件式(1)の下限を下回ると、全系でのズーム比を大きくすることが困難となる。また、条件式(1)の上限を超えると、第2レンズ群L2よりも像側のレンズ群のズーミングに際しての移動量が多くなることや屈折力が強くなることで諸収差が増大し、諸収差の良好なる補正が困難となる。
【0027】
条件式(2)は望遠端における第2レンズ群L2の横倍率(結像横倍率)に関する。条件式(2)の上限を超えるとズーミングに伴う第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔変化が増大し、望遠端における第1レンズ群L1のズーミングに際しての繰出し量が大きくなりすぎて、メカ機構が複雑になってくる。条件式(2)の下限を下回ると第1レンズ群L1の正の屈折力が強くなりすぎ、望遠端において球面収差、コマ収差が増大し、これらの諸収差の補正が困難となる。更に好ましくは、条件式(1),(2)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0028】
3.00<ZR<6.00 ・・・(1a)
−2.50<β2T<−1.00 ・・・(2a)
さらに好ましくは、条件式(1a),(2a)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
3.40<ZR<5.00 ・・・(1b)
−2.00<β2T<−1.00 ・・・(2b)
【0029】
各実施例によれば以上のごとく構成することにより、光学系全体が小型で高ズーム比でフォーカシングに際しての収差変動の少ないズームレンズが得られる。各実施例において、更に好ましくは次の諸条件のうち1つ以上を満足するのが良い。第2レンズ群L2の焦点距離をf2、無限遠に合焦しているときの望遠端における全系の焦点距離をfTとする。第1部分群の焦点距離をfaとする。第2レンズ群L2の変倍比Z2をZ2=β2T/β2Wとし、全系の変倍比をZとする。
【0030】
ここで全系の変倍比Zは広角端における全系の焦点距離をfWとするとき、
Z=fT/fW
である。第1部分群L3Aに含まれるレンズのうち、1つのレンズの材料の屈折率とアッベ数を各々nd3A、νd3Aとする。このとき、次の条件式のうち1つ以上を満足するのが良い。
【0031】
−0.07<f2/fT<−0.03 ・・・(3)
0.02<fa/fT<0.20 ・・・(4)
0.10<Z2/Z<0.35 ・・・(5)
nd3A>1.50 ・・・(6)
νd3A>55.0 ・・・(7)
【0032】
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(3)は第2レンズ群L2の負の屈折力に関する。条件式(3)の上限を超えて第2レンズ群の負の屈折力が強くなりすぎると(負の屈折力の絶対値が大きくなると)、ズーミングに伴う諸収差の変動が大きくなってくる。条件式(3)の下限を下回り、負の屈折力が弱くなりすぎると(負の屈折力の絶対値が小さくなると)、第2レンズ群L2の変倍分担が小さくなり高ズーム比化が困難となる。好ましくは条件式(3)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0033】
−0.06<f2/fT<−0.03 ・・・(3a)
さらに好ましくは、条件式(3a)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0034】
−0.05<f2/fT<−0.03 ・・・(3b)
条件式(4)はフォーカス用のレンズ部(第1部分群)Laの正の屈折力に関する。条件式(4)の上限を超えると望遠端におけるレンズ部Laの正の屈折力が弱くなり、フォーカス敏感度が減少してくる。また、条件式(4)の下限を下回るとレンズ部Laの正の屈折力が強くなりすぎ、フォーカシングに伴う諸収差の変動が大きくなってくる。更に好ましくは条件式(4)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0035】
0.05<fa/fT<0.17 ・・・(4a)
さらに好ましくは、条件式(4a)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0036】
0.12<fa/fT<0.17 ・・・(4b)
条件式(5)は第2レンズ群L2の変倍比分担に関する。条件式(5)の上限を超えると、第2レンズ群L2の変倍比分担が大きくなりすぎて第2レンズ群L2における収差変動を補正することが困難となる。条件式(5)の下限を下回ると、他のレンズ群による変倍比分担が大きくなりすぎるため、第2レンズ群L2以外で発生する収差が大きくなり、これらの補正が困難となる。更に好ましくは条件式(5)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0037】
0.10<Z2/Z<0.34 ・・・(5a)
さらに好ましくは、条件式(5a)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0038】
0.25<Z2/Z<0.34 ・・・(5b)
条件式(6),(7)はフォーカス用のレンズ部である第1部分群L3A内の1つのレンズの材料に関する。条件式(6),(7)の数値範囲から外れると、フォーカシングに伴う色収差の変動が大きくなり、好ましくない。更に好ましくは条件式(6),(7)の数値範囲を以下のようにする方が良い。
【0039】
nd3A>1.54 ・・・(6a)
νd3A>58.0 ・・・(7a)
【0040】
次に各実施例のレンズ構成について説明する。各実施例では、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、2つ以上のレンズ群を含む後群LRを有する。第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間に開口絞りSPを有する。
【0041】
実施例1において後群LRは、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5、負の屈折力の第6レンズ群L6より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動する。無限遠から近距離へのフォーカシングに際して第1部分群L3Aは像側へ移動する。第1部分群L3Aはレンズ部Laに相当する。
【0042】
参考例1において後群LRは、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動する。無限遠から近距離へのフォーカシングに際して第1部分群L3Aが像側へ移動する。第1部分群L3Aはレンズ部Laに相当する。
【0043】
実施例2において後群LRは、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第4レンズ群L4、負の屈折力の第5レンズ群L5より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動する。無限遠から近距離へのフォーカシングに際して第1部分群L3Aが像側へ移動する。第1部分群L3Aはレンズ部Laに相当する。
【0044】
実施例3において後群LRは、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5、負の屈折力の第6レンズ群L6より構成され、ズーミングに際して各レンズ群が移動する。無限遠から近距離へのフォーカシングに際して第1部分群L3Aは像側へ移動し、第2部分群L3Bは物体側へ移動する。実施例3はフローティング方式を用いて、フォーカシングに際しての収差変動を軽減している。実施例3において、主フォーカスレンズ部である第1部分群L3Aに対して、第2部分群L3Bは−0.87倍の比率でフォーカシング移動を行う。
【0045】
次に、各実施例の各レンズ群の構成について説明する。以下、各レンズ群は物体側から像側へ順に配置されているものとする。
【0046】
実施例1のレンズ構成について説明する。第1レンズ群L1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと正レンズを接合した貼り合わせレンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズを有している。これにより、コマ収差や望遠端における球面収差などを良好に補正している。
【0047】
第2レンズ群L2は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズ、両レンズ面が凹形状の負レンズ、両レンズ面が凸形状の正レンズ、負レンズ、正レンズを有している。これにより、全ズーム範囲において収差変動を少なくして、良好な光学性能を達成している。また、第2レンズ群L2は少なくとも1面が非球面形状より成る非球面レンズを有している。これによれば、広角端における像面湾曲の補正が容易となる。特に、第2レンズ群L2の最も物体側のレンズ面を非球面形状にするとより望ましい。
【0048】
第3レンズ群L3は、正の屈折力の第1部分群L3Aと正の屈折力の第2部分群L3Bで構成されている。実施例2において第3Aレンズ群L3Aは、1つの正レンズで構成されている。尚、第1部分群L3Aを1枚に限定するものではなく、第1部分群L3Aは2枚以上のレンズによって構成されてもよい。第2部分群L3Bは正レンズ、負レンズと正レンズとを接合した接合レンズより構成されている。また、第2部分群L3Bは、正の屈折力を持つが、負の屈折力であってもよい。
【0049】
第4レンズ群L4は、正レンズと像面側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズを接合した貼り合わせレンズを有している。また、第4レンズ群L4は少なくとも1面が非球面形状の非球面レンズを有している。これによれば、広角端において歪曲収差の補正が容易となる。第5レンズ群L5は正レンズ、像面側に凹面を向けた負レンズと正レンズを接合した貼り合わせレンズ、正レンズで構成されている。第6レンズ群L6は物体側に凸面を向けた正レンズと両レンズ面が凹形状の負レンズを接合した貼り合わせレンズで構成されている。
【0050】
本実施例では、第4レンズ群L4を全体として負の屈折力より成る貼り合わせレンズで構成することで、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4を含めたレンズ構成をテレフォトタイプとしている。これにより第2レンズ群L2の変倍のためのスペースを大きくして、高ズーム比化を容易にしている。
【0051】
参考例1のレンズ構成について説明する。参考例1において第1レンズ群L1,第2レンズ群L2,第3レンズ群L3,第4レンズ群L4のレンズ構成は実施例1と同じである。第5レンズ群L5は正レンズ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズと両レンズ面が凸形状の正レンズを接合した貼り合わせレンズ、両レンズ面が凹形状の負レンズと物体側が凸面の正レンズを接合した貼り合わせレンズで構成されている。
【0052】
実施例2のレンズ構成について説明する。実施例2において第1レンズ群L1,第2レンズ群L2,第3レンズ群L3の第1部分群L3Aのレンズ構成は実施例1と同じである。第2部分群L3Bは負レンズと正レンズとを接合した接合レンズ、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズより構成されている。第4レンズ群L4は正レンズ、メニスカス形状の負レンズと正レンズを接合した貼り合わせレンズ、正レンズで構成される。第5レンズ群L5はメニスカス形状の負レンズと正レンズを接合した貼り合わせレンズ、負レンズによって構成される。
【0053】
実施例3のレンズ構成について説明する。実施例3において第1レンズ群L1乃至第6レンズ群L6のレンズ構成は実施例1と同じである。
【0054】
次に実施例1、参考例1、実施例2,3に示したズームレンズを撮影装置に適用した実施形態を図13を用いて説明する。図13は一眼レフカメラの概略図である。図13において、10は実施例1、参考例1、実施例2,3の撮影レンズ1を有する交換レンズである。撮影レンズ1は保持部材である鏡筒2に保持されている。
【0055】
20はカメラ本体であり、撮影レンズ1からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、撮影レンズ1の像形成位置に配置された焦点板4である。焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5、その正立像を観察するための接眼レンズ6等によって構成されている。7は像を受光する撮像素子が配置される撮像面である。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避して、撮像面7上に撮影レンズ1によって像が形成される。
【0056】
以下に、実施例1、参考例1、実施例2,3に各々対応する数値実施例1乃至4を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順番を示し、riは第i番目(第i面)の面の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間の間隔、ndi、νdiはそれぞれ第i番目のレンズの材料のd線を基準とした屈折率、アッベ数を示す。BFはバックフォーカスであり、最終レンズ面から像面までの空気換算での距離である。レンズ全長は第1レンズ面から最終レンズ面までの距離にバックフォーカスの値を加えたものである。非球面データには、非球面を次式で表した場合の非球面係数を示す。
【0057】
【数1】
【0058】
但し、
x:光軸方向の基準面からの変位量
h:光軸に対して垂直な方向の高さ
R:ベースとなる2次曲面の半径
k:円錐定数
An:n次の非球面係数
なお、「e−z」の表示は「10-Z」を意味する。又前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表1に示す。
【0059】
[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 230.390 2.50 1.90366 31.3 109.04
2 114.555 14.24 1.49700 81.5 101.28
3 -4479.960 0.15 99.11
4 104.627 12.50 1.59282 68.6 90.20
5* -2716.177 (可変) 89.45
6* 90.646 0.10 1.52421 51.4 52.50
7 90.646 1.90 1.88300 40.8 50.99
8 30.490 11.05 41.14
9 -83.184 1.80 1.88300 40.8 40.32
10 48.549 0.62 37.61
11 56.544 8.75 1.80809 22.8 37.62
12 -51.768 0.89 37.08
13 -42.792 1.80 1.85400 40.4 36.83
14* 87.205 0.19 35.91
15 70.473 3.82 1.85478 24.8 35.98
16 524.273 (可変) 35.64
17(絞り) ∞ 1.00 37.75
18* 105.132 5.37 1.58313 59.4 39.20
19* -84.744 25.15 39.47
20 51.693 5.61 1.60311 60.6 41.00
21 1737.824 0.15 40.57
22 210.357 1.40 1.90366 31.3 40.12
23 32.950 8.71 1.60311 60.6 38.00
24 -143.671 (可変) 37.80
25 -131.457 4.73 1.67270 32.1 28.63
26 -29.394 1.40 1.80400 46.6 28.23
27* 83.737 (可変) 27.55
28 727.312 4.53 1.51633 64.1 35.47
29 -62.571 0.15 36.00
30 88.226 1.50 1.90366 31.3 36.84
31 31.680 9.07 1.48749 70.2 36.25
32 -112.148 0.20 36.74
33 42.940 6.38 1.65412 39.7 38.12
34 2557.983 (可変) 37.62
35 2642.657 6.85 1.85478 24.8 35.09
36 -34.483 1.50 1.85400 40.4 34.60
37* 43.500 (可変) 32.48
像面 ∞
【0060】
非球面データ
第5面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.67299e-008 A 6=-1.58484e-012 A 8= 1.81821e-016 A10=-1.63138e-021

第6面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.43977e-006 A 6= 5.09375e-010 A 8= 1.82573e-012 A10=-3.53421e-015 A12= 2.03436e-018

第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.11365e-006 A 6= 1.55548e-009 A 8= 1.98487e-013 A10=-2.35384e-016

第18面
K = 0.00000e+000 A 4=-8.84286e-007 A 6= 2.46880e-010 A 8= 2.24946e-012 A10=-3.85826e-015

第19面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.08795e-007 A 6=-1.66557e-010 A 8= 2.78728e-012 A10=-4.24540e-015

第27面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.92197e-006 A 6= 1.19104e-009 A 8=-8.67072e-012 A10= 1.47872e-014

第37面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.79640e-008 A 6=-1.39003e-009 A 8= 3.99401e-012 A10=-8.21714e-015
【0061】
各種データ
ズーム比 18.78
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 139.49 540.91
Fナンバー 2.88 4.77 5.88
半画角(度) 36.91 8.82 2.29
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 298.13 341.13 398.13
BF 44.99 76.94 116.58

d 5 1.82 61.81 96.51
d16 77.88 26.98 6.99
d24 2.11 16.33 26.79
d27 21.26 5.73 5.25
d34 6.07 9.33 1.99
d37 44.99 76.94 116.58

入射瞳位置 58.29 236.15 580.16
射出瞳位置 -91.40 -59.82 -61.80
前側主点位置 81.01 233.36 -519.19
後側主点位置 16.19 -62.55 -424.33
【0062】
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 158.18 29.39 9.96 -9.01
2 6 -24.15 30.92 7.07 -14.02
3 17 51.97 47.39 18.49 -26.59
4 25 -51.38 6.13 2.43 -1.13
5 28 40.85 21.83 8.17 -6.29
6 35 -51.93 8.35 4.58 0.08

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -254.74
2 2 224.98
3 4 170.22
4 6 455754.35
5 7 -52.81
6 9 -34.50
7 11 34.70
8 13 -33.40
9 15 94.88
10 18 81.31
11 20 88.23
12 22 -43.40
13 23 45.28
14 25 55.25
15 26 -26.91
16 28 111.80
17 30 -55.40
18 31 51.74
19 33 66.70
20 35 39.87
21 36 -22.33
【0063】
フォーカス
広角端
無限遠 700mm
d19 25.15 21.94

中間
無限遠 700mm
d19 25.15 18.09

望遠端
無限遠 700mm
d19 25.15 0.99
【0064】
[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 217.431 2.50 1.90366 31.3 103.92
2 111.459 12.75 1.49700 81.5 96.68
3 1582.531 0.15 94.22
4 110.018 12.84 1.59282 68.6 90.39
5* -759.552 (可変) 89.73
6* 80.453 0.10 1.52421 51.4 49.09
7 80.453 1.90 1.88300 40.8 47.56
8 29.244 10.39 38.67
9 -72.841 1.80 1.88300 40.8 37.82
10 46.373 0.47 35.28
11 52.369 8.74 1.80809 22.8 35.29
12 -43.880 0.80 34.74
13 -37.319 1.80 1.85400 40.4 34.34
14* 127.600 0.14 33.52
15 70.928 2.96 1.80809 22.8 33.57
16 167.782 (可変) 33.96
17(絞り) ∞ 1.00 38.35
18* 101.881 5.70 1.58313 59.4 39.28
19* -74.740 21.55 39.45
20 64.234 5.03 1.62299 58.2 41.03
21 1658.547 0.15 40.64
22 142.261 1.40 1.85478 24.8 40.14
23 36.118 8.57 1.51742 52.4 38.39
24 -114.316 (可変) 38.21
25 -78.145 3.79 1.69895 30.1 28.60
26 -32.502 1.40 1.76802 49.2 28.31
27* 110.496 (可変) 27.70
28 53.176 6.41 1.48749 70.2 39.26
29 -197.677 0.15 39.29
30 67.235 1.50 1.85478 24.8 39.02
31 33.614 10.06 1.48749 70.2 37.66
32 -78.655 4.95 37.51
33* -230.699 1.50 1.85400 40.4 35.32
34 22.577 9.06 1.85478 24.8 35.00
35 123.841 (可変) 34.94
像面 ∞
【0065】
非球面データ
第5面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.43447e-008 A 6=-3.82639e-012 A 8= 9.22131e-016 A10=-1.40964e-019

第6面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.29136e-006 A 6= 2.12735e-009 A 8=-2.08405e-012 A10= 1.85775e-016 A12= 1.12522e-018

第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.72281e-006 A 6= 1.79935e-009 A 8= 1.09079e-012 A10=-3.02736e-015

第18面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.08691e-006 A 6= 8.70394e-010 A 8=-8.76563e-013 A10= 5.10406e-016

第19面
K = 0.00000e+000 A 4= 4.45307e-007 A 6= 5.89903e-010 A 8=-7.27751e-013 A10= 5.34009e-016

第27面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.88509e-006 A 6= 2.62180e-009 A 8=-1.34092e-011 A10= 2.37302e-014

第33面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.53520e-006 A 6=-8.36346e-010 A 8=-1.52147e-012 A10=-7.75132e-016
【0066】
各種データ
ズーム比 18.78
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 139.51 540.95
Fナンバー 2.88 4.77 5.88
半画角(度) 36.91 8.82 2.29
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 298.12 341.12 398.12
BF 44.99 70.42 122.60

d 5 1.82 63.99 98.18
d16 76.25 27.49 6.97
d24 4.07 28.62 27.44
d27 31.42 11.03 3.37
d35 44.99 70.42 122.60

入射瞳位置 55.90 242.25 585.92
射出瞳位置 -139.47 -83.81 -65.85
前側主点位置 80.20 255.56 -425.96
後側主点位置 16.19 -69.08 -418.36
【0067】
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 159.01 28.24 9.53 -8.70
2 6 -22.63 29.11 7.35 -12.26
3 17 49.48 43.40 16.21 -24.38
4 25 -54.76 5.19 1.41 -1.57
5 28 88.06 33.63 -11.27 -29.50

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -255.94
2 2 240.56
3 4 163.00
4 6 359019.40
5 7 -52.95
6 9 -31.86
7 11 30.79
8 13 -33.64
9 15 150.00
10 18 74.82
11 20 107.13
12 22 -56.98
13 23 54.10
14 25 76.98
15 26 -32.56
16 28 86.68
17 30 -80.29
18 31 49.77
19 33 -24.01
20 34 31.02
【0068】
フォーカス
広角端
無限遠 700mm
d19 21.55 18.50

中間
無限遠 700mm
d19 21.55 15.35

望遠端
無限遠 700mm
d19 21.55 0.98
【0069】
[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 227.303 2.50 1.90366 31.3 107.53
2 112.098 13.70 1.49700 81.5 99.77
3 2755.980 0.15 97.35
4 103.041 13.56 1.59282 68.6 90.49
5* -1115.361 (可変) 89.63
6* 93.066 0.10 1.52421 51.4 51.80
7 93.066 1.90 1.80400 46.6 50.24
8 25.810 11.83 38.81
9 -74.988 1.80 1.88300 40.8 38.15
10 51.711 0.13 36.28
11 52.908 8.89 1.80809 22.8 36.28
12 -46.136 0.87 35.83
13 -38.876 1.80 1.85400 40.4 35.50
14* 324.111 0.11 34.97
15 69.549 2.67 1.85478 24.8 34.76
16 118.111 (可変) 34.26
17(絞り) ∞ 1.00 37.65
18* 87.434 5.09 1.55332 71.7 38.59
19* -104.378 25.36 38.83
20 61.610 1.40 1.90366 31.3 41.67
21 46.602 8.86 1.48209 70.2 40.95
22 -77.999 2.11 40.81
23 -181.793 4.81 1.73958 28.1 39.18
24 -48.838 1.40 1.92389 35.4 38.91
25* 86.375 (可変) 38.55
26 175.019 4.53 1.48749 70.2 39.16
27 -110.287 0.15 39.35
28 112.997 1.50 1.90366 31.3 39.32
29 34.975 8.90 1.51742 52.4 38.38
30 -132.313 0.20 38.59
31 40.653 7.76 1.51742 52.4 38.75
32 -573.251 (可変) 37.89
33* 198.680 1.50 1.85400 40.4 33.79
34 72.587 6.54 1.85478 24.8 33.17
35 -66.102 0.20 32.61
36 -86.818 1.50 1.88300 40.8 31.85
37 35.047 (可変) 30.07
像面 ∞
【0070】
非球面データ
第5面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.10514e-008 A 6= 1.32591e-012 A 8=-1.53458e-015 A10= 2.90146e-019

第6面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.57039e-006 A 6= 1.69112e-009 A 8=-2.84281e-012 A10= 2.38631e-015 A12=-6.84024e-019

第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.69344e-006 A 6= 2.51617e-010 A 8= 4.08846e-012 A10=-6.30603e-015

第18面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.81720e-006 A 6= 7.25514e-009 A 8=-2.05187e-011 A10= 2.64753e-014

第19面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.22264e-006 A 6= 7.08625e-009 A 8=-2.02097e-011 A10= 2.63876e-014

第25面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.78383e-007 A 6=-4.36574e-010 A 8=-2.73318e-013 A10= 7.75043e-016

第33面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.65398e-006 A 6= 5.37913e-010 A 8=-8.05974e-012 A10= 1.33590e-014
【0071】
各種データ
ズーム比 18.78
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 139.50 540.95
Fナンバー 2.88 4.77 5.88
半画角(度) 36.91 8.82 2.29
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 298.14 341.14 398.14
BF 44.97 72.20 127.98

d 5 1.80 66.72 96.85
d16 76.42 23.96 6.95
d25 20.36 9.75 3.11
d32 11.76 25.68 20.43
d37 44.97 72.20 127.98

入射瞳位置 57.17 265.17 600.06
射出瞳位置 -73.31 -55.29 -46.94
前側主点位置 78.96 252.03 -531.89
後側主点位置 16.17 -67.30 -412.98
【0072】
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 156.45 29.92 10.11 -9.20
2 6 -23.46 30.09 6.56 -13.96
3 17 100.82 50.04 -29.70 -52.39
4 26 47.87 23.04 8.36 -7.23
5 33 -57.32 9.74 7.10 1.59

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -247.30
2 2 234.71
3 4 159.78
4 6 480414.51
5 7 -44.99
6 9 -34.43
7 11 31.77
8 13 -40.55
9 15 193.01
10 18 86.81
11 20 -221.51
12 21 61.95
13 23 88.92
14 24 -33.60
15 26 139.51
16 28 -56.57
17 29 54.45
18 31 73.68
19 33 -134.66
20 34 41.37
21 36 -28.11
【0073】
フォーカス
広角端
無限遠 700mm
d19 21.55 18.50

中間
無限遠 700mm
d19 21.55 15.35

望遠端
無限遠 700mm
d19 21.55 0.98
【0074】
[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 289.790 2.50 1.90366 31.3 102.34
2 134.350 13.41 1.49700 81.5 96.14
3 -1139.966 0.15 92.77
4 118.650 11.67 1.59282 68.6 90.57
5* -2073.463 (可変) 89.82
6* 75.928 0.10 1.52421 51.4 53.71
7 75.928 1.90 1.88300 40.8 51.20
8 28.624 11.37 41.92
9 -126.536 1.80 1.88300 40.8 41.44
10 59.477 0.57 39.58
11 66.394 7.20 1.80809 22.8 39.60
12 -63.122 1.29 39.37
13 -47.774 1.80 1.80400 46.6 39.08
14* 93.656 0.18 38.40
15 102.870 3.33 1.80809 22.8 38.40
16 669.897 (可変) 38.11
17(絞り) ∞ 1.00 38.43
18* 92.246 5.54 1.55332 71.7 39.31
19* -85.593 25.31 39.37
20 51.079 6.28 1.48749 70.2 41.01
21 -432.507 0.15 40.63
22 126.145 1.40 1.90366 31.3 39.71
23 33.805 0.34 37.64
24 34.553 7.96 1.60311 60.6 37.77
25 -194.230 (可変) 37.49
26 -217.517 4.06 1.65434 33.5 28.74
27 -39.031 1.40 1.76474 51.7 28.19
28* 58.210 (可変) 26.97
29 316.837 4.21 1.51633 64.1 34.21
30 -73.540 0.15 34.65
31 86.336 1.50 1.90366 31.3 35.26
32 30.441 8.63 1.48654 70.2 34.65
33 -113.446 0.20 35.11
34 46.392 5.86 1.63636 34.9 36.22
35 -891.649 (可変) 35.82
36 -194.883 6.34 1.85478 24.8 33.72
37 -30.536 1.50 1.85400 40.4 33.50
38* 55.746 (可変) 32.53
像面 ∞
【0075】
非球面データ
第5面
K = 0.00000e+000 A 4= 2.84014e-008 A 6=-1.18380e-012 A 8= 2.09443e-016 A10=-2.85359e-020

第6面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.98126e-006 A 6= 5.42455e-010 A 8=-2.34915e-013 A10=-5.50788e-017 A12= 2.36553e-019

第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.26526e-006 A 6= 1.97757e-009 A 8=-2.37855e-012 A10= 1.73480e-015

第18面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.16244e-006 A 6= 1.06485e-009 A 8=-1.88118e-012 A10= 3.02521e-015

第19面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.48269e-007 A 6= 8.27860e-010 A 8=-1.89648e-012 A10= 3.28182e-015

第28面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.51512e-006 A 6= 5.00043e-010 A 8=-3.17711e-012 A10= 1.47098e-015

第38面
K = 0.00000e+000 A 4=-9.46815e-007 A 6=-1.07379e-009 A 8= 2.14780e-013 A10=-1.43476e-017
【0076】


各種データ
ズーム比 18.78
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 139.51 540.95
Fナンバー 2.88 4.77 5.88
画角 36.91 8.82 2.29
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 298.11 341.11 398.11
BF 39.99 68.21 106.95

d 5 1.82 69.06 106.97
d16 86.98 30.87 7.00
d25 1.64 18.98 26.36
d28 22.19 8.53 9.11
d35 6.39 6.37 2.64
d38 39.99 68.21 106.95

入射瞳位置 58.12 250.65 596.24
射出瞳位置 -78.94 -59.53 -61.98
前側主点位置 79.95 237.79 -595.10
後側主点位置 11.19 -71.31 -434.00
【0077】
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 172.97 27.73 9.99 -7.86
2 6 -25.78 29.54 7.48 -12.97
3 17 50.77 47.98 20.18 -26.69
4 26 -52.21 5.46 2.59 -0.63
5 29 43.03 20.55 7.83 -5.86
6 36 -50.09 7.84 3.24 -0.93

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -279.31
2 2 242.67
3 4 189.69
4 6 319766.36
5 7 -53.03
6 9 -45.61
7 11 41.06
8 13 -39.13
9 15 150.00
10 18 81.14
11 20 94.11
12 22 -51.47
13 24 49.28
14 26 72.05
15 27 -30.36
16 29 116.02
17 31 -52.70
18 32 50.32
19 34 69.47
20 36 41.62
21 37 -22.92
【0078】
フォーカス
広角端
無限遠 700mm
d19 25.31 24.49
d25 1.64 2.35

中間
無限遠 700mm
d19 25.31 17.77
d25 18.98 19.69

望遠端
無限遠 700mm
d19 25.31 1.00
d25 26.36 27.07
【0079】
【表1】
【符号の説明】
【0080】
LR 後群 L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群 L3A 第1部分群 L3B 第2部分群
L4 第4レンズ群 L5 第5レンズ群 L6 第6レンズ群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13