(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体部に互いに対向する第1の面から第2の面まで貫通する複数の貫通孔が形成され、第1の面側及び第2の面側のいずれか一方又は両方の表面に、各々の貫通孔の周囲の部品が粘着する粘着部と、部品が粘着しない非粘着部が形成された部品搬送用部材の製造方法であって、
前記本体部の第1の面側と第2の面側のいずれか一方又は両方に粘着性ゴムで形成したゴム部の表面の前記粘着部となる部分以外の部分に、レーザー加工、エンボス加工又はマスキング処理を施して前記非粘着部を形成する、部品搬送用部材の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の部品搬送用部材の一例について
図1〜6に基づいて説明する。
本実施形態の部品搬送用部材1は、
図1〜4に示すように、互いに対向する第1の面10a及び第2の面10bを有する本体部10を備えている。本体部10は、平板状の基体12と、基体12の第1の面10a側に粘着性ゴムで形成された第1ゴム部14と、基体12の第2の面10b側に粘着性ゴムで形成された第2ゴム部16とを有する。また、本体部10における第1ゴム部14及び第2ゴム部16が形成された部分には、第1の面10aから第2の面10bまで貫通する貫通孔18が複数形成されている。
【0011】
基体12の第1の面10a側に平面視矩形状の凹部12aが形成され、凹部12a内に平面視矩形状の第1ゴム部14が形成されている。同様に、基体12の第2の面10b側に平面視矩形状の凹部12bが形成され、凹部12b内に平面視矩形状の第2ゴム部16が形成されている。
この例では、貫通孔18を形成する基体12の孔の内壁面12c上に第1ゴム部14及び第2ゴム部16と同じ材質の被覆層20が形成され、第1の面10a側の第1ゴム部14と第2の面10b側の第2ゴム部16とが被覆層20を介して繋がっている。
【0012】
部品搬送用部材1では、
図4に示すように、本体部10の第1の面10a側の第1ゴム部14における各々の貫通孔18の周囲が、表面に部品が粘着する第1粘着部22となっている。また、本体部10の第1の面10a側の第1ゴム部14における第1粘着部22以外の部分は、部品が粘着しない非粘着部24となっている。同様に、本体部10の第2の面10b側の第2ゴム部16における各々の貫通孔18の周囲は、表面に部品が粘着する第2粘着部26となっており、第2粘着部26以外の部分は部品が粘着しない非粘着部28となっている。
部品搬送用部材1では、第1粘着部22又は第2粘着部26の粘着力を利用して、第1の面10a又は第2の面10bのいずれかに部品を粘着させて搬送することができる。
【0013】
基体12の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エポキシ樹脂等の樹脂等が挙げられる。なかでも、基体12の材質としては、剛性の点から、金属が好ましく、軽量化の点から、アルミニウムが特に好ましい。
基体12の材質は、1種であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
【0014】
基体12の平面視形状は、この例では矩形状である。なお、基体12の平面視形状は、矩形状には限定されない。
【0015】
基体12の厚さは、2〜10mmが好ましく、3〜7mmがより好ましい。基体12の厚さが下限値以上であれば、充分な剛性が得られやすく、部品搬送用部材1に撓みや反りが発生しにくいため、搬送時に部品を第1の面10a又は第2の面10bに粘着させることが容易になる。基体12の厚さが上限値以下であれば、部品搬送用部材1を軽量化しやすい。
なお、基体12の厚さとは、基体12における第1粘着部22及び第2粘着部26が形成されている部分の厚さを意味する。
【0016】
貫通孔18は、本体部10における第1ゴム部14及び第2ゴム部16が形成された部分に、第1の面10aから第2の面10bまで貫通するように形成されている。部品搬送用部材1では、本体部10に形成された貫通孔18を利用することで、搬送時に第1の面10a又は第2の面10bに粘着させた部品を容易に剥離させることができる。
例えば、
図5に示すように、本体部10の第2の面10b側を下にし、第2粘着部26の粘着力を利用して第2の面10bに物品100を粘着させて搬送した場合は、以下のような方法が挙げられる。例えば、
図6に示すように、物品100を粘着させた部分の貫通孔18に上方からピン110を挿入し、下方に突き出すことで、ピン110によって突き落とすように物品100を第2の面10bから剥離する。また、物品100を粘着させた部分の貫通孔18に上方から空気を吹き込むことで、その空気圧によって物品100を剥離させてもよい。
本体部10の第1の面10a側に第1粘着部22の粘着力を利用して物品100を粘着させて搬送した場合も同様である。
【0017】
貫通孔18の開口形状は、この例では円形状である。なお、貫通孔18の開口形状は、円形状には限定されず、矩形状等であってもよい。なかでも、貫通孔18の開口形状としては、製作上の簡易さや、剥離の際の突き出しピンの製作し易さ(金型やドリルで製作できる等)点から、円形状が好ましい。
【0018】
貫通孔18の開口径は、0.3〜2.0mmが好ましく、0.5〜1.0mmがより好ましい。貫通孔18の開口径が下限値以上であれば、剥離の際の突き出しピンの強度を確保しやすい。貫通孔18の開口径が上限値以下であれば、より多くの電子部品を搭載できる。
なお、貫通孔18の開口径とは、貫通孔18の開口における最大径を意味する。
【0019】
貫通孔18の開口面積は、0.07065〜3.14mm
2が好ましく、0.19625〜0.785mm
2がより好ましい。貫通孔18の開口面積が下限値以上であれば、剥離の際の突き出しピンの強度を確保しやすい。貫通孔18の開口面積が上限値以下であれば、より多くの電子部品を搭載できる。
【0020】
貫通孔18の数は、搬送する部品の大きさ、形状、数等に応じて適宜設定すればよく、第1の面10a又は第2の面10bに粘着する物品1つに対して、1〜16個が好ましく、1〜4個がより好ましい。前記貫通孔18の数が下限値以上であれば、第1の面10a又は第2の面10bに粘着した物品を搬送後に剥離させやすい。前記貫通孔18の数が上限値以下であれば、突き出しピンのコストを抑えられる。
第1の面10a又は第2の面10bにおける100cm
2あたりの貫通孔18の数は、300〜3000個が好ましく、1000〜2000個がより好ましい。
【0021】
貫通孔18の配列パターンは、特に限定されず、碁盤目状でもよく、千鳥状でもよく、あらゆる配列パターンを採用できる。
また、この例では本体部10の第1ゴム部14及び第2ゴム部16が形成された部分に複数の貫通孔18が全体的に形成されている。しかし、貫通孔18を形成する態様はこのような態様には限定されず、本体部10の第1ゴム部14及び第2ゴム部16が形成された部分における特定の領域だけに複数の貫通孔18を形成してもよい。このように特定の領域に貫通孔18を形成し、当該領域のみを部品の搬送に使用する態様では、第1の面10a又は第2の面10bにおいて部品を位置決めするため、搬送中に加工等を行うことが容易である。
【0022】
この例の第1ゴム部14及び第2ゴム部16は、粘着性ゴムで形成された部分である。この例では、本体部10の第1の面10a側に、全体的に第1ゴム部14が形成されている。同様に、本体部10の及び第2の面10b側に、全体的に第2ゴム部16が形成されている。
第1ゴム部14及び第2ゴム部16の平面視形状は、この例では矩形状であるが、矩形状には限定されない。
第1ゴム部14及び第2ゴム部16の大きさは、搬送する部品の大きさ、形状、数等に応じて適宜設定すればよい。
【0023】
第1ゴム部14の厚さは、0.5〜10mmが好ましく、3〜7mmがより好ましい。第1ゴム部14の厚さが下限値以上であれば、剛性が得られる。第1ゴム部14の厚さが上限値以下であれば、軽量化できる。
なお、第1ゴム部14の厚さは、貫通孔18が形成されていない部分の厚さを意味する。
第2ゴム部16の厚さについても同様である。
【0024】
第1ゴム部14における第1粘着部22は、粘着性ゴムの粘着力により、表面に部品を粘着させることができる部分である。第1ゴム部14における非粘着部24は、レーザー加工、エンボス加工、マスクキング処理等が施されることで、粘着性ゴムの粘着力が発揮されず、表面に部品を粘着させることができなくなっている部分である。
同様に、第2ゴム部16における第2粘着部26は、粘着性ゴムの粘着力により、表面に部品を粘着させることができる部分である。一方、第2ゴム部16における非粘着部28は、前記した処理等が施されることで、粘着性ゴムの粘着力が発揮されず、表面に部品を粘着させることができなくなっている部分である。
【0025】
部品搬送用部材1では、前記のように、本体部10の第1の面10a及び第2の面10bにおいて、貫通孔18の周囲に第1粘着部22及び第2粘着部26が限定的に形成され、それ以外の部分が非粘着部24,28になっている。そのため、本体部10の第1の面10a又は第2の面10bに粘着させた部品を搬送後に剥離させる際に、部品が容易に剥離する。
【0026】
この例の第1粘着部22は、各々の貫通孔18の周囲に円環状に形成されている。なお、第1粘着部22は、円環状には限定されず、例えば、貫通孔18の周囲に平面視で矩形状に形成されていてもよい。
同様に、第2粘着部26は、この例では各々の貫通孔18の周囲に円環状に形成されているが、円環状には限定されず、例えば、貫通孔18の周囲に平面視で矩形状に形成されていてもよい。
また、第1粘着部22及び第2粘着部26は、必ずしも環状でなくてもよい。
【0027】
第1の面10aにおける各々の第1粘着部22の面積は、貫通孔18の開口面積の合計に対して1.5〜4倍が好ましく、2〜3倍がより好ましい。第1粘着部22の面積が下限値以上であれば、第1の面10aに部品を粘着させることが容易になる。第1粘着部22の面積が上限値以下であれば、第1の面10aに粘着した部品を搬送後に剥離させることが容易になる。
第2の面10bにおける第2粘着部26の面積についても同様である。
【0028】
第1粘着部22を含む第1ゴム部14、及び第2粘着部26を含む第2ゴム部16を形成する粘着性ゴムとしては、粘着力を有するものであればよく、例えば、シリコーンゴム、天然ゴム等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れる点から、シリコーンゴムが好ましい。第1ゴム部14及び第2ゴム部16を形成する粘着性ゴムは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。また、第1ゴム部14を形成する粘着性ゴムと第2ゴム部16を形成する粘着性ゴムは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0029】
第1粘着部22には、静電気による電子部品の損傷を抑制する点から、粘着性ゴムに加えて、導電性材料が含有されていることが好ましい。この例では、非粘着部24にも部品が接触するため、第1ゴム部14全体に導電性材料が含有されていることが好ましい。
同様に、第2粘着部26にも、粘着性ゴムに加えて、導電性材料が含有されていることが好ましい。この例では、非粘着部28にも部品が接触するため、第2ゴム部16全体に導電性材料が含有されていることが好ましい。
【0030】
導電性材料としては、例えば、粒子状、繊維状又はフレーク状のカーボン系導電性材料(カーボンブラック等)、イオン導電性材料(第4級アンモニウム塩等)、金属酸化物系導電性材料(酸化亜鉛、酸化チタン等)、金属系導電性材料(銀、銅、ニッケル、亜鉛等)等が挙げられる。
導電性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
第1粘着部22中の導電性材料の割合は、第1粘着部22の表面抵抗が所望の範囲となるように設定すればよい。第1ゴム部14中の導電性材料の割合ついても同様である。また、第2粘着部26中の導電性材料の割合、及び第2ゴム部16中の導電性材料の割合についても同様である。
【0032】
第1粘着部22の表面抵抗は、10
5〜10
9Ω/sq.が好ましく、10
5〜10
7Ω/sqがより好ましい。表面抵抗がこの範囲であると、静電気による電子部品の損傷を抑制でき、またワークやゴミの付着を抑制することができる。
第1ゴム部14、第2粘着部26及び第2ゴム部16の表面抵抗の好ましい範囲は、第1粘着部22の表面抵抗の好ましい範囲と同じである。
【0033】
(製造方法)
部品搬送用部材1の製造方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、第1の面10a側に凹部12aが形成され、第2の面10b側に凹部12bが形成され、複数の貫通孔が形成された基体12を用意する。次いで、前記貫通孔の直径よりも小さい外径のピンを内部に複数備える金型を用い、該金型内に、各々の前記貫通孔に前記ピンを挿入した状態で基体12を設置する。次いで、粘着性ゴム、及び必要に応じて用いる導電性材料を含む材料を、溶融状態で基体12の凹部12a,12b及び前記貫通孔内に流し込み、熱と圧力で硬化させて第1ゴム部14、第2ゴム部16及び被覆層20を形成する。次いで、金型を開いて前記ピンを引き抜き、複数の貫通孔18が形成された部品搬送用部材を得る。その後、第1ゴム部14及び第2ゴム部16の表面における貫通孔18の周囲を除く部分に、レーザー加工、エンボス加工又は印刷等を用いたマスキング処理を施して該部分の粘着力をなくし、第1粘着部22、非粘着部24、第2粘着部26及び非粘着部28を形成する。
【0034】
なお、前記ピンを有しない金型を用いて、貫通孔18が形成されていない第1ゴム部14及び第2ゴム部16を形成した後に、針等を突き刺す等の方法で貫通孔18を形成してもよい。また、エンボス加工は、金型のキャビティ面に凹凸を形成しておくことで、金型内で第1ゴム部14及び第2ゴム部16を形成する際に同時に施してもよい。
【0035】
(作用効果)
以上説明した部品搬送用部材1においては、第1粘着部22又は第2粘着部26の粘着力を利用することで、第1の面10a又は第2の面10bに部品を粘着させた状態で搬送できる。また、搬送後には、貫通孔18にピンを挿入して突き出す方法、貫通孔18に空気を吹き込む方法等により、第1の面10a又は第2の面10bに粘着した部品を容易に剥離させることができる。
【0036】
本体部の第1の面及び第2の面において、粘着部が貫通孔の周囲に限定的に形成されず、全体的に形成されている場合には、第1の面及び第2の面に粘着した部品を搬送後に剥離する際に部品がうまく剥離しないことがある。具体例として、
図7に例示した、第1ゴム部14及び第2ゴム部16が全体的に粘着力を有する粘着部となっている部品搬送用部材101について説明する。部品搬送用部材101を用いて、第2の面10bに部品を粘着させて搬送した場合、搬送後にピン110によって物品100を突き落そうとしたときに、第2ゴム部16における貫通孔18から離れた部分に物品100の端部が粘着したままとなって離れないことがある。
これに対して、部品搬送用部材1では、第1粘着部22及び第2粘着部26が貫通孔18の周囲に限定的に形成され、それ以外の部分が非粘着部24,28とされている。貫通孔18を利用することで第1粘着部22又は第2粘着部26の表面からは物品を容易に剥離できる。また、第1の面10a又は第2の面10bに粘着した部品を剥離する際に、物品100の端部は非粘着部24,28には粘着できない。これらのことから、部品搬送用部材1では搬送後に部品を容易に安定して剥離させることができる。
【0037】
また、部品搬送用部材1においては、例えば、剣山状の複数のピンを備える突き出し部材を用いて全ての貫通孔18から同時にピンを突き出す方法、全ての貫通孔18に同時に空気を吹き込む方法等により、第1の面10a又は第2の面10bに粘着した複数の部品を一度に剥離させることもできる。そのため、生産効率及びコストの面でも優れている。
本発明の部品搬送用部材は、小さな部品の搬送に有効であり、電子部品の搬送により有効であり、チップ抵抗等の薄片状の電子部品の搬送に特に有効である。
【0038】
なお、本発明の部品搬送用部材は、前記した部品搬送用部材1には限定されない。
例えば、本発明の部品搬送用部材は、本体部の第1の面側又は第2の面側のいずれか一方のみに粘着部が形成されたものであってもよい。具体的には、例えば、
図8に示すように、本体部10の第2の面10b側に第2ゴム部16を有さず、第1の面10a側のみに第1粘着部22及び非粘着部24からなる第1ゴム部14が形成された部品搬送用部材2であってもよい。
図8における
図3と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
本発明の部品搬送用部材では、第1の面側又は第2の面側のいずれかに粘着部が形成される態様に比べて、両面を使用できることで2倍の耐久性を有することから、第1の面側と第2の面側の両方に粘着部が形成される態様が好ましい。
【0039】
また、本発明の部品搬送用部材は、
図9に示すように、貫通孔18を形成する基体12の孔の内壁面12c上に、被覆層20が形成されていない部品搬送用部材3であってもよい。
図9における
図3と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
【0040】
また、
図1〜3に例示した部品搬送用部材1は、比較的厚みのあるものであるが、本発明の部品搬送用部材は、
図10に示すように、薄型の部品搬送用部材4であってもよい。部品搬送用部材4は、薄型である以外は部品搬送用部材1と同様である。このような薄型の部品搬送用部材は、軽量化、コストの面で有利である。
一方、薄型の部品搬送用部材(例えば厚さ0.2mm以上2.0mm未満)は、厚型の部品搬送用部材(例えば厚さ2.0〜10mm)に比べて、搬送時に撓みや反りが生じやすい傾向がある。また、前記したような複数のピンを備える金型を用いて製造する場合、脱型の際に反りが生じやすい傾向がある。そのため、部品を安定して粘着させるために粘着部の表面形状に高い精密さが要求される場合は、反りや撓みが発生しにくい点から、薄型の部品搬送用部材よりも厚型の部品搬送用部材の方が好ましい。
【0041】
また、本発明の部品搬送用部材は、基体を有さない本体部を備えるものであってもよい。具体的には、例えば、本体部全体が粘着性ゴムで形成され、その第1の面側及び第2の面側における貫通孔の周囲が限定的に粘着部とされ、該粘着部以外の部分が非粘着部とされた部品搬送用部材であってもよい。剛性に優れ、反りや撓みが発生しにくい点では、部品搬送用部材1のように、基体を有する本体部を備える部品搬送用部材が好ましい。
【0042】
また、本発明の部品搬送用部材は、粘着部及び非粘着部を含むゴム部を形成しないものであってもよい。例えば、
図11に示すように、基体12の第1の面10a側及び第2の面10b側における貫通孔18の周囲に、粘着性ゴムにより環状の第1粘着部22及び第2粘着部26を限定的に形成し、基体12の第1の面10a側及び第2の面10b側における第1粘着部22及び第2粘着部26以外の部分を非粘着部24,28とした部品搬送用部材5であってもよい。
【0043】
また、本発明の部品搬送用部材では、第1の面及び第2の面の両方に粘着部が形成されている場合、通常は搬送時に両方の粘着部を同時に用いずに、いずれか一方の面の粘着部のみを用いるが、必要に応じて両方の粘着部を同時に用いて搬送を行ってもよい。ただし、この場合は、搬送後に物品を剥離する際に貫通孔を利用できるように、第1の面及び第2の面のそれぞれに粘着させた物品で貫通孔の両方の開口を塞がないようにする必要がある。