【文献】
3GPP TSG-RAN,E-UTRA Physical layer procedures,3GPP TS36.213 V9.2.0,2010年 6月,P. 35-37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、超高周波帯域を支援する無線接続システムに関し、特に、超高周波帯域でチャネル老化効果を考慮したチャネル品質指示(CQI)情報を送受信する方法及びそれを支援する装置を提供する。
【0023】
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれてもよく、又は他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられてもよい。
【0024】
図面に関する説明において、本発明の要旨を曖昧にさせうる手順又は段階などは記述を省略し、当業者のレベルで理解できるような手順又は段階も記述を省略した。
【0025】
本明細書で、本発明の実施例は、基地局と移動局間のデータ送受信関係を中心に説明した。ここで、基地局は移動局と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)によって行われてもよい。
【0026】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network node)からなるネットワークで移動局との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われてもよい。ここで、「基地局」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、発展した基地局(ABS:Advanced Base Station)又はアクセスポイント(access point)などの用語に代えてもよい。
【0027】
また、本発明の実施例でいう「端末(Terminal)」は、ユーザ機器(UE:User Equipment)、移動局(MS:Mobile Station)、加入者端末(SS:Subscriber Station)、移動加入者端末(MSS:Mobile Subscriber Station)、移動端末(Mobile Terminal)、又は発展した移動端末(AMS:Advanced Mobile Station)などの用語に代えてもよい。
【0028】
また、送信端は、データサービス又は音声サービスを提供する固定及び/又は移動ノードを意味し、受信端は、データサービス又は音声サービスを受信する固定及び/又は移動ノードを意味する。そのため、上りリンクでは、移動局を送信端とし、基地局を受信端とすることができる。同様に、下りリンクでは、移動局を受信端とし、基地局を送信端とすることができる。
【0029】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802.xxシステム、3GPP(3rd Generation Partnership Project)システム、3GPP LTEシステム及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができ、特に、本発明の実施例は、3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.212、3GPP TS 36.213及び3GPP TS 36.321の文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において説明していない自明な段階又は部分は、上記の文書を参照して説明することができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
【0030】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのもので、本発明が実施されうる唯一の実施の形態を示すためのものではない。
【0031】
また、本発明の実施例で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
【0032】
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)などのような様々な無線接続システムに適用することができる。
【0033】
CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。
【0034】
UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であって、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)システムは、3GPP LTEシステムの改良されたシステムである。本発明の技術的特徴に関する説明を明確にするために、本発明の実施例を3GPP LTE/LTE−Aシステムを中心に説明するが、IEEE 802.16e/mシステムなどに適用してもよい。
【0035】
1. 3GPP LTE/LTE_Aシステム
無線接続システムにおいて、端末は下りリンク(DL:Downlink)を介して基地局から情報を受信し、上りリンク(UL:Uplink)を介して基地局に情報を送信する。基地局と端末が送受信する情報は、一般データ情報及び様々な制御情報を含み、これらが送受信する情報の種類/用途によって様々な物理チャネルが存在する。
【0036】
1.1 システム一般
図1は、本発明の実施例で使用できる物理チャネル及びこれらを用いた信号送信方法を説明するための図である。
【0037】
電源が消えた状態で電源がついたり、新しくセルに進入したりした端末は、S11段階で基地局と同期を取るなどの初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、端末は基地局から1次同期チャネル(P−SCH:Primary Synchronization Channel)及び2次同期チャネル(S−SCH:Secondary Synchronization Channel)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得する。
【0038】
その後、端末は基地局から物理放送チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)信号を受信してセル内の放送情報を取得することができる。一方、端末は初期セル探索段階で下りリンク参照信号(DL RS:Downlink Reference Signal)を受信して下りチャネル状態を確認することができる。
【0039】
初期セル探索を終えた端末は、S12段階で、物理下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、及び物理下り制御チャネル情報に基づく物理下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)を受信し、より具体的なシステム情報を取得することができる。
【0040】
その後、端末は、基地局に接続を完了するために、段階S13乃至段階S16のようなランダムアクセス手順(Random Access Procedure)を行うことができる。そのために、端末は物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)を用いてプリアンブル(preamble)を送信し(S13)、物理下り制御チャネル及びこれに対応する物理下り共有チャネルを用いてプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S14)。競合ベースのランダムアクセスでは、端末は、さらなる物理ランダムアクセスチャネル信号の送信(S15)、及び物理下り制御チャネル信号及びこれに対応する物理下り共有チャネル信号の受信(S16)のような衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0041】
上述したような手順を行った端末は、その後、一般的な上り/下り信号送信手順として、物理下り制御チャネル信号及び/又は物理下り共有チャネル信号の受信(S17)及び物理上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)信号及び/又は物理上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)信号の送信(S18)を行うことができる。
【0042】
端末が基地局に送信する制御情報を総称して、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)という。UCIは、HARQ−ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest Acknowledgement/Negative−ACK)、SR(Scheduling Request)、CQI(Channel Quality Indication)、PMI(Precoding Matrix Indication)、RI(Rank Indication)情報などを含む。
【0043】
LTEシステムにおいて、UCIは、一般的にPUCCHを介して周期的に送信するが、制御情報とトラフィックデータが同時に送信されるべき場合にはPUSCHを介して送信してもよい。また、ネットワークの要請/指示に応じてPUSCHを介してUCIを非周期的に送信してもよい。
【0044】
図2には、本発明の実施例で用いられる無線フレームの構造を示す。
【0045】
図2(a)は、タイプ1フレーム構造(frame structure type 1)を示す。タイプ1フレーム構造は、全二重(full duplex)FDD(Frequency Division Duplex)システムと半二重(half duplex)FDDシステムの両方に適用することができる。
【0046】
1無線フレーム(radio frame)は、
【0050】
の均等な長さを有し、0から19までのインデックスが与えられた20個のスロットで構成される。1サブフレームは、2個の連続したスロットと定義され、i番目のサブフレームは、2i及び2i+1に該当するスロットで構成される。すなわち、無線フレーム(radio frame)は、10個のサブフレーム(subframe)で構成される。1サブフレームを送信するために掛かる時間をTTI(transmission time interval)という。ここで、T
sはサンプリング時間を表し、T
s=1/(15kHz×2048)=3.2552×10
−8(約33ns)と表示される。スロットは、時間領域で複数のOFDMシンボル又はSC−FDMAシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block)を含む。
【0051】
1スロットは、時間領域で複数のOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)シンボルを含む。3GPP LTEは、下りリンクでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルは1シンボル区間(symbol period)を表現するためのものである。OFDMシンボルは、1つのSC−FDMAシンボル又はシンボル区間ということができる。リソースブロック(resource block)は、リソース割り当て単位であって、1スロットで複数の連続した副搬送波(subcarrier)を含む。
【0052】
全二重FDDシステムでは、各10ms区間で10個のサブフレームを下り送信と上り送信のために同時に利用することができる。このとき、上り送信と下り送信は周波数領域で区別される。一方、半二重FDDシステムでは、端末は送信と受信を同時に行うことができない。
【0053】
上述した無線フレームの構造は一つの例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0054】
図2(b)には、タイプ2フレーム構造(frame structure type 2)を示す。タイプ2フレーム構造はTDDシステムに適用される。1無線フレームは、
【0058】
長さを有する2個のハーフフレーム(half−frame)で構成される。各ハーフフレームは、
【0060】
の長さを有する5個のサブフレームで構成される。i番目のサブフレームは、2i及び2i+1に該当する各
【0062】
の長さを有する2個のスロットで構成される。ここで、T
sは、サンプリング時間を表し、T
s=1/(15kHz×2048)=3.2552×10
−8(約33ns)で表示される。
【0063】
タイプ2フレームは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(GP:Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)の3つのフィールドで構成される特別サブフレームを含む。ここで、DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を合わせるために用いられる。保護区間は、上りリンクと下りリンクの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
【0064】
下記の表1に、特別フレームの構成(DwPTS/GP/UpPTSの長さ)を示す。
【0066】
図3は、本発明の実施例で使用できる下りリンクスロットのリソースグリッド(resource grid)を例示する図である。
【0067】
図3を参照すると、1つの下りリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含む。ここで、1つの下りリンクスロットは、7個のOFDMシンボルを含み、1つのリソースブロックは周波数領域で12個の副搬送波を含むとするが、これに限定されるものではない。
【0068】
リソースグリッド上で各要素(element)をリソース要素(resource element)とし、1つのリソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの数N
DLは、下りリンク送信帯域幅(bandwidth)に依存する。上りリンクスロットの構造は、下りリンクスロットの構造と同一であってもよい。
【0069】
図4は、本発明の実施例で使用できる上りリンクサブフレームの構造を示す。
【0070】
図4を参照すると、上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別される。制御領域には、上り制御情報を運ぶPUCCHが割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを運ぶPUSCHが割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信することがない。一つの端末に対するPUCCHにはサブフレーム内にRB対が割り当てられる。RB対に属するRBは、2個のスロットのそれぞれで異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられたRB対はスロット境界(slot boundary)で周波数跳躍(frequency hopping)するという。
【0071】
図5には、本発明の実施例で使用できる下りサブフレームの構造を示す。
【0072】
図5を参照すると、サブフレームにおける第一のスロットでOFDMシンボルインデックス0から最大3個のOFDMシンボルが、制御チャネルが割り当てられる制御領域(control region)であり、残りのOFDMシンボルが、PDSCHが割り当てられるデータ領域(data region)である。3GPP LTEで用いられる下りリンク制御チャネルの例には、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)などがある。
【0073】
PCFICHは、サブフレームにおける最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内に制御チャネルの送信のために使われるOFDMシンボルの数(すなわち、制御領域のサイズ)に関する情報を運ぶ。PHICHは、上りリンクに対する応答チャネルであって、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgement)/NACK(Negative−Acknowledgement)信号を運ぶ。PDCCHを介して送信される制御情報を下り制御情報(DCI:downlink control information)という。下り制御情報は、上りリソース割り当て情報、下りリソース割り当て情報、又は任意の端末グループに対する上り送信(Tx)電力制御命令を含む。
【0074】
図6は、本発明の実施例で使用できるシンボルの構成図である。
【0075】
本発明の実施例では、
図6に示すように、2つの形態のフレーム構造を支援することができる。これは、LTE/LTE−Aシステムがセルラーシステムの様々なシナリオを支援するためである。
【0076】
LTE/LTE−Aシステムは、室内、都会、郊外、田舎の環境をカバーするように設計されており、端末の移動速度としては350〜500kmまで考慮する。LTE/LTE−Aシステムが運用される中心周波数は400MHz〜4GHzが一般的であり、可用周波数帯域は1.4〜20MHzである。これは、中心周波数と可用周波数帯域によって、遅延拡散(delay spread)及びドップラー周波数(Doppler’s frequency)が互いに異なりうるということを意味する。
【0077】
図6を参照すると、一般CP(Normal Cyclic Prefix)の場合、サブキャリア間隔(subcarrier spacing)はΔf=15kHzであり、CPは約4.7usである。また、拡張CP(Extended CP)の場合、サブキャリア間隔は同様にΔf=15kHzであり、CPは約16.7usである。拡張CPは、長いCP区間(duration)を有することから、相対的に広い郊外又は田舎に設けられた広い範囲のセルを支援することができる。
【0078】
一般に、郊外又は田舎に設けられたセルであるほど、遅延拡散の長さが長くなり、シンボル間干渉(ISI:Inter−Symbol Interference)を確実に解決するためには、相対的に長い区間を有する拡張CPが必要であるが、一般CPに比べてオーバーヘッドが増加し、スペクトル効率(spectral efficiency)/送信リソース(transmission resource)上の損失が発生するというトレードオフ(trade−off)がある。
【0079】
そこで、LTE/LTE−Aシステムは、このようなあらゆるセル配置シナリオを支援するために、一般CP/拡張CPの値を固定して用いており、CP長の決定において次のような設計基準を用いている。
【0081】
ここで、T
CPは、CPの時間区間を意味し、T
dは、遅延拡散区間を意味し、
【0083】
は、サブキャリア間隔を意味する。また、f
dmaxは、最大ドップラー拡散値を表す。
【0084】
1.2 PDCCH(Physical Downlink Control Channel)
1.2.1 PDCCH一般
PDCCHは、DL−SCH(Downlink Shared Channel)のリソース割り当て及び送信フォーマット(すなわち、下りリンクグラント(DL−Grant))、UL−SCH(Uplink Shared Channel)のリソース割り当て情報(すなわち、上りリンクグラント(UL−Grant))、PCH(Paging Channel)におけるページング(paging)情報、DL−SCHにおけるシステム情報、PDSCHで送信されるランダムアクセス応答(random access response)のような上位レイヤ(upper−layer)制御メッセージに対するリソース割り当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令の集合、VoIP(Voice over IP)活性化の有無に関する情報などを運ぶことができる。
【0085】
複数のPDCCHを制御領域内で送信することができ、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは、1つ又は複数の連続したCCE(control channel elements)の集合(aggregation)で構成される。1つ又は複数の連続したCCEの集合で構成されたPDCCHは、サブブロックインターリービング(subblock interleaving)を経た後、制御領域を通して送信することができる。CCEは、無線チャネルの状態による符号化率をPDCCHに提供するために使われる論理的割り当て単位である。CCEは、複数のリソース要素グループ(REG:resource element group)に対応する。CCEの数とCCEによって提供される符号化率の関係によってPDCCHのフォーマット及び可能なPDCCHのビット数が決定される。
【0086】
1.2.2 PDCCH構造
複数の端末に対する多重化された複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよい。PDCCHは1つ又は2つ以上の連続したCCEの集合(CCE aggregation)で構成される。CCEは、4個のリソース要素で構成されたREGの9個のセットに対応する単位のことを指す。各REGには4個のQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)シンボルがマップされる。参照信号(RS:Reference Signal)によって占有されたリソース要素はREGに含まれない。すなわち、OFDMシンボル内でREGの総個数は、セル特定参照信号が存在するか否かによって異なってくることがある。4個のリソース要素を1つのグループにマップするREGの概念は、他の下り制御チャネル(例えば、PCFICH又はPHICH)にも適用することができる。PCFICH又はPHICHに割り当てられないREGを
【0088】
とすれば、システムで利用可能なCCEの個数は
【0093】
端末のデコーティングプロセスを単純化するために、n個のCCEを含むPDCCHフォーマットは、nの倍数と同じインデックスを有するCCEから開始することができる。すなわち、CCEインデックスがiである場合、
【0095】
を満たすCCEから開始することができる。
【0096】
基地局は1つのPDCCH信号を構成するために{1,2,4,8}個のCCEを使用することができ、ここで、{1,2,4,8}をCCE集合レベル(aggregation level)と呼ぶ。特定PDCCHの送信のために使われるCCEの個数はチャネル状態によって基地局で決定される。例えば、良子な下りチャネル状態(基地局に近接している場合)を有する端末のためのPDCCHは、1つのCCEだけで十分でありうる。一方、よくないチャネル状態(セル境界にある場合)を有する端末の場合は、8個のCCEが十分な堅牢さ(robustness)のために要求されることがある。しかも、PDCCHの電力レベルも、チャネル状態にマッチングして調節されてもよい。
【0097】
下記の表2にPDCCHフォーマットを示す。CCE集合レベルによって表2のように4つのPDCCHフォーマットが支援される。
【0099】
端末ごとにCCE集合レベルが異なる理由は、PDCCHに乗せられる制御情報のフォーマット又はMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルが異なるためである。MCSレベルは、データコーディングに用いられるコードレート(code rate)と変調序列(modulation order)を意味する。適応的なMCSレベルはリンク適応(link adaptation)のために用いられる。一般に、制御情報を送信する制御チャネルでは3〜4個程度のMCSレベルを考慮することができる。
【0100】
制御情報のフォーマットを説明すると、PDCCHを介して送信される制御情報を下り制御情報(DCI)という。DCIフォーマットによってPDCCHペイロード(payload)に乗せられる情報の構成が異なることがある。PDCCHペイロードは、情報ビット(information bit)を意味する。下記の表3は、DCIフォーマットによるDCIを示すものである。
【0102】
表3を参照すると、DCIフォーマットには、PUSCHスケジューリングのためのフォーマット0、1つのPDSCHコードワードのスケジューリングのためのフォーマット1、1つのPDSCHコードワードの簡単な(compact)スケジューリングのためのフォーマット1A、DL−SCHの非常に簡単なスケジューリングのためのフォーマット1C、閉ループ(Closed−loop)空間多重化(spatial multiplexing)モードでPDSCHスケジューリングのためのフォーマット2、開ループ(Open loop)空間多重化モードでPDSCHスケジューリングのためのフォーマット2A、上りリンクチャネルのためのTPC(Transmission Power Control)命令の送信のためのフォーマット3及び3Aがある。また、多重アンテナポート送信モードでPUSCHスケジューリングのためのDCIフォーマット4が追加された。DCIフォーマット1Aは、端末にいかなる送信モードが設定されても、PDSCHスケジューリングのために用いることができる。
【0103】
DCIフォーマットによってPDCCHペイロード長が変わることがある。また、PDCCHペイロードの種類とそれによる長さは、簡単な(compact)スケジューリングであるか否か、又は端末に設定された送信モード(transmission mode)などによって変わることがある。
【0104】
送信モードは、端末がPDSCHを介した下りリンクデータを受信するように設定(configuration)することができる。例えば、PDSCHを介した下りリンクデータには、端末にスケジュールされたデータ(scheduled data)、ページング、ランダムアクセス応答、又はBCCHを介したブロードキャスト情報などがある。PDSCHを介した下りリンクデータは、PDCCHを介してシグナルされるDCIフォーマットと関係がある。送信モードは、上位層シグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)によって端末に半静的に(semi−statically)設定することができる。送信モードは、シングルアンテナ送信(Single antenna transmission)又はマルチアンテナ(Multi−antenna)送信と区別できる。
【0105】
端末は、上位層シグナリングによって半静的(semi−static)に送信モードが設定される。例えば、マルチアンテナ送信には、送信ダイバーシティ(Transmit diversity)、開ループ(Open−loop)又は閉ループ(Closed−loop)空間多重化(Spatial multiplexing)、MU−MIMO(Multi−user−Multiple Input Multiple Output)、及びビーム形成(Beamforming)などがある。送信ダイバーシティは、多重送信アンテナで同一のデータを送信して送信信頼度を高める技術である。空間多重化は、多重送信アンテナで互いに異なるデータを同時に送信し、システムの帯域幅を増加させることなく高速のデータを送信できる技術である。ビーム形成は、多重アンテナでチャネル状態による加重値を与えて信号のSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)を増加させる技術である。
【0106】
DCIフォーマットは、端末に設定された送信モードに依存する。端末は、自身に設定された送信モードによってモニタする参照(Reference)DCIフォーマットがある。次の通り、端末に設定される送信モードは10個の送信モードを有することができる。
・ 送信モード1:単一アンテナ送信
・ 送信モード2:送信ダイバーシティ
・ 送信モード3:レイヤが1個よりも多い場合には開ループ(open−Ioop)コードブックベースのプリコーディング、ランクが1の場合には送信ダイバーシティ
・ 送信モード4:閉ループ(closed−loop)コードブックベースのプリコーディング
・ 送信モード5:送信モード4バージョンの多重ユーザ(multi−user)MIMO
・ 送信モード6:単一レイヤ送信に制限された特殊な場合の閉ループコードブックベースのプリコーディング
・ 送信モード7:単一レイヤ送信のみを支援するコードブックに基づかないプリコーディング(release 8)
・ 送信モード8:最大2個のレイヤまで支援するコードブックに基づかないプリコーディング(release 9)
・ 送信モード9:最大8個のレイヤまで支援するコードブックに基づかないプリコーディング(release 10)
・ 送信モード10:最大8個のレイヤまで支援するコードブックに基づかないプリコーディング、COMP用途(release 11)
1.2.3 PDCCH送信
基地局は、端末に送信しようとするDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報にCRC(Cyclic Redundancy Check)を付加する。CRCにはPDCCHの所有者(owner)や用途によって固有の識別子(例えば、RNTI(Radio Network Temporary Identifier))をマスクする。特定の端末のためのPDCCHであれば、端末固有の識別子(例えば、C−RNTI(Cell−RNTI))をCRCにマスクすることができる。又は、ページングメッセージのためのPDCCHであれば、ページング指示識別子(例えば、P−RNTI(Paging−RNTI))をCRCにマスクすることができる。システム情報、より具体的にシステム情報ブロック(system information block、SIB)のためのPDCCHであれば、システム情報識別子(例えば、SI−RNTI(system information RNTI))をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すためにRA−RNTI(random access−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0107】
続いて、基地局は、CRCの付加された制御情報にチャネルコーディングを行って符号化されたデータ(coded data)を生成する。このとき、MCSレベルによるコードレートにチャネルコーディングを行うことができる。基地局は、PDCCHフォーマットに割り当てられたCCE集合レベルによる伝送率マッチング(rate matching)を行い、符号化されたデータを変調して変調シンボルを生成する。この時、MCSレベルによる変調序列を用いることができる。1つのPDCCHを構成する変調シンボルは、CCE集合レベルが1、2、4、8のいずれか一つであってもよい。その後、基地局は、変調シンボルを物理的なリソース要素にマップ(CCE to RE mapping)する。
【0108】
1.2.4 ブラインドデコーティング(BS:Blind Decoding)
1つのサブフレーム内で複数のPDCCHが送信されてもよい。すなわち、1つのサブフレームの制御領域は、インデックス
【0110】
を有する複数のCCEで構成される。ここで、
【0112】
は、k番目のサブフレームの制御領域における総CCEの個数を意味する。端末は、毎サブフレームごとに複数のPDCCHをモニタする。ここでいうモニタとは、端末が、モニタされるPDCCHフォーマットによってPDCCHのそれぞれのデコーティングを試みることを指す。
【0113】
サブフレーム内で割り当てられた制御領域において、基地局は、端末に該当するPDCCHがどこにあるかに関する情報を提供しない。端末は、基地局から送信された制御チャネルを受信するために、自身のPDCCHがどの位置でどのCCE集合レベルやDCIフォーマットで送信されるかが把握できず、サブフレーム内でPDCCH候補(candidate)の集合をモニタして自身のPDCCHを探す。これをブラインドデコーティング(BD)という。ブラインドデコーティングは、端末がCRC部分に自身の端末識別子(UE ID)をデマスキング(De−Masking)させた後、CRC誤りを検討し、当該PDCCHが自身の制御チャネルであるか否かを確認する方法をいう。
【0114】
活性モード(active mode)で、端末は、自身に送信されるデータを受信するために毎サブフレームのPDCCHをモニタする。DRXモードで、端末は、毎DRX周期のモニタリング区間で起床して(wake up)モニタリング区間に該当するサブフレームでPDCCHをモニタする。PDCCHのモニタリングが行われるサブフレームをnon−DRXサブフレームという。
【0115】
端末は、自身に送信されるPDCCHを受信するためには、non−DRXサブフレームの制御領域に存在する全てのCCEに対してブラインドデコーティングを行わなければならない。端末は、どんなPDCCHフォーマットが送信されるかが把握できず、毎non−DRXサブフレーム内でPDCCHのブラインドデコーティングに成功するまで、可能なCCE集団レベルでPDCCHを全てデコーティングしなければならない。端末は、自身のためのPDCCHがいくつのCCEを使用するかが把握できず、PDCCHのブラインドデコーティングに成功するまで、可能な全てのCCE集団レベルで検出を試みなければならない。
【0116】
LTEシステムでは、端末のブラインドデコーティングのためにサーチスペース(SS:Search Space)という概念を定義する。サーチスペースは、端末がモニタするためのPDCCH候補セットを意味し、各PDCCHフォーマットによって異なるサイズを有することができる。サーチスペースは、共用サーチスペース(CSS:Common Search Space)及び端末特定サーチスペース(USS:UE−specific/Dedicated Search Space)で構成できる。
【0117】
共用サーチスペースは、全ての端末が共用サーチスペースのサイズを把握できるが、端末特定サーチスペースは、各端末ごとに個別に設定することができる。そのため、端末は、PDCCHをデコーティングするために、端末特定サーチスペース及び共用サーチスペースを全てモニタしなければならず、よって、1つのサブフレームで最大44回のブラインドデコーティング(BD)を行うことになる。ここでは、互いに異なるCRC値(例えば、C−RNTI、P−RNTI、SI−RNTI、RA−RNTI)によって行うブラインドデコーティングは含まない。
【0118】
サーチスペースの制約によって、基地局は、与えられたサブフレーム内でPDCCHを送信しようとする端末の全てにPDCCHを送信するためのCCEリソースを確保できない場合が発生しうる。なぜなら、CCE位置が割り当てられてから残ったリソースは、特定端末のサーチスペース内に含まれないことがあるためである。次のサブフレームにも続きうるこのような障壁を最小化するために、端末特定跳躍(hopping)シーケンスが端末特定サーチスペースの開始地点に適用されてもよい。
【0119】
表4には、共用サーチスペースと端末特定サーチスペースのサイズを示す。
【0121】
ブラインドデコーティングを試みる回数による端末の負荷を軽減するために、端末は、定義された全てのDCIフォーマットによるサーチを同時に行わない。具体的に、端末は、端末特定サーチスペースで常にDCIフォーマット0と1Aに対するサーチを行う。このとき、DCIフォーマット0と1Aは同一のサイズを有するが、端末は、PDCCHに含まれたDCIフォーマット0と1Aを区別するために用いられるフラグ(flag for format 0/format 1A differentiation)を用いてDCIフォーマットを区別できる。また、端末にDCIフォーマット0とDCIフォーマット1A以外の他のDCIフォーマットが要求されることもあるが、その一例に、DCIフォーマット1、1B、2がある。
【0122】
共用サーチスペースで端末はDCIフォーマット1Aと1Cをサーチすることができる。また、端末は、DCIフォーマット3又は3Aをサーチできるように設定されてもよく、DCIフォーマット3と3AはDCIフォーマット0と1Aと同じ大きさを有するが、端末は、端末特定識別子以外の識別子によってスクランブルされたCRCを用いてDCIフォーマットを区別することができる。
【0127】
によるPDCCH候補セットを意味する。サーチスペースのPDCCH候補セット
【0129】
によるCCEは、下記の式1によって決定することができる。
【0133】
はサーチスペースでモニタするためのCCE集合レベルLによるPDCCH候補の個数を表し、
【0137】
は、各PDCCH候補で個別CCEを指定するインデックスを表し、
【0143】
は、無線フレーム内でスロットインデックスを表す。
【0144】
上述したとおり、端末は、PDCCHをデコーティングするために、端末特定サーチスペース、共用サーチスペースの両方をモニタする。ここで、共用サーチスペース(CSS)は、{4,8}の集合レベルを有するPDCCHを支援し、端末特定サーチスペース(USS)は、{1,2,4,8}の集合レベルを有するPDCCHを支援する。表5に、端末によってモニタされるPDCCH候補を示す。
【0146】
式1を参照すると、共用サーチスペースの場合、2個の集合レベル、L=4及びL=8に対して
【0148】
は0に設定される。一方、端末特定サーチスペースの場合、集合レベルLに対して
【0159】
1.3 参照信号(RS:Reference Signal)
以下では、本発明の実施例で利用可能な参照信号について説明する。
【0160】
図7は、本発明の実施例で利用可能なセル特定参照信号(CRS:Cell specific Reference Signal)が割り当てられたサブフレームの一例を示す図である。
【0161】
図7には、システムにおいて4個アンテナを支援する場合にCRSの割り当て構造を示す。3GPP LTE/LTE−AシステムにおいてCRSは、デコーディング及びチャネル状態測定を目的に用いられる。このため、CRSは、PDSCH送信を支援するセル(cell)内の全ての下りリンクサブフレームで全下りリンク帯域幅にわたって送信され、基地局(eNB)に構成された全てのアンテナポートで送信される。
【0162】
具体的に、CRSシーケンスは、スロットn
sでアンテナポートpのための参照シンボルとして用いられる複素変調シンボル(complex−valued modulation symbols)
【0166】
ここで、n
sは、無線フレームにおけるスロット番号を表す。lは、スロットにおけるOFDMシンボル番号であり、次の式4によって決定される。
【0168】
ここで、kは、副搬送波インデックスを表し、
【0170】
の整数倍で表現された最大の下りリンク帯域幅設定(configuration)を表す。変数v及びv
shiftは、互いに異なるRSのために周波数ドメインで位置を定義する。vは、次の式5のように与えられる。
【0172】
セル−特定的周波数遷移v
shiftは、次のとおり、物理層セル識別子(physical layer cell identity)
【0176】
UEは、CRSを用いてCSIを測定することができ、CRSを用いて、CRSを含むサブフレームでPDSCHを介して受信した下りリンクデータ信号をデコードすることができる。すなわち、eNBは、全てのRBにおいて各RB内の一定の位置でCRSを送信し、UEは、当該CRSを基準にチャネル推定を行った後にPDSCHを検出する。例えば、UEは、CRS REで受信した信号を測定する。UEは、CRS RE別受信エネルギーとPDSCHのマップされたRE別受信エネルギーとの比を用いて、PDSCHのマップされたREからPDSCH信号を検出することができる。
【0177】
このようにCRSに基づいてPDSCH信号を送信すると、eNBは、全てのRBに対してCRSを送信しなければならず、余計なRSオーバーヘッドが発生する。このような問題点を解決するために、3GPP LTE−Aシステムでは、CRSの他に、UE−特定RS(以下、UE−RS)及びチャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information Reference Signal)をさらに定義する。UE−RSは、復調のために用いられ、CSI−RSは、チャネル状態情報を取得する(derive)ために用いられる。
【0178】
UE−RS及びCRSは、復調のために用いられることから、用途の側面では復調用RSということができる。すなわち、UE−RSはDMRS(DeModulation Reference Signal)の一種と見なすことができる。また、CSI−RS及びCRSは、チャネル測定或いはチャネル推定に用いられることから、用途の側面ではチャネル状態測定用RSということができる。
【0179】
図8は、本発明の実施例で利用可能なCSI−RSがアンテナポートの個数によって割り当てられたサブフレームの一例を示す図である。
【0180】
CSI−RSは、復調の目的ではなく無線チャネルの状態測定の目的で3GPP LTE−Aシステムに導入された下りリンク参照信号である。3GPP LTE−Aシステムは、CSI−RS送信のために複数のCSI−RS設定を定義している。CSI−RS送信が構成されたサブフレームにおいてCSI−RSシーケンスは、アンテナポートp上の参照シンボルとして用いられる複素変調シンボル
【0190】
及びn
s上の必要な(necessary)条件は、一般CP及び拡張CPに対してそれぞれ、表6及び表7によって与えられる。すなわち、表6及び表7のCSI RS設定は、RB対内で各アンテナポートのCSI−RSが占有するREの位置を示す。
【0193】
図8(a)は、表6のCSI−RS構成のうち、2個のCSI−RSポートによるCSI−RS送信に利用可能な20種のCSI−RS構成0〜19を示し、
図8(b)は、表6のCSI−RS構成のうち、4個のCSI−RSポートによって利用可能な10種のCSI−RS構成0〜9を示し、
図8(c)は、表6のCSI−RS構成のうち、8個のCSI−RSポートによって利用可能な5種のCSI−RS構成0〜4を示している。
【0194】
ここで、CSI−RSポートは、CSI−RS送信のために設定されたアンテナポートを意味する。例えば、式8で、アンテナポート15〜22がCSI−RSポートに該当する。CSI−RSポートの個数によってCSI−RS構成が異なってくるため、CSI−RS構成番号が同一であっても、CSI−RS送信のために構成されたアンテナポートの個数が異なると、異なったCSI−RS構成となる。
【0195】
一方、CSI−RSは、毎サブフレームごとに送信されるように構成されたCRSとは違い、複数のサブフレームに該当する所定の送信周期ごとに送信されるように設定される。このため、CSI−RS構成は、表6或いは表7によるリソースブロック対内でCSI−RSが占有するREの位置だけでなく、CSI−RSが設定されるサブフレームによっても異なってくる。
【0196】
また、表6又は表7で、CSI−RS構成番号が同一であっても、CSI−RS送信のためのサブフレームが異なると、CSI−RS構成も異なると見なすことができる。例えば、CSI−RS送信周期(T
CSI−RS)が異なるか、又は1無線フレーム内でCSI−RS送信が構成された開始サブフレーム(Δ
CSI−RS)が異なると、CSI−RS構成が異なると見なすことができる。
【0197】
以下では、(1)表6又は表7のCSI−RS構成番号が与えられたCSI−RS構成と、(2)表6又は表7のCSI−RS構成番号、CSI−RSポートの個数及び/又はCSI−RSが構成されたサブフレームによって異なってくるCSI−RS構成とを区分するために、後者の構成をCSI−RSリソース構成(CSI−RS resource configuration)と呼ぶ。前者の設定は、CSI−RS構成又はCSI−RSパターンと呼ぶ。
【0198】
eNBはUEにCSI−RSリソース構成を知らせる際、CSI−RSの送信のために用いられるアンテナポートの個数、CSI−RSパターン、CSI−RSサブフレーム構成(CSI−RS subframe configuration)I
CSI−RS、CSIフィードバックのための参照PDSCH送信電力に関するUE仮定(UE assumption on reference PDSCH transmitted power for CSI feedback)P
c、ゼロパワーCSI−RS構成リスト、ゼロパワーCSI−RSサブフレーム構成などに関する情報を知らせることができる。
【0199】
CSI−RSサブフレーム構成インデックスI
CSI−RSは、CSI−RSの存在(occurrence)に対するサブフレーム構成周期T
CSI−RS及びサブフレームオフセットΔ
CSI−RSを特定する情報である。次の表4は、T
CSI−RS及びΔ
CSI−RSによるCSI−RSサブフレーム構成インデックスI
CSI−RSを例示するものである。
【0201】
次の式9を満たすサブフレームが、CSI−RSを含むサブフレームとなる。
【0203】
3GPP LTE−Aシステム以降に定義された送信モード(例えば、送信モード9或いはその他新しく定義される送信モード)として設定されたUEは、CSI−RSを用いてチャネル測定を行い、UE−RSを用いてPDSCHを復号することができる。
【0204】
図9は、本発明の実施例で利用可能なUE−特定参照信号(UE−RS)が割り当てられたサブフレームの一例を示す図である。
【0205】
図9を参照すると、このサブフレームは、一般CPを有する下りリンクサブフレームのリソースブロック対におけるREのうち、UE−RSによって占有されるREを例示している。
【0206】
UE−RSはPDSCH信号の送信のために支援されるものであり、アンテナポートとして、p=5、p=7、p=8、或いはp=7,8,...,υ+6(ここで、υは、上記PDSCHの送信のために用いられるレイヤの個数)を用いることができる。UE−RSは、PDSCH送信が該当のアンテナポートと関連付けられると存在し、PDSCH信号の復調(demodulation)にのみ有効な(valid)参照信号である。
【0207】
UE−RSは、該当のPDSCH信号がマップされたRB上でのみ送信される。すなわち、UE−RSは、PDSCHが存在するか否かに関係なく毎サブフレームごとに送信されるように設定されたCRSとは違い、PDSCHがスケジュールされたサブフレームでPDSCHがマップされたRBでのみ送信されるように設定される。また、UE−RSは、PDSCHのレイヤの個数と関係なく全てのアンテナポートで送信されるCRSとは違い、PDSCHのレイヤにそれぞれ対応するアンテナポートのみで送信される。このため、UE−RSを用いると、CRSに比べてRSのオーバーヘッドを減少させることができる。
【0208】
3GPP LTE−AシステムにおいてUE−RSはPRB対で定義される。
図9を参照すると、p=7、p=8或いはp=7,8,...,υ+6に対して、該当のPDSCH送信のために割り当て(assign)された周波数−ドメインインデックスn
PRBを有するPRBにおいて、UE−RSシーケンスのr(m)の一部が、次の式10によって、サブフレームで複素変調シンボルにマップされる。
【0210】
ここで、w
p(i)、l’、m’は、次の式11のように与えられる。
【0216】
アンテナポートp∈{7,8,...,υ+6}に対して、UE−RSシーケンスr(m)は、次のように定義される。
【0218】
c(i)は、擬似−任意(pseudo−random)シーケンスであり、長さ−31ゴールド(Gold)シーケンスによって定義される。長さM
PNである出力シーケンスc(n)(ここで、n=0,1,...,M
PN−1)は、次の式によって定義される。
【0220】
ここで、N
C=1600であり、1番目のm−シーケンスはx
1(0)=1、x
1(n)=0、n=1,2,...,30に初期化され、2番目のm−シーケンスは、上記シーケンスの適用による値を有する
【0222】
によって表示(denote)される。
【0223】
式13で、c(i)の生成のための任意−擬似シーケンス生成器は、各サブフレームの先頭で次の式によってc
initに初期化される。
【0225】
ここで、n
SCIDの値は、別に特定されなければ0であり、アンテナポート7或いは8上のPDSCH送信に対してn
SCIDは、PDSCH送信と関連付いたDCIフォーマット2B或いは2Cによって与えられる。DCIフォーマット2Bは、UE−RSを有するアンテナポートを最大2個まで用いるPDSCHのためのリソース指定(resource assignment)のためのDCIフォーマットであり、DCIフォーマット2Cは、UE−RSを有するアンテナポートを最大8個まで用いるPDSCHのためのリソース指定(resource assignment)のためのDCIフォーマットである。
【0226】
式10乃至式14からわかるように、UE−RSは、PDSCHのレイヤにそれぞれ対応するアンテナポートから送信される。すなわち、式10乃至式14によれば、UE−RSポートの個数は、PDSCHの送信ランクに比例することがわかる。一方、レイヤの個数が1又は2である場合には、RB対別に12個のREがUE−RS送信に用いられ、レイヤの個数が2よりも多い場合には、RB対別に24個のREがUE−RS送信に用いられる。また、UE或いはセルにかかわらず、RB対においてUE−RSによって占有されたRE(すなわち、UE−RS RE)の位置は、UE−RSポート別に同一である。
【0227】
したがって、特定サブフレームで特定UEのためのPDSCHがマップされたRBでは、DMRS REの個数が同一である。ただし、同一のサブフレームで互いに異なるUEに割り当てられたRBでは、送信されるレイヤの個数によって、それらのRBに含まれたDMRS REの個数が異なってもよい。
【0228】
2. 超高周波帯域を支援する無線接続システム
2.1 分散型アンテナシステム(DAS:Distributed Antenna System)
現在の無線通信環境は、機器間(M2M:Machine−to−Machine)通信の支援と高いデータ送信容量を要求する、スマートフォン及びタブレットPCなどの様々なデバイスの出現及び普及に伴い、セルラー網に対するデータ要求量が急増している。高いデータ要求量を満たすために、通信技術は、より多くの周波数帯域を效率的に用いるためのキャリア結合(CA:Carrier Aggregation)技術、認知無線通信(cognitive radio communication)技術などと、限定された周波数内でデータ容量を高めるために多重アンテナ技術、多重基地局協調技術などへと発展している。
【0229】
また、通信環境は、ユーザの周辺に、接続可能なアクセスポイント(AP:Access Point)の密度が高くなる方向に進化している。このようなAPとしては、セルラーマイクロAP(Cellular Micro AP)の他にも、ワイファイAP(WiFi AP)、セルラーフェムトAP(Cellular Femto AP)、セルラーピコAP(Cellular Pico AP)なとがある。このように小さいカバレッジを有する複数のAPが一つのセル内に存在することから、システム全体におけるデータ使用量も増加している。このようなAPは、遠隔無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、又はDAS(Distributed Antenna System)のアンテナノード(Antenna Node)などの形態であってもよい。
【0230】
図10は、本発明の実施例で構成できるDASの一例を示す図である。
【0231】
DASシステムは、基地局(BS:Base Station)のアンテナがセル中央に集まっている集中型アンテナシステム(CAS:Centralized Antenna System)と違い、セル内の様々な位置に分散しているアンテナを単一基地局で管理するシステムのことを意味する。DASは、複数のアンテナノードが一つのセルを構成するという点でフェムトセル/ピコセルとは区別される。
【0232】
初期のDASは、陰影地域をカバーするためにアンテナをさらに設置してレペティション(repetition)する用途に用いられた。しかし、DASは、基地局アンテナが同時に複数のデータストリームを送受信したり、単一或いは複数のユーザを支援できるという点で、一種のMIMO(multiple input multiple output)システムと見なすこともできる。また、MIMOシステムは、高いスペクトル効率(spectral efficiency)から、次世代通信のニーズを満たす上で必須の要件として認識されている。
【0233】
MIMOシステムの観点で、DASは、CASに比べて、ユーザとアンテナ間の距離が短いことから得られる高い電力効率、基地局アンテナ間の低い相関度及び干渉から得られる高いチャネル容量、セル内のユーザの位置に関係なく相対的に均一な品質で得られる通信性能の確保といった長所を有する。
【0234】
図10を参照すると、DASは、基地局とそれに接続したアンテナノード(グループ、クラスターなど)で構成される。アンテナノードは、基地局と有/無線で接続しており、一つ以上のアンテナを含むことができる。一般に、一つのアンテナノードに属しているアンテナは、最も近接しているアンテナ間の距離が数メートル以内であって、地域的に同一の位置(spot)に属している特性を有し、アンテナノードは、端末が接続できるアクセスポイントのような役割を担う。既存のDAS技術では、アンテナノードをアンテナと同一視したり両者を区別しないことが多いが、実際にDASを運用するためには、両者間の関係を明確に定義しなければならない。
【0235】
図11は、本発明の実施例で使用できるDASの基地局ホテルの概念を示す図である。
【0236】
図11(a)は、既存のRAN構造を示している。
図11(a)を参照すると、既存のセルラーシステムは、一つの基地局(BTS)が3個のセクター(sector)を管轄し、それぞれの基地局は互いにバックボーン網を介してBSC/RNCに接続している。
【0237】
図11(b)は、DAS及びBTSホテルを含むスモールセルRAN構造を示している。
図11(b)を参照すると、DASでは、各アンテナノード(AN:Antenna Node)と接続する基地局を一箇所に集めることができる(BTS hotel)。これによって、基地局を設置する土地や建物にかかる費用を低減し、基地局に対する維持及び管理を一箇所で容易に行うことができ、且つ、BTSとMSC/BSC/RNCを全て一箇所に設置することによって、バックホール容量(backhaul capacity)を大きく増加させることができる。
【0238】
本発明の実施例では、BTSホテル概念などを用いて、アンテナノード(AN)から、セル構成を瞬時に変化させる時、無線通信を可能にさせるフレーム構成方法を提供し、これから得られる潜在的な利得を説明する。
【0239】
図12は本発明の実施例で使用できるスモールセルの周波数帯域を示す図である。
【0240】
図12には、スモールセルの概念を示す。すなわち、端末に、既存のLTEシステムに運用される周波数帯域ではなく高い中心周波数を有する帯域に広いシステム帯域を設定して運用することを予想することができる。また、既存のセルラー帯域では、システム情報のような制御信号に基づいて基本的なセルカバレッジを支援し、高周波のスモールセルでは広い周波数帯域を用いて送信効率を極大化するデータ送信がなされることを意味することができる。したがって、地域領域接続(LAA:Local Area Access)という概念は、より狭い地域に位置する中低速移動(low−to−medium mobility)端末を対象とし、端末と基地局間の距離が、既存km単位のセルよりも小さい100m単位の小さいセルとなるはずである。
【0241】
したがって、このようなセルでは端末と基地局間の距離が短くなり、高周波帯域を使用することから、次ののようなチャネル特性が予想できる。
【0242】
(1)遅延拡散(Delay spread):基地局と端末間の距離が短くなるにつれて信号の遅延が短くなりうる。
【0243】
(2)サブキャリア間隔(Subcarrier spacing):LTEと同一のOFDMベースのフレームを適用する場合、割り当てられた周波数帯域が大きいことから、既存の15kHzよりも極端に大きい値に設定されうる。
【0244】
(3)ドップラー周波数(Doppler’s frequency):高周波帯域を使用しており、同一速度の端末は低周波帯域に比べて高周波帯域でより高いドップラー周波数が現れるため、相関時間(coherent time)が極端に短くなりうる。
【0245】
2.2 超高周波帯域のチャネル特性及びドップラースペクトル
LTE/LTE−Aシステムは、最大ドップラー周波数に基づいて導出された相関時間に基づいてRS密集度及びパターンを設計した。端末は、RSから無線チャネルを推定することができ、受信データを復調することができる。実際に、LTEシステムにおいて中心周波数2GHz、端末の移動速度500km/hを仮定する場合、最大ドップラー周波数(f
d)は、950Hz、約1000Hzとなる。
【0246】
一般に、相関時間は、最大ドップラー周波数から約50%を得ることができる。このため、LTEシステムでは次の式15のような関係式が成立する。
【0248】
式15は、相関時間内に最大2個のRSが必要であることを意味する。すなわち、LTEシステムではこのようなRSパターンを具現することによって、端末の最大移動速度である500km/h以下まで全ての状況でチャネル推定が可能である。
【0249】
しかしながら、既存のセルラー移動通信がサービスされる3GHz以下ではなく数十GHzの中心周波数を有する超高周波帯域では、相対的に低速の端末も高いドップラー周波数を経験する。例えば、中心周波数がそれぞれ2GHz及び20GHzであり、端末の移動速度は同一に30km/hであるとするとき、最大ドップラー周波数を次のように計算することができる。
【0252】
ここで、両方ともc=3×10
8であり、f
cは、中心周波数を表し、vは、端末の移動速度を表す。すなわち、同一速度の移動端末であっても、端末が通信を行う周波数帯域の周波数が高くなるほど、端末はより高いドップラー周波数を経験することになる。
【0253】
また、超高周波帯域の特性の上、既存の数GHz以下の無線チャネルと違い、ドップラースペクトルの変化された特性に直接的な補償技法を適用することができる。一般に、高周波帯域では、アンテナ要素(element)を構成する波長λが短くなるため、同一の空間に多数のアンテナを具備できるマッシブアンテナ(Massive antenna)構成が可能である。このため、狭帯域ビームフォーミング(narrow beamforming)適用がより容易となる。
【0254】
しかも、数十GHz帯の高い中心周波数を有することから、基本数GHz帯の通信帯域に比べて大きい経路損失が発生し、高周波帯域の特性の上、追加の環境損失(Environment Loss)などの追加経路損失が発生する。このため、既存のマルチパスチャネル(Multipath channel)のうち、散乱(scattering)によって反射して入る成分の追加的な経路減衰が相対的に大きく、よって、LOS(Line Of Sight)支配的な(dominant)環境になりやすい。すなわち、高周波帯域の特性の上、基地局で狭帯域ビームフォーミング技法を適用しやすい環境が作られる。
【0255】
このような狭帯域ビームフォーミングによって、端末受信器の全方向に信号が受信されるのではなく、特定方向にのみ信号が受信されるため、ドップラースペクトルは、
図13に示すように、スペクトル自体が尖る(sharp)現象が現れる。
【0256】
図13は、本発明の実施例で使用できる狭帯域ビームフォーミング時のドップラースペクトルの分布を示す図である。
【0257】
図13(a)は、一般帯域におけるドップラースペクトルを示している。横軸は、周波数軸であり、縦軸は、電力スペクトル密度(PSD:Power Spectrum Density)軸である。一般周波数帯域(例えば、LTEシステム帯域)では、端末受信器の全方向に信号が受信されるため、端末が受信する信号のドップラースペクトルは、
図13(a)に示すようにU字状を表す。
【0258】
図13(b)は、超高周波帯域におけるドップラースペクトルを示している。超高周波帯域では端末受信器の特定方向にのみ信号が受信されるため、端末が受信する信号のドップラースペクトルは
図13(b)のように変形される。
【0259】
図14は、超高周波帯域で狭帯域ビームフォーミング時にドップラースペクトルが減少する様子を示す図である。
【0260】
図13(b)に示したドップラースペクトルは、狭帯域ビームフォーミングを考慮したドップラースペクトルの特性を用いて、
図14に示すように直接補償することができる。すなわち、スペクトルが全体ドップラースプレッドではなく一部の領域に凝集しているため、受信端では、自動周波数制御(Auto Frequency Control)/適応的周波数制御(Adaptive Frequency Control)機能を用いて、
図14に示すように、最終的なドップラースペクトル減衰が可能となる。
【0261】
すなわち、AFC機能を用いて、最大ドップラー周波数を、fdからfd’(<fd)へと減少させると、最大ドップラー周波数と逆関数関係を有する式18によって相関時間は増加する。これは、時間軸においてより長い時間チャネルが変わらないということを意味する。超高周波帯域は、伝搬特性の上、多数のアンテナを用いた狭帯域ビームフォーミングに親和的な通信環境である。したがって、受信端ではAFCを用いて時間軸で静的チャネル区間を増加させることによって、より安定した時変チャネル特性を有することができる。
【0262】
本発明の実施例は、このように時変チャネル特性が極大化する通信環境で適用される。ただし、時変チャネル特性が極大化する環境は、超高周波帯域だけでなく、一般の中心周波数帯域(例えば、5GHz以下)でも作られることがある。例えば、端末の移動速度が急増すると、ドップラー周波数が高くなるので、一般の中心周波数帯域でも時変チャネル特性が極大化する通信環境が作られる。
【0263】
3. チャネル品質指示子の送受信方法
3.1 高周波帯域におけるチャネル老化現象
チャネル品質指示子(CQI)は、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)に含まれる情報の一つである。下りリンクチャネルに対するCQI測定時点と基地局が当該CQI情報を反映してデータを送信する時点間においてチャネル変化によって性能低下が発生する現象をチャネル老化(aging)という。チャネル老化現象は、次のようにまとめることができる。
【0264】
(1)下りリンク送信において、端末のCSI測定時点(t0)と当該CSIを用いて基地局がデータを送信する時点(t2)との間にチャネル変化によって性能低下が発生する現象
(2)端末のCSI測定時点(t0) → 端末のCSI報告時点(t1) →基地局の、CSIが適用された下りリンクデータの送信(t2)
(3)現在技術の限界:現在、低速最適化技術(CL:Closed Loop)と高速支援技術(OL:Open Loop)とに技術が両分されている
(4)高周波帯域の限界:高周波帯域では中心周波数が高いため、端末の低い移動速度にもかかわらず高いドップラー周波数を経ることになる。このため、時間領域におけるチャネル変化がより大きいチャネル環境となる。
【0265】
高周波帯域では、前述したように、AFCを用いて比較的容易に周波数補償ができると予測される。したがって、このような周波数補償が、時間軸では、静的(static)チャネルが維持される相関時間(Coherence Time)に影響を及ぼし、チャネル状態によるCQI導出にも影響を及ぼすこととなる。
【0266】
図15は、本発明の実施例で利用できるCQI報告方法の一つを示す図である。
【0267】
超高周波帯域で狭帯域ビームフォーミング時にドップラースペクトルが特定領域に密集することがわかる(
図12乃至
図14参照)。つまり、高周波帯域では狭帯域ビームフォーミングとAFCを用いた周波数補償がなされるに有利な環境であることがわかり、これは、端末と基地局間に相関時間が増加したということを意味する。すなわち、超高周波帯域では、チャネルの静的な時間が増加することから、より長い時間に時間軸においてチャネルが変化しないことを意味する。
【0268】
セルラーシステムでは端末が報告するCQI情報を用いて基地局がスケジューリングを行う。
図15を参照すると、LTEシステムでは端末が4ms周期でCQIを基地局にフィードバックし、基地局は一定の1ms送信遅延(delay)をもって下りリンクデータを送信する。このとき、端末への送信遅延を含めて、端末は、自身の送信したCQIフィードバックが6ms以降に適用されることがわかる。すなわち、端末が下りリンクチャネルからCQIを測定した時点(t0)と基地局に報告したCQIが適用された時点(t2)が、少なくとも6ms(すなわち、6サブフレーム)の時差を有する。
【0269】
以下、本発明の実施例として、AFCを用いた相関時間増加による静的チャネル区間の増加現象を用いた多重CQI運用方法について具体的に説明する。
【0270】
3.2 多重CQI運用方法
以下では、端末と基地局間の平均CQI(Average CQI)と瞬時CQI(Instantaneous CQI)を定義し、この多重CQIを用いるスケジューリング方法について説明する。
【0271】
狭帯域ビームフォーミングが適用される場合又は狭帯域ビーム(narrow beam)が生成される環境は、基本的に、チャネルのランクが低く、リンク品質が良いチャネル環境である。また、狭帯域ビームフォーミングは、端末の一部の方向にのみ信号を受信させることができるため、結果として有効ドップラースプレッドが小さくなる。これは、時間領域で相関時間が増加する現象を意味し、よって、時間軸でチャネル変化が小さくなることを意味する。
【0272】
端末は、ドップラー補償がなされたCSI測定のためのRS(例えば、CSI−RS)を用いて瞬間的なチャネルを推定及び測定し、瞬時CQIを取得することができる。また、端末は、一般に全ての端末が同一に受信できるセル特定RS(例えば、Cell−specific RS)を用いて所定の時間区間に平均CQIを測定することができる。このとき、セル特定RSはセル内の全端末に対して送信されるため(1.3節、
図7参照)、狭帯域ビームフォーミングが適用されなくもよい。
【0273】
すなわち、端末は、平均CQIを、セル特定RS(例、CRSなど)を用いて所定のフレーム/サブフレーム区間(又は、‘L+a’ms)で測定することができ、瞬時CQIは、端末特定RS(例、CSI−RSなど)を用いて毎フレーム/サブフレーム(又は、‘L’ms)で測定することができる。ここで、平均CQIは、第1CQIと定義し、瞬時CQIは、第2CQIと定義することができる。
【0274】
次の表10は、平均CQIと瞬時CQIを定義する方法の一つを表すものである。
【0276】
表10では、平均CQIを、10個のフレーム又はサブフレームに対するチャネル測定結果の平均値として導出する場合を示し、瞬時CQIは、毎フレーム又はサブフレームごとにCQIを導出する場合を示している。このため、平均CQIの場合、10フレーム区間では各フレーム別に同一のCQI又はMCS(modulation and coding scheme)レベル(又は、QAMレベル、データレートなど)を有する。一方、瞬時CQIは、フレーム/サブフレーム別に異なるCQI/MCSレベルを有することができる。
【0277】
システム上でこのような多重CQIを用いた利得を極大化するためには、既存のフィードバック周期に比べて報告周期をより短くし、好適な瞬時CQIをより早く適用することができ、これによって、全体システム利得を向上させることができる。
【0278】
図16は、本発明の実施例として、多重CQI情報を送受信する方法の一つを示す図である。
【0279】
超高周波帯域を支援する基地局は、セル内あらゆる端末が受信することができるセル特定RS(すなわち、CRS)を送信する(S1610)。
【0280】
端末はCRSを用いて第1CQIを測定する。この時、端末は、所定のフレーム又はサブフレーム(例えば、10フレーム又は10サブフレーム)の間に測定したCQI値に対して平均値を導出し、これを第1CQIとして設定することができる(S1620)。
【0281】
また、基地局は特定端末に、端末特定RS(すなわち、UE−RS)を特定フレーム又は特定サブフレームで送信する(S1630)。
【0282】
端末は、受信したUE−RSを用いて特定フレーム又は特定サブフレームに対する第2CQIを測定する(S1640)。
【0283】
端末は、測定した第1CQI及び/又は第2CQIを上りリンク物理制御チャネル(PUCCH)及び/又は上りリンク物理共有チャネル(PUSCH)を介して基地局に報告することができる(S1650、S1660)。
【0284】
上述したS1650段階及びS1660段階は、同時に又は個別に行うことができる。例えば、第1CQIは、所定フレーム/サブフレーム区間に測定されるため、所定フレーム/サブフレーム区間以降に報告することができる。また、第2CQIは、毎フレーム/サブフレームで測定されるため、毎フレーム/サブフレームの次のフレーム/サブフレームで報告することができる。
【0285】
又は、第1CQIの測定周期が第2CQIの測定周期よりも長いため、頻繁に報告される、第1CQIの送信周期で測定された第2CQIを併せて送信することができる。
【0286】
又は、端末は、PUCCH信号を用いて所定の周期ごとに第1CQIを基地局に報告し、第2CQIは、基地局の要請がある場合にのみPUSCH信号を用いて基地局に報告することもできる。
【0287】
3.3 多重CQIを用いたスケジューリング方法
図16で、基地局は、報告された第2CQIを用いて、瞬間的な送信率増大のためのスケジューリングを行うことができる。例えば、基地局は、端末からフィードバックされた第2CQI(すなわち、瞬時CQI)が瞬時的な推定チャネル又はより短い平均時間を持つ推定チャネルであることを認知し、一定時間において品質の良いチャネルだけを用いてスケジューリングを行うことができる。すなわち、基地局は、このような第2CQIを用いて動的スケジューリングの効果を最大化することができる。
【0288】
しかし、基地局は、ハンドオーバーなどの基地局間スケジューリング情報としては第1CQIのみを利用し、第2CQIは利用しなくてもよい。第2CQIは、十分長い時間に平均化したCQIではなく、非常に短い時間区間(例えば、毎フレーム/サブフレーム)に測定されたCQIであるためである。もしも、基地局が第2CQIに基づいて端末のハンドオーバーを決定すると、超高周波帯域でチャネルが変更される場合には基地局間ハンドオーバーピンポン現象が発生しうる。
【0289】
3.4 平均CQIの定義方法
瞬時CQI(すなわち、第2CQI)は、平均CQI(すなわち、第1CQI)に比べて短い時間区間(‘L’ms)のチャネルを推定して平均したCQI値と定義することができる。ここで、平均CQIを、複数の瞬時CQIの報告周期‘L×a’(例:a=2,3,4,5,….)のCQI情報を用いて定義することができる。例えば、複数の‘L’時間周期の瞬時CQI値を平均化して平均CQIを取得することができる。又は、一定間隔のいくつかの瞬時CQIを用いて平均CQIを取得することもできる。
【0290】
この方法を用いると、平均CQIを導出するための更なるチャネル推定プロセッサが不要となり、基地局具現複雑度を低くすることができる。
【0291】
4. 具現装置
図17に説明する装置は、
図1乃至
図16で説明した方法を具現できる手段である。
【0292】
端末(UE:User Equipment)は、上りリンクでは送信器として動作し、下りリンクでは受信器として動作することができる。また、基地局(eNB:e−Node B)は、上りリンクでは受信器として動作し、下りリンクでは送信器として動作することができる。
【0293】
すなわち、端末及び基地局は、情報、データ及び/又はメッセージの送信及び受信を制御するためにそれぞれ送信モジュール(Tx module)1740,1750、及び受信モジュール(Rx module)1720,1770を備えることができ、情報、データ及び/又はメッセージを送受信するためのアンテナ1700,1710などを備えることができる。
【0294】
また、端末及び基地局はそれぞれ、上述した本発明の実施例を行うためのプロセッサ(Processor)1720,1730、及びプロセッサの処理過程を臨時的に又は持続的に記憶できるメモリ1780,1790を備えることができる。
【0295】
上述した端末及び基地局装置の構成成分及び機能を用いて本願発明の実施例を実行することができる。例えば、端末のプロセッサは、受信器を制御して第1RS及び第2RSを受信することができる。また、端末は、第1RSを用いて第1CQI情報を取得し、第2RSを用いて第2CQI情報を取得することができる。その後、端末は、第1CQI情報及び第2CQI情報を基地局にPUCCH/PUSCHを介して報告することができる。詳細な内容は、1節乃至3節に開示された内容を参照する。
【0296】
端末及び基地局に含まれた送信モジュール及び受信モジュールは、データ送信のためのパケット変復調機能、高速パケットチャネルコーディング機能、直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)パケットスケジューリング、時分割デュプレックス(TDD:Time Division Duplex)パケットスケジューリング及び/又はチャネル多重化機能を実行することができる。また、
図17の端末及び基地局は、低電力RF(Radio Frequency)/IF(Intermediate Frequency)モジュールをさらに備えることができる。
【0297】
一方、本発明で端末として、個人携帯端末機(PDA:Personal Digital Assistant)、セルラーフォン、個人通信サービス(PCS:Personal Communication Service)フォン、GSM(登録商標)(Global System for Mobile)フォン、WCDMA(登録商標)(Wideband CDMA)フォン、MBS(Mobile Broadband System)フォン、ハンドヘルドPC(Hand−Held PC)、ノートパソコン、スマート(Smart)フォン、又はマルチモードマルチバンド(MM−MB:Multi Mode−Multi Band)端末機などを用いることができる。
【0298】
ここで、スマートフォンは、移動通信器末機と個人携帯端末機の長所を組み合わせた端末機であって、移動通信器末機に、個人携帯端末機の機能である日程管理、ファックス送受信及びインターネット接続などのデータ通信機能を統合した端末機を意味できる。また、マルチモードマルチバンド端末機は、マルチモデムチップを内蔵し、携帯インターネットシステムでも、その他の移動通信システム(例えば、CDMA2000システム、WCDMA(登録商標)システムなど)でも作動できる端末機のことを指す。
【0299】
本発明の実施例は、様々な手段によって具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。
【0300】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、1つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0301】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態として具現することもできる。例えば、ソフトウェアコードは、メモリユニット1780,1790に記憶され、プロセッサ1720,1730によって駆動されてもよい。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の種々の手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0302】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化されてもよい。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制約的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。