【実施例】
【0095】
以下の実施例は単に例示目的で提供されるものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0096】
下の表1にいくつかの例示的な本開示の化合物と、その化合物の生理化学的特徴を示す。
【0097】
【表1】
【0098】
実施例1−化合物Xの合成
スキーム1
【化9】
【0099】
tert−ブチル(3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−(1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタン−2−イル)カルバマート(2)の合成
1(0.5g、3.96mmol)をCH
2Cl
2(20mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(1.0g、7.92mmol)、A(0.869mg、3.96mmol)およびHATU(1.5g、3.96mmol)を不活性雰囲気下、室温で加えた。得られた反応混合物を室温で2時間攪拌し、反応の進行をTLCによりモニターした。水で反応混合物の反応を停止させ、DCMで抽出した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗生成物を分取HPLCにより精製して、2(30mg、2.3%)をシロップとして得た。
【0100】
5−(2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(化合物X)の合成
2(30mg、0.09mmol)をDCM(5mL)に溶かし攪拌している溶液にジオキサン.HCl(2mL)を室温で加え、2時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で蒸発させた。粗物質をエーテルおよびペンタンで研和して、化合物X(15mg、75%)を粘度の高い褐色シロップとして得た。
【0101】
実施例2−化合物Yの合成
スキーム2
【化10】
【0102】
スキーム4S−I−1
【化11】
【0103】
(2S,3R)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシブタン酸(4S−A)の合成
NaHCO
3(529g、6.30mol)を水(1L)に溶かし攪拌している溶液にL−トレオニン(SM−2)(250g、2.10mol)を室温で加え、30分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却した。これにCbz−Cl(850mL、2.52mol、50%PhCH
3溶液)を滴加し、1時間攪拌した。反応混合物を室温に温め、28時間、再び攪拌した。これにMTBE(1L)を加え、20分間攪拌した。トルエン中の分離した水層を20分間攪拌した。水層を1NのHClで酸性(pH約1〜2)にし、EtOAc(3×1.5L)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をジシクロヘキシルアミン(819mL、4.20mol)とともに4時間攪拌して白色固体を得、これをろ過し、乾燥させた。得られた固体をEtOAc(1.5L)で1時間還流した後、ろ過した。固体物質を水(1L)に溶かし、希H
2SO
4で酸性にし、30分間、再び攪拌した。水層をEtOAc(3×1L)で抽出した。分離した有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をn−ヘキサンで研和して、4S−A(230g、43%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ12.55(br m,1H),7.37−7.30(m,5H),6.94(d,J=8.8Hz,1H),5.05(s,2H),4.08−3.94(m,2H),1.02(d,J=6.4Hz,3H)。
ELSD純度:84.66%。
【0104】
スキーム4S−I−2
【化12】
【0105】
(2S,3R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシブタン酸(4S−B)の合成:
L−トレオニン(50g、420mol)をTHF/水(500mL/500mL)に溶かし攪拌している溶液にNaHCO
3(111g、1.05mol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、Boc無水物(137mL、630mmol)を滴加し、攪拌を室温で16時間継続した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を水(100mL)で希釈し、1NのHClを用いることによって酸性(pH約3)にした。水層をEtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、4S−B(80g、87%)を粘度の高いシロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ12.5(br s,1H),6.30(d,J=8.5Hz,1H),4.50(br s,1H),4.05−4.02(m,1H),3.88−3.86(m,1H),1.39(s,9H),1.08(d,J=6.0Hz,3H)。
LCMS(m/z):218.1[M
+−1]。
【0106】
(2S,3R)−3−(ベンジルオキシ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸(4S−C)の合成
化合物4S−B(40g、182mmol)をDMF(400mL)に溶かし攪拌している溶液に60%NaH(18.2g、758mmol)をN
2雰囲気下、−20℃で一部ずつ加え、2時間攪拌した。これに臭化ベンジル(66.8mL、0.55mol)を滴加し、反応混合物を室温で3時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、氷冷水で反応混合物の反応を停止させ、ジエチルエーテル(2×250mL)で洗浄した。分離した水層を、クエン酸溶液(100mL)を用いて酸性化し、EtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物4S−C(45g、80%)を粘度の高いシロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ12.64(br s,1H),7.34−7.25(m,5H),6.46(d,J=8.5Hz,1H),4.53(d,J=11.5Hz,1H),4.39(d,J=12.0Hz,1H),4.00−3.98(m,2H),1.39(s,9H),1.15(d,J=6.0Hz,3H)。
【0107】
(2S,3R)−ベンジル3−(ベンジルオキシ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタノアート(4S−D)の合成:
化合物4S−C(45g、146mmol)をDMF(400mL)に溶かし攪拌している溶液にK
2CO
3(40g、292mmol)をN
2雰囲気下で加え、30分間攪拌した。これに臭化ベンジル(21mL、175mmol)を0℃で滴加し、室温で16時間攪拌した。氷冷水で反応混合物の反応を停止させ、ジエチルエーテル(2×250mL)で抽出した。分離した有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質を20%EtOAc/n−ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−D(48g、82%)を粘度の高いシロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.37−7.18(m,10H),6.81(d,J=9.0Hz,1H),5.08(s,2H),4.49(d,J=12.0Hz,1H),4.32(d,J=12.0Hz,1H),4.25−4.22(m,1H),4.01−3.98(m,1H),1.38(s,9H),1.15(d,J=6.0Hz,3H)。
【0108】
(2S,3R)−ベンジル2−アミノ−3−(ベンジルオキシ)ブタノアート(4S−E)の合成:
化合物4S−D(48g、120mmol)をジエチルエーテル(50mL)に溶かし攪拌している溶液にHCl(350mL)で飽和したジエチルエーテルを0℃で加え、室温で10時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質をジエチルエーテル/n−ペンタン(50mL/50mL)で研和し、減圧下で乾燥させて、化合物4S−E(28g、77%)を半固体(HCl塩)として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.59(s,2H),7.50−7.25(m,10H),5.23(d,J=12.5Hz,1H),5.16(d,J=12.5Hz,1H),4.54(d,J=12.0Hz,1H),4.36(d,J=12.0Hz,1H),4.12−4.09(m,1H),4.09−3.99(m,1H),1.29(d,J=6.5Hz,3H)。
【0109】
スキーム4S−I−3
【化13】
【0110】
(4S,5R)−ベンジル4−(クロロカルボニル)−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン−3−カルボキシラート(4S−F)の合成:
(4S,5R)−3−((ベンジルオキシ)カルボニル)−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン−4−カルボン酸(0.6g、2.04mmol)をDCM(10mL)に溶かし攪拌している溶液に塩化オキサリル(0.51g、4.08mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をN
2雰囲気下で濃縮して、4S−F(粗物質、0.6g)を黄色シロップとして得、これを精製せずに次の段階に直接使用した。
【0111】
スキーム4S−I−4
【化14】
【0112】
(4S,5R)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン−4−カルボン酸(4S−G)の合成:
4S−B(20g、91.3mmol)をTHF(200mL)に溶かし攪拌している溶液に2,2−ジメトキシプロパン(100mL)、次いでPPTS(2.29g、9.13mmol)を室温で加えた。反応混合物を16時間、80℃に加熱した。出発物質の終了後(TLCによる)、反応物を減圧下で蒸発させた。粗反応混合物を水(150mL)およびEtOAc(300mL)で希釈した。分離した有機層を(1×100mL)のブライン溶液で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、4S−G(19g、80.1%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ13.00(br s,1H),4.07−4.04(m,1H),3.78−3.74(m,1H),1.51(s,6H),1.17(d,J=7.0Hz,3H);
LCMS m/z:260.3[M
++1]
【0113】
スキーム4S−I−5
【化15】
【0114】
(2S,3R)−メチル2−アミノ−3−ヒドロキシブタノアート(4S−H)の合成
L−トレオニン(50g、420mmol)をCH
3OH(250mL)に溶かし攪拌している溶液に塩化チオニル(62.4mL、840mmol)を0℃で加え、75℃で6時間攪拌した。出発物質の終了後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して、4S−H(60g、粗物質)を得た。この物質をこれ以上精製せずに次の段階に直接使用した。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ8.45(s,2H),5.70(s,1H),4.12−4.10(m,1H),3.90(s,1H),3.73(s,3H),1.20(d,J=6.5Hz,3H)。
【0115】
(2S,3R)−メチル2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシブタノアート(4S−I)の合成
4S−H(60g、353mol)を水/1,4ジオキサン(150mL/300mL)に溶かし攪拌している溶液に。反応混合物を0℃に冷却し、NaHCO
3(88.9g、1.059mol)を0℃で加え、15分間攪拌した。Cbz−Cl(60.7mL、426mmol)を滴加し、1時間攪拌した。反応混合物を攪拌して室温にし、12時間攪拌した。出発物質の終了後(TLCによる)、反応塊をEtOAc(300ml)で希釈した。分離した有機層を(2×200mL)の飽和NaHCO
3溶液、次いでブライン溶液(2×100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗物質を得、これをn−ヘキサン(500mL)で研和して、4S−I(70g、74%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.37−7.30(m,5H),7.20(d,J=8.4Hz,1H),5.06(s,2H),4.78(d,J=6.8Hz,1H),4.09−4.05(m,2H),3.64(s,3H),1.09(d,J=6.0Hz,3H)
LCMS m/z:268.2[M
++1]
【0116】
(2S,3R)−メチル2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタノアート(4S−J)の合成
4S−I(50g、187mmol)をDMF(400mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(86mL、468mmol)、TBDMS−Cl(33.66mL、224mmol)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。出発物質の終了後(TLCによる)、反応塊をEtOAc(500ml)で希釈した。分離した有機層を(2×200mL)の水、次いでブライン溶液(2×100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗物質を得、これを10%EtOAc/ヘキサンで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、4S−J(50g、70.1%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ7.39−7.32(m,5H),5.43(d,J=9.6Hz,1H),5.14(s,2H),4.45−4.43(m,1H),4.29−4.26(m,1H),3.72(s,3H),1.21(d,J=6.0Hz,3H),0.83(s,9H),0.09(s,6H)LCMS m/z:382.2[M
++1]
【0117】
N−((ベンジルオキシ)カルボニル)−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−L−トレオニン(4S−K)の合成:
4S−J(2g、5.24mmol)をTHF/H
2O(20mL/20mL)に溶かし攪拌している溶液にLiOH.H
2O(659mg、15.74mmol)を室温で加え、16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物の溶媒を減圧下で蒸発させた。クエン酸溶液を用いて粗残渣を酸性(pH約4)にし、EtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、4S−K(1.7g、89.4%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ12.75(br s,1H),7.37−7.31(m,5H),6.74(d,J=9.2Hz,1H),5.05(s,2H),4.32−4.30(m,1H),4.05−4.02(m,1H),1.11(d,J=6.4Hz,3H),0.82(s,9H),0.02(s,6H);
LCMS(m/z):368.5[M
++1]。
【0118】
スキーム4S−I−6
【化16】
【0119】
(tert−ブトキシカルボニル)−L−セリン(4S−L)の合成:
L−セリン(30g、285mmol)を1,4−ジオキサン(150mL)/水(150mL)に溶かし攪拌している溶液にNaOH(24g、599mmol)を加えた。Boc無水物(75mL、342mmol)を0℃で滴加した後、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をEtOAc(2×150mL)で洗浄した。1NのHClを用いて水層のpHを酸性(pH約4)にした。水層をEtOAc(2×250mL)で抽出した。分離した有機抽出物をブライン(1×150mL)溶液で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、化合物4S−L(38g、65%)を粘度の高いシロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ6.67(d,J=8.5Hz,1H),3.98−3.94(m,1H),3.65−3.56(m,2H),1.40(s,9H);
LCMS(ESI):m/z206.1[M
++1]
【0120】
スキーム4S−I−7
【化17】
【0121】
(S)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(4S−M)の合成
L−プロリン(250g、2.17mol)を水(1L)に溶かし攪拌している溶液にNa
2CO
3(576g、5.43mol)を加え、1時間攪拌した。0℃に冷却した後、反応混合物にクロロギ酸ベンジル(50%PhCH
3溶液)(444g、2.61mol)を滴加し、1時間、再び攪拌した。得られた反応混合物を室温に温め、さらに24時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を水(1L)およびエーテル(1.5L)で希釈した。分離した水層をPhCH
3(1.5L)で処理し、6NのHClを用いて酸性にした。水層をEtOAc(3×1.5L)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、4S−M(450g、84%)を淡黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ12.71(br s,1H),7.37−7.26(m,5H),5.07−4.99(m,2H),4.25−4.15(m,1H),3.45−3.34(m,2H),2.25−2.14(m,1H),1.94−1.79(m,3H)
LCMS m/z:250.4[M
++1]
【0122】
(S)−ベンジル2−(クロロカルボニル)ピロリジン−1−カルボキシラート(4S−N)の合成:
4S−M(90g、361mmol)をCH
2Cl
2(400mL)に溶かし攪拌している溶液に塩化オキサリル(42mL、542mmol)を0℃で加え、2時間攪拌した。酸塩化物が完全に形成された後、反応混合物を減圧下で濃縮して、4S−N(95g、粗物質)を得た。この物質をこれ以上精製せずに次の段階に直接使用した。
【0123】
スキーム4S−I−8
【化18】
【0124】
1,3,5−トリス(4−メトキシベンジル)−1,3,5−トリアジナン(4S−O)の合成:
(4−メトキシフェニル)メタンアミン(100g、72.9mol)をEtOH(300mL)に溶かし室温で攪拌している溶液にホルムアルデヒド(33%水溶液、56.2mL)を滴加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をEtOAc(1000mL)で希釈し、水(1000mL)、次いでブラインで洗浄した。分離した有機層を減圧下で濃縮して粗物質を得、これを最終的にn−ヘキサンで洗浄して、化合物4S−O(98g、90.15%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.18(d,J=8.0Hz,6H),6.81(d,J=8.0Hz,6H),3.71(s,9H),3.50(s,6H),3.29(s,6H)。
【0125】
ベンジル2−(4−メトキシベンジル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−P):
4S−N(95.86g(粗物質)、355mmol)を脱水CH
2Cl
2(400mL)に溶かし攪拌している溶液を−40℃に冷却し、Et
3N(200mL、1.45mol)を滴加した。反応混合物を−40℃で45分間攪拌した。これに4S−O(45g、100mmol)とCH
2Cl
2(150mL)に溶かした溶液とBF
3.OEt
2(37mL、302mmol)の混合物を−40℃で滴加した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を飽和NaHCO
3溶液、次いでブラインで洗浄した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をEtOAc(100mL)で研和して、化合物4S−P(71g、51.6%)を白色の結晶性固体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.36−7.30(m,5H),7.24(d,J=8.0Hz,1H),7.06(d,J=8.0Hz,1H),6.90(d,J=7.5Hz,1H),6.81(d,J=8.5Hz,1H),5.09(s,2H),4.29(s,1H),4.13−3.96(m,1H),3.73(s,3H),3.11(t,J=5.0Hz,2H),2.16−2.09(m,2H),1.83−1.77(m,2H),1.20−1.15(m,2H)。
LCMS m/z:381[M
++1]
【0126】
ベンジル1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−Q)の合成:
化合物4S−P(71g、186.8mmol)をMeCN(710mL)およびH
2O(355mL)に溶かし攪拌している溶液を0℃に冷却し、CAN(204.7g、373.6mmol)をH
2O(71mL)に溶かした溶液を加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。得られた塊を氷冷水中に注ぎ、水層をEtOAc(3×500mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO
3水溶液(1×500mL)、次いでブライン(1×500mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。得られた物質を70%EtOAc/n−ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−Q(31g、48.6%)を粘度の高い黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.90(s,1H),7.36−7.29(m,5H),5.10(s,2H),3.53(d,J=4.5Hz,2H),3.36−3.30(m,1H),3.17−3.13(m,1H),2.17−2.10(m,2H),1.82−1.76(m,2H)。
LCMS m/z:261[M
++1]
【0127】
2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−R)の合成:
化合物4S−Q(2g、8.01mmol)をEtOAc(30mL)に溶かし攪拌している溶液に(50%湿潤)10%Pd/C(600mg)を加え、H
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で3時間攪拌した。反応終了後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、EtOAc(10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して、化合物4S−R(250mg、25%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.67(br s,1H),3.15−3.11(m,2H),2.90−2.81(m,2H),1.90−1.87(m,2H),1.74−1.63(m,3H)。
【0128】
スキーム4S−I−9
【化19】
【0129】
エチルピロリジン−2−カルボキシラート塩酸塩(4S−S)の合成:
L−プロリン(110g、956.5mmol)をエタノールに溶かし攪拌している溶液に塩化チオニル(141ml,1911.3mmol)を加え、16時間、80℃に加熱した。反応混合物を室温にし、真空下で濃縮して、化合物4S−Sを塩酸塩塩(170g、99%)として得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ4.15−4.10(m,2H),3.68−3.62(m,2H),3.59−3.47(m,2H),2.49−2.37(m,1H),2.27−2.05(m,3H),1.18(t,J=3.6Hz,3H)。
LCMS(m/z):144[M
++1]。
【0130】
1−tert−ブチル2−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−T)の合成:
化合物4S−S(70g、0.391mol)をCH
2Cl
2(700mL)に溶かし攪拌している溶液にEt
3N(170.7mL、1.22mol)、次いでBoc無水物(133g、0.61mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を水(100mL)で希釈し、CH
2Cl
2(2×200mL)で抽出した。有機層を水(1×150mL)、ブライン(1×200mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物4S−T(90g、90%)を粘度の高いシロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ4.15−4.10(m,2H),4.09−4.02(m,1H),3.36−3.29(m,2H),2.25−2.13(m,1H),1.87−1.76(m,3H),1.40(s,9H),1.18(t,J=3.6Hz,3H)。
LCMS(m/z):144[(M
++1)−Boc]。
HPLC:96.11%。
【0131】
1−tert−ブチル2−エチル2−((ベンジルオキシ)メチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−U)の合成:
化合物4S−T(100g、436mmol)をTHF(800mL)に溶かし攪拌している溶液にLiHMDS(873mL、960mmol)を−40℃で加え、1時間攪拌した。これにBOMクロリド(95mL、655mmol)を−50℃で滴加し、室温で1時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、NH
4Cl水溶液で反応を停止させ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をクエン酸溶液(2×100mL)、次いでブライン溶液(2×100mL)で洗浄した。分離した有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、化合物4S−U(150g、95%)を得た。この物質をこれ以上精製せずに次の段階に直接使用した。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.32−7.30(m,5H),4.59(s,2H),4.10−4.02(m,2H),4.09−4.00(m,2H),3.30−3.24(m,2H),2.21−2.10(m,1H),1.82−1.75(m,3H),1.39(s,9H),1.18(t,J=3.6Hz,3H)。
LCMS(m/z):263.4[(M
++1)−Boc]。
【0132】
2−((ベンジルオキシ)メチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(4S−V)の合成:
化合物4S−U(150g、429mmol)をメタノール(200mL)、THF(100ml)に溶かし攪拌している溶液にNaOH溶液(H
2O 300mL中24g)を室温で加えた。反応混合物を16時間、65℃に加熱した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物の溶媒を減圧下で蒸発させ、EtOAc(2×200mL)で希釈した。クエン酸溶液を用いて水層を酸性(pH約3)にし、EtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、化合物4S−V(75g、52%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ7.37−7.32(m,5H),4.61(s,2H),4.05−3.88(m,2H),3.65−3.42(m,2H),2.54−2.46(m,2H),1.95(br s,2H),1.57(s,9H)。
LCMS(m/z):335.3[M
++1]。
【0133】
1−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−2−カルボン酸(4S−W)の合成:
化合物4S−V(75g、223mmol)をメタノール(750mL)に溶かし攪拌している溶液に50%湿潤10%Pd/C(20g)を室温で加え、H
2雰囲気下で6時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをメタノール(50mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して、化合物4S−W(50g、91.1%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ12.55(br s,1H),3.99(d,1H),3.88(d,1H),7.65−7.60(m,1H),3.51−3.45(m,1H),3.39−3.34(m,1H),2.32−2.14(m,1H),1.98−1.69(m,3H),1.39(s,9H)。
LCMS(m/z):246.12[M
++1]。
【0134】
スキーム4S−I−10
【化20】
【0135】
ベンジル6−メチル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AE)の合成:
エチル5−オキソピロリジン−2−カルボキシラート(4S−X)の合成
5−オキソピロリジン−2−カルボン酸(10g、77.4mmol)をエタノール(100mL)に溶かし攪拌している溶液に塩化チオニル(6.7mL、92.9mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物の溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、K
2CO
3上で攪拌した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−X(9g、74%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.98(br s,1H),4.16(t,3H),2.37−2.30(m,1H),2.15(q,2H),2.03−1.97(m,1H),1.22(t,3H)。
LCMS m/z:157.9[M
++1]。
【0136】
1−tert−ブチル2−エチル5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−Y)の合成:
化合物4S−X(9g、57.3mmol)をCH
2Cl
2(90mL)に溶かし攪拌している溶液にDMAP(7.0g、57.3mmol)、次いでEt
3N(15.9mL、114.6mmol)およびBoc無水物(36.7mL、171.9mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(50mL)で希釈し、クエン酸水溶液溶液、次いでブラインで洗浄した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗物質を50%EtOAc/ヘキサンで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−Y(12g、82%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ4.61(m,1H),4.19(q,2H),2.46−2.40(m,2H),2.37−2.25(m,1H),1.91−1.85(m,1H),1.42(s,9H),1.22(t,3H)。
【0137】
エチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソヘキサノアート(4S−Z)の合成:
化合物4S−Y(12g、46.6mmol)をTHF(120mL)に溶かし不活性雰囲気下で攪拌している溶液にMeMgBr(エーテル中3M)(20.2mL、60.6mmol)を0℃で加え、2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、NH
4Cl水溶液で反応混合物の反応を停止させ、水層をEtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣を20%EtOAc/ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−Z(10g、79%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ5.14(br s,1H),4.23(q,2H),2.62−2.47(m,2H),2.17(s,4H),1.91−1.82(m,1H),1.45(s,10H),1.26(t,3H)。
【0138】
エチル5−メチルピロリジン−2−カルボキシラート(4S−AAおよび4S−AB)の合成:
化合物4S−Z(10g、36.7mmol)をCH
2Cl
2(100mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(14.89mL、194.6mmol)を0℃で加えた。室温で2時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮して、化合物4S−AA(粗物質)を得た。これをエタノール(100mL)に溶かし、10%Pd/C(50%湿潤,3g)をN2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)で16時間攪拌した。反応混合物をセライトパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、化合物4S−AB(15g、粗物質)を得た。この物質をこれ以上精製せずに次の段階に直接使用した。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):4.4(m,1H),4.2(m,2H),3.6(m,1H),2.3(m,1H),2.1(m,2H),1.6(m,1H),1.3(d,3H),1.2(t,3H)。
LCMS m/z:158.1[M
++1]。
【0139】
1−ベンジル2−エチル5−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−AC)の合成:
化合物4S−AB(15g、95.4mmol)を1,4−ジオキサン/水(150mL、1:1)に溶かし攪拌している溶液にNaHCO
3(24g、286.3mmol)、次いでCbz−Cl(50%PhCH
3溶液、143.1mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を20%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AC(9g、32%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.41−7.25(m,5H),4.52(s,2H),4.35−4.32(m,1H),4.16−4.10(m,3H),2.24−2.20(m,1H),2.11−2.05(m,1H),1.97−1.93(m,1H),1.64−1.60(m,1H),1.26−1.22(m,4H),1.12(t,2H)。
LCMS m/z:292[M
++1]。
【0140】
ベンジル2−(4−メトキシベンジル)−6−メチル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AD)の合成:
化合物4S−AC(10g、34.1mmol)と脱水THF(50mL)に溶かし攪拌している溶液にLiHMDS(THF中1M、102.2mL、0.102mol)をN
2雰囲気下、−10℃で加え、1時間攪拌した。これに4S−AQ(6.55g、37.4mmol)をTHF(50mL)に溶かした溶液を加え、2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、NH
4Cl水溶液で反応を停止させ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を30%EtOAc/ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AD(6g、45%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.41−7.37(m,4H),7.22(d,2H),7.15−7.07(m,1H),6.92−6.80(m,2H),5.19−4.90(m,1H),4.15−4.12(m,1H),4.01−3.98(m,1H),3.75(d,3H),3.49−3.45(m,1H),3.16−3.12(m,1H),2.31−2.27(m,1H),2.05−1.99(m,1H),1.67−1.60(m,1H),1.17(d,3H)。
【0141】
ベンジル6−メチル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AE)の合成:
化合物4S−AD(4g、10.14mmol)をH
2O/ACN(120mL、1:1)に溶かし攪拌している溶液にCAN(16.6g、30.4mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。分離した有機層をNaHCO
3水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗物質を30%EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AE(1g、36%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.95(d,1H),7.37−3.35(m,5H),5.18−5.04(m,2H),4.07−3.95(m,1H),3.64−3.53(m,1H),3.15−3.07(m,1H),2.33−1.99(m,3H),1.59−1.50(m,1H),1.15(t,3H)。
LCMS m/z:273.2[M
+−1]。
【0142】
スキーム4S−I−11
【化21】
【0143】
(S)−1−ベンジル2−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−AF)の合成:
化合物4S−S(140g、782mmol)を1,4ジオキサン/水(700mL/700mL)に溶かし攪拌している溶液にNaHCO
3(197g、2.34mol)、Cbz−Cl(235g、1.17mol)を0℃で加えた。次いで、反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質の終了後(TLCによる)、反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AF(130g、60%)を淡黄色液体として得た。
1H−NMR:(500MHz,CDCl
3):δ7.37−7.26(m,5H),5.05(s,2H),4.39−4.31(m,1H),4.22−4.18(m,1H),4.07−4.04(m,1H),3.62(t,J=4.5Hz,2H),2.02−1.87(m,4H),1.27(t,J=7.5Hz,3H)。
質量m/z:278[M
++1]。
【0144】
1−ベンジル2−エチル2−アセチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−AG)の合成
4S−AF(20g、72.1mmol)をTHF(100mL)に溶かし攪拌している溶液にLiHMDS(86.5mL、86.54mmol、THF中1Mの溶液)を−20℃で加え、不活性雰囲気下で1時間攪拌した。これに塩化アセチル(5.66mL、79.33mmol)を徐々に加え、−20℃でさらに1時間攪拌を継続した。NH
4Cl水溶液で反応混合物の反応を停止させた後、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質を10%EtOAc/ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AG(14g、60.8%)を粘度の高い無色のシロップとして得た。
質量m/z:320[M
++1]。
【0145】
1−ベンジル2−エチル2−(1−アミノエチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−AH)の合成:
化合物4S−AG(14g、43.88mmol)をEtOH(140mL)に溶かし攪拌している溶液に酢酸アンモニウム(16.9g、219.4mmol)、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(8.2g、131.6mmol)を不活性雰囲気下、室温で加えた。得られた反応混合物を60℃に加熱し、16時間攪拌した。反応の進行をTLCによりモニターし、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。残渣をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質を2%MeOH/CH
2Cl
2で溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AH(0.6g、55%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.86(br s,2H),7.37−7.28(m,5H),5.16(s,2H),4.10−4.01(m,1H),3.95−3.90(m,2H),3.73−3.69(m,1H),3.47−3.42(m,1H),2.10−1.90(m,4H),1.31(d,J=12.0Hz,3H),1.05(t,J=7.5Hz,3H)。
LCMS(ESI):321.3[M
++1]。
【0146】
ベンジル1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AI)の合成:
化合物4S−AH(8.0g、25mmol)をTHF(150mL)に溶かし攪拌している溶液にt−ブチルマグネシウムクロリド(THF中1M)(75mL、75mmol)を窒素雰囲気下、0℃で15分間にかけて徐々に加え、0℃で2時間攪拌した。TLCによる反応終了後、NH
4Cl水溶液で反応混合物の反応を停止させ、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AI(4.5g、65.6%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.08−8.03(m,1H),7.39−7.30(m,5H),5.13−5.00(m,2H),4.05−4.02(m,1H),3.53−3.47(m,1H),3.41−3.36(m,1H),2.10−2.05(m,1H),1.96(s,1H),1.90−1.85(m,2H),1.22(t,J=6.8Hz,3H)。
LCMS(ESI):275.2[M
++1]。
【0147】
スキーム4S−I−12
【化22】
【0148】
メチルピロリジン−2−カルボキシラート(4S−AJ)の合成:
L−プロリン(100g、0.87mol)をメタノール(800mL)に溶かし攪拌している溶液に塩化チオニル(76.9mL、1.04mol)を0℃で徐々に滴加した。反応混合物を12時間、80℃に加熱した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を真空下で濃縮した。得られた残渣をn−ヘキサン(200mL)で洗浄し、溶媒を蒸留除去して、化合物4S−AJ(143.9g、HCl塩)を得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ3.89(s,3H),3.68−3.62(m,2H),3.59−3.47(m,2H),2.49−2.37(m,1H),2.27−2.05(m,3H)。
LCMS(ESI):130[M
++1]。
【0149】
1−tert−ブチル2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−AK)の合成:
化合物4S−AJ(35g、0.22mol)をCH
2Cl
2(175mL)に溶かし攪拌している溶液にEt
3N(90mL、0.65mol)、次いでBoc無水物(56.9mL、0.26mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を水(100mL)で希釈し、CH
2Cl
2(2×100mL)で抽出した。有機層を水(1×100mL)、ブライン(1×100mL)で洗浄し、分離した有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。得られた粗物質を30%EtOAc/ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AK(41g、95%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ4.25−4.21(m,1H),3.75(s,3H),3.57−3.26(m,2H),2.29−2.10(m,1H),1.99−1.75(m,3H),1.45(s,9H)。
LCMS(ESI):130[(M
++1)−Boc]
【0150】
1−tert−ブチル2−メチル2−アセチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−AL)の合成:
化合物4S−AK(40g、0.17mol)をTHF(200mL)に溶かし攪拌している溶液にLiHMDS(183.4mL、0.18mol、THF中1Mの溶液)を−20℃で加え、不活性雰囲気下で30分間攪拌した。これに塩化アセチル(12.46mL、0.17mol)を徐々に加え、−20℃さらに1時間、攪拌を継続した。反応終了後、NH
4Cl水溶液(100mL)で反応を停止させ、次いでEtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物4S−AL(35g、粗物質)(モノアセチル化化合物とジアセチル化化合物の混合物)を粘度の高い黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,CDCl
3):δ3.79(s,3H),3.64−3.38(m,2H),2.43−2.17(m,3H),2.03(s,3H),1.48−1.42(m,1H),1.39(s,9H)。
質量m/z:272[M
++1]。
【0151】
1−tert−ブチル2−メチル2−(1−アミノエチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4S−AM)の合成:
化合物4S−AL(35g、粗物質、0.12mol)をEtOH(350mL)に溶かし攪拌している溶液に酢酸アンモニウム(49.7g、0.64mol)を室温で加え、1時間、70℃に加熱した。反応塊の温度を室温に冷却した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(16.2g、0.25mol)を加え、得られた反応混合物を16時間、75℃に加熱した。反応の進行をTLCによりモニターし、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。残渣をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質を2%MeOH/CH
2Cl
2で溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AM(17g、48.4%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.69(br s,2H),4.05−3.99(m,2H),3.87(s,3H),3.71−3.60(m,1H),2.24−2.11(m,1H),1.99−1.71(m,3H),1.42(s,9H),1.07(d,J=6.8Hz,3H)。
LCMS(ESI):273[M
++1]。
【0152】
tert−ブチル1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AN)の合成:
化合物4S−AM(1.0g、3.67mmol)をTHF(15mL)に溶かし攪拌している溶液にt−ブチルマグネシウムクロリド(THF中1M)(11mL、11.02mmol)を窒素雰囲気下、0℃で15分間かけて徐々に加え、0℃で2時間攪拌した。TLCによる反応終了後、NH
4Cl水溶液(20mL)で反応混合物の反応を停止させ、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して化合物4S−AN(800mg、粗物質)を得、これを精製せずに次の段階に直接使用した。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.97(d,J=9.2Hz,1H),3.93−3.91(m,1H),3.72−3.55(m,1H),3.28−3.24(m,1H),2.08−1.98(m,1H),1.86−1.75(m,2H),1.67−1.64(m,1H),1.39(s,9H),1.18(d,J=4.4Hz,3H)。
LCMS(ESI):241[M
++1]。
【0153】
tert−ブチル2−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AO)の合成:
化合物4S−AN(6.7g、27.8mmol)をCH
3CN(70mL)に溶かし攪拌している溶液にエチル2−ブロモ酢酸(4.98mL、41.8mmol)、炭酸セシウム(27.2g、83.6mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×75mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して化合物4S−AO(8.6g、粗物質)を得、これをいかなる精製も実施せずに次の段階に直接使用した。
LCMS m/z:327.3[M
++1]。
【0154】
スキーム4S−I−13
【化23】
【0155】
ピリミジン−2−イルメタンアミン(4S−AP)の合成:
ピリミジン−2−カルボニトリル(2.0g、19.0mmol)をメタノール(50mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(300mg)、12NのHCl(1.5mL)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で3時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをメタノールで洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをジエチルエーテルで研和して、化合物4S−AP(1.2g、44%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ8.87(d,J=5.0Hz,2H),8.69(br s,2H),7.52(t,J=5.0Hz,1H),4.24(s,2H)。
質量(ESI)(m/z):110.3[M
++1]。
【0156】
スキーム4S−I−14
【化24】
【0157】
2−((4−メトキシベンジル)アミノ)アセトニトリル(4S−AQ)の合成:
(4−メトキシフェニル)メタンアミン(35g、255mmol)をCH
2Cl
2(350mL)に溶かし攪拌している溶液にEt
3N(52.3mL、383mmol)およびブロモアセトニトリル(21.2mL、306mmol)を窒素雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応物をCH
2Cl
2(150mL)で希釈し、ブラインで洗浄した。分離した有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣を30%EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AQ(22g、49%)を得た。
1H−NMR:(500MHz,CDCl
3):δ7.27(d,2H),6.90(d,2H),3.87(s,2H),3.84(s,3H),3.56(s,2H)。
【0158】
スキーム4S−I−15
【化25】
【0159】
2−クロロ−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン(4S−AR)の合成:
ピロリジン(5g、70.42mmol)をDCM(30mL)に溶かし攪拌している溶液に塩化クロロアセチル(7.8g、70.42mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(25mL)で希釈した。有機層を分離し、水(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、4S−ARを、赤みを帯びた固体(6g、60%)として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ4.26(s,2H),3.43(t,J=7.0Hz,2H),3.29(t,J=7.5Hz,2H),1.89−1.84(m,2H),1.79−1.73(m,2H)。
LCMS m/z:148.3[M
++1]。
【0160】
スキーム4S−I−16
【化26】
【0161】
ベンジル2−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート4S−ASの合成:
化合物4S−Q(31g、119mmol)をアセトニトリル(310mL)に溶かし攪拌している溶液にCs
2CO
3(97g、297.8mmol)およびエチル2−ブロモ酢酸(19.6mL、178.7mmol)を室温で加え、室温で16時間攪拌した。反応終了後、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。残渣を水で希釈し(250mL)、EtOAc(2×300mL)で抽出した。分離した有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を50%EtOAc/ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AS(29g、70.2%)を粘度の高い黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.35−7.30(m,5H),5.06(s,2H),4.21(s,1H),4.18(s,1H),4.13−4.10(m,2H),3.69(d,J=4.5Hz,1H),3.47−3.44(m,3H),2.16(t,J=6.0Hz,2H),1.87−1.80(m,2H),1.21−1.14(m,3H)。
LCMS m/z:347[M
++1]。
【0162】
ベンジル2−(2−ヒドラジニル−2−オキソエチル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AT)の合成:
化合物4S−AS(29g、83.7mmol)をEtOH(580mL)に溶かし攪拌している溶液にヒドラジン水和物(12.2mL、251mmol)を室温で加え、90℃で2時間攪拌した。出発物質の終了後(TLCによる)、エタノールを減圧下で蒸発させた。粗残渣を2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AT(19g、68%)を粘度の高い無色のシロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ9.10(s,1H),7.38−7.32(m,5H),5.10−4.99(m,2H),4.30−4.15(m,2H),3.81(s,2H),3.66−3.42(m,2H),3.40−3.30(m,2H),2.22−2.08(m,2H),1.87−1.84(m,2H)。
LCMS m/z:333.3[M
++1]。
【0163】
ベンジル2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−AU)の合成:
化合物4S−AT(19g、57.1mmol)をオルトギ酸トリエチル(190mL)に溶かし攪拌している溶液にp−TSA(1.08g、5.71mmol)を室温で加え、80℃で2時間攪拌した。出発物質の終了後(TLCによる)、オルトギ酸トリエチルを減圧下で蒸発させた。粗残渣を1%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−AU(11g、56.2%)を粘度の高いシロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):9.17(s,1H),7.37−7.30(m,5H),5.06(s,2H),4.67−4.59(m,1H),4.39−3.67(m,1H),3.57−3.48(m,1H),3.46−3.44(m,1H),3.40−3.31(m,2H),2.21−1.98(m,2H),1.87−1.80(m,2H)。
LCMS m/z:343.4[M
++1]。
【0164】
2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン4S−AVの合成:
化合物4S−AU(1g、2.92mmol)をメタノール(20mL)に溶かし攪拌している溶液に10%湿潤Pd/C(300mg)を加え、H
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で12時間攪拌した。反応混合物をセライトパッドでろ過し、メタノール(10mL)で研和した。ろ液を減圧下で濃縮して、4S−AV(280mg、46%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ9.22(s,1H),4.67(s,2H),3.36(s,2H),3.29−3.23(m,1H),3.07−2.84(m,2H),1.93−1.90(m,2H),1.76−1.65(m,2H)。
LCMS m/z:208.2[M
++1]。
HPLC:97.32%(両異性体)。
【0165】
スキーム4S−1
【化27】
【0166】
ベンジル((2S,3R)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−(1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタン−2−イル)カルバマート(4S−1)の合成:
化合物4S−R(250mg、1.98mmol)をDCM(20mL)に溶かし攪拌している溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.91mL、4.95mmol)、4S−A(602mg、2.38mmol)、次いでHOBt(321mg、2.38mmol)、EDCI(366mg、2.38mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(10mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−1(200mg、28%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.85(s,1H),7.36−7.31(m,5H),5.04(s,2H),4.72(d,J=6.4Hz,2H),4.11−4.09(m,1H),4.03−3.99(m,1H),3.82−3.75(m,1H),3.70−3.63(m,1H),3.02−2.75(m,2H),1.97(t,J=2.8Hz,1H),1.90−1.78(m,3H),1.18−1.13(m,3H);LCMS m/z:444.5[M
++Na]。
【0167】
5−((2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−FNL−1)の合成:
化合物4S−1(400mg、1.10mmol)をEtOAc(20mL)に溶かし攪拌している溶液に(50%湿潤)10%Pd/C(200mg)を加え、H
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で16時間攪拌した。反応終了後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、EtOAc(10mL)で研和した。ろ液を減圧下で濃縮して、化合物(4S−FNL−1)(90mg、35.8%)を粘度の高い無色のシロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.37(d,J=2.4Hz,1H),7.59(s,1H),4.72(d,J=6.4Hz,2H),4.11−4.09(m,1H),4.03−3.99(m,1H),3.82−3.75(m,1H),3.70−3.63(m,1H),3.02−2.75(m,2H),1.97(t,J=2.8Hz,1H),1.90−1.78(m,3H),1.18−1.13(m,3H)。
LCMS m/z:228.2[M
++1]。
HPLC:90.8%。
【0168】
tert−ブチル(3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−(1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタン−2−イル)カルバマート(4S−FNL−2)の合成:
4S−R(0.5g、3.96mmol)をCH
2Cl
2(20mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(1.0g、7.92mmol)、4S−B(0.869mg、3.96mmol)およびHATU(1.5g、3.96mmol)を不活性雰囲気下、室温で加えた。得られた反応混合物を室温で2時間攪拌し、反応の進行をTLCによりモニターした。水で反応混合物の反応を停止させ、DCMで抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗生成物を分取HPLCにより精製して、(4S−FNL−2)(30mg、2.3%)をシロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ8.23(br s,1H),8.03(br s,1H),6.89(br s,1H),3.98−3.96(m,2H),3.76−3.74(m,2H),3.62−3.57(m,1H),2.92−2.87(m,1H),1.78−1.74(m,2H),1.68−1.62(m,2H),1.38(s,9H),1.14−0.92(m,3H)。
【0169】
スキーム4S−2
【化28】
【0170】
tert−ブチル2−(((2S,3R)−1,3−ビス(ベンジルオキシ)−1−オキソブタン−2−イル)カルバモイル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(4S−2)の合成:
化合物4S−W(10g、40.8mmol)をCH
2Cl
2(100mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(22mL、122mmol)、4S−E(12g、40.8mmol)、HATU(23g、61.2mmol)を室温で加え、16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(50mL)で希釈し、CH
2Cl
2(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を30%EtOAc/n−ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−2(15g、79.3%)を淡黄色液体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.25−8.12(m,1H),7.31−7.27(m,10H),5.85(t,J=4.8Hz,1H),5.14(s,2H),4.54−4.49(m,2H),4.31−4.20(m,1H),4.15−4.07(m,1H),3.91−3.50(m,1H),3.52−3.37(m,1H),3.31−3.27(m,2H),2.35−2.07(m,1H),1.95−1.90(m,1H),1.73−1.52(m,2H),1.39(s,9H),1.19(d,J=6.4Hz,3H)。
質量(ESI):m/z527.4[M
++1]。
【0171】
tert−ブチル2−((2S,3R)−1,3−ビス(ベンジルオキシ)−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−3)の合成:
トリフェニルホスフィン(1.5g、5.69mmol)をTHF(10mL)に溶かし攪拌している溶液にDIAD(0.91g、4.55mmol)を室温で加え、30分間攪拌した。これに化合物4S−2(1.2g、2.27mmol)を(10mL)THFに溶かした溶液を徐々に加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を減圧下で濃縮した。粗物質を30%EtOAc/n−ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−3(1.0g、90%)を淡黄色液体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.33−7.26(m,5H),7.23−7.18(m,5H),5.10(s,2H),4.80−4.73(m,2H),4.60(s,2H),4.31(s,2H),4.05−4.00(m,2H),1.80−1.68(m,4H),1.39(s,9H),1.18(d,J=6.0Hz,3H)。
質量(ESI):m/z509.4[M
++1]。
【0172】
(2S,3R)−2−(5−(tert−ブトキシカルボニル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)−3−ヒドロキシブタン酸(4S−4)の合成:
化合物4S−3(10g、19.64mmol)をメタノール(100mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(4g)を室温で加え、H
2雰囲気下で24時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをメタノール(50mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して粗物質を得、これをn−ペンタン(50mL)で研和して、化合物4S−4(6g、93.7%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ12.80(br s,1H),4.78−4.73(m,1H),4.21−4.19(m,1H),4.09(s,2H),3.55−3.46(m,2H),2.09−2.05(m,2H),1.80(d,J=7.0Hz,1H),1.38(s,9H),1.35−1.28(m,2H),1.17(d,J=6.5Hz,3H)。
LCMS(M/Z)m/z:329.6[M
++1]。
【0173】
tert−ブチル2−((2S,3R)−1−アミノ−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−5)の合成:
化合物4S−4(500mg、1.52mmol)をCH
2Cl
2(10mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(0.8mL、4.57mmol)、EDCI.HCl(350mg、1.82mmol)、次いでHOBt(280mg、1.82mmol)、NH
4Cl(161mg、3.04mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(10mL)で希釈し、CH
2Cl
2(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をクエン酸溶液(2×30mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を2%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−5(200mg、40%)を無色の液体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.53(s,2H),4.59(s,1H),4.02(s,1H),3.77−3.70(m,2H),3.62−3.53(m,2H),3.46−3.33(m,1H),2.17−2.03(m,2H),1.88−1.71(m,2H),1.38(s,9H),1.18(d,J=6.5Hz,3H)。
質量(ESI):m/z328.3[M
++1]。
【0174】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−(1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)ブタンアミド(4S−6)の合成:
化合物4S−5(200mg、0.61mmol)をCH
2Cl
2(5mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(0.5mL、6.1mmol)を0℃で加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをn−ペンタン/ジエチルエーテル(5mL/5mL)で研和して、化合物4S−6(100mg、粗物質)を白色固体(TFA塩)として得た。
1H−NMR:(400MHz,D
2O):δ4.37−4.29(m,2H),4.13−4.07(m,1H),3.98−3.95(m,1H),3.59−3.50(m,2H),2.51−2.44(m,2H),2.26−2.19(m,2H),1.32(d,J=6.0Hz,3H)。
質量(ESI):m/z228.2[M
++1]。
【0175】
(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−(5−((2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−メチルブタノイル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)ブタンアミド(4S−7)の合成:
化合物4S−6(1.2g、3.70mmol)をCH
2Cl
2(20mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(1.92mL、11.1mmol)、4S−B(810mg、3.70mmol)、HATU(2.1g、5.55mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(20mL)で希釈し、CH
2Cl
2(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を5%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−7(250mg、粗物質)を半固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,CD
3OD):δ4.58−4.40(m,1H),4.29−4.22(m,2H),4.03−3.93(m,3H),3.80−3.66(m,2H),3.51−3.46(m,1H),2.28−2.25(m,2H),2.07−2.01(m,2H),1.44(s,9H),1.38(d,J=2.8Hz,2H),1.20(d,J=6.0Hz,3H),1.17(d,J=6.8Hz,3H)。
質量(ESI):m/z328.3[M
++1]。
【0176】
(2S,3R)−2−(5−((2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)−3−ヒドロキシブタンアミド(4S−FNL−3)の合成:
化合物4S−7(200mg(粗物質)、0.46mmol)をCH
2Cl
2(10mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(0.4mL、4.67mmol)を0℃で加え、室温で2時間攪拌した。反応終了後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗化合物を得、これをDCM/ジエチルエーテル(5mL/5mL)で研和して、(4S−FNL−3)(150mg、99.3%)を白色固体(TFA塩)として得た。
1H−NMR:(400MHz,D
2O):δ4.40−4.37(m,1H),4.31−4.27(m,3H),4.08(d,J=6.0Hz,1H),3.88−3.68(m,3H),2.43−2.34(m,2H),2.31−2.26(m,2H),1.33(d,J=6.4Hz,3H),1.28(d,J=6.8Hz,3H)。
LCMS(ESI):m/z328.3[M
++1]。
【0177】
スキーム4S−3
【化29】
【0178】
tert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)−2−(イソブチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシラート(4S−8)の合成:
化合物4S−W(2.0g、8.16mmol)をCH
2Cl
2(30mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(4.25mL、24.4mmol)、2−メチルプロパン−1−アミン(0.97mL、9.79mmol)、次いでHATU(4.65g、12.24mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温め、16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をH
2O(20mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを50%EtOAc/ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−8(1.8g、73.46%)を得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.65−7.56(m,1H),5.03−4.94(m,1H),4.04−4.00(m,2H),3.85−3.81(m,1H),3.66−3.50(m,3H),2.28−2.23(m,1H),1.87−1.69(m,4H),1.38(s,9H),0.83(d,J=7.0Hz,6H)
LCMS(ESI):m/z301.4[M
++1]
【0179】
tert−ブチル2−イソブチル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−9)の合成:
TPP(3.92g、14.98mmol)をTHF(20mL)に溶かし攪拌している溶液にDTAD(2.37mL、11.98mmol)を室温で加え、20分間攪拌した。化合物4S−8を加え(1.8g、5.99mmol)、反応物を室温で4時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗物質を得、これを40%EtOAc/ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−9(1.4g、82.8%)を粘度の高いシロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ4.91−4.73(m,2H),3.59−3.43(m,1H),3.37−3.26(m,2H),3.17−3.11(m,1H),2.14−2.07(m,2H),1.84−1.71(m,3H),1.39(s,9H),0.90−0.82(m,6H)
LCMS(m/z):283.3[M
++1]
【0180】
2−イソブチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−10)の合成:
化合物4S−9(1.0g、3.54mmol)をDCM(10mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(2.72mL、35.41mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加え、室温で2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをn−ペンタン(10mL)で研和して、化合物4S−10(1g、粗物質)を得、これをいかなる精製も実施せずに次の段階に直接使用した。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ4.90−4.75(m,1H),3.67−3.50(m,2H),3.37−3.23(m,2H),3.04−2.94(m,2H),2.28−2.13(m,2H),2.03−1.96(m,2H),1.87−1.80(m,1H),0.86(d,J=6.4Hz,6H);
LCMS(ESI):m/z183.3[M
++1]
【0181】
tert−ブチル((2S)−3−ヒドロキシ−1−(2−イソブチル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバマート(4S−FNL−4)の合成:
化合物4S−10(1.0g、3.37mmol)をCH
2Cl
2(20mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(2.9mL、16.87mmol)、4S−L(899mg、4.38mmol)、次いでHATU(1.92g、5.06mmol)を室温で加え、16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をH
2O(20mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗物質を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(4S−FNL−4)(350mg、28.2%)を得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ6.88−6.69(m,1H),4.88−4.77(m,1H),4.39−4.33(m,1H),3.69−3.49(m,5H),3.43−3.37(m,1H),2.92−2.89(m,2H),2.09−2.04(m,2H),1.90−1.76(m,3H),1.38(s,9H),0.86(d,J=6.8Hz,6H);
HPLC:93.12%
LCMS(ESI):m/z370.4[M
++1]
【0182】
スキーム4S−4
【化30】
【0183】
tert−ブチル((2S,3R)−1−(2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−FNL−7)の合成:
化合物4S−AV(1g、4.8mmol)をDMF(20mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(4.4mL、24.03mmol)、4S−B(1.26g、5.76mmol)、HATU(2.73g、7.2mmol)を室温で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×50mL)、次いでブライン溶液(2×50mL)で洗浄した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を2%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィー、次いで分取HPLC精製により精製して、(4S−FNL−7)(280mg、14.2%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ9.24(s,1H),6.67(d,J=6.4Hz,1H),4.80(s,2H),4.76−4.70(m,1H),4.24−4.21(m,1H),4.06−4.01(m,2H),3.84−3.79(m,2H),3.73−3.56(m,1H),2.18−1.98(m,2H),1.91−1.86(m,2H),1.38(s,9H),1.03(d,J=6.4Hz,3H)。
質量(ESI):m/z410.4[M
++1]。
HPLC:99.73%(両異性体)。
【0184】
スキーム4S−5
【化31】
【0185】
ベンジル((2S,3R)−1−(2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−13)の合成:
4S−AV(1.2g、5.76mmol)をDMF(15mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(3mL、17.3mmol)、4S−A(1.75g、6.91mmol)、HATU(3.28g、8.64mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(100mL)でおよびEtOAc(100mL)で希釈した。有機層をブライン溶液(2×100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を2%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−13(800mg、31.3%)をオフホワイト固体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ9.24(s,1H),7.36−7.31(m,5H),7.11(d,J=8.5Hz,1H),5.07−4.99(m,2H),4.81−4.74(m,2H),4.60−4.57(m,1H),4.29−4.10(m,1H),3.85−3.71(m,2H),3.63−3.55(m,2H),2.16−2.09(m,2H),2.07−1.86(m,2H),1.19−1.12(m,3H)。
LCMS(ESI):m/z444.4[M
++1]。
【0186】
2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−5−(L−スレオニル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−40)の合成:
化合物4S−13(800mg、1.8mmol)をメタノール(20mL)に溶かし攪拌している溶液に10%湿潤Pd/C(240mg)を加え、H
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で12時間攪拌した。反応混合物をセライトパッドでろ過し、メタノール(10mL)で研和した。ろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを8%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−40(400mg、72%)を白色半固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):9.12(s,1H),7.54(s,2H),5.19(d,J=4.4Hz,1H),4.09−3.97(m,1H),3.90−3.72(m,1H),3.66−3.60(m,2H),3.26−3.13(m,2H),2.88−2.74(m,2H),2.12−1.92(m,1H),1.89−1.74(m,3H),1.16−1.08(m,3H)。
LCMS m/z:208.2[M
++1]。
HPLC:97.63%(両異性体)。
【0187】
N−((2S,3R)−1−(2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル)イソブチルアミド(4S−FNL−9)の合成:
4S−40(400mg、1.29mmol)をDCM(5mL)に溶かし攪拌している溶液にトリエチルアミン(0.36mL、2.58mmol)を0℃で加えた。次いで、塩化イソブチリル(0.15mL、1.41mmol)を0℃で加え、室温で2時間攪拌した。出発物質の終了後(TLCによる)、反応塊を減圧下で蒸発させた。粗残渣を4%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィー、次いで分取HPLC精製により精製して、(4S−FNL−9)(55mg、11.2%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):9.20(s,1H),8.28(s,1H),5.26−5.09(m,1H),4.99−4.48(m,2H),4.10−3.91(m,1H),3.89−3.71(m,3H),3.69−3.61(m,1H),3.41−3.31(m,1H),2.82−2.49(m,1H),2.24−2.18(m,1H),1.98−1.73(m,3H),1.10(d,J=6.4Hz,3H),0.97−0.93(m,6H)。
LCMS m/z:380.4[M
++1]。
HPLC:97.84%。
【0188】
N−((2S,3R)−1−(2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル)アセトアミド(4S−FNL−10)の合成:
化合物(4S−40)(800mg、2.58mmol)をDCM(15mL)に溶かし攪拌している溶液にTEA(783mg、7.74mmol)、次いで塩化アセチル(0.36mL、5.16mmol)を0℃で加え、1時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、水(2mL)で反応塊の反応を停止させた。反応混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを5%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取HPLC、次いでキラル分取HPLC精製により精製して、(4S−FNL−10)(130mg、14.3%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ9.20(s,1H),5.25(d,J=4.4Hz,1H),5.09−4.76(m,1H),4.74−4.68(m,1H),4.60−4.55(m,1H),4.04−3.76(m,4H),3.75−3.64(m,1H),3.40−3.31(m,1H),2.02(s,3H),1.93−1.89(m,2H),1.86−1.77(m,2H),1.18−1.15(m,3H)
LCMS m/z:352.3[M
++1]
HPLC:90.18%
【0189】
スキーム4S−6
【化32】
【0190】
tert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)−2−((ピリミジン−2−イルメチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシラート(4S−14)の合成:
化合物4S−W(5g、20.4mmol)をCH
2Cl
2(50mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(11mL、61.2mmol)、EDCI(5.84g、30.6mmol)、HOBT(4.68g、30.6mmol)、4S−AP(3.52g、24.4mmol)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(50mL)で希釈し、CH
2Cl
2(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をクエン酸(1×100mL)、次いで重炭酸塩溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を2%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−14(2.5g、36.5%)をオフホワイト固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.75(d,J=4.8Hz,2H),8.23(d,J=5.2Hz,1H),7.38(t,J=5.2Hz,1H),5.16(t,J=5.2Hz,1H),4.53−4.41(m,2H),3.92−3.82(m,2H),3.67−3.63(m,1H),3.54−3.48(m,1H),2.32−2.19(m,2H),2.15−1.97(m,2H),1.39(s,9H)。
質量(ESI):m/z337.4[M
++1]。
【0191】
tert−ブチル1−オキソ−2−(ピリミジン−2−イルメチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−15)の合成:
トリフェニルホスフィン(4.87g、18.6mmol)をTHF(30mL)に溶かし攪拌している溶液にDIAD(3.0g、14.88mmol)を室温で加え、30分間攪拌した。次いで、化合物4S−14(2.5g、7.44mmol)を(30mL)THFに溶かした溶液を徐々に加え、反応混合物を室温で8時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を減圧下で濃縮した。粗物質を80%EtOAc/n−ヘキサンで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−15(1.2g、52%)をオフホワイト固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.80(d,J=5.2Hz,2H),7.44(t,J=4.8Hz,1H),4.78−4.74(m,1H),4.35−4.31(m,1H),3.69−3.60(m,1H),3.42−3.33(m,2H),3.28−3.23(m,1H),2.18−2.14(m,2H),1.90−1.76(m,2H),1.40(s,9H)。
質量(ESI):m/z319.3[M
++1]。
【0192】
2−(ピリミジン−2−イルメチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−16)の合成:
化合物4S−15(1.5g、4.71mmol)をCH
2Cl
2(20mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(1.5mL、18.86mmol)を0℃で加え、室温で2時間攪拌した。反応終了後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して、4S−16(1.4g、93%)を、赤みを帯びたシロップ(TFA塩)として得た。
1H−NMR:(400MHz,D
2O):δ8.84(d,J=5.2Hz,2H),7.56(t,J=4.8Hz,1H),4.88−4.73(m,2H),3.97(d,J=6.8Hz,1H),3.82(d,J=7.2Hz,1H),3.55−3.51(m,2H),2.57−2.40(m,2H),2.28−2.15(m,2H)。
LCMS(M/Z)m/z:219.3[M
++1]。
HPLC:94.4%(両異性体)。
【0193】
tert−ブチル((2S,3R)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−(1−オキソ−2−(ピリミジン−2−イルメチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタン−2−イル)カルバマート(4S−FNL−12)の合成:
化合物4S−16(200mg、0.63mmol)をDMF(2mL)に溶かし攪拌している溶液にDIPEA(0.33mL、1.89mmol)、4S−B(160mg、0.75mmol)、次いでHATU(289mg、0.75mmol)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で蒸発させて粗物質を得、これを1%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(4S−FNL−12)(70mg、26.5%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.79(d,J=4.8Hz,2H),7.43(t,J=4.8Hz,1H),6.65(d,J=6.0Hz,1H),6.36(d,J=8.8Hz,1H),4.80(s,2H),4.30−4.22(m,2H),4.06−3.83(m,2H),3.73−3.57(m,1H),3.36−3.34(m,1H),2.17−2.08(m,2H),1.90−1.88(m,2H),1.38(s,9H),1.06(d,J=6.8Hz,3H)。
質量(ESI):m/z420.5[M
++1]。
HPLC:95.8%(両異性体)。
【0194】
5−((2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−((2,2,2−トリフルオロアセチル)−l4−アザニル)ブタノイル)−2−(ピリミジン−2−イルメチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−17)の合成:
化合物(4S−FNL−12)(500mg、1.19mmol)をCH
2Cl
2(5mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(680mg、5.96mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。反応終了後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを50%EtOAc/n−ヘキサン(10mL)で研和して、化合物4S−17(400mg、77%)を粘着性の固体(TFA塩)として得た。
1H−NMR:(500MHz,D
2O):δ8.47(d,J=9.0Hz,1H),7.71(d,J=8.5Hz,2H),5.00−4.95(m,1H),4.64−4.59(m,1H),3.90−3.85(m,1H),3.77−3.71(m,1H),3.61−3.55(m,2H),3.25−3.20(m,2H),2.41−2.21(m,2H),2.15−2.05(m,2H),1.32−1.26(m,3H)
【0195】
N−((2S,3R)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1−(1−オキソ−2−(ピリミジン−2−イルメチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ブタン−2−イル)アセトアミド(4S−FNL−13)の合成:
化合物4S−17(500mg、1.56mmol)をCH
2Cl
2/H
2O(5mL/5mL)に溶かし攪拌している溶液にNaHCO
3(658mg、7.83mmol)、塩化アセチル(367mg、4.68mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質は完全には消費されなかった(TLCによって観察された)。反応混合物を(2×20mL)10%MeOH/DCMにより抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを7%MeOH/DCMで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィー、次いで分取HPLC精製により精製して、(4S−FNL−13)(25mg、4.4%)を黄色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.79(d,J=5.2Hz,2H),8.03(d,J=7.6Hz,1H),7.43(t,J=4.8Hz,1H),4.81−4.75(m,2H),4.59−4.56(m,1H),4.35−4.25(m,1H),3.89−3.81(m,2H),3.77−3.66(m,1H),3.64−3.56(m,2H),2.20−2.11(m,2H),2.08−2.05(m,2H),1.86(s,3H),1.07−1.03(m,3H)
LCMS(m/z):362.41[M
++1]
HPLC:90%
【0196】
スキーム4S−7
【化33】
【0197】
6−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−18)の合成:
化合物4S−AE(3g、7.79mmol)をメタノール(20mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(1.2g)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を線毛のパッド(pad of ciliate)でろ過し、メタノールで洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して、化合物4S−18を黄色固体(1.5g、78%)として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ4.15−4.12(m,1H),3.76−3.70(m,2H),3.18−3.14(m,1H),3.06(d,J=4.8Hz,1H),1.33−1.28(m,4H),1.18(d,J=3.2Hz,3H)。
LCMS(ESI):141.2[M
++1]。
【0198】
(4S,5R)−ベンジル2,2,5−トリメチル−4−(6−メチル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボニル)オキサゾリジン−3−カルボキシラート(4S−19)の合成:
4S−18(6.3g、20.2mmol)をDCM(30mL)に溶かし攪拌している溶液に化合物4S−18(2.58g、18.42mmol)、TEA(6.26g、61.43mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(25mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を2.5%MeOH/DCMを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−19を緑色固体(1.5g、20%)として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.79(s,1H),7.40−7.28(m,5H),5.09−4.95(m,1H),4.89−4.75(m,1H),4.26−3.91(m,2H),3.80−3.37(m,2H),2.05−1.96(m,2H),1.73−1.62(m,3H),1.50(s,6H),1.24−1.14(m,3H),1.07−0.85(m,3H)。
【0199】
ベンジル((2S,3R)−3−ヒドロキシ−1−(6−メチル−1−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−20)の合成:
化合物4S−19(1.5g、3.61mmol)を水(30mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(15mL)を0℃で加え、反応混合物を室温で4時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO
3水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、得られた粗物質を5%MeOH/DCMを用いることによりカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物4S−20(350mg、26%)をオフホワイト固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.81(s,1H),7.55−7.34(m,5H),4.97(s,2H),4.76(d,J=6.4Hz,6.4Hz,1H),4.41−4.35(m,1H),4.14−4.12(m,1H),3.79−3.72(m,2H),3.59(d,J=3.2Hz,1H),2.99(d,J=4.4Hz,4.0Hz,1H),2.24−2.16(m,1H),2.06−1.88(m,2H),1.63(t,J=5.2Hz,1H),1.22(d,J=6.8Hz,3H),1.10(d,J=6.8Hz,3H)。
LCMS m/z:376.4[M
++1]。
【0200】
6−メチル−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−FNL−14)の合成:
化合物4S−20(250mg、0.66mmol)をEtOAc(10mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(100mg)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で8時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、EtOAc(10mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して、(4S−FNL−14)を黄色シロップとして得た(80mg、50%)。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.98(br s,1H),7.49(br s,1H),4.70(d,J=7.2Hz,1H),4.07−4.00(m,2H),3.62(t,J=3.2Hz,1H),2.92(s,1H),2.77−2.69(m,2H),2.14−2.03(m,1H),1.95−1.83(m,2H),1.47−1.40(m,1H),1.23(d,J=6.4Hz,3H),1.11(d,J=6.4Hz,3H)。
LCMS m/z:242.4[M
++1]92.6%。
【0201】
スキーム4S−8
【化34】
【0202】
ベンジル6−メチル−1−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−21)の合成:
化合物4S−AE(4g、14.59mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶かし攪拌している溶液に4S−AR(2.59g、17mmol)、炭酸セシウム(11.86g、36.49mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、アセトニトリルで洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−21(3.0g、40%)を黄色液体として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.38−7.31(m,5H),5.11−4.97(m,2H),4.26(s,1H),4.01−3.97(m,2H),3.79−3.71(m,1H),3.46−3.36(m,2H),3.30−3.22(m,2H),2.30−2.17(m,2H),2.11−2.07(m,1H),2.01−1.97(m,3H),1.89−1.84(m,2H),1.79−1.73(m,1H),1.22−1.11(m,3H)。
LCMS(ESI):386[M
++1]。
【0203】
6−メチル−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−22)の合成:
化合物4S−21(3g、7.79mmol)をメタノール(20mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(1.2g)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)下、室温で2時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをメタノールで洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して、化合物4S−22を黄色固体(1.5g、78%)として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ4.01−3.96(m,1H),3.91−3.72(m,1H),3.38−3.18(m,8H),2.01−1.83(m,6H),1.77−1.72(m,2H),1.02(d,J=6.0Hz,3H)。
LCMS(ESI):251[M
++1]。
【0204】
(4S,5R)−ベンジル2,2,5−トリメチル−4−(6−メチル−1−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボニル)オキサゾリジン−3−カルボキシラート(4S−23)の合成:
4S−F(0.6g、1.92mmol)をDCM(10mL)に溶かし攪拌している溶液に化合物4S−22(0.48g、1.92mmol)、TEA(0.58g、5.76mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(5mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗物質を得、これを3%MeOH/DCMを用いることによりカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物4S−23を褐色固体(0.60g、56%)として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.38−7.34(m,5H),5.09−4.74(m,2H),4.30−3.92(m,4H),3.85−3.64(m,2H),3.46−3.38(m,3H),2.22−2.01(m,3H),1.88−1.74(m,5H),1.58−1.50(m,6H),1.35−1.20(m,5H),1.12−1.07(m,1H),0.87−0.78(m,2H)。
LCMS(ESI):527[M
++1]。
【0205】
ベンジル((2S,3R)−3−ヒドロキシ−1−(6−メチル−1−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−24)の合成:
化合物4S−23(0.8g、1.52mmol)を水(5mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(5mL)を0℃で加え、反応混合物を室温で4時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。分離した有機層をNaHCO
3水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗物質を得、これを2%MeOH/DCMを用いることによりカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物4S−24(0.25g、34%)を黄色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.37−7.30(m,5H),5.08−4.97(m,2H),4.67(d,J=6.0Hz,1H),4.52(t,J=6.4Hz,1H),4.42−4.36(m,1H),4.24−4.18(m,1H),4.07(t,J=8.0Hz,1H),3.80−3.56(m,4H),3.38(t,J=6.8Hz,2H),3.30(s,2H),2.25−2.20(m,1H),2.11−2.04(m,2H),1.90−1.82(m,2H),1.78−1.71(m,1H),1.67−1.63(m,1H),1.24(t,J=6.8Hz,3H),1.09−1.02(m,3H)。
LCMS m/z:487.4[M
++1]。
【0206】
5−((2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル)−6−メチル−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−FNL−15)の合成:
化合物4S−24(0.15g、0.308mmol)をメタノール(5mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(0.06g)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で6時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、メタノールで洗浄し、減圧下で濃縮して、(4S−FNL−15)を黄色固体(0.075g、69%)として得た。
1H−NMR:(400MHz,D
2O):δ4.52−4.46(m,3H),4.12−3.81(m,1H),3.59−3.52(m,1H),3.47−3.43(m,5H),3.06−2.87(m,1H),2.35−2.12(m,8H),1.30(s,6H)。
LCMS(ESI):353.2[M
++1];
HPLC:99.72%
【0207】
スキーム4S−9
【化35】
【0208】
3−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−25)の合成:
化合物4S−AI(2.50g、9.12mmol)をEtOAc(50mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(500mg)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で4時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをEtOAc(30mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを4%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−25を粘度の高い淡黄色シロップ(1.0g、78.7%)として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.79(br s,1H),3.39−3.35(m,1H),2.92−2.85(m,2H),2.80−2.49(m,1H),1.75−1.64(m,2H),1.62−1.60(m,2H),1.10−1.06(m,3H)。
LCMS(ESI):141.3[M
++1]。
【0209】
ベンジル((2S,3R)−3−ヒドロキシ−1−(1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−26)の合成:
化合物4S−25(1.0g、7.13mmol)をDMF(20mL)に溶かし攪拌している溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.94mL、21.3mmol)、4S−A(2.70g、10.67mmol)、次いでHATU(5.42g、14.26mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(30mL)およびEtOAc(50mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗化合物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−26(500mg、18.7%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.95(br s,1H),7.37−7.28(m,5H),7.05(d,J=8.4Hz,1H)5.08−4.98(m,2H),4.78−4.71(m,1H),4.33−4.11(m,1H),3.99−3.72(m,2H),3.68−3.44(m,2H),1.97−1.74(m,4H),1.12−1.11(m,3H),1.06(t,J=6.4Hz,3H)。
【0210】
5−((2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル)−3−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−FNL−16)の合成:
化合物4S−26(500mg、1.33mmol)をEtOAc(20mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(100mg)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で8時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをEtOAc(20mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、(4S−FNL−16)を粘度の高い淡黄色シロップ(170mg、52.8%)として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.42(s,1H),4.68(d,J=6.4Hz,1H),4.10−4.00(m,1H)3.79−3.76(m,1H),3.38−3.33(m,1H),3.04−2.97(m,1H),3.38−3.33(m,1H),3.04−2.97(m,1H),2.16−2.14(m,1H),1.97−1.64(m,4H),1.20−1.04(m,6H)。
LCMS(ESI):242.1[M
++1]。
【0211】
スキーム4S−10
【化36】
【0212】
ベンジル1−メチル−3−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−27)の合成:
化合物4S−AI(500mg、1.82mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶かし攪拌している溶液に4S−AR(377mg、2.55mmol)、炭酸セシウム(1.48g、4.56mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(30mL)で抽出した。分離した有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−27(400mg、56.8%)を黄色液体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.39−7.31(m,5H),5.08−5.04(m,2H),4.11−3.95(m,2H),3.87(s,1H),3.60−3.47(m,4H),2.18−2.14(m,2H),1.86−1.74(m,7H),1.23−1.11(m,1H),1.06(d,J=6.4Hz,3H)。
LCMS(ESI):386.4[M
++1]。
【0213】
3−メチル−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン4S−28の合成:
化合物4S−7(400mg、1.03mmol)をメタノール(10mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(80mg)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で4時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをメタノール(10mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、4S−28を粘度の高い淡黄色シロップ(160mg、61.3%)として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ4.06−3.99(m,1H),3.77−3.70(m,1H),3.63−3.58(m,1H),3.39(s,2H),3.27(t,J=7.2Hz,2H),2.94−2.76(m,3H),1.98−1.59(m,8H),1.06(d,J=6.4Hz,3H)。
LCMS(ESI):252.3[M
++1]。
ELSD:32.06および67.69%。
【0214】
ベンジル(3−ヒドロキシ−1−(1−メチル−3−オキソ−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−29)の合成:
4S−28(600mg、2.38mmol)をCH
2Cl
2(20mL)に溶かし攪拌している溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.31mL、7.16mmol)、4S−A(Cbz−トレオニン、906mg、3.58mmol)、HATU(1.81g、4.77mmol)を0℃で加え、室温で16時間、攪拌を継続した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液で15分間処理した。水層をCH
2Cl
2(2×20mL)で抽出し、有機層を分離し、飽和クエン酸溶液で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離して、化合物4S−29(280mg、24%)を淡黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ7.37−7.27(m,5H),7.04(s,1H),5.07−4.98(m,2H),4.77−4.70(m,1H),4.29−4.26(m,1H),4.15−3.96(m,2H),3.86−3.56(m,4H),3.48−3.35(m,2H),3.30−3.25(m,2H),2.13−2.04(m,1H),1.88−1.74(m,7H),1.14(d,J=6.4Hz,3H),1.07−1.05(m,3H).LCMS(ESI):487.6[M
++1]
【0215】
5−(2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル)−3−メチル−2−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−FNL−18)の合成:
化合物4S−29(140mg、0.28mmol)をメタノール(10mL)に溶かし攪拌している溶液に10%Pd/C(80mg)をN
2雰囲気下で加えた。反応混合物をH
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で3時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、パッドをメタノール(10mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを4%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物(4S−FNL−18)を粘着性のオフホワイト固体(160mg、61.3%)として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ5.27(d,J=4.4Hz,1H),4.71−4.66(m,1H),4.13−4.05(m,2H),3.65−3.55(m,1H),3.27−3.18(m,7H),2.22−2.18(m,1H),1.97−1.71(m,8H),1.16−0.98(m,6H)。
LCMS(ESI):353.3[M
++1]。
【0216】
スキーム4S−11
【化37】
【0217】
tert−ブチル2−(2−アミノ−2−オキソエチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボキシラート(4S−30)の合成:
4S−AO(2g、6.13mmol)をエタノール(5mL)に溶かし攪拌している溶液にエタノール性アンモニア(20mL)を封管中、0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して、化合物4S−30(1.5g、83%)を粘着性の白色固体として得、これを精製せずに次の段階に直接使用した。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6)δ7.52(s,2H),3.98−3.81(m,1H),3.73−3.52(m,2H),3.49−3.31(m,2H),2.12−1.70(m,4H),1.40(s,9H),1.18(d,J=6.4Hz,3H);
LCMS(ESI):m/z298.3[M
++1]
【0218】
2−(1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)アセトアミド(4S−31)の合成:
化合物4S−30(1.5g、5.05mmol)をDCM(40mL)に溶かし攪拌している溶液にTFA(3.85mL、50.5mol)を徐々に加え、室温で3時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応物を減圧下で濃縮して化合物4S−31(1.5g、粗物質、TFA塩)を得、これをいかなる精製も実施せずに次の段階に直接使用した。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ9.45(s,2H),7.49(d,J=15.5Hz,1H),3.99−3.40(m,3H),3.39−3.26(m,2H),2.27−1.90(m,4H),1.17−1.11(m,3H);
LCMS(ESI):m/z198.2[M
++1]
【0219】
tert−ブチル(4S,5R)−4−(2−(2−アミノ−2−オキソエチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボニル)−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン−3−カルボキシラート(4S−32)の合成:
化合物4S−31(1.5g、4.82mmol)をDMF(20mL)に溶かし攪拌している溶液にに溶かし攪拌している溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.19mL、24.1mmol)、4S−G(1.62g、6.26mmol)、次いでHATU(2.74g、7.23mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、残渣を水(100mL)およびEtOAc(100mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−32(1.2g)を粘度の高い褐色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.61(s,2H),4.26−4.06(m,1H),4.00−3.93(m,2H),3.92−3.74(m,2H),3.63−3.43(m,2H),2.36−1.99(m,1H),1.92−1.67(m,3H),1.52(s,6H),1.48−1.39(m,3H),1.39(s,9H),1.20−1.17(m,3H);
LCMS(ESI):m/z439.5[M
++1]
【0220】
tert−ブチル(4S,5R)−4−(2−(2−(((E)−(ジメチルアミノ)メチレン)アミノ)−2−オキソエチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボニル)−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン−3−カルボキシラート(4S−33)の合成:
化合物4S−32(2.3g、5.24mmol)をDMF.DMA(11.5mL)に溶かし攪拌している溶液を4時間、80℃に加熱した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮し化合物4S−33(2.6g、粗物質)を粘着性の褐色シロップとして得、これを精製せずに次の段階に直接使用した。
【0221】
tert−ブチル(4S,5R)−4−(2−((1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−カルボニル)−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン−3−カルボキシラート(4S−34)の合成:
化合物4S−33(2.6g、5.26mmol)をエタノールに溶かし攪拌している溶液にヒドロキシルアミン.HCl(732mg、10.53mmol)を加え、6時間、80℃に加熱した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをH
2O(30mL)およびEtOAc(50mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗残渣を得、これを1%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−34(620mg、25.4%)を粘度の高い黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ9.00(s,1H),4.95−4.62(m,2H),4.35−4.01(m,1H),3.94−3.42(m,2H),2.89−2.63(m,2H),2.17−1.86(m,4H),1.51(s,6H),1.41(s,9H),1.28−1.10(m,6H)
LCMS:m/z464.5[M
++1]
【0222】
tert−ブチル((2S,3R)−1−(2−((1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−FNL−19)の合成:
化合物4S−34(620mg、1.33mmol)をメタノール(10mL)に溶かし攪拌している溶液にPTSA(254mg、1.33mmol)を室温で加え、16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、NaHCO
3で反応混合物の反応を停止させ、15分間攪拌した。次いで、反応塊をろ過し、メタノールを減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを1%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、(4S−FNL−19)(240mg、42.6%)をオフホワイト半固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ8.98(s,1H),6.77(d,J=7.6Hz,1H),4.70−4.62(m,2H),4.23−4.20(m,1H),4.08−4.01(m,2H),3.72−3.55(m,3H),2.15−2.06(m,1H),1.90−1.81(m,3H),1.38(s,9H),1.16−1.04(m,6H);
HPLC:95.96%
LCMS(ESI):m/z424.4[M
++1]
【0223】
スキーム4S−12
【化38】
【0224】
エチル2−(1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)アセタート(4S−35)の合成:
4S−AO(2g、6.13mmol)をDCM(20mL)に溶かし攪拌している溶液にトリフルオロ酢酸(4.71mL、61.2mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをn−ペンタン(10mL)で研和して、化合物4S−35(2.08g、粗物質)を粘度の高い褐色シロップ(TFA塩)として得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6)δ9.20(s,1H),4.22−3.98(m,3H),3.45−3.33(m,2H),3.31−3.26(m,2H),2.23−2.05(m,3H),2.04−1.50(m,2H),1.44−1.31(m,2H),1.30−1.22(m,3H)
LCMS m/z:227.3[M
++1]
【0225】
エチル2−(5−(N−((ベンジルオキシ)カルボニル)−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−L−スレオニル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)アセタート(4S−36)の合成:
化合物4S−35(2g、5.87mmol)をDMF(10mL)に溶かし攪拌している溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.55mL、14.6mmol)、4S−K(2.58g、7.03)、次いでHATU(3.34g、8.8mmol)を0℃で加え、室温で16時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、残渣を水で(100mL)およびEtOAc(100mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗物質を得、これを50%EtOAc/n−ヘキサンで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−36(1g、29.6%)を粘度の高い黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(500MHz,DMSO−d
6):δ7.37−7.31(m,5H),7.19(d,J=9.5Hz,1H),5.01(s,2H),4.35−4.10(m,2H),4.09−4.00(m,2H),3.99−3.64(m,4H),2.71−2.60(m,4H),2.10−1.78(m,4H),1.23−1.12(m,6H),1.10(s,9H),0.04(s,6H)
LCMS m/z:576.7[M
++1]
【0226】
ベンジル((2S,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(2−(2−ヒドラジニル−2−オキソエチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−37)の合成:
化合物4S−36(1g、1.73mmol)をエタノール(15mL)に溶かし攪拌している溶液にヒドラジン水和物(0.25mL、5.21mmol)を加え、3時間、80℃に加熱した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−37(850mg、87.6%)をオフホワイト半固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ9.10(s,1H),7.50(s,1H),7.36−7.26(m,5H),4.99(s,2H),4.42−4.38(m,3H),4.03−3.92(m,2H),3.87−3.81(m,1H),3.70−3.62(m,3H),2.13−2.09(m,1H),1.98−1.74(m,3H),1.23−1.10(m,6H),0.81(s,9H),0.05(s,6H)
LCMS(ESI):562.7[M
++1]
【0227】
ベンジル((2S,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(2−(2−ヒドラジニル−2−オキソエチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−38)の合成:
化合物4S−37(850mg、1.51mmol)をオルトギ酸トリエチル(8.5mL)に溶かし攪拌している溶液にPTSA(28.7mg、0.15mmol)を加え、6時間、80℃に加熱した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを1%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−38(650mg、75.4%)を粘度の高い黄色シロップとして得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ9.24(s,1H),7.35−7.30(m,5H),5.01(s,2H),4.64−4.58(m,2H),4.22−3.89(m,4H),3.67−3.60(m,2H),2.12−2.07(m,1H),2.01−1.78(m,3H),1.33−1.12(m,6H),0.82(s,9H),0.01(s,6H)。
LCMS m/z:571.3[M
++1]。
【0228】
ベンジル((2S,3R)−1−(2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−1−メチル−3−オキソ−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−5−イル)−3−ヒドロキシ−1−オキソブタン−2−イル)カルバマート(4S−39)の合成:
化合物4S−38(650mg、1.13mmol)をTHF(10mL)に溶かし攪拌している溶液にTBAF(THF中1M)(1.7mL、1.7mmol)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をNH
4Cl溶液(20mL)およびEtOAc(30mL)で希釈した。分離した有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗物質を得、これを2%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物4S−39(300mg、58.1%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):δ9.24(s,1H),7.37−7.30(m,5H),7.07(t,J=8.8Hz,1H),5.07(s,2H),4.81−4.72(m,1H),4.69−4.61(m,1H),4.33−4.25(m,2H),3.99−3.85(m,2H),3.40−3.15(m,2H),2.13−2.05(m,1H),1.85−1.80(m,3H),1.13−1.03(m,6H)。
【0229】
2−((1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル)−5−(L−スレオニル)−3−メチル−2,5−ジアザスピロ[3.4]オクタン−1−オン(4S−FNL−20)の合成:
化合物4S−39(300mg、0.65mmol)をメタノール(10mL)に溶かし攪拌している溶液に10%湿潤Pd/C(90mg)を加え、H
2雰囲気下(バルーン圧)、室温で12時間攪拌した。出発物質が消費された後(TLCによる)、反応混合物をセライトパッドでろ過し、メタノール(5mL)で研和した。ろ液を減圧下で濃縮して粗化合物を得、これを5%MeOH/DCMで溶離させるカラムクロマトグラフィーにより精製して、(4S−FNL−20)(100mg、47.1%)を白色固体として得た。
1H−NMR:(400MHz,DMSO−d
6):9.14(s,1H),7.99−7.94(m,1H),5.16−5.09(m,1H),4.11−4.05(m,1H),3.99−3.74(m,3H),3.55−3.52(m,1H),3.36−3.27(m,1H),3.17−2.79(m,1H),2.68−2.64(m,1H),2.33−2.18(m,1H),1.96−1.63(m,3H),1.17−1.01(m,6H);
LCMS m/z:324.3[M
++1];
HPLC:95.52%。
【0230】
実施例3−[3H]MK−801結合アッセイ
方法
Moskalら(Moskal,J.R.,Kuo,A.G.,Weiss,C.,Wood,P.L.,O’Connor Hanson,A.,Kelso,S.,Harris,R.B.,Disterhoft,J.F.,2005.GLYX−13:a monoclonal antibody−derived peptide that acts as an N−methyl−D−aspartate receptor modulator.Neuropharmacology.49,1077−87)に記載されている通りにアッセイを実施した。濃度を漸増させた被験化合物および50μMグルタミン酸の存在下、[
3H]MK−801(5nM;22.5Ci/mmol)と十分に洗浄したラット皮質膜(200μg)との結合の増強を非平衡条件下で(25℃で15分間)測定した。グリシンリガンドが全く存在せず、30μM 5,7DCKAが存在する状態でゼロレベルを決定した。1mMグリシンの存在下で最大刺激を測定し、全試料中に50μMグルタミン酸が存在していた。3パラメータlogアゴニスト応答方程式を用いて、被験化合物による[
3H]MK−801結合の促進を計算し(Graph pad Prism、USA)、被験化合物の効力(EC
50、pMで表される)および最大活性(%最大刺激)を計算した。
【0231】
結果
表2、
図1に示されるように、化合物Xの効力および最大活性は0.3および31%である。
【0232】
【表2】
【0233】
【表3】
【0234】
均等物
当業者は、ルーチンの実験のみを用いて、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する均等物を多数認識する、または確認することが可能であろう。このような均等物は以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0235】
参照による組込み
本明細書に引用される特許、公開特許出願、ウェブサイトをはじめとする参考文献については、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる。