特許第6419147号(P6419147)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6419147自己組織化ワイヤレスネットワークのクラウドを基にした管理のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6419147
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】自己組織化ワイヤレスネットワークのクラウドを基にした管理のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20181029BHJP
   H04W 28/08 20090101ALI20181029BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20181029BHJP
【FI】
   H04W24/02
   H04W28/08
   H04W88/18
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-501143(P2016-501143)
(86)(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公表番号】特表2016-517211(P2016-517211A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】US2014023070
(87)【国際公開番号】WO2014150366
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月22日
(31)【優先権主張番号】13/839,971
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・クナップ
(72)【発明者】
【氏名】ラジャット・プラカシュ
【審査官】 大濱 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/021320(WO,A1)
【文献】 特表2013−502820(JP,A)
【文献】 特表2012−523186(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0176424(US,A1)
【文献】 米国特許第06141565(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによってワイヤレスネットワークを管理するための方法であって、前記方法は前記サーバによって実行され、
前記ワイヤレスネットワークの複数の無線ノードから、前記無線ノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する少なくとも統計および予測情報を収集するステップと、
前記ワイヤレスネットワークに接続されている複数のモバイルデバイスから、前記モバイルデバイスのパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する少なくとも統計および予測情報を収集するステップと、
前記複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価し、高速で移動するモバイルデバイスのグループを識別するために、前記収集された情報を分析するステップと、
前記分析に基づいて、前記複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定するステップであって、前記最適化ガイドラインを決定するステップと、
前記無線ノードにおけるネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化し、個々のモバイルデバイスに固有のリソース最適化決定を行うために、前記複数の無線ノードに前記最適化ガイドラインを送信するステップとを含み、
最適化ガイドラインを決定するステップは、個々のモバイルデバイスまたはモバイルデバイスのグループに固有のリソース最適化の決定を行うために、前記最適化ガイドラインを前記無線ノードにおいて実行された最適化手順の異なるセットと組み合わせるステップをさらに含む方法。
【請求項2】
サーバによってワイヤレスネットワークを管理するための方法であって、前記方法は前記サーバによって実行され、
前記ワイヤレスネットワークの複数の無線ノードから、前記無線ノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する少なくとも統計および予測情報を収集するステップと、
前記ワイヤレスネットワークに接続されている複数のモバイルデバイスから、前記モバイルデバイスのパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する少なくとも統計および予測情報を収集するステップと、
前記複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価し、高速で移動するモバイルデバイスのグループを識別するために、前記収集された情報を分析するステップと、
前記分析に基づいて、前記複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定するステップであって、前記最適化ガイドラインを決定するステップと、
前記無線ノードにおけるネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化し、個々のモバイルデバイスに固有のリソース最適化決定を行うために、前記複数の無線ノードに前記最適化ガイドラインを送信するステップとを含み、
前記方法は、
前記モバイルデバイスの前記モビリティ、ロケーション、およびサービスの将来の振る舞いを予測するために、収集された情報の統計的分析を実行するステップをさらに含む方法。
【請求項3】
無線ノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する統計および予測情報は、セルID、使用された平均セル容量および使用可能セル容量、セルによってサービス提供されたモバイルデバイスの数、確立された接続の数、バックホールにおけるトラフィックパターンまたはサービス提供されたモバイルデバイスのトラフィックパターン、セル再選択およびハンドオーバーの数、ハンドオーバーのタイプ、コールドロップの数、および平均ダウンリンクまたはアップリンク干渉のうちの1つまたは複数を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
モバイルデバイスのパフォーマンス、ロケーション、およびサービスに関する統計および予測情報は、モバイルパフォーマンスレポート、モバイルロケーションデータ、モバイル速度、使用されたネットワークサービスの統計、サービス予想、セル再選択の数、ハンドオーバーの数およびタイプ、コールドロップの数、および平均アップリンクまたはダウンリンク干渉のうちの1つまたは複数を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記モバイルデバイスの前記モビリティ、ロケーション、およびサービスに基づいて前記モバイルデバイスを分類するために、前記無線ノードおよび前記モバイルデバイスからの収集された情報の統計的分析を実行するステップをさらに含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記最適化ガイドラインは、
前記ワイヤレスネットワークに接続されているモバイルデバイスのサービスまたは数の現在のおよび予測される変化に対応するために1つまたは複数の新しい無線ノードをアクティブ化することと、
高速で移動するモバイルデバイスのグループのための頻繁なセル再選択およびハンドオーバーを減らすように前記複数の無線ノードのセル再選択およびハンドオーバーパラメータを調整することとを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記高速で移動するモバイルデバイスのグループは、共通の交通機関プラットフォーム上にある請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記高速で移動するモバイルデバイスのグループは、モバイルデバイスが前記グループに入るかまたは出るときに管理される請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
各無線ノードは、フェムトノード、マクロノード、およびWiFiノードのうちの1つである請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記ワイヤレスネットワークは、自己組織化ネットワークである請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するための手段を備えるワイヤレスネットワークを管理するためのサーバ装置。
【請求項12】
少なくとも1つのサーバコンピュータに請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコードを備える、実行可能コードを格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ワイヤレス通信の分野に関し、より詳細には、複数のマクロ、フェムト、およびWiFiノードを備える自己組織化ワイヤレスネットワークのクラウドを基にした管理のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムは、様々なタイプの通信コンテンツ(たとえば、音声、データ、ビデオなど)をモバイルユーザデバイスに提供するために幅広く配備されている。通常、ワイヤレス通信システムは、使用可能な無線リソース(たとえば、帯域幅および伝送電力など)を共有することによって、複数のモバイルデバイスとの通信をサポートすることができる多元接続システムである。多元接続ワイヤレス通信システムは一般に、Universal Mobile Telecommunication System (UMTS)、Global System for Mobile Communications (GSM(登録商標))、third generation partnership project (3GPP) long-term evolution (LTE)システムなどのような無線アクセスネットワーク(RAN)、IEEE 802.11 (Wi-Fi)、IEEE 802.16 (WiMAX)などのようなワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、およびBluetooth(登録商標)などのようなワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、という3つのカテゴリに分類される。
【0003】
RANカバレッジエリアは通常、一般にマクロセルと称される複数のセルに分割されており、各セルは、一般にマクロノードと称される無線基地局を有する。これらのマクロセルは、広範な地理的カバレッジを有し、RANへのワイヤレスアクセスをモバイルデバイスに提供する。標準的な基地局を補完するため、一般にフェムトセルまたはフェムトノードと称される、追加の低電力基地局が、特別に配備されて、一般のRANインフラストラクチャを考慮することなく、空港およびショッピングモールのような屋内環境においてより堅固なワイヤレスカバレッジおよび容量を提供することができる。加えて、3G/4GワイヤレスおよびパーソナルLANは、エンドユーザによってその自宅およびオフィスに配備されて、高速で安価なワイヤレスネットワークアクセスを提供することができる。
【0004】
ワイヤレス通信システムの現在の世代は、ワイヤレスネットワークの立案、構成、管理、および最適化を自動化する、分散型自己組織化ネットワーク(SON)機能をサポートする。たとえば、自動設定機能は、新しいマクロおよびフェムトノード(一般に無線ノードと称される)が自動的に自動設定してRANに統合できるようにする。分散型自動最適化機能は、無線ノードが、近隣セルおよび隣接モバイルデバイスのリアルタイム観察に基づいて、様々なアクセス、モビリティ、およびハンドオーバーパラメータをさらに動的に調整できるようにする。自動修復機能は、たとえば、近隣セルのパラメータおよびアルゴリズムを調整し、これらのセルが障害ノードのモバイルデバイスをサポートできるようにすることによって、1つまたは複数の無線ノードの障害の影響を低減することに役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、現在の分散型SON機能の多くは、(たとえば、マクロノードまたはフェムトノードなど)基地局レベルにおいて感知からデータを処理することによって実行され、ワイヤレスネットワークに対するそれらの自己組織化の影響は局所的である。集中SON機能は、既存の無線ノードのポリシー管理、およびネットワーク内の無線ノード上のユーザにわたる影響集約パラメータに限定される。したがって、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理の改善が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後段では、無線ノード検知の設計および自己組織化ワイヤレスネットワークのクラウドを基にした管理のためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の1つまたは複数の態様の簡略化された概要を提示する。様々な態様において、本明細書において開示されるシステムおよび方法は、自己組織化ワイヤレスネットワークにおける計画および計画外のマクロ、フェムト、およびWiFiノードの最適な配備およびパラメータ化のための複合されたクラウドを基にしたおよび分散型の無線ノードを基にしたインフラストラクチャを規定する。この課題を解決するための手段は、本発明のすべての企図される態様の広範に及ぶ概要ではなく、また本発明の主要なまたは重大な要素を識別することも、本発明のいずれかまたはすべての態様の範囲を詳細に示すことも意図されてはいない。その概要の唯一の目的は、後段で提示されるさらに詳細な説明の前置きとして、簡略化した形で1つまたは複数の態様の一部の概念を提示することである。
【0007】
1つの態様において、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のためのサーバを基にした方法は、サーバにより、ワイヤレスネットワークの複数の無線ノードから、それらのノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する統計および予測情報を収集するステップと、ワイヤレスネットワークに接続されている複数のモバイルデバイスから、それらのデバイスのパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する少なくとも統計および予測情報を収集するステップとを含む。方法は、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価するために、収集された情報を分析するステップをさらに含む。方法は、分析に基づいて、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定するステップをさらに含む。方法は、複数の無線ノードにおけるネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化して、個々のモバイルデバイスに固有のリソース最適化決定を行うために、これらの無線ノードに最適化ガイドラインを送信するステップをさらに含む。
【0008】
もう1つの態様において、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のためのサーバ装置は、ワイヤレスネットワークの複数の無線ノードから、それらの無線ノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する少なくとも統計および予測情報を収集して格納するように構成されたネットワーク情報収集コンポーネントを含む。サーバ装置は、ワイヤレスネットワークに接続されている複数のモバイルデバイスから、それらのデバイスのパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する少なくとも統計および予測情報を収集するように構成されたモバイル情報収集コンポーネントをさらに含む。サーバ装置は、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価するために、収集された情報を分析するように構成された情報分析コンポーネントをさらに含む。サーバ装置は、個々の無線ノードと併せて分析に基づいて、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定するように構成されたネットワーク最適化コンポーネントをさらに含む。サーバ装置は、複数の無線ノードにおけるネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化して、個々のモバイルデバイスに固有のリソース最適化決定を行うために、クラウドサーバからこれらの無線ノードに最適化ガイドラインを送信するように構成された通信コンポーネントをさらに含む。
【0009】
もう1つの態様において、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のためのサーバ装置は、ワイヤレスネットワークの複数の無線ノードから、上記無線ノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する少なくとも統計および予測情報を収集する手段を含む。サーバ装置は、ワイヤレスネットワークに接続されている複数のモバイルデバイスから、それらのデバイスのパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する少なくとも統計および予測情報を収集する手段をさらに含む。サーバ装置は、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価するために、収集された情報を分析する手段をさらに含む。サーバ装置は、分析に基づいて、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定する手段をさらに含む。サーバ装置は、複数の無線ノードにおけるネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化して、個々のモバイルデバイスに固有のリソース最適化決定を行うために、これらの無線ノードに最適化ガイドラインを送信する手段をさらに含む。
【0010】
さらにもう1つの態様において、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のためのコンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのサーバコンピュータに、ワイヤレスネットワークの複数の無線ノードから、それらのノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する少なくとも統計および予測情報を収集させるためのコードを備える非一時的コンピュータ可読媒体を含む。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのサーバコンピュータに、ワイヤレスネットワークに接続されている複数のモバイルデバイスから、それらのデバイスのパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する少なくとも統計および予測情報を収集させるためのコードをさらに含む。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのサーバコンピュータに、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価するために、収集された情報を分析させるためのコードをさらに含む。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのサーバコンピュータに、分析に基づいて、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定させるためのコードをさらに含む。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのサーバコンピュータに、複数の無線ノードにおけるネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化して、個々のモバイルデバイスに固有のリソース最適化決定を行うために、最適化ガイドラインを前記無線ノードに送信させるためのコードをさらに含む。
【0011】
前述および関連する目標の達成のため、1つまたは複数の態様は、これ以降、特許請求の範囲において十分に説明され、特に指摘される特徴を備える。後段の説明および添付の図面は、1つまたは複数の態様の特定の例示的な特徴を詳細に示す。しかしながら、これらの特徴は、様々な態様の原理が採用され得る様々な方法のほんの数例を示すものであり、この説明は、すべてのそのような態様およびそれらの等価物を含むことが意図される。
【0012】
開示される態様は、これ以降、類似する記号表示が類似する要素を指示する添付の図面と併せて説明されるが、図面は開示される態様を限定するためではなく、説明するために提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】1つの態様による、複数の自己組織化ワイヤレスネットワークと、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のためのクラウドサーバを備える例示的なワイヤレス通信システムとを示すブロック図である。
図2】1つの態様による、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のための例示的なクラウドサーバシステムを示すブロック図である。
図3】1つの態様による、自己組織化ワイヤレスネットワークのサーバを基にした管理のための例示的な方法論を示す流れ図である。
図4】1つの態様による、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のための例示的なクラウドサーバシステムを示すブロック図である。
図5】本明細書において説明される様々なシステムおよび方法と併せて採用され得る例示的なワイヤレス通信システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な態様において、分散型自己組織化ワイヤレスネットワークと組み合わせたクラウドを基にした管理のためのシステムおよび方法が、本明細書において開示される。様々な態様は、図面を参照して説明される。説明の目的で、後段の説明において、1つまたは複数の態様を十分に理解できるようにするために、多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、そのような態様が、それらの具体的な詳細を伴うことなく実施され得ることは明らかであってもよい。さらに、様々な態様または特徴は、多数のデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含むことができるシステムに関して提示される。様々なシステムが、追加のデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含むことができること、および/または図面に関連して説明されるデバイス、コンポーネント、モジュールなどのすべては含まなくてもよいことを理解され認識されたい。これらの手法の組み合わせもまた、使用されてもよい。
【0015】
図1は、マクロノード110およびフェムトノード120によって表される1つまたは複数の異なる無線アクセスネットワーク(RAN)のような、複数の自己組織化ワイヤレスネットワーク(ワイヤレスSONとも称される)、ならびにWiFiノード130によって一般に表される1つまたは複数のワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)およびワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を含むワイヤレス通信システム100の1つの態様を示す。これ以降、マクロノード110、フェムトノード120、およびWiFiノード130は、一般に無線ノードと称される。1つの態様において、これらのRAN、WLAN、およびWPANは、無線ノード110、120、および130の1つに接続されたモバイルデバイス105に通信サービス(たとえば、音声、データ、ビデオなど)を提供するモバイルオペレータコアネットワーク140(バックホールとも称される)に接続される。モバイルデバイス105は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、またはセルラーもしくはワイヤレスモデムを有するその他のポータブル処理デバイスを含むことができるが、これらに限定されることはない。モバイルデバイス105は、加入者ユニット、加入者ステーション、移動局、移動体、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、ワイヤレス通信デバイス、ユーザエージェント、モバイルデバイスなどと称されてもよい。
【0016】
様々な態様において、マクロノード110およびフェムトノード120によって表されるRANは、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、搬送波感知多重接続(CSMA)およびその他の技術のような、様々な無線アクセス技術(RAT)および通信規格を使用して実施されてもよい。「システム」および「ネットワーク」という用語は、同義的に使用されることが多い。CDMAシステムは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)、cdma2000などのような、無線技術を実施することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W-CDMA)、およびCDMAのその他の変種を含む。さらに、cdma2000は、IS-2000、IS-95、およびIS-856規格を網羅する。TDMAシステムは、Global System for Mobile Communication(GSM(登録商標))のような無線技術を実施することができる。OFDMAシステムは、Evolved UTRA(E-UTRA)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDM(登録商標)などのような、無線技術を実施することができる。UTRAおよびE-UTRAは、Universal Mobile Telecommunication System (UMTS)の一部である。3GPP Long Term Evolution(LTE)は、ダウンリンクにOFDMA、アップリンクにSC-FDMAを採用する、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、およびGSM(登録商標)は、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)と称する機関からの文書において説明されている。加えて、cdma2000およびUMBは、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)と称する機関からの文書において説明されている。
【0017】
1つの態様において、RANは、モバイルデバイス105と通信するために使用される複数の無線ノード110および120を含むことができる。これらの無線ノードは、高電力マクロノード110と、低電力フェムトノード120とを含むことができる。フェムトノード120はまた、フェムトセル、アクセスポイント、フェムト基地局(BS)、ピコノード、マイクロノード、Node B、evolved Node B(eNB)、集合的にH(e)NBと称されるホームNode B(HNB)またはhome evolved Node B (HeNB)、もしくはその他の用語として称されてもよい。これらのフェムトノード120は一般に、マクロノード110と比べると比較的低電力で送信される。そのようなものとして、低電力フェムトノード120(たとえば、フェムトセル)のカバレッジエリアは、マクロノード110(たとえば、マクロセル)のカバレッジエリアよりも大幅に小さくなり得る。もう1つの態様において、WRANおよびWPANは、WiFiアクセスポイントまたはBluetooth(登録商標)アクセスポイントのような、複数の無線ノード130を含むことができる。フェムトまたはWiFiノードのクラスタは、より広いエリアにわたりカバレッジを提供することができるので、別個のサービスレイヤを作成する。
【0018】
様々な態様において、ワイヤレス通信システム100の無線ノード110、120、および130は、3GPP TS 32.500において開示される機能のような、1つまたは複数の分散型SON機能をサポートするように構成される。たとえば、SONの自己組織化機能は、新しい無線ノードが自動的に自動設定してワイヤレスシステム100に自動統合できるようにする。SONの分散型自動最適化のメカニズムは、無線ノードが、近隣セルおよび隣接モバイルデバイスのリアルタイム観察に基づいて、様々なアクセス、電力、モビリティ、およびハンドオーバーパラメータをさらに動的に調整できるようにする。SONの自動修復機能は、たとえば、近隣セルのパラメータおよびアルゴリズムを調整し、その他のセルが障害ノードのモバイルデバイスをサポートできるようにすることによって、1つまたは複数の無線ノードの障害の影響を低減することに役立つ。
【0019】
さらに具体的には、1つの態様において、無線ノード110、120、130は、自動設定機能およびアルゴリズムをサポートすることができ、それにより無線ノードは自動的に自動設定してワイヤレス通信システム100に統合することができる。たとえば、無線ノードは、その物理セル識別(PCI)、伝送周波数、および電力を自動設定することができる。無線ノードは、近隣セルおよびコアネットワーク140とのS1およびX2インターフェースを自動設定して、ネットワーク140からIPアドレスを取得することができる。さらに、無線ノードは、近隣セルに関する情報を識別して収集するために自動ネイバーリレーション(Automatic Neighbor Relations:ANR)を使用し、モバイルデバイス105によるさらに高速なセルハンドオーバーを容易にするネイバーリレーションテーブル(Neighbor Relation Table:NRT)をセットアップすることができる。加えて、無線ノードは、測定レポートを隣接モバイルデバイス105に要求することができ、このレポートにより、無線ノードは近接セルのセルID、それらの伝送周波数、および電力を取得することができる。収集された情報から、無線ノード110、120、130は、近接セルの干渉を生じることなくそれらの無線ノードをワイヤレスシステム100に統合する様々な自動設定アルゴリズムを実行することができる。
【0020】
もう1つの態様において、無線ノード110、120、および130は、自動最適化機能およびアルゴリズムをサポートすることができ、これにより無線ノードは、近隣セルおよび隣接モバイルデバイス105のリアルタイム観察に基づいて、様々なアクセス、モビリティ、およびハンドオーバーパラメータを動的に調整することができる。たとえば、モビリティ負荷分散(Mobility Load Balancing:MLB)機能は、輻輳が生じているマクロおよびフェムトセルが負荷を予備リソースがある他の近接セルに動的に移すことができるようにする。MLBは、使用された平均セル容量および使用可能セル容量、セルによってサービス提供されたモバイルデバイスの数、確立された接続の数、ドロップされたコールの数、およびワイヤレスノードごとの配備レイヤにわたるその他の関連する情報のような、負荷レベルおよび使用可能な容量に関する情報を交換するための無線ノード間負荷レポート機能を含む。もう1つの例において、モビリティロバスト性最適化(Mobility Robustness Optimization:MRO)機能は、遅すぎるまたは速すぎるハンドオーバーもしくはモバイルデバイス105による不適切なセルへのハンドオーバーによる無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)を生じさせるエラーのような、無線ノードのモビリティ構成におけるエラーの自動検出および修正を可能にする。
【0021】
さらにもう1つの態様において、無線ノード110、120、および130は、自動修復機能およびアルゴリズムをサポートすることができ、これにより無線ノードの障害の影響を低減することができる。たとえば、一部の自動修復機能は、障害管理、アラーム、通知、自己診断テスト結果などのような関連データを監視および分析して、必要に応じて影響を受けた無線ノードに修正アクションを自動的に開始または実行する。その他の自動回復機能は、無線ノードの様々なソフトウェアおよびハードウェア障害の自動検出および局所化を提供し、温度障害の場合の出力電力の低減または以前のソフトウェアバージョンへの自動フォールバックのような複数の障害クラスを解決するための自動修復メカニズムを適用する。無線ノード障害の場合、その他の自動修復機能は、近隣セルのパラメータおよびアルゴリズムを自動的に調整して、これらのセルが障害ノードのモバイルデバイスをサポートできるようにする。
【0022】
個々の無線ノード110、120、および130の分散型リアルタイムSON機能を補足するため、ワイヤレスSON100は、1つの態様において、様々なRANマクロノード110およびフェムトノード120の管理、WLANおよびWPANノード130の管理、ならびにRAN、WLANおよびWPANネットワークに接続されたモバイルデバイス105の管理を含む、全ワイヤレス通信システム100の集中的、非リアル管理および最適化を提供するクラウドサーバ150を含む。クラウドサーバ150は、ブレードサーバのような1つまたは複数のコンピュータサーバと、モバイルオペレータコアネットワーク140または外部ネットワークに位置するSQLデータベースのようなデータベースとを含むことができる。1つの態様において、クラウドサーバ150は、ワイヤレスシステム100のオペレータによって運用されてもよい。クラウドサーバ150の例示的な実施態様は、図2に示される。示されているように、クラウドサーバ150は、ネットワーク情報収集コンポーネント210と、モバイル情報収集コンポーネント220と、情報分析コンポーネント230と、ネットワーク最適化コンポーネント240と、通信コンポーネント250と、データベース260とを含むことができる。これらのコンポーネントの各々の機能は、後段においてさらに詳細に説明される。
【0023】
1つの態様において、ネットワーク情報収集コンポーネント210は、システム100の無線ノード110、120、および130から様々な統計および予測アクセシビリティならびにパフォーマンス情報を収集してデータベース260に格納することができる。この情報は、無線ノード110、120、および130の定期的なネットワークリッスン(Network Listen:NL)測定、またはコアネットワークのデータ伝送の測定に基づいてもよい。無線ノード110、120、および130ならびにネットワーク140から収集されたデータは、セルID、IPパケットルート、使用された平均セル容量および使用可能セル容量、各セルによってサービス提供されたユーザの数、各セルで確立された接続の数、バックホールにおける時刻または瞬時トラフィックパターンもしくはモバイルデバイスのトラフィックパターン、各セルのセル再選択およびハンドオーバーの数、ハンドオーバーのタイプ(たとえば、周波数内、周波数間、RAT間、マクロセルとの間のハンドオーバー、フェムトセルとの間のハンドオーバーなど)、ドロップされたセルの数、平均ダウンリンク/アップリンク干渉、ならびにその他のパフォーマンスおよびアクセシビリティパラメータを含むことができるが、これらに限定されることはない。
【0024】
もう1つの態様において、モバイル情報収集コンポーネント220は、無線ノード110、120、および130に接続されたモバイルデバイス105から様々な統計および予測データを収集してデータベース260に格納することができる。モバイルデバイス105は、圧縮済みまたは未処理測定データをオーバージエア(OTA)でクラウドサーバ150に送信することができる。モバイルデバイス105から収集されたデータは、様々なパフォーマンスレポート(たとえば、重要パフォーマンスインジケータ(KPI)、デバイスロケーションデータ(たとえば、GPSデータ)、使用されたモバイルサービスの統計(たとえば、音声、データ、ストリーミング)、様々な無線ノードから受信した信号強度インジケータ(RSSI)、サービス予想(たとえば、計画的なシステムアップデート、大規模なダウンロードまたは同期化など)、セル再選択の数、ハンドオーバーの数およびタイプ(たとえば、周波数内、周波数間、RAT間、マクロセルとの間のハンドオーバー、フェムトセルとの間のハンドオーバーなど)、ドロップされたセルの数、平均ダウンリンク/アップリンク干渉、ならびにその他のパフォーマンス、モビリティ、およびサービス情報を含むことができるが、これらに限定されることはない。
【0025】
もう1つの態様において、情報分析コンポーネント230は、全ワイヤレス通信システム100の無線ノード間のネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散のさらにグローバルで包括的な向上および最適化、ひいてはこれらのノードの分散型SON機能およびアルゴリズムに基づいて個々の無線ノードによって行われ得るローカルのパフォーマンス向上を行うために、コンポーネント210および220によって収集された情報を分析して、無線ノード110、120、および130間のネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価することができる。たとえば、1つの態様において、分析コンポーネント230は、収集されたデータを分析し、個々のセルのパフォーマンス、モバイルデバイスの位置の追跡、ならびにモバイルデバイスによって現在使用および予想されるサービスに基づいて、全ネットワーク負荷、個々のセルの負荷、および連結されたマクロ、フェムト、およびWiFiノード間のネットワークリソースの分散に関する長期的な(たとえば、分、時間、または日)決定を行うことができる。1つの態様において、分析コンポーネント230は、無線ノードおよびモバイルデバイスから受信した情報の統計的分析を行って、モバイルデバイスの速度、ロケーション、およびサービスレベルに関連付けられている複数のクラスのうちの1つに属するものとしてモバイルデバイスを分類することができる。モバイルデバイスの分類は、共有されたモビリティパターンに基づいて、上記モバイルデバイスをグループ分けすることによって集合的に実行されてもよい。モバイルデバイスのグループは、デバイスがグループに入るかまたはグループを出るときに管理されてもよい。モビリティパターンの共有は、複数のモバイルデバイスが共通の交通機関プラットフォーム(たとえば、バスおよび列車)上にあることに起因する場合がある。たとえば、分析コンポーネント230は、モバイルデバイス105による頻繁なセル再選択およびハンドオーバーを減らすように無線ノード110、120、および130の様々なセル再選択およびハンドオーバーパラメータを適宜調整するため、動きの速いモバイルデバイスのプラットフォームを識別することができる。もう1つの態様において、分析コンポーネント230は、ネットワーク100のリソースの将来のパフォーマン
ス、負荷、および分散を計画するため、収集した情報の統計的分析を行って、モバイルデバイスの速度、ロケーション、およびサービスレベルの将来の振る舞いを予測することができる。
【0026】
もう1つの態様において、ネットワーク最適化コンポーネント240は、コンポーネント230によって実行された分析に基づいて、無線ノード110、120、および130間のネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定することができる。たとえば、1つの態様において、最適化コンポーネント240は、様々なパラメータ(たとえば、地理、時間など)に基づいて、モバイルデバイス105のサービスパターンまたは数の現在のおよび予知可能な(予測される)変化に対応するように新/旧の無線ノードをアクティブ化/非アクティブ化するかどうかを指示する最適化ガイドラインを提供することができる。もう1つの態様において、最適化コンポーネント240はまた、個々の無線ノードによって実施された分散SON機能と併せて、フェムトおよびWiFiノードへのオフロードを増大させ、高速モバイル105のマクロノードに戻すように、マクロノード110、120、および130のカバレッジエリアを動的に調整して、全体的なネットワークパフォーマンスを向上させることができる。もう1つの態様において、最適化コンポーネント240は、個々の無線ノードのQhyst、Qqualmin、Qoffset、Treselection、HCSなどのようなセル再選択パラメータのネットワークまたはクラスタパフォーマンスを最適化することができる。もう1つの態様において、最適化コンポーネント240は、様々なセルハンドオーバーパラメータ、ABS (Almost Blank Subframes)構成、ヒステリシス、Time-to-trigger (TTT)、セル個別オフセット、イベントオフセット(Ea3-offset)、フィルタ係数、周波数オフセット、および個々の無線ノードのその他のパラメータを最適化することができる。さらにもう1つの態様において、最適化コンポーネント240は、最適化ガイドラインを、無線ノード110、120、および130の各々によって実行された、自動設定、自動最適化、および自動修復のような、ローカルSON最適化手順の異なるセットと組み合わせて、モバイルデバイスの個別またはグループおよびモバイルプラットフォーム105に固有のリソース最適化の決定を行うことができる。最適化コンポーネント240はまた、個々のSON無線ノード110、120、および130のローカル自動設定、自動最適化、および自動修復機能を向上させるためのその他の最適化ガイドラインを生成することもできる。
【0027】
さらにもう1つの態様において、最適化ガイドラインが生成されると、クラウドサーバ150は、通信コンポーネント150を使用し、たとえばコアネットワーク140を介して、最適化ガイドラインを適切な無線ノード110、120、および130に送信することができる。無線ノードは、これらの最適化ガイドラインをそれらのローカルSON機能と共に使用して、ネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化し、個々のモバイルデバイス105に固有のリソース最適化決定を行うことができる。
【0028】
図3は、自己組織化ワイヤレスネットワークのクラウドを基にした管理のための例示的な方法論を示す。例示的な方法論300は、図1および図2のクラウドサーバ150のようなクラウドサーバ、またはその1つまたは複数のコンポーネントに格納され、説明される動作を実行するようにプロセッサによって実行される命令において定義されてもよい。説明を簡潔にする目的で、方法論は一連の動作として示され説明されているが、1つまたは複数の実施形態により、一部の動作が、本明細書において示され説明されている順序とは異なる順序で、および/またはその他の動作と同時に生じる場合もあるので、これらの方法論が動作の順序によって限定されないことを理解されたい。たとえば、方法論は、代替として、状態遷移図におけるような、一連の相互関係のある状態またはイベントとして表されてもよいことを理解されたい。さらに、示されている動作のすべてが、1つまたは複数の実施形態による方法論を実施するために必要とされるわけではない。
【0029】
図3を参照すると、ステップ310において、方法300は、ワイヤレスネットワークの複数の無線ノードから、それらの無線ノードのアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する統計および予測情報を収集するステップを含む。たとえば、1つの態様において、クラウドサーバ150は、無線ノード110、120、および130のアクセシビリティおよびパフォーマンスに関する統計および予測情報を収集するように構成されたネットワーク情報収集コンポーネント210を含むことができる。ステップ320において、方法300は、ワイヤレスネットワークに接続されている複数のモバイルデバイスから、上記デバイスのパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する少なくとも統計および予測情報を収集するステップを含む。たとえば、1つの態様において、クラウドサーバ150は、ワイヤレスネットワーク100に接続されているモバイルデバイス105のパフォーマンス、ロケーション、モビリティ、およびサービスに関する統計および予測情報を収集するように構成されたモバイル情報収集コンポーネント220を含むことができる。ステップ330において、方法300は、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価するために、収集した情報を分析するステップを含む。たとえば、1つの態様において、クラウドサーバ150は、無線ノード110、120、および130の間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価するために、収集した情報を分析するように構成された情報分析コンポーネント230を含むことができる。ステップ340において、方法300は、ステップ330における分析に基づいて、複数の無線ノードの間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定するステップを含む。たとえば、1つの態様において、クラウドサーバ150は、無線ノード110、120、および130の間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散の最適化ガイドラインを決定するように構成されたネットワーク最適化コンポーネント240を含むことができる。ステップ350において、方法300は、複数の無線ノードにおけるネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を最適化して、個々のモバイル
デバイスに固有のリソース最適化決定を行うために、上記無線ノードに最適化ガイドラインを送信するステップを含む。たとえば、1つの態様において、クラウドサーバ150は、ワイヤレスネットワーク100の無線ノード110、120、および130に最適化ガイドラインを送信するように構成された通信コンポーネント250を含むことができる。
【0030】
図4は、自己組織化ワイヤレスネットワークの管理のためのサーバシステムの1つの態様を示す。たとえば、システム500は、図1および図2のクラウドサーバ150のようなクラウドサーバ内に少なくとも部分的に存在することができる。システム500が、プロセッサ、ソフトウェア、またはその組み合わせ(たとえば、ファームウェア)によって実施される機能を表す機能ブロックであってもよい、機能ブロックを含むものとして表されることを理解されたい。システム500は、連携して動作することができる電気コンポーネントの論理グループ化502を含む。たとえば、1つの態様において、論理グループ化502は、無線ノード110、120、および130からネットワーク情報を収集する電気コンポーネント503を含むことができる。加えて、論理グループ化502は、モバイルデバイス105からモバイル情報を収集する電気コンポーネント504を含むことができる。さらに、論理グループ化502は、無線ノード110、120、および130の間でネットワークリソースのパフォーマンス、負荷、および分散を評価するため、収集した情報を分析する電気コンポーネント505を含むことができる。さらに、論理グループ化502は、ネットワーク最適化ガイドラインを決定する電気コンポーネント506を含むことができる。さらに、論理グループ化502は、ネットワーク最適化ガイドラインを無線ノードに伝達する電気コンポーネント507を含むことができる。
【0031】
加えて、システム500は、電気コンポーネント503〜507に関連付けられている機能を実行するための命令を保持するメモリ510を含むことができる。メモリ510の外部にあるものとして示されているが、電気コンポーネント503〜507の1つまたは複数は、メモリ510の内部に存在することができることを理解されたい。1つの例において、電気コンポーネント503〜507は少なくとも1つのプロセッサを備えることができるか、または各電気コンポーネント503〜507は少なくとも1つのプロセッサの対応するモジュールであってもよい。さらに、追加または代替の例において、電気コンポーネント503〜507は、各電気コンポーネント503〜507が対応するコードとなり得る、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であってもよい。
【0032】
図5は、自己組織化ワイヤレスネットワークのクラウドを基にした管理のためのシステムおよび方法が実施され得る例示的なワイヤレス通信システム700を示す。ワイヤレス通信システム700は、図1のマクロノード110、フェムトノード120、またはWiFiノード130、および図1のモバイルデバイス105のような1つのモバイルデバイス750を含むことができる1つの基地局710を示す。しかし、システム700が、1つの基地局および/または2つ以上のモバイルデバイスを含むことができ、追加の基地局および/またはモバイルデバイスが後段において説明される例示的な基地局710およびモバイルデバイス750と実質的に類似しているかまたは異なっていてもよいことを理解されたい。たとえば、図1に関して本明細書において説明される無線ノード110、120、および130のような基地局の分散型SON機能は、後段において説明されるメモリ732および/または772またはプロセッサ730および/または770の一部であってもよい、および/または開示される機能を実行するためにプロセッサ730および/または770によって実行されてもよい。
【0033】
基地局710において、多数のデータストリームのトラフィックデータは、データソース712から送信(TX)データプロセッサ714に提供される。1つの例によれば、各データストリームは、それぞれのアンテナを介して送信されてもよい。TXデータプロセッサ714は、トラフィックデータストリームに選択された特定のコーディング方式に基づいてそのデータストリームをフォーマット、コーディング、およびインターリーブして、コード化データを提供する。
【0034】
各データストリームのコード化データは、直交周波数分割多重(OFDM)技法を使用して、パイロットデータで多重化されてもよい。加えて、または代替として、パイロットシンボルは、周波数分割多重化(FDM)、時分割多重化(TDM)、または符号分割多重化(CDM)されてもよい。パイロットデータは通常、知られている方法で処理される知られているデータパターンであり、チャネルレスポンスを推定するためにモバイルデバイス750において使用されてもよい。各データストリームの多重化パイロットおよびコード化データは、変調シンボルを提供するためにそのデータストリームに選択された、特定の変調方式(たとえば、2相位相偏移キーイング(BPSK)、4相位相偏移キーイング(QPSK)、M相位相偏移キーイング(M-PSK)、M直交振幅変調(M-QAM)など)に基づいて変調され(たとえば、シンボルマップされ)てもよい。各データストリームのデータ転送速度、コーディング、および変調は、プロセッサ730によって実行または提供される命令によって決定されてもよい。
【0035】
データストリームの変調シンボルは、(たとえば、OFDMの)変調シンボルをさらに処理することができるTX MIMOプロセッサ720に提供されてもよい。次いで、TX MIMOプロセッサ720は、NT変調シンボルストリームをNT送信機(TMTR722aから722t)に提供する。様々な実施形態において、TX MIMOプロセッサ720は、データストリームのシンボル、およびシンボルが送信されているアンテナに、ビームフォーミング重みを適用する。
【0036】
各送信機722は、それぞれのシンボルストリームを受信し処理して、1つまたは複数のアナログ信号を提供し、さらにアナログ信号を調整(たとえば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、MIMOチャネル上の送信に適した変調信号を提供する。さらに、送信機722aから722tからのNT変調信号はそれぞれ、NTアンテナ724aから724tから送信される。
【0037】
モバイルデバイス750において、送信された変調信号は、752aから752rによって受信され、各アンテナ752からの受信信号は、それぞれの受信機(RCVR)754aから754rに提供される。各送信機754は、それぞれの信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)し、調整済み信号をデジタル化して、サンプルを提供し、さらにサンプルを処理して、対応する「受信済み」シンボルストリームを提供する。
【0038】
RXデータプロセッサ760は、特定の受信機処理技法に基づいてNR受信機754からのNR受信シンボルストリームを受信し処理して、NT「検出済み」シンボルストリームを提供する。RXデータプロセッサ760は、各検出済みシンボルストリームを復調、インターリーブ解除、および復号して、データストリームのトラフィックデータを回復することができる。RXデータプロセッサ760による処理は、基地局710においてTX MIMOプロセッサ720およびTXデータプロセッサ714によって実行される処理に補完的である。
【0039】
リバースリンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々なタイプの情報を備えることができる。リバースリンクメッセージは、TXデータプロセッサ738によって処理されてもよく、TXデータプロセッサ738はまた、データソース736からの、変調器780によって変調され、送信機754aから754rによって調整され、基地局710に送信されて戻された多数のデータストリームのトラフィックデータを受信する。
【0040】
基地局710において、モバイルデバイス750からの変調信号は、アンテナ724によって受信され、受信機722によって調整され、復調器740によって復調され、RXデータプロセッサ742によって処理されて、モバイルデバイス750によって送信されたリバースリンクメッセージを抽出する。さらに、プロセッサ730は、抽出されたメッセージを処理して、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディングマトリクスを使用するかを決定することができる。
【0041】
プロセッサ730および770は、それぞれ基地局710およびモバイルデバイス750において操作を指示(たとえば、制御、調整、管理など)することができる。それぞれのプロセッサ730および770は、プログラムコードおよびデータを格納するメモリ732および772に関連付けられてもよい。プロセッサ730および770はまた、1つまたは複数のフェムトノードのページング域識別子の選択を支援するために、本明細書において説明される機能を実行することができる。
【0042】
本明細書において開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、コンポーネント、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特殊用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書において説明される機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせにより実施または実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替策において、プロセッサは、任意の標準的なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンであってもよい。プロセッサはまた、たとえばDSPとマイクロプロセッサの組み合わせのようなコンピューティングデバイスの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実施されてもよい。加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上記で説明されるステップおよび/またはアクションの1つまたは複数を実行するように動作可能な1つまたは複数のモジュールを備えることができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されてもよい。代替策において、記憶媒体は、プロセッサに内蔵型であってもよい。さらに、一部の態様において、プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。加えて、ASICは、ユーザ端末内に存在することができる。代替策において、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内にディスクリートコンポーネントとして存在することができる。
【0043】
1つまたは複数の態様において、説明される機能、方法、またはアルゴリズムは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組み合わせにおいて実施されてもよい。ソフトウェアにおいて実施される場合、機能は、コンピュータプログラム製品に組み入れられ得るコンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして格納または送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の使用可能な媒体であってもよい。限定的ではなく、一例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたはその他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶またはその他の磁気記憶デバイス、もしくは望ましいプログラムコードを命令またはデータ構造体の形態で搬送または格納するために使用され得る、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備えることができる。また、実質的に任意の接続が、コンピュータ可読媒体と称されてもよい。たとえば、ソフトウェアがウェブサイト、サーバ、もしくは同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波のようなワイヤレス技術を使用するその他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書において使用されるディスク(diskおよびdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常データを磁気的に再生するが、ディスク(disc)はデータをレーザーにより光学的に再生する。上記の任意の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるものとする。
【0044】
本特許出願において使用されるように、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」などの用語は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのような、コンピュータに関連するエンティティを含むことが意図されるが、これらに限定されることはない。たとえば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行しているプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能、実行のスレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってもよいが、これらに限定されることはない。一例として、コンピューティングデバイス上で実行しているアプリケーションとコンピューティングデバイスの両方はコンポーネントであってもよい。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行のスレッド内に存在することができ、コンポーネントは1つのコンピュータ上でローカライズおよび/または2つ以上のコンピュータ間で分散されてもよい。加えて、これらのコンポーネントは、様々なデータ構造体を格納している様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、ローカルシステム、分散システム、および/またはインターネットのようなネットワークにわたり、別のコンポーネントと対話する1つのコンポーネントからのデータのような、1つまたは複数のデータパケットを有する信号に従ってなど、ローカルおよび/またはリモートプロセスを用いて、信号を用いてその他のシステムと通信することができる。
【0045】
さらに、「または(or)」という用語は、排他的「OR(論理和)」ではなく、包含的「OR(論理和)」を意味することが意図される。つまり、特に指定のない限り、または文脈から明らかでない限り、「XがAまたはBを採用する」という句は、任意の自然な包含的置換を意味することが意図される。つまり、「XがAまたはBを採用する」という句は、XがAを採用する、XがBを採用する、またはXがAとBの両方を採用する、という事例のいずれかによって満足される。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲において使用される定冠詞「a」および「an」は、特に指定のない限りまたは文脈から単数形に関することが明らかでない限り、一般に「1つまたは複数」を意味すると解釈されるものとする。
【0046】
前述の開示は例示的な態様および/または実施形態を説明しているが、様々な変更および修正が、添付の特許請求の範囲によって定義される説明される態様および/または実施形態の範囲を逸脱することなく本明細書において行なわれてもよいことに留意されたい。さらに、説明される態様および/または実施形態の要素が単数で説明または主張されてもよいが、単数の限定が明示的に述べられていない限り、複数が企図される。加えて、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、特に明記のない限り、任意の態様および/または実施形態の全部または一部と共に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
110 マクロノード、無線ノード
120 フェムトノード、無線ノード
130 WiFiノード、無線ノード
140 モバイルオペレータコアネットワーク
150 クラウドサーバ
210 ネットワーク情報収集コンポーネント
220 モバイル情報収集コンポーネント
230 情報分析コンポーネント
240 ネットワーク最適化コンポーネント
250 通信コンポーネント
260 データベース
503〜507 電気コンポーネント
510 メモリ
712 データソース
714 TXデータプロセッサ
720 TX MIMOプロセッサ
730 プロセッサ
732 メモリ
736 データソース
738 TXデータプロセッサ
740 復調器
742 RXデータプロセッサ
750 モバイルデバイス
760 RXデータプロセッサ
770 プロセッサ
772 メモリ
780 変調器
図1
図2
図3
図4
図5