(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6419167
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】少なくとも1つのガス状排出流を処理する装置および対応する処理方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/32 20060101AFI20181029BHJP
B01D 53/60 20060101ALI20181029BHJP
B01D 53/76 20060101ALI20181029BHJP
B01D 53/70 20060101ALI20181029BHJP
A62D 3/15 20070101ALI20181029BHJP
A62D 101/22 20070101ALN20181029BHJP
A62D 101/28 20070101ALN20181029BHJP
【FI】
B01D53/32ZAB
B01D53/60 300
B01D53/76
B01D53/70
A62D3/15
A62D101:22
A62D101:28
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-518564(P2016-518564)
(86)(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公表番号】特表2016-526476(P2016-526476A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】FR2014051352
(87)【国際公開番号】WO2014199053
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年5月19日
(31)【優先権主張番号】1301321
(32)【優先日】2013年6月10日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515341999
【氏名又は名称】ビビラッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルトゥルネル,エリク
【審査官】
佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−218293(JP,A)
【文献】
特表平08−504123(JP,A)
【文献】
特開昭62−014921(JP,A)
【文献】
特開2006−167500(JP,A)
【文献】
特開平08−164324(JP,A)
【文献】
国際公開第96/024805(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/32
B01D 53/34−53/85
B01J 10/00−12/02
B01J 14/00−19/32
A62D 1/00− 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先細形状または円筒−円錐形状の単一反応器(10)内で少なくとも1つの汚染されたガス流(14)を処理する処理方法にして、該単一反応器は、少なくとも1つの汚染されたガス流(14)を単一反応器(10)内に注入する注入手段(12)であって、単一反応器(10)の上部に配置される注入手段(12)と、少なくとも1つの試薬を供給する供給手段(40)と、電子ビーム(18)を前記単一反応器(10)内に放出する放出手段(16)であって、電子ビームを単一反応器(10)内の汚染されたガス流(14)の循環方向Dに向けて放出する放出手段(16)と、少なくとも1つの汚染されたガス流(14)の電子ビーム処理を受けたガス状生成物(22)を排出する単一反応器(10)の排出手段(20)であって、反応器の底部に配置される排出手段(20)と、液体副生成物(26)を回収する回収手段(24)であって、前記単一反応器(10)の下部に配置される回収手段(24)とを少なくとも備え、前記単一反応器(10)は、汚染されたガス流(14)を注入手段(12)を通って導入し、排出手段(20)に向かって循環を行うように構成されており、これにより循環方向Dが規定されている、処理方法であって、該処理方法が、
少なくとも1つの汚染されたガス流(14)を導入するステップと、
アンモニアおよび水の形式の少なくとも1つの試薬を汚染されたガス流に導入するステップと、
汚染されたガス流(14)、アンモニア水溶液またはガス状アンモニア、および水の混合物を電子ビーム(18)に曝すことにより、汚染されたガス流(14)の揮発性化合物およびダイオキシンを破壊し、汚染されたガス流(14)の硫黄酸化物と窒素酸化物を硫酸塩と硝酸アンモニウムに変換するラジカルの生成を引き起こすステップと、
一方に、少なくとも1つの汚染されたガス流(14)を処理することで生成された液体生成物(単数または複数)(26)、他方に、処理済ガス状生成物を分離するステップと、
前記ガス状生成物を排出するステップと、
前記先細形状または円筒−円錐形状および重力によって、少なくとも1つの汚染されたガス流(14)の電子ビームによる処理によって生成された液体生成物(26)を収集および回収するステップと
を少なくとも含む、処理方法。
【請求項2】
電子ビーム(18)が、単一反応器(10)内のガス流の循環方向Dに向けて放出される、請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
少なくとも1つの液体試薬として使用され加速電子と水分子との相互作用によって引き起こされる水の放射線分解による活性成分の生成が、単一反応器(10)内で水分レベルの過飽和によって行われる、請求項1または2に記載の処理方法。
【請求項4】
試薬の単一反応器(10)内への注入が、ガスと液体の接触面を増大させる「霧」を形成するように噴霧状で行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項5】
少なくとも1つの汚染されたガス流(14)の注入手段(12)およびガス状生成物(22)の排出手段(20)が、単一反応器(10)内で±30°の垂直循環方向Dを規定するように配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項6】
電子ビーム(18)による処理を受けたガス状生成物(22)を洗浄する洗浄手段(44)によって洗浄が行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項7】
汚染されたガス流(14)の電子ビーム(18)による処理によって生成された液体生成物(26)が、単一反応器(10)内に配設された液体槽内に回収される、請求項1から6のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項8】
汚染されたガス流(14)の電子ビーム(18)による処理によって生成された液体生成物(26)が、液体生成物(26)の回収手段(32)によって回収され、および/または前記液体生成物は、単一反応器(10)内に配設された再注入手段(42−4、42−5)によって再注入される、請求項1から7のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項9】
単一反応器(10)が、ポンプ、流量センサ、圧力センサ、温度センサ、および反応器内の反応、反応温度、処理前および処理中のガス流の滞留時間を誘導および制御するのに必要な要素の全てに関連付けられたコンピュータ手段を含むハウジングで表された自動誘導システム(52)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのガス状排出流に関し、特に、汚染されたガス状排出流を浄化するために処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多量のガス状排出物が汚染されていることは周知である。これらを浄化するために、先行技術の解決策は、これらの排出物をそれぞれの機能を有する複数の反応器を備えたラインで処理することに基づいている。
【0003】
周知の処理は、ガス流をラインの反応器の1つにおいて高エネルギー電子衝撃に曝すことに基づいている。
【0004】
ガスが適切な試薬と混合されれば、電子衝撃により、ガス状排出物に含まれる分子(特に、汚染分子)が電離され、励起される。含まれる試薬および電子衝撃によって生成されたフリーラジカルがガス状排出物の汚染化合物と反応し、一方で、汚染生成物が除去された沈殿物およびガス状生成物の形の非汚染生成物を生成する。
【0005】
したがって、硫黄酸化物および窒素酸化物を含むガスから硫酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムが生成される。このようなガスは、精製所、重油産業、焼却炉、または製鋼所から生成される。
【0006】
したがって、周知の処理ラインは、試薬を導入する反応器、試薬を電子衝撃に曝す反応器、生成物を回収するため反応器の複数の反応器を備える。
【0007】
このタイプの構造を開示した国際公開第2010/141306号パンフレットを参照することができる。
【0008】
これらの構造では、処理ラインは、まさに複数の反応器のラインである。また、電子衝撃は、ガス流の循環方向に垂直であることが示されている。しかしながら、電子は、ガス流のガス状分子と衝突する時に、エネルギーを急速に損失してしまうことが周知である。
【0009】
したがって、電子は、ガス流の上層で非常に高いエネルギーを有し、下層でより低いエネルギーを有する。
【0010】
したがって、電子衝撃な均一ではない。
【0011】
唯一の解決策は、これらの電子が適切な方法で下層を処理することができるように電子を十分な量およびエネルギーで拡散することであるが、この場合、反応器の上部に無駄な強さの量のパワーが存在し、底部にエネルギー損失が生じるので、常にコストがかかってしまう。
【0012】
さらに、さまざまな用途で、特に、ポリマーの生産において同種のニーズがある。これらの方法の過程で、電子衝撃はフリーラジカルの生成を引き起こし、および/またはモノマーを活性化させることで、モノマーの反応性をより高めて、より完全で迅速な重合を保証し、または触媒の存在下でグラフト重合を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2010/141306号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、ガスを電子ビームによる衝撃に曝すことによって、単一反応器内で効果的なガス処理を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的を達成するために、請求項に記載されている少なくとも1つのガス流、特に、汚染されたガス状排出物の流れを処理する装置を提供する。
【0016】
本発明の少なくとも1つのガス流を処理する方法では、少なくとも以下のステップを含む。
【0017】
少なくとも1つのガス流を導入するステップ、
少なくとも1つの試薬を導入するステップ、
ガス流および少なくとも1つの試薬を電子ビームに曝すステップ、
一方に、電子ビームによって少なくとも1つのガス流を処理することで生成された生成物(単数または複数)、他方に、処理済ガス状生成物を分離するステップ。このステップは、本発明によれば、1つの反応器内で行われる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の方法を実施することができる装置の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の装置および方法について、本発明の方法を実施することができる装置の側面断面図を主に示した
図1に関して、特定の実施形態に沿って詳細に説明する。
【0020】
以下で説明する装置は、特に、汚染されたガス状排出流を処理するのに適した反応器であるが、例えば、ポリマーの化学的性質に見られるように、触媒の存在下でガス状化合物のフリーラジカルを活性化させる必要がある他の用途での使用も可能な反応器に関係している。
【0021】
本発明の装置は、単一反応器10、単一反応器内で少なくとも1つのガス流14を注入する注入手段12、前記反応器内に電子ビーム18を放出する放出手段16、および電子ビーム処理を受けたガス状生成物22を排出する単一反応器の排出手段20を備える。
【0022】
単一反応器はさらに、液体副生成物26を回収する回収手段24であって、前記単一反応器の下部に配置される回収手段24を備える。
【0023】
図1に示されている構造では、少なくとも1つのガス流の注入手段12は単一反応器10の上部に配置され、ガス状生成物の排出手段20は前記単一反応器10の底部に配置されることがわかる。
【0024】
単一反応器は、有利には、先細形状かつ円筒−円錐形状のチャンバ28である。
【0025】
この形状は、ガス状排出物に含まれる汚染物質を処理する効果を最適化できるように、反応器の上部から底部にかけて温度勾配を生成するという利点を有する。例えば、電子ビームによる窒素酸化物の除去収率は高温のガス状排出物温度(例えば、100℃より高い温度)で増大するが、硫黄酸化物の除去収率はそれよりも低い温度(例えば、60℃未満の温度)で高くなる。
【0026】
好適な実施形態では、少なくとも1つのガス流14は注入手段12を通って導入され、排出手段20に向かって循環が行われることにより、矢印で示された循環方向Dが規定される。この場合、この方向は、垂直方向であるのがさらに有利である。
【0027】
注入手段12は、上部にあり、横方向であるが、注入手段12内で生成される任意の液体が重力の作用を受けて前記単一反応器10へと流入するように単一反応器10に向かって傾斜した少なくとも1つのタッピングから成る。
【0028】
前記反応器10内に電子ビーム18を放出する放出手段16は、この反応器の上部に配置される。放出される電子ビーム18は、少なくとも1つのガス流の循環方向、すなわち、循環方向Dに配向されるので、特に、本発明に対して反応しやすい方向に配向される。この配向は、高い収率を達成するために、±30°の許容差で行われる。
【0029】
電子ビーム18の出力は、一方では、処理されるガス流の性質に応じて、他方では、単一反応器10に導入される分子の反応性に応じて変化させられる。
【0030】
電子ビーム18の形状は、反応器の上部断面を覆うことができるように反応器の上部の形状に合わせられる。これは、均一および一様になるように行われる。
【0031】
下部にある液体副生成物26を回収する回収手段24は、先細形状の単一反応器10自体の下部から成る。したがって、反応器の足部30は、上部の円錐形状の延長部にある円筒形状であるのが有利である。
【0032】
単一反応器10はさらに、反応器の足部に形成された液体槽自体に低い収集位置を形成するように、基部に形成された収集ウェル32を備えることができる。
【0033】
前記単一反応器10の底部に配置されるガス状生成物の排出手段20は、汚染ガス状排出物を処理する用途では、一般的に、外気に曝されたリサイクルシステムまたはシャフト36の方向に方向付けられるタッピング34を備える。循環手段38(例えば、ファンの形状)は、ガス状生成物22を循環させることができるように挿入される。
【0034】
タッピング34は、ガス状生成物に混入した、または、例えば、凝縮によって生成された任意の液体が重力によって単一反応器10の内部へと流入するように上方に向けられることがわかる。
【0035】
単一反応器10はさらに、前記反応器10に試薬を導入することができる試薬導入手段40を備える。これらの導入手段40は、少なくとも1つのタッピング42の形状にすることができる。
【0036】
汚染ガス状排出流の処理に適用される図示されている実施形態では、少なくとも以下のタッピングが配設される。
【0037】
水を注入するためのタッピング42−1、
アンモニアを注入するための第1のタッピング42−2、
アンモニア用の第2のタッピング42−3、および
液体排出物をリサイクルするためのタッピング42−4。
【0038】
タッピングは、ニーズに基づいて、例えば、流体を拡散させて、任意で、以下で後述するように、電子衝撃のより高い効果を達成することができるように流体を微粉化することができるように、ノズル付き拡散リングの形で単一反応器10内部に存在してもよい。
【0039】
装置の動作は、ガス状生成物を洗浄する洗浄手段44で終了する。
【0040】
これらの洗浄手段44は、水を噴霧するためのノズル46から成り、ガス流の出口に配置される。
【0041】
有利には、反応器排出口で噴霧/液体噴霧によってガス状排出物を洗浄するために「カーテン」を配設することができる。
【0042】
有利な形では、さらに高塩濃度の液体副生成物26の第1の分画を送り出すポンプ手段48は、単一反応器10、特に、収集ウェル32に関係する。
【0043】
リサイクル用タッピング42−4を介して液体副生成物26の第2の分画をリサイクルするために、反応器の底部の副生成物26の槽の上部に配置されるサンプリングタッピング42−5で送り出すポンプ手段50が配設される。
【0044】
一般的にでは、本発明の装置は、ポンプ、流量センサ、圧力センサ、温度センサ、および反応器内の反応、反応温度、処理前
および処理中のガス流の滞留時間を誘導および制御するのに必要な要素の全てに関連付けられたコンピュータ手段を含むハウジングで表された自動誘導システム52を備える。この機器は、完全に当業者の範囲にあり、構成部品は市販されている、または利用可能であるので、周知なものであり、詳細に図示されていない。
【0045】
本発明の装置はさらに、高塩濃度の液体生成物を保存するためのリザーバ54を備える。
【0046】
本発明の装置を使用して行われる方法について説明する。
【0047】
本発明の方法は、少なくとも以下の一連のステップから成る。
【0048】
少なくとも1つのガス流14を導入するステップ、
本発明の方法が汚染されたガス状排出物の種類の少なくとも1つのガス流14を処理することを目的とする場合、少なくとも1つの試薬、特に、アンモニアNH
4OHを導入するステップ、
少なくとも1つのガス流および少なくとも1つの試薬を電子ビームに曝すステップ、
電子ビームによってガス流を処理することにより生成された液体生成物(単数または複数)と、処理済ガス状生成物とを分離するステップ。この一連のステップは、単一反応器10内で行われる。
【0049】
本発明の詳細な適用例によれば、本発明の方法は、汚染ガス状排出物から成る少なくとも1つのガス流14を処理する場合、水とアンモニアを注入することによって処理を行う。アンモニアも、ガス状で注入することができる。
【0050】
1つのガス流のみが導入される場合、ガス流14は導入手段12を通過する。これらの導入手段12は、放出手段16によって放出される電子ビーム18を妨げないように側方に配置されるが、その構造に基づいて、放出手段は、中心に向けて、単一反応器10内でのガス流の循環方向Dの方向に向けられうる。
【0051】
本発明の方法は、この電子ビーム18を、単一反応器10内のガス流の循環方向である方向Dに向かって、電子ビーム18の放出方向と単一反応器内のガス流の循環方向Dとの間の入射範囲が±30°で放出する。
【0052】
電子ビーム18を単一反応器10内のガス流の循環方向Dに基本的に平行な方向に向けるのが目的である。
【0053】
実際に、電子ビーム18が単一反応器10内のガス流14の循環方向Dに平行であるほど、前記電子ビーム18の効果は大きくなる。放出された電子は、流入するガス流14と接触した時に最大出力を有し、この最大出力は均一である。
【0054】
さらに、電子は、ガス流の方向に移動し続けるので、反応器10の壁に衝突する前に、ひいては、対応する減衰に達する前に、反応器10内に含まれるガス流14の高さ全体にわたってガス流14および試薬の分子に衝突しやすくなる。
【0055】
さらに、図示されている構造では、ガス状分子によって吸収されなかった電子は、単一反応器10の底部の液状生成物26の槽の表面に作用し、さらに異なる分子との任意の反応を発生させる。
【0056】
したがって、本発明の方法の改良形態によれば、一方で、収集された液体生成物26が導入手段近くのガス流14の上部に再注入され、これらの液体生成物26を新たな電子衝撃に曝す。
【0057】
槽のpHは、反応器内の温度勾配パラメータの全てと共に監視される。
【0058】
煙を処理する場合、煤、フライアッシュ、および他の浮遊物質が除去される。
【0059】
ガス状排出物SO
xおよびNO
xと試薬の混合物を電子ビーム18に曝すことにより、揮発性有機化合物およびダイオキシンを破壊し、硫黄酸化物および窒素酸化物を硫酸塩および硝酸アンモニウムに変換するラジカルが生成される。
【0060】
収集された液体生成物26について、デカントが行われ、高塩濃度の生成物は、槽の底部に残り、所与の槽レベルを維持し、再結合された非汚染生成物を取り除くように単一反応器10から除去される。
【0061】
これらの生成物は、別の用途のために、または任意の他の分離処理のために保存される。
【0062】
図示されている例では、電子衝撃を受けても、まだガス状であるガス状生成物の流れは、大気中に排出される。
【0063】
確実に非常に満足のいく浄化を達成するために、ガス流は、例えば、水噴霧洗浄され、洗浄排出物がタッピングの傾斜により再び反応器の方に向けられる。
【0064】
これらの液体排出物自体は、最終的な液体排出物の形になるまで、単一反応器10内でさらに処理される。
【0065】
改良形態では、単一反応器10の壁の腐食を抑えるために、前記反応器の壁の洗浄を行うことができる。同時に、この洗浄は、沈殿物による壁の汚染を大幅に抑える。
【0066】
この方法は、数十万ノルマルm
3/時の容積を処理するために大規模で行われる。
【0067】
この構造は、エネルギー収率の大幅な増大および処理の効果の大幅な増加を伴う工業分野で、特に有利である。
【0068】
さらに、ガス流14の流入分子は、同じ出力の電子で一様に処理される。
【0069】
この構造の単一反応器10はさらに、化学およびポリマーの分野で、特に、化合物を活性化させる、またはフリーラジカルを生成する必要がある場合に、効果および変換収率を増大させるのに適していると言える。
【0070】
特に、1つまたは複数の液体、固体、または粉末状の試薬を添加するかしないかに関係なく、反応器内でガス状の1つまたは複数の化合物を電子ビーム18によって処理することによって生成された1つまたは複数の生成物を合成することができる。
【0071】
有利には、単一反応器10内への試薬の注入は、ガスと液体の接触面を増大させる「霧」を形成するように噴霧状態で行われる。
【0072】
したがって、本発明の湿潤相の排出流またはガス流14を処理する単一反応器10により、以下のことが可能になる。
【0073】
排出流またはガス流14に含まれている化合物を捕捉し、それら化合物を液相で管理すること、
液状または粉末状の全てのタイプの試薬(例えば、アンモニア性溶液、粉末状石灰、または水)を反応器10内に注入すること、
反応器10の底部位置に配置されたタンク内の水溶液処理の副生成物および/または固体の全てを回収すること、
反応器10の底部位置のタンクで回収された水溶液を反応器10の上部に向けて再注入すること。タンクの水溶液を再循環させることにより、この水溶液を処理するために副生成物の濃度を高めることができ、その結果、試薬の投入量を最適化する/抑えることができる。
【0074】
加速電子と水分子との相互作用によって引き起こされる
水の放射線分解の反応によって生成される(ラジカルを酸化および減少させる)活性成分を大幅に生成すること。これらの活性成分は、有機分子(ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニル、揮発性有機化合物など)の分解、硫黄酸化物または窒素酸化物の酸化、ガス排出物に含まれる金属の減少をもたらすので、VGS方法によってガスを処理する効果の起点にある。単一反応器10内の
水分レベルの過飽和による活性成分の生成の最適化は、特に有利であり、いわゆる「乾式」または「半湿式」方法で得られる処理の性能レベルより優れた性能レベルを達成することができる。
【0075】
反応器10内の壁およびノズルの汚染および腐食を防ぐために、これらの壁およびノズルを永久的に洗浄すること。さらに、この洗浄により、排出流またはガス流14に含まれる灰、煤、および他の微粒子を回収することができる。
【0076】
別の特徴によれば、本発明の方法はさらに、少なくとも1つの液体試薬として使用される
水の放射線分解による活性成分の生成が単一反応器10内で
水分レベルの過飽和によって行われることを特徴とする。