(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6419183
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】熱交換器の複合洗浄方法
(51)【国際特許分類】
F28G 1/12 20060101AFI20181029BHJP
F28G 1/16 20060101ALI20181029BHJP
F22B 37/48 20060101ALI20181029BHJP
F23J 15/04 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
F28G1/12 Z
F28G1/16 C
F22B37/48 A
F23J15/04
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-532521(P2016-532521)
(86)(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公表番号】特表2016-540953(P2016-540953A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】KR2014005536
(87)【国際公開番号】WO2015076472
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2016年8月26日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0143648
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516217893
【氏名又は名称】ホン、 ウォンバン
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ド チュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 デ ウ
(72)【発明者】
【氏名】イ、 テ−ヒ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、 ソン−イ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ドン−ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チュ、 セ−ロム
【審査官】
西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第2011−0096603(KR,A)
【文献】
実開平04−025937(JP,U)
【文献】
特開昭61−289296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28G 1/12
F28G 1/16
F28G 3/16
F28D 19/04
F23J 3/00 − 3/06
F23J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的触媒還元(SCR)装置の後段に設けられた熱交換器の複合洗浄方法であって、
熱交換器に温度90℃乃至500℃、圧力10kg/cm2G乃至30kg/cm2Gで高温の蒸気を噴射するステップ;
熱交換器に熱素子の表面に平行に0.5kg/cm2G乃至20kg/cm2Gの圧力、200m/sec乃至400m/secの速度で、粒径が0.1mm乃至3mmのドライアイスペレットを噴射するステップ;及び
熱素子の表面に形成されている異物質の除去のステップを含み、
前記高温の蒸気を噴射するステップと、前記ドライアイスペレットを噴射するステップは、同時に行われ、
前記高温の蒸気を噴射するステップでの高温の蒸気は、高温の蒸気噴射ノズルから排ガスの方向(8)に熱交換器に噴射され、及びその逆方向のボイラー供給空気の方向(9)に熱交換器に噴射され、
前記ドライアイスペレットを噴射するステップでのペレットは、ドライアイスペレット噴射ノズルから排ガスの方向(8)に熱交換器に噴射され、及びその逆方向のボイラー供給空気の方向(9)に熱交換器に噴射され、
高温の蒸気噴射ノズルはボイラー排ガスの入口側及びボイラー供給空気の入口側に配置され、ドライアイスペレット噴射ノズルは、熱交換器の中央のシャフトに向かって往復運動し、
高温の蒸気噴射ノズルのうちの少なくとも一つはペレット噴射ノズルよりも前記シャフトにより一層近接して配置されており、
選択的触媒還元(SCR)装置後段に設けられた熱交換器の複合洗浄方法。
【請求項2】
前記ドライアイスペレットを噴射するステップは、
ドライアイスペレットが熱交換器の熱素子と衝突して粉砕された後、粉砕ドライアイスペレット粒子によって、熱素子の表面を覆っている重硫酸アンモニウム塩が0℃乃至−78.5℃の温度範囲で急速凍結され、重硫酸アンモニウム塩層に亀裂が生じるステップ;
前記重硫酸アンモニウム塩層の亀裂の間に前記粉砕ドライアイスペレット粒子が浸透するステップ;及び
前記ドライアイス粒子の昇華により、熱素子の表面の重硫酸アンモニウム塩が熱素子から分離されて除去されるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の複合洗浄方法。
【請求項3】
前記熱交換器は、空気予熱器であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の複合洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラーのような燃焼機関の運転時に発生する排ガスに含まれている窒素酸化物を除去するために選択的触媒還元法を利用する際、未反応アンモニアと排ガス中の三酸化硫黄ガスが結合して発生する重硫酸アンモニウム塩が、これらの設備の後段に設けられている熱交換器に汚染物質として蓄積され、排ガスの通路を塞ぎ、ボイラーの運転を難しくしたり、停止させたりする問題を解決するためのものである。
【背景技術】
【0002】
燃焼機関で石炭、オイル、ガス又は可燃性物質などが燃焼する際に出る排ガスには窒素酸化物が含まれているが、このような窒素酸化物は環境に害となる公害要素なので、大気中に排出する前に除去しなければならない。
【0003】
排ガスに含まれている窒素酸化物を除去するために、ボイラー炉内にアンモニアのような還元剤を直接噴射する非選択的触媒還元法(SNCR:Selective Non−Catalytic Reduction)、又はボイラーの後段で選択的触媒還元法(SCR:Selective Catalytic Reduction)が利用されている。前記SNCR法は、脱窒効率が高くなく、主にSCR法が利用されている。
【0004】
選択的触媒還元法は、排ガスに含まれている窒素酸化物(NO
x)をアンモニアのような還元剤と混合した後、触媒に通過させ、窒素と水に転換する方法である。
【0005】
発電設備や産業用ボイラーのような燃焼機関で一般的に用いられる公害防止設備の配置例を
図1に示している。これによると、ボイラーで排出する排ガスは、節炭器を経てSCRの触媒層を通過した後、空気予熱器と集塵機、脱硫設備を通過し、煙突から排出される。
【0006】
一般的に、ボイラーで石炭や重油が燃焼して出る排ガスには、二酸化硫黄(SO
2)と三酸化硫黄(SO
3)が含まれているが、二酸化硫黄は、次式(1)のように、脱窒触媒の通過時に一部が三酸化硫黄に酸化するので、SCRの通過後の排ガス中の三酸化硫黄の濃度は増加することになる。
【0007】
2SO
2+O
2→2SO
3 (1)
【0008】
一方、排ガスには水分が存在するが、SCRに投入されるアンモニアの一部は、次式(2)のように、三酸化硫黄及び水分と反応し、重硫酸アンモニウム塩(Ammonium Bisulfate)を形成する。
【0009】
NH
3+SO
3+H
2O→NH
4HSO
4 (2)
【0010】
重硫酸アンモニウム塩は、触媒の活性を低下させ、SCRの後段の設備を腐食させ、触媒の孔と熱交換器の排ガス通路とを塞ぎ、ボイラーの圧力損失を増大させる。このような理由から、SCRの運転時に未反応アンモニアの排出濃度を2〜3ppm以下に制限することが一般的である。しかしながら、このような制限にもかかわらず、多くの設備でSCR運転中に熱交換器が詰まるケースが頻繁に発生している。
【0011】
これを解決するために、一部の発電所には熱交換器、特に空気予熱器に設けられている既存の除媒機に、
図2のようにリアルタイム高圧水洗浄設備を追加で設け、周期的に空気予熱器の詰まり現象を除去する。しかしながら、高圧の水噴射で熱素子のコーティング層が損傷を受け、かえって空気予熱器の詰まり現象が加重されるため、効果的な洗浄技術とは考えられない。通常の高圧水洗浄設備の運転圧力は、150〜200kg/cm
2gで非常に高い方であるが、詰まり現象が激しい場合、300kg/cm
2gでも詰まり現象が解消されない場合が多い。
【0012】
また、
図2のように高圧の水を用いて洗浄する場合、水分が電気集塵機などの後続装置に多量に流れ込んでこれらが損傷を受けることがある。これを防止するために、
図3のように排水システムを追加で設けることもできる。しかしながら、この場合にも、水分による損傷を根本的に予防することはできない。
【0013】
前記した問題を解決するために、本発明者は、空気予熱器の排ガス入口の前段にドライアイス洗浄装置を設け、ドライアイスペレットを噴射して汚染物質を除去する設備を完成した(韓国公開特許第10−2011−0096603号)。
図4は、韓国公開特許第10−2011−0096603号に記載のドライアイス洗浄装置を利用した空気予熱器の重硫酸アンモニウム塩を除去するシステムに関する概略図である。
【0014】
図4のドライアイス洗浄装置において、ドライアイスペレットが空気予熱器の熱素子に付着した重硫酸アンモニウム塩を除去する原理は
図5のとおりである。ドライアイスペレットは、洗浄機で高圧(又は低圧)空気により高速噴射され、空気予熱器の熱素子の表面に衝突する。ドライアイスペレットは、熱素子に付着した重硫酸アンモニウム塩を超低温(例えば、−78℃)で急速凍結させ、これにより、重硫酸アンモニウム塩は周辺との温度差によって収縮しながら数多くの亀裂が生じる。ドライアイスペレットは、これらの亀裂を介して重硫酸アンモニウム塩の間に浸透すると同時に、昇華しながら体積が800倍以上に膨張し、重硫酸アンモニウム塩のみを上に持ち上げて分離させる。このように超低温で凍結した異物質は、洗浄機の風圧によって表面から簡単に分離され、空気予熱器の後段へ排出される。
【0015】
異物質として重硫酸アンモニウム塩のみが存在する場合は、これらが空気予熱器の中間地点に付着するため、ドライアイス単独でこれらの除去が容易である。しかしながら、燃料質の低下で様々な異物質がたくさん発生すると、その異物質の除去が容易ではないこともある。特に、冬季の厳しい寒さで大気の温度が急激に下がると、
図6に示すように、空気予熱器の冷端部で重硫酸アンモニウム塩と粉塵が結合し、水分とともに凍結された汚染物質が空気予熱器の排ガスの通路を塞ぐようになる。したがって、ドライアイスを用いた洗浄技術だけでは、汚染物質を効果的に除去できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2011−0096603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述したように、本発明は、従来技術の問題点である高圧水噴射設備の稼動時に熱素子が損傷し、排ガス中の水分濃度が高くなり、空気予熱器の後段に設けられている集塵機の性能や寿命を低下させる短所を解決するためのもので、効果的に熱素子の異物質を除去するための複合洗浄方法を提供する。
課題の解決手段
【0018】
本発明は、SCRを利用する多様な産業設備、燃焼機関、更に具体的には発電設備や産業用ボイラーに制限なく適用することができる。以下では、熱交換器として空気予熱器を用いる場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】
単に重硫酸アンモニウム塩によってのみ空気予熱器の熱素子が汚染された場合には、重硫酸アンモニウム塩層は空気予熱器の中間地点に主に付着するため、ドライアイス単独でこれらを除去することが容易である。しかしながら、通常、燃料質の低下で様々な種類の異物質が発生して蓄積される場合には、異物質の除去が容易ではないこともある。特に、冬季の厳しい寒さによって大気の温度が急激に下がると、空気予熱器の冷端部で重硫酸アンモニウム塩と粉塵が結合し、水分とともに凍結する場合がよくあり、ドライアイス単独での洗浄方式を補強する必要がある。
【0020】
これにより、本発明は、高温蒸気噴射設備とドライアイス噴射設備とを設け、これらを交互に又は同時に運転させ、熱交換器の熱素子に付着した汚染物質を効果的に除去する方法を提供する。
【0021】
また、本発明によると、空気予熱器の冷端部で発生する詰まり現象を効果的に除去するために、今までは空気予熱器の排ガス入口にのみドライアイスを噴射していたのを、既存の噴射方向に対して逆方向のボイラー供給空気入口、すなわち冷端部にもドライアイスと高温の蒸気を噴射し、洗浄効果を高めることができる。
【0022】
一様態において、本発明は、空気予熱器に高温の蒸気を噴射し、またこれと同時に又は順次に、ドライアイスペレットを噴射することにより、空気予熱器の表面に形成されている異物質、例えば、重硫酸アンモニウム塩と粉塵を効果的に除去する空気予熱器の複合洗浄方法を提供する。更に具体的に、本発明に係る複合洗浄方法は、空気予熱器に蒸気温度90℃乃至500℃、 好ましくは90℃乃至400℃、圧力10kg/cm
2g乃至30kg/cm
2g、好ましくは圧力20kg/cm
2gで高温の蒸気を噴射するステップと、空気予熱器の入口に熱素子の表面に平行に0.5kg/cm
2g乃至20kg/cm
2gの圧力、200m/sec乃至400m/secの速度で、粒径が3mm以下、好ましくは粒径が0.1mm乃至3mmのドライアイスペレットを噴射するステップと、熱素子の表面に形成されている異物質の除去のステップとを含む熱交換器の複合洗浄方法を提供する。
【0023】
好ましくは、前記方法において、温度が400℃以下、圧力が20kg/cm
2g以下の場合、空気予熱器の老化を最小化しつつ、効果的に異物質を除去することができる。
【0024】
好ましくは、蒸気による水洗の際に高温の蒸気は、空気予熱器の冷端部に設けられている高温蒸気噴射設備によって、ボイラー供給空気と同じ方向9に空気予熱器へ噴射されるか、又は、その逆方向のボイラー排ガス入口に噴射される。一方、ドライアイスペレットによる水洗の際にドライアイスペレットは、空気予熱器のボイラー排ガス入口の前段に設けられているドライアイス噴射設備によって、排ガスと同じ方向8に空気予熱器へ噴射されるか、又は、その逆方向のボイラー供給空気入口に噴射される。
【0025】
より好ましくは、蒸気は空気予熱器の冷端部にボイラー供給空気と同じ方向9に噴射され、ドライアイスペレットは予熱器にボイラー排ガスが供給される方向、すなわち排ガスと同じ方向8に噴射される。
【0026】
蒸気による水洗とドライアイスペレットによる水洗とは同時に行うことができる。又は、蒸気による水洗後にドライアイスペレットによって水洗するか、逆にドライアイスペレットによる水洗後に蒸気によって水洗する方式で順次行うことができる。
【0027】
本発明に従い、ドライアイスペレットが空気予熱器に噴射されると、ドライアイスペレットが熱交換器の熱素子と衝突して粉砕された後、粉砕ドライアイスペレット粒子によって、熱素子の表面を覆っている重硫酸アンモニウム塩が0℃乃至−78.5℃の温度範囲で急速凍結され、これに伴い、重硫酸アンモニウム塩層に亀裂が発生する。この際に発生した重硫酸アンモニウム塩層の亀裂の間に粉砕ドライアイスペレット粒子が浸透すると同時に、ドライアイス粒子は昇華し、熱素子の表面の重硫酸アンモニウム塩が熱素子から分離される。空気予熱器の熱素子の表面に蓄積された粉塵や他の汚染物質も同様の原理によって分離され、熱素子の水洗が行われる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の複合洗浄方法は、既存の問題点である設備の稼動中断をせずに設備の運転中に簡便に作動することができ、熱交換器や電気集塵機に全く損傷を与えない。また、高温蒸気噴射は高圧水噴射よりは圧力が低く、水分の使用量が相対的に非常に少なく、排ガスの水分濃度を増加させない。 したがって、汚染物質を追加で排出しないため、別の廃水処理施設が必要ない。
【0029】
一方、発電設備の排ガスから捕集したCO
2をリサイクルして、ドライアイスを生産することができるので、CO
2活用の側面と原価低減の面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、従来の公害防止設備が設けられている一般的な発電設備やボイラー配置図であって、ボイラー後段に節炭器があり、この後段にSCRがあり、SCRの後段に空気予熱器がある構造であり、
【
図2】
図2は、空気予熱器において、従来の除媒機(Soot Blower)と水洗(Water washing)システムを利用して、重硫酸アンモニウム塩を除去するシステムを示し、
【
図3】
図3は、水洗の際に水分を除去するための排水装置を示し、
【
図4】
図4は、
図2の水洗装置の代りに、ドライアイス洗浄装置が設けられている空気予熱器の重硫酸アンモニウム塩の除去システムを示す。
【
図5】
図5は、ドライアイスペレットが重硫酸アンモニウム塩を除去する原理を示す。
【
図6】
図6は、冬季に大気の温度が急激に下がった場合、空気予熱器の冷端部で重硫酸アンモニウム塩と粉塵が結合して、水分とともに凍結され、排ガスの通路が詰まっている様子であり、
【
図7】
図7は、ドライアイス洗浄装置と高温蒸気噴射システムが共に設けられて運転されるシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を添付の図面を参照して詳しく説明すると、次のとおりである。
【0032】
図5に示すように、ドライアイスペレットは洗浄機で高圧又は低圧の空気によって高速噴射され、空気予熱器の熱素子の表面に衝突する。ドライアイスペレットは、熱素子に付着した重硫酸アンモニウム塩を超低温(−78℃)で急速凍結させ、これに伴い、重硫酸アンモニウム塩は周辺との温度差によって収縮しながら数多くの亀裂が生じる。ドライアイスペレットは、これらの亀裂を介して重硫酸アンモニウム塩の間に浸透すると同時に、昇華しながら体積が800倍以上膨張し、重硫酸アンモニウム塩のみを上に持ち上げて分離させる。同様の原理により、重硫酸アンモニウム塩だけでなく粉塵や他の汚染物質も分離除去され、超低温で凍結された異物質は洗浄機の風圧によって表面から簡単に分離され、空気予熱器の後段へ排出される。
【0033】
図7は、
図4のドライアイス洗浄装置を改良し、高温の蒸気噴射設備6を追加し、これらの噴射位置を既存の排ガス入口だけでなく、ボイラー供給空気入口、すなわち空気予熱器の冷端部にも噴射するシステムを示す。高温蒸気噴射設備は、蒸気温度と圧力が高いほど洗浄効果が優れるが、熱素子の損傷の可能性があり、温度は400℃以下、圧力は20kg/cm
2g以下で噴射する。蒸気の圧力は高圧水洗浄の際の通常の高圧水の運転圧力150〜200kg/cm
2gの1/10レベルで、相対的に熱素子に損傷を与えない。
【0034】
以上、本発明のドライアイスを用いた空気予熱器の洗浄方法に関する技術仕様を添付の図面とともに述べたが、これは本発明の最も良好な実施例を例示的に説明したものであり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0035】
1:空気予熱器の回転方向、2:空気予熱器、3:ドライアイスペレット噴射ノズル、4:ドライアイスペレット噴射装置、5:ドライアイス製造機、6:高温蒸気噴射設備、7:ボイラー供給空気出口、8:ボイラー排ガス入口、9:ボイラー供給空気入口、10:ボイラー排ガス出口