特許第6419210号(P6419210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイコ・エレクトロニクス・コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000002
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000003
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000004
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000005
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000006
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000007
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000008
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000009
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000010
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000011
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000012
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000013
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000014
  • 特許6419210-コネクタ嵌合保証 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6419210
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】コネクタ嵌合保証
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20181029BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   H01R13/64
   H01R13/639 Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-557213(P2016-557213)
(86)(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公表番号】特表2017-508257(P2017-508257A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】US2015020642
(87)【国際公開番号】WO2015142686
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年11月9日
(31)【優先権主張番号】61/954,761
(32)【優先日】2014年3月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/656,846
(32)【優先日】2015年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ジョン マーク マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ハーレー チェスター モル
(72)【発明者】
【氏名】エドモンド ペンドルトン ド シャザール
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−141145(JP,A)
【文献】 特開平07−192807(JP,A)
【文献】 実開平02−056371(JP,U)
【文献】 特開2011−233281(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0337677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ位置保証デバイス(1000)であって、
頂表面(1005)、底表面(1006)、前端部(1007)および後端部(1008)、前記頂表面(1005)から延在するラッチ係合突起(1010)を有するベース部(1003)と、
前記ベース部(1003)の前記前端部(1007)から前記ベース部(1003)の前記後端部(1008)から離れる方向へ延在する梁(1002)と、を備え、前記梁(1002)は、頂側部(1012)、底側部(1013)、梁前端部(1014)、および梁後端部(1015)、相手コネクタ係合突起(1016)を有し、前記梁後端部(1015)は、前記前端部(1007)に取り付けられ又はそれと一体になっており、前記相手コネクタ係合突起(1016)は、前記梁(1002)の前記頂側部(1012)に近接して設けられた弾性的に変形可能な頂脚部(1032)から延在し、前記相手コネクタ係合突起(1016)は、前記底側部(1013)から離れる方向へ延在し、
前記コネクタ位置保証デバイス(1000)は、相手コネクタ(100)が前記相手コネクタ係合突起(1016)と協働して前記相手コネクタ係合突起(1016)と弾性的に変形可能な前記頂脚部(1032)を前記梁(1002)の前記底側部(1013)に向かって力を加えるまで、コネクタの初期位置に維持され、
第1および第2のノッチ(1020,1021)が、前記相手コネクタ係合突起(1016)に近接して前記梁(1002)の前記頂側部(1012)に沿って設けられ、
前記第1のノッチ(1020)は、前記第1のノッチ(1020)の底壁(1024)に基本的に垂直である側壁(1023)を有し、
前記側壁(1023)は、前記相手コネクタ係合突起(1016)と前記弾性的に変形可能な前記頂脚部(1032)が前記梁(1002)の前記底側部(1013)に向かって移動するまで、前記コネクタ位置保証デバイス(1000)の移動を防止するストップ表面として働く、
コネクタ位置保証デバイス(1000)。
【請求項2】
前記梁(1002)は、前記梁(1002)の一部を貫通して延在して前記頂脚部(1032)と底脚部(1034)を形成する開口(1030)を有する請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(1000)。
【請求項3】
前記相手コネクタ係合突起(1016)は、前記梁前端部(1014)と前記梁後端部(1015)との間の略中程に配置される請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(1000)。
【請求項4】
他の第1のノッチおよび他の第2のノッチ(1017,1018)が、前記梁(1002)の前記底側部(1013)に沿って設けられ、
前記他の第1のノッチおよび他の第2のノッチ(1017,1018)は、傾斜された又は角度付けられた側壁(1019)を有する請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(1000)。
【請求項5】
電気コネクタアセンブリであって、
ラッチ(22)を有するプラグ(10)と、
ヘッダ(100)と、
ベース部(1003)、第1の梁および第2の梁を有するコネクタ位置保証デバイス(1000)と、
前記第1の梁および第2の梁の頂脚部(1032)上に設けられた第1のノッチ(1020)と第2のノッチ(1021)と、
前記プラグ(10)上のコネクタ位置保証係合突起(32)と、を備え、
前記第1の梁および第2の梁は、前記ベース部(1003)から延在し、前記ベース部(1003)は、ラッチ係合突起(1010)を有し、第1の梁は、第1のコネクタ係合突起を有し、および第2の梁は、第2のコネクタ係合突起を有し、
前記第1および第2のコネクタ係合突起は、前記プラグ(10)が前記ヘッダ(100)に嵌合されると、弾性的に起動され、
前記第1および第2のコネクタ係合突起と前記ラッチ係合突起(1010)は、前記プラグ(10)が前記ヘッダ(100)に完全に嵌合されると前記プラグ(10)と協働して、前記プラグ(10)の前記ヘッダ(100)からの不注意な除去を防止し、
前記コネクタ位置保証係合突起(32)は、第1および第2のノッチ(1020,1021)に近接しており、
前記プラグ(10)が前記ヘッダ(100)に嵌合されると、前記コネクタ位置保証係合突起(32)は、前記第1のノッチ(1020)との係合から前記第2のノッチ(1021)との係合に移動する
電気コネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記第1および第2のコネクタ係合突起は、前記プラグ(10)中のチャネル(40)を介して前記コネクタ位置保証デバイス(1000)の前記第1の梁および第2の梁から延在し、
前記プラグ(10)が前記ヘッダ(100)と嵌合されると、前記ヘッダ(100)上のラッチング突起が前記第1および第2のコネクタ係合突起と係合して前記第1の梁および第2の梁の一部を弾性的に変形させる請求項5に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記ラッチ係合突起(1010)は、前記コネクタ位置保証デバイス(1000)が着座位置にあると、ラッチ(22)の起動を阻止する請求項5に記載の電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手コネクタ同士が適切に嵌合されることを保証するために適切なコネクタ位置保証を提供するコネクタ位置保証デバイス、電気コネクタおよび電気コネクタアセンブリに関する。特に、小型のコネクタアセンブリに対して適切な位置保証を提供するコネクタ位置保証デバイス、電気コネクタおよび電気コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の用途では、電子部品は、電気コンタクトを含む第1と第2のハウジングを接合する電気コネクタアセンブリを必要とする。一方のハウジングは、雄電気コンタクトを含むが、他方のハウジングは、雌電気コンタクトを含む。第1のハウジングは、雄電気コンタクトと雌電気コンタクトが電気的に接続されるように第2のハウジングの内側に受容されるように構成される。第1と第2のハウジングが電気的に係合された電気コンタクトと適切に接続されることを確実にするために、第1と第2のハウジングは、より一般的には、位置保証機能と呼ばれるラッチアセンブリを備える。既知の用途では、ラッチアセンブリは、ベースプレート、第2のハウジングの垂下された突起物と第2のハウジング上の斜面を含む。ベースプレートは、突起物のそばにスライド可能に保持される。第1のハウジングが、第2のハウジングの回りに挿入されると、突起物は、斜面上にスナップされ、次に、ベースプレートは、斜面および突起部上を係合位置にスライドされる。多くの用途では、コネクタが完全に嵌合したか否かを検出するために典型的には、聞き取れるクリックが使用されるが、アセンブリプラントにおける雑音によってこれが無効にされ得る。
【0003】
加えて、コネクタ位置保証(CPA)デバイスに加えて、ラッチすなわち保持アセンブリを利用して完全に嵌合された位置にコネクタの半分同士を維持する電気コネクタが、提案されている。コネクタの半分同士が嵌合され且つラッチすなわち保持アセンブリがコネクタの半分同士間の接触を維持するように配置されると、コネクタ位置保証デバイスは、コネクタの半分同士が適切に接続されることを示す位置に移動される。このように、コネクタ位置保証デバイスは、コネクタの半分同士が完全に嵌合されたことを保証するための手段を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知のコネクタ位置保証デバイスは、第1と第2のハウジングに比較してかなりの空間を必要とする。その結果、既知のコネクタ位置保証デバイスでは、コネクタ位置保証デバイスがハウジングと相互作用する方法がコネクタサイズにより制限されるので、小さなコネクタでは、実用的ではない。加えて、既知のコネクタ位置保証デバイスを使用するときでさえ、大量のコネクタが、適切に嵌合することに失敗する。例えば、自動車のコネクタでの最大の保証の問題は、コネクタ同士が完全には嵌合せず、自動車がアセンブリプラントを離れた後にシステム欠陥を引き起こすことである。これは、車両アセンブリプラントで、幾つかのコネクタが初期の電気接触をするために十分に離れて嵌合されるが、コネクタのラッチが完全には係合せず、コネクタ同士が一緒にロックされないすなわち固定されない事実に起因する。これらのコネクタは、後で、車両がでこぼこの道等を運転されている時に、地面を離れ、システム機能の喪失を引き起こす。既知のコネクタ位置保証デバイスをコネクタに組み込んでも、多くの場合、オペレータがコネクタ位置保証デバイスを適切に起動しないと、コネクタが適切に嵌合され且つ固定されることは保証されない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの課題を解決するめの手段は、小型コネクタアセンブリに対して適切なコネクタ位置保証を提供する、本明細書に記載されるようなコネクタ嵌合保証によって提供される。電気コネクタは、プラグ、ヘッダおよびコネクタ位置保証デバイスを有する。コネクタ位置保証デバイスは、第1と第2の突起を含む。第2の突起は、プラグとヘッダが完全に嵌合されると、プラグラッチによって起動される。
【0006】
コネクタ位置保証デバイスは、ベース部およびそれから延在する複数の梁を有する。ベース部は、頂表面、底表面、ベース前端部とベース後端部、前記頂表面から延在するラッチ係合部を含む。前記梁の少なくとも1つは、前記ベース部の前記前端部から前記ベース部の前記後端部から離れる方向に延在する。前記梁の前記少なくとも1つは、頂側部、底側部、梁前端部および梁後端部を有し、前記梁後端部は、前記ベース前端部に取り付けられる又はそれと一体化されている。相手コネクタ係合突起が、前記梁の前記少なくとも1つの頂側部に近接して設けられた弾性変形可能第1の脚部から延在する。前記相手コネクタ係合突起は、前記底側部から離れる方向へ延在する。前記コネクタ位置保証デバイスは、前記相手コネクタが前記相手コネクタ係合突起と協働して前記突起および前記弾性変形可能第1の脚部に前記梁の前記少なくとも1つの前記底側部に向かって力を加えるまで、コネクタの初期位置に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、ここで、添付の図面を参照して、例として記載される。
【0008】
図1】ヘッダすなわち相手コネクタと嵌合されるプラグコネクタの斜視図である。
【0009】
図2図1のプラグコネクタの頂部の斜視図である。
【0010】
図3図1のヘッダすなわち相手コネクタの前部の斜視図である。
【0011】
図4】コネクタ位置保証部材の頂部の斜視図である。
【0012】
図5】ヘッダすなわち相手コネクタに部分的に嵌合されたプラグすなわちコネクタを示す、初期位置にあるコネクタ位置保証部材のラッチ係合部を通って切断された断面図である。
【0013】
図6】ヘッダすなわち相手コネクタに部分的に挿入されたプラグすなわちコネクタを示す、初期位置にあるコネクタ位置保証部材の各梁を通って切断された断面図である。
【0014】
図7図5に示されるよりもヘッダすなわち相手コネクタにより完全に嵌合されたプラグすなわち相手コネクタを示す、依然初期位置にあるコネクタ位置保証部材のラッチ係合部を通って切断された断面図である。
【0015】
図8図6に示されるよりもヘッダすなわち相手コネクタにより完全に嵌合されたプラグすなわち相手コネクタを示す、依然初期位置にあるコネクタ位置保証部材の各梁を通って切断された断面図である。
【0016】
図9図7に示されるよりもヘッダすなわち相手コネクタにより完全に嵌合されたプラグすなわち相手コネクタを示す、依然初期位置にあるコネクタ位置保証部材のラッチ係合部を通って切断された断面図である。
【0017】
図10図8に示されるよりもヘッダすなわち相手コネクタにより完全に嵌合されたプラグすなわち相手コネクタを示す、依然初期位置にあるコネクタ位置保証部材の各梁を通って切断された断面図である。
【0018】
図11】ヘッダすなわち相手コネクタに完全に嵌合されたプラグすなわちコネクタを示す、依然初期位置にあるコネクタ位置保証部材のラッチ係合部を通って切断された断面図である。
【0019】
図12】ヘッダすなわち相手コネクタに完全に嵌合されたプラグすなわちコネクタを示す、依然初期位置にあるコネクタ位置保証部材の各梁を通って切断された断面図である。
【0020】
図13】ヘッダすなわち相手コネクタに完全に嵌合されたプラグすなわちコネクタを示す、ロック位置に移動されたコネクタ位置保証部材のラッチ係合部を通って切断された断面図である。
【0021】
図14】ヘッダすなわち相手コネクタに完全に嵌合されたプラグすなわちコネクタを示す、ロック位置に移動されたコネクタ位置保証部材の各梁を通って切断された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の原理に係る例証となる実施形態の記載は、全明細書の一部と考えられるべき添付の図面に関連して読まれることが意図されている。本明細書に開示される発明の実施形態の記載において、方向や方位への参照は、記載を簡便にするために過ぎず、本発明の範囲を制限することは全く意図していない。「下の」、「上の」、「水平な」、「垂直な」、「上方の」、「下方の」、「上」、「下」、「頂部」および「底部」並びにそれの派生語(例えば、「水平に」、「下方へ」、「上方へ」等)のような相対的用語は、次に記載されるように又はここで論じられている図面に示されるように方位を指すものと解釈されるべきである。これらの相対的用語は、記載の簡便さのために過ぎず、且つ明示的にその通りであるとの指摘がなされない限り、その装置が特定の方位に構成される又は動作されるべきであることを求めるものではない。「取り付けられる(attached)」、「貼り付けられる(affixed)」、「接続される(cоnnected)」、「連結される(cоupled)」、「相互接続される(intercоnnected)」等は、明白にそうでないと記載されない限り、構造体が直接的に又は介在構造体並びに両方が移動可能又は剛性取付け具又は移動可能又は剛性関係を介して互いに固定又は取り付けられる関係を指す。さらに、本発明の特徴と利点は、好適な実施形態を参照して説明される。従って、本発明は、単独で又は特徴の他の組合せにおいて存在し得る特徴の何らかの可能な非制限的組合せを説明するそのような好適な実施形態に制限されるべきではなく、本発明の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることは明白である。
【0023】
図1は、共にコネクタアセンブリ50を形成する相手コネクタすなわちヘッダ100と嵌合される電気コネクタすなわちプラグ10の斜視図である。電気コネクタ10と相手コネクタ100は、代表として示されている。これらのコネクタ10と100は、コンタクトおよびコンタクトラッチのような多くの他の機能部を有し、それらは、図に示されていない。
【0024】
図2を参照すると、電気コネクタ10は、図示されていない、中にコンタクトを受容するためのコンタクト受容通路14を有するハウジング本体12を有する。電気コネクタ10は、前方嵌合端部16と後方端部18を有する。コンタクト(図示せず)と電気的係合状態にある導体すなわちワイヤ15は、通路14内に挿入され且つ後方端部18から延在する。第1のすなわち頂表面19とその反対側に向く第2のすなわち底表面21が、嵌合端部16と後方端部18との間に延在する。
【0025】
係合表面23とラッチング開口24を有するラッチすなわちラッチアーム22が、頂表面19から延在する。図示の実施形態では、ラッチ22は、前方嵌合端部16に近接する頂表面19に接続され且つ後方端部18に向かって延在している。ラッチ22は、以下でより十分に記載されるように、相手コネクタ100をコネクタ10にラッチし且つ固定するために使用される。
【0026】
図6に示されるように、コネクタ位置保証(CPA)受容開口30がラッチアーム22とハウジング本体12との間に延在している。上部ノブすなわちコネクタ位置保証係合突起32が、ハウジング本体12の下部表面33からコネクタ位置保証受容開口30内に延在している。下部ノブすなわちコネクタ位置保証係合突起34が、ハウジング本体12の頂表面19からコネクタ位置保証受容開口30内に延在している。チャネル40(図2)は、ラッチアーム22および頂表面19から延在する夫々の支持壁(図示せず)に近接して設けられる。チャネル40は、より十分に論じられるように、コネクタ位置保証受容開口30と協働して中にコネクタ位置保証部材1000を収容する。
【0027】
図3に最も良く示されるように、相手コネクタ100は、コネクタ10と相手コネクタ100が非嵌合位置から嵌合位置に移動されると、ラッチアーム22と係合するように配置される相補的ラッチング突起110を有する。図示の実施形態では、ラッチング突起110は、相手コネクタ100のシュラウド120の表面122から延在する。
【0028】
共に適切に嵌合されると、ラッチング突起110は、相手コネクタ100を電気コネクタ10と固定するように、ラッチング開口24と協働し且つその中に配置される。嵌合位置において、コネクタ10は、相手コネクタ100のシュラウド120内に受容される。相手コネクタ100の電気コンタクト130(図11)は、電気コネクタ10内の電気コンタクト(図示せず)と嵌合する。
【0029】
コネクタ位置保証係合リブすなわち突起140は、ラッチング突起110の各側に設けられる。係合突起すなわちリブ140は、ラッチング突起110から離間され且つ相手コネクタ100のシュラウド120の表面122から延在している。図示の実施形態では、ラッチング突起110は、係合突起140が表面122から離間するよりも表面122からさらに遠くに延在している。
【0030】
図5図14に示されるように、コネクタ位置保証デバイス1000がコネクタ10のラッチアーム22に近接して配置されると共にそれに対して移動可能になっている。コネクタ位置保証デバイスは、コネクタ位置保証受容開口30内に維持され且つ、図5に示されるように、第1の位置すなわち開口位置と、図13に示されるように、第2のすなわち完全に挿入された位置との間で移動可能になっている。
【0031】
図4を参照すると、コネクタ位置保証デバイス1000は、ベース部1003と二つの平行な梁1002を有する略U字形状である。ベース部1003は、一般的に、頂表面1005、底表面1006、ベース前端部1007およびベース後端部1008を有する矩形プレートである。梁1002は、前端部1007から後端部1008から離れる方向へ延在している。ベース部1003は、後でより十分に記載されるように、コネクタ位置保証デバイス1000を手作業で係合するすなわち起動するために後端部1008に沿って延在するプレスバー1004を含む。図示の例証となる実施形態では、プレスバー1004は、後端部1008の全幅を横切って延在する。しかしながら、他の構成が、本発明の範囲から逸脱することなく使用されてもよい。ラッチ係合突起1010が、ベース部1003の頂表面1005から延在している。以下でさらに説明されるように、ラッチ係合突起1010は、ラッチ22と相互作用する。
【0032】
梁1002は、図4に最も良く示されるように、一般的に、形状が矩形である。各梁1002は、頂側部1012、底側部1013、梁前端部1014および梁後端部1015を有する。後端部1015は、ベース部1003の前端部1007に取り付けられる又はそれと一体になっている。相手コネクタ係合突起1016が、各梁1002の頂側部1012から底側部1013から離れる方向へ延在している。図示の例証としての実施形態では、各突起1016は、梁1002の弾性変形可能頂脚部すなわち第1の脚部1032から延在する。図示の例証としての実施形態では、突起1016は、梁1002の前端部1014と後端部1015との間の中間に配置される。各梁1002は、梁1002の一部を貫通して延在して頂脚部1032と底脚部1034を形成する開口1030を有する。
【0033】
第1と第2のノッチ1017,1018が梁1002の底側部1013に沿って設けられる。第1と第2のノッチ1017と1018は、傾斜または角度付け側壁1019を有する。角度壁1019の傾斜は、コネクタ位置保証デバイス1000を移動する又は着座するために必要な力を増減するように調節されることができる。第1と第2のノッチ1020,1021が、梁1002の頂側部1012に沿って設けられる。第1と第2のノッチ1020,1021は、突起1016に近接して設けられる。第2のノッチ1021は、傾斜されたまたは角度付けされた側壁1022を有する。角度壁1022の傾斜は、コネクタ位置保証デバイス1000を移動する又は着座するために必要な力を増減するように調節されることができる。第1のノッチ1020は、それらのノッチ1020の底壁1024に対して基本的に垂直である側壁1023を有する。側壁1023は、コネクタ位置保証デバイス1000がコネクタ位置保証受容開口30から除去されることを防止するためのストップ表面として働く。
【0034】
図5図14を参照すると、プラグすなわちコネクタ10をヘッダすなわち相手コネクタ100内に挿入する進行すなわち方法が示される。
【0035】
図5図6において、プラグコネクタ10がヘッダコネクタ100に緩く配置されている、最初に挿入されたコネクタ10と相手コネクタ100が示されている。この位置で、ラッチング突起110は、ラッチ22と係合していない。図示のように、コネクタ位置保証デバイス100は、第1のノッチ1017,1020の夫々の突起34,32との協働によって、嵌合前、開口すなわち第1の位置に維持されている。この位置では、ラッチ22は、通常のすなわち偏向されていない位置にある。
【0036】
コネクタ10が相手コネクタ100のシュラウド120内に部分的に挿入されると、図7図8に示されるように、ラッチ22の係合表面23は、相手コネクタ100のラッチング突起110と係合して係合表面23とラッチ22を弾性変形させる、起動させる又はコネクタ10の底表面21に向かってコネクタ10の頂表面19から離れるように偏向させる。加えて、コネクタ位置保証デバイス1000の梁1002に設けられた突起1016は、コネクタ位置保証係合突起140に近接する、隣接する又はそれと初期係合状態になるように移動される。
【0037】
挿入が続くと、図9図10に示されるように、コネクタ位置保証デバイス1000の梁1002に設けられた突起1016は、コネクタ位置保証係合突起140の表面に沿って移動され、突起1016を梁1002の底側部1013に向かって移動させる。これが起こると、頂脚部1032は、開口1030内に弾性的に変形され、それによって、頂側部1012の第1のノッチ1020が突起32から離れるように移動されることができる。しかしながら、コネクタ位置保証デバイス1000は、第1のノッチ1017の突起34との協働によってコネクタ位置保証受容開口30に対する相対位置に維持される。
【0038】
挿入が続くと、図11図12に示されるように、コネクタ10は、相手コネクタ100のシュラウド120内に完全に挿入される。この位置で、係合表面23は、ラッチング突起110を越えて移動されて、ラッチ22がその通常の非屈曲位置に跳ね返される。ラッチ22がその非屈曲位置に戻ると、ラッチング突起110は、ラッチ22の開口24を通って挿入され、それによって、ラッチ22をラッチング突起110にラッチしてコネクタ10を相手コネクタ100に固定する。
【0039】
相手コネクタ100のシュラウド120内に完全に挿入されたコネクタ10では、コネクタ位置保証デバイス1000は、図13図14に示されるように、初期位置から係止位置に移動されることができる。コネクタ位置保証デバイス1000を移動させるために、力すなわち圧力が挿入方向へプレスバー1004に対して印加される。圧力が印加されると、突起34は、角度付けられた側壁1019上をスライドし、突起34が第1のノッチ1017から外に移動される。圧力が印加されると、コネクタ位置保証デバイス1000は、嵌合端部16に向かって受容開口30内に移動される。連続挿入によって、コネクタ位置保証デバイス1000の梁1002に設けられた突起1016がコネクタ位置保証係合突起140の表面を越えて移動されて、突起1016が梁1002の底側部1013から離れるように移動される。突起1016の移動は、頂脚部1032がそれらの無強制位置に向かって弾性的に戻らされる。挿入は、突起32が頂側部1012の第2のノッチ1021内に移動され且つ突起34が底側部1013の第2のノッチ1018内へ移動されるまで続く。この完全に挿入された位置において、ラッチ係合突起1010は、ラッチ22の下方に配置され、それによって、ラッチ22が下方へ移動されることを防止する。この位置で、ラッチ係合突起1010は、プラグラッチ22の起動を阻止し、一方、それは、相手コネクタ100からのコネクタ10の望ましくないすなわち不注意な嵌合解除を防止する。
【0040】
コネクタ10は、相手コネクタ110から嵌合解除されるべき場合、コネクタ位置保証デバイス1000は、初期位置に戻される。挿入とは反対方向へプレスバー1004に印加される力によって、突起34,32は、角度付け側壁1019,1022上をスライドされ、突起34,32が第2のノッチ1018,1021から移動させられる。移動が続くと、ラッチ係合突起1010は、ラッチ22から離れるように移動され、ラッチが押し下げられ、一方、それによって、コネクタ10が相手コネクタ110から嵌合解除される。
【0041】
初期位置からロック位置へのコネクタ位置保証デバイス1000の挿入は、図5図6に示されるように、コネクタ10が相手コネクタ100に嵌合されない場合に防止されることに留意されるべきである。第1のノッチ1020の壁1023は、先に記載されたように、頂脚部1032が開口1030内に弾性的に変形されない場合、第1のノッチ1020からの突起32の除去を防止するように構成される。頂脚部1032は、突起1016の係合突起140との協働によって変形されるに過ぎないので、係合突起140が存在しない場合、コネクタ位置保証デバイス1000は、閉鎖位置へ移動されることができない。
【0042】
加えて、コネクタ位置保証デバイス1000は、コネクタ10が相手コネクタ100に適切にすなわち完全に嵌合されていない場合、閉鎖すなわち係止位置に移動されることができない。図7図9に示されるように、コネクタ10が相手コネクタ100内に完全に挿入されないすなわち不適切に挿入される場合、ラッチ22が通常のすなわち非屈曲位置から屈曲され続ける。この位置で、ラッチ22の係合表面23は、係合突起1010の前端部および/又は前表面1011と係合でき、それによって、着座すなわち閉鎖位置に向かってのコネクタ位置保証デバイス1000の挿入を防止すなわち阻止する。コネクタ位置保証デバイスが係止位置へ移動されることができないので、コネクタ10が相手コネクタ100内に適切に嵌合されず、且つこれは修正されなければならないことの指示を提供する。
【0043】
本発明は、好適な実施形態を参照して記載されたが、添付の特許請求の範囲で定義されたように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われることができ且つ等価物がそれらの要素の代わりにされることができることが当業者には理解されている。特に、本発明は、本発明の精神や本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態、構造、配置、比率、サイズにおよび他の要素、材料および部品で具体化されることができることは、当業者には明白である。本発明は、構造、配置、比率、サイズ、材料および部品の多くの変更と共に使用されることができる或いは本発明の原理から逸脱することなく特定の環境および動作要求に特に適合する本発明の実施において使用されることができることが当業者には理解される。従って、ここで開示された実施形態は、あらゆる点に関して、説明的であり制限するものではないと考えられるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであり且つ前述の説明や実施形態に制限されるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14