(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態は、任意の数の異なる検討事項を認識し考慮している。例えば、異なる実施形態は、航空機の着氷状態を検出する現在使用されるシステムが、発生しうる異なる種類の着氷状態をすべて検出することができないことを認識し考慮している。例えば、異なる実施形態は、水滴のサイズが大きくなると、現在使用されるセンサがこれらの水滴によって発生する着氷を検出することができないことを認識し考慮している。異なる実施形態は、異なるサイズの滴が航空機の運航中にエーロフォイルと衝突する位置が滴のサイズによって変化することを認識し考慮している。
【0013】
一実施形態では、着氷状態検出システムは、航空機の表面上の任意の数の位置に任意の数のセンサを含む。任意の数のセンサのうちの一つのセンサは、航空機周囲の水滴に電磁放射線を放射して、水滴に放射された電磁放射線に対する反応を検出するように構成されている。電磁放射線は様々な形態であってよい。例えば、電磁放射線はコヒーレント光、レーザー光線、その他何らかの種類の電磁放射線である。これらの実施例では、電磁放射線は人間の目に不可視である。センサは検出された反応からデータを生成する。着氷状態検出器は、任意の数のセンサからのデータを監視して、任意の数のセンサからのデータを使用して、航空機の任意の数の種類の着氷状態の存在を検出するように構成されている。
【0014】
本明細書で使用される「任意の数の」はアイテムに関連して使用した場合に、一又は複数のアイテムを意味する。例えば、「任意の数の種類の着氷状態」とは、一又は複数の種類の着氷状態である。
【0015】
実施形態は、異なるサイズの水滴によって発生した異なる種類の着氷状態を検出することが望ましいことを認識し考慮している。具体的には、実施形態は過冷却された液体水の滴を検出することが望ましいことを認識し考慮している。これらの滴は過冷却された大粒の滴の形態であってよい。
【0016】
ここで図面を参照する。特に
図1は、一実施形態による航空機が示されている。図示のように、航空機100は、胴体106に装着された翼102、及び翼104を有する。航空機100はまた、翼102に装着されたエンジン108と、翼104に装着されたエンジン110も含む。
【0017】
胴体106は、機首112及び尾部114を有する。機首112は航空機100の前方部分であり、尾部114は航空機100の後方部分である。水平安定板116、水平安定板118、及び垂直安定板120は胴体106の尾部114に装着される。
【0018】
航空機100は、一実施形態において着氷状態検出システム122が実行される航空機の一例である。これらの実施例では、着氷状態検出システム122は航空機100の表面126のセンサ124を含む。
【0019】
これらの実施例では、着氷状態検出システム122は任意の数の種類の着氷状態を検出するように構成されている。例えば、着氷状態検出システム122は航空機100の第1の種類の着氷状態、航空機100の第2の種類の着氷状態、又はこれら両方を検出するように構成可能である。
【0020】
これらの実施例では、センサ124は航空機100周囲にある水滴に電磁放射線を放射するように構成されている。これらの実施例では、電磁放射線はコヒーレント光又はレーザー光線の形態である。さらに、センサ124は電磁放射線に対する反応を検出し、その反応からデータを生成するように構成されている。この実施例では、センサ124はレーザーセンサ123の形態である。温度センサ125もセンサ124に加えて図示されている。
【0021】
これらの実施例では、水滴の存在を検出するために、センサ124からのデータが解析される。さらに、このデータは水滴のサイズを特定するのにも使われる。水滴のサイズは実質的に均一であるか、又は異なっている。例えば、水滴のサイズは、複数の水滴内の滴同士で異なる場合がある。これらの変動量はある範囲内に収まる。センサによって提供されたこの情報を基に、任意の数の種類の着氷状態、例えば第1の種類の着氷状態及び第2の種類の着氷状態が検出される。
【0022】
温度データは着氷状態検出システム122の温度センサ125から取得される。別の実施例では、温度データは航空機の大気データシステムから取得される。これらの実施例では、任意の数の種類の着氷状態が存在するか否かを判断するために、水滴のサイズを特定するデータを温度データと共に使用する。
【0023】
これらの実施例では、着氷状態検出システム122のセンサ124は、航空機100の表面126上の異なる位置に位置づけされている。図示したように、センサ124はセンサ130、132、134、136、138、140、142、144、146及び148を含む。
【0024】
これらの実施例では、センサ130、132、及び134は航空機100の胴体106に位置づけされている。この実施例では、センサ130は胴体106の上面150に位置づけされている。センサ132は胴体106の側面152に位置づけされており、センサ134は胴体106の側面154に位置づけされている。側面152と側面154は胴体106で互いに対向している。この実施例では、センサ134は胴体106の側面154上に透視的に示されている。
【0025】
これらの実施例では、センサ130、132、及び134は胴体106の水平中央線156に、又はその上に位置づけされている。これらのセンサの相対位置により、センサ130、132、及び134は航空機100が滑走路を移動する時に滑走路上の破片との接触が防止される又は低減される位置にある。
【0026】
センサ136及びセンサ138はそれぞれ、エンジン108及びエンジン110のエンジン筐体に位置づけされている。センサ140は翼102に位置づけされており、センサ142は翼104に位置づけされている。センサ146は水平安定板116に位置づけされており、センサ144は水平安定板118に位置づけされている。センサ148は垂直安定板120に位置づけされている。
【0027】
センサ124を示す図は物理的又はアーキテクチャ的な限定であることを暗示するものではなく、センサは航空機100又は他の航空機に位置づけすることができる。これらの実施例では、センサ124に対し10個のセンサを示しているが、その他の数のセンサも実行可能である。例えば、着氷状態検出システム122には任意の数のセンサ124の代わりに、センサ1個だけがある場合もある。別の実施例では、着氷状態検出システム122に一又は複数の追加の温度センサがあってもよい。
【0028】
他の実施例では、センサ124は2つのセンサ、3つのセンサ、又は他の幾つかの数のセンサを含む。ある実施例では、センサ124の他のセンサなしでセンサ130が使用される。別の実施例では、センサ132及びセンサ134は着氷状態検出システム122で使用されるセンサ124の唯一のセンサである。センサ124の二以上のセンサによって、異なる種類の着氷状態を検出するための所望レベルのリダンダンシーが得られる。
【0029】
これらの実施例では、これらの着氷状態は、航空機100上の氷形成につながる異なる高度及び温度において発生する。例えば着氷状態は、温度が約摂氏マイナス40度〜0度である時に、おおよそ海水位から約3万フィートまでの高度において発生する。当然ながら、航空機100の表面126に接触する水から氷が形成されるその他の高度及び温度も存在する。滴の液体水含有量が上述した高度及び温度範囲内で約0.4〜2.8g/m
3である時にも着氷状態は存在しうる。
【0030】
図示したように、第1の種類の着氷状態及び第2の種類の着氷状態は異なるサイズの水滴によって発生する。高度、温度、及び液体水含有量の範囲は同じであるが、第1の及び第2の種類の着氷状態とは一つには、滴のサイズに違いがある。
【0031】
これらの実施例では、第1の種類の着氷状態は、滴のサイズが直径約0.00465〜0.111mmである時に存在する。これらのサイズの滴は、標準の滴と呼ばれる。第2の種類の着氷状態は、滴のサイズが約0.111mmを超える直径を有する滴を含む時に存在しうる。約0.111mmよりも大きいサイズを有する滴は大粒の滴と呼ばれ、特に、上述した高度、温度、及び液体水含有量の状態では過冷却された大粒の滴と呼ばれる。例えば、滴は約0.112〜2.2mmの範囲の直径を有する。加えて、第2の種類の着氷状態は、約0.111mmを超える滴が存在する時に、約0.111mm以下の滴が含まれる。
【0032】
図示したように、センサ124は航空機100周囲に存在する水滴のサイズを検出するように構成されている。例えば、センサ124は第1数のサイズを有する水滴、及び第2数のサイズを有する水滴を検出するように構成されている。これらの実施例では、第1数のサイズは第2数のサイズよりも小さい。サイズの数はこれらの実施例ではサイズの範囲である。
【0033】
例えば、第1数のサイズは直径約0.00465〜0.111mmである。第2数のサイズは直径約0.112〜2.2mmである。
【0034】
第2数のサイズの水滴は、過冷却水の滴とみなされる水滴である。これらの過冷却水の滴は、過冷却された大粒の水滴(SLD)である。着氷状態検出システム122のセンサ124は、第1の種類の着氷状態と第2の種類の着氷状態の両方のサイズを有する水滴を検出するように構成されている。
【0035】
この実施例において、第1の種類の着氷状態は標準の着氷状態と呼ばれる。第2の種類の着氷状態は過冷却された大粒の滴の着氷状態と呼ばれる。
【0036】
これらの実施例では、センサ124は埋め込み型のセンサとして図示されている。つまり、センサ124の各センサは航空機100の表面126とほぼ面一である、又は航空機100の表面126に対して平坦である。埋め込み型のセンサにより、センサ124の使用は航空機100の抗力を増加させない。さらに、
図1の航空機100で示したものに加えて、又はその代わりに、他の数のセンサ124及びセンサ124の位置を使用することができる。
【0037】
第1の着氷状態及び第2の着氷状態について滴の特定の状態及びサイズを説明してきたが、種々の実施形態は図示した状態およびサイズに限定されない。例えば、第1の着氷状態及び第2の着氷状態については、水滴が存在する時に他の高度及び滴のサイズを使用して定義することができる。
【0038】
しかしながら、
図1は双発エンジン航空機を使用する実施形態を示し、実施形態は含まれる情報が異なる数のエンジンを有する航空機にも適用可能であることを認識し、考慮している。さらに、実施例は航空機100を民間航空機として示す。異なる実施形態は例えば軍用航空機、飛行機、ヘリコプター、又は他の好適な航空機等の他の種類の航空機に適用可能である。
【0039】
ここで
図2を参照する。
図2は、一実施形態による着氷状態検出システムの構成要素の図である。この実施例では、着氷状態検出システム122はさらにプロセッサユニット200を含む。プロセッサユニット200は航空機100の着氷状態の検出に対して作業を行うように構成されたハードウェアデバイスである。これらの作業では、プロセスはソフトウェア、ハードウェア、又は両者の組み合わせにおいて実行可能である。
【0040】
図示したように、プロセッサユニット200はセンサ124に接続されている。これらの実施例では、センサ124はデータ202を生成する。データ202は、センサ124が航空機100周囲で水滴の存在を検出したか否かを示す。電磁放射線に反応して水滴が検出され、航空機100周囲の温度がおおよそ氷点以下である時、センサ124によって着氷状態が検出される。検出された着氷状態の種類は、センサ124によって検出された水滴のサイズの数値に基づいて特定される。センサ124はデータ202をプロセッサユニット200へ送る。
【0041】
これらの実施例では、プロセッサユニット200は、センサ124からのデータを監視するように構成された着氷状態検出器の一例である。さらに、プロセッサユニット200は着氷状態のうちの一つの存在を示すデータに応答して動作を行うように構成されている。検出された特定の種類の着氷状態は、データを生成しているどの群のセンサが氷の存在を示しているかに依存する。つまり、センサ124によって生成されたデータによって、第1の着氷状態、第2の着氷状態、または第1の着氷状態及び第2の着氷状態の両方が存在しうる。
【0042】
動作には、警報を発する、ログエントリを作成する、防氷システム204を駆動させる、報告を送る、及びその他の好適な動作のうちの少なくとも一つが含まれる。本明細書において、列挙されたアイテムと共に使用される「〜のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムの一又は複数の様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙された各アイテムのうちの一つだけあればよいということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。
【0043】
これらの実施例では、警報は航空機100の操縦室のインターフェース206で発信される。操縦室のインターフェース206は航空機100の操縦室に位置する表示システムである。表示システムは、オペレータに対して情報が表示される任意の数のディスプレイを含む。これらのディスプレイは実施例においてはハードウェアデバイスである。任意の数のディスプレイは例えば非限定的に、主要飛行用ディスプレイ、ナビゲーションディスプレイ、及びその他の好適な種類のディスプレイを含む。
【0044】
さらに、ログエントリは飛行管理システム208において作成される。飛行管理システム208は航空機100のコンピュータシステムである。このコンピュータシステムは、任意の数のコンピュータからなる。コンピュータシステムに1よりも多いコンピュータが含まれる場合、これらのコンピュータは例えばローカルエリアネットワーク等の通信媒体を使用して相互に連通している。
【0045】
プロセッサユニット200は飛行管理システム208へ報告を送る。あるいは、飛行管理システム208に報告を送ることに加えて、又はそれの代わりに遠隔地へ報告が送られる。これらの実施例では、報告にはどの種類の一又は複数の着氷状態が存在するかの表示が含まれる。この報告にはまた、着氷状態を検出する一又は複数のセンサの位置が含まれる。
【0046】
プロセッサユニット200の別の動作は、防氷システム204の操作を開始することである。防氷システム204は全ての現在利用可能な防氷システムを使用して実行可能である。防氷システム204は、航空機100の表面126上の氷の形成を除去する又は防止する異なる種類の機構を用いる。例えば、防氷システム204は機械システム、化学システム、赤外線加熱システム、及びその他の種類のシステムを用いて、航空機100の表面126上の氷を除去する、氷の形成を防止する、又はこれら両方を行う。
【0047】
ここで
図3に注目する。
図3は、一実施形態によるセンサを有する航空機の断面図を示している。この実施例において、胴体106の図は
図2のライン3−3に沿って切り取ったものである。
【0048】
図示したように、センサ132は、航空機100周囲のエリアに電磁放射線300を放射するように構成されている。同様に、センサ134は、航空機100周囲の環境に電磁放射線302の光線を放射するように構成されている。図示したように、電磁放射線302はコヒーレント光の形態である。ある実施例では、電磁放射線302はレーザー光線である。レーザー光線は、特定の実行形態によって、可視光スペクトル内にある、又は可視光スペクトル外である。
【0049】
これらの実施例では、電磁放射線300の光線及び電磁放射線302の光線が水滴304に放射される。滴304は空から落ちる水滴、又は雲の中の水滴である。
【0050】
これらの実施例では、センサ132とセンサ134は、滴304への電磁放射線300の光線と電磁放射線302の光線の放射に対する反応を検出するように構成されている。これらのセンサは、上述したように、
図2のプロセッサユニット200によって使用されるデータを生成する。このデータは実際に、水滴のサイズを含む、又は水滴304のサイズを特定するために使われる。
【0051】
図1〜3の航空機100、着氷状態検出システム122、及びその他の構成要素の図は、物理的または構造上の限定を表すことを意味するものではなく、他の実施形態が実行可能である。例えば、他の数のセンサ、又はセンサの他の位置をこれらの図に示したものに加えて使用することができる。
【0052】
ここで
図4を参照する。
図4は、一実施形態によるセンサを示す。この図ではセンサ132のより詳しい図解が示されている。
【0053】
センサ132は筐体400を含む。筐体400は、
図1の胴体106の表面126の開口部402内にちょうど収まるように設計される。筐体400は、開口部402に配置された時に表面126と実質的に面一になる形を有するように構成される。さらに、筐体400の形は表面126の曲線404と実質的に一致する形である。
【0054】
ここで
図5を参照する。
図5は、一実施形態による航空機の胴体に取り付けられたセンサの断面図である。この実施例において、センサ132の断面図は
図4のライン5−5に沿って切り取ったものである。
【0055】
この実施例では、筐体400の表面500はカバー501を含む。カバー501は、筐体400内部のレーザーセンサユニット502によって発生したレーザー光線の形態の電磁放射線がカバー501を通り抜けるように実質的に透明となっている。さらに、レーザー光線への反応もまた、カバー501を介してレーザーセンサユニット502によって検出される。
【0056】
この図では、筐体400は、筐体400の表面500が表面126と実質的に面一となるように図示されている。具体的には、筐体400の表面500は航空機100の表面126の曲線404と実質的に一致するような曲線503を有する。
【0057】
ここで、
図6を参照する。
図6は、一実施形態による設計環境のブロック図を示している。この実施例において、設計環境600は、任意の数の種々の種類の着氷状態に対する着氷状態検出システムを設計するために使用される。
【0058】
この実施例では、デザイナー602は着氷状態検出システム606の着氷状態検出システム設計604を生成するために使用される。着氷状態検出システム606は、例えば非限定的に、
図1の着氷状態検出システム122である。
【0059】
図示したように、デザイナー602は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその二つの組み合わせを使用して実行される。これらの実施例では、デザイナー602はコンピュータシステム608を使用して実行される。コンピュータシステム608は任意の数のコンピュータを含む。コンピュータシステム608内に複数のコンピュータが存在する場合、これらのコンピュータは相互に連通している。この通信は、例えばネットワーク等の通信媒体を使用して行われる。
【0060】
デザイナー602がソフトウェアを使用して実行された場合、デザイナー602はコンピュータシステム608の一又は複数のコンピュータ上で実行されるように構成されるプログラムコードの形である。ハードウェアが採用される場合には、ハードウェアはデザイナー602の作業を実施するように動作する回路を含むことができる。
【0061】
実施例では、ハードウェアは回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は任意の数の作業を実施するように構成された他の好適な形式のハードウェアであってもよい。プログラマブル論理デバイスにより、デバイスは任意の数の作業を実施するように構成されている。このデバイスはその後再構成する、又は任意の数の作業を実施するために永続的に構成することができる。プログラマブル論理デバイスの例としては、非限定的に、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適するハードウェアデバイスが含まれる。加えて、このプロセスは無機構成要素と一体化した有機構成要素において実行することが可能である、及び/又は全体的に人間以外の有機構成要素からなるものであってよい。
【0062】
この実施例では、航空機612の航空機設計610が、着氷状態検出システム設計604を作成するための入力として使用される。具体的には、航空機612の構成要素616のパラメータ614を、着氷状態検出システム606の構成要素620のパラメータ618を生成するのに使用される。具体的には、パラメータ618によりこれらの実施例では、任意の数のセンサ626が任意の数のレーザーセンサ630の形態であることが特定される。これらの実施例では、着氷状態検出システム606の構成要素620は着氷状態検出器621とセンサシステム624を含む。
【0063】
これらの実施例では、着氷状態検出器621はプロセッサユニット622において実行される。着氷状態検出器621は、任意の数のセンサ626からのデータを処理して異なる種類の着氷状態を特定するように構成された全てのハードウェア、ソフトウェア、又はこれら2つの組み合わせにおいて実行される。
【0064】
センサシステム624は任意の数のセンサ626を含む。これらの実施例では、任意の数のセンサ626は電磁放射線627を生成するセンサとして選択される。これらの実施例では、電磁放射線627は任意の数のコヒーレント光628の光線の形態である。図示したように、任意の数のコヒーレント光628の光線は、人間の目に見える又は見えない波長を有する。例えば、任意の数のコヒーレント光628の光線は赤外線スペクトル内のものであってよい。
【0065】
図示したように、パラメータ618はまた任意の数のセンサ626の任意の数の位置632も含む。これらの実施例では、任意の数の位置632は、水滴を通る任意の数のコヒーレント光628の光線に基づいて任意の数のセンサ626が反応を受け取るように、任意の数のコヒーレント光628の光線の、任意の数のコヒーレント光628の光線が水滴を通り抜けるあらゆる数の位置として選択される。
【0066】
さらに、任意の数の位置632は、航空機612の運航中に、乗客又は他の乗務員の、任意の数のコヒーレント光628の光線への接触を減らす、又は防止する位置としても選択される。加えて、任意の数の位置632はまた、航空機612の運航中に他の全ての航空機、建造物、又は構造体から任意の数のセンサ626によって生成された任意の数のコヒーレント光628の光線を低減するようにも選択される。任意の数の位置632は、これらの実施例では航空機612の表面634にある。
【0067】
シミュレーション636は、任意の数のセンサ626の任意の数の位置632を特定するために行われる。このシミュレーションは、航空機612周囲の滴638をシミュレートする。シミュレーション636を通して、任意の数の位置632は、任意の数のコヒーレント光628の光線が滴638を通り抜けることにより、滴638を通る任意の数のコヒーレント光628の光線から反応を検出することができる位置として特定される。
【0068】
さらに、シミュレーション636はまた、航空機612の運航中に、任意の数のコヒーレント光628の光線と、人々、航空機、及び他の物体との望ましくない接触を減らすためにも行われる。このように、任意の数の位置632は例えば非限定的に、胴体、エーロフォイル、翼、水平安定板、垂直安定板、及びエンジン筐体のうちの一つを含む。
【0069】
図6の設計環境600の図は物理的または構造上の限定を表すことを意味するものではなく、実施形態を実行可能である。図示した構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素を使用することができる。幾つかの構成要素は不必要になることもある。また、ブロックは、幾つかの機能的な構成要素を示すために提示されている。実施形態において実行される場合、一又は複数のこれらのブロックは結合、分割、又は異なるブロックに結合及び分割される。
【0070】
着氷状態検出システム設計604を航空機設計610とは別の設計として示したが、着氷状態検出システム設計604は航空機設計610の一部である。他の実施例では、着氷状態検出システム設計604に基づいて航空機設計610に調整が行われる。
【0071】
例えば、電磁放射線627を任意の数のコヒーレント光628の光線の形態で示したが、電磁放射線627は他の形態であってよい。例えば、滴638を通り抜ける電磁放射線627に対する反応が検出され、この反応を使用して滴638のサイズが特定される電磁放射線627は任意の形態のものであってよい。
【0072】
図1〜5に示す種々の構成要素を、
図6の構成要素と組み合わせるか、
図6の構成要素とともに使用するか、又はそれら2つの場合を組み合わせることができる。加えて、
図1〜5の構成要素の一部は、
図6のブロック図に示された構成要素をどのようにして物理的構造として実行できるかの実施例である。
【0073】
次に
図7を参照する。
図7は、一実施形態による航空機の着氷状態を検出するプロセスのフロー図である。
図7に示すプロセスを、例えば
図1の着氷状態検出システム122及び
図6の着氷状態検出システム606等の着氷状態検出システムにおいて、実行することができる。
【0074】
このプロセスは、航空機の表面上の任意の数のセンサから電磁放射線を放射することによって開始する(作業700)。このプロセスは、航空機の表面上の任意の数のセンサから放射された電磁放射線に対する反応から任意の数のセンサによって生成されたデータについて、航空機の表面上の任意の数のセンサを検出する(作業702)。
【0075】
任意の数のセンサからのデータを使用して、任意の数の種類の着氷状態が存在するか否かが判断される(作業704)。これらの実施例では、センサシステムからのデータによって一又は複数の種類の着氷状態が検出される。これらの種類の着氷状態は、過冷却された大粒の滴の着氷状態を含む。
【0076】
任意の数の種類の着氷状態がない場合には、プロセスは上述のように作業700に戻る。そうでなければ、プロセスは任意の数の種類の着氷状態の検出に応答して動作を開始し(作業706)、上述のように作業700に戻る。
【0077】
図示した異なる実施形態でのフロー図及びブロック図は、装置及び方法の幾つかの可能な実行形態の構造、機能、及び作業を示している。その際、フロー図又はブロック図の各ブロックは、作業又はステップのモジュール、セグメント、機能及び/又は部分を表わしている。例えば、一又は複数のブロックは、ハードウェア内のプログラムコードとして、又はプログラムコードとハードウェアの組合せとして実施可能である。ハードウェアにおいて実施されるとき、ハードウェアは、例えば、フロー図又はブロック図の一又は複数のプロセスを実施するように製造又は構成された集積回路の形態をとることができる。
【0078】
一実施形態の幾つかの代替的な実行形態では、ブロックに記載された1つ又は複数の機能は、図中に記載の順序を逸脱して現れることがある。例えば、場合によっては、連続して示されている二つのブロックがほぼ同時に実行されること、又は時には含まれる機能によってはブロックが逆順に実施されることもありうる。また、フロー図又はブロック図に描かれているブロックに加えて他のブロックが追加されることもありうる。
【0079】
次に
図8を注目する。
図8は、一実施形態によるデータ処理システムを示す図である。データ処理システム800は、
図2の飛行管理システム208、
図6のコンピュータシステム608、及び異なる実施形態において使用される他のコンピュータを実行するために使用される。この実施例では、データ処理システム800は通信フレームワーク802を含み、これによりプロセッサユニット804、メモリ806、固定記憶域808、通信ユニット810、入出力(I/O)ユニット812、及びディスプレイ814の間の通信が行われる。この実施例において通信フレームワーク802はバスシステムの形態である。
【0080】
プロセッサ装置804は、メモリ806に読み込まれうるソフトウェアに対する命令を実行するように働く。プロセッサユニット804は、特定の実行形態に応じて、任意の数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は他の形式のプロセッサであってもよい。プロセッサユニット804は
図2のプロセッサユニット200を実行するために使用されるプロセッサユニットの一例である。
【0081】
メモリ806及び固定記憶域808は、記憶装置816の例である。記憶装置は、例えば、限定しないが、データ、機能的な形態のプログラムコード、及び/又は他の好適な情報などの情報を、一時的に及び/又は永続的に保存することができる任意のハードウェア部分である。記憶装置816は、これらの実施例ではコンピュータで読取可能な記憶デバイスと呼ばれることもある。これらの実施例では、メモリ806は例えば、ランダムアクセスメモリ又は他の何らかの適切な揮発性又は不揮発性の記憶装置であってもよい。固定記憶域808は具体的な実装に応じて様々な形態をとりうる。
【0082】
例えば、固定記憶域808は、一又は複数の構成要素又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶域808は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換え型光ディスク、書換え可能磁気テープ、又はそれらの何らかの組み合わせである。固定記憶域808によって使用される媒体は着脱式であってもよい。例えば、着脱式ハードドライブは固定記憶域808に使用することができる。
【0083】
通信ユニット810はこれらの例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの実施例では、通信ユニット810はネットワークインターフェースカードである。
【0084】
入出力ユニット812により、データ処理システム800に接続可能な他のデバイスによるデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入出力ユニット812は、キーボード、マウス、及び/又は他のなんらかの好適な入力デバイスを介してユーザ入力への接続を提供することができる。さらに、入出力ユニット812は出力をプリンタに送ることができる。ディスプレイ814はユーザに情報を表示する機構を提供する。
【0085】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムに対する命令は、通信フレームワーク802を介してプロセッサユニット804と通信する記憶装置816内に位置付けされる。種々の実施形態のプロセスは、メモリ(例えば、メモリ806)に位置付けされる、コンピュータで実行される命令を使用して、プロセッサユニット804によって実行される。
【0086】
これらの命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読取可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサユニット804内のプロセッサによって読取及び実行することができる。異なる実施形態のプログラムコードは、メモリ806又は固定記憶域808など、異なる物理的な又はコンピュータで読取可能な記憶媒体上に具現化される。
【0087】
プログラムコード818は、選択的に着脱可能でコンピュータで読取可能な媒体820上に機能的な形態で配置され、プロセッサユニット804での実行用のデータ処理システム800に読込み又は転送することができる。これらの実施例では、プログラムコード818及びコンピュータで読取可能な媒体820により、コンピュータプログラム製品822が形成される。1つの実施例では、コンピュータで読取可能な媒体820は、コンピュータで読取可能な記憶媒体824又はコンピュータで読取可能な信号媒体826であってもよい。これらの実施例では、コンピュータで読取可能な記憶媒体824は、プログラムコード818を伝播又は伝送する媒体よりはむしろプログラムコード818を保存するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。
【0088】
代替的に、プログラムコード818はコンピュータで読取可能な信号媒体826を用いてデータ処理システム800に転送可能である。コンピュータで読み取り可能な信号媒体826は、例えば、プログラムコード818を含む伝播データ信号である。例えば、コンピュータで読取可能な信号媒体826は、電磁信号、光信号、及び/又は他の任意の好適な形式の信号である。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線、及び/又は他の任意の好適な形式の通信リンクなどの通信リンクによって伝送される。
【0089】
データ処理システム800に例示されている種々の構成要素は、アーキテクチャ的に制限するものではなく、種々の実施形態が実行可能である。異なる例示的実施形態は、データ処理システム800に対して図解されている構成要素に対して追加的又は代替的な構成要素を含むデータ処理システム内で実行される。
図8に示す他の構成要素は、実施例とは異なることがある。異なる実施形態は、プログラムコード818を実行できる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実行することができる。
【0090】
本発明の実施形態は、
図9に示す航空機の製造及び保守方法900、及び
図10に示す航空機1000の観点から説明することができる。まず
図9に注目すると、一実施形態による航空機の製造及び保守の方法が示されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法900は、
図10の航空機1000の仕様及び設計902、並びに材料の調達904を含む。
【0091】
製造段階では、構成要素及びサブアセンブリの製造906と、航空機1000のシステムインテグレーション908とが行われる。その後、航空機1000を運航912に供するために、認可及び納品910が行われる。顧客により運航912される間に、航空機1000は、定期的な整備及び保守914(改造、再構成、改修、及びその他の整備又は保守を含みうる)を受ける。
【0092】
航空機の製造及び保守方法900の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレータによって実施又は実行されることがある。これらの実施例では、オペレータは顧客であってもよい。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機メーカー、及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
【0093】
次に
図10を参照すると、実施形態を実行可能な航空機が示されている。この実施例では、航空機1000は、
図9の航空機の製造及び保守方法900によって製造されたものであり、複数のシステム1004及び内装1006を有する機体1002を含む。システム1004の例は、推進システム1008、電気システム1010、油圧システム1012、環境システム1014、及び着氷状態検出システム1016のうちの一又は複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の例を示したが、自動車産業などの他の産業に異なる実施形態を適用することができる。
【0094】
本明細書で具現化した装置及び方法は、
図9の航空機の製造及び保守方法900のうちの少なくとも一つの段階で使用可能である。
一つの例示的な実施例では、
図9の構成要素及びサブアセンブリの製造1306で製造される構成要素又はサブアセンブリは、
図9で航空機1000の運航中912に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の方法で作製又は製造しうる。
【0095】
さらに別の実施例では、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせが、航空機の製造及び保守方法900の異なる段階で利用される。例えば、着氷状態検出システム1016は仕様及び設計902において設計される。着氷状態検出システム1016の構成要素は、構成要素及びサブアセンブリの製造906において製造される。着氷状態検出システム1016は、システムインテグレーション908において航空機1000に取り付けられる。着氷状態検出システム1016は、航空機1000が運航912中に使用される。
【0096】
別の実施例では、着氷状態検出システム1016は、航空機1000の既存の氷検出システムである。実施形態による特徴を含ませるために、アップグレード、修正、及びその他の作業を実施して、航空機1000の着氷状態検出システム1016を改修することができる。
【0097】
図面及び本文においては、一態様で、着氷状態検出システム606が開示されており、このシステムは、
航空機612の任意の数の位置632に位置づけされた任意の数のセンサ626であって、任意の数のセンサ626のうちの一つのセンサが、航空機612周囲の環境において水滴638に電磁放射線627を放射し、水滴638に放射された電磁放射線627に対する反応を検出し、この反応からデータを生成するように構成されている任意の数のセンサ626と、
任意の数のセンサ626からのデータについて監視し、任意の数のセンサ626からのデータを使用して、航空機612の任意の数の種類の着氷状態の存在を検出するように構成された着氷状態検出器
を含む。
【0098】
一変形例では、着氷状態検出システム606において、任意の数の種類の着氷状態は第1の種類の着氷状態と第2の種類の着氷状態を含む。別の変形例では、着氷状態検出システムにおいて、着氷状態検出器はさらに、第1の種類の着氷状態と第2の種類の着氷状態のうちの少なくとも一つの存在を示すデータに応答して動作を行うように構成されている。さらに別の変形例では、着氷状態検出システム606において、動作は、警報を発すること、ログエントリを作成すること、防氷システム204を駆動させること、及び報告を送ることのうちの少なくとも一つから選択される。さらに別の変形例では、着氷状態検出システム606において、任意の数のセンサ626のうちのあるセンサは航空機612の表面634と実質的に面一であり、航空機612の表面634の曲線404に実質的に一致する形状を有する。
【0099】
ある実施例では、着氷状態検出システム606において、第1の種類の着氷状態は約0.00465〜0.111mmの第1数のサイズの直径を有する第1の滴によって発生し、第2の種類の着氷状態は約0.112〜2.2mmの第2数のサイズの直径を有する第2の滴によって発生する。ある実施例では、着氷状態検出システムにおいて、第2の種類の着氷状態は、過冷却された大粒の滴の種類の着氷状態である。別の実施例では、着氷状態検出システム606において、任意の数の位置632は、胴体、エーロフォイル、翼、水平安定板、垂直安定板、及びエンジン筐体のうちの一つから選択される。任意の数のセンサ626は、任意の数のレーザーセンサ630であってよい。
【0100】
さらに別の実施例では、着氷状態検出システム606において、電磁放射線627は航空機612が飛行している雲の中の水滴638を通り抜けるコヒーレント光によって発生したコヒーレント光である。さらに別の実施例では、着氷状態検出システム606において、着氷状態検出器はデータを使用して水滴638の任意の数のサイズを特定し、任意の数のサイズを使用して任意の数の種類の着氷状態を特定する。さらにまた別の実施例では、着氷状態検出システム606において、航空機612は民間航空機、軍用機、飛行機、及びヘリコプターのうちの一つから選択される。
【0101】
一態様では、着氷状態を検出する方法が開示されており、この方法は、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626を監視すること、及び任意の数のセンサ626からのデータを使用して任意の数の種類の着氷状態が存在するか否かを判断することを含む。
【0102】
一変形例では、本方法はさらに、データから任意の数の種類の着氷状態の検出に応答して動作を開始することを含む。別の変形例では、本方法において、データから任意の数の種類の着氷状態の検出に応答して動作を開始することは、データから任意の数の種類の着氷状態の検出に応答して、警報を発すること、ログエントリを作成すること、防氷システム204を駆動させること、及び報告を送ることのうちの少なくとも一つから選択される動作を開始することを含む。
【0103】
さらに別の変形例では、本方法において、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626を監視することは、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、着氷状態検出器によって、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626を監視することを含み、任意の数のセンサからのデータを使用して任意の数の種類の着氷状態が存在するか否かを判断することは、着氷状態検出器によって、任意の数のセンサ626からのデータを使用して任意の数の種類の着氷状態が存在するか否かを判断することを含む。
【0104】
また別の変形例では、本方法において、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626を監視することは、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成された、第1の種類の着氷状態を示す第1データと、第2の種類の着氷状態を示す第2データについて、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626を監視することを含み、任意の数のセンサ626からのデータを使用して任意の数の種類の着氷状態が存在するか否かを判断することは、第1データからの第1の種類の着氷状態、及び第2のデータからの第2の種類の着氷状態のうちの少なくとも一つが存在するか否かを判断することを含む。
【0105】
ある実施例では、本方法において、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626を監視することは、航空機612の表面634上の任意の数のレーザーセンサ630から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、航空機612の表面上の任意の数のレーザーセンサ630を監視することを含む。別の実施例では、本方法において、航空機612の表面634の任意の数のセンサから水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、航空機612の表面634上の任意の数のセンサ626を監視することは、航空機612の表面634上の任意の数の位置632の任意の数のセンサ626から水滴638に放射された電磁放射線627への反応から生成されたデータについて、航空機612の表面634上の任意の数の位置632の任意の数のセンサ626を監視することを含み、任意の数の位置632は、胴体、エーロフォイル、翼、水平安定板、垂直安定板、及びエンジン筐体のうちの一つから選択される。
【0106】
また別の実施例では、本方法において、任意の数のセンサ626からのデータを使用して、任意の数の種類の着氷状態が存在するか否かを判断することは、任意の数のセンサ626からのデータを使用して任意の数の種類の着氷状態に過冷却された大粒の滴の種類の着氷状態が存在するか否かを判断することを含む。
【0107】
したがって、一又は複数の実施形態により、異なる種類の着氷状態を特定する方法及び装置が提供される。具体的には、実施形態により、第1の種類の着氷状態と、第2の種類の着氷状態等の複数の種類の着氷状態を特定する能力が提供される。第1の種類の着氷状態は、第2の種類の着氷状態が過冷却された大粒の滴の着氷状態である時に通常遭遇するものである。これらの実施例では、一よりも多い種類の着氷状態を特定する能力により、航空機は、例えば連邦航空局(FAA)等の政府又は他の管理団体から提示される様々な規則下で異なる種類の着氷状態において飛行する認可を得ることができる。
【0108】
上述した種々の実施形態の説明は、例示及び説明を目的とするものであり、完全な説明であること、又はこれらの実施形態を開示された形態に限定することを意図していない。当業者には、多くの修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の実施形態は、他の実施形態に照らして別の利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。