(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図8および
図9は、従来の蓄熱式太陽熱発電プラントの一例を示す概略系統図であって、
図8は蓄熱式太陽熱発電プラントの蓄熱運転モードの状態を、
図9はその発電プラントの放熱運転モードの状態を、それぞれ示している概略系統図である。
【0003】
なお、図中の実線で示されている系統ラインは運転中使用されている系統ライン、点線で示されている系統ラインは運転中クローズされて使用していない系統ライン、をそれぞれ示している。これは他の図においても同様のことである。
(蓄熱運転モード)
蓄熱式太陽熱発電プラントの蓄熱運転モード時には
図8に示すように、給水ポンプ1から供給された水は給水ライン2を通り、給水弁3により流量が調整され、集熱装置4へ送られる。集熱装置4は図示していないが、内部に伝熱管が配置され、その伝熱管の中を水が通り、太陽光を集めて、その熱エネルギーによって水を加熱して過熱蒸気を生成する構成になっている。
【0004】
集熱装置4で生成した過熱蒸気の一部は主蒸気ライン5を通り、主蒸気弁6により流量が調整され、蒸気タービン7に送られて、蒸気タービン7により発電機8を回転駆動することで発電を行う。蒸気タービン7を通過した蒸気は復水器9で水に戻されて、給水加熱器10に送られる。
【0005】
蒸気タービン7の抽気側と給水加熱器10の間には抽気ライン12が設けられており、蒸気タービン7からの抽気蒸気は流量調整弁11により流量が調整されて、給水加熱器10に送られる。給水加熱器10に送られた水は、抽気ライン12からの抽気蒸気により加熱された後、再び給水ポンプ1で集熱装置4に供給される。
【0006】
集熱装置4で生成した蒸気のうち、主蒸気ライン5から蒸気タービン7に送られる蒸気以外は蓄熱蒸気ライン13を通り、流量調整弁14により流量が調整されて、蓄熱装置15に送られる。蓄熱装置15では蓄熱媒体との熱交換により、蒸気が有する顕熱および潜熱が蓄熱媒体側に移り蒸気は凝縮水となって、蓄熱戻りライン16を通り、流量調整弁17により流量が調整されて、給水ポンプ1の入口側に戻される。
(放熱運転モード)
蓄熱式太陽熱発電プラントの放熱運転モード時には
図9に示すように、給水ポンプ1から供給された水は蓄熱給水ライン18を通り、流量調整弁19により流量が調整されて、蓄熱装置15に送られる。蓄熱装置15では蓄熱媒体からの熱により過熱蒸気を生成し、蒸気タービン7に送られ、蒸気タービン7により発電機8を回転駆動することで発電を行うシステムになっている。
【0007】
この種の先行技術文献として、例えばWO2013/034139A1(特許文献1)ならびにWO2014/014027A1(特許文献2)などを挙げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図10は、
図8および
図9に示されている蓄熱式太陽熱発電プラントにおいて、蓄熱運転モードから放熱運転モードに切り替えた場合の、蒸気タービン7へ供給するのに必要な蒸気量を1としたときに、蓄熱装置15の出口から取り出せる蒸気量の比の推移を概念的に表した特性図である。
【0010】
この蓄熱式太陽熱発電プラントでは、蓄熱装置15に使用する蓄熱媒体の熱容量が大きいため、蓄熱運転モードから放熱運転モードに切り替えても、
図10に示すように、蓄熱装置15の出口の蒸気量が瞬時には増加しない。そのため定格蒸気量1.0に到達するまでに数時間程度(例えば2時間程度)の時間遅れを伴い、この間の発電量が少ないといった課題がある。
【0011】
図11および
図12は、WO2014/014027A1(特許文献2)に記載されている蓄熱式発電プラントの一例を示す概略系統図であって、
図11は蓄熱式発電プラントの蓄熱運転モードの状態を、
図12はその発電プラントの放熱運転モードの状態を、それぞれ示している概略系統図である。
【0012】
図11および
図12において、符号51は給水ポンプ、52は給水加熱器、53は給水弁、54は貯留タンク、55は主循環ポンプ、56は低温集熱装置、57は汽水分離器、58は高温集熱装置、59は主蒸気弁、60は蒸気タービン、61は発電機、62は復水器、63は低温蓄熱装置、64は高温蓄熱装置、65は媒体循環ポンプ、66は副汽水分離器、67は副循環ポンプ、68は昇圧ポンプである。
(蓄熱運転モード)
この蓄熱式発電プラントの蓄熱運転モード時は
図11に示すように、水は給水ポンプ51により給水加熱器52に送られ、給水加熱器52において蒸気タービン60からの抽気蒸気により予熱された後、貯留タンク54に貯留される。
【0013】
貯留タンク54内の水は主循環ポンプ55により低温集熱装置56に送られて、太陽光の熱エネルギーにより加熱されて水−蒸気2相流体となり、生成した水−蒸気2相流体は汽水分離器57に送られ、飽和蒸気と飽和水に分離される。
【0014】
飽和蒸気は流量調整弁69により流量が調整されて、高温集熱装置58に送られ、太陽光の熱エネルギーにより加熱されて過熱蒸気となる。高温集熱装置58で生成された過熱蒸気は主蒸気弁59を通って、蒸気タービン60に供給される。蒸気タービン60には発電機61が接続されており、蒸気タービン60により発電機61を回転駆動することで発電が行なわれる。
【0015】
蒸気タービン60から排出された排気蒸気は復水器62により水に戻して、給水加熱器52へ送られる。蒸気タービン60の抽気側から抽気された抽気蒸気は給水加熱器52へ送られて供給された水を加熱し、水は給水ポンプ51により貯留タンク54に送給される。
【0016】
主蒸気弁59を通った過熱蒸気の一部は分岐点Bで分岐され、切替弁70を通って高温蓄熱装置64に供給される。この高温蓄熱装置64において供給された過熱蒸気と第2蓄熱媒体との間で熱交換が行われ、第2蓄熱媒体に熱が蓄えられる。
【0017】
高温蓄熱装置64中の第2蓄熱媒体が固まらないように、媒体循環ポンプ65と流量調整弁71の作動を制御して、高温蓄熱装置64の出口の蒸気乾き度が0よりも大きくなるようにしている。
【0018】
高温蓄熱装置64を出た蒸気は低温蓄熱装置63に導入され、低温蓄熱装置63の内部に収容されている第1蓄熱媒体と熱交換されることで凝縮水となる。凝縮水は昇圧ポンプ68で昇圧された後、給水ラインに戻されて再び給水として利用される。
(放熱運転モード)
この蓄熱式発電プラントの放熱運転モード時は
図12に示すように、水は給水ポンプ51により給水加熱器52に送られ、給水加熱器52において蒸気タービン60からの抽気蒸気により予熱された後、分岐点Aから低温蓄熱装置63に導入される。
【0019】
低温蓄熱装置63に送られた水は、低温蓄熱装置63に収容されている第1蓄熱媒体と熱交換されて水−蒸気2相流体となり、生成した水−蒸気2相流体は副汽水分離器66に送られ、飽和蒸気と飽和水に分離される。飽和水は、副循環ポンプ67で給水ラインに戻されて再び給水として利用される。
【0020】
一方、飽和蒸気は、高温蓄熱装置64に供給される。高温蓄熱装置64に供給された飽和蒸気は、高温蓄熱装置64に収容されている第2蓄熱媒体と熱交換されて過熱蒸気となり、過熱蒸気は蒸気タービン60に供給される。そして蒸気タービン60により発電機61を回転駆動することで、発電が行なわれるシステムになっている。
【0021】
この蓄熱式発電プラントも
図8および
図9に示した蓄熱式太陽熱発電プラントと同様に、高温蓄熱装置64に使用する第2蓄熱媒体の熱容量が大きいため、蓄熱運転モードから放熱運転モードに切り替えても、高温蓄熱装置64の出口の蒸気量が瞬時には増加しない。そのため定格蒸気量に到達するまでに数時間程度の時間遅れを伴い、この間の発電量が少ないといった課題は残っている。
【0022】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、蓄熱運転モードから放熱運転モードに切り替えた直後から必要量の過熱蒸気量を生成することが可能であり、そのために発電量の増加が図れる蓄熱式発電プラントおよびその運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記目的を達成するために、第1の本発明は、
水を供給する給水ポンプと、
前記水を加熱して水−蒸気2相流体を生成する蒸発器と、
前記給水ポンプと前記蒸発器を接続する給水ラインと、
前記蒸発器で生成した前記水−蒸気2相流体を飽和蒸気と飽和水に分離する汽水分離器と、
前記汽水分離器で分離した前記飽和蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する過熱器と、
前記過熱器で生成した前記過熱蒸気により回転駆動される蒸気タービンと、
前記過熱器と前記蒸気タービンを接続する主蒸気ラインと、
前記蒸気タービンに接続された発電機と、
前記汽水分離器で分離した前記飽和水を貯留する貯留タンクと、
蓄熱媒体を有する蓄熱装置と、
前記主蒸気ラインと前記蓄熱装置を接続する蓄熱蒸気ラインと、
前記給水ポンプの出口側の前記給水ラインと前記蓄熱装置を接続する蓄熱給水ラインと、
前記貯留タンクの水を前記給水ラインに戻す循環水ラインと、
前記蓄熱装置を通過した後の流体を前記給水ポンプの入口側の前記給水ラインに戻す蓄熱戻りラインを備えた蓄熱式発電プラントを対象とするものである。
【0024】
そして本発明の第1の手段は、
前記貯留タンクの内圧を下げることにより前記貯留タンク内の飽和水から飽和蒸気を生成する減圧手段と、
前記貯留タンク内の減圧により生成した前記飽和蒸気を前記蓄熱装置に導入するバイパスラインを設けたことを特徴とするものである。
【0025】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記蓄熱装置が高温蓄熱装置と低温蓄熱装置の少なくとも2つの蓄熱装置に分割されており、
前記バイパスラインが前記高温蓄熱装置の入口側に接続されていることを特徴とするものである。
【0026】
本発明の第3の手段は前記第1または第2の手段において、
前記バイパスラインによって、前記飽和蒸気と前記貯留タンク内の飽和水をともに前記蓄熱装置に導入されることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、
前記バイパスラインが前記蓄熱戻りラインに接続されて、前記飽和蒸気と前記飽和水がともに前記バイパスラインならびに前記蓄熱戻りラインを通して前記蓄熱装置に導入されることを特徴とするものである。
【0028】
本発明の第5の手段は前記第3の手段において、
前記給水ポンプの出口側から前記蓄熱装置に向けて蓄熱給水ラインを設け、
前記バイパスラインが前記蓄熱給水ラインに接続されて、前記飽和蒸気と前記飽和水がともに前記バイパスラインならびに前記蓄熱給水ラインを通して前記蓄熱装置に導入されることを特徴とするものである。
【0029】
本発明の第6の手段は前記第3の手段において、
前記給水ポンプの出口側から前記蓄熱戻りラインに向けて蓄熱給水ラインを設けて、
前記飽和蒸気と前記飽和水がともに前記バイパスラインと前記蓄熱給水ラインと前記蓄熱戻りラインを通して前記蓄熱装置に導入されることを特徴とするものである。
【0030】
本発明の第7の手段は前記第1ないし第6の手段において、
前記蒸発器と前記過熱器の熱源が太陽光であることを特徴とするものである。
【0031】
本発明の第8の手段は前記第7の手段において、
前記蒸発器がトラフ式の太陽熱集熱器またはフレネル式の太陽熱集熱器であって、前記過熱器がタワー式の太陽熱集熱器であることを特徴とするものである。
【0032】
本発明の第9の手段は前記第1ないし第6の手段において、
前記蒸発器と前記過熱器の熱源が燃料の燃焼熱であることを特徴とするものである。
【0033】
前記目的を達成するために、第2の本発明は、
給水ポンプを有する給水ラインで水を蒸発器に供給して水−蒸気2相流体を生成し、
前記水−蒸気2相流体を飽和蒸気と飽和水に分離して、
前記飽和蒸気を過熱器で加熱して過熱蒸気を生成し、
主蒸気ラインを通して前記過熱蒸気を蒸気タービンに供給して、前記蒸気タービンならびにその蒸気タービンに接続されている発電機を回転して発電し、
前記飽和水を貯留タンクに貯留して前記給水ラインに戻し、
前記主蒸気ラインを通過する過熱蒸気の一部を蓄熱媒体を有する蓄熱装置に供給して、前記蓄熱媒体との間で熱交換を行い、
前記蓄熱装置を通過した後の流体を前記給水ポンプの入口側の前記給水ラインに戻す蓄熱式発電プラントの運転方法を対象とするものである。
【0034】
そして本発明の第10の手段は、
前記貯留タンクの内圧を下げることにより前記貯留タンク内の飽和水から飽和蒸気を生成し、
前記貯留タンクの減圧により生成した前記飽和蒸気を前記蓄熱装置に導入して加熱し過熱蒸気を生成して、その過熱蒸気により前記蒸気タービンを駆動することによって発電する放熱運転モードを有することを特徴とするものである。
【0035】
また本発明の第11の手段は、
前記主蒸気ラインを流通する前記過熱蒸気の一部を前記蓄熱装置に供給して、前記蓄熱装置の前記蓄熱媒体と熱交換し、前記蓄熱装置を通過した流体を前記給水ポンプの入口側の前記給水ラインに戻す蓄熱運転モードと、
前記蒸発器に供給された水は前記蒸発器では加熱されずに通過して前記貯留タンクに貯留して、その貯留タンクの内圧を下げることにより前記貯留タンク内の飽和水から飽和蒸気を生成し、その飽和蒸気を前記蓄熱装置に導入して加熱し過熱蒸気を生成して、その過熱蒸気を蒸気タービンに供給して、前記蒸気タービンならびにその蒸気タービンに接続されている発電機を回転して発電する短時間放
熱運転モードと、
前記給水ラインから供給された水を直接前記蓄熱装置に供給して、前記蓄熱装置の前記蓄熱媒体と熱交換して過熱蒸気を生成して、前記過熱蒸気を蒸気タービンに供給して、その蒸気タービンならびに前記蒸気タービンに接続されている発電機を回転して発電する長時間放
熱運転モードを備えていることを特徴とするものである。
【0036】
本発明の第12の手段は前記第10または第11の手段において、
前記蓄熱装置が高温蓄熱装置と低温蓄熱装置の少なくとも2つの蓄熱装置に分割されており、
前記貯留タンク内の減圧により生成した前記飽和蒸気を前記高温蓄熱装置に導入することを特徴とするものである。
【0037】
本発明の第13の手段は前記第11の手段において、
前記主蒸気ラインと前記蓄熱装置を接続する蓄熱蒸気ラインに流量調整弁を設け、
前記蓄熱運転モード時、前記蓄熱装置に供給する過熱蒸気の流量を調整することにより、前記蒸気タービンに供給する過熱蒸気の流量を調整して、前記発電機の出力を調整することを特徴とするものである。
【0038】
本発明の第14の手段は前記第10または第11の手段において、
前記蒸発器と前記過熱器の熱源が太陽光であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明は前述したような構成になっており、蓄熱運転モードから放熱運転モードに切り替えた直後から必要量の過熱蒸気量を生成することが可能であり、そのために発電量の増加が図れる蓄熱式発電プラントおよびその運転方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
(第1実施形態)
図1〜3は本発明の第1実施形態に係る蓄熱式発電プラントの概略系統図であり、
図1はその蓄熱式発電プラントの運転モードI(蓄熱運転モード)の運転状態、
図2は運転モードII(短時間放熱運転モード)の運転状態、
図3は運転モードIII(夜間運転を含む長時間放熱運転モード)の運転状態、をそれぞれ示す概略系統図である。
【0042】
まず、この第1実施形態に係る蓄熱式発電プラントの概略構成について
図1を用いて説明する。
【0043】
図1に示すように、水を供給する給水ポンプ1と、供給された水から水−蒸気2相流体を生成する蒸発器20の間は給水ライン2で接続されており、給水ライン2上には給水流量を調整する給水弁3が設置されている。
【0044】
蒸発器20で生成した水−蒸気2相流体は、汽水分離器21に送られて飽和蒸気と飽和水に分離される。汽水分離器21で分離された飽和蒸気は飽和蒸気ライン22を通り、過熱蒸気を生成する過熱器23に送られる。
【0045】
一方、汽水分離器21で分離された飽和水は貯留タンク24に送られて貯留され、貯留タンク24内の水を給水ライン2に戻すための循環水ライン25が貯留タンク24と給水ライン2の間に設けられている。循環水ライン25上には、循環ポンプ26と流量調整弁27が設置されている。
【0046】
過熱器23で生成した過熱蒸気は主蒸気ライン5を通って蒸気タービン7に供給され、主蒸気ライン5上には過熱蒸気流量を調整する主蒸気弁6が設置されている。蒸気タービン7には発電機8が接続されており、蒸気タービン7により発電機8を回転駆動することで発電が行なわれる。
【0047】
蒸気タービン7から排出された排気蒸気は復水器9により水に戻して、給水加熱器10へ送られる。蒸気タービン7の抽気側から給水加熱器10へ向けて抽気ライン12が延びており、抽気ライン12上には抽気蒸気流量を調整するための流量調整弁11が設置されている。
【0048】
主蒸気ライン5上の主蒸気弁6出口側と蓄熱媒体を用いた蓄熱装置15の間は蓄熱蒸気ライン13で接続されており、蓄熱蒸気ライン13上には過熱蒸気流量を調整するための流量調整弁14が設置されている。
【0049】
蓄熱装置15の出口側から給水ポンプ1の入口側に向けて蓄熱戻りライン16が延びており、蓄熱戻りライン16上には流量調整弁17が設置され、蓄熱装置15を通過したした後の流体を給水ライン2に戻すようになっている。
【0050】
また、給水ポンプ1の出口側の給水ライン2から蓄熱戻りライン16に向けて蓄熱給水ライン18が延びており、蓄熱給水ライン18上には給水流量を調整するための流量調整弁19が設置されて、給水ライン2からの水を蓄熱給水ライン18を通して、蓄熱装置15へ供給できるようになっている。
【0051】
さらに、貯留タンク24と蓄熱給水ライン18の間にバイパスライン28が設けられており、バイパスライン28上には減圧弁29が設置されて、貯留タンク24の内圧が減圧できるようになっている。
【0052】
蒸発器20ならびに過熱器23としては、例えば化石燃料の燃焼熱を利用した熱交換器、あるいは太陽熱を利用した熱交換器などが用いられる。
【0053】
太陽熱を利用した熱交換器を用いる場合、例えば蒸発器20は、樋状に延びた集光ミラーの内周曲面の上方に伝熱管を配置し、太陽光を集光ミラーで伝熱管に集光することにより、伝熱管内を流通する水を加熱して水−蒸気2相流体を生成するトラフ式の熱交換器(太陽熱集熱器)、または略平面状の集光ミラーを多数並べて、その集光ミラー群の上方に伝熱管を配置し、太陽光を集光ミラー群で伝熱管に集光することにより、伝熱管内を流通する水を加熱して水−蒸気2相流体を生成するフレネル式の熱交換器(太陽熱集熱器)を用いるとよい。これらトラフ式の熱交換器またはフレネル式の熱交換器は、地上に設置される。
【0054】
一方、過熱器23は、所定の高さを有するタワーの上に伝熱管パネルを設置して、多数の集光ミラーを地上に設置して、太陽光を集光ミラー群でタワー上の伝熱管パネルに集光することにより、伝熱管内を流通する蒸気を加熱して過熱蒸気を生成するタワー式の熱交換器(太陽熱集熱器)を用いるとよい。
【0055】
蓄熱装置15に用いられる蓄熱媒体としては、例えば硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどの硝酸塩系の溶融塩が用いられる。
(蓄熱運転モード)
このように構成された蓄熱式発電プラントの運転モードI(蓄熱運転モード)では
図1に示すように、水は給水ポンプ1により供給され、給水ライン2を通って、蒸発器20に送られる。蒸発器20に供給された水は化石燃料の燃焼もしくは太陽光の集光などにより加熱することで、水−蒸気2相流体を生成する。
【0056】
蒸発器20で生成した水−蒸気2相流体は汽水分離器21に送られ、汽水分離器21において飽和蒸気と飽和水に分離され、飽和蒸気は飽和蒸気ライン22を通って過熱器23に供給されて、さらに化石燃料の燃焼もしくは太陽光の集光などにより加熱されて過熱蒸気を生成する。
【0057】
一方、汽水分離器21で分離された飽和水は貯留タンク24に入り、循環水ライン25に設置された循環ポンプ26により給水ライン2に戻される。この運転モードI(蓄熱運転モード)では、減圧弁29は閉止の状態になっており、従ってバイパスライン28はクローズされて使用していない(点線で表示されている)。
【0058】
過熱器23で生成した過熱蒸気は、主蒸気ライン5を通って蒸気タービン7に供給され、蒸気タービン7に接続されている発電機8を回転駆動することで発電を行う。
【0059】
蒸気タービン7からの排気蒸気は復水器9で水に戻され、給水加熱器10で加熱され、再び給水ポンプ1により供給される。
【0060】
主蒸気ライン5を流通する過熱蒸気の一部は、蓄熱蒸気ライン13の流量調整弁14を通って蓄熱装置15に供給される。過熱蒸気は蓄熱装置15において、蓄熱媒体と熱交換し、高温の過熱蒸気がもつ熱エネルギーの一部が蓄熱体に移動することにより蓄熱される。
【0061】
なお、この流量調整弁14によって蓄熱装置15に供給される過熱蒸気の流量を調整することで、蒸気タービン7に供給する過熱蒸気の流量を調整して、発電機8の出力を所定の値に維持するようになっている。
【0062】
蓄熱装置15を通過した過熱蒸気は凝縮水となり、蓄熱戻りライン16を通って給水ライン2に設置されている給水ポンプ1の入口側に戻される。
(短時間放熱運転モード)
この蓄熱式発電プラントの運転モードII(短時間放熱運転モード)では、
図2に示すように、水は給水ポンプ1により供給され、給水ライン2を通って、蒸発器20に送られる。蒸発器20では給水は加熱されず、内部に残留した飽和水は汽水分離器21を通過し、貯留タンク24に貯留される。
【0063】
貯留タンク24は、給水ライン2に設置されている給水ポンプ1の出口と蓄熱戻りライン16とを接続する蓄熱給水ライン18にバイパスライン28で接続されている。
【0064】
このバイパスライン28上に設置された減圧弁29の開度を調整することにより、貯留タンク24の圧力を下げ、飽和水から飽和蒸気を生成するとともに、飽和蒸気の生成量を調整し、飽和蒸気と飽和水がともに蓄熱装置15に供給される。
【0065】
飽和蒸気は蓄熱装置15において、蓄熱媒体と熱交換することで過熱蒸気となり、蒸気タービン7に供給され、蒸気タービン7を回転駆動することで、蒸気タービン7に接続された発電機8で発電する。
(長時間放熱運転モード)
この蓄熱式発電プラントの運転モードIII(夜間運転を含む長時間放熱運転モード)では、
図3に示すように、給水ライン2の給水を蓄熱給水ライン18を介して蓄熱装置15に供給し、蓄熱媒体からの熱によって過熱蒸気となり、蒸気タービン7に供給され、蒸気タービン7を回転駆動することで、それに接続された発電機8で発電するシステムになっている。
【0066】
この運転モードIII(夜間運転を含む長時間放熱運転モード)でも、減圧弁29は閉止の状態になっており、従ってバイパスライン28はクローズされて使用していない。
【0067】
図4は、この実施形態に係る蓄熱式発電プラントにおいて、運転モードIから運転モードIIに切り替え、運転モードIIから運転モードIIIに切り替え、さらに運転モードIIIから運転モードIに切り替えた場合の蒸気タービン7へ供給するのに必要な蒸気量を1としたときに、蓄熱装置15の出口から取り出せる蒸気量の比の推移を概念的に表した特性図である。図中に従来例も点線で併記している。
【0068】
この
図4に示すように、本実施形態に係る蓄熱式発電プラントでは、運転モードIから運転モードIIへの切り替え直後から必要な過熱蒸気量の生成が可能であり、その後も必要な過熱蒸気量の確保ができている。
【0069】
次に、各運転モードの切り替え手順について説明する。
【0070】
運転モードIから運転モードIIへの切り替えは、主蒸気弁6を閉止、流量調整弁17を閉止、循環ポンプ26を停止、流量調整弁27を閉止、バイパスライン28に設置された減圧弁29を開放の順に行い、減圧弁29の開度により、蓄熱装置15に供給する飽和蒸気量を調整する。
【0071】
運転モードIIから運転モードIIIへの切り替えは、給水弁3を閉止、減圧弁29を閉止、流量調整弁19を開放の順に行い、流量調整弁19の開度により、蓄熱装置15に供給する水の流量を調整する。
【0072】
運転モードIIIから運転モードIへの切り替えは、給水弁3を開放、流量調整弁27を開放、循環ポンプ26を起動、流量調整弁19を閉止、主蒸気弁6を開放、流量調整弁17を開放の順で行う。
【0073】
また、運転モードIIから運転モードIへの切り替えは、前述した運転モードIから運転モードIIへの切り替えの逆の手順で行う。さらに、運転モードIIIから運転モードIIへの切り替えは、前述した運転モードIIから運転モードIIIへの切り替えの逆の手順で行う。
(第2実施形態)
図5〜7は本発明の第2実施形態に係る蓄熱式発電プラントの概略系統図であり、
図5はその蓄熱式発電プラントの運転モードI(蓄熱運転モード)の運転状態、
図6は運転モードII(短時間放熱運転モード)の運転状態、
図7は運転モードIII(夜間運転を含む長時間放熱運転モード)の運転状態、をそれぞれ示す概略系統図である。
【0074】
本実施形態において前記第1実施形態と相違する点は、次の2点である。
【0075】
その第1点は、第1実施形態では1つの蓄熱装置15を使用したが、本実施形態では例えば
図6に示すように、蓄熱装置を高温蓄熱装置30と低温蓄熱装置31の2つに分割した点である。
【0076】
その第2点は、例えば
図6に示すように、高温蓄熱装置30と低温蓄熱装置31の間が蓄熱戻りライン16の一部で接続されており、貯留タンク24から延びたバイパスライン28の先端部が、その高温蓄熱装置30と低温蓄熱装置31を連結する部分の蓄熱戻りライン16に接続されている点である。
【0077】
高温蓄熱装置30に用いる蓄熱媒体としては、例えば硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなどの硝酸塩系の溶融塩が用いられる。また、低温蓄熱装置31に用いる蓄熱媒体としては、例えば相変化蓄熱媒体である硝酸リチウムが用いられる。
(蓄熱運転モード)
この蓄熱式発電プラントの運転モードI(蓄熱運転モード)では、
図5に示すように、水は給水ポンプ1により供給され、給水ライン2を通って、蒸発器20に送られる。蒸発器20に供給された水は化石燃料の燃焼もしくは太陽光の集光により加熱することで、水−蒸気2相流体を生成する。
【0078】
蒸発器20で生成した水−蒸気2相流体は、汽水分離器21において飽和蒸気と飽和水に分離され、飽和蒸気は飽和蒸気ライン22を通って過熱器23に供給されて、さらに化石燃料の燃焼もしくは太陽光の集光により加熱されて過熱蒸気を生成する。
【0079】
一方、汽水分離器21で分離された飽和水は貯留タンク24に入り、循環水ライン25に設置された循環ポンプ26により給水ライン2に戻される。この運転モードI(蓄熱運転モード)では、減圧弁29は閉止の状態になっており、従ってバイパスライン28はクローズされて使用していない(点線で表示されている)。
【0080】
過熱器23で生成した過熱蒸気は、主蒸気ライン5を通って蒸気タービン7に供給され、蒸気タービン7に接続されている発電機8を回転駆動することで発電を行う。
【0081】
蒸気タービン7からの排気蒸気は復水器9で水に戻され、給水加熱器10で加熱され、再び給水ポンプ1により供給される。
【0082】
主蒸気ライン5を流通する過熱蒸気の一部は、蓄熱蒸気ライン13の流量調整弁14を通って 高温蓄熱装置30および低温蓄熱装置31を順次通過することにより、各蓄熱媒体と熱交換し、高温の過熱蒸気がもつ熱エネルギーの一部が蓄熱媒体に移動することにより蓄熱される。
【0083】
高温蓄熱装置30および低温蓄熱装置31を通過した蒸気は凝縮水となり、蓄熱戻りライン16を通って給水ライン2に設置されている給水ポンプ1の入口側に戻される。
(短時間放熱運転モード)
この蓄熱式発電プラントの運転モードII(短時間放熱運転モード)では、
図6に示すように、水は給水ポンプ1により供給され、給水ライン2を通って、蒸発器20に送られる。蒸発器20では給水は加熱されず、内部に残留した飽和水は汽水分離器21を通過し、貯留タンク24に貯留される。
【0084】
貯留タンク24は、給水ライン2に設置されている給水ポンプ1の出口と蓄熱戻りライン16とを接続する蓄熱給水ライン18にバイパスライン28で接続されている。
【0085】
バイパスライン28上に設置された減圧弁29を開放し、減圧弁29の開度を調整することにより貯留タンク24の圧力を下げて、飽和水から飽和蒸気を瞬時に生成するとともに、飽和蒸気の生成量を調整し、バイパスライン28を通して高温蓄熱装置30に供給される。
【0086】
飽和蒸気は高温蓄熱装置30において、蓄熱媒体と熱交換することで過熱蒸気となり、蒸気タービン7に供給され、蒸気タービン7を回転駆動することで、蒸気タービン7に接続された発電機8で発電する。
(長時間放熱運転モード)
この蓄熱式発電プラントの運転モードIII(夜間運転を含む長時間放熱運転モード)では、
図7に示すように、給水ライン2の給水を、蓄熱給水ライン18を介して低温蓄熱装置31および高温蓄熱装置30に供給し、蓄熱媒体からの熱によって過熱蒸気となり、蒸気タービン7に供給され、蒸気タービン7を回転駆動することで、それに接続された発電機8で発電するシステムとなっている。
【0087】
この運転モードIII(夜間運転を含む長時間放熱運転モード)でも、減圧弁29は閉止の状態になっており、従ってバイパスライン28はクローズされて使用していない。
【0088】
本実施形態に係る蓄熱式発電プラントにおいても
図4と同様に、運転モードIから運転モードIIへの切り替え直後から必要な過熱蒸気量の生成が可能である。
【0089】
次に、各運転モードの切り替え手順について説明する。
【0090】
運転モードIから運転モードIIへの切り替えは、主蒸気弁6を閉止、流量調整弁17を閉止、循環ポンプ26を停止、流量調整弁27を閉止、バイパスライン28に設置された減圧弁29を開放の順に行い、減圧弁29の開度により、高温蓄熱装置30に供給する飽和蒸気量を調整する。
【0091】
運転モードIIから運転モードIIIへの切り替えは、給水弁3を閉止、減圧弁29を閉止、流量調整弁19を開放の順に行い、流量調整弁19の開度により、低温蓄熱装置31および高温蓄熱装置30に供給する水の流量を調整する。
【0092】
運転モードIIIから運転モードIへの切り替えは、給水弁3を開放、流量調整弁27を開放、循環ポンプ26を起動、流量調整弁19を閉止、主蒸気弁6を開放、流量調整弁17を開放の順で行う。
【0093】
また、運転モードIIから運転モードIへの切り替えは、前述した運転モードIから運転モードIIへの切り替えの逆の手順で行う。さらに、運転モードIIIから運転モードIIへの切り替えは、前述した運転モードIIから運転モードIIIへの切り替えの逆の手順で行う。
【0094】
前記第1、第2実施形態では、蒸発器20および過熱器23の加熱源として、化石燃料の燃焼熱もしくは太陽熱を利用しているが、加熱源はこれらに限定されるものではなく、例えば地熱、バイオマス燃料あるいは原子力エネルギーなど他の加熱源を使用することもできる。
【0095】
さらに、蒸発器20と過熱器23の加熱源を同一のエネルギー源とする必要はない。例えば、蒸発器20の加熱源として化石燃料の燃焼熱を用い、過熱器23の加熱源として太陽熱を用いるという組み合わせを含めて、多種多様な実施形態が可能である。
【0096】
前記第1実施形態の蓄熱装置15ならびに第2実施形態の高温蓄熱装置30と低温蓄熱装置31は、蓄熱して、放熱運転モード時に供給された水から過熱蒸気を生成し得る構成であれば、装置の形態などは特に限定されるものではない。
【0097】
蓄熱装置のシステム構成としては、蓄熱媒体と蒸気タービンの作動流体となる水−蒸気系とが熱交換器を介して熱交換されるものであればよく、蓄熱媒体は当該熱交換器と一体の蓄熱槽に蓄えられているものや、熱交換器とは別に、前記作動流体(水−蒸気系)を加熱するための高温の蓄熱媒体を蓄える高温蓄熱槽と、加熱(放熱)後に温度が下がった低温の蓄熱媒体を蓄える低温蓄熱槽を備えたものなど、各種の蓄熱装置が適用可能である。
【0098】
前記第2実施形態では蓄熱装置を高温蓄熱装置30と低温蓄熱装置31の2つに分割しているが、必要に応じて例えば高温蓄熱装置と中温蓄熱装置と低温蓄熱装置などのように蓄熱装置を3つ以上に分割することも可能である。
【0099】
前記第1実施形態では、例えば
図2に示すように、蓄熱装置15を通過後の流体を給水ポンプ1の入口側の給水ライン2に戻す蓄熱戻りライン16を設け、さらに給水ポンプ1の出口側から蓄熱戻りライン16に向けて蓄熱給水ライン18を設け、さらに貯留タンク24から蓄熱給水ライン18に向けてバイパスライン28を設けられている。
【0100】
そして、貯留タンク24内の減圧操作によって生成した飽和蒸気と貯留タンク24内の飽和水がともに、バイパスライン28→蓄熱給水ライン18の実線部分→蓄熱戻りライン16の実線部分を通して蓄熱装置15に導入されるようになっている。
【0101】
すなわち、この第1実施形態では、蓄熱給水ライン18の実線部分ならびに蓄熱戻りライン16の実線部分がバイパスラインを兼ねた構成になっている。
【0102】
また、第2実施形態では、例えば
図6に示すように、高温蓄熱装置30と低温蓄熱装置31を連結する蓄熱戻りライン16に、貯留タンク24から延びたバイパスライン28が接続されている。
【0103】
そして、貯留タンク24内の減圧操作によって生成した飽和蒸気と貯留タンク24内の飽和水がともに、バイパスライン28→蓄熱戻りライン16の連結部分を通して高温蓄熱装置30に導入されるようになっている。
【0104】
すなわち、この第2実施形態では、蓄熱戻りライン16の連結部分がバイパスラインを兼ねた構成になっている。
【0105】
本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えばバイパスラインを蓄熱装置15,30に直接接続することも可能である。
【0106】
また、蓄熱装置15,30,31を通過後の流体を給水ポンプ1の入口側の給水ライン2に戻す蓄熱戻りライン16を設け、バイパスライン28が蓄熱戻りライン16に接続されて、飽和蒸気と飽和水がともにバイパスライン28ならびに蓄熱戻りライン16を通して蓄熱装置15,30に導入することも可能である。
【0107】
さらに給水ポンプ1の出口側から蓄熱装置15,30,31に向けて蓄熱給水ライン18を設け、バイパスライン28が蓄熱給水ライン18に接続されて、飽和蒸気と飽和水がともにバイパスライン28ならびに蓄熱給水ライン18を通して蓄熱装置15,30に導入することも可能である。
【0108】
本発明によれば、蓄熱運転モードから放熱運転モードへの切り替え直後から必要な過熱蒸気を生成することができ、発電量の増加が可能となる。
【0109】
また、化石燃料あるいは化石燃料とバイオマス燃料を燃焼する発電プラントの場合は、負荷変化率の向上が図れる。すなわち、発電プラントの負荷変化を高速で行う際に生じるボイラ入熱量の一時的な過多を、当該発電プラントの蓄熱システムにより容易に平滑化できるため、所定の負荷に短時間で到達することができる。
【0110】
さらに蒸発器および(あるいは)過熱器の加熱源として太陽熱を用いる蓄熱式発電プラントは、特に日本国内のように日射量の時間変動の大きい国や地域を対象とした蓄熱式発電プラントとして有効である。
【0111】
また、加熱源として太陽熱を用いる蓄熱式発電プラントでは、例えば、日中は蓄熱運転モードでの運転を行い、夜間に放熱運転モードを行うことにより、1日中発電することができる。