(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記元の温度設定点のスケジュール内において温度設定点の部分集合を識別するステップを含み、前記温度設定点の部分集合は、前記元の温度設定点のスケジュールが規定される時間期間のサブ間隔に対応し、前記元の温度設定点のスケジュールの漸増的に調整されたバージョンを生成することは、前記温度設定点の部分集合を前記部分集合における温度設定点以外の温度設定点とは異なるように調整することを含む、請求項1に記載の方法。
現在の温度設定点に対するユーザ修正を受取ることに応答して、後の周期的な時間間隔に対する前記オフセットは少なくとも一時的に低減される、請求項10に記載のサーモスタット。
修正される前記第1の部分集合、前記第2の部分集合および前記第3の部分集合のうちの少なくとも1つの温度設定点は、ユーザ入力に応答して異なる変化率で修正される、請求項18に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な記載
この発明の実施の形態はHVACシステムのエネルギ消費を最適化するための方法に向けられる。多くのエネルギ消費システムに関与するエンティティは、典型的には電源(たとえば発電機)から個々の家または事業所に電気的または他の形態のエネルギを与えるユーティリティプロバイダを含む。個人は、典型的には彼らが周期的、たとえば毎月ベースで消費するエネルギ量の代価を支払う。多くの実施の形態において、エネルギ管理システムはユーティリティプロバイダと個人との間に配置される。エネルギ管理システムは、個人のエネルギ消費の最適化を管理するようなさまざまな役割を実行して、元の温度設定点のスケジュール、屋内温度、構造物の占有(在宅)などのような検知されたデータ、期待される室外温度などのような予測されたデータ、ユーザより示される好み、および/またはさまざまな追加的もしくは代替的なデータに基いて、最適化された温度設定点のスケジュールを生成してもよい。次いで、そのような最適化されたスケジュールは、個々のエネルギ消費および総計におけるエネルギ消費の両方を効率的に低減および/または再分配するよう、エネルギ管理システムによって実現されてもよい。
【0018】
多くの実施の形態に従うエネルギ管理システムは、個々の家または事業所にあるインテリジェントなネットワーク接続されたサーモスタットを含む。そのようなサーモスタットは、居所の熱保持特性、居所を冷房または暖房する、居所に関連付けられるHVACの容量、(時間に亘って占有確率プロファイルを構築することができる占有センサを介しての)居所が占有される見込み、予測された天候、実時間天候、実時間占有などのような、居所についての諸情報を得ることができる。さらに、サーモスタットは、そのユーザによってプログラムされることができるか、または、そのユーザの好みおよび習慣を時間に亘って学習して、スケジューリングされた温度設定点を設定してもよい。例示的な実施の形態において、個々の家および事業所のそれぞれの集団と関連付けられるそのようなネットワーク接続されたサーモスタットの集団は、1つ以上のクラウドサービスプロバイダによって管理される1つ以上の中央サーバと通信するよう構成される。各ネットワーク接続されたサーモスタットはクラウドサービスプロバイダによって管理される1つ以上のアカウントに関連付けられ、データは、ここに記載したスケジュール最適化機能を実行するのに有用な、遠隔制御の容易化、気象データの報告、HVAC制御データおよびステータス情報の報告、ならびに中央制御および/または部分的中央制御およびデータ通信の提供のようなさまざまな有利な機能を与えるために、各ネットワーク接続されたサーモスタットと中央サーバとの間において必要なように行き来して送られる。
【0019】
ここにおけるいくつかの実施の形態は、(i)ネットワーク接続されたサーモスタットの集団と関連付けられるクラウドサービスプロバイダは、記載されたエネルギ管理システムのプロバイダでもある、(ii)エネルギ管理システムのプロバイダはユーティリティ自体とは別個および異なる事業実体である、および(iii)エネルギ管理システムはユーティリティに対する付加価値サービスとして提供される、営利的な筋書に対して特に好適であり有利であってもよいが、この記載の範囲はそのような筋書に対して如何様にも限定されないことが理解されるべきである。他の適用可能な筋書では、たとえば、要素はすべてユーティリティによって与えることができる。他の適用可能な筋書では、要素のいくつかはユーティリティによって提供することができ、一方、他の要素は行政実体によって、または異なる協働する事業体もしくは組合のさまざまな組合せによって提供することができる。特定のスケジュール最適化に先立って、エネルギ管理システムが、それが管理している居所に関して所有する豊富な情報に基いて、エネルギ管理システムは、居所が、特定の設定点温度のスケジュールを与えられて、どれだけのエネルギを消費しそうかを、効果的に予測することができる。そのような情報は、居所がスケジュール最適化に対する好適な候補であるかどうかを判断することを含む、さまざまな目的に対して用いられてもよい。特定の居所が、スケジュール最適化に対する好適な候補であると判断されると、豊富な情報の一部またはすべてを次いで用いて、その特定の居所に対する温度設定点のスケジュールを、エネルギ消費の量および/またはエネルギ消費のコストがその居所の居住者(占有者)に対して快適さにおいて気づくほどの変化なしに低減および/またはシフトされるような態様で最適化してもよい。いくつかの場合では、継続的な静的なスケジュールがそうでなければ気づくほどの不快感をもたらしたであろう場合には、そのような最適化は、居住者のための継続的な快適さのレベルをもたらしさえしてもよい。
【0020】
そのようなエネルギ消費予測および管理に対する記載された規定はさらにここに記載されるような多くの利点を生じさせる。たとえば、それらは、エネルギ管理システムが多くの接続された居所のエネルギ消費を効果的に管理することを可能にするのみならず、さらに、それらは、エネルギ管理システムがスケジュール最適化イベントにおける参加のために大きなプールから居所の部分集合を知的に選択することを可能にする。居所の物理的な特性、居所の地理的な特性、およびそれらの居所の居住者の習慣的な傾向は、地域に亘って広く変動し、したがって、可能性のあるエネルギ節約/移動も広く変動する。ここに開示されたエネルギ管理システムは、省エネルギプログラムにおける参加者を知的に選択して、効率を最大限にし、居住者に対する不必要な外乱を含むコストを最小限にしてもよい。さまざまなエネルギ管理システムが、さらに、2013年3月15日に提出された、共通して譲渡された米国連続番号第13/842,213号(リファレンス番号NES0253−US)に記載されており、その全体を全ての目的のためにここに引用により援用する。
【0021】
これらおよび他の実施の形態の詳細はさらにここに開示され、そのさらなる理解は図を参照して十分に理解することができる。ここで、次いで図を見て、
図1は、実施の形態に従って、エネルギを供給し、管理し、消費するためのシステム100を示す。システム100は複数個の発電機110A〜110N、ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120、エネルギ管理システム130、通信ネットワーク140、複数個のエネルギ消費者の居所150A〜150N、および配電網160を含む。
【0022】
発電機110A〜110Nは、当該技術分野において公知のさまざまな技術のうちの1つ以上を用いて電気または他のタイプのエネルギ(たとえばガス)を生成するよう動作可能である。たとえば、発電機110A〜110Nは、水力発電システム、原子力発電所、化石燃料に基づく発電所、太陽光による発電所、風力発電所、ガス処理プラントなどを含んでもよい。所与の時間において生成されてもよい電気の量は、発電機110A〜110Nによって決められる、供給されるある最大エネルギに制限されてもよい。さらに、発電機110A〜110Nは、ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120を実現するユーティリティプロバイダによって所有および管理されてもよく、または源エネルギをユーティリティプロバイダの顧客に提供するようユーティリティプロバイダと契約を結んでいる1つ以上の第三者エンティティによって所有および/または管理されてもよい。
【0023】
ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120は、発電機110A〜110N、エネルギ管理システム130、およびある実施の形態においては居所150A〜150Nのうちの1つ以上における電子システムのうちの1つ以上と通信するよう動作可能であるコンピューティングシステムである。ユーティリティプロバイダ会社システム120と関連付けられるユーティリティプロバイダは、典型的には、発電機110A〜110Nから居所150A〜150Nにおけるエネルギ消費者への配電を管理する。この管理は、電気が発電機110A〜110Nから居所150A〜150Nに成功裏に伝送されることを確実にすること、居所150A〜150Nの各々におけるエネルギ消費量を監視すること、および居所150A〜150Nのそれぞれの監視されるエネルギ消費量に従ってそれらの居住者から料金を回収すること、を含む。ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120は、ここに記載される動作の1つ以上を実行してもよく、ここにさらに記載されるように、および記載される動作を容易にするよう必要とされるように、さまざまなコンピュータプロセッサ、記憶素子、通信機構などを含んでもよい。
【0024】
エネルギ管理システム130は、選択肢的に報告および制御機構をユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120に提供しながら、居所150A〜150Nの1つ以上におけるエネルギ消費を知的かつ効率よく管理するよう動作可能であるコンピューティングシステムである。エネルギ管理システム130は、居所150A〜150Nに関連付けられる電子装置との実時間の双方向通信にネットワーク140を介して従事し、およびユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120との実時間の双方向通信に従事するよう動作可能であってもよい。1つの特定の実施の形態では、エネルギ管理システム130は、発電機110A〜110Nのエネルギ供給要件を低減するよう、居所150A〜150Nにおいて消費されるエネルギの総量を低減するよう動作可能であってもよい。そのような低減はさまざまな時間の1つ以上において達成されてもよい。たとえば、そのような低減は、他の天候期間に対して比較的一定(つまり毎日の平均温度における相対的に小さな推移)である天候期間の始まりにおいて達成されてもよい。ある環境においては、これは、春または秋の季節の始まりであってもよい。しかしながら、他の環境では、これは夏または冬の季節の始まりであってもよい。ある環境は、1年を通して相対的に一定の天候期間を有するかも知れず、その場合には、1回だけ、または1年に1回、エネルギ低減を達成するようスケジュール最適化を実行することが望ましくあってもよい。
【0025】
ネットワーク140は、エネルギ管理システム130の1つ以上のコンポーネントと居所150A〜150Nの1つ以上と関連付けられる1つ以上の電子装置との間におけるような、さまざまなエンティティ間において通信を可能にするための任意の好適なネットワークである。そのようなネットワークは、たとえば、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、仮想私設網、インターネット(登録商標)、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク、無線データ通信ネットワーク、セルラーネットワーク、もしくは任意の他のそのような有線もしくは無線ネットワーク、またはそれらの組合せを含んでもよい。ネットワーク140は、さらに、任意の好適なネットワークトポロジを組込んでもよい。ネットワーク140は任意の好適なプロトコルを利用してもよく、ネットワーク140を介する通信は、有線または無線接続およびそれらの組合せによって可能にされてもよい。
【0026】
居所150A〜150Nは、エネルギ消費に関連付けられるさまざまな構造物または構内である。構造物は、個人の宅地、家屋、アパート、コンドミニアム、学校、商業用不動産、平屋もしくは複数階オフィスビルディングおよび/または製造設備などのようなさまざまな構造物タイプに亘ってもよい。ここに記載されるある数の例は、構造物を、家屋の形態の個人の宅地であるとして言及するが、実施の形態はそのように限定されるものではなく、なぜならば、当業者は、ここに記載される技術は他のタイプの構造物に対しても等しく適用可能であり得ることを理解するであろうからである。いくつかの実施の形態は居住の筋書きに対して特に有利であり得るが、本教示の範囲はそのようには限定されず、ビジネス環境、学校環境、行政建築物環境、スポーツまたは娯楽エリアなどに対しても等しく有利であってもよいことが理解されるべきである。したがって、以下に記載の多くは居住の文脈において述べられるが、これは、記載を明確にする目的のためであって、限定によるものではないことが理解されるべきである。
【0027】
居所150A〜150Nは、典型的には、1つ以上のエネルギ消費装置を含み、それらは、テレビ、電子レンジ、家庭用音声設備、暖房/冷房システム、洗濯機、食洗機などのような電気エネルギ消費装置であり得る。同様に、エネルギ消費装置は、ガス消費装置などのような1つ以上の他のタイプのエネルギ消費装置を含み得る。たとえば、居所150A〜150Nは、天然ガス(空気/水/など)ヒータ、ストーブ、暖炉などを含んでもよい。居所150A〜150Nは、多くの実施の形態では、前述のエネルギ消費装置の1つ以上によるエネルギ消費を制御する1つ以上の制御装置を含む。たとえば、それらは、居所の熱的環境を制御するよう動作可能である、インテリジェントなネットワーク接続されたサーモスタットを含んでもよい。サーモスタットは、この後ここに記載される処理の多くが、エネルギ管理システム130においてコンピューティングシステムによって、またはサーモスタットそれら自体によって実行されてもよいという点で、エネルギ管理システム130の一部であるよう考えられてもよい。代替的に、サーモスタットは、エネルギ管理システム130の他のコンポーネントに対して地理的に遠隔地にあるため、エネルギ管理システム130から分離していると考えられてもよい。いずれの場合にしても、居所150A〜150Nに関連付けられる電子装置は、ここに記載される動作の1つ以上を実行してもよく、ここにさらに記載されるように、および記載される動作を容易にするよう必要とされるように、さまざまなコンピュータプロセッサ、記憶素子、通信機構などを含んでもよい。大抵の実施の形態は、(たとえば暑い夏の間など)構造物の内部の温度を下げることが望ましい状況の文脈において記載されるが、同様の原理が、(たとえば寒い冬の間など)構造物の内部の温度を上げることが望ましい状況において(ちょうど反対に適用されて)当てはまる。いくつかの実施の形態では、インテリジェントなネットワーク接続されたサーモスタットのいくつかまたはすべては、機能性において、カリフォルニア州パロアルトのNest Labs, Inc.から入手可能なNEST LEARNING THERMOSTAT(登録商標)と同じであるかまたは同様であってもよい。
【0028】
配電網160はエネルギを発電機110A〜110Nの1つ以上から居所150A〜150Nの1つ以上に移送するための任意の好適なネットワークである。配電網では、パワー分配網160は電気を発電機110A〜110Nから居所150A〜150Nに伝送するために当該技術分野において公知のさまざまな電力線、変電所、柱上変圧器、などを含んでもよい。ガス分配網では、パワー分配網160は、天然または他のタイプのエネルギ生成ガスをパワー生成器110A〜110N(この実施の形態では、油田および/または処理プラント)から居所150A〜150Nに輸送するためのさまざまな圧送所、保管要素、パイプなどを含んでもよい。
【0029】
システム100は、ある実施の形態では、エネルギを供給、管理および消費するための分散型システムであり、ある実施の形態では、1つ以上のコンピュータネットワークまたは直接接続を用いて通信リンクを介して相互接続されるいくつかのコンピュータシステムおよびコンポーネントを利用して需要応答プログラムおよびイベントを管理するためのシステムであってもよい。しかしながら、当業者には、そのようなシステムは、
図1に示されるよりも少ない、または多い数のコンポーネントを有するシステムにおいても等しく十分に動作し得ることが理解される。したがって、
図1のシステム100の説明は本質的に例示的であるものとしてとられ、本教示の範囲を限定するようにとられるものではない。
【0030】
図2は、スマートホーム環境200の一例が示され、そこにおいては、ここにさらに記載される装置、方法、システム、サービスおよび/またはコンピュータプログラム製品のうちの1つ以上が適用可能である。示されるスマートホーム環境は構造物250を含み、それは、たとえば、家屋、オフィスビルディング、ガレージ、移動住宅などを含み得る。ある実施の形態では、構造物250は、
図1を参照して記載される構造物150A〜150Nの1つ以上に対応してもよい。構造物250に加えて、スマートホーム環境200は、さらに、ネットワーク262およびリモートサーバ264を含み、それらは、一実施の形態においては、それぞれ、ネットワーク140およびエネルギ管理システム130(
図1)に対応する。示される構造物250はさらにここに記載されるようにさまざまなコンポーネントおよび装置を含むが、プールヒータ214、灌漑システム216、アクセス装置260などのようなある数のコンポーネントおよび装置も、構造物250内またはその上において物理的に取付けられるかまたは配置されることなく、構造物250に関連付けられてもよい(たとえば構造物250においてパワーを供給されてもよい)。
【0031】
スマートホーム環境200は、互いから壁254を介して少なくとも部分的に分離される複数の部屋252を含む。壁254は内壁または外壁を含み得る。各部屋は、さらに、床256および天井258を含み得る。装置は、壁254、床256または天井258上に取付けられるか、それ(ら)と統合されるか、および/またはそれ(ら)によって支持され得る。スマートホーム環境200内に組込まれてもよいさまざまな装置は、さまざまな有用なスマートホーム目的のうちの任意のものを与えるよう、互いと、および/またはクラウドベースのサーバシステムと途切れ目なく統合可能なインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された装置を含む。あるインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続されたサーモスタット202は、大気における気候特性(たとえば温度および/または湿度)を検出し、暖房、換気および空調(HVAC)システム203を制御し得る。HVACシステムの制御がここに記載されるが、同様の原理が、暖房システム、空調システム、湿度制御システム、またはそれらの任意の組合せのような、他の温度/湿度制御システムを制御することに等しく適用され得ることが理解されるべきである。1つ以上のインテリジェントなネットワーク接続された、マルチ検知の、ハザード検出ユニット204は、家屋環境における危険な物質および/または危険な状態(たとえば煙、炎または一酸化炭素)の存在を検出し得る。1つ以上のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された入口通路インターフェイス装置206は、「スマートドアベル」とも称され得、ある場所への人の接近もしくはある場所からの人の退去を検出し、可聴機能を制御し、音声手段もしくは視覚手段を介して人の接近もしくは退去を知らせ、またはセキュリティシステムにおける設定を制御して(たとえばセキュリティシステムを活性化または非活性化させる)ことが可能である。
【0032】
いくつかの実施の形態では、スマートホームは、スマートメータなどのような少なくとも1つのエネルギ消費計器218を含み得る。エネルギ消費計器218は、構造物250において、およびその周りにおいて装置によって消費される何らかのまたはすべてのエネルギ(電気、ガスなど)を監視する。エネルギ消費計器218は、ある所与の時間期間に亘って消費されるエネルギの量を計器218の表面上に表示してもよい。所与の期間は、たとえば、1秒、1分、1時間、1日、1ヶ月、1秒未満の時間帯、1ヶ月より長い時間帯、または1秒と1ヶ月との間の時間帯などであってもよい。ある実施の形態では、エネルギ消費計器218は、計器218がさまざまな情報、たとえば1つ以上の所与の期間に亘って消費されるエネルギの量、任意の特定の時間におけるかまたは任意の特定の時間期間中におけるエネルギの価格などを通信することを可能にする通信能力(有線または無線)を含んでもよい。通信能力は、さらに、計器がさまざまな情報を受信することを可能にしてもよい。たとえば、計器は、HVACシステム203などのようなスマートホームにおける1つ以上の装置を制御するための命令、任意の特定の時間における、または任意の特定の時間期間中におけるエネルギの価格などを受信してもよい。構造物250における、およびその周囲における装置の制御を容易にするために、計器218はそのような装置と有線または無線で接続されてもよい。
【0033】
複数のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された壁照明スイッチ208の各々は、周囲の照明状態を検知し、部屋占有状態を検出し、ならびに1つ以上の照明の出力および/または薄暗い状態を制御し得る。いくつかの例では、照明スイッチ208は、さらに、または代替的に、天井ファンなどのファンの出力状態または速度を制御し得る。複数のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された壁プラグインターフェイス210の各々は、部屋または構内の占有を検出し、(たとえば家に誰もいない場合には電力がプラグに供給されないように)1つ以上の壁プラグに対する電力の供給を制御し得る。スマートホームは、さらに、冷蔵庫、ストーブおよび/またはオーブン、テレビ、洗濯機、乾燥機、照明(構造物250の内部/外部)、ステレオ、インターコムシステム、ガレージ扉開閉器、床ファン、天井ファン、全家屋ファン、壁空調装置、プールヒータ214、潅漑システム216、セキュリティシステム、などのような、複数のインテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続された機器212を含んでもよい。
図2の説明は、特定の装置に関連付けられる特定のセンサおよび機能を識別し得るが、(本明細書を通して記載されるもののような)さまざまなセンサおよび機能のうちの任意のものを装置内に組込むことができることが理解される。
【0034】
処理および検知能力を含むことに加えて、スマートホーム環境200内における装置の各々は、スマートホーム環境200内における任意の他の装置、ならびにアクセス装置266および/またはリモートサーバ264などのようなスマートホーム環境240外の任意の装置とのデータ通信および情報共有が可能であり得る。装置は、さまざまなカスタムもしくは標準無線プロトコル(Wi-Fi, ZigBee, 6LoWPAN, IR, IEEE 802.11, IEEE 802.15.4など)のうちの任意のもの、および/またはさまざまなカスタムもしくは標準有線プロトコル(CAT6 Ethernet(登録商標), HomePlugなど)を介して通信を送受し得る。壁プラグインターフェイス210は、無線または有線のリピータとして供され得、および/または(i)ACコンセントにプラグを差込まれホームプラグまたは他の電力線プロトコルを用いて通信する装置と(ii)ACコンセントにプラグを差込まれない装置との間におけるブリッジとして機能し得る。
【0035】
たとえば、第1の装置は第2の装置と無線ルータ260を介して通信し得る。ある装置は、さらに、ネットワーク262などのようなネットワークへの接続を介して遠隔装置と通信し得る。ネットワーク262を介して、装置は中央(つまりリモート)サーバまたはクラウドコンピューティングシステム264と通信し得る。リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264は、その装置と関連付けられる製造業者、サポートエンティティまたはサービスプロバイダと関連付けられ得る。一実施の形態では、ユーザは、電話またはインターネット接続されたコンピュータなどのような他の通信手段を用いる必要なく、装置それ自体を用いてカスタマーサポートと連絡をとることができてもよい。
【0036】
装置のネットワーク接続は、さらに、たとえユーザが装置の近くにいなくても、ユーザがその装置と対話することを可能にし得る。たとえば、ユーザは、コンピュータ(たとえばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータもしくはタブレット)または他の携帯電子装置(たとえばスマートフォン)266を用いて装置(たとえばサーモスタット202)と通信し得る。あるウェブページまたはソフトウェアアプリケーションは、ユーザから通信を受信し、その通信に基づいて装置を制御するよう、および/またはその装置の動作についての情報をユーザに提示するよう構成され得る。たとえば、携帯電子装置266を用いてサーモスタット202と対話しているとき、ユーザは、携帯電子装置266を用いて、サーモスタットについての現在の設定点温度を見て、それを、携帯電子装置266を用いて調整することができる。ユーザは、この遠隔通信中において構造物内にいるか、または構造物の外部にいることができる。携帯電子装置266とサーモスタット202との間の通信はリモートサーバ264を介して経路付けられてもよく(たとえば携帯電子装置266が構造物250から遠くにあるときなど)、またはある実施の形態ではリモートサーバ264を除いて経路付けられてもよい。
【0037】
スマートホーム環境200は、さらに、壁プラグインターフェイス210によって、粗くではあるが(ON/OFF)、制御され得る、古い従来の洗濯機/乾燥機、冷蔵庫などのような、さまざまな、通信を行なわない、旧来の機器240を含み得る。スマートホームは、さらに、ハザード検出ユニット204もしくは照明スイッチ208によって与えられるIR信号によって、またはある実施の形態では、壁プラグインターフェイス210を介して通信するよう電力線などのようなソケットに基づく通信プロトコルを用いることによって制御され得る、IR制御される壁空調機または他のIR制御される装置のような、さまざまな、部分的に通信を行なう旧来の機器242を含み得る。
【0038】
構造物250の内部および外部に位置するコンポーネントのうちのいくつかまたはすべては、実施の形態によって、エネルギ管理システム130の一部と考えられてもよいことが理解されるべきである。一般的に、他のエネルギ消費装置の制御を容易にする装置またはコンポーネントは、エネルギ管理システム130の一部と考えられてもよい。たとえば、サーモスタット202およびアクセス装置266はエネルギ管理システム130の一部と考えられてもよく、一方、HVAC203、プールヒータ214、および旧来の機器240などのようなエネルギ消費コンポーネントはエネルギ管理システム130の外部にあると考えられてもよく、なぜならば、それらは、サーモスタット202およびアクセス装置266によって制御可能なエネルギ消費要素を含むからである。他の例では、しかしながら、ハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置260、照明スイッチ208、プラグインターフェイス210などのような、スマートホーム環境200の追加的または代替的なコンポーネントは、エネルギ管理システム130の一部として考えられてもよく、なぜならば、それらは、エネルギ管理システム130が知的なエネルギ管理判断を下すのを助けるよう、エネルギ管理システム130のための監視(および/または制御)機能を与えてもよいからである。さらに別の例では、(リモートサーバ264を除く)スマートホーム環境の装置のいずれもエネルギ管理システム130の一部でなくてもよく、スマートホーム環境200の装置の1つ以上は、監視および/またはエネルギ消費タスクを実行するようエネルギ管理システム130によって遠隔制御される従属的装置であってもよい。
【0039】
スマートホーム環境200は、ある実施の形態では、すべて、互いと、およびリモートサーバ264などのようなスマートホーム200の外部の装置またはシステムと通信するよう動作可能である、ある数のクライアント装置およびアクセス装置を含む環境である。しかしながら、当業者には、そのような環境は、
図2に示されるよりも少ないかまたは多い数のコンポーネントを有する状態で等しく十分動作し得ることが理解される。異なる機能を有するさまざまな要素を含むスマートホーム環境の1つの特定の例は、2012年9月21日に提出された、共通に譲渡された米国仮出願連続番号第61/704,437号(リファレンス番号NES0254−US)に詳細に記載されており、その全体の内容をすべての目的のためにここに引用により援用する。したがって、
図2におけるスマートホーム環境200の図示は本質的に例示的であるとして考えられるべきであり、本教示の範囲を限定するように考えられるべきではない。
【0040】
図3Aは、インテリジェントなネットワーク接続された装置300(つまり「装置」)に含まれ得る一般的な装置コンポーネントの例を示す。装置300は、サーモスタット202、ハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置206、壁照明スイッチ208、壁プラグインターフェイス210などのような、
図2を参照して論じられたさまざまな装置の1つ以上として実現されてもよい。以下の議論の多くは装置300をサーモスタット202として提示するが、実施の形態はそのように限定されないことが認識されるべきである。装置のシステム内における1つの、1つより多い、またはすべての装置300の各々は、1つ以上のセンサ302、ユーザインターフェイスコンポーネント304、電源(たとえば電力接続306および/またはバッテリ308を含む)、通信コンポーネント310、モジュラリティユニット(たとえばドッキングステーション312および置換可能なモジュール314を含む)、インテリジェンスコンポーネント316、および不正変更検出回路系318を含み得る。特定のセンサ302、ユーザインターフェイスコンポーネント304、電源構成、通信コンポーネント310、モジュラリティユニット、インテリジェンスコンポーネント316、および/またはワイヤ不正変更検出回路系318は、装置300に亘って同じであるかもしくは類似し得、または装置タイプもしくはモデルによって変動し得る。
【0041】
例示的に、かつ限定によってではなく、装置300における1つ以上のセンサ302は、たとえば、加速、温度、湿度、水、供給電力、近接度、外部の動き、装置の動き、音声信号、超音波信号、光信号、炎、煙、一酸化炭素、全地球測位システム(GPS)信号、または無線周波数(RF)もしくは他の電磁信号もしくは電磁場を検出することができてもよい。したがって、たとえば、センサ302は、温度センサ、湿度センサ、ハザード関連センサまたは他の環境的センサ、加速度計、マイクロフォン、光学センサを、カメラ(たとえば、電荷結合素子もしくはビデオカメラ)、能動的もしくは受動的輻射センサ、GPSレシーバまたは無線周波数識別検出器まで、およびそれを含んで、含み得る。
図3Aは単一のセンサを伴う実施の形態を示すが、多くの実施の形態は複数のセンサを含むことになる。ある例では、装置300は1つ以上の一次センサおよび1つ以上の二次センサを含む。一次センサは、装置のコア動作(たとえばサーモスタットにおいて温度を検知することまたは煙検出器において煙を検知することなど)に対して中心のデータを検知し得る。第2のセンサは、他のタイプのデータ(たとえば動き、光または音)を検知することができ、それをエネルギ効率目的またはスマート動作目的のために用いることができる。ある例では、平均的なユーザは、二次センサの存在に気づきさえしないかも知れない。
【0042】
装置300における1つ以上のユーザインターフェイスコンポーネント304は、情報を、ユーザに対して、視覚ディスプレイ(たとえば薄膜トランジスタディスプレイまたは有機発光ダイオードディスプレイ)および/もしくは音声スピーカならびに/または何らかの他の通信媒体を介して提示するよう構成されてもよい。ユーザインターフェイスコンポーネント304は、さらに、タッチスクリーン、ボタン、スクロールコンポーネント(たとえば可動もしくは仮想リングコンポーネント)、マイクロフォンまたはカメラ(たとえば身振り(ジェスチャ)を検出するためになど)などのような、ユーザから情報を受け取る1つ以上のユーザ入力コンポーネントを含み得る。一実施の形態では、ユーザインターフェイスコンポーネント304はクリックおよび回転環状リングコンポーネントを含み、ユーザは、(たとえば設定を調整するよう)リングを回転することによって、および/または(たとえば調整された設定を選択するかもしくはオプションを選択するよう)リングを内方向にクリックすることによって、そのコンポーネントと対話し得る。別の実施の形態では、ユーザ入力コンポーネント304は、カメラを含み、(たとえば装置の出力またはアラーム状態が変更されることになる旨を示すべく)身振りが検出され得る。
【0043】
装置300におけるある電源コンポーネントは、電力接続306および/またはローカルバッテリ308を含んでもよい。たとえば、電力接続308は、装置300を、線間電圧源のような電源に接続し得る。いくつかの例では、AC電源への接続306を用いて、(たとえば再充電可能な)ローカルバッテリ308を繰返し充電し得、バッテリ308は、後で、必要に応じて、AC電力切断の場合または他の電力不足の場合に電力を供給するよう用いられ得る。
【0044】
装置300における通信コンポーネント310は、装置300が、リモートサーバ264のような中央サーバ、またはここに記載される他の装置300もしくは携帯ユーザ装置などのような遠隔装置と通信することを可能にするコンポーネントを含み得る。通信コンポーネント310は、装置300が、非限定的な例として、Wi−Fi、ZigBee、3G/4G無線、IEEE 802.11、IEEE 802.15.4、6−LO−PAN、Bluetooth(登録商標)、CAT6有線イーサネット、ホームプラグまたは他の電力線通信方法、電話、または光ファイバのような、1つ以上の有線または無線通信技術を、同時または連続的に用いて通信することを可能にし得る。通信コンポーネント310は、1つ以上の無線カード、イーサネットプラグ、または他のトランシーバ接続を含み得る。ある実施の形態では、通信コンポーネント310は、装置300と、中央サーバと、ある場合には追加の装置との間において情報を同期させるよう、中央サーバとの通信を容易にする。そのような装置間においてデータを同期させるための技術は、さらに、2012年9月22日に提出された、共通に譲渡された米国連続番号第13/624,892号(リファレンス番号NES0231−US)にさらに記載されており、その内容の全体をすべての目的のためにここに引用により援用する。
【0045】
装置300におけるモジュラリティユニットは、静的な物理的接続および置換可能なモジュール314を含み得る。したがって、モジュラリティユニットは、(たとえば配線を保存するために、)装置300を完全に再設置することなく、置換可能なモジュール314をアップグレードする能力を与え得る。静的な物理的接続は、構造物に取付けることができる(インターフェイスボックスとも称され得る)ドッキングステーション312を含み得る。たとえば、ドッキングステーション312は、ねじで壁に取付けられ得るか、または天井に接着剤で固着され得る。ドッキングステーション312は、ある例では、構造物の一部を通って延在し得る。たとえば、ドッキングステーション312は、壁の後ろの配線(たとえば120V線間電圧線)に、壁のシートロックを介して形成された穴を介して接続し得る。ドッキングステーション312は、電力接続回路系306および/またはAC−DC電力供給回路系のような回路系を含み得、ユーザが高電圧線にさらされるのを防ぎ得る。ドッキングステーション312は、さらに、または代替的に、(建築構造物を暖房するための)暖房ユニット、(建築構造物を冷房するための)空調ユニット、および/または(建築構造物を通して空気を循環させるための)換気ユニットなどのような、HVACシステムの要素を作動させる(つまりオンおよびオフにする)ための制御回路系を含んでもよい。ある例では、ドッキングステーション312は、あるタイプまたはモデルの装置に特化しており、たとえば、サーモスタット装置は煙検出器装置とは異なるドッキングステーションを含む。ある例では、ドッキングステーション312は、複数のタイプおよび/またはモデルの装置300に亘って共有され得る。
【0046】
モジュラリティユニットの置換可能なモジュール314は、装置の、いくつかまたはすべてのセンサ302、プロセッサ、ユーザインターフェイスコンポーネント304、バッテリ308、通信コンポーネント310、インテリジェンスコンポーネント316などを含み得る。置換可能なモジュール314は、ドッキングステーション312に取付けられる(たとえばそれにプラグを挿入されるかまたはそれに接続される)ように構成され得る。ある例では、置換可能なモジュール314の組が、置換可能なモジュール314に亘って変動する能力、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを伴って製造される。ユーザは、したがって、すべての装置コンポーネントを置換したり、装置300を完全に再設置したりする必要なしに、彼らの置換可能なモジュール314を容易にアップグレードまたは置換することができる。たとえば、ユーザは、限られた知能およびソフトウェア能力を有する第1の置換可能なモジュールを含む安価な装置から始めることができる。ユーザは、次いで、さらに能力のある置換可能なモジュールを含むよう、装置を容易にアップグレードすることができる。別の例としては、ユーザは、モデル#1装置を彼らの地下室に有し、モデル#2装置を彼らの居間に有し、彼らの居間の装置をアップグレードしてモデル#3の置換可能なモジュールを含ませる場合には、ユーザは、モデル#2の置換可能なモジュールを地下室に移動させて、既存のドッキングステーションに接続することができる。モデル#2の置換可能なモジュールは、次いで、(たとえばユーザからユーザインターフェイスを介して情報を要求することによって)その新たな位置を識別するために起動プロセスを始めてもよい。
【0047】
装置のインテリジェンスコンポーネント316は、さまざまな異なる装置機能のうちの1つ以上をサポートし得る。インテリジェンスコンポーネント316は、一般的には、ここに記載される有利な機能の1つ以上を実行および/または実行させられるよう構成およびプログラミングされる1つ以上のプロセッサを含む。インテリジェンスコンポーネント316は、ローカルメモリ(たとえばフラッシュメモリ、ハードドライブ、ランダムアクセスメモリ)に記憶されるコンピュータコードを実行する汎用プロセッサ、専用プロセッサもしくは特定用途向け集積回路、それらの組合せの形式において、および/または他のタイプのハードウェア/ファームウェア/ソフトウェア処理プラットホームを用いて実現され得る。インテリジェンスコンポーネント316は、さらに、非同期Javascript(登録商標)およびXML(AJAX)または同様のプロトコルを用いて、クラウドサーバから与えられる命令を実行するJava(登録商標)仮想マシン(JVM)を動作させることなどによって、中央サーバまたはクラウドベースのシステムによって遠隔で実行または司られるアルゴリズムのローカル化されたバージョンまたは対応物として実現され得る。例として、インテリジェンスコンポーネント316は、ある場所(たとえば家屋または部屋)がある特定の人物によって占有されるかもしくは(たとえば1つ以上のしきい値に関して)ある特定数および/もしくは組の人々によって占有されるかどうかまで、ならびにそれを含んで、その場所がいつ占有されるかを検出するよう構成され得る。そのような検出は、たとえば、マイクロフォン信号を解析すること、(たとえば装置の前における)ユーザの移動を検出すること、扉もしくはガレージ扉の開閉を検出すること、無線信号を検出すること、受信された信号のIPアドレスを検出すること、またはある時間窓内で1つ以上の装置の動作を検出することによって生じ得る。インテリジェンスコンポーネント316は、特定の居住者または物体を識別するよう、画像認識技術を含んでもよい。
【0048】
いくつかの例では、インテリジェンスコンポーネント316は、望ましい設定を予測するよう、および/またはそれらの設定を実現するよう構成され得る。たとえば、存在検出に基づいて、インテリジェンスコンポーネント316は、たとえば、家もしくはある特定の部屋に誰もいないときに出力を節約するよう、またはユーザの好み(たとえば一般的な家庭での好みもしくはユーザに特定の好み)に従って、装置設定を調整し得る。別の例として、特定の人物、動物または物体(たとえば子供、ペットまたは紛失した物体)の検出に基づいて、インテリジェンスコンポーネント316は、その人物、動物または物体がどこにあるかの音声インジケータもしくは視覚インジケータを起動し得、または認識されない人物がある条件下(たとえば夜もしくは照明が消えているときに)検出される場合にアラームもしくはセキュリティ特徴を起動させ得る。さらに別の例では、インテリジェンスコンポーネント316は、ユーザ設定における、時間単位、週単位またはさらには季節単位の傾向を検出し、設定をそれに従って調整し得る。たとえば、インテリジェンスコンポーネント316は、ある特定の装置が平日は毎日6:30amにオンにされること、またはある装置設定は直近の3時間に亘って高い設定からより低い設定に徐々に調整されることを検出し得る。インテリジェンスコンポーネント316は、次いで、その装置が平日は毎日6:30amにオンにされること、または設定は、その設定を、より長い時間期間に亘って徐々に下げ続けるべきであることを予測し得る。
【0049】
ある例では、装置は、第1の装置によって検出されるイベントが第2の装置の動作に影響を与えるように、互いと対話し得る。たとえば、第1の装置は、(たとえばガレージにおいて動きを検出すること、ガレージにおいて照明における変化を検出すること、またはガレージ扉が開かれたことを検出することによって)ユーザがガレージに入って行ったことを検出し得る。第1の装置はこの情報を第2の装置に送信し、第2の装置は、たとえば、家屋温度設定、照明設定、音楽設定、および/またはセキュリティアラーム設定を調整し得る。別の例として、第1の装置は(たとえば動きまたは突然の光パターンの変化を検出することによって)ユーザが玄関に接近するのを検出し得る。第1の装置は、(たとえばドアベルの音のような)一般的な音声もしくは視覚信号を呈させ、または(たとえば訪問者の存在を、ユーザが占有している部屋内において知らせるよう)場所に特化した音声もしくは視覚信号を呈させることができる。
【0050】
不正変更検出回路系318はインテリジェンスコンポーネント316の一部であってもよく、またはそれと分離していてもよい。不正変更検出回路系318は、装置300の不正変更を検出するよう動作可能であるソフトウェアおよび/またはハードウェアを含んでもよい。不正変更は、たとえば、リモートサーバによるHVAC制御を回避しようとするユーザの試みを示す、装置300とHVACとの間における切断、リモートサーバによるHVAC制御を回避しようとするユーザの試みを示す、HVACによるインピーダンスまたは電力消費における変化などを含み得る。
【0051】
図3Bは、いくつかの実施の形態に従って、設置、構成およびアップグレードを容易にするために置換可能なモジュール314(たとえばヘッドユニット)とドッキングステーション312(たとえばバックプレート)とを有する、インテリジェントなネットワーク接続された装置300を示す。上に記載されるように、装置300は、壁に取付けられてもよく、円形の形状を有してもよく、ユーザ入力を受けるための(たとえばユーザインターフェイス304の一部であってもよい)外側の回転可能なリング320を有してもよい。外側の回転可能なリング320は、ユーザが、新たな目標温度を選択することなどのような、調整をなすことを可能にする。たとえば、外側リング320を時計回りに回転させることによって、目標設定点温度を上げることができ、外側リング320を反時計回りに回転させることによって、目標設定点温度を下げることができる。構造物内の温度を既存の設定点温度に即時に変更させる要望を反映する、その設定点温度に対する変更は、ここでは、「即時設定点温度」または「現在の設定点温度」に対する変更と称されてもよい。これは、設定点温度が構造物内における未来の温度に対する要望を反映してもよい、時間単位、日単位、週単位、月単位、または他のスケジュールにおいて与えられてもよい設定点温度とは対照的である。そのような設定点温度はここでは「スケジューリングされた設定点温度」または「設定点温度のスケジュール」と称されてもよい。
【0052】
装置300は、(たとえばユーザインターフェイス304の一部であってもよい)ディスプレイ324を含むカバー322を有する。ヘッドユニット314はバックプレート312上にスライドする。ディスプレイ324は、たとえば装置300の現在の動作状態、ユーザのリング320を介しての装置との直接的対話、(能動的赤外線モーションセンサなどのような)近接センサ302などを介してのユーザの存在の検知、遠隔アクセス装置を介しての装置との遠隔ユーザ対話などによって、さまざまな情報を表示してもよい。たとえば、ディスプレイ324は、現在の設定点の温度を表す中央の数字を表示してもよい。
【0053】
ある実施の形態によれば、ヘッドユニット314のバックプレート312に対する接続は、磁石、差込ピン、ラッチおよび留具、タブまたはリブと対応の凹みを用いるか、またはヘッドユニット314およびバックプレート312の対応する部分上における単純な摩擦を用いることによって達成され得る。ある実施の形態では、ヘッドユニット314は、バッテリ308、通信コンポーネント310、インテリジェンスコンポーネント316、および(たとえばユーザインターフェイス304の一部であってもよい)ディスプレイドライバ326を含む。バッテリ308は、ともに2011年2月24日に提出された、共通に譲渡された係属中の米国連続番号13/034,674(リファレンス番号NES0006−US)および13/034,678(リファレンス番号NES0007−US)ならびに2011年10月6日に提出された共通に譲渡された米国連続番号13/267,871(リファレンス番号NES0158−US)にさらに詳細に記載され、それらのすべてをここにおいてそれらの全体をすべての目的のために引用により援用する、電力採取(盗電および/または電力共有とも称される)を介してHVACシステム制御回路から得られるか、または可能である場合には共通のワイヤから得られる、バックプレート312からの電力を用いる(たとえばインテリジェンスコンポーネント316の一部であってもよく、および/またはバックプレート312に含まれてもよい)再充電回路系を用いて、再充電されてもよい。ある実施の形態によれば、バッテリ308は、再充電可能な単一セルリチウムイオン、またはリチウムポリマーバッテリである。
【0054】
バックプレート312は、電子機器330および(たとえばセンサ302の1つであってもよい)温度センサ332をハウジング334に含み、それらは通気口336を介して換気される。温度センサ332は、バックプレート312が、たとえヘッドユニット314に接続されていないときでも十分に機能的なサーモスタットとして動作することを可能にする。ワイヤコネクタ338は、HVACシステムのコンポーネントを作動させるためのワイヤへの接続、HVACシステムから電力を受取るためのワイヤへの接続などのような、HVACシステムワイヤに対する接続を可能にするよう設けられる。接続端子340は、ヘッドユニット314とバックプレート312との間の電気的接続を与える雄または雌プラグコネクタである。HVACシステムに接続し、およびそれを制御するためのさまざまな構成は、さらに、上記米国特許出願第13/034,674号および第13/034,678号に記載されている。
【0055】
ある実施の形態では、バックプレート電子機器330は、MCUプロセッサ、およびHVAC制御回路を開閉するためのドライバ回路系を含み、それによって、暖房および冷房などのような1つ以上のHVAC機能をオンおよびオフにする。電子機器330は、さらに、1日のうちの異なる時間に効果を表す一連のプログラミングされた設定を記憶するよう用いられるフラッシュメモリを含み、ヘッドユニット314がバックプレート312に取付けられないときでさえ、プログラミングされた設定点(つまり所望の温度)変更が実行され得る。ある実施の形態によれば、電子機器330は、さらに、HVAC共通電力線が利用可能でないときでさえ、HVAC制御回路から電力を得るよう(ヘッドユニット314に設けられるものに加えて、またはそれと代替的であってもよい)電力採取回路系を含む。さまざまな実施の形態では、不正変更検出回路系318(
図3A)は、ヘッドユニット314およびバックプレート312の1つ以上に組込まれてもよく、ヘッドユニット314がバックプレート312に結合されるかどうかに関わらず、不正変更が検出されてもよい。
【0056】
図3Cは、ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318を特に参照して、装置300の概念図を示す。ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318は、本教示の範囲から逸脱することなく、装置300の本体と、全体的または部分的に、分離可能または分離不可能に一体であり得ることが理解される。したがって、たとえば、1つの実施の形態に対しては、ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318は装置300の本体と分離不可能に一体であり得、HVACワイヤは、1つの単一体のユニットとして壁上に配置される前に後ろに直接挿入される。別の実施の形態では、ワイヤコネクタ338および不正変更検出回路系318は、サーモスタットの本体が取付けられる壁プレートユニットに位置し得、ここにおいて、ワイヤのサーモスタットへの挿入に対する言及は、ワイヤが壁プレートに挿入され、本体が壁プレートに取付けられて完成された装置300を形成する実施の形態を包含することが理解される。
【0057】
図3Cに示されるように、各ワイヤコネクタ338は予め定められるHVAC信号タイプと関連付けられる。設置を自分で行なう人のための設置の容易さと多数の家屋に対する妥当な幅広い遡及修復適用可能性との間の最適なバランスを与えると見いだされた一実施の形態については、8つのワイヤコネクタ338が設けられ、それらは、それぞれ、暖房呼出出力(Rh)、暖房呼出(W1)、冷房呼出(Y1)、ファン呼出(G)、共通(C)、ヒートポンプ(O/B)、予備(AUX)、および暖房呼出出力(Rh)からなる選択されたHVAC信号タイプのグループに専用である。好ましくは、装置300は上記の、共通に譲渡された米国連続番号13/034,674によれば、「ジャンパーレス」タイプのものであり、(i)HVACシステムによって与えられる単一の呼出電力線があり、一方または他方の接続ポートが単一の呼出電力線(特定のHVAC設置によっては、R、V、RhまたはRcとラベル付されるかもしれない)を受ける場合については、RhおよびRc接続ポートは自動的にともにシャントされたままであり、(ii)挿入される、HVACシステムによって与えられる二重呼出電力線がある場合には、RhおよびRc接続ポートは自動的に電気的に分離される。
【0058】
一実施の形態によれば、不正変更検出回路系318は、各ワイヤコネクタ338毎に、電気的リード344の対を介してバックプレート電子機器330と通信するポート検知回路342を含む。ポート検知回路342は本教示の範囲から逸脱することなくさまざまな異なる態様で動作し得るが、一実施の形態では、制御ポート検知回路342は、電気的リード344と結合される2ポジションスイッチ(図示せず)を含み、2ポジションスイッチは、関連のワイヤコネクタ338に挿入されるワイヤが全くないときには閉じられて電気的リード344を共に短絡させ、2ポジションスイッチは、ワイヤがその関連付けられるワイヤコネクタ338に挿入される場合には、開位置にされて電気的リード344を電気的に分離する。バックプレート電子機器330は、それによって、電気的リード344の短絡状態または開放状態によって、いつワイヤが接続ポートに挿入されるかを容易に検知することができる。ワイヤコネクタ338およびポート検知回路342の組合された機能を実現する1つの特定の有利な構成は、2011年2月24日に提出された、共通に譲渡された米国連続番号13/034,666(リファレンス番号NES0035−US)に記載されており、その内容の全体をすべての目的のために引用により援用する。
【0059】
装置300は、ある実施の形態では、ヘッドユニット、バックプレート、ユーザインターフェイス、通信コンポーネント、インテリジェントコンポーネントなどのようなさまざまなコンポーネントを含む、インテリジェントなネットワーク接続された学習サーモスタットである。しかしながら、当業者には、ここに記載されるさまざまな動作を実行する装置は、
図3A〜
図3Cに示されるより少ない、または多いコンポーネントで等しく十分に動作し得ることが理解される。たとえば、装置300は、複数のモジュールではなく、単一のユニットとして形成されてもよく、
図3A〜
図3Cを参照して記載されるよりも多いコンポーネントまたは少ないコンポーネントを含んでもよい。たとえば、装置300は、2012年9月21日に提出された米国連続番号13/624,878に記載されるように、および/または2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,148に記載されるように形成されてもよく、それらの双方をここにその全体をすべての目的のために引用により援用する。したがって、
図3A〜
図3Cにおける装置300の図示は、本質的に例示的であると考えられるべきであり、本教示の範囲を限定するよう考えられるべきではない。
【0060】
図4は、
図1および/もしくは
図2のスマートホームならびに/または
図3A〜
図3Cの装置を統合することができる、拡張可能な装置およびサービスプラットフォームのネットワークレベル図を示す。構造物250を参照して先に論じられた、インテリジェントなネットワーク接続された装置の各々は、1つ以上のリモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264と通信し得る。通信は、直接(たとえば無線通信事業者への3G/4G接続性を用いて)、ハブ付ネットワーク(たとえば単一の無線ルータからインテリジェントな、専用の全家屋制御ノードまで、およびそれを含む範囲のスキームであり得る)を介してか、またはそれらの任意の組合せを介してネットワーク262への接続を確立することによって可能にされ得る。
【0061】
リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264は動作データ402をスマートホーム装置から収集することができる。たとえば、装置は、ルーチンで動作データを送信することができ、または特定の例では(たとえばカスタマーサポートを要求するときなどに)動作データを送信することができる。リモートサーバまたはクラウドコンピューティングアーキテクチャ264は、さらに、1つ以上のサービス404を提供し得る。サービス404はたとえば、ソフトウェアアップデート、カスタマーサポート、センサデータ収集/ロギング、遠隔アクセス、遠隔もしくは分散制御、または(たとえば、性能を向上させユーティリティコストなどを低減するために、収集された動作データ402に基づいた)使用の提案を含み得る。サービス404に関連付けられるデータは、リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264に記憶され得、リモートサーバまたはクラウドコンピューティングシステム264は、適切なとき(たとえば規則的な間隔で、ユーザから要求を受けたとき、など)にデータを検索および送信し得る。
【0062】
図4に示されるような記載される拡張可能な装置およびサービスプラットフォームの1つの顕著な特徴は、処理エンジン406であり、それは、(リモートサーバ264に含まれてもよく、またはそれから別個であってもよい)単一のデータ処理サーバ407に集中されるかまたはいくつかの異なるコンピューティングエンティティの間に分散され得るが、これに限定はされない。処理エンジン406は、データをインデックス付けし、データを分析し、および/または分析に基づきもしくは分析の一部として統計を生成するために、(たとえばインターネット(登録商標)またはハブ付ネットワークを介して)装置の組からデータを受け取るように構成されるエンジンを含み得る。分析されたデータは、導き出されたデータ408として記憶され得る。分析または統計の結果はその後、結果を導き出すのに用いられる動作データを提供する装置、他の装置、装置のユーザにウェブページを提供するサーバ、または他の非装置エンティティに送信し戻され得る。たとえば、使用統計、他の装置の使用に対する使用統計、使用パターン、および/またはセンサ読み取りを要約する統計が送信され得る。結果または統計はインターネット262を介して提供され得る。この態様で、処理エンジン406は、スマートホームから得られる動作データからさまざまな有用な情報を導き出すために構成およびプログラミングされ得る。単一のサーバは、1つ以上のエンジンを含み得る。
【0063】
導き出されたデータは、(たとえば温度設定点のスケジュールを最適化するか、または電気的設備に対する需要応答プログラムを実現するために)家毎、近隣毎、または領域毎での装置の明示的なプログラミングされた制御から、家毎に支援し得る推論的抽象化の生成(たとえば、家の所有者が休暇に出ているのでセキュリティ検出機器の感度は高められ得るという推論が引き出され得る)まで、行政または公益目的のために使用され得る統計および関連する推論抽象化の発生までの範囲のさまざまな有用な目的のためにさまざまな異なる粒度で非常に有益であり得る。たとえば、処理エンジン406は、装置の集団に亘って装置使用に関する統計を生成し得、(たとえば、統計に対する金銭上の補償を要求したかまたは提供し得た)装置ユーザ、サービスプロバイダまたは他のエンティティに統計を送信し得る。具体的な例示として、統計は、慈善事業体422、行政実体424(たとえば食品医薬品局または環境保護局)、学術機関426(たとえば大学研究者)、(たとえば装置保証またはサービスを関連機器に対して提供する)事業体428、またはユーティリティ供給会社430に対して送信することができる。これらの実体はそのデータを用いて、プログラムを形成してエネルギ使用を低減し、障害機器を先制して修理し、高いサービス需要に備え、過去のサービス実績をトラッキングするなど、または、既知もしくは今後開発されるさまざまな有益な機能もしくはタスクのいずれかを実行できる。
【0064】
図5は、ある実施の形態に従って、処理エンジン406およびスマートホーム環境の装置を特に参照をして、
図4の拡張可能な装置およびサービスプラットフォームの抽象的な機能図を示す。スマートホーム環境に位置する装置は、無限のさまざまな異なる個々の能力および限界を有するが、それらの各々がデータ消費体502(DC)、データソース504(DS)、サービス消費体506(SC)およびサービスソース508(SS)であるという点で、それらは、すべて、共通の特性を共有するとして考えられ得る。有利なことに、装置のローカルおよび直接の目的を達成するために装置に必要とされる本質的な制御情報を提供することに加えて、拡張可能な装置およびサービスプラットフォームは、これらの装置から流れ出る大量のデータを利用するように構成され得る。それらの直接的な機能に関して装置自体の実際の動作を向上または最適化することに加えて、拡張可能な装置およびサービスプラットフォームは、さまざまな有用な目的を達成するために、さまざまな自動化され、拡張可能であり、フレキシブルで、および/またはスケーラブルな態様でそのデータを「別の目的のために再利用する(repurposing)」ことに向けられ得る。これらの目的は、たとえば使用パターン、装置効率および/またはユーザ入力(たとえば特定の機能を要求する)に基づき、予め規定または適合的に識別されてもよい。
【0065】
たとえば
図5は、ある数のパラダイム510を含む処理エンジン406を示す。処理エンジン406は、一次的または二次的な装置機能を監視および管理する、管理されたサービスパラダイム510aを含み得る。装置機能は、装置に与えられたユーザ入力の適正な動作を保証すること、侵入者が住居にいるかもしくは住居に入ることを試みていることを推定する(たとえば、およびそれに応答する)こと、装置に結合される機器の不良(たとえば切れた電球)を検出すること、最適化された温度設定点のスケジュールを生成するかもしくはさもなければ実現すること、エネルギー需要応答イベントを実現もしくはそうでなければそれに応答すること、または現在もしくは予測された将来のイベントもしくは特性をユーザに警告することを含み得る。処理エンジン406はさらに、装置の使用に基づいて、ユーザの特性(たとえば人口学的情報)、ユーザの要望および/または興味のある製品を推定する広告/通信パラダイム510bを含み得る。サービス、プロモーション、製品またはアップグレードが、次いで、ユーザにオファーまたは自動的に提供され得る。処理エンジン406はさらにソーシャルパラダイム510cを含み得、ソーシャルパラダイム510cは、ソーシャルネットワークからの情報を使用し、(たとえば装置の使用に基づいて)ソーシャルネットワークに情報を提供し、ならびに/またはソーシャルネットワークプラットフォームとのユーザおよび/もしくは装置対話に関連付けられるデータを処理する。たとえば、ソーシャルネットワーク上でのユーザに委託された連絡先に報告されるようなユーザのステータスは、照明の検出、セキュリティシステムの不活性化、または装置使用検出器に基づき、彼らがいつ家にいるかを示すよう更新され得る。別の例として、ユーザは、他のユーザと装置使用の統計を共有することが可能である。処理エンジン406は、抗議/ルール/コンプライアンス/報酬パラダイム510dを含み得、それは、抗議、ルール、コンプライアンス規則、および/もしくは報酬をユーザに通知し、ならびに/または、動作データを使用して、抗議に応じられたか、ルールまたは規則は遵守されたか、および/または、報酬が得られたかどうかを判断する。抗議、ルールまたは規則は、エネルギを節約する努力、安全に生活する(たとえば毒物または発がん性物質に晒されることを低減する)努力、金銭の節約および/または機器寿命を保護する努力、健康を改善する努力などに関し得る。
【0066】
処理エンジン406は、1つ以上の処理パラダイムの機能を向上させるために、外部源からの外部情報516を統合または別の態様で利用し得る。外部情報516は、装置から受取られる動作データを解釈し、装置の近くの環境(たとえば装置が囲まれる構造物の外部)の特性を判断し、ユーザに利用可能なサービスまたは製品を判断し、ソーシャルネットワークまたはソーシャルネットワーク情報を識別し、装置の近くのエンティティ(たとえば緊急状態応答チーム、警察または病院のような公共サービス実体)のコンタクト情報などを判断し、家または近隣に関連付けられる統計的もしくは環境的条件、傾向または他の情報を識別するためなどに使用され得る。
【0067】
驚くほどの範囲のさまざまな利点が、通常のものから重要なものまで、記載される拡張可能な装置およびサービスプラットフォームによって引き起こされ得るとともに当該拡張可能な装置およびサービスプラットフォームの範囲内に適合され得る。したがって、1つの「通常の」例では、スマートホームの各寝室には、占有センサを含む煙/炎/CO警報が設けられており、占有センサはさらに、(たとえばモーション検出、顔認識、可聴音パターンなどによって)居住者が眠っているかまたは起きているかどうかを推論することができる。重大な火事イベントが検知されると、遠隔セキュリティ/監視サービスまたは消防署は、各寝室に何人の居住者がいるか、それらの居住者がまだ眠っている(もしくは動かない)かどうか、または、彼らが適切に寝室から避難したどうか通知される。もちろんこれは、記載された拡張可能な装置およびサービスプラットフォームにより対応される非常に有利な能力であるが、利用可能になり得るさらに大きな「インテリジェンス」のポテンシャルを真に示し得る実質的により「重要な」例が存在し得る。恐らくより「重要な」例として、火事安全性に使用されている同じデータ寝室占有データが、近隣の子供の発育および教育の社会的規範の文脈において、処理エンジン406によって「別の目的で再利用」され得る。したがって、たとえば、「通常の」例で論じられた同じ寝室占有およびモーションデータが、収集され得るとともに、特定の郵便番号における生徒の睡眠パターンが識別およびトラッキングされ得る処理に利用可能になる(適切に匿名化される)ようにされ得る。これらの生徒の睡眠パターンにおける局所化された変動は、識別され、たとえば、地元の学校における異なる栄養プログラムに対して相関され得る。
【0068】
図6は、ある実施の形態に従う専用コンピュータシステム600のブロック図である。たとえば、ここに記載されるユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120、エネルギ管理システム130、スマートホーム環境200の要素、リモートサーバ264、クライアント装置300、処理エンジン406、データ処理サーバ407、または他の電子コンポーネントのうちの1つ以上を専用コンピュータシステム600として実現してもよい。ここに記載される方法およびプロセスは、同様に、コンピュータシステムに対して、ここに記載される方法およびプロセスの動作を実行させるよう指示する、有形の非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体および/またはコンピュータプログラム製品によって実現されてもよい。各そのようなコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムのプロセッサに対して対応の動作を実行するよう指示する、コンピュータ読取可能媒体上において実施される命令(たとえばコード)の組を含んでもよい。命令は、シーケンシャルな順序で、または(異なる処理スレッド下におけるように)並列で、またはそれらの組合せにおいて実行されるように構成されてもよい。
【0069】
専用コンピュータシステム600は、コンピュータ602、コンピュータ602に結合されるモニタ604、コンピュータ602に結合される1つ以上のさらなるユーザ出力装置606(オプション)、コンピュータ602に結合される1つ以上のユーザ入力装置608(たとえばキーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーン)、コンピュータ602に結合されるオプションの通信インターフェイス610、およびコンピュータ602における、またはそれにアクセス可能な有形のコンピュータ読取可能記憶媒体612を含むコンピュータプログラム製品を含む。コンピュータ読取可能記憶媒体612に記憶される命令は、システム600に対して、ここに記載される方法および処理を実行するよう指示してもよい。コンピュータ602は、バスサブシステム616を介して、ある数の周辺装置と通信する1つ以上のプロセッサ614を含んでもよい。これらの周辺装置は、ユーザ出力装置606、ユーザ入力装置608、通信インターフェイス610、ならびに有形のコンピュータ読取可能メモリの形式である、ランダムアクセスメモリ(RAM)618および不揮発性ストレージドライブ620(たとえばディスクドライブ、光ドライブ、ソリッドステートドライブ)などのような記憶サブシステムを含んでもよい。
【0070】
コンピュータ読取可能媒体612は、ランダムアクセスメモリ618にロードされ、不揮発性ストレージドライブ620に記憶され、またはそうでなければコンピュータ602の1つ以上のコンポーネントにアクセス可能であってもよい。各プロセッサ614は、Intel(登録商標)またはAdvanced Micro Devices, Inc.(登録商標)などからのマイクロプロセッサのような、マイクロプロセッサを含んでもよい。コンピュータ読取可能媒体612をサポートするために、コンピュータ602は、コンピュータ読取可能媒体612と上記のコンポーネントとの間における通信、およびコンピュータ読取可能媒体612のサポートにおいて上記のコンポーネント間における通信を処理するオペレーティングシステムを実行する。例示的なオペレーティングシステムはMicrosoft CorporationからのWindows(登録商標)など、Sun MicrosystemsからのSolaris(登録商標)、LINUX(登録商標)、UNIX(登録商標)などを含む。多くの実施の形態では、およびここに記載されるとおりでは、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取可能媒体(たとえばディスク、メモリチップなど)を含む装置(たとえばハードドライブを含むケース、読取/書込ヘッドなど、コンピュータディスクを含むケース、メモリカードを含むコネクタ、ケースなど)であってもよい。他の実施の形態では、コンピュータプログラム製品は、命令セットまたはコードモジュールそれら自体を含んでもよく、コンピュータ読取可能媒体上において実施されてもよい。
【0071】
ユーザ入力装置608は、コンピュータシステム602に情報を入力するすべての可能なタイプの装置およびメカニズムを含む。これらは、キーボードと、キーパッドと、マウスと、スキャナと、デジタル描画パッドと、ディスプレイに組込まれたタッチスクリーンと、音声認識システム、マイクロフォンのような音声入力装置と、他のタイプの入力装置とを含み得る。さまざまな実施の形態において、ユーザ入力装置608は典型的に、コンピュータマウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、ワイヤレスリモート、描画タブレット、音声コマンドシステムとして具現化される。ユーザ入力装置608は典型的に、ユーザが、モニタ604に現われるオブジェクト、アイコン、およびテキストなどをボタンのクリックなどのようなコマンドを介して選択することを可能にする。ユーザ出力装置606は、コンピュータ602から情報を出力するすべての考えられ得るタイプの装置およびメカニズムを含む。これらは、ディスプレイ(たとえばモニタ604)、プリンタ、音声出力装置のような非視覚的ディスプレイなどを含み得る。
【0072】
通信インターフェイス610は、他の通信ネットワークおよび装置にインターフェイスを提供しており、有線または無線通信ネットワーク622を介して、他のシステム、WANおよび/またはインターネットからデータを受け取り、それらにデータを送信するインターフェイスとして機能し得る。通信インターフェイス610の実施の形態は典型的に、イーサネット(登録商標)カード、モデム(電話、衛星、ケーブル、ISDN)、(非同期)デジタル加入者線(DSL)ユニット、FireWire(登録商標)インターフェイス、USB(登録商標)インターフェイス、無線ネットワークアダプタなどを含む。たとえば、通信インターフェイス610は、コンピュータネットワークまたはFireWire(登録商標)バスなどに結合され得る。他の実施の形態において、通信インターフェイス610は、コンピュータ602のマザーボードに物理的に統合され得、および/または、ソフトウェアプログラムなどであり得る。
【0073】
RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、実行可能なコンピュータコードまたは人間が読取り得るコードなどを含む本発明のコンピュータプログラム製品の実施の形態のような、データを記憶するように構成される有形のコンピュータ読取可能媒体の例である。他のタイプの有形のコンピュータ読取可能媒体は、フロッピー(登録商標)ディスクと、リムーバブルハードディスクと、CD−ROM、DVDのような光学記憶媒体と、バーコードと、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM)のような半導体メモリと、バッテリバックアップ揮発性メモリと、ネットワーク化された記憶装置などとを含む。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、上に記載されるように、本発明のさまざまな実施の形態の機能を提供するベーシックプログラミングおよびデータ構造を記憶するように構成され得る。
【0074】
本発明の機能を提供するソフトウェア命令セットがコンピュータ読取可能媒体612、RAM618および/または不揮発性ストレージドライブ620に記憶され得る。これらの命令セットまたはコードはプロセッサ614によって実行され得る。コンピュータ読取可能媒体612、RAM618および/または不揮発性ストレージドライブ620はさらに、本発明に従って使用されるデータおよびデータ構造を記憶するためにレポジトリを提供し得る。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、プログラム実行の間に命令およびデータを記憶するメインランダムアクセスメモリ(RAM)と、固定された命令が記憶されるリードオンリメモリ(ROM)とを含む多くのメモリを含み得る。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620は、プログラムおよび/またはデータファイルの持続的(不揮発性)記憶を提供するファイルストレージサブシステムを含み得る。RAM618および不揮発性ストレージドライブ620はさらに、リムーバブルフラッシュメモリのようなリムーバブルストレージシステムを含み得る。
【0075】
バスサブシステム616は、意図されるように、コンピュータ602のさまざまなコンポーネントおよびサブシステムが互いと通信することを可能にするためにメカニズムを提供する。バスサブシステム616は単一のバスとして概略的に示されるが、バスサブシステムの代替的な実施の形態はコンピュータ602内の複数のバスまたは通信パスを利用し得る。
【0076】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実現例については、方法は、本願明細書において記載される機能を実行するモジュール(たとえばプロシージャおよび関数など)で実現され得る。実体的に命令を具現化する任意のマシン読取可能媒体が、本願明細書において記載される方法を実現するのに使用され得る。たとえば、ソフトウェアコードがメモリに記憶され得る。メモリは、プロセッサ内で実現され得るか、または、プロセッサの外部で実現され得る。本願明細書において使用されるように、「メモリ」という用語は、任意のタイプの長期、短期、揮発性、不揮発性または他の記憶媒体を指しており、如何なる特定のタイプのメモリ、如何なる特定の数のメモリ、またはメモリが記憶される如何なる特定のタイプの媒体にも限定されない。
【0077】
さらに、本願明細書において開示されるように、「記憶媒体」という用語は、データを記憶するための1つ以上のメモリを表わし得、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、および/または情報を記憶するための他のマシン読取可能媒体を含む。「マシン読取可能媒体」という用語は、命令および/もしくはデータを含むもしくは担持する記憶可能な携帯可能もしくは固定記憶装置、光学記憶装置、無線チャネル、および/またはさまざまな他の記憶媒体を含むがこれらに限定されない。
【0078】
図7は、ある実施の形態に従ってスケジュール最適化プログラムを実現および管理するためのプロセス700を示す。理解を容易にするため、プロセス700は
図1、
図2および
図8を参照して記載されるが、プロセス700の実施の形態は
図1、
図2および
図8を参照して記載される例示的システムおよび装置に限定されないことが理解されるべきである。
【0079】
図1を簡単に参照して、居所150A〜150Nの1つ以上に対する設定点温度のスケジュールが任意の所与の時間において最適化されてもよい。いくつかの場合では、エネルギ管理システム130によって管理されるすべての居所に対する設定点温度のスケジュールが最適化されてもよい。他の場合では、エネルギ管理システム130によって管理される居所の部分集合に対する設定点温度のスケジュールが最適化されてもよい。それらの部分集合はさまざまな態様で規定されてもよい。たとえば、それらは、エネルギ資源を提供する公益事業体(つまり同じユーティリティ供給会社によってエネルギを供給されるすべての居所150A〜150Nの部分集合)、居所の地理的位置、居所が位置する環境の特性、居所の特性(たとえば熱的保持)、居所の居住者の富裕度(たとえば絶対的な財産、年収など)などに基づいてもよい。ある実施の形態では、居所150A〜150Nの部分集合は、その部分集合が仮に部分的または完全にスケジュール最適化プログラムに携わるとした場合に期待されるエネルギ低減に基づいて判断されてもよい。たとえば、スケジュール最適化の実現の結果の所望されるエネルギ消費の低減が(たとえばユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120、エネルギ管理システム130またはシステム100の他のエンティティによって)判断されてもよい。仮に居所150A〜150Nの特定の部分集合が部分的または完全にスケジュール最適化プログラムに従事した場合に期待されるエネルギ低減の量が、次いで判断され、所望の量と比較されてもよい。期待されるエネルギ低減が所望のエネルギ低減と合致するか、それを超えるか、またはそれに足らないかどうかに基づいて、部分集合のサイズを増大または減少させてもよい。そのような態様において、所望されるエネルギ低減は、スケジュール最適化プロセスの提示によって妨害される居所150A〜150Nの数を有利に低減しながら、達成してもよい。以下の記載を通して、実施の形態はエネルギ消費における「低減」として記載されるが、他の実施の形態では、エネルギ消費が1つの時間期間から他の時間期間にシフトされる場合は、エネルギ消費における「シフト」および/またはエネルギのコストにおける低減が同様に適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0080】
図7に戻って、動作702において、スケジュール最適化に対する適格性を得るための要件が判断される。そのような要件は適格性要素の組として実施されてもよく、各要素を用いて、エネルギ消費者(つまり居所)が特定のスケジュール最適化プログラムに参加する適格性を有するかどうか判断する。たとえば、ある装置(たとえばサーモスタット)が依然として積極的な学習モードなどのような特定の学習モードにあるかどうかが適格性要素であってもよい。別の例では、期待されるエネルギ節約がある値を超えるかどうかが適格性要素であってもよい。任意の特定の実現例において用いられる適格性要素の数およびタイプはその特定の実施の形態によって変動してもよい。さらに、適格性要素の一部またはすべては、システム100の1つ以上のエンティティによって設定され得る1つ以上のパラメータによって規定されてもよいことが認識されるべきである。たとえば、期待されるエネルギ節約がある値を超えるかどうか判断する際に用いられる値は、前述のエンティティの1つによって設定されてもよく、特定の実現例に基づいて異なってもよい。さらに、各適格性要素は、適格性に対して有利または不利に、判断に影響するよう重み付けされてもよく、および/または適格性要素の1つ以上は、適格性に対して有利または不利に、判断に独立して決定力があってもよい。たとえば、装置が天気予報に対するアクセスを有さない場合には、たとえ他の適格性要素が満たされていたとしても、その装置はスケジュール最適化に対して適格性を有さなくてもよい。
【0081】
一旦、スケジュール最適化に対する適格性を与える要件が判断されると、動作704において、スケジュール最適化に対して適格性を有する装置が識別される。たとえば、スケジュール最適化に対して適格性を有する居所150A〜150Nの1つ以上のサーモスタットが識別されてもよい。識別された装置の各々は、前述の要件を満足させる装置である。
【0082】
簡単に
図8を参照して、
図8は、ある実施の形態に従ってスケジュール最適化に対して適格性を有する装置を識別するためのプロセス704を示す。このプロセスに従うと、ある数の適格性要素を分析して、エネルギ消費者がある実施の形態に従ってスケジュール最適化プロセスに参加する適格性があるかどうかが判断される。言及されたように、要素のうちのいくつかはそれら自体において決定力があってもよく、一方、他の要素は全体的な適格性レベルを呈するよう重み付けされてもよい。適格性レベルは適格性なし(たとえば0)から非常に適格性がある(たとえば100)までのどこかの範囲であってもよい。特定のエネルギ消費者がスケジュール最適化プログラムにおける参加に対して識別されるかどうかは、したがって、それらの適格性レベルが所望の適格性レベルと一致するかどうかによる。適格性レベルは、適格性要素のいくつかまたはすべてを規定するパラメータに加えて、またはそれらのパラメータと代替的に、動作702において判断されてもよい。
【0083】
動作704Aでは、構造物(たとえば構造物250)において環境管理システム(たとえばHVAC203)を制御する装置(たとえばサーモスタット202)が、ある特定の学習モード、たとえば「積極的」学習モードにあるかどうかが判断される。たとえば、インテリジェントな、マルチ検知の、ネットワーク接続されたサーモスタット202は、1つ以上の学習アルゴリズムを実現し、それによって、サーモスタット202はサーモスタット202と関連付けられる構造物の居住者の傾向および好みを学習してもよい。サーモスタット202は、1日のうちの異なる時間について、異なる居住者についてなど、好まれる温度、湿度などを学習してもよい。サーモスタット202は複数の学習モードを実現してもよく、初期の学習モードはユーザの選択に積極的に応答する。つまり、学習モードは、居住者によって教唆される温度設定および変更に対して大きな重みを与える。初期の学習モードは、ある継続期間の間、たとえば1週間、2週間、3週間など、またはある量の温度設定および調整が記録されるまで、続いてもよい。
【0084】
初期の学習モードの終わりで、居住者の実体的な好みおよび傾向が認識されるはずである。サーモスタット202は、したがって、精密学習モードのような第2の学習モードに入ってもよい。この精密モードは、居住者によってなされる変更が初期の学習モード中になされる変更と比較して与えられる重みがはるかにより小さいという点において、初期の学習モードに比較してはるかにより積極的でなくてもよい。さまざまな具体的な学習アルゴリズムが、さらに、2012年9月30日に提出された、共通に譲渡された米国連続番号13/632,041(リファレンス番号NES0162−US)に記載されており、その内容の全体をすべての目的のためここに引用により援用する。
【0085】
実施の形態は、サーモスタット202が構造物の居住者の傾向および好みを学習することに必ずしも限定はされず、学習アルゴリズムは、スマートホーム環境200および/またはエネルギ管理システム130を参照して記載される電子装置の1つ以上に組込まれてもよいことが認識されるべきである。いずれにしても、そのような装置が依然として積極的な学習モードにあるときには、それらはスケジュール最適化プロセスの参加に対して好適でなくてもよく、したがって、これは適格性に対して不利に働いてもよい。対照的に、そのような装置が積極的な学習モードから出ているときには、これは適格性に対して有利に働いてもよい。
【0086】
動作704Bでは、エネルギ消費者の構造物に関連付けられる1つ以上の装置が天気予報情報に対してアクセスを有するかどうかが判断される。たとえば、サーモスタット202は、構造物の付近の天候に対する天気予報を受信するよう動作可能であるかどうかが判断されてもよい。他の実施の形態では、構造物に関連付けられる装置は天気予報情報に対するアクセスを有する必要はないが、そのような情報はエネルギ管理システム130のような他のエンティティによって獲得されてもよい。1つ以上の装置またはエンティティが天気予報情報にアクセスを有すると判断される場合には、これは適格性に対して有利に働いてもよく、さもなければ、これは適格性に対して不利に働いてもよい。
【0087】
動作704Cにおいて、環境管理システム(たとえばHVACシステム、冷房システム、暖房システムなど)が構造物に設置され、構造物において動作可能であり、構造物において制御可能であるかどうかが判断される。たとえば、サーモスタット202は、ある特定のタイプの環境管理システムの設置を、サーモスタットのワイヤコネクタの接続を介して検出してもよい。ある特定のタイプの環境管理システムの設置を検出するための1つの特定の技術は、2011年3月1日に提出された、共通に譲渡された米国連続番号13/038,191(リファレンス番号NES0009−US)に開示されており、その全体をすべての目的のためにここに引用により援用する。さらに、サーモスタット202を同様に用いて、取付けられた環境管理システムがたとえばサーモスタット202によって動作可能および制御可能であるかどうかを判断してもよい。たとえば、サーモスタット202は、構造物を冷房するよう、取付けられた冷房システムを制御するよう試みてもよい。サーモスタット202の温度センサが、その後、低下する外部温度などのような要因の結果ではなさそうな内部温度の低減を測定する場合には、サーモスタット202は、取付けられた冷房システムは動作可能および制御可能であると推定してもよい。取付けられた環境管理システムが動作可能および制御可能であるかどうかを判断するための他の技術は、既に、米国連続番号13/038,191に開示されている。環境管理システムが設置され、動作可能であり、および制御可能であると判断される場合には、これは適格性に対して有利に働いてもよい。対照的に、環境管理システムが設置されず、動作可能でなく、制御可能でないと判断される場合には、これは適格性に対して不利に働いてもよい。
【0088】
動作704Dでは、十分なHVAC使用の履歴があるかどうかが判断される。たとえば、サーモスタット202は、HVAC203が少なくともある時間期間の間動作中であってサーモスタット202によって制御されたかどうかを判断してもよく、その時間期間の間における制御および関連の環境特性に関するデータが記録されたと判断してもよい。そのようなデータは、たとえば、(このあと動作704Fを参照して記載されるような)屋内温度、屋外温度、HVAC203によって消費されるエネルギの量を示す情報などのような、使用モデルを生成するよう用いられるデータを含んでもよい。履歴が十分であるかどうかは、履歴が、2%、5%、10%、それらの間の範囲、または2%未満であり10%より大きいパーセンテージなどのような、あるパーセンテージ内においてエネルギ消費を正確に予測する使用モデルを生成するのに十分であるかどうかに基づいて判断されてもよい。ある実施の形態では、1週間分のデータが十分であってもよく、1か月分のデータが十分であってもよく、1週間未満、1ヶ月以上、または1週間と1ヶ月との間の継続期間に対するデータ量が十分であってもよい。いくつかの場合では、データ蓄積のための時間期間は、スケジュール最適化に対する適格性を付与する要件が判断される時間、および/またはスケジュール最適化の実行が期待される時間に結びつけられてもよい。たとえば、データが適格性付与の直前の1週間の間蓄積されたかどうかが判断されてもよい。
【0089】
動作704Eにおいて、構造物において環境管理システム(たとえばHVAC)を制御する装置が無線通信能力を有するかどうかが判断される。たとえば、サーモスタット202は、リモートサーバ264および/またはエネルギ管理システム130と無線で通信する能力があるかどうかが判断されてもよい。そうである場合には、これは適格性に対して有利に働いてもよく、そうでない場合には、これは適格性に対して不利に働いてもよい。
【0090】
動作704Fにおいて、識別されたエネルギ消費者がスケジュール最適化プロセスに参加した結果として生じそうなエネルギ低減の量がしきい値を超えるかどうかが判断される。生じそうなエネルギ低減の量は、エネルギ消費者の元の設定点温度のスケジュール、期待される修正された設定点温度のスケジュール、所与の屋外温度に対して実際の屋内温度を達成するよう消費されるエネルギの量に関する推定値、天気予報、および/またはさまざまな追加的もしくは代替的要素などのような、ある数の要素を用いて判断されてもよい。
【0091】
1つの特定の実施の形態では、使用推定部が、HVACシステムによって消費されるエネルギの量を推定して、特定の屋内温度を達成するか、または所与の屋外温度に対して特定の設定点温度に従って制御されてもよい。たとえば、時間に亘ってHVACによって消費されるエネルギは、構造物と関連付けられる屋内(実際の温度または設定点温度)および屋外温度とともに記録されてもよい。直線または曲線を、結果として得られたデータに当てはめて、特定の温度設定点スケジュールおよび天気予報を与えられるとして、後でエネルギ消費を推定するための使用モデルを形成してもよい。いくつかの実施の形態では、線形モデルを実現し、それによって、HVACランタイムは、第1の定数×目標屋内温度+第2の定数×屋外温度+第3の定数と等しく、任意の所与の日に対して、HVACランタイムはHVACシステムが作動された状態(たとえば暖房オン、空調システムオンなど)にあるよう指令される合計時間であり、目標屋内温度は、時間正規化された室内温度設定点であり、屋外温度は、その日に関する平均の外部温度である。ある実施の形態では、使用モデルは、現在の正確なモデルを有するよう、周期的または継続的に生成および更新されてもよい。モデルは、装置それ自体によって、たとえばサーモスタット202によって、またはスマートホーム環境の他の装置(たとえばハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置206、壁照明スイッチ208、壁プラグインターフェイス210、機器212、アクセス装置266、もしくは識別されたエネルギ消費者に関連付けられる他の電子装置)、またはそのようなモデルを生成するよう用いられる情報(たとえば天気予報、エネルギ使用、屋内温度など)が得られるかもしくはそうでなければモデルを生成する装置に通信されてもよいシステム100の他の要素(たとえばエネルギ管理システム130、ユーティリティプロバイダコンピューティングシステム120など)によって生成されてもよい。
【0092】
一旦使用モデルが生成されると、エネルギ消費者の元の設定点温度のスケジュールを、設定点温度のスケジュールと同様の継続期間中に対する天候を予報する天気予報とともに、使用モデルに適用して、仮に元の設定点温度のスケジュールが実現されると仮定して結果として生ずるであろう期待されるエネルギ消費の量を判断してもよい。最適化された設定点温度のスケジュールを、同じ天気予報とともに、次いで、同じ使用モデルに適用して、最適化された設定点温度のスケジュールが仮に実現されるとして結果として生ずるであろう期待されるエネルギ消費の量を判断してもよい。たとえば、上に記載される線形モデルの実施の形態においては、最適化されたスケジュールによって規定される温度設定点を目標屋内温度として用いてもよい。これら2つのエネルギ消費の量を次いで比較することにより、最適化された設定点温度のスケジュールが仮に実現されるとしてエネルギ節約が結果として生じそうであろうかどうか、およびそれはどれだけの量であるかを判断して、期待されるエネルギ節約に関する表示を与えてもよい。この期待されるエネルギ節約の表示は、エネルギ低減のパーセンテージ、エネルギ低減の絶対量、エネルギ低減の財政的価値、または何らかの他の形式で表現されてもよく、所望のエネルギ節約を示す値と比較されてもよい。期待されるエネルギ節約が所望されるエネルギ節約と等しいかまたはそれを超える場合には、これは適格性に対して有利に働いてもよい。対照的に、期待されるエネルギ節約が所望のエネルギ節約未満である場合には、これは適格性に対して不利に働いてもよい。
【0093】
動作704Gにおいて、元の設定点温度のスケジュールは最小数の設定点を含むかどうかが判断される。たとえば、1週間などのような所与の継続期間について、設定点を、日単位、時単位、分単位またはそれらの間の何らかの間隔(たとえば1pm、7pmおよび8pmにおいてなど)で規定してもよい。それらは規則的間隔または不規則的間隔に亘って規定されてもよい。1週間などのような所与の期間に対して規定される設定点の数を判断し、最小数と比較してもよい。規定される設定点の数が最小数と一致するかまたはそれを超える場合には、これは適格性に対して有利に働いてもよい。対照的に、規定される設定点の数が最小数未満である場合には、これは適格性に対して不利に働いてもよい。
【0094】
動作704Hでは、構造物において環境管理システム(たとえばHVAC)を制御する装置がユーザアカウントと対にされるかどうかが判断される。ユーザアカウントと対にされることによって、装置は、エネルギ管理システム130によって管理されるユーザアカウントと一意に関連付けられる。多くの場合では、装置は、構造物と関連付けられるエネルギ消費者によって作成されたアカウントと対にされる。アカウントは、エネルギ管理システム130によって管理されてもよく、1つ以上の遠隔電子装置(たとえばアクセス装置266)を用いて装置(たとえばサーモスタット202)の制御および監視に対するエネルギ消費者アクセスを与える。装置をユーザアカウントと対にするためのさまざまな技術は、さらに、2011年10月17日に提出された共通に譲渡された米国連続番号13/275,311(リファレンス番号NES0129−US)にさらに記載されており、その内容の全体をすべての目的のためにここに引用により援用する。構造物において環境管理システムを制御する装置がユーザアカウントと対にされる場合には、これは適格性に対して有利に働いてもよい。対照的に、構造物において環境管理システムを制御する装置がユーザアカウントと対にされない場合には、これは適格性に対して不利に働いてもよい。
【0095】
動作704Iにおいて、エネルギ消費者がスケジュール最適化プロセスに参加しそうであるかどうかが判断される。エネルギ消費者がスケジュール最適化プロセスに参加する見込みは、過去のスケジュール最適化プロセスにおけるエネルギ消費者による以前の参加レベル、エネルギ消費者のHVACスケジュール、構造物がDRイベント中に占有される見込み、エネルギ消費者の地理的位置、エネルギ消費者の富裕度のような、ある数の要素に基づいて判断されてもよい。エネルギ消費者がDRイベントに参加しそうである場合には、これは適格性に対して有利に働いてもよい。そうでなければ、これは適格性に対して不利に働いてもよい。
【0096】
動作704Jでは、エネルギ消費者に関連付けられる構造物が、ある所与の期間(たとえば1日)を通して少なくともあるパーセンテージの時間の間占有されていなさそうであるかどうかが判断される。構造物が占有されていなさそうかどうか判断する際には、占有確率プロファイルを生成するか、またはそうでなければ獲得してもよい。占有確率プロファイルは、構造物がさまざまな時間において占有される確率を示す。占有確率プロファイルは、サーモスタット202、ハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置206、壁照明スイッチ208、壁プラグインターフェイス210、機器212、アクセス装置266、または識別されたエネルギ消費者に関連付けられる他の電子装置のような、構造物に関連付けられる1つ以上の電子装置に組込まれる1つ以上の占有センサを用いて生成されてもよい。これらの装置の1つ以上によって検出された占有の履歴的記録を維持し用いて、占有確率プロファイルを展開してもよい。1つの特定の実施の形態では、その全体がここにすべての目的のために引用により援用される、共通に譲渡された米国連続番号13/632,070(リファレンス番号NES0234−US)において記載されるような占有確率プロファイルを展開するための技術を用いてもよい。占有確率プロファイルによって、構造物が何らかの期間の少なくともあるパーセンテージ(たとえば1日の30%)の間占有されていなさそうであることが示されるときには、そのような見込みは適格性に対して有利に働く。対照的に、占有確率プロファイルによって、構造物がある期間のあるパーセンテージの間占有されていそうであることが示される場合には、そのような見込みは適格性に対して不利に働く。
【0097】
図8に示される特定の動作は、エネルギ消費者が特定のスケジュール最適化プロセスにおける参加に対して適格性を付与されるかどうかを判断するよう、ある数の要素を分析するための特定のプロセスを与えることが理解されるべきである。
図8を参照して記載されるさまざまな動作は、ここに記載されるさまざまな電子装置またはコンポーネントのうちの1つ以上において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。たとえば、それらは、スマートホーム環境200、エネルギ管理システム130などにおける1つ以上の電子装置において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。他の動作のシーケンスが、代替的実施の形態に従って実行されてもよい。たとえば、この発明の代替的実施の形態は、上に概略を示された動作を、異なる順序で実行してもよい。さらに、
図8に示される個々の動作は、それら個々の動作に対して適切なさまざまなシーケンスで実行されてもよい複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定の適用例によっては、追加的な動作を追加するかまたは既存の動作を除去してもよい。当業者であれば、数多くの変形例、修正例、および代替例を認識し理解するであろう。
【0098】
ここで
図7に戻って、一旦、スケジュール最適化に対して適格である装置が識別されると、これらの装置に対する総計の期待されるエネルギ低減が動作706において判断されてもよい。期待されるエネルギ低減は、スケジュール最適化プロセスにおけるエネルギ消費者の完全な参加または部分的でさえある参加に基づいて判断されてもよい。完全な参加が推定される場合には、動作704Fを参照して記載される期待されるエネルギ節約は、識別されるすべての装置のすべてに対して判断および総計されてもよい。部分的な参加が推定される場合には、そのような期待されるエネルギ節約は何らかの要素によって低減されてもよい。たとえば、一実施の形態では、識別された装置がスケジュール最適化プロセスに完全に参加するという確率は、たとえば、履歴上の参加レベルに基づいて判断されてもよく、それを用いて、低減された期待されるエネルギ節約を判断してもよい。
【0099】
動作708において、期待されるエネルギ低減が所望の低減に等しいかどうかが判断される。そうである場合には、処理は動作710に続いて、識別された装置の設定点温度のスケジュールを最適化してもよい。そうでなければ処理は動作712に続いて、適格性要件を修正してもよい。そのような修正は、たとえば、期待される低減が所望の低減未満である場合に、適格性に対する要件を減少させる(たとえば要件の数を低減する、またはより多い要件を規定するパラメータを低減することなど)を含んでもよい。そのような修正は、さらに、または代替的に、たとえば、期待される低減が所望の低減より大きい場合に適格性に対する要件を増大させることを含んでもよい。適格性に対する要件を変更した結果、スケジュール最適化に対して識別される装置の数は変化してもよく、したがって、エネルギにおける期待される低減も同様となる。
【0100】
図7に示される具体的な動作は、ある実施の形態に従ってスケジュール最適化プロセスを実現および管理するための特定のプロセスを与えることが理解されるべきである。
図7を参照して記載されるさまざまな動作は、ここに記載されるさまざまな電子装置またはコンポーネントのうちの1つ以上において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。たとえば、それらは、スマートホーム環境200、エネルギ管理システム130などにおける1つ以上の電子装置において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。他の動作のシーケンスが、代替的実施の形態に従って実行されてもよい。たとえば、この発明の代替的実施の形態は、上に概略を示された動作を、異なる順序で実行してもよい。さらに、
図7に示される個々の動作は、それら個々の動作に対して適切なさまざまなシーケンスで実行されてもよい複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定の適用例によっては、追加的な動作を追加するかまたは既存の動作を除去してもよい。たとえば、ある実施の形態においては、期待されるエネルギ低減が所望のエネルギ低減と一致するかまたはそれを超えると判断される場合には、処理は動作710に続いて、識別された装置のスケジュールを最適化してもよい。当業者であれば、数多くの変形例、修正例および代替例を認識および理解するであろう。
【0101】
ここに記載されるさまざまな実施の形態は、任意のタイプの設定点最適化プロセスが着手される前、着手されている間、および/または着手された後に、エネルギ消費者の要望が求められてもよいという点において、スケジュール最適化の文脈においてエネルギ消費者による卓越したレベルのHVAC制御を有利に与える。そのような要望は、たとえば、任意の設定点最適化プロセスを実行する前にエネルギ消費者の入力を求めて、エネルギ消費者がそのようなプロセスを予約することにさえ興味があるかどうかを判断することによって明確に認識され、それによって従われてもよい。別の例としては、エネルギ消費者からの入力を、設定点最適化プロセス中またはその後に求めて、エネルギ消費者が、任意の最適化されたスケジュールを保持したいか、最適化プロセスで継続したいか、またはそうでなければ彼らの元の設定点温度のスケジュールに戻りたいかどうかを判断してもよい。そのような態様においては、エネルギ消費者は、スケジュール最適化プロセスの前、間および後においてHVACシステム制御のさまざまなレベルで権限を与えられ、それによって、個々のエネルギ節約のみならずエネルギ消費者の団体による総計のエネルギ消費における大きな低減を与えてもよいそのような最適化プロセスにエネルギ消費者が参加するのを禁止するのを低減する。
【0102】
図9は、ある実施の形態に従ってスケジュール最適化プロセスを生成、提示、および実現するためのプロセス800を示す。理解を促すため、プロセス800は
図1、
図2、
図8および
図12Aを参照して記載されるが、プロセス800の実施の形態は
図1、
図2、
図8および
図12Aを参照して記載される例示的システムおよび装置に限定されないことが理解されるべきである。
【0103】
動作802において、元の設定点温度のスケジュールが生成される。スケジュールはさまざまな態様のうちの1つ以上によって生成されてもよい。たとえば、スケジュールは、サーモスタット202のユーザによって設定されてもよく、サーモスタット202のユーザインターフェイス、アクセス装置266、および/またはスマートホーム環境200の他のコンピューティング装置を介して、サーモスタット202における記憶のために入力されてもよい。スケジュールは、サーモスタット202それ自体のようなスマートホーム環境200のエンティティによって、サーモスタット202に関連付けられる構造物の居住者の傾向および好みを学習することによって生成されてもよい。元のスケジュールは、リモートサーバ264、エネルギ管理システム130またはシステム100の他のエンティティなどのような、スマートホーム環境200以外のシステム100のエンティティによって生成され、サーモスタット202の設置前にサーモスタット202において予めプログラミングされるか、または設置後にサーモスタット202に通信されてもよい。ある実施の形態では、元の設定点温度のスケジュールは、上記のうちの1つ以上の組合せに基づいて生成されてもよい。たとえば、元のスケジュールは、初期にエネルギ消費者によって規定されてもよく、後で学習を介して調整されてもよい。
【0104】
説明の目的のため、簡単に
図12Aを参照して、
図12Aは、ある実施の形態に従って元の設定点温度のスケジュール900を示す。設定点温度のスケジュールは、1日のうちの特定の時間(たとえば1400hrs)において特定の所望の屋内温度(たとえば73°F)を示す、ある数の個々にスケジューリングされた設定点温度902を含む。所与の期間(たとえば1日)に対して任意の数の個々の設定点温度902があってもよく、それらは、その所与の期間に対して、屋内温度制御軌跡904を規定する。設定点温度は、規則的な間隔(たとえば15分毎、30分毎、60分毎など)または不規則な間隔で(たとえば1400hrsで、1600hrsで、1700hrsで、および1800hrsでなど)規定されてもよい。1つの特定の実施の形態では、ある設定点温度のスケジュールは1週間の曜日毎に規定されてもよく、任意の1つの所与の曜日に対する同じ設定点温度のスケジュールがその曜日に対して持続的に繰返される。たとえば、あるスケジュールが月曜日に対して規定されてもよく、次いで、そのスケジュールを用いて、すべての月曜日に対してHVACシステムを制御してもよい。実施の形態は、しかしながら、そのようには限定されず、なぜならばスケジュールは他の時間間隔に対して規定されてもよく(たとえば月曜日から金曜日に対して1つのスケジュール、土曜日および日曜日に対して1つのスケジュールなど)、および繰返されても繰返されなくてもよいからである。
【0105】
ここで
図9に戻って、一旦、元の設定点温度のスケジュールが生成されると、処理は動作804に続いてもよい。動作804では、使用モデルが生成される。使用モデルは、動作704Fを参照して先に記載されたように生成されてもよく、ある実施の形態では、エネルギ消費者がスケジュール最適化プロセスに対して適格であるかどうかを判断する目的で生成されてもよい。
【0106】
動作806では、最適化通知が受信されるかどうかが判断される。たとえば、ある実施の形態では、最適化通知はリモートサーバ264からサーモスタット202に通信されてもよい。そのような通知は、どのぐらいの間最適化プロセスが続くか、最適化において、各曜日または各週毎に、何度の温度変化が元の設定点温度のスケジュールに適用されるべきか、元の設定点温度のスケジュールをどのようにサブ間隔に分割してもよいか、設定点温度を各サブ間隔毎にどのように変化させるべきかなどのような、最適化プロセスのパラメータを含んでもよい。ある場合では、そのようなパラメータは、サーモスタットに予め記憶されてもよく、またはサーモスタット202に予め通信されてもよく、通知は、サーモスタット202に対して、スケジュール最適化プロセスまたはそのようなスケジュール最適化に先んじる適格性付与プロセスを開始するよう命令してもよい。最適化通知が受信されない場合には、プロセスは動作808に続いて、HVACシステムを元の設定点温度のスケジュールに従って制御してもよい。そうでない場合には、処理は動作810に続いてもよい。
【0107】
動作810では、適格性要件が満たされるかどうかが判断される。たとえば、
図8を参照して、記載されるように、サーモスタット202は、さまざまな適格性要素の1つ以上が満たされるかどうかを判断してもよい。適格性要素が満たされない場合には、処理は動作808に戻って、HVACシステムは元の設定点温度のスケジュールに従って制御されてもよい。そうでない場合には、処理は動作812に続いてもよい。
【0108】
動作812では、スケジュール最適化を実行するオプションがエネルギ消費者に対して提示される。たとえば、サーモスタット202(またはアクセス装置266のようなスマートホーム環境200の他の要素)は、スマートホーム環境200に関連付けられる居住者に対して、スケジュール最適化を実行するオプションを表示するかまたはそうでなければ通信してもよい。ある実施の形態では、そのようなオプションを通信することに加えて、スケジュール最適化処理、処理がどれくらいかかるかが期待されるか、処理の結果期待されるエネルギ節約、またはエネルギ消費者がスケジュール最適化を実行するかどうかを判断するのを支援する際にエネルギ消費者にとって価値があってもよい他の情報を記載する、追加的な情報が、同様に、エネルギ消費者に通信されてもよい。
【0109】
動作814では、ユーザがスケジュール最適化を実行するオプションを受入れるかどうかが判断される。そうでない場合には、処理は動作808に戻り、HVACシステムは元の設定点温度のスケジュールに従って制御されてもよい。そうでない場合には、処理は動作816に続いてもよい。ユーザは、スケジュール最適化をさまざまな態様のうちの任意の1つ以上で実行するようオプションの受入を示してもよい。たとえば、ユーザは、サーモスタット202の入力/出力要素(またはアクセス装置266などのようなスマートホーム環境200の他の要素)を操作してもよい。ある実施の形態では、エネルギ消費者は、「今ではない」または「後で思い出させて」オプションを選択することにより、そのような判断をなすことを遅らせてもよく、その場合には、スケジュール最適化を実行するオプションは、少なくとも一時的に保留されるか、またはそうでなければサーモスタット202もしくはエネルギ消費者に関連付けられる他の電子装置上における異なるメニューオプションに委託されてもよい。
【0110】
動作816において、元の設定点温度のスケジュールが最適化される。スケジュールは、元の設定点温度のスケジュールが仮に維持されるかまたはそうでなければ実現されると仮定して消費されるエネルギの量と比較してHVACシステムによって消費されるエネルギの量を低減するよう最適化されてもよい。これは、たとえば、HVACシステムが暖房モードにある場合に元のスケジュールの設定点温度を低減することによって、またはHVACシステムが冷房モードにある場合に元のスケジュールの設定点温度を増大させることによって、またはそれらの何らかの組合せを実行することによって、なされてもよい。
【0111】
ある実施の形態では、スケジュールは、エネルギ消費の低減以外の目的のために、またはそれに加えて最適化されてもよい。たとえば、元のスケジュールの最適化は、(1)使用時間価格付けが考慮される最適なドル費用節約に向かって移行する;(2)日光節約時間の1時間の時間シフトの結果の影響(つまり即時の設定点調整)を徐々に低減するよう移行する;(3)構造物の居住者に対して増大された健康上の恩恵を与えるスケジュール(たとえば居住者に対してより早く床に就くよう、より早く起床するよう促すスケジュールなど)に移行する;(4)「月曜日の夜のフットボール」スケジュールに向かって移行する(たとえば、フットボールシーズンの3週間前に亘って、就寝温度設定点は月曜日の夜の通常の10PMの時間から月曜の夜の1AMにゆっくりと移行してもよく;次いで、フットボールシーズンが終わった後は、3週間の期間に亘って月曜日の夜は10PMに徐々に移行して戻る)ようになされてもよい。
【0112】
換言すれば、元のスケジュールの最適化は、スケジュールにおける1つ以上の設定点に対する「垂直」シフト(つまり増大または減少された温度設定)、および/またはスケジュールにおける1つ以上の設定点に対する「水平」シフト(つまり増大または減少された時間設定)を含んでもよい。多くの実施の形態では、元のスケジュールの最適化は、元のスケジュールから最適化されたスケジュールへのゆっくりとした移行である。この移行は、スケジュールの設定点温度が最適化期間の過程に亘って、小さな、気づかれない量だけ調整されるかまたは他の態様でオフセットされるという点において、遅い。各調整(またはオフセット)は、それが典型的には人体によっては検出不可能である温度または時間の大きさを有するという点において、気づかれ得ない。たとえば、各調整は何分の1かの度合(たとえば1/100°F、1/50°F、1/20°F、1/10°F、1/7°F、1/4°F、1/2°F、これらの分数値のうちの任意のものの間の範囲において、または1/100°F未満もしくは1/2°Fより大きい分数値の)および/または1時間の何分の1か(たとえば1分、5分、10分、15分、30分、45分、これらの分数値のうちの任意のものの間の範囲で、または1分未満もしくは45分より大きい分数値の)であってもよい。各個々の調整は人体に気づかれないようであってもよく、任意の最適な結果(たとえばエネルギ節約における気付き得る低減)それ自体を達成しなくてもよい一方で、最適化期間の過程に亘る総計の調整は、居住者にとって気付き得る不快のレベルを形成することなく(またはある場合には、新たな最適なスケジュールに対して受入可能であるよう居住者を条件付けることなく)最適な結果(たとえばエネルギ節約における気付き得る低減)を実際に達成してもよい。
【0113】
ある実施の形態では、元の設定点温度のスケジュールの最適化はユーザフィードバックに応答してもよい。たとえば、最適化期間中、元のスケジュールはゆっくりと漸増的に調整されている一方で、エネルギ消費者は、変更が元のスケジュールに対してなされていることに応答してもよい。エネルギ消費者からのフィードバックは肯定的または否定的のいずれかであり得る。それは、フィードバックが元のスケジュールから最適なスケジュールへの移行の受入または奨励を示すことにおいて、肯定的であってもよい。たとえば、あるスケジュールが設定点温度を低減するよう調整されている場合には、フィードバックは、最適化プロセスによってなされている調整と比較して温度設定点の増大された低減を示してもよい。代替的に、フィードバックは、それが元のスケジュールから最適なスケジュールへの移行の拒絶または非奨励を示すことにおいて、否定的であってもよい。たとえば、あるスケジュールが温度設定点を低減するよう調整されている場合には、フィードバックは、最適化プロセスによってなされている調整と比較して温度設定点の減少された低減を示してもよい。
【0114】
元のスケジュールの最適化は、フィードバックが肯定的であるかまたは否定的であるかによって、ユーザフィードバックに応答してもよい。フィードバックが肯定的である場合には、最適化はフィードバックを無視してもよく、またはある実施の形態においては、変化率(たとえば各調整のサイズ)を増大させ、および/もしくは元のスケジューリングされた設定点温度と最適な設定点温度との間の差を増大させてもよい。対照的に、フィードバックが否定的である場合には、最適化はフィードバックを無視し、最適化を全く取消し、またはある実施の形態においては、変化率を減少させ、および/もしくは元のスケジューリングされた設定点温度と最適な設定点温度との間の差を減少させてもよい。
【0115】
一旦元の設定点温度のスケジュールが最適化されると、処理は動作818に続き、ユーザは、新たな最適化された設定点温度のスケジュールを保持することを望むかどうかを尋ねられてもよい。ある実施の形態では、このオプションは、一旦最適化プロセスが完了すると(つまり、ユーザフィードバックを考慮するか、またはユーザフィードバックを考慮せずに、元のスケジュールが最適なスケジュールに移行すると)、ユーザに対して提示されてもよい。他の実施の形態では、このオプションは、さらに、または代替的に、ユーザが最適化を停止させる要望を示した場合に(たとえばユーザが何らかの否定的なフィードバックを示した場合に)ユーザに対して提示されてもよい。1つの特定の実施の形態では、新たな最適なスケジュールを保持するオプションは、ユーザに対して、サーモスタット202、アクセス装置266、またはスマートホーム環境200の他の電子装置を介して提示またはそうでなければ通信されてもよい。ユーザが、たとえばサーモスタット202の入力/出力インターフェイスを介して、新たなスケジュールを保持することを希望しない旨を示す場合には、処理は動作808に戻って、HVACは元の設定点温度のスケジュールに従って制御されてもよい。そうでなければ、処理は動作820に続いて、HVACは新たな、最適な設定点温度のスケジュールに従って制御されてもよい。
【0116】
図9に示される具体的な動作は、ある実施の形態に従ってスケジュール最適化プロセスを生成、提示および実現するための特定のプロセスを与えることが理解されるべきである。
図9を参照して記載されるさまざまな動作は、ここに記載されるさまざまな電子装置またはコンポーネントのうちの1つ以上において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。たとえば、それらは、スマートホーム環境200、エネルギ管理システム130などにおける1つ以上の電子装置において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。他の動作のシーケンスが、代替的実施の形態に従って実行されてもよい。たとえば、この発明の代替的実施の形態は、上に概略を示された動作を、異なる順序で実行してもよい。さらに、
図9に示される個々の動作は、それら個々の動作に対して適切なさまざまなシーケンスで実行されてもよい複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定の適用例によっては、追加的な動作を追加するかまたは既存の動作を除去してもよい。たとえば、ある実施の形態においては、適格性付与は、最適化通知がサーモスタットに通信される前に実行されてもよい。たとえば、サーモスタットは、初めにそれが適格性要件を満たすかどうかを判断し、次いで、最適化要求を受信しそれに応答してもよい。加えて、または代替的に、リモートサーバは、特定のサーモスタットが適格性要件を満たすかどうかを判断してもよい。そうである場合には、それは、エネルギ消費者に対する提示のために最適化通知を通信してもよい。そうでなければ、それは、サーモスタットに対して最適化通知を通信することさえしなくてもよい。
【0117】
ここで
図10を参照して、
図10は、第1の実施の形態に従って(たとえば動作816を参照して記載されるように)元の設定点温度のスケジュールを最適化するためのプロセスを示す。理解を促すため、プロセス816は
図1、
図2および
図9を参照して記載されるが、プロセス800の実施の形態は
図1、
図2および
図9を参照して記載される例示的システムおよび装置に限定されないことが理解されるべきである。
【0118】
動作816Aにおいて、元の設定点温度のスケジュールが識別される。たとえば、サーモスタット202のプロセッサは、サーモスタット202の記憶素子に記憶される設定点温度のスケジュールを読出してもよい。動作816Bにおいて、元の設定点温度のスケジュールが漸増的に調整される。元の設定点温度のスケジュールによって規定される温度制御軌跡を漸増的に修正して、何らかの新たな、最適な設定点温度のスケジュールに達してもよく、その新たなスケジュールは、エネルギ低減、コスト低減などの点において最適であってもよい。温度制御軌跡を修正することにおいて、元の設定点温度のスケジュールに存在する設定点温度が修正されてもよい(たとえば温度または時間においてシフトされてもよい)。ある場合では、新たな設定点温度が、温度制御軌跡に対して規定され、その後調整されてもよい。たとえば、ある場合では、元の設定点温度のスケジュールは、時間において、どのような設定点温度も明示的に規定されない大きなギャップを含んでもよい。そのような場合では、それらのギャップは、それらのギャップ内において新たな設定点温度を追加することによって満たされてもよく、新たな設定点温度は、たとえば、近接する、予め規定された設定点温度の補間に基づいて規定されてもよい。
【0119】
動作816Cにおいて、HVACは、漸増的に調整される設定点スケジュールに従って制御される。たとえば、最適化期間(たとえば1週間)中の第1の周期的な時間間隔(たとえば第1の日)の始まりで、元のスケジュールを調整してもよい。HVACシステムは、次いで、第1の周期的な時間間隔に対するその調整されたスケジュールに従って制御される。第2の周期的な時間間隔(たとえば第2の日)の始まりで、先の周期的な時間間隔(たとえば第1の日)に適用されたスケジュールを調整してもよい(または等価的に、元のスケジュールを調整してもよいが、ただし、第1の日の間になされた調整および第2の日に対してなされている調整の両方を考慮する、より大きな程度まで調整してもよい)。HVACシステムは、次いで、第2の周期的な時間間隔に対して、新たに調整されたスケジュールに従って制御される。漸増的調整は、(たとえば1日、2日、3日、半日、半日より短い期間、3日より長い期間、半日と3日との間の期間など)任意の好適な時間期間の連なりの各々毎に適用されてもよく、単一の調整に対する各個々の時間期間は全体の最適化時間期間と比較して短い(たとえば個々の時間期間は1日であってもよく、全体的な最適化時間期間は1週間または1週間より長い期間であってもよい)。
【0120】
動作816Dでは、現在の設定点またはスケジューリングされた設定点に対するユーザ変更が受信されるかどうかが判断される。先に記載されたように、構造物内の温度を既存の設定点温度に即時に変更させる要望を反映する、その設定点温度に対する変更は、「即時設定点温度」または「現在の設定点温度」に対する変更と称される。ユーザは、現在の設定点温度を変更する要望を、さまざまな態様のうちの任意の1つ以上において示してもよい。たとえば、ユーザは、サーモスタット202のリングを回転させるか、またはアクセス装置266で同様の動作をシミュレーションしてもよい。同様に先に記載されるように、これは、設定点温度が構造物内における未来の温度に対する要望を反映してもよい、時間単位、日単位、週単位、月単位、または他のスケジュールにおいて与えられてもよい設定点温度に対してなされる変更とは対照的であり、そのような設定点温度は「スケジューリングされた設定点温度」または「設定点温度のスケジュール」と称される。ユーザは、設定点温度のスケジュールによって規定される1つ以上の設定点温度を変更する要望を、同様にさまざまな態様において示してもよい。たとえば、サーモスタット202のリングを介して、ユーザは、スケジューリングメニューにアクセスして、設定点温度のスケジュールを閲覧し、および/または変更してもよい。ユーザは、アクセス装置266で同様の動作をシミュレーションしてもよい。
【0121】
現在の設定点またはスケジューリングされた設定点に対するユーザ変更が受信される場合には、処理は動作816Eに続き、設定点温度のHVAC制御および/またはスケジュールが修正されてもよい。ある実施の形態では、現在の設定点温度に対してなされる変更は、サーモスタットによって即時に辿られ、またはそうでなければ厳守されてもよい。たとえば、現在の設定点温度に対するユーザ変更を受信することに応答して、サーモスタット202は、構造物の屋内温度を、(最適化プロセスによって規定される設定点とは対照的に)ユーザ変更によって規定される現在の設定点温度に到達させる試みにおいて、HVACシステムを制御してもよい。現在の設定点温度に対してなされるそのような変更は、さらに、動作816Bに従って、スケジューリングされた設定点に対して後の調整をなす際に考慮されてもよい。これらの変更はユーザ変更が肯定的または否定的フィードバックを示すかどうかに基づいてもよい。たとえば、ユーザ変更が肯定的なフィードバックを示す場合には、変化率(つまり1つ以上の後の調整のサイズ)を増大させてもよく、および/または元のスケジューリングされた設定点温度と最適な設定点温度との間の差を増大させてもよい。他方、ユーザ変更が否定的なフィードバックを示す場合には、変化率(つまり1つ以上の後の調整のサイズ)を減少させてもよく、および/または元のスケジューリングされた設定点温度と最適な設定点温度との差を減少させてもよい。
【0122】
少なくとも1つの実施の形態では、スケジューリングされた設定点に対してなされる変更は、現在の設定点温度に対してなされる変更とは異なるように応答されてもよい。たとえば、ユーザがスケジューリングされた設定点に変更をなす(たとえば温度を70°Fから72°Fに増大させる)一実施の形態では、動作816Bにおける後の調整は、先にスケジューリングされた設定点温度(たとえば70°F)に対してはなされないことになり、調整は新たにスケジューリングされた設定点温度(たとえば72°F)に対してなされることになる。したがって、スケジューリングされた設定点に対するユーザ変更は、元の設定点温度のスケジュールの、漸増的に調整されたバージョンに組込まれてもよい。さらに、ある実施の形態では、新たにスケジューリングされた設定点温度に対してなされる後の調整は、先に記載された修正例と同様に、ユーザフィードバックが肯定的であるかまたは否定的であるかに基づいて修正されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、修正のサイズは、同様の現在の設定点温度変更に対してよりも、スケジュール変更に対しての方がより大きくあってもよい。
【0123】
各特定の周期的な時間間隔中において、ユーザ変更が全く受信されず、そして周期的な時間間隔の終わりに到達したと判断される場合には、処理は動作816Fに続いてもよい。動作816Fでは、最適化が完了しているかどうかが判断される。たとえば、サーモスタット202は、最適化時間期間の終わりに達したかどうかを判断してもよい。そうでない場合には、処理は動作816Bに戻り、設定点スケジュールを漸増的に調整してもよい。そうでない場合には、スケジュール最適化は完了しているとみなされてもよい。
【0124】
図10に示される具体的な動作は、ある実施の形態に従って元の設定点温度のスケジュールを最適化するための特定のプロセスを提供することが理解されるべきである。
図10を参照して記載されるさまざまな動作は、ここに記載されるさまざまな電子装置またはコンポーネントのうちの1つ以上において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。たとえば、それらは、スマートホーム環境200、エネルギ管理システム130などにおける1つ以上の電子装置において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。他の動作のシーケンスが、代替的実施の形態に従って実行されてもよい。たとえば、この発明の代替的実施の形態は、上に概略を示された動作を、異なる順序で実行してもよい。さらに、
図10に示される個々の動作は、それら個々の動作に対して適切なさまざまなシーケンスで実行されてもよい複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定の適用例によっては、追加的な動作を追加するかまたは既存の動作を除去してもよい。
【0126】
動作816AAにおいて、元の設定点温度のスケジュールが識別される。この動作は動作816Aと同様である。そのような元のスケジュールは、たとえば、
図12Aを参照して記載されるものと同様であってもよい。言及されるように、
図12Aは、ある実施の形態に従って元の設定点温度のスケジュールを示す。この例におけるスケジュールは、24時間の期間に亘って規定され、71°Fと73°Fとの間の範囲の屋内温度制御軌跡904を規定する。この特定のスケジュールにおいては、帰宅時間(1800hrs)、就寝時間(2300hrs)、起床時間(0600hrs)、および出発時間(0830hrs)を含む、さまざまなイベントが規定される。帰宅時間は、構造物が非占有(留守)状態から占有(在宅)状態に遷移する時間を示してもよい。就寝時間は、居住者が床に就くかまたは眠りに落ちる時間を示してもよい。起床時間は、居住者が床から出るかまたは目覚める時間を示してもよい。出発時間は、構造物が占有状態から非占有状態に遷移する時間を示してもよい。
【0127】
さまざまなイベントはさまざまな態様の1つ以上において規定されてもよい。たとえば、ユーザは、これらのイベント時間をサーモスタット202に(サーモスタット202、アクセス装置266、またはスマートホーム環境200の他の電子装置を介して)入力してもよい。他の例では、これらのイベント時間は、サーモスタット202において予め設定されるか、またはエネルギ管理システム130のような、ユーザ以外のエンティティからサーモスタット202に通信されてもよい。さらに別の例では、これらのイベント時間は、サーモスタット202(またはスマートホーム環境200の他の要素)によって判断されてもよい。たとえば、サーモスタット202は、構造物がさまざまな時間において占有される確率を示す占有確率プロファイルを生成してもよい。出発時間は、構造物が占有されない80%の見込みがある時間として識別されてもよい。帰宅時間は、構造物が占有される80%の見込みがある時間として識別されてもよい。具体的なパーセンテージは80%である必要はなく、むしろ、50%より大きい任意の値であり得、およびそれらは互いに対して同一である必要もなく、むしろ、それらは互いと異なっていてもよい。就寝イベントおよび起床イベントは、サーモスタット202によって、たとえば占有センサ、学習された設定点変更などを介して同様に判断されてもよい。したがって、イベントは静的であってもよく、またはそれらは、居住者の習慣および傾向が時間とともに進展するにつれ、時間とともに動的に変化してもよく、イベント、または設定点温度のスケジュールのサブ間隔は、したがって、少なくとも部分的に占有確率プロファイルに基づいてもよい。
【0128】
この結果、スケジュール最適化は、少なくとも部分的に、実時間占有レベルおよび/または占有確率に基づいてもよい。たとえば、エネルギ低減は、構造物が占有されないかまたは占有されないと期待されるときに、より積極的になされてもよく、構造物が占有されるかまたは占有されると期待されるときに、より積極的でなくなされてもよい。ある場合では、居住者の活動レベルがさらに判断されてもよく(つまり居住者が目覚めていそうか、または眠っていそうかを判断してもよく)、エネルギ低減は、高い活動レベル(たとえば居住者が目覚めている)と比較して低い活動レベル(たとえば居住者が眠っている)の間においての方がより積極的になされてもよい。活動レベルは、ユーザとサーモスタットとの対話のタイプおよび/または頻度、構造物における照明の状態、構造物内ネットワーク活性レベル、1日の時間などを含む、さまざまなタイプの情報のうちの1つ以上から判断されてもよい。占有レベルおよび活動レベルは、エネルギ消費における変化率および/または変化の大きさに影響を与えてもよいのみならず、エネルギ消費変更がスケジュール最適化期間を通してなされる時間にも影響してもよい。たとえば、高い占有レベルおよび/または活動レベルは、スケジュール最適化期間の早期において、またはさらにはスケジュール最適化期間中に亘ってエネルギ消費における変更をもたらしてもよく、一方、低い占有および/または活動レベルは、スケジュール最適化期間の後期においてエネルギ消費における変更をもたらしてもよい。
【0129】
図11Aに戻って、動作816BBにおいて、段階の数および各段階のパラメータが判断される。つまり、ある実施の形態においては、元のスケジュールの最適なスケジュールへの最適化は、1つ以上の段階において生じてもよい。各段階は、全体の最適化期間のほんの一部の間続いてもよい。たとえば、ある最適化期間は3週間の間続いてもよい。最適化期間は、ある数の独立した段階に分離されてもよい。たとえば、3週間の最適化期間は、1週間の継続期間を各々が有する3つの独立した段階に分割されてもよい。各段階中、元の温度設定点のスケジュール内における温度設定点の部分集合が調整されてもよい。部分集合は、互いから一意であってもよく、または重なってもよい。一旦ある段階が完了し、その段階に対応する温度設定点の部分集合が調整されると、後の段階が始まってもよい。後の段階に対応する温度設定点の部分集合は、次いで、第2の段階の継続期間に亘って調整されてもよい。ある場合では、先の段階に対応する温度設定点の部分集合が同時に調整されてもよい。
【0130】
たとえば、
図12A〜
図12Hは、実施の形態に従って3つのサブ間隔に分離されるスケジュールに対する3段階修正を含むスケジューリングされた設定点最適化プロセスに従う、元の設定点温度のスケジュールに対してなされる調整を示す。
図12A〜
図12Dは、第1の段階中において元のスケジュールに対してなされる漸増的な調整を示す。それらの調整は、元の温度設定点のスケジュールが規定される時間期間の第1のサブ間隔に対応する温度設定点の第1の部分集合に対してなされ、第1のサブ間隔は2330hrsと0530hrsとの間に延在する。この第1のサブ間隔に対する温度設定点は、一週間の間毎日1/7°Fだけオフセットされる(この場合、増大される)。たとえば、
図12Bは、その週の1日目に対して調整された屋内温度制御軌跡912を含む、調整されたスケジュール910を示す。
図12Cは、その週の2日目に対して調整された屋内温度制御軌跡922を含む、調整されたスケジュール920を示す。
図12Dは、その週の最後の日に対して調整された屋内温度制御軌跡932を含む、調整されたスケジュール930を示す。その結果、第1の週(または段階)の終わりで、2330hrsと0530hrsとの間に規定される温度設定点は、1°Fだけ増大される。
【0131】
図12E〜
図12Fは、第2の段階中において元のスケジュールに対してなされる漸増的な調整を示す。第1のサブ間隔に対する温度設定点に関して記載される調整は継続される。すなわち、第2の段階の過程、または第2の週の過程に亘って、第1のサブ間隔に対する温度設定点は、第2の週の間、再び、毎日、1/7°Fだけ増大させられる。さらに、調整が、0830hrと1730hrとの間に延在する第2のサブ間隔に対応する温度設定点の第2の部分集合に対してもなされ、温度設定点の第2の部分集合も、第2の週の間、毎日、1/7°Fだけ増大させられる。たとえば、
図12Eは、その週の1日目に対して調整された屋内温度制御軌跡942を含む、調整されたスケジュール940を示す。
図12Fは、その週の7日目に対して調整された屋内温度制御軌跡952を含む、調整されたスケジュール950を示す。第2の段階中においてなされた調整の結果、第2の段階または週の終わりで、第1のサブ間隔(つまり2330hrsと0530hrsとの間)に対して規定された温度設定点は、73°Fのそれらの元の設定点温度から75°Fの調整された設定点温度に2°Fだけ増大させられ、第2のサブ間隔(つまり0830hrsと1730hrsとの間)に対して規定された温度設定点は、73°Fのそれらの元の設定点温度から74°Fに1°Fだけ増大させられる。
【0132】
図12Gおよび
図12Hは、第3の段階中において元のスケジュールに対してなされる漸増的な調整を示す。第1および第2のサブ間隔に対する温度設定点に関して記載される調整は継続される。すなわち、第3の段階の過程、または第3の週の過程に亘って、第1および第2のサブ間隔に対する温度設定点は、第3の週の間、再び、毎日、1/7°Fだけ増大させられる。さらに、調整が、1730hrsと2330hrsとの間、および0530hrsと0830hrsとの間に延在する、第3のサブ間隔に対応する温度設定点の第3の部分集合に対してもなされ、温度設定点の第3の部分集合も、第3の週の間、毎日、1/7°Fだけ増大させられる。たとえば、
図12Gは、その週の1日目に対して調整された屋内温度制御軌跡962を含む、調整されたスケジュール960を示す。
図12Hは、その週の7日目に対して調整された屋内温度制御軌跡972を含む、調整されたスケジュール970を示す。第3の段階中においてなされた調整の結果、第3の段階または週の終わりで、第1のサブ間隔(つまり2330hrsと0530hrsとの間)に対して規定された温度設定点は、73°Fのそれらの元の設定点温度から76°Fの調整された設定点温度に3°Fだけ増大させられ、第2のサブ間隔(つまり0830hrsと1730hrsとの間)に対して規定された温度設定点は、73°Fのそれらの元の設定点温度から75°Fに2°Fだけ増大させられ、第3のサブ間隔(つまり1730hrsと2330hrsとの間、および0530hrsと0830hrsとの間)に対して規定された温度設定点は、それぞれ、71°Fおよび72°Fのそれらの元の設定点温度から72°Fおよび73°Fに、1°Fだけ増大させられる。
【0133】
図12A〜
図12Hを参照して記載される調整および設定点スケジュールは説明の目的のためにのみ示され、本記載の範囲はそのようには限定されないことが認識されるべきである。たとえば、調整は温度における増大として示されているが、調整は、さらに、または代替的に、温度における減少、設定点温度の時間における増大、または設定点温度の時間における減少を含んでもよい。別の例では、スケジュールは3つのサブ間隔に分離されるとして記載されているが、スケジュールはそれより多い、またはそれより少ないサブ間隔に分離されてもよい。別の例では、最適化プロセスは同じ数の段階およびスケジュールサブ間隔を有するとして記載されているが、これらは異なってもよい。別の例では、最適化プロセスは、各段階毎に同じ割合で温度設定点を増大させるとして記載されているが、それらは、複数の段階に亘って、またはさらには1つの段階内においてさえ、異なる割合で調整されてもよい。別の例では、最適化プロセスは温度設定点を各サブ間隔毎に同じ割合で増大させるとして記載されているが、それらは異なるサブ間隔に対して異なる割合で調整されてもよい。別の例では、最適化プロセスは各段階毎に同じサブ間隔を維持するとして記載されているが、サブ間隔のサイズ、位置および/または数は段階間で変動してもよい。別の例では、最適化プロセスは、居住者が目覚めているときと比べて、居住者が眠っているときに、より積極的にエネルギ消費を低減するとして記載されているが、他の実施の形態では、エネルギ消費は、居住者が眠っているときと比べて、居住者が目覚めているときの方が、より積極的に低減されてもよい。
【0134】
ある実施の形態では、サブ間隔は前述のユーザイベントを参照して規定されてもよいことも、認識されるべきである。たとえば、第1のサブ間隔は、就寝イベントまたはその後の起床イベントを参照して規定されてもよく、そうでなければ、居住者が眠っていそうな間隔を規定する。第2のサブ間隔は、出発イベントおよび帰宅イベントを参照して規定されてもよく、そうでなければ、構造物が占有されていなさそうな間隔を規定する。第3のサブ間隔は、帰宅イベントおよび就寝イベントを参照して、ならびに起床イベントおよび出発イベントを参照して規定されてもよく、そうでなければ、構造物が占有されておりかつ居住者が目覚めていそうである間の間隔を規定する。
【0135】
さらに、ある実施の形態では、調整の割合および/または全調整の大きさ(つまり元のスケジュールと最適なスケジュールとの間の差)を、前述のユーザイベントのうちの1つ以上に基づいて判断してもよいことがさらに認識されるべきである。たとえば、調整の割合および/または全調整の大きさは、構造物が、構造物が占有されていなさそうである間の期間と比較して、構造物が占有されていなさそうである間の期間に対しての方がより大きくてもよい。別の例として、調整の割合および/または全調整の大きさは、構造物の居住者が目覚めていそうである間の期間と比較して、構造物の居住者が眠っていそうである間の期間に対しての方がより大きくてもよい。
【0136】
ここで
図11Aに戻って、先に言及したように、動作810BBでは、段階の数および各段階のパラメータが判断される。たとえば、
図12A〜
図12Hを参照して記載されるように、段階の数は3つであってもよい。パラメータは、段階の継続期間(たとえば1週間)、段階の数(たとえば3つ)、各段階毎のサブ間隔のサイズ(たとえば2時間)および/もしくは位置(たとえば1750hrsで開始する)、段階に対する温度設定点の調整の割合(たとえば1/7°F)および/もしくはその段階に対して規定されるサブ間隔、ならびに/または他の特性のような、各段階の特性を規定してもよい。一旦段階の数および各段階のパラメータが判断されると、処理は動作816CCに進んで、第1の段階に対するスケジュール最適化が始まってもよい。
【0137】
動作816DDでは、1週間設定点スケジュール(または前述のパラメータによって規定される他の期間)がパラメータに従って修正される。たとえば、先に記載されたある実施の形態では、元の設定点温度のスケジュールは、1週間のような特定の期間に対する設定点温度を規定してもよい。そのスケジュール設定点の期間は、前述のパラメータに従って調整されてもよい。たとえば、
図12Aを参照して、スケジュール900は、月曜日などのような特定の日に対する設定点温度のスケジュールであってもよい。設定点温度の全スケジュールは、火曜日から金曜日までのような、1週間のうちの他の曜日に対して同一または同様の設定点温度のスケジュールを含んでもよい。全スケジュールは、さらに、土曜日および日曜日に対して、同一、同様、またはより頻繁には、かなり異なる、設定点温度のスケジュールを含んでもよい。この特定の実施の形態では、1週間全体に対する設定点温度のスケジュールは、段階パラメータに従って調整される。たとえば、
図12Bを参照して、元のスケジュール900は、調整されたスケジュール910を生成するよう調整されてもよい。調整されたスケジュール910は、第1のサブ間隔に対して規定される調整された屋内温度制御軌跡912を含み、このサブ間隔に亘る調整された屋内温度制御軌跡912は、同じサブ間隔に亘るもとの屋内温度制御軌跡904と比較して、1/7°Fだけ増大される。月曜日のような特定の日に対するスケジュールを調整することに加えて、調整は、火曜日から金曜日、土曜日および日曜日のような他の曜日に対するスケジュールに対して同様になされてもよい。ある場合においては、第1のサブ間隔は各曜日に対して同じであることになる。ユーザイベントが曜日間で変化する(たとえば起床イベントが月曜日から金曜日における6amから土曜日および日曜日における8amに変化する)ときのような、他の場合では、第1のサブ間隔は、スケジュールにおいて規定される曜日の少なくとも1つに対して異なることになる。同じサブ間隔(たとえば居住者が眠っている見込みの期間を表す第1のサブ間隔)は、1週間スケジュールを通して異なる時間期間に亘って規定されてもよいが、ある実施の形態では、同一の調整(たとえば1/7°F)がそのサブ間隔に対してなされてもよい。
【0138】
一旦1週間設定点スケジュールが修正されると、処理は動作816EEに続き、HVAC制御期間が始まってもよい。HVAC制御期間は、段階未満および全最適化期間未満の時間期間に対して規定されてもよい。たとえば、HVAC制御期間は1日であってもよい(それは、同様に、1日未満または1日より長くもあり得る)。したがって、HVACは、その1日について、調整されたスケジュール(たとえば調整されたスケジュール910)に従って制御されてもよい。HVAC制御期間中、ユーザ対話(たとえばサーモスタット202、アクセス装置266、またはスマートホーム環境200の他のコンピューティング装置を介する)が監視されてもよい。加えて、または代替的に、ユーザ以外のエンティティ、たとえばエネルギ管理システム130、リモートサーバ264、またはシステム100の他のエンティティによる対話が同様に監視されてもよい。そのような監視は、スケジューリングされた設定点温度に対するユーザ変更に対する監視、現在の設定点温度に対するユーザ変更に対する監視、スケジュール最適化を停止するユーザ指示に対する監視、段階パラメータに対する変更に対する監視などを含んでもよい。
【0139】
動作816FFにおいて、ユーザが現在の設定点温度を修正したかどうかが判断される。たとえば、サーモスタット202は、ユーザが、サーモスタット202において、またはアクセス装置266において、またはスマートホーム環境200の1つ以上の他のコンピューティング装置を介して、現在の設定点温度を修正したかどうかを判断してもよい。ユーザが現在の設定点温度を修正したと判断される場合には、次いで処理は動作816GGに続き、現在の設定点温度が調整され、すぐにサーモスタットによって従われるかまたはそうでなければサーモスタットによって厳守されてもよい。HVACシステムは、ユーザによって調整されるとおりの現在の設定点温度に従って無限に制御されなくてもよいことが認識されるべきである。そうではなく、ユーザによって調整される設定点温度はある時間期間の間従われてもよい。たとえば、ユーザによって調整される設定点温度が従われるのは、設定点温度のスケジュールにおいて規定される後の設定点に到達するまでであってもよく、その点において、HVACシステムは、その後の設定点に従って制御されることに戻ってもよい。
【0140】
動作816HHにおいて、修正がなされた時間、修正の大きさなどのような、修正に関する情報が記憶されてもよい。そのような情報は、たとえば、サーモスタット202の記憶素子において記憶されてもよい。一方、動作816FFにおいて、ユーザが現在の設定点温度を修正しなかったと判断される場合には、次いで、処理は動作816IIに続いてもよい。
【0141】
動作816IIでは、ユーザが、設定点温度のスケジュールにおいて規定される設定点温度の1つ以上を修正したかどうかが判断される。たとえば、サーモスタット202は、ユーザが、サーモスタット202、アクセス装置266、またはスマートホーム環境200の1つ以上の他のコンピューティング装置を介して、設定点温度のスケジュールに規定される設定点温度の1つ以上を修正したかどうかを判断してもよい。ユーザが設定点温度のスケジュールに規定される設定点温度の1つ以上を修正したと判断される場合には、次いで、処理は動作816JJに進んで、変更された設定点の時間、修正の大きさなどのような、修正に関する情報を、次いで、記憶してもよい。そのような情報は、たとえば、サーモスタット202の記憶素子において記憶されてもよい。他方、動作816IIにおいて、ユーザが設定点温度のスケジュールに規定される設定点温度の1つ以上を修正しなかったと判断される場合には、処理は動作816KKに続いてもよい。
【0142】
動作816KKでは、致命的な割込が生じるかどうかが判断される。致命的な割込は、スケジュール最適化を完了させる、スケジュール最適化における任意の割込であってもよい。これは、たとえば、ユーザがスケジュール最適化を停止する要望を示した結果であってもよい。たとえば、ユーザは、スケジュール最適化を停止するオプションを、サーモスタット202の入力/出力インターフェイス、アクセス装置266、および/またはスマートホーム環境200の他のコンピューティング装置を介して選択してもよい。致命的な割込が生ずる場合には、スケジュール最適化は終了してもよい。そうでなければ、処理は動作816LLに続いてもよい。
【0143】
動作816LLでは、制御期間が終わっているかどうかが判断される。たとえば、制御期間が1日である場合、サーモスタット202は、制御期間が、HVAC制御期間が始まってから約24時間後に終わっている、と判断してもよい。制御期間が終わっていない場合には、処理は動作816FFに戻り、監視を継続してもよい。そうでなければ、処理は動作816MMに続き、HVAC制御期間が終わっていると判断されてもよい。
【0144】
一旦、HVAC制御期間が終わっていると判断されると、処理は動作816NNに続いてもよい。動作816NNでは、現在の段階が終わっていると判断される。たとえば、第1の段階が1週間の長さである場合、サーモスタット202は、7つの制御期間が実行されるまでは現在の段階は終わっていない、と判断してもよい。
図12B〜
図12Dを簡単に参照して、
図12Bは、第1の段階の第1のHVAC制御期間に対する調整された屋内温度制御軌跡912を含む調整されたスケジュール910を示し、
図12Cは、第1の段階の第2のHVAC制御期間に対する調整された屋内温度制御軌跡922を含む調整されたスケジュール920を示し、
図12Dは、第1の段階の第7の制御期間に対する調整された屋内温度制御軌跡932を含む調整されたスケジュール930を示す。
【0145】
現在の段階が終わっていないと判断される場合には、処理は動作816DDに戻り、1週間設定点スケジュールを再び段階パラメータに従って修正してもよい。たとえば、
図12Bおよび
図12Cを参照して、調整された設定点スケジュール910があるHVAC制御期間(たとえば1日)に対して実現された後、設定点スケジュールは、再び、調整されたスケジュール920に示されるように調整されてもよい。新たな調整された設定点スケジュール920を、次いで、あるHVAC制御期間に対して実現してもよい。このプロセスは、新たな調整された設定点スケジュール930があるHVAC制御期間に対して実現されるまで繰返されてもよい。
【0146】
1週間設定点スケジュールを修正するよう戻る前に、直近の制御期間中にユーザ修正があったかどうかが判断されてもよい。つまり、動作816NNにおいて、現在の段階が終わっていないと判断される場合には、処理は動作816OOに続き、ちょうど終了したHVAC制御期間中にユーザ修正があったかどうかが判断されてもよい。ユーザ修正は、たとえば、現在の設定点に対する修正および/またはスケジューリングされた設定点に対する修正を含んでもよい。ユーザ修正がなかったと判断される場合には、処理は動作816DDに戻り、1週間設定点スケジュールが段階パラメータに従って調整されてもよい。しかしながら、ユーザ修正があったと判断される場合には、処理は動作816PPに続いてもよい。
【0147】
動作816PPでは、1週間設定点スケジュールが段階パラメータおよびユーザ修正の両方に従って修正される。たとえば、ユーザ修正が肯定的なフィードバックを示す場合、変化率(つまり1つ以上の後の調整のサイズ)は(たとえば1/7°Fから1/5°Fに)増大されてもよく、および/または元のスケジューリングされた設定点温度と最適な設定点温度との間の差は(たとえば1°Fから2°Fに)増大されてもよい。他方、ユーザ変更が否定的なフィードバックを示すものである場合には、変化率(つまり1つ以上の後の調整のサイズ)は(たとえば1/7°から1/14°Fに)減少されてもよく、および/または元のスケジューリングされた設定点温度と最適な設定点温度との間の差は(たとえば1°Fから0.5°Fに)減少されてもよい。
【0148】
図13Aおよび
図13Bを手短に参照して、
図13Aは、ある実施の形態に従って、どのようなユーザ修正も伴わない、3段階スケジュール最適化に対する、時間に亘っての漸増的スケジュール調整1000の大きさ(つまり温度オフセットの大きさ)を示す。第1の段階に対して、たとえば
図12A〜
図12Dを参照して記載される段階に対して、1週間段階の各曜日において、第1のサブ間隔に対するスケジューリングされた温度設定点が毎日1/7°Fだけ調整される(たとえば増大される)。第1の段階の直後に続く第2の段階中では、第1のサブ間隔に対するスケジューリングされた温度設定点が、再び、第2の段階の各曜日に対して1/7°Fだけ調整され、第2のサブ間隔に対するスケジューリングされた温度設定点が、第2の段階の各曜日に対して1/7°Fだけ調整される。次いで、第2の段階の直後に続く第3の段階中では、第1のサブ間隔および第2のサブ間隔の各々に対するスケジューリングされた温度設定点が、再び、第3の段階の各曜日に対して1/7°Fだけ調整され、第3のサブ間隔に対するスケジューリングされた温度設定点が第3の段階の各曜日に対して1/7°Fだけ調整される。
【0149】
図13Bは、ある実施の形態に従う、さまざまなユーザ修正を伴う、3段階スケジュール最適化に対する、時間に亘る漸増的スケジュール調整1050の大きさを示す。さまざまなユーザ修正は、否定的フィードバックおよび肯定的フィードバックの両方を示すユーザ修正を含み、それは、そのフィードバックの大きさに基づく、スケジュール調整に対する変動を含む。
【0150】
1つの特定の例では、段階1の5番目の日中におけるユーザ修正は否定的フィードバックを示すものである。たとえば、ユーザは、現在の設定点温度の温度を低減し、および/またはスケジューリングされた設定点温度の温度を低減してもよい。ある場合では、現在の設定点温度に対する低減は第1のサブ間隔中に実行されてもよく、一方、他の場合では、低減は第1のサブ間隔以外のサブ間隔中に実行されてもよい。同様に、ある場合では、スケジューリングされた設定点温度の温度に対する低減は、第1のサブ間隔内において規定されるスケジューリングされた設定点温度の温度に対する低減であってもよく、一方、他の場合では、スケジューリングされた設定点温度の温度に対する低減は、第1のサブ間隔以外のサブ間隔において規定されるスケジューリングされた設定点温度の温度に対する低減であってもよい。いずれにしても、段階1の5番目の日中における否定的フィードバックの結果、段階1の6番目および7番目の日のような1つ以上の後の日に対する設定点調整は低減される。たとえば、段階1の6番目の日に対する設定点調整1052は、1/28°Fに設定され、1/7°Fには設定されない。
【0151】
ある実施の形態では、調整に対する変更の大きさはユーザ修正の数または大きさに関わらず固定されてもよい。たとえば、否定的なフィードバックを示す任意のユーザ修正の結果、スケジューリングされた設定点は1/7°Fではなく1/28°Fだけ調整されてもよい。他の実施の形態では、調整に対する変更の大きさは、先のHVAC制御期間中におけるユーザ修正の数、大きさ、および/またはタイプに基づいて判断されてもよい。たとえば、先のHVAC制御期間中におけるユーザ修正の数が増大するにつれ、調整に対する変更の大きさは増大されてもよい。別の例では、先のHVAC制御期間中におけるユーザ修正の大きさが増大するにつれ、調整に対する変更の大きさは増大されてもよい。さらに別の例では、変更の大きさは、現在の設定点温度に対するユーザ変更と比較して、スケジューリングされた設定点温度に対するユーザ変更に対してのほうがより大きくてもよい。
【0152】
ある実施の形態では、調整に対する変更の大きさは時間に亘って低下してもよい。たとえば、段階1の5番目の日の間における否定的なフィードバックを示すユーザ修正に応答して、段階1の6番目の日に対する設定点調整1052は、1/7°Fではなく1/28°Fに設定されてもよい。設定点調整を後の日に対して1/28°Fに設定される状態で保持する代わりに、1/7°Fの元の調整と1/28°Fの新たな調整との間の差が時間に亘って低減されてもよい。たとえば、設定点調整は、段階1の7番目の日に対しては1/21°Fに設定されてもよく(1054)、設定点調整は、段階2の1番目の日に対しては1/14°Fに設定されてもよく(1056)、その後、設定点調整は、段階2の2番目の日に対しては1/7°Fに戻る(1058)。
【0153】
ある実施の形態では、設定点調整に対する変更は、設定点温度からなる1つのサブ間隔に対して適用されてもよいだけでなく、設定点温度からなる複数のサブ間隔に対しても適用され得る。たとえば、段階2の5番目の日の間において、否定的なフィードバックを示すユーザ修正が受信されてもよい。ユーザ修正は、たとえば、設定点温度のスケジュールの第1のサブ間隔中に受信されてもよい。スケジュールの第1のサブ間隔に対する段階2の6番目の日に対する設定点調整1060の大きさを低減することに加えて、スケジュールの第2のサブ間隔に対する段階2の6番目の日に対する設定点調整1062の大きさも(同じ量または異なる量だけ)低減されてもよい(たとえばそれはより少なく低減されてもよい)。
【0154】
ある実施の形態では、設定点調整に対する変更は、設定点最適化プロセスに対して、1つ以上のサブ間隔内において設定点温度を調整することを停止させるように大きくてもよい。たとえば、段階3の2番目の日の間において、否定的なフィードバックを示すユーザ修正が受信されてもよい。ユーザ修正は、たとえば、設定点温度のスケジュールの第3のサブ間隔中に受信されてもよい。ユーザ修正の数、大きさまたはタイプは、非常に大きい(たとえば現在の設定点温度に対する3つ以上の修正、5°Fより大きい大きさを有する修正など)ので、そのサブ間隔に対する温度設定点は、段階および/または最適化期間の残りに対しては修正されなくてもよい。たとえば、段階3の2番目の日の間に受信されるユーザ修正がそのような特性を有する場合、スケジュールの第3のサブ間隔に対する段階3の3番目の日に対する設定点調整1064は、0に低減されてもよく、そのサブ間隔に対する後の設定点調整もそうであってもよい。
【0155】
先に言及したように、ユーザ修正は、否定的なフィードバックを示してもよいだけでなく、肯定的なフィードバックを示してもよい。たとえば、そのようなユーザ修正は、スケジュールの第1のサブ間隔に対する段階3の4番目の日に対して受信されてもよい。応答して、段階3の5番目の日に対する設定点調整1066は、1/7°Fではなく、1/4°Fに設定されてもよい。後の設定点調整は、
図13Bに示されるように同様に規定されてもよく、または否定的フィードバックのある例を参照して先に記載されたように低減されてもよい。
【0156】
ここで
図11Aおよび
図11Bに戻って、記載されるように、ユーザ修正が直近の制御期間中になされた場合には、動作816PPにおいて、1週間設定点スケジュールが段階パラメータおよびユーザ修正に従って調整されてもよい。一旦設定点スケジュールが調整されると、処理は段階816EEに戻り、新たなHVAC制御期間が始められ、HVACは調整された1週間設定点スケジュールに従って制御されてもよい。
【0157】
言及されたように、ユーザ修正は、設定点温度のスケジュールに規定される設定点温度に対する修正であってもよい。たとえば、
図12Cを参照して、第1の段階の2番目の日の間に、ユーザは、2400hrsにおけるスケジューリングされた設定点温度を、73°F(またはより正確には、そのような正確性がユーザに通信される場合には、73と2/7°F)から71°Fに手動で変更してもよい。そのような場合、第1の段階(ならびに第2および第3の段階)の後の日の間においては、73と2/7°Fから調整され続ける代わりに、調整は71°Fの新たに設定されたスケジュール設定点温度からなされてもよい。その結果、ユーザは彼らの温度設定点のスケジュールを有利に制御し続けてもよく、一方で、スケジュール最適化は同様にユーザのスケジュールをより最適なものに移行させ続けてもよい。
【0158】
ここで動作816NNに戻って、ある段階が終わっていると判断される場合には、次いで、処理は動作816QQに続き、その段階が終わっていると判断される。動作816RRでは、次いで、さらなる段階があるかどうかが判断される。そうである場合には、処理は動作816CCに戻り、新たな段階が始められる。そうでない場合には、それ以上の段階がない場合には、スケジュール最適化プロセスは完了する。
【0159】
図11Aおよび
図11Bに示される具体的な動作は、ある実施例に従って元の設定点温度のスケジュールを最適化するための特定のプロセスを提供することが理解されるべきである。
図11Aおよび
図11Bを参照して記載されるさまざまな動作は、ここに記載されるさまざまな電子装置またはコンポーネントのうちの1つ以上において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。たとえば、それらは、スマートホーム環境200、エネルギ管理システム130などにおける1つ以上の電子装置において実現され、それ(ら)によって実行されてもよい。他の動作のシーケンスが、代替的実施の形態に従って実行されてもよい。たとえば、この発明の代替的実施の形態は、上に概略を示された動作を、異なる順序で実行してもよい。さらに、
図11Aおよび
図11Bに示される個々の動作は、それら個々の動作に対して適切なさまざまなシーケンスで実行されてもよい複数のサブ動作を含んでもよい。さらに、特定の適用例によっては、追加的な動作を追加するかまたは既存の動作を除去してもよい。
【0160】
図14A〜
図14Lは、さまざまな実施の形態に従ってスケジュール最適化プロセスを実現するためのグラフィカルインターフェイス(GUI)を有するサーモスタットを示す。たとえば、ここに記載されるサーモスタットは、サーモスタット202に対応してもよいが、サーモスタットに関して記載されるGUIは、アクセス装置266のようなスマートホーム環境200の他のコンピューティング装置上において同様に実現されてもよいことが認識されるべきである。
【0161】
図14Aは、スケジュール最適化に対するオプションをユーザに対して表示するGUI1110を有するサーモスタット1100を示す。このオプションは、たとえば、動作812に従って表示されてもよい。GUI1110は、ユーザがスケジュール最適化プロセスを受入れて完了した場合に期待されるエネルギ低減を記述する、スケジュール最適化プロセスの利益概要1112を含む。そのような期待されるエネルギ低減は、たとえば、動作704Fを参照して記載されるように判断されてもよい。GUI1110は、さらに、ユーザがスケジュール最適化プロセスを継続もしくはそうでなければ進めたいか、または最適化処理を後のときに遅延したいかどうかを要求するオプション1114を表示してもよい。
【0162】
ユーザが、スケジュール最適化プロセスを継続するかまたはそうでなければ進める要望を示す場合には、
図14Bに示されるGUI1120がユーザに表示されてもよい。GUI1120は、スケジュール最適化プロセスにどれぐらいの時間がかかるかを示す情報を含む、スケジュール最適化プロセスのテキスト記述1122を含む。GUI1120は、さらに、ユーザがスケジュール最適化プロセスを即座に開始したいか、または最適化プロセスを後のときのために遅延したいかどうかについてのオプション1124を含む。
【0163】
ユーザが、スケジュール最適化プロセスを即座に開始する要望を示す場合には、
図14Cに示されるGUI1130がユーザに表示されてもよい。GUI1130は、スケジュール最適化プロセスが(取消されない場合)いつの日まで実行されるかを記述するテキスト記述1132と、スケジュール最適化プロセスに関するさらなる情報がどこで見出され得るかを記述するテキスト記述1134とを含む。そのような場合、処理は、たとえば、動作816を参照して記載されるように継続してもよい。
【0164】
一方、ユーザが、最適化プロセスを後のときのために遅延する要望を示した場合には、
図14Dに示されるGUI1140がユーザに対して表示されてもよい。GUI1140は、スケジュール最適化プロセスが(そのように制限される場合)いつの日まで利用可能であるかを記述するテキスト記述1142、およびスケジュール最適化プロセスに関するさらなる情報がどこで見いだされ得るかを記述するテキスト記述1144を含む。そのような場合、処理は、たとえば、動作808を参照して記載されるように継続してもよい。
【0165】
ある実施の形態では、さまざまな動作メニューがサーモスタットの入力/出力インターフェイスを介してアクセスされてもよい。そのようなメニューの1つは「エネルギ」メニューを含んでもよく、そのメニューにおいては、スケジュール最適化プロセスに関する情報を含むさまざまな情報が見いだされてもよい。
図14Eを参照して、サーモスタット1100は、「エネルギ」メニューを表示するGUI1150を含む。この特定の例では、ユーザは、前もって、後のときのために最適化プロセスを遅延することを選択しており、したがって、GUI1150は、利益概要1112と同様の、スケジュール最適化プロセスの利益概要を含む。ユーザが利益概要を選択するかまたはそうでなければ起動させる場合には、
図14Bに示されるGUI1120がユーザに提示されてもよい。
【0166】
図14Fを参照して、サーモスタット1100は「エネルギ」メニューを表示するGUI1160を含む。この特定の例では、ユーザは既にスケジュール最適化プロセスを受入れており、したがって、GUI1160は、スケジュール最適化プロセスが(取消されない場合には)いつの日まで実行されることになるかを記述するテキスト記述を含む。ユーザがテキスト表示を選択するかまたはそうでなければ起動する場合には、
図14Gに示されるGUI1170がユーザに対して提示されてもよい。
【0167】
GUI1170は、どのぐらいの間スケジュール最適化プロセスが実行されているか、スケジュール最適化プロセスの期待される総継続期間、および元のスケジュールと比較して現在の調整されたスケジュールの実現の結果の現在のエネルギ節約を示す、進捗概要1172を含む。そのようなエネルギ節約は、動作704Fを参照して記載されるものと同様に判断されてもよく、この場合では、元のスケジュールおよび現在調整されたスケジュールが用いられ、元のスケジュールおよび最適なスケジュール(つまり最適化プロセスの完了の結果の最適なスケジュール)は用いられない。GUI1170は、さらに、ユーザがスケジュール最適化プロセスを継続したいかまたはスケジュール最適化プロセスを停止したいかについてのオプション1174を含む。
【0168】
ある実施の形態では、ユーザはスケジュール最適化プロセスを停止してもよい。これは、たとえば、(たとえば
図14Gを参照して記載されるように)スケジュール最適化プロセスを停止する明示的な要求によってなされてもよい。これは、さらに、または代替的に、たとえば、最適化プロセス中における現在のまたはスケジューリングされた設定点温度に対する大きなユーザ修正の結果としてなされてもよい。これは、さらに、たとえば、ユーザが、HVAC動作状態を、スケジュールが最適化されている状態と反対の状態に変更した結果としてなされてもよい。たとえば、HVACが冷房モードで動作しており、冷房モードに対するスケジュールが最適化されつつある(つまり温度設定点が、空調要素のオン時間を低減するよう増大されつつある)場合に、ユーザがHVACを暖房モードで動作させる場合には、そのような変更はスケジュール最適化プロセスを停止させてもよい。ユーザは、HVACの状態を切換えることはスケジュール最適化プロセスを停止する結果となる旨をユーザに警告する、
図14Hに示されるGUI1180の警告1182のような、警告を提示されてもよい。ユーザは、同様に、スケジュール最適化プロセスを停止しないよう(つまりHVAC状態において最初に選択された切換えを実現しないよう)またはスケジュール最適化プロセスを停止する(つまりHVAC状態において最初に選択された切換えを実現する)よう、オプション1184を提示されてもよい。
【0169】
いずれにしても、ユーザが、明示的または非明示的に、スケジュール最適化プロセスを停止する要望を示すことに応答して、
図14Iに示されるGUI1190がユーザに表示されてもよい。GUI1190は、スケジュール最適化プロセスが停止したという指示1192と、元のスケジュールと比較しての、現在調整されたスケジュール(つまり最適化の停止時に調整および実現されたスケジュール)の実現の結果のエネルギ節約を示す概要1194と、ユーザに対する、調整されたスケジュールを保持するかまたは彼らの元のスケジュールに戻るかのオプション1196とを含む。そのようなオプションは動作818を参照して記載されたものと同様であってもよい。
【0170】
スケジュール調整が保持された状態でスケジュール最適化プロセスが完了した場合では、
図14Jに示されるGUI1200がユーザに対して表示されてもよい。GUI1200は、スケジュール最適化プロセスが完了したという指示1202と、完了日および調整されたスケジュールの実現の結果のエネルギ節約を示す概要1204とを含む。
【0171】
図14K〜
図14Lは、ここに記載される自動化されたスケジュール調整プロセスが生じているときの間においてサーモスタット動作と関連付けられる好ましいユーザインターフェイスを示す。同様のユーザインターフェイスが、遠隔サーモスタット制御のために、ブラウザに基づくインターフェイス、スマートフォンインターフェイスなどを用いて与えられる。ユーザに対して、これらの時間中に、ユーザインターフェイスとの関連において、アイコンのマークを自動的に表示することは、特に有用かつ有益であることが見いだされており、アイコンのマークは、自動化されたプロセスが生じていること、およびこの自動化されたプロセスは環境的に有益な目的を達成するよう向けられていることをユーザに安心させること、および/または通知することを含む、複数の目的を同時に達成するよう設計される。1つの特に有用なアイコンのインジケータは、歯車のマークを、そこに埋込まれた葉のマークとともに含むことが見いだされており、歯車は、ユーザの脳裏において、何らかの種類の自動化されたプロセスが生じていることを意味することが見いだされており、葉は、ユーザの脳裏に、このプロセスは環境に対して有益な影響を有することを意味することが見いだされている。歯車の中の葉のマークは外国語に変換される必要がないという1つの利点を有することに加えて、歯車の中の葉のマークは、ユーザにとって警告を与えたり脅したりすることがなく、ユーザは歯車の中の葉のマークをユーザディスプレイから取除くであろうどのような行動もとらないように穏やかにかつ巧みに促されるように、肯定的な意味を有するという利点がさらにある。同時に、歯車の意味によって自動化との連想性があるため、歯車の中の葉のマークは、ユーザを、装置とのどのような不要な手動による対話にも駆り立てることがよりなさそうである。
【0172】
図14A〜
図14Lに示される具体的なI/Oインターフェイスはある実施の形態に従う特定のI/Oインターフェイスを記載していることが理解されるべきである。
図14A〜
図14Lを参照して記載されるI/Oインターフェイスは、エネルギ消費者と関連付けられるさまざまな電子装置の1つ以上において実現されてもよい。たとえば、それらは、サーモスタット202、ハザード検出ユニット204、入口通路インターフェイス装置206、壁照明スイッチ208、壁プラグインターフェイス210、機器212、アクセス装置266、または識別されたエネルギ消費者に関連付けられる他の電子装置の1つ以上において実現され、およびそれ(ら)によって実行されてもよい。さまざまなメッセージおよび入力要素は必ずしも異なる時間に表示されなくてもよく、いくつかのメッセージは同じディスプレイ上において同時に提示され得る。同様に、いくつかのメッセージおよび情報は同時に提示されるものとして説明されているが、それらは、異なるときに表示されてもよい。いくつかのメッセージは他の通信機構を用いて通信され得、応答は、同様に、他の通信機構を用いて受信され得る。たとえば、可聴、接触、または他の入力/出力機構が用いられ得る。さらに、追加の、または代替の情報が、スケジュール最適化プロセスの実施前、実施中および/または実施後に提示され得、
図14A〜
図14Lに示され、それらの図を参照して記載される情報のすべてが提示される必要はないことが認識されるべきである。当業者であれば、数多くの変形例、修正例および代替例を認識および理解するであろう。
【0173】
実施の形態についての完全な理解を提供するために、上の記載で特定の詳細が与えられた。しかしながら、実施の形態はこれらの特定の詳細が無くとも実施され得ることが理解される。たとえば、不必要な詳細によって実施の形態が不明確とならないように、回路はブロック図で示され得る。他の場合において、周知の回路、処理、アルゴリズム、構造、および技術が、実施の形態が不明確となることを回避するために不必要な詳細なしに示され得る。さらに、実施の形態は、以下の共通に譲渡された出願:2013年3月15日に提出された米国連続番号13/842,213(リファレンス番号NES0253−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,118(リファレンス番号NES0119−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,093(リファレンス番号NES0122−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,028(リファレンス番号NES0124−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,041(リファレンス番号NES0162−US);2012年9月30日に提出された米国連続番号13/632,070(リファレンス番号NES0234−US);2012年9月21日に提出された米国仮出願連続番号61/704,437(リファレンス番号NES0254−US);2012年1月3日に提出されたPCT出願番号PCT/US12/20026(リファレンス番号NES0185−PCT);2012年1月3日に提出されたPCT出願番号PCT/US12/00007(リファレンス番号NES0190−PCT);および2011年10月7日に提出された米国連続番号13/269,501(リファレンス番号NES0120−US)の1つ以上に記載されるシステム、方法、装置などの一部またはすべてを含み得て、これらの全ては、引用により援用される。
【0174】
上記の技術、ブロック、ステップ、および手段の実現は、さまざまな方法で行なわれ得る。たとえば、これらの技術、ブロック、ステップ、および手段は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせにより実現され得る。あるハードウェア実現例については、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジック装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、上記の機能を実行するために設計された他の電子ユニット、および/またはこれらの組み合わせにおいて、処理ユニットが実現され得る。
【0175】
また、実施の形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として描かれる処理として記載され得ることが注記される。フローチャートは動作を逐次処理として記載し得るが、動作の多くは並列または同時に行われ得る。加えて、動作の順序は再構成され得る。処理は、その動作が完了した時に終結されるが、図に含まれていない付加的なステップを有し得る。処理は、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムに対応し得る。処理が関数に対応する場合、その終了は、関数を呼び出し関数もしくはメイン関数に返すことに対応する。
【0176】
さらにまた、実施の形態は、ハードウェア、ソフトウェア、スクリプト言語、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、および/またはこれらの任意の組み合わせによって実現され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、スクリプト言語、および/またはマイクロコードで実現された場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントが記憶媒体などのマシン読取可能媒体に記憶され得る。コードセグメントまたはマシン実行可能命令は、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、パッケージソフト、スクリプト、クラス、もしくは命令の任意の組み合わせ、データ構造、および/またはプログラム文を表わし得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、および/またはメモリ内容を送信および/または受信することによって他のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ受け渡し、トークン受け渡し、ネットワーク送信などを含む任意の好適な手段を介して、受け渡し、転送、または送信され得る。
【0177】
本開示の原理は特定の装置および方法と結び付けて上に記載されたが、この記載は例示のみであって本教示の範囲を限定するものではないことが明確に理解される。