(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6419963
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの生産方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20181029BHJP
H01L 31/048 20140101ALI20181029BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 560
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-523910(P2017-523910)
(86)(22)【出願日】2015年11月5日
(65)【公表番号】特表2017-534180(P2017-534180A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】CN2015093835
(87)【国際公開番号】WO2016078514
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2017年5月10日
(31)【優先権主張番号】201410658677.4
(32)【優先日】2014年11月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515317145
【氏名又は名称】蘇州易益新能源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】季静佳
(72)【発明者】
【氏名】朱凡
(72)【発明者】
【氏名】覃楡森
【審査官】
吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−009706(JP,A)
【文献】
特開2014−003064(JP,A)
【文献】
特開2013−237059(JP,A)
【文献】
特開昭60−004270(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0060609(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04−31/056、31/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶シリコン太陽電池の溶接接続によって結晶シリコン太陽電池モジュールを生産する方法であって、まず、1つの結晶シリコン太陽電池モジュールにおける必要な結晶シリコン太陽電池及び対応する接続リボンを、結晶シリコン太陽電池モジュールの設計の配列方式に従って位置決めし、次に、太陽電池の非接触式溶接接続を行い、
(1)底層に結晶シリコン太陽電池及び対応する接続リボンを位置決めするステップと、
(2)結晶シリコン太陽電池及び対応する接続リボンに頂層を覆うステップと、
(3)底層と頂層との間に真空排気し、頂層の自重で、又は外部圧力によって、接続リボンを結晶シリコン太陽電池の金属グリッド線に密着させるステップと、
(4)すべての結晶シリコン太陽電池の非接触式溶接接続を行うステップと、を含むことを特徴とする結晶シリコン太陽電池の溶接接続によって結晶シリコン太陽電池モジュールを生産する方法。
【請求項2】
前記の底層に結晶シリコン太陽電池及び対応する接続リボンを位置決めすることは、1つの結晶シリコン太陽電池モジュールにおける必要なすべての結晶シリコン太陽電池及び対応する接続リボンを一回で位置決めすることであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記底層及び頂層は、それぞれ少なくとも一層の材料からなることを特徴とする請求項1及び2に記載の方法。
【請求項4】
最適化された前記底層及び頂層は、それぞれ一層の剛性材料及び一層の弾性材料からなることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
最適化された前記剛性材料はガラスであり、前記弾性材料は結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記の接続リボンを結晶シリコン太陽電池の金属グリッド線に密着させることは、頂層の自重で、又は外部圧力によって、接続リボンを結晶シリコン太陽電池の金属グリッド線に密着させることであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記の外部圧力によって接続リボンを結晶シリコン太陽電池の金属グリッド線に密着させることは、頂層における接触式外部圧力を印加すること、又は底層及び頂層における接触式外部圧力を同時に印加することにより、接続リボンを太陽電池の金属グリッド線に密着させることであることを特徴とする請求項1及び6に記載の方法。
【請求項8】
前記の外部圧力によって接続リボンを結晶シリコン太陽電池の金属グリッド線に密着させることは、底層と頂層との間に真空排気し、底層及び頂層内の圧力と底層及び頂層の外部との圧力差によって、接続リボンを太陽電池の金属グリッド線に密着させることであることを特徴とする請求項1及び6に記載の方法。
【請求項9】
結晶シリコン太陽電池を溶接接続する前記非接触式溶接方法は、赤外線加熱溶接方法、又はマイクロ波加熱溶接方法、又は電磁誘導加熱溶接方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
非接触式溶接方法を採用して結晶シリコン太陽電池を溶接接続する前記方法は、底層及び頂層に対し電池の位置が変わらず、非接触式溶接装置を移動してすべての結晶シリコン太陽電池への溶接接続を完成し、或いは底層及び頂層を同時に移動してすべての結晶シリコン太陽電池への溶接接続を完成することであることを特徴とする請求項1及び9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶シリコン太陽電池モジュールの生産方法に関し、特に結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法に関する。本発明は、太陽電池の溶接接続方法を提供し、本発明に係る結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法を用いることにより、結晶シリコン太陽電池の溶接接続プロセスを簡略化して加速させると共に、太陽電池の溶接接続プロセスにおいて生じた亀裂の発生及びモジュールの電力劣化などの問題を解決する。
【背景技術】
【0002】
従来の太陽電池モジュールの生産方法は、まず結晶シリコン太陽電池モジュールの設計に従って、接続リボンを用いて、手動又は自動化の方法で結晶シリコン太陽電池を1つの太陽電池ストリングに溶接接続し、次に、いくつかの結晶シリコン太陽電池を直列接続し、1つの太陽電池モジュールを形成することである。
【0003】
従来の太陽電池モジュールの生産方法の欠点の1つは、結晶シリコン太陽電池は、太陽電池モジュールの全体生産プロセスにおいて、複数回移動されることである。例えば、太陽電池の自動化直列溶接プロセスにおいて、溶接装置が特定の位置に固定されるため、最初に溶接される太陽電池は、連続的に1つの方向に移動され、それにより、後のいくつかの太陽電池が溶接される要件を満たす。
【0004】
一方、結晶シリコン太陽電池のコストを削減させる要件を満たすために、結晶シリコン太陽電池の厚さがだんだんと薄くされる。これにより、複数回移動されるプロセスにおいて、結晶シリコン太陽電池は破損のリスクが大きい。
【0005】
従来の太陽電池モジュールの生産方法のもう1つの欠点は、複数ステップの操作によって1つの結晶シリコン太陽電池モジュールの溶接ステップを完成することができ、生産効率が低いことである。例えば、自動化溶接方法において、結晶シリコン太陽電池は、まず1つの太陽電池ストリングに溶接され、次に該太陽電池ストリングが自動直列溶接機から取り出される。次に、自動直列溶接機から取り出される太陽電池ストリングは、ガラス及びEVAからなる積層に移動され、次に手動でこれらの太陽電池ストリングを接続する。
【0006】
これらの結晶シリコン太陽電池ストリングが複数回移動されるステップは、生産効率を低下させ、結晶シリコン太陽電池が壊れたリスクが存在するだけでなく、大量の自動化操作と組み合わせる必要があるので、設備投資コストを増やし、生産敷地面積を増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の従来技術の欠陥について、本発明は、結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法を提供する。
【0008】
本発明は、結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法を簡略化することを目的とし、該方法は、一回で1つの結晶シリコン太陽電池モジュールにおけるすべての結晶シリコン太陽電池の溶接接続を完成することができ、操作ステップを大幅に簡略化し、結晶シリコン太陽電池モジュールの生産効率を向上させる。
【0009】
本発明は、結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法を求めることを他の目的とし、該方法は、溶接接続プロセスにおける結晶シリコン太陽電池の移動回数を低減することができ、それにより、結晶シリコン太陽電池が移動プロセスにおいて生じた亀裂の発生リスクを低減する。
【0010】
本発明は、結晶シリコン太陽電池モジュールの生産ステップを簡略化し及び結晶シリコン太陽電池が破損のリスクを低減すると共に、電池からモジュールへの電力損失を低減することを最後の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を実現するために、本発明は、結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法を開示し、より具体的には、本発明は、1つの結晶シリコン太陽電池モジュールにおける必要なすべての結晶シリコン太陽電池及び対応する接続リボンを底層に位置決めした後に結晶シリコン太陽電池の溶接接続を実施する方法を開示する。
【0012】
従来の太陽電池の溶接方法と比べ、本発明は、結晶シリコン太陽電池の溶接接続プロセスにおいて、結晶シリコン太陽電池の位置は底層のある位置に維持され、溶接装置、又は底層を移動することによって、すべての結晶シリコン太陽電池に対して溶接接続を実施するという特徴を有する。
【0013】
本発明は、以下のメリットを有する。本発明の結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法は、結晶シリコン太陽電池の移動回数を大幅に低減することにより、溶接接続プロセスにおいて、結晶シリコン太陽電池が破損のリスクを大幅に低減する。例えば、60枚の結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する場合、従来の結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法を用いると、まず、該60枚の電池を、10個の電池からなる6つの太陽電池ストリングに溶接接続する。このような直列溶接プロセスにおいて、各太陽電池ストリングにおける第1の電池が少なくとも10回移動される。次に太陽電池ストリングを直列溶接機から取り出し、最後にモジュールのEVAに移動する。従って、従来の溶接接続方法を用いると、6つの電池が少なくとも11回移動される。本発明の溶接接続方法を採用すると、各電池の移動回数を、2回、又は1回だけに低減する。このように、結晶シリコン太陽電池の溶接接続プロセスにおける破損のリスクを低減することができる。
【0014】
本発明の他のメリットは、結晶シリコン太陽電池モジュールの生産プロセスにおいて結晶シリコン太陽電池の溶接接続ステップを簡略化することである。溶接接続プロセスが簡略化されるため、結晶シリコン太陽電池の溶接接続プロセスにおける破損のリスクの低減に役立つだけでなく、溶接接続設備を簡略化し、生産コストを削減させることができる。
【0015】
本発明の溶接接続方法の更なるメリットは、本発明の方法は、結晶シリコン太陽電池の金属グリッド線の張力要件を減少することができることである。本発明のいくつかの実施例では、本発明の溶接接続方法を実施した後、結晶シリコン太陽電池が移動されないので、接続リボンと電池の金属グリッド線との間は張力を発生せず、つまり、金属グリッド線への張力要件を減少する。
【0016】
金属グリッド線への張力要件を減少すると共に、本発明の溶接接続方法の他のメリットが現れ、即ち、本発明の溶接接続方法は、比較的厚い接続リボンの適用に必要な条件を提供する。従来の溶接接続方法を使用する際に、比較的厚い接続リボンを使用すると、例えば接続リボンの厚さが0.25ミリメートルよりも大きいと、太陽電池ストリングが移動される際に、電池のエッジの隠れた亀裂を引き起こしやすい。本発明の溶接接続方法は、電池が溶接接続された後に、多くとも1回移動され、さらには移動しないので、応力による電池のエッジの隠れた亀裂の現象を低減、さらには解消する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は結晶シリコン太陽電池を位置決めする模式図である。
【0018】
【
図2】
図2は結晶シリコン太陽電池の非接触式溶接接続の実施例の断面図である。
【0019】
【
図3】
図3は結晶シリコン太陽電池の非接触式溶接接続を最適化する実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照し、本発明をさらに詳細に説明することができる。明らかに、これらの説明は、本発明を限定するためのものでない。本発明の精神及びその本質から逸脱することなく、当業者は、本発明に基づいて様々なその他の対応する組合、変更又は修正を行うことができる。これらの対応する組合、変更及び修正はいずれも本発明の添付の請求項の保護範囲内に属する。
【0021】
本発明の結晶シリコン太陽電池の溶接接続方法は、1つのトランジスタ太陽電池モジュールにおける必要なすべての結晶シリコン太陽電池及び対応する接続リボンを、すべて該結晶シリコン太陽電池モジュールの設計に従って1つの底層に位置決めし、次に、これらのトランジスタ太陽電池に対して溶接接続を実施する。
【0022】
図1に示すように、順番通りに、まず、接続リボン200を、該結晶シリコン太陽電池モジュールの設計要件に応じて底層300に位置決めする。設計要件は、接続リボンの数、接続リボン間の間隔、接続リボンの方向等を含むが、これらに限定されていない。
【0023】
ある応用において、底層300は、1つの単層材料からなる底層である。その他の応用において、底層300は、1つの積層、即ち、多層材料からなる積層であってもよい。別のいくつかの応用において、底層においていくつかの溝を開設してもよく、それにより、接続リボンの位置決めに役立つ。あるいは、底層300においていくつかの真空孔を開設してもよく、それにより、結晶シリコン太陽電池100を吸い寄せることに用いられる。さらに、結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料、例えばガラス及びEVAからなる底層300を直接に底層300と使用することができる。このように、結晶シリコン太陽電池の溶接接続を完成した後、積層ステップを直接実施することができる。
【0024】
接続リボン200を底層300に位置決めした後、さらに、1つの結晶シリコン太陽電池100を接続リボンに位置決めする。通常の状況で、接続リボンの位置は結晶シリコン太陽電池100の主グリッド線に位置合わせする。その他のある状況で、例えば主グリッド線のない結晶シリコン太陽電池に対して、接続リボンの位置は、比較的自由であり、美しさを満たせばよい。結晶シリコン太陽電池モジュールの異なる生産設計に従って、ある状況で、結晶シリコン太陽電池100の受光面は上向きであってもよく、別のある状況で、結晶シリコン太陽電池100の受光面は、下向きであってもよい。次に、該モジュールにおけるすべての結晶シリコン太陽電池100及び対応する接続リボン200を、すべて底層300に位置決めするまで、接続リボン200及び結晶シリコン太陽電池100を連続的に繰り返し位置決めする。必要に応じて、接続リボン200及び結晶シリコン太陽電池100は、直列に配列さてもよく、直列及び並列を組み合わせて配列されてもよい。
【0025】
該モジュールにおけるすべての結晶シリコン太陽電池100及び対応する接続リボン200を、すべて底層300に位置決めした後、
図1に示すように、最後に頂層320を置く。ある適用において、頂層320は、1つの単層材料からなる頂層である。その他の応用において、頂層320は1つの積層、即ち多層材料からなる積層であってもよい。
【0026】
図2は本発明の一実施例を示す。この実施例では、底層300は、一層の可撓性材料350及び一層の剛性材料340からなる。可撓性材料350は、結晶シリコン太陽電池100が位置決めされ、及び溶接接続されるプロセスにおいて引き起こす破損のリスクを減少することを1つの目的とする。全体の結晶シリコン太陽電池モジュールにおける必要なすべての結晶シリコン太陽電池100及び対応する接続リボン200は、全部、底層300に位置決めされた後、若しくは、可撓性材料350に位置決めされた後、頂層320を置く。本実施例では、頂層320は、可撓性材料360、及び剛性材料370を含む。同様に、可撓性材料360は、結晶シリコン太陽電池100が溶接接続されるプロセスにおいて破損のリスクを低減することを1つの目的とする。
【0027】
1つの結晶シリコン太陽電池モジュールにおける必要な結晶シリコン太陽電池100及び対応する接続リボン200の位置決めを完成し、及び接続リボン200に可撓性材料350及び剛性材料370を置いた後に、本発明に係る結晶シリコン太陽電池の非接触式溶接接続のステップを実施することができる。装置400は、非接触式溶接装置である。例えば、装置400は、非接触式赤外線溶接装置又は非接触電磁誘導溶接装置であってもよい。装置400は非接触式赤外線溶接装置を用いると、可撓性材料360及び剛性材料370は光透過性材料、例えばガラス及び光透過高分子可撓性材料等を用いればならない。装置400は非接触電磁誘導溶接装置を用いると、可撓性材料360及び剛性材料370は、光透過性材料を用いてもよく、非光透過性剛性材料、例えば、セラミック等及び非光透過性ゴム等を用いてもよい。
【0028】
図2において、加圧ローラ450の作用は剛性材料370に加圧することである。剛性材料370は圧力を受けた後、可撓性材料360で接続リボン200に加圧し、接続リボン200が結晶シリコン太陽電池100の金属グリッド線と良好に接触できることを確保し、接続リボン200が加熱された後、或いは結晶シリコン太陽電池が加熱された後、溶融したスズ合金が結晶シリコン太陽電池100の金属グリッド線を良好に湿潤することができ、結晶シリコン太陽電池の溶接接続効果を達成する。
【0029】
装置400を前後及び左右移動し、或いは、底層300と頂層320を同時に前後及び左右移動することにより、予め位置決めされた1つのモジュールのすべての結晶シリコン太陽電池100及び接続リボン200の溶接接続を完成する。すべての結晶シリコン太陽電池100及び接続リボン200が既に固定されるので、非接触式溶接接続装置400が結晶シリコン太陽電池100の非接触式溶接接続を行う際に、溶接面積は装置400の特徴及び溶接設備の設計に基づいて自由に決めることができる。例えば、結晶シリコン太陽電池100と接続リボン200との間の異なる熱膨張係数による熱応力を低減するために、溶接面積を1つの点に縮小することができる。溶接面積を1つの結晶シリコン太陽電池100の1つの主グリッド線の面積に拡大してもよく、又は溶接面積は1つの結晶シリコン太陽電池の面積であり、さらに、溶接面積は1つの結晶シリコン太陽電池よりも大きい面積であってもよい。
【0030】
本発明の結晶シリコン太陽電池100の溶接接続を完成した後に、剛性材料370及び可撓性材料360を移動してもよく、これにより、モジュール全体のすべての結晶シリコン太陽電池を一回でモジュールのガラスパネル及びEVAに転移することができ、次にEVA及びモジュールバックプレートをカバーした後に結晶シリコン太陽電池モジュールの生産における積層ステップを実施することができる。
【0031】
さらに、ガラスを本実施例の剛性材料340とし、EVAを可撓性材料350とすると、本発明のすべての結晶シリコン太陽電池100の溶接接続を完成した後、EVA及びモジュールバックプレートによりそれぞれ可撓性材料360及び剛性材料370に代えて、結晶シリコン太陽電池モジュールの生産における積層ステップを直接実施することができる。
【0032】
図3は本発明の最適化された一実施例を示す。この実施例では、底層300は可撓性材料350及び剛性材料340からなる。可撓性材料350の作用の1つは、結晶シリコン太陽電池100が位置決めされ、及び溶接接続されるプロセスにおいて引き起こす破損のリスクを低減することである。全体の結晶シリコン太陽電池モジュールにおける必要なすべての結晶シリコン太陽電池100及び対応する接続リボン200が、すべて底層300に位置決めされた後、若しくは、可撓性材料350に位置決めされた後、頂層320を置く。本実施例では、頂層320は、可撓性材料360、及び剛性材料370を含む。同様に、可撓性材料360は、結晶シリコン太陽電池100が溶接接続されるプロセスにおいて破損のリスクを低減することを1つの目的とする。
【0033】
1つの結晶シリコン太陽電池モジュールにおける必要な結晶シリコン太陽電池100及び対応する接続リボン200の位置決めを完成し、及び頂層の可撓性材料360及び剛性材料370を置いた後に、本発明のトランジスタ太陽電池100の溶接接続ステップを実施することができる。
【0034】
図3の実施例と異なるのは、以下の通りである。本実施例において、底層300と頂層320との間の周囲に一輪のシールリング500を置き、次に排気孔600で真空排気する。若しくは、排気口600で真空排気した後、頂層320と底層300との間のガス圧力を大気圧よりも小さくする。大気圧の作用で、頂層320及び底層300により、接続リボン200に均一に加圧し、接続リボン200を結晶シリコン太陽電池100の金属グリッド線に密着させるため、結晶シリコン太陽電池100の溶接接続プロセスにおいて、接続リボン200におけるスズ合金が溶融された後、湿潤及び冷却した後に結晶シリコン太陽電池100の金属グリッド線に凝固されることを保証し、溶接接続ステップを効果的に完成する。
【0035】
装置400は、非接触式溶接装置である。例えば、装置400は、非接触式赤外線溶接装置又は非接触電磁誘導溶接装置であってもよい。装置400は非接触式赤外線溶接装置を用いると、可撓性材料360及び剛性材料370は光透過性材料、例えばガラス及び光透過高分子可撓性材料等を用いればならない。装置400は非接触電磁誘導溶接装置を用いると、可撓性材料360及び剛性材料370は、光透過性材料を用いてもよく、非光透過性剛性材料、例えば、セラミック等及び非光透過性ゴム等を用いてもよい。
【0036】
装置400を前後及び左右移動し、或いは底層300と頂層320を同時に前後及び左右移動することにより、予め位置決めされた1つのモジュールのすべての結晶シリコン太陽電池100及び接続リボン200の溶接接続を完成する。すべての結晶シリコン太陽電池100及び接続リボン200が既に固定されるので、非接触式溶接接続装置400が結晶シリコン太陽電池100の非接触式溶接接続を行う際に、溶接面積は装置400の特徴及び溶接設備の設計に基づいて自由に決めることができる。例えば、結晶シリコン太陽電池100と接続リボン200との間の異なる熱膨張係数による熱応力を低減するために、溶接面積を1つの点に縮小することができる。溶接面積を1つの結晶シリコン太陽電池100の1つの主グリッド線の面積に拡大してもよく、又は溶接面積は1つの結晶シリコン太陽電池の面積であり、さらに、溶接面積は1つの結晶シリコン太陽電池よりも大きい面積であってもよい。
【0037】
本発明の結晶シリコン太陽電池100の溶接接続を完成した後に、剛性材料370及び可撓性材料360を移動してもよく、これにより、モジュール全体のすべての結晶シリコン太陽電池を一回でモジュールのガラスパネル及びEVAに転移することができ、次にEVA及びモジュールバックプレートをカバーした後に結晶シリコン太陽電池モジュールの生産における積層ステップを実施することができる。
【0038】
さらに、ガラスを本実施例の剛性材料340とし、EVAを可撓性材料350とすると、これにより、本発明のすべての結晶シリコン太陽電池100の溶接接続を完成した後、EVA及びモジュールバックプレートによりそれぞれ可撓性材料360及び剛性材料370を代わり、結晶シリコン太陽電池モジュールの生産における積層ステップを直接実施することができ、溶接接続された結晶シリコン太陽電池100の移動ステップを省略する。
【0039】
さらに、ガラスを本実施例の剛性材料340及び370とし、EVAを可撓性材料350及び360とし、これにより、本発明のすべての結晶シリコン太陽電池100の溶接接続を完成した後に、さらには上基板320及び上可撓性基板360を置換することなく、直接積層し、両面ガラス結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する。