特許第6420303号(P6420303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6420303識別された投影表面に像を投影するためのプロジェクターを具備するロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6420303
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】識別された投影表面に像を投影するためのプロジェクターを具備するロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20181029BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   B25J5/00 A
   H04N5/74 Z
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-243277(P2016-243277)
(22)【出願日】2016年12月15日
(62)【分割の表示】特願2013-162242(P2013-162242)の分割
【原出願日】2013年8月5日
(65)【公開番号】特開2017-61034(P2017-61034A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2017年1月12日
(31)【優先権主張番号】13/566,219
(32)【優先日】2012年8月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス アラン ムーア
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−313291(JP,A)
【文献】 特開2005−059186(JP,A)
【文献】 特開2007−229855(JP,A)
【文献】 特開2005−338114(JP,A)
【文献】 特開平09−149296(JP,A)
【文献】 特表2008−533501(JP,A)
【文献】 特開2008−260107(JP,A)
【文献】 特開2011−201001(JP,A)
【文献】 特開2010−015076(JP,A)
【文献】 特開2006−043780(JP,A)
【文献】 特開平06−274098(JP,A)
【文献】 特開2005−292290(JP,A)
【文献】 特開2005−331813(JP,A)
【文献】 特開2010−128133(JP,A)
【文献】 特開2011−194507(JP,A)
【文献】 特開2005−176017(JP,A)
【文献】 特開2011−137905(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0185328(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/02
B25J 5/00−19/00
G05B 15/00−19/42
G06F 19/00
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジングに結合された電子制御ユニットであって一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと前記機械可読指令を実行するためのプロセッサとを有する電子制御ユニットと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたプロジェクターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された人認識モジュールと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された投影表面識別モジュールと、を具備するロボットであって、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令は、当該ロボットに、
前記人認識モジュールを用いて人を認識させ、
前記人認識モジュールを用いて人の位置を識別させ、
前記投影表面識別モジュールを用いて識別された前記人の位置に基づき投影領域を識別させ、且つ、
識別された前記投影領域に前記プロジェクターで1つの所望の像の一部を投影させ、該一部の像と、一つ以上の別のロボットが、識別された前記投影領域に投影する一つ以上の像とを組み合わることにより前記1つの所望の像を形成させ、
前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令はさらに、当該ロボットに、人の移動を検知させ、検知された移動に基づいて人の将来の位置を予測させ、予測された将来の位置から人が像を視認可能な投影領域に像を投影させる、ロボット。
【請求項2】
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された移動機構を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記移動機構に、当該ロボットを、前記投影領域において前記像が投影される配置へと移動させる請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記移動機構が、
回転可能に前記ハウジングに結合された駆動車輪と、
該駆動車輪に結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された駆動モーターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたステアリング機構と、を具備する請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
前記移動機構が、回転翼と、該回転翼に結合された駆動モーターと、を具備する請求項2に記載のロボット。
【請求項5】
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたワイヤレス通信器を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記ワイヤレス通信器でデータを受信させ、且つ、
受信された該データに基づいて投影される前記像を生成させる請求項1に記載のロボット。
【請求項6】
前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
当該ロボットと前記投影領域との間の距離を測定させ、
前記投影領域の寸法を測定させ、且つ、
投影される前記像の全体が前記投影領域に表示されるように、測定された前記距離と測定された前記寸法とに基づいて投影される前記像をスケール調整させる請求項1に記載のロボット。
【請求項7】
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された移動機構を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記人認識モジュールを用いて人の向きを識別させ、
前記人の向きに基づいて前記投影領域を識別させ、且つ、
前記移動機構に、当該ロボットを、識別された前記投影領域において前記像が投影される配置へと移動させる請求項1に記載のロボット。
【請求項8】
前記人認識モジュールが、前記電子制御ユニットに通信可能に接続されたカメラを具備し、人の前記認識が、前記カメラから受信された像の顔認証に基づく請求項1に記載のロボット。
【請求項9】
前記人認識モジュールが、前記電子制御ユニットに通信可能に接続されたマイクを具備し、人の前記認識が、機械的振動であって、前記マイクから受信され、且つ、前記電子制御ユニットへと送信される、人のスピーチを示す信号へと変換される機械的振動に基づく請求項1に記載のロボット。
【請求項10】
前記投影表面識別モジュールが、前記電子制御ユニットに通信可能に接続されたカメラを具備する請求項1に記載のロボット。
【請求項11】
前記プロジェクターがピコプロジェクターである請求項1に記載のロボット。
【請求項12】
投影される前記像が、人と略類似している請求項1に記載のロボット。
【請求項13】
投影される前記像が、顔を具備する請求項1に記載のロボット。
【請求項14】
受信された情報の可聴な指示を人に提供するためのスピーカーであって、前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたスピーカーを更に具備する請求項1に記載のロボット。
【請求項15】
ハウジングと、
該ハウジングに結合された電子制御ユニットであって一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと前記機械可読指令を実行するためのプロセッサとを有する電子制御ユニットと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたプロジェクターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたカメラと、を具備するロボットであって、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、当該ロボットに、
前記カメラを用いて人を認識させ、
前記カメラを用いて前記人の位置を識別させ、
前記カメラを用いて識別された前記人の位置に基づき投影領域を識別させ、且つ
識別された前記投影領域に前記プロジェクターで1つの所望の像の一部を投影させ、該一部の像と、一つ以上の別のロボットが、識別された前記投影領域に投影する一つ以上の像とを組み合わせることにより前記1つの所望の像を形成させ、
前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令はさらに、当該ロボットに、人の移動を検知させ、検知された移動に基づいて人の将来の位置を予測させ、予測された将来の位置から人が像を視認可能な投影領域に像を投影させる、ロボット。
【請求項16】
回転可能に前記ハウジングに結合された駆動車輪と、
前記駆動車輪に結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された駆動モーターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたステアリング機構と、を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
当該ロボットを、前記投影領域において前記像が投影され得る配置へと進めるため、前記駆動モーターに、前記駆動車輪と前記ステアリング機構とを回転させる請求項15に記載のロボット。
【請求項17】
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたワイヤレス通信器を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記ワイヤレス通信器でデータを受信させ、且つ、
受信された該データに基づいて前記投影された像を生成させる請求項15に記載のロボット。
【請求項18】
ハウジングと、
該ハウジングに結合された電子制御ユニットであって、一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと前記機械可読指令を実行するためのプロセッサとを有する電子制御ユニットと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたプロジェクターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたマイクと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたカメラと、を具備するロボットであって、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、当該ロボットに、
前記マイクによって受信された機械的振動に基づいて人を認識させ且つ前記機械的振動を、前記電子制御ユニットへと送信される、人のスピーチを示す信号へと変換させ、
前記マイクを用いて前記人の位置を識別させ、
前記カメラを用いて識別された前記人の位置に基づき投影領域を識別させ、
識別された前記投影領域に前記プロジェクターで1つの所望の像の一部を投影させ、該一部の像と、一つ以上の別のロボットが、識別された前記投影領域に投影する一つ以上の像とを組み合わせることにより前記1つの所望の像を形成させ、
前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令はさらに、当該ロボットに、人の移動を検知させ、検知された移動に基づいて人の将来の位置を予測させ、予測された将来の位置から人が像を視認可能な投影領域に像を投影させる、ロボット。
【請求項19】
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたワイヤレス通信器を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令は、更に当該ロボットに、
前記ワイヤレス通信器でデータを受信させ、且つ、
受信された該データに基づいて投影された前記像を生成させる請求項18に記載のロボット。
【請求項20】
回転可能に前記ハウジングに結合された駆動車輪と、
前記駆動車輪に結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された駆動モーターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたステアリング機構と、を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
当該ロボットを、前記投影領域において前記像が投影され得る配置へと進めるため、前記駆動モーターに、前記駆動車輪と前記ステアリング機構とを回転させる請求項18に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概してロボットに関し、より詳細には、識別された投影表面に像を投影するためのプロジェクターを具備するロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
テレプレゼンスロボットのようなロボットは、テレプレゼンスロボットを介してロボットの物理的環境(physical environment)における人の像データ(例えば遠隔の通信相手(a remote party communicating)の像データ)を、テレプレゼンスロボットの物理的環境における相手に、例えばモニター、テレビ、スクリーン又はディスプレイ等に像データを表示することによって通信してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、像データが投影される場合において、ロボットと通信する1又は複数の人が、容易に投影された像を視認し得るように、像データを投影する、適した表面を識別するのは困難となり得る。例えば、投影表面は、小さいかもしれず、障害物によって遮断されるかもしれず、或いは、物理的環境において、1又は複数の人の後方にあるかもしれない。
【0004】
従って、識別された投影表面に像を投影するためのプロジェクターを具備した、代替的なロボットが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、ロボットは、ハウジングと、ハウジングに結合された電子制御ユニットと、ハウジングに結合されたプロジェクターと、ハウジングに結合された人認識モジュールと、ハウジングに結合された投影表面識別モジュールと、を有する。プロジェクター、人認識モジュール及び表面識別モジュールは、電子制御ユニットと通信可能に接続される。電子制御ユニットは、一組の機械可読指令(machine readable instructions)を保存する非一時的メモリと、機械可読指令を実行するためのプロセッサと、を有する。プロセッサによって実行されたとき、機械可読指令は、ロボットに、人認識モジュールを用いて人を認識させ、投影表面認識モジュールを用いて投影表面を識別させ、且つ、識別された投影表面にプロジェクターで像を投影させる。
【0006】
別の実施形態において、ロボットは、ハウジングと、ハウジングに結合された電子制御ユニットと、ハウジングに結合されたプロジェクターと、ハウジングに結合されたカメラと、を有する。プロジェクター及びカメラは、電子制御ユニットと通信可能に接続される。電子制御ユニットは、一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと、機械可読指令を実行するためのプロセッサと、を具備する。プロセッサによって実行されたとき、機械可読指令は、ロボットに、カメラを用いて人を認識させ、カメラを用いて投影表面を識別させ、識別された投影表面にプロジェクターで像を投影させる。
【0007】
更に別の実施形態において、ロボットは、ハウジングと、ハウジングに結合された電子制御ユニットと、ハウジングに結合されたプロジェクターと、ハウジングに結合されたマイクと、ハウジングに結合されたカメラと、を有する。プロジェクター、マイク及びカメラは、電子制御ユニットに通信可能に接続される。電子制御ユニットは、一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと、機械可読指令を実行するためのプロセッサと、を有する。プロセッサによって実行されたとき、機械可読指令は、ロボットに、機械的振動であってマイクによって受信され且つ電子制御ユニットへと送信される、人のスピーチを示す信号へと変換する機械的振動に基づいて人を認識させ、カメラを用いて投影表面を識別させ、且つ、識別された投影表面に像を投影させる。
【0008】
ここで説明された実施形態によって提供されるこれらの付加的な特徴は、図面と共に以下の詳細な説明を考慮して、より詳細に理解される。
【0009】
図中に説明される実施形態は、本質的には、概略的例示にすぎず、特許請求の範囲によって定義される主題を限定しようとするものではない。例示的実施形態の以下の詳細な説明は、同等の構造が同等の参照番号で示された以下の図面を参照して理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ここで示され且つ説明された1又は複数の実施形態に係る、識別された表面に像を投影するためのロボットを概略的に示す。
図2】ここで示され且つ説明された1又は複数の実施形態に係る、識別された表面に像を投影するためのロボットを概略的に示す。
図3】ここで示され且つ説明された1又は複数の実施形態に係る、人によって視認可能な、識別された投影表面に像を投影するためのフローチャートを概略的に示す。
図4】ここで示され且つ説明された1又は複数の実施形態に係る、人によって視認可能な識別された投影表面に像を投影するためのロボットを移動させるためのフローチャートを概略的に示す。
図5】ここで示され且つ説明された1又は複数の実施形態に係る、人によって視認可能な表面に像を投影する車輪付きロボットの斜視図を概略的に示す。
図6】ここで示され且つ説明された1又は複数の実施形態に係る、人によって視認可能な表面に像を投影する飛行ロボットの斜視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで開示された実施形態は、識別された表面に像を投影するためのプロジェクターを備えるロボットを概して有する。概して図5を参照すると、ロボットは、ロボットの物理的環境において人を認識してもよく、像が投影され得る、人によって視認可能な投影表面を識別してもよく、識別された表面に人、顔、ロボットを表すアバター等の像のような像を投影してもよい。より詳細には、実施形態は、ハウジングと、ハウジングに結合された電子制御ユニットと、ハウジングに結合され且つハウジングと通信可能に結合されたプロジェクターと、を概して有してもよい。概して実施形態は、人を認識し、投影表面を識別し、識別された投影表面にプロジェクターで像を投影する。いくつかの実施形態は、人を認識するための人認識モジュールであってハウジングに結合され且つ電子制御ユニットと通信可能に接続された人認識モジュールと、投影表面を識別するための投影表面識別モジュールであってハウジングに結合され且つ電子制御ユニットと通信可能に接続された投影表面識別モジュールと、を有する。他の実施形態は、人を認識し且つ投影表面を識別するためのカメラであってハウジングに結合され且つ電子制御ユニットと通信可能に接続されたカメラを有する。更に他の実施形態は、人を認識するためのマイクであってハウジングに結合され且つ電子制御ユニットと通信可能に接続されたマイクと、投影表面を識別するためのカメラであってハウジングに結合され且つ電子制御ユニットと通信可能に接続されたカメラと、を有する。識別された表面に像を投影するための様々なロボットは、ここで対応する図面を詳細に参照し、より詳細に説明される。
【0012】
ここで図面を参照すると、図1は、識別された表面に像を投影するためのロボット100の実施形態を概略的に示す。ロボット100は、ロボット100の様々な構成要素が結合されたハウジング102を具備する。図1に示されたロボット100は、ロボット100を移動させるために操作可能な、回転可能にハウジング102に結合された、複数の駆動車輪114を有する。しかし、当然のことながら、他の実施形態において、ロボット100は、車輪の使用以外の方法で動くように構成されてもよい。例えば、ロボット100は、限定されるものではないが、駆動トラックを備えるロボット、脚部を備えるロボット、及び、飛行ロボット(例えば航空機ロボット、ヘリコプターロボット、小型飛行船ロボット等)を含む任意の他の形式のロボットであってもよい。当然のことながら、ある実施形態において、ハウジング102は、ロボット100の構成要素のいくつか、或いは、全てを収容してもよい。他の実施形態において、少なくともいくつかのロボット100の構成要素が、ハウジング102の外側表面に結合されてもよい。
【0013】
ハウジング102は、ハウジング102に結合された電子制御ユニット120を有する。電子制御ユニット120は、一組の機械可読指令を保存する電子メモリ122と、機械可読指令を実行するためのプロセッサ124と、を有する。電子メモリ122は、機械可読指令がプロセッサ124によってアクセスされ得るように機械可読指令を保存可能な、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、又は、任意のデバイスを具備してもよい。機械可読指令は、例えば、プロセッサ124によって直接的に実行される機械語、或いは、機械可読指令へとコンパイルされ又はアセンブルされることができ、且つ、電子メモリ122に保存され得る、アセンブリ言語、オブジェクト指向のプログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード等といった、任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL又は5GL)の、任意のプログラム言語で書かれたロジック又は1又は複数のアルゴリズムを具備する。なお、機械可読指令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成、或いは、アプリケーションスペシフィック集積回路(ASIC)又はこれらと同等なもので実行されるロジックのようなハードウェア記述言語(HDL)で書かれてもよい。従って、ここで説明された方法は、あらかじめプログラムされたハードウェア要素、又は、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組合せのような任意の公知のコンピュータプログラム言語で実現されてもよい。電子メモリ122は、1つのメモリモジュール又は複数のメモリモジュールとして実現されてもよい。
【0014】
プロセッサ124は、機械可読指令を実行可能な任意のデバイスであってもよい。例えば、プロセッサ124は、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ又は任意の他のコンピュータデバイスであってもよい。電子メモリ122及びプロセッサ124は、ロボット100の様々な構成要素とモジュールとの間に信号相互接続性を提供する通信パス104に接続される。従って、通信パス104は、分散コンピューティング環境において操作するため、任意の数のプロセッサを互いに通信可能に接続してもよく、モジュールが通信パス104に接続されることを可能としてもよい。特に、それぞれのモジュールは、データを送信及び/又は受信し得るノードとして機能してもよい。ここで用いられたような、「通信可能に接続され」という語は、例えば、導電媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光学導波管を介した光信号等ように、接続された構成部品がデータ信号を互いに交換可能であることを意味する。
【0015】
従って、通信パス104は、例えば、導電ワイヤ、導電トレース又は光学導波管等といった信号送信可能な任意の媒体から形成されてもよい。更に、通信パス104は、信号送信可能な媒体の組合せから形成されてもよい。ある実施形態において、通信パス104は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力デバイス、出力デバイス及び通信デバイスといった構成要素への電子データ信号の送信を可能とするために協働する、導電トレース、導電ワイヤ、コネクタ及びバスの組合せを具備してもよい。更に、「信号」という語は、媒体を通して伝達可能なDC、AC、正弦波、三角波、矩形波、振動等といった波形(例えば電子的、光学的、磁性的、機械的又は電磁的な波形)を意味することに留意されたい。
【0016】
ここで説明された実施形態において、電子メモリ122及びプロセッサ124は、電子制御ユニット120と一体(integral)である。しかしながら、電子制御ユニット120、電子メモリ122及びプロセッサ124は、本開示の範囲から逸脱することなく、互いに通信可能に接続された個別の構成要素であってもよいことに留意されたい。
【0017】
図1において概略的に示されたように、通信パス104は、電子制御ユニット120を、ロボット100の複数の他の構成要素と通信可能に接続する。例えば、図1に示されたロボット100の実施形態は、電子制御ユニット120であって、プロジェクター126、人認識モジュール128、投影表面識別モジュール130、ワイヤレス通信器132、スピーカー134、複数の駆動車輪114に結合された複数の駆動モーター140、及び、少なくとも1つの駆動車輪114に結合されたステアリング機構150に通信可能に接続された電子制御ユニット120を有する。
【0018】
プロジェクター126は、データ信号を、表面に投影される像のような光学的出力に変換可能な任意のデバイスであってもよい。ある実施形態において、プロジェクター126は、1又は複数のプロセッサ及び1又は複数のメモリを有してもよい。他の実施形態において、プロジェクター126は、プロセッサ及び/又はメモリを省いてもよい。ある実施形態において、プロジェクター126は、ピコプロジェクターのようなコンパクトな低消費電力のプロジェクターであってもよい。
【0019】
人認識モジュール128は、ロボット100の物理的存在における人の識別を容易にすることを可能とする任意のデバイスであってもよい。ある実施形態において、以下でより詳細に説明されるように、人認識モジュール128は、1又は複数の人の位置を識別してもよく、適した投影表面を測定(determine)するために用いられてもよい。他の実施形態において、人認識モジュール128は、電子制御ユニット120に通信可能に接続されたカメラである。こうした実施形態において、電子制御ユニット120は、カメラによって検知された像において顔認証アルゴリズムを用いることによってロボット100の物理的存在における人を認識してもよい。他の実施形態において、人認識モジュール128は、電子制御ユニット120に通信可能に接続されたマイクである。こうした実施形態において、電子制御ユニット120は、機械的振動をマイクで受信し且つ受信された機械的振動を人のスピーチを示す信号へと変換することによってロボット100の物理的存在における人を認識してもよい。ある実施形態において、以下でより詳細に示されるように、人の位置及び/又は向きは、受信された機械的振動の方向に基づいて測定されてもよい。当然のことながら、他の実施形態において、人認識モジュール128は、人の認識を容易とする、オブジェクトセンサ、熱センサ、圧力センサ、二酸化炭素センサ等といった、カメラ又はマイク以外のデバイスであってもよい。
【0020】
投影表面識別モジュール130は、ロボット100がプロジェクター126で像を投影するのに適した投影表面の識別を容易とすることを可能とする任意のデバイスであってもよい。ある実施形態において、投影表面識別モジュール130は、電子制御ユニット120に通信可能に接続されたカメラである。こうした実施形態において、電子制御ユニット120は、カメラによって検知された像を処理することによって1又は複数の可能な投影表面を認識してもよい。1又は複数の可能な投影表面から、電子制御ユニット120が、像を投影する投影表面を識別してもよい。他の実施形態において、投影表面識別モジュール130は、投影表面の識別を容易にする、深さセンサ、オブジェクトセンサ、レーザーセンサ等のような、カメラ以外のデバイスであってもよい。ある実施形態において、投影表面識別モジュール130は、電子メモリ122に保存された公知のマップを参照してもよい。ある実施形態において、投影表面識別モジュール130は、複数の可能な投影表面の識別を容易としてもよく、それぞれの可能な投影表面の1又は複数の測定された特性(例えば表面色、テクスチャ、反射性、寸法、形状等)に基づいて複数の可能な投影表面のうちの最適な投影表面を識別してもよい。
【0021】
ワイヤレス通信器132は、ワイヤレス通信が可能な任意のデバイスであってもよい。ワイヤレス通信器132は、任意のワイヤレス通信標準によってデータを送信及び/又は受信するための通信送受信器を有してもよい。例えば、ネットワークインターフェースハードウェア118は、例えばパーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、セルラーネットワーク、ワイヤレスフィディリティ(WiFi)、WiMaxBluetooth(登録商標)、IrDA、ワイヤレスUSB、Z−WaveZigBee等といったワイヤレスコンピュータネットワークに亘り、別のデバイス(例えばコンピュータ又はモバイルデバイス)と通信するためのチップセット(例えばアンテナ、プロセッサ、機械可読指令等)を有してもよい。ロボット100のいくつかの実施形態は、ワイヤレス通信器132を有しなくてもよい。
【0022】
スピーカー134は、例えばロボット100からロボット100の物理的存在における人へと通信された情報の可聴な指示を提供するために、通信パス104において送信されたデータ信号を機械的振動へと変換可能な任意のデバイスであってもよい。ロボット100のいくつかの実施形態は、スピーカー134を有しなくてもよい。
【0023】
図1に示されるように、ロボット100は、1又は複数の駆動車輪114と1又は複数の駆動モーター140とを有した移動機構を具備する。駆動車輪114は、回転可能にハウジング102に結合される。駆動モーター140は、駆動モーター140が、ロボット100を移動させるために駆動車輪114を回転させるように、駆動車輪114に結合される。ある実施形態において、駆動モーター140は、駆動車輪に回転エネルギーを付与する、バッテリーで動力付与された電気モーターである。他の実施形態において、駆動モーター140は、デバイスを前方移動させるために、複数の車輪を回転させてもよい。図1に示された実施形態は、複数の駆動車輪114を有し、そのそれぞれが、駆動モーター140に結合されているが、他の実施形態においては、1又は複数の駆動車輪114は、例えば1つの駆動モーター140が複数の駆動車輪114を駆動するとき、分離された駆動モーター140に結合されなくてもよい。更に他の実施形態において、1又は複数の駆動車輪114は、駆動モーター140に結合されなくてもよく、例えば、ロボット100の前方に配置された駆動車輪114は駆動モーター140に結合されているが、ロボット100の後方に配置された車輪は、駆動モーター140に結合されていなくてもよい。
【0024】
ロボット100は、ハウジング102に結合されたステアリング機構150を具備する。ステアリング機構150は、ロボット100が移動するときにロボット100のコースを方向付ける。ステアリング機構は、1又は複数の駆動車輪114、ラックアンドピニオン、ボールナット機構、オムニホイール、メカナムホイール、又は、ロボット100が移動するときにロボット100のコースを方向付けるのに適した任意の他のデバイスを回転させるための機械的連結であってもよい。
【0025】
図1に示されたロボット100は車輪付きの移動機構を有するが、他の実施形態において、ロボット100は、車輪付きの移動機構以外の移動機構を有してもよい。例えば、ある実施形態において、ロボット100は、図4に示されたように、1又は複数の駆動モーターに結合された1又は複数の回転翼320を有し得るヘリコプター移動機構を有してもよい。
【0026】
ここで図2を参照すると、識別された表面に像を投影するためのロボット200の別の実施形態が概略的に示される。図2に示されたロボット200は、図2のロボット200が、図1のロボット100の人認識モジュール128及び投影表面識別モジュール130の代わりに電子制御ユニット120に通信可能に接続されたカメラ160を有するため、図1に示されたロボット100とは異なる。図2の実施形態において、ロボット200のカメラ160は、ロボット200の物理的存在における人の認識と、ロボット200がプロジェクター126で像を投影するための適した投影表面の識別と、の両方を容易とする。カメラ160は、例えばカメラ160によって検知された像において顔認証アルゴリズムを用いることによってロボット200の物理的存在における人の認識を容易(facilitate)としてもよい。カメラ160は、カメラ160から受信された像に基づいて適した投影表面の識別を容易としてもよい。1ロボット200の他の示された構成要素は、図1を参照しつつ上述され、同等に符号が付与されたロボット100の構成要素と略類似している。
【0027】
ここで図3を参照すると、人によって視認可能な、識別された投影表面に像を投影するためのフローチャートが概略的に示される。人を認識し(ブロック302)、投影表面を識別し(ブロック304)、且つ、像を投影するため(ブロック306)の機械可読指令は、電子メモリ122内に保存される。人認識モジュールを具備する実施形態において(例えば図1のロボット100)、プロセッサ124によって実行されたとき、人を認識するための機械可読指令は、ブロック302において、人認識モジュール128を用いてロボットに人を認識させる。人認識モジュール128がカメラを具備する実施形態、或いは、人認識モジュール128がなく、カメラ160を有する実施形態(例えば図2のロボット200)において、ブロック302の機械可読指令は、ロボットに、人を認識させるため、カメラから入力像を受信させ、且つ、顔認証アルゴリズムを用いて入力像を処理させることによって人を認識させてもよい。ある実施形態において、人を認識するために固有顔認証アルゴリズムが用いられてもよい。他の実施形態において、主成分分析アルゴリズム、独立成分分析アルゴリズム、線形判別分析アルゴリズム等といった、固有顔アルゴリズム以外の顔認証アルゴリズムが用いられてもよい。人認識モジュール128がマイクを有する実施形態において、機械可読指令は、ユニバーサルバックグラウンドモデルに基づいたアルゴリズム又はジョイント因子分析に基づいたアルゴリズムといった音声認識アルゴリズムを用いて、マイクから受信した信号を処理することによって、ロボットに、人を認識させてもよい。
【0028】
更に図3を参照すると、投影表面識別モジュール130を具備する実施形態(例えば図1のロボット100)において、プロセッサ124によって実行されたとき、投影表面を識別するための機械可読指令は、ブロック304における投影表面識別モジュール130を用いてロボットに投影表面を識別させる。投影表面識別モジュール130がカメラを具備する実施形態、或いは、投影表面識別モジュール130がなく、カメラ160を有する実施形態(例えば図2のロボット200)において、機械可読指令は、カメラから入力像を受信することによって及び投影表面識別アルゴリズムを用いて入力像を処理することによってロボットに投影表面を識別させてもよい。投影表面識別アルゴリズムは、表面色、テクスチャ、反射性、寸法、形状等に基づいて投影表面を識別してもよい。ある実施形態において、機械可読指令は、ロボットに、複数の可能な投影表面を識別させ、且つ、それぞれの可能な投影表面の1又は複数の測定された特性(例えば表面色、テクスチャ、反射性、寸法、形状等)に基づいて複数の可能な投影表面のうちの最適な投影表面を識別させてもよい。識別された表面は、限定されるものではないが、壁、窓、パーティション(cubicle)、スクリーン等を含む、像が投影され得る任意の表面であってもよい。
【0029】
プロセッサ124によって実行されたとき、像を投影するための機械可読指令は、ブロック306における識別された投影表面においてロボットに像を投影させる。ある実施形態において、投影された像は、ロボット100の物理的環境において配置された受信相手と通信するためにロボット100を用いる遠隔の通信相手であってもよい。ある実施形態において、投影された像は、通信相手の本体全体を含んでもよい。他の実施形態において、投影された像は、通信相手の顔のような、通信相手の本体の一部のみを含んでもよい。更に他の実施形態において、投影された像は、例えばアバター等といった、通信相手の虚像(fictional representation)を含んでもよい。他の実施形態において、投影された像は、ロボット100の物理的環境において配置された人によって視認されるためにロボット100によって伝達される任意の他の視覚的情報であってもよい。更に他の実施形態において、投影された像は、例えばアバター等といった、ロボット100の視覚的像(visual representation)であってもよい。
【0030】
図4を参照すると、人によって視認可能な識別された投影表面に像を投影するためにロボットを移動させるためのフローチャートが、概略的に示される。人の位置を識別するための機械可読指令(ブロック402)、人が像を視認可能な投影表面の投影領域の識別(ブロック404)、及び、ロボットを識別された投影領域において像が投影される配置へと移動させること(ブロック406)は、電子メモリ122に保存される。人認識モジュール128を具備する実施形態において(例えば図1のロボット100)、プロセッサによって実行されたとき、人の位置を識別するための機械可読指令は、ブロック402において人の位置を識別するための人認識モジュール128を用いてもよい。人認識モジュール128がカメラを具備する実施形態、或いは、人認識モジュール128がなく、カメラ160を有する実施形態(例えば図2のロボット200)において、機械可読指令は、電子メモリ122に保存されたグリッドシステム又は座標システムに対する人の位置を測定するため、ロボットに、カメラからの入力像を受信させてもよく、入力像を処理させてもよい。ある実施形態において、グリッドシステム又は座標システムは、ロボットが存在する(present)物理的環境に関する情報を含むマップデータに対して定義されてもよい。ある実施形態において、識別された人の向きが、カメラから受信された像データの分析によって、例えば、人の目が向かう方向を測定することにより、人の位置の識別に加えて識別されてもよい。
【0031】
人認識モジュール128がマイクを有する実施形態において、ブロック402の機械可読指令は、ロボットに機械的振動を受信させてもよく、受信されたスピーチ信号に基づいて人の位置及び/又は向きを決定する電子制御ユニット120に、人のスピーチを示す信号を提供してもよい。
【0032】
プロセッサによって実行されたとき、機械可読指令は、ロボットに、ブロック404において人が像を視認可能な投影表面の投影領域を識別させてもよい。投影表面識別モジュール130を具備する実施形態(例えば図1のロボット100)において、プロセッサ124によって実行されたとき、ブロック404の機械可読指令は、ロボットに、投影表面識別モジュール130を用いて人が像を視認可能な投影領域を識別させる。投影表面識別モジュール130がカメラを具備する実施形態、又は、投影表面識別モジュール130がなく、カメラ160を有する実施形態(例えば図2のロボット200)において、機械可読指令は、カメラから入力像を受信することによって、及び、投影領域識別アルゴリズムを用いて入力像を処理することによって、ロボットに投影領域を識別させてもよい。ある実施形態において、投影領域識別アルゴリズムは、人の検知された位置及び向きから、人が像を視認可能となるように、人の位置及び/又は人の向きに基づいて投影領域を識別してもよい。
【0033】
プロセッサによって実行されたとき、機械可読指令は、図406において、識別された投影領域に像が投影される配置へと、ロボットを移動させてもよい。ブロック404において一度目的の投影領域が識別されると、ロボットの移動機構は、ロボットを、識別された投影領域における像が投影された配置へと、車輪付きロボットの場合におけるローリング及びステアリングによって、適した位置のために移動させてもよい。ある実施形態において、ロボットは、トポグラフィー情報(topographical information)を検出するため、任意の数のソナーセンサー、レーザーレンジファインダ及びオンボードカメラ等を用いてもよい。1つの例示において、電子メモリ122は、ロボットが存在する物理的環境を示すマップ又は座標システムを保存してもよい。次いで検出されたトポグラフィー情報は、システムの相対的配置を測定し得る電子制御ユニット120へと送信される。一度相対的配置が測定されると、移動機構は、識別された投影領域に像が投影される配置へとロボットを案内してもよい。ある実施形態において、電子メモリ122は、機械可読指令であって、プロセッサ124によって実行されたとき、ロボットに、(例えば像データのフレームを横断する(across frames)像データを分析することによって、)人の移動を検知させ、検知された移動に基づいて人の将来の位置を予測させ、且つ、予測された将来の位置から人が像を視認可能な投影表面の領域に像を投影させる機械可読指令を有してもよい。
【0034】
ある実施形態において、ロボットは、ワイヤレス通信器132でデータを受信してもよい。こうした実施形態において、投影された像は、受信されたデータに基づいてもよい。例えば、ある実施形態において、投影された像は、ワイヤレス通信器132を介して受信された遠隔の通信相手の像に基づいてもよい。他の実施形態において、受信されたデータは、遠隔の通信相手によって無線で送信され且つワイヤレス通信器132によって受信された、他の情報を有してもよい。更に他の実施形態において、受信されたデータは、自動的に遠隔のコンピュータデバイスによって送信され、且つワイヤレス通信器132によって受信された情報を有してもよい。スピーカー134を有する実施形態において、スピーカーの機械的出力は、ワイヤレス通信器132によって無線で受信された情報(例えば通信相手のスピーチ)に基づいてもよい。しかしながら、当然のことながら、スピーカー134を備えた実施形態は、ワイヤレス通信器132によって受信された情報以外の情報の可聴な指示を通信してもよい。
【0035】
ある実施形態において、機械可読指令であって、ロボットと投影表面との間の距離を測定し、投影表面の寸法を測定し、且つ、投影された像の全体が投影表面に表示されるように、測定された距離及び測定された寸法に基づいて投影された像をスケール調整するための機械可読指令が、電子メモリ122に保存される。
【0036】
ここで図5及び図2を参照すると、像520を人400によって視認可能な表面500に投影する車輪付きロボット100の斜視図が概略的に示される。表面500に像520を投影するため、ロボット100は、上述したようにカメラ160を用いて人400を認識し、上述したようにカメラ160を用いて投影表面500を識別し、適した配置へと移動し、且つ、上述したようにプロジェクター126で識別された投影表面500に像520を投影する。
【0037】
図6及び図2を参照すると、人400によって視認可能な表面500に像520を投影する飛行ロボット300の斜視図が概略的に示される。像520を表面500に投影するため、飛行ロボット300は、上述したようにカメラ160を用いて人400を認識し、上述したようにカメラ160を用いて投影表面500を識別し、適した配置へと移動し、且つ、像520を上述したようにプロジェクター126で識別された投影表面500へと投影する。
【0038】
ここで実施形態は、識別された投影表面に像を投影する1つのロボットの文脈で説明されてきたが、当然のことながら、他の実施形態において、識別された投影表面に1つの像を投影するために複数のロボットが協働してもよい。ある実施形態において、複数のロボットは、集合部(collective portions)が1つの像を形成するように、投影表面に像の一部をそれぞれ投影してもよい。1つの実施形態において、第1のロボット、第2のロボット、第3のロボット、及び、第4のロボットは、識別された投影表面に像の四半部(quadrant)をそれぞれ投影してもよい。例えば、第1のロボットが像の上方左四半部を投影してもよく、第2のロボットが像の上方右四半部を投影してもよく、第3のロボットが像の下方左四半部を投影してもよく、第4のロボットが像の下方右四半部を投影してもよい。ある実施形態において、複数の車輪付きロボットは、集合部が1つの像を形成するように、投影表面に像の一部をそれぞれ投影してもよい。他の実施形態において、複数の飛行ロボットは、集合部が1つの像を形成するように投影表面に像の一部をそれぞれ投影してもよい。更に他の実施形態において、飛行ロボットと車輪付きロボットとの組合せは、集合部が1つの像を形成するように投影表面において像の一部をそれぞれ投影してもよい。
【0039】
ここで説明された実施形態は、識別された投影表面に像を投影するためのプロジェクターを具備するロボットに関することにここで留意されたい。実施形態は、識別された人のために像を投影するための適した投影表面を識別可能な、柔軟且つ適応性のあるロボット投影システムを提供する。ロボットの一部として投影表面を有しない実施形態においては、比較的小さなロボットが、投影表面に大きな像を投影できるため、システムは、小さく、軽量で、パワーが効率的で、且つ、高価ではないものであってもよい。
【0040】
ここで、「略」という語及び「約」という語は、任意の定量比較、値、計測値又は他の代表値(representation)による固有の不確実性の度合いを示すために使用され得ることに留意されたい。更にこれらの語は、課題における主題の基本的機能において変化を生じさせることなく、規定された参照値(stated reference)から定量的な代表値が変化し得る程度を示すためにここで使用される。
【0041】
ここで特定の実施形態が図示され、説明されてきたが、当然のことながら、特許請求された主題の精神及び範囲から逸脱することなく様々な他の変化及び変更がなされてもよい。更に、特許請求された主題の様々な態様がここで説明されてきたが、こうした態様は、組合せで使用されることを必要としない。従って、添付の特許請求の範囲は、特許請求された主題の範囲内のこうした変化及び変更の全てを包含することを意図するものである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
ハウジングと、
該ハウジングに結合された電子制御ユニットであって一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと前記機械可読指令を実行するためのプロセッサとを有する電子制御ユニットと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたプロジェクターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された人認識モジュールと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された投影表面識別モジュールと、を具備するロボットであって、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令は、当該ロボットに、
前記人認識モジュールを用いて人を認識させ、
前記投影表面識別モジュールを用いて投影表面を識別させ、且つ、
識別された該投影表面に前記プロジェクターで像を投影させるロボット。
〔態様2〕
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された移動機構を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記人認識モジュールを用いて人の位置を識別させ、
識別された該位置から人が前記像を視認可能な前記投影表面の投影領域を識別させ、且つ、
前記移動機構に、当該ロボットを、識別された前記投影領域に前記像が投影される配置へと移動させる態様1に記載のロボット。
〔態様3〕
前記移動機構が、
回転可能に前記ハウジングに結合された駆動車輪と、
該駆動車輪に結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された駆動モーターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたステアリング機構と、を具備する態様2に記載のロボット。
〔態様4〕
前記移動機構が、回転翼と、該回転翼に結合された駆動モーターと、を具備する態様2に記載のロボット。
〔態様5〕
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたワイヤレス通信器を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記ワイヤレス通信器でデータを受信させ、且つ、
受信された該データに基づいて投影される前記像を生成させる態様1に記載のロボット。
〔態様6〕
前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、 当該ロボットと前記投影表面との間の距離を測定させ、
前記投影表面の寸法を測定させ、且つ、
投影される前記像の全体が前記投影表面に表示されるように、測定された前記距離と測定された前記寸法とに基づいて投影される前記像をスケール調整させる態様1に記載のロボット。
〔態様7〕
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された移動機構を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記人認識モジュールを用いて人の位置及び向きを識別させ、
識別された該位置及び向きから人が前記像を視認可能な前記投影表面の投影領域を識別させ、且つ、
前記移動機構に、当該ロボットを、識別された前記投影領域に前記像が投影される配置へと移動させる態様1に記載のロボット。
〔態様8〕
前記人認識モジュールが、前記電子制御ユニットに通信可能に接続されたカメラを具備し、人の前記認識が、前記カメラから受信された像の顔認証に基づく態様1に記載のロボット。
〔態様9〕
前記人認識モジュールが、前記電子制御ユニットに通信可能に接続されたマイクを具備し、人の前記認識が、機械的振動であって、前記マイクから受信され、且つ、前記電子制御ユニットへと送信される、人のスピーチを示す信号へと変換される機械的振動に基づく態様1に記載のロボット。
〔態様10〕
前記投影表面識別モジュールが、前記電子制御ユニットに通信可能に接続されたカメラを具備する態様1に記載のロボット。
〔態様11〕
前記プロジェクターがピコプロジェクターである態様1に記載のロボット。
〔態様12〕
投影される前記像が、人と略類似している態様1に記載のロボット。
〔態様13〕
投影される前記像が、顔を具備する態様1に記載のロボット。
〔態様14〕
受信された情報の可聴な指示を人に提供するためのスピーカーであって、前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたスピーカーを更に具備する態様1に記載のロボット。
〔態様15〕
ハウジングと、
該ハウジングに結合された電子制御ユニットであって一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと前記機械可読指令を実行するためのプロセッサとを有する電子制御ユニットと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたプロジェクターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたカメラと、を具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、当該ロボットに、
前記カメラを用いて人を認識させ、
前記カメラを用いて投影表面を識別させ、且つ
識別された前記投影表面に前記プロジェクターで像を投影させるロボット。
〔態様16〕
回転可能に前記ハウジングに結合された駆動車輪と、
前記駆動車輪に結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された駆動モーターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたステアリング機構と、を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記カメラを用いて人の位置を識別させ、
識別された該位置から人が前記像を視認可能な前記投影表面の投影領域を前記カメラで識別させ、且つ、
当該ロボットを、識別された前記投影領域に前記像が投影され得る配置へと進めるため、前記駆動モーターに、前記駆動車輪と前記ステアリング機構とを回転させる態様15に記載のロボット。
〔態様17〕
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたワイヤレス通信器を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記ワイヤレス通信器でデータを受信させ、且つ、
受信された該データに基づいて前記投影された像を生成させる態様15に記載のロボット。
〔態様18〕
ハウジングと、
該ハウジングに結合された電子制御ユニットであって、一組の機械可読指令を保存する非一時的メモリと前記機械可読指令を実行するためのプロセッサとを有する電子制御ユニットと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたプロジェクターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたマイクと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたカメラと、を具備するロボットであって、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、当該ロボットに、
前記マイクによって受信された機械的振動に基づいて人を認識させ且つ前記機械的振動を、前記電子制御ユニットへと送信される、人のスピーチを示す信号へと変換させ、
前記カメラを用いて投影表面を識別させ、
識別された該投影表面に像を投影させるロボット。
〔態様19〕
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたワイヤレス通信器を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令は、更に当該ロボットに、
前記ワイヤレス通信器でデータを受信させ、且つ、
受信された該データに基づいて投影された前記像を生成させる態様18に記載のロボット。
〔態様20〕
回転可能に前記ハウジングに結合された駆動車輪と、
前記駆動車輪に結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続された駆動モーターと、
前記ハウジングに結合され且つ前記電子制御ユニットと通信可能に接続されたステアリング機構と、を更に具備し、前記プロセッサによって実行されたとき、前記機械可読指令が、更に当該ロボットに、
前記マイクを用いて人の位置を識別させ、
識別された該位置から人が前記像を視認可能な前記投影表面の投影領域を前記カメラで識別させ、且つ、
当該ロボットを、識別された前記投影領域に前記像が投影され得る配置へと進めるため、前記駆動モーターに、前記駆動車輪と前記ステアリング機構とを回転させる態様18に記載のロボット。
【符号の説明】
【0042】
100 ロボット
102 ハウジング
104 通信パス
114 駆動車輪
120 電子制御ユニット
122 電子メモリ
124 プロセッサ
126 プロジェクター
128 人認識モジュール
130 投影表面識別モジュール
132 ワイヤレス通信器
134 スピーカー
140 駆動モーター
150 ステアリング機構
160 カメラ
200 ロボット
300 ロボット
302 ブロック
304 ブロック
306 ブロック
320 回転翼
400 人
402 ブロック
404 ブロック
406 ブロック
500 表面
520 像
図1
図2
図3
図4
図5
図6