特許第6420387号(P6420387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6420387
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】計時器用部品を装飾する方法
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/06 20060101AFI20181029BHJP
   G04B 19/04 20060101ALI20181029BHJP
   G04B 37/22 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   G04B19/06 A
   G04B19/04 B
   G04B37/22 B
【請求項の数】17
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-47008(P2017-47008)
(22)【出願日】2017年3月13日
(65)【公開番号】特開2017-167138(P2017-167138A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年3月13日
(31)【優先権主張番号】16160659.5
(32)【優先日】2016年3月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・マナステルスキー
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・フォール
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン・シュプリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラール・ロシエ
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−143577(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/108181(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2434031(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/04,19/06,37/22
C23C 14/06
A44C 5/00,27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器用部品(1)を装飾する方法であって、
(a)計時器用部品(1)に第1の材料を堆積させて第1のサブ層(2)を形成するステップと、そして、さらに前記サブ層(2)が形成された計時器用部品(1)に傾斜面又はファセット(3)を研磨するステップとを有する第1のステップを有する、計時器用部品(1)を準備する準備ステップと、
(b)前記準備ステップ(a)において得られた計時器用部品(1)に第2の材料を堆積させて第2のサブ層(4)を形成する第2の堆積ステップと、及び
(c)前記第2の堆積ステップ(b)において得られた計時器用部品(1)に第3の色付き材料を堆積させて外側の色付き装飾層(5)を形成する色付けステップとを有し、
少なくとも前記第2の堆積ステップ(b)及び前記色付けステップ(c)は、物理的蒸着法(PVD)によって達成される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記準備ステップ(a)における前記第1の堆積ステップは、物理的蒸着法によって達成される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の材料は、前記第1のサブ層(2)が、計時器用部品(1)を保護し、かつ/又は前記第2のサブ層(4)及び前記外側の色付き装飾層(5)の接着を促進するように選ばれる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の材料は、前記第2のサブ層(4)が、前記計時器用部品(1)を腐食から保護し、かつ/又は前記外側の色付き装飾層(5)の接着を促進するように選ばれる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第2の材料は、前記第2のサブ層(4)の色が前記外側の色付き装飾層(5)の色に近いように選ばれる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1の材料及び/又は前記第2の材料は、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、スズ、貴金属及びこれらの合金からなる群から選ばれる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1の材料及び/又は前記第2の材料は、クロムを20〜80重量%含有するニッケルとクロムの合金である
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の材料及び/又は前記第2の材料は、クロムを30〜70重量%含有するニッケルとクロムの合金である
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のサブ層(4)は、厚みが200nm〜1500nmである
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記第3の色付き材料は、貴金属とその合金、アルミニウムとその合金及びセラミックスからなる群から選ばれる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第3の色付き材料は、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム及びこれらの合金からなる群から選ばれる
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の色付き材料は、金を75〜77.5重量%、パラジウムを1.2〜1.6重量%、銅を20.1〜23.8重量%含有する、ニッケルを含有せずコバルトを含有しない金合金である
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記外側の色付き装飾層(5)は、厚みが100nm〜1500nmである
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記物理的蒸着法は、陰極スパッタ法である
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記準備ステップ(a)の前記研磨するステップは、ダイヤモンドによって研磨するステップである
ことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
少なくとも前記第2の堆積ステップ(b)と前記色付けステップ(c)、そして、随意的に、前記準備ステップ(a)における前記第1の堆積ステップは、真空状態を壊さずに行われる
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記計時器用部品(1)は、針、アップリケ、表盤、フランジ、ベゼル、竜頭、押しボタン、回転錘、車、プレート及びブリッジからなる群から選ばれる
ことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器用部品を準備するステップと、腐食から保護するステップと、及び外側の色付き装飾層を形成する色付けステップとを有する計時器用部品を装飾する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような方法は、伝統的に、計時器用部品、より詳細には、針やアップリケ、特に、黄銅製の針やアップリケ、を作るために用いられている。
【0003】
このような方法によると、第1の保護層を堆積させることによって計時器用部品が準備される。これは、計時器用部品のすべての面に対して電着させることによって行われる。この技術には、比較的速く多数の部品に対する下処理ができるという利点がある。そして、この部品に対して、機械的なダイヤモンド研磨操作が行われる。これは、ファセットを形成することによって、部品に光り輝く外観を与える。そして、この部品は、この部品のすべての表面上に、腐食から保護する層と外側の色付き層を電着させることによって、再び処理される。このときにおいて、これらの電着操作は複雑である。なぜなら、ダイヤモンド機械加工の後に得られる表面がデリケートであるからである。結果的に、外側の装飾層の色が異質性を示すことがあり、このことによって、この部品を廃棄しなければならなくなる。また、この電着技術によると、製造コストは高く、可能性のあるあらゆる色を得るためにすべての合金を堆積させることができるとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、これらの異なる様々な課題を克服することを目的とする。
【0005】
より詳細には、本発明は、実行が単純であり、合理化されており、製造コストが低くなるような計時器用部品を装飾する工業的な方法を提案することを目的とする。
【0006】
本発明は、廃棄物や廃棄割合を減らすような計時器用部品を装飾する工業的な方法を提案することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このようにして、本発明は、計時器用部品を装飾する方法であって、
(a)計時器用部品に第1の材料を堆積させて第1のサブ層を形成する第1のステップを随意的に有する、計時器用部品を準備する準備ステップと、
(b)前記準備ステップにおいて得られた計時器用部品に第2の材料を堆積させて第2のサブ層を形成する第2の堆積ステップと、及び
(c)前記第2の堆積ステップにおいて得られた計時器用部品に第3の色付き材料を堆積させて外側の色付き装飾層を形成する色付けステップと
を有する方法に関する。
【0008】
本発明によると、少なくとも第2の堆積ステップ(b)及び色付けステップ(c)は、物理的蒸着法(PVD)によって行う。
【0009】
好ましいことに、準備ステップ(a)における第1の堆積ステップも、物理的蒸着法によって行うことができる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によると、少なくとも前記第2の堆積ステップと前記色付けステップ、そして、随意的に、前記準備ステップにおける前記第1の堆積ステップは、真空状態を壊さずに行われる。
【0011】
このようにして、本発明に係る方法は、その様々なステップの実行を合理化する。また、本発明は、均質性が高い外側の色付き装飾層を得て、計時器用部品の廃棄物発生率を減少させることを可能にする。
【0012】
例としてのみ与えられる本発明の実施形態(これに制限されない)についての以下の説明を添付の図面を参照しながら読むことによって、本発明の他の特徴及び利点をより明確に理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る方法のステップにおいて処理される計時器用部品の断面図である。
図2】本発明に係る方法のステップにおいて処理される計時器用部品の断面図である。
図3】本発明に係る方法のステップにおいて処理される計時器用部品の断面図である。
図4】本発明に係る方法のステップにおいて処理される計時器用部品の断面図である。
図5】本発明に係る方法のステップにおいて処理される計時器用部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、未処理の計時器用部品1、例えば、針、特に、黄銅又は青銅製の針、の断面図を示している。
【0015】
計時器用部品は、例えば、色付けされていることが望まれる、針、アップリケ、表盤、フランジ、ベゼル、竜頭、押しボタン、回転錘、車、ブリッジ、プレート、又は計時器において用いられる他の要素又はメンバーからなる群から選ぶことができる。
【0016】
まず、本発明の方法の準備ステップ(a)において、計時器用部品1が準備される。図2に示すように、この準備ステップは、例えば、随意的に、計時器用部品1に第1の材料を堆積させて第1のサブ層2を形成する第1のステップを有することができる。好ましくは、第1のサブ層2は、計時器用部品1のすべての表面をカバーする。この第1のサブ層2は、当業者に知られている手法で電着によって堆積させることができる。下で説明するように、PVD堆積も有利に用いることができる。
【0017】
第1のサブ層2は、特に、保護用のサブ層を形成している。この保護用のサブ層は、準備ステップ(a)がダイヤモンド研磨ステップを有する場合に必要である。このステップは、図3に示すように、計時器の外側から見ることができるようになる計時器用部品1の表面上に、ダイヤモンド工具を用いて傾斜面又はファセット3を形成することを伴う。この機械的処理によって、計時器用部品1に光り輝く外観が与えられる。図4においては、ダイヤモンド研磨の後、計時器用部品1の頂上から第1のサブ層2が除去されている。ダイヤモンド研磨と同様な他の操作も可能である(サテン仕上げ、サンレーブラシング(sun ray brushing)、ブラシング又はブライトニング)。
【0018】
第1のサブ層2は、さらに、計時器用部品1上に配置する他の層の接着をも促進する。
【0019】
準備ステップ(a)は、ダイヤモンド研磨の後に得られる計時器用部品1を清浄化するステップを有することができる。この清浄化ステップは、当業者に知られている手法によって、例えば、化学的脱脂を行い、その後に、水道水と脱塩された水ですすぐことによって、達成することができる。そして、部品1が乾かされ、第2の堆積ステップ(b)を実行する準備ができる。
【0020】
第2の堆積ステップ(b)は、準備ステップ(a)において得られた計時器用部品1に第2の材料を堆積して、第2のサブ層4を形成することを伴う。この第2のサブ層4は、特に、第2の腐食から保護するサブ層を形成している。また、この第2のサブ層4は、計時器用部品1に対する装飾層5の接着を促進する。この第2のサブ層4の色は、装飾層5が摩耗してしまう場合に見えてしまうことがあるコントラストを避けるために、装飾層5の色に近いように選ぶと有利である。
【0021】
そして、色付けステップ(c)において、第2の堆積ステップ(b)において得られた計時器用部品1に第3の色付き材料を堆積させて、外側の色付き装飾層5を形成する。
【0022】
本発明によると、少なくとも第2の堆積ステップ(b)と色付けステップ(c)は、物理的蒸着法(PVD)によって達成される。
【0023】
本発明の方法によって装飾される計時器用部品は、特に均質的な色を有する外側の装飾層5を有し、これによって、廃棄物発生率が非常に低くなる。
【0024】
特に有利な手法において、第2のサブ層4と装飾層5は、ダイヤモンド研磨された面3上と計時器用部品の側面上にのみ堆積される。しかし、計時器用部品の裏にも第2のサブ層4と装飾層5があることが望まれる場合には、色付けステップ(c)の間に、部品をひっくり返すステップ又は計時器用部品の表にも裏にもPVD堆積させることを可能にするような装置を用いるステップを設けることができる。
【0025】
好ましくは、準備ステップ(a)における第1の堆積ステップは、電着ではなく物理的蒸着法によって達成することもできる。
【0026】
特に好ましい実施形態によると、物理的蒸着法は、陰極スパッタ法であることができる。そのスパッタ用気体は、不活性な気体であり、典型的には、アルゴンである。PVD堆積のパラメーターは、当業者によって、選択された機能及び/又はモデルに必要な色や品質基準を満たすように決められる。
【0027】
本発明に係る方法は、第2の堆積ステップ(b)の実行の前に、イオン活性化ステップを有することもできる。イオン活性化のパラメーターは、当業者によって決められる。イオン活性化によって、計時器用部品1のダイヤモンド研磨された面3上に直接堆積された第2のサブ層4の完全な接着が確実になる。この面3には、ダイヤモンド研磨操作時に縞が発生している。
【0028】
特に好ましい手法において、少なくとも第2の堆積ステップ(b)と色付けステップ(c)と、そして、随意的に、準備ステップ(a)における第1の堆積ステップは、同じ施設内において、真空状態を壊さずに達成される。このことによって、本発明の方法を、単純に、経済的に、工業的に、実行することが可能になる。
【0029】
好ましいことに、第1の材料は、第1のサブ層2が、計時器用部品1を保護し、かつ/又は第2のサブ層4及び外側の色付き装飾層5の接着を促進するように選ばれる。同様に、第2の材料は、第2のサブ層4が計時器用部品1を保護し、かつ/又は外側の色付き装飾層5の接着を促進するように選ばれる。好ましくは、少なくとも第2の材料は、腐食を防止する材料である。
【0030】
好ましくは、第1の材料及び/又は第2の材料は、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、スズ、貴金属及びこれらの合金(例、Cr/Niの合金(例、インコネル)、Sn/Niの合金又はPd/Niの合金)からなる群から選ぶことができる。
【0031】
第1の材料及び/又は第2の材料は、ニッケルを0〜100重量%含有することができる。
【0032】
具体的には、第1の材料は、ニッケルであることができる。
【0033】
別の実施形態によると、第1の材料及び/又は第2の材料は、クロムを20〜80重量%、好ましくは、30〜70重量%、含有するクロムとニッケルの合金であることができる。
【0034】
本方法が真空状態を壊さずに達成される場合、第1の材料は、好ましくは、第2の材料と同じ材料であり、このことによって、本方法をさらに合理化することができる。
【0035】
好ましくは、第2のサブ層4は、厚みが200nm〜1500nmであることができる。
【0036】
より一般的には、第2のサブ層4の組成と厚みは、計時器用部品1の材料と第3の材料の性質に適応される。
【0037】
好ましいことに、第3の色付き材料は、貴金属とその合金、アルミニウムとその合金及びセラミックスのような生来的に時間が経過しても安定である材料からなる群から選ぶことができる。このようなセラミックスは、窒化チタンのように色付けされていてもよく、又は第2のサブ層の色が見えるように透明であることができる。
【0038】
具体的には、第3の色付き材料は、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム及びこれらの合金からなる群から選ぶことができる。
【0039】
特に有利な手法において、第3の色付き材料は金を75〜77.5重量%、パラジウムを1.2〜1.6重量%、銅を20.1〜23.8重量%含有する、18k 5Nの金合金又はニッケルを含有せずコバルトを含有しない18.5kの金合金である。スイス特許CH705653の内容を、参照によって本明細書に組み入れる。このスイス特許は、前記のような固体の合金によって退色性能が改善させることを記載している。
【0040】
この合金は、PVDによる外側の色付き装飾層の堆積に対して、特に好ましい。なぜなら、この合金は、電着によって堆積させる同じ合金から得られる層と比べて、均質な色を有し、第3の材料の細かさと比べて均質な細かさを有することに加えて、退色や変色に対する耐久性が良好であるような装飾層を与えるからである。また、本発明の方法によって得られる装飾層の耐食性は、固体合金よりも高い。
【0041】
好ましくは、外側の色付き装飾層5は、厚みが100nm〜1500nmである。
【0042】
本発明の方法によって、信頼性が高く繰り返すことができる形態で堆積される高品質な色付けされた装飾層を示す計時器用部品の工業的な製造が可能になる。また、非常に範囲が広い色付けされた装飾層を作るために様々な色の様々な合金を用いることが可能になる。
【0043】
以下の例は、本発明の範囲を制限せずに、本発明を説明するものである。
【0044】
例:
黄銅から切断された針が、電着によってニッケルで作られた第1のサブ層2で被覆され、ダイヤモンド研磨される。そして、針が洗剤で清浄化される。
【0045】
このようにして準備される針が、市販されているPVD/スパッタ装置の基板ホルダにて位置合わせされる。これらの針は、互いに間隔を空けられて、プラズマが通過できるようにされる。
【0046】
そして、PVD処理が実行される。針を変形させないように加熱段階がない。
【0047】
針のイオン活性化の後に、第2のニッケル及びクロムベースのサブ層4、そして、金合金の装飾層5が、アルゴン雰囲気の下で堆積される。この金合金は、スイス特許CH705653に記載されている、金を75〜77.5重量%、パラジウムを1.2〜1.6重量%、銅を20.1〜23.8重量%含有するニッケルを含有せずコバルトを含有しない18.5kの合金である。PVDのパラメーターは、1μmのニッケル及びクロムベースの第2のサブ層4及び0.5μmの金合金の装飾層5を堆積させるように選ばれる。
【0048】
本発明の方法によって処理された針は、廃棄物発生率が通常1%未満であるような非常に均質な色を有する。
【0049】
比較のために、外側の色付き装飾層がスイス特許CH705653に記載されたものと同じ18.5kの金合金によって作られているような針を、本発明と類似した手法であって、第2の堆積ステップ(b)が電着によって達成され、色付けステップ(c)がPVDによって達成されるような手法で処理した。これらの針は、通常、5%を超える廃棄物発生率を有する。
【0050】
また、比較のために、外側の色付き装飾層が18k 5Nの金で作られた針を、本発明と類似した手法であって、電着のみを用いる手法(ステップ(b)及びステップ(c)を有する)で処理した。この針は、廃棄物発生率が5%よりも大きかった。
【符号の説明】
【0051】
1 計時器用部品
2 第1のサブ層
3 傾斜面又はファセット
4 第2のサブ層
5 外側の色付き装飾層
図1
図2
図3
図4
図5