特許第6420552号(P6420552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6420552
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】熱交換器組立体
(51)【国際特許分類】
   F28D 9/00 20060101AFI20181029BHJP
   F28F 3/04 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   F28D9/00
   F28F3/04 B
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-34777(P2014-34777)
(22)【出願日】2014年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-169855(P2014-169855A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2017年2月17日
(31)【優先権主張番号】13/779,869
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ドリュー・コリン・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トッド・ムーア
【審査官】 山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6176304(US,B1)
【文献】 特開2002−333295(JP,A)
【文献】 実開平2−7706(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 9/00
F28F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器組立体であって、
折り畳み式フィンコアと、
前記折り畳み式フィンコアの隆起端の周りに配置された第1の端部プレートと、
前記折り畳み式フィンコアの窪み端の周りに配置された第2の端部プレートとを備え、
前記折り畳み式フィンコアは、前記隆起端に第1の折り畳み式フィンを、また、前記窪み端に第2の折り畳み式フィンを備え、
前記第1の端部プレートの第1の突出部と前記第1の端部プレートの第2の突出部の間に前記第1の折り畳み式フィンが収容され、
記第2の端部プレートの第1の突出部と前記第2の端部プレートの第2の突出部の間に前記第2の折り畳み式フィンが収容される、熱交換器組立体。
【請求項2】
前記折り畳み式フィンコアは、熱伝導性材料の連続シートで構成される請求項1記載の熱交換器組立体。
【請求項3】
前記折り畳み式フィンコアは、複数のフィン壁を備え、
前記複数のフィン壁は、前記複数のフィン壁の間に複数の隆起および複数の窪みを備える請求項1または2に記載の熱交換器組立体。
【請求項4】
前記第1の端部プレートおよび前記第2の端部プレートは、平坦プレートと、平坦プレート上に配置された複数の突出部とを有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の熱交換器組立体。
【請求項5】
前記第1の端部プレートから前記第2の端部プレートまで延在する第1の側部プレートと、
前記第1の端部プレートから前記第2の端部プレートまで延在する第2の側部プレートとをさらに備え、
前記第1の端部プレートおよび前記第2の端部プレートの各々は、前記第1の側部プレートを収容するサイズに作られた第1の側部の最後の突出部および前記第2の側部プレートを収容するサイズに作られた第2の側部の最後の突出部を備える請求項1乃至4のいずれかに記載の熱交換器組立体。
【請求項6】
前記折り畳み式フィンコアの周りに配置されたファンプレナムをさらに備える請求項1乃至5のいずれかに記載の熱交換器組立体。
【請求項7】
空気−空気熱交換器である請求項1乃至6のいずれかに記載の熱交換器組立体。
【請求項8】
空気−空気熱交換器組立体であって、
折り畳み式フィンコアを備え、
前記折り畳み式フィンコアは、複数のフィン壁であって、複数のフィン壁の間に複数の隆起および複数の窪みを有する、複数のフィン壁を備え、
前記折り畳み式フィンコアは、隆起端および窪み端を備え、
前記折り畳み式フィンコアの前記隆起端の周りに配置された第1の端部プレートと、
前記折り畳み式フィンコアの前記窪み端の周りに配置された第2の端部プレートとを備え、
前記第1の端部プレートおよび前記第2の端部プレートは、前記折り畳み式フィンコアの前記複数の隆起および前記複数の窪みを収容するために前記第1の端部プレートおよび前記第2の端部プレート上に複数の突出部を備え、
前記折り畳み式フィンコアは、前記隆起端に第1の折り畳み式フィンを、また、前記窪み端に第2の折り畳み式フィンを備え、
前記第1の端部プレートの第1の突出部と前記第1の端部プレートの第2の突出部の間に前記第1の折り畳み式フィンが収容され、
前記第2の端部プレートの第1の突出部と前記第2の端部プレートの第2の突出部の間に前記第2の折り畳み式フィンが収容される、空気−空気熱交換器組立体。
【請求項9】
前記折り畳み式フィンコアへの液密バリアを提供するために、前記第1の端部プレートから前記第2の端部プレートまで延在する第1の側部プレートと、
前記折り畳み式フィンコアへの液密バリアを提供するために、前記第1の端部プレートから前記第2の端部プレートまで延在する第2の側部プレートと、
をさらに備え、
前記第1の端部プレートおよび前記第2の端部プレートの各々は、前記第1の側部プレートを収容するサイズに作られた第1の側部の最後の突出部および前記第2の側部プレートを収容するサイズに作られた第2の側部の最後の突出部を備える請求項8記載の空気−空気熱交換器組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、熱交換器組立体に関し、より詳細には、端部プレートであって、端部プレート上に複数の突出部を有する、端部プレートを有する折り畳み式フィン空気−空気熱交換器組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の媒体間で熱を交換するための多くの異なるタイプの熱交換器の設計が知られている。さらに、あるタイプの熱交換器は、あるタイプの用途によりよく適する。たとえば、発電プラント制御システムおよび同様なものなどの電子制御システムは、高密度の電気コンポーネントの使用を仮定すれば、比較的高い運転温度を有する場合がある。空気−空気熱交換器は、こうしたコントロールを効率的に冷却するのに有効であることがわかった。
【0003】
1つのタイプの空気−空気熱交換器は、折り畳み式フィン熱交換器である。折り畳み式フィン熱交換器は、反復する「U状(U-Shaped)」プロファイルを生成するために、熱伝導性材料の連続シートを折り畳むことによって形成することができる。こうした折り畳み式フィン熱交換器は、効率的な熱交換を提供することができるが、こうした熱交換器内での種々のコンポーネントの組立て、接合、およびハンドリングにおいて問題が存在する場合がある。具体的には、外側固定具が、ディップろう付けまたは他のタイプのフローベースの金属接合のために必要とされる場合がある。こうした固定具の使用は、製造プロセスおよび組立てプロセスにコストおよび複雑さを付加する場合がある。
【0004】
したがって、改良型熱交換器組立体およびそれを構成する方法についての欲求が存在する。具体的には、簡略化された組立て方法および改善された構造的剛性を有する改良型折り畳み式フィン空気−空気熱交換器についての欲求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8157266号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本出願およびその結果の特許は、熱交換器組立体を提供する。熱交換器組立体は、隆起端および窪み端を有する折り畳み式フィンコアと、折り畳み式フィンコアの隆起端の周りに配置された第1の端部プレートと、折り畳み式フィンコアの窪み端の周りに配置された第2の端部プレートとを含むことができ、第1の端部プレートおよび第2の端部プレートは、第1の端部プレートおよび第2の端部プレート上に複数の突出部を含む。
【0007】
本出願およびその結果の特許は、熱交換器組立体を組み立てる方法をさらに提供する。方法は、第1の数の突出部を有する第1の端部プレートを、折り畳み式フィンコアの隆起端の周りに配置するステップと、第1の端部プレート上の第1の側部の最後の突出部内に第1の側部プレートを配置するステップと、第1の端部プレート上の第2の側部の最後の突出部内に第2の側部プレートを配置するステップと、第2の数の突出部を有する第2の端部プレートを、折り畳み式フィンコアの窪み端、第1の側部プレート、および第2の側部プレートの周りに配置するステップと、折り畳み式フィンコア、第1の端部プレート、第2の端部プレート、第1の側部プレート、第2の側部プレートを、フローベースの金属接合プロセスにおいて接合させるステップとを含むことができる。
【0008】
本出願およびその結果の特許は、空気−空気熱交換器組立体をさらに提供する。空気−空気熱交換器組立体は、折り畳み式フィンコアを含み、折り畳み式フィンコアは、複数のフィン壁であって、複数のフィン壁の間に複数の隆起および複数の窪みを有する、複数のフィン壁、隆起端、および窪み端を有し、折り畳み式フィンコアの隆起端の周りに配置された第1の端部プレートと、折り畳み式フィンコアの窪み端の周りに配置された第2の端部プレートとを含むことができる。第1の端部プレートおよび第2の端部プレートは共に、折り畳み式フィンコアの隆起および窪みを収容するために第1の端部プレートおよび第2の端部プレート上に複数の突出部を含む。
【0009】
本出願およびその結果の特許のこれらのまた他の特徴および改善は、いくつかの図面および添付の特許請求の範囲に関連して考えられるときに以下の詳細な説明を検討することによって当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書で述べることができる熱交換器組立体の斜視図である。
図2図1の熱交換器組立体のさらなる斜視図である。
図3図1の熱交換器組立体と共に使用するための折り畳み式フィンコアの側面平面図である。
図4図1の熱交換器組立体と共に使用することができる端部プレートの上部平面図である。
図5図4の端部プレートの側面平面図である。
図6図4の端部プレート上の突出部の側面平面図である。
図7図4の端部プレート上の最後から2番目の突出部および最後の突出部の側面図である。
図8図1の熱交換器組立体の隆起端の斜視図である。
図9図1の熱交換器組立体の窪み端の斜視図である。
図10】側部プレートを有する図1の熱交換器組立体の隆起端の斜視図である。
図11】一対のファンプレナムを有する図1の熱交換器組立体の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの図において同じ数字が同じ要素を指す図面をここで参照すると、図1および図2は、本明細書で述べることができる熱交換器組立体100を示す。この例では、熱交換器組立体100は、空気−空気交換器110、より具体的には、折り畳み式フィン空気−空気熱交換器120とすることができる。他のタイプの熱交換器組立体100を本明細書で使用することができる。熱交換器組立体100は、任意のサイズ、形状、または構成を有することができる。
【0012】
熱交換器組立体100は、折り畳み式フィンコア130を含むことができる。折り畳み式フィンコア130を、第1の端部プレート140、第2の端部プレート150、第1の側部プレート160、および第2の側部プレート170によって部分的に閉囲することができる。本明細書の要素の組合せは、折り畳み式フィンコア130の露出エリアの対向する面間に液密バリアを提供することができる。熱交換器組立体100の個々のコンポーネントは、任意のサイズ、形状、または構成を有することができる。他のタイプのコンポーネントを同様に本明細書で使用することができる。
【0013】
図3は、折り畳み式フィンコア130の誇張した図である。折り畳み式フィンコア130は、熱伝導性材料190の連続シート180から作ることができる。熱伝導性材料190は、アルミニウム、アルミニウムベース合金、または良好な熱伝達および構造的特徴を有する他のタイプの材料とすることができる。連続シート180を、任意の数の実質的に平行なフィン壁200を形成するために折り畳むことができる。フィン壁200は、平坦隆起210および窪み220を交互に配置することによって互いから離間することができる。フィン壁200のそれぞれの対は、平坦隆起210によって離間されて、反復する「U形状(U-shape)」のためのそれぞれの窪み220を形成することができる。折り畳み式フィンコア130は、任意のサイズ、形状、または構成を有することができる。以下でより詳細に説明するように、折り畳み式フィンコア130は、第1の端部または隆起端230から第2の端部または窪み端240まで延在することができる。
【0014】
図4および図5は、端部プレート140、150の一方の例を示す。第1の端部プレート140および第2の端部プレート150は、実質的に同一とすることができ、別々に述べられる必要はない。各端部プレート140、150は、平坦表面250であって、平坦表面250から延在する複数の突出部260を有する、平坦表面250を含むことができる。突出部260は、折り畳み式フィンコア130のフィン壁200の形状およびフィンピッチに一致することができる。突出部260の1つの例を図7に示す。任意の数の突出部260を本明細書で使用することができる。端部プレート140、150の両端の最後から2番目の突出部270は、折り畳み式フィンコア130の外側の1/2の折り畳み式フィン280を収容するサイズに作ることができる。端部プレート140、150の両側の最後の突出部290は、側部プレート160、170を内部に収容するサイズに作ることができる。図7は、最後から2番目の突出部270および最後の突出部290の例を示す。他のコンポーネントおよび他の構成を、本明細書で使用することができる。
【0015】
図8は、第1の端部プレート140の周りに配置された折り畳み式フィンコア130の隆起端230を示す。図9は、第2の端部プレート150の周りに配置された折り畳み式フィンコア130の窪み端240を示す。この例で示すように、窪み220およびフィン壁200は、隆起端230において突出部260を囲むサイズに作られる。同様に、窪み220は、隆起210が突出部260間の空間を満たしながら窪み端240において突出部260を露出させる。図10は、端部プレート140、150の最後の突出部290内への側部プレート160、170の付加を示す。側部プレート160、170は、全体として熱交換器組立体100に対する機械的支持をさらに付加する。他のコンポーネントおよび他の構成を、本明細書で使用することができる。
【0016】
使用時、端部プレート140、150を、折り畳み式フィンコア130の周りに配置することができる。具体的には、隆起端230および窪み端240を、端部プレート140上の突出部260内でかつそれに隣接して配置することができる。同様に、側部プレート160、170を、端部プレート140、150の最後の突出部290内に配置することができる。この構成は、コンポーネントが接合される前のハンドリングについて熱交換器組立体100に構造的剛性を提供する。さらに、別個の固定具またはジッギングは、ボンディングプロセスについて必要とされない場合がある。具体的には、フィン壁200および突出部260は、ボンディングプロセスの前およびボンディングプロセス中に物理的剛性を提供しながら、ディップろう付けまたは他のタイプのフローベースの金属接合のために、適切な金属ボンディング用のフラックス流およびボンディング用充填材料のための十分なクリアランスを持つよう離間することができる。他のタイプの金属接合手段を、本明細書で使用することができる。
【0017】
組立て中の全体の構造的剛性は、外側の1/2の折り畳み式フィン280と共に使用するための最後から2番目の突出部270のサイズによってさらに改善される。同様に、側部プレート160、170は、折り畳み式フィンコア130に直接接合されることなく、機械的支持およびシールをさらに提供する。さらに、ボンディングプロセスは、良好な機械的シールを提供して、効率的な総合的運転のための物理的な気密バリアを提供する。
【0018】
したがって、熱交換器組立体100は、金属接合プロセスの前に自己固定または自己ジッギングを提供し、ボンディングプロセス後に構造的剛性を提供する。熱交換器組立体100はまた、シール式熱交換器運転の場合に、物理的な気密バリアのために端部プレートをシールする手段を提供する。さらに、ボンディングプロセスは、より高い歩留まりの生産品質部品をもたらす。したがって、熱交換器組立体100は、総合的な簡略化された製造プロセスによって効率的な熱交換を提供する。
【0019】
熱交換器組立体100は、多くの異なる用途を有することができる。たとえば、図11は、一対のファンプレナム100を通る空気の流れを強制するために、一対のファンプレナム100を有する熱交換器組立体100の使用を示す。ファンプレナム300または他のタイプのデバイスを有する熱交換器組立体100は、発熱する電気コンポーネント、および同様なものなどのコンポーネント310を冷却するために使用することができる。多くの他の用途を、本明細書で使用することができる。
【0020】
前記が、本出願およびその結果の特許のある実施形態だけに関連することが明らかであるべきである。多数の変更および修正を、添付特許請求の範囲およびその均等物によって規定される本発明の一般的な精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって本明細書で行うことができる。
【符号の説明】
【0021】
100 熱交換器組立体
110 空気−空気交換器
120 折り畳み式フィン空気−空気熱交換器
130 折り畳み式フィンコア
140 第1の端部プレート
150 第2の端部プレート
160 第1の側部プレート
170 第2の側部プレート
180 連続シート
190 熱伝導性材料
200 フィン壁
210 平坦隆起
220 窪み
230 隆起端
240 窪み端
250 平坦表面
260 突出部
270 最後から2番目の突出部
280 1/2の折り畳み式フィン
290 最後の突出部
300 ファンプレナム
310 コンポーネント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11