特許第6420595号(P6420595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6420595
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/00 20060101AFI20181029BHJP
   F24H 3/04 20060101ALN20181029BHJP
【FI】
   F23N5/00 N
   F23N5/00 B
   F23N5/00 J
   !F24H3/04 305C
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-170781(P2014-170781)
(22)【出願日】2014年8月25日
(65)【公開番号】特開2016-44916(P2016-44916A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 武志
(72)【発明者】
【氏名】田村 昭洋
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−023016(JP,A)
【文献】 特開平03−144211(JP,A)
【文献】 特開2001−349536(JP,A)
【文献】 実開平04−136463(JP,U)
【文献】 特開平09−318044(JP,A)
【文献】 特開2006−242521(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0150850(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/00
F24H 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料と空気との混合気を燃焼する燃焼部と、
前記液体燃料を前記燃焼部に供給するポンプと、
前記燃焼部に空気を供給する燃焼用送風機と、
前記ポンプおよび前記燃焼用送風機の作動を制御する制御部と、を備えている燃焼装置であって、
前記制御部には、消火時に生じる炭化水素濃度に基づいて火力の基準レベルが設定されており、
前記制御部は、
燃焼の停止信号を受信したときに、前記燃焼部の火力が前記基準レベルよりも大きい場合には、
前記停止信号を受信したときから第一設定時間に達するまでの間に、前記ポンプによる前記液体燃料の供給量および前記燃焼用送風機による空気の供給量を所定時間毎に同じタイミングで段階的に低下させて、前記燃焼部の火力を前記基準レベルまで低下させ、
前記第一設定時間に達する前に、前記燃焼部の火力が前記基準レベルまで低下した場合には、前記燃焼部の火力を前記基準レベルに維持し、
前記第一設定時間後の第二設定時間に達すると、前記ポンプによる前記液体燃料の供給および前記燃焼用送風機による空気の供給を停止させるとともに、
前記停止信号を受信したときに、前記燃焼部の火力が前記基準レベル以下である場合には、
前記停止信号を受信したときから前記第二設定時間に達するまでは、前記停止信号を受信したときの前記ポンプによる前記液体燃料の供給量および前記燃焼用送風機による空気の供給量を維持し、
前記第二設定時間に達すると、前記ポンプによる液体燃料の供給および前記燃焼用送風機による空気の供給を停止させることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記制御部には、前記燃焼部の火力レベルが設定されており、
前記基準レベルは、前記火力レベルのうち、消火時に生じる炭化水素濃度が最も少ない前記火力レベルに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油ファンヒータ等の暖房機である燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油ファンヒータ等の暖房機としては、作動スイッチが切に操作されると、燃焼部への灯油の供給量を最小流量に切り替えて燃焼を継続した後に消火するように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
この構成では、作動スイッチが操作された後に、最小の火力によって燃焼を続けることで、燃焼部の未燃焼ガスを燃焼することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−242521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の燃焼装置では、作動スイッチが切に操作されたときに、大きな火力から最小の火力に急に切り替わると、未燃焼ガスが多く発生するため、未燃焼ガスに含まれる炭化水素による臭気を十分に低減することができない場合がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、燃焼を停止するときに発生する臭気を十分に低減することができる燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、液体燃料と空気との混合気を燃焼する燃焼部と、前記液体燃料を前記燃焼部に供給するポンプと、前記燃焼部に空気を供給する燃焼用送風機と、前記ポンプおよび前記燃焼用送風機の作動を制御する制御部と、を備えている燃焼装置である。前記制御部には、消火時に生じる炭化水素濃度に基づいて火力の基準レベルが設定されている。前記制御部は、燃焼の停止信号を受信したときに、前記燃焼部の火力が前記基準レベルよりも大きい場合には、前記停止信号を受信したときから第一設定時間に達するまでの間に、前記ポンプによる前記液体燃料の供給量および前記燃焼用送風機による空気の供給量を所定時間毎に同じタイミングで段階的に低下させて、前記燃焼部の火力を前記基準レベルまで低下させるように構成されている。前記第一設定時間に達する前に、前記燃焼部の火力が前記基準レベルまで低下した場合には、前記燃焼部の火力を前記基準レベルに維持するように構成されている。前記第一設定時間後の第二設定時間に達すると、前記ポンプによる前記液体燃料の供給および前記燃焼用送風機による空気の供給を停止させるように構成されている。また、前記制御部は、前記停止信号を受信したときに、前記燃焼部の火力が前記基準レベル以下である場合には、前記停止信号を受信したときから前記第二設定時間に達するまでは、前記停止信号を受信したときの前記ポンプによる前記液体燃料の供給量および前記燃焼用送風機による空気の供給量を維持するように構成されている。前記第二設定時間に達すると、前記ポンプによる液体燃料の供給および前記燃焼用送風機による空気の供給を停止させるように構成されている。
【0007】
なお、本発明における基準レベルの火力とは、消火時に外部に漏れる臭気を利用者が不快に感じなくなる火力である。つまり、消火時に未燃焼ガスの発生が少なくなり、燃焼部の炭化水素濃度が十分に低くなる火力である。
【0008】
本発明の燃焼装置では、燃焼を停止するときに、燃焼部の火力を段階的に小さくした後に消火している。このように、燃焼部の火力を段階的に低下させることで、火力の低下による未燃焼ガスの発生を抑制し、段階的に少しずつ発生した未燃焼ガスを効果的に燃焼させることができる。
また、本発明の燃焼装置では、液体燃料の供給量とともに空気の供給量も段階的に低下させるため、燃料または空気の過剰供給による異常燃焼を防ぐことができる。
したがって、本発明の燃焼装置では、作動を停止するときに、大きな火力で燃焼していた場合であっても、外部に漏れる臭気を十分に低減することができる。
【0009】
前記した燃焼装置において、前記制御部に前記燃焼部の火力レベルが設定されている場合は、前記基準レベルを前記火力レベルのうち、消火時に生じる炭化水素濃度が最も少ない前記火力レベルに設定することで、外部に漏れる臭気を十分に低減することができる。
なお、消火時に生じる炭化水素濃度が最も少なくなる火力レベルとは、例えば、空燃比がおおよそ0.885の混合気を燃焼させたときの火力である。この火力では、燃焼の反応速度が早くなるため、消火時に未燃焼ガスの発生が少なくなり、燃焼部の炭化水素濃度が最も低くなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の燃焼装置では、燃焼を停止するときに、外部に漏れる臭気を十分に低減することができ、利用者が臭気を不快に感じるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る燃焼装置を示した側断面である。
図2】本発明の実施形態に係る燃焼装置を示した概略構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る燃焼装置において、停止信号を受信したときに火力が基準レベルよりも大きい場合の制御を示したタイムチャートである。
図4】本発明の実施形態に係る燃焼装置において、停止信号を受信したときに火力が基準レベル以下である場合の制御を示したタイムチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る燃焼装置の制御を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の燃焼装置1は、図1に示すように、屋内に設置される暖房機であり、灯油を燃料として、温風を吹き出すように構成された石油ファンヒータである。
【0015】
燃焼装置1は、箱状の本体部10を有している。本体部10内には、燃焼部20、燃料タンク30、ポンプ40、燃焼用送風機50および対流用送風機60が収容されている。さらに、本体部10内には、ポンプ40、燃焼用送風機50および対流用送風機60の作動を制御する制御部70が収容されている。
【0016】
本体部10の前面には、本体部10の内部から外部に向けて温風を吹き出すための吹出口11が開口している。
本体部10の前面の上部には、操作部15が設けられている。操作部15には、燃焼装置1の燃焼の開始および停止を指示するための作動スイッチ16(図2参照)が設けられるとともに、温度調整等の各種スイッチや作動状況を表示するモニタが設けられている。
【0017】
燃焼部20は、気化筒21と、気化筒21内に配置されたバーナー22と、を備え、灯油と空気の混合気をバーナー22で燃焼するように構成されている。気化筒21は吹出口11に対向する位置に配置されている。
【0018】
燃料タンク30は、本体部10内の下部に配置されており、液体燃料である灯油が貯留されている。
ポンプ40は、電磁式のプランジャポンプである。ポンプ40によって汲み上げられた燃料タンク30内の灯油は、給油管41を通じてバーナー22に供給される。
【0019】
燃焼用送風機50は、バーナー22に空気を供給するものである。燃焼用送風機50は、駆動モータ51と、駆動モータ51の出力軸に連結された送風ファン52と、を備えている。
送風ファン52は、送風管53の一端部に収容されている。送風管53の一端部は閉塞されており、他端部の開口部はバーナー22に連結されている。送風ファン52を送風管53内で回転させると、送風管53を通じてバーナー22に空気が供給される。
【0020】
対流用送風機60は、燃焼部20の燃焼ガスを吹出口11から温風として吹き出させるための送風機である。対流用送風機60は、気化筒21に対して吹出口11側の反対側に配置されている。
対流用送風機60は、駆動モータ61と、駆動モータ61の出力軸に連結された送風ファン62と、を備えている。
【0021】
燃焼装置1では、ポンプ40によってバーナー22に灯油が供給されるとともに、燃焼用送風機50によってバーナー22に空気が供給され、灯油と空気の混合気をバーナー22で燃焼するように構成されている。そして、燃焼装置1では、燃焼部20の燃焼ガスを対流用送風機60によって吹出口11から温風として吹き出させることで、屋内を暖房することができる。
【0022】
制御部70は、図2に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)や記憶部71を有するコンピュータである。制御部70の各手段による制御は、記憶部71に予め記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。
制御部70には、ポンプ40、燃焼用送風機50および対流用送風機60の作動状態を変更することで、バーナー22の火力を調整する燃焼調整手段72が設けられている。
【0023】
記憶部71には、火力のレベル毎に、ポンプ40による灯油の供給量および燃焼用送風機50による空気の供給量が記憶されている。
また、記憶部71には、燃焼部20を消火する基準となる火力を示した基準レベルが記憶されている。
【0024】
火力の基準レベルは、記憶部71に記憶された火力レベルのうち、消火時に外部に漏れる臭気を利用者が不快に感じなくなる火力である。つまり、消火時に未燃焼ガスの発生が少なくなり、燃焼部20の炭化水素濃度が十分に低くなる火力である。
本実施形態の基準レベルは、空燃比がおおよそ0.885の混合気を燃焼させたときの火力レベルである。この火力では、燃焼の反応速度が早くなるため、消火時に未燃焼ガスの発生が少なくなり、燃焼部20の炭化水素濃度が最も低くなる。
【0025】
燃焼調整手段72は、操作部15から受信した信号に基づいて、火力のレベルを選択し、そのレベルの火力となるように、ポンプ40による灯油の供給量および燃焼用送風機50による空気の供給量を調整する。また、燃焼調整手段72は、火力のレベルに応じて対流用送風機60の送風ファン62の回転数を調整するように構成されている。
【0026】
次に、燃焼装置1の燃焼を停止するときの制御部70の制御について説明する。
図2に示すように、燃焼部20が燃焼している状態で、操作部15の作動スイッチ16が切に操作されると、操作部15から燃焼調整手段72に停止信号が送信される(図5のステップS1)。
【0027】
燃焼調整手段72は、停止信号を受信すると、燃焼部20の火力と、記憶部71に予め記憶された基準レベルの火力とを比較する(図5のステップS2)。
【0028】
燃焼調整手段72は、燃焼部20の火力が基準レベルの火力よりも大きい場合には、ポンプ40による灯油の供給量を所定時間毎に段階的に低下させるとともに、燃焼用送風機50による空気の供給量を所定時間毎に段階的に低下させ、火力のレベルを所定時間毎に段階的に低下させる(図3の0〜T1、図5のステップS3)。このとき、燃焼調整手段72は、対流用送風機60の送風ファン62(図1参照)の回転数を段階的に低下させて、吹出口11から吹き出す温風の風速を段階的に低下させる。
【0029】
本実施形態の燃焼調整手段72では、予め設定された約八秒の間(図3の0〜T1)に約一秒毎に火力のレベルを一段階ずつ低下させることで、火力のレベルを基準レベルまで低下させている。
なお、設定された時間(図3のT1)に達する前に、基準レベルに火力が達した場合には、燃焼調整手段72は、設定された時間(図3のT1)まで基準レベルの火力を維持させる。
【0030】
燃焼調整手段72は、設定された時間(図3のT2)に達すると、ポンプ40および燃焼用送風機50を停止させ、燃焼部20の燃焼を停止させる(図3のT2、図5のステップS4)。
【0031】
燃焼調整手段72は、燃焼を停止した後に、ポンプ40の駆動および停止を短い間隔で繰り返させるとともに、対流用送風機60の送風ファン62(図1参照)を、停止信号を受信する前の回転数で回転させる(図3のT2からT3、図5のステップS5)。
【0032】
本実施形態のポンプ40は、灯油の供給および停止を短い間隔で繰り返すことで、プランジャによって吐出用逆止弁が押し開けられた状態となり、給油管41内に残留している灯油の一部がシリンダに戻るように構成されている。
そして、前記したように、ポンプ40の駆動および停止を短い間隔で繰り返すことで、燃焼装置1の作動を停止したときに、給油管41から灯油が滴下し、臭気が生じるのを防ぐことができる。
【0033】
燃焼調整手段72は、ポンプ40の駆動および停止を繰り返させた後に、所定時間(図3のT3)に達すると、ポンプ40を停止させるとともに、燃焼用送風機50によってバーナー22に空気を供給させる(図3のT3からT4、図5のステップS6)。
このとき、燃焼用送風機50による燃焼部20への空気の供給量が、燃焼調整手段72が停止信号を受信する前の供給量と同じになるように、燃焼調整手段72は燃焼用送風機50の送風ファン52(図1参照)の回転数を調整する。
【0034】
燃焼調整手段72は、ポンプ40を停止させた後に、所定時間(図3のT4)に達すると、燃焼用送風機50および対流用送風機60を停止させて、燃焼装置1の作動を停止させる(図3のT4、図5のステップS7)。
【0035】
一方、燃焼調整手段72が停止信号を受信したときに、燃焼部20の火力が基準レベル以下である場合には、燃焼調整手段72は、ポンプ40、燃焼用送風機50および対流用送風機60の駆動を所定時間(図4のT2)に達するまで維持させる。(図4の0〜T2、図5のステップS8)。これにより、燃焼調整手段72が停止信号を受信したときから所定時間(図4のT2)に達するまでは、停止信号を受信したときのポンプ40による灯油の供給量および燃焼用送風機50による空気の供給量が維持される。
【0036】
燃焼調整手段72は、停止信号を受信した後に、所定時間(図4のT2)に達すると、ポンプ40および燃焼用送風機50を停止させ、燃焼部20の燃焼を停止する(図4のT2、図5のステップS9)。
【0037】
燃焼調整手段72では、燃焼を停止した後に、ポンプ40の駆動および停止を短い間隔で繰り返させるとともに、対流用送風機60を一旦停止して再起動させる(図4のT2からT3、図5のステップS10)。
なお、燃焼調整手段72は、対流用送風機60の送風ファン62(図1参照)を、燃焼調整手段72が停止信号を受信する前の回転数で回転させる。
【0038】
燃焼調整手段72は、ポンプ40の駆動および停止を繰り返させた後に、所定時間(図3のT3)に達すると、ポンプ40を停止させるとともに、燃焼用送風機50によってバーナー22に空気を供給させる(図4のT3からT4、図5のステップS10)。
このとき、燃焼用送風機50による燃焼部20への空気の供給量が、燃焼調整手段72が停止信号を受信する前の供給量と同じになるように、燃焼調整手段72は燃焼用送風機50の送風ファン52(図1参照)の回転数を調整する。
【0039】
燃焼調整手段72は、ポンプ40を停止させた後に、所定時間(図4のT4)に達すると、燃焼用送風機50および対流用送風機60を停止させて、燃焼装置1の作動を停止させる(図4のT4、図5のステップS7)。
【0040】
以上のような燃焼装置1では、燃焼を停止するときに、燃焼部20の火力を段階的に小さくした後に消火している(図3参照)。このように、燃焼部20の火力を段階的に低下させることで、火力の低下による未燃焼ガスの発生を抑制し、段階的に少しずつ発生した未燃焼ガスを効果的に燃焼させることができる。また、灯油の供給量とともに空気の供給量も同じタイミングで段階的に低下させているため、灯油および空気の供給量を低下させるタイミングがずれることによって、燃料または空気の過剰供給による異常燃焼を防ぐことができる。さらに、対流用送風機60の駆動を継続することで、燃焼部20の未燃焼ガスを拡散することができる。
また、ポンプ40により灯油の供給量を一段階低下させるのに必要な時間よりも、燃焼用送風機50により空気の供給量を一段階低下させる時間の方が時間がかかるため、灯油および空気の供給量を一段階低下させてから、所定時間以上が経過した後に、更に灯油および空気の供給量を低下させることで、その所定時間の間に空気の供給量が一段階低下して、灯油の供給量と空気の供給量が常に適正な供給量になる。これにより、空気の供給量の低下が灯油の供給量の低下に追いつかずに、空気過剰になって異常燃焼になることを防止することができる。
【0041】
したがって、燃焼装置1では、作動を停止するときに、大きな火力で燃焼していた場合であっても、外部に漏れる臭気を十分に低減することができ、利用者が臭気を不快に感じるのを防ぐことができる。
【0042】
また、燃焼装置1では、燃焼部20の火力が基準レベル以下である場合には、所定時間が経過した後に、ポンプ40および燃焼用送風機50を停止することで、速やかに燃焼を停止することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、図2に示す燃焼調整手段72は、燃焼部20の火力を基準レベルまで低下させた後に(図3のT2〜T3)、ポンプ40の駆動および停止を短い間隔で繰り返させることなく、ポンプ40が停止した状態を維持してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 燃焼装置
10 本体部
11 吹出口
15 操作部
16 作動スイッチ
20 燃焼部
21 気化筒
22 バーナー
30 燃料タンク
40 ポンプ
41 給油管
50 燃焼用送風機
51 駆動モータ
52 送風ファン
53 送風管
60 対流用送風機
61 駆動モータ
62 送風ファン
70 制御部
71 記憶部
72 燃焼調整手段
図1
図2
図3
図4
図5