特許第6420683号(P6420683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6420683
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】オンザフライ経路生成装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/082 20140101AFI20181029BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20181029BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20181029BHJP
   G05B 19/4093 20060101ALI20181029BHJP
   G05B 19/4097 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   B23K26/082
   B23K26/21 A
   B25J9/06 B
   G05B19/4093 D
   G05B19/4093 H
   G05B19/4097 C
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-23807(P2015-23807)
(22)【出願日】2015年2月10日
(65)【公開番号】特開2016-147269(P2016-147269A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2017年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 慶太
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−247677(JP,A)
【文献】 特開2006−150418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00−26/70
B25J 9/06
G05B 19/4093
G05B 19/4097
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザによるリモートスキャナ溶接によって溶接すべき、製品の面に設定されている複数の溶接線のレーザ照射位置データと、前記複数の溶接線の溶接順を示す溶接順データとに基づいて、前記溶接線を前記溶接順に所定の本数ずつ抽出して、抽出した本数の溶接線における中心位置を求める中心位置計算部と、
抽出した本数の溶接線の全てが、リモートスキャナ溶接を行うリモートスキャナヘッドがレーザを射出する射出面の中心を前記中心位置に合わせた状態におけるレーザ照射範囲に含まれているか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記中心位置計算部は、前記判定部によって、抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれている状態ではないと判定されたとき、抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれる状態となるまで前記溶接線を抽出する本数を減らし、減らした本数の溶接線における中心位置を求め、
さらに、前記中心位置計算部が前記溶接順で最初に求めた中心位置を始点、前記溶接順で最後に求めた中心位置を終点として、前記始点から前記終点までの複数の中心位置を連結した経路を、前記リモートスキャナヘッドを移動させるオンザフライ経路として決定するオンザフライ経路決定部を備える
ことを特徴とするオンザフライ経路生成装置。
【請求項2】
前記レーザ照射位置データは、前記溶接線それぞれの溶接開始位置と溶接終了位置とを示す座標データを含み、
前記中心位置計算部は、前記中心位置として、抽出した本数の溶接線の平均座標位置を求める
ことを特徴とする請求項1記載のオンザフライ経路生成装置。
【請求項3】
前記中心位置計算部には、前記溶接線を抽出する本数のデフォルト値が設定されており、
前記中心位置計算部は、前記溶接線を抽出する本数を減らして前記中心位置を求めた後に、前記溶接線を抽出する本数を前記デフォルト値に戻す
ことを特徴とする請求項1または2に記載のオンザフライ経路生成装置。
【請求項4】
前記製品が有する溶接対象の面を、法線ベクトルが同じである1または複数の面を1つのグループとしてグループ分けし、グループ分けされた1または複数の面をそれぞれグループ面と設定するグループ面設定部と、
前記グループ面が複数の面で構成されているとき、前記リモートスキャナヘッドを前記複数の面に対して法線ベクトルの方向に所定の距離だけ離間させて配置した状態で、前記複数の面それぞれが溶接可能であるとき前記複数の面を1つのグループ面と決定するグループ面決定部と、
をさらに備え、
前記中心位置計算部は、前記グループ面決定部で決定されたグループ面に含まれる全ての溶接線を前記所定の本数ずつ抽出してそれぞれの前記中心位置を求め、
前記オンザフライ経路決定部は、前記グループ面内で前記オンザフライ経路を決定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオンザフライ経路生成装置。
【請求項5】
レーザによるリモートスキャナ溶接によって溶接すべき、製品の面に設定されている複数の溶接線のレーザ照射位置データと、前記複数の溶接線の溶接順を示す溶接順データとに基づいて、前記溶接線を前記溶接順に所定の本数ずつ抽出し、
抽出した本数の溶接線における中心位置を求め、
抽出した本数の溶接線の全てが、リモートスキャナ溶接を行うリモートスキャナヘッドがレーザを射出する射出面の中心を前記中心位置に合わせた状態におけるレーザ照射範囲に含まれているか否かを判定し、
抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれている状態ではないと判定されたとき、抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれる状態となるまで前記溶接線を抽出する本数を減らし、減らした本数の溶接線における中心位置を求め、
前記溶接順で最初に求めた中心位置を始点、前記溶接順で最後に求めた中心位置を終点として、前記始点から前記終点までの複数の中心位置を連結した経路を、前記リモートスキャナヘッドを移動させるオンザフライ経路として決定する
ことを特徴とするオンザフライ経路生成方法。
【請求項6】
前記レーザ照射位置データは、前記溶接線それぞれの溶接開始位置と溶接終了位置とを示す座標データを含み、
前記中心位置として、抽出した本数の溶接線の平均座標位置を求める
ことを特徴とする請求項5記載のオンザフライ経路生成方法。
【請求項7】
前記溶接線を抽出する本数のデフォルト値が設定されており、
前記溶接線を抽出する本数を減らして前記中心位置を求めた後に、前記溶接線を抽出する本数を前記デフォルト値に戻す
ことを特徴とする請求項5または6に記載のオンザフライ経路生成方法。
【請求項8】
前記製品が有する溶接対象の面を、法線ベクトルが同じである1または複数の面を1つのグループとしてグループ分けし、グループ分けされた1または複数の面をそれぞれグループ面として設定し、
前記グループ面が複数の面で構成されているとき、前記リモートスキャナヘッドを前記複数の面に対して法線ベクトルの方向に所定の距離だけ離間させて配置した状態で、前記複数の面それぞれが溶接可能であるか否かを判定し、
前記複数の面それぞれが溶接可能であると判定されたら、前記複数の面を1つのグループ面と決定し、
グループ面に含まれる全ての溶接線を前記所定の本数ずつ抽出してそれぞれの前記中心位置を求め、
前記グループ面内で前記オンザフライ経路を決定する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のオンザフライ経路生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートスキャナ溶接におけるオンザフライ経路を生成するオンザフライ経路生成装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザを射出するヘッドの位置を固定した状態で、ヘッド内に設けられているレーザ反射用のガルバノミラーを動かして、レーザを射出する方向を可変させて製品を溶接するリモートスキャナ溶接と称される溶接方法がある。
【0003】
溶接ロボットを停止させた状態でリモートスキャナ溶接を行うと定点加工となり、溶接ロボットを動かしながらリモートスキャナ溶接を行うとオンザフライによる加工となる。定点加工におけるレーザパターンは、ヘッドの位置を固定した状態でのレーザ照射範囲である所定の大きさの円である。オンザフライによる加工では、レーザ照射範囲の円がヘッドの移動に伴って順次移動していくレーザパターンとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−221223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば所定の面内に、複数の溶接線が存在するとする。定点加工では全ての溶接線を溶接できないとき、ヘッドを順次移動させて溶接線を溶接するオンザフライによる加工が必要となる。ヘッドを移動させる経路をオンザフライ経路と称する。
【0006】
オンザフライによって複数の溶接線を溶接する場合、オペレータは、手動によるティーチングによって、まず、オンザフライ経路の始点及び終点を教示し、次に、それぞれの溶接線の溶接開始点及び溶接終了点を教示する。
【0007】
オペレータがティーチングによってオンザフライ経路を教示したとき、ヘッドがそれぞれの位置に停止しているときのレーザ照射範囲やオンザフライによるレーザパターンを見ることはできないため、教示したオンザフライ経路で一部の溶接線を溶接できない場合が起こり得る。
【0008】
この場合、オペレータはオンザフライ経路を変更しなければならない。変更したオンザフライ経路で全ての溶接線を溶接することができるか否かは、当然、目視で確認することはできない。そこで、溶接ロボットを空運転して全ての溶接線を溶接することができるか否かを確認しなければならない。
【0009】
このように、リモートスキャナ溶接におけるオンザフライ経路をティーチングによって的確に教示するためには、煩雑な作業と多くの時間が必要となる。溶接ロボットが動作中にオンラインティーチングを行ったとすると、溶接を長時間止めなければならないため、生産効率が低下してしまう。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑み、オンザフライ経路を自動的に生成することができるオンザフライ経路生成装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、レーザによるリモートスキャナ溶接によって溶接すべき、製品の面に設定されている複数の溶接線のレーザ照射位置データと、前記複数の溶接線の溶接順を示す溶接順データとに基づいて、前記溶接線を前記溶接順に所定の本数ずつ抽出して、抽出した本数の溶接線における中心位置を求める中心位置計算部と、抽出した本数の溶接線の全てが、リモートスキャナ溶接を行うリモートスキャナヘッドがレーザを射出する射出面の中心を前記中心位置に合わせた状態におけるレーザ照射範囲に含まれているか否かを判定する判定部とを備え、前記中心位置計算部は、前記判定部によって、抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれている状態ではないと判定されたとき、抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれる状態となるまで前記溶接線を抽出する本数を減らし、減らした本数の溶接線における中心位置を求め、さらに、前記中心位置計算部が前記溶接順で最初に求めた中心位置を始点、前記溶接順で最後に求めた中心位置を終点として、前記始点から前記終点までの複数の中心位置を連結した経路を、前記リモートスキャナヘッドを移動させるオンザフライ経路として決定するオンザフライ経路決定部を備えることを特徴とするオンザフライ経路生成装置を提供する。
【0012】
上記のオンザフライ経路生成装置において、前記レーザ照射位置データは、前記溶接線それぞれの溶接開始位置と溶接終了位置とを示す座標データを含み、前記中心位置計算部は、前記中心位置として、抽出した本数の溶接線の平均座標位置を求めることが好ましい。
【0013】
上記のオンザフライ経路生成装置において、前記中心位置計算部には、前記溶接線を抽出する本数のデフォルト値が設定されており、前記中心位置計算部は、前記溶接線を抽出する本数を減らして前記中心位置を求めた後に、前記溶接線を抽出する本数を前記デフォルト値に戻すことが好ましい。
【0014】
上記のオンザフライ経路生成装置において、前記製品が有する溶接対象の面を、法線ベクトルが同じである1または複数の面を1つのグループとしてグループ分けし、グループ分けされた1または複数の面をそれぞれグループ面と設定するグループ面設定部と、前記グループ面が複数の面で構成されているとき、前記リモートスキャナヘッドを前記複数の面に対して法線ベクトルの方向に所定の距離だけ離間させて配置した状態で、前記複数の面それぞれが溶接可能であるとき前記複数の面を1つのグループ面と決定するグループ面決定部とをさらに備え、前記中心位置計算部は、前記グループ面決定部で決定されたグループ面に含まれる全ての溶接線を前記所定の本数ずつ抽出してそれぞれの前記中心位置を求め、前記オンザフライ経路決定部は、前記グループ面内で前記オンザフライ経路を決定することが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、レーザによるリモートスキャナ溶接によって溶接すべき、製品の面に設定されている複数の溶接線のレーザ照射位置データと、前記複数の溶接線の溶接順を示す溶接順データとに基づいて、前記溶接線を前記溶接順に所定の本数ずつ抽出し、抽出した本数の溶接線における中心位置を求め、抽出した本数の溶接線の全てが、リモートスキャナ溶接を行うリモートスキャナヘッドがレーザを射出する射出面の中心を前記中心位置に合わせた状態におけるレーザ照射範囲に含まれているか否かを判定し、抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれている状態ではないと判定されたとき、抽出した本数の溶接線の全てが前記レーザ照射範囲に含まれる状態となるまで前記溶接線を抽出する本数を減らし、減らした本数の溶接線における中心位置を求め、前記溶接順で最初に求めた中心位置を始点、前記溶接順で最後に求めた中心位置を終点として、前記始点から前記終点までの複数の中心位置を連結した経路を、前記リモートスキャナヘッドを移動させるオンザフライ経路として決定することを特徴とするオンザフライ経路生成方法を提供する。
【0016】
上記のオンザフライ経路生成方法において、前記レーザ照射位置データは、前記溶接線それぞれの溶接開始位置と溶接終了位置とを示す座標データを含み、前記中心位置として、抽出した本数の溶接線の平均座標位置を求めることが好ましい。
【0017】
上記のオンザフライ経路生成方法において、前記溶接線を抽出する本数のデフォルト値が設定されており、前記溶接線を抽出する本数を減らして前記中心位置を求めた後に、前記溶接線を抽出する本数を前記デフォルト値に戻すことが好ましい。
【0018】
上記のオンザフライ経路生成方法において、前記製品が有する溶接対象の面を、法線ベクトルが同じである1または複数の面を1つのグループとしてグループ分けし、グループ分けされた1または複数の面をそれぞれグループ面として設定し、前記グループ面が複数の面で構成されているとき、前記リモートスキャナヘッドを前記複数の面に対して法線ベクトルの方向に所定の距離だけ離間させて配置した状態で、前記複数の面それぞれが溶接可能であるか否かを判定し、前記複数の面それぞれが溶接可能であると判定されたら、前記複数の面を1つのグループ面と決定し、グループ面に含まれる全ての溶接線を前記所定の本数ずつ抽出してそれぞれの前記中心位置を求め、前記グループ面内で前記オンザフライ経路を決定することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のオンザフライ経路生成装置及び方法によれば、オンザフライ経路を自動的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態のオンザフライ経路生成装置を含む溶接ロボットシステムを示す図である。
図2A】溶接線をティーチングする最初の工程を示す図である。
図2B】溶接線をティーチングする図2Aに続く工程を示す図である。
図2C】溶接線をティーチングする図2Bに続く工程を示す図である。
図3】溶接ロボットによって溶接する製品の一例を示す斜視図である。
図4】一実施形態のオンザフライ経路生成装置及び方法がオンザフライ経路を自動的に生成する手順を示すフローチャートである。
図5A】複数の面をグループ面とすることができない場合を説明するための図である。
図5B】複数の面をグループ面とすることができる場合を説明するための図である。
図6図3における面31a,31bで構成されているグループ面31に設定されている溶接線を示す平面図である。
図7図4のステップS105にて、溶接線を抽出する本数をデフォルト値の5本として、最初に平均座標位置を求める溶接線を示す部分平面図である。
図8図7に続いて図4のステップS105にて、溶接線を抽出する本数をデフォルト値の5本として平均座標位置を求めようとしたとき、一部の溶接線がレーザ照射範囲から外れた状態を示す部分平面図である。
図9図7に続いて図4のステップS105にて、溶接線を抽出する本数を4本として平均座標位置を求めようとしたとき、一部の溶接線がレーザ照射範囲から外れた状態を示す部分平面図である。
図10図7に続いて図4のステップS105にて、溶接線を抽出する本数を3本として平均座標位置を求めようとしたとき、3本の溶接線が全てレーザ照射範囲に含まれる状態となったこと示す部分平面図である。
図11図10に続いて図4のステップS105にて、溶接線を抽出する本数をデフォルト値の5本として平均座標位置を求めようとしたとき、一部の溶接線がレーザ照射範囲から外れた状態を示す部分平面図である。
図12図10に続いて図4のステップS105にて、溶接線を抽出する本数を1本として平均座標位置を求めようとしたとき、1本の溶接線がレーザ照射範囲に含まれる状態となったこと示す部分平面図である。
図13図12に続いて図4のステップS105にて、溶接線を抽出する本数を4本として、4本の溶接線が全てレーザ照射範囲に含まれる状態であること示す部分平面図である。
図14図7図10図12図13におけるレーザ照射範囲を連結することによって形成されるレーザパターンと、平均座標位置を連結することによって形成されるオンザフライ経路を示す部分平面図である。
図15図6に示すグループ面31に設定されている溶接線に対して生成されるオンザフライ経路を示す平面図である。
図16】一実施形態のオンザフライ経路生成装置を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、一実施形態のオンザフライ経路生成装置及び方法について、添付図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、一実施形態のオンザフライ経路生成装置を含んで構成されている溶接ロボットシステムを示している。図1において、CAM11には、図示していないCADで作成されたCADデータファイルF10が入力される。CADデータファイルF10のCADデータは、製品の形状データを含む。
【0023】
CAM11は、溶接線定義モジュール111と、レイアウト定義モジュール112と、オンザフライ経路自動生成モジュール113と、描画エンジン114とを有する。溶接線定義モジュール111と、レイアウト定義モジュール112と、オンザフライ経路自動生成モジュール113と、描画エンジン114は、それぞれソフトウェアモジュールによって構成することができる。
【0024】
CAM11には、シミュレーションモジュール115が接続されている。シミュレーションモジュール115も、ソフトウェアモジュールによって構成することができる。CAM11及びシミュレーションモジュール115は、1つのコンピュータ110によって構成されている。CAM11が、シミュレーションモジュール115を含んでいてもよい。
【0025】
オペレータは、溶接線定義モジュール111による溶接線定義機能を使用して、製品の面に対して、複数の溶接線を設定することができる。溶接線の具体的な設定の仕方については後述する。オペレータは、CAM11に対して溶接条件も指示することができる。
【0026】
オペレータは、レイアウト定義モジュール112によるレイアウト定義機能を使用して、ポジショナ27上に製品を置く位置や向きを決めることができる。
【0027】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、後に詳述するように、オンザフライ経路を自動的に生成する。オンザフライ経路自動生成モジュール113がオンザフライ経路を生成することによって、オンザフライ経路の始点及び終点が決定する。
【0028】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、一実施形態のオンザフライ経路生成装置を構成する。オンザフライ経路自動生成モジュール113で、一実施形態のオンザフライ経路生成方法が実行される。
【0029】
CAM11は、溶接ロボット20を動作させるためのロボット動作ファイルF11を作成する。溶接ロボット20は、多関節のロボット本体21を有する。ロボット本体21の先端部には、リモートスキャナヘッド22(以下、ヘッド22と略記する)が取り付けられている。ロボット動作ファイルF11は、ヘッド22をオンザフライ経路の始点から終点まで移動させながら、複数の溶接線のそれぞれを、溶接線定義モジュール111で設定された溶接順に溶接させるための動作プログラムである。
【0030】
CAM11は、それぞれの溶接線の溶接開始点(溶接開始位置)と溶接終了点(溶接終了位置)、及び、溶接条件を含むレーザ照射情報ファイルF12を作成する。レーザ照射情報ファイルF12は、レーザによるリモートスキャナ溶接によって溶接すべき箇所を示す複数の溶接線のレーザ照射位置データと、溶接条件を示すデータとを含む。レーザ照射位置データは、溶接開始点及び溶接終了点それぞれの座標データによって構成される。
【0031】
CAM11は、ロボット動作ファイルF11及びレーザ照射情報ファイルF12をシミュレーションモジュール115に供給する。シミュレーションモジュール115は、ロボット動作ファイルF11及びレーザ照射情報ファイルF12に基づいて、ロボット本体21の姿勢や照射されるレーザの位置を計算して、シミュレーションデータを生成する。
【0032】
シミュレーションモジュール115は、シミュレーションデータをCAM11に供給する。描画エンジン114は、シミュレーションデータをモニタ10に描画する。これによって、オペレータは、モニタ10に表示されたシミュレーション画像によって、ロボット本体21がどのように動くか、複数の溶接線が的確に溶接されるかを事前に確認することができる。
【0033】
シミュレーションモジュール115がシミュレーションデータを生成し、モニタ10がシミュレーション画像を表示することは必須ではないが、それぞれの処理を実行させることが好ましい。
【0034】
CAM11は、ロボット動作ファイルF11及びレーザ照射情報ファイルF12をNC装置12に供給する。NC装置12は、ロボット動作ファイルF11及びレーザ照射情報ファイルF12をロボット制御装置28に転送する。
【0035】
ロボット制御装置28は、ロボット動作ファイルF11及びレーザ照射情報ファイルF12に基づいて、ポジショナ27上に配置された製品(図1では図示せず)の面に設定されている複数の溶接線を溶接するようロボット本体21を制御する。
【0036】
ロボット本体21は、ロボット制御装置28による制御に基づいて、レール26上を移動するようになっている。レール26の側面近傍には、ポジショナ27が設置されている。レール26がなく、ロボット本体21の位置が固定であってもよい。この場合、ヘッド22自体が動くことができる範囲内で、オンザフライ経路の始点から終点までの範囲が設定される。
【0037】
ヘッド22にはレーザ発振器23が接続されており、レーザ発振器23はレーザをヘッド22に供給する。ヘッド22内には、ガルバノミラー221,222が設けられている。レーザ発振器23より発せられたレーザは、ガルバノミラー221,222で反射して射出面220より射出する。レーザは、射出面220に直交する方向に射出する。
【0038】
ヘッド22内にレンズが設けられていてもよい。図1では図示していないが、ヘッド22内には、ティーチングによって溶接線を教示する際に用いられるガイド光を発生するガイド光発生部223(図2A図2C参照)が設けられている。
【0039】
ここで、図2A図2Cを用いて、溶接線の具体的な設定の仕方を説明する。図2Aにおいて、ヘッド22は、射出面220の中心が製品の面上の点P0の上方にある。点P0を中心として、円形のレーザ照射範囲R22が決まる。
【0040】
図2Bに示すように、ガイド光発生部223は、ガイド光Lgdを面に照射する。溶接線Laを設定するとき、オペレータは、まずガイド光Lgdを溶接開始点Lasに照射して溶接開始点Lasを教示し、次に、ガイド光Lgdを溶接終了点Laeに照射して溶接終了点Laeを教示する。
【0041】
図2Bでは1つの溶接線Laのみを示しているが、レーザ照射範囲R22内に他の溶接線が存在する場合には、オペレータは、他の溶接線を同様に教示することによって、レーザ照射範囲R22内の全ての溶接線を設定することができる。
【0042】
図2Bにおけるレーザ照射範囲R22外に他の溶接線を設定する場合には、オペレータは、図2Cに示すように、ヘッド22を移動させる。オペレータは、移動した位置におけるレーザ照射範囲R22内で溶接線Lbの溶接開始点Lbs及び溶接終了点Lbeを同様に教示して、溶接線Lbを設定する。
【0043】
以上の動作を繰り返すことによって、製品におけるそれぞれの面内に複数の溶接線を設定することができる。一方、CAM11の溶接線定義モジュール111では、入力されたCADデータファイルF10に含まれる製品の形状データより、それぞれの溶接線における溶接開始点及び溶接終了点を示す座標データを生成して、溶接線を定義付けることもできる。
【0044】
図3は、溶接ロボット20によって溶接する製品の一例を示している。図3に示す製品30は、溶接対象の面として、面31a,31b,32a,32b,33,34の6面を有する。面31a,31bは互いに平行であり、面32a,32bは互いに平行である。
【0045】
面31a,31b,32a,32b,33,34には、図2A図2Cで説明した溶接線のティーチングによって、図示のような複数の溶接線が設定されている。
【0046】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、図4に示す手順によって、オンザフライ経路を自動的に生成する。
【0047】
図4において、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS101にて、面の法線ベクトルに基づいて、面をグループ分けしてグループ面を生成する。CADデータファイルF10は製品の形状データを含むので、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS101の処理を実行することができる。
【0048】
図3に示す製品30のそれぞれの面の法線ベクトルは、次のとおりである。面31a,31bの法線ベクトルはベクトルV1である。面32a,32bの法線ベクトルはベクトルV2である。面33の法線ベクトルはベクトルV3であり、面34の法線ベクトルはベクトルV4である。
【0049】
面31a,31bの法線ベクトルはベクトルV1で同じであるため、面31a,31bは1つのグループ面とみなすことができる。面32a,32bの法線ベクトルはベクトルV2で同じであるため、面32a,32bは1つのグループ面とみなすことができる。
【0050】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS101にて、面31a,31bのグループ面と、面32a,32bのグループ面と、面33のグループ面と、面34のグループ面を生成する。グループ面は、1つの面で構成されていてもよい。
【0051】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS102にて、グループ面ごとにヘッド22の位置を求める。ヘッド22の位置とは、グループ面に対する法線ベクトル方向の位置である。本実施形態においては、ヘッド22の射出面220はグループ面(溶接面)に対して平行であり、溶接中、射出面220とグループ面(溶接面)との距離は変化せず一定距離を保つとする。
【0052】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS103にて、グループ面内に溶接できない溶接線が存在するか否かを判定する。
【0053】
図5A図5Bは、グループ面31a,31bをヘッド22より射出されたレーザLsrによって溶接する状態を示している。ヘッド22は、レーザLsrの焦点距離を可変することができる。ヘッド22は、グループ面31a,31bが所定の距離Dfの範囲内に含まれていれば、ヘッド22の法線ベクトル方向の位置を一定とした状態で、レーザLsrの焦点距離を可変することによって面31a,31b双方を溶接することが可能である。
【0054】
図5Aは、面31a,31bが距離Dfの範囲内に含まれておらず、面31a,31bをグループ面とすることができない場合を示している。図5Bは、面31a,31bが距離Dfの範囲内に含まれており、面31a,31bをグループ面とすることができる場合を示している。距離Dfは、例えば160mm程度である。
【0055】
即ち、グループ面が複数の面で構成されているとき、ヘッド22を複数の面に対して法線ベクトルの方向に所定の距離だけ離間させて配置した状態で、複数の面それぞれが溶接可能であれば、複数の面を1つのグループ面として決定してもよいということである。
【0056】
図5Aの場合には、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS103にて、グループ面内に溶接できない溶接線が存在する(YES)と判定する。図5Bの場合には、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS103にて、グループ面内に溶接できない溶接線は存在しない(NO)と判定する。
【0057】
オンザフライ経路自動生成モジュール113がグループ面内に溶接できない溶接線が存在すると判定すれば、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS104にて、グループ面を分割してヘッド22の位置を改めて求める。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS104にてグループ面を分割してヘッド22の位置を求めたら、処理をステップS103に戻す。
【0058】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、グループ面内に溶接できない溶接線は存在しないと判定するまでステップS103,S104の処理を繰り返す。ステップS101にて複数の面がグループ面とされていたとしても、ヘッド22の法線ベクトル方向の位置を固定した状態ではグループ面内の全ての溶接線を溶接できない場合には、複数の面は異なるグループ面として設定される。
【0059】
本実施形態においては、面31a,31bが図5Bの状態であり、面31a,31bが1つのグループ面を構成する場合を説明する。
【0060】
なお、複数の面を1つのグループ面として扱うことは必須ではないが、法線ベクトルの方向におけるヘッド22の位置を1つの位置として共通に溶接可能な複数の面を1つのグループ面として扱うことが好ましい。このようにすれば、複数の面の全体で1つのオンザフライ経路を設定することができ、溶接時間を短くすることができる。
【0061】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS105にて、選択されたグループ面において、溶接線N本の平均座標位置を求める。平均座標位置とは、溶接線N本それぞれの溶接開始点の座標及び溶接終了点の座標の平均座標を示す位置である。Nのデフォルト値は一例として5であるとする。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS105にて、まず、面31a,31bのグループ面を選択したとする。
【0062】
図6に示すように、面31aには溶接線L1〜L8が設定されており、面31bには溶接線L9〜L25が設定されている。溶接線L1〜L25は、上述した溶接線のティーチングによって、溶接する順が溶接線L1〜L25の順に設定されている。
【0063】
面31a,31bは、1つのグループ面31を構成する。実際には面31a,31bは異なる面であるものの、溶接ロボット20は、面31a,31bをグループ面31よりなる1つの面とみなして溶接線L1〜L25を溶接する。
【0064】
グループ面31における溶接線L1〜L25が図6に示すように設定されている場合を例として、オンザフライ経路自動生成モジュール113がオンザフライ経路を生成する具体的な手順を説明する。
【0065】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS105にて、図7に示す最初の5本の溶接線L1〜L5の平均座標位置を求める。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS106にて、求めた平均座標位置をヘッド22(射出面220)の中心としたときに、レーザ照射範囲R22内に溶接線L1〜L5が含まれるか否かを判定する。
【0066】
溶接線L1〜L5全ての平均座標位置は、溶接線L1〜L5の中心位置である。複数の溶接線を抽出したときの中心位置の求め方は平均座標位置に限らず、最小2乗法を用いてもよく、中心位置を求める計算方法は特に限定されない。平均座標位置によれば簡単な計算で中心位置を求めることができる。
【0067】
図7の例では、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS106にて、レーザ照射範囲R22内に溶接線L1〜L5が全て含まれる(YES)と判定して、処理をステップS107に移行させる。
【0068】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS107にて、Nをデフォルト値に戻す。図7の場合には、Nはデフォルト値の5であるので、Nは5に維持される。
【0069】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS109にて、選択されたグループ面のオンザフライ経路の計算が終了したか否かを判定する。ここではまだオンザフライ経路の計算は終了していないので、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、処理をステップS105に戻す。
【0070】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS105にて、次の5本の溶接線L6〜L10の平均座標位置を求める。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS106にて、求めた平均座標位置をヘッド22の中心としたときに、レーザ照射範囲R22内に溶接線L6〜L10が含まれるか否かを判定する。
【0071】
図8に示すように、溶接線L9がレーザ照射範囲R22から外れており、溶接線L10の一部もレーザ照射範囲R22から外れている。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS106にて、レーザ照射範囲R22内に溶接線L6〜L10の全てが含まれない(NO)と判定して、処理をステップS108に移行させる。
【0072】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS108にて、N−1を新たにNとして処理をステップS105に戻す。ここでは、Nは4となる。
【0073】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS105にて、溶接線L10を除き、4本の溶接線L6〜L9の平均座標位置を求め、ステップS106にて、求めた平均座標位置をヘッド22の中心としたときに、レーザ照射範囲R22内に溶接線L6〜L9が含まれるか否かを判定する。
【0074】
図9に示すように、溶接線L9が依然としてレーザ照射範囲R22から外れている。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS106にて、レーザ照射範囲R22内に溶接線L6〜L9の全てが含まれない(NO)と判定して、処理をステップS108に移行させる。
【0075】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS108にて、N−1を新たにNとして処理をステップS105に戻す。ここでは、Nは3となる。
【0076】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS105にて、さらに溶接線L9を除き、3本の溶接線L6〜L8の平均座標位置を求め、ステップS106にて、求めた平均座標位置をヘッド22の中心としたときに、レーザ照射範囲R22内に溶接線L6〜L8が含まれるか否かを判定する。
【0077】
図10に示すように、レーザ照射範囲R22内に溶接線L6〜L8が全て含まれている。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS106にて、レーザ照射範囲R22内に溶接線L6〜L8の全てが含まれている(YES)と判定して、処理をステップS107に移行させる。
【0078】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS107にて、Nをデフォルト値の5に戻す。Nをデフォルト値から減らした場合にNをデフォルト値に戻すことにより、当初設定した本数で平均座標位置を求めることができる。
【0079】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS109にて、選択されたグループ面のオンザフライ経路の計算が終了したか否かを判定する。ここではまだオンザフライ経路の計算は終了していないので、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、処理をステップS105に戻す。
【0080】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS105にて、次の5本の溶接線L9〜L13の平均座標位置を求め、ステップS106にて、レーザ照射範囲R22内に溶接線L9〜L13が含まれるか否かを判定する。
【0081】
図11に示すように、レーザ照射範囲R22内に溶接線L9〜L13の全てが含まれていない。オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS106にて、レーザ照射範囲R22内に溶接線L9〜L13の全てが含まれない(NO)と判定して、処理をステップS108に移行させる。
【0082】
以降同様に、レーザ照射範囲R22内に溶接線の全てが含まれるまでNの値が1ずつ減算される。図12に示すように、Nを1とすることによって、レーザ照射範囲R22内に溶接線L9が全て含まれる状態になったとする。
【0083】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、同様の処理を繰り返し、図13に示すように、溶接線L9の次の溶接線として、ステップS106にて、レーザ照射範囲R22内に4本の溶接線L10〜L13の全てが含まれると判定する。
【0084】
図13に示すヘッド22がそれぞれの位置におけるレーザ照射範囲R22を連結すると、図14に示すレーザパターンLp22となる。図7図10図12図13における平均座標位置を中心点P1〜P4とする。中心点P1は、オンザフライ経路の始点である。図14に示すように、始点P1とこれに続く中心点P2〜P4を連結すると、オンザフライ経路Rt22となる。
【0085】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS109にてグループ面31のオンザフライ経路の計算が終了した(YES)と判定するまで、ステップS105〜S109の処理を繰り返す。すると、図15に示すように、中心点P4に続く中心点P5〜P7が連結されて、グループ面31のオンザフライ経路Rt22が完成する。中心点P7は、オンザフライ経路Rt22の終点である。
【0086】
グループ面31のオンザフライ経路Rt22は、ヘッド22の中心を始点P1から終点P7まで順次移動させていく経路となる。
【0087】
なお、オンザフライ経路の終点である中心点を求める際には、残った本数の溶接線における平均座標位置を求めることになるので、本数は5本未満となることがある。オンザフライ経路Rt22の終点P7は、最後に残った溶接線L25,L25の平均座標位置となっている。
【0088】
オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS109にて、選択されたグループ面のオンザフライ経路の計算が終了した(YES)と判定すると、ステップS110にて、全てのグループ面のオンザフライ経路の計算が終了したか否かを判定する。
【0089】
全てのグループ面のオンザフライ経路の計算が終了していなければ(NO)、オンザフライ経路自動生成モジュール113は、ステップS111にて、次のグループ面を選択して、ステップS105〜S109の処理を同様に繰り返す。
【0090】
全てのグループ面のオンザフライ経路の計算が終了していれば(YES)、図3に示す製品30の全てのグループ面のオンザフライ経路の計算が完了しているので、処理を終了させる。
【0091】
以上説明した図4に示すオンザフライ経路自動生成モジュール113によるオンザフライ経路の生成手順を機能ブロック図で表すと、図16となる。
【0092】
図16において、グループ面設定部1131は、製品が有する溶接対象の面を、法線ベクトルが同じである1または複数の面を1つのグループとしてグループ分けし、グループ分けされた1または複数の面をそれぞれグループ面と設定する。グループ面設定部1131は、CADデータファイルF10に基づいてグループ面を設定することができる。図4のステップS101は、グループ面設定部1131での処理に相当する。
【0093】
グループ面設定部1131がグループ面を設定した情報は、グループ面決定部1132及びグループ面分割再設定部1133に入力される。グループ面分割再設定部1133は、グループ面が複数の面で構成されているとき、複数の面それぞれが溶接可能でなければ、グループ面を分割する。図4のステップS102〜S104は、グループ面分割再設定部1133での処理に相当する。
【0094】
グループ面決定部1132は、グループ面が複数の面で構成されているとき、ヘッド22を複数の面に対して法線ベクトルの方向に所定の距離だけ離間させて配置した状態で、複数の面それぞれが溶接可能であるとき複数の面を1つのグループ面と決定する。図4のステップS102,S103は、グループ面決定部1132での処理に相当する。
【0095】
中心位置計算部1134には、グループ面決定部1132で決定されたぞれぞれのグループ面の情報と、溶接線定義モジュールで設定された複数の溶接線のレーザ照射位置データと溶接順データとが入力される。
【0096】
中心位置計算部1134は、ぞれぞれのグループ面において、レーザ照射位置データと溶接順データとに基づいて、複数の溶接線より、溶接線を溶接順に所定の本数ずつ抽出して、抽出した本数の溶接線における中心位置を求める。図4のステップS105は、中心位置計算部1134での処理に相当する。
【0097】
判定部1135は、抽出した本数の溶接線の全てが、ヘッド22がレーザを射出する射出面の中心を中心位置に合わせた状態におけるレーザ照射範囲R22に含まれているか否かを判定する。図4のステップS106は、判定部1135での処理に相当する。
【0098】
中心位置計算部1134は、判定部1135によって、抽出した本数の溶接線の全てがレーザ照射範囲R22に含まれている状態ではないと判定されたとき、抽出した本数の溶接線の全てがレーザ照射範囲R22に含まれる状態となるまで溶接線を抽出する本数を減らす。中心位置計算部1134は、減らした本数の溶接線における中心位置を求める。
【0099】
図4のステップS105,S106,S108のループは、中心位置計算部1134が、抽出した本数の溶接線の全てがレーザ照射範囲R22に含まれる状態となるまで溶接線を抽出する本数を減らして、減らした本数の溶接線における中心位置を求める処理に相当する。
【0100】
オンザフライ経路決定部1136は、中心位置計算部1134が溶接順で最初に求めた中心位置を始点、溶接順で最後に求めた中心位置を終点として、始点から終点までの複数の中心位置を連結した経路を、ヘッド22を移動させるオンザフライ経路Rt22として決定する。
【0101】
ロボット動作ファイル生成部116には、オンザフライ経路決定部1136で決定されたオンザフライ経路Rt22を示す情報と、溶接線定義モジュール111で設定された溶接順データとが入力される。ロボット動作ファイル生成部116は、ヘッド22をオンザフライ経路Rt22の始点から終点まで移動させながら、複数の溶接線のそれぞれを溶接させるためのロボット動作ファイルF11を生成する。
【0102】
レーザ照射情報ファイル生成部117には、溶接線定義モジュール111で設定された複数の溶接線のレーザ照射位置データと、溶接条件を示すデータとが入力され、これらを含むレーザ照射情報ファイルF12を生成する。
【0103】
ロボット動作ファイル生成部116及びレーザ照射情報ファイル生成部117は、ソフトウェアモジュールによって構成することができる。
【0104】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0105】
本実施形態においては、ヘッド22の射出面220が溶接面に対して平行であり、溶接中、射出面220と溶接面との距離は一定であるとしたが、射出面220を溶接面に対して傾斜させたり、射出面220と溶接面との距離を変化させたりする溶接ロボットであっても、本発明を用いることが可能である。
【符号の説明】
【0106】
11 CAM
20 溶接ロボット
22 リモートスキャナヘッド
111 溶接線定義モジュール
113 オンザフライ経路自動生成モジュール
1131 グループ面設定部
1132 グループ面決定部
1134 中心位置計算部
1135 判定部
1136 オンザフライ経路決定部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16