特許第6420705号(P6420705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6420705情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6420705
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/08 20060101AFI20181029BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   G06K7/08
   G06F3/041 560
   G06F3/041 590
   G06F3/041 595
   G06F3/041 600
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-77231(P2015-77231)
(22)【出願日】2015年4月3日
(65)【公開番号】特開2016-197348(P2016-197348A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2018年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】窪田 秀行
(72)【発明者】
【氏名】矢羽田 修平
(72)【発明者】
【氏名】山添 隆文
【審査官】 篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−241592(JP,A)
【文献】 特開2014−29712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/03
3/041−3/0489
G06K7/00−7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報保持媒体にそれぞれ設けられた情報コード群を入力面から読み取るときに各々の前記情報保持媒体の動きに応じて変化する値を検出する検出部と、
前記検出部により検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれる情報コード群を識別するコード群識別部と、
前記コード群識別部により識別された情報コード群単位で、当該情報コード群によって表される情報を取得する情報取得部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記入力面における前記情報保持媒体の移動に応じて変化する値を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、各々の前記情報保持媒体から前記入力面に対して加えられる圧力に応じて変化する値を検出する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記入力面における各々の前記情報保持媒体の移動に応じて変化する値、又は、各々の前記情報保持媒体から前記入力面に対して加えられる圧力に応じて変化する値を検出し、
前記コード群識別部は、前記検出部によって検出された、前記移動又は前記圧力のうちいずれか一方に応じて変化する値に基づいて、当該値の変化のしかたが同一又は類似の範囲にある情報コード群を識別できなかった場合には、前記移動又は前記圧力のうちの他方を変化させることをユーザに通知する処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
各々の前記情報保持媒体には、座標軸を特定するための1つの基準コードと、当該座標軸の原点を対称中心として点対称となるように配置された前記情報コード群とが設けられ、
前記入力面における前記1つの基準コードを検出する基準コード検出部と、
前記基準コード検出部により検出された結果に基づいて、前記入力面における前記座標軸を特定する座標軸特定部とを備え、
前記情報取得部は、前記座標軸特定部により特定された前記座標軸に従って前記情報コード群が配置された各座標を識別して、当該情報コード群によって表される情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報取得部により取得された情報に応じた処理を実行する処理実行部を備える
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記入力面はマルチタッチパネルであり、
前記情報コード群は前記マルチタッチパネルによって検出される素材で形成されており、
前記処理実行部は、前記情報取得部により取得された情報に応じた処理を実行し、当該処理の結果に応じた画像を前記マルチタッチパネルに表示させる
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数の情報保持媒体にそれぞれ設けられた情報コード群を入力面から読み取るときに各々の前記情報保持媒体の動きに応じて変化する値を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれる情報コード群を識別するコード群識別ステップと、
前記コード群識別ステップにより識別された情報コード群単位で、当該情報コード群によって表される情報を取得する情報取得ステップと
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の情報保持媒体にそれぞれ設けられた情報コード群を入力面から読み取るときに各々の前記情報保持媒体の動きに応じて変化する値を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれる情報コード群を識別するコード群識別ステップと、
前記コード群識別ステップにより識別された情報コード群単位で、当該情報コード群によって表される情報を取得する情報取得ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報を表すコードを認識する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、導電性の複数の接部が情報コード群として設けられた入力デバイスをマルチタッチパネルに置くと、各々の接部の位置が読み取られて、その位置関係に応じた処理(例えば入力デバイスに対応するキャラクタ画像を表示する処理)が行われることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−29712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、マルチタッチパネルの入力面に対して上記の入力デバイスのような複数の情報保持媒体をそれぞれ任意の位置に置いた場合、読み取られた接部(情報コード群)がどの情報保持媒体のものかを特定することが課題となる。例えば第1の情報保持媒体のすぐ隣に第2の情報保持媒体を置いた場合には、第1の情報保持媒体に設けられた情報コード群と、第2の情報保持媒体に設けられた情報コード群とを識別しなければならない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、情報コード群がそれぞれ設けられた複数の情報保持媒体を入力面から読み取った場合に、その情報保持媒体単位で情報コード群を識別することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の情報保持媒体にそれぞれ設けられた情報コード群を入力面から読み取るときに各々の前記情報保持媒体の動きに応じて変化する値を検出する検出部と、前記検出部により検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれる情報コード群を識別するコード群識別部と、前記コード群識別部により識別された情報コード群単位で、当該情報コード群によって表される情報を取得する情報取得部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0007】
前記検出部は、前記入力面における各々の前記情報保持媒体の移動に応じて変化する値を検出するようにしてもよい。
【0008】
前記検出部は、各々の前記情報保持媒体から前記入力面に対して加えられる圧力に応じて変化する値を検出するようにしてもよい。
【0009】
前記検出部は、前記入力面における各々の前記情報保持媒体の移動に応じて変化する値、又は、各々の前記情報保持媒体から前記入力面に対して加えられる圧力に応じて変化する値を検出し、前記コード群識別部は、前記検出部によって検出された、前記移動又は前記圧力のうちいずれか一方に応じて変化する値に基づいて、当該値の変化のしかたが同一又は類似の範囲にある情報コード群を識別できなかった場合には、前記移動又は前記圧力のうちの他方を変化させることをユーザに通知する処理を行うようにしてもよい。
【0010】
各々の前記情報保持媒体には、座標軸を特定するための1つの基準コードと、当該座標軸の原点を対称中信として点対称となるように配置された前記情報コード群とが設けられ、前記入力面における前記1つの基準コードを検出する基準コード検出部と、前記基準コード検出部により検出された結果に基づいて、前記入力面における前記座標軸を特定する座標軸特定部とを備え、前記情報取得部は、前記座標軸特定部により特定された前記座標軸に従って前記情報コード群が配置された各座標を識別して、当該情報コード群によって表される情報を取得するようにしてもよい。
【0011】
前記情報取得部により取得された情報に応じた処理を実行する処理実行部を備えるようにしてもよい。
【0012】
前記入力面はマルチタッチパネルであり、前記情報コード群は前記マルチタッチパネルによって検出される素材で形成されており、前記処理実行部は、前記情報取得部により取得された情報に応じた処理を実行し、当該処理の結果に応じた画像を前記マルチタッチパネルに表示させるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明は、複数の情報保持媒体にそれぞれ設けられた情報コード群を入力面から読み取るときに各々の前記情報保持媒体の動きに応じて変化する値を検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれる情報コード群を識別するコード群識別ステップと、前記コード群識別ステップにより識別された情報コード群単位で、当該情報コード群によって表される情報を取得する情報取得ステップとを備えることを特徴とする情報処理方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、複数の情報保持媒体にそれぞれ設けられた情報コード群を入力面から読み取るときに各々の前記情報保持媒体の動きに応じて変化する値を検出する検出ステップと、前記検出ステップにより検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれる情報コード群を識別するコード群識別ステップと、前記コード群識別ステップにより識別された情報コード群単位で、当該情報コード群によって表される情報を取得する情報取得ステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、情報コード群がそれぞれ設けられた複数の情報保持媒体を入力面から読み取った場合に、その情報保持媒体単位で情報コード群を識別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る通信システム全体の構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報保持媒体の構造を示す平面図であり、(A)は情報保持媒体を表面から見たときの様子を示す図であり、(B)は情報保持媒体を裏面から見たときの様子を示す図である。
図4】情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】情報処理装置の処理の手順を示すフローチャートである。
図6】情報処理装置のマルチタッチパネルに情報保持媒体を置いた時の様子を示す平面図であり、(A)は、情報保持媒体を置いたことをトリガとして情報処理装置による処理が実行される前の様子を示す図であり、(B)は、情報保持媒体を置いてから動かしたことをトリガとして情報処理装置による処理が実行された後の様子を示す図である。
図7】マルチタッチパネルによる接地面の検出を説明する図である。
図8】複数の情報保持媒体が任意の方向でマルチタッチパネルに置かれたときの様子を示す図である。
図9】情報コードの座標を識別する例を示す図である。
図10】情報保持媒体の構造の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
[実施形態の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。通信システム1は、ユーザによって利用される情報処理装置10及び情報保持媒体20と、サーバ装置30と、情報処理装置10及びサーバ装置30を通信可能に接続する通信網40とを備えている。通信網40は、例えばLTE(Long Term Evolution)やWiFi(Wireless Fidelity)などの移動通信網、又は、ISDN(Integrated Services Digital Network)などの固定通信網を含む。情報処理装置10は、サーバ装置30と通信網40経由で送受信する情報を用いて処理を行うネットワーク型の利用形態であってもよいし、通信網40を利用しないスタンドアロン型の利用形態であってもよい。つまり、サーバ装置30及び通信網40は必ずしも必須の構成ではない。なお、図1では、情報処理装置10及び情報保持媒体20をそれぞれ1つのみ図示しているが、実際にはそれぞれ複数ある。
【0018】
情報処理装置10は、ユーザが情報保持媒体20を接触ないし近接させる操作による入力を受け付ける機能を備えた装置であればよく、例えばモバイル型、タブレット型、ウェアラブル型、固定設置型などの形態の違いを問わないし、また、例えば電話機、ゲーム機、電子ノート端末、文書閲覧端末、電子書籍端末などの用途の違いも問わない。本実施形態では、情報処理装置10が、無線によるデータ通信が可能な汎用コンピュータであるタブレット型端末である場合を例示する。
【0019】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す図である。図2に示すように、情報処理装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15というハードウェアを備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を備えている。ROMは、CPUによって利用されるプログラムや各種データを記憶している。記憶部13は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュメモリ又はハードディスクなどの不揮発性の記憶手段であり、CPUによって利用されるプログラムや各種データを記憶している。CPUは、ROMや記憶部13に記憶されたプログラムやデータをRAMに展開し、そのプログラムに記述された手順に従って処理を行うことにより、後述する各種機能(図4)を実現する。通信部12は、例えばアンテナや通信回路を備えており、通信網40の基地局やアクセスポイント等の無線装置と無線通信を行う。
【0020】
操作部14はタッチセンサであり、表示部15は液晶ディスプレイである。これら操作部14及び表示部15が積層されることによって、入力面に画像を表示するとともに、その入力面において接触された複数の位置を同時に検出可能なマルチタッチパネル16を構成している。マルチタッチパネル16は、制御部11による制御の下で画像を表示し、また、マルチタッチパネルに対するユーザからのタッチ操作等に応じた操作信号を制御部11に供給する。制御部11は、マルチタッチパネル16から供給される操作信号に応じた処理を行う。情報保持媒体20はマルチタッチパネル16の入力面に置いて利用されるものであり、その入力面のサイズは情報保持媒体20を置くのに十分な大きさである。
【0021】
一般に、マルチタッチパネルの方式は、例えば静電容量方式、光センサ方式、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式、電磁誘導方式又はこれらのうち複数を組み合わせたもの等であるが、本実施形態では特に投影型静電容量方式と呼ばれる方式で説明する。ユーザが指等でマルチタッチパネル16の入力面をタッチすると、その入力面に配置された複数の透明電極のうち、タッチされた部分にある透明電極に、指等の静電容量による高周波電流が流れる。マルチタッチパネル16はその高周波電流を検知することで、入力面のどの領域がタッチされたかを特定する。タッチされた領域のことを「接地面」という。
【0022】
図3(A)は情報保持媒体20を表面から見たときの様子を示す図であり、(B)は情報保持媒体20を裏面から見たときの様子を示す図である。情報保持媒体20がマルチタッチパネル16に置かれたとき、情報保持媒体20の裏面がマルチタッチパネル16の入力面に接触する。情報保持媒体20は矩形のカード形状であり、かつ、情報保持媒体20の一部に矩形の穴21が開いている。従って、情報保持媒体20をマルチタッチパネル16に置くと、マルチタッチパネル16に表示されている画像のうち、穴21に相当する位置に表示されている画像はその穴21を介してユーザから見えることになるが、穴21以外の情報保持媒体20によって隠される位置に表示されている画像は見えない。
【0023】
情報保持媒体20の表面には、この情報保持媒体20を情報処理装置10のマルチタッチパネル16に置いたときに生じる事象を説明するメッセージが記されている。図3の例では、マルチタッチパネル16に表示されたキャラクタ画像が穴21からユーザに見えるようにして情報保持媒体20をマルチタッチパネル16に置くと、そのキャラクタ画像に仮想的に付与されているパワーの値が増加するようになっている。
【0024】
情報保持媒体20の裏面には、コード群Cが設けられている。ここでいうコードとは HYPERLINK "http://e-words.jp/w/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89.html" 符号化又は記号化された情報のことであり、本実施形態の例では、図3に示した円形のオブジェクトの1つ1つのことである。コード群Cは、マルチタッチパネル16によって検出可能になるように、例えば静電インクなどの素材を用いた印刷によって、情報保持媒体20の裏面に配置されている。これらのコード群Cによって、情報保持媒体20から情報処理装置10へと伝達される情報が表現されている。ここで伝達対象となる情報は、情報保持媒体20がマルチタッチパネル16に置かれたときに情報処理装置10が実行する処理の内容のことである。
【0025】
コード群Cは、1つの基準コードC11と、1以上(ここでは6個)の情報コード群C21〜C26とを含んでいる。基準コードC11は、座標軸を特定するためのコードである。情報コード群C21〜C26は、基準コードC11によって特定される座標軸によって識別される座標に配置されたコードである。各情報コード群C21〜C26の座標の組み合わせによって、伝達対象となる情報が表現される。基準コードは、座標軸の位置及び方向を定義するものであるが、情報コード群が配置される座標領域の限界までは定義していない。情報コード群が配置される座標領域の限界とは、座標軸において情報コード群の座標が採り得る範囲であり、例えば0≦X≦或る数、0≦Y≦或る数、という条件を満たす範囲である。このため、複数の情報保持媒体20が同時にマルチタッチパネル16の入力面の任意の位置に任意の方向で置かれると、どの情報コード群がどの情報保持媒体20に対応しているかを特定するための工夫が必要となる。例えば第1の情報保持媒体20のすぐ隣に第2の情報保持媒体20を置いた場合には、第1の情報保持媒体20に設けられた情報コード群と、第2の情報保持媒体に設けられた情報コード群とを識別しなければならない。
【0026】
図4は、情報処理装置10(制御部11)の機能構成を示す図である。変化値検出部101は、複数の情報保持媒体20にそれぞれ設けられたコード群(基準コード及び情報コード群)を読み取るときに、各々の前記情報保持媒体20の動きに応じて変化する値を検出する。本実施形態において、ユーザは、情報保持媒体20をマルチタッチパネル16の入力面に置いた後、その入力面の上を滑らせるようにして任意の方向に移動させる。変化値検出部101は、マルチタッチパネル16の入力面における各々の情報保持媒体20の移動に応じて変化する値(ここでは移動を開始した時刻から終了するまでの時刻に至る、マルチタッチパネル16の入力面におけるコード群の移動量及び移動方向)を検出する。
【0027】
コード群識別部102は、変化値検出部101により検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれるコード群を識別する。つまり、各情報保持媒体20が任意の方向に任意の量だけ移動する場合であっても、1つの情報保持媒体20に注目すれば、その情報保持媒体20に設けられているコード群はほぼ同じ移動をするはずであり、かつ、この移動は他の情報保持媒体20に設けられているコード群とは異なっている。コード群識別部102は、お互いの移動量及び移動方向の差が閾値より小さいコードどうしをグルーピングすることで、各情報保持媒体20に対応するコード群を識別することが可能となる。この類似の範囲は、1つの情報保持媒体に設けられたコード群であっても、その移動が必ずしも同一ではなく、例えば検出誤差等によりわずかに異なる場合もあるので、その範囲を定めたものである。従って、同一または類似の範囲は、1つの情報保持媒体に設けられたコード群であると判断し得る程度の適切な範囲を、例えばシミュレーション等の計算や実験等により予め求めておけばよい。このようにして識別される各コード群には、1つの基準コードと6つの情報コード群とが含まれている。
【0028】
基準コード検出部103は、コード群識別部102により識別された各コード群において、マルチタッチパネル16の入力面における基準コードC11の位置、大きさ及び方向を検出する。
【0029】
座標軸特定部104は、基準コード検出部103によって検出された基準コードC11の位置、大きさ及び方向に基づいて、その基準コードが設けられた情報保持媒体20についての座標軸を特定する。より具体的には、座標軸特定部104は、基準コードC11の位置、大きさ及び方向から、座標軸の位置及び方向を求めるための座標軸特定アルゴリズムを記憶しており、コード群識別部102により識別された各コード群に含まれる基準コードC11の位置、大きさ及び方向をその座標軸特定アルゴリズムに適用して、各コード群における座標軸の位置及び方向を特定する。
【0030】
情報取得部105は、コード群識別部によって識別されたコード群単位で、座標軸特定部104によって特定された座標軸に従い情報コード群C21〜C26が配置された各座標を識別して、その情報コード群C21〜C26によって表される情報を取得する。より具体的には、情報取得部105は、各情報コード群C21〜C26の座標の組み合わせから情報処理装置10が実行する処理の内容を求めるためのコード復号アルゴリズムを記憶しており、情報コード群C21〜C26の各座標をそのコード復号アルゴリズムに適用してこれらの情報コード群C21〜C26を復号し、実行すべき処理の内容(つまり情報保持媒体20から情報処理装置10へと伝達される情報)を特定する。処理実行部106は、情報取得部105により取得された情報に応じた処理を実行する。
【0031】
[実施形態の動作]
図5は、情報処理装置10の処理の手順を示すフローチャートである。例えば図6(A)に示すように、マルチタッチパネル16に格闘型ゲーム画面が表示されているときに、第1のユーザによって操作されるキャラクタ画像CR1が穴21Aから見えるようにして、情報保持媒体20Aがマルチタッチパネル16に置かれた場合を想定する。そして、第1のユーザは、情報保持媒体20Aをマルチタッチパネル16の入力面の上を滑らせるようにして任意の方向(矢印a方向)に移動させたあと、元の位置に戻したとする。同様に、第2のユーザによって操作されるキャラクタ画像CR2が穴21Bから見えるようにして、情報保持媒体20Bがマルチタッチパネル16に置かれたとする。そして、第2のユーザは、情報保持媒体20Bをマルチタッチパネル16の入力面の上を滑らせるようにして任意の方向(矢印b方向)に移動させたあと、元の位置に戻したとする。
【0032】
第1のユーザ及び第2のユーザによって上記のような行為が行われている期間にわたって、マルチタッチパネル16から制御部11に対し、投影型静電容量方式でセンシングされた結果であるセンシングデータが供給される(図5のステップS11;YES)。制御部11(変化値検出部101)は、マルチタッチパネル16の入力面における各々の情報保持媒体20の移動に応じて変化する値(各コードの移動量及び移動方向)を検出する(ステップS12)。ここで、変化する値を検出できない場合には(ステップS12;NO)、例えばマルチタッチパネル16に表示されたソフトボタンにユーザが指を接触させるような、通常の操作が行われた場合であるから、制御部11は、このタッチ操作に応じて所定の処理を行えばよい(ステップS18)。
【0033】
ここで、図7を参照して、タッチパネルにおいて指等が接触された領域(以下、接地面という)を検出するために標準的に使用されているプロトコルについて説明する。図7に示すように、接地面Aは、その最大幅MA(ABS_MT_TOUCH_MAJOR)が長軸に相当し、その最少幅MI(ABS_MT_TOUCH_MINOR)が短軸に相当するような楕円形に近似される。長軸と短軸の交点が接地面中心Oである。この接地面中心Oを通って接地面最大幅MAの測定ラインを結ぶ軸と、タッチパネルにおいて接地面中心Oを起点として規定された座標軸(y軸)とがなす角度を接地方向αという。接地方向αは、y軸から時計回りに90度のときに最大の正の値をとり、y軸から半時計回りに90度(−90度)のときに最大の負の値をとる。なお、接地面Aが点対称の形状の場合、つまり接地面最大幅MA=接地面最小幅MIで接地面がほぼ真円の場合には、接地方向αは無効である。
【0034】
本実施形態では、基準コードC11と情報コード群C21〜C26とを識別できるように、それぞれの接地面最大幅MA/接地面最小幅MIが或る範囲になるように予め定義されている。基準コードC11の接地面最大幅MA/接地面最小幅MIは例えば4以上7未満であり、その形状がいわゆる細長い楕円である。これに対し、情報コード群C21〜C26の接地面最大幅MA/接地面最小幅MIは例えば1以上1.5未満であり、その形状は基準コードC11よりも真円に近い。
【0035】
制御部11(コード群識別部102)は、ステップS12において検出された値の変化のしかたが同一又は類似の範囲に含まれるコード群を識別する(ステップS13)。つまり、制御部11(コード群識別部102)は、各コードに相当する接地面の移動量及び移動方向を特定し、さらに接地面どうしでこれらの差を算出し、その差が閾値より小さい接地面群を1つの情報保持媒体20に対応する接地面群としてグルーピングする。これにより、各情報保持媒体20に対応するコード群がそれぞれ識別可能となる。
【0036】
図8(A)に示すように、情報保持媒体20A、20Bがマルチタッチパネル16に置かれた状態では、制御部11は、それぞれの座標領域の限界を明確に特定できないので、情報保持媒体20Aに対応するコード群C1と、情報保持媒体20Bに対応するコード群C2とを正確に識別することができない。これに対し、図8(B)に示すように、情報保持媒体20Aに対応するコード群C1が或る量で或る方向に移動する一方(点線が移動前で、実線が移動後)、情報保持媒体20Bに対応するコード群C2が、情報保持媒体20Aに対応するコード群C1とは異なる量で異なる方向に移動した場合(点線が移動前で、実線が移動後)、これらの移動量及び移動方向の違いに基づいて、それぞれのコード群C1、C2を識別可能になる。なお、図8(B)は、第1のユーザが情報保持媒体20Aを移動させたとき(つまりいったん矢印a方向に移動させてから、元の位置に戻す前)のコード群C1の位置と、第2のユーザが情報保持媒体20Bを移動させたとき(つまりいったん矢印b方向に移動させてから、元の位置に戻す前)のコード群C2の位置とを示している。
【0037】
図5のステップS14において、制御部11(基準コード検出部103)は、ステップS13において識別された各コード群についてのセンシングデータを解析して、基準コードC11について定義された接地面最大幅MA及び接地面最小幅MIの条件を満たす接地面を検出した場合には、各接地面の接地面中心Oの位置、接地面最大幅MA、接地面最小幅MI及び接地方向αを、それぞれ基準コードC11の位置、大きさ及び方向として検出する(ステップS14;YES)。ここで、基準コードC11を検出できない場合には(ステップS14;NO)、例えばマルチタッチパネル16に表示されたソフトボタンにユーザが指を接触させたような場合であるから、制御部11は、このタッチ操作に応じて所定の処理を行えばよい(ステップS18)。
【0038】
基準コードC11が検出された場合(ステップS14;YES)、制御部11(座標軸特定部104)は、検出された基準コードC11の位置、大きさ及び方向に基づいて、2本の座標軸の位置及び方向を特定する(ステップS15)。これを特定するための座標軸特定アルゴリズムの一例を、図9を用いて説明する。
【0039】
この座標軸特定アルゴリズムにおいては、基準コードC11に相当する接地面A1の接地面中心O1を原点として、接地面最小幅を結ぶ軸をX軸とし、接地面最大幅MAを結ぶ軸をY軸とする。ただし、図9(A)と図9(B)を比較すれば分かるように、この座標軸特定アルゴリズムでは、各座標軸の方向について二とおりに解釈し得る余地がある。そこで、本実施形態では、接地面中心O(座標原点)から見て各情報コードが対称となるように配置している。つまり、図9(A)と図9(B)という二とおりの座標軸の取り方があったとしても、情報コードC21と情報コードC24の座標は同じであるし、情報コードC22と情報コードC25の座標は同じであるし、情報コードC23と情報コードC26の座標は同じである。従って、制御部11(情報取得部105)は、座標軸を図9(A)のように解釈したときのXY座標の第1及び第2象限(つまり0≦Y)における情報コード(ここでは情報コードC21、C22、C23)の組み合わせ、又は、座標軸を図9(B)のように解釈したときのXY座標の第3及び第4象限(つまり0≧Y)における情報コード(ここでは情報コードC24、C25、C26)の組み合わせのいずれか一方を用いて、コード復号アルゴリズムによる復号を行って情報を取得する(図5のステップS16)。
【0040】
ここでの処理内容は、マルチタッチパネル16において情報保持媒体20の穴21の位置に表示されたキャラクタ画像CR1、CR2(図6)に仮想的に付与されているパワーの値を増加させるとともに、そのキャラクタ画像CRに対してパワーが増大したイメージをユーザに伝えるような効果画像を表示するという内容である。制御部11(処理実行部106)は、ステップS16で特定した処理内容に従い、その処理を実行する。
【0041】
図6の例で具体的に説明すると、制御部11(処理実行部106)は、マルチタッチパネル16の入力面において基準コードC11に相当する接地面の接地面中心の座標と、情報保持媒体20Aの形状及び情報保持媒体20Aにおける基準コードの配置位置を示すデータと、マルチタッチパネル16に表示されている画像の画像データとに基づいて、穴21Aの位置に表示されているキャラクタ画像CR1を特定する。そして、制御部11(処理実行部106)は、記憶部13に記憶されているキャラクタ画像CR1のパワーの値を所定量だけ増加させる。さらに、制御部11(処理実行部106)は、図6(B)に示すように、キャラクタ画像CR1からその周囲に向かう光を模した効果画像EF1を表示するとともに、キャラクタ画像CR1のパワーの値を所定量増加させて表示する。また、制御部11(処理実行部106)は、マルチタッチパネル16の入力面において基準コードC12に相当する接地面の接地面中心の座標と、情報保持媒体20Bの形状及び情報保持媒体20Bにおける基準コードの配置位置を示すデータと、マルチタッチパネル16に表示されている画像の画像データとに基づいて、穴21Bの位置に表示されているキャラクタ画像CR2を特定する。そして、制御部11(処理実行部106)は、記憶部13に記憶されているキャラクタ画像CR2のパワーの値を所定量だけ増加させる。さらに、制御部11(処理実行部106)は、図6(B)に示すように、キャラクタ画像CR2からその周囲に向かう光を模した効果画像EF2を表示するとともに、キャラクタ画像CR2のパワーの値を所定量増加させて表示する。
【0042】
本実施形態によれば、コード群がそれぞれ設けられた複数の情報保持媒体20をマルチタッチパネル16の入力面の任意の位置に任意の方向で置いた場合であっても、情報保持媒体20単位でコード群を識別することが可能となる。このため、情報保持媒体20においてコード群を配置する座標領域の制限を予め決めておく必要がないし、また、1つの情報保持媒体に設けるコードの数を予め決めておく必要もない。さらに、基準コードに近い位置に情報コードを配置する必要もなく、情報保持媒体20の形状に関する制約しなくてもよいから、例えば図10に例示するように情報保持媒体20を星形などの任意の形状にすることが可能となる。
【0043】
また、情報保持媒体20には、座標軸を特定するための1つの基準コードと、当該座標軸の原点を対象中心として点対称となるように配置された情報コードとを設けているので、基準コードによって二とおりの座標軸の取り方が想定される場合であっても、情報コードが配置された各座標を識別して情報を取得することが可能となる。つまり、本実施形態では座標軸を特定するための基準コードが最小の数(1つ)で済む。
【0044】
[変形例]
上述した実施形態は次のような変形が可能である。また、以下の変形例を互いに組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
実施形態では、入力面はマルチタッチパネル16であり、基準コード及び情報コード群は、マルチタッチパネル16によって検出される静電インクで形成されており、処理実行部106は、情報取得部105により取得された情報に応じた処理を実行し、当該処理の結果に応じた画像をマルチタッチパネル16に表示させていた。
コードの素材は、静電インクに限らず、導電性素材であればよく、例えば金属、ポリアセチレン等の導電性プラスチック又は金属繊維を混合したプラスチックなどでもよい。また、マルチタッチパネル16の方式は投影型静電容量方式に限らず、電圧や電流などの電気現象を用いた方式や、電気以外の物理的な振動や音、光などを用いた方式であってもよいし、画像認識などの光学的な方式であってもよい。
【0045】
また、処理実行部106は、情報取得部105により取得された情報に応じた処理を実行するものであればよく、その処理の内容は、実施形態の例に限定されない。また、図3及び図6に図示した情報保持媒体20の構造や表示画像は一例にすぎず、図示した内容に限定されない。
例えば処理実行部106が実行する処理に関しては、情報保持媒体20には穴21がなく、その情報保持媒体20がマルチタッチパネル16に置かれると、情報保持媒体20の周囲の画像が変化するような処理であってもよい。また、情報保持媒体20において、穴21に代えて、所定の絵が描かれた半透明の板状部材が嵌め込まれており、その情報保持媒体20がマルチタッチパネル16に置かれると、情報保持媒体20の板状部材の下の表示画像が変化し、その表示画像と板状部材に描かれた絵とが影響し合って、人間の目には或る別の画像に見えるような処理を行ってもよい。
また、処理実行部106が実行する処理は、マルチタッチパネル16に表示された画像や、マルチタッチパネル16上に情報保持媒体20が置かれた位置に依存する処理であってもよいし(実施形態及び上記の変形例)、マルチタッチパネル16に表示された画像や情報保持媒体20が置かれた位置に依存しない処理であってもよい。
【0046】
[変形例2]
実施形態では、変化値検出部101が、マルチタッチパネル16の入力面における各々の情報保持媒体20の移動に応じて変化する値、つまりコード群の移動量及び移動方向を検出していた。変化値検出部101による検出対象はこれに限らず、複数の情報保持媒体20にそれぞれ設けられたコード群を読み取るときに各々の情報保持媒体20の動きに応じて変化する値であって、1つの情報保持媒体20に共通するような値であれば、どのようなものでもよい。
【0047】
例えば変化値検出部101による検出対象は、実施形態で説明したコード群の移動量や移動方向という値に限らず、例えば移動の速度や加速度、又は、移動開始時刻及び終了時刻などの、情報保持媒体20の動きに応じて変化する値であればよい。また、変化値検出部101による検出対象は、各コードに相当する接地面を検出するときの電圧や電流などの電気的な物性値とか、電気以外の物理的な振動や音、光などの波形に関する物性値などであってもよい。
【0048】
また、変化値検出部101は、各々の情報保持媒体20からマルチタッチパネル16の入力面に対して加えられる圧力に応じて変化する値を検出してもよい。この場合、変化値検出部101は、マルチタッチパネル16の入力面に対して加えられる圧力に応じて、電圧や電流などの電気的な値とか、電気以外の物理的な振動や音、光などの波形に関する値が変化するのでこれらを検出対象としてもよいし、これらの検出値から求められる圧力値を検出対象としてもよい。ここでいう圧力とは、ユーザが情報保持媒体20をマルチタッチパネル16の入力面に置くときに情報保持媒体20から入力面に加えられる圧力であってもよいし、ユーザが情報保持媒体20をマルチタッチパネル16の入力面に置いた後に意図的に情報保持媒体20を入力面に押し付けるときの圧力であってもよい。前者の場合は、情報保持媒体20がマルチタッチパネル16の入力面に向かって移動するときの動きに応じて変化する値を検出しているといえるし、また、後者の場合は情報保持媒体20がマルチタッチパネル16の入力面に押し付けられるときの情報保持媒体20のわずかな動きに応じて変化する値を検出しているといえる。
【0049】
さらに、コード群識別部102は、変化値検出部101によって検出された移動又は圧力のうちいずれか一方に応じて変化する値に基づいて、当該値の変化のしかたが同一または類似の範囲にある情報コード群を識別できなかった場合には、移動又は圧力のうちの他方を変化させることをユーザに通知する処理を行うようにしてもよい。例えばユーザが最初は情報保持媒体20をマルチタッチパネル16の入力面上で移動させたとしても、何らかの動作不良でコード群を識別できなかった場合には、コード群識別部102が、「情報保持媒体を入力面に押し付けてください」というようなメッセージを表示するなどして、情報保持媒体20から入力面に対して加えられる圧力を変化させることをユーザに通知するようにしてもよい。また逆に、例えばユーザが最初は情報保持媒体20をマルチタッチパネル16に置いて圧力を加えたとしても、何らかの動作不良でコード群を識別できなかった場合には、コード群識別部102が、「情報保持媒体をマルチタッチパネルの上で動かしてください」というようなメッセージを表示するなどして、入力面における情報保持媒体20の移動を行うことをユーザに通知するようにしてもよい。
【0050】
[変形例3]
実施形態で説明した装置構成、システム構成及びデータ構成はあくまで例示であり、本発明の実施はこの例示内容に限定されない。情報処理装置10が複数の装置に分散して構成されていてもよい。例えば、情報取得部105は情報コード群の座標の組み合わせをサーバ装置30に送信し、サーバ装置30がその座標の組み合わせに対応する情報を情報処理装置10に送信して、情報取得部105がこれを取得するようにしてもよい。また基準コードや情報コードの数、基準コード又は情報コードによる表現方法、或いは、座標軸の特定の方法などは実施形態の例に限定されず、例えば基準コードが2以上であってもよい。また、実施形態では、基準コードの接地面中心を対称中心として情報コードを点対称に配置していたが、基準コードによって定まる座標軸を対称軸として情報コードを線対称に配置してもよい。この場合、基準コードから見て或る特定の側だけに情報コードが配置されるようになる。
また、実施形態では、情報コードの座標によって伝達対象となる情報を表していたが、実施形態における基準コードと同じように、情報コードにおいてもその大きさや方向を用いて、伝達対象となる情報を表してもよい。
【0051】
[変形例4]
また、本発明は、情報処理装置だけでなく、情報処理装置の制御部によって実行される方法と同等の情報処理方法や、コンピュータを情報処理装置として機能させるためのプログラムといった形態でも実施が可能である。このプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態でコンピュータに提供されたり、インターネット等のネットワークを介してコンピュータに提供されたりしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1・・・通信システム、10・・・情報処理装置、11・・・制御部、12・・・通信部、13・・・記憶部、14・・・操作部、15・・・表示部、16・・・マルチタッチパネル、101・・・変化値検出部、102・・・コード群識別部、103・・・基準コード検出部、104・・・座標軸特定部、105・・・情報取得部、106・・・処理実行部、C11・・・基準コード、C21〜C26・・・情報コード群、20・・・情報保持媒体
図1
図2
図3
図4
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図7
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図10