特許第6420879号(P6420879)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6420879拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6420879
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 9/00 20060101AFI20181029BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20181029BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20181029BHJP
【FI】
   G09B9/00 Z
   G09B5/02
   G06Q10/00
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-205313(P2017-205313)
(22)【出願日】2017年10月24日
【審査請求日】2017年10月24日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0088497
(32)【優先日】2017年7月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】596180076
【氏名又は名称】韓國電子通信研究院
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】金 京 鎬
(72)【発明者】
【氏名】朴 仁 成
(72)【発明者】
【氏名】張 仁 淑
(72)【発明者】
【氏名】梁 眞 錫
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 均
(72)【発明者】
【氏名】金 仁 中
【審査官】 目黒 大地
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/029464(WO,A1)
【文献】 特表2016−539445(JP,A)
【文献】 特開2017−198836(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0183520(US,A1)
【文献】 浅井 健志 TAKESHI ASAI,サイバー攻撃訓練システムにおける訓練シナリオ生成方法の提案 Scenario Generation Method for Cyber Security Trainer,情報処理学会 研究報告 マルチメディア通信と分散処理(DPS) 2016−DPS−166 [online],日本,情報処理学会,2016年 2月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B1/00−9/56
17/00−19/26
G06F19/00
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置によって行われる拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法において、
サイバー危機対応訓練の種類を設定するステップと、
設定された前記サイバー危機対応訓練の種類に相応するサイバー危機対応訓練環境を1つ以上の訓練者端末に提供するステップと、
前記訓練者端末から前記サイバー危機対応訓練環境への対応を受信するステップと、
前記サイバー危機対応訓練環境および前記対応に相応する訓練状況情報と前記サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成するステップと、
前記対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、前記施設状況情報を出力するステップとを含む拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項2】
前記施設状況情報を生成するステップは、
前記サイバー危機対応訓練環境および前記訓練者端末の前記対応に基づいて、訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断して前記訓練状況情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項3】
前記施設状況情報を生成するステップは、
前記対象施設の状態情報に前記訓練状況情報を反映して、前記サイバー危機対応訓練に応じた前記対象施設の前記施設状況情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項4】
前記施設状況情報を出力するステップは、
前記訓練者端末、出力装置および訓練者が着用した着用型ディスプレイ装置の少なくともいずれか1つを用いて、前記施設状況情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項5】
前記施設状況情報を出力するステップは、
前記施設状況情報に相応する仮想オブジェクトと、前記対象施設に相応する映像とを合成した前記拡張現実イメージを出力することを特徴とする請求項4に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項6】
前記施設状況情報を出力するステップは、
前記対象施設に相応する映像を処理するステップと、
前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを把握するステップと、
前記訓練状況情報、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを考慮して、前記対象施設に相応する前記仮想オブジェクトを生成するステップと、
生成された前記仮想オブジェクトを前記映像に合成して前記拡張現実イメージを生成するステップとを含むことを特徴とする請求項5に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項7】
前記サイバー危機対応訓練の種類を設定するステップは、
前記サイバー危機対応訓練を実施する前記対象施設を設定することを特徴とする請求項1に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項8】
前記施設状況情報を出力するステップは、
前記施設状況情報に相応するように、前記対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法。
【請求項9】
1つ以上の訓練者端末にサイバー危機対応訓練の種類に相応するサイバー危機対応訓練環境を提供する訓練環境提供部と、
前記訓練者端末から前記サイバー危機対応訓練環境への対応が入力される対応入力部と、
前記サイバー危機対応訓練環境および前記対応に相応する訓練状況情報と前記サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成する施設状況情報生成部と、
前記対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、前記施設状況情報を出力する施設状況情報出力部とを含む拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項10】
前記施設状況情報生成部は、
前記サイバー危機対応訓練環境および前記訓練者端末の前記対応に基づいて、訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断して前記訓練状況情報を生成することを特徴とする請求項9に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項11】
前記施設状況情報生成部は、
前記対象施設の状態情報に前記訓練状況情報を反映して、前記サイバー危機対応訓練に応じた前記対象施設の前記施設状況情報を生成することを特徴とする請求項10に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項12】
前記施設状況情報出力部は、
前記訓練者端末、出力装置および訓練者が着用した着用型ディスプレイ装置の少なくともいずれか1つを用いて、前記施設状況情報を出力することを特徴とする請求項9に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項13】
前記施設状況情報出力部は、
前記施設状況情報に相応する仮想オブジェクトと、前記対象施設に相応する映像とを合成した前記拡張現実イメージを出力することを特徴とする請求項12に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項14】
前記施設状況情報出力部は、
前記対象施設に相応する映像を処理し、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを把握し、前記訓練状況情報、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを考慮して、前記対象施設に相応する前記仮想オブジェクトを生成し、生成された前記仮想オブジェクトを前記映像に合成して前記拡張現実イメージを生成することを特徴とする請求項13に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項15】
前記サイバー危機対応訓練を実施する前記対象施設を設定して、前記サイバー危機対応訓練の種類を設定する訓練種類設定部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項16】
前記施設状況情報出力部は、
前記施設状況情報に相応するように、前記対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの情報を出力することを特徴とする請求項9に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置。
【請求項17】
1つ以上の訓練者端末と、
前記訓練者端末にサイバー危機対応訓練の環境を提供し、前記訓練者端末から前記サイバー危機対応訓練の環境への対応を受信し、前記対応に応じた訓練状況情報および前記サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成する拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置と、
前記対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、前記施設状況情報を出力する第1施設状況情報出力装置と、
前記施設状況情報に基づいて、前記対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの設備に関する情報を出力する第2施設状況情報出力装置とを含む拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システム。
【請求項18】
前記拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置は、
前記サイバー危機対応訓練の環境および前記訓練者端末の前記対応に基づいて、訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断して前記訓練状況情報を生成し、前記対象施設の状態情報に前記訓練状況情報を反映して、前記サイバー危機対応訓練に応じた前記対象施設の前記施設状況情報を生成することを特徴とする請求項17に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システム。
【請求項19】
前記第1施設状況情報出力装置は、
前記サイバー危機対応訓練の訓練者が着用する着用型ディスプレイ装置であることを特徴とする請求項18に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システム。
【請求項20】
前記対象施設に相応する拡張現実イメージは、
前記訓練状況情報、前記対象施設の情報、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを考慮して生成された仮想オブジェクトと、前記対象施設に相応する映像とが合成された形態であることを特徴とする請求項19に記載の拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張現実をベースとしてサイバー危機対応訓練を提供する技術に関し、特に、サイバー危機対応訓練に応じた施設状況情報を拡張現実技術を用いて出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報通信技術の発達および情報通信機器の普及に伴い、ネットワークに接続されたシステムに対するサイバー脅威がますます増加している。また、このようなサイバー脅威に対応するための訓練の必要性が台頭している。
【0003】
既存のサイバー脅威に関する教育は、一方的な講義方式で進められる場合が多く、理論中心の一方向の教育であるか、訓練シナリオ予告制方式の教育で進められていた。そして、既存のサイバーセキュリティー関連教育は、個人PC、ウェブサーバ、DBサーバなどの一般的なITシステムを保護対象とし、保護対象となる一般的なITシステムを物理的に構築したり、仮想で構築して環境を提供する形態で動作した。また、サイバー脅威による被害状況は、ホームページの改ざんやサービス不可状態などの方法を利用して表現した。
【0004】
最近は、電力、道路、原子力、鉄道などの国家基盤施設を対象とするサイバー脅威に対するケースが増加するにつれ、基盤施設に対するサイバー脅威への警戒心と認識が高まった。これによって、国家基盤施設のような物理的保護施設が存在する領域でのサイバー脅威に対する対応訓練の必要性が台頭している。
【0005】
既存の仮想環境でのみ行う教育は、モータやセンサなどの単一制御機器を簡略に構成しておき、単位機器に対する教育を行う。そして、単一脅威に対してのみ教育が行われるため、訓練者が全体的な流れを把握しにくい。
【0006】
また、国家基盤施設の制御システムは、一般的なITシステムとは異なって実際の物理装備を制御する。したがって、サイバー危機の発生時、装備制御の失敗によって大規模な人命被害を伴う事故が発生し得る。しかし、既存の教育や訓練方式では、制御システムのサイバー危機発生時の被害状況を表現することが難しい。
【0007】
したがって、物理的保護施設が存在する領域で発生するサイバー危機に対応できるように訓練環境を提供する技術の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1534192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、物理的保護施設が存在する領域でのサイバー危機に対応できるように訓練環境を提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、物理的保護施設が存在する機関、会社、国などを対象とするサイバー危機状況に対応できるように、サイバー危機対応訓練環境を提供することである。
【0011】
また、本発明の目的は、サイバー危機発生状況における体系的な対応能力を確保できるようにすることである。
【0012】
また、本発明の目的は、拡張現実技術を適用して、訓練者の訓練没入度および成果を極大化することである。
【0013】
さらに、本発明の目的は、拡張現実技術および物理的装置を用いて物理的保護施設を表現する施設状況情報出力装置と有機的に連動する訓練システムを提供することである。
【0014】
なお、本発明の目的は、国家基盤施設や産業制御システムなどの領域に対するサイバー危機対応能力の増大により、国と産業のサイバー危機対応能力を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するための、本発明に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置によって行われる拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法は、サイバー危機対応訓練の種類を設定するステップと、設定された前記サイバー危機対応訓練の種類に相応するサイバー危機対応訓練環境を1つ以上の訓練者端末に提供するステップと、前記訓練者端末から前記サイバー危機対応訓練環境への対応を受信するステップと、前記サイバー危機対応訓練環境および前記対応に相応する訓練状況情報と前記サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成するステップと、前記対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、前記施設状況情報を出力するステップとを含む。
【0016】
この時、前記施設状況情報を生成するステップは、前記サイバー危機対応訓練環境および前記訓練者端末の前記対応に基づいて、訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断して前記訓練状況情報を生成することができる。
【0017】
この時、前記施設状況情報を生成するステップは、前記対象施設の状態情報に前記訓練状況情報を反映して、前記サイバー危機対応訓練に応じた前記対象施設の前記施設状況情報を生成することができる。
【0018】
この時、前記施設状況情報を出力するステップは、前記訓練者端末、出力装置および訓練者が着用した着用型ディスプレイ装置の少なくともいずれか1つを用いて、前記施設状況情報を出力することができる。
【0019】
この時、前記施設状況情報を出力するステップは、前記施設状況情報に相応する仮想オブジェクトと、前記対象施設に相応する映像とを合成した前記拡張現実イメージを出力することができる。
【0020】
この時、前記施設状況情報を出力するステップは、前記対象施設に相応する映像を処理するステップと、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを把握するステップと、前記訓練状況情報、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを考慮して、前記対象施設に相応する前記仮想オブジェクトを生成するステップと、生成された前記仮想オブジェクトを前記映像に合成して前記拡張現実イメージを生成するステップとを含むことができる。
【0021】
この時、前記サイバー危機対応訓練の種類を設定するステップは、前記サイバー危機対応訓練を実施する前記対象施設を設定することができる。
【0022】
この時、前記施設状況情報を出力するステップは、前記施設状況情報に相応するように、前記対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの情報を出力することができる。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置は、1つ以上の訓練者端末にサイバー危機対応訓練の種類に相応するサイバー危機対応訓練環境を提供する訓練環境提供部と、前記訓練者端末から前記サイバー危機対応訓練環境への対応が入力される対応入力部と、前記サイバー危機対応訓練環境および前記対応に相応する訓練状況情報と前記サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成する施設状況情報生成部と、前記対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、前記施設状況情報を出力する施設状況情報出力部とを含む。
【0024】
この時、前記施設状況情報生成部は、前記サイバー危機対応訓練環境および前記訓練者端末の前記対応に基づいて、訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断して前記訓練状況情報を生成することができる。
【0025】
この時、前記施設状況情報生成部は、前記対象施設の状態情報に前記訓練状況情報を反映して、前記サイバー危機対応訓練に応じた前記対象施設の前記施設状況情報を生成することができる。
【0026】
この時、前記施設状況情報出力部は、前記訓練者端末、出力装置および訓練者が着用した着用型ディスプレイ装置の少なくともいずれか1つを用いて、前記施設状況情報を出力することができる。
【0027】
この時、前記施設状況情報出力部は、前記施設状況情報に相応する仮想オブジェクトと、前記対象施設に相応する映像とを合成した前記拡張現実イメージを出力することができる。
【0028】
この時、前記施設状況情報出力部は、前記対象施設に相応する映像を処理し、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを把握し、前記訓練状況情報、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを考慮して、前記対象施設に相応する前記仮想オブジェクトを生成し、生成された前記仮想オブジェクトを前記映像に合成して前記拡張現実イメージを生成することができる。
【0029】
この時、前記サイバー危機対応訓練を実施する前記対象施設を設定して、前記サイバー危機対応訓練の種類を設定する訓練種類設定部をさらに含んでもよい。
【0030】
この時、前記施設状況情報出力部は、前記施設状況情報に相応するように、前記対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの情報を出力することができる。
【0031】
また、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムは、1つ以上の訓練者端末と、前記訓練者端末にサイバー危機対応訓練環境を提供し、前記訓練者端末から前記サイバー危機対応訓練環境への対応を受信し、前記対応に応じた訓練状況情報および前記サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成する拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置と、前記対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、前記施設状況情報を出力する第1施設状況情報出力装置と、前記施設状況情報に基づいて、前記対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの設備に関する情報を出力する第2施設状況情報出力装置とを含む。
【0032】
この時、前記拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置は、前記サイバー危機対応訓練環境および前記訓練者端末の前記対応に基づいて、訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断して前記訓練状況情報を生成し、前記対象施設の状態情報に前記訓練状況情報を反映して、前記サイバー危機対応訓練に応じた前記対象施設の前記施設状況情報を生成することができる。
【0033】
この時、前記第1施設状況情報出力装置は、前記サイバー危機対応訓練の訓練者が着用する着用型ディスプレイ装置であってもよい。
【0034】
この時、前記対象施設に相応する拡張現実イメージは、前記訓練状況情報、前記対象施設の情報、前記訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを考慮して生成された仮想オブジェクトと、前記対象施設に相応する映像とが合成された形態であってもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、物理的保護施設が存在する領域でのサイバー危機に対応できるように訓練環境を提供することができる。
【0036】
また、本発明によれば、物理的保護施設が存在する機関、会社、国などを対象とするサイバー危機状況に対応できるように、サイバー危機対応訓練環境を提供することができる。
【0037】
また、本発明によれば、サイバー危機発生状況における体系的な対応能力を確保することができる。
【0038】
また、本発明によれば、拡張現実技術を適用して、訓練者の訓練没入度および成果を極大化することができる。
【0039】
さらに、本発明によれば、拡張現実技術および物理的装置を用いて物理的保護施設を表現する施設状況情報出力装置と有機的に連動する訓練システムを提供することができる。
【0040】
なお、本発明によれば、国家基盤施設や産業制御システムなどの領域に対するサイバー危機対応能力の増大により、国と産業のサイバー危機対応能力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置が適用される環境を概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法を説明するためのフローチャートである。
図4図3のS360ステップで施設状況情報を出力する方法を示す例示図である。
図5】本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムの動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の他の実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムの構成を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、多様な変更を加えられて様々な実施形態を有し得るが、特定の実施形態を図面に例示して詳細に説明する。
【0043】
しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0044】
本出願で使った用語は単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0045】
別途に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0046】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。本発明を説明するにあたり、全体的な理解を容易にするために、図面上の同一の構成要素については同一の参照符号を用い、同一の構成要素について重複した説明は省略する。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置が適用される環境を概略的に示す図である。
【0048】
図1に示しているように、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムは、1つ以上の訓練者端末100と、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200と、1つ以上の施設状況情報出力装置310、320とを含む。
【0049】
訓練者端末100は、訓練者が拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200への接続時に用いる端末を意味する。そして、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、1つ以上の訓練者端末100にサイバー危機対応訓練環境を提供し、訓練者端末100からサイバー危機対応訓練環境への対応を受信する。
【0050】
また、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、サイバー危機対応訓練環境および訓練者の対応に相応する訓練状況情報、サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報の少なくともいずれか1つに基づいて、施設状況情報を生成する。
【0051】
そして、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、第1施設状況情報出力装置310および第2施設状況情報出力装置320の少なくともいずれか1つの施設状況情報出力装置を用いて、施設状況情報を出力する。
【0052】
第1施設状況情報出力装置310は、対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、施設状況情報を出力する出力装置を意味する。そして、第2施設状況情報出力装置320は、対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの設備に関する情報を出力する出力装置を意味する。
【0053】
最近、ハードウェアとソフトウェアの性能向上に後押しされて飛躍的に発展する拡張現実技術は、カメラで撮影された実映像に、特定情報に基づいて仮想のオブジェクトを拡張する技術を意味する。拡張された仮想のオブジェクトは、3Dモデリングにより生成されたオブジェクトであるか、特定情報を付け加えて表現したオブジェクトであってもよい。
【0054】
この時、指定された形態のマーカーを付着させて映像から特定情報を抽出するマーカーベースの方式、およびマーカーを用いずに特定情報を抽出するマーカーレス方式などで特定情報を抽出することができ、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムに適用される拡張現実技術はこれに限定されない。
【0055】
本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、第1施設状況情報出力装置310を用いて、物理的保護施設(物理的設備、制御設備など)とその被害状況をより効果的に表現することができ、これを通じて、訓練者に生動感ある現実的なサイバー危機対応訓練を提供することができる。
【0056】
以下、図2を通じて、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置の構成についてより詳細に説明する。
【0057】
図2は、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置の構成を示すブロック図である。
【0058】
図2に示しているように、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練種類設定部210と、訓練環境提供部220と、対応入力部230と、施設状況情報生成部240と、施設状況情報出力部250とを含む。
【0059】
まず、訓練種類設定部210は、サイバー危機対応訓練の種類を設定する。ここで、サイバー危機対応訓練の種類を設定することは、サイバー危機対応訓練を実施する対象施設を設定することを意味することができる。
【0060】
サイバー危機対応訓練の開始時、訓練種類設定部210は、訓練者に応じてサイバー危機対応訓練の種類を設定することができる。この時、訓練種類設定部210は、訓練者に応じて組(Group)を分配して、サイバー危機対応訓練の種類を設定することができる。例えば、A組は電力分野のサイバー危機対応訓練を行い、B組は海洋分野のサイバー危機対応訓練を行うものと設定されていてよい。
【0061】
そして、訓練環境提供部220は、1つ以上の訓練者端末にサイバー危機対応訓練の種類に相応するサイバー危機対応訓練環境を提供する。
【0062】
訓練者は、提供されるサイバー危機対応訓練環境で、サイバー攻撃の探知、初動措置などの対応を行う。これによって、対応入力部230は、訓練者の訓練者端末からサイバー危機対応訓練環境への対応を受信する。
【0063】
また、施設状況情報生成部240は、サイバー危機対応訓練環境および訓練者の対応に相応する訓練状況情報とサイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成する。
【0064】
この時、施設状況情報生成部240は、サイバー危機対応訓練環境および訓練者の対応に基づいて、訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断して訓練状況情報を生成することができる。
【0065】
また、施設状況情報生成部240は、対象施設の状態情報に訓練状況情報を反映して、サイバー危機対応訓練に応じた対象施設の施設状況情報を生成することができる。
【0066】
最後に、施設状況情報出力部250は、対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、施設状況情報を出力する。この時、施設状況情報出力部250は、訓練者端末、第1施設状況情報出力装置、第2施設状況情報出力装置の少なくともいずれか1つを用いて、施設状況情報を出力することができる。
【0067】
施設状況情報出力部250は、施設状況情報に相応する仮想オブジェクトと、対象施設に相応する映像とを合成した拡張現実イメージを生成して出力したり、合成された拡張現実イメージを第1施設状況情報出力装置に伝送することができる。
【0068】
そして、施設状況情報出力部250は、対象施設に含まれた物理的設備および制御設備の少なくともいずれか1つの情報を施設状況情報に相応するように出力したり、第2施設状況情報出力装置に伝送することができる。
【0069】
施設状況情報出力部250は、対象施設に相応する映像を処理し、訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを把握し、訓練状況情報、訓練者の視点および位置の少なくともいずれか1つを考慮して、対象施設に相応する仮想オブジェクトを生成することができる。また、施設状況情報出力部250は、生成された仮想オブジェクトを映像に合成して拡張現実イメージを生成することができる。
【0070】
以下、図3および図4を通じて、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置によって行われるサイバー危機対応訓練提供方法についてより詳細に説明する。
【0071】
図3は、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法を説明するためのフローチャートである。
【0072】
まず、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、サイバー危機対応訓練の種類を設定する(S310)。
【0073】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練者端末に提供するサイバー危機対応訓練の種類を設定する。ここで、サイバー危機対応訓練の種類は、サイバー危機対応訓練を実施する対象施設の種類を意味することができる。サイバー危機対応訓練を実施する対象施設は、電力、道路、鉄道、海洋、原子力、浄水施設などの国家基盤施設であってもよいし、種類はこれに限定されない。
【0074】
そして、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練者端末に訓練環境を提供する(S320)。
【0075】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、S310ステップで設定されたサイバー危機対応訓練の種類に相応する訓練環境を訓練者の訓練者端末に提供する。
【0076】
サイバー危機対応訓練の種類が電力分野の場合、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、電力分野の対象施設に対するサイバー危機対応訓練環境を提供する。反面、サイバー危機対応訓練の種類が海洋分野の場合、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、海洋分野の対象施設に対するサイバー危機対応訓練環境を訓練者端末に提供することができる。
【0077】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練者端末から対応を受信し(S330)、対応に相応する訓練状況情報を生成する(S340)。
【0078】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、サイバー危機対応訓練環境が提供された訓練者端末からサイバー危機対応訓練環境への対応を受信する。ここで、対応は、訓練者から受信したサイバー攻撃の探知および初動措置などを意味することができる。
【0079】
そして、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、入力された対応に基づいて、訓練状況情報を生成する。拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練者端末に提供したサイバー危機対応訓練環境と訓練者端末から入力された対応に基づいて、現在の訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかを判断する。
【0080】
また、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、現在の訓練状況が正常状況であるか、攻撃発生状況であるかに基づいて、訓練状況情報を生成することができる。
【0081】
次に、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、対象施設の施設状況情報を生成する(S350)。
【0082】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練者端末に提供されたサイバー危機対応訓練環境、S340ステップで生成した訓練状況情報およびサイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、対象施設の施設状況情報を生成することができる。
【0083】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、物理的保護施設(対象施設)が存在する国家基盤施設や産業制御システムなどを対象にサイバー危機対応訓練環境を提供することができる。そして、対象施設は、モータ、ポンプなどの物理的設備と物理的設備を制御するPLCなどの制御設備、制御設備をデジタル制御し、各種モニタリング情報を記録する情報システム設備から構成される。
【0084】
例えば、サイバー危機対応訓練環境が電力分野であり、訓練状況情報が攻撃発生状況であり、対象施設がPLC、RTU(Remote Terminal Units)、FEP(Front End Processor)を含むと仮定する。この時、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、対象施設であるPLC、RTUおよびFEPに攻撃発生状況の訓練状況情報を反映して、サイバー危機対応訓練に応じた対象施設の施設状況情報を生成することができる。
【0085】
最後に、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、拡張現実イメージとして施設状況情報を出力する(S360)。
【0086】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、ゲストオペレーティングシステムが設けられた1つ以上の仮想マシンおよび仮想ネットワークに基づいて、訓練者にサイバー危機対応訓練の対象となる対象施設と類似の訓練環境を提供することができる。
【0087】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、サイバー危機対応訓練の実際性と効率を極大化させるために、物理的装置および拡張現実技術を用いて対象施設を表現することができる。
【0088】
図4は、図3のS360ステップで施設状況情報を出力する方法を示す例示図である。
【0089】
図4に示しているように、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、物理的対象施設410および拡張された対象施設420を出力して訓練者10に提供することができる。
【0090】
物理的対象施設410を出力する方法は、対象領域や対象工程を概念化して対象施設を表現する方法である。また、対象施設の装備を実際に小型に作製して表現したり、現実性のために実際対象施設の装備と駆動ロジッグに相応するように表現することができる。
【0091】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練システム連携インタフェースを介して対象施設の状態情報を受信し、訓練の進行状況に応じた施設状況情報を共有することができる。
【0092】
しかし、物理的装置を用いて物理的対象施設410を出力する方式は、空間制約などの諸制約事項によって小型化および単純化されて表現される。これによって、サイバー危機対応訓練の没入度が低下する。また、訓練の没入度のために高費用の実環境を無制限に実現することができない。
【0093】
このような問題を補完するために、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、拡張現実技術を用いて拡張された対象施設420を出力することができる。これを通じて、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練者が対象施設を実際と類似の形態および規模で体験できるようにし、サイバー危機対応訓練の効果を極大化することができる。
【0094】
特に、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置200は、物理的装置を用いて物理的対象施設410を表現する方式と、拡張現実技術を用いて拡張された対象施設420を表現する方式とを並行して、サイバー危機対応訓練の施設状況情報を出力することができる。
【0095】
以下、図5を通じて、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムについてより詳細に説明する。
【0096】
図5は、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムの動作を示すフローチャートである。
【0097】
まず、サイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練者の組を分配する(S510)。
【0098】
ここで、訓練者の組を分配する過程は、サイバー危機対応訓練の種類を設定する過程およびサイバー危機対応訓練を実施する対象施設を設定する過程の少なくともいずれか1つの過程を意味することができる。また、訓練者の組を分配する過程は、図3のS310ステップと実質的に同一であり得、重複する説明は省略する。
【0099】
そして、サイバー危機対応訓練提供装置200は、1つ以上の訓練者端末100にサイバー危機対応訓練環境を提供する(S520)。ここで、サイバー危機対応訓練環境を提供する過程は、図3のS320ステップと実質的に同一であるので、重複する説明は省略する。
【0100】
サイバー危機対応訓練環境が提供された訓練者端末100は、訓練者に提供されたサイバー危機対応訓練環境を出力し、訓練者からサイバー攻撃の探知および措置などの対応を受信する(S530)。
【0101】
また、訓練者から対応を受信した訓練者端末100は、サイバー危機対応訓練提供装置200に訓練環境への対応を伝送する(S540)。サイバー危機対応訓練提供装置200が訓練者端末100から対応を受信する過程は、図3のS330ステップと実質的に同一であるので、重複する説明は省略する。
【0102】
サイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練状況情報を生成し(S550)、訓練状況情報に基づいて施設状況情報を生成して(S560)、1つ以上の施設状況情報出力装置300に施設状況情報を伝送する(S570)。
【0103】
施設状況情報出力装置300は、拡張現実技術を用いて拡張された対象施設を出力する施設状況情報出力装置を意味することができ、物理的対象施設を出力する施設状況情報出力装置をさらに含んでもよい。
【0104】
そして、サイバー危機対応訓練提供装置200は、訓練環境および訓練者の対応に基づいて、訓練状況を判断して訓練状況情報を生成することができる。また、サイバー危機対応訓練提供装置200は、対象施設の状態情報に訓練状況情報を反映して、サイバー危機対応訓練に応じた対象施設の施設状況情報を生成することができる。
【0105】
ここで、訓練状況情報を生成し、施設状況情報を生成して施設状況情報出力装置300に伝送する過程は、図3のS340ステップ〜S350ステップと実質的に同一であるので、重複する説明は省略する。
【0106】
そして、施設状況情報出力装置300は、施設状況情報に相応する拡張現実イメージを出力する(S580)。
【0107】
拡張された対象施設を出力する施設状況情報出力装置(第1施設状況情報出力装置)および物理的対象施設を出力する施設状況情報出力装置(第2施設状況情報出力装置)の少なくともいずれか1つの施設状況情報出力装置は、受信した施設状況情報を出力する。
【0108】
図6は、本発明の他の実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システムの構成を示す例示図である。
【0109】
図6に示しているように、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システム600は、1つ以上の訓練者端末700と、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800と、施設状況情報出力装置900と、ネットワークインフラ1000とを含む。
【0110】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800は、1つ以上の訓練者端末700にサイバー危機対応訓練環境を提供する。拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800は、ゲストオペレーティングシステムが設けられた1つ以上の仮想マシン810および仮想ネットワーク820に基づいて、訓練者端末700にサイバー危機対応訓練の対象となる対象施設と類似の訓練環境を提供することができる。
【0111】
仮想マシン810は、サイバー危機対応訓練時に活用される各種PC、サーバなどのシステム仮想マシンを意味し、サイバー危機対応訓練の種類または対象施設(対象領域)に応じて各種役割が割当てられて動作する。仮想ネットワーク820は、物理的スイッチから構成された実環境を仮想で構成して、ネットワークを構成できるようにする。
【0112】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800は、制御設備を制御し、各種モニタリング情報を記録する情報システム設備と類似の訓練環境を提供することができる。そして、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800は、制御設備の制御に用いられる各種PC類、サーバ類、ネットワークを仮想で提供することができる。
【0113】
拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800は、実際に構成された物理的ハードウェア840をベースとしてハイパーバイザ830を介して資源を分配して、多様なシステムが存在するかのように仮想で提供することができる。
【0114】
そして、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800は、訓練システム連携インタフェース850を介して施設状況情報出力装置900の訓練システム連携インタフェース911と対象施設の状態情報および訓練の進行状況に応じた施設状況情報を共有することができる。
【0115】
訓練システム連携インタフェース850は、訓練者の対応に応じた訓練状況情報を第1出力装置910に伝送して、表現モジュールおよび制御システム設備が訓練状況情報に相応する動作を行うようにできる。また、訓練システム連携インタフェース850は、訓練者が着用した第2出力装置920に訓練状況情報を伝達して、正常状況および攻撃発生状況に関する拡張の基礎資料として活用できるようにする。
【0116】
施設状況情報出力装置900は、1つ以上の出力装置910、920を含むことができる。第1出力装置910は、訓練システム連携インタフェース911を介して、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800から施設状況情報を受信して出力することができる。
【0117】
第1出力装置910の表現モジュールは、概念図、工程図などの対象領域を簡素化して表現し、制御システム設備は、実際の制御装置を小型化して表現することができる。この時、制御システム設備の制御状態に応じて、表現モジュールに効果が発生するように、表現モジュールと制御システム設備とは連動可能である。
【0118】
そして、第1出力装置910は、拡張現実技術を用いて拡張された対象施設を表現する方式で施設状況情報を出力することができる。また、第1出力装置910は、物理的装置を用いて物理的対象施設を表現する方式で施設状況情報を出力してもよい。この時、第1出力装置910は、訓練状況情報に基づいて、正常状況または攻撃発生状況(被害状況)に関する施設状況情報を出力することができる。
【0119】
第1出力装置910は、訓練状態連動モジュール915を介して第2出力装置920の訓練状態連動モジュール925に施設状況情報、拡張されたオブジェクトに関する情報などを伝送することができる。ここで、第2出力装置920は、拡張されたオブジェクトを確認し、サイバー危機対応訓練環境への対応を行うために、訓練者が着用する形態の出力装置を意味することができる。
【0120】
第2出力装置920は、眼鏡や帽子形態で着用する出力装置を意味することができ、訓練者が所持した端末であるか、固定された装置形態であってもよい。第2出力装置920は、ディスプレイモジュール、映像処理モジュール、拡張現実実現モジュール、拡張およびディスプレイモジュール、位置状態チェックモジュールを含み、訓練状態連動モジュールを介して第1出力装置910から施設状況情報を受信することができる。
【0121】
ディスプレイモジュールは、対象施設の周辺環境と拡張された仮想のオブジェクトを出力して訓練者に提供する。ディスプレイモジュールは、訓練状況情報に相応するように、正常状況または攻撃発生状況(被害状況)に対する対象施設の周辺環境および仮想のオブジェクトを拡張して出力することができる。
【0122】
そして、映像処理モジュールは、映像を処理して周辺環境を認識し、位置状態チェックモジュールは、訓練者の視点および位置情報などを把握し、拡張現実実現モジュールは、把握されたデータに基づいて仮想のオブジェクトを実現し、拡張およびディスプレイモジュールは、実現された仮想のオブジェクトをディスプレイモジュールを介して表現する。
【0123】
説明の便宜のために、第1出力装置910が訓練システム連携インタフェース911を介して拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800と通信を行い、訓練状態連動モジュール915を介して第2出力装置920で施設状況情報を共有すると説明した。しかし、これに限定せず、第2出力装置920も、拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800と直接通信して、対象施設の状態情報および訓練の進行状況に応じた施設状況情報を共有することができる。
【0124】
また、説明の便宜のために、第1出力装置910および第2出力装置920と名付けたが、第1出力装置910および第2出力装置920それぞれが図1の第1施設状況情報出力装置310および第2施設状況情報出力装置320を意味するのではない。
【0125】
このように、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置800は、物理的保護施設を表現する施設状況情報出力装置900と連動して、訓練者がサイバー危機対応訓練を実感あるように行えるようにする。
【0126】
従来のサイバー脅威に対する対応訓練は、一般的なITシステムのサイバー脅威に対して扱うだけで、物理的保護施設が存在する領域に対するサイバー脅威は適切に表現することができなかった。しかし、本発明の一実施形態に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システム600は、拡張現実技術を適用して、物理的保護施設が存在する領域でのサイバー危機対応訓練を行えるようにし、拡張現実技術を適用して、訓練者の訓練没入度および訓練成果を極大化することができる。
【0127】
以上、本発明に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置および方法は、上記のように説明された実施形態の構成と方法が限定されて適用されるのではなく、上記の実施形態は多様な変形がなされるように各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わされて構成されてもよい。
【符号の説明】
【0128】
10:訓練者
100:訓練者端末
200:拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置
210:訓練種類設定部
220:訓練環境提供部
230:対応入力部
240:施設状況情報生成部
250:施設状況情報出力部
300:施設状況情報出力装置
310:第1施設状況情報出力装置
320:第2施設状況情報出力装置
410:物理的対象施設
420:拡張された対象施設
600:拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供システム
700:訓練者端末
800:拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置
810:仮想マシン
820:仮想ネットワーク
830:ハイパーバイザ
840:ハードウェア
850:訓練システム連携インタフェース
900:施設状況情報出力装置
910:第1出力装置
911:訓練システム連携インタフェース
915、925:訓練状態連動モジュール
920:第2出力装置
1000:ネットワークインフラ
【要約】
【課題】拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置および方法が開示される。
【解決手段】本発明に係る拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供装置によって行われる拡張現実ベースのサイバー危機対応訓練提供方法は、サイバー危機対応訓練の種類を設定するステップと、設定された前記サイバー危機対応訓練の種類に相応するサイバー危機対応訓練環境を1つ以上の訓練者端末に提供するステップと、前記訓練者端末から前記サイバー危機対応訓練環境への対応を受信するステップと、前記サイバー危機対応訓練環境および前記対応に相応する訓練状況情報と前記サイバー危機対応訓練の対象となる対象施設の状態情報に基づいて、施設状況情報を生成するステップと、前記対象施設に相応する拡張現実イメージを用いて、前記施設状況情報を出力するステップとを含む。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6