(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力指令メッセージは、前記施設に設置された分散電源の制御を要求する電源メッセージ、前記潮流量の抑制を要求する潮流抑制メッセージ及び前記逆潮流量の抑制を要求する逆潮流抑制メッセージのいずれか1つのメッセージを含む、請求項1に記載の管理サーバ。
前記負荷情報は、前記構成情報として前記負荷の種別を示す情報を含み、又は/及び、前記状態情報として前記負荷の消費電力及び前記負荷の運転状態のいずれか1つを示す情報を含む、請求項5に記載の管理サーバ。
前記分散電源情報は、前記構成情報として前記分散電源の種別を示す情報を含み、又は/及び、前記状態情報として前記分散電源の出力可能量を示す情報を含む、請求項5に記載の管理サーバ。
前記蓄電池情報は、前記蓄電池の蓄電容量、前記蓄電池の蓄電残量、前記蓄電池の定格入力、前記蓄電池の定格出力、前記蓄電池の運転モード、及び、前記蓄電池の運転スケジュールのうち、少なくともいずれか1つに関する情報を含む、請求項10に記載の管理サーバ。
前記蓄電池情報は、前記蓄電池が故障しているか否かを示す情報、前記蓄電池が故障から復帰する方法が自動復帰であるか手動復帰であるかを示す復帰方法情報、及び、前記蓄電池のメンテナンスが行われるスケジュールを示すメンテナンス情報の少なくともいずれか1つを含む、請求項10又は請求項11に記載の管理サーバ。
前記蓄積装置情報は、前記逆潮流を行うための電力を発生する分散電源である逆潮流電源及び前記蓄電池を制御する電力変換装置が同一であるか否かを示す電力変換装置情報を含む、請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の管理サーバ。
前記貯湯装置情報は、前記貯湯装置の湯温、前記貯湯装置の貯湯容量、前記貯湯装置の残り湯量、前記貯湯装置の貯湯温度、前記貯湯装置の運転モード、前記貯湯装置の運転スケジュール、目標湯量までの不足湯量、目標湯温までの不足湯温及び季別定格のうち、少なくともいずれか1つを示す情報を含む、請求項14に記載の管理サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0010】
但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係又は比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0011】
[開示の概要]
第1に、電力指令メッセージに応じて潮流量又は逆潮流量が適切に抑制されるか否かについては、各施設が実際に潮流量又は逆潮流量を抑制するか否かによって影響される。従って、潮流量又は逆潮流量の抑制量を均等に各施設に割り当てても、電力指令メッセージによる潮流量又は逆潮流量の適切な抑制が実現されない可能性が考えられる。
【0012】
開示の概要に係る管理サーバは、電力指令メッセージを前記施設に送信する送信部と、電力系統から前記施設に対する潮流量又は前記施設から前記電力系統に対する逆潮流量の抑制に影響する抑制影響情報を管理する管理部とを備え、前記送信部は、前記抑制影響情報に基づいて、前記電力指令メッセージを前記施設に送信する。
【0013】
開示の概要に係る管理サーバは、潮流量又は逆潮流量の抑制に影響する抑制影響情報を管理しており、抑制影響情報に基づいて、電力指令メッセージを施設に送信する。このような構成によれば、施設が電力指令メッセージに従うか否かを予測しながら、電力指令メッセージが送信されるため、電力指令メッセージによって潮流量又は逆潮流量を適切に抑制することができる。
【0014】
第2に、電力指令メッセージの送信によって潮流量又は逆潮流量を抑制する際に、管理サーバによって管理される全ての施設に対して電力指令メッセージを一律に送信すると、管理サーバによって管理される施設のグループ全体として、非効率な潮流又は逆潮流の抑制制御が行われる可能性も考えられる。
【0015】
開示の概要に係る通信装置は、エネルギー蓄積装置の運転状態を制御する制御部と、電力指令メッセージを送信する管理サーバに対して、前記エネルギー蓄積装置に関する蓄積装置情報を送信する送信部とを備える。
【0016】
開示の概要では、通信装置は、管理サーバに対して、エネルギー蓄積装置に関する蓄積装置情報を送信する。従って、管理サーバは、蓄積装置情報に基づいて、潮流又は逆潮流の抑制制御にエネルギー蓄積装置が寄与するか否か、或いは、潮流又は逆潮流の抑制制御にエネルギー蓄積装置が寄与する度合いなどの情報を把握することができる。これによって、管理サーバによって管理される施設のグループ全体として、潮流又は逆潮流の抑制制御を効率的に行うことができる。
【0017】
[第1実施形態]
(電力管理システム)
以下において、第1実施形態に係る電力管理システムについて説明する。
【0018】
図1に示すように、電力管理システム1は、施設100と、ネットワーク200と、下位管理サーバ300と、上位管理サーバ400とを有する。
【0019】
施設100は、EMS110と、負荷120と、分散電源130とを有する。EMS110は、施設100に設けられる設備の電力を管理する装置(Energy Management System)である。負荷120は、電力を消費する設備である。負荷120は、例えば、冷蔵庫、照明、エアコン、テレビなどの設備を含む。負荷120は、単数の設備を含んでもよく、複数の設備を含んでもよい。分散電源130は、電力を発生させたり、電力を蓄電したりする設備である。分散電源130は、例えば、太陽電池、燃料電池、蓄電池などの設備を含む。分散電源130は、単数の設備を含んでもよく、複数の設備を含んでもよい。
【0020】
第1実施形態では、施設100A、施設100B及び施設100Cが施設100として例示されている。施設100A、施設100B及び施設100Cは同様の構成を有する。
【0021】
ネットワーク200は、施設100と下位管理サーバ300とを接続する通信回線である。ネットワーク200は、例えば、インターネットである。ネットワーク200は、各施設100が契約するプロバイダによって提供される。
【0022】
下位管理サーバ300は、配電事業者などのアグリゲータに属するサーバである。アグリゲータは、当該アグリゲータと契約する施設100の潮流量又は逆潮流量を管理する事業者である。
【0023】
第1実施形態では、下位管理サーバ300A及び下位管理サーバ300Bが下位管理サーバ300として例示されている。下位管理サーバ300A及び下位管理サーバ300Bは同様の構成を有する。なお、上位管理サーバ400及び下位管理サーバ300は一体であってもよい。
【0024】
上位管理サーバ400は、電力会社などの電力事業者に属するサーバである。電力事業者は、施設100の潮流量又は逆潮流量の管理をアグリゲータに委託してもよい。
【0025】
第1実施形態では、上位管理サーバ400は、電力系統から施設100に対する潮流量(電力の供給量)の抑制を要求する潮流抑制メッセージ(例えば、DR;Demand Response)を送信する。上位管理サーバ400は、施設100から電力系統に対する逆潮流量の抑制を要求する逆潮流抑制メッセージを送信する。第1実施形態では、潮流抑制メッセージ及び逆潮流抑制メッセージを電力指令メッセージと総称する。
【0026】
ここで、潮流抑制メッセージは、電力系統から施設100に供給される電力量(潮流量)の抑制度合いを示す情報を含む。抑制度合いは、電力量の絶対値(例えば、○○kW)で表されてもよい。或いは、抑制度合いは、電力量の相対値(例えば、○○kWの減少)で表されてもよい。或いは、抑制度合いは、電力量の抑制割合(例えば、○○%)で表されてもよい。或いは、抑制度合いは、予め決められた段階(例えば、0、1、2、3)で表されてもよい。
【0027】
或いは、潮流抑制メッセージは、電力系統からの潮流の対価である買電価格を示す情報を含んでもよい。買電価格として高い価格を設定することによって、電力系統から施設100に供給される電力量の抑制が期待される。
【0028】
逆潮流抑制メッセージは、施設100から電力系統に出力される電力量(逆潮流量)の抑制度合いを示す情報を含む。詳細には、逆潮流抑制メッセージは、分散電源の出力の抑制度合いを示す情報を含む。抑制度合いは、分散電源の出力の絶対値(例えば、○○kW)で表されてもよい。或いは、抑制度合いは、分散電源の出力の相対値(例えば、○○kWの減少)で表されてもよい。或いは、抑制度合いは、予め決められた段階(例えば、0、1、2、3)で表されてもよい。或いは、抑制度合いは、分散電源の出力の抑制割合(例えば、○○%)で表されてもよい。抑制割合とは、施設100に分散電源を設置する際に、分散電源を制御するPCSの出力能力として認定を受けた出力(以下、設備認定出力)に対する割合であってもよい。分散電源の出力能力とPCSの出力能力とが異なる場合には、設備認定出力は、これらの出力能力のうち、小さい方の出力能力である。複数のPCSが設置されるケースにおいては、設備認定出力は、複数のPCSの出力能力の合計である。
【0029】
ここで、潮流抑制メッセージ及び逆潮流抑制メッセージのフォーマットとして、独自フォーマットを用いてもよいし、自動デマンドレスポンス(ADR;Automated Demand Response)に準拠したフォーマットを用いてもよい。上位管理サーバ400と下位管理サーバ300との間の通信及び下位管理サーバ300と施設100との間の通信は、Open ADR規格に準拠する方式(例えば、Open ADR2.0など)で行われてもよい。
【0030】
(管理サーバ)
以下において、第1実施形態に係る管理サーバについて説明する。ここでは、管理サーバとして下位管理サーバ300を例示する。但し、管理サーバは、上位管理サーバ400であってもよい。
【0031】
図2に示すように、下位管理サーバ300は、通信部310と、管理部320と、制御部330とを有する。
【0032】
通信部310は、通信モジュール等によって構成されており、施設100及び上位管理サーバ400と通信を行う。例えば、通信部310は、潮流抑制メッセージ又は逆潮流抑制メッセージを含む電力指令メッセージを上位管理サーバ400から受信する。通信部310は、ネットワーク200(通信回線)を介して、潮流抑制メッセージ又は逆潮流抑制メッセージを含む電力指令メッセージを施設100に送信する。施設100の潮流量又は逆潮流量の管理がアグリゲータ(下位管理サーバ300)に委託されるため、施設100に送信される電力指令メッセージの内容は、上位管理サーバ400から受信する電力指令メッセージの内容と異なっていてもよい。
【0033】
第1実施形態では、後述するように、潮流量又は逆潮流量の抑制に影響する抑制影響情報に基づいて、需給調整計画が決定される。需給調整計画とは、電力指令メッセージの送信相手(施設100)及び電力指令メッセージの内容(潮流の抑制量又は逆潮流の抑制量)の計画である。従って、通信部310は、抑制影響情報に基づいて、電力指令メッセージを施設100に送信する。
【0034】
管理部320は、ハードディスクドライブなどのストレージ等によって構成されており、潮流量又は逆潮流量の抑制に影響する抑制影響情報を管理する。
【0035】
例えば、管理部320は、
図3に示す項目のうち、少なくとも1つの項目に対応する抑制影響情報を管理する。
【0036】
図3に示すように、抑制影響情報は、設備情報、施設環境情報、抑制時間情報及びEMS能力情報などの項目のうち少なくとも1つに対応する抑制影響情報を管理する。
【0037】
「設備情報」は、施設100が有する設備に関する情報である。例えば、設備情報は、設備の構成を示す構成情報及び設備の動作状態を示す状態情報の少なくともいずれか1つの情報を含む。具体的には、「設備情報」は、施設100が有する負荷に関する負荷情報及び施設100が有する分散電源に関する分散電源情報の少なくともいずれか1つの情報を含む。
【0038】
負荷情報は、構成情報として負荷の種別を示す情報を含み、又は/及び、状態情報として負荷の消費電力及び負荷の運転状態のいずれか1つを示す情報を含む。負荷情報が負荷の種別を示す情報を含む場合には、潮流量又は逆潮流量を抑制する余地を有する負荷を施設100が有しているか否かを予測することができる。例えば、冷蔵庫は、潮流量又は逆潮流量を抑制する余地を有しておらず、エアコンは、潮流量又は逆潮流量を抑制する余地を有している。負荷情報が負荷の消費電力及び負荷の運転状態のいずれか1つを示す情報を含む場合にも、施設100が有する負荷の消費電力の増減を調整することができるか否かを予測することができる。例えば、エアコンの消費電力が大きい或いはエアコンの設定温度が低い場合には、消費電力の減少によって潮流量を減少することが可能であると予測することができ、或いは、消費電力の増大によって逆潮流量を減少することが難しいと予測することができる。一方で、エアコンの消費電力が小さい或いはエアコンの設定温度が高い場合には、消費電力の減少によって潮流量を削減することが難しいと予測することができ、或いは、消費電力の増大によって逆潮流量を増大することが可能であると予測することができる。
【0039】
分散電源情報は、構成情報として分散電源の種別を示す情報を含み、又は/及び、状態情報として分散電源の出力可能量を示す情報を含む。分散電源情報が分散電源の種別を示す情報を含む場合には、分散電源の出力調整によって潮流量又は逆潮流量を抑制することができるか否かを予測することができる。例えば、施設100が太陽電池又は燃料電池などの発電装置を有する場合には、発電装置の出力調整によって潮流量又は逆潮流量を抑制することができると予測することができる。同様に、施設100が蓄電池を有する場合には、蓄電池の充放電調整によって潮流量又は逆潮流量を抑制することができると予測することができる。分散電源情報が出力可能量を示す情報を含む場合には、潮流量又は逆潮流量を抑制可能な量を予測することができる。出力可能量は、太陽電池又は燃料電池などの発電装置の最大出力量であってもよく、現在の出力量であってもよく、現在の出力量と最大出力量との差異であってもよい。出力可能量は、蓄電池の最大蓄電容量、現在の蓄電量、現在の蓄電比率(%)、蓄電可能量、現在の蓄電量と最大蓄電量との差異、蓄電目標量、及び所定時間経過後の蓄電予測量であってもよい。
【0040】
「施設環境情報」は、施設100の環境を示す情報である。具体的には、施設環境情報は、施設100の温度及び施設100の管理状態の少なくともいずれか1つを示す情報を含む。施設100の温度は、施設100の外気温度であってもよく、施設100の室内温度であってもよい。このような情報によれば、例えば、施設100のユーザの快適さを維持しながらも、エアコンの設定温度を調整することによって、潮流量又は逆潮流量を抑制することができるか否かを予測することができる。施設100の管理状態は、施設として省エネルギー管理を許容するか否か、施設として省エネルギー管理を実行しているか否かなどの情報を含む。例えば、省エネルギー管理が許容されているケースにおいて、省エネルギー管理が実行されていない場合には、省エネルギー管理の実行によって潮流量を抑制することができるか否かを予測することができる。或いは、省エネルギー管理が実行されている場合には、省エネルギー管理の解除によって逆潮流量を抑制することができるか否かを予測することができる。ここで、省エネルギー管理とは、エアコンの温度調整及び照明の明るさ調整によって、負荷の消費電力を削減する管理である。省エネルギー管理の内容は、施設100に予め設定されていてもよく、下位管理サーバ300から指示されてもよい。
【0041】
「抑制時間情報」は、施設100において潮流量又は逆潮流量の抑制を開始可能なタイミング、施設100において潮流量又は逆潮流量の抑制を継続可能な時間長、施設100において潮流量又は逆潮流量を抑制可能な時間帯の少なくともいずれか1つを示す情報を含む。このような情報によれば、潮流量又は逆潮流量の抑制可能な時間帯を予測することができる。
【0042】
「EMS能力情報」は、施設100が有する設備を制御するEMS110の能力に関する情報である。EMS能力情報は、EMS110が設備を制御可能な単位時間長及び電力指令メッセージの受信から潮流量又は逆潮流量の抑制を開始可能なタイミングまでの応答時間、潮流量又は逆潮流量の抑制指示の対応個数の少なくともいずれか1つを示す情報を含む。EMS能力情報が単位時間長を含む場合には、潮流量又は逆潮流量を抑制可能な単位時間長を把握することができ、上述した需給調整計画を時間帯毎に決定することができる。EMS能力情報が応答時間を含む場合には、応答時間が短いEMS110を有する施設100から順に潮流量又は逆潮流量の抑制を指示することによって、潮流量又は逆潮流量を速やかに抑制することができる。EMS能力情報が対応個数を含む場合には、EMS110に対して送信する潮流量又は逆潮流量の抑制の指示をEMS110毎に対応した数に変更することで、例えば自動制御可能で30分毎の制御が可能な複雑な指示に対応したEMS110には複数の指示を送信することで、施設100への調整量の和が時間毎に凹凸が発生しないように制御し、アグリゲータでの調整量が上位管理サーバからの指示と一致するように制御することができる。
【0043】
制御部330は、CPU又はメモリ等によって構成されており、通信部310及び管理部320を制御する。
【0044】
例えば、制御部330は、管理部320が管理する抑制影響情報に基づいて、需給調整計画を決定する。需給調整計画とは、上述したように、電力指令メッセージの送信相手(施設100)及び電力指令メッセージの内容(潮流の抑制量又は逆潮流の抑制量)の計画である。需給調整計画は、上位管理サーバ400から受信する電力指令メッセージによって潮流量又は逆潮流量の抑制が指示された期間において単位時間長(例えば、30分)毎に決定されてもよい。具体的には、制御部330は、
図3に示す情報に基づいて、潮流量又は逆潮流量を抑制可能な施設100を選択するとともに、選択された施設100毎に潮流量又は逆潮流量を抑制可能な量を予測する。
【0045】
制御部330は、電力指令メッセージに対して潮流量又は逆潮流量を抑制した実績に対するインセンティブを決定する。インセンティブは、金銭報酬であってもよく、金銭的な債権、商品券又はクーポンなどの無体物による報酬であってもよく、景品などの有体物による報酬であってもよい。
【0046】
(管理方法)
以下において、第1実施形態に係る管理方法について説明する。
【0047】
図4に示すように、ステップS101において、下位管理サーバ300は、潮流量又は逆潮流量の抑制に影響する抑制影響情報を管理する。抑制影響情報は、
図3に示す通りである。
【0048】
ステップS102において、下位管理サーバ300は、上位管理サーバ400から電力指令メッセージを受信する。
【0049】
ステップS103において、下位管理サーバ300は、抑制影響情報に基づいて需給調整計画を決定する。需給調整計画とは、上述したように、電力指令メッセージの送信相手(施設100)及び電力指令メッセージの内容(潮流の抑制量又は逆潮流の抑制量)の計画である。
【0050】
ステップS104において、下位管理サーバ300は、ステップS103の結果に応じて、電力指令メッセージを施設100に送信する。
【0051】
ステップS105において、施設100は、電力指令メッセージに応じて、潮流量又は逆潮流量を制御する。
【0052】
ステップS106において、施設100は、ステップS105の結果(電力制御の実績)を下位管理サーバ300に送信する。
【0053】
ステップS107において、下位管理サーバ300は、ステップS106で受信する実績に基づいて、電力指令メッセージに対して潮流量又は逆潮流量を抑制した実績に対するインセンティブを決定する。
【0054】
(具体例)
以下において、第1実施形態に係る需給調整計画の具体例について説明する。ここでは、潮流量の抑制計画の具体例について例示する。
【0055】
図5では、施設100A〜施設100Dが下位管理サーバ300によって管理されるケースを例示する。蓄電池及び発電装置は、施設100A〜施設100Dのいずれか1つの以上の施設100に設けられている。DRは、上位管理サーバ400から下位管理サーバ300に送信される電力指令メッセージ(Demand Response)である。なお、
図5の縦軸は、潮流量の抑制開始時点をゼロとして指数によって表されている。
【0056】
このようなケースにおいて、下位管理サーバ300は、上位管理サーバ400から受信するDRに応じて潮流量を抑制するために、需給調整計画を決定する。需給調整計画は、上述したように、抑制影響情報に基づいて決定される。
【0057】
上位管理サーバ400から受信するDRは、以下に示す指示である。
【0058】
12:00−13:00・・・50の削減
13:00−13:30・・・75の削減
13:30−14:00・・・100の削減
14:00−14:30・・・75の削減
14:30−15:00・・・50の削減
【0059】
(1)施設100Aに対して、以下に示す電力指令メッセージを送信する。例えば、施設100Aが有するEMS110は、潮流量を抑制可能な単位時間長として30分の能力を有し、複数個の抑制指示に対応する。
【0060】
10:00−11:30・・・10の削減
13:00−13:30・・・30の削減
13:30−14:00・・・40の削減
14:00−14:30・・・35の削減
14:30−15:00・・・20の削減
【0061】
(2)施設100Bに対して、以下に示す電力指令メッセージを送信する。例えば、施設100Bが有するEMS110は、潮流量を抑制可能な単位時間長として1時間の能力を有する。
【0062】
12:00−15:00・・・30の削減
【0063】
(3)施設100Cに対して、以下に示す電力指令メッセージを送信する。例えば、施設100Cが有するEMS110は、潮流量を抑制可能な単位時間長として1時間の能力を有する。
【0064】
12:00−13:00・・・20の削減
【0065】
(4)施設100Dに対して、以下に示す電力指令メッセージを送信する。例えば、施設100Dが有するEMS110は、潮流量を抑制可能な単位時間長として30分の能力を有する。
【0066】
13:30−14:00・・・10の削減
【0067】
(5)発電装置に対して、以下に示す電力指令メッセージを送信する。例えば、発電装置を有する施設100のEMS110は、潮流量を抑制可能な単位時間長として30分の能力を有し、複数個の抑制指示に対応する。
【0068】
13:00−13:30・・・5の削減(5の発電)
13:30−14:00・・・10の削減(10の発電)
【0069】
(6)蓄電池に対して、以下に示す電力指令メッセージを送信する。例えば、蓄電池を有する施設100のEMS110は、潮流量を抑制可能な単位時間長として30分の能力を有し、複数個の抑制指示に対応する。
【0070】
10:00−11:30・・・10の増加(10の充電)
13:00−14:30・・・10の削減(10の放電)
【0071】
このように、上述した抑制影響情報に基づいて需給調整計画を下位管理サーバ300が決定することによって、各施設100が実現可能な抑制量を予測するとともに、時間帯毎に細分化された需給調整計画を適切に決定することができる。
【0072】
(作用及び効果)
第1実施形態に係る下位管理サーバ300は、潮流量又は逆潮流量の抑制に影響する抑制影響情報を管理しており、抑制影響情報に基づいて、電力指令メッセージを施設100に送信する。このような構成によれば、施設100が電力指令メッセージに従うか否かを予測しながら、電力指令メッセージが送信されるため、電力指令メッセージによって潮流量又は逆潮流量を適切に抑制することができる。
【0073】
なお、第1実施形態では、下位管理サーバ300は、施設100の潮流量又は逆潮流量の管理を電力事業者から委託されるアグリゲータに属しているが、上述した構成によれば、アグリゲータは、電力事業者の委託に応えることができる。
【0074】
[第2実施形態]
(電力管理システム)
以下において、第2実施形態に係る電力管理システムについて説明する。
図6に示すように、電力管理システム1は、施設100と、ネットワーク200と、下位管理サーバ300と、上位管理サーバ400とを有する。第2実施形態に係る電力管理システム1は、施設100がEMS110に代えて通信装置150を有する点を除いて第1実施形態と同様である。施設100は、EMS110及び通信装置150の双方を有していてもよい。
【0075】
第2実施形態において、需要家通信装置1は、施設100に設けられる設備の電力を管理する装置(Energy Management System)或いは分散電源130を制御するPCS(Power Conditioning System)である。分散電源130は、電力を発生する設備である。分散電源130は、例えば、太陽電池、風力発電、燃料電池、ガスエンジン発電機、蓄電池などの設備を含む。分散電源130は、単数の設備でもよく、複数の設備を含んでもよい。
【0076】
第2実施形態では、施設100は、エネルギー蓄積装置を有する。エネルギー蓄積装置は、例えば、蓄電池であってもよく、貯湯装置であってもよい。エネルギー蓄積装置は、蓄電池である場合は、例えば、電気自動車に搭載された蓄電池であってもよい。施設100は、施設100から電力系統に対する逆潮流を行うための電力を発生する分散電源130である逆潮流電源を有していてもよい。逆潮流電源は、例えば、太陽電池である。
【0077】
(通信装置)
以下において、第2実施形態に係る通信装置について説明する。
図7に示すように、通信装置150は、通信部151と、制御部152とを有する。
【0078】
通信部151は、通信モジュール等によって構成されており、下位管理サーバ300又は上位管理サーバ400と通信を行う。ここでは、通信部151が下位管理サーバ300と通信を行うケースを例示する。例えば、通信部151は、ネットワーク200(通信回線)を介して、潮流抑制メッセージ又は逆潮流抑制メッセージを含む電力指令メッセージを下位管理サーバ300から受信する。
【0079】
第2実施形態では、通信部151は、エネルギー蓄積装置に関する蓄積装置情報を下位管理サーバ300に送信する。蓄積装置情報の詳細については後述するが、蓄積装置情報は、例えば、蓄電池情報、PCS情報及び貯湯装置情報などの項目のうち少なくとも1つに関連する情報を含む(
図9を参照)。
【0080】
制御部152は、CPUやメモリ等によって構成されており、通信部151を制御する。例えば、制御部152は、少なくとも、エネルギー蓄積装置の運転状態を制御する。制御部152は、逆潮流電源の出力を制御してもよい。制御部152は、電力指令メッセージに基づいて、潮流又は逆潮流の抑制制御を実行する。
【0081】
(管理サーバ)
以下において、第2実施形態に係る管理サーバについて説明する。ここでは、管理サーバとして下位管理サーバ300を例示する。但し、管理サーバは、上位管理サーバ400であってもよい。
図8に示すように、下位管理サーバ300は、通信部310と、制御部320とを有する。第2実施形態に係る下位管理サーバ300は、管理部320を有していない点を除いて第1実施形態と同様である。下位管理サーバ300は、管理部320を有していてもよい。管理部320は、エネルギー蓄積装置に関する蓄積装置情報を管理する。
【0082】
例えば、制御部320は、施設100(通信装置150)から受信する蓄積装置情報に基づいて、需給調整計画を決定する。需給調整計画とは、電力指令メッセージの送信相手(施設100)及び電力指令メッセージの内容(潮流の抑制量又は逆潮流の抑制量)の計画である。需給調整計画は、上位管理サーバ400から受信する電力指令メッセージによって潮流量又は逆潮流量の抑制が指示された期間において単位時間長(例えば、30分)毎に決定されてもよい。
【0083】
(蓄積装置情報)
以下において、第2実施形態に係る蓄積装置情報について説明する。
【0084】
図9に示すように、蓄積装置情報は、蓄電池情報、PCS情報及び貯湯装置情報などの項目のうち少なくとも1つに対応する情報を含む。
【0085】
「蓄電池情報」は、蓄電池に関する情報である。蓄電池の放電制御によって潮流量を減少することができるため、蓄電池は、潮流の抑制制御に寄与する設備であることに留意すべきである。一方で、蓄電池の充電制御によって逆潮流量を減少することができるため、蓄電池は、逆潮流の抑制制御に寄与する設備であることに留意すべきである。
【0086】
具体的には、蓄電池情報は、蓄電池の蓄電容量、蓄電池の蓄電残量、蓄電池の定格入力、蓄電池の定格出力(例えば、定格電力、定格電圧、又は定格電流など)、蓄電池の運転モード、及び、蓄電池の運転スケジュールのうち、少なくともいずれか1つに関連する情報を含む。蓄電池情報は、他に、蓄電池の充電率、現在の出力電力、及び、出力可能電力などの情報を含んでもよい。
【0087】
これによって、下位管理サーバ300は、潮流又は逆潮流の抑制制御に蓄電池が寄与する度合いを把握することができる。例えば、蓄電容量が大きいケース、蓄電残量が多いケース又は定格出力が大きいケースにおいて、下位管理サーバ300は、蓄電池の放電可能量が大きいと推定し、潮流の抑制制御に蓄電池が寄与する度合いが高いと判定することができる。
【0088】
一方で、蓄電容量が大きいケース、蓄電残量が少ないケース又は定格入力が大きいケースにおいて、下位管理サーバ300は、蓄電池の充電可能量が大きいと推定し、逆潮流の抑制制御に蓄電池が寄与する度合いが高いと判定することができる。或いは、下位管理サーバ300は、蓄電池の運転モードが放電モードである場合に、潮流の抑制制御に蓄電池が寄与すると判定し、蓄電池の運転モードが充電モードである場合に、逆潮流の抑制制御に蓄電池が寄与すると判定することができる。
【0089】
蓄電池情報は、運転スケジュールを含んでいてもよい。運転スケジュールは、蓄電池が何時から何時まで放電するスケジュールであったり、蓄電池が何時から何時まで充電するスケジュールであったりする。運転スケジュールには、上述した運転モードが含まれていてもよい。
【0090】
蓄電池情報は、蓄電池が故障しているか否か、及び、蓄電池が故障から復帰する方法が自動復帰であるか手動復帰であるかを示す故障情報を含んでいてもよい。蓄電池が故障している場合には、蓄電池の放電又は充電制御を行うことができない。従って、下位管理サーバ300は、潮流又は逆潮流の抑制制御に蓄電池が寄与しないと判定することができる。なお、故障情報には、逆潮流電源が正常動作していること(故障が起こっていないこと)を示す情報を含んでいてもよい。
【0091】
さらに、復帰方法が自動復帰である場合には、復帰方法が手動復帰であるケースと比べて、蓄電池の復帰タイミングが早いと考えられる。従って、下位管理サーバ300は、蓄電池が故障している場合であっても、手動復帰の蓄電池よりも自動復帰の蓄電池が潮流又は逆潮流の抑制制御に寄与する可能性が高いと判断することができる。
【0092】
蓄電池情報は、蓄電池のメンテナンスが行われるスケジュールを示すメンテナンス情報を含む。メンテナンスが行われる期間において蓄電池の放電又は充電制御を行うことができない。従って、下位管理サーバ300は、潮流又は逆潮流の抑制期間と重複する期間にメンテナンスが行われる蓄電池が潮流又は逆潮流の抑制制御に蓄電池が寄与しないと判定することができる。
【0093】
「PCS情報」は、逆潮流電源及び蓄電池を制御する電力変換装置(PCS)が同一であるか否かを示す情報を含む。逆潮流電源及び蓄電池を制御するPCSが同一である場合であって、逆潮流の抑制量がPCSの出力によって判断される場合には、蓄電池の充電によって逆潮流量を抑制することができる。従って、PCS情報は、逆潮流の抑制制御に寄与する情報である。なお、PCS情報には、PCSの設置日(設備認定取得日、又は、設備認定取得日と電力会社への接続契約締結申込日の遅い日)が含まれていてもよい。
【0094】
ここで、逆潮流の抑制期間であっても、施設100として逆潮流が行われていなければ、逆潮流電源の出力を抑制する必要がない。従って、逆潮流電源及び蓄電池を制御するPCSが異なっていても、蓄電池が逆潮流の抑制制御に寄与することに変わりはない。
【0095】
「貯湯装置情報」は、前記貯湯装置に関する情報である。貯湯装置の湯量の増大によって逆潮流量を減少することができるため、貯湯装置は、逆潮流の抑制制御に寄与する設備であることに留意すべきである。一方で、貯湯装置の維持の増大によって潮流量の増大を抑制することができるという意味で、貯湯装置は、潮流の抑制制御に寄与する設備であると考えてもよい。
【0096】
具体的には、貯湯装置情報は、貯湯装置の湯温に関する情報、貯湯装置の貯湯容量及び貯湯装置の残り湯量のうち、少なくともいずれか1つを示す情報を含む。これによって、下位管理サーバ300は、潮流又は逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与する度合いを把握することができる。例えば、貯湯容量が大きいケース又は残り湯量が少ないケースにおいて、下位管理サーバ300は、逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与する度合いが高いと判定することができる。
【0097】
また、貯湯装置情報は、貯湯装置の現在の状態を示す運転モードを含まれていてもよい。下位管理サーバ300は、貯湯装置の運転モードが炊き上げ又は炊き上げ休止の情報により逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与できるか判定することができる。さらに、運転モードで自動炊き上げと、手動炊き上げの情報により随時炊き上げを行っているか否か判断ができ、逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与できるか判定することができる。
【0098】
また、貯湯装置情報は、現在の貯湯温度と、貯湯完了時の貯湯温度を示す貯湯温度を含まれていてもよい。下位管理サーバ300は、貯湯温度情報から、現在の貯湯温度と貯湯完了時の貯湯温度を比較し、逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与できるか判定することができる。
【0099】
また、貯湯装置情報は、貯湯装置に予め設定されている貯湯の運転スケジュールを示した運転スケジュールを含まれていてもよい。下位管理サーバ300は、運転スケジュール情報からどれだけの量を貯湯するかを把握し、逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与できるか判定することができる。
【0100】
また、貯湯装置情報は、目標湯量までの不足湯量、又は目標湯温までの不足湯温が含まれていてもよい。下位管理サーバ300は、貯湯装置において目標湯量までの不足湯量、又は貯湯装置における目標湯温までの不足湯温から必要電力を予測することができ、逆潮流の抑制制御で得られる抑制量を算出することができる。
【0101】
貯湯装置情報は、季節毎に異なる貯湯装置の定格消費電力情報を示す季別定格を含まれていてもよい。下位管理サーバ300は、季別定格情報から逆潮流の抑制制御で得られる抑制量を算出することができる。
【0102】
貯湯装置情報は、貯湯装置が故障しているか否か、及び、貯湯装置が故障から復帰する方法が自動復帰であるか手動復帰であるかを示す故障情報を含まれていてもよい。貯湯装置が故障している場合には、貯湯を行うことができない。従って、下位管理サーバ300は、逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与しないと判定することができる。
【0103】
さらに、復帰方法が自動復帰である場合には、復帰方法が手動復帰であるケースと比べて、貯湯装置の復帰タイミングが早いと考えられる。従って、下位管理サーバ300は、貯湯装置が故障している場合であっても、手動復帰の貯湯装置よりも自動復帰の貯湯装置が逆潮流の抑制制御に寄与する可能性が高いと判断することができる。
【0104】
また、貯湯装置情報は、貯湯装置のメンテナンスが行われるスケジュールを示すメンテナンス情報を含まれていてもよい。メンテナンスが行われる期間において貯湯装置の貯湯制御を行うことができない。従って、下位管理サーバ300は、逆潮流の抑制期間と重複する期間にメンテナンスが行われる貯湯装置が逆潮流の抑制制御に貯湯装置が寄与しないと判定することができる。
【0105】
(通信方法)
以下において、第2実施形態に係る通信方法について説明する。
【0106】
図10に示すように、ステップS201において、通信装置150は、蓄積装置情報を下位管理サーバ300に送信する。蓄積装置情報は、
図9に示すように、蓄電池情報、PCS情報及び貯湯装置情報などの項目のうち少なくとも1つに対応する情報を含む。
【0107】
ステップS202において、下位管理サーバ300は、蓄積装置情報に基づいて、需給調整計画を決定する。需給調整計画とは、電力指令メッセージの送信相手(施設100)及び電力指令メッセージの内容(潮流の抑制量又は逆潮流の抑制量)の計画である。
【0108】
ステップS203において、下位管理サーバ300は、ステップS202の結果に基づいて、電力指令メッセージを通信装置150に送信する。
【0109】
(作用及び効果)
第2実施形態に係る通信装置150は、下位管理サーバ300に対して、逆潮流電源に関する蓄積装置情報を送信する。従って、下位管理サーバ300は、蓄積装置情報に基づいて、潮流又は逆潮流の抑制制御にエネルギー蓄積装置が寄与するか否か、或いは、潮流又は逆潮流の抑制制御にエネルギー蓄積装置が寄与する度合いなどの情報を把握することができる。これによって、管理サーバによって管理される施設のグループ全体として、逆潮流の抑制制御を効率的に行うことができる。
【0110】
なお、第2実施形態では、下位管理サーバ300は、施設100の潮流量又は逆潮流量の管理を電力事業者から委託されるアグリゲータに属しているが、上述した構成によれば、アグリゲータは、電力事業者の委託に応えることができる。
【0111】
[変更例1]
以下において、第2実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について説明する。変更例1においては、施設100が下位管理サーバ300に蓄積装置情報を送信するタイミングについて説明する。
【0112】
第1に、施設100は、下位管理サーバ300の送信要求に応じて、蓄積装置情報を送信してもよい。施設100は、下位管理サーバ300の送信要求に応じて、直ちに蓄積装置情報を送信してもよく、下位管理サーバ300の送信要求によって指定されたタイミングで、蓄積装置情報を送信してもよく、下位管理サーバ300の送信要求によって指定されたトリガが満たされた場合に、蓄積装置情報を送信してもよい。下位管理サーバ300の送信要求は、蓄積装置情報を送信するタイミングを指定する情報を含んでもよく、蓄積装置情報を送信するために満たすべきトリガを示す情報を含んでもよい。
【0113】
第2に、施設100は、潮流又は逆潮流の抑制期間の開始後に、蓄積装置情報を送信してもよい。これによって、潮流又は逆潮流の抑制期間の開始後において、下位管理サーバ300は需給調整計画を見直すことができる。
【0114】
第3に、施設100は、潮流又は逆潮流の抑制期間に対応する所定タイミングで蓄積装置情報を送信してもよい。所定タイミングは、潮流又は逆潮流の抑制期間の開始前のタイミングである。例えば、所定タイミングは、潮流又は逆潮流の抑制期間の開始タイミングに対する相対的な時間差(○○分前or○○時間前)によって示される。
【0115】
[変更例2]
以下において、第2実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について説明する。変更例2においては、通信装置150(通信部151)は、下位管理サーバ300に対して、蓄積装置情報に加えて、売電価格情報を送信する。売電価格情報は、施設100から電力系統に対する逆潮流に伴う電力の売電価格を示す情報である。
【0116】
ここで、売電価格は、逆潮流電源から出力される電力を売電するときの対価である。より詳細には、逆潮流電源から出力される電力から施設100で消費される電力を除いた余剰電力の対価である。なお、売電価格情報は、売電単価及び売電量の少なくとも1つ含んでもよい。売電量を売電価格情報に含めることによって、下位管理サーバ300は対象の施設100がどれくらいの量を逆潮流しているのか把握することができる。
【0117】
一般的に、売電価格が高い場合には、逆潮流の抑制制御が不利である。従って、下位管理サーバ300は、売電価格が相対的に高い施設100よりも売電価格が相対的に低い施設100を逆潮流抑制メッセージの送信相手として優先的に選択することができる。或いは、下位管理サーバ300は、売電価格が相対的に高い施設100よりも売電価格が相対的に低い施設100に対して、逆潮流の抑制量として大きな抑制量を割り当てることができる。
【0118】
ここで、売電価格情報は、売電価格が適用される時間帯と売電価格とを対応付ける情報を含んでもよい。これによって、逆潮流の抑制期間に適用される売電価格を下位管理サーバ300が把握することができる。
【0119】
また、売電価格情報には、施設100で保存されている出力抑制スケジュールに関する情報を含んでもよい。売電価格情報として、出力抑制スケジュール全部であってもよいし、一部であってもよい。また、売電価格情報には、過去の出力抑制の実績値が含まれていてもよい。保存されている出力抑制スケジュールを売電価格情報に含めることによって、下位管理サーバ300は施設100が認識している出力抑制スケジュールを確認することができる。
【0120】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0121】
第1実施形態及び第2実施形態は組み合わされてもよい。例えば、下位管理サーバ300は、抑制影響情報及び蓄積装置情報の双方に基づいて、電力指令メッセージを施設100に送信してもよい。
【0122】
実施形態では、潮流量又は逆潮流量の抑制について主として説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。具体的には、実施形態は、施設100に設けられる分散電源を仮想発電所(VPP;Virtual Power Plant)として利用するシステムにも適用可能である。このようなケースにおいて、潮流抑制メッセージ又は逆潮流抑制メッセージについては、施設100に設置された分散電源の制御を要求する電源メッセージと読み替えればよい。また、「抑制」という用語は「制御」と読み替えればよい。すなわち、実施形態は、潮流量又は逆潮流量を増大するケースにも適用可能である。また、分散電源をVPPとして運転制御する場合、抑制結果として分散電源に指示した運転動作を送ってもよい。
【0123】
抑制影響情報は、上述したように、管理部320によって管理されていればよい。抑制影響情報は、管理部320に予め登録されていてもよく、施設100から受信されてもよい。抑制影響情報が管理部320に予め登録される場合には、例えば、配電事業者などのアグリゲータと施設100のユーザとの間で契約が結ばれる際に、抑制影響情報が管理部320に登録される。抑制影響情報が施設100から送信される場合には、抑制影響情報の送信は、Open ADR規格に準拠する方式で行われてもよい。例えば、抑制影響情報の送信は、Open ADR規格に準拠するメッセージ(“TELEMETRY USAGE”、“TELEMETRY STATUS”、“EiOpt service”、“oadrDistributeEvent”などによって実現される。
【0124】
さらに、抑制影響情報に含まれる所定情報が管理部320に予め登録されており、抑制影響情報に含まれる所定情報以外の情報が施設100から受信されてもよい。管理部320に予め登録される所定情報は、負荷の構成情報、分散電源の構成情報、施設100の管理状態及びEMS能力情報などのように、時間帯毎に変化しない静的な情報であってもよい。施設100から受信される情報は、負荷の状態情報、分散電源の状態情報、施設100の温度及び抑制時間情報などのように、時間帯毎に変化する動的な情報であってもよい。
【0125】
実施形態では、上位管理サーバ400と下位管理サーバ300との間の通信及び下位管理サーバ300と施設100との間の通信がOpen ADR規格に準拠する方式で行われる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。下位管理サーバ300と施設100との間の通信は、Open ADR規格以外の規格に準拠してもよい。従って、下位管理サーバ300と施設100との間で送受信される所定メッセージは、Open ADR規格以外の規格で定義された所定フォーマットを有していてもよい。
【0126】
なお、日本国特許出願第2015−159482号(2015年8月12日出願)及び日本国特許出願第2015−169798号(2015年8月28日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。