(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記タイミング決定部は、前記インターバルの長さが前記所定のメッセージの長さよりも短い場合、前記所定のメッセージ中の優先度の最も高い部分がインターバルの間により長く出力されるように前記タイミングを決定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
前記タイミング決定部は、前記インターバルの開始時に前記優先度の最も高い部分の音声出力が開始されるように前記タイミングを決定することを特徴とする請求項2記載のカラオケ装置。
前記タイミング決定部は、前記優先度の最も高い部分の長さが前記インターバルの長さよりも短い場合、前記優先度の最も高い部分、及び少なくとも次に優先度の高い部分の一部が前記インターバルの間に音声出力されるよう前記タイミングを決定することを特徴とする請求項2記載のカラオケ装置。
前記タイミング決定部は、前記インターバルの長さが前記所定のメッセージの長さよりも長い場合、前記インターバルの開始時を前記タイミングとして決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
前記タイミング決定部は、前記インターバルの長さが前記所定のメッセージの長さよりも長い場合、前記インターバルの開始時よりも所定時間遅らせた時点を前記タイミングとして決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【0002】
通信カラオケシステムにおいて、カラオケ歌唱の採点機能を備えるカラオケ装置が普及している。カラオケ歌唱の採点は、歌唱者のカラオケ歌唱を数値化してリファレンスデータの数値と比較することにより行う。採点結果は、歌詞や背景映像を表示するモニタを利用して、楽曲演奏中に歌唱区間毎に表示されたり、楽曲演奏終了後に総合得点として表示される。
【0003】
たとえば、特許文献1には、ディジタルデータに変換されたカラオケ歌唱の歌唱音声信号から音高、音量データを抽出し、カラオケ演奏用楽曲データと並行して読み出されたガイドメロディの音高、音量データなどと比較して、サビ、クライマックスなどの区間別に採点を行うことにより、カラオケ歌唱者の歌唱の巧拙を正しく採点評価することのできるカラオケ装置が開示されている。
【0004】
さらに、点数評価だけでなく、総合的かつ多角的な評価をもとにした評価コメントを提示する技術も知られている。たとえば、特許文献2には、歌唱音声に対する評価項目毎の評価結果を元に、予め用意された多数の評価コメントの中から条件を満たす評価コメントを選択して出力することにより、歌唱音声を様々な観点から評価し、評価結果に応じた情報(評価コメント)を出力する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献1や特許文献2に記載の技術を用いて評価コメントを歌唱者に報知する際に、モニタに表示して視覚的に報知するのではなく、予め録音された音声データや公知の音声合成技術を用いて、聴覚的に報知することもできる。たとえば、特許文献2には、出力情報は、評価コメントの内容を声で表した音声データや、音源を用いて発音させるためのMIDI形式のシーケンスデータであってもよいことが記載されている(特許文献2の明細書段落[0062]参照)。
【0006】
これらの技術を応用することにより、所定の歌唱区間毎に歌唱者の歌唱音声を評価し、楽曲演奏中(歌唱中)に歌唱区間毎の評価に応じたメッセージを音声出力することができる。
【0007】
この場合、当然ながら歌唱者の歌唱に重ならないようなタイミングでメッセージを音声出力することが望ましい。ここで、たとえば、特許文献3には、各歌唱区間における採点結果に基づき、当該歌唱区間の歌唱を終えた直後に、称賛効果音や非難効果音を出力する発明が開示されている(特許文献3の明細書段落[0038]、[0040]参照)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に係るカラオケ装置は、楽曲の歌唱により得られる歌唱音声信号の採点結果に応じたメッセージを音声出力するカラオケ装置であって、複数の前記採点結果それぞれに対して異なるメッセージを対応付けて記憶するメッセージ記憶部であって、当該メッセージ記憶部は、一のメッセージを分割した部分それぞれに対し、当該メッセージ中における重要度に応じた優先度情報と、当該メッセージ中における当該部分の開始から終了までの経過時間を示す時間情報とを関連付けて記憶し、複数の歌唱区間を有する楽曲について、歌唱区間毎に前記採点結果を算出する採点部と、算出された前記採点結果に応じた所定のメッセージを選択するメッセージ選択部と、前記採点結果を算出する歌唱区間の終了から次の歌唱区間の開始までの間隔であるインターバルの長さを検出するインターバル検出部と、検出された前記インターバルの長さと、選択された前記所定のメッセージに対応する前記優先度情報及び/または前記時間情報とに基づいて、前記所定のメッセージの音声出力を開始するタイミングを決定するタイミング決定部と、決定された前記タイミングで前記所定のメッセージの音声出力を行うメッセージ出力部と、を有する。
【0012】
このようなカラオケ装置によれば、歌唱評価に応じたメッセージを音声出力する場合に、歌唱者が当該メッセージの内容を容易に把握できる。
【0013】
また、上記課題を解決するために、請求項2に係るカラオケ装置は、請求項1記載のカラオケ装置であって、前記タイミング決定部は、前記インターバルの長さが前記所定のメッセージの長さよりも短い場合、前記所定のメッセージ中の優先度の最も高い部分がインターバルの間により長く出力されるように前記タイミングを決定する。
【0014】
この場合、歌唱者は少なくともメッセージ中の優先度の最も高い部分の内容を把握し易くなる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、請求項3に係るカラオケ装置は、請求項2記載のカラオケ装置であって、前記タイミング決定部は、前記インターバルの開始時に前記優先度の最も高い部分の音声出力が開始されるように前記タイミングを決定する。
【0016】
この場合、歌唱者はインターバルの開始時からメッセージ中の優先度の最も高い部分の内容を把握できる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、請求項4に係るカラオケ装置は、請求項2記載のカラオケ装置であって、前記タイミング決定部は、前記優先度の最も高い部分の長さが前記インターバルの長さよりも短い場合、前記優先度の最も高い部分、及び少なくとも次に優先度の高い部分の一部が前記インターバルの間に音声出力されるよう前記タイミングを決定する。
【0018】
この場合、歌唱者はメッセージ中の優先度の高い順にメッセージの内容を把握し易くなる。
【0019】
また、上記課題を解決するために、請求項5に係るカラオケ装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載のカラオケ装置であって、前記タイミング決定部は、前記インターバルの長さが前記所定のメッセージの長さよりも長い場合、前記インターバルの開始時を前記タイミングとして決定する。
【0020】
この場合、歌唱者はメッセージ全体の内容を容易に把握できる。
【0021】
また、上記課題を解決するために、請求項6に係るカラオケ装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載のカラオケ装置であって、前記タイミング決定部は、前記インターバルの長さが前記所定のメッセージの長さよりも長い場合、前記インターバルの開始時よりも所定時間遅らせた時点を前記タイミングとして決定する。
【0022】
この場合、歌唱者はメッセージ全体の内容をより把握し易くなる。
【0023】
また、上記課題を解決するために、請求項7に係るカラオケ装置は、請求項1〜6のいずれか一つに記載のカラオケ装置であって、前記メッセージの内容を音声で表した音声データを記憶する音声データ記憶部を有し、前記メッセージ出力部は、前記音声データ記憶部から前記所定のメッセ―ジに対応する音声データを読み出し、当該音声データに基づいて音声出力を行う。
【0024】
この場合、予め記憶された音声データに基づいてメッセージの音声出力ができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、歌唱評価に応じたメッセージを音声出力する場合に、歌唱者が当該メッセージの内容を容易に把握できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜
図8を参照して、実施形態に係るカラオケ装置1について説明する。
【0028】
==カラオケ装置==
(ハードウェア構成)
カラオケ装置1は、カラオケ演奏及び歌唱者が歌唱を行うための装置である。
図1に示すように、カラオケ装置1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30(表示部)、マイク40、及びリモコン装置50を備える。カラオケ装置1は、通信回線を介してサーバ(図示なし)と通信可能に接続される。
【0029】
スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は歌唱者の音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。歌唱者はリモコン装置50を用いてカラオケ装置1の起動、楽曲の予約等を行うことができる。
【0030】
カラオケ本体10は、選択されたカラオケ楽曲の演奏制御、歌詞および背景映像の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。
図2はカラオケ本体10のハードウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、制御部11、通信部12、記憶部13、音響処理部14、表示処理部15及び操作部16を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0031】
制御部11は、CPU11aおよびメモリ11bを備える。CPU11aは、メモリ11bに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリ11bは、CPU11aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。
【0032】
通信部12は、ルーター(図示なし)を介してカラオケ本体10を通信回線に接続するためのインタフェースを提供する。
【0033】
記憶部13は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。本実施形態において、記憶部13は、楽曲データ記憶部13a、メッセージ記憶部13b、映像データ記憶部13c、音声データ記憶部13dを含む。
【0034】
楽曲データ記憶部13aは、複数の楽曲データを記憶する。楽曲データは、カラオケ装置1によりカラオケ演奏を行うためのデータである。カラオケ装置1が楽曲データに基づいて楽曲を演奏することにより、歌唱者はカラオケの歌唱が可能となる。なお、それぞれの楽曲には、歌唱者が歌唱を行うための歌詞が設定されている区間である「歌唱区間」と、歌詞が設定されていない区間である「非歌唱区間(インターバル)」とが存在する。非歌唱区間は、ある歌唱区間の終了から次の歌唱区間の開始までの間隔に相当する。
【0035】
楽曲データは、MIDIデータ、歌詞データ、リファレンスデータ等が含まれる。MIDIデータは、電子楽器の音源を自動演奏させるための自動演奏データ(カラオケ演奏データ)であり、時系列のノート情報によって構成される。ノート情報は、たとえば発音や消音のタイミング、キーの押圧力、音の高さ、再生ピッチ等を制御する各種の命令によって構成される。歌詞データは、カラオケ楽曲における歌詞テロップを表示装置30に表示させるための文字列データである。歌詞データは、楽曲毎に予め設定されている。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点する際の基準となるデータであり、ヴォーカルの音高を表す時系列の音高情報によって構成されている。リファレンスデータは歌唱区間毎に設定されている。
【0036】
なお、本実施形態に係るカラオケ装置1において使用される楽曲データは、楽曲データ記憶部13aに記憶されているものではなく、サーバ(図示なし)から直接取得したデータであってもよい。
【0037】
メッセージ記憶部13bは、複数の採点結果それぞれに対して異なるメッセージを対応付けて記憶する。
図3は、複数の採点結果とメッセージとを対応付けたテーブルデータの例を示す。なお、本実施形態のメッセージは、後述する「キャラクタ採点モード」で用いても違和感がないよう、各キャラクタのイメージに合わせた言葉遣いとなっている。
【0038】
各メッセージは、複数の部分に分割されている。「部分」とは、メッセージの内容を語句単位で区切った領域である。メッセージ記憶部13bは、部分毎に優先度情報及び時間情報を関連付けて記憶している。
【0039】
優先度情報は、一のメッセージ中における部分毎の重要度に応じて付与される情報である。メッセージは複数の部分を組み合わせて構成されるが、各部分に含まれる語句にはメッセージ内容を端的に示すもの(「凄い」、「頑張ってね」)から単なる感嘆語(「お〜」、「あ〜ん」)まで様々なものが存在する。そこで、語句の内容に応じた重要度を部分毎に予め設定しておくことができる。たとえば、
図3におけるメッセージM03は、複数の部分として「うふ」、「なかなか」、「やるわねぇ〜」の3つの領域に分割されている。このうち、歌唱者に最も伝えたいメッセージ内容、すなわち重要度が高い部分である「やるわねぇ〜」の領域に対しては、優先度情報として「A(当該領域が優先度の最も高い部分であることを示す)」が設定されている。同様に、次に重要度の高い部分である「なかなか」の領域に対しては、優先度情報として「B(当該領域が次に優先度の高い部分であることを示す)」が設定され、最も重要度の低い部分である「うふ」の領域に対しては優先度情報として「C(当該領域が最も優先度が低い部分であることを示す)」が設定される。なお、部分毎の優先度情報は、メッセージが選択される度に単語の種類等によって設定されるようにしてもよい。
【0040】
時間情報は、一のメッセージ中における部分毎の開始から終了までの経過時間を示す。メッセージは全体として所定の長さ(所定時間)を有している。そして、各部分は所定時間の範囲内においてある長さが設定されている。たとえば、
図3におけるメッセージM03は、「うふ なかなか やるわねぇ〜」の3つの領域全体で2,100msecの長さを有する。この中で「うふ」は、メッセージM03の開始に相当する0msecから800msec、「なかなか」は、800msecから1,400msec、「やるわねぇ〜」は、1400msecからメッセージM03の終了に相当する2,100msecまでの長さとして設定されている。なお、語句の長さ(語数の多さ)と経過時間の長さは必ずしも一致するものではない。
【0041】
映像データ記憶部13cは、カラオケ演奏時に表示装置30に表示される背景画像やキャラクタ等の映像データを記憶する領域である。
【0042】
音声データ記憶部13dは、メッセージ記憶部13bに記憶されているメッセージの内容を音声で表した音声データを記憶する。たとえば、音声データ記憶部13dはメッセージIDとメッセージの音声データとを関連付けて記憶している(
図4参照)。なお、メッセージ記憶部13bに記憶されたメッセージと音声データ記憶部13dに記憶された音声データとは、同じメッセージIDを付与することにより関連付けることができる。
【0043】
音響処理部14は、制御部11の制御に基づき、カラオケ楽曲に対する演奏の制御およびマイク40を通じて入力された音声信号の処理を行う。音響処理部14は、たとえばMIDI音源、ミキサ、アンプ(いずれも図示なし)を含む。MIDI音源は、楽曲データに基づいて楽音信号を生成する。ミキサは、当該音楽信号およびマイク40から出力される音声信号を適当な比率でミキシングしてアンプに出力する。アンプは、ミキサからのミキシング信号を増幅し、放音信号としてスピーカ20へ出力する。これにより、スピーカ20からは放音信号に基づくカラオケ演奏音およびマイク40からの歌唱音声が放音される。また、本実施形態にかかる音響処理部14は、音声出力制御部500(後述)の制御に基づいて所定のメッセージを放音させる。
【0044】
表示処理部15は、制御部11の制御に基づき、表示装置30における各種表示に関する処理を行う。たとえば、表示処理部15は、カラオケ演奏時における背景映像に歌詞テロップが重ねられた映像を表示装置30に表示させる制御を行う。
【0045】
操作部16は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、歌唱者によるカラオケ装置1のパネルスイッチあるいはリモコン装置50の操作に応じて予約信号、中止信号などの操作信号を制御部11に対して出力する。制御部11は、操作部16からの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。
【0046】
(ソフトウェア構成)
図5はカラオケ本体10のソフトウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、採点部100と、メッセージ選択部200と、インターバル検出部300と、タイミング決定部400と、音声出力制御部500とを備える。
【0047】
採点部100、メッセージ選択部200、インターバル検出部300、タイミング決定部400及び音声出力制御部500は、制御部11のCPU11aがメモリ11bに記憶されている動作プログラムを実行することにより実現される。
【0048】
採点部100は、複数の歌唱区間を有する楽曲について、歌唱区間毎に採点結果を算出する。採点結果の算出は公知の手法を用いることができる。たとえば、採点部100は、歌唱者がある歌唱区間に歌唱を行った場合、当該歌唱に基づく歌唱音声信号を取得する。そして、採点部100は、楽曲データ記憶部13aから当該歌唱区間に対応するリファレンスデータを読み出し、取得した歌唱音声信号とリファレンスデータとを比較することにより、音高に基づく採点結果を算出する。採点結果は、たとえば、0〜100点の範囲の得点情報として算出される。なお、採点部100は、音高に基づく採点結果だけでなく、歌唱の音量やタイミング(リズム)、さらには歌唱技法の評価結果等を組み合わせた総合評価を採点結果として算出してもよい。
【0049】
メッセージ選択部200は、採点部100で算出された採点結果に応じた所定のメッセージを選択する。具体的には、メッセージ選択部200は、メッセージ記憶部13bのテーブルデータを参照し、採点部100の採点結果に対応するメッセージを所定のメッセージとして読み出す。当該メッセージには、部分毎に優先度情報及び時間情報が対応付けられている。
【0050】
インターバル検出部300は、採点結果を算出する歌唱区間の終了から次の歌唱区間の開始までの間隔であるインターバルの長さを検出する。たとえば、インターバル検出部300は、楽曲データ記憶部13aに記憶された楽曲データに基づいてインターバルの長さを検出する。なお、楽曲データとして、予めインターバルの長さに関する情報が記録されていてもよい。この場合、インターバル検出部300は、当該情報を楽曲データ記憶部13aから読み出すことにより、インターバルの長さを検出する。
【0051】
タイミング決定部400は、検出されたインターバルの長さと、選択された所定のメッセージに対応する優先度情報及び/または時間情報とに基づいて、所定のメッセージの音声出力を開始するタイミングを決定する。詳細は後述する。
【0052】
音声出力制御部500は、決定されたタイミングで所定のメッセージの音声出力を行うよう音響処理部14を制御する。具体的には、音声出力制御部500は、音声データ記憶部13dから所定のメッセ―ジに対応する音声データを読み出して、音響処理部14に送信する。音響処理部14は、音声出力制御部500の制御に基づいて、スピーカ20から音声データに対応するメッセージを放音させる。すなわち、「音声出力制御部500」、「音響処理部14」、「スピーカ20」は、決定されたタイミングで所定のメッセージの音声出力を行う「メッセージ出力部」を構成する。なお、音声出力を行う場合に、予め録音された音声データを用いる代わりに、テキストデータを用いることも可能である。この場合、音声データ記憶部13dは、テキストデータとメッセージIDとを関連付けて記憶している。そして、音響処理部14は所定のメッセージに対応するテキストデータに基づいて音声合成を行い、所定のメッセージ内容を放音する。
【0053】
==タイミングの決定について==
次に、
図6A〜
図6Eを参照してタイミング決定部400によるタイミング決定の具体例について説明を行う。
図6A〜
図6Eは、楽曲の歌唱区間及びインターバルと、メッセージの音声出力を開始するタイミング(以下、単に「タイミング」という場合がある)との関係を模式的に示した図である。この例では、メッセージは優先度の最も高い部分A、次に優先度の高い部分B、及び優先度の最も低い部分Cの3つの領域に分割されている。以下、インターバルの長さが所定のメッセージの長さよりも長い場合及び短い場合に分けて説明を行う。インターバルの長さと時間情報に基づく所定のメッセージの長さとの比較は、タイミング決定部400が行う。
【0054】
(インターバルの長さが所定のメッセージの長さよりも短い場合)
タイミング決定部400は、所定のメッセージ中の優先度の最も高い部分がインターバルの間により長く出力されるようにタイミングを決定する。
【0055】
たとえば、タイミング決定部400は、インターバルの開始時に優先度の最も高い部分Aの音声出力が開始されるようにタイミングを決定する(
図6A参照)。このようにタイミングを決定することにより、歌唱の影響を受けないインターバルの開始時から最も優先度が高い部分Aのメッセージが放音されるため、歌唱者はメッセージの重要な部分を把握し易くなる。
【0056】
なお、
図6Aの例では、優先度の最も高い部分Aに対応するメッセージは全て放音されることになるが、優先度の最も高い部分の長さがインターバルの長さよりも長いケースもありうる(
図6B参照)。この場合にも、タイミング決定部400は、インターバルの開始時に優先度の最も高い部分Aの音声出力が開始されるようにタイミングを決定する。このようにタイミングを決定することにより、インターバル中に最も優先度が高い部分Aのメッセージの少なくとも一部を放音できるため、歌唱者はメッセージの重要な部分を少しでも把握し易くなる。
【0057】
また、優先度の最も高い部分Aの長さがインターバルの長さよりも短い場合、タイミング決定部400は、優先度の最も高い部分A、及び少なくとも次に優先度の高い部分Bの一部がインターバルの間に音声出力されるようタイミングを決定することも可能である(
図6C参照)。たとえば、検出されたインターバルの長さが1,000msecであり、選択されたメッセージの長さが1,400msec、優先度の最も高い部分Aの長さが800msec、次に優先度の高い部分Bの長さが300msecであるとする。この場合、タイミング決定部400は、インターバルの長さと優先度の最も高い部分Aの長さを比較し、残りのインターバルの長さ200msecを求める。そして、残りのインターバルに部分Bの一部(200msec)が入るように、インターバル開始時よりも100msec早い時点をメッセージの音声出力を行うタイミングとして決定する。このようにタイミングを決定することにより、インターバル中に最も優先度が高い部分Aから優先度の順にメッセージが放音されるため、歌唱者はメッセージの重要度の高い順にメッセージの内容を把握し易くなる。
【0058】
(インターバルの長さが所定のメッセージの長さよりも長い場合)
この場合、タイミング決定部400は、インターバルの開始時をタイミングとして決定することができる(
図6D参照)。このようにタイミングを設定することにより、インターバル中にメッセージを全て放音することが可能となる。よって、歌唱者は優先度の最も高い部分Aを含むメッセージ全体の内容を容易に把握できる。
【0059】
或いは、タイミング決定部400は、インターバルの開始時よりも所定時間遅らせた時点をタイミングとして決定することも可能である(
図6E参照)。
【0060】
たとえば、検出されたインターバルの長さが1,400msecであり、選択されたメッセージの長さが1,200msecであったとする。この場合、タイミング決定部400は、インターバル開始時よりも100msec遅い時点を当該タイミングとして決定する。このようにタイミングを設定することにより、先の歌唱区間と次の歌唱区間それぞれとメッセージとの間に所定の間隔(
図6Eの例では100msec)が生じる。すなわち、歌唱区間とメッセージの放音期間との間隔が空くため、メッセージ内容を聞き取りやすくなる。よって、歌唱者は優先度の最も高い部分Aを含むメッセージ全体の内容をより把握し易くなる。なお、インターバルの長さが所定のメッセージの長さよりも長い場合には、タイミングの決定に優先度情報は使用しない。
【0061】
また、優先度の最も高い部分がインターバルの間により長く出力されるようなタイミングを決定するという観点からは上記例に限られない。たとえば、タイミング決定部400は、はじめにインターバルの長さと優先度の最も高い部分Aの長さとを比較し、インターバルの長さが優先度の最も高い部分Aの長さよりも長いか短いかを判断する。
【0062】
インターバルの長さが優先度の最も高い部分Aの長さよりも長い場合、タイミング決定部400は、更にメッセージ全体の長さとインターバルの長さとを比較する。
【0063】
インターバルの長さがメッセージ全体の長さよりも長い場合、タイミング決定部400は、インターバルの開始時をタイミングとして決定するか(
図6D参照)、インターバルの開始時よりも所定時間遅らせた時点をタイミングとして決定する(
図6E参照)。
【0064】
また、インターバルの長さがメッセージ全体の長さよりも短い場合、タイミング決定部400は、インターバルの開始時に優先度の最も高い部分Aの音声出力が開始されるようにタイミングを決定するか(
図6A参照)、優先度の最も高い部分A及び少なくとも次に優先度の高い部分Bの一部がインターバルの間に音声出力されるようタイミングを決定する(
図6C参照)。
【0065】
一方、インターバルの長さが優先度の最も高い部分Aの長さよりも短い場合、インターバルの開始時に優先度の最も高い部分Aの音声出力が開始されるようにタイミングを決定する(
図6B参照)
【0066】
==カラオケ装置1の動作について==
次に、
図7及び
図8を参照して本実施形態に係るカラオケ装置1の動作の具体例について述べる。
図7は、カラオケ装置1の動作例を示すフローチャートである。
図8は、文部省唱歌である童謡「ふじの山」(作詞:巌谷 小波)の一部を示す楽譜である。
【0067】
歌唱者は、リモコン装置50を介し、「ふじの山」の楽曲を選択し、歌唱を行う(楽曲の選択・歌唱。ステップ10)。
【0068】
採点部100は、最初の歌唱区間として、出だしの8小節の歌唱「あたまを くもの うえにだ し しほうの やーまを みおろーしー て」の87.5%、すなわち、7小節目の「みおろーしー」の歌唱が終了した時点で、当該歌唱区間の採点結果として85点を算出する(採点結果の算出。ステップ11)。当該歌唱区間の全ての歌唱を対象として採点結果を算出すると、メッセージの音声出力の開始が間に合わなくなる場合がある。したがってある歌唱区間において、例えば80%〜90%程度の歌唱が終了した時点で採点結果を得ることが望ましい。なお、本発明における「歌唱区間毎に採点結果を算出する」には、ある歌唱区間における一部の歌唱に基づいて採点結果を得る場合も含まれる。
【0069】
メッセージ選択部200は、メッセージ記憶部13bに記憶されたテーブルデータ(
図3参照)を参照し、85点の採点結果に対応するメッセージM03を選択する(メッセージの選択。ステップ12)。
【0070】
インターバル検出部300は、ステップ10で選択された楽曲「ふじの山」のリファレンスデータを参照し、最初の歌唱区間(8小節目の「て」)の歌唱が終了してから次の歌唱区間(「かみなりさーまーを・・・・」)が開始するまでのインターバルの長さ750msecを検出する(インターバルの検出。ステップ13)。
図8の楽譜に示した通り、本楽曲のインターバルは1拍(4分休符)であり、BPMは80である。よって、インターバルは、60/80=0.75secとなる。
【0071】
タイミング決定部400は、ステップ13で検出されたインターバルの長さと、ステップ12で選択されたメッセージM03に対応する優先度情報及び時間情報とに基づいて、メッセージM03の音声出力を開始するタイミングを決定する(タイミングの決定。ステップ14)。
【0072】
この例では、検出されたインターバルの長さ750msecに対して、メッセージM03全体の長さが2,200msecである。よって、タイミング決定部400は、優先度が最も高い部分「やるわねぇ〜」が歌唱音声(歌唱区間)と重ならないようにするため、インターバル開始より1,400msec早いタイミングをメッセージM03の音声出力を開始するタイミングとする。
【0073】
音響処理部14は、音声出力制御部500の制御に基づき、ステップ14で決定されたタイミングでスピーカ20を介してメッセージM03の音声出力を行う(メッセージの放音。ステップ15)。
【0074】
このように、本実施形態に係るカラオケ装置1によれば、歌唱音声が放音されない非歌唱区間(インターバル)の間に歌唱評価に応じたメッセージの最も重要とされる部分を音声出力することができる。よって、歌唱者は、自己の歌唱音声の影響を受けることなく、メッセージの内容を容易に把握できる。
【0075】
なお、歌唱者が歌唱する際に「キャラクタ採点モード」を利用することも可能である。キャラクタ採点モードはカラオケ装置1が有するモードである。キャラクタ採点モードが選択された場合、表示処理部15(制御部11)は、歌唱時に表示装置30に背景画像及び歌詞と共にキャラクタを表示させ、楽曲の進行に合わせてキャラクタの表示態様を変化させる。このようなモードを搭載することにより、カラオケ装置1は歌唱者に対してより高い趣向性を与えることができる。
【0076】
このようなモードにおいて、表示処理部15(制御部11)は、メッセージの音声出力のタイミングに合わせてキャラクタの表示態様を変化させる制御を行うこともできる。たとえば、メッセージの内容が「賞賛」の場合、表示処理部15は、キャラクタが喜んでいるようなアニメーションを表示させる。また、メッセージの放音に合わせてキャラクタの表情を変化させることにより、あたかもキャラクタのセリフとしてメッセージが放音されているような視覚的効果を与えることもできる。このような場合、歌唱者は視覚的にメッセージの概要を把握できる。
【0077】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。それらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。