特許第6421068号(P6421068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6421068
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】プリンタ及びプリントシステム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20181029BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20181029BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20181029BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/46 Z
   B41J29/42 F
   G06F3/12 319
   G06F3/12 359
   G06F3/12 339
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-68286(P2015-68286)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-187902(P2016-187902A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2017年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135828
【弁理士】
【氏名又は名称】飯島 康弘
(72)【発明者】
【氏名】古橋 和雅
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−250296(JP,A)
【文献】 特開2008−152198(JP,A)
【文献】 特開2004−309919(JP,A)
【文献】 特開2004−214975(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0332653(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00−29/70
G03G 21/00−21/20
G06F 3/09− 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知部と、
印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷実行部と、
前記印刷ジョブ当たりの印刷枚数の制限を示す枚数制限情報が記録された記録部と、
前記受信部により受信された前記印刷ジョブが示す印刷枚数が、前記記録部に記録された前記枚数制限情報が示す印刷制限枚数を超えているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記枚数制限情報が示す印刷制限枚数を超えていると判定された場合、当該印刷制限枚数を超えていることを前記報知部により報知させる制御部と、
を備え
前記報知部は、表示部を含み、
前記制御部は、
前記判定部が判定をする前に、前記印刷実行部が印刷実行可能になった場合、前記印刷実行部に印刷を開始させ、前記印刷実行部が印刷した枚数が、前記記録部に記録された前記枚数制限情報が示す印刷制限枚数に達する前に、前記判定部が、前記印刷ジョブが示す印刷枚数が前記印刷制限枚数を超えると判定した時点で、前記印刷実行部に印刷を停止させて、残りの印刷を行うか否かを表示部に表示させ、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を前記印刷実行部に実行させ、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を前記印刷実行部に実行させない、
プリンタ。
【請求項2】
記制御部は、
前記判定部により前記枚数制限情報が示す印刷制限枚数を超えていると判定された場合、当該印刷制限枚数を超えていることを前記表示部に表示させる、
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記制御部は、
前記判定部により前記枚数制限情報が示す印刷制限枚数を超えていると判定された場合、当該印刷制限枚数を超えて印刷を行うか否かを前記表示部に表示させる、
請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記記録部に記録された枚数制限情報は、印刷ジョブの送信機能毎に設定される
請求項1からのいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記記録部に記録された前記枚数制限情報を更新する更新部をさらに備えている、
請求項1からのいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項6】
通信端末と、
前記通信端末と通信可能な請求項1からのいずれか1項に記載のプリンタと、
を備えたプリントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ及び当該プリンタを含むプリントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等から印刷データや印刷枚数情報を含む印刷ジョブを送信して、印刷ジョブの受信機能を有するプリンタに出力することができる。
この種のプリンタとして、印刷に必要な用紙の枚数や印刷に必要な時間をプリンタ単体で表示することができるプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたプリンタは、印刷対象の電子データを記憶する記憶部と、記憶部から順に呼び出す印刷対象の電子データに基づいて印刷部に印刷させる制御部と、印刷対象の電子データのうち印刷されていない電子データを印刷するのに必要な用紙の枚数を表示する表示部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−118104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記したプリンタは、例えばプリンタの使用者(保有者)が意図しない印刷ジョブを受信し、多量の枚数の印刷指示を受けた場合に、多量の枚数の印刷を行うか否かの選択を行うことができず、意図しない多量の枚数の印刷をせざるを得ないという不利益があった。
【0006】
従って、意図する枚数の印刷を行うことができるプリンタ及びプリントシステムが提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るプリンタは、報知部と、印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部により受信された前記印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷実行部と、前記印刷ジョブ当たりの印刷枚数の制限を示す枚数制限情報が記録された記録部と、前記受信部により受信された前記印刷ジョブが示す印刷枚数が、前記記録部に記録された前記枚数制限情報が示す印刷制限枚数を超えているか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記枚数制限情報が示す印刷制限枚数を超えていると判定された場合、当該印刷制限枚数を超えていることを前記報知部により報知させる制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係るプリントシステムは、通信端末と、前記通信端末と通信可能な上記のプリンタと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、意図する枚数の印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る印刷ジョブのプリントシステムの基本的な構成を示す図である。
図2】本実施形態に係るプリンタの要部の構成例を示すブロック図である。
図3】報知部としての表示部の表示画面に、「印刷制限枚数を超えています」、「印刷制限枚数を超えて印刷を行いますか」、「残りの枚数の印刷を行いますか」とのメッセージを表示させる例を示す図である。
図4】本実施形態に係るプリンタの第1印刷モード時の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】本実施形態に係るプリンタの第2印刷モード時の動作を説明するためのフローチャートである。
図6】本実施形態に係るプリンタの第3印刷モード時の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る印刷ジョブのプリントシステムの基本的な構成を示す図である。
【0013】
図1の印刷ジョブプリントシステム1は、ネットワーク3、ネットワーク3に印刷ジョブ(FAX情報等を含む)を送信する機能を有する通信端末(送信側装置)5、ネットワーク3で中継された印刷ジョブを受信する受信装置としてのプリンタ9を含んで構成されている。
また、ネットワーク3には、送信された情報を一旦蓄積して後で宛先のFAX機能を備えた受信装置(プリンタ9)に送信する蓄積交換装置や、例えばインターネット接続に対応したサーバ等の管理装置7が接続される。
【0014】
ネットワーク3としては、本実施形態では特に限定されず、公衆交換電話網や、IP電話、LAN(Local Area Network)、インターネット、イーサネット(富士ゼロックス株式会社の登録商標)などの電話交換機を介さないIP通信網であっても良いし、広義にはパーソナルコンピュータ(PC)に直接接続されるUSB(Universal Serial Bus)ケーブルであっても良い。ネットワーク3の一部または全部は有線であっても良いし、無線であっても良い。
【0015】
本実施形態において、プリンタ9が受信する印刷ジョブの印刷対象情報にはFAX情報が含まれても良いものとする。
プリンタ9に対して印刷ジョブを送信する送信機能としては、インターネット対応のメールプリント機能、電話回線対応のFAX,ネットワークで共有設定されるネットワークプリンタ、スマートフォンからの直接印刷を実現する無線LAN対応のWifiダイレクト、パーソナルコンピュータ(PC)に直接接続されるUSB等を例示することができる。
【0016】
メールプリント機能は、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、スマートフォンなど、メールが送信できる通信端末5からメールアドレスを持つプリンタ9へ電子メールを送信するだけで、本文や添付ファイルが印刷できる機能である。メールプリント機能には特別なアプリケーションを必要としない。
メールプリントシステムでは、電子メールを受信し、受信した情報に基づく印刷を、ネットワーク3を介してプリンタ9に指示する管理装置7であるプリントサーバが配置される。
【0017】
また、通常のFAX情報の送受信を行う場合、送信側装置である通信端末5側で送信すべき情報(原稿等)を読み取り、データ圧縮や変調等の信号処理を施し、入力して特定した宛先(電話番号等)にネットワーク3で中継し、受信側のプリンタ9で信号を復調し原稿を復元して印刷する。
【0018】
また、通信端末(送信側装置)5は、例えば、インターネットを通してFAX情報を送信(例えばFAX情報を電子メールに添付して送信)するインターネットFAX端末としての機能を有するように構成可能である。
また、通信端末(送信側装置)5は、印刷ジョブの送信機能だけでなく受信機能を持つ通信端末として構成可能であり、また、プリンタ9は印刷ジョブの受信機能だけでなく所定の情報の送信機能を持つように構成可能である。
【0019】
本実施形態におけるプリンタ9の特徴的な構成は、基本的に、印刷ジョブ当たりに印刷制限枚数PRCを設け、受信した印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、設定されている印刷制限枚数PRCを超えているか否かを判定する。そして、印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えている場合に、この印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えていること、さらには印刷制限枚数PRCを超えて印刷を行うか否かを表示部等を介して報知し、ユーザの指示に従い印刷を実行するかしないかを制御することにある。
この基本構成は、印刷データを受信した後に印刷を開始する場合である。この場合、例えば後で詳述する第1印刷モードまたは第2印刷モード下で動作する。
【0020】
また、印刷データを受信しながらの印刷実行の制御は、第3印刷モード下において、次のように行われる。
この場合、プリンタ9は、印刷を開始し、実際に印刷した枚数が、印刷制限枚数PRCに達する前に、印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えると判定した時点で、印刷を停止して、残りの印刷を行うか否かを表示部等を介して報知し、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を実行し、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を実行しない。
【0021】
プリンタ9は、以上の印刷制限枚数PRCに関連した制御を行うことにより、例えばプリンタの使用者(保有者)が意図しない印刷ジョブを受信し、意図しない多量の枚数の印刷指示を受けた場合に、多量の枚数の印刷を行うか否かの選択を行うことができ、意図しない多量の枚数の印刷を回避することができ、ひいては意図する枚数の印刷を行うことができるという利点を有する。
【0022】
なお、意図しない場合の例としては、例えば、自分のパーソナルコンピュータ(PC)から誤って多量の枚数の印刷指示をしてしまった場合、他人から自分のプリンタへ多量の枚数のFAX送信された場合、メールプリント機能により他人の通信端末から自分のプリンタへ多量の枚数の印刷指示がされた場合等が挙げられる。
【0023】
以下、本実施形態に係るプリンタ9の具体的な構成及び印刷制限枚数に関連した制御処理について説明する。
【0024】
図2は、本実施形態に係るプリンタ9の要部の構成例を示すブロック図である。
【0025】
図2のプリンタ9は、受信部901、印刷実行部902、記録部903、判定部904、制御部905、報知部906、更新部907、印刷枚数係数部908、及び操作部909を含んで構成されている。
【0026】
受信部901は、所定の送信機能により送信され、ネットワーク3を中継された印刷ジョブを受信する。受信部901は、受信した印刷ジョブを復元し、印刷枚数に関する情報等を含む印刷ジョブを、例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902に供給する。例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902は、供給された印刷ジョブをメモリ等の記憶部(M)に記憶する。
【0027】
印刷実行部902は、受信部901により受信された印刷ジョブに従って印刷を実行する。
印刷実行部902は、例えば、一般的なプリンタにおいて構築されているものと同様でよい。印刷実行部902は、例えば、印刷情報(印刷データ)に基づいて、プリントヘッドのアクチュエータ及び紙送り機構のアクチュエータに対して適宜なタイミング及び適宜な大きさで電圧を印加する。
【0028】
記録部903は、あらかじめ設定された、印刷ジョブ当たりの印刷枚数の制限である印刷制限枚数PRCを示す枚数制限情報が記録されている。このように、記録部903は、印刷ジョブ当たりの印刷制限枚数(例えば、印刷制限枚数PRC:10枚、150枚等)が記録されている。
【0029】
本実施形態においては、記録部903に記録された枚数制限情報である印刷制限枚数PRCは、例えば、下記のように、印刷ジョブの送信機能毎に設定される。
例えば、
メールプリント機能(インターネット):印刷制限枚数(PRC)10枚、
FAX:印刷制限枚数(PRC)150枚、
ネットワークプリンタ:印刷制限枚数(PRC)200枚、
Wifiダイレクト:印刷制限枚数(RPC)15枚
【0030】
すなわち、送信機能がメールプリント機能の場合、印刷制限枚数PRCは10枚に設定される。送信機能がFAXの場合、印刷制限枚数PRCは150枚に設定される。送信機能がネットワークプリンタの場合、印刷制限枚数PRCは200枚に設定される。送信機能がWifiダイレクトの場合、印刷制限枚数PRCは15枚に設定される。
印刷ジョブが送信される送信機能の種別は、印刷ジョブを受信する際に使用するハードウェアや通信規格により判定できる。また、通信を確立する際に、相互に相手の機器に関する情報を送受し合う場合は、その情報によっても判定できる。
例えば、印刷ジョブが送信される送信機能の種別は、受信に用いるハードウェアの規格により判定できる。また、受信に用いられる通信プロトコルで判定してもよい。さらに、受信する印刷ジョブのデータ形式で判定してもよい。さらに、印刷ジョブに含まれる通信端末の情報で判定してもよい。
具体的には、プリンタ9が、受信に使用するハードウェアとして、異なる通信規格に対応したものや、異なる周波数帯に対応したものなどを複数備えている場合、それらのうちどのハードウェアを用いて受信したかで判定できる。これと同様に、プリンタ9が複数の通信プロトコルを用いて受信できる場合、それらのうちどの通信プロトコルを用いて受信したかで判定できる。また、通信プロトコルで通信を確立する際に利用する通信対象に関する情報を使用して判定してもよい。印刷ジョブに含まれる印刷されるデータは、そのデータを作成したソフトウェアにより異なる形式である場合があるため、データの形式で判定ができる。また、印刷ジョブの中に、印刷ジョブを生成したソフトウェアの名前やバージョン情報が含まれていれば、それらによっても判定できる。
以上のいずれか、あるいは2以上を組み合わせて、送信機能が、メールプリント機能、FAX、ネットワークプリンタ、およびWifiダイレクトのいずれであるかを判定できる。
【0031】
記録部903は、例えば電源を切っても情報が保持されるように、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置により構成される。
なお、記録部903の記録情報は、例えばキー入力部やタッチパネル等により構成される操作部909の操作指示に従って、更新部907により適宜更新可能である。
また、更新はプリンタ9の表示部で操作することで行ってもよいし、無線通信を介してスマートフォン等の通信端末で行ってもよいし、インターネットを介してパーソナルコンピュータ(PC)から行ってもよい。
【0032】
判定部904は、受信した印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJを把握し、受信部901により受信された印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、記録部903に記録された枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えているか否かを判定する。
判定部904は、この判定結果を制御部905に供給する。
【0033】
制御部905は、判定部904により印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定された場合、印刷制限枚数PRCを超えていることを報知部906により報知させる。
報知部906は、特に限定されないが、例えば、メッセージ等を表示して報知する液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示部、点滅等させて報知するLED等の表示器、音声合成による音声出力部等のいずれか、あるいはこれらを組み合わせて構成可能である。
【0034】
制御部905は、例えば報知部906が表示部906Aにより構成されている場合、判定部904により印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定されると、印刷制限枚数PRCを超えていることを表示部906Aに表示させる。
この場合、制御部905は、図3(a)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、例えば「印刷制限枚数を超えています」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えていることを報知させる。
【0035】
さらに、制御部905は、判定部904により印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定されると、印刷制限枚数PRCを超えて印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させる。
この場合、制御部905は、図3(b)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、例えば「印刷制限枚数を超えて印刷を行いますか」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えての印刷の可否をユーザに問い合わせる。
【0036】
印刷制限枚数PRCを超えての印刷の可否は、例えばユーザの操作部909の操作指示に従って決定される。
【0037】
制御部905は、受信した印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、記録部903に記録された枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えている場合、以下に示す第1印刷モードまたは第2印刷モードの制御を行うように構成(設定)可能である。
【0038】
制御部905は、第1印刷モードの場合、印刷制限枚数PRCの印刷を印刷実行部902に実行させた後、残りの枚数の印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させる。
この場合、制御部905は、図3(c)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、「残りの枚数の印刷を行いますか」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えての印刷の可否をユーザに問い合わせる。
そして、制御部905は、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させる。
制御部905は、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させない。この場合、残りの印刷ジョブは削除する。
【0039】
より具体的には、制御部905は、第1印刷モードにおいて、例えば、印刷制限枚数PRCが150枚であり、印刷ジョブが200枚であった場合、先ず150枚の印刷を行った後に、残り50枚の印刷を行うか否かを表示部に表示させ、ユーザがOKの指示を出した場合に、残り50枚の印刷を実行する。ユーザがNOの指示を出した場合、残り50枚の印刷は実行しない。
制御部905は、ユーザがNOの指示を出した場合、残り50枚の印刷ジョブは削除する。
【0040】
制御部905は、第2印刷モードの場合、印刷ジョブが示す枚数の印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させる。
そして、制御部905は、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、印刷ジョブが示す枚数NBPJの印刷を印刷実行部902に実行させる。
制御部905は、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、印刷ジョブが示す枚数NBPJの印刷を印刷実行部902に実行させない。この場合、印刷ジョブは削除する。
【0041】
より具体的には、制御部905は、第2印刷モードにおいて、例えば、印刷制限枚数PRCが150枚であり、印刷ジョブが200枚であった場合、印刷を行う前に、200枚の印刷を行うか否かを表示部に表示させ、ユーザがOKの指示を出した場合に、200枚の印刷を実行する。ユーザがNOの指示を出した場合、200枚の印刷は実行しない。
制御部905は、ユーザがNOの指示を出した場合、印刷ジョブを削除する。
【0042】
制御部905は、印刷データを受信しながらの印刷実行の制御を、第3印刷モード下において、次のように行う。
制御部905は、判定部904が印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えるか否かを判定する前に、印刷実行部902が印刷実行可能になった場合、印刷実行部902に印刷を開始させる。
制御部905は、印刷枚数係数部908が計数した印刷実行部902が印刷した枚数NBPが、印刷制限枚数PRCに達する前に、判定部904が、印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えると判定した時点で、印刷実行部902に印刷を停止させる。
そして、制御部905は、残りの印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させ、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させる。
制御部905は、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させない。
【0043】
なお、第1印刷モードで動作するか、第2印刷モードで動作するか、第3印刷モードで動作するかは、例えば操作部909の操作指示に従って設定される。あるいは、無線通信を介してスマートフォン等の通信端末で行っても良いし、インターネットを介してパーソナルコンピュータ(PC)から行っても良い。
【0044】
操作部909は、例えば、複数の物理的なキーを有するものであっても良いし、タッチパネルのように表示部のGUI(Graphical User Interface)と組み合わされたものであってもよい
【0045】
次に、図2の構成を有するプリンタ9の動作を説明する。
以下では、第1印刷モード、第2印刷モード、及び第3印刷モードの3つの動作例について説明する。
【0046】
(第1印刷モードの動作)
まず、第1印刷モードの動作について図4に関連付けて説明する。
図4は、本実施形態に係るプリンタの第1印刷モード時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0047】
まず、プリンタ9は、ネットワーク3で中継された印刷ジョブを、受信部901により受信する(ステップST1)。
受信部901は、印刷枚数に関する情報等を含む印刷ジョブを、例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902に供給する。例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902は、供給された印刷ジョブをメモリ等の記憶部に記憶する。
【0048】
判定部904は、受信した印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJを把握する(ステップST2)。
そして、判定部904が、受信部901により受信された印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、記録部903に記録された枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えているか否かを判定する(ステップST3)。
判定部904は、この判定結果を制御部905に供給する。
【0049】
制御部905は、判定部904により印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定された場合、印刷制限枚数PRCを超えていることを表示部906Aに表示させる(ステップST4)。
この場合、制御部905は、図3(a)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、例えば「印刷制限枚数を超えています」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えていることを報知させる。
【0050】
そして、制御部905は、印刷制限枚数PRCの印刷を印刷実行部902に実行させる(ステップST5)。その後、制御部905は、印刷制限枚数PRCの印刷が終了すると(ステップST6)、残りの枚数の印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させる(ステップST7)。
この場合、制御部905は、図3(c)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、「残りの枚数の印刷を行いますか」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えての印刷の可否をユーザに問い合わせる。
【0051】
そして、制御部905は、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると(ステップST8)、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させる(ステップST9)。
一方、制御部905は、ステップST8においてユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させない(ステップST10)。この場合、残りの印刷ジョブは削除する。
【0052】
(第2印刷モードの動作)
次に、第2印刷モードの動作について図5に関連付けて説明する。
図5は、本実施形態に係るプリンタの第2印刷モード時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0053】
まず、プリンタ9は、ネットワーク3で中継された印刷ジョブを、受信部901により受信する(ステップST11)。
受信部901は、印刷枚数に関する情報等を含む印刷ジョブを、例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902に供給する。例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902は、供給された印刷ジョブをメモリ等の記憶部に記憶する。
【0054】
判定部904は、受信した印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJを把握する(ステップST12)。
そして、判定部904が、受信部901により受信された印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、記録部903に記録された枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えているか否かを判定する(ステップST13)。
判定部904は、この判定結果を制御部905に供給する。
【0055】
制御部905は、判定部904により印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定された場合、印刷制限枚数PRCを超えていることを表示部906Aに表示させる(ステップST14)。
この場合、制御部905は、図3(a)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、例えば「印刷制限枚数を超えています」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えていることを報知させる。
【0056】
さらに、制御部905は、判定部904により印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定されると、印刷制限枚数PRCを超えて印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させる(ステップST15)。
この場合、制御部905は、図3(b)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、例えば「印刷制限枚数を超えて印刷を行いますか」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えての印刷の可否をユーザに問い合わせる。
【0057】
そして、制御部905は、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると(ステップST16)、印刷ジョブが示す枚数NBPJの印刷を印刷実行部902に実行させる(ステップST17)。
一方、制御部905は、ステップST16においてユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、印刷ジョブが示す枚数NBPJの印刷を印刷実行部902に実行させない(ステップST18)。この場合、印刷ジョブは削除する。
【0058】
(第3印刷モードの動作)
次に、第3印刷モードの動作について図6に関連付けて説明する。
図6は、本実施形態に係るプリンタの第3印刷モード時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0059】
まず、プリンタ9は、ネットワーク3で中継された印刷ジョブを、受信部901により受信する(ステップST21)。
受信部901は、印刷枚数に関する情報等を含む印刷ジョブを、例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902に供給する。例えば判定部904、制御部905、印刷実行部902は、供給された印刷ジョブをメモリ等の記憶部に記憶する。
【0060】
ここで、判定部904は、受信した印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJを把握していても良い(ステップST22)。
【0061】
そして、制御部905は、判定部904が印刷ジョブが示す印刷枚数が印刷制限枚数を超えるか否かを判定する前に(ステップST23)、印刷実行部902が印刷可能であるか否かを判定する(ステップST24)。
制御部905は、ステップST24において印刷実行部902が印刷実行可能になった場合、印刷実行部902に印刷を開始させる(ステップST25)。
【0062】
制御部905は、印刷枚数係数部908が計数した印刷実行部902が印刷した枚数NBPが、印刷制限枚数PRCに達する前に(ステップST26)、判定部904が、印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えるか否かを判定し(ステップST27)、印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えると判定した時点で、印刷実行部902に印刷を停止させる(ステップST28)。
【0063】
制御部905は、判定部904により印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定された場合(ステップST27)、印刷停止後(ステップST28)、印刷制限枚数PRCを超えていることを表示部906Aに表示させる(ステップST29)。
この場合、制御部905は、図3(a)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、例えば「印刷制限枚数を超えています」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えていることを報知させる。
【0064】
さらに、制御部905は、残りの枚数の印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させる(ステップST30)。
この場合、制御部905は、図3(c)に示すように、液晶表示装置等の表示部906Aの表示画面に、「残りの枚数の印刷を行いますか」とのメッセージを表示させ、印刷制限枚数PRCを超えての印刷の可否をユーザに問い合わせる。
【0065】
そして、制御部905は、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると(ステップST31)、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させる(ステップST32)。
一方、制御部905は、ステップST31においてユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させない(ステップST32)。この場合、残りの印刷ジョブは削除する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、プリンタ9は、報知部906と、印刷ジョブを受信する受信部901と、受信部901により受信された印刷ジョブに従って印刷を実行する印刷実行部902と、印刷ジョブ当たりの印刷枚数の制限を示す枚数制限情報が記録された記録部903と、受信部901により受信された印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、記録部903に記録された枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えているか否かを判定する判定部904と、判定部904により枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定された場合、印刷制限枚数PRCを超えていることを報知部906により報知させる制御部905と、を備える。
【0067】
従って、本実施形態によれば、プリンタ9は、以上の印刷制限枚数に関連した制御を行うことにより、例えばプリンタの使用者(保有者)が意図しない印刷ジョブを受信し、多量の枚数の印刷指示を受けた場合に、意図しない多量の枚数の印刷を行うか否かの選択を行うことができ、意図しない多量の枚数の印刷を回避することができ、ひいては意図する枚数の印刷を行うことができるという利点を有する。
【0068】
また、本実施形態によれば、報知部906は、表示部906Aを含み、制御部905は,判定部904により枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定された場合、印刷制限枚数PRCを超えていることを表示部906Aに表示させる。
また、制御部905は、判定部904により枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えていると判定された場合、印刷制限枚数PRCを超えて印刷を行うか否かを表示部906Aに表示させる。
これにより、ユーザは印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCが超えているか否かを容易に視認して把握することができ、また印刷制限枚数PRCを超えて印刷を行うか否かを即応的に容易に決定することができ、現在の状況を確実に把握することができ、ひいてはユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0069】
また、本実施形態によれば、制御部905は、印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、記録部903に記録された枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えている場合、印刷制限枚数PRCの印刷を印刷実行部902に実行させた後、残りの枚数の印刷を行うか否かを表示部に表示させ、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させ、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行902部に実行させない。
これにより、印刷制限枚数PRCを超える枚数の印刷はユーザの意図に従ってその実行を決定することができ、意図しない多量の枚数の印刷を行うか否かの選択を行うことができ、意図しない多量の枚数の印刷を回避することができ、ひいては意図する枚数の印刷を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、制御部905は、印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが、記録部903に記録された枚数制限情報が示す印刷制限枚数PRCを超えている場合、印刷ジョブが示す枚数の印刷を行うか否かを表示部に表示させ、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、印刷ジョブが示す枚数の印刷を印刷実行部902に実行させ、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、印刷ジョブが示す枚数の印刷を印刷実行部902に実行させない。
これにより、印刷制限枚数PRCを超える印刷ジョブが示す枚数の印刷はユーザの意図に従ってその実行を決定することができ、意図しない多量の枚数の印刷を行うか否かの選択を行うことができ、意図しない多量の枚数の印刷を回避することができ、ひいては意図する枚数の印刷を行うことができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、印刷データを受信しながらの印刷実行においては、制御部905は、判定部904が判定をする前に、印刷実行部902が印刷実行可能になった場合、印刷実行部902に印刷を開始させ、印刷実行部902が印刷した枚数が、印刷制限枚数PRCに達する前に、判定部904が、印刷ジョブが示す印刷枚数NBPJが印刷制限枚数PRCを超えると判定した時点で、印刷実行部902に印刷を停止させて、残りの印刷を行うか否かを表示部に表示させ、ユーザから印刷を行う旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させ、ユーザから印刷を行わない旨の指示を受けると、残りの枚数の印刷を印刷実行部902に実行させない。
これにより、印刷データを受信しながら印刷を実行する場合において、印刷制限枚数PRCを超える枚数の印刷はユーザの意図に従ってその実行を決定することができ、意図しない多量の枚数の印刷を行うか否かの選択を行うことができ、意図しない多量の枚数の印刷を回避することができ、ひいては意図する枚数の印刷を行うことができる。
【0072】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0073】
なお、以上詳細に説明した方法は、上記手順に応じたプログラムとして形成し、CPU等のコンピュータで実行するように構成することも可能である。
また、このようなプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体、この記録媒体をセットしたコンピュータによりアクセスし上記プログラムを実行するように構成可能である。
【符号の説明】
【0074】
1・・・印刷ジョブプリントシステム、3・・・ネットワーク、5・・・通信端末(送信側装置)、7・・・管理装置、9・・・プリンタ、901・・・受信部、902・・・印刷実行部、903・・・記録部、904・・・判定部、905・・・制御部、906・・・報知部、906A・・・表示部、907・・・更新部、908・・・印刷枚数係数部、909・・・操作部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6