(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
テキストデータまたはテキストデータおよび前記テキストデータに対応した音声データを含むデジタルコンテンツと、前記デジタルコンテンツの構成内容が記述されたコンテンツ構成内容データと、が記憶されている記憶部と、
前記テキストデータの全部または一部を表示する表示部と、
前記テキストデータまたは前記テキストデータおよび前記音声データから単位フレーズを生成する単位フレーズ生成部と、
前記単位フレーズに対応する前記テキストデータに基づいて音声合成により前記音声データを生成する音声データ生成部と、
音声出力部と、
使用者が前記テキストデータを読み上げた音声を音声録音データとして記録する音声記録部と、
前記単位フレーズに対応する前記音声データの長さに基づいて、前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記表示部に表示するフレーズ表示時間を規定するフレーズ表示時間規定部と、
前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させるフレーズ出力制御部と、
前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させた後、前記音声記録部により前記音声録音データを収集させると共に、収集した前記音声録音データを前記記憶部に記憶させる音声録音データ収集制御部と、
前記デジタルコンテンツを、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータおよび前記音声データを前記表示部および前記音声出力部に出力させ、さらに前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させる音声録音データ確認制御部と、
前記コンテンツ構成内容データの内容に基づいて、前記単位フレーズ生成部と前記フレーズ表示時間規定部との動作内容を切り替える動作内容切替制御部と、を具備し、
前記動作内容切替制御部は、前記コンテンツ構成内容データを参照し、
前記デジタルコンテンツが前記テキストデータに対応した音声データを含んでいないと判断した場合には、前記単位フレーズ生成部に前記テキストデータから前記単位フレーズを生成させる処理と、前記音声データ生成部に前記単位フレーズに対応する前記テキストデータに基づいて音声合成により前記音声データを生成させる処理を実行し、
前記デジタルコンテンツが前記テキストデータに対応した音声データを含んでいると判断した場合には、前記単位フレーズ生成部に、前記テキストデータおよび前記音声データから前記単位フレーズを生成させ、前記音声データ生成部の動作をスキップさせる処理を実行することを特徴とするデジタルコンテンツ再生録音装置。
前記音声録音データ収集制御部は、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを強調表示させた後において、前記音声記録部に入力された最初の音声をトリガーとして前記音声記録部に前記音声録音データを収集させる処理を実行することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のデジタルコンテンツ再生録音装置。
前記音声録音データ収集制御部は、前記音声記録部に前記音声録音データを収集させる処理を実行した後、前記音声記録部への音声の無入力状態が所要時間継続したことをトリガーとして、前記音声記録部に前記音声録音データの収集を停止させる処理を実行することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のデジタルコンテンツ再生録音装置。
前記音声録音データ収集制御部は、前記音声記録部が収集した前記音声録音データに対して、前記音声録音データの終端から前記音声記録部への音声の無入力状態が継続した時間の範囲を削除する処理を実行することを特徴とする請求項7記載のデジタルコンテンツ再生録音装置。
前記音声録音データ確認制御部は、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータおよび前記音声データを前記表示部および前記音声出力部に出力させた後に、前記表示部への前記単位フレーズに対応する前記テキストデータの出力状態を維持した状態で前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載のデジタルコンテンツ再生録音装置。
前記音声録音データ確認制御部は、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記表示部に出力させた後に、前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載のデジタルコンテンツ再生録音装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているデジタルコンテンツ再生装置を音読や復唱等の学習に用いることで、現在再生されている音声データとテキストデータの同期をとることができるため、使用者の音読学習がしやすくなるという点において好都合である。このような音読や復唱の学習を行う際においては、自分の音読内容や復唱内容を手本と比較することにより、どの程度手本に忠実に音読や復唱ができているかについて確認することが重要である。しかしながら従来のデジタルコンテンツ再生装置においては、このような音読内容や復唱内容と手本とを比較することができるような機能を有する構成が提案されておらず、音読内容や復唱内容と手本との比較を行うことが困難であるといった課題を有している。
【0006】
そこで本発明は、使用者がデジタルコンテンツを用いた音読や復唱等の学習をする際において、自分の音読内容や復唱内容と手本との比較を行いやすくすることで、自分の音読内容や復唱内容がどの程度手本に忠実であるかを確認することが可能なデジタルコンテンツ再生録音装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため発明者が鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。
【0008】
すなわち、本発明は、テキストデータを含むデジタルコンテンツが記憶されている記憶部と、前記テキストデータの全部または一部を表示する表示部と、前記テキストデータから単位フレーズを生成する単位フレーズ生成部と、前記単位フレーズに対応する前記テキストデータに基づいて音声合成により音声データを生成する音声データ生成部と、音声出力部と、使用者が前記テキストデータを読み上げた音声を音声録音データとして記録する音声記録部と、前記単位フレーズに対応する前記音声データの長さに基づいて前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記表示部に表示するフレーズ表示時間を規定するフレーズ表示時間規定部と、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させるフレーズ出力制御部と、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させた後、前記音声記録部により前記音声録音データを収集させると共に、収集した前記音声録音データを前記記憶部に記憶させる音声録音データ収集制御部と、前記デジタルコンテンツを、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータおよび前記音声データを前記表示部および前記音声出力部に出力させ、さらに前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させる音声録音データ確認制御部と、を具備していることを特徴とするデジタルコンテンツ再生録音装置である。
【0009】
また、テキストデータおよび前記テキストデータに対応した音声データを含むデジタルコンテンツが記憶されている記憶部と、前記テキストデータの全部または一部を表示する表示部と、前記テキストデータおよび前記音声データから単位フレーズを生成する単位フレーズ生成部と、音声出力部と、使用者が前記テキストデータを読み上げた音声を音声録音データとして記録する音声記録部と、前記単位フレーズに対応する前記音声データの長さに基づいて前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記表示部に表示するフレーズ表示時間を規定するフレーズ表示時間規定部と、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させるフレーズ出力制御部と、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させた後、前記音声記録部により前記音声録音データを収集させると共に、収集した前記音声録音データを前記記憶部に記憶させる音声録音データ収集制御部と、前記デジタルコンテンツを、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータおよび前記音声データを前記表示部および前記音声出力部に出力させ、さらに前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させる音声録音データ確認制御部と、を具備していることを特徴とするデジタルコンテンツ再生録音装置とすることもできる。
【0010】
また、テキストデータまたはテキストデータおよび前記テキストデータに対応した音声データを含むデジタルコンテンツと、前記デジタルコンテンツの構成内容が記述されたコンテンツ構成内容データと、が記憶されている記憶部と、前記テキストデータの全部または一部を表示する表示部と、前記テキストデータまたは前記テキストデータおよび前記音声データから単位フレーズを生成する単位フレーズ生成部と、前記単位フレーズに対応する前記テキストデータに基づいて音声合成により前記音声データを生成する音声データ生成部と、音声出力部と、使用者が前記テキストデータを読み上げた音声を音声録音データとして記録する音声記録部と、前記単位フレーズに対応する前記音声データの長さに基づいて、前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記表示部に表示するフレーズ表示時間を規定するフレーズ表示時間規定部と、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させるフレーズ出力制御部と、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させた後、前記音声記録部により前記音声録音データを収集させると共に、収集した前記音声録音データを前記記憶部に記憶させる音声録音データ収集制御部と、前記デジタルコンテンツを、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータおよび前記音声データを前記表示部および前記音声出力部に出力させ、さらに前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させる音声録音データ確認制御部と、前記コンテンツ構成内容データの内容に基づいて、前記単位フレーズ生成部と前記フレーズ表示時間規定部との動作内容を切り替える動作内容切替制御部と、を具備し、前記動作内容切替制御部は、前記コンテンツ構成内容データを参照し、前記デジタルコンテンツが前記テキストデータに対応した音声データを含んでいないと判断した場合には、前記単位フレーズ生成部に前記テキストデータから前記単位フレーズを生成させる処理と、前記音声データ生成部に前記単位フレーズに対応する前記テキストデータに基づいて音声合成により前記音声データを生成させる処理を実行し、前記デジタルコンテンツが前記テキストデータに対応した音声データを含んでいると判断した場合には、前記単位フレーズ生成部に、前記テキストデータおよび前記音声データから前記単位フレーズを生成させ、前記音声データ生成部の動作をスキップさせる処理を実行することを特徴とするデジタルコンテンツ再生録音装置とすることもできる。
【0011】
以上の構成を採用することにより、使用者が音読対象となるフレーズの手本となる単位フレーズ対応音声データを聞いた直後に自らの音読音声を録音した音声録音データを作成すると共に、手本となる単位フレーズ対応音声データと音声録音データをそれぞれ確認することができるので、使用者が音読等の学習をする際における使い勝手を向上させることが可能になる。
【0012】
また、前記フレーズ出力制御部は、前記フレーズ表示時間にわたって前記単位フレーズに対応する前記音声データを前記音声出力部に出力させると共に、前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記表示部に強調表示させた後に、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記フレーズ表示時間にわたって前記表示部に強調表示させることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、使用者は単位フレーズに対応する音声データを単位フレーズに対応するテキストデータを見ながら聞いた後に、単位フレーズに対応するテキストデータを見ながら音声録音データの作成をすることができるため、音声録音データの作成時における音読の誤りを防ぐことができる。
【0014】
また、前記フレーズ出力制御部は、前記フレーズ表示時間を超えてもなお、前記音声記録部による前記音声録音データの収集が継続されている場合、前記音声記録部による前記音声録音データの収集が終了するまでの間、前記表示部に前記単位フレーズに対応する前記テキストデータの表示を継続させることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、さらに音読に時間がかかる使用者であっても単位フレーズに対応するテキストデータを見ながら音声録音データの作成をすることができる。
【0016】
また、前記音声録音データ収集制御部は、前記音声出力部に前記音声データの出力をせずに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを強調表示させた後において、前記音声記録部に入力された最初の音声をトリガーとして前記音声記録部に前記音声録音データを収集させる処理を実行することが好ましい。
【0017】
これにより、音声録音データ収集制御部をいわゆる自動トリガーによって作動させることができるため、使用者は自身の音読状態に合わせてデジタルコンテンツ再生録音装置の操作をする必要がなく、使い勝手を向上させることができる。
【0018】
また、前記音声録音データ収集制御部は、前記音声記録部に前記音声録音データを収集させる処理を実行した後、前記音声記録部への音声の無入力状態が所要時間継続したことをトリガーとして、前記音声記録部に前記音声録音データの収集を停止させる処理を実行することが好ましい。
【0019】
これにより、音声録音データ収集制御部をいわゆる自動トリガーによって停止させることができるため、使用者は自身の音読状態に合わせてデジタルコンテンツ再生録音装置の操作をする必要がなく、使い勝手を向上させることができる。
【0020】
また、前記音声録音データ収集制御部は、前記音声記録部が収集した前記音声録音データに対して、前記音声録音データの終端から前記音声記録部への音声の無入力状態が継続した時間の範囲を削除する処理を実行することが好ましい。
【0021】
これにより、自動トリガーで収集した音声録音データの不要な部分をトリミングすることができ、音声録音データのデータ容量を削減することができると共に、音声録音データの再生時における余分な無音部分を無くすことができ、学習効率を向上させることができる。
【0022】
また、前記デジタルコンテンツ再生録音装置には音声録音データ収集操作部が配設されていて、前記音声録音データ収集制御部は、使用者による前記音声録音データ収集操作部の操作状態をトリガーとして、前記音声記録部に前記音声録音データを記録させる処理を実行することが好ましい。
【0023】
これにより、音声録音データ収集制御部をいわゆる手動トリガーによって作動させることができるため、使用者は自身の音読状態に合わせてデジタルコンテンツ再生録音装置の操作をすることができる。
【0024】
また、前記音声録音データ確認制御部は、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータおよび前記音声データを前記表示部および前記音声出力部に出力させた後に、前記表示部への前記単位フレーズに対応する前記テキストデータの出力状態を維持した状態で前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させることが好ましい。
【0025】
これにより、使用者が音読学習をする際において、模範音声データである単位フレーズ対応音声データと自分の音読データである音声録音データとの比較がしやすく、音読学習の効率を高めることができる。
【0026】
また、前記音声録音データ確認制御部は、前記単位フレーズごとに前記単位フレーズに対応する前記テキストデータを前記表示部に出力させた後に、前記単位フレーズに対応する前記音声録音データを前記音声出力部に出力させることが好ましい。
【0027】
これにより、使用者が音読学習をする際において、テキストデータと自分の音読データである音声録音データとの比較のみを行うことができ、音読学習の習熟度が所定レベルに達した場合における音読学習の効率を高めることができる。
【0028】
また、前記記憶部には、前記単位フレーズに対応する前記音声録音データが複数記憶されていて、前記音声録音データ確認制御部は、特定の前記単位フレーズに対応する複数の前記音声録音データの中から使用者によって任意に選択された前記音声録音データを前記記憶部から読み出させると共に、前記音声出力部に出力させる処理を実行することが好ましい。
【0029】
これにより、使用者が時系列に沿って自身の音声録音データを聞くことにより、過去の音読状態と現在の音読状態との比較を容易に行うことができ、音読学習の効果を実感することができ、学習意欲の向上に寄与することができる。
【0030】
また、前記記憶部には、前記音声データを前記音声出力部に出力させる際における音声の特性を規定する音声特性データが予め複数記憶されていて、前記音声録音データ確認制御部は、使用者によりデータ入力手段を介して選択された前記音声特性データに基づいた前記音声データを前記音声出力部に出力させることが好ましい。
【0031】
これにより、手本となる単位フレーズ対応音声データを使用者の好みに応じて使い分けすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明にかかるデジタルコンテンツ再生録音装置の構成を採用することにより、使用者がDAISYデータに代表されるデジタルコンテンツを用いた音読や復唱等の学習をする際において、自分の音読内容や復唱内容と手本との比較が行いやすくなる。これにより、自分の音読内容や復唱内容がどの程度手本に忠実であるかを容易に確認することができ、使用者の音読学習の学習効率を大幅に向上させることが可能になる。また、使用者は本発明にかかるデジタルコンテンツ再生録音装置を用いれば、指導者が不在であっても音読学習を適切かつ効率的に自習することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明にかかるデジタルコンテンツ再生録音装置とデジタルコンテンツ再生録音方法の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0035】
(第1実施形態)
図1は本実施形態におけるデジタルコンテンツ再生録音装置の概略構成図であり、
図2は本実施形態におけるデジタルコンテンツ再生録音装置によるデジタルコンテンツ再生録音方法のフロー図である。本実施形態においては
図1に示すように、いわゆるタブレット端末やスレートパソコンと称されている電子機器によりデジタルコンテンツ再生録音装置10が構成されている形態に基づいて説明する。デジタルコンテンツ再生録音装置10のデジタルコンテンツDCは半導体等により構成される不揮発性メモリ代表される記憶部12に記憶されている。デジタルコンテンツ再生録音装置10がネットワーク接続部14を有している場合には、ネットワーク接続部を介して接続されたネットワーク上に配設されている記憶部30に格納されているデジタルコンテンツDCをダウンロードやストリーミング等により記憶部12に恒久的または一時的に記憶させて用いることもできる。この場合の記憶部12は揮発性メモリを用いることもできる。また、ネットワーク接続部14の接続形態は有線接続・無線接続の種類は問わず、公知の接続形態を採用することができる。
【0036】
ここで、デジタルコンテンツDCとは、テキストデータを含むデジタルデータを指すものとする。デジタルコンテンツDCの他の具体例としては、テキストデータおよびこのテキストデータに対応する単位フレーズ対応音声データを含むデータ構成の他に、テキストデータおよびこのテキストデータに対応する単位フレーズ対応音声データに加えて他の単位フレーズ対応音声データや画像データ等の各種データを含ませたデータ構成を採用することも可能である。
【0037】
記憶部12に記憶されたデジタルコンテンツDCは、最初に動作制御部18により読み出しされ(データ読み出し工程)る。読み出されたデジタルコンテンツDCは、単位フレーズ生成部18Aとしての動作制御部18がデジタルコンテンツDC内のテキストデータをフレーズごとに分割する処理を実行する(単位フレーズ生成工程)。なお、テキストデータを単位フレーズごとに分割処理する具体的な方法は、例えば、特開2016−12099号公報に開示されているような公知の手法を採用することができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0038】
ここで、単位フレーズとは、いわゆる分かち書きで区切ることができる単位の他、句点や読点で区切ることができる単位、または、段落で区切ることができる単位等、任意の区切れ単位で区切られた文章の要素、または文章、若しくは文のかたまりを単位フレーズとして取り扱うことができる。
【0039】
単位フレーズ生成部18Aによりテキストデータを分割して得たそれぞれの単位フレーズPは、分割された順番に分割単位フレーズ通し番号付与部18Bである動作制御部18により分割された単位フレーズPの夫々に対して通し番号が付与された(通し番号付与工程)後に、単位フレーズPと単位フレーズPに対して付与された通し番号とが紐付けされた状態で記憶部12に記憶される。
【0040】
音声データ生成部18Zである動作制御部18は、単位フレーズPに対応するテキストデータに基づいて音声合成により単位フレーズ対応音声データを生成する(単位フレーズ対応音声データ生成工程)。テキストデータに基づいた音声合成による単位フレーズ対応音声データの生成方法は公知のものを適用することができるため、ここでは音声合成についての詳細な説明は省略する。本実施形態においては音声データ生成部18Zにより生成された単位フレーズ対応音声データを模範音声データMODとして単位フレーズPに対して付与された通し番号と紐付けした状態で記憶部12に記憶させている。なお、デジタルコンテンツDCにテキストデータに対応する音声データが含まれている場合には、単位フレーズ対応音声データ分割部としての動作制御部18が単位フレーズPに対応する単位フレーズ対応音声データを分割することで模範音声データMODを生成するようにしてもよい。すなわち、音声データ生成部18Zによる単位フレーズ対応音声データ生成工程をスキップさせることになる。
【0041】
フレーズ表示時間規定部18Cである動作制御部18は、分割された単位フレーズPに付与された通し番号順に、それぞれの単位フレーズP内における音素数(ここでは読み仮名の文字数を音素数としている)をカウントする。フレーズ表示時間規定部18Cである動作制御部18は、予め記憶部12に記憶されているテキストデータの表示部16Aへの表示時間を規定するためのテキスト表示時間基本データTHDとカウントした音素数との積を算出する。さらにフレーズ表示時間規定部18Cである動作制御部18は、算出した積を標準のフレーズ表示時間HPTとして(フレーズ表示時間規定工程)、単位フレーズPの通し番号と紐付けした状態で記憶部12に記憶させる処理を行う。このようにしてフレーズ表示時間規定部18Cとしての動作制御部18は、分割された単位フレーズPの全てに対して標準のフレーズ表示時間HPTの算出を行う。
【0042】
テキスト表示時間基本データTHDは、読み仮名の文字にかかわらず1音素(読み仮名1文字)あたりにおける発音時間を規定するデータの他、読み仮名の文字に応じて異なる発音時間が紐付けされた読み仮名ごとの発音時間を規定するデータ等を採用することができる。読み仮名ごとの発音時間を規定するデータを採用した場合、フレーズ表示時間規定部18Cである動作制御部18は、単位フレーズP内における読み仮名の文字の種類と数をそれぞれカウントする処理を実行する。さらには、テキストデータに対応した音声データが記憶部12に記憶されている場合には、音声データの全音素数に対する再生時間(音声データの長さ)と、単位フレーズPに分割された後の音声データの音素数に対応する再生時間とを比率により、フレーズ表示時間規定部18Cとしての動作制御部が算出するようにしてもよい。
【0043】
フレーズ出力制御部18Dとしての動作制御部18は、分割された単位フレーズPについて通し番号の順番に、通し番号に紐付けされた標準のフレーズ表示時間HPTの時間にわたって、それぞれの単位フレーズPに対応するテキストデータを表示部16Aに、単位フレーズ対応音声データであるテキストデータの模範音声データMODを音声出力部16Bにそれぞれ出力した後、同じ単位フレーズPにおいて音声出力部16Bへの音声データの出力は行わずに、表示部16Aに出力すべき単位フレーズPに対応するテキストデータを標準のフレーズ表示時間HPTにわたって出力する処理を実行する(フレーズ出力制御工程)。
【0044】
なお、単位フレーズPにおけるテキストデータに対応する単位フレーズ対応音声データとしての模範音声データMODは、単位フレーズPにおけるテキストデータを音声データ生成部18Zとしての動作制御部18が前述のようにTTS(Text To Speech)処理することにより生成する他、音読の指導者によるテキストデータの音読音声をマイク等に代表される音声記録部17により録音する等して予め記憶部12に模範音声データMODとして記憶させておくこともできる。
【0045】
このとき、表示部16Aに出力するテキストデータは、表示対象となっている通し番号が付与された単位フレーズPだけでなく、表示対象となっている通し番号を含む所要範囲の単位フレーズPに対応するテキストデータを同時に表示部16Aに表示させておくこともできる。この形態を採用した場合には、
図3に示すように、表示対象となっている通し番号が紐付けされている単位フレーズPに対応するテキストデータに対して色付網掛け処理や太文字表示等に代表される強調表示処理を標準のフレーズ表示時間HPTの時間にわたって行う(フレーズ強調表示工程)ようにしてもよい。
【0046】
さらにフレーズ出力制御部18Dとしての動作制御部18は、
図4に示すように、表示部16Aへの表示対象であり、第1の強調表示(網掛け処理)がなされている単位フレーズPに対応するテキストデータに対して、テキストデータを太文字表示する第2の強調表示(他の強調表示)処理を同時に行うようにしてもよい。そしてこの場合において、フレーズ出力制御部18Dとしての動作制御部18は、標準のフレーズ表示時間HPTの時間経過と、第2の強調表示を施す範囲とを比例させる(
図4内における矢印に示す表示状態の変遷)ようにしてもよい。なお、
図4内に示す矢印は標準のフレーズ表示時間HPTの時間経過方向を示すものである。ここで、第1の強調表示と第2の強調表示を施す範囲は、
図4に示す態様の他に、第1の強調表示と第2の強調表示を施す範囲を単位フレーズPのブロック単位に設定することもできる。
【0047】
また、フレーズ出力制御部18Dとしての動作制御部18は、データ入力部を介して入力された(または記憶部12に予め記憶させておいた)フレーズ表示時間調整値に基づいて、標準のフレーズ表示時間HPTを伸縮させる処理を行う(フレーズ表示時間伸縮工程)機能も有している。
【0048】
本実施形態においては、単位フレーズPに対応するテキストデータと模範音声データMODを表示部16Aと音声出力部16B(ここでは、表示部16Aと音声出力部16Bとによりデータ出力部16が構成されている)にそれぞれ出力した後、単位フレーズPに対応するテキストデータのみを表示部16Aに出力させている間において、使用者に単位フレーズPに対応するテキストデータの読み上げ(音読)の練習をさせることができる。
【0049】
音声録音データ収集制御部18Eとしての動作制御部18は、
図5に示すように使用者が音読練習をしている間に使用者の音読音声を録音する(音声録音データを記録する)ように音声記録部17を作動させ、使用者がテキストデータを音読している際の音声データを録音して音声録音データORDとして収集する。このとき音声録音データ収集制御部18Eは、単位フレーズPの通し番号と使用者の音声録音データORDとを紐付けした状態で記憶部12に記憶させる処理を実行する(音声録音データ収集制御工程)。
【0050】
ここで、音声記録部17による音声録音データの収集が標準のフレーズ表示時間HPTを超えても継続して行われている場合には、フレーズ出力制御部18Dとしての動作制御部18は、音声記録部17による音声録音データの収集が終了するまでの間、表示部16Aへの単位フレーズPに対応するテキストデータの表示を継続させるようにすることもできる。
【0051】
音声録音データ収集制御部18Eが音声録音データORDの収集を行った後、音声録音データ確認制御部18Fとしての動作制御部18は、
図6に示すように表示部16Aと音声出力部16Bに単位フレーズPの通し番号順に単位フレーズPのテキストデータと、テキストデータに対応する単位フレーズ対応音声データとしての模範音声データMODとを表示部16Aと音声出力部16Bとにそれぞれ出力した後に続けて、使用者の音声録音データORDの音声出力部16Bへの出力を行う(音声録音データ確認制御工程)。
【0052】
ここで、音声録音データ確認制御部18Fとしての動作制御部18は、使用者の音声録音データORDを音声出力部16Bに出力させる際において、表示部16Aに対して単位フレーズPに対応するテキストデータの出力状態を停止した状態にすることもできるし、単位フレーズPに対応するテキストデータの出力状態を維持させることもできる。また、複数の単位フレーズPに対応するテキストデータを表示部16Aに出力させた後に、複数の単位フレーズPに対応する音声録音データORDを音声出力部16Bに出力させるようにしてもよい。このように表示部16Aおよび音声出力部16Bに出力させる単位フレーズPは単数であってもよいし複数であってもよい。
【0053】
本実施形態におけるデジタルコンテンツ再生録音装置10によれば、使用者にテキストデータの音読の練習を行わせるに先立って、使用者に模範音声データMODを聞かせた直後に単位フレーズPごとに単位フレーズPに対応するテキストデータを表示部16Aに表示させながら単位フレーズPに対応するテキストデータを音読させることができる。これにより使用者は単位フレーズPに対応するテキストデータの音読の練習を容易に行うことができる。
【0054】
さらには、単位フレーズPごとに使用者の音読音声を音声録音データORDとして収集することができると共に、単位フレーズPに対応するテキストデータと模範音声データMODを表示部16Aと音声出力部16Bに出力した後に、これと同じ単位フレーズPに対応するテキストデータと音声録音データORDを表示部16Aおよび音声出力部16Bに出力させていることにより、使用者は模範音声データMODに対する自らの音読状態を確認しながら音読学習を進めることができる。
【0055】
また、音声出力部16Bが複数配設されている場合においては、音声録音データ確認制御部18Fは一方の音声出力部16Bから単位フレーズPごとに音読の手本となる模範音声データMODの出力を実行すると同時に、他方の音声出力部16Bから一方の音声出力部16Bに出力された単位フレーズPに対応する音声録音データORDの出力を実行することもできる。このとき、単位フレーズPに対応するテキストデータを表示部16Aに出力させてもよい。このように複数の音声出力部16Bから模範音声データMODと音声録音データORDとを同時に出力することにより、音声録音データORDと模範音声データMODとの差異を明確にすることができる点において好都合である。
【0056】
(第2実施形態)
第1実施形態においては、デジタルコンテンツ再生録音装置10の動作制御部18が、デジタルコンテンツDC内のテキストデータを単位フレーズPごとに分割し、分割した単位フレーズPの表示部16Aへの表示時間を規定する処理を実行している。これに対して本実施形態においては、
図7に示すように使用するデジタルコンテンツDCがDAISY規格のデータである場合について説明を行う。なお、本実施形態において第1実施形態と同様に用いることができる構成については、図面および明細書中において第1実施形態で用いた部材番号と同一の番号を付すことにより、ここでの詳細な説明は省略している。
【0057】
DAISY規格のデジタルコンテンツDCは、コンテンツの再生に必要な情報である単位フレーズPに付与されている通し番号と、それぞれの単位フレーズPにおける開示時間と終了時間が記載されたsmilファイルと、目次やページの移動の制御に関連した情報が記述されたnccファイルまたはncxファイルと、表示部16Aに表示可能なテキストデータを記述したhtmlファイルまたはxmlファイルを備えている。
【0058】
このようにDAISY規格のデジタルコンテンツDCを採用した場合には、動作制御部18が記憶部12から読み出したsmilファイルとnccファイルに基づいた処理を実行することにより、単位フレーズ生成部18A、分割単位フレーズ通し番号付与部18B、フレーズ表示時間規定部18C、フレーズ出力制御部18Dとしての機能を発揮することになる。
【0059】
本実施形態においても、表示部16AにデジタルコンテンツDC内のテキストデータを単位フレーズPごとに表示している間に、動作制御部18は音声録音データ収集制御部18Eとして、使用者が音読をしている間に使用者の音読音声を録音するようにマイク等に代表される音声記録部17を作動させ、使用者の音読音声を録音(音読音声録音工程)してもよい。音声録音データORDは第1実施形態と同様に単位フレーズPの通し番号に紐付けされた状態で記憶部12に記憶させておくことができる。
【0060】
また、動作制御部18は音声録音データ確認制御部18Fとして、表示部16Aと音声出力部16Bに単位フレーズPの通し番号順に単位フレーズPのテキストデータとテキストデータの模範音声データMODとを表示部16Aと音声出力部16Bとにそれぞれ出力した後に続けて使用者の音声録音データORDの音声出力部16Bへの出力を行うようにしてもよい。
【0061】
このように、デジタルコンテンツDCとしてDAISY規格のデータを採用することにより、単位フレーズ生成部18Aによるテキストデータの単位フレーズ生成処理と、分割単位フレーズ通し番号付与部18Bによる分割単位フレーズ通し番号付与処理と、フレーズ表示時間規定部18Cによるフレーズ表示時間規定処理を大幅に軽減(または省略)することができる。これにより動作制御部18が行うデジタルコンテンツDCのデータ処理負荷を軽減させることが可能になり、安価な構成のデジタルコンテンツ再生録音装置10であっても円滑にデジタルコンテンツDCを再生することができる点において好都合である。
【0062】
(第3実施形態)
デジタルコンテンツDCの中には、テキストデータのみの部分とテキストデータおよびテキストデータに対応した音声データを有する部分とが混在する場合がある。このような場合におけるデジタルコンテンツDCには、
図8に示すように、記憶部12にはデジタルコンテンツDCの構成内容が記述されたコンテンツ構成内容データCCDが記憶されている。本実施形態においては、記憶部12にコンテンツ構成内容データCCDが記憶されているデジタルコンテンツ再生録音装置10についての動作について説明をおこなう。
【0063】
動作内容切替制御部18Gとしての動作制御部18は、デジタルコンテンツDCに対するデータ処理を開始する際、デジタルコンテンツDCのコンテンツ構成内容データCCDを記憶部12から読み出しすると共にコンテンツ構成内容データCCDの内容を参照する。そして、動作内容切替制御部18Gとしての動作制御部18は、コンテンツ構成内容データCCDに記述されているデジタルコンテンツDCのデータ構成に応じて単位フレーズ生成部18Aおよび音声データ生成部18Zの動作を切り替えする処理を実行する。具体的には、以下のとおりである。
【0064】
動作内容切替制御部18Gが、デジタルコンテンツDCにテキストデータに対応した音声データを含んでいないと判断した場合には、単位フレーズ生成部18Aに、テキストデータから単位フレーズPを生成させる。また、動作内容切替制御部18Gは、音声データ生成部18Zに、単位フレーズPに対応するテキストデータに基づいて音声合成により単位フレーズ対応音声データを生成させる(単位フレーズ対応音声データ生成工程)処理を実行させる。単位フレーズ対応音声データ生成工程より後のデータ処理については、第1実施形態におけるフレーズ表示時間規定工程以降のデータ処理が実行されることになるので、ここでの具体的な説明は省略する。
【0065】
これに対して動作内容切替制御部18Gが、デジタルコンテンツDCにテキストデータに対応した音声データを含んでいると判断した場合には、単位フレーズ生成部18Aに、テキストデータおよび音声データから単位フレーズPを生成させる。また、動作内容切替制御部18Gは、音声データ生成部18Zの動作をスキップさせる(音声データ生成スキップ工程)処理を実行させる。そして音声データ生成スキップ工程より後のデータ処理については、第1実施形態のフレーズ表示時間規定工程以降のデータ処理が実行されることになるので、ここでの具体的な説明は省略する。
【0066】
このように、デジタルコンテンツDCのデータ構成内容に基づいて、デジタルコンテンツDCに含まれているデータを最大限利用したうえで、動作制御部18による各種データ処理工程を実行することができる。これにより、デジタルコンテンツ再生録音装置10のデータ処理負荷を軽減させることができ、短時間でデータ処理を実行させることが可能になる点において好都合である。
【0067】
(他の実施形態)
使用者によるテキストデータの音読音声を録音する音声録音データ収集制御部18Eは、音声出力部16Bに単位フレーズ対応音声データの出力をせずに単位フレーズPに対応するテキストデータを強調表示させた後、音声記録部17に入力された最初の音声を音声録音データ収集開始自動トリガーとして、音声記録部17に音声録音データORDを収集させる処理を実行してもよい。また、この音声録音データ収集開始自動トリガーに続けて、または音声録音データ収集開始自動トリガーとは独立に、音声記録部17による音声録音データORDの収集処理を開始した後、音声記録部17への音声の無入力状態が予め記憶部12に記憶されている所要時間(無入力状態継続時間)にわたって継続したときには、これをもって音声録音データ収集停止自動トリガーとし、音声録音データ収集制御部18Eに音声録音データORDの収集を停止させる処理を実行させるようにしてもよい。
【0068】
さらには、音声録音データ収集停止自動トリガーにより音声記録部17が記録した音声録音データORDに対して、音声録音データ収集制御部18Eとしての動作制御部18は、録音直後のオリジナル音声録音データの終端位置から記憶部12に予め記憶されている無入力継続時間の範囲までさかのぼった位置までの間を削除(トリミング)して得たデータを音声録音データORDとして記憶部12に記憶させるようにしてもよい。これによれば、自動トリガーにより音声録音データORDを収集した場合であっても、無音部分のない音声録音データORDを記憶部12に記憶させることができる点で好都合である。
【0069】
また、
図9に示すように、デジタルコンテンツ再生録音装置10の表示部16Aに音声録音データ収集操作部としてのトリガーボタン19を配設してもよい。使用者によるトリガーボタン19の操作状態を動作制御部18が検出すると、音声録音データ収集制御部18Eが音声記録部17による音声録音データORDの収集の開始および停止させる処理を実行するようにしてもよい。このようにいわゆる手動トリガーによる音声録音データORDの収集および音声録音データORDの記憶部12への記憶処理の開始および停止を使用者の任意のタイミングで実行させることが可能になる点で好都合である。なお、ここでは表示部16Aにソフトウェア上のトリガーボタン19が配設された形態を示しているが、デジタルコンテンツ再生録音装置10の専用品を採用した場合、専用品の本体に対して物理的なトリガーボタン19を配設してもよい。
【0070】
また、記憶部12に音声録音データORDを記憶させる際においては、特定の単位フレーズPの通し番号に対応する音声録音データORDを複数記憶させるようにしてもよい。単位フレーズPに対して複数の音声録音データORDを記憶させるときには、音声録音データORDに時系列データを紐付けした状態で記憶部12に記憶させておくことが好ましい。使用者または指導者が記憶部12に記憶されている特定の単位フレーズPの通し番号に対応する複数の音声録音データORDから任意の音声録音データORDを複数選択した場合、音声録音データ確認制御部18Fは、記憶部12から使用者または指導者により選択された音声録音データORDを読み出すと共に、時系列順に音声出力部16Bに再生させるようにしてもよい。これにより、使用者の経時的なテキストデータの(文字の)音読習熟度の状態(音読学習の効果)を確認することができる。
【0071】
また、予め模範音声データMODと音声録音データORDを音声出力部16Bに出力させる際の単位フレーズPの単位出力数を入力手段により入力または記憶部12に記憶させておき、使用者や指導者により入力または記憶部12に記憶されている単位出力数ごとに単位フレーズPの模範音声データMODと音声録音データORDを音声出力部16Bにそれぞれ出力させるようにしてもよい。このようにすることで、使用者の音読習熟度に応じた音読学習をすることができる点において好都合である。
【0072】
また、表示部16Aにまたはデジタルコンテンツ再生録音装置10の専用品の本体に、比較再生開始ボタンを表示または配設させ、使用者が比較再生開始ボタンを操作した際に、動作制御部18は次のような動作を実行させるようにしてもよい。すなわち、前回の比較再生開始ボタンが操作されてから今回の比較再生開始ボタンが操作されたまでの間にある単位フレーズPを対象にして、模範音声データMODと音声録音データORDを音声出力部16Bに出力させる動作処理である。
【0073】
また、以上の実施形態においては、分割した単位フレーズPに対応するテキストデータはデジタルコンテンツDCの一部のテキストデータを表示部16Aに表示する形態について説明しているが、デジタルコンテンツDCのテキストデータの全部を表示部16Aに表示させることも可能である。
【0074】
また、音声録音データORDを音声出力部16Bに出力する際には、単位フレーズPの通し番号に対応するテキストデータを表示部16Aに、これに対応する模範音声データMODを音声出力部16Bに出力した後に行われているが、模範音声データMODの音声出力部16Bへの出力をせずに音声録音データORDの音声出力部16Bへの出力を行うこともできる。また、単位フレーズPの通し番号に対応するテキストデータの表示部16Aへの出力と、これに対応する模範音声データMODの音声出力部16Bへの出力をせず、音声録音データORDのみを音声出力部16Bに出力するようにしてもよい。
【0075】
また、記憶部12には模範音声データMODを音声出力部16Bに出力させる際における音声の特性が異なる複数の音声特性データを予め記憶させておいてもよい。このような音声特性データを備えた構成により、使用者がデータ入力手段を介して任意の音声特性データを選択すると、音声録音データ確認制御部18Fである動作制御部18が選択された音声特性データに基づいた模範音声データMODを音声出力部16Bに出力する。このような構成により使用者の好みに応じた模範音声データMODを音声出力部16Bに出力させることができるから、音読学習の効率を期待することができる。
【0076】
以上に実施形態に基づいて本発明について詳細に説明をしたが、本発明の技術的範囲は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、以上の実施形態においては、デジタルコンテンツ再生録音装置10としてタブレット端末やスレートパソコンを用いた構成について説明しているが、デスクトップパソコンやノートパソコン等のコンピュータを用いた構成であってもよい。このとき、コンピュータの記憶部に本発明にかかるデジタルコンテンツ再生録音方法を実行するデジタルコンテンツ再生録音プログラムを予めインストールしておき、コンピュータの動作制御部にデジタルコンテンツ再生録音プログラムに基づいたデジタルコンテンツの再生録音制御を実行させるようにすればよい。
【0077】
本発明は、テキストデータまたはテキストデータおよび単位フレーズ対応音声データを含むデジタルコンテンツDCにおいて、テキストデータを単位フレーズPごとに分割し、分割した単位フレーズPに対応するテキストデータおよびテキストデータに対応する単位フレーズ対応音声データを模範音声データMODとしてデータ出力部16に手本として出力し、手本が出力された直後に使用者の音読音声を音声録音データORDとして収集した後に、音声録音データORDを音声出力部16Bに出力することを最大の特徴としている。よって、単位フレーズPごとに分割する具体的な手法や分割した単位フレーズPごとの単位フレーズ対応音声データまたは単位フレーズ対応音声データ(模範音声データMOD)および音声録音データORDの具体的な再生方法については特に限定されるものではない。
【0078】
そして、明細書中において説明したそれぞれの実施形態と各種の変形例を適宜組み合わせた形態を採用することも可能である。