(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替手段は、前記動的再構成可能回路に前記計算指令が伝達されたときに前記動的再構成可能回路を前記非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の車両。
前記切替手段により前記動的再構成可能回路が前記非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えられた場合、前記車両の走行が禁止されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両。
前記切替手段は、前記動的再構成可能回路に前記第1計算指令が伝達されたときに前記動的再構成可能回路を前記非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
前記切替手段により前記動的再構成可能回路が前記非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えられた場合、前記車両の走行が禁止されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のシステム。
前記車両の前記車載計算装置は、前記第2計算指令に基づく計算が終了するか、または、前記第1通信機が前記情報処理装置から動的再構成指令を受け取った場合、前記動的再構成可能回路を前記車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
前記情報処理装置は、前記車両による前記第2計算指令に基づく計算が終了すると、前記計算の結果を前記外部に送信することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る車載計算装置のいくつか実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明に係る車載計算装置の一実施の形態を搭載した車両を用いたシステムのブロック図である。
図2は、本実施の形態におけるシステムのブロック図である。
図3は、本実施の形態における車両および情報処理装置の機能ブロック図である。
【0014】
本実施の形態におけるシステム100は、駐車などで非走行中の複数の車両1に搭載された車載計算装置2をデータ処理に利用し、種々の計算を実行する。
【0015】
システム100は、車両1および情報処理装置3を有する。車両1は、複数である。複数の車両1に搭載された車載計算装置2は、協働して種々の演算を実行する。具体的には、外部からの計算指令により、種々のデータ処理を実行し、計算結果を外部に送信する。外部からの計算指令は、たとえばタブレット端末などの多機能情報端末5や、サーバなどの情報処理装置6、あるいは、走行中の車両1から送信される。
【0016】
情報処理装置3は、車両1に搭載された車載計算装置2と通信可能に構成されている。
図2の例では、車両1として車両X,Yおよび車両A〜Fと、情報処理装置3が相互に通信可能に構成される。ここで、情報処理装置3は、サーバ等により構成される。
【0017】
車両1は、ボディ10、ボディ10に取り付けられた車輪11、駆動力生成手段12、検知手段13および車載計算装置2を有する。駆動力生成手段12は、車両1の駆動力を生成し、駆動力を車輪11に伝達する。駆動力生成手段12は、たとえばエンジン、モーター、燃料電池などにより構成される。検知手段13は、車輪11が回転可能な状態になったことを検知したときに走行中であると検知する。また、検知手段13は、駆動力生成手段12の状態を検知してもよい。車載計算装置2は、たとえばコンピュータであり、車両1を制御するために利用される。車載計算装置2は、車両に搭載されているものであれば、車両1の制御に用いるもの以外であってもよい。たとえば、車載計算装置2は、ナビゲーションシステムの一部であってもよい。車載計算装置2は、車両1の内部で音楽や映像を生成する装置の一部であってもよい。
【0018】
車載計算装置2は、動的再構成可能回路21、第1通信機22、切替手段23、記憶手段24、および制御手段25を有する。動的再構成可能回路21は、車両1が走行中には走行を補助する車両走行用情報処理が可能であり、車両1が走行中でないときには車両走行用情報処理以外の非車両走行用情報処理が可能な回路である。本実施の形態では、車両走行用情報処理とは、ECU(Engine Control Unit)やカーナビゲーションシステムなどに利用される情報処理である。また、非車両走行用情報処理とは、一般的な情報処理装置における種々のデータの情報処理である。具体的には、動的再構成可能回路21は、回路配線を動的に切り替え、複数の種類の計算処理に適した回路に切り替え可能な回路である。動的再構成可能回路21としては、たとえばFPGA(Field−Programmable Gate Array)やDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)を用いることができる。
【0019】
第1通信機22は、情報処理装置3または他の情報処理装置と通信して第1計算指令を受け取り、第1計算指令を動的再構成可能回路21に伝達する。
【0020】
切替手段23は、検知手段13が車両1が走行中であると検知したときに動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替え、かつ、検知手段13が車両1が走行中ではないと検知したときに動的再構成可能回路21を非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える。また、切替手段23は、動的再構成可能回路21に計算指令が伝達されたときに、検知手段13が車両1が走行中ではないと検知していれば、動的再構成可能回路21を非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えるようにしてもよい。また、切替手段23は、車両1が停止してから予め定められた時間を経過するか、外部からの計算指令を受信したことに応じて、動的再構成可能回路21を非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えるようにしてもよい。そして、切替手段23により動的再構成可能回路21が非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えられた場合、車両1の走行が禁止される。
【0021】
記憶手段24は、車載計算装置2を制御するプログラムや種々のアプリケーションを記憶する。制御手段25は、プログラムに基づいて、車載計算装置2を制御する。
【0022】
情報処理装置3は、複数の車両1と通信可能である。情報処理装置3は、第2通信機31、記憶手段32、制御手段33、車両選択手段34、状態確認手段35、推定手段36、組み合わせ手段37および監視手段38を有する。
【0023】
第2通信機31は、第1通信機22と同様の機能を有する。第2通信機は、外部からの第2計算指令を受信可能に構成される。記憶手段32は、情報処理装置3を制御するプログラムや種々のアプリケーションを記憶する。制御手段33は、プログラムに基づいて、情報処理装置3を制御する。車両選択手段34は、複数の車両1のうち、走行中でない非走行車両を選択する。状態確認手段35は、車両1および車載計算装置2の状態を確認する。車両1の検知手段13による検知結果は、車載計算装置2の第1通信機22により送信され、情報処理装置3の第2通信機31によって受信される。状態確認手段35は、第2通信機31によって受信された検知結果に基づいて車両1および車載計算装置2の状態を確認する。
【0024】
推定手段36は、第2計算指令により実行されるべき計算に必要な計算資源を推定する。ここで、計算資源とは、複数の車両1に搭載された複数の車載計算装置2を組み合わせて構築されたシステム100で用いられる計算リソースである。組み合わせ手段37は、車両選択手段34により選択された非走行車両のうち、非車両走行用情報処理に適切な回路を用いて非車両走行用情報処理を実行する非走行車両の組み合わせを決定する。また、組み合わせ手段37は、推定手段36による推定結果に基づいて、非走行車両の組み合わせを決定するようにしてもよい。本実施の形態では、第2通信機31は、組み合わせ手段37により組み合わされた非走行車両に対し、第1計算指令を送信する。また、第2通信機31は、組み合わせ手段37により組み合わされた非走行車両に対し、車載計算装置2の動的再構成可能回路21を切り替える切替指令を送信する機能も備える。監視手段38は、システム100による計算過程を監視する。
【0025】
上述の各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、内蔵の記憶手段に格納してもよく、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶手段に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、またはDRPなどの種々の回路によって実現することができる。本実施の形態においては、様々な情報やこれを包含する概念を取り扱うが、これらは、0または1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、上記のソフトウェアまたはハードウェアの態様によって通信や演算が実行され得るものである。
【0026】
次に、本実施の形態における車両1、情報処理装置3およびシステム100の処理について説明する。
【0027】
図4は、本実施の形態を用いたシステムの処理を表すフローチャートである。
図5は、本実施の形態における情報処理装置による車両および車載計算装置の状態管理のためのリストである。
【0028】
ここで、
図2に示されるような複数の車両1が情報処理装置3と通信可能に構成される態様について説明する。なお、
図4および
図5の例では、車両Yの走行データ(速度、エンジン回転数、燃料消費、走行経路、アクセル・ブレーキ・ステアリング等の操作量、車載カメラ映像等)を車両Yの記憶手段24に蓄積し、それらを分散共有データベースとし、駐車中の車両Xを含む複数の車両1の車載計算装置2で分散的にデータ解析する。これにより、たとえば、走行中の車両Yの運転支援に資する情報を提供するインフラを確立することができる。この例は、駐車中の車両Xを含む複数の車両1の車載計算装置2をシェア(共用)するものである。この例は、たとえば自動車メーカーが、自社の情報サービス事業(運転支援など)を提供するために用いることができる。
【0029】
まず、情報処理装置3は、S1において、走行中の車両Yから第2計算指令を受信する。このとき、車両Yの走行データも情報処理装置3に送信される。
【0030】
次に、S2において、状態確認手段35は、車両Xおよび車両A〜Fの状態を確認する。ここで、車両1の状態とは、
図5に示すように、走行中または非走行中を意味する。本実施の形態では、検知手段13による検知結果に基づいて、状態確認手段35が車両1が走行中であるか非走行中であるかを確認する。
【0031】
次に、S3において、車両選択手段34は、複数の車両1のうち、非走行中の車両1を選択する。本実施の形態では、
図5に示すように、車両IDが001〜008で示される車両X,Yおよび車両A〜Fのうち、ID車両が002,003,005,007,008で示される車両X,A,C,E,Fが非走行中であると確認される。
【0032】
次に、S4において、状態確認手段35は、非走行車両に搭載される動的再構成可能回路21の状態を確認する。ここで、動的再構成可能回路21の状態とは、
図5に示すように、車載計算装置2に設けられる動的再構成可能回路21の数、規模および回路構成を意味する。これらの状態は、予め情報処理装置3の記憶手段32に車両ID毎に登録された情報を読み取ることにより確認される。なお、これらは一例であり、他の状態を確認するようにしてもよい。
【0033】
次に、S5において、推定手段36は、S1における第2計算指令により実行すべき計算について、必要な計算資源を推定する。これは、たとえば、第2計算指令に含まれる信号を解析し、この計算を実行するのに十分な計算資源を推定するものである。たとえば、第2計算指令による計算が大規模な場合、多くの動的再構成可能回路21が必要であると推定される。一方、計算が小規模な場合、計算が大規模な場合と比べ、より少ない動的再構成可能回路21で十分であると推定される。
【0034】
次に、S6において、組み合わせ手段37は、S3において選択された選択車両のうち、S5において推定された計算資源を満足するような車両1の組み合わせを選択する。本実施の形態では、車両X,A,Cの組み合わせにより、必要な計算能力が実現するものとして、システム100を構成するための車両1として車両X,A,Cの組み合わせが選択されたとする。組み合わせ手段37による組み合わせは、
図5に示されるように、車両1に搭載される動的再構成可能回路21の数、規模(例:大、中、小)および動的再構成可能回路21の構成(例:Type‐A〜Type‐C)を考慮して選択される。なお、組み合わせの手法は特に限定されず、たとえば、最も計算能力が高い動的再構成可能回路21を搭載する車両1を選択し、その次に計算能力が高い動的再構成可能回路21を搭載する車両を選択していき、必要な計算能力が実現すると判断されるまでこれを繰り返すことにより実現される。
【0035】
次に、S7において、第2通信機31は、S6において選択された車両X,A,Cに対して、第1計算指令を送信する。あわせて、第2通信機31は、車両X,A,Cに車両Yの走行データも送信する。
【0036】
以下、車両X,A,Cのうち、車両Xを代表として説明する。車両Xは、S21において走行中(つまり、車載計算装置2が車両走行用情報処理を実行中)であり、S22において停止したとする。これにより、車両Xの状態が非走行中に切り替わる。
【0037】
そして、S23において、情報処理装置3の第2通信機31から送信された第1計算指令を、車両Xの第1通信機22が受信し、第1計算指令を動的再構成可能回路21に伝達する。
【0038】
次に、S24において、切替手段23が、動的再構成可能回路21を非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える(再構成処理)。このように、第1計算指令を受信したことに応じて再構成処理を実行することにより、動的再構成可能回路21の不要な書き換えを抑制することができる。
【0039】
ここで、再構成処理のタイミングはS24に限定されない。たとえば、車両Xが停止してから予め定められた時間を経過すると、再構成処理が実行されるようにすることもできる。この場合、予め定められた時間を短く設定しておけば、車両Xの停止後速やかに計算を実行する事が可能になる。さらに、検知手段13が車両Xが走行中ではないと検知したときに動的再構成可能回路21を非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えるようにしてもよい。
【0040】
そして、再構成処理を実行し、S25において、動的再構成可能回路21が非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えられると、車両X,A,Cに搭載された車載計算装置2により分散処理を実行するシステム100が形成される。
【0041】
そして、S26において、車両X,A,Cの車載計算装置2が協働して計算処理を実行する。ここで、車両X,A,Cの車載計算装置2は互いに通信可能に構成される。かかる通信は、車両X,A,C同士のP2P(ピアツーピア)通信により実現してもよく、情報処理装置3を介してデータを相互通信可能に構成してもよい。
【0042】
一方、情報処理装置3の監視手段38は、S8において、システム100として機能する車両X,A,Cの車載計算装置2による計算処理を監視する。これは、システム100を構成する車両1のうち、走行状態に切り替わる車両1がある場合には、この車両1の動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える必要があるためである。このとき、車両1の検知手段13が車両1が走行中であると検知したときに動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える。なお、この切り替えが行われた場合、当該車両1はシステム100から離脱する。
【0043】
切り替えの前あるいは後には、システム100から離脱する車両1の第1通信機22は、情報処理装置3にシステム100から離脱する旨を伝達する。あるいは、監視手段38が定期的にシステム100を構成する車両1のそれぞれの車載計算装置2と通信し、システム100に入ったままであるか、離脱したかを判定してもよい。定期的に監視手段38が車載計算装置2と通信することとしていれば、通信不良などによって離脱する旨の伝達が到達しなかった場合であっても、所定の時間が経過することにより、システム100からの離脱を把握することができる。
【0044】
システム100から離脱する車両1での計算結果は、離脱する前に情報処理装置3に送信される。その計算結果が当該車両1に割り当てられた処理を完了したものでない場合には、情報処理装置3は、その計算結果を他の車両1に送信し、計算の続きを他の車両1に継続させてもよい。車両1からシステム100を離脱する旨の伝達を受けた情報処理装置3は、システム100を離脱する車両1からシステム100を構成する車両1あるいは新たにシステム100に加入する車両1に途中までの計算結果を伝達させてもよい。
【0045】
その後、車両Xは、計算処理が終了すると、S27において、計算結果を情報処理装置3に送信する。
【0046】
情報処理装置3は、S9において計算結果を受信し、S10において計算結果を車両Yに送信する。つまり、情報処理装置3は、車両1による第2計算指令に基づく計算が終了すると、計算結果を外部(車両Y)に送信する。
【0047】
最後に、情報処理装置3は、計算結果を車両Yに送信したことにより、動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えることを指示する動的再構成指令を車両Xに送信する。
【0048】
そして、車両Xは、S28において、動的再構成指令を受信し、S29において動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える。ここで、S28は必ずしも必要ではなく、車両1の車載計算装置2は、第2計算指令に基づく計算が終了した場合に動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えるようにしてもよい。換言すると、車両1の車載計算装置2は、第2計算指令に基づく計算が終了するか、または、第1通信機22が情報処理装置3から動的再構成指令を受け取った場合、動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える。
【0049】
さらに、S28およびS29は必ずしも必要ではなく、第2計算指令に基づく計算が終了した後も動的再構成可能回路21を非車両走行用情報処理に適切な回路のまま維持するようにしてもよい。そして、車両Xの搭乗者により動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える指示がなされるか、検知手段13が車両1が走行中であると検知したときに、動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替えてもよい。検知手段13が車両1が走行中であると検知したときとは、たとえば、車輪11が回転可能な状態になったことを検知したときや、アクセスが踏み込まれたことを検知したとき、駆動力生成手段12の起動を検知したときである。
【0050】
非走行中の車両に搭載された動的再構成可能回路21は、車両の走行中には車両の走行を補助する車両走行用情報処理が可能であり、車両の非走行中には車両走行用情報処理以外の非車両走行用情報処理が可能である。そして、切替手段23は、検知手段13が車両が走行中であると検知したときに動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替え、かつ、検知手段13が車両が走行中ではないと検知したときに動的再構成可能回路21を前記非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える。その結果、複数の非走行車両に搭載される車載計算装置2を用いて計算処理を実行することができ、従来であれば休眠状態であるはずの計算資源を有効活用することができる。つまり、非走行中の車両に搭載された情報処理装置の計算資源を有効活用することができる。また、車両に搭載された計算リソースを他の車両や車両以外の装置に提供することで、車載計算装置をICT基盤として活用できる。
【0051】
たとえば、情報処理装置3をサーバで構成する代わりに、1または複数の車両1に搭載された車載計算装置2が情報処理装置3の機能を果たす構成としてもよい。
【0052】
図4におけるS23〜S29に要する時間を計測し、時間に応じて車両1のオーナーに車載計算装置2の使用料を支払うようにしてもよい。
【0053】
車両1および情報処理装置3のAPIを公開し、走行データの分散データベースを使って新たなサービスを提供したい事業者などが利用できるようにしてもよい。これにより、たとえば自動車メーカーが、車関係サービス事業者(地方自治体、保険会社、自動車保守会社等)にデータ(走行データ)と計算リソース(システム100)を提供することで対価を得てもよい。そして、車関係サービス事業者の多機能情報端末5または情報処理装置6(
図1参照)からの要求(計算指令)により、データ解析やサービスプログラムが非走行車両に搭載された車載計算装置2(例:車載ストレージ、コンピュータ)で実行される。
【0054】
また、走行データの利用に関わらず、一般のクラウドサービス提供のためのインフラとして利用することも可能である。例えば、商取引やSNS等、現在のインターネットサービスプラットフォーマーがそのデータ処理を行うインフラとして利用できるようにしてもよい。この場合、非走行車両に搭載された車載計算装置2(例:ストレージ、コンピュータ)を利用して、種々のサービスが実行される。
【解決手段】車両1に搭載された車載計算装置2に検知手段13と動的再構成可能回路21と切替手段23とを備える。検知手段13は、車両1が走行中か否かを検知する。動的再構成可能回路21は、車両1の走行中には車両1の走行を補助する車両走行用情報処理が可能であり、車両1の非走行中には車両走行用情報処理以外の非車両走行用情報処理が可能である。切替手段23は、検知手段13が車両1が走行中であると検知したときに動的再構成可能回路21を車両走行用情報処理に適切な回路に切り替え、かつ、検知手段13が車両1が走行中ではないと検知したときに動的再構成可能回路21を非車両走行用情報処理に適切な回路に切り替える。