(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、携帯情報端末(タブレット型端末等)は比較的小さな表示部を有していることなどに起因して、携帯情報端末においては、基本的には、複数のアプリケーションのうち、起動状態(アクティブ状態)を有するアプリケーションは、1つのみである。換言すれば、携帯情報端末においては、複数のアプリケーションの表示画面のうち単一のアプリケーションの管理下の表示画面のみが選択的に(排他的に)表示される。
【0006】
本願発明者らは、このような携帯情報端末において、連携起動モードと単体起動モードとの2つの起動モードで起動され得るアプリケーションを開発している。
【0007】
このような2つの起動モードのうち連携起動モードによる起動動作およびその後の動作は、たとえば次のようにして行われる。具体的には、当該アプリケーション(連携先アプリケーションとも称する)が別のアプリケーション(連携元アプリケーションとも称する)から呼び出されて起動されると、連携先アプリケーションにおいて、連携元アプリケーションから受け取ったデータに基づく連携画面(連携処理に関連する画面)が表示される。そして、連携先アプリケーションにおける連携処理の終了等に応じて新たなアプリケーションの呼出指示(起動指示)が付与されると、連携先アプリケーションは起動状態からバックグラウンド待機状態へと移行し、連携先アプリケーションの画面は閉じられ、当該新たなアプリケーションが起動する。さらには、その後、必要に応じて、連携先アプリケーションが再び起動(ただし、今度は単体起動モードで起動)される。
【0008】
しかしながら、後述するように、仮に、連携先アプリケーションの再起動直後において、バックグラウンド待機状態への移行直前の連携画面がそのまま表示されるときには、(再起動後には)無効な表示内容が当該連携画面の中に含まれていることがある。このような表示内容は、ユーザの混乱を招きかねない。
【0009】
そこで、本発明は、連携起動モードと単体起動モードとの2つのモードで起動され得るアプリケーションにおいて、その再起動画面を適切に決定することが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、アプリケーションを実行することが可能な携帯情報端末であって、前記アプリケーション単体で起動する単体起動モードと、前記アプリケーションとは別のアプリケーションと連携して起動する連携起動モードとの両モードを有する前記アプリケーションが起動状態からバックグラウンド待機状態に移行する前に、次回起動状態への復帰時に表示すべき画面である次回表示用画面を保持する保持手段と、前記アプリケーションが前記バックグラウンド待機状態から復帰する際に、前記次回表示用画面を前記携帯情報端末の表示部に表示する表示制御手段と、を備え、前記保持手段は、前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションが前記バックグラウンド待機状態に移行する前において、前記両モードのうち前記連携起動モードでのみ利用可能な画面以外の所定の画面を前記次回表示用画面として保持し、前記表示制御手段は、前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションが前記バックグラウンド待機状態への移行後に前記バックグラウンド待機状態から復帰して再び起動する際に、前記所定の画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る携帯情報端末において、前記保持手段は、前記単体起動モードにて起動した前記アプリケーションが前記バックグラウンド待機状態に移行する前において、その移行前の所定の時点で表示されている第1の画面を前記次回表示用画面として保持し、前記表示制御手段は、前記単体起動モードにて起動した前記アプリケーションが前記バックグラウンド待機状態への移行後に前記バックグラウンド待機状態から復帰して再び起動する際に、前記第1の画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る携帯情報端末において、前記所定の画面は、前記単体起動モード利用時に表示される画面であることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る携帯情報端末において、前記所定の画面は、前記単体起動モードによる起動時に表示される初期画面であることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る携帯情報端末において、前記保持手段は、前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションにおける連携処理が完了した後において前
記バックグラウンド待機状態への移行が行われる際に、前記両モードのうち前記連携起動モードでのみ利用可能な画面以外の所定の画面を前記次回表示用画面として保持することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係る携帯情報端末において、前記保持手段は、前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションにおける連携処理が完了前に中断されたことに応答して前
記バックグラウンド待機状態への移行が行われる際に、前記両モードのうち前記連携起動モードでのみ利用可能な画面以外の所定の画面を前記次回表示用画面として保持することを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、携帯情報端末に内蔵されたコンピュータに複数のステップを実行させるアプリケーションであって、前記複数のステップは、a)前記アプリケーション単体で起動する単体起動モードと、前記アプリケーションとは別のアプリケーションと連携して起動する連携起動モードとの両モードを有する前記アプリケーションが起動状態からバックグラウンド待機状態に移行する前に、次回起動状態への復帰時に表示すべき画面である次回表示用画面を保持するステップと、b)前記バックグラウンド待機状態から復帰する際に、前記次回表示用画面を前記携帯情報端末の表示部に表示するステップと、を備え、前記ステップa)は、a−1)前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションが第1のバックグラウンド待機状態に移行する前において、前記両モードのうち前記連携起動モードでのみ利用可能な画面以外の所定の画面を前記次回表示用画面として保持するステップ、を有し、前記ステップb)は、b−1)前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションが前記第1のバックグラウンド待機状態への移行後に前記第1のバックグラウンド待機状態から復帰して再び起動する際に、前記所定の画面を前記表示部に表示するステップ、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7の発明に係るアプリケーションにおいて、前記複数のステップは、c)前記単体起動モードにて起動した前記アプリケーションが第2のバックグラウンド待機状態に移行する前において、その移行前の所定の時点で前記表示部に表示されている第1の画面を前記次回表示用画面として保持するステップと、d)前記単体起動モードにて起動した前記アプリケーションが前記第2のバックグラウンド待機状態への移行後に前記第2のバックグラウンド待機状態から復帰して再び起動する際に、前記第1の画面を前記表示部に表示するステップと、をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係るアプリケーションにおいて、前記所定の画面は、前記単体起動モード利用時に表示される画面であることを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、請求項7または請求項8の発明に係るアプリケーションにおいて、前記所定の画面は、前記単体起動モードによる起動時に表示される初期画面であることを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項7ないし請求項10のいずれかの発明に係るアプリケーションにおいて、前記ステップa)においては、前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションにおける連携処理が完了した後に前記第1のバックグラウンド待機状態への移行が行われることを特徴とする。
【0021】
請求項12の発明は、請求項7ないし請求項10のいずれかの発明に係るアプリケーションにおいて、前記ステップa)においては、前記連携起動モードにて起動した前記アプリケーションにおける連携処理が完了前に中断されたことに応答して前記第1のバックグラウンド待機状態への移行が行われることを特徴とする。
請求項13の発明は、アプリケーション単体で起動する単体起動モードと、前記アプリケーションとは別のアプリケーションと連携して起動する連携起動モードとの両モードを有するアプリケーションを実行することが可能な携帯情報端末であって、 表示中の第1のアプリケーションをバックグラウンドとして待機状態とし且つ第2のアプリケーションを前記携帯情報端末の表示部に表示して起動状態とするようにアプリケーションの切換を行った後、前記第1のアプリケーションが前記待機状態から復帰する場合に、前記第1のアプリケーションを前記携帯情報端末の表示部に表示して起動状態とする表示制御手段、を備え、 前記表示制御手段は、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが、前記待機状態への移行後に、前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して再び表示される場合に、前記第1のアプリケーションの前記単体起動モードにおける画面または前記単体起動モードでの表示を示す画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13の発明に係る携帯情報端末において、前記表示制御手段は、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションにおける連携処理が完了した後において前記待機状態への移行が行われ、その後に前記第1のアプリケーションが前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して再び表示される場合、前記第1のアプリケーションの前記単体起動モードにおける画面または前記単体起動モードでの表示を示す画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項13の発明に係る携帯情報端末において、前記表示制御手段は、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションにおける連携処理が完了前に中断されたことに応答して前記待機状態への移行が行われ、その後に前記第1のアプリケーションが前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して再び表示される場合、前記第1のアプリケーションの前記単体起動モードにおける画面または前記単体起動モードでの表示を示す画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項13ないし請求項15のいずれかの発明に係る携帯情報端末において、 前記表示制御手段は、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが前記待機状態への移行後に前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して再び表示される場合、前記単体起動モード利用時に表示される画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項13ないし請求項15のいずれかの発明に係る携帯情報端末において、 前記表示制御手段は、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが前記待機状態への移行後に前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して再び表示される場合、前記単体起動モードによる起動時に表示される初期画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項13ないし請求項17のいずれかの発明に係る携帯情報端末において、表示中の前記第1のアプリケーションが前記待機状態に移行する前に、次回起動状態への復帰時に表示すべき画面を保持する保持手段、をさらに備え、前記保持手段は、前記単体起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが前記待機状態に移行する前において、その移行前の所定の時点で表示されている第1の画面を保持し、前記表示制御手段は、前記単体起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが前記待機状態への移行後に前記待機状態から復帰して再び起動する際に、前記第1の画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項13ないし請求項18のいずれかの発明に係る携帯情報端末において、前記連携起動モードにおいて前記別のアプリケーションに連携して表示される前記第1のアプリケーションの画面は、前記第1のアプリケーションが有する画面のうち、前記連携起動モードでのみ利用可能な画面であることを特徴とする。
請求項20の発明は、アプリケーション単体で起動する単体起動モードと、前記アプリケーションとは別のアプリケーションと連携して起動する連携起動モードとの両モードを有するアプリケーションであって、携帯情報端末に内蔵されたコンピュータに、a)前記連携起動モードにて起動し前記携帯情報端末の表示部に表示されていた前記アプリケーションである第1のアプリケーションがバックグラウンドでの待機状態とされ且つ第2のアプリケーションが前記表示部に表示され起動状態とされた後、前記第1のアプリケーションが前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して起動状態とされ再び表示される場合に、前記第1のアプリケーションの前記単体起動モードにおける画面または前記単体起動モードでの表示を示す画面を前記表示部に表示するステップ、を実行させるためのアプリケーションであることを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項20の発明に係るアプリケーションにおいて、前記ステップa)においては、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションにおける連携処理が完了した後に前記待機状態への移行が行われることを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項20の発明に係るアプリケーションにおいて、前記ステップa)においては、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションにおける連携処理が完了前に中断されたことに応答して前記待機状態への移行が行われることを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項20ないし請求項22のいずれかの発明に係るアプリケーションにおいて、前記ステップa)においては、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが前記待機状態への移行後に前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して再び表示される場合、前記単体起動モード利用時に表示される画面が前記表示部に表示されることを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項20ないし請求項22のいずれかの発明に係るアプリケーションにおいて、前記ステップa)においては、前記連携起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが前記待機状態への移行後に前記単体起動モードで前記待機状態から復帰して再び表示される場合、前記単体起動モードによる起動時に表示される初期画面が前記表示部に表示されることを特徴とする。
請求項25の発明は、請求項20ないし請求項24のいずれかの発明に係るアプリケーションにおいて、b)前記単体起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションがバックグラウンドでの待機状態に移行する前において、その移行前の所定の時点で前記表示部に表示されている第1の画面を保持するステップと、c)前記単体起動モードにて起動した前記第1のアプリケーションが、前記ステップb)の後に待機状態に移行した後において、当該待機状態から復帰して再び起動する際に、前記第1の画面を前記表示部に表示するステップと、を前記コンピュータにさらに実行させるためのアプリケーションであることを特徴とする。
請求項26の発明は、請求項20ないし請求項25のいずれかの発明に係るアプリケーションにおいて、前記連携起動モードにおいて前記別のアプリケーションに連携して表示される前記第1のアプリケーションの画面は、前記第1のアプリケーションが有する画面のうち、前記連携起動モードでのみ利用可能な画面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1ないし請求項
26に記載の発明によれば、連携起動モードと単体起動モードとの2つのモードで起動され得るアプリケーションにおいて、その再起動画面を適切に決定することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
<1.システム概要>
図1は、画像形成システム1の概要を示す概念図である。
【0026】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置10と携帯情報端末70とを備えている。ここでは、画像形成装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))が例示されている。
【0027】
この画像形成システム1は、サーバコンピュータ30をさらに備えている。コンピュータ30は、プリントサーバ機能を有するサーバコンピュータである。コンピュータ30は、プルプリントサーバ機能をも有している。コンピュータ30は、「プリントサーバ」、「プルプリントサーバ」あるいは単に「サーバ」などとも称される。
【0028】
MFP10とサーバ30と携帯情報端末70とは、ネットワーク108を介して接続されており、ネットワーク通信を実行することが可能である。なお、ネットワーク108は、LAN、WAN、インターネットなどによって構成される。また、ネットワーク108への接続形態は、有線接続であってもよく或いは無線接続であってもよい。
【0029】
この画像形成システム1は、いわゆるプルプリント動作を行うプルプリントシステムとして機能する。このプルプリントシステムにおいては、まず、携帯情報端末70(印刷依頼元装置)を用いてユーザによるプリント指示がなされた後、携帯情報端末70からサーバ(プルプリントサーバ)30に印刷データが転送され、当該印刷データがサーバ30の格納部35(プルプリント用格納領域(後述))等に一旦蓄積される。その後、今度は印刷出力装置(MFP10等)の操作入力部等を用いたユーザ認証操作を経て、サーバ30から印刷データが取得(プル)されMFP(印刷出力装置)10による印刷出力(プリント)が行われる。
【0030】
この画像形成システム1においては、通常のプリント動作に加えて、上述のプルプリント動作が実行される。
【0031】
<2.MFPの構成>
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0032】
図2の機能ブロック図に示すように、このMFP10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10は、画像形成装置あるいは印刷出力装置などとも表現される。
【0033】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0034】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0035】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワーク108を介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0036】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
【0037】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP10には操作パネル6c(
図1参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)6cは、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。
【0038】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムは、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワーク等を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0039】
図2に示すように、コントローラ9は、入力制御部11と表示制御部12と通信制御部13と認証処理部14とジョブ処理部15とを含む各種の処理部を実現する。
【0040】
入力制御部11は、入出力部6(操作パネル6c等)と協働して、ユーザからの入力(操作入力)等を受け付ける処理部である。入力制御部11は、サーバ30に格納された印刷データの印刷出力指示(プルプリント操作)等を受け付ける。
【0041】
表示制御部12は、表示部6b(操作パネル6c等)における表示出力動作等を制御する処理部である。
【0042】
通信制御部13は、通信部4と協働して、外部機器との通信を行う処理部である。
【0043】
認証処理部14は、ユーザの認証動作を行う処理部である。
【0044】
ジョブ処理部15は、各種ジョブに関する処理(たとえば印刷出力部3の印刷出力処理等)を制御する処理部である。
【0045】
<3.携帯情報端末の構成>
次に携帯情報端末70の構成について説明する。
【0046】
携帯情報端末70は、他の装置との間でのネットワーク通信が可能な携帯式の情報入出力端末装置である。携帯情報端末70としては、タブレット型端末およびスマートフォンなどが例示される。携帯情報端末70は、単に携帯端末などとも称される。
【0047】
図3は、携帯情報端末70の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0048】
携帯情報端末70は、
図3の機能ブロック図に示すように、通信部74、格納部75、入出力部76およびコントローラ79等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0049】
通信部74は、ネットワーク108を介したネットワーク通信を行うことが可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、携帯情報端末70は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0050】
格納部75は、半導体メモリ(不揮発性メモリおよび揮発性メモリ)等によって構成される。格納部75は、各種のデータを格納する。たとえば、格納部75は、各アプリケーションでの表示用画像(詳細にはその画像データ)を格納(保持)する。より詳細には、各アプリケーションが起動状態からバックグラウンド待機状態に移行する直前に、格納部75は、次回起動状態への復帰時に表示すべき表示用画面(次回表示用画面とも称する)を格納しておく。
【0051】
入出力部(操作部とも称する)76は、携帯情報端末70に対する入力を受け付ける操作入力部76aと、各種情報の表示出力を行う表示部76bとを備えている。この携帯情報端末70は、その板状の筐体の表(おもて)面側にタッチスクリーン76c(
図1参照)を有している。タッチスクリーン76cは、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されている。当該タッチスクリーン76cは、操作入力部76aの一部としても機能するとともに、表示部76bの一部としても機能する。また、略矩形状のタッチスクリーン76cの下辺下側にはボタン76dが設けられている。
【0052】
コントローラ79は、そのCPUにおいて、格納部75内に格納されているプログラムを実行することによって、各種の処理部を実現する。
【0053】
より詳細には、携帯情報端末70には所定のOS(オペレーティングシステム)(たとえば「アンドロイド(OS)」(商標)あるいは「iOS」(商標)などのOS)が搭載されており、携帯情報端末70は、複数のアプリケーションプログラム(アプリケーションプログラムあるいは単なるアプリケーションなどとも称する)を当該OS上で実行することが可能である。携帯情報端末70で実行されるアプリケーションは、モバイルアプリケーションとも称される。
【0054】
この携帯情報端末70のOSにおいては、基本的には、複数のアプリケーションのうち単一のアプリケーションのみが起動状態(アクティブ状態とも称する)にされて動作する。すなわち、複数のアプリケーションは排他的に起動状態を有する。また、複数のアプリケーションのうち単一のアプリケーションの管理下の表示画面のみが選択的に(排他的に)タッチスクリーン76cに表示される。端的に言えば、複数のアプリケーションのうち、(起動状態の)単一のアプリケーションのみの表示画面がタッチスクリーン76cに表示される。なお、或るアプリケーション(第1のアプリケーション)が起動している状態で別のアプリケーション(第2のアプリケーション)が起動される際には、第1のアプリケーションは、バックグラウンドでの待機状態(非アクティブ状態)に移行する。また、ここでは、バックグラウンド待機状態に移行したアプリケーションは、全ての処理の実行を一旦保留するものとする。ただし、これに限定されず、バックグラウンド待機状態に移行したアプリケーションは、一部または全ての処理の実行を継続するようにしてもよい。
【0055】
これらの複数のアプリケーションプログラムの中には、電子文書閲覧アプリケーション201および印刷管理アプリケーション202が含まれる。電子文書閲覧アプリケーション201は、複数の電子文書を閲覧可能なアプリケーションであり、印刷管理アプリケーション202は、当該複数の電子文書等の印刷動作(プルプリント動作等)を管理するアプリケーションである。これらのアプリケーション201,202は連携して動作する。具体的には、電子文書閲覧アプリケーション201を用いて特定された電子文書に関して、印刷管理アプリケーション202を用いてプルプリント動作(より詳細には、サーバ30への印刷データの格納動作)が行われる。電子文書閲覧アプリケーション201は連携元アプリケーションとも称され、印刷管理アプリケーション202は連携先アプリケーションとも称される。
【0056】
携帯情報端末70は、電子文書閲覧アプリケーション201を実行することによって、複数の電子文書を表示することができる。また、印刷管理アプリケーション202を実行することによって、電子文書閲覧アプリケーション201で選択した電子文書に関するプルプリント動作(詳細にはその一部の動作)を実現することができる。より詳細には、印刷管理アプリケーション202を用いることによって、プルプリント動作のうち、プルプリント用印刷データの転送格納動作(印刷データを携帯情報端末70からサーバ30に転送して当該印刷データをサーバ30に一旦格納しておく動作)が行われる。
【0057】
これらのアプリケーション201,202の実行等によって、
図3に示すように、コントローラ79は、入力制御部81と表示制御部82と通信制御部83と格納制御部85とを含む各種の処理部を実現する。
【0058】
入力制御部81は、入出力部76(タッチスクリーン76c等)と協働して、ユーザからの携帯情報端末70に対する入力(操作入力)を受け付ける処理部である。
【0059】
表示制御部82は、表示部76b(タッチスクリーン76c等)における表示出力動作等を制御する処理部である。
【0060】
通信制御部83は、通信部74と協働して、外部機器との通信を行う処理部である。
【0061】
格納制御部85は、連携先アプリケーション202における次回表示用画面に関する格納動作(保持動作)を制御する処理部である。
【0062】
<4.サーバの構成>
サーバ30は、コンピュータシステム(コンピュータ)として構成される。
【0063】
このサーバ30は、格納部35を有している(
図1参照)。格納部35は、プルプリント用の印刷データを格納するプルプリント用格納領域を有している。携帯情報端末70からサーバ30に送信されたプルプリント用の印刷データは、格納部35(詳細にはそのプルプリント用格納領域)に格納される。そして、格納部35に格納された印刷データは、MFP10の操作パネル6c等を介した操作入力(認証情報の入力等)に応じて、当該サーバ30の格納部35からMFP10に転送される。これにより、MFP10において、印刷データに基づく印刷出力動作(プルプリント動作)が実行される。
【0064】
<5.動作>
つぎに、このシステム1の動作、特に携帯情報端末70の動作について、
図4および
図5等を参照しながら説明する。
図4および
図5は、携帯情報端末70における画面遷移を示す概念図である。
図4は、単体起動モード(次述)で初期起動されたアプリケーション202の画面遷移を示し、
図5は、連携起動モード(次述)で初期起動されたアプリケーション202の画面遷移を示している。
【0065】
<5−1.アプリケーション202の起動モード>
アプリケーション202は、上述のように別のアプリケーション201からの呼び出しに応じて起動され得る。このような起動モードは、当該アプリケーション202自身とは別のアプリケーションと連携して起動するモードであり、「連携起動モード」とも称される。このアプリケーション202(印刷管理アプリケーション)は、連携起動モードにおいて、アプリケーション201(電子文書閲覧アプリケーション)で指定された印刷対象ファイルに対するプルプリント印刷処理(詳細には、サーバに印刷データを転送する処理等)を行うことが可能である。
【0066】
また、連携先アプリケーション202は、連携元アプリケーション201とは無関係に、連携先アプリケーション202単体でも起動され得る。このような起動モードは、(当該アプリケーション202とは別のアプリケーションと連携することなく)当該アプリケーション202自身が単体で起動する起動モードであり、「単体起動モード」(あるいは非連携起動モード)とも称される。アプリケーション202は、単体起動モードにおいて、各種の設定(サーバ情報設定およびデフォルト印刷設定)に関する設定処理等を行うことができる。より詳細には、プルプリント印刷データの格納先であるサーバ(プルプリントサーバとも称される)30に関する情報等を予め設定しておくこと、および各種の印刷設定項目に関するデフォルト値を予め設定しておくことなどが可能である。
【0067】
このように、アプリケーション202は、単体起動モードと連携起動モードとを有する。
【0068】
<5−2.単体起動モードによる起動後の動作>
以下では、まず、
図4を参照しつつ、単体起動モードで初期起動されたアプリケーション202の画面遷移について説明する。
【0069】
ユーザによる適宜の操作に応じて、携帯情報端末70のタッチスクリーン76cにメインメニュー画面(不図示)が表示される。当該メインメニュー画面には、各アプリケーションに対応する複数のメニューアイコンが格子状に整列して配置される。そして、当該複数のメニューアイコンのうち所望のアイコン(所望のアプリケーションに対応するアイコン)がユーザによって押下されると、当該所望のアプリケーションが起動する。具体的には、タッチスクリーン76cに表示されているメインメニュー画面において、連携先アプリケーション202に対応するアイコンが携帯情報端末70のユーザ(操作者)によって押下されると、連携先アプリケーション202が単体起動モードで起動(初期起動)される。これに応じて、タッチスクリーン76cには画面351が表示される(
図4の最上段および
図6を参照)。
【0070】
図6は、この起動直後にタッチスクリーン76cに表示される画面351を示す図である。この画面351は、単体起動モードによる起動時に表示される初期画面(単体起動モードの初期画面)であるとも表現される。
【0071】
画面351は、「サーバ情報設定」、「デフォルト印刷設定」および「印刷履歴確認」の合計3つのメニュー項目欄を有している。
【0072】
これらの3つのメニュー項目欄に対する押下操作(タッチ操作)がユーザによって行われると、押下対象の各メニュー項目欄に対応する画面がタッチスクリーン76cに表示される。
【0073】
たとえば、画面351においてメニュー項目欄「サーバ情報設定」が押下されると、タッチスクリーン76cには、画面351に代えて別の画面352(
図7)が表示される(
図4の中央列の上から2段目参照)。換言すれば、画面351から画面352への画面遷移が生じる。画面352は、「サーバ情報設定」を行う画面である。
図7に示すように、画面352は、通信対象のサーバ30に関する情報(詳細には、「サーバアドレス」および「ポート番号」)、および当該サーバ30に送信すべきユーザ認証情報(詳細には「ユーザ名」および「パスワード」)を設定する画面である。なお、画面352内の「戻る」ボタンが押下されると、タッチスクリーン76cには再び画面351が表示される。すなわち、画面352から画面351への画面遷移が生じる。
【0074】
また、画面351においてメニュー項目欄「デフォルト印刷設定」が押下されると、タッチスクリーン76cには、画面351に代えて別の画面353(
図8)が表示される(
図4の最右列の上から2段目参照)。換言すれば、画面351から画面353への画面遷移が生じる。
図8に示すように、画面353は、「デフォルト印刷設定」を行う画面である。画面353を用いることによって、各種の印刷設定項目(「部数」、「印刷種別(片面/両面)」、「ソート」、「カラー選択」、「仕分け」、「ステープル」等)に関する設定内容が設定される。なお、画面353内の「戻る」ボタンが押下されると、タッチスクリーン76cには再び画面351が表示される。すなわち、画面353から画面351への画面遷移が生じる。
【0075】
また、画面351においてメニュー項目欄「印刷履歴確認」が押下されると、タッチスクリーン76cには、画面351に代えて別の画面354(不図示)が表示される。画面354は、印刷履歴を表示する画面である。当該印刷履歴は、サーバ30との通信によってサーバ30から取得されて表示される。なお、当該画面354内の「戻る」ボタンが押下されると、タッチスクリーン76cには再び画面351が表示される。
【0076】
以上のような画面遷移動作によって、単体起動モードにおいては、画面351〜354のいずれかの画面がタッチスクリーン76cに表示される。
【0077】
その後、各画面を用いて適宜の設定操作等が行われた後、ユーザは所定の操作(ボタン76dの押下操作およびメニューアイコンの押下操作等)によって、所望の別のアプリケーション(ここでは203)を起動する。
【0078】
具体的には、アプリケーション202の実行中にボタン76dが押下されると、メインメニュー画面がタッチスクリーン76cに表示される。このメインメニュー画面には、各アプリケーションに対応する複数のメニューアイコンが配列されている。そして、当該複数のメニューアイコンのうち所望のアイコン(所望の(別の)アプリケーション(203)に対応するアイコン)がユーザによって押下されると、当該所望のアプリケーション203が起動する。
【0079】
詳細には、別アプリケーション203が起動される前(たとえばボタン76dの押下直後)において、アプリケーション202は起動状態からバックグラウンド待機状態に移行する。アプリケーション202は、バックグラウンド待機状態への移行直前において、次回起動状態への復帰時に表示すべき表示用画面(次回表示用画面)を保持する。単体起動モードにて起動したアプリケーション202が起動状態からバックグラウンド待機状態に移行する直前においては、当該移行前の所定の時点で表示されている画面が次回表示用画面として保持される。
【0080】
たとえば、ボタン76dの押下時点(移行直前の時点)で画面351がタッチスクリーン76cに表示されていたときには、画面351が次回表示用画面として保持される。あるいは、ボタン76dの押下時点で画面352がタッチスクリーン76cに表示されていたときには、画面352が次回表示用画面として保持される。同様に、ボタン76dの押下時点で画面353がタッチスクリーン76cに表示されていたときには、画面353が次回表示用画面として保持される。
【0081】
そして、メニューアイコンの押下操作によって、別のアプリケーション203が起動され(
図4の上から3段目参照)、アプリケーション203は、ユーザの指示に応じた処理等を実行する。
【0082】
さらに、その後、ユーザは、アプリケーション202を用いた設定処理等を実行することを意図して、所定の操作(ボタン76dの押下操作およびメニューアイコンの押下操作等)を行って、アプリケーション202を再び起動する(
図4の最下段(上から4段目))参照)。
【0083】
アプリケーション202は、その起動状態への復帰直後において、次回表示用画面として事前に保持(格納)していた画面をタッチスクリーン76cに表示する。たとえば、画面351(
図6)が次回表示用画面として保持されていた場合には、画面351がタッチスクリーン76cに表示される(
図4の最左列の最下段参照)。あるいは、画面352(
図7)が次回表示用画面として保持されていた場合には、画面352がタッチスクリーン76cに表示される(
図4の中央列の最下段参照)。同様に、画面353(
図8)が次回表示用画面として保持されていた場合には、画面353がタッチスクリーン76cに表示される(
図4の最右列の最下段参照)。
【0084】
このように、単体起動モードにて起動したアプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行した後において再び起動する(再び起動状態に移行する)際には、バックグラウンド待機状態への移行直前における画面が表示される。これによれば、バックグラウンド待機状態への移行直前の表示画面とバックグラウンド待機状態からの復帰後の表示画面との継続性が確保される。換言すれば、単体起動モードにて起動された後の再起動画面を適切に決定することが可能である。
【0085】
<5−3.連携起動モードによる起動後の動作>
つぎに、
図5を参照しつつ、連携起動モードで起動されたアプリケーション202の画面遷移について説明する。
【0086】
まず、タッチスクリーン76cに表示されているメインメニュー画面において、連携元アプリケーション201に対応するアイコンが携帯情報端末70のユーザ(操作者)によって押下されると、携帯情報端末70において連携元アプリケーション201が起動される。また、これに応じて、画面310(
図9参照)がタッチスクリーン76cに表示される(
図5(および
図11)の最上段参照)。連携元アプリケーション(電子文書閲覧アプリケーション)201は、電子文書の文書内容閲覧機能(プレビュー機能)を有している。詳細には、当該アプリケーション201は、複数の電子文書のうちの一の文書の内容を選択的に表示することが可能である。
【0087】
図9は、電子文書閲覧アプリケーション201の表示画面310を示す図である。
【0088】
図9に示すように、電子文書閲覧アプリケーション201の表示画面310内の左側には文書選択領域301が設けられており、当該表示画面310内の中央から右側に亘る部分には文書閲覧領域(文書内容表示領域あるいはプレビュー領域とも称する)302が設けられている。文書選択領域301には、携帯情報端末70内に格納された複数の文書の文書名が列挙されている。当該複数の文書のそれぞれに対応する複数の項目(311,312,313等)の中からユーザが所望の文書に対応する項目(たとえば項目312)を選択すると、選択された文書(被選択文書)の内容が文書閲覧領域302にて表示される。
図9では、文書選択領域301にて文書「ABC.pdf」(項目312)がユーザによって選択され、当該被選択文書「ABC.pdf」の内容が文書閲覧領域302にて表示されている。
【0089】
この表示画面310内には、アクションメニュー表示ボタン321も設けられている。ユーザがアクションメニュー表示ボタン321を押下すると、電子文書閲覧アプリケーション201は、表示画面310の一部領域(ここでは略中央領域)にアクションメニュー330(
図9参照)をポップアップ表示する。
【0090】
アクションメニュー330は、複数のメニュー項目(「新規フォルダ」、「連携アプリ起動」、「オンライン(ストレージ)転送」、「メール」、...、「削除」、「印刷」等)を含むサブメニュー画面(メニュー画像)である。当該複数のメニュー項目の中には、メニュー項目332「連携アプリ起動」が含まれる。このメニュー項目332は、連携先のアプリケーションを(呼び出して)起動すべき旨の起動指示を付与するためのメニュー項目である。
【0091】
このように、連携元アプリケーション201の実行中(且つ連携先アプリケーション202の起動直前)において、アプリケーションの呼出メニュー項目を含むメニュー画像(アクションメニュー330)が、連携元アプリケーション201の表示画面310内に表示される。
【0092】
次に、アクションメニュー330内のメニュー項目332「連携アプリ起動」がユーザによって押下されると、アプリケーション201の連携先のアプリケーションである印刷管理アプリケーション202が連携起動モードで起動(初期起動)する(
図5(および
図11)の上から2段目参照)。換言すれば、連携元アプリケーション201に連携する連携先アプリケーション202が、連携元アプリケーション201に呼び出されて起動する。
図10は、この起動直後にタッチスクリーン76cに表示される画面371を示す図である。この画面371は、連携起動モードの初期画面とも称される。
【0093】
画面371の最上段には、サーバ30に関する情報表示欄が設けられており、画面371の中段には、印刷対象データに関する情報表示欄が設けられている。たとえば、
図10に示すように、サーバ30のIPアドレスが「192.168.0.8」であること、および、印刷対象データが「ABC.pdf」であること等が示される。画面371の最上段には、このアプリケーション202の単体起動モードにて予め設定された情報(サーバ30のIPアドレス)が表示されている。また、画面371の中段には、連携元アプリケーション201から受け渡された情報(印刷対象データファイル名)が示されている。
【0094】
また、画面371の下段側には、印刷設定欄が設けられている。これらの印刷設定欄には、アプリケーション202の単体起動モードにて予め設定された設定内容(デフォルト設定内容(「部数=1」、「印刷種別=片面」等))が表示される。なお、当該設定内容は、この画面371の当該印刷設定欄を用いて変更することも可能である。
【0095】
さらに、画面371の最下段には、印刷ボタン381が設けられている。
【0096】
印刷ボタン381が押下されると、プルプリント用の印刷対象データがサーバ30へと送信される。換言すれば、プルプリント動作のうち、プルプリント用印刷データの転送格納動作(印刷データを携帯情報端末70からサーバ30に転送して当該印刷データをサーバ30に一旦格納しておく動作)が行われる。
【0097】
なお、その後、ユーザは、MFP10(印刷出力装置)の配置場所に移動し、当該MFP10の操作パネル6c等を操作してMFP10にログインする。MFP10は、ログインユーザのプルプリント対象の印刷データをサーバ30から取得(プル)し、当該印刷データに基づき印刷出力(プリント)を行う。このようにして、プルプリント印刷処理が行われる。
【0098】
さて、印刷ボタン381が押下され、或る期間が経過した後において、ユーザは、所定の操作(ボタン76dの押下操作およびメニューアイコンの押下操作等)によって、所望の別のアプリケーション(ここでは203)を携帯情報端末70にて起動する(
図5(および
図11)の上から3段目参照)。この際、アプリケーション203が起動される前(たとえばボタン76dの押下直後)において、それまで起動していたアプリケーション202はバックグラウンド待機状態に移行する。また、新たに起動されたアプリケーション203は、ユーザの指示に応じた処理等を実行する。
【0099】
さらに、その後、ユーザは、アプリケーション202を用いた設定処理等を実行したい場合に、所定の操作(ボタン76dの押下操作およびメニューアイコンの押下操作等)を行って、アプリケーション202を再び起動する(
図5(および
図11)の最下段(上から4段目)参照)。換言すれば、アプリケーション202が、他の連携元アプリケーション(201)から呼び出されるのではなく単体で再起動され、バックグラウンド待機状態から復帰する。
【0100】
ここにおいて、仮に、上述のような単体起動モードで初期起動されたアプリケーション202の再起動直後における画面表示技術と同様に、連携起動モードで初期起動されたアプリケーション202の再起動直後(バックグラウンド待機状態からの復帰時)においても、バックグラウンド待機状態への移行直前における表示画面が表示される技術(比較例に係る技術とも称する)を想定する。
【0101】
この比較例に係る技術においては、
図11にも示されるように、アプリケーション202の再起動直後において、バックグラウンド待機状態への移行直前における表示画面371が表示される(
図11の最下段参照)。なお、
図11は、比較例に係る画面遷移を示す概念図である。
【0102】
この画面371には、他のアプリケーションとの連携を前提とする情報(印刷対象データ「ABC.pdf」等)が含まれるとともに、当該連携を前提とする印刷ボタン381も設けられている。
【0103】
しかしながら、このような情報は、単体起動モードにおいては基本的には有効ではなく、当該画面371に含まれる印刷ボタン381も基本的には有効ではない。換言すれば、画面371は、単体起動モードと連携起動モードと両モードのうち、連携起動モードでのみ利用可能な画面である。
【0104】
ユーザは、無効な内容を含む画面371を視認すると、混乱を生じる。換言すれば、連携起動モードでのみ利用可能な画面371を視認すると、ユーザの混乱が招来される。
【0105】
このように、仮に、連携先アプリケーションの再起動直後において、バックグラウンド待機状態への移行直前の連携画面371がそのまま表示されると、ユーザの混乱が招来される。
【0106】
これに対して、この実施形態においては、
図5にも示されるように、連携起動モードで初期起動されたアプリケーション202の再起動直後において、バックグラウンド待機状態への移行直前における表示画面371以外の所定の画面(具体的には、単体起動モードにおける初期画面351)を表示する技術を例示する。
【0107】
ここでは、上述のようにして、アプリケーション201の連携先のアプリケーションである印刷管理アプリケーション202が連携起動モードで起動(
図5の上から2段目参照)された後において、印刷ボタン381が押下され、サーバへの転送処理(アプリケーション202における、アプリケーション201との連携処理)が完了したものとする。その後、ユーザは、所定の操作(ボタン76dの押下操作およびメニューアイコンの押下操作等)によって、所望の別のアプリケーション(ここでは203)を携帯情報端末70にて起動する(
図5の上から3段目参照)ものとする。
【0108】
より詳細には、アプリケーション202の実行中にボタン76dが押下されると、メインメニュー画面がタッチスクリーン76cに表示される。そして、当該複数のメニューアイコンのうち所望のアイコン(アプリケーション203に対応するアイコン)がユーザによって押下されると、(別の)アプリケーション203が起動する。
【0109】
このとき、別アプリケーション203が起動される前(たとえばボタン76dの押下直後)において、アプリケーション202は起動状態からバックグラウンド待機状態に移行する。また、アプリケーション202は、バックグラウンド待機状態への移行直前において、次回起動状態への復帰時に表示すべき表示用画面(次回表示用画面)を保持する。特に、連携起動モードにて起動したアプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行する直前においては、アプリケーション202において予め指定された画面(ここでは画面351)が、次回表示用画面として保持される(
図5の上から2段目と3段目との中間位置付近を参照)。たとえば、ボタン76dの押下直後において、画面351(単体起動モードにおける初期画面)が次回表示用画面として保持される。そして、メニューアイコンの押下操作によって、別のアプリケーション203が起動され(
図5の下から2段目参照)、アプリケーション203は、ユーザの指示に応じた処理等を実行する。
【0110】
その後、ユーザは、アプリケーション202を用いた設定処理等を実行することを意図して、所定の操作(ボタン76dの押下操作およびメニューアイコンの押下操作等)を行って、アプリケーション202を再び起動する(
図5の最下段参照)。換言すれば、アプリケーション202が、他の連携元アプリケーション(201)から呼び出されるのではなく単体で再起動(謂わば単体起動モードで再起動)され、バックグラウンド待機状態から復帰する。
【0111】
この起動状態への復帰直後においては、アプリケーション202は、次回表示用画面として事前に保持していた画面(ここでは画面351(
図6))をタッチスクリーン76cに表示する(
図5の最下段参照)。
【0112】
このように、連携起動モードにて起動したアプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行した後において再び起動する際には、画面351が表示される。換言すれば、単体起動モード利用時に表示される画面である画面351が、連携起動モード利用時にも表示される。
【0113】
この表示画面351は、単体起動モードの初期画面であり、単体起動モードにおける適切な表示画面である。当該表示画面351は、(他のアプリケーションとの連携の有無にかかわらず)他のアプリケーションから独立して利用することが可能な画面である。したがって、連携起動モードでのみ利用可能な画面371が表示されるときに生じ得る上述の不都合を回避することが可能である。換言すれば、連携起動モードと単体起動モードとの2つのモードで起動され得るアプリケーションにおいて、その再起動画面(特に連携起動モードにて初期起動された後の再起動画面)を適切に決定することが可能である。
【0114】
なお、上記実施形態とは異なり、上記両モード(単体起動モードおよび連携起動モード)のいずれで初期起動された場合であってもバックグラウンド待機状態から復帰するときには常に画面351を固定的に表示する技術も考えられる。しかしながら、当該技術においては、単体起動モードで起動された後に複数の画面351〜354のいずれかに遷移してからバックグラウンド待機状態に遷移し、その後、バックグラウンド待機状態から復帰するときにおいて、常に画面351が表示されてしまう。たとえば、単体起動モードでの起動後に画面351から画面352に遷移してからバックグラウンド待機状態に遷移し、その後、バックグラウンド待機状態から復帰するときにおいても画面351(画面352とは異なる画面)が表示されてしまう。そのため、バックグラウンド待機状態への移行前とバックグラウンド待機状態からの復帰後との画面の継続性が失われてしまう。
【0115】
これに対して、上記実施形態においては、単体起動モードにて起動したアプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行した後において再び起動する(再び起動状態に移行する)際には、
図4に示すように、バックグラウンド待機状態への移行直前における画面と同じ画面が表示される。これによれば、バックグラウンド待機状態への移行直前の表示画面とバックグラウンド待機状態からの復帰後の表示画面との継続性が適切に確保される。
【0116】
<6.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0117】
たとえば、上記実施形態においては、連携起動モードにて起動したアプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行した後において再び起動する際に、単体起動モードの初期画面351が表示される態様が例示されているが、これに限定されない。具体的には、連携起動モードでのみ利用可能な画面以外の画面(単体起動モードでのみ利用可能な画面、あるいは、連携起動モードと単体起動モードとの双方で利用可能な画面等)が表示されればよい。詳細には、画面351に代えて単体起動モードにおける他の画面(画面352,353等)が表示されるようにしてもよい。あるいは、単体起動モードにおける画面以外の特別な画面(たとえば、連携起動モードから単体起動モードへの変更が行われた旨を示す画面等)が、画面351に代えて表示されるようにしてもよい。
【0118】
また、上記実施形態においては、アプリケーション202における連携処理(サーバへの印刷対象データの転送処理)が完了した後に、当該アプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行する際の動作等について主に例示したが、これに限定されない。たとえば、連携起動モードにて起動したアプリケーション202における連携処理(データ転送処理)がユーザ操作(たとえばホームボタンの押下)等によって(完了せずに)中断されたことに応答して当該アプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行する際の動作に関して、上記の思想が適用されるようにしてもよい。より詳細には、当該中断処理に応じたバックグラウンド待機状態への移行直前において、連携先アプリケーション202は、画面351等を次回表示用画面として保持するようにしてもよい。そして、アプリケーション202がバックグラウンド待機状態に移行した後において再び起動するときに、当該次回表示用画面(351等)が表示されるようにしてもよい。
【0119】
また、上記実施形態においては、アプリケーション202における連携処理が完了した後においても当該アプリケーション202の画面が継続的に表示されているが、これに限定されない。たとえば、当該連携処理が完了した後においては、連携元アプリケーション201の画面が表示されるようにしてもよい。すなわち、連携先アプリケーション202における処理の終了後においては、呼出元(連携元)のアプリケーション201に復帰するようにしてもよい。
【0120】
詳細には、連携先アプリケーション202による連携処理(サーバへのデータ転送処理)が終了すると、連携元アプリケーション201における元の画面(アプリケーション202の呼出時に表示されていた画面)が再び表示されるようにしてもよい。より具体的には、アプリケーション201からアプリケーション202が呼び出される際に、アプリケーション201の情報がアプリケーション201からアプリケーション202に伝達される。そして、アプリケーション202によるサーバへのデータ転送処理の終了後に、当該アプリケーション201の情報を用いて、今度は逆に、アプリケーション202がアプリケーション201を呼び出すようにすればよい。なお、このような連携元アプリケーション201の呼出動作は、連携先アプリケーション202での連携処理の終了(完了)に応答して自動的に行われてもよく、あるいは、連携先アプリケーション202でのユーザ操作(連携元アプリケーション201への復帰指示操作)に応答して行われるようにしてもよい。