(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記付勢部材は、前記第1方向から見て、前記内面ガイドの略中央に対応する位置よりも、前記エンドレスベルトの周回方向の下流側および上流側にそれぞれ配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の定着装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載の定着装置は、内面ガイド、および、規制部に対して、可動壁のみが移動する。そのため、可動壁の移動によって張られるフィルムの位置にも規制部を配置する必要があり、大型化するという不具合がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、エンドレスベルトが撓むことを抑制することができながら、大型化を抑制することのできる定着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の定着装置は、筒形状を有し、第1方向に延びるエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、第1方向に延びる加熱板と、エンドレスベルトの第1方向外方に位置し、エンドレスベルトの第1方向への移動を規制する規制部と、規制部と接続され、規制部からエンドレスベルトの第1方向内側に突出し、エンドレスベルトの内周面に沿って延びる内面ガイドとを有し、エンドレスベルトの第1方向端部をガイドするベルトガイドと、ベルトガイドを、内面ガイドがエンドレスベルトの内周面へ向かうように付勢する付勢部材とを備えている。
【0008】
このような構成によれば、内面ガイドが、付勢部材によって、エンドレスベルトの内周面へ向かうように付勢されているので、エンドレスベルトに張力を付与することができ、エンドレスベルトが撓むことを抑制することができる。
【0009】
そのため、エンドレスベルトの撓みを抑制しながら、内面ガイドによって、確実にエンドレスベルトの第1方向端部をガイドすることができるので、エンドレスベルトを安定して周回移動させることができる。
【0010】
また、規制部は、内面ガイドと接続されており、一体であるために、付勢部材の付勢力により、内面ガイドと共に移動するので、規制部と、エンドレスベルトの端部とを、常に向かい合わせることができる。
【0011】
そのため、規制部の大きさを最小限にすることができるので、定着装置の大型化を抑制することができる。
(2)また、加熱板との間でエンドレスベルトを挟むように、エンドレスベルトの外周面に接触する加圧ローラを備え、付勢部材は、ベルトガイドを加熱板と加圧ローラとの並び方向に沿って、加圧ローラから離れる方向に向けて付勢してもよい。
【0012】
このような構成によれば、付勢部材によって、内面ガイドが、加熱板と加圧ローラとの並び方向に沿って、加圧ローラから離れるように付勢されることで、エンドレスベルトに張力が付与される。
【0013】
つまり、エンドレスベルトの撓みやすい部分、すなわち、エンドレスベルトにおける加熱板と加圧ローラとに挟まれていない部分に張力を付与することができるので、エンドレスベルトが撓むことを確実に抑制することができる。
(3)また、第1方向に延び、エンドレスベルトの内側に配置され、加熱板を支持するフレームを備え、フレームは、ベルトガイドが付勢された際のベルトガイドの移動をガイドするガイド部を備え、ベルトガイドは、ガイド部にガイドされる被ガイド部を備えていてもよい。
【0014】
このような構成によれば、フレームが、ベルトガイドが付勢された際にベルトガイドの移動をガイドするガイド部を備えているので、ベルトガイドの被ガイド部がガイド部にガイドされることで、ベルトガイドを並び方向に沿って移動させることができる。
【0015】
そのため、付勢部材による付勢によって、内面ガイドを確実に、並び方向に沿って加圧ローラから離れるように付勢することができる。
(4)また、ガイド部は、溝であり、被ガイド部は、溝に嵌まる突起であってもよい。
【0016】
このような構成によれば、溝に突起を嵌めるという簡易な構成により、ベルトガイドを、フレームに対して、確実にガイドすることができる。
(5)また、突起は、ベルトガイドの内面ガイドからフレームに向けて突出し、第1方向に延びるリブであってもよい。
【0017】
このような構成によれば、突起が第1方向に延びるリブであるので、ベルトガイドが付勢された際に、ベルトガイドの姿勢を安定させることができる。
【0018】
そのため、ベルトガイドを、フレームに対して、より確実にガイドすることができる。
(6)また、突起は、2つ備えられていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、突起が2つ備えられていることにより、ベルトガイドが付勢された際のベルトガイドの姿勢をより安定させることができる。
(7)また、付勢部材は、2つの突起の間に配置されていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、2つの突起の間に付勢部材が配置されているので、ベルトガイドを安定して付勢することができる。
(8)また、フレーム内に配置され、金属材料からなり、加熱板を支持するステイをさらに備え、ベルトガイドは、突起がステイに当接する第1位置と、突起がステイから離間する第2位置との間を移動可能であってもよい。
【0021】
このような構成によれば、ステイは、金属材料からなるために、高い剛性を有している。
【0022】
そのため、ベルトガイドが第1位置に位置するときには、突起をステイに対して当接させて、ステイに対するベルトガイドの並び方向における加圧ローラに向かう方向への移動を規制することができる。
(9)また、付勢部材は、フレームと、内面ガイドとの間に配置されていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、フレームと内面ガイドとの間に付勢部材を配置するという簡易な構成により、内面ガイドを付勢して、エンドレスベルトに張力を付与することができる。
【0024】
そのため、容易にエンドレスベルトの撓みを抑制することができる。
(10)また、付勢部材は、第1方向から見て、内面ガイドの略中央に対応する位置に配置されていてもよい。
【0025】
このような構成によれば、付勢部材によって、内面ガイドの略中央を付勢することで、効率良くエンドレスベルトに張力を付与することができる。
(11)また、付勢部材は、第1方向から見て、内面ガイドの略中央に対応する位置よりも、エンドレスベルトの周回方向の下流側および上流側にそれぞれ配置されていてもよい。
【0026】
このような構成によれば、2つの付勢部材を用いて、内面ガイドにおけるエンドレスベルトの周回方向の下流側および上流側を付勢することで、バランス良くエンドレスベルトに張力を付与することができる。
(12)また、付勢部材は、ばねであってもよい。
【0027】
このような構成によれば、付勢部材がばねであるので、簡易な構成により、内面ガイドを付勢し、エンドレスベルトに張力を付与することができる。
(13)また、加熱板を加熱するハロゲンヒータを備えていてもよい。
【0028】
このような構成によれば、加熱板自体に加熱する構成を備えることなく、ハロゲンヒータによって、加熱板を間接的に加熱することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の定着装置によれば、エンドレスベルトが撓むことを抑制することができながら、大型化を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
1.画像形成装置の全体構成
プリンタ1は、電子写真方式のモノクロプリンタである。
【0032】
なお、以下の説明において、プリンタ1の方向に言及するときには、プリンタ1を水平に載置した状態を上下の基準とする。すなわち、
図1の紙面上方が上方であり、紙面下方が下方である。また、
図1の紙面左方が前方であり、
図1の紙面右方が後方である。また、プリンタ1を前方から見たときを左右の基準とする。すなわち、
図1の紙面手前が右方であり、紙面奥が左方である。なお、左右方向は、第1方向の一例であり、上下方向は、並び方向、および、第2方向の一例であり、前後方向は、第3方向の一例である。また、下方が第2方向一方の一例であり、上方が第2方向他方の一例である。また、前後方向の前から後に向かう方向が用紙搬送方向であり、
図6Aに示す矢印の方向がエンドレスベルト21の回転方向である。
【0033】
プリンタ1は、装置本体2と、プロセスカートリッジ3と、スキャナユニット4と、定着装置5とを備えている。
【0034】
装置本体2は、略ボックス形状を有している。装置本体2は、開口部6と、フロントカバー7と、給紙トレイ8と、排紙トレイ9とを備えている。
【0035】
開口部6は、装置本体2の前端部に配置されている。開口部6は、プロセスカートリッジ3の通過を許容するように、装置本体2の内外を前後方向に連通している。
【0036】
フロントカバー7は、装置本体2の前端部に配置されている。フロントカバー7は、側断面視略L字状の略板状を有している。フロントカバー7は、その下端部を支点として装置本体2の前壁に揺動可能に支持されている。フロントカバー7は、開口部6を開放または閉鎖するように構成されている。
【0037】
給紙トレイ8は、装置本体2の底部に配置されている。給紙トレイ8は、用紙Pを収容するように構成されている。
【0038】
排紙トレイ9は、装置本体2の上壁に配置されている。排紙トレイ9は、用紙Pが載置されるように、装置本体2の上面から下方へ凹んでいる。
【0039】
プロセスカートリッジ3は、装置本体2の上下方向略中央に収容されている。プロセスカートリッジ3は、開口部6を介して装置本体2に対して装着または離脱するように構成されている。プロセスカートリッジ3は、ドラムカートリッジ10と、現像カートリッジ11とを備えている。
【0040】
ドラムカートリッジ10は、感光ドラム12と、スコロトロン型帯電器13と、転写ローラ14とを備えている。
【0041】
感光ドラム12は、ドラムカートリッジ10の後端部に回転可能に支持されている。感光ドラム12は、左右方向に延びる略円筒形状を有している。
【0042】
スコロトロン型帯電器13は、感光ドラム12の後方において、感光ドラム12と間隔を空けて配置されている。
【0043】
転写ローラ14は、感光ドラム12の下方に配置されている。転写ローラ14は、感光ドラム12の下端部と接触している。
【0044】
現像カートリッジ11は、感光ドラム12の前方において、ドラムカートリッジ10に装着されている。現像カートリッジ11は、現像ローラ15と、供給ローラ16と、層厚規制ブレード17と、トナー収容部18と、アジテータ19とを備えている。
【0045】
現像ローラ15は、現像カートリッジ11の後端部に回転可能に支持されている。現像ローラ15は、左右方向に延びる略円柱形状を有している。現像ローラ15は、感光ドラム12の前端部に接触している。
【0046】
供給ローラ16は、現像ローラ15の前下方に配置されている。供給ローラ16は、現像カートリッジ11に回転可能に支持されている。供給ローラ16は、左右方向に延びる略円柱形状を有している。供給ローラ16は、現像ローラ15の前下端部に接触している。
【0047】
層厚規制ブレード17は、現像ローラ15の前上方に配置されている。層厚規制ブレード17は、現像ローラ15の前端部に接触している。
【0048】
トナー収容部18は、供給ローラ16および層厚規制ブレード17の前方に配置されている。トナー収容部18は、トナーを収容するように構成されている。
【0049】
アジテータ19は、トナー収容部18内において、回転可能に支持されている。
【0050】
スキャナユニット4は、プロセスカートリッジ3の上方に配置されている。スキャナユニット4は、感光ドラム12に向けて画像データに基づくレーザービームを出射するように構成されている。
【0051】
定着装置5は、装置本体2の後方部に配置されている。定着装置5は、後で詳述するが、エンドレスベルト21と、エンドレスベルト21を加熱する加熱ユニット20と、エンドレスベルト21を挟むように加熱ユニット20の下方に配置される加圧ローラ22とを備えている。
【0052】
プリンタ1が画像形成動作を開始すると、スコロトロン型帯電器13は、感光ドラム12の表面を一様に帯電する。スキャナユニット4は、画像データに基づいて感光ドラム12の表面を露光する。これにより、画像データに基づく静電潜像が、感光ドラム12の表面に形成される。
【0053】
また、アジテータ19は、トナー収容部18内のトナーを撹拌して、供給ローラ16に供給する。供給ローラ16は、アジテータ19によって供給されたトナーを現像ローラ15に供給する。このとき、トナーは、現像ローラ15と供給ローラ16との間で正極性に摩擦帯電され、現像ローラ15に担持される。層厚規制ブレード17は、現像ローラ15に担持されたトナーの層厚を一定厚さに規制する。
【0054】
そして、現像ローラ15に担持されたトナーは、感光ドラム12表面の静電潜像に供給される。これにより、トナー像が、感光ドラム12の表面に担持される。
【0055】
用紙Pは、給紙トレイ8から、各種ローラの回転により、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム12と転写ローラ14との間に給紙される。感光ドラム12表面のトナー像は、用紙Pが感光ドラム12と転写ローラ14との間を通過するときに、用紙Pに転写される。
【0056】
次いで、用紙Pは、加熱ユニット20と加圧ローラ22との間を通過するときに、加熱および加圧される。これにより、用紙P上のトナー像は、用紙Pに熱定着される。その後、用紙Pは、排紙トレイ9に配置される。
2.定着装置の詳細
定着装置5は、上記し、
図1および
図6Aに示すように、加熱ユニット20と、エンドレスベルト21と、加圧ローラ22とを備えている。
(1)加熱ユニット
加熱ユニット20は、
図2および
図6Aに示すように、ステイ25と、反射板26と、ハロゲンヒータ27と、加熱板の一例としてのニップ板28と、第1フレームの一例としてのステイカバー29と、第2フレームの一例としての押えカバー32と、第1ベルトガイドの一例としての2つのベルトガイド30と、2つの付勢部材31と、2つの対向部材34と、配線35とを備えている。
【0057】
ステイ25は、
図2に示すように、ステンレスや鉄などの高い剛性を有する金属材料からなり、左右方向に延び、下方が開放された略角筒形状を有している。ステイ25は、3つの鉤状部40と、1つの延出部41と、2つの立設部42とを備えている。
【0058】
3つの鉤状部40は、ステイ25における右後下端部、左後下端部、および、図示しないが左前下端部に、それぞれ配置されている。3つの鉤状部40のそれぞれは、ステイ25の下端部から下方に向かって延びた後、左右方向内方に向かって屈曲している。
【0059】
1つの延出部41は、ステイ25における右前下端部に配置されている。延出部41は、ステイ25の下端部から、下方に向かって延びる正面視略矩形の略板状を有している。
【0060】
2つの立設部42は、それぞれ、左右方向に間隔を空けて、ステイ25の左方部分における左右方向略中央と、ステイ25の右方部分における左右方向略中央とに配置されている。立設部42は、ステイ25の後壁から連続して上方に延び、ステイ25の上壁よりも上方に突出する正面視略矩形の略板状を有している。立設部42は、貫通穴43を備えている。
【0061】
貫通穴43は、立設部42の略中央部分を正面視略矩形状に貫通している。
【0062】
反射板26は、金属材料からなり、左右方向に延び、下方が開放された略角筒形状を有している。反射板26の内面は、鏡面加工されている。反射板26は、
図6Aに示すように、ステイ25の内方に配置されている。
【0063】
ハロゲンヒータ27は、
図2および
図6Aに示すように、左右方向に延び、左右方向両端部が閉鎖された略円筒形状のガラス管と、ガラス管内に配置されるフィラメントと、ガラス管の左右方向両端部に配置される電極とから構成されている。ハロゲンヒータ27は、通電されることにより、輻射熱を発するように構成されている。ハロゲンヒータ27は、
図6Aに示すように、反射板26の内方に配置されている。
【0064】
ニップ板28は、
図2および
図6Aに示すように、金属材料からなり、左右方向に延びる平面視略矩形の略板状を有している。ニップ板28は、
図2に示すように、3つの第1爪部46と、1つの貫通穴47と、3つの第2爪部48とを備えている。
【0065】
3つの第1爪部46は、ニップ板28における右後端部、左後端部、および、左前端部に、それぞれ配置されている。右後端部の第1爪部46は、ニップ板28の右後端部から、後方に向かって突出している。左後端部、および、左前端部の第1爪部46は、ニップ板28の左端部における前後方向端部から、上方に向かって延びた後、前後方向外方に向かって屈曲している。
【0066】
貫通穴47は、ニップ板28における右前端部に配置されている。貫通穴47は、ニップ板28を平面視略矩形状に貫通している。
【0067】
3つの第2爪部48は、ニップ板28の後端部において、左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。第2爪部48は、ニップ板28の後端部から、後方に向かって突出する平面視略矩形の略板状を有している。
【0068】
そして、ニップ板28は、3つの第1爪部46のそれぞれが、対応するステイ25の鉤状部40のそれぞれに係合し、1つの貫通穴47が、ステイ25の延出部41を受け入れることにより、
図6Aに示すように、反射板26を挟むようにして、ステイ25に支持されている。
【0069】
これにより、ニップ板28は、加熱ユニット20の下端部に配置されており、反射板26の内面に反射するハロゲンヒータ27の輻射熱によって、加熱され、高温となるように構成されている。
【0070】
ステイカバー29は、
図2および
図6Aに示すように、耐熱性を有する樹脂材料からなり、左右方向に延び、下端部が開放された略ボックス形状を有している。ステイカバー29は、被覆部51と、第2ベルトガイドの一例としての第1摺擦部52と、第2ベルトガイドの一例としての第2摺擦部53とを備えている。
【0071】
被覆部51は、左右方向に延び、下端部が開放された略ボックス形状を有している。被覆部51は、2つの溝およびガイド部の一例としてのガイド溝55と、2つの保持部56と、2つの第1挿通穴57とを備えている。
【0072】
2つのガイド溝55は、それぞれ、被覆部51の上壁の左右方向両端部に配置されている。ガイド溝55は、被覆部51の上壁を、左右方向に延びる平面視略矩形状に貫通する溝である。
【0073】
2つの保持部56は、それぞれ、対応するガイド溝55を左右方向に跨ぐように配置されている。保持部56は、左右方向に延び、上方が開放された略角筒形状を有している。
【0074】
2つの第1挿通穴57は、
図2に示すように、左右方向に互いに間隔を空けて、被覆部51の左方部分における左右方向略中央と、被覆部51の右方部分における左右方向略中央とに配置されている。第1挿通穴57は、被覆部51の上壁の後端部を、左右方向に延びる平面視略矩形状に貫通している。
【0075】
第1摺擦部52は、
図2および
図6Aに示すように、被覆部51の後壁の下端部から後上方へ湾曲するように延びている。第1摺擦部52は、左右方向に延び、その左右方向両端部が閉鎖された側面視略扇形の部分円筒形状を有している。第1摺擦部52の右端部は、
図2に示すように、左右方向において、被覆部51の右端部よりも左方に位置しており、第1摺擦部52の左端部は、左右方向において、被覆部51の左端部よりも右方に位置している。第1摺擦部52は、
図2および
図4Aに示すように、ガイドリブの一例としての複数の第1ガイドリブ52Aを備えている。
【0076】
複数の第1ガイドリブ52Aは、左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。第1ガイドリブ52Aは、第1摺擦部52の外周面から突出し、エンドレスベルト21の回転方向に沿って延びている。
【0077】
第2摺擦部53は、
図6Aに示すように、被覆部51の前壁の下端部から前上方へ湾曲するように延びている。第2摺擦部53は、左右方向に延び、その左右方向両端部が閉鎖された側面視略扇形の部分円筒形状を有している。なお、図示しないが、第2摺擦部53の右端部は、左右方向において、被覆部51の右端部よりも左方に位置しており、第2摺擦部53の左端部は、左右方向において、被覆部51の左端部よりも右方に位置している。第2摺擦部53は、
図4Aに示すように、ガイドリブの一例としての複数の第2ガイドリブ53Aを備えている。
【0078】
複数の第2ガイドリブ53Aは、左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。第2ガイドリブ53Aは、第2摺擦部53の外周面から突出し、エンドレスベルト21の回転方向に沿って延びている。
【0079】
そして、ステイカバー29は、
図3Aおよび
図6Aに示すように、被覆部51の内方に、上記したステイ25、反射板26、ハロゲンヒータ27、および、ニップ板28を受け入れている。このとき、ニップ板28の3つの第2爪部48が、ステイカバー29の被覆部51の図示しない被係合部に対して係合し、ステイ25の2つの立設部42のそれぞれが、対応する第1挿通穴57に対して、下方から挿通されることにより、ステイ25、反射板26、ハロゲンヒータ27、および、ニップ板28が、ステイカバー29に対して位置決めされている。
【0080】
押えカバー32は、
図2および
図3Aに示すように、ステイカバー29と同一材料からなり、左右方向に延び、下方が開放された略角筒形状を有している。押えカバー32は、2つの被係合部の一例としての押え部73と、2つの第2挿通穴74とを備えている。
【0081】
2つの押え部73は、それぞれ、押えカバー32の上壁の左右方向両端部に配置されている。押え部73は、左右方向に延び、下方が開放された略角筒形状を有している。
【0082】
2つの第2挿通穴74は、それぞれ、左右方向に間隔を空けて、押えカバー32の左方部分における左右方向略中央と、押えカバー32の右方部分における左右方向略中央とに配置されている。第2挿通穴74は、押えカバー32の上壁の後端部を、左右方向に延びる平面視略矩形状に貫通している。
【0083】
そして、押えカバー32は、
図3Aおよび
図5Aに示すように、その内部に、ステイカバー29の被覆部51を受け入れるようにして、ステイカバー29に対して組み付けられている。
【0084】
また、
図2に示すように、2つの第2挿通穴74のそれぞれが、ステイカバー29の対応する第1挿通穴57と、上下方向において、重なっている。これにより、
図3Aに示すように、ステイ25の2つの立設部42のそれぞれが、対応する第2挿通穴74に対して下方から挿通されている。
【0085】
そして、線材からなる2つの止めピン76のそれぞれが、対応する立設部42の貫通穴43に挿通されることにより、押えカバー32が、ステイカバー29を挟むようにして、ステイ25に対して固定されている。
【0086】
なお、ステイカバー29と、押えカバー32とが、併せて、フレームの一例として構成されている。
【0087】
2つのベルトガイド30は、それぞれ、押えカバー32の左右方向外方に配置されている。ベルトガイド30は、
図2および
図3Aに示すように、規制部61と、内面ガイド62と、係合部68と、突出部63と、2つの被ガイド部および突起の一例としてのガイド突起64とを一体として備えている。
【0088】
規制部61は、
図2に示すように、左右方向に厚みを有する側面視略矩形の略板状を有している。規制部61は、第1規制部61Aと、第2規制部61Bと、凹部66を備えている。
【0089】
第1規制部61Aは、
図2および
図5Bに示すように、用紙搬送方向の下流側、つまり、規制部61の後端部に配置されている。第1規制部61Aは、下方に向かって延びた後、前方に屈曲する側面視略L字の略板状を有している。
【0090】
第2規制部61Bは、用紙搬送方向の上流側、つまり、規制部61の前端部に配置されている。第2規制部61Bは、下方に向かって延びる側面視略矩形の略板状を有している。
【0091】
凹部66は、
図2に示すように、規制部61を、その下端縁から、その略中央部にかけて、下方が開放された側面視略U字状に切り欠いている。凹部66の前後方向寸法は、ステイカバー29の被覆部51の前後方向寸法よりも大きい。
【0092】
内面ガイド62は、規制部61と接続されており、規制部61の上下方向略中央よりも上方における左右方向内面から、左右方向内方に向かって延び、下方が開放された略半円筒形状を有している。つまり、規制部61の第1規制部61A、および、第2規制部61Bは、上下方向において、内面ガイド62よりも第1摺擦部52、および、第2摺擦部53に近い位置に配置されている。なお、内面ガイド62の左右方向における内端面62Aは、第2面の一例として構成されており、内面ガイド62の外周面62Bは、第4面の一例として構成されている。また、内面ガイド62は、2つの折返し部67を備えている。
【0093】
2つの折返し部67は、それぞれ、
図2および
図6Aに示すように、内面ガイド62の前後方向両外方の下端部から、前後方向内方に向かって延びている。なお、前方の折返し部67の前後方向における内端面67Aが、第5面の一例として構成され、後方の折返し部67の前後方向における内端面67Aが、第6面の一例として構成されている。
【0094】
係合部68は、
図2および
図5Aに示すように、内面ガイド62の上端部における前後方向略中央の左右方向内面から、左右方向内方に突出している。係合部68は、
図5Aおよび
図5Bに示すように、下方が開放された略角筒形状を有している。係合部68の前後方向寸法は、押え部73の前後方向寸法よりも小さい。
【0095】
突出部63は、
図2および
図4Aに示すように、規制部61における凹部66の上方に配置されている。突出部63は、規制部61の左右方向外面から外方に向かって突出しており、上方から見て、前後方向中央から、前後方向外方に向かうにつれて、左右方向内方に湾曲する湾曲面Cを備えている。
【0096】
湾曲面Cは、互いに異なる角度を有する複数の面が連続することにより構成される曲面であり、第1面の一例として構成されている。
【0097】
2つのガイド突起64は、
図2および
図6Aに示すように、ベルトガイド30の前後方向略中央において、互いに前後方向に間隔を空けて配置されている。ガイド突起64は、内面ガイド62の内周面の前後方向略中央、および、規制部61の内周面の前後方向略中央から、下方に向かって突出している。ガイド突起64は、左右方向に延びる正面視略矩形の略板状のリブである。なお、2つのガイド突起64の前後方向における間隔は、保持部56の前後方向寸法よりも大きく、ガイド溝55の前後方向寸法よりも小さい。なお、ガイド突起64の下面64Aは、第3面の一例として構成されている。また、前方のガイド突起64の前面64Bが第5面の一例として構成されており、後方のガイド突起64の後面64Cが第6面の一例として構成されている。
【0098】
そして、2つのベルトガイド30は、それぞれ、そのガイド突起64が、ステイカバー29のガイド溝55に受け入れられ、その係合部68が、押えカバー32の対応する押え部73に受け入れられるように、ステイカバー29に組み付けられている。
【0099】
これにより、前方のガイド突起64の前面64Bがガイド溝55の前端縁と向かい合い、後方のガイド突起64の後面64Cがガイド溝55の後端縁と向かい合っている。
【0100】
また、ベルトガイド30は、
図3Aおよび
図6Aに示すように、内面ガイド62の後下端部が、第1摺擦部52の上端部と、上下方向において向かい合い、内面ガイド62の前下端部が、第2摺擦部53の上端部と、上下方向において向かい合っている。
【0101】
また、ベルトガイド30は、
図5Bに示すように、第1規制部61Aが、第1摺擦部52の左右方向端部と、左右方向において向かい合い、第2規制部61Bが、第2摺擦部53の左右方向端部と、左右方向において向かい合っている。なお、第1規制部61Aの下端部は、ニップ板28よりも下方に位置しており、左右方向から見て、ニップ板28の後端部と重なっている。また、第2規制部61Bの下端部は、左右方向から見て、ニップ板28の前端部よりも前上方に位置している。
【0102】
そして、
図6Aに示すように、ガイド突起64の下面64Aは、ステイ25の上壁と、上下方向において向かい合っている。
【0103】
また、
図5Aに示すように、係合部68の上面68Aは、押え部73の上壁と、上下方向において向かい合っている。
【0104】
また、
図5Bに示すように、係合部68の前後方向両端は、前後方向において、押え部73の内面と、わずかに間隔を空けて向かい合っている。
【0105】
また、
図5Aに示すように、内面ガイド62の内端面62Aは、左右方向において、押え部73の左右方向外端部と向かい合っている。
【0106】
また、
図6Aに示すように、2つの折返し部67のそれぞれの内端面67Aは、ステイカバー29の被覆部51の前後方向外端面と向かい合っている。言い換えると、2つの折返し部67の内端面67Aは、前後方向において、ステイカバー29を挟むように向かい合っている。
【0107】
こうして、ベルトガイド30は、ガイド溝55によって、
図6Bに示すように、ガイド突起64の下面64Aがステイ25の上壁に当接する第1位置と、
図6Aに示すように、ガイド突起64の下面64Aがステイ25の上壁から離間する第2位置とに、上下方向にガイドされるように、移動可能である。
【0108】
2つの付勢部材31は、
図2および
図6Aに示すように、それぞれ、加熱ユニット20の左右方向両端部であって、加熱ユニット20における前後方向略中央に配置されている。付勢部材31は、上下方向に沿って線材が螺旋状に巻回されるコイルばねである。付勢部材31は、2つのガイド突起64の間に配置されている。付勢部材31は、その下端部が保持部56の上面に当接するように収容され、その上端部がベルトガイド30の内面ガイド62の内周面に当接することにより、常には、ベルトガイド30を上方に向けて付勢している。言い換えると、付勢部材31は、ベルトガイド30の内面ガイド62の内周面の前後方向略中央を付勢しており、ベルトガイド30を、上方、すなわち、加熱ユニット20と加圧ローラ22との並び方向に沿って、加圧ローラ22から離れる方向に向けて付勢している。つまり、ガイド溝55は、付勢部材31によって、ベルトガイド30が第1位置から第2位置へ付勢された際の移動をガイドする。
【0109】
2つの対向部材34は、
図3Aに示すように、それぞれ、加熱ユニット20において、対応するベルトガイド30よりも左右方向外方に配置されている。なお、対向部材34は、
図4Bに示すように、装置本体2に備えられる押圧機構90からの押圧力を受けることにより、ニップ板28を加圧ローラ22に向けて押圧するように構成されている。対向部材34は、
図2に示すように、2つの脚部80と、連結部81とを備えている。
【0110】
2つの脚部80は、前後方向に互いに間隔を空けて配置されている。脚部80は、上下方向に延びる略角柱形状を有している。2つの脚部80の前後方向における間隔は、ステイカバー29の被覆部51の前後方向寸法よりも大きい。
【0111】
連結部81は、脚部80の上端部間を連結している。連結部81は、前後方向に延びる略角柱形状を有している。連結部81は、受部82と、受け入れ部83と、2つの位置決め突部84とを備えている。
【0112】
受部82は、連結部81の前後方向略中央における左右方向内方から上方に向かって突出している。受部82は、側面視略円弧形状を有している。つまり、受部82の周面は、曲面状を有している。受部82は、装置本体2の押圧機構90からの押圧力を受けるように構成されている。
【0113】
受け入れ部83は、連結部81の前後方向略中央から、上方に向かって窪んでいる。
【0114】
2つの位置決め突部84は、受け入れ部83を前後方向に跨ぐように、互いに間隔を空けて配置されている。位置決め突部84は、連結部81の下面から、下方に向かって突出する略円柱形状を有している。なお、2つの位置決め突部84の前後方向における間隔は、保持部56の前後方向寸法よりも大きく、ガイド溝55の前後方向寸法よりも小さい。
【0115】
また、対向部材34において、受け入れ部83よりも上方における左右方向内面を接触面の一例としての当接面Sとする。当接面Sは、平面状である。
【0116】
そして、2つの対向部材34のそれぞれは、
図4Aに示すように、対応するベルトガイド30の左右方向外方に向かい合うようにして、配置されている。具体的には、対向部材34は、
図2に示すように、2つの脚部80によって、ステイカバー29の被覆部51を前後方向において挟み、受け入れ部83が、保持部56を受け入れ、2つの位置決め突部84が、ガイド溝55に挿通されるようにして、ステイカバー29に対して組み付けられている。
【0117】
また、対向部材34は、
図4Aおよび
図4Bに示すように、ベルトガイド30の規制部61に対してわずかに間隔を空けて配置されており、当接面Sにおいて、ベルトガイド30の突出部63の湾曲面Cと左右方向において接触している。
【0118】
配線35は、
図2に示すように、加熱ユニット20の右方から延び、ハロゲンヒータ27に電力を供給するための導線である。配線35は、ステイカバー29と、押えカバー32との間を通るようにして、ハロゲンヒータ27の左右方向両端部の電極と接続されている。
(2)エンドレスベルト
エンドレスベルト21は、
図3Bおよび
図6Aに示すように、耐熱性と可撓性とを有するフィルムであり、左右方向に延びる筒形状を有している。エンドレスベルト21は、その内面がニップ板28の下面に接触するように、加熱ユニット20の周囲に巻回されており、右側面視反時計回りに周回移動するように構成されている。
【0119】
また、エンドレスベルト21の後下端部は、第1摺擦部52の周面にガイドされるように接触しており、エンドレスベルト21の前下端部は、第2摺擦部53の周面にガイドされるように接触している。
【0120】
そして、エンドレスベルト21の左右方向両端における上端部は、ベルトガイド30の内面ガイド62の外周面62Bに接触している。つまり、内面ガイド62が付勢部材31によって上方に付勢されていることにより、エンドレスベルト21には、張力が付与されている。
【0121】
なお、エンドレスベルト21の左右方向端部は、ベルトガイド30の規制部61の左右方向内面と向かい合っている。
(3)加圧ローラ
加圧ローラ22は、
図1に示すように、ゴムなどの弾性を有する材料からなり、左右方向に延びる略円柱形状を有している。加圧ローラ22は、加熱ユニット20のニップ板28との間で、エンドレスベルト21を挟むように、エンドレスベルト21の外周面に接触している。加圧ローラ22は、図示しない駆動源からの駆動力が入力されることにより、右側面視時計回りに回転するように、装置本体2に支持されている。
3.加熱ユニットおよびエンドレスベルトの組み立て
このような加熱ユニット20、およびエンドレスベルト21を組み立てるには、まず、
図6Aに示すように、ステイ25の内部に、反射板26、および、ハロゲンヒータ27を配置する。
【0122】
そして、ニップ板28の3つの第1爪部46のそれぞれを、ステイ25の対応する鉤状部40に引っ掛けるとともに、ニップ板28の貫通穴47に、ステイ25の延出部41を受け入れる。
【0123】
これにより、ステイ25に対して、反射板26、ハロゲンヒータ27、および、ニップ板28が組み付けられる。
【0124】
次いで、
図2および
図3Aに示すように、ステイカバー29を、2つの第1挿通穴57のそれぞれに、ステイ25の対応する立設部42が挿通されるように、ステイ25に対して組み付ける。
【0125】
そして、ステイカバー29の上壁の上方に、配線35を配置し、ハロゲンヒータ27の左右方向両端部の電極と接続させる。
【0126】
次いで、押えカバー32を、ステイカバー29との間で、配線35を挟むとともに、2つの第2挿通穴74のそれぞれに、対応するステイ25の立設部42が挿通されるように、ステイカバー29に対して組み付ける。
【0127】
そして、2つの止めピン76のそれぞれを、ステイ25の対応する立設部42の貫通穴43に挿通することにより、押えカバー32が、ステイカバー29を挟むようにして、ステイ25に対して固定される。
【0128】
次いで、
図3Bおよび
図4Aに示すように、組み付けられたステイ25、反射板26、ハロゲンヒータ27、ニップ板28、ステイカバー29、および、押えカバー32を、エンドレスベルト21に対して、左右方向の外方から挿入する。
【0129】
このとき、エンドレスベルト21の右端部は、押えカバー32の右端部よりも右方に配置され、エンドレスベルト21の左端部は、押えカバー32の左端部よりも左方に配置されるように、エンドレスベルト21を組み付ける。
【0130】
次いで、2つのベルトガイド30と、2つの付勢部材31とを、エンドレスベルト21の左右方向外方に位置するように、ステイカバー29に対して組み付ける。
【0131】
詳しくは、
図2および
図6Aに示すように、付勢部材31を保持部56内に配置し、ベルトガイド30の2つのガイド突起64が、ガイド溝55の左右方向外端部に嵌まるように、ベルトガイド30をステイカバー29に対して組み付ける。
【0132】
次いで、ベルトガイド30を、2つのガイド突起64がガイド溝55にガイドされるようにして、左右方向内方にスライド移動させる。
【0133】
これにより、
図5Aに示すように、内面ガイド62がエンドレスベルト21内に配置され、内面ガイド62の外周面62Bがエンドレスベルト21の内周面に当接するとともに、ベルトガイド30の係合部68が押え部73内に受け入れられる。
【0134】
次いで、
図3Aに示すように、2つの対向部材34を、対応するベルトガイド30の左右方向外方となるように配置し、ステイカバー29に対して、上方から組み付ける。
【0135】
すると、2つの脚部80によって、ステイカバー29の被覆部51を前後方向において挟み、2つの位置決め突部84が、ガイド溝55の左右方向外端部に挿通され、ベルトガイド30がステイカバー29に対して位置決めされる。
【0136】
これにより、
図4Aおよび
図4Bに示すように、対向部材34の当接面Sに対して、ベルトガイド30の突出部63の湾曲面Cが当接する。
【0137】
以上により、加熱ユニット20、および、エンドレスベルト21の組み立てが完了する。
4.定着装置の動作
上記した画像形成動作において、ハロゲンヒータ27の輻射熱により高温となるニップ板28によって、ニップ板28と加圧ローラ22との間のエンドレスベルト21が加熱される。
【0138】
そして、上記した画像形成動作が開始されると、加圧ローラ22は、装置本体2からの駆動力により、
図6Aおよび
図6Bに示すように、右側面視時計回りに回転する。すると、エンドレスベルト21は、加圧ローラ22の回転に従動して、右側面視反時計回りに周回移動する。つまり、エンドレスベルト21は、ニップ板28と加圧ローラ22との間を後方へ向かって移動する。
【0139】
このとき、エンドレスベルト21は、エンドレスベルト21と加圧ローラ22との間の用紙Pの通過や、加圧ローラ22の左右方向における圧力差により、左右方向にずれる場合がある。
【0140】
エンドレスベルト21は、左右方向にずれることにより、
図4Aおよび
図4Bに示すように、エンドレスベルト21の左右方向端部が、ベルトガイド30の規制部61の左右方向内面に対して、接触しながら周回する場合がある。
【0141】
このような場合には、ベルトガイド30の突出部63の湾曲面Cが、対向部材34の連結部81の当接面Sに当接していることにより、平面視において、当接面Sと湾曲面Cとの接触部分を支点として、ベルトガイド30が揺動する。
【0142】
なお、ベルトガイド30は、
図6Aに示すように、付勢部材31によって常には上方に付勢されていることにより、上下方向には移動せず、平面視においてのみ、揺動するように構成されている。
5.作用効果
(1)この定着装置5によれば、
図6Aに示すように、ベルトガイド30の内面ガイド62が、付勢部材31によって、エンドレスベルト21の内周面へ向かうように付勢されているので、エンドレスベルト21に張力を付与することができ、エンドレスベルト21が撓むことを抑制することができる。
【0143】
そのため、エンドレスベルト21の撓みを抑制しながら、ベルトガイド30の内面ガイド62によって、確実にエンドレスベルト21の左右方向端部をガイドすることができるので、エンドレスベルト21を安定して周回移動させることができる。
【0144】
また、
図2に示すように、規制部61は、内面ガイド62と接続されており、一体であるために、付勢部材31の付勢力により、内面ガイド62と共に移動するので、規制部61と、エンドレスベルト21の端部とを、常に向かい合わせることができる。
【0145】
そのため、規制部61の大きさを最小限にすることができるので、定着装置5の大型化を抑制することができる。
(2)また、この定着装置5によれば、
図6Aに示すように、付勢部材31によって、内面ガイド62が、ニップ板28と加圧ローラ22との並び方向に沿って、加圧ローラ22から離れるように付勢されることで、エンドレスベルト21に張力が付与される。
【0146】
つまり、エンドレスベルト21の撓みやすい部分、すなわち、エンドレスベルト21におけるニップ板28と加圧ローラ22とに挟まれていない部分に張力を付与することができるので、エンドレスベルト21が撓むことを確実に抑制することができる。
(3)また、この定着装置5によれば、
図6Aに示すように、ステイカバー29が、ベルトガイド30が付勢された際にベルトガイド30の移動をガイドするガイド溝55を備えているので、ベルトガイド30のガイド突起64がガイド溝55にガイドされることで、ベルトガイド30を上下方向に移動させることができる。
【0147】
そのため、付勢部材31による付勢によって、内面ガイド62を確実に、上下方向に沿って加圧ローラ22から離れるように付勢することができる。
(4)また、この定着装置5によれば、
図2および
図6Aに示すように、ガイド溝55にガイド突起64を嵌めるという簡易な構成により、ベルトガイド30を、ステイカバー29に対して、確実にガイドすることができる。
(5)また、この定着装置5によれば、
図2および
図6Aに示すように、ガイド突起64が左右方向に延びるリブであるので、ベルトガイド30が付勢された際に、ベルトガイド30の姿勢を安定させることができる。
【0148】
そのため、ベルトガイド30を、ステイカバー29に対して、より確実にガイドすることができる。
(6)また、この定着装置5によれば、
図6Aに示すように、ガイド突起64が2つ備えられていることにより、ベルトガイド30が付勢された際のベルトガイド30の姿勢をより安定させることができる。
(7)また、この定着装置5によれば、
図6Aに示すように、2つのガイド突起64の間に付勢部材31が配置されているので、ベルトガイド30を安定して付勢することができる。
(8)また、この定着装置5によれば、
図2および
図6Bに示すように、ステイ25は、金属材料からなるために、高い剛性を有している。
【0149】
そのため、ベルトガイド30が第1位置に位置するときには、ガイド突起64をステイ25に対して当接させて、ベルトガイド30のステイ25よりも下方への移動を規制することができる。
(9)また、この定着装置5によれば、
図6Aに示すように、ステイ25と内面ガイド62との間に付勢部材31を配置するという簡易な構成により、内面ガイド62を付勢して、エンドレスベルト21に張力を付与することができる。
【0150】
そのため、容易にエンドレスベルト21の撓みを抑制することができる。
(10)また、この定着装置5によれば、
図6Aに示すように、付勢部材31によって、内面ガイド62の略中央を付勢することで、効率良くエンドレスベルト21に張力を付与することができる。
(11)また、この定着装置5によれば、
図2および
図6Aに示すように、付勢部材31がばねであるので、簡易な構成により、内面ガイド62を付勢し、エンドレスベルト21に張力を付与することができる。
(12)また、この定着装置5によれば、
図2および
図6Aに示すように、ニップ板28自体に伝熱線などの構成を備えることなく、ハロゲンヒータ27によって、ニップ板28を間接的に加熱することができる。
6.第2実施形態
図7を参照して、本発明の定着装置5の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0151】
上記した第1実施形態の定着装置5では、付勢部材31は、
図6Aに示すように、前後方向略中央であって、その下端部がステイカバー29の被覆部51の保持部56に当接し、その上端部がベルトガイド30の内面ガイド62の内周面に当接するように配置されている。
【0152】
これに対して、本発明の第2実施形態の定着装置5では、付勢部材31は、1つのベルトガイド30に対して、2つ設けられており、内面ガイド62の後下端部と第1摺擦部52の上端部との間、および、内面ガイド62の前下端部と第2摺擦部53の上端部との間に、それぞれ配置されている。言い換えると、2つの付勢部材31は、エンドレスベルト21の周回方向の下流側および上流側にそれぞれ配置されている。
【0153】
この第2実施形態の定着装置5によれば、2つの付勢部材31を用いて、バランスよくエンドレスベルト21に張力を付与することができる。