(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、下記の実施形態1〜3は、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0027】
[実施形態1]
図1は、実施形態1における通信システム100の概略図である。
図1に示される通信システム100は、複合機10と、携帯端末50と、カード70と、サーバ装置80との一部又は全部で構成される。この通信システム100は、サービス提供装置110からサービスの提供を受けるためのシステムである。複合機10、携帯端末50、サーバ装置80、及びサービス提供装置110は、通信ネットワークを介して相互に通信可能とされている。通信ネットワークの具体例は特に限定されないが、例えば、インターネット101、有線LAN(Local Area Networkの略)、無線LAN102、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
【0028】
複合機10は、無線LAN102に属している。また、無線LAN102は、不図示のルータ等を通じてインターネット101に接続されている。また、携帯端末50は、不図示の基地局を通じてインターネット101に接続されている。さらに、サーバ装置80及びサービス提供装置110は、インターネット101に接続されている。なお、「無線LAN102に属する」とは、無線LAN102に属するための設定がされており、無線LAN102に属する他の装置と通信可能であることを指す。より詳細には、複合機10には、無線LAN102のアクセスポイント102Aと同じSSIDが設定されており、無線LAN102に割り当てられたネットワークアドレスが付与されている。
【0029】
また、複合機10は、アクセスポイント102A及び不図示のルータからインターネット101を経由して、サーバ装置80及びサービス提供装置110と通信することができる。また、携帯端末50は、不図示の基地局からインターネット101を経由して、サーバ装置80及びサービス提供装置110と無線通信することができる。インターネット101を経由した通信は、通信機器を経由した外部装置との通信である間接通信の一例である。さらに、複合機10と携帯端末50とは、インターネット101を経由せずに無線通信することができる。インターネット101を経由しない通信は、通信機器を経由しない外部装置との無線通信である直接通信の一例である。不図示のルータ及び基地局は、通信機器の一例である。
【0030】
なお、無線通信とは、通信区間の全域において無線通信が行われていることに限定されない。すなわち、「アクセスポイント102Aを経由して複合機10が情報或いはデータを無線送信或いは無線受信する」とは、複合機10とアクセスポイント102Aとの間において無線通信を実行できていればよい。携帯端末50についても同様である。
【0031】
[複合機10]
複合機10は、
図2(A)に示されるように、プリンタ部11と、スキャナ部12と、表示部23と、操作部24と、Wi−Fi(Wi−Fi Allianceの登録商標)通信部25と、NFC(Near Field Communicationの略)通信部26と、CPU31と、記憶部32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を介して相互に接続されている。複合機10は、画像形成装置の一例である。プリンタ部11及びスキャナ部12は、画像を形成する画像形成部の一例である。Wi−Fi通信部25は、通信部の一例である。NFC通信部26は、近接通信部の一例である。
【0032】
[プリンタ部11、スキャナ部12]
プリンタ部11は、画像データで示される画像を記録用紙に記録する記録処理を実行する。記録用紙は、シート或いは記録媒体の一例である。プリンタ部11の記録方式として、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ部12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン処理を実行する。複合機10は、FAXの送受信を行うFAX機能、記録用紙に記録された画像を読み取って他の記録用紙に記録するコピー機能等をさらに有してもよい。
【0033】
[表示部23]
表示部23は、各種情報を表示する表示画面を備える。表示部23としては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
【0034】
[操作部24]
操作部24は、表示部23の表示画面に表示されたオブジェクトを選択するユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作部24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されてもよい。
【0035】
なお、「オブジェクト」とは、ユーザが操作部24を操作することによって選択可能な画像を指す。一例として、オブジェクトは表示部23に表示された文字列であって、操作部24の方向キーを押下することによってオブジェクトの1つがハイライト表示され、操作部24の決定ボタンを押下することによってハイライト表示されたオブジェクトが選択されてもよい。他の例として、操作部24がタッチパネルである場合のオブジェクトは表示部23に表示されたアイコン、ボタン、リンク等であって、タッチ位置に表示されたオブジェクトが選択されてもよい。
【0036】
タッチパネルとして実現される操作部24は、表示部23の表示画面をタッチするユーザ操作を受け付ける。また、操作部24は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、表示画面の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとしたx−y平面上の座標(x,y)として表現できる。タッチセンサには、静電容量方式、抵抗膜方式等の周知の方式を採用することができる。
【0037】
なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。すなわち、タッチした入力媒体を所定時間内に表示画面から離間させるタップ操作、タッチした入力媒体を表示画面上で静止させるロングタッチ操作、タッチした入力媒体を表示画面上でスライドさせるスライド操作、表示画面上をスライドする入力媒体の加速度が閾値以上であるフリック操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに近づける向きにスライドさせるピンチイン操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに離れる向きにスライドさせるピンチアウト操作等は、タッチの一例である。
【0038】
また、入力媒体が表示画面に触れていなくても、表示画面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させることを、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。
【0039】
[Wi−Fi通信部25]
Wi−Fi通信部25は、外部装置と無線通信を行うためのインタフェースである。具体的には、Wi−Fi通信部25は、携帯端末50、サーバ装置80、及びサービス提供装置110と間接通信することができ、携帯端末50と直接通信することができる。Wi−Fi通信部25は、例えば、IEEE802.11規格に準拠した手順で通信を行う。この場合の間接通信とはインフラストラクチャモードによる通信を指し、直接通信とはアドホックモードによる通信或いはWi−Fiダイレクトによる通信を指す。
【0040】
[NFC通信部26]
NFC通信部26は、NFC規格に準拠した近接無線方式で無線通信を行うためのインタフェースである。NFC通信部26を通じた外部装置との無線通信は、直接通信或いは近接無線通信の一例である。NFC通信部26には、外部装置との間で受け渡すための情報を記憶する記憶部を有するICチップが搭載されている。NFC規格は、近接無線通信プロトコルの一例である。また、近接通信プロトコルの他の例として、TransferJet(TransferJet コンソーシアムの登録商標)等を採用してもよい。
【0041】
なお、本明細書において、NFC規格に準拠した手順で通信可能な機器を「NFC機器」と表記し、NFC規格に準拠した手順でする通信を「NFC通信」と表記する。すなわち、複合機10、携帯端末50、及びカード70は、NFC機器の一例である。複合機10及び携帯端末50は、P2P(Peer to Peerの略)モード、Readerモード、Writerモード、及びCE(Card Emulationの略)モードのいずれかで動作する。また、本明細書では、Readerモード及びWriterモードを合わせて、「R/Wモード」と記載することがある。
【0042】
P2Pモードは、一対のNFC機器の間で双方向通信を実行するためのモードである。NFCフォーラムによって定められるISO/IEC 1443に規定されるTypeAのNFC機器、及びISO/IEC 18092に規定されるTypeFのNFC機器は、P2Pモードで動作することができる。一方、ISO/IEC 1443に規定されるTypeBのNFC機器は、P2Pモードで動作することができない。
【0043】
R/Wモード及びCEモードは、一対のNFC機器の間で単方向通信を実行するためのモードである。CEモードは、NFC機器がNFCフォーラムによって定められた形式である「カード」のふりをして動作するためのモードである。なお、カード70はNFC規格に準拠したカードとして動作する。本明細書においては、NFC機器がCEモードで動作することも、NFC規格に準拠したカードとして動作することも、便宜上、CEモードで動作しているように表記することがある。TypeA、TypeF、及びTypeBのNFC機器は、CEモードで動作することができる。Readerモードは、CEモードで動作するNFC機器から情報等を読み出すためのモードである。Writerモードは、CEモードで動作するNFC機器に各種情報を書き込むためのモードである。
【0044】
実施形態1では、複合機10がR/Wモードで動作し、カード70がCEモードで動作する例を中心に説明する。すなわち、R/Wモードで動作する複合機10は、CEモードで動作するカード70から情報等を読み出し、且つカード70に情報等を書き込むことができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、複合機10がCEモードで動作し、カード70がR/Wモードで動作してもよいし、複合機10及びカード70との両方がP2Pモードで動作してもよい。なお、複合機10と携帯端末50とがNFC通信を行う場合も同様である。
【0045】
実施形態1における複合機10のNFC通信部26は、Poll動作を実行する。Poll動作とは、所定の時間間隔でポーリング信号を繰り返し出力し、当該ポーリング信号の応答であるレスポンス信号を監視する動作である。一方、実施形態1におけるカード70のNFC通信部73は、Listen動作を実行する。Listen動作とは、ポーリング信号を監視し、ポーリング信号を受信したことを条件としてレスポンス信号を出力する動作である。
【0046】
カード70と複合機10とが接近したことによって、複合機10のNFC通信部26が出力したポーリング信号をカード70のNFC通信部73が受信し、カード70のNFC通信部73が出力したレスポンス信号を複合機10のNFC通信部26が受信すると、NFC規格に従った所定の手順により、複合機10とカード70との間にNFC方式の通信リンク(以下、「NFCリンク」と表記する)が確立される。以降、複合機10とカード70とは、このNFCリンクを通じて情報等を送受信する。
【0047】
但し、複合機10とカード70との関係は前述の例に限定されない。例えば、複合機10のNFC通信部26がListen動作を実行し、カード70のNFC通信部73がPoll動作を実行してもよい。この場合、カード70と複合機10とが接近したことによって、カード70のNFC通信部73が出力したポーリング信号を複合機10のNFC通信部26が受信し、複合機10のNFC通信部26が出力したレスポンス信号をカード70のNFC通信部73が受信すると、複合機10とカード70との間にNFCリンクが確立される。
【0048】
[CPU31]
CPU(Central Processing Unitの略)31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、操作部24から出力される各種情報、及びWi−Fi通信部25やNFC通信部26を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムを記憶部32から取得して実行する。すなわち、CPU31及び記憶部32は、装置制御部の一例を構成する。
【0049】
[記憶部32]
記憶部32は、プログラム記憶領域32Aと、データ記憶領域32Bとを有する。プログラム記憶領域32Aには、OS(Operating Systemの略)34と、制御プログラム35とが格納される。OS34及び制御プログラム35は、バイナリ形式にビルドされたプログラムである。なお、制御プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。データ記憶領域32Bには、制御プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。記憶部32は、装置記憶部の一例である。
【0050】
なお、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
【0051】
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32“というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10“というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
【0052】
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
【0053】
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memoryの略)、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
【0054】
なお、記憶部32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0055】
プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、CPU31によって実行される。しかしながら、本明細書では、CPU31を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムAが処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「CPU31がプログラムAに記述された処理Aを実行する」ことを指してもよい。
【0056】
OS34は、複合機10を構成するハードウェアであるプリンタ部11、スキャナ部12、表示部23、操作部24、Wi−Fi通信部25、及びNFC通信部26等を制御するためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供する基本プログラムである。すなわち、上記の各プログラムは、OS34が提供するAPIを呼び出すことによって、各ハードウェアを制御する。しかしながら、本明細書では、OS34を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記述は、「プログラムBがOS34のAPIを通じてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。
【0057】
[携帯端末50]
携帯端末50は、
図2(B)に示されるように、表示部53と、操作部54と、移動体通信部55と、NFC通信部56と、CPU61と、記憶部62と、通信バス63とを主に備える。移動体通信部55は、通信部の一例である。NFC通信部56は、近接通信部の一例である。CPU61及び記憶部62は、端末制御部の一例を構成する。記憶部62は、端末記憶部の一例である。携帯端末50に含まれる表示部53、操作部54、NFC通信部56、CPU61、記憶部62、及び通信バス63は、複合機10に含まれる表示部23、操作部24、NFC通信部26、CPU31、記憶部32、及び通信バス33と共通するので、再度の説明は省略する。
【0058】
移動体通信部55は、通信事業者が提供する不図示の移動体通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。不図示の移動体通信ネットワークは、インターネット101に接続されている。移動体通信部55は、例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Accessの略)、CDMA2000、或いはLTE(Long Term Evolutionの略)等の通信規格に従って無線通信する。なお、携帯端末50は、移動体通信部55に加えて、或いは移動体通信部55に代えて、Wi−Fi通信部を備えてもよい。携帯端末50が備えるWi−Fi通信部の機能は、複合機10が備えるWi−Fi通信部25と共通する。
【0059】
[カード70]
カード70は、
図3(A)に示されるように、CPU71と、記憶部72と、NFC通信部73とを備える。記憶部72は、当該カード70に割り当てられたカードIDを記憶する。カードIDは、識別情報の一例である。カード70に含まれるCPU71、記憶部72、及びNFC通信部73は、複合機10に含まれるCPU31、記憶部32、及びNFC通信部26と共通するので、再度の説明は省略する。CPU71、記憶部72、及びNFC通信部73は、例えば、集積回路に実装されている。カード70は、携帯端末の他の例である。
【0060】
[サーバ装置80]
サーバ装置80は、
図3(B)に示されるように、通信部85と、CPU91と、記憶部92と、通信バス93とを主に備える。CPU91及び記憶部92は、サーバ制御部の一例を構成する。記憶部92は、サーバ記憶部の一例である。サーバ装置80に含まれる通信部85、CPU91、記憶部92、及び通信バス93は、複合機10に含まれるWi−Fi通信部25、CPU31、記憶部32、及び通信バス33と共通するので、再度の説明は省略する。
【0061】
データ記憶領域92Bは、例えば
図4(A)に示されるように、カードIDと、カードIDに対応付けたPIN(Personal Identification Numberの略)とを記憶することができる。PINは、サービス提供装置110からサービスの提供を受けることが許可されたことを示す認証情報の一例である。以下、データ記憶領域92Bに対応付けて記憶されたカードID及びPINは、カードID情報と表記される。
【0062】
[サービス提供装置110]
サービス提供装置110は、複合機10にサービスを提供する装置である。実施形態1に係るサービス提供装置110は、複合機10の状態を管理する状態管理サービスを提供する。状態管理サービスは、複合機10の状態を示す情報(例えば、ページカウントを示す情報、インクの残量を示す情報等)を複合機10から受信し、その情報を管理し、管理した情報が示す状態に適した各種のお知らせを複合機10に送信するサービスである。また、サービス提供装置110は、例えば、アップロードされたデータを記憶するサービス、記憶しているデータをダウンロードするサービス、或いはデータの形式を変換するサービス等を提供してもよい。
【0063】
サービス提供装置110は、例えば
図4(B)に示されるように、ユーザ情報と、PINと、マシン情報と、収集データとを対応付けて、対応付けられたユーザ情報、PIN、マシン情報、及び収集データを記憶することができる。ユーザ情報は、カード70を所持するユーザを特定する情報である。マシン情報は、例えば、複合機10を一意に示すシリアル番号である。マシン情報は、複合機10を識別する装置識別情報の一例である。収集データは、複合機10で収集したデータである。収集データは、例えば、複合機10におけるインク或いはトナーの消費量を示すデータ、或いは複合機10で実行された記録処理で画像が記録された記録用紙の枚数を示す情報等である。
【0064】
[複合機10による、サーバ装置80との連携動作]
複合機10は、サーバ装置80と連携することによって実現される動作である連携動作をすることが可能である。連携動作は、連携動作の開始指示を操作部24を介して複合機10が受け付けることにより開始される。連携動作を開始すると、制御プログラム35は、連携動作中であることを示す連携情報をデータ記憶領域32Bに記憶させる。以下、連携情報がデータ記憶領域32Bに記憶されている状態、すなわち、複合機10がサーバ装置80と連携動作している状態を、便宜上、連携動作状態と表記する。また、連携情報がデータ記憶領域32Bに記憶されていない状態、すなわち、複合機10が連携動作状態でない状態を、便宜上、非連携動作状態と表記する。
【0065】
なお、複合機10の電源が投入されたときは、連携情報はデータ記憶領域32Bに記憶されていない。すなわち、複合機10は、電源投入直後において、非連携動作状態である。また、制御プログラム35は、複合機10の電源が投入されると、表示部23に待機画面を表示させる。待機画面を表示するための情報は、連携動作によってサーバ装置80から受信した情報ではない。待機画面には、連携動作の開始指示を受け付けるための連携動作アイコンが表示されている。そして、制御プログラム35は、連携動作アイコンの位置をタップするユーザ操作を操作部24を介して受け付けると、連携情報をデータ記憶領域32Bに記憶させ、HTTP通信によるリクエストとして連携開始情報を、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する。
【0066】
サーバ装置80は、複合機10から連携開始情報を受信すると、HTTP通信によるレスポンスとして指示情報を、通信部85を通じて複合機10に送信する。指示情報は、複合機10に実行させる処理を示す処理情報と、処理結果の返信先URL、すなわちサーバ装置80を示すURLとを、少なくとも含んでいる。
【0067】
複合機10は、サーバ装置80から指示情報を受信すると、受信した指示情報を解釈し、解釈結果に従った処理を実行する。そして、複合機10は、実行の結果得られる結果情報と、受信した指示情報に含まれていた識別情報とを含む返信情報を、指示情報に含まれる返信先URLが示す返信先に、HTTP通信によるリクエストとして送信する。
【0068】
サーバ装置80は、複合機10から返信情報を受信すると、受信した返信情報を解釈する。サーバ装置80は、どの返信先URLを用いて返信情報が送信されてきたのかを特定する。そして、複数の指示情報のテンプレートのうち、特定した返信先URLに対応するテンプレートを選択する。また、サーバ装置80は、返信情報に含まれる結果情報に従って、次回の指示情報に含ませる内容情報を取得する処理を実行する。また、サーバ装置80は、選択したテンプレートを編集することによって、取得した内容情報を含む指示情報を作成する。そして、サーバ装置80は、HTTP通信によるレスポンスとして、作成した指示情報を複合機10に送信する。
【0069】
複合機10は、新たな指示情報をサーバ装置80から受信すると、当該指示情報に含まれる処理情報に従った処理を実行する。そして、複合機10は、HTTP通信によるリクエストとして、新たな返信情報をサーバ装置80に送信する。サーバ装置80は、新たな返信情報に従った処理を実行し、さらに新たな指示情報を複合機10に送信する。このように、複合機10による連携開始情報の送信に始まり、指示情報と返信情報との通信の繰り返しによって、連携動作は実現される。
【0070】
また、制御プログラム35は、複合機10が連携動作状態であるときに、操作部24への操作入力が無い状態が所定時間続いたか否かを判断する。制御プログラム35は、肯定判断なら、連携情報をデータ記憶領域32Bから削除し、表示部23に待機画面を表示させる。すなわち、複合機10は、非連携動作状態となる。また、制御プログラム35は、複合機10が連携動作状態であるときに、操作部24の特定のキー(例えば、待機画面に戻ることを指示するキー)が押下されたか否かを判断する。制御プログラム35は、特定のキーが押下されたと判断すると、連携情報をデータ記憶領域32Bから削除し、表示部23に待機画面を表示させる。すなわち、複合機10は、非連携動作状態となる。
【0071】
指示情報は、例えば、表示部23に表示させる画面の内容(例えば、表示するテキスト、表示するアイコン等)を示す表示情報と、操作或いは情報を取得する情報取得手段(例えば、操作部24、Wi−Fi通信部25、NFC通信部26等)を示す取得手段情報と、画像形成する画像形成手段(例えば、プリンタ部11、スキャナ部12等)を示す画像形成手段情報と、HTTP通信による情報送信を指示する送信指示情報とのうち少なくともいずれかを含むXML(Extensible Markup Languageの略)ファイルであってもよい。表示情報、取得手段情報、画像形成手段情報、および、送信指示情報はそれぞれ、処理情報の一例である。
【0072】
複合機10の制御プログラム35は、指示情報を受信すると、指示情報に含まれる情報を解釈する。制御プログラム35は、指示情報に含まれる表示情報に従って、複合機10の表示部23に画面を表示させる。制御プログラム35は、指示情報に含まれる取得手段情報に示される情報取得手段を有効に設定する。例えば、制御プログラム35は、NFC通信部26をNFCリンクを通じた通信ができる状態にする。あるいは、制御プログラム35は、タップ操作を受け付けるためのアイコンを表示部23に表示させる。そして、制御プログラム35は、有効にした情報取得手段を通じて、操作を受け付け或いは情報を取得する。さらに、制御プログラム35は、指示情報に従って取得した情報をサーバ装置80に送信完了したら、指示情報の定義にしたがって有効に設定した情報取得手段を無効に設定する。または、制御プログラム35は、指示情報に定義された情報の取得が完了したら、指示情報の定義にしたがって有効に設定した情報取得手段を無効に設定する。
【0073】
制御プログラム35は、指示情報に含まれる画像形成手段情報に示される画像形成手段に、画像形成を実行させる。送信指示情報は、情報の返信先を示す返信先URLと、どの情報を送信するのかを示す情報指定情報とが含まれている。制御プログラム35は、返信先URLが示す返信先に、情報指定情報が示す情報をHTTP通信によって送信する。また、表示情報が含まれる指示情報に、その表示情報のシリアル番号が含まれていてもよい。この場合、制御プログラム35は、指示情報にいずれのシリアル番号が含まれているか判断し、判断したシリアル番号に対応する情報取得手段を特定してもよい。制御プログラム35は、特定した情報取得手段を通じて、操作を受け付け或いは情報を取得する。
【0074】
なお、一つの指示情報に含まれる返信先URLは、複数でもよい。一つの指示情報に、複数の処理情報と、複数の処理情報それぞれに対応する複数の返信先URLが含まれていてもよい。また、複合機10は、連携動作によって、サービス提供装置110が提供するサービスの提供を受けることもできる。具体的には、
図14、
図15等で説明する。
【0075】
なお、本明細書では、表示情報によって画面の内容が指示されることを、便宜的に、表示情報が画面の内容を定義している、という記述をすることもある。同様に、取得手段情報によって情報取得手段が指示されることを、便宜的に、取得手段情報が情報取得手段を定義している、という記述をすることもある。同様に、画像形成手段情報によって画像形成手段が指示されることを、便宜的に、画像形成手段情報が画像形成手段を定義している、という記述をすることもある。同様に、送信指示情報によって情報の送信が指示されることを、便宜的に、送信指示情報が情報の送信を定義している、という記述をすることもある。
【0076】
[NFC通信部26の制御と連携動作]
なお、制御プログラム35は、NFC通信部26を、近接無線方式による情報の受信(以下、「直接無線受信」と表記する。)が可能な受信可能状態、直接無線受信が不能な受信不能状態、近接無線方式による情報の送信(以下、「直接無線送信」と表記する。)が可能な送信可能状態、直接無線送信が不能な送信不能状態、に設定することができる。
【0077】
「受信可能状態」とは、NFC通信部26がNFCリンクを確立し、NFCリンクを介して送信されてきた情報を受信することが可能な状態である。「受信不能状態」とは、NFC通信部26がNFCリンクを確立しない状態、または、NFC通信部26がNFCリンクを確立するものの、確立したNFCリンクを介して情報を受信しない状態である。「送信可能状態」とは、NFC通信部26がNFCリンクを確立し、NFCリンクを介して情報を送信することが可能な状態である。「送信不能状態」とは、NFC通信部26がNFCリンクを確立しない状態、または、NFC通信部26がNFCリンクを確立するものの、確立したNFCリンクを介して情報を送信しない状態である。
【0078】
制御プログラム35は、NFCリンクの確立を許可することを示す設定値をNFC通信部26に入力することで、NFC通信部26を受信可能状態としてもよい。制御プログラム35は、NFC通信部26の電源を入れ、さらに、NFCリンクの確立を許可することを示す設定値と、NFCリンクを介して送信されてきた情報の受信を許可する設定値とを、NFC通信部26に入力することで、NFC通信部26を受信可能状態としてもよい。なお、実施形態1においては、NFCリンクの確立を許可することを示す設定値が入力されると、NFC通信部26は、Poll動作を実行する。
【0079】
なお、設定値の少なくともいずれかが予めNFC通信部26に記憶されているなら、制御プログラム35は、NFC通信部26の電源を入れた後、それら設定値の入力を省略してもよい。また、NFC通信部26の電源が予め入っている、もしくは、NFC通信部26が、NFCリンク確立の際に自動的に電源が入る方式であるなら、制御プログラム35は、NFC通信部26の電源を入れることを省略してもよい。
【0080】
制御プログラム35は、NFC通信部26の電源を入れ、さらに、NFCリンクの確立を許可することを示す設定値と、NFCリンクを介した情報の送信を許可する設定値とを、NFC通信部26に入力することで、NFC通信部26を送信可能状態としてもよい。なお、設定値の少なくともいずれかが予めNFC通信部26に記憶されているなら、制御プログラム35は、NFC通信部26の電源を入れた後、それら設定値の入力を省略してもよい。また、NFC通信部26の電源が予め入っている、もしくは、NFC通信部26が、NFCリンク確立の際に自動的に電源が入る方式であるなら、CPU31は、NFC通信部26の電源を入れることを省略してもよい。
【0081】
制御プログラム35は、NFC通信部26の電源を切ることで、NFC通信部26を受信不能状態で且つ送信不能状態としてもよい。制御プログラム35は、NFCリンクの確立を許可しないことを示す設定値をNFC通信部26に入力することで、NFC通信部26を受信不能状態で且つ送信不能状態としてもよい。実施形態1において、NFC通信部26は、Poll動作を停止する。また、制御プログラム35は、NFCリンクを介して送信されてきた情報の受信を許可しないことを示す設定値をNFC通信部26に入力することで、NFC通信部26を受信不能状態としてもよい。制御プログラム35は、NFCリンクを介した情報の送信を許可しないことを示す設定値をNFC通信部26に入力することで、NFC通信部26を送信不能状態としてもよい。
【0082】
制御プログラム35は、複合機10のセキュアプリント機能を有効にする設定値がデータ記憶領域32Bに記憶されているときに、ID情報及び印刷データをWi−Fi通信部25を通じて受信した場合、受信した印刷データの印刷処理を実行しない。そして、制御プログラム35は、受信したID情報及び印刷データを対応付けて、対応付けたID情報及び印刷データをデータ記憶領域32Bに記憶させる。さらに、制御プログラム35は、NFC通信部26を通じてID情報を受信すると、受信したID情報がデータ記憶領域32Bに記憶されているかを判断する。そして、制御プログラム35は、肯定判断であるとき、受信したID情報に対応する印刷データをデータ記憶領域32Bから読出し、読み出した印刷データの印刷処理を実行する。
【0083】
また、制御プログラム35は、複合機10のモバイルプリント機能を有効にする設定値がデータ記憶領域32Bに記憶されている場合に、NFC通信部26を通じてSSID及び印刷データの印刷指示を受信すると、SSIDに従ってWi−Fi接続する。そして、制御プログラム35は、印刷指示された印刷データをWi−Fi通信によって受信し、受信した印刷データの印刷処理を行う。
【0084】
さらに、制御プログラム35は、複合機10が連携動作状態であるときに、NFC通信部26を示す取得手段情報を含む指示情報をサーバ装置80から受信すると、NFC通信部26を通じてNFC機器から取得した情報をサーバ装置80に送信する。そのため、NFC通信部26を示す取得手段情報を含む指示情報をサーバ装置80から受信した状態で、NFC通信部26を通じてNFC機器から情報を取得すると、制御プログラム35は、取得した情報を、セキュアプリント機能或いはモバイルプリント機能で用いるべきか、連携動作のためにサーバ装置80に送信するべきか判断できない可能性がある。
【0085】
そこで、本明細書に記載の制御プログラム35は、連携情報がデータ記憶領域32Bに記憶されているか否かを判断する。制御プログラム35は、否定判断のとき、NFC通信部26を受信可能状態に設定する。そして、制御プログラム35は、セキュアプリント機能、あるいは、モバイルプリント機能を有効にする設定値がデータ記憶領域32Bに記憶されていれば、NFC通信部26を通じてNFC機器から取得した情報を用いて、セキュアプリント機能、あるいは、モバイルプリント機能を実行する。一方、制御プログラム35は、連携情報がデータ記憶領域32Bに記憶されていないとき、NFC機器から取得した情報をサーバ装置80に送信しない。
【0086】
一方で、制御プログラム35は、連携情報がデータ記憶領域32Bに記憶されていると判断した場合、NFC通信部26を受信不能状態に設定する。ただし、サーバ装置80からNFC通信部26を示す取得手段情報を含む指示情報を受信した場合に、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態に設定する。そして、制御プログラム35は、NFC通信部26を通じてNFC機器から取得した情報を、連携動作のためにサーバ装置80へ送信する。より詳細には、制御プログラム35は、NFC通信部26を通じてNFC機器から取得した情報を、指示情報に含まれる返信先URLが示す返信先、すなわちサーバ装置80へ、連携動作の返信情報として送信する。
【0087】
そして、返信情報を送信したことによって、受信した指示情報が定義する処理を完了したことになるので、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信不能状態に設定する。または、制御プログラム35は、指示情報に従ってNFC機器から情報を取得したことによって、NFC通信部26を受信不能状態に設定してもよい。一方、制御プログラム35は、連携情報がデータ記憶領域32Bに記憶されていると判断した場合、NFC通信部26を通じてNFC機器から取得した情報を用いて、セキュアプリント機能や、モバイルプリント機能を実行することはしない。
【0088】
なお、複合機10が非連携動作状態であるとき、制御プログラム35は、サーバ装置80から返信先URLを受信していないので、サーバ装置80へ返信情報を送信することはできない。また、複合機10が連携動作状態であっても、サーバ装置80から指示情報を受信していない状態では、制御プログラム35は返信先URLを保持していないので、サーバ装置80へ返信情報を送信することはできない。一方、サーバ装置80から指示情報を受信している状態なら、制御プログラム35は返信先URLを保持しているので、サーバ装置80へ返信情報を送信することができる。返信先URLをサーバ装置80から受信しており、サーバ装置80へ返信情報を送信できる複合機10状態を、便宜上、第1モードと記述する。返信先URLをサーバ装置80から受信しておらず、サーバ装置80へ返信情報を送信できない複合機10の状態を、便宜上、第2モードと記述する。
【0089】
[通信システム100の動作]
図5〜
図7を参照して、実施形態1に係る通信システム100の動作を説明する。
図5に示される処理は、カード70のカードIDと、当該カード70を所持するユーザのユーザ情報とを、情報処理端末を通じて、サービス提供装置110に登録する処理である。
図5に示される処理は、
図6に示される処理に先立って実行される。
図5に示される処理は、ユーザに対してカード70を発行するカード発行者によって実行されてもよいし、カード70を取得したユーザ自身によって実行されてもよい。
【0090】
まず、情報処理端末は、カード発行者からユーザ登録指示を受け付ける(S11)。情報処理端末は、カード発行者から取得したユーザ情報をサービス提供装置110に送信する(S12)。サービス提供装置110は、情報処理端末からユーザ情報を受信する(S12)。サービス提供装置110は、ユーザ情報を受信すると、カード70のユーザに割り当てるPINを発行する。また、サービス提供装置110は、受信したユーザ情報と、ユーザ情報に対応付けたPINとを、サービス提供装置110の記憶部に記憶させる(S13)。そして、サービス提供装置110は、発行したPINを情報処理端末に送信する(S14)。
【0091】
次に、情報処理端末は、サービス提供装置110からPINを受信する(S14)。また、情報処理端末は、カード70のカードIDを取得する(S15)。情報処理端末は、例えば、サービス提供装置110からPINを受信すると、カード70を情報処理端末にかざすことを促すメッセージを表示部に表示させ、かざされたカード70に記憶されているカードIDを近接無線通信によって取得すればよい。そして、情報処理端末は、カード70から取得したカードIDと、サービス提供装置110から受信したPINとを、サーバ装置80に送信する(S16)。また、情報処理端末は、サービス提供装置110から受信したPINを、表示部に表示させてもよいし、近接無線通信によってカード70に送信してもよい。
【0092】
次に、サーバ装置80は、カードID及びPINを通信部85を通じて情報処理端末から受信する(S16)。サーバ装置80は、受信したカードID及びカードIDに対応付けたPINをデータ記憶領域92Bに記憶させる(S17)。そして、サーバ装置80は、カードIDの登録が完了したことを示す登録完了情報を、通信部85を通じて情報処理端末に送信する(S18)。次に、情報処理端末は、サーバ装置80から登録完了情報を受信する(S18)。情報処理端末は、登録完了情報を受信すると、カード70のカードIDの登録が完了したことを示すメッセージを表示部に表示させる。
【0093】
カード発行者は、サービス提供装置110に登録されたカード70をユーザに引き渡す。また、カード発行者は、情報処理端末の表示部に表示されたPINを、カード70のユーザに通知してもよい。そして、カード70を取得したユーザは、
図6に示される処理において、カード70を利用することができる。
【0094】
図6に示される処理は、サーバ装置80から受信したPINを用いて、複合機10がサービス提供装置110からサービスの提供を受ける処理である。なお、制御プログラム35は、
図6に示される処理が実行される前、換言すれば、非連携動作状態において、NFC通信部26を受信可能状態に設定している。また、複合機10は第2モードになっている。
【0095】
まず、サーバ装置80の制御プログラム95は、例えば複合機10からのアクセスに応じて、通信部85を通じて複合機10に選択指示情報を送信する(S20)。選択指示情報は、サービス提供装置110から受けるサービスの選択を操作部24を介して受け付けることを指示するための情報である。選択指示情報は、例えば、サービス一覧画面を定義するXMLタグと、操作部24を介して選択操作を受け付けることを指示するXMLタグとを含む。一方、選択指示情報は、NFC通信部26を通じて情報を受信することを指示するXMLタグを含まない。選択指示情報に含まれるXMLタグ及びXMLタグに挟まれた情報は、内容情報の一例である。サーバ装置80が選択指示情報を送信する処理は、選択指示送信処理の一例である。
【0096】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から選択指示情報を受信する(S20)。制御プログラム35は、受信した選択指示情報に定義されたサービス一覧画面を表示部23に表示させる(S21)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信不能状態に設定する。複合機10が選択指示情報を受信する処理は、選択指示受信処理の一例である。
【0097】
図7(A)は、サービス一覧画面の一例である。サービス一覧画面は、状態管理サービスを表す[MPS]アイコンと、サービスAを表す[A]アイコンと、サービスBを表す[B]アイコンとを含む。そして、制御プログラム35は、サービス一覧画面に含まれるアイコンを選択する選択操作を操作部24が受付可能な状態にする。ステップS21の処理は、サービス提供装置110が提供する複数のサービスのうちの1つを選択する選択操作を操作部24を介して受け付ける選択受付処理の一例である。
【0098】
次に、制御プログラム35は、[MPS]アイコンの位置をタップする選択操作を操作部24を通じて受け付ける(S22)。制御プログラム35は、当該選択操作を受け付けると、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80にサービス要求情報を送信する(S23)。サービス要求情報は、選択操作によって選択されたサービスの提供を要求するための情報である。[MPS]アイコンのタップは、状態管理サービスを選択する選択操作の一例である。複合機10がサービス要求情報を送信する処理は、サービス要求処理の一例である。
【0099】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からサービス要求情報を受信する(S23)。制御プログラム95は、サービス要求情報を受信すると、通信部85を通じて複合機10にPIN取得指示情報を送信する(S24)。PIN取得指示情報は、近接通信によってカード70からカードIDを受信すること、及び操作部24を介してPINを取得することを複合機10に指示するための情報である。PIN取得指示情報は、例えば、受付画面を定義するXMLタグと、NFC通信部26を通じてカードIDを受信することを指示するXMLタグと、操作部24を介してPINの入力を受け付けることを指示するXMLタグとを含む。PIN取得指示情報に含まれるXMLタグ及びXMLタグに挟まれた情報は、内容情報の一例である。サーバ装置80がサービス要求情報を受信する処理は、要求受信処理の一例である。サーバ装置80がPIN取得指示情報を送信する処理は、取得指示処理の一例である。
【0100】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からPIN取得指示情報を受信する(S24)。制御プログラム35は、受信したPIN取得指示情報に定義された受付画面を表示部23に表示させる(S25)。
図7(B)は、カード70を複合機10に近づけることを促す受付画面の一例である。
図7(B)に示される受付画面は、「カードをかざすか、PINを入力して下さい。」とのメッセージと、操作部24を介して入力されたPINを表示するテキストボックスと、[OK]アイコンとを含む。複合機10がPIN取得指示情報を受信する処理は、取得指示受信処理の一例である。
【0101】
また、制御プログラム35は、ステップS25において、NFC通信部26を受信可能状態に設定する。また、複合機10は、第1モードになる。すなわち、制御プログラム35は、カード70に記憶されたカードIDをNFC通信部26が受信可能な状態とし、且つユーザが入力したPINを操作部24が受付可能な状態にする。ステップS25の処理は、状態変化処理の一例である。
【0102】
次に、制御プログラム35は、カード70とNFC通信部26との間でNFCリンクが確立されたこと、すなわち、複合機10とのNFC通信可能な範囲にカード70が近づけられたことに応じて、カード70が送信するカードIDをNFC通信部26を通じて受信する(S26)。NFCリンクの確立は、近接無線接続の一例である。カード70がカードIDを送信する処理は、近接送信処理、直接送信処理、及び第2送信処理の一例である。複合機10がカードIDを受信する処理は、直接受信処理及び近接受信処理の一例である。
【0103】
そして、制御プログラム35は、カード70から受信したカードIDを、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S27)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信不能状態に設定する。複合機10がカードIDを送信する処理は、識別情報送信処理の一例である。なお、ステップS26において、操作部24を介してPINが入力された場合の処理については、後述する。
【0104】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からカードIDを受信する(S27)。制御プログラム95は、受信したカードIDと一致するカードIDを含むカードID情報がデータ記憶領域92Bに記憶されているか否かを判断する(S28)。サーバ装置80がカードIDを受信する処理は、識別情報受信処理の一例である。ステップS28の処理は、判断処理の一例である。
【0105】
そして、制御プログラム95は、当該カードID情報がデータ記憶領域92Bに記憶されていないと判断した場合(S28:No)、通信部85を通じて複合機10にエラー情報を送信する(S29)。エラー情報は、サービスの提供が受けられないことを示す情報である。サーバ装置80がエラー情報を送信する処理は、エラー処理の一例である。また、図示は省略するが、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からエラー情報を受信する(S29)。そして、制御プログラム35は、受信したエラー情報の内容を表示部23に表示させる。その後、複合機10が非連携動作状態になると、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態に設定する。複合機10は第2モードになる。
【0106】
一方、サーバ装置80の制御プログラム95は、当該カードID情報がデータ記憶領域92Bに記憶されていると判断した場合(S28:Yes)、カードIDに対応付けてデータ記憶領域92Bに記憶されたPINと送信指示情報とを、通信部85を通じて複合機10に送信する(S30)。送信指示情報は、PINの送信先を示すURL、すなわち、サービス提供装置110のURLと、PINを示す情報指定情報とを含んでいる。サーバ装置80がPINと送信指示情報とを送信する処理は、通信指示処理の一例である。複合機10がPINを受信する処理は、認証情報受信処理の一例である。
【0107】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からPINと送信指示情報とを受信する(S30)。制御プログラム35は、受信したPINと複合機10のマシン情報とを、送信指示情報に含まれるURLが示す送信先、すなわち、サービス提供装置110にWi−Fi通信部25を通じて送信する(S31)。その後、複合機10が非連携動作状態になると、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態に設定する。複合機10は第2モードになる。ステップS31の処理は、登録処理の一例である。
【0108】
次に、サービス提供装置110は、PIN及びマシン情報を複合機10から受信する(S31)。次に、サービス提供装置110は、当該マシン情報及びマシン情報に対応付けたPINをサービス提供装置110の記憶部に記憶させる。また、サービス提供装置110は、PIN及びマシン情報と対応付けたトークンを発行する。そして、サービス提供装置110は、収集指示情報を複合機10に送信する(S32)。収集指示情報は、発行したトークンと、収集データの種類や送信タイミング等を示す情報とを含む。収集指示情報は、定期的な送信タイミングを示す情報であってもよい。
【0109】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサービス提供装置110から収集指示情報を受信する(S32)。複合機10の制御プログラム35は、受信した収集指示情報をデータ記憶領域32Bに記憶させる。そして、制御プログラム35は、収集指示情報で示される送信タイミングで収集データ及びトークンを、Wi−Fi通信部25を通じてサービス提供装置110に送信する(S33)。ステップS32はトークン受信処理の一例であり、ステップS33は収集処理の一例である。
【0110】
次に、サービス提供装置110は、複合機10から収集データを受信する(S33)。また、サービス提供装置110は、受信した収集データに基づいて生成されたお知らせデータを取得する(S34)。そして、サービス提供装置110は、取得したお知らせデータを複合機10に送信する(S35)。一方、制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサービス提供装置110からお知らせデータを受信する(S35)。制御プログラム35は、受信したお知らせデータで示される画像を、記録用紙に対してプリンタ部11に記録させてもよいし、表示部23に表示させてもよい。ステップS31〜S33の処理は、サービス提供装置110からサービスの提供を受けるサービス実行処理の一例である。
【0111】
一方、ユーザは、ステップS26において、カード70をかざすことに代えて、操作部24を通じてPINを入力することができる。そして、制御プログラム35は、PINを入力するユーザ操作と、受付画面に含まれる[OK]アイコンの位置をタップするユーザ操作とを、操作部24を介して受け付ける。制御プログラム35は、操作部24を介してユーザから受け付けた、すなわち、テキストボックスに表示されたPINを用いてステップS31以降の処理を実行する。すなわち、カード発行者から通知されたPINをユーザが手入力した場合、ステップS27〜S30の処理は、省略される。
【0112】
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、サービス提供装置110からサービスの提供を受けるためのカードIDをNFC通信によってカード70から受信することができるので、当該カードIDをユーザに入力させる手間を省くことができる。すなわち、複合機10がサービス提供装置110からサービスの提供を受けるためのユーザ操作が簡素化される。また、実施形態1によれば、セキュアプリント機能、モバイルプリント機能など、NFC通信部26から取得した情報を複合機10で利用する機能と、NFC通信部26から取得した情報をサーバ装置80に送信して連携動作を実現する機能と、を両立することができる。
【0113】
また、実施形態1によれば、事前にサーバ装置80に登録されたカードIDを記憶するカード70を所持するユーザに、サービス提供装置110が提供するサービスを受けさせることができる。なお、カード70に記憶される情報はカードIDに限定されず、PINであってもよい。すなわち、
図5に示される処理において、サーバ装置80に登録されたPINがカード70に記憶されてもよい。そして、制御プログラム35は、ステップS25において、NFC通信部26がカード70からカードID或いはPINを受信可能にしてもよい。
【0114】
なお、実施形態1では、
図6に示される処理の過程において、NFC通信部26の状態及び複合機10のモードの両方を切り替える例を説明した。しかしながら、NFC通信部26を常に受信可能状態とし、複合機10のモードのみを切り替えてもよい。例えば、第2モードだった複合機10が、サーバ装置80からID取得指示情報を受信したことに応じて第1モードとなり、カードIDをサーバ装置80に送信したことに応じて第2モードになってもよい。
【0115】
または、制御プログラム35は、NFC通信部26をP2Pモードで動作させてもよい。この場合の受信可能状態は、直接無線送信及び直接無線受信の両方が許容された状態である。一方、受信不能状態とは、直接無線送信が許容され、直接無線受信が規制された状態である。さらには、制御プログラム35は、NFC通信部26をCEモードで動作させてもよい。CEモードで動作するNFC通信部26の受信可能状態とは、例えば、Listen動作を実行している状態である。また、CEモードで動作するNFC通信部26の受信不能状態とは、例えば、Listen動作を停止している状態である。
【0116】
さらに、実施形態1に係る処理は、複合機10、カード70、及びサーバ装置80によって実現されるが、カード70に代えて、携帯端末50が用いられてもよい。そして、携帯端末50から複合機10に識別情報を送信する方法は、NFC通信に限定されない。複合機10及び携帯端末50は、例えば、Wi−Fiダイレクト接続するために必要な情報(例えば、SSID)をNFC通信によって送受信してもよい。そして、携帯端末50は、その情報を用いて複合機10とWi−Fiダイレクト接続し、Wi−Fiダイレクトによって複合機10に識別情報を送信してもよい。すなわち、複合機10及び携帯端末50の間で識別情報を送受信する手順の一部にNFC通信が用いられていればよい。
【0117】
[実施形態2]
次に、
図8〜
図14を参照して、実施形態2に係る通信システム100を説明する。なお、実施形態1との共通点の詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。実施形態2に係るカード70は、記憶部72に記憶されたカードIDをNFC通信部73を通じて送信することができれば、交通系ICカード或いは社員証等の任意のカードでもよい。
【0118】
また、実施形態2に係るサーバ装置80のデータ記憶領域92Bは、例えば、
図8(A)に示されるTB1と、
図8(B)に示されるTB2とを記憶している。TB1は、互いに対応付けられたサービスID、TempID、及びアカウント情報を記憶する。TB2は、互いに対応付けられたサービスID、アカウントID、カードID、アカウント情報、及びユーザ名を記憶する。なお、TB2には、カードIDに代えて、PINが対応付けられたレコードが含まれてもよい。TB2に含まれる各レコードは、カードID情報の他の例である。
【0119】
サービスIDは、サービス提供装置110が提供するサービスを識別するサービス識別情報の一例である。TempIDは、アカウント情報に対応付けてサーバ装置80で発行される一意な情報である。アカウントIDは、アカウント情報を識別するためにサーバ装置80で発行される一意な情報である。アカウント情報は、携帯端末50のユーザに対応付けてサービス提供装置110で発行された認証情報の一例である。ユーザ名は、TempIDに対応付けてユーザによって指定されたユーザの名称である。PINは、複合機10の操作部24を通じてユーザによって指定される。
【0120】
さらに、実施形態2に係るサービス提供装置110は、例えば、アップロードされた画像データを記憶するサービス、或いはプリンタ部11が記録用紙に記録する画像を示す画像データを複合機10にダウンロードさせるサービス等を提供する。なお、本実施形態において、サービスAのサービスIDを“001”とし、サービスBのサービスIDを“002”とする。
【0121】
図9に示される処理は、サーバ装置80から受信したアカウント情報を用いて、複合機10がサービス提供装置110からサービスの提供を受ける処理である。なお、制御プログラム35は、
図9に示される処理が実行される前、すなわち、複合機10が非連携動作状態であるときに、NFC通信部26を送信可能状態で且つ送信可能状態に設定している。また、
図9に示される処理が実行される前の複合機10は、第2モードである。
【0122】
まず、複合機10の制御プログラム35は、
図7(A)に示されるサービス一覧画面を表示部23に表示させる(S41)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信不能状態で且つ送信不能状態に設定する。そして、制御プログラム35は、例えば、[B]アイコンの位置をタップする選択操作を操作部24を介して受け付ける(S42)。制御プログラム35は、当該選択操作を受け付けると、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に一覧要求情報を送信する(S43)。このときの一覧要求情報は、複合機10のマシン情報と、サービスBのサービスID“002”とを含む。一覧要求情報は、サービス要求情報の他の例である。
【0123】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10から一覧要求情報を受信する(S43)。制御プログラム95は、受信した一覧要求情報に含まれるサービスIDをデータ記憶領域92Bに一時記憶させる。また、制御プログラム95は、一覧要求情報に含まれるサービスID及びマシン情報と対応付けられてTB2に記憶されたユーザ名を特定する。そして、制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10に選択指示情報を送信する(S44)。サーバ装置80が選択指示情報を送信する処理は、選択指示処理の一例である。
【0124】
選択指示情報は、特定されたユーザ名のうちの1つをユーザに選択させることを指示するための情報である。選択指示情報は、例えば、例えば、アカウント選択画面を定義するXMLタグと、操作部24を介して選択操作を受け付けることを指示するXMLタグとを含む。一方、選択指示情報は、NFC通信部26を通じて情報を受信することを指示するXMLタグを含まない。また、選択指示情報は、サービスID“002”及び複合機10のマシン情報に対応付けられてデータ記憶領域92Bに記憶されたアカウントID及びユーザ名を含む。選択指示情報に含まれるXMLタグ、XMLタグに挟まれた情報、サービスID、アカウントID、及びユーザ名は、内容情報の一例である。
【0125】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から選択指示情報を受信する(S44)。制御プログラム35は、受信した選択指示情報に定義されたアカウント選択画面を表示部23に表示させる(S45)。
図12(A)は、アカウント選択画面の一例である。
図12(A)に示されるアカウント選択画面は、選択指示情報に含まれるユーザ名が表示されたアイコンと、[新規追加]アイコンとを含む。そして、制御プログラム35は、アカウント選択画面に含まれるアイコンを選択する選択操作を操作部24が受付可能な状態にする。
【0126】
次に、制御プログラム35は、[ユーザA]アイコンの位置をタップする選択操作を操作部24を介して受け付ける(S46)。制御プログラム35は、選択操作を受け付けると、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80にサービス要求情報を送信する(S47)。サービス要求情報は、選択操作によって選択されたユーザAに対応するアカウントIDを含む。アカウントを選択する選択操作を操作部24が受け付ける処理は、選択受付処理の一例である。
【0127】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からサービス要求情報を受信する(S47)。制御プログラム95は、受信したサービス要求情報に含まれるアカウントIDと一致するアカウントIDを含むカードID情報に、カードIDが含まれているか、或いはPINが含まれているかを、TB2に基づいて判断する。カードID情報にカードIDが含まれていると判断した場合、制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10にカードID取得指示情報を送信する(S48)。カードID取得指示情報は、例えば、カードID受付画面を定義するXMLタグと、NFC通信部26を通じてカードIDを受信することを指示するXMLタグとを含む。カードID取得指示情報に含まれるXMLタグ及びXMLタグに挟まれた情報は、内容情報の一例である。
【0128】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からカードID取得指示情報を受信する(S48)。制御プログラム35は、受信したカードID取得指示情報に定義されたカードID受付画面を表示部23に表示させる(S49)。カードID受付画面は、カード70を複合機10に近づけることを促す画面である。カードID受付画面は、例えば、
図7(B)に示される受付画面からPINの入力に関する部分を省略したものである。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態に設定する。複合機10は、第1モードになる。すなわち、NFC通信部26は、カード70に記憶されたカードIDを受信可能な状態となる。
【0129】
次に、制御プログラム35は、カード70とNFC通信部26との間でNFCリンクが確立されたことに応じて、NFC通信部26を通じてカード70に記憶されたカードIDを受信する(S50)。制御プログラム35は、受信したカードIDをWi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S51)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信不能状態に設定する。
【0130】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からカードIDを受信する(S51)。制御プログラム95は、ステップS43で受信したサービスIDと一致するサービスIDと、ステップS47で受信したアカウントIDと一致するアカウントIDと、ステップS51で受信したカードIDと一致するカードIDとを全て含むカードID情報がデータ記憶領域92BのTB2に記憶されているか否かを判断する(S52)。
【0131】
そして、制御プログラム95は、当該カードID情報がデータ記憶領域92BのTB2に記憶されていないと判断した場合(S52:No)、通信部85を通じて複合機10にエラー情報を送信する(S53)。また、図示は省略するが、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からエラー情報を受信する(S53)。そして、制御プログラム35は、受信したエラー情報の内容を表示部23に表示させる。その後、複合機10が非連携動作状態になると、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態で且つ送信可能状態に設定する。複合機10は第2モードになる。
【0132】
一方、サーバ装置80の制御プログラム95は、当該カードID情報がデータ記憶領域92BのTB2に記憶されていると判断した場合(S52:Yes)、当該カードID情報に含まれるアカウント情報と送信指示情報とを、通信部85を通じて複合機10に送信する(S54)。送信指示情報は、アカウント情報の送信先を示すURL、すなわち、サービス提供装置110のURLと、アカウント情報を示す情報指定情報とを含んでいる。サーバ装置80がアカウント情報を送信する処理は、通信指示処理の他の例である。
【0133】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からアカウント情報を受信する(S54)。制御プログラム35は、受信したアカウント情報をデータ記憶領域32Bに記憶する。制御プログラム35は、データ記憶領域32Bに記憶したアカウント情報を用いてサービス提供装置110からサービスの提供を受ける(S55)。サービスの提供を受ける手順は、[スキャンアップロード処理]及び[ダウンロードプリント処理]で後述する。その後、複合機10が非連携動作状態になると、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態で且つ送信可能状態に設定する。複合機10は第2モードになる。複合機10がアカウント情報を受信する処理は、認証情報受信処理の一例である。ステップS55の処理は、サービス実行処理の一例である。なお、サービス実行処理で実行される処理の具体例として、スキャンアップロード処理及びダウンロードプリント処理を、
図14を参照して後述する。
【0134】
一方、サーバ装置80の制御プログラム95は、サービス要求情報に含まれるアカウントIDと一致するアカウントIDを含むカードID情報にPINが含まれていると判断した場合、カードID取得指示情報に代えてPIN取得指示情報を、通信部85を通じて複合機10に送信する(S48)。PIN取得指示情報は、例えば、PIN受付画面を定義するXMLタグと、操作部24を介してPINの入力を受け付けることを指示するXMLタグとを含む。一方、PIN取得指示情報は、NFC通信部26を通じて情報を受信することを指示するXMLタグを含まない。PIN取得指示情報に含まれるXMLタグ及びXMLタグに挟まれた情報は、内容情報の一例である。
【0135】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からPIN取得指示情報を受信する(S48)。制御プログラム35は、受信したPIN取得指示情報に定義されたPIN受付画面を表示部23に表示させる(S49)。PIN受付画面は、操作部24を介したPINの入力を促す画面である。PIN受付画面は、例えば、
図7(B)に示される受付画面からカード70に関する部分を省略したものである。
【0136】
そして、制御プログラム35は、PINを入力するユーザ操作を操作部24が受付可能な状態にする。一方、制御プログラム35は、PIN取得指示情報を受信しても、NFC通信部26を受信可能状態に設定しない。次に、制御プログラム35は、PINを入力するユーザ操作を操作部24を介して受け付ける(S50)。そして、制御プログラム35は、操作部24を介して受け付けたPINを、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S51)。
【0137】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からPINを受信する(S51)。そして、制御プログラム95は、ステップS43で受信したサービスIDと一致するサービスIDと、ステップS47で受信したアカウントIDと一致するアカウントIDと、ステップS51で受信したPINと一致するPINとを全て含むカードID情報がデータ記憶領域92BのTB2に記憶されているか否かを判断する(S52)。
【0138】
制御プログラム95は、当該カードID情報がTB2に記憶されていないと判断した場合(S52:No)、通信部85を通じて複合機10にエラー情報を送信する(S53)。また、図示は省略するが、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からエラー情報を受信する(S54)。そして、制御プログラム35は、受信したエラー情報の内容を表示部23に表示させる。
【0139】
一方、サーバ装置80の制御プログラム95は、当該カードID情報がTB2に記憶されていると判断した場合(S52:Yes)、当該カードID情報に含まれるアカウント情報を、通信部85を通じて複合機10に送信する(S54)。また、アカウント情報を受信した複合機10の制御プログラム35は、ステップS55の処理を実行する。
【0140】
[新規アカウント登録処理]
次に、アカウント選択画面に含まれる[新規追加]アイコンが選択された場合の処理を、
図10を参照して説明する。
図10に示される新規アカウント登録処理は、サーバ装置80のTB2に記憶されたアカウント情報に、複合機10のマシン情報を対応付けるための処理である。
【0141】
まず、複合機10の制御プログラム35は、[新規追加]アイコンの位置をタップする選択操作を操作部24を介して受け付ける(S61)。制御プログラム35は、選択操作を受け付けると、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に登録要求情報を送信する(S62)。登録要求情報は、マシン情報及びカードIDをサーバ装置80に登録することを要求するためのサービス要求情報の他の例である。複合機10が登録要求情報を送信する処理は、サービス要求処理の他の例である。
【0142】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10から登録要求情報を受信する(S62)。制御プログラム95は、登録要求情報を受信すると、通信部85を通じて複合機10にID取得指示情報を送信する(S63)。サーバ装置80が登録要求情報を受信する処理は、要求受信処理の他の例である。サーバ装置80がID取得指示情報及び後述するPIN取得指示情報を送信する処理は、取得指示処理の他の例である。
【0143】
ID取得指示情報は、TempIDの入力を操作部24を介して受け付けることを指示するための情報である。ID取得指示情報は、例えば、ID受付画面を定義するXMLタグと、操作部24を介してTempIDの入力を受け付けることを指示するXMLタグとを含む。一方、ID取得指示情報は、NFC通信部26を通じて情報を受信することを指示するXMLタグを含まない。ID取得指示情報に含まれるXMLタグ及びXMLタグに挟まれた情報は、内容情報の一例である。
【0144】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からID取得指示情報を受信する(S63)。制御プログラム35は、受信したID取得指示情報に定義されたID受付画面を表示部23に表示させる(S64)。複合機10がID取得指示情報及び後述するPIN取得指示情報を受信する処理は、取得指示受信処理の一例である。
【0145】
図12(B)は、ID受付画面の一例である。
図12(B)に示されるID受付画面は、「TempIDを入力して下さい。」とのメッセージと、操作部24を介して入力されたTempIDを表示するテキストボックスと、[OK]アイコンと、[新規発行]アイコンとを含む。そして、制御プログラム35は、TempIDを入力するユーザ操作を操作部24が受付可能な状態にする。ステップS64及び後述するステップS68の処理は、状態変化処理の他の例である。
【0146】
次に、制御プログラム35は、TempIDを入力するユーザ操作と、[OK]アイコンの位置をタップするユーザ操作とを、操作部24を介して受け付ける(S65)。そして、制御プログラム35は、操作部24を介してユーザから受け付けた、すなわち、テキストボックスに表示されたTempIDと、複合機10のマシン情報とを、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S66)。複合機10がTempID、マシン情報及び後述するカードIDを送信する処理は、識別情報送信処理及び第3送信処理の一例である。
【0147】
なお、制御プログラム35は、ステップS65において、当該TempIDに対応付けられるユーザ名の入力を操作部24を介してさら受け付けてもよい。そして、制御プログラム35は、ステップS66において、入力を受け付けたユーザ名をWi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80にさらに送信してもよい。または、ユーザ名の入力は、後述するステップS69で受け付けてもよい。
【0148】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からTempID及びマシン情報を受信する(S66)。サーバ装置80の制御プログラム95は、受信したTempID及びマシン情報をデータ記憶領域92Bに一時記憶させる。また、制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10にPIN取得指示情報を送信する(S67)。PIN取得指示情報は、例えば、
図6に示されるステップS24と共通であってもよい。サーバ装置80がTempID、マシン情報、及び後述するカードIDを受信する処理は、識別情報受信処理の他の例である。
【0149】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からPIN取得指示情報を受信する(S67)。制御プログラム35は、受信したPIN取得指示情報に従って、
図7(B)に示される受付画面を表示部23に表示させる(S68)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態に設定する。複合機10は第1モードになる。すなわち、制御プログラム35は、カード70に記憶されたカードIDをNFC通信部26が受信可能な状態にする。
【0150】
そして、制御プログラム35は、カード70とNFC通信部26との間でNFCリンクが確立されたことに応じて、NFC通信部26を通じてカード70からカードIDを受信する(S69)。制御プログラム35は、受信したカードIDをWi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S70)。一方、制御プログラム35は、ステップS69において、PINを入力するユーザ操作を操作部24を介して受け付けることもできる。この場合の制御プログラム35は、操作部24を介して受け付けたPINをWi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S70)。また、制御プログラム35は、カードID又はPINをサーバ装置80へ送信したことに応じて、NFC通信部26を受信不能状態で且つ送信不能状態に設定する。
【0151】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からカードIDを受信する(S70)。制御プログラム95は、ステップS43、S66で受信したサービスID及びTempIDに対応付けられたアカウント情報を、データ記憶領域92BのTB1から特定する。また、サーバ装置80の制御プログラム95は、特定したアカウント情報に対応付けてアカウントIDを発行する。アカウントIDはアカウント情報を一意に識別するIDである。アカウントIDは、例えば通し番号であってよい。そして、制御プログラム95は、特定したアカウント情報と、発行したアカウントIDと、ステップS65で受信したマシン情報と、ステップS70で受信したカードIDとを対応付けて、対応付けられたアカウント情報、アカウントID、マシン情報、及びカードIDをデータ記憶領域92BのTB2に記憶させる。
【0152】
一方、サーバ装置80の制御プログラム95は、ステップS70において、カードIDに代えてPINを、通信部85を通じて複合機10から受信することもできる。この場合の制御プログラム95は、特定したアカウント情報と、発行したアカウントIDと、ステップS65で受信したマシン情報と、ステップS70で受信したPINと、ステップS43で受信したサービスIDとを対応付けて、対応付けられたアカウント情報、アカウントID、マシン情報、PIN、及びサービスIDをデータ記憶領域92BのTB2に記憶させる。また、制御プログラム95は、ステップS71でカードIDまたはPINに対応付けられたアカウント情報を、通信部85を通じて複合機10に送信する(S72)。ステップS71の処理は、記憶制御処理の一例である。サーバ装置80がアカウント情報を送信する処理は、認証情報受信処理の他の例である。
【0153】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からアカウント情報を受信する(S72)。制御プログラム35は、受信したアカウント情報を、データ記憶領域32Bに記憶させる。そして、制御プログラム35は、データ記憶領域32Bに記憶されたアカウント情報を用いてサービス提供装置110からサービスの提供を受ける(S73)。その後、複合機10が非連携動作状態になると、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態で且つ送信可能状態に設定する。複合機10は第2モードになる。
【0154】
[新規アカウント発行処理]
次に、ID受付画面に含まれる[新規発行]アイコンが選択された場合の処理を、
図11を参照して説明する。
図11に示される新規アカウント発行処理は、サービス提供装置110によって発行されたアカウント情報と、当該アカウント情報に対応付けてサーバ装置80によって発行されたTempIDとを、サーバ装置80に記憶させる処理である。
【0155】
まず、複合機10の制御プログラム35は、ID受付画面に含まれる[新規発行]アイコンの位置をタップする選択操作を操作部24を介して受け付ける(S81)。複合機10の制御プログラム35は、選択操作を受け付けると、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に発行先要求情報を送信する(S82)。発行先要求情報は、新たなアカウント情報の発行先を示す発行先URLの送信を要求するための情報である。複合機10が発行先要求情報を送信する処理は、サービス要求処理の他の例である。
【0156】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10から発行先要求情報を受信する(S82)。制御プログラム95は、発行先要求情報を受信すると、通信部85を通じて複合機10に送信指示情報を送信する(S83)。サーバ装置80が送信指示情報を送信する処理は、送信指示処理の一例である。
【0157】
送信指示情報は、NFC通信部26を通じて携帯端末50に発行先URLを送信することを指示する情報である。送信指示情報は、例えば、発行先URLと、書込待機画面を定義するXMLタグと、NFC通信部26を通じて発行先URLを送信することを指示するXMLタグとを含む。発行先URLは、サービス提供装置110からサービスの提供を受けるために携帯端末50が接続すべき接続先を示す接続先情報の一例である。送信指示情報に含まれるXMLタグ及びXMLタグに挟まれた情報は、内容情報の一例である。
【0158】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から送信指示情報を受信する(S83)。制御プログラム35は、受信した送信指示情報に定義された書込待機画面を表示部23に表示させる(S84)。
図13(A)は、書込待機画面の一例である。
図13(A)に示される書込待機画面は、「スマートフォンをかざして下さい。」とのメッセージを含む。複合機10が送信指示情報を受信する処理は、送信指示受信処理の一例である。
【0159】
また、制御プログラム35は、NFC通信部26を送信可能状態に設定する。また、制御プログラム35は、送信指示情報に含まれる発行先URLを、データ記憶領域62Bの、NFC通信部26が参照可能な領域に記憶させる。送信可能状態に設定されたNFC通信部26は、携帯端末50とNFC通信部26との間でNFCリンクが確立されると、データ記憶領域62Bを参照して得られる情報を、当該NFCリンクを介して送信する。すなわち、制御プログラム35は、送信指示情報から抽出した発行先URLをNFC通信部26が携帯端末50に送信可能な状態にする。
【0160】
そして、制御プログラム35は、携帯端末50とNFC通信部26との間でNFCリンクが確立されたことに応じて、NFC通信部26を通じて携帯端末50に発行先URLを送信する(S85)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信不能状態に設定する。ステップS84の処理は、送信待機処理の一例である。複合機10が発行先URLを送信する処理は、第1送信処理の一例である。その後、複合機10が非連携動作状態になると、制御プログラム35は、NFC通信部26を受信可能状態で且つ送信可能状態に設定する。複合機10は、第2モードになる。
【0161】
次に、携帯端末50の制御プログラム65は、NFC通信部56を通じて複合機10から発行先URLを受信する(S85)。制御プログラム65は、受信した発行先URLで示される発行先に移動体通信部55を通じて発行要求情報を送信する(S86)。発行要求情報は、新たなアカウント情報の発行を要求するための情報である。携帯端末50が発行先URLを受信する処理は、近接受信処理の一例である。
【0162】
次に、サービス提供装置110は、携帯端末50から発行要求情報を受信する(S86)。サービス提供装置110は、発行要求情報を受信すると、新たなアカウント情報を発行する(S86)。サービス提供装置110は、ステップS86において、サービス提供装置110のユーザを一意に識別するアカウント情報を発行する。そして、サービス提供装置110は、リダイレクトURLを携帯端末50に送信する(S88)。リダイレクトURLは、アカウント情報に対応付けて発行されるTempIDの発行元であるサーバ装置80のロケーションを示す情報である。
【0163】
次に、携帯端末50の制御プログラム65は、移動体通信部55を通じてサービス提供装置110からリダイレクトURLを受信する(S88)。制御プログラム65は、受信した当該リダイレクトURLで示される発行元に、移動体通信部55を通じてID要求情報を送信する(S89)。ID要求情報は、新たなTempIDの発行を発行元であるサーバ装置80に要求するための情報である。
【0164】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて携帯端末50からID要求情報を受信する(S89)。制御プログラム95は、ID要求情報を受信すると、通信部85を通じてサービス提供装置110にアカウント要求情報を送信する(S90)。アカウント要求情報は、ステップS87で発行されたアカウント情報の送信を要求するための情報である。そして、サービス提供装置110は、アカウント要求情報をサーバ装置80から受信する。サービス提供装置110は、アカウント要求情報を受信すると、ステップS87で発行したアカウント情報をサーバ装置80に送信する(S91)。
【0165】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じてサービス提供装置110からアカウント情報を受信する(S91)。制御プログラム95は、アカウント情報を受信すると、TempIDを発行する。TempIDは、アカウント情報と複合機10とを関連づけるために、サーバ装置80が発行する情報である。TempIDは、アカウント識別情報の一例である。TempIDの有効期限は、例えば一日である。サーバ装置80は、有効期限内の他のTempIDと異なるTempIDを発行する。また、制御プログラム95は、ステップS43で複合機10から受信したサービスIDと、ステップS91でサービス提供装置110から受信したアカウント情報と、新たに発行したTempIDとを対応付けて、対応付けられたサービスID、アカウント情報、及びTempIDをデータ記憶領域92BのTB1に記憶させる(S92)。さらに、制御プログラム95は、アカウント情報に対応付けられたTempIDを、通信部85を通じて携帯端末50に送信する(S93)。
【0166】
次に、携帯端末50の制御プログラム95は、移動体通信部55を通じてサーバ装置80からTempIDを受信する(S93)。制御プログラム95は、受信したTempIDを表示部53に表示させる。ステップS86〜S93の処理は、接続先情報で示される要求先にアクセスすることによって、サーバ装置80からTempIDを受信するデータ受信処理の一例である。そして、表示部53に表示されたTempIDを見たユーザは、ステップS64〜S73の処理においてTempIDを利用することができる。
【0167】
[スキャンアップロード処理]
ここで、サービス実行処理の一例である、スキャンアップロード処理について記述する。まず、複合機10の制御プログラム35は、
図14(A)に示されるように、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に宛先要求情報及びアカウント情報を送信する(S101)。宛先要求情報は、画像データのアップロード先を示す宛先情報を要求する情報である。宛先情報は、例えば、URL(Uniform Resource Locatorの略)の形式であってもよい。
【0168】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10から宛先要求情報及びアカウント情報を受信する(S101)。サーバ装置80の制御プログラム95は、受信した宛先要求情報及びアカウント情報を、通信部85を通じてサービス提供装置110に送信する(S102)。本実施形態では、サービス提供装置110がアップロード先である。
【0169】
サービス提供装置110は、宛先要求情報及びアカウント情報を受信する。次に、サービス提供装置110は、受信したアカウント情報を認証する。サービス提供装置110は、アカウント情報の認証に成功すると、サーバ装置80に宛先情報を送信する(S103)。宛先情報は、サービス提供装置110自身のロケーションを示すURLを含む。なお、サービス提供装置110は、例えば、受信したアカウント情報に一致するアカウント情報が、サービス提供装置110の記憶部に記憶されている場合に、認証成功と判断してもよい。一方、サービス提供装置110は、例えば、受信したアカウント情報に一致するアカウント情報が、サービス提供装置110の記憶部に記憶されていない場合に、認証失敗と判断してもよい。他の場面における認証についても同様である。
【0170】
次に、制御プログラム95は、通信部85を通じてサービス提供装置110から宛先情報を受信する(S103)。制御プログラム95は、受信した宛先情報を通信部85を通じて複合機10に送信する(S104)。サービス提供装置110が宛先情報を送信する処理は、宛先指示処理の一例である。なお、サーバ装置80が受信する宛先要求情報と、サーバ装置80が送信する宛先要求情報とは、同一形式であってもよいし、異なる形式であってもよい。宛先情報についても同様である。
【0171】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から宛先情報を受信する(S104)。複合機10の制御プログラム35は、受信した宛先情報をデータ記憶領域32Bに一時記憶させる。また、制御プログラム35は、原稿に記録された画像を読み取って画像データを生成するスキャン処理を、スキャナ部12に実行させる(S105)。ステップS104の処理は、宛先情報受信処理の一例である。ステップS105の処理は、生成処理の一例である。
【0172】
次に、制御プログラム35は、スキャナ部12に生成させた画像データ及びアカウント情報を、宛先情報で示されるサービス提供装置110にWi−Fi通信部25を通じて送信する(S106)。ステップS106の処理は、アップロード処理の一例である。また、サービス提供装置110は、画像データ及びアカウント情報を複合機10から受信する(S106)。そして、サービス提供装置110は、受信したアカウント情報の認証が成功したことに応じて、受信した画像データを記憶部に記憶させる。また、サービス提供装置110は、完了情報を複合機10に送信する(S107)。
【0173】
そして、制御プログラム35は、当該画像データがサービス提供装置110に記憶されたことを示す完了情報を、Wi−Fi通信部25を通じてサービス提供装置110から受信する(S107)。制御プログラム35は、当該完了情報をWi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S108)。
【0174】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10から完了情報を受信する(S108)。制御プログラム95は、受信した完了情報を解読した結果を含む完了確認情報を通信部85を通じて複合機10に送信する(S109)。複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から完了確認情報を受信する(S109)。そして、制御プログラム35は、スキャンアップロード処理が正常終了したことを完了確認情報に基づいて認識し、スキャンアップロード処理を終了する。
【0175】
[ダウンロードプリント処理]
ここで、サービス実行処理の一例である、ダウンロードプリント処理について記述する。まず、複合機10の制御プログラム35は、
図14(B)に示されるように、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に所在要求情報及びアカウント情報を送信する(S111)。所在要求情報は、取得しようとする画像データのダウンロード元を示す所在情報の送信を要求する情報である。所在情報は、例えば、当該画像データを識別するデータ識別情報を含むURLの形式であってもよい。
【0176】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10から所在要求情報及びアカウント情報を受信する(S111)。制御プログラム95は、受信した当該所在要求情報及びアカウント情報を通信部85を通じてサービス提供装置110に送信する(S112)。本実施形態では、サービス提供装置110がダウンロード元である。
【0177】
サービス提供装置110は、所在要求情報及びアカウント情報をサーバ装置80から受信する(S112)。また、サービス提供装置110は、受信したアカウント情報を認証する。そして、サービス提供装置110は、アカウント情報の認証に成功すると、サーバ装置80に所在情報を送信する(S113)。所在情報は、サービス提供装置110自身のロケーションを示すURLを含む。次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じてサービス提供装置110から所在情報を受信する(S113)。制御プログラム95は、受信した所在情報を通信部85を通じて複合機10に送信する(S114)。
【0178】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から所在情報を受信する(S114)。そして、制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサービス提供装置110に、受信した所在情報で所在が示される画像データの送信を要求する要求情報をアカウント情報と共に送信する。サービス提供装置110は、要求情報及びアカウント情報を受信する。そして、サービス提供装置110は、受信したアカウント情報を認証する。サービス提供装置110は、アカウント情報の認証が成功すれば、要求された画像データを複合機10に送信する(S115)。
【0179】
複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサービス提供装置110から画像データを受信する(S115)。そして、制御プログラム35は、当該画像データで示される画像を記録用紙に対してプリンタ部11に記録させる(S116)。ステップS115の処理は、データ受信処理の一例である。ステップS116の処理は、記録処理の一例である。
【0180】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、サービス提供装置110からサービスの提供を受けるためのカードIDをNFC通信によってカード70から受信することができるので、実施形態1と同様に、当該カードIDをユーザに入力させる手間を省くことができる。すなわち、複合機10がサービス提供装置110からサービスの提供を受けるためのユーザ操作が簡素化される。
【0181】
なお、実施形態2では、サーバ装置80に登録されるアカウントID及びカードIDの組み合わせがユニークであればよく、サーバ装置80に登録されるカードIDがユニークである必要はない。他の例として、サーバ装置80に登録されるサービスID及びカードIDの組み合わせがユニークであってもよいし、サーバ装置80に登録されるサービスID、アカウントID、及びカードIDの組み合わせがユニークであってもよい。
【0182】
そのため、実施形態2では、実施形態1のようにカード発行者によって発行されたカード70ではなく、交通系ICカードや社員証等の任意のICカードを用いることができる。また、実施形態2に係る複合機10は、カード70に代えて、携帯端末50から識別情報を受信してもよい。この場合の識別情報は、例えば、携帯端末50の移動体通信部55に設定されたMAC(Media Access Controlの略)アドレス、或いは携帯端末50に設定された電話番号等であってもよい。
【0183】
なお、実施形態2では、ステップS64でTempIDを取得し、ステップS69でカードID又はPINを取得する例を説明したが、各種情報を取得する順序等はこれに限定されない。例えば、ステップS69において、TempIDを入力する操作を操作部24を通じて受け付け、且つNFC通信部26を通じてカードIDを受信してもよい。
【0184】
さらに、実施形態2に係る複合機10は、Wi−Fi通信部25を通じて携帯端末50に発行先URLを送信することができる。これにより、サービス提供装置110が提供するサービスを初めて利用しようとするユーザのTempID及びアカウント情報を、サーバ装置80に簡単に登録することができる。すなわち、複合機10を通じてサービス提供装置110が提供するサービスを利用すると共に、そのサービスの一部を携帯端末50で簡単に利用することができる。
【0185】
なお、
図10に示される処理において、制御プログラム35は、NFC通信部26をP2Pモードで動作させてもよい。この場合の送信可能状態は、直接無線送信及び直接無線受信の両方が許容された状態である。一方、送信不能状態は、直接無線送信が規制され、直接無線受信が許容された状態である。さらには、制御プログラム35は、NFC通信部26をCEモードで動作させてもよい。CEモードで動作するNFC通信部26の送信可能状態とは、Listen動作を実行している状態である。また、CEモードで動作するNFC通信部26の送信不能状態とは、Listen動作を停止している状態である。
【0186】
[実施形態3]
次に、
図15を参照して、実施形態3に係る通信システム100を説明する。なお、実施形態1、2との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。実施形態3に係るサービス提供装置110は、アップロードされた画像データの形式を変換する変換サービスを提供する。そして、実施形態3に係る通信システム100は、サービス提供装置110で形式が変換されたデータ(以下、「変換後データ」と表記する。)を、携帯端末50に受信させる処理を実行する。なお、
図15に示される処理が実行される前、すなわち、複合機10が非連携動作状態のとき、制御プログラム35は、NFC通信部26を送信可能状態に設定している。
【0187】
まず、複合機10の制御プログラム35は、アプリ一覧画面を表示部23に表示させる(S121)。
図13(B)は、アプリ一覧画面の一例である。
図13(B)に示されるアプリ一覧画面は、データ形式を画像形式から文書形式に変換するサービスを示す[S→W]アイコンと、データ形式を画像形式からプレゼンテーション形式に変換するサービスを示す[S→PP]アイコンと、データ形式を画像形式からPDF形式に変換するサービスを示す[S→PDF]アイコンとを含む。
【0188】
次に、制御プログラム35は、[S→W]アイコンの位置をタップするユーザ操作を操作部24を介して受け付ける(S122)。制御プログラム35は、[S→W]アイコンの選択を受け付けると、変換サービスの提供を要求するサービス要求情報を、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に送信する(S123)。サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10からサービス要求情報を受信する(S123)。制御プログラム95は、サービス要求情報を受信すると、通信部85を通じて複合機10にスキャン指示情報を送信する(S124)。
【0189】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80からスキャン指示情報を受信する(S124)。制御プログラム35は、受信したスキャン指示情報に従ってスキャンアップロード処理を実行する(S125)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を送信不能状態に設定する。スキャンアップロード処理は
図14(A)を参照して既に説明したので、再度の説明を省略する。ステップS125において複合機10が画像データを送信する処理は、変換要求処理の一例である。
【0190】
但し、実施形態3に係るスキャンアップロード処理において、完了確認情報には、後述する取得要求情報を複合機10に送信させる指示が含まれる。そこで、制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から完了確認情報を受信する。そして、制御プログラム35は、完了確認情報を受信すると、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80に取得元要求情報を送信する(S129)。取得元要求情報は、後述する送信指示情報の送信をサーバ装置80に要求するための情報である。取得元要求情報の送信は、サーバ装置80から送信指示情報を受信するまで繰り返し実行される。
【0191】
次に、サーバ装置80の制御プログラム95は、通信部85を通じて複合機10に完了確認情報を送信する。また、制御プログラム95は、通信部85を通じてサービス提供装置110に変換要求情報を送信する(S126)。変換要求情報は、スキャンアップロード処理でサービス提供装置110にアップロードされた画像データの形式を、複合機10で指定された文書形式に変換することを要求するための情報である。
【0192】
次に、サービス提供装置110は、変換要求情報をサーバ装置80から受信する(S126)。そして、サービス提供装置110は、複合機10から受信した画像データを文書データに変換する(S127)。ステップS127における変換処理は、画像データで示される画像の内容を実質的に変更せず、データ形式を画像形式に変換する処理である。変換前のデータのデータ形式は、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Groupの略)形式、PNG(Portable Network Graphicsの略)形式、ビットマップ形式等である。変換後のデータのデータ形式は、例えば、文書形式(例えば、Microsoft(Microsoft Corporationの登録商標) Word形式、PDF(Portable Document Formatの略)形式等である。
【0193】
また、サービス提供装置110は、変換処理が完了すると、変換完了情報をサーバ装置80に送信する(S128)。変換完了情報は、変換処理が完了したことを示すと共に、変換後データの取得元を示す取得元URLを含む。取得元URLは、変換後データの所在を示す接続先情報の一例であり、変換後データをダウンロードするためのダウンロード情報の一例である。
【0194】
そして、サーバ装置80の制御プログラム95は、サービス提供装置110から変換完了情報を受信する。そして、制御プログラム95は、変換完了情報を受信した後に複合機10から取得元要求情報を受信すると(S129)、通信部85を通じて複合機10に送信指示情報を送信する(S130)。送信指示情報は、変換完了情報から抽出された取得元URLを、NFC通信部26を通じて携帯端末50に送信することを指示するための情報である。送信指示情報は、例えば、例えば、取得元URLと、書込待機画面を定義するXMLタグと、NFC通信部26を通じて取得元URLを送信することを指示するXMLタグとを含む。送信指示情報に含まれるXMLタグ及びXMLタグに挟まれた情報は、内容情報の一例である。
【0195】
次に、複合機10の制御プログラム35は、Wi−Fi通信部25を通じてサーバ装置80から送信指示情報を受信する(S130)。そして、制御プログラム35は、送信指示情報に従って、
図13(A)に示される書込待機画面を表示部23に表示させる(S131)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を送信可能状態に設定する。すなわち、制御プログラム35は、送信指示情報から抽出した取得元URLをNFC通信部26が携帯端末50に送信可能な状態にする。
【0196】
そして、制御プログラム35は、携帯端末50とNFC通信部26との間でNFCリンクが確立されたことに応じて、NFC通信部26を通じて携帯端末50に取得元URLを送信する(S132)。また、制御プログラム35は、NFC通信部26を送信不能状態に設定する。複合機10が取得元URLを送信する処理は、第1送信処理及びダウンロード情報送信処理の一例である。ステップS125〜S132における複合機10の処理は、サービス実行処理の他の例である。その後、複合機10が非連携動作状態になると、制御プログラム35は、NFC通信部26を送信可能状態に設定する。
【0197】
次に、携帯端末50の制御プログラム65は、複合機10とNFC通信部56との間でNFCリンクが確立されたことに応じて、NFC通信部56を通じて複合機10から取得元URLを受信する(S132)。そして、制御プログラム65は、受信した取得元URLで示される取得元に、移動体通信部55を通じて取得要求情報を送信する(S133)。取得要求情報は、サービス提供装置110で変換された変換後データの送信を要求するための情報である。そして、制御プログラム65は、移動体通信部55を通じてサービス提供装置110から変換後データを受信する(S134)。取得元URLを受信する携帯端末50の処理は、近接受信処理の他の例である。携帯端末50が変換後データを受信する処理は、データ受信処理の一例である。
【0198】
[実施形態3の作用効果]
実施形態3に係る複合機10は、NFC通信部26を通じて携帯端末50に取得元URLを送信することができる。これにより、サービス提供装置110で変換された変換後データを携帯端末50に簡単に受信させることができる。すなわち、実施形態2と同様に、複合機10を通じてサービス提供装置110が提供するサービスを利用すると共に、そのサービスの一部を携帯端末50で簡単に利用することができる。
【0199】
なお、実施形態3に係る携帯端末50は、NFC通信部56を通じて複合機10から取得元URLを受信し、移動体通信部55を通じてサービス提供装置110から変換後データを受信する。しかしながら、携帯端末50が変換後データを受信する方法は、前述の例に限定されず、例えば以下の手順であってもよい。
【0200】
まず、複合機10の制御プログラム35は、ステップS130で受信した取得元URLで示される取得元からWi−Fi通信部25を通じて変換後データを受信してもよい。また、制御プログラム35は、ステップS132において、Wi−Fiダイレクト接続するために必要な情報(例えば、SSID)を、NFC通信部26を通じて携帯端末50に送信してもよい。そして、制御プログラム35は、複合機10と携帯端末50とがWi−Fiダイレクト接続されたことに応じて、Wi−Fiダイレクトによって携帯端末50に変換後データを送信してもよい。複合機10及び携帯端末50がWi−Fiダイレクト接続する処理は、接続処理の一例である。複合機10が変換後データを送信する処理は、データ送信処理の一例である。携帯端末50が変換後データを受信する処理は、データ受信処理の一例である。
【0201】
また、各実施形態の複合機10、携帯端末50、及びサーバ装置80において、記憶部32、62、92のプログラム記憶領域32A、62A、92Aに記憶された各種プログラムがCPU31、61、91によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路(IC(Integrated Circuitの略)とも言う。)等のハードウェアで実現してもよい。
【0202】
さらに、本発明は、複合機10、携帯端末50、及びサーバ装置80として実現できるだけでなく、複合機10、携帯端末50、及びサーバ装置80に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワークを介して複合機10、携帯端末50、及びサーバ装置80に接続可能なサーバ装置に搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバ装置の記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。