(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザの押圧操作が解除されたときに、前記付勢部材の付勢力により、前記第2スライド部、前記第1スライド部、および前記ボタン部が、押圧操作が開始される前の所定位置に復帰させられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆるスロットマシンと呼ばれる遊技機が存在している。スロットマシンは、複数種類のシンボルが表示された複数のリールが回転し、停止したときに窓に表示されているシンボルの揃い方および揃っているシンボルにより役が決定し、決定した役とベット数(賭け数)とに応じて賞が付与されるものである。なお、ベット数の入力操作やリールの回転開始操作は、スロットマシンの前面に設けられた操作ユニットにより行われる。
【0003】
ところで、スロットマシンは、カジノ等の遊技施設に設置されるが、遊技施設には、1つの遊技機メーカが製造したスロットマシンだけでなく、様々な遊技機メーカのスロットマシンが設置される。遊技者は、様々な遊技機メーカのスロットマシンの中から嗜好のあったマシンを選択して遊技を行う。そのため、遊技施設では、遊技者に人気のあるスロットマシンを設置して、競合する他の遊技施設に対する優位性の確保を図っている。
【0004】
遊技機メーカでは、遊技施設からの要望に応えるべく、遊技者にアピールできるスロットマシンの開発に努力している。このような中、スロットマシンの前面の操作ユニットは、外観上も目立つ箇所であり、また遊技者が直接操作するものでもあるため、非常に重要視されている。
【0005】
ところで、スロットマシンは世界中で販売されるため、操作ユニットにおける表示は、各国の言語に対応する必要がある。そのため、以前の操作ユニットにおいては、ボタンの天面カバーがドライバー等の工具で外れるように構成され、天面カバーの下に各国の言語に対応したシートを挿入できるようになっていた。しかしながら、天面カバーを外す手間は大きく、また工具でボタンをキズつけてしまう等のトラブルの懸念もあった。
【0006】
そこで、近年では、自由に表示を変更できるLCD(液晶表示パネル)などの薄型表示装置が操作ユニットに多く利用されている。
【0007】
例えば、特許文献1には、LCD(Liquid Crystal Display;液晶表示パネル)の表示画面に重畳する位置に配置された透明の操作ボタンを備え、LCDの表示画面に向けたユーザの押圧操作を上記操作ボタンによって検知する操作ユニットが開示されている。
【0008】
具体的には、特許文献1の操作ユニットは、接点押圧部を有する操作ボタンと、カーボン接点を有する回路基板との間に、弾性部材としてのラバーを備えている。そして、操作ボタンが押圧操作されると、ラバーにおける操作ボタンの接点押圧部と対応する位置に設けられた突起部が接点押圧部により押し込まれ、回路基板のカーボン接点が押される。これにより、ユーザに直感的な操作感(クリック感)を付与するとともに、押圧操作が検知されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、操作ボタンと回路基板との間に弾性部材としてのラバーを配置する必要があるので、操作ユニットの厚さが厚くなってしまう。このため、上記特許文献1の構成では、ユーザが操作ボタンを介してLCDの表示画像を見るときに、操作ユニットの厚みの分だけLCDの表示画像が奥まって視認されてしまう。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、ユーザに直感的な操作感(クリック感)を与えることができる薄型の操作ボタンを備えた操作ユニットおよびそれを備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様にかかる操作ユニットは、ユーザの押圧操作に応じて押圧方向である第1方向に移動するボタン部と、前記ボタン部の周囲に配置され、前記ボタン部が前記第1方向に移動することにより前記第1方向と直交する第2方向に移動する第1スライド部と、前記第1スライド部に対して前記第2方向に隣接する位置に配置され、前記第1スライド部が前記第2方向に移動することにより前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に移動する第2スライド部と、前記第2スライド部の前記第3方向への移動を妨げる方向に前記第2スライド部を付勢する付勢部材とを備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、ユーザがボタン部を押圧操作すると、ボタン部が押圧操作に応じて第1方向に移動し、ボタン部の移動に応じて第1スライド部が第2方向に移動し、第1スライド部の移動に応じて第2スライド部が付勢部材の付勢力に打ち勝って第3方向に移動する。これにより、ユーザに直感的な操作感(クリック感)を与えることができる。また、第1スライド部、第2スライド部、および弾性部材を、第1方向に沿って見てボタン部の周囲の位置に配置することができるので、操作ボタンの裏面にラバー等の弾性部材を配置する構成よりも操作ユニットを薄型化することができる。
【0014】
また、前記ボタン部は、第3方向と略平行な方向に突出する突出部を備え、前記第1スライド部は、前記突出部を収容する切欠部を備え、前記切欠部は、当該切欠部における前記第2方向側の面に、前記第1方向に向かうほど前記第2スライド部から遠ざかる方向に傾斜した第1傾斜部を備え、ユーザの押圧操作に応じて前記ボタン部が前記第1方向に移動するときに前記突出部が前記第1傾斜部と摺動することにより、前記第1傾斜部が前記突出部に押されて前記第1スライド部が前記第2方向へ移動する構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、ボタン部の第1方向への移動に応じて第1スライド部を第2方向に適切に移動させることができる。
【0016】
また、前記ボタン部は、前記第3方向に突出する前記突出部と前記第3方向と反対方向に突出する前記突出部とをそれぞれ複数備え、前記第1スライド部は、前記各突出部に対応して前記切欠部を備えている構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、ボタン部の突出部および第1スライド部の切欠部が第1方向に直交する面内に複数設けられている。このため、ボタン部の移動に起因して第1スライド部に作用する荷重を、第1方向に直交する面内で複数の位置に分散させて作用させることができる。これにより、第1スライド部に回転を生じさせることなく第1スライド部を第2方向に平行に移動させることができる。したがって、ボタン部の傾きを生じさせることなくボタン部を押圧方向に平行な方向に円滑に移動させることができる。このため、ボタン部の操作性を向上させることができる。
【0018】
また、前記第1スライド部は、前記第2スライド部との対向面に、前記第2方向へ向かうほど前記第3方向と反対側に向かう方向に傾斜した第2傾斜部を備え、前記第2スライド部は、前記第2傾斜部と当接する位置に、前記第2傾斜部と略平行に形成された第3傾斜部を備えており、前記第1スライド部が前記第2方向へ移動するときに前記第2傾斜部が前記第3傾斜部と摺動することにより、前記第3傾斜部が前記第2傾斜部に押されて前記第2スライド部が前記第3方向に移動する構成としてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、第1スライド部の第2方向への移動に応じて第2スライド部を第3方向に適切に移動させることができる。
【0020】
また、前記第1スライド部は、前記第3方向に沿って所定間隔を隔てた位置に複数の前記第2傾斜部を備え、前記第2スライド部は、前記各第2傾斜部に対応して前記第3傾斜部を備えている構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、第1スライド部の移動に起因して第2スライド部に作用する荷重を、第2スライド部に対して第3方向に沿った複数の位置に分散させて作用させることができる。これにより、第2スライド部に回転を生じさせることなく第2スライド部を第3方向に平行に移動させることができる。したがって、ボタン部、第1スライド部、および第2スライド部の移動を円滑に行わせることができる。
【0022】
また、ユーザの押圧操作が解除されたときに、前記付勢部材の付勢力により、前記第2スライド部、前記第1スライド部、および前記ボタン部が、押圧操作が開始される前の所定位置に復帰させられる構成としてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、押圧操作が解除されたときに、付勢部材の付勢力によって操作ユニットの各部を押圧操作が開始される前の状態に自動的に復帰させることができる。
【0024】
また、前記ボタン部に対して前記第1方向側の位置に配置された表示部を備え、前記ボタン部の少なくとも一部は透光性を有する部材からなる透光部であり、前記表示部に表示された画像を、前記透光部を介して視認可能である構成としてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、操作ユニットを薄型化してボタン部と表示部との距離を短くすることができるので、ボタン部の厚みによって表示画像が奥まって視認されるといった表示品位の低下が生じることを抑制できる。
【0026】
本発明の遊技機は、上記したいずれかの操作ユニットを備えていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、ユーザに直感的な操作感(クリック感)を与えることができ、かつ薄型の操作ユニットを備えた遊技機を実現できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザに直感的な操作感(クリック感)を与えることができる、薄型の操作ユニットおよびそれを備えた遊技機を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明を遊技機の一種であるスロットマシンの操作ユニットに適用する場合の例について説明する。ただし、本発明の適用対象はこれに限るものではなく、例えば、パチンコ機やゲーム機などの他の遊技機、各種産業用機器、あるいは各種民生用機器などの操作ユニットとして使用できる。
【0031】
図1は、本実施形態にかかる操作ユニット10を備えたスロットマシン1の概観斜視図である。
図1に示すように、スロットマシン1は、遊技者(操作者)と対峙する正面の中央部に主表示部5を備えている。
【0032】
主表示部5は、例えば液晶表示パネル等の表示手段からなり、スロットマシン1の制御部(図示せず)の制御により複数種類のシンボルが表示された複数のリール(図示せず)が表示される。これら複数のリールは、主表示部5の下方に備えられた操作ユニット10に備えられた複数の操作ボタン12のうちの、リールの回転開始を指示する所定の操作ボタン12を遊技者が押圧(押下)操作することで回転を開始する。リールは、スロットマシン1の制御部によって自動的に停止し(あるいは遊技者がリールの回転を停止させるための操作ボタン12を押圧操作することにより停止し)、リールが停止したときに主表示部5に表示されているシンボルの揃い方およびその揃っているシンボルにより役が決定する。遊技者には、決定した役とベット数(賭け数)とに応じて賞が付与される。ベット数の入力も、操作ユニット10に設けられた操作ボタン12を押圧操作することで行われる。操作ユニット10の下方には、賞に応じて払い出されたメダルを受け取る受け皿3が設けられている。なお、本実施形態では主表示部5にリールを表示させるものとしているが、これに限らず、主表示部5に代えてリールそのものを回転可能に配置してもよい。
【0033】
操作ユニット10は、遊技者からの操作を受け付けてスロットマシン1の制御部に伝達する。本実施形態では、操作ユニット10は、例えば、遊技者がスロットマシン1をプレイするときのベット数の指定操作やリールの回転開始等の操作を受け付ける。
【0034】
図2は、操作ユニット10の外観を示す上面図である。また、
図3は、操作ユニット10における
図2のA−A断面の断面図である。
【0035】
図3に示したように、操作ユニット10は、液晶表示パネル13、PCB(Printed Circuit board:回路基板)14、カバー15、レンズ16、および操作ボタン12を備えている。
【0036】
液晶表示パネル(表示部)13は、略矩形形状の表示画面を有しており、スロットマシン1の制御部の指示に応じて、各操作ボタン12に対応する領域に画像を表示する。なお、本実施形態では表示部として液晶表示パネルを用いているが、これに限らず、例えば有機EL(electroluminescence)等の他の構成からなる表示部を用いてもよい。
【0037】
操作ボタン12は、レンズ16を介して液晶表示パネル13の表示画面に対向するように配置されている。また、操作ボタン12におけるレンズ16と対向する領域は透光性を有する部材によって形成されている。これにより、液晶表示パネル13に表示された画像がレンズ16および操作ボタン12を介して遊技者に視認される。
【0038】
PCB14は、操作ボタン12が押圧操作されたときに当該押圧操作を検知してスロットマシン1の制御部に伝達する。
【0039】
具体的には、PCB14は、各操作ボタン12と液晶表示パネル13との間に配置されたレンズ16に対応する領域に開口部が形成されており、開口部の周縁部が操作ボタン12の周縁部と重畳するように配置されている。また、各操作ボタン12の底面(PCB14との対向面)の四隅にはPCB14側に突出する接点押圧部27(後述する
図5の(b)参照)が設けられており、PCB14における各接点押圧部27に対向する位置には接触検知部(図示せず)が設けられている。これにより、操作ボタン12が押し下げされると、操作ボタン12の接点押圧部27とPCB14の接触検知部とが当接し、それによって操作ボタン12の押圧操作が検知されてスロットマシン1の制御部に伝達される。
【0040】
カバー15は、操作ユニット10の上面における操作ボタン12を除く領域を覆うように配置されている。
【0041】
図4は操作ボタン12の斜視図である。また、
図5の(a)は操作ボタン12の上面図であり、
図5の(b)は操作ボタン12の底面図である。また、
図6は、操作ボタン12に備えられる操作部支持部22、第1スライド部23、および第2スライド部24の関係を示す説明図である。
【0042】
これら各図に示すように、操作ボタン12は、操作部21、操作部支持部22、第1スライド部23、第2スライド部24、枠部25、付勢部材26、および接点押圧部27を備えている。
【0043】
操作部(透光部)21は、透光性を有する部材(例えば透明な樹脂材料あるいは乳白色の樹脂材料など)からなり、底面側が開口した略直方体形状の箱型となっている。遊技者が操作ボタン12を押圧操作する際にはこの操作部21の上面に触れて押し下げるようになっている。なお、本実施形態では、操作部21を透光性を有する部材で構成することにより、液晶表示パネル13に表示された画像をユーザが操作部21を介して視認可能になっている。
【0044】
操作部支持部22は、操作部21の底面側の周縁部に固定された枠状の部材であり、上方(図中Z方向)から見たときに操作部21の周縁部から操作部21の外側に突出する鍔状に配置されている。この操作部21と操作部支持部22とにより、遊技者の押圧操作に応じて押圧方向に一体的に移動するボタン部が形成されている。なお、本実施形態では、操作部21と操作部支持部22とを別々の部材で構成して互いに固定しているが、これに限らず、操作部21と操作部支持部22とが一体的に形成されたボタン部を用いてもよい。
【0045】
また、操作部支持部22における互いに対向する2つの側面(図中X方向の両側面)には、水平方向(X方向)外側に突出する突出部22aが各側面に等間隔で2個ずつ設けられている。
【0046】
また、操作部支持部22の底面側の四隅には、
図5の(b)に示したように、PCB14側に突出する接点押圧部27が設けられている。
【0047】
第1スライド部23は、上方(図中Z方向)から見たときに操作部支持部22を取り囲むように配置された枠状の部材である。第1スライド部23における操作部支持部22の各突出部22aに対応する位置には、突出部22aを収容するように形成された切欠部23aが設けられている。また、第1スライド部23における正面側(図中Y方向)の側面には、正面側へ突出する2つの突出部23cが設けられている。
【0048】
第2スライド部24は、第1スライド部23に対して正面側(図中Y方向)に対向する位置に配置されており、第1スライド部23の各突出部23cに対して図中X方向に隣接する位置には第1スライド部23側へ突出する突出部24aが設けられている。
【0049】
枠部25は、操作ユニット10の筐体(図示せず)に固定されている。また、枠部25は、第1スライド部23を、Y方向への所定範囲内の移動を許容するとともに、X方向およびZ方向への移動を規制するように支持している。また、枠部25は、第2スライド部24を、X方向への所定範囲内の移動を許容するとともに、Y方向およびZ方向への移動を規制するように支持している。
【0050】
また、枠部25は、第1スライド部23の切欠部23aに収容された、操作部支持部22側に突出する突出部25aを備えている。この突出部25aは、切欠部23a内において操作部支持部22の突出部22aにおける背面側(図中−Y方向側)の端部に当接している。これにより、操作部支持部22は−Y方向への移動が規制されている。
【0051】
また、操作部支持部22は、Y方向および±X方向への移動が第1スライド部23によって規制されている。また、操作部支持部22は、カバー15に当接する位置と突出部22aが第1スライド部23の切欠部23aの底面に当接する位置との間でZ方向に沿って移動可能になっている。すなわち、操作部支持部22は±X方向および±Y方向への移動が規制される一方、±Z方向への所定範囲内の移動が許容されている。
【0052】
付勢部材26は、例えばバネ等の弾性部材からなり、第2スライド部24の内部においてX方向に収縮された状態で配置されており、一端側が枠部25に固定され、他端が第2スライド部24に当接している。これにより、第2スライド部24は付勢部材26によって枠部25に対して−X方向(押圧操作時の第2スライド部24の移動方向であるX方向の反対方向)に付勢されている。
【0053】
図7は操作部支持部22の突出部22aと第1スライド部23の切欠部23aとの関係を示す説明図であり、(a)は操作部21が押圧操作されていない時の状態、(b)は操作部21が押圧操作されている時の状態を示している。また、
図8は第1スライド部23の突出部23cと第2スライド部24の突出部24aとの関係を示す説明図であり、(a)は操作部21が押圧操作されていない時の状態、(b)は操作部21が押圧操作されている時の状態を示している。また、
図9は操作部21を押圧操作したときの各部の動作を示す説明図であり、
図10は操作部21の押圧操作を解除したときの各部の動作を示す説明図である。
【0054】
図6に示すように、操作部支持部22および第1スライド部23は略矩形形状の枠状部材であり、第1スライド部23の内側に操作部支持部22が収容されている。
【0055】
また、
図7の(a)に示すように、第1スライド部23の切欠部23aに、操作部支持部22の突出部22aが収容されている。各切欠部23aにおけるY方向側の端部には、下方(Z方向)へ向かうほど−Y方向側(押圧操作時の第1スライド部23の移動方向であるY方向の反対側)に傾斜した傾斜部(第1傾斜部)23bが形成されている。
【0056】
操作部21が押圧操作されていない場合、操作部支持部22の突出部22aは、
図7の(a)に示すように、第1スライド部23の傾斜部23bにおける上部の端部近傍の位置に当接している。
【0057】
そして、
図9の(a)に示すように操作部21が押圧操作されると、操作部21が下方へ押下げられ、それに伴って
図7の(b)および
図9の(b)に示すように操作部支持部22の突出部22aも下方へ移動する。これにより、
図7の(b)および
図9の(b)に示すように、突出部22aによって第1スライド部23の傾斜部23bが押され、第1スライド部23がY方向へ移動する。なお、
図9の(b)に示したように、操作部支持部22の突出部22aにおける−Y方向側の端部は枠部25の突出部25aに当接しており、それによって操作部支持部22の−Y方向への移動は規制されている。また、操作部支持部22のX方向への移動は第1スライド部23によって規制されている。このため、操作部21が押圧操作されると、操作部21および操作部支持部22は、X方向およびY方向への移動が規制された状態でZ方向に平行移動する。
【0058】
また、
図8の(a)に示すように、第1スライド部23におけるY方向側(第2スライド部24との対向面側)の側面には、Y方向側に突出する突出部23cが2箇所に設けられている。また、これら各突出部23cは、X方向側の側面に、上方から見たときにY方向側へ向かうほど−X方向側に傾斜した傾斜部(第2傾斜部)23dが形成されている。
【0059】
また、第2スライド部24における第1スライド部23の各突出部23cに対応する位置には、−Y方向側に突出した突出部24aが設けられている。これら各突出部24aは、−X方向側の側面に、上方から見たときにY方向側へ向かうほど−X方向側に傾斜した傾斜部(第3傾斜部)24bが形成されている。なお、第1スライド部23の傾斜部23dと第2スライド部24の傾斜部24bとは互いに略平行になるように配置されている。
【0060】
また、第1スライド部23と第2スライド部24とは、
図8の(a)に示すように、操作部21が押圧操作されていないときに、第1スライド部23の傾斜部23dにおけるY方向側の端部近傍の領域が、第2スライド部24の傾斜部24bにおける−Y方向側の端部近傍の領域と当接するように配置されている。
【0061】
これにより、操作部21が押圧操作されて第1スライド部23がY方向に移動すると、
図8の(b)および
図9の(c)に示すように、第1スライド部23の傾斜部23dによって第2スライド部24の傾斜部24bが押され、第2スライド部24が付勢部材26の付勢力に打ち勝ってX方向に移動する。その結果、押下操作を行った遊技者に、付勢部材26の弾性力と、操作部支持部22、第1スライド部23、および第2スライド部24の摺動抵抗とによって適度な操作感(クリック感)を与えることができる。
【0062】
また、ユーザによる押圧操作が解除された場合には、
図10の(a)に示すように、付勢部材26の弾性力によって第2スライド部24が−X方向に押され、第2スライド部24の傾斜部24bが第1スライド部23の傾斜部23dを押すことによって第1スライド部23が−Y方向に移動する。これにより、
図10の(b)に示すように、第1スライド部23の傾斜部23bによって操作部支持部22の突出部22aが上方へ押され、
図10の(c)に示すように、操作部支持部22および操作部21が、押圧操作が行われる前の所定の待機位置に復帰する。
【0063】
以上のように、本実施形態にかかる操作ユニット10は、ユーザの押圧操作に応じてZ方向(第1方向)に移動する操作部21および操作部支持部22(ボタン部)と、操作部支持部22におけるZ方向に直交する方向(X方向およびY方向)の周囲を覆う位置に配置され、操作部21および操作部支持部22がZ方向に移動することによりZ方向と直交するY方向(第2方向)に移動する第1スライド部23と、第1スライド部23に対してY方向に隣接する位置に配置され、第1スライド部23がY方向に移動することによりZ方向およびY方向と直交するX方向(第3方向)に移動する第2スライド部24と、第2スライド部24のX方向への移動を妨げる方向に第2スライド部24を付勢する付勢部材26とを備えていることを特徴としている。
【0064】
これにより、ユーザが操作部21をZ方向に押圧操作すると、操作部21および操作部支持部22が押圧操作に応じてZ方向に移動し、それに応じて第1スライド部23がY方向に移動し、それに応じて第2スライド部24が付勢部材26の付勢力に打ち勝ってX方向に移動する。このため、ユーザに直感的な操作感(クリック感)を与えることができる。
【0065】
また、上記の構成によれば、第1スライド部23、第2スライド部24、および付勢部材26を、Z方向に沿って見たときに操作部21および操作部支持部22の周囲の位置に配置することができる。これにより、Z方向に沿って見てボタン部(操作部21および操作部支持部22)と重畳する位置に弾性部材等を設ける必要がないので、操作ユニットを薄型化することができる。
【0066】
また、本実施形態では、操作部支持部22に、X方向に突出する突出部22aと−X方向に突出する突出部22aとをそれぞれ等間隔で2個設けるとともに、第1スライド部23を枠状に形成し、各突出部22aに対応する位置に突出部22aを収容する切欠部23aを設けている。これにより、ユーザの押圧操作に応じた操作部支持部22の移動に起因して第1スライド部23に作用する荷重を、第1スライド部23に対してXY平面内で分散させて作用させることができる。このため、第1スライド部23に回転を生じさせることなく第1スライド部23をY方向に平行に移動させることができる。したがって、操作部21の傾きが生じることを抑制し、操作部21を押圧方向に平行な方向に円滑に移動させることができるので、操作ユニット10の操作性を向上させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、第1スライド部23がX方向に沿って所定間隔を隔てた位置に複数の傾斜部(第2傾斜部)23dを備えており、第2スライド部24は各傾斜部23dに対応する位置に傾斜部(第3傾斜部)24bを備えている。
【0068】
これにより、第1スライド部23の移動に起因して第2スライド部24に作用する荷重を、第2スライド部24に対してX方向に沿った複数の位置に分散させて作用させることができる。これにより、第2スライド部24に回転が生じることを抑制し、第2スライド部24をX向に平行に移動させることができる。このため、操作部21、操作部支持部22、第1スライド部23、および第2スライド部24の移動を円滑に行わせることができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、操作部21の端部近傍が押圧操作された場合であっても、操作部21および操作部支持部22の全体をZ方向に沿って円滑に移動させることができる。例えば、操作部21の左正面側の端部近傍が押圧操作されたとする(図中−X方向側を左側とし、Y方向側を正面側とする)。この場合、主に、押圧操作された位置の近傍である左正面側の突出部22aによって第1スライド部23がY方向に押され、第1スライド部23における左側の辺がY方向に移動して第2スライド部24をX方向に押す。このとき、第2スライド部24がX方向に移動し、第1スライド部23における右側の辺に対する第2スライド部24による付勢力が軽減される。その結果、第1スライド部23における右側の辺もY方向に移動しやすくなり、第1スライド部23が変形することなく、全体としてY方向に移動する。そして、第1スライド部23の全体がY方向に移動することにより、押圧操作された左手前側の端部とは異なる位置(左背面側、右正面側、右背面側)に配置された突出部22aの−Z方向への移動に対する、第1スライド部23による抵抗力が低減される。その結果、押圧操作された左正面側の端部とは異なる位置に配置された突出部22aもZ方向に沿って移動する。つまり、操作部21および操作部支持部22の全体がZ方向に沿って円滑に移動することができる。
【0070】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。