【文献】
New Postcom,CA with different TDD configurations[online],3GPP TSG-RAN WG2#75,3GPP,2011年 8月26日,R2-114119,検索日[2018.04.16],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_75/Docs/R2-114119.zip>
【文献】
MediaTek Inc,Cross-carrier scheduling on different TDD configurations[online],3GPP TSG-RAN WG1#66,3GPP,2011年 8月26日,R1-112584,検索日[2018.09.03],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66/Docs/R1-112584.zip>
【文献】
Panasonic,Views on TDD inter-band CA with different UL-DL configurations[online],3GPP TSG-RAN WG1#67,3GPP,2011年11月18日,R1-114435,検索日[2018.09.03],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_67/Docs/R1-114435.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信部が、前記下りリンクのシグナリングを受信しない場合は、前記制御部は、前記基準UL/DL構成パターンを、前記単位キャリアの構成パターンとして決定する、
請求項1に記載の通信装置。
CRS(Cell-specific Reference Signal)測定が許される下りサブフレームは、前記決定された構成パターンにより定義される前記一つ以上の下りサブフレームの一部である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
前記受信部は、前記単位キャリアで下りデータを受信し、前記送信部は、前記受信された下りデータの誤り検出結果を示す応答信号を、前記基準UL/DL構成パターンにより定義される上りサブフレームで送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の通信装置。
CRS(Cell-specific Reference Signal)測定が許される下りサブフレームは、前記決定された構成パターンにより定義される前記一つ以上の下りサブフレームの一部である、
請求項7から9のいずれか一項に記載の通信方法。
【背景技術】
【0002】
3GPP LTEでは、下り回線の通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用されている。3GPP LTEが適用された無線通信システムでは、基地局が予め定められた通信リソースを用いて同期信号(Synchronization Channel:SCH)及び報知信号(Broadcast Channel:BCH)を送信する。そして、端末は、まず、SCHを捕まえることによって基地局との同期を確保する。その後、端末は、BCH情報を読むことにより基地局独自のパラメータ(例えば、周波数帯域幅など)を取得する(非特許文献1、2、3参照)。
【0003】
また、端末は、基地局独自のパラメータの取得が完了した後、基地局に対して接続要求を行うことにより、基地局との通信を確立する。基地局は、通信が確立された端末に対して、必要に応じてPDCCH(Physical Downlink Control Channel)等の下り回線制御チャネルを介して制御情報を送信する。
【0004】
そして、端末は、受信したPDCCH信号に含まれる複数の制御情報(下り割当制御情報:DL Assignment(Downlink Control Information:DCIと呼ばれることもある))をそれぞれ「ブラインド判定」する。すなわち、制御情報は、CRC(Cyclic Redundancy Check)部分を含み、このCRC部分は、基地局において、送信対象端末の端末IDによってマスクされる。従って、端末は、受信した制御情報のCRC部分を自機の端末IDでデマスクしてみるまでは、自機宛の制御情報であるか否かを判定できない。このブラインド判定では、デマスクした結果、CRC演算がOKとなれば、その制御情報が自機宛であると判定される。
【0005】
また、3GPP LTEでは、基地局から端末への下り回線データに対してARQ(Automatic Repeat Request)が適用される。つまり、端末は下り回線データの誤り検出結果を示す応答信号を基地局へフィードバックする。端末は下り回線データに対しCRCを行って、CRC=OK(誤り無し)であればACK(Acknowledgment)を、CRC=NG(誤り有り)であればNACK(Negative Acknowledgment)を応答信号として基地局へフィードバックする。この応答信号(つまり、ACK/NACK信号。以下、単に「A/N」と表記することもある)のフィードバックには、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上り回線制御チャネルが用いられる。
【0006】
ここで、基地局から送信される上記制御情報には、基地局が端末に対して割り当てたリソース情報等を含むリソース割当情報が含まれる。この制御情報の送信には、前述の通りPDCCHが用いられる。このPDCCHは、1つ又は複数のL1/L2CCH(L1/L2 Control Channel)から構成される。各L1/L2CCHは、1つ又は複数のCCE(Control Channel Element)から構成される。すなわち、CCEは、制御情報をPDCCHにマッピングするときの基本単位である。また、1つのL1/L2CCHが複数(2,4,8個)のCCEから構成される場合には、そのL1/L2CCHには偶数のインデックスを持つCCEを起点とする連続する複数のCCEが割り当てられる。基地局は、リソース割当対象端末に対する制御情報の通知に必要なCCE数に従って、そのリソース割当対象端末に対してL1/L2CCHを割り当てる。そして、基地局は、このL1/L2CCHのCCEに対応する物理リソースにマッピングして制御情報を送信する。
【0007】
また、ここで、各CCEは、PUCCHの構成リソース(以下、PUCCHリソースと呼ぶことがある)と1対1に対応付けられている。従って、L1/L2CCHを受信した端末は、このL1/L2CCHを構成するCCEに対応するPUCCHの構成リソースを特定し、このリソースを用いて応答信号を基地局へ送信する。ただし、L1/L2CCHが連続する複数のCCEを占有する場合には、端末は、複数のCCEにそれぞれ対応する複数のPUCCH構成リソースのうち一番インデックスが小さいCCEに対応するPUCCH構成リソース(すなわち、偶数番号のCCEインデックスを持つCCEに対応付けられたPUCCH構成リソース)を利用して、応答信号を基地局へ送信する。こうして下り回線の通信リソースが効率良く使用される。
【0008】
複数の端末から送信される複数の応答信号は、
図1に示すように、時間軸上でZero Auto-correlation特性を持つZAC(Zero Auto-correlation)系列、ウォルシュ(Walsh)系列、及び、DFT(Discrete Fourier Transform)系列によって拡散され、PUCCH内でコード多重されている。
図1において(W
0,W
1,W
2,W
3)は系列長4のウォルシュ系列を表し、(F
0,F
1,F
2)は系列長3のDFT系列を表す。
図1に示すように、端末では、ACK又はNACKの応答信号が、まず周波数軸上でZAC系列(系列長12)によって1SC−FDMAシンボルに対応する周波数成分へ1次拡散される。すなわち、系列長12のZAC系列に対して複素数で表される応答信号成分が乗算される。次いで1次拡散後の応答信号及び参照信号としてのZAC系列がウォルシュ系列(系列長4:W
0〜W
3。ウォルシュ符号系列(Walsh Code Sequence)と呼ばれることもある)、DFT系列(系列長3:F
0〜F
3)それぞれに対応させられて2次拡散される。すなわち、系列長12の信号(1次拡散後の応答信号、又は、参照信号としてのZAC系列(Reference Signal Sequence)のそれぞれの成分に対して、直交符号系列(Orthogonal sequence:ウォルシュ系列又はDFT系列)の各成分が乗算される。さらに、2次拡散された信号が、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)によって時間軸上の系列長12の信号に変換される。そして、IFFT後の信号それぞれに対しCPが付加され、7つのSC−FDMAシンボルからなる1スロットの信号が形成される。
【0009】
異なる端末からの応答信号同士は、異なる巡回シフト量(Cyclic Shift Index)に対応するZAC系列、又は、異なる系列番号(Orthogonal Cover Index : OC index)に対応する直交符号系列を用いて拡散されている。直交符号系列は、ウォルシュ系列とDFT系列との組である。また、直交符号系列はブロックワイズ拡散コード系列(Block-wise spreading code)と称されることもある。従って、基地局は、従来の逆拡散及び相関処理を用いることにより、これらコード多重された複数の応答信号を分離することができる(非特許文献4参照)。
【0010】
ただし、各端末が各サブフレームにおいて自分宛の下り割当制御信号をブラインド判定するので、端末側では、必ずしも下り割当制御信号の受信が成功するとは限らない。端末が或る下り単位バンドにおける自分宛の下り割当制御信号の受信に失敗した場合、端末は、当該下り単位バンドにおいて自分宛の下り回線データが存在するか否かさえも知り得ない。従って、或る下り単位バンドにおける下り割当制御信号の受信に失敗した場合、端末は、当該下り単位バンドにおける下り回線データに対する応答信号も生成しない。このエラーケースは、端末側で応答信号の送信が行われないという意味での、応答信号のDTX(DTX (Discontinuous transmission) of ACK/NACK signals)として定義されている。
【0011】
ところで、3GPP LTEシステム(以下、「LTEシステム」と呼ばれることがある)では、基地局は上り回線データ及び下り回線データに対してそれぞれ独立にリソース割当を行う。そのため、LTEシステムでは、上り回線において、端末(つまり、LTEシステム対応の端末(以下、「LTE端末」という))が、下り回線データに対する応答信号と、上り回線データとを同時に送信しなければならない状況が発生する。この状況では、端末からの応答信号及び上り回線データは、時間多重(Time Division Multiplexing:TDM)を用いて送信される。このように、TDMを用いて応答信号と上り回線データとを同時に送信することで、端末の送信波形のシングルキャリア特性(Single carrier properties)を維持している。
【0012】
また、
図2に示すように、時間多重(TDM)では、端末から送信される応答信号(「A/N」)は、上り回線データ向けに割り当てられたリソース(PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)リソース)の一部(参照信号(RS(Reference Signal))がマッピングされるSC−FDMAシンボルに隣接するSC−FDMAシンボルの一部)を占有して基地局に送信される。ただし、
図2における縦軸の「Subcarrier」は「Virtual subcarrier」、又は「Time contiguous signal」と呼ばれることもあり、SC−FDMA送信機においてDFT(Discrete Fourier Transform)回路に纏めて入力される「時間的に連続する信号」を便宜上「subcarrier」として表したものである。すなわち、PUSCHリソースでは、応答信号によって、上り回線データのうちの任意のデータがパンクチャ(puncture)される。このため、符号化後の上り回線データの任意のビットがパンクチャされることで、上り回線データの品質(例えば、符号化利得)が大幅に劣化する。そのため、基地局は、例えば、端末に対して非常に低い符号化率を指示したり、非常に大きな送信電力を指示したりすることで、パンクチャによる上り回線データの品質劣化を補償する。
【0013】
また、3GPP LTEよりも更なる通信の高速化を実現する3GPP LTE−Advancedの標準化が行われている。3GPP LTE−Advancedシステム(以下、「LTE−Aシステム」と呼ばれることがある)は、LTEシステムを踏襲する。3GPP LTE−Advancedでは、最大1Gbps以上の下り伝送速度を実現するために、40MHz以上の広帯域周波数で通信可能な基地局及び端末が導入される。
【0014】
LTE−Aシステムにおいては、LTEシステムにおける伝送速度の数倍もの超高速伝送速度による通信、及び、LTEシステムに対する後方互換性(バックワードコンパチビリティー:Backward Compatibility)を同時に実現するために、LTE−Aシステム向けの帯域が、LTEシステムのサポート帯域幅である20MHz以下の「単位バンド」に区切られる。すなわち、「単位バンド」は、ここでは、最大20MHzの幅を持つ帯域であって、通信帯域の基本単位として定義される。FDD(Frequency Division Duplex)システムでは、さらに、下り回線における「単位バンド」(以下、「下り単位バンド」という)は基地局から報知されるBCHの中の下り周波数帯域情報によって区切られた帯域、又は、下り制御チャネル(PDCCH)が周波数領域に分散配置される場合の分散幅によって定義される帯域として定義されることもある。また、上り回線における「単位バンド」(以下、「上り単位バンド」という)は、基地局から報知されるBCHの中の上り周波数帯域情報によって区切られた帯域、又は、中心付近にPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)領域を含み、両端部にLTE向けのPUCCHを含む20MHz以下の通信帯域の基本単位として定義されることもある。なお、「単位バンド」は、3GPP LTE−Advancedにおいて、英語でComponent Carrier(s)又はCellと表記されることがある。また、略称としてCC(s)と表記されることもある。
【0015】
TDD(Time Division Duplex)システムでは、下り単位バンドと上り単位バンドとが同一周波数帯域であり、時分割で下り回線と上り回線とを切り替えることによって、下り通信と上り通信とを実現する。そのためTDDシステムの場合、下り単位バンドは、「単位バンドにおける下り通信タイミング」とも表現できる。上り単位バンドは、「単位バンドにおける上り通信タイミング」とも表現できる。下り単位バンドと上り単位バンドとの切り替えは、
図3に示すように、UL-DL Configurationに基づく。
図3に示すUL-DL Configurationでは、1フレーム(10msec)当たりの下り通信(DL:Downlink)と上り通信(UL:Uplink)とのサブフレーム単位(すなわち、1msec単位)のタイミングが設定される。UL-DL Configurationは、下り通信と上り通信とのサブフレーム割合を変更することにより、下り通信に対するスループット及び上り通信に対するスループットの要求に柔軟に対応できる通信システムを構築することができる。例えば、
図3は、下り通信と上り通信とのサブフレーム割合が異なるUL-DL Configuration(Config 0〜6)を示す。また、
図3において、下り通信サブフレームを「D」で表し、上り通信サブフレームを「U」で表し、スペシャルサブフレームを「S」で表す。ここで、スペシャルサブフレームは、下り通信サブフレームから上り通信サブフレームへの切替時のサブフレームである。また、スペシャルサブフレームでは、下り通信サブフレームと同様、下りデータ通信が行われる場合がある。なお、
図3に示す各UL-DL Configurationでは、2フレーム分のサブフレーム(20サブフレーム)を、下り通信に用いられるサブフレーム(上段の「D」及び「S」)と上り通信に用いられるサブフレーム(下段の「U」)とに分けて2段で表している。また、
図3に示すように、下りデータに対する誤り検出結果(ACK/NACK)は、当該下りデータが割り当てられたサブフレームの4サブフレーム以上後の上り通信サブフレームで通知される。
【0016】
LTE−Aシステムでは、単位バンドを幾つか束ねた帯域を用いた通信、所謂Carrier aggregation(CA)がサポートされる。なお、UL-DL Configurationは、単位バンド毎に設定可能であるが、LTE−Aシステム対応の端末(以下、「LTE−A端末」)は、複数の単位バンド間で同じUL-DL Configurationが設定されることを想定して設計されている。
【0017】
図4は、個別の端末に適用される非対称のCarrier aggregation及びその制御シーケンスの説明に供する図である。
【0018】
図4Bに示すように、端末1に対しては、2つの下り単位バンドと左側の1つの上り単位バンドを用いてCarrier aggregationを行うような設定(Configuration)が為される。一方、端末2に対しては、端末1と同一の2つの下り単位バンドを用いるような設定が為されるにも拘らず、上り通信では右側の上り単位バンドを利用するような設定が為される。
【0019】
そして、端末1に着目すると、LTE−Aシステムを構成する基地局(つまり、LTE−Aシステム対応の基地局(以下、「LTE−A基地局」という))とLTE−A端末との間では、
図4Aに示すシーケンス図に従って、信号の送受信が行われる。
図4Aに示すように、(1)端末1は、基地局との通信開始時に、左側の下り単位バンドと同期を取り、左側の下り単位バンドとペアになっている上り単位バンドの情報をSIB2(System Information Block Type 2)と呼ばれる報知信号から読み取る。(2)端末1は、この上り単位バンドを用いて、例えば、接続要求を基地局に送信することによって基地局との通信を開始する。(3)端末に対し複数の下り単位バンドを割り当てる必要があると判断した場合には、基地局は、端末に下り単位バンドの追加を指示する。ただし、この場合、上り単位バンド数は増えず、個別の端末である端末1において非対称Carrier aggregationが開始される。
【0020】
また、前述のCarrier aggregationが適用されるLTE−Aでは、端末が一度に複数の下り単位バンドにおいて複数の下り回線データを受信することがある。LTE−Aでは、この複数の下り回線データに対する複数の応答信号の送信方法として、Channel Selection(Multiplexingとも呼ぶ)、Bundling、及び、DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フォーマットがある。Channel Selectionでは、端末は、複数の下り回線データに関する誤り検出結果のパターンに応じて、応答信号に用いるシンボル点だけでなく、応答信号をマッピングするリソースも変化させる。これに対し、Bundlingでは、端末は、複数の下り回線データに関する誤り検出結果より生成されたACK又はNACK信号をBundlingして(すなわち、ACK=1、NACK=0とし、複数の下り回線データに関する誤り検出結果の論理積(Logical AND)を計算して)、予め決められた一つのリソースを用いて応答信号を送信する。また、DFT−S−OFDMフォーマットを用いた送信時には、端末は、複数の下り回線データに対する応答信号を纏めて符号化(Joint coding)し、当該フォーマットを用いてその符号化データを送信する(非特許文献5参照)。例えば、端末は、誤り検出結果のパターンのビット数に応じて、Channel Selection、Bundling、又は、DFT−S−OFDMのいずれかによる応答信号(ACK/NACK)のフィードバックを行ってもよい。又は、基地局が上記応答信号の送信方法を予め設定してもよい。
【0021】
Channel Selectionは、
図5に示すように、複数の下り単位バンド(最大2つの下り単位バンド)で受信した、下り単位バンド毎の複数の下り回線データに対する誤り検出結果がそれぞれACKかNACKかに基づいて、応答信号の位相点(すなわち、Constellation point)だけではなく、応答信号の送信に用いるリソース(以下、「PUCCHリソース」と表記することもある)も変化させる手法である。これに対し、Bundlingは、複数の下り回線データに対するACK/NACK信号を一つに束ねて、予め決められた一つのリソースから送信する手法である(非特許文献6、7参照)。以下、複数の下り回線データに対するACK/NACK信号を一つに束ねた信号を束ACK/NACK信号と呼ぶことがある。
【0022】
ここで、端末がPDCCHを介して下り割当制御情報を受信し、下り回線データを受信した場合における上り回線での応答信号の送信方法として、以下の2つの方法が考えられる。
【0023】
一つは、PDCCHが占有しているCCE(Control Channel Element)と1対1に関連付けられたPUCCHリソースを用いて応答信号を送信する方法(Implicit signalling)である(方法1)。つまり、基地局配下の端末に向けたDCIをPDCCH領域に配置する場合、各PDCCHは、1つ又は連続する複数のCCEで構成されるリソースを占有する。また、PDCCHが占有するCCE数(CCE連結数:CCE aggregation level)としては、例えば、割当制御情報の情報ビット数又は端末の伝搬路状態に応じて、1,2,4,8の中の1つが選択される。
【0024】
もう一つは、基地局からPUCCH向けのリソースを端末に対して予め通知しておく方法(Explicit signalling)である(方法2)。つまり、方法2では、端末は、基地局から予め通知されたPUCCHリソースを用いて応答信号を送信する。
【0025】
また、
図5に示すように、端末は、2つの単位バンドのうち、1つの単位バンドを用いて、応答信号を送信する。このような応答信号を送信する単位バンドは、PCC(Primary Component Carrier)又はPCell(Primary Cell)と呼ばれる。また、それ以外の単位バンドは、SCC(Secondary Component Carrier)又はSCell(Secondary Cell)と呼ばれる。例えば、PCC(PCell)は、応答信号を送信する単位バンドに関する報知情報(例えば、SIB2(System Information Block type 2))を送信している単位バンドである。
【0026】
なお、方法2では、複数の端末間で共通のPUCCH向けのリソース(例えば4つのPUCCH向けのリソース)を、基地局から端末に対して予め通知してもよい。例えば、端末は、SCell内のDCIに含まれる2ビットのTPC(Transmit Power Control)コマンド(送信電力制御命令)に基づいて、実際に用いるPUCCH向けのリソースを1つ選択する方法を採ってもよい。その際、当該TPCコマンドは、ARI(Ack/nack Resource Indicator)とも呼ばれる。これにより、Explicit signalling時に、或るサブフレームにおいて、或る端末がexplicit signallingされたPUCCH向けのリソースを使い、別のサブフレームでは、別の端末が、同一のexplicit signallingされたPUCCH向けのリソースを使うことができるようになる。
【0027】
また、Channel selectionでは、PCC(PCell)内のPDSCHを指示するPDCCHが占有している、CCEの先頭CCEインデックスに1対1に関連付けられて、上り単位バンド内のPUCCHリソース(
図5ではPUCCH領域1内のPUCCHリソース)が割り当てられる(Implicit signalling)。
【0028】
ここで、上記した非対称のCarrier aggregationが端末に適用される場合のChannel SelectionによるARQ制御について、
図5、
図6を援用して説明する。
【0029】
例えば、
図5では、端末1に対して、単位バンド1(PCell)、単位バンド2(SCell)から成る単位バンドグループ(英語で「Component carrier set」と表記されることがある)が設定される。この場合には、単位バンド1,2のそれぞれのPDCCHを介して下りリソース割当情報が基地局から端末1へ送信された後に、その下りリソース割当情報に対応するリソースで下り回線データが送信される。
【0030】
また、Channel selectionでは、単位バンド1(PCell)における複数の下りデータに対する誤り検出結果と、単位バンド2(SCell)における複数の下りデータに対する誤り検出結果とを表す応答信号が、PUCCH領域1内又はPUCCH領域2内に含まれるPUCCHリソースにマッピングされる。また、端末は、その応答信号として、2種類の位相点(BPSK(Binary Phase Shift Keying)マッピング)又は4種類の位相点(QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)マッピング)のいずれかを用いる。すなわち、Channel selectionでは、PUCCHリソースと位相点との組み合わせにより、単位バンド1(PCell)における複数の下りデータに対する誤り検出結果、及び、単位バンド2(SCell)における複数の下りデータに対する誤り検出結果のパターンを表すことができる。
【0031】
ここで、TDDシステムにおいて、単位バンドが2つの場合(PCellが1つ、SCellが1つの場合)の誤り検出結果のパターンのマッピング方法を
図6Aに示す。
【0032】
なお、
図6Aは、送信モードが以下の(a),(b),(c)のいずれかに設定される場合を想定する。
【0033】
(a)各単位バンドが、下り回線において1CW送信のみをサポートする送信モード
(b)一方の単位バンドが、下り回線において1CW送信のみをサポートする送信モードで、他方の単位バンドが、下り回線において2CW送信までをサポートする送信モード
(c)各単位バンドが、下り回線において2CW送信までをサポートする送信モード
更に、
図6Aは、単位バンド当たりに、何個分の下り通信サブフレーム(以降、「DL(DownLink)サブフレーム」と記載する。
図3に示す「D」又は「S」)の誤り検出結果を、1つの上り通信サブフレーム(以降、「UL(UpLink)サブフレーム」と記載する。
図3に示す「U」)で基地局に通知する必要があるか、を表す数Mが、以下の(1)〜(4)のいずれかに設定される場合を想定する。例えば、
図3に示すConfig 2では、4個のDLサブフレームの誤り検出結果が1つのULサブフレームで基地局に通知されるので、M=4となる。
【0034】
(1)M=1
(2)M=2
(3)M=3
(4)M=4
【0035】
つまり、
図6Aは、上記(a)〜(c)及び上記(1)〜(4)のそれぞれを組み合わせた場合の誤り検出結果のパターンのマッピング方法を示す。なお、Mの値は、
図3に示すように、UL-DL Configuration(Config 0〜6)、及び、1フレーム内のサブフレーム番号(SF#0〜SF#9)によって異なる。また、
図3に示すConfig 5では、サブフレーム(SF)#2においてM=9となる。しかし、この場合、LTE−AのTDDシステムでは、端末は、Channel selectionを適用せずに、例えばDFT−S−OFDMフォーマットを用いて誤り検出結果を通知する。このため、
図6Aでは、Config 5(M=9)を、上記組合せに組み入れていない。
【0036】
(1)の場合、誤り検出結果のパターン数は、(a)、(b)、(c)の順に、2
2×1=4パターン、2
3×1=8パターン、2
4×1=16パターン存在する。(2)の場合、誤り検出結果のパターン数は、(a)、(b)、(c)の順に、2
2×2=8パターン、2
3×2=16パターン、2
4×2=32パターン存在する。(3)、(4)の場合も同様である。
【0037】
ここで、1つのPUCCHリソースにおいてマッピングする各位相点間の位相差が最小でも90度である場合(すなわち、1つのPUCCHリソースあたり最大4パターンをマッピングする場合)を想定する。この場合、誤り検出結果の全てのパターンをマッピングするために必要なPUCCHリソース数は、誤り検出結果のパターン数が最大の(4)かつ(c)の場合(2
4×4=64パターン)に、2
4×4÷4=16個必要になってしまい、現実的ではない。そこで、TDDシステムでは、誤り検出結果を、空間領域、さらに必要ならば、時間領域で束ねる(バンドリング:Bundling)ことで、誤り検出結果の情報量を意図的に欠落させる。これにより、誤り検出結果パターンの通知に必要なPUCCHリソース数を制限している。
【0038】
LTE−AのTDDシステムでは、(1)の場合、端末は、誤り検出結果をバンドリングせずに、(a)、(b)、(c)の順に、4パターン、8パターン、16パターンの誤り検出結果パターンを、それぞれ2つ、3つ、4つのPUCCHリソースにマッピングする(
図6AのStep3)。すなわち、端末は、下り回線で1CW(コードワード:codeword)送信のみをサポートする送信モード(non−MIMO)が設定された単位バンドあたり、1ビットの誤り検出結果を通知し、下り回線で2CW送信までをサポートする送信モード(MIMO)が設定された単位バンドあたり、2ビットの誤り検出結果を通知する。
【0039】
LTE−AのTDDシステムでは、(2)かつ(a)の場合も、端末は、誤り検出結果をバンドリングせずに、8パターンの誤り検出結果パターンを、4つのPUCCHリソースにマッピングする(
図6AのStep3)。その際、端末は、1つの下り単位バンドあたり、2ビットの誤り検出結果を通知する。
【0040】
LTE−AのTDDシステムでは、(2)かつ(b)((2)かつ(c)も同様)の場合、端末は、下り回線で2CW送信までをサポートする送信モードが設定された単位バンドの誤り検出結果を空間領域でバンドリング(空間バンドリング:Spatial bundling)(
図6AのStep1)する。空間バンドリングでは、たとえば、2CWの誤り検出結果のうち、少なくとも一方のCWに対する誤り検出結果がNACKである場合、空間バンドリング後の誤り検出結果をNACKと判定する。すなわち、空間バンドリングでは、2CWの誤り検出結果に対して論理AND(Logical And)をとる。そして、端末は、空間バンドリング後の誤り検出結果パターン((2)かつ(b)の場合は8パターン、(2)かつ(c)の場合は16パターン)を、4つのPUCCHリソースにマッピングする(
図6AのStep3)。その際、端末は、1つの下り単位バンドあたり、2ビットの誤り検出結果を通知する。
【0041】
LTE−AのTDDシステムでは、(3)又は(4)、かつ、(a)、(b)又は(c)の場合、端末は、空間バンドリング(Step1)後に、時間領域でバンドリング(時間領域バンドリング:Time-domain bundling)する(
図6AのStep2)。そして、端末は、時間領域バンドリング後の誤り検出結果パターンを、4つのPUCCHリソースにマッピングする(
図6AのStep3)。その際、端末は、1つの下り単位バンドあたり、2ビットの誤り検出結果を通知する。
【0042】
次に、
図6Bを用いて、具体的なマッピング方法の一例を示す。
図6Bは、下り単位バンドが2つ(PCellが1つ、SCellが1つ)の場合、かつ、「(c)各単位バンドが、下り回線において2CW送信までをサポートする送信モード」が設定され、かつ、「(4)M=4」の場合の例である。
【0043】
図6Bでは、PCellの誤り検出結果が、4つのDLサブフレーム(SF1〜4)で、(CW0,CW1)の順に、(ACK(A),ACK)、(ACK,ACK)、(NACK(N),NACK)、(ACK,ACK)となる。
図6Bに示すPCellでは、M=4であるので、端末は、
図6AのStep1で、これらを空間バンドリングする(
図6Bの実線で囲んだ部分)。空間バンドリングの結果、
図6Bに示すPCellの4つのDLサブフレームでは、順にACK、ACK、NACK、ACKが得られる。さらに、端末は、
図6AのStep2で、Step1で得られた空間バンドリング後の4ビットの誤り検出結果パターン(ACK,ACK,NACK,ACK)に対して、時間領域バンドリングする(
図6Bの破線で囲んだ部分)。これにより、
図6Bに示すPCellでは、(NACK,ACK)の2ビットの誤り検出結果が得られる。
【0044】
端末は、
図6Bに示すSCellについても同様に、空間バンドリング及び時間領域バンドリングを行うことにより、(NACK,NACK)の2ビットの誤り検出結果が得られる。
【0045】
そして、端末は、
図6AのStep3で、PCell及びSCellの時間領域バンドリング後の各2ビットの誤り検出結果パターンをPCell、SCellの順に組み合わせて、4ビットの誤り検出結果パターン(NACK,ACK,NACK,NACK)にまとめる。端末は、この4ビットの誤り検出結果パターンを、
図6AのStep3に示すマッピングテーブルを用いて、PUCCHリソース(この場合、h1)と位相点(この場合、−j)とを決定する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0061】
(実施の形態1)
図8は、本実施の形態に係る端末200の主要構成図である。端末200は、第1の単位バンド及び第2の単位バンドを含む複数の単位バンドを用いて基地局100と通信する。また、端末200に設定される各単位バンドには、1フレームを構成するサブフレームの構成パターンであって、下り回線の通信に用いられる下り通信サブフレーム(DLサブフレーム)及び上り回線の通信に用いられる上り通信サブフレーム(ULサブフレーム)を含む構成パターン(DL-UL Configuration)が設定される。端末200において、抽出部204が、複数の単位バンドで下りデータをそれぞれ受信し、CRC部211が、各下りデータの誤りを検出し、応答信号生成部212が、CRC部211で得られる各下りデータの誤り検出結果を用いて応答信号を生成し、制御部208が、応答信号を基地局100へ送信する。ただし、第1の単位バンドに設定されたUL DL Configuration(第1の構成パターン)では、少なくとも、第2の単位バンドに設定されたUL DL Configuration(第2の構成パターン)のULサブフレームと同一タイミングにULサブフレームが設定される。また、制御部208は、第1の単位バンド及び第2の単位バンドでそれぞれ受信されたデータに対する誤り検出結果を含む応答信号を、第1の単位バンドで送信する。
【0062】
[基地局の構成]
図9は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図9において、基地局100は、制御部101と、制御情報生成部102と、符号化部103と、変調部104と、符号化部105と、データ送信制御部106と、変調部107と、マッピング部108と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部109と、CP付加部110と、無線送信部111と、無線受信部112と、CP除去部113と、PUCCH抽出部114と、逆拡散部115と、系列制御部116と、相関処理部117と、A/N判定部118と、束A/N逆拡散部119と、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)部120と、束A/N判定部121と、再送制御信号生成部122とを有する。
【0063】
制御部101は、リソース割当対象端末(以下「宛先端末」又は単に「端末」ともいう)200に対して、制御情報を送信するための下りリソース(つまり、下り制御情報割当リソース)、及び、下り回線データを送信するための下りリソース(つまり、下りデータ割当リソース)を割り当てる(Assignする)。このリソース割当は、リソース割当対象端末200に設定される単位バンドグループに含まれる下り単位バンドにおいて行われる。また、下り制御情報割当リソースは、各下り単位バンドにおける下り制御チャネル(PDCCH)に対応するリソース内で選択される。また、下りデータ割当リソースは、各下り単位バンドにおける下りデータチャネル(PDSCH)に対応するリソース内で選択される。また、リソース割当対象端末200が複数有る場合には、制御部101は、リソース割当対象端末200のそれぞれに異なるリソースを割り当てる。
【0064】
下り制御情報割当リソースは、上記したL1/L2CCHと同等である。すなわち、下り制御情報割当リソースは、1つ又は複数のCCEから構成される。
【0065】
また、制御部101は、リソース割当対象端末200に対して制御情報を送信する際に用いる符号化率を決定する。この符号化率に応じて制御情報のデータ量が異なるので、このデータ量の制御情報をマッピング可能な数のCCEを持つ下り制御情報割当リソースが、制御部101によって割り当てられる。
【0066】
そして、制御部101は、制御情報生成部102に対して、下りデータ割当リソースに関する情報を出力する。また、制御部101は、符号化部103に対して、符号化率に関する情報を出力する。また、制御部101は、送信データ(つまり、下り回線データ)の符号化率を決定し、符号化部105に出力する。また、制御部101は、下りデータ割当リソース及び下り制御情報割当リソースに関する情報をマッピング部108に対して出力する。ただし、制御部101は下り回線データと当該下り回線データに対する下り制御情報を同一の下り単位バンドにマッピングするよう制御する。
【0067】
制御情報生成部102は、下りデータ割当リソースに関する情報を含む制御情報を生成して符号化部103へ出力する。この制御情報は下り単位バンド毎に生成される。また、リソース割当対象端末200が複数有る場合に、リソース割当対象端末200同士を区別するために、制御情報には、宛先端末200の端末IDが含まれる。例えば、宛先端末200の端末IDでマスキングされたCRCビットが制御情報に含まれる。この制御情報は、「下り割当制御情報(Control information carrying downlink assignment)」又は「Downlink Control Information(DCI)」と呼ばれることがある。
【0068】
符号化部103は、制御部101から受け取る符号化率に従って、制御情報を符号化し、符号化された制御情報を変調部104へ出力する。
【0069】
変調部104は、符号化後の制御情報を変調し、得られた変調信号をマッピング部108へ出力する。
【0070】
符号化部105は、宛先端末200毎の送信データ(つまり、下り回線データ)及び制御部101からの符号化率情報を入力として送信データを符号化し、データ送信制御部106に出力する。ただし、宛先端末200に対して複数の下り単位バンドが割り当てられる場合には、符号化部105は、各下り単位バンドで送信される送信データをそれぞれ符号化し、符号化後の送信データをデータ送信制御部106へ出力する。
【0071】
データ送信制御部106は、初回送信時には、符号化後の送信データを保持すると共に変調部107へ出力する。符号化後の送信データは、宛先端末200毎に保持される。また、1つの宛先端末200への送信データは、送信される下り単位バンド毎に保持される。これにより、宛先端末200に送信されるデータ全体の再送制御だけでなく、下り単位バンド毎の再送制御も可能になる。
【0072】
また、データ送信制御部106は、再送制御信号生成部122から或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対するNACK又はDTXを受け取ると、この下り単位バンドに対応する保持データを変調部107へ出力する。データ送信制御部106は、再送制御信号生成部122から或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対するACKを受け取ると、この下り単位バンドに対応する保持データを削除する。
【0073】
変調部107は、データ送信制御部106から受け取る符号化後の送信データを変調し、変調信号をマッピング部108へ出力する。
【0074】
マッピング部108は、制御部101から受け取る下り制御情報割当リソースの示すリソースに、変調部104から受け取る制御情報の変調信号をマッピングし、IFFT部109へ出力する。
【0075】
また、マッピング部108は、制御部101から受け取る下りデータ割当リソース(すなわち、制御情報に含まれる情報)の示すリソース(PDSCH(下りデータチャネル))に、変調部107から受け取る送信データの変調信号をマッピングし、IFFT部109へ出力する。
【0076】
マッピング部108にて複数の下り単位バンドにおける複数のサブキャリアにマッピングされた制御情報及び送信データは、IFFT部109で周波数領域信号から時間領域信号に変換され、CP付加部110にてCPが付加されてOFDM信号とされた後に、無線送信部111にてD/A(Digital to Analog)変換、増幅及びアップコンバート等の送信処理が施され、アンテナを介して端末200へ送信される。
【0077】
無線受信部112は、端末200から送信された上り応答信号又は参照信号を、アンテナを介して受信し、上り応答信号又は参照信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行う。
【0078】
CP除去部113は、受信処理後の上り応答信号又は参照信号に付加されているCPを除去する。
【0079】
PUCCH抽出部114は、受信信号に含まれるPUCCH信号から、予め端末200に通知してある束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域の信号を抽出する。ここで、束ACK/NACKリソースとは、前述したように、束ACK/NACK信号が送信されるべきリソースであり、DFT−S−OFDMフォーマット構成を採るリソースである。具体的には、PUCCH抽出部114は、束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域のデータ部分(すなわち、束ACK/NACK信号が配置されているSC−FDMAシンボル)と参照信号部分(すなわち、束ACK/NACK信号を復調するための参照信号が配置されているSC−FDMAシンボル)を抽出する。PUCCH抽出部114は、抽出したデータ部分を束A/N逆拡散部119に出力し、参照信号部分を逆拡散部115−1に出力する。
【0080】
また、PUCCH抽出部114は、受信信号に含まれるPUCCH信号から、下り割当制御情報(DCI)の送信に用いられたPDCCHが占有していたCCEに対応付けられているA/Nリソース及び予め端末200に通知してある複数のA/Nリソースに対応する複数のPUCCH領域を抽出する。ここで、A/Nリソースとは、A/Nが送信されるべきリソースである。具体的には、PUCCH抽出部114は、A/Nリソースに対応するPUCCH領域のデータ部分(上り制御信号が配置されているSC−FDMAシンボル)と参照信号部分(上り制御信号を復調するための参照信号が配置されているSC−FDMAシンボル)を抽出する。そして、PUCCH抽出部114は、抽出したデータ部分及び参照信号部分の両方を、逆拡散部115−2に出力する。このようにして、CCEに関連付けられたPUCCHリソース及び端末200に対して通知した特定のPUCCHリソースの中から選択されたリソースで応答信号が受信される。
【0081】
系列制御部116は、端末200から通知されるA/N、A/Nに対する参照信号、及び、束ACK/NACK信号に対する参照信号のそれぞれの拡散に用いられる可能性があるBase sequence(すなわち、系列長12のZAC系列)を生成する。また、系列制御部116は、端末200が用いる可能性のあるPUCCHリソースにおいて、参照信号が配置され得るリソース(以下「参照信号リソース」という)に対応する相関窓をそれぞれ特定する。そして、系列制御部116は、束ACK/NACKリソースにおいて参照信号が配置され得る参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを相関処理部117−1に出力する。系列制御部116は、参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを、相関処理部117−1に出力する。また、系列制御部116は、A/N及びA/Nに対する参照信号が配置されるA/Nリソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを相関処理部117−2に出力する。
【0082】
逆拡散部115−1及び相関処理部117−1は、束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域から抽出された参照信号の処理を行う。
【0083】
具体的には、逆拡散部115−1は、端末200が束ACK/NACKリソースの参照信号において2次拡散に用いるべきウォルシュ系列で参照信号部分を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部117−1に出力する。
【0084】
相関処理部117−1は、参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを用いて、逆拡散部115−1から入力される信号と、端末200において1次拡散に用いられる可能性のあるBase sequenceとの相関値を求める。そして、相関処理部117−1は、相関値を束A/N判定部121に出力する。
【0085】
逆拡散部115−2及び相関処理部117−2は、複数のA/Nリソースに対応する複数のPUCCH領域から抽出された参照信号及びA/Nの処理を行う。
【0086】
具体的には、逆拡散部115−2は、端末200が各A/Nリソースのデータ部分及び参照信号部分において2次拡散に用いるべきウォルシュ系列及びDFT系列でデータ部分及び参照信号部分を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部117−2に出力する。
【0087】
相関処理部117−2は、各A/Nリソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを用いて、逆拡散部115−2から入力される信号と、端末200において1次拡散に用いられる可能性のあるBase sequenceとの相関値をそれぞれ求める。そして、相関処理部117−2は、それぞれの相関値をA/N判定部118に出力する。
【0088】
A/N判定部118は、相関処理部117−2から入力される複数の相関値に基づいて、端末200からどのA/Nリソースを用いて信号が送信されているか、若しくは、いずれのA/Nリソースも用いられていないかを判定する。そして、A/N判定部118は、端末200からいずれかのA/Nリソースを用いて信号が送信されていると判定した場合、参照信号に対応する成分及びA/Nに対応する成分を用いて同期検波を行い、同期検波の結果を再送制御信号生成部122に出力する。一方、A/N判定部118は、端末200がいずれのA/Nリソースも用いていないと判定した場合には、A/Nリソースが用いられていない旨を再送制御信号生成部122に出力する。
【0089】
束A/N逆拡散部119は、PUCCH抽出部114から入力される束ACK/NACKリソースのデータ部分に対応する束ACK/NACK信号をDFT系列によって逆拡散し、その信号をIDFT部120に出力する。
【0090】
IDFT部120は、束A/N逆拡散部119から入力される周波数領域上の束ACK/NACK信号を、IDFT処理によって時間領域上の信号に変換し、時間領域上の束ACK/NACK信号を束A/N判定部121に出力する。
【0091】
束A/N判定部121は、IDFT部120から入力される束ACK/NACKリソースのデータ部分に対応する束ACK/NACK信号を、相関処理部117−1から入力される束ACK/NACK信号の参照信号情報を用いて復調する。また、束A/N判定部121は、復調後の束ACK/NACK信号を復号し、復号結果を束A/N情報として再送制御信号生成部122に出力する。ただし、束A/N判定部121は、相関処理部117−1から入力される相関値が閾値よりも小さく、端末200から束A/Nリソースを用いて信号が送信されていないと判定した場合には、その旨を再送制御信号生成部122に出力する。
【0092】
再送制御信号生成部122は、束A/N判定部121から入力される情報、A/N判定部118から入力される情報、及び、予め端末200に設定したグループ番号を示す情報に基づいて、下り単位バンドで送信したデータ(下り回線データ)を再送すべきか否かを判定し、判定結果に基づいて再送制御信号を生成する。具体的には、再送制御信号生成部122は、或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対して再送する必要があると判断した場合には、当該下り回線データの再送命令を示す再送制御信号を生成して、再送制御信号をデータ送信制御部106へ出力する。また、再送制御信号生成部122は、或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対して再送する必要が無いと判断した場合には、当該下り単位バンドで送信した下り回線データを再送しないことを示す再送制御信号を生成して、再送制御信号をデータ送信制御部106へ出力する。なお、再送制御信号生成部122における単にバンドのグルーピング方法の詳細については後述する。
【0093】
[端末の構成]
図10は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図10において、端末200は、無線受信部201と、CP除去部202と、FFT(Fast Fourier Transform)部203と、抽出部204と、復調部205と、復号部206と、判定部207と、制御部208と、復調部209と、復号部210と、CRC部211と、応答信号生成部212と、符号化・変調部213と、1次拡散部214−1,214−2と、2次拡散部215−1,215−2と、DFT部216と、拡散部217と、IFFT部218−1,218−2,218−3と、CP付加部219−1,219−2,219−3と、時間多重部220と、選択部221と、無線送信部222とを有する。
【0094】
無線受信部201は、基地局100から送信されたOFDM信号を、アンテナを介して受信し、受信OFDM信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行う。なお、受信OFDM信号には、PDSCH内のリソースに割り当てられたPDSCH信号(下り回線データ)又はPDCCH内のリソースに割り当てられたPDCCH信号が含まれる。
【0095】
CP除去部202は、受信処理後のOFDM信号に付加されているCPを除去する。
【0096】
FFT部203は、受信OFDM信号をFFTして周波数領域信号に変換し、得られた受信信号を抽出部204へ出力する。
【0097】
抽出部204は、入力される符号化率情報に従って、FFT部203から受け取る受信信号から下り制御チャネル信号(PDCCH信号)を抽出する。すなわち、符号化率に応じて下り制御情報割当リソースを構成するCCE(又はR−CCE)の数が変わるので、抽出部204は、その符号化率に対応する個数のCCEを抽出単位として、下り制御チャネル信号を抽出する。また、下り制御チャネル信号は、下り単位バンドごとに抽出される。抽出された下り制御チャネル信号は、復調部205へ出力される。
【0098】
また、抽出部204は、後述する判定部207から受け取る自装置宛の下りデータ割当リソースに関する情報に基づいて、受信信号から下り回線データ(下りデータチャネル信号(PDSCH信号))を抽出し、復調部209へ出力する。このように、抽出部204は、PDCCHにマッピングされた下り割当制御情報(DCI)を受信し、PDSCHで下り回線データを受信する。
【0099】
復調部205は、抽出部204から受け取る下り制御チャネル信号を復調し、得られた復調結果を復号部206に出力する。
【0100】
復号部206は、入力される符号化率情報に従って、復調部205から受け取る復調結果を復号して、得られた復号結果を判定部207に出力する。
【0101】
判定部207は、復号部206から受け取る復号結果に含まれる制御情報が自装置宛の制御情報であるか否かをブラインド判定(モニタ)する。この判定は、上記した抽出単位に対応する復号結果を単位として行われる。例えば、判定部207は、自装置の端末IDでCRCビットをデマスキングし、CRC=OK(誤り無し)となった制御情報を自装置宛の制御情報であると判定する。そして、判定部207は、自装置宛の制御情報に含まれる、自装置に対する下りデータ割当リソースに関する情報を抽出部204へ出力する。
【0102】
また、判定部207は、自装置宛の制御情報(すなわち、下り割当制御情報)を検出した場合、ACK/NACK信号が発生(存在)する旨を制御部208に通知する。また、判定部207は、自装置宛の制御情報をPDCCH信号から検出した場合、当該PDCCHが占有していたCCEに関する情報を制御部208に出力する。
【0103】
制御部208は、判定部207から入力されるCCEに関する情報から、当該CCEに関連付けられたA/Nリソースを特定する。そして、制御部208は、CCEに関連付けられたA/Nリソース、又は、予め基地局100から通知されているA/Nリソースに対応するBase sequence及び循環シフト量を、1次拡散部214−1へ出力し、当該A/Nリソースに対応するウォルシュ系列及びDFT系列を2次拡散部215−1へ出力する。また、制御部208は、A/Nリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−1に出力する。
【0104】
また、制御部208は、束ACK/NACK信号を束ACK/NACKリソースを用いて送信すると判断した場合、予め基地局100から通知されている束ACK/NACKリソースの参照信号部分(参照信号リソース)に対応するBase sequence及び循環シフト量を、1次拡散部214−2へ出力し、ウォルシュ系列を2次拡散部215−2へ出力する。また、制御部208は、束ACK/NACKリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−2に出力する。
【0105】
また、制御部208は、束ACK/NACKリソースのデータ部分の拡散に用いるDFT系列を拡散部217に出力し、束ACK/NACKリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−3に出力する。
【0106】
また、制御部208は、束ACK/NACKリソース又はA/Nリソースのいずれかを選択し、選択したリソースを無線送信部222に出力するよう選択部221に指示する。更に、制御部208は、選択したリソースに応じて、束ACK/NACK信号又はACK/NACK信号のいずれかを生成するよう応答信号生成部212に指示する。
【0107】
復調部209は、抽出部204から受け取る下り回線データを復調し、復調後の下り回線データを復号部210へ出力する。
【0108】
復号部210は、復調部209から受け取る下り回線データを復号し、復号後の下り回線データをCRC部211へ出力する。
【0109】
CRC部211は、復号部210から受け取る復号後の下り回線データを生成し、CRCを用いて下り単位バンド毎に誤り検出し、CRC=OK(誤り無し)の場合にはACKを、CRC=NG(誤り有り)の場合にはNACKを、応答信号生成部212へそれぞれ出力する。また、CRC部211は、CRC=OK(誤り無し)の場合には、復号後の下り回線データを受信データとして出力する。
【0110】
応答信号生成部212は、CRC部211から入力される、各下り単位バンドにおける下り回線データの受信状況(下り回線データの誤り検出結果)、及び、予め設定されたグループ番号を示す情報に基づいて応答信号を生成する。すなわち、応答信号生成部212は、制御部208から束ACK/NACK信号を生成するように指示された場合には、下り単位バンド毎の誤り検出結果の各々が個別データとして含まれている束ACK/NACK信号を生成する。一方、応答信号生成部212は、制御部208からACK/NACK信号を生成するように指示された場合には、1シンボルのACK/NACK信号を生成する。そして、応答信号生成部212は生成した応答信号を符号化・変調部213に出力する。なお、応答信号生成部212における、単位バンドのグルーピング方法の詳細については後述する。
【0111】
符号化・変調部213は、束ACK/NACK信号が入力された場合には、入力された束ACK/NACK信号を符号化・変調し、12シンボルの変調信号を生成し、DFT部216へ出力する。また、符号化・変調部213は、1シンボルのACK/NACK信号が入力された場合には、当該ACK/NACK信号を変調し、1次拡散部214−1に出力する。
【0112】
A/Nリソース、及び、束ACK/NACKリソースの参照信号リソースに対応する1次拡散部214−1及び214−2は、制御部208の指示に従ってACK/NACK信号又は参照信号を、リソースに対応するBase sequenceによって拡散し、拡散した信号を2次拡散部215−1,215−2へ出力する。
【0113】
2次拡散部215−1,215−2は、制御部208の指示により、入力された1次拡散後の信号をウォルシュ系列又はDFT系列を用いて拡散しIFFT部218−1,218−2に出力する。
【0114】
DFT部216は、入力される時系列の束ACK/NACK信号を12個纏めてDFT処理を行うことにより、12個の周波数軸上の信号成分を得る。そして、DFT部216は12個の信号成分を拡散部217に出力する。
【0115】
拡散部217は、制御部208から指示されたDFT系列を用いて、DFT部216から入力された12個の信号成分を拡散し、IFFT部218−3に出力する。
【0116】
IFFT部218−1,218−2,218−3は、制御部208の指示により、入力された信号を、配置されるべき周波数位置に対応付けてIFFT処理を行う。これにより、IFFT部218−1,218−2,218−3に入力された信号(すなわち、ACK/NACK信号、A/Nリソースの参照信号、束ACK/NACKリソースの参照信号、束ACK/NACK信号)は時間領域の信号に変換される。
【0117】
CP付加部219−1,219−2,219−3は、IFFT後の信号の後尾部分と同じ信号をCPとしてその信号の先頭に付加する。
【0118】
時間多重部220は、CP付加部219−3から入力される束ACK/NACK信号(すなわち、束ACK/NACKリソースのデータ部分を用いて送信される信号)と、CP付加部219−2から入力される束ACK/NACKリソースの参照信号とを、束ACK/NACKリソースに時間多重し、得られた信号を選択部221へ出力する。
【0119】
選択部221は、制御部208の指示に従って、時間多重部220から入力される束ACK/NACKリソースとCP付加部219−1から入力されるA/Nリソースのいずれかを選択し、選択したリソースに割り当てられた信号を無線送信部222へ出力する。
【0120】
無線送信部222は、選択部221から受け取る信号に対しD/A変換、増幅及びアップコンバート等の送信処理を行い、アンテナから基地局100へ送信する。
【0121】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。
【0122】
本実施の形態では、端末200は、同一のUL-DL Configuration毎に単位バンドをグルーピングして、グループ内の複数の単位バンドで受信したデータに対する誤り検出結果を、グループ内の特定の1つの単位バンドで通知する。
【0123】
図11は、本実施の形態における誤り検出結果の通知例を示す。
図11では、端末200に対して、周波数f
1、f
2、f
A及びf
Bの単位バンドを含む4個以上の単位バンドが設定される。
図11において、周波数f
1の単位バンドはPCellであり、f
2、f
A及びf
Bの単位バンドは、それぞれSCell1〜3である。また、
図11では、PCell及びSCell1に対するUL-DL ConfigurationとしてConfig 2が設定され、SCell2及びSCell3に対するUL-DL ConfigurationとしてConfig 3が設定される。
【0124】
つまり、
図11では、PCell及びSCell1に対して同一のUL-DL Configuration(Config 2)が設定され、SCell2及びSCell3に対して同一のUL-DL Configuration(Config 3)が設定される。
【0125】
そこで、端末200の応答信号生成部212は、同一のUL-DL Configuration(Config 2)が設定されたPCell及びSCell1を1つのグループ(グループ1)にまとめ、同一のUL-DL Configuration(Config 3)が設定されたSCell2及びSCell3を1つのグループ(グループ2)にまとめる。
【0126】
そして、応答信号生成部212は、各グループにおいて、複数の単位バンドの誤り検出結果を表す1つの応答信号を生成する。例えば、応答信号生成部212は、
図6に示すように、グループ内の各単位バンドの誤り検出結果のビットに対して空間バンドリング及び時間領域バンドリングを行って、1つの応答信号を生成してもよい。
【0127】
これにより、
図11では、グループ1において、PCell及びSCell1でそれぞれ受信されたデータ信号に対する誤り検出結果を表す1つの応答信号が生成される。また、
図11では、グループ2において、SCell2及びSCell3でそれぞれ受信されたデータ信号に対する誤り検出結果を表す1つの応答信号が生成される。
【0128】
次いで、制御部208は、各グループで生成された応答信号を通知する単位バンドとして、1グループにつき1つの特定の単位バンドを選択する。例えば、
図11に示すグループ1のように、グループ内にPCellが含まれる場合、制御部208は、応答信号を通知する特定の単位バンドとして、PCellを常に選択してもよい。また、
図11に示すグループ2のように、グループ内にPCellが含まれない場合(グループがSCellのみで構成される場合)、制御部208は、応答信号を通知する特定の単位バンドとして、グループ内のSCellのうち、SCellのインデックスが小さいものから選択してもよい。つまり、
図11に示すグループ2では、応答信号を通知する特定の単位バンドとしてSCell2が選択される。
【0129】
これにより、
図11において、グループ1では、グループ1内の全ての単位バンドに対する誤り検出結果を表す応答信号はPCellのULサブフレームで通知される。また、グループ2では、グループ2内の全ての単位バンドに対する誤り検出結果を表す応答信号はSCell2のULサブフレームで通知される。
【0130】
なお、基地局100と端末200との間で、どのUL-DL Configurationがどのグループに属しているかが合っていないと、正しく誤り検出結果を通知することができない。つまり、基地局100と端末200との間で、端末200に設定される単位バンドに対して、どのグループに属するかを表すグループ番号(
図11に示すグループ1,2)に関して共通の認識を持たせる必要がある。そのために、基地局100から端末200に対して、グループ番号を予め設定してもよい(図示せず)。
【0131】
これにより、端末200の応答信号生成部212は、予め設定されたグループ番号を示す情報に基づいて、グループ毎に1つの応答信号を生成する。一方、基地局100の再送制御信号生成部122は、予め端末200に設定したグループ番号を示す情報に基づいて、A/N判定部118での同期検波の結果がいずれのグループ(単位バンド)の誤り検出結果であるかを特定し、各単位バンドで送信したデータ(下り回線データ)を再送すべきか否かを判定する。
【0132】
このように、
図11に示すように、同一UL-DL Configurationが設定された単位バンドが1つのグループにグルーピングされる。よって、グループ内の単位バンド間では、ULサブフレームのタイミング及びDLサブフレームのタイミングが一致する。よって、例えば、グループ1内において、端末200が
図11に示すSCell1の誤り検出結果をPCellで通知する場合でも、SCell1の誤り検出結果の通知タイミングは、1CC時の誤り検出結果の通知タイミング(
図3参照)と同一である。
【0133】
すなわち、本実施の形態によれば、端末200に設定された各単位バンドの誤り検出結果の通知タイミングは、常に、
図3に示す1CC時の通知タイミングと同一のタイミングに維持することができる。つまり、
図7Bに示すように、端末200に設定されたUL-DL Configurationの組み合わせに応じて誤り検出結果の通知タイミングが異なってしまうことを防止することができる。
【0134】
また、本実施の形態によれば、グループ毎に1つの特定の単位バンドで、グループ内の各単位バンドで受信されたデータ信号に対する誤り検出結果を表す応答信号が通知される。このため、単位バンド毎に独立に誤り検出結果を通知する場合(
図7A参照)と比較して、A/Nリソース量、及び、基地局100での誤り検出結果の復号処理量の増加を抑えることができる。
図11では、グループ1及びグループ2はそれぞれ2つの単位バンドで構成されるので、単位バンド毎に独立に誤り検出結果を通知する場合(
図7A参照)と比較して、A/Nリソース量、及び、基地局100での誤り検出結果の復号処理量をそれぞれ1/2に抑えることができる。
【0135】
ここで、1つの端末200に対して、最大5個の単位バンド(5CC)が設定可能とする。つまり、端末200に対して5個の単位バンド(5CC)にそれぞれ異なる5種類のUL-DL Configurationが設定される場合があり得る。この場合、端末200に設定された5個の単位バンドは、5個のグループにグループ化される。前述したように、端末200はグループ毎に1つの単位バンドで誤り検出結果を通知する。よって、この場合、端末200に対して最大で5CC分のA/Nリソースが必要になる。さらに、基地局100では最大で5並列(1グループの誤り検出結果/1並列)の誤り検出結果の復号処理が必要になる。
【0136】
しかし、実際の運用を考慮すると、1つの端末200に対して5個の単位バンドが設定されたとしても、各単位バンドに異なる5個のUL-DL Configurationを設定しなければならないほどに、システム設定の自由度を高くする必要性はあまり無い。すなわち、適度のシステム設定の自由度を担保できる現実的なUL-DL Configurationの数は、2〜3種類であることが考えられる。この点を考慮すると、本実施の形態では、たとえ端末200に対して最大5個の単位バンドが設定されたとしても、5個の単位バンドを2〜3個のグループにグルーピングできる。よって、端末200に対して最大5個の単位バンドが設定されても、最大で2〜3個分のA/Nリソース、及び、基地局100での2〜3並列分の誤り検出結果の復号処理を要するだけで済む。
【0137】
このようにして、本実施の形態では、上り単位バンド及び上り単位バンドと対応づけられた複数の下り単位バンドを使用した通信においてARQが適用される場合、かつ、単位バンド毎に設定されるUL-DL Configuration(ULサブフレームとDLサブフレームとの割合)が異なる場合において、SCellの誤り検出結果の通知タイミングを、単一の単位バンドのみが設定されている場合の誤り検出結果の通知タイミングから変更させることなく、かつ、使用するA/Nリソース量及び基地局での誤り検出結果の復号処理量の増加を抑えることができる。
【0138】
(実施の形態2)
本実施の形態では、端末200に設定される各単位バンドのUL-DL Configuration間におけるULサブフレームタイミングの包含関係に着目して、端末200に設定された単位バンドをグルーピングする。
【0139】
以下、UL-DL Configuration間におけるULサブフレームタイミングの包含関係について
図12を用いて説明する。なお、
図12に示すConfig 0〜6は、
図3に示すConfig 0〜6にそれぞれ対応する。すなわち、
図12に示すUL-DL Configurationは、1フレーム(10msec)を構成するサブフレームの構成パターンであり、DLサブフレーム及びULサブフレームを含む。
【0140】
図12Aは、1フレーム(10サブフレーム。サブフレーム#0〜#9)分のDLサブフレーム、ULサブフレームおよびSpecialサブフレームのタイミングのうち、ULサブフレームタイミングに着目して、UL-DL Configuration間の包含関係を記載した図である。
図12Bは、
図12Aの記載を簡略化し、包含関係のみに着目した図である。
【0141】
図12Aにおいて、例えば、Config 0は、サブフレーム#2、#3、#4、#7、#8及び#9でULサブフレームとなり、全てのUL-DL Configuration(Config 0〜6)の中で、1フレームにおけるULサブフレームの割合が最も高い。
【0142】
図12Aにおいて、例えば、Config 6は、サブフレーム#2、#3、#4、#7および#8でULサブフレームとなる。
【0143】
ここで、
図12Aに示すように、Config 0およびConfig 6の双方において、サブフレーム#2、#3、#4、#7および#8はULサブフレームである。また、Config 0のサブフレーム#9をDLサブフレームにしたものがConfig 6であり、Config 6のサブフレーム#9をULサブフレームにしたものがConfig 0であるとも言える。
【0144】
すなわち、Config 6におけるULサブフレームのタイミングは、Config 0におけるULサブフレームのタイミングのサブセットになっている。つまり、Config 6のULサブフレームタイミングは、Config 0のULサブフレームタイミングに包含されている。このようなセット(Config 0)とサブセット(Config 6)の関係(包含関係)は、
図12A及び
図12Bに示すように、Config 1とConfig 3、Config 2とConfig 4、および、Config 3とConfig 2の3つの組み合わせを除く、全ての2つのUL-DL Configuration間で存在する。
【0145】
なお、
図12A及び
図12Bにおいて、ULサブフレームについての包含関係を有するUL-DL Configuration間において、ULサブフレーム数がより多いUL-DL Configurationを「上位のUL-DL Configuration」と呼び、ULサブフレーム数がより少ないUL-DL Configurationを「下位のUL-DL Configuration」と呼ぶ。すなわち、
図12Bでは、Config 0は最上位のUL-DL Configurationであり、Config 5は最下位のUL-DL Configurationである。
【0146】
すなわち、
図12Aによれば、上位のUL-DL Configurationでは、少なくとも、下位のUL-DL Configurationに設定されたULサブフレームと同一タイミングには、ULサブフレームが設定されている。
【0147】
そこで、本実施の形態では、端末200は、端末200に設定された複数の単位バンドのうち、ULサブフレームタイミングに包含関係がある単位バンドを1つのグループにグルーピングする。また、端末200は、各グループにおいて、ULサブフレームタイミングの包含関係で最上位のUL-DL Configurationが設定された単位バンドで、グループ内の複数の単位バンドの誤り検出結果を表す応答信号を通知する。
【0148】
図13Aは、
図12に示したULサブフレームタイミングの包含関係に基づいた単位バンドのグルーピング方法を示す。
図13Aでは、端末200に対して4つの単位バンドが設定される。また、
図13Aに示す4つの単位バンドに対して、Config 2、Config 5、Config 3及びConfig 4がそれぞれ設定される。
【0149】
図13Bに示すように、ULサブフレームタイミングの包含関係において、Config 2はConfig 5を包含し、Config 3はConfig 4を包含する。そこで、
図13Aに示すように、端末200の応答信号生成部212は、Config 2が設定された単位バンドとConfig 5が設定された単位バンドとをグルーピングしてグループ1とし、Config 3が設定された単位バンドとConfig 4が設定された単位バンドとをグルーピングしてグループ2とする。
【0150】
次いで、制御部208は、グループ1において最上位でULサブフレームタイミングを包含するConfig 2が設定された単位バンドを、グループ1内の単位バンドの誤り検出結果を表す応答信号を通知する特定の単位バンドとして選択する。同様に、制御部208は、グループ2において最上位でULサブフレームタイミングを包含するConfig 3が設定された単位バンドを、グループ2内の単位バンドの誤り検出結果を表す応答信号を通知する特定の単位バンドとして選択する。これにより、
図13Aでは、グループ1内の全ての単位バンドの誤り検出結果は、Config 2が設定された単位バンドで通知され、グループ2内の全ての単位バンドに対する誤り検出結果は、Config 3が設定された単位バンドで通知される。
【0151】
より具体的には、
図13Aに示すように、Config 2はサブフレーム#2および#7でULサブフレームとなり、Config 5はサブフレーム#2でULサブフレームとなる。そこで、端末200(制御部208)は、
図13Aに示すグループ1内のConfig 2が設定された単位バンドにおいて、Config 5が設定された単位バンドのULサブフレームタイミングと同一のULサブフレームタイミングであるサブフレーム#2で、Config 2が設定された単位バンドの誤り検出結果、及び、Config 5が設定された単位バンドの誤り検出結果を表す1つの応答信号を通知する。これにより、
図13Aに示すように、Config 5が設定された単位バンドの誤り検出結果は、1CC時(
図3参照。つまり、3GPP Release 8又は10)と同一のULサブフレーム(サブフレーム#2)で通知される。
図13Aに示すグループ2についても同様である。
【0152】
一方、端末200は、
図13Aに示すグループ1内のConfig 2が設定された単位バンドのサブフレーム#7(Config 5ではDLサブフレーム)において、Config 2が設定された単位バンドの誤り検出結果のみを通知する。
【0153】
すなわち、同一グループ内の単位バンドの誤り検出結果が特定の単位バンドで送信されても、グループ内の各単位バンドの誤り検出結果の通知タイミングは、1CC時(
図3参照)と同一タイミングに維持することができる。
【0154】
これに対して、
図13Bに示すように、ULサブフレームタイミングの包含関係において、Config 2とConfig 3との間には包含関係が無い。すなわち、Config 2とConfig 3とには、少なくとも、互いに異なるタイミングに設定されたULサブフレーム(Config 2のサブフレーム#7、Config 3のサブフレーム#3,#4)がそれぞれ含まれる。
図13Aでは、制御部208は、Config 3が設定された単位バンドで受信されたデータ信号に対する誤り検出結果を含む応答信号を、Config 3が設定された単位バンドで送信する。つまり、グループ1において最上位のUL-DL ConfigurationであるConfig 2と包含関係の無いConfig 3が設定された単位バンドの誤り検出結果は、Config 2が設定された単位バンドを含むグループ1以外の単位バンドで送信される。これにより、Config 3が設定された単位バンドの誤り検出結果の通知タイミングも、1CC時(
図3参照)と同一タイミングに維持することができる。
【0155】
このようにして、端末200は、ULサブフレームタイミングの包含関係に基づいて、端末200に設定された単位バンドをグルーピングする。これにより、端末200に異なるUL-DL Configurationが設定される場合でも、各単位バンドの誤り検出結果の通知タイミングは、1CC時(
図3参照)と同一タイミングに維持することができる。
【0156】
(グループ数とPCellの設定方法)
次に、上述したグルーピング方法において最低限必要なグループ数、及び、端末200に対する単位バンド(CC)が再設定(追加)された際のPCellの設定方法について説明する。
【0157】
図14は、端末200に対する単位バンド(CC)が新たに追加された際に、PCellを再設定する場合(
図14A)、及び、PCellを再設定しない場合(
図14B、C)の説明に供する図である。PCellを再設定しない場合については、さらに、常にPCellから誤り検出結果を通知しなくてよい場合(
図14B)と、常にPCellから誤り検出結果を通知する場合(
図14C)とについて詳述する。
【0158】
図14A〜Cでは、単位バンドの再設定前において、端末200に対してConfig 2の1つの単位バンドのみが設定され、その単位バンド(すなわちPCell)をグループ1とし、PCellから誤り検出結果を通知する(
図14A〜Cの上段)。そして、
図14A〜Cでは、端末200に対してConfig 1及びConfig 3の2つの単位バンド(CC)が新たに追加される(
図14A〜Cの下段)。ここで、Config 1は、CCが追加される前のPCellであるConfig 2のULサブフレームタイミングを包含する。一方、Config 3は、CCが追加される前のPCellであるConfig 2のULサブフレームタイミングとは包含関係が無い。
【0159】
図14A(PCellを再設定する場合)では、Config 1及びConfig 3の2つの単位バンドが追加されると、現在のPCellであるConfig 2の単位バンドが「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」ではなくなる。このため、「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」がPCellに再設定される。すなわち、
図14Aに示すように、新たに設定されたConfig 1の単位バンドがPCellに再設定される。なお、
図14Aにおいて、新たに設定されたConfig 3の単位バンドがPCellに再設定されてもよい。
【0160】
また、
図14Aでは、ULサブフレームタイミングで包含関係にあるConfig 1とConfig 2とが同一グループ1にグルーピングされる。そして、グループ1内で最上位でULサブフレームタイミングを包含する、Config 1が設定された単位バンドで、Config 1及びConfig 2の双方の単位バンドに対する誤り検出結果を表す応答信号が通知される。また、
図14Aでは、Config 3が設定された単位バンド(グループ2)で、Config 3の単位バンドに対する誤り検出結果を表す応答信号が通知される。
【0161】
図14B(PCellを再設定しない場合、かつ、常にPCellから誤り検出結果を通知しなくてよい場合)では、Config 1及びConfig 3の2つの単位バンドが追加されると、現在のPCellが「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」ではなくなる。ただし、
図14Bでは、常にPCellから誤り検出結果を通知しなくてもよいので、Config 2の単位バンドがPCellに設定されたままでもよい。すなわち、
図14Bでは、グルーピング方法及びグループ内で応答信号が通知される単位バンドは
図14Aと同一であるが、PCellに設定された単位バンドが
図14Aと異なる。すなわち、
図14Bに示すグループ1においては、応答信号(誤り検出結果)を通知するUL-DL Configuration(Config 1)と、PCellに設定された単位バンドのUL-DL Configuration(Config 2)とが異なってもよい。
【0162】
図14Cは、PCellを再設定しない場合、かつ、常にPCellから誤り検出結果を通知する場合である。ここで、PCellで常に誤り検出結果が通知されるためには、PCellが「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」である必要がある。
【0163】
図14Cに示すConfig 1及びConfig 3の2つの単位バンドが追加されても、現在のPCellであるConfig 2の単位バンドが「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」であり続けるためには、同一グループに属し得るUL-DL Configurationが、Config 5(またはConfig 2)でなければならない。すなわち、PCellと同一グループに属し得る単位バンドは、PCellに設定されたUL-DL Configurationと同一のUL-DL Configurationが設定された単位バンドであるか、PCellに設定されたUL-DL ConfigurationがULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configuration(すなわちより下位のUL-DL Configuration)が設定された単位バンドでなければならない。
【0164】
これに対して、
図14Cでは、端末200に対して新たに追加される単位バンドが、Config 1およびConfig 3の単位バンドである。すなわち、
図14Cでは、端末200に対して新たに追加される単位バンドは、PCell(Config 2)に対して上位のUL-DL Configuration)が設定された単位バンドである。このため、これらの単位バンドは、PCellが属するグループ1に属することができない。また、Config 1とConfig 3との間には、ULサブフレームタイミングの包含関係が存在しない。このため、これらの単位バンドは、同一グループに属することができない。
【0165】
結果として、
図14Cでは、端末200に設定される各単位バンドがそれぞれのグループ(グループ1〜3)を構成するようにグルーピングされる。そして、それぞれのグループ1〜3において、「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」で、応答信号(誤り検出結果)が通知される。すなわち、
図14Cに示すグループ1ではConfig 2の単位バンド(PCell)で誤り検出結果が通知され、グループ2ではConfig 3の単位バンドで誤り検出結果が通知され、グループ3ではConfig 1の単位バンドで誤り検出結果が通知される。
【0166】
このように、ULサブフレームタイミングの包含関係に基づいて単位バンドをグルーピングし、かつ、グループ毎に、最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンドにおいて誤り検出結果を通知する際、全てのUL-DL Configurationの組合せをサポートするために最低限必要なグループ数は、次の通りである。すなわち、
図14Aに示すようにPCellを「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」に再設定する場合、最低限必要なグループ数は2つとなる。また、
図14Bに示すようにPCellを再設定しない場合、かつ、常にPCellから誤り検出結果を通知しなくてもよい場合、最低限必要なグループ数は2つとなる。また、
図14Cに示すように、PCellを再設定しない場合、かつ、常にPCellから誤り検出結果を通知する場合、最低限必要なグループ数は3つとなる。
【0167】
換言すると、本実施の形態では、応答信号(誤り検出結果)の通知方法に応じて、Config 0〜6は、最大で2つ又は3つのグループにグループ化される。
【0168】
以上、
図14を用いて、PCellを再設定する場合と再設定しない場合におけるグルーピング方法及び誤り検出結果の通知方法について詳述した。なお、PCellを再設定するか否か、又は、PCellを再設定しない場合において、常にPCellから誤り検出結果を通知するか否かについては、設定により切替可能であってもよい。
【0169】
(シグナリング方法)
次に、端末200に設定される単位バンドのグループを通知する方法(シグナリング方法)について説明する。
【0170】
図13および
図14では、単位バンドのグルーピングの際、グループ1、グループ2等と記載した。しかし、実施の形態1と同様、基地局100と端末200と間で、どのUL-DL Configurationがどのグループに属しているかが合っていないと、誤り検出結果を正常に通知することができない。つまり、基地局100と端末200との間で、端末200に設定される単位バンドに対して、どのグループに属するかを表すグループ番号に関して共通の認識を持たせる必要がある。このために、基地局100から端末200に対して、グループ番号を予め設定しておく必要がある。
【0171】
そこで、
図15及び
図16を用いて、グループ番号の設定方法及びシグナリング方法について詳述する。以下、グループ番号の設定方法1〜4についてそれぞれ説明する。
【0172】
<設定方法1>
設定方法1は、各UL-DL Configurationに対してそれぞれグループ番号が設定される方法である。つまり、設定方法1では、UL-DL Configuration毎にグループ番号が設定され、1UL-DL Configurationあたり1ビットが通知される(1bit/1Config)。
【0173】
設定方法1の一例として、
図15Aに示すように、1つのUL-DL Configurationあたり、1ビット(最大グループ数が2つの場合)、又は、2ビット(最大グループ数が3つ〜4つの場合)が通知される方法がある(方法1−1)。
図15Aでは、Config 0〜2,5,6に対してグループ番号‘1’が通知され、Config 3,4に対してグループ番号‘2’が通知される。
【0174】
また、設定方法1の一例として、
図15Bに示すように、UL-DL Configurationとグループ番号とが予め設定された対応表を複数用意し、どの対応表を用いるかを示す番号(対応表の番号)が通知される方法がある(方法1−2)。
【0175】
また、設定方法1の一例として、各UL-DL Configurationに対してそれぞれグループ番号が固定的に設定される方法である(方法1−3)。この場合、基地局100から端末200へのグループ番号を通知するシグナリングは不要となる。
【0176】
なお、設定方法1では、UL-DL Configuration毎にグループ番号が設定されるので、異なるグループ間で同じUL-DL Configurationを設定することはできない。
【0177】
<設定方法2>
設定方法2は、端末200に設定される各単位バンドに対してグループ番号が設定される方法である。つまり、設定方法2では、単位バンド毎にグループ番号が設定され、1単位バンドあたり1ビットが通知される(1bit/1CC)。
【0178】
例えば、
図16に示すように、端末Aでは、Config 1、2、3、4および6が設定された各単位バンドが1つのグループにまとめられる。つまり、Config 1、2、3、4および6が設定された各単位バンドに対してグループ番号‘1’が設定される。また、
図16に示すように、端末Bでは、Config 1および2が設定された各単位バンドがグループ1としてまとめられ、Config 3および4が設定された各単位バンドがグループ2としてまとめられる。つまり、Config 1および2が設定された各単位バンドに対してグループ番号‘1’が設定され、Config 3および4が設定された各単位バンドに対してグループ番号‘2’が設定される。
【0179】
すなわち、基地局100は、端末200毎に各単位バンドに対して設定されたグループ番号を通知する必要があるため、設定方法1に比べてシグナリングするビット数は増加する。しかし、設定方法1で示した設定の制約が無い。すなわち、設定方法2では、異なるグループ間でも、同一UL-DL Configurationを設定することができる。すなわち、同一UL-DL Configurationは、端末によって、グループ1に属することもできるし、グループ2に属することもできる。
【0180】
設定方法2について、さらに細分化すると、端末200に設定された単位バンド毎にグループ番号を設定する方法(方法2−1)、又は、端末200毎に、誤り検出結果を通知する単位バンドを設定する方法(方法2−2)が挙げられる。方法2−2では、端末200に対して、誤り検出結果を通知する単位バンドだけが通知される。そのため、通知される単位バンドと同一グループに属する他の単位バンドがどれであるかを、基地局100と端末200との間で固定的に決定しておくか、設定により変更可能にしておくか、を予め設定する必要がある。
【0181】
<設定方法3>
設定方法3は、端末200毎に、グルーピングのオン・オフ(グルーピングを行うか否か)の切替のみを通知する方法である。つまり、設定方法3では、1ビットのみが通知される。なお、基地局100と端末200との間で設定方法3を単独で設定してもよいし、設定方法3と、設定方法1あるいは設定方法2と組み合わせて設定してもよい。
【0182】
<設定方法4>
設定方法4は、端末200毎に常に1グループのみが設定される方法である。その際、最上位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationの単位バンドが包含できないUL-DL Configurationを、設定しない、という制約を与える。
【0183】
以上、グループ番号の設定方法1〜4について説明した。
【0184】
このようにして、本実施の形態では、端末200において、応答信号生成部212が、第1の単位バンドと第2の単位バンドとをグルーピングする。ここで、上記第1の単位バンドに設定されたUL-DL Configurationでは、少なくとも、上記第2の単位バンドに設定されたUL-DL ConfigurationのULサブフレームと同一タイミングにULサブフレームが設定される。制御部208が、第1の単位バンド及び第2の単位バンドでそれぞれ受信されたデータ信号に対する誤り検出結果を含む応答信号を、第1の単位バンドで送信する。具体的には、制御部208は、上記1つの応答信号を、第1の単位バンドにおける、第2の単位バンドに設定されたUL-DL ConfigurationのULサブフレームと同一タイミングのULサブフレームで送信する。
【0185】
これにより、端末200がグループ内の全ての単位バンドの誤り検出結果を、グループ内の特定の単位バンド(グループ内で、最上位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンド)で通知する場合でも、他の単位バンドの誤り検出結果の通知タイミングを1CC時の誤り検出結果の通知タイミングと同一に維持することができる。つまり、本実施の形態では、
図7Bに示すように、端末200に設定されたUL-DL Configurationの組み合わせに応じて誤り検出結果の通知タイミングが異なってしまうことを防止することができる。
【0186】
また、本実施の形態によれば、
図14A〜Cに示すように、Config 0〜6は、最大で2つ又は3つのグループにグループ化される。つまり、単位バンド毎に独立に誤り検出結果を通知する場合(
図7A参照)と比較して、端末200に設定される単位バンド数によらず、A/Nリソース量、及び、基地局100での誤り検出結果の復号処理量をそれぞれ最大でも2倍又は3倍の増加に抑えることができる。
【0187】
こうすることで、本実施の形態によれば、上り単位バンド及び上り単位バンドと対応づけられた複数の下り単位バンドを使用した通信においてARQが適用される場合、かつ、単位バンド毎に設定されるUL-DL Configuration(ULサブフレームとDLサブフレームとの割合)が異なる場合において、SCellの誤り検出結果の通知タイミングを、単一の単位バンドのみが設定されている場合の誤り検出結果の通知タイミングから変更させることなく、かつ、使用するA/Nリソース量及び基地局での誤り検出結果の復号処理量の増加を抑えることができる。
【0188】
なお、本実施の形態では、各グループにおいて、誤り検出結果を通知する単位バンドがdeactivationされた場合、当該グループの残りの単位バンドに対しても、全てdeactivationする方法を採ってもよい。または、各グループにおいて、誤り検出結果を通知する単位バンドのdeactivationを許容しない(すなわち、deactivationさせない)方法を採ってもよい。
【0189】
また、本実施の形態において、端末200に設定された単位バンドに対する最大グループ数は、端末200毎に設定可能であってもよい。例えば、ローエンドの端末では、最大グループ数を1、ハイエンドの端末では、最大グループ数を2と設定してもよい。また、グループ数の上限値は、設定された単位バンド数に等しい。グループ数を、上述した全てのUL-DL Configurationの組合せをサポートするために最低限必要なグループ数よりも大きくすることにより、1つの単位バンドあたりに通知される誤り検出結果のビット数が多くなり、基地局での誤り検出結果の推定精度が下がることを防ぐことができる。
【0190】
また、本実施の形態において、単位バンドのグルーピング方法は
図13に示す例に限定されない。例えば、
図12Bに示すUL-DL Configurationにおいて、Config 3、Config 4及びConfig 5をグループ1とし、Config 2のみをグループ2としてもよい。
【0191】
また、
図12Bにおいて、包含関係の無いConfig 2とConfig 4とに共通して、より上位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configuration(例えば、Config 1、Config 6またはConfig 0)が単位バンドに設定されている場合は、そのUL-DL Configurationと、Config 2とConfig 4とを同一のグループにグルーピングしてもよい。
【0192】
また、
図12Bに示すUL-DL Configurationにおいて、Config 3及びConfig 5をグループ1とし、Config 2をグループ2とし、Config 4をグループ3としてもよい。つまり、
図12Bに示す包含関係としては互いに隣接していないUL-DL Configuration(例えば、Config 3とConfig 5)を、同じグループにすることもできる。
【0193】
つまり、端末200は、相互にULサブフレームタイミングに包含関係が無いUL-DL Configurationの組合せ(
図12Bでは、Config 1とConfig 3、Config 2とConfig 3、および、Config 2とConfig 4)のみでグループが構成されないようにグルーピングを行えばよい。または、端末200は、相互にULサブフレームタイミングに包含関係が無いUL-DL Configurationの組合せと、その組合せを構成する各UL-DL Configurationよりも下位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configuration(
図12Bでは、Config 1とConfig 3の組合せに対してはConfig2、Config4またはConfig5、Config 2とConfig 3の組合せに対してはConfig4またはConfig5、Config 2とConfig 4の組合せに対してはConfig5)とでグループが構成されないようにグルーピングを行えばよい。
【0194】
要は、端末200は、相互にULサブフレームタイミングに包含関係が無いUL-DL Configurationの組合せを、当該組合せを構成する2つのUL-DL Configurationの両方を上位で包含するUL-DL Configuration(
図12Bでは、Config 1とConfig 3の組合せに対してはConfig0またはConfig6、Config 2とConfig 3の組合せに対してはConfig0またはConfig6、Config 2とConfig 4の組合せに対してはConfig0、Config6またはConfig1)が属するグループにのみグルーピングすることができる。
【0195】
また、同一グループ内において、最上位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドが複数存在する場合もあり得る。つまり、最上位でULサブフレームタイミングを包含する、同一UL-DL Configurationが設定された単位バンドが複数存在する場合もあり得る。この場合、グループ内において、同一UL-DL Configurationが設定された単位バンドのうち1つがPCellである場合には、PCellを、誤り検出結果を通知する単位バンドに設定すればよい。また、グループ内にPCellが無い場合(グループがSCellのみから構成される場合)、SCellのインデックスがより小さいSCellを、誤り検出結果を通知する単位バンドに設定すればよい。ただし、PCellが属するグループであっても、必ずしもPCellから誤り検出結果を通知する必要はない。誤り検出結果を通知する単位バンドは、各グループ内で「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」である。PCellが「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」でない場合、PCellを、「最上位でULサブフレームタイミングを包含する、UL-DL Configurationが設定された単位バンド」に再設定してもよい。
【0196】
(グルーピングの指針)
前述した通り、単位バンドのグルーピング方法は一通りのみに限定されない。例えば、
図13において、Config 3、Config 4及びConfig 5をグループ1とし、Config 2のみをグループ2としてもよい。そこで以降は、グルーピング方法を決定するための指針について説明する。
【0197】
グルーピングの指針としては、例えば、グループ間で、誤り検出結果のビット数が均等になるようにグルーピングする方法がある。別のグルーピング指針としては、グループ間で、単位バンド数が均等になるようにグルーピングする方法がある。さらに別のグルーピング指針としては、グループ間で、MIMOおよびnon−MIMOの設定を考慮した、誤り検出結果のビット数が均等になるようにグルーピングする方法もある。これらの指針により、誤り検出結果1ビット当りのエネルギーが平滑化できる。
【0198】
また、10msec周期のUL-DL Configuration(例えば、Config 3、4および5)又はDLサブフレーム比率の高いUL-DL Configurationのグルーピングを避けるようにグルーピングする方法がある。これにより、1グループあたりに通知する誤り検出結果のビット数が多くなるのを防ぐことができる。
【0199】
また、1グループあたり2つ以下の単位バンドになるようにグルーピングしてもよい。これにより、最大2つの単位バンドに対する誤り検出結果通知のみをサポートする誤り検出結果の通知方法であるchannel selectionを、各グループに対して行うことができる。なお、グループ間で異なる誤り検出結果の通知方法(Channel Selection、又は、DFT−S−OFDM)を採ってもよい。Channel selectionを用いるか、DFT−S−OFDMを用いるかは、グループ毎に設定可能であってもよい。また、グループ内において、例えば、バンドリング前の誤り検出結果のビット数、通知する誤り検出結果に対応付けられた下りデータが割り当てられた単位バンドの数に基づいて、サブフレーム毎に、誤り検出結果の通知方法が切替可能であってもよい。例えば、
図13では、グループ1において、通知する誤り検出結果に対応付けられた下りデータが割り当てられた単位バンドの数は、サブフレーム#2ではConfig 2,5の両方の単位バンドであり、サブフレーム#7ではConfig 2の単位バンドのみである。よって、
図13に示すグループ1では、サブフレーム#2とサブフレーム#7とで誤り検出結果の通知方法を切替可能としてもよい。
【0200】
(実施の形態3)
LTE−Advancedでは、PCell以外の単位バンド(SCell)のPDSCHを、PCellのPDCCHが指示する、クロスキャリアスケジューリング(Cross-carrier scheduling)が適用される場合がある。すなわち、クロスキャリアスケジューリングでは、PCellが「クロスキャリアスケジューリング元(制御する側)」であり、SCellが「クロスキャリアスケジューリング先(制御される側)」である。
【0201】
複数の単位バンド間でUL-DL Configurationが異なる場合において、クロスキャリアスケジューリングが行えるための条件は次の通りである。すなわち、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンドがDLサブフレームまたはSpecialサブフレームであるときに、クロスキャリアスケジューリング元の単位バンドがDLサブフレームまたはSpecialサブフレームであることである。すなわち、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンドに、下りデータを通知する領域(PDSCH)が存在するときには、クロスキャリアスケジューリング元の単位バンドでは、その下りデータを指示するように、下り制御信号を通知する領域(PDCCH)が無ければならない。
【0202】
一方、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンドがULサブフレームであるときは、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンドに対してPDSCHを指示する必要がなくなる。そのため、クロスキャリアスケジューリング元の単位バンドは、ULサブフレーム、DLサブフレームあるいはSpecialサブフレームのいずれであってもよい。
【0203】
図17は、クロスキャリアスケジューリングが行われる場合の例を示す。
図17Aは、グループ内クロスキャリアスケジューリング(intra-group cross-carrier scheduling)が行われる場合の例である。
図17Bは、グループ間クロスキャリアスケジューリング(Inter-group cross-carrier scheduling)が行われる場合の例である。
【0204】
図17Aは、Config 3が設定された単位バンド(PCell)から、Config 4が設定された単位バンドに対してクロスキャリアスケジューリングが行われる場合を示す。
図17Aに示すように、両方の単位バンドで共にDLサブフレームとなる場合、クロスキャリアスケジューリング元のPDCCHと、クロスキャリアスケジューリング先のPDSCHが存在しうるので、クロスキャリアスケジューリングを行うことができる。一方、
図17Aに示すサブフレーム#4では、クロスキャリアスケジューリング元の単位バンド(Config 3)がULサブフレームとなり、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンド(Config 4)がDLサブフレームとなる。そのため、クロスキャリアスケジューリング先のPDSCHは存在しうるが、クロスキャリアスケジューリング元のPDCCHを割り当てることができないため、クロスキャリアスケジューリングを行うことができない。
【0205】
また、
図17Bは、グループ1内に、Config 3が設定された単位バンドと、Config 4が設定された単位バンドとが存在し、グループ2内に、Config 2が設定された単位バンドと、Config 5が設定された単位バンドとが存在する場合を示す。
図17Bに示すように、サブフレーム#3、#4では、クロスキャリアスケジューリング元のグループ1の単位バンド(Config 3)がULサブフレームとなり、クロスキャリアスケジューリング先のグループ2の単位バンド(Config 2および5)がDLサブフレームとなる。そのため、クロスキャリアスケジューリング先のPDSCHは存在しうるが、クロスキャリアスケジューリング元となるPDCCHを割り当てることができないため、クロスキャリアスケジューリングを行うことができない。
【0206】
本実施の形態では、クロスキャリアスケジューリングを行う際、UL-DL Configuration間におけるDLサブフレームタイミングの包含関係に着目して、端末200に設定された単位バンドをグループ化する。
【0207】
以下、UL-DL Configuration間におけるDLサブフレームタイミングの包含関係について
図18を用いて説明する。なお、
図18に示すConfig 0〜6は、
図3に示すConfig 0〜6にそれぞれ対応する。
【0208】
図18Aは、1フレーム(10サブフレーム。サブフレーム#0〜#9)分のDLサブフレーム、ULサブフレームおよびSpecialサブフレームのタイミングのうち、DLサブフレームタイミングに着目して、UL-DL Configuration間の包含関係を記載した図である。
図18Bは、
図18Aの記載を簡略化し、包含関係のみに着目した図である。
【0209】
図18Aにおいて、例えば、Config 5は、サブフレーム#0、及び、#3〜#9でDLサブフレームとなり、全てのUL-DL Configuration(Config 0〜6)の中で、1フレームにおけるDLサブフレームの割合が最も高い。
【0210】
図18Aにおいて、例えば、Config 4は、サブフレーム#0、及び、#4〜#9でDLサブフレームとなる。
【0211】
ここで、
図18Aに示すように、Config 5およびConfig 4の双方において、サブフレーム#0、及び、#4〜#9はDLサブフレームである。また、Config 5のサブフレーム#3をULサブフレームにしたものがConfig 4であり、Config 4のサブフレーム#3をDLサブフレームにしたものがConfig 5であるとも言える。
【0212】
すなわち、Config 4におけるDLサブフレームのタイミングは、Config 5におけるDLサブフレームのタイミングのサブセットになっている。つまり、Config 4のDLサブフレームタイミングは、Config 5のDLサブフレームタイミングに包含されている。このようなセット(Config 5)とサブセット(Config 4)の関係(包含関係)は、
図18A及び
図18Bに示すように、Config 1とConfig 3、Config 2とConfig 4、および、Config 3とConfig 2の3つの組み合わせを除く、全ての2つのUL-DL Configuration間で存在する。
【0213】
なお、
図18A及び
図18Bにおいて、DLサブフレームについての包含関係を有するUL-DL Configuration間において、DLサブフレーム数がより多いUL-DL Configurationを「上位のUL-DL Configuration」と呼び、DLサブフレーム数がより少ないUL-DL Configurationを「下位のUL-DL Configuration」と呼ぶ。すなわち、
図18Bでは、Config 5は最上位のUL-DL Configurationであり、Config 0は最下位のUL-DL Configurationである。つまり、
図18A及び
図18Bに示すDLサブフレームタイミングの包含関係には、
図12A及び
図12Bに示すULサブフレームタイミングの包含関係と真逆の関係が成り立つ。
【0214】
図18Aによれば、上位のUL-DL Configurationでは、少なくとも、下位のUL-DL Configurationに設定されたDLサブフレームと同一タイミングには、DLサブフレームが設定されている。すなわち、下位のUL-DL Configurationに設定されたDLサブフレームと同一タイミングにおいて、上位のUL-DL ConfigurationでULサブフレームが設定されることはない。
【0215】
そこで、本実施の形態では、グループ内(Intra-group)のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドは、各グループにおいて、「最上位」で「DL」サブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドである、という条件を与える。換言すると、グループ内(Intra-group)のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドは、各グループにおいて、「最下位」で「UL」サブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドである、とも表現できる。
【0216】
また、グループ間(Inter-group)のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドは、全てのグループにおいて、最上位でDLサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドである、という条件を与える。
【0217】
図19は、
図18で示した包含関係に着目したグルーピングを行った場合におけるクロスキャリアスケジューリング方法の具体例を示す。
【0218】
図19Aでは、Config 3及び4がそれぞれ設定された単位バンドがグループ1となり、Config 2及び5がそれぞれ設定された単位バンドがグループ2となるようにグルーピングされる。
図19Bは、グループ1内(Intra-group)のクロスキャリアスケジューリングを示し、
図19Cは、グループ間(Inter-group)のクロスキャリアスケジューリングを示す。
【0219】
図19Aに示すように、UL-DL Configuration間におけるDLサブフレームタイミングの包含関係において、Config 4は、Config 3よりも上位のUL-DL Configurationである。よって、
図19Bでは、Config 4が設定された単位バンドがクロスキャリアスケジューリング元となり、Config 3が設定された単位バンドがクロスキャリアスケジューリング先となる。これにより、
図19Bに示すように、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンドに設定されたDLサブフレーム(PDSCHが存在するサブフレーム)と同一タイミングでは、クロスキャリアスケジューリング元でも必ずDLサブフレーム(PDCCHが存在するサブフレーム)となる。また、
図19Bに示すように、サブフレーム#4では、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンド(Config 3)がULサブフレームであるため、クロスキャリアスケジューリングする必要はない。
【0220】
同様に、
図19Aに示すように、UL-DL Configuration間におけるDLサブフレームタイミングの包含関係において、Config 5は、Config 2〜4よりも上位のUL-DL Configurationである。よって、
図19Cでは、Config 5が設定された単位バンドがクロスキャリアスケジューリング元となり、Config 2〜4がそれぞれ設定された単位バンドがクロスキャリアスケジューリング先となる。これにより、
図19Cに示すように、
図19Bと同様、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンドに設定されたDLサブフレーム(PDSCHが存在するサブフレーム)と同一タイミングでは、クロスキャリアスケジューリング元でも必ずDLサブフレーム(PDCCHが存在するサブフレーム)となる。また、
図19Cに示すように、
図19Bと同様、サブフレーム#3およびサブフレーム#4では、クロスキャリアスケジューリング先の単位バンド(Config 3または4)がULサブフレームであるため、クロスキャリアスケジューリングする必要はない。
【0221】
つまり、本実施の形態によれば、
図19B及び
図19Cに示すように、
図17のようなクロスキャリアスケジューリングを行うことができないサブフレームは存在しない。すなわち、
図19B及び
図19Cに示すいずれのサブフレームにおいてもクロスキャリアスケジューリングを行うことができる。
【0222】
さらに、本実施の形態によれば、UL-DL Configuration間におけるDLサブフレームタイミングの包含関係において上位のUL-DL Configurationが設定された単位バンドがクロスキャリアスケジューリング元として設定される。換言すると、DLサブフレームの割合がより多いUL-DL Configurationが設定された単位バンドがクロスキャリアスケジューリング元として設定される。これにより、クロスキャリアスケジューリングの際、当該単位バンドにおいて、他の単位バンドのPDSCHを指示するPDCCHが割り当てられても、PDCCHが逼迫する可能性が低くなる。
【0223】
(シグナリング方法)
次に、端末200に設定される単位バンドのグループを通知する方法(シグナリング方法)について説明する。
【0224】
図19では、単位バンドのグルーピングの際、グループ1、グループ2等と記載した。しかし、実施の形態2と同様、基地局100と端末200と間で、どのUL-DL Configurationがどのグループに属しているかが合っていないと、PDCCHによるPDSCH割当を正しく通知することができない。つまり、基地局100と端末200との間で、端末200に設定される単位バンドに対して、どのグループに属するかを表すグループ番号に関して共通の認識を持たせる必要がある。このために、基地局100から端末200に対して、グループ番号を予め設定しておく必要がある。
【0225】
以下、実施の形態2(
図15及び
図16)と同様のグループ番号の設定方法1〜4についてそれぞれ説明する。
【0226】
<設定方法1>
設定方法1は、各UL-DL Configurationに対してそれぞれグループ番号が設定される方法である。つまり、設定方法1では、UL-DL Configuration毎にグループ番号が設定され、1UL-DL Configurationあたり1ビットが通知される(1bit/1Config)。
【0227】
設定方法1の一例として、
図15Aに示すように、1つのUL-DL Configurationあたり、1ビット(最大グループ数が2つの場合)、又は、2ビット(最大グループ数が3つ〜4つの場合)が通知される方法がある(方法1−1)。
図15Aでは、Config 0〜2,5,6に対してグループ番号‘1’が通知され、Config 3,4に対してグループ番号‘2’が通知される。
【0228】
また、設定方法1の一例として、
図15Bに示すように、UL-DL Configurationとグループ番号とが予め設定された対応表を複数用意し、どの対応表を用いるかを示す番号(対応表の番号)が通知される方法がある(方法1−2)。
【0229】
また、設定方法1の一例として、各UL-DL Configurationに対してそれぞれグループ番号が固定的に設定される方法である(方法1−3)。この場合、基地局100から端末200へのグループ番号を通知するシグナリングは不要となる。
【0230】
なお、設定方法1では、UL-DL Configuration毎にグループ番号が設定されるので、異なるグループ間で同じUL-DL Configurationを設定することはできない。
【0231】
<設定方法2>
設定方法2は、端末200に設定される各単位バンドに対してグループ番号が設定される方法である。つまり、設定方法2では、単位バンド毎にグループ番号が設定され、1単位バンドあたり1ビットが通知される(1bit/1CC)。
【0232】
すなわち、基地局100は、端末200毎に各単位バンドに対して設定されたグループ番号を通知する必要があるため、設定方法1に比べてシグナリングするビット数は増加する。しかし、設定方法1で示した設定の制約が無い。すなわち、設定方法2では、異なるグループ間でも、同一UL-DL Configurationを設定することができる。すなわち、同一UL-DL Configurationは、端末によって、グループ1に属することもできるし、グループ2に属することもできる。
【0233】
設定方法2について、さらに細分化すると、端末200に設定された単位バンド毎にグループ番号を設定する方法(方法2−1)、又は、端末200毎に、グループ間又はグループ内のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドを設定する方法(方法2−2)が挙げられる。方法2−2では、端末200に対して、グループ間又はグループ内のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドだけが通知される。そのため、通知される単位バンドと同一グループに属する他の単位バンドがどれであるかを、基地局100と端末200との間で固定的に決定しておくか、設定により変更可能にしておくか、を予め設定する必要がある。
【0234】
<設定方法3>
設定方法3は、端末200毎に、グルーピングのオン・オフ(グルーピングを行うか否か)の切替のみを通知する方法である。つまり、設定方法3では、1ビットのみが通知される。なお、基地局100と端末200との間で設定方法3を単独で設定してもよいし、設定方法3と、設定方法1あるいは設定方法2と組み合わせて設定してもよい。
【0235】
<設定方法4>
設定方法4は、端末200毎に常に1グループのみが設定される方法である。その際、最上位でDLサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationの単位バンドが包含できないUL-DL Configurationを、設定しない、という制約を与える。
【0236】
以上、グループ番号の設定方法1〜4について説明した。
【0237】
このようにして、本実施の形態では、基地局100及び端末200は、第1の単位バンドと第2の単位バンドとをグルーピングする。ここで、上記第1の単位バンドに設定されたUL-DL Configurationでは、少なくとも、上記第2の単位バンドに設定されたUL-DL ConfigurationのDLサブフレームと同一タイミングにDLサブフレームが設定される。そして、基地局100は、クロスキャリアスケジューリングの際、第1の単位バンドに割り当てられるPDCCH(下り制御チャネル)を用いて、第1の単位バンド及び第2の単位バンドの双方のPDSCHに対するリソース割当情報を端末200へ通知する。一方、端末200は、第1の単位バンドで受信したPDCCHに基づいて、第1の単位バンド及び第2の単位バンドでそれぞれ受信するPDSCHのリソースを特定する。すなわち、第1の単位バンドをクロスキャリアスケジューリング元とし、第2の単位バンドをクロスキャリアスケジューリング先とする。
【0238】
これにより、端末200に設定された複数の単位バンドのうち特定の単位バンド(グループ内又はグループ間で、最上位でDLサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンド)で、いずれのサブフレームタイミングでも、PDSCHの割当を指示することができる。さらに、クロスキャリアスケジューリングの際、上記特定の単位バンド(端末200に設定された単位バンドのうちDLサブフレームの割合が最も高い単位バンド)において、他の単位バンドのPDSCHを指示するPDCCHが割り当てる場合でも、PDCCHが逼迫する可能性が低くなる。
【0239】
すなわち、本実施の形態によれば、上り単位バンド及び上り単位バンドと対応づけられた複数の下り単位バンドを使用した通信においてARQが適用される場合、かつ、単位バンド毎に設定されるUL-DL Configuration(ULサブフレームとDLサブフレームとの割合)が異なる場合において、PDCCHの逼迫を防止しつつ、いずれのサブフレームでもクロスキャリアスケジューリングを行うことができる。
【0240】
また、本実施の形態において、単位バンドのグルーピング方法は
図19Aに示す例に限定されない。例えば、
図18Bに示すUL-DL Configurationにおいて、Config 3、Config 4及びConfig 5をグループ1とし、Config 2のみをグループ2としてもよい。
【0241】
また、
図18Bにおいて、包含関係の無いConfig 2とConfig 4とに共通して、より上位でULサブフレームタイミングを包含する、Config 5が単位バンドに設定されている場合は、Config 5とConfig 2とConfig 4とを同一のグループにグルーピングしてもよい。
【0242】
また、
図18Bに示すUL-DL Configurationにおいて、Config 3及びConfig 5をグループ1とし、Config 2をグループ2とし、Config 4をグループ3としてもよい。つまり、
図18Bに示す包含関係としては互いに隣接していないUL-DL Configuration(例えば、Config 3とConfig 5)を、同じグループにすることもできる。
【0243】
また、例えば、
図19Aにおいて端末200に設定された単位バンドのUL-DL Configuration(Config 2,3,4,5)には、
図18に示すUL-DL Configurationにおいて、最上位のUL-DL ConfigurationであるConfig 5が含まれる。よって、全てのUL-DL Configuration(Config 2,3,4,5)をグループ1にまとめてもよい。
【0244】
つまり、端末200は、相互にDLサブフレームタイミングに包含関係が無いUL-DL Configurationの組合せ(
図18Bでは、Config 1とConfig 3、Config 2とConfig 3、および、Config 2とConfig 4)のみでグループが構成されないようにグルーピングを行えばよい。
【0245】
また、同一グループ内において、最上位でDLサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドが複数存在する場合もあり得る。つまり、最上位でDLサブフレームタイミングを包含する、同一UL-DL Configurationが設定された単位バンドが複数存在する場合もあり得る。この場合、グループ内にPCellがある場合には、PCellを、クロスキャリアスケジューリング元に設定すればよい。また、グループ内にPCellが無い場合(グループがSCellのみから構成される場合)、SCellのインデックスがより小さいSCellを、クロスキャリアスケジューリング元に設定すればよい。ただし、グループ間(Inter-group)のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドが必ずしもPCellである必要はない。同様に、グループ内(Intra-group)のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドが必ずしもPCellである必要もない。また、グループ間又はグループ内において、PCellがクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドではない場合には、PCellを、クロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドに再設定してもよい。
【0246】
また、実施の形態2で説明した、ULサブフレームタイミングの包含関係(
図12参照)を利用した、誤り検出結果を通知する単位バンドの決定方法に関する単位バンドのグルーピング方法と、本実施の形態で説明した、DLサブフレームタイミングの包含関係(
図18参照)を利用した、グループ間又はグループ内のクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドの決定方法に関する単位バンドのグルーピング方法とは、共通のグルーピング方法を採ってもよいし、個別のグルーピング方法を採ってもよい。共通のグルーピング方法を採る場合、シグナリングを共通化することで、基地局100から端末200に対するシグナリングビット数を減らすことができる。また、共通のグルーピング方法を採ることによって、
図14に示すような新たに単位バンドを追加する際の処理時の動作を簡略化することができるため、基地局100及び端末200の構成を簡略化できる。
【0247】
なお、例えば、誤り検出結果の通知およびクロスキャリアスケジューリングにおいて、共通のグルーピング方法を採る際、誤り検出結果の通知に関するグルーピング(ULサブフレームタイミングの包含関係を利用したグルーピング)を、クロスキャリアスケジューリングに関するグルーピングに使用したとする。この場合、グルーピングされる単位バンドのUL-DL Configurationによっては、クロスキャリアスケジューリングにおいて、包含関係の無い複数のUL-DL Configurationがグループ内の最上位のUL-DL Configurationになってしまう可能性がある。例えば、Config 1,2,4を1つのグループとする場合、ULサブフレームタイミングの包含関係(
図12)では、Config 1が最上位のUL-DL Configurationとなるのに対して、DLサブフレームタイミングの包含関係(
図18)では、互いに包含関係の無いConfig 2,4が最上位のUL-DL Configurationとなる。
【0248】
この場合、本実施の形態において、互いに包含関係の無い複数のUL-DL Configurationのうち、DLサブフレーム数がより多いUL-DL Configuration(上記例ではConfig 4)の単位バンドをクロスキャリアスケジューリング元となる単位バンドとしてもよい。または、誤り検出結果の通知およびクロスキャリアスケジューリングにおいて、互いに包含関係の無い複数のUL-DL Configurationが最上位のUL-DL Configurationとなるグルーピングを許容しないように、共通のグルーピング方法を採ってもよい。
【0249】
(実施の形態4)
図23は、本発明の実施の形態4に係る端末のUL-DL Configurationを示す図である。
【0250】
ある単位バンド(Cell Aとする)がPCellに設定されている端末に対して、そのPCellに設定されるUL-DL Configurationは、報知信号(SIB1)により通知される。その単位バンド(Cell A)がSCellに設定されている別の端末に対して、そのSCellに設定されるUL-DL Configurationは、端末個別のシグナリングであるRRC(Radio Resource Control)により通知される。
【0251】
図23Aに示すように、Intra-band CAでは、同じ周波数帯域(Band A(例えば2GHz帯域))内の複数の単位バンド(Cell A
1とCell A
2)が用いられる。基地局が、ある端末に対して、PCellにCell A
1を、SCellにCell A
2を設定する場合について説明する。PCellに設定されるUL-DL Configurationは、Cell A
1内の複数の端末間で共通(cell specific)の報知信号(SIB1)で通知される。SCellに設定されるUL-DL Configurationは、Cell A
1において端末個別のシグナリングであるRRCで通知される。ただし、Intra-band CAにおいては、RRCにより通知されるSCell(Cell A
2)のUL-DL Configurationは、Cell A
2内の複数の端末間で共通の報知信号(SIB1)で通知されるUL-DL Configurationと同じ値に設定される。さらに、同じ周波数帯域内の複数の単位バンドにおいては、上り通信と下り通信との干渉を回避するために、同じUL-DL Configurationが用いられる。これより、端末は、Inter-band CAにおいて、SCellにおけるUL-DL Configurationを、PCellにおいて報知信号(SIB1)により端末に通知されたUL-DL Configurationと同じであることを期待して動作する。
【0252】
図23Bに示すように、Inter-band CAでは、異なる周波数帯域(Band A(例えば2GHz帯域)とBand B(例えば800MHz帯域))内の単位バンド(それぞれ順にCell AとCell B)が用いられる。一例として、基地局が、ある端末に対して、PCellにCell Aを、SCellにCell Bを設定する場合について説明する。端末のPCellに設定されるUL-DL Configurationは、Cell A内の複数の端末間で共通の報知信号(SIB1)で通知される。SCellに設定されるUL-DL Configurationは、Cell Aにおいて端末個別のシグナリングであるRRCで通知される。ただしInter-band CAにおいては、RRCにより通知されるSCell(Cell B)のUL-DL Configurationを、Cell B内の複数の端末間で共通の報知信号(SIB1)で通知されるUL-DL Configurationと異なる値に設定することが検討されている。すなわち、1つの単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号で通知する1つのUL-DL Configurationと、その報知信号で通知するUL-DL Configurationと同じ、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationとに加えて、その報知信号で通知するUL-DL Configurationとは異なる、端末個別のRRCで通知するUL-DL Configurationを管理することが検討されている。さらに、基地局は、その単位バンドに対するUL-DL Configurationとして、報知信号あるいはRRCで1つのUL-DL Configurationを端末に通知する一方で、端末に通知されるUL-DL Configurationを、端末間で異ならせることが検討されている。
【0253】
さらに、LTE−Aシステムでは、上り通信トラフィックと下り通信トラフィックとの割合の変動に合わせて、SIB1通知されるUL-DL ConfigurationをRRCシグナリングまたはダイナミック通知により、時間的に切り替えることが検討されている。
【0254】
本実施の形態では、実施の形態2に関連して、端末200に設定される各単位バンドに設定されたUL-DL Configuration間におけるULサブフレームタイミングの包含関係に着目する。また、本実施の形態では、1つの単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号で通知する1つのUL-DL Configurationと、その報知信号で通知するUL-DL Configurationと同じ、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationとに加えて、その報知信号で通知するUL-DL Configurationとは異なる、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationを管理することについて着目する。さらに、本実施の形態では、1つの単位バンドに設定されたUL-DL Configurationとして、報知信号あるいはRRCシグナリングで1つのUL-DL Configurationを端末に通知する一方で、端末に通知するUL-DL Configurationを、端末間で異ならせることについて着目する。
【0255】
なお、本実施の形態はグループ数を限定するものではないが、説明の簡単のために、グループ数が1つの場合のみについて説明する。すなわち、端末が基地局に通知する誤り検出結果を表す応答信号は、常に1つの単位バンド(PCell)のみを用いて通知する。
【0256】
図24は、本発明の実施の形態4における条件(1)を満足するUL-DL Configurationの設定を示す図である。
【0257】
端末は、誤り検出結果を表す応答信号を常に1つの単位バンドのみを用いて通知するため、報知信号(SIB1)により通知されるPCellのUL-DL Configurationに対する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationは、
図24に示す条件(1)のようになる。これは、実施の形態2における
図12Aおよび
図12BのULサブフレームタイミングの包含関係を表に表したものに他ならない。例えば、
図12Aおよび
図12Bでは、Config#1のULサブフレームタイミングが包含するのは、Config#1, Config#2, Config#4またはConfig#5であることが読み取れる。一方、
図24では、基地局がPCellにおいて報知信号(SIB1)により通知するUL-DL ConfigurationがConfig#1であるときに、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationは、Config#1, Config#2, Config#4またはConfig#5となっており、端末は、常にPCellのみを用いて誤り検出結果を表す応答信号を通知する。ここで、「端末が用いるSCellのUL-DL Configuration」とは、PCellにおいて、端末個別のRRCにより端末に通知されるものであってもよいし、端末個別にダイナミックに通知されるものであってもよい。そして、「端末が用いるSCellのUL-DL Configuration」は、当該端末がSCellとして用いる単位バンドにおいて、基地局が他の端末に対して報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationと異なっていてもよい。以降も同様である。
【0258】
なお、UL-DL Configurationは、
図3に示すような1フレーム(10サブフレーム)において、どのサブフレームがULサブフレームまたはDLサブフレームであるかの関係を表した情報である。UL-DL Configurationを端末個別にダイナミックに、すなわち、サブフレーム毎に通知する場合は、UL-DL Configurationは、必ずしも1フレームにおいてどのサブフレームがULサブフレームまたはDLサブフレームであるかの関係を表した情報でなくてもよい。例えば、この場合、UL-DL Configurationは、複数のサブフレームにおいて、どのサブフレームがULサブフレームまたはDLサブフレームであるかの関係を表した情報であってもよい。または、UL-DL Configurationは、1サブフレームがULサブフレームまたはDLサブフレームのどちらであるかを表した情報であってもよい。以降も同様である。
【0259】
さらに、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationと、同じ単位バンドで基地局が報知信号(SIB1)により通知しているUL-DL Configurationとが異なる場合について、
図25を用いて説明する。特に、Inter-band CAを行う端末がSCellとして用いるCell Bを、CAを行わない端末がPCellとして用いる場合について詳述する。
【0260】
図25は、本実施の形態におけるCRS測定の課題を説明する図である。
図25Aにおいて、基地局が報知信号(SIB1)で通知するCell BのUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングが、端末が用いるSCell(Cell B)のUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングを包含する(等しくてもよい)(条件(2)とする)場合、例えばInter-band CA端末のSCellにはConfig#2が設定され、同じ単位バンドであるCell Bを用いるNon-CA端末のPCellにはConfig#1が設定される。同じ単位バンド内の同じサブフレームにおいて、複数の端末間で認識しているサブフレームの通信方向が異なる場合が存在する。すなわち、ULとDLとが競合するサブフレームが存在する。基地局は、上り通信と下り通信とのうち、何れか一方のみが発生するようにスケジューリングする。
図25Bにおいて、端末が用いるSCell(Cell B)のUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングが、基地局が報知信号(SIB1)で通知するCell BのUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングを包含する(かつ異なる)場合、例えばInter-band CA端末のSCellにはConfig#1が設定され、同じ単位バンドであるCell Bを用いるNon-CA端末のPCellにはConfig#2が設定される。この場合、同じ単位バンド内の同じサブフレームで端末が認識しているサブフレームの通信方向が異なる場合が存在するが、
図25Aの場合と同様、基地局が上り通信と下り通信とのうち、何れか一方のみが発生するようにスケジューリングする。
【0261】
しかし、
図25Bでは、Non-CA端末(特にCRS(Cell-specific Reference Signal)測定を行うサブフレームに制約を与えられないレガシ端末(例えばRel-8またはRel-9の端末))では、モビリティ測定のためにDLサブフレームにおいて、CRS測定を行う。すなわち、ULとDLとが競合するサブフレームにおいて、基地局がULサブフレームとして用いるために下り通信が発生しないようにしたとしても、DLサブフレームにおいて受信処理を行う端末が存在する。この場合、上り通信を行うInter-band CA端末は、CRS測定を行うNon-CA端末に対して干渉を与えてしまう。一方、
図25Aでは、Non-CA端末がULサブフレームのときにInter-band CA端末でDLサブフレームとなり、CRS測定が発生しうる。しかしながら、Inter-band CAをサポートする端末はRel-11以降の端末であるので、基地局が、CRS測定に制約を与えられるRel-10以降の端末に対して、CRS測定に制約を与えれば、この干渉を回避することができる。そのため、Rel-8またはRel-9端末におけるCRS測定への干渉を回避するために、
図25Aに示す条件(2)が必要である。
【0262】
図26は、本発明の実施の形態4における条件(1)かつ条件(2)を満足するUL-DL Configurationの設定を示す図である。
【0263】
本実施の形態では、
図26に示すように、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationは、条件(1)と条件(2)とを同時に満たす。すなわち、基地局は、端末がPCellとして用いる単位バンドにおいて、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationと、端末がSCellとして用いる単位バンドにおいて、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationとに基づいて、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを決定する。これにより、同じ単位バンドにおいて、複数の端末間で異なるUL-DL Configurationが用いられる場合において、1つの単位バンド(PCell)のみを用いて誤り検出結果を表す応答信号を通知することで、端末のRF構成を簡略化しつつ、レガシ端末におけるモビリティ測定(CRS測定)への干渉を回避することができる。
【0264】
なお、条件(2)は、例えば当該サブフレームをMBSFNサブフレームに設定することにより、Non-CA端末に対してCRS測定を行わないようにすることが可能である。あるいは、CRS測定に制約を与えられないレガシ端末が、当該周波数帯域を使えないようにすれば、干渉が発生しなくなる。そのため、少なくとも条件(1)を満たせばよい。
【0265】
図27は、本実施の形態におけるSRS送信の課題を説明する図である。
【0266】
図27において、基地局が報知信号(SIB1)で通知するCell BのUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングが、端末が用いるSCell(Cell B)のUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングを包含する(等しくてもよい)(条件(2)とする)。
【0267】
条件(2)について、
図27を用いて詳述する。前述の通り、条件(2)により、上り通信を行うInter-band CA端末が、CRS測定を行うレガシ端末に対して干渉を与えないようにすることができた。しかし、条件(2)によると、Inter-band CA端末のSCellがDLサブフレームであるときに、同じ単位バンドのNon-CA端末ではULサブフレームになる場合がある。このサブフレームにおいて、Non-CA端末が、周期的に(Periodic)送信するよう基地局から予め設定されたSRS(Sounding Reference Signal)(すなわちPeriodic SRS)を送信するとき、Non-CA端末におけるUL送信が、同じ単位バンドを用いるInter-band CA端末のSCellにおけるDL受信に干渉を与えてしまう。
【0268】
そこで、基地局は、Inter-band CA端末に対して、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかを、例えばRRCで通知する。そしてInter-band CA端末は、その情報に基づいて、該当サブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されているか否かを判断する。SRSが送信されるのは、常に1サブフレームの14シンボル中の最後の2シンボルだけであるので、端末は、当該サブフレームにおいては、後半2シンボルを除いた、最大でも12シンボル分を受信する。ただし、当該サブフレームでは、基地局は、下り送信と上りSRS受信との両方を行う必要があり、基地局における送受信の切り替え時間、または基地局と端末との間の伝搬遅延を考慮すると、実際に下り通信に使えるのは12シンボルよりも少なくなる。そして、その動作はSpecialサブフレームにおける動作に類似する。そのため、Inter-band CA端末は、当該サブフレームをSpecialサブフレームとみなしてもよい。
【0269】
どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報の形態は、SRS送信サブフレームまたはSRS非送信サブフレームを表すビットマップパターンであってもよい。SRS送信サブフレームのパターンに1対1に対応したインデックス番号のテーブルを基地局と端末とでそれぞれ保持し、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報の形態は、そのインデックス番号であってもよい。また、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL Configurationであってもよい。なお、この場合、Inter-band CA端末は、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL Configurationが指示するULサブフレームにおいて、他の端末からSRS送信されると判断する。そして、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL Configurationが指示するULサブフレームにおいて、Inter-band CA端末に設定されたUL-DL ConfigurationがDLサブフレームを指示する場合、Inter-band CA端末は、当該サブフレームをSpecialサブフレームであるとみなす。例えば、
図27の例では、基地局は、Inter-band CA端末に対して、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL ConfigurationとしてConfig#1を例えばRRC通知する。Inter-band CA端末では、自端末が用いるConfig#2でDLサブフレームとなり、Config#1でULサブフレームとなり、サブフレーム#3およびサブフレーム#8をSpecialサブフレームであるとみなす。なお、最良の実施の形態においては、条件(2)と、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかのシグナリングとが同時に適用されるべきであるが、これらのうち何れか一方が適用されてもよい。
【0270】
ところで、Non-CA端末におけるモビリティ測定(CRS測定)に干渉を与えるのは、
図25Bのように、Inter-band CA端末のSCellにおいてUL送信を行う場合のみである。換言すれば、Inter-band CA時にSCellからUL送信を行うことが例えばRFの構成上できない端末においては、上記の干渉問題は発生しない。そこで、端末から基地局に通知されるUE Capability(端末の能力)に基づいて、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationの設定方法を異ならせてもよい。すなわち、基地局は、SCellからUL送信を行うことができない端末については、
図24に示す条件(1)のみを満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定し、SCellからUL送信を行うことができる端末については、
図26に示す条件(1)かつ条件(2)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定してもよい。この場合、基地局は、SCellからUL送信できない端末が用いる、SCellのUL-DL Configurationを、基地局が当該単位バンドの報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationのみに基づいて決定する。
【0271】
また、UE Capabilityの一つとして、SCellでのUL送信の可否のほかに、Full duplexとHalf duplexとが考えられる。ある周波数帯域(Band A)の単位バンド(Cell A)と、それとは異なる周波数帯域(Band B)の単位バンド(Cell B)とでCarrier Aggregation(すなわちInter-band Carrier Aggregation)が行われる場合に、一方の周波数帯域の単位バンドでUL送信を行い、他方の周波数帯域の単位バンドでDL受信を行える端末が、Full duplex端末であり、上記の送信と受信とを同時に行えない端末が、Half duplex端末である。ローコスト端末向けには、RFを簡略化できるHalf duplex端末が望まれ、ハイエンド端末向けには、Full duplex端末が望まれる。また、前記のSCellでのUL送信ができないというUE Capabilityはローコスト端末向けであり、SCellでのUL送信ができるというUE Capabilityはハイエンド端末向けである。このことから、基地局は、ローコストのHalf duplex端末については、
図24に示す条件(1)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定し、ハイエンドのFull duplex端末については、
図26に示す条件(1)かつ条件(2)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定してもよい。
【0272】
さらに、Half duplex端末においてInter-band CAを行う場合において、単位バンド間で端末に設定されるUL-DL Configurationが異なると、単位バンド間で、ULとDLとが競合するサブフレームが存在する。この場合、当該サブフレームにおいて、Half duplex端末は、一方の単位バンドのULサブフレームまたはDLサブフレームしか用いることができず、Carrier Aggregationの本来の目的であるピークレートの向上が阻害されるという課題が生じる。
【0273】
図28は、本発明の実施の形態4における条件(3)を満たすUL-DL Configurationの設定を示す図である。
【0274】
図28に示すように、上記の課題を解決するために、基地局は、Half duplex端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを、当該Half duplex端末がPCellとして用いている単位バンドの報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationと同じ値に設定すればよい(すなわち、
図28に記載の条件(3))。これにより、PCellとSCellとで通信方向が常に一致するため、通信を行えないサブフレームが存在しなくなり、Carrier Aggregationの本来の目的であるピークレートの向上を達成できる。すなわち、基地局は、Full duplex端末に対しては、
図26に示す条件(1)かつ条件(2)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定し、Half duplex端末に対しては、条件(3)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定してもよい。あるいは、Full duplexかつSCellでのUL送信が可能な端末に対しては、
図26に示す条件(1)かつ条件(2)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定し、Full duplexかつSCellでのUL送信が不可能な端末に対しては、
図24に示す条件(1)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定し、さらに、Half duplex端末に対しては、
図28に示す条件(3)を満足する、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを設定してもよい。また、さらに、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかのシグナリングを上記端末に通知してもよい。なお、
図28および
図24より、条件(3)は、条件(1)に包含されることがわかる。
【0275】
ここで、条件(3)では、PCellのUL-DL ConfigurationとSCellのUL-DL Configurationとが等しくなるように設定されており、
図23Aに示すようなIntra-band CAの場合と大きな違いがないように見える。条件(3)の意味するところは、端末がPCellとして用いる単位バンドにおいて基地局が報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationと、端末がSCellとして用いる単位バンドにおいて基地局が報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationとが異なる場合において、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationが、端末がPCellとして用いる単位バンドにおいて基地局が報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationと同一であるということである。一方、
図23Aにおいて、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationは、端末がSCellとして用いる単位バンドにおいて基地局が報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationと同一であることを意味している。上記の点で、条件(3)と
図23Aとは異なる。
【0276】
本実施の形態の条件(1)、条件(2)および条件(3)について、条件(1)および条件(3)は、1つの端末に設定されるPCellのUL-DL ConfigurationとSCellのUL-DL Configurationとに対する制約である。条件(2)は、複数の端末間に設定されるUL-DL Configurationに対する制約である。端末は、同じ単位バンドの他の端末に対して、基地局がどのようなUL-DL Configurationを設定しているかを把握することができない。そのため、端末は、条件(2)の適用の有無を判断することができない。一方、基地局は、各端末にどのようなUL-DL Configurationを設定しているかを当然把握しているので、条件(2)の適用の有無を判断することができる。また、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報は、基地局から端末に通知されるため、基地局と端末とは当然ながら把握することができる。
【0277】
以上より、本実施の形態では、端末に対して、以下の4通りのUL-DL Configurationに対する条件およびシグナリング方法が存在する。以下の条件およびシグナリング方法は、端末毎に異なってもよい。例えば、UE Capabilityに基づいて、以下の条件およびシグナリング方法を端末毎に異ならせてもよい。
【0278】
1.条件(1)のみを適用する
2.条件(3)のみを適用する
3.条件(1)のみを適用するのに加えて、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報が通知される
4.条件(3)のみを適用するのに加えて、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報が通知される
また、本実施の形態では、基地局に対して、以下の8通りのUL-DL Configurationに対する条件およびシグナリングが存在する。以下に示す条件およびシグナリング方法は、端末毎(例えばUE Capabilityに基づいて)あるいは周波数帯域毎に異なってもよい。
【0279】
1.条件(1)のみを適用する
2.条件(3)のみを適用する
3.条件(1)のみを適用するのに加えて、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報が通知される
4.条件(3)のみを適用するのに加えて、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報が通知される
5.条件(1)かつ条件(2)を適用する
6.条件(3)かつ条件(2)を適用する
7.条件(1)かつ条件(2)を適用するのに加えて、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報を通知する
8.条件(3)かつ条件(2)を適用するのに加えて、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報を通知する
【0280】
このように、本実施の形態では、端末200に設定される各単位バンドのUL-DL Configuration間におけるULサブフレームタイミングの包含関係に着目した。また、本実施の形態では、1つの単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号で通知する1つのUL-DL Configurationと、その報知信号で通知するUL-DL Configurationと同じ、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationとに加えて、その報知信号で通知するUL-DL Configurationとは異なる、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationを管理することに着目した。さらに、本実施の形態では、その単位バンドに対するUL-DL Configurationとして、報知信号あるいはRRCシグナリングで1つのUL-DL Configurationを端末に通知する一方で、端末に通知されるUL-DL Configurationを、端末間で異ならせることについて着目した。UL-DL Configurationの設定に、条件(1)、条件(2)、および、条件(3)を与えることによって、端末が基地局に通知する誤り検出結果を表す応答信号を、常に1つの単位バンド(PCell)のみを用いて通知するようにしつつ、Rel-8またはRel-9の端末に与えるCRS測定への干渉を回避することができる。それと同時に、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報を端末に通知することにより、Periodic SRS送信による干渉を回避することができる。
【0281】
また、本実施の形態の条件(1)、条件(2)および条件(3)においては、端末が用いるPCellのUL-DL Configurationが、端末がPCellとして用いる単位バンドにおいて基地局が報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationと同じであるという前提に基づいている。従って、基地局は、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを、少なくとも端末がPCellとして用いる単位バンドにおいて基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationに基づいて決定することとした。しかし重要であるのは、端末がPCellとして用いる単位バンドに設定されるUL-DL Configurationは、基地局が報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationではなく、端末が用いるPCellのUL-DL Configurationであるという点である。要するに、端末が用いるSCellのUL-DL Configurationを、少なくとも端末が用いるPCellのUL-DL Configurationに基づいて決定することとしても、同様の課題を解決することができる。したがって、本実施の形態は、端末が用いるPCellのUL-DL Configurationが、端末がPCellとして用いる単位バンドにおいて基地局が報知信号(SIB1)で通知しているUL-DL Configurationと異なる場合、例えば端末が用いるPCellのUL-DL ConfigurationがSIB1ではなくRRCまたはダイナミックに通知される場合においても実施可能である。
【0282】
また、本実施の形態では、Inter-band CA端末において、端末に設定されたUL-DL Configurationが単位バンド間で異なる場合について説明した。しかし、必ずしもInter-band CAに限定されるものではない。特に条件(2)は、1つの単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号で通知する1つのUL-DL Configurationと、その報知信号で通知するUL-DL Configurationと同じ、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationとに加えて、その報知信号で通知するUL-DL Configurationとは異なる、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationを管理すること、および、その単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号あるいはRRCシグナリングで1つのUL-DL Configurationを端末に通知する一方で、端末に通知されるUL-DL Configurationを、端末間で異ならせることを満足していればよい。そこで、上記の場合について、実施の形態5に示す。
【0283】
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態4において、条件(2)のみを適用する場合について着目する。本実施の形態では、1つの単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号で通知する1つのUL-DL Configurationと、その報知信号で通知するUL-DL Configurationと同じ、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationとに加えて、その報知信号で通知するUL-DL Configurationとは異なる、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationを管理すること、および、その単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号あるいはRRCシグナリングで1つのUL-DL Configurationを端末に通知する一方で、端末に通知されるUL-DL Configurationを、端末間で異ならせることを満足していればよい。したがって本実施の形態は、Inter-band CAの有無に依存しない。
【0284】
1つの単位バンド(PCell)において、基地局がSIB1で通知するUL-DL Configurationと、RRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationの2つが、それぞれ1つずつ、異なる端末に設定される場合について、
図29を用いて説明する。
【0285】
図29は、本実施の形態におけるCRS測定の課題を説明する図である。
【0286】
図29において、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングが、端末がRRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知されるUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングを包含する(等しくてもよい)(条件(2)とする)。
【0287】
ただし、基地局がRRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationを設定可能な端末は、Rel-11以降の端末であり、CRS測定の制約を与えることができる端末である。一方、基地局がSIB1で通知するUL-DL Configurationを設定可能な端末は、Rel-8以降の全ての端末であり、そのうち、CRS測定の制約を与えることができるのは、Rel-10以降の端末である。
【0288】
図29Aに、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングが、基地局がRRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングを包含する(等しくてもよい)(条件(2))場合を示す。例えば、Rel-11端末AにはConfig#2が設定され、同じ単位バンドのRel-8,9,10または11の端末BにはConfig#1が設定される。この場合、同じ単位バンド内の同じサブフレームにおいて、端末Aと端末Bとの間で認識しているサブフレームの通信方向が異なる場合が存在する。すなわち、ULとDLとが競合するサブフレームが存在する。このとき基地局は、上り通信と下り通信とのうち、何れか一方のみが発生するようにスケジューリングする。また、基地局は、端末BのUL送信時にRel-11端末AがCRS測定を行わないように、端末AのCRS測定に制約を与える。続いて、
図29Bに、基地局がRRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングが、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL ConfigurationのULサブフレームタイミングを包含する(かつ異なる)場合を示す。例えば、Rel-11端末AにはConfig#1が設定され、同じ単位バンドのRel-8,9,10または11の端末BにはConfig#2が設定される。この場合、同じ単位バンド内の同じサブフレームにおいて、端末Aと端末Bとの間で認識しているサブフレームの通信方向が異なる場合が存在する。すなわち、ULとDLとが競合するサブフレームが存在する。この際、基地局は、上り通信と下り通信とのうち、何れか一方のみが発生するようにスケジューリングする。
【0289】
図29Bでは、CRS測定に制約を与えられないRel-8またはRel-9の端末Bは、モビリティ測定のために、DLサブフレームにおいて、CRS測定を行う。すなわち、ULとDLとが競合するサブフレームにおいて、基地局がULサブフレームとして用いるために下り通信が発生しないようにしたとしても、DLサブフレームにおいて受信処理を行う端末が存在する。したがってこのとき、上り通信を行う端末Aは、CRS測定を行う端末B、特にRel-8またはRel-9の端末に対して干渉を与えてしまう。そのため、Rel-8またはRel-9の端末におけるCRS測定に対する干渉を回避するために、
図29Aに示す条件(2)が必要である。すなわち、基地局が設定可能な、RRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationは、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationに基づいて決定される。
【0290】
図30は、本発明の実施の形態5における条件(2)を満たすUL-DL Configurationの設定を示す図である。
【0291】
基地局が設定可能な、RRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationは、
図30を満足する。
【0292】
さらに、条件(2)について、
図31を用いて詳述する。
図31は、本実施の形態におけるSRS送信の課題を説明する図である。
【0293】
前述の通り、上り通信を行うRel-11端末Aは、条件(2)により、CRS測定を行うRel-8またはRel-9端末Bに対して干渉を与えないようにすることができた。しかし、条件(2)によると、Rel-11端末AがDLサブフレームであるときに、同じ単位バンドの端末BではULサブフレームになる場合がある。このULサブフレームにおいて、端末Bが周期的に送信するよう基地局から予め設定されたSRSを送信するとき、端末BにおけるUL送信は、同じ単位バンドを用いる端末AにおけるDL受信に干渉を与えてしまう。
【0294】
そこで、基地局は、RRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知されるUL-DL Configurationを用いる端末(すなわち端末A)に対して、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかを、例えばRRCシグナリングで通知する。そして、当該端末は、その情報に基づいて、該当サブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されているか否かを判断する。SRSが送信されるのは、常に1サブフレームの14シンボル中の最後の2シンボルだけであるから、当該端末は、当該サブフレームにおいては、後半2シンボルを除いた、最大でも12シンボル分を受信する。ただし、当該サブフレームでは、基地局は下り送信と上りSRS受信との両方を行う必要があり、基地局における送受信の切り替え時間、または基地局と端末との間の伝搬遅延を考慮すると、実際に下り通信に使えるのは12シンボルより少なくなる。また、その動作はSpecialサブフレームにおける動作に類似する。そのため、RRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知されるUL-DL Configurationを用いる端末は、当該サブフレームをSpecialサブフレームとみなしてもよい。なお、最良の実施の形態においては、条件(2)と、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかのシグナリングとが同時に適用されるべきであるが、これらのうち何れか一方が適用されてもよい。
【0295】
どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報の形態は、SRS送信サブフレームまたはSRS非送信サブフレームを表すビットマップパターンであってもよい。SRS送信サブフレームのパターンに1対1に対応したインデックス番号のテーブルを基地局と端末とでそれぞれ保持し、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報の形態は、そのインデックス番号であってもよい。また、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL Configurationであってもよい。なお、この場合、RRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知されるUL-DL Configurationを用いる端末は、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL Configurationが指示するULサブフレームにおいて、他の端末からSRS送信されると判断する。そして、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL Configurationが指示するULサブフレームにおいて、当該端末に設定されたUL-DL ConfigurationがDLサブフレームを指示する場合、当該端末は、当該サブフレームをSpecialサブフレームであるとみなす。例えば、
図31の例では、基地局は、端末Aに、SRS送信サブフレーム特定用のUL-DL ConfigurationとしてConfig#1を例えばRRCシグナリングで通知する。端末Aでは、自端末が用いるConfig#2でDLサブフレームとなり、SRS送信サブフレーム特定用のConfig#1でULサブフレームとなり、サブフレーム#3およびサブフレーム#8をSpecialサブフレームであるとみなす。
【0296】
実施の形態4で説明したとおり、端末は、条件(2)の適用の有無を判断することができない。一方、基地局は、条件(2)の適用の有無を判断することができる。また、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報は、基地局が端末に通知するため、基地局と端末とは当然ながら把握することができる。
【0297】
以上より、本実施の形態では、端末に対して、以下の2通りのUL-DL Configurationに対する条件およびSRSに関するシグナリング方法が存在する。以下の条件およびシグナリング方法は、端末毎に異なってもよい。例えば、以下の条件およびシグナリング方法は、UE Capabilityに基づいて端末毎に異なってもよい。
【0298】
1.条件なし
2.どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報が通知される
また、本実施の形態では、基地局に対して、以下の3通りのUL-DL Configurationに対する条件およびSRSに関するシグナリングが存在する。以下に示す条件およびシグナリング方法は、端末毎に(例えばUE Capabilityに基づいて)あるいは周波数帯域毎に異なってもよい。なお、実施の形態4で示した条件およびシグナリング方法を満足する端末は、同じ単位バンド内に存在していてもよい。
【0299】
1.どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報を通知する
2.条件(2)のみを適用する
3.条件(2)のみを適用するのに加えて、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるか、という情報を通知する
【0300】
このように、本実施の形態では、1つの単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号で通知する1つのUL-DL Configurationと、その報知信号で通知するUL-DL Configurationと同じ、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationとに加えて、その報知信号で通知するUL-DL Configurationとは異なる、端末個別のRRCシグナリングで通知するUL-DL Configurationを管理する。また、その単位バンドに設定されるUL-DL Configurationとして、報知信号あるいはRRCシグナリングで1つのUL-DL Configurationを端末に通知する一方で、端末に通知されるUL-DL Configurationを、端末間で異ならせることを満足する場合において、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationと、基地局がRRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationとの間に、条件(2)を与える。これにより、基地局がRRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationを用いる端末が、基地局が報知信号(SIB1)で通知するUL-DL Configurationを用いるRel-8またはRel-9の端末に与えるCRS測定への干渉を回避することができる。
【0301】
また、本実施の形態では、基地局は、RRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationを用いる端末に対して、どのサブフレームにおいて他の端末からSRSが送信されるかという情報を通知する。これにより、基地局がSIB1で通知するUL-DL Configurationを用いる端末が、基地局がRRCシグナリングで通知またはダイナミックに通知するUL-DL Configurationを用いる端末に与えるPeriodic SRS送信による干渉を回避することができる。
【0302】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0303】
なお、上記実施の形態では、異なるUL-DL Configurationが設定された単位バンド間において、フレーム開始位置が一致する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、単位バンド間でサブフレームタイミングをずらす場合(サブフレームオフセットが存在する場合)についても本発明が適用可能である。例えば、
図20に示すように、異なるグループ間に対して、サブフレームオフセットが設定されればよい。つまり、
図20に示すように、各グループ内ではフレーム開始位置が一致している状態が維持される。
【0304】
また、上記実施の形態では、UL-DL Configurationとして
図3に示すConfig 0〜6を用いる場合について説明した。しかし、UL-DL Configurationは
図3に示すConfig 0〜6に限定されない。例えば、
図21に示すように、
図3に示すConfig 0〜6に加え、全てのサブフレームがDLサブフレームとなるUL-DL Configuration(ここではConfig 7とする)を用いてもよい。
図21Aに示すように、UL-DL Configuration間におけるULサブフレームタイミングの包含関係において、全てのサブフレームがDLサブフレームとなるConfig 7は、最下位のUL-DL Configurationとなる。換言すると、UL-DL Configuration間におけるDLサブフレームタイミングの包含関係において、全てのサブフレームがDLサブフレームとなるConfig 7は、最上位のUL-DL Configurationとなる(図示せず)。また、
図21Bに示すように、全てのサブフレームがDLサブフレームとなるUL-DL Configuration(Config 7)が設定された単位バンドの誤り検出結果の通知タイミングは、PDSCHを受信したDLサブフレームから4サブフレーム以降のタイミングであって、最上位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configuration(Config 1)が設定された単位バンドにおける最も早いULサブフレームタイミングとなる。
【0305】
また、本実施の形態において、
図22に示すように、ULサブフレーム、DLサブフレーム及びSpecialサブフレーム以外のサブフレームを用いてもよい。
図22では、例えば他の基地局及び端末への干渉を低減するために送受信が行われないEmptyサブフレーム(またはBlankサブフレーム)(あるいは、送受信するチャネルを一部に限定する場合はAlmost Blankサブフレーム(ABS)))、又は、他の無線通信システム等が占有しているOccupiedサブフレームが用いられている。このように、ULサブフレーム、DLサブフレーム及びSpecialサブフレーム以外のサブフレームが存在する単位バンドに対しては、たとえ、当該単位バンドのUL-DL Configurationが最上位でULサブフレームタイミングを包含していたとしても、当該単位バンドでは誤り検出結果を必ずしも通知しなくてもよい。同様に、当該単位バンドをクロスキャリアスケジューリング元にしなくてもよい。当該単位バンドで誤り検出結果を通知しない場合、2番目に上位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドで誤り検出結果を通知すればよい。同様に、当該単位バンドをクロスキャリアスケジューリング元にしない場合、2番目に上位でDLサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドを、クロスキャリアスケジューリング元にすればよい。また、ULサブフレーム、DLサブフレーム及びSpecialサブフレーム以外のサブフレームが存在する単位バンドにおける誤り検出結果は、PDSCHを受信したDLサブフレームから4サブフレーム以降のタイミングであって、最上位でULサブフレームタイミングを包含するUL-DL Configurationが設定された単位バンドにおける最も早いULサブフレームタイミングとしてもよい。又は、ULサブフレーム、DLサブフレーム及びSpecialサブフレーム以外のサブフレームが存在する単位バンドにおける誤り検出結果は、ULサブフレーム、DLサブフレーム及びSpecialサブフレーム以外のサブフレームが追加される前の元のUL-DL Configurationにおける誤り検出結果の通知タイミング(ULサブフレーム)に合わせてもよい。例えば、
図22では、ULサブフレーム、DLサブフレーム及びSpecialサブフレーム以外のサブフレームが存在する単位バンド(config 0 + other subframes)における誤り検出結果は、元のUL-DL ConfigurationであるConfig 0の誤り検出結果通知タイミングに合わせて通知される。
【0306】
また、上記実施の形態では、各アンテナとして説明したが、本発明はアンテナポート(antenna port)でも同様に適用できる。
【0307】
アンテナポートとは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0308】
例えばLTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0309】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0310】
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0311】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0312】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0313】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0314】
2011年7月13日出願の特願2011−154890および2012年1月27日出願の特願2012−015257の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。