特許第6422231号(P6422231)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6422231
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20181105BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   G02B15/20
   G02B13/18
【請求項の数】11
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-81262(P2014-81262)
(22)【出願日】2014年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-225002(P2014-225002A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2017年4月7日
(31)【優先権主張番号】特願2013-92174(P2013-92174)
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】中原 誠
【審査官】 小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−337647(JP,A)
【文献】 特開2009−199092(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/176389(WO,A1)
【文献】 特開2012−008268(JP,A)
【文献】 特開2014−178388(JP,A)
【文献】 特開2015−118304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 15/20
G02B 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群と、前記第3レンズ群の物体側に配置された開口絞りからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第3レンズ群は無限遠から近距離のフォーカシングに際して像側へ移動し
第4レンズ群の焦点距離をfimg、前記第3レンズ群の焦点距離をf、広角端における全系の焦点距離をf、広角端におけるバックフォーカスをBFとするとき、
3.5<fimg/f<10.0
−5.0<f/f<−1.0
2.0<BF/f<4.5
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
1.2<|fimg/f|<3.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
広角端における前記第3レンズ群の横倍率をβ、広角端における前記第3レンズ群よりも像側に配置された部分系の横倍率をβfimgとするとき、
1.3<|(1−β)×βfimg|<4.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
広角端から望遠端へのズーミングにおける前記第4レンズ群の移動量をmimgとするとき、
0.5<mimg/f<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第3レンズ群は1枚の負レンズから構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第4レンズ群は非球面形状のレンズ面を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の非球面レンズを有し、該非球面レンズの焦点距離をfasphとするとき、
−9.0<fasph/f<−5.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力の非球面レンズを有し、前記第1レンズと前記非球面レンズの光軸上の距離をdasph、前記第1レンズの物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をTLとするとき、
0.0001<dasph/TL<0.01
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群と、前記第4レンズ群の物体側に配置された開口絞りからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第4レンズ群は無限遠から近距離のフォーカシングに際して像側へ移動し、
前記第5レンズ群の焦点距離をfimg、前記第4レンズ群の焦点距離をf、広角端における全系の焦点距離をf、広角端におけるバックフォーカスをBFとするとき、
3.5<fimg/f<10.0
−5.0<f/f<−1.0
2.0<BF/f<4.5
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項10】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群と、前記第3レンズ群の物体側に配置された開口絞りからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第3レンズ群は無限遠から近距離のフォーカシングに際して像側へ移動し、
前記第5レンズ群の焦点距離をfimg、前記第3レンズ群の焦点距離をf、広角端における全系の焦点距離をf、広角端におけるバックフォーカスをBFとするとき、
3.5<fimg/f<10.0
−5.0<f/f<−1.0
2.0<BF/f<4.5
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズに関し、例えばビデオカメラ、デジタルカメラ、TVカメラ、監視用カメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置の撮像光学系として好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置に用いられる撮像光学系には、より広範囲な撮影条件に対応するために、広画角で、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有した小型のズームレンズであることが望まれている。全系が小型で広画角化が容易なズームレンズとして、物体側に負の屈折力のレンズ群が位置するネガティブリード型のズームレンズが知られている。ネガティブリード型の広画角のズームレンズとして、物体側から像側へ順に、負、正、負、正の屈折力のレンズ群からなり、隣り合うレンズ群の間隔を変化させてズーミングを行う4群ズームレンズが知られている。
【0003】
この4群ズームレンズでは、望遠端のズーム位置で、第1レンズ群と第2レンズ群が全体として正の屈折力のレンズグループを構成し、光学系全体として所謂テレフォトタイプにすることができ、望遠端の焦点距離を長くしやすいといった特徴がある。この4群ズームレンズにおいて、フォーカスレンズ群の小型、軽量化を実現するため、フォーカスレンズ群を最も物体側のレンズ群以外に配置した、インナーフォーカス方式を用いた4群ズームレンズが知られている(特許文献1乃至3)。
【0004】
この他物体側から像側へ順に、負、正、正、負、正の屈折力の第1乃至第5レンズ群よりなり、各レンズ群を移動させてズーミングを行う5群ズームレンズが知られている(特許文献4)。
【0005】
これらのネガティブリード型のズームレンズにおいては種々なフォーカシング方式を用いられている。特許文献1では第1レンズ群を物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1aレンズ群と負の屈折力の第1bレンズ群に分割し、像側の第1bレンズ群でフォーカシングを行っている。特許文献2では第4レンズ群でフォーカシングを行っている。特許文献3では第3レンズ群でフォーカシングを行っている。特許文献4では第2レンズ群でフォーカシングを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−58584号公報
【特許文献2】特開2008−197176号公報
【特許文献3】特開2001−343584号公報
【特許文献4】特開平07−306362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
負の屈折力のレンズ群が先行するネガティブリード型のズームレンズは、広画角化が比較的容易であり、又長いバックフォーカスが容易に得られるという特徴がある。しかしながらネガティブリード型のズームレンズは開口絞りに対し、レンズ構成が非対称となるため、諸収差の補正が難しく、例えばフォーカシングの際の収差変動が多く高い光学性能を得ることが大変難しい。
【0008】
特に高速なフォーカシングを行うため、第1レンズ群よりも像側の小型、軽量のレンズ群でフォーカシングを行うインナーフォーカス式ではフォーカシングの際の収差変動が増大する傾向がある。前述した4群ズームレンズや5群ズームレンズにおいて広画角化を図りつつレンズ系全体の小型化そして小型軽量のレンズ群で高速なフォーカシングを行うには、各レンズ群の屈折力(パワー)、レンズ構成等を適切に設定することが重要になってくる。
【0009】
例えばフォーカスレンズ群や最終レンズ群の屈折力等を適切に設定しないと、全系の小型化を図りつつ、広画角で全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有し、高速なフォーカシングを行うのが困難になってくる。この他フォーカシングに際して撮影倍率の変化が大きいとフォーカシングに際して撮影範囲内に写り込む範囲が変わり好ましくない。特に動画撮影時には、フォーカシングに際して被写体に合焦する過程で背景に写っている物が写ったり消えたりし、その変化が容易に観察できるため好ましくない。
【0010】
さらに、特に広画角のズームレンズでは一般的に望遠レンズと比べて被写界深度が深く被写体がぼけにくいためこの変化は目立ちやすく好ましくない。このためフォーカシングに際して撮影倍率の変化が小さいことが重要になってくる。
【0011】
本発明は、フォーカシングに際しての撮影倍率の変化が少なく、高速なフォーカシングが容易な広画角のズームレンズの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群と、前記第3レンズ群の物体側に配置された開口絞りからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記第3レンズ群は無限遠から近距離のフォーカシングに際して像側へ移動し第4レンズ群の焦点距離をfimg、前記第3レンズ群の焦点距離をf、広角端における全系の焦点距離をf、広角端におけるバックフォーカスをBFとするとき、
3.5<fimg/f<10.0
−5.0<f/f<−1.0
2.0<BF/f<4.5
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明の一実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群と、前記第4レンズ群の物体側に配置された開口絞りからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記第4レンズ群は無限遠から近距離のフォーカシングに際して像側へ移動し、前記第5レンズ群の焦点距離をfimg、前記第4レンズ群の焦点距離をf、広角端における全系の焦点距離をf、広角端におけるバックフォーカスをBFとするとき、
3.5<fimg/f<10.0
−5.0<f/f<−1.0
2.0<BF/f<4.5
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明の一実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群と、前記第3レンズ群の物体側に配置された開口絞りからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記第3レンズ群は無限遠から近距離のフォーカシングに際して像側へ移動し、前記第5レンズ群の焦点距離をfimg、前記第3レンズ群の焦点距離をf、広角端における全系の焦点距離をf、広角端におけるバックフォーカスをBFとするとき、
3.5<fimg/f<10.0
−5.0<f/f<−1.0
2.0<BF/f<4.5
なる条件式を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フォーカシングに際しての撮影倍率の変化が少なく、高速なフォーカシングが容易な広画角のズームレンズが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
図2】(A),(B) 実施例1のズームレンズの広角端と望遠端における縦収差図
図3】実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
図4】(A),(B) 実施例2のズームレンズの広角端と望遠端における縦収差図
図5】実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
図6】(A),(B) 実施例3のズームレンズの広角端と望遠端における縦収差図
図7】実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
図8】(A),(B) 実施例4のズームレンズの広角端と望遠端における縦収差図
図9】本発明の撮像装置の要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、1以上のレンズ群を有する中間レンズ群、正の屈折力の最終レンズ群より構成されている。
【0016】
中間レンズ群は無限遠から近距離のフォーカシングに際して像側へ移動する負の屈折力のフォーカスレンズ群を有する。ズーミングとフォーカシングの少なくとも一方において隣り合うレンズ群の間隔が変化する。フォーカスレンズ群の物体側に開口絞りを有する。フォーカスレンズ群は1つの負レンズからなっている。最終レンズ群は少なくとも1以上の非球面を有する。
【0017】
図1図3図5図7は各々本発明の実施例1乃至実施例4の広角端におけるレンズ断面図である。図2図4図6図8,は、各々本発明の実施例1乃至実施例4の縦収差図である。収差図において(A)、(B)は各々無限遠にフォーカスしているときの広角端(短焦点距離端)と望遠端(長焦点距離端)における縦収差図である。
【0018】
図9は、本発明のズームレンズを備えるカメラ(撮像装置)の要部概略図である。各実施例のズームレンズはビデオカメラ、デジタルカメラ、そして銀塩フィルムカメラなどの撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。
【0019】
レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。また、レンズ断面図において、OLはズームレンズである。またiを物体側からのレンズ群の順番とすると、Liは第iレンズ群を示す。Lはフォーカスレンズ群、Limgは最も像側に位置する最終レンズ群を示す。SPは開口絞りである。LMは1以上のレンズ群を有する中間レンズ群である。
【0020】
IPは像面である。像面IPは、デジタルカメラやビデオカメラ、監視カメラの撮影光学系としてズームレンズを使用する際には、CCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子(光電変換素子)の撮像面に相当する。また、銀塩フィルムカメラの撮影光学系としてズームレンズを使用する際には、フィルム面に相当する。OAは光軸である。尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用レンズ群が機構上、光軸上移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。レンズ断面図において、矢印は広角端から望遠端へのズーミングに際しての各レンズ群の移動軌跡を示している。
【0021】
focusに関する矢印は無限遠から近距離へのフォーカシングに際してのレンズ群の移動方向を示す。球面収差図において、実線はd線(587.6nm)、破線はg線(435.8nm)を表している。また、非点収差を示す図において、実線のSはd線のサジタル方向、破線のMはd線のメリディオナル方向を表している。また、歪曲を示す図は、d線における歪曲を表している。FnoはFナンバー、ωは撮影画角の半画角(度)である。
【0022】
各実施例のズームレンズOLは物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、1以上のレンズ群を含む中間レンズ群LM、正の屈折力の最終レンズ群Limgより構成されている。中間レンズ群LMは無限遠から近距離のフォーカスに際して像側へ移動する負の屈折力のフォーカスレンズ群Lを有する。フォーカスレンズ群Lの物体側に開口絞りSPを有する。ズーミングとフォーカシングの少なくとも一方において隣り合うレンズ群の間隔が変化する。
【0023】
ここでレンズ群とはズーミングとフォーカシングの少なくとも一方において変化する光軸に沿った間隔によって分けられる部分系をいう。
【0024】
本発明のズームレンズはフォーカスレンズ群Lを光線の通過高さの低い最終レンズ群Limg付近に配置することで、フォーカスレンズ群Lの小型化を図り、高速なフォーカシングを容易にしている。さらに、フォーカス駆動量が少なくなること、適切な屈折力配置をとることと合わせてフォーカシングに伴う像倍率(撮影倍率)の変化も抑えている。最終レンズ群Limgの焦点距離をfimg、フォーカスレンズ群Lの焦点距離をf、広角端における全系の焦点距離をfとする。このとき、
3.5 < fimg/f < 10.0 ・・・(1)
−5.0 < f/f < −1.0 ・・・(2)
なる条件式を満足している。
【0025】
次に前述の条件式(1)、(2)の技術的意味について説明する。条件式(1)は最も像側に配置された最終レンズ群Limgの焦点距離を広角端における全系の焦点距離で割って規格化したものである。条件式(1)の下限を下回ると、最終レンズ群Limgの焦点距離が短くなり、即ち正の屈折力が強くなる。そうすると、ズームレンズ全体として所定の長さのバックフォーカスの確保は容易になるが、その分、物体側の負の屈折力のレンズ群の屈折力を強める必要がある。
【0026】
そうするとレトロフォーカス型の光学配置の傾向が強くなり、球面収差、コマ収差、像面湾曲、歪曲等を始めとする諸収差が増大し、特に像面湾曲が増大し、この補正が困難となる。またバックフォーカスが伸びるとその分、ズームレンズのレンズ全長が増大して好ましくない。
【0027】
逆に条件式(1)の上限を上回ると最終レンズ群Limgの焦点距離が長くなり、即ち正の屈折力が弱まる。そうすると、バックフォーカスが短くなりすぎて、像側に撮像素子やフィルター等を配置するのが困難になる。また、バックフォーカスが短くなると像面への光線入射角が大きくなる。像面への光線入射角が大きいと、像面に設ける各受光素子の直前に配置されたマイクロレンズアレイの影響を受け、画面周辺部に到達すべき光束が受光素子上に達することが少なくなり、シェーディングが多く発生してくる。
【0028】
条件式(2)はフォーカスレンズ群Lの焦点距離fを広角端における全系の焦点距離で割って規格化したものである。条件式(2)の下限を下回ると、フォーカスレンズ群Lの焦点距離の絶対値が大きくなり、負の屈折力が弱まる。そうすると、フォーカスレンズ群Lのフォーカス敏感度が下がり、フォーカシングに際しての移動量が増え、高速なフォーカシングが困難になる。またフォーカスレンズ群Lの移動量に相当するスペースをズームレンズ中に確保する必要があり全系が大型化してくる。
【0029】
逆に条件式(2)の上限を上回った場合はフォーカスレンズ群Lの焦点距離の絶対値が小さくなり、負の屈折力が強くなりすぎる。そうすると、フォーカシングに伴う諸収差の変動が増大し、諸収差の補正が困難となる。
【0030】
各実施例では条件式(1),(2)を満足することにより、全系を小型に保ちつつ諸収差を良好に補正している。更にバックフォーカスを十分確保しつつ、フォーカスレンズ群の駆動量(移動量)を少なくして、フォーカシングに際しての収差変動を軽減している。更に好ましくは条件式(1),(2)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
4.0 < fimg/f < 9.5 ・・・(1a)
−4.5 < f/f < −2.5 ・・・(2a)
【0031】
本発明のズームレンズにおいて更に好ましくは次の条件式のうち1以上を満足するのが良い。広角端におけるフォーカスレンズ群Lの横倍率をβ、広角端におけるフォーカスレンズ群Lよりも像側に配置された部分系の横倍率をβfimgとする。広角端におけるバックフォーカスをBF、広角端から望遠端へのズーミングにおける最終レンズ群Limgの移動量をmimgとする。
【0032】
ここで広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量とは、広角端におけるレンズ群の光軸上の位置と望遠端におけるレンズ群の光軸上の位置の差を言う。移動量の符号はレンズ群が広角端に比べて望遠端において像側に位置するときを正、物体側に位置するときを負とする。このとき、次の条件式のうち1以上を満足するのが良い。
1.2 < |fimg/f| < 3.5 ・・・(3)
1.3< |(1−β)×βfimg | < 4.5 ・・・(4)
2.0 < BFw/fw< 4.5 ・・・(5)
0.5<mimg/fw<3.0 ・・・(6)
【0033】
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。
【0034】
条件式(3)は最も像側に配置された最終レンズ群Limgの焦点距離とフォーカスレンズ群Lの焦点距離の比に関するものである。条件式(3)の下限を下回って最終レンズ群Limgの焦点距離が相対的にフォーカスレンズ群Lの焦点距離の絶対値よりも小さくなると最終レンズ群Limgの正の屈折力が強くなる。そうするとズームレンズ全体としてレトロフォーカス型の傾向が強くなり、諸収差の発生が多くなり、特に像面湾曲が増大し、この補正が困難となる。
【0035】
あるいは、フォーカスレンズ群Lの焦点距離の絶対値が大きくなり、フォーカスレンズ群Lの負の屈折力が弱まり、フォーカシングに際しての駆動量が大きくなってくるので良くない。逆に条件式(3)の上限を上回って、最終レンズ群Limgの焦点距離が大きくなり、正の屈折力が弱くなると、所定の長さのバックフォーカスの確保が困難となる。あるいは、フォーカスレンズ群Lの焦点距離の絶対値が小さくなり、負の屈折力が強まると、フォーカシングに際して収差変動が大きくなってくる。
【0036】
条件式(4)はフォーカス敏感度に関する式である。フォーカス敏感度はフォーカスレンズ群Lが光軸方向に単位量移動したときのピント移動量の比である。条件式(4)の下限を下回ってフォーカス敏感度が小さくなるとフォーカシングに際してフォーカスレンズ群Lの移動量が大きくなり、高速なフォーカシングが困難となる。逆に条件式(4)の上限を上回って、フォーカス敏感度が大きくなりすぎるとフォーカシングに際してフォーカスレンズ群Lの移動量が小さくなり、フォーカシングに際してフォーカスレンズ群Lの駆動制御が困難となる。
【0037】
条件式(5)は広角端におけるバックフォーカスBFを広角端における全系の焦点距離で割って規格化したものである。条件式(5)の下限を下回るとバックフォーカスが短くなりすぎて、像側に撮像素子やフィルター等を配置するのが困難になる。また、像面への光線入射角が大きくなり、画面周辺部に到達すべき光束が受光素子上に達することが少なくなり、シェーディングが多く発生してくる。逆に条件式(5)の上限を上回ると、バックフォーカスが長くなり、その分、ズームレンズ全体が大型化してしまう。
【0038】
条件式(6)は広角端から望遠端へのズーミングにおける最終レンズ群Limgの移動量mimgを広角端における全系の焦点距離で割って規格化したものである。条件式(6)の下限を下回ると広角端から望遠端へのズーミングにおける最終レンズ群Limgの移動量が小さくなり、高ズーム比化が困難となる。逆に条件式(6)の上限を上回ると、広角端から望遠端へのズーミングに際しての最雌雄レンズ群Limgの移動量が大きくなりすぎて、ズームレンズが大型化してしまう。更に好ましくは条件式(3)乃至(6)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
1.3< |fimg/f| <3.0 ・・・(3a)
1.5< |(1−β)×βfimg | < 4.0 ・・・(4a)
2.3<BFw/fw<4.0 ・・・(5a)
0.7<mimg/fw<2.5 ・・・(6a)
【0039】
また、各実施例において、フォーカスレンズ群Lは1枚のレンズより構成するのが良い。高速でフォーカシングを行うにはフォーカスレンズ群Lの重量が極力軽いことが必要である。そのためにはフォーカスレンズ群Lは1枚のレンズからなることが好ましい。
【0040】
また、各実施例において、負の屈折力の第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズと、負の屈折力のプラスチック非球面レンズを有し、次の条件式のうち1以上を満足するのが良い。ただし、プラスチック非球面レンズの焦点距離をfasph、負の屈折力の第1レンズと負の屈折力のプラスチック非球面レンズの光軸上の距離をdasph、第1面から像面までの光軸上の距離をTLとする。
−9.0<fasph/f<−5.5 ・・・(7)
0.0001<dasph/TL<0.01 ・・・(8)
【0041】
条件式(7)はプラスチック非球面レンズの焦点距離に関するものである。条件式(7)の下限を下回ってプラスチック非球面レンズの焦点距離の絶対値が大きくなると、プラスチック非球面レンズの屈折力が弱くなり、歪曲、像面湾曲の補正が困難となる。条件式(7)の上限を上回ってプラスチック非球面レンズの焦点距離の絶対値が小さくなると、プラスチック非球面レンズの屈折力が強くなり、温度が変化した際の性能変化が大きくなり、好ましくない。
【0042】
条件式(8)は負の屈折力の第1レンズと負の屈折力のプラスチック非球面レンズの光軸上の距離に関するものである。条件式(8)の下限を下回って負の屈折力の第1レンズと負の屈折力のプラスチック非球面レンズの光軸上の距離が小さくなるとレンズが干渉しやすくなり、キズ等が発生しやすくなるため、好ましくない。条件式(8)の上限を上回って負の屈折力の第1レンズと負の屈折力のプラスチック非球面レンズの光軸上の距離が大きくなるとプラスチック非球面レンズへの軸外主光線の入射高が低くなり、非球面効果が小さくなるため、歪曲、像面湾曲の補正が困難となる。
【0043】
更に好ましくは条件式(7)乃至(8)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−7.5<fasph/f<−6.0 ・・・(7a)
0.0005<dasph/TL<0.005 ・・・(8a)
【0044】
また、各実施例において、最終レンズ群Limgは1以上の非球面を有するのが良い。最終レンズ群Limgに非球面を配置することでレトロフォーカス型の光学配置で発生し易い諸収差、特に像面湾曲を補正することが容易となる。次に各実施例のズームレンズのレンズ構成について説明する。
【0045】
[実施例1]
以下、図1を参照して、本発明の実施例1のズームレンズOLのレンズ構成について説明する。実施例1のズームレンズOLは物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、負の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4より構成されている。ズーミングに際して各レンズ群が矢印に示す如く互いに異なった軌跡で移動する。広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸状の軌跡で移動する。第2レンズ群L2,第3レンズ群L3,第4レンズ群L4は物体側へ移動する。
【0046】
実施例1はズーム比1.70、撮影画角(2ω)が105.84°〜75.96°の広画角のズームレンズである。実施例1においては第4レンズ群L4が最終レンズ群(Limg)である。第3レンズ群L3は無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って像側へ移動するフォーカスレンズ群(L)である。
【0047】
本実施例のズームレンズは、図2からわかるように球面収差、コマ収差、像面湾曲、歪曲を始めとする諸収差が良好に補正されている。さらに、第3レンズ群L3の光軸方向の位置と適切な屈折力配置によって、フォーカシングに伴う像倍率の変化も抑えている。その結果、フォーカシングに伴う像倍率の変化が少なく、第3レンズ群L3が小型軽量であるため高速なフォーカシングを容易にしている。
【0048】
[実施例2]
以下、図3を参照して、本発明の実施例2のズームレンズOLのレンズ構成について説明する。実施例2のズームレンズOLの各レンズ群の屈折力配置は実施例1と同じである。広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸状の軌跡で移動する。第2レンズ群L2,第3レンズ群L3,第4レンズ群L4は同じ軌跡で物体側へ移動する。実施例2はズーム比1.54、撮影画角100.68°〜75.96°の広画角のズームレンズである。
【0049】
本実施例のズームレンズは図4からわかるように球面収差、コマ収差、像面湾曲、歪曲を始めとする諸収差が良好に補正されている。さらに、第3レンズ群L3の光軸方向の位置と適切な屈折力配置によって、フォーカシングに伴う像倍率の変化も抑えている。その結果、フォーカシングに伴う像倍率の変化が少なく、第3レンズ群L3が小型軽量であるため高速なフォーカシングを容易にしている。
【0050】
[実施例3]
以下、図5を参照して、本発明の実施例3のズームレンズOLのレンズ構成について説明する。実施例3のズームレンズOLは物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5より構成されている。広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側へ凸状の軌跡で移動する。第2レンズ群L2乃至第5レンズ群L5は互いに異なった軌跡で物体側へ移動する。
【0051】
後述する数値実施例3の各種データにおいて、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔d15は広角,中間,望遠において同じ値3.21に表示されている。これは小数点2桁で四捨五入したためであり、実際の値は広角3.2083,中間3.2082,望遠3.2081である。第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔d15はズーミングに際して、僅かであるが変化している。
【0052】
実施例3はズーム比2.24、撮影画角110.24°〜65.2°の広画角のズームレンズである。実施例3においては第5レンズ群L5が最終レンズ群(Limg)である。第4レンズ群L4は無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って像側へ移動するフォーカスレンズ群(L)である。
【0053】
本実施例のズームレンズは図6からわかるように球面収差、コマ収差、像面湾曲、歪曲を始めとする諸収差が良好に補正されている。さらに、第4レンズ群L4の光軸方向の位置と適切な屈折力配置によって、フォーカシングに伴う像倍率の変化も抑えている。その結果、フォーカシングに伴う像倍率の変化が少なく、第4レンズ群L4が小型軽量であるため高速なフォーカシングを容易にしている。
【0054】
[実施例4]
以下、図7を参照して、本発明の実施例1のズームレンズOLのレンズ構成について説明する。実施例4のズームレンズOLは物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、負の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5より構成されている。広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1は像側に凸状の軌跡で移動する。第2レンズ群L2乃至第5レンズ群L5は互いに異なった軌跡で物体側へ移動する。実施例4はズーム比1.44、撮影画角94.22°〜73.52°の広画角のズームレンズである。
【0055】
実施例4においては第5レンズ群L5が最終レンズ群(Limg)である。第3レンズ群L3は無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って像側へ移動するフォーカスレンズ群(L)である。
【0056】
本実施例のズームレンズは、図8からわかるように球面収差、コマ収差、像面湾曲、歪曲を始めとする諸収差が良好に補正されている。さらに、第3レンズ群L3の光軸方向の位置と適切な屈折力配置によって、フォーカシングに伴う像倍率の変化も抑えている。その結果、フォーカシングに伴う像倍率の変化が少なく、第3レンズ群L3が小型軽量であるため高速なフォーカシングを容易にしている。
【0057】
図9は一眼レフカメラの要部概略図である。図9において、10は実施例1〜4のズームレンズ1を有する撮影光学系である。撮影光学系1は保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体である。カメラ本体20はクイックリターンミラー3、焦点板4、ペンタダハプリズム5、接眼レンズ6等によって構成されている。クイックリターンミラー3は、撮影光学系10からの光束を上方に反射する。焦点板4は撮影光学系10の像形成位置に配置されている。ペンタダハプリズム5は焦点板4に形成された逆像を正立像に変換する。観察者は、その正立像を接眼レンズ6を介して観察する。
【0058】
7は感光面であり、像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)や銀塩フィルムが配置される。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避して、感光面7上に撮影光学系10によって像側形成される。
【0059】
このように本発明のズームレンズを一眼レフカメラ交換レンズ等の撮像装置に適用することにより、高い光学性能を有する撮像装置を実現している。この他本発明のズームレンズはクイックリターンミラーのないミラーレンズの一眼レフカメラにも同様に適用することができる。尚、本発明のズームレンズは、デジタルカメラ・ビデオカメラ・銀塩フィルム用カメラ等の他に望遠鏡、双眼鏡、複写機、プロジェクター等の光学機器にも適用できる。以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0060】
以下、数値実施例1〜4のズームレンズの具体的な数値データを示す。iは物体から数えた順序を示す。面番号iは物体側から順に数えている。riは曲率半径(mm)、diは第i番目と第i+1番目の面間隔(mm)である。ndiとνdiはそれぞれd線に対する第i面と第(i+1)面との間の媒質の屈折率、アッベ数を表す。またBFはバックフォーカスである。レンズ全長は第1レンズ面から像面までの距離を表す。
【0061】
また、非球面は面番号の後に、*の符号を付加して表している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、B、C、D、E、F・・・を各次数の非球面係数とするとき、
x=(h/R)/[1+{1−(1+k)(h/R)1/2+B・h+C・h+D・h+E・h10+F・h12・・・
で表す。なお、各非球面係数における「E±XX」は「×10±XX」を意味している。前述の各条件式に相当する数値を表1に示す。
【0062】
(数値実施例1)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 65.393 2.00 1.77250 49.6 41.98
2 19.774 0.21 31.81
3 19.623 2.20 1.52996 55.8 31.64
4* 12.890 14.82 29.14
5 26.261 0.90 1.77250 49.6 18.33
6 11.536 5.58 15.90
7 -18.464 0.80 1.59522 67.7 15.61
8 344.979 0.10 15.85
9 41.566 3.39 1.72047 34.7 15.99
10 -30.947 (可変) 15.90
11 -46.472 1.11 1.48749 70.2 8.55
12 -29.312 1.23 8.73
13 23.761 0.80 1.91082 35.3 8.95
14 9.192 3.37 1.60342 38.0 8.77
15 -53.118 2.19 8.89
16(絞り) ∞ 2.96 8.88
17 -115.956 0.80 1.83481 42.7 8.96
18 9.582 3.45 1.64769 33.8 9.10
19 -187.956 0.15 9.76
20 16.818 4.37 1.49700 81.5 10.68
21 -14.618 (可変) 11.33
22 -51.594 0.70 1.91082 35.3 11.34
23 59.318 (可変) 11.48
24 192.633 0.80 1.91082 35.3 13.31
25 14.245 5.88 1.58313 59.4 13.73
26* -19.863 (可変) 15.00
像面 ∞

非球面データ
第4面
K =-4.75949e-001 B=-3.82851e-005 C=-7.50548e-008 D=-2.94600e-010
E= 1.45343e-012 F=-5.04519e-015

第26面
K = 0.00000e+000 B= 2.17541e-005 C=-2.27082e-007 D= 1.49496e-008
E=-2.85254e-010 F= 2.16561e-012

各種データ
ズーム比 1.70
広角 中間 望遠
焦点距離 10.30 13.78 17.46
Fナンバー 4.64 5.18 5.80
半画角(度) 52.92 44.69 37.98
像高 13.63 13.63 13.63
レンズ全長 116.58 113.53 114.08
BF 35.35 42.10 48.84

d10 17.35 7.56 1.37
d21 1.20 1.57 2.05
d23 4.85 4.48 4.00
d26 35.35 42.10 48.84

入射瞳位置 16.70 16.08 15.54
射出瞳位置 -29.55 -29.11 -28.54
前側主点位置 25.36 27.19 29.07
後側主点位置 25.05 28.32 31.38

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -13.17 30.01 6.53 -20.04
2 11 18.76 20.43 13.34 -4.68
3 22 -30.20 0.70 0.17 -0.20
4 24 76.60 6.68 8.63 5.03

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -37.41
2 3 -79.94
3 5 -27.36
4 7 -29.42
5 9 25.11
6 11 159.44
7 13 -16.90
8 14 13.26
9 17 -10.57
10 18 14.17
11 20 16.50
12 22 -30.20
13 24 -16.92
14 25 15.19
【0063】
(数値実施例2)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 67.024 2.00 1.51633 64.1 43.22
2 19.596 0.07 32.10
3 19.534 2.20 1.52996 55.8 32.02
4* 12.851 15.00 28.71
5 36.072 0.90 1.83481 42.7 17.55
6 10.799 5.36 14.90
7 -18.784 0.80 1.59522 67.7 14.63
8 -77.361 0.15 14.89
9 30.490 3.06 1.72047 34.7 15.03
10 -43.008 (可変) 14.80
11 -46.868 1.05 1.48749 70.2 8.17
12 -28.621 1.55 8.33
13 22.743 0.80 1.83481 42.7 8.58
14 9.162 3.16 1.54814 45.8 8.42
15 -29.837 2.05 8.52
16(絞り) ∞ 3.38 8.34
17 -16.362 0.80 1.91082 35.3 8.13
18 15.294 2.91 1.72151 29.2 8.63
19 -21.362 0.19 9.80
20 22.594 3.25 1.49700 81.5 11.00
21 -15.930 1.30 11.50
22 84.915 0.80 1.91082 35.3 11.82
23 29.661 3.57 11.82
24 146.421 0.90 1.91082 35.3 13.01
25 12.713 6.08 1.58313 59.4 13.41
26* -21.551 (可変) 14.80
像面 ∞

非球面データ
第4面
K =-4.75949e-001 B=-2.14159e-005 C=-6.60610e-008 D=-2.73069e-010
E= 1.03120e-012 F=-4.58549e-015

第26面
K = 0.00000e+000 B= 6.77849e-006 C=-2.38100e-007 D= 6.64682e-009
E=-1.14977e-010 F= 6.72515e-013

各種データ
ズーム比 1.54
広角 中間 望遠
焦点距離 11.30 15.06 17.46
Fナンバー 4.64 5.28 5.69
半画角(度) 50.34 42.15 37.98
像高 13.63 13.63 13.63
レンズ全長 110.71 108.93 109.83
BF 35.00 42.24 46.86

d10 14.37 5.35 1.62
d26 35.00 42.24 46.86

入射瞳位置 18.33 17.60 17.21
射出瞳位置 -26.53 -26.53 -26.53
前側主点位置 27.55 29.36 30.52
後側主点位置 23.70 27.18 29.41

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -14.56 29.54 7.56 -19.70
2 11 21.10 19.15 13.10 -4.60
3 22 -50.40 0.80 0.65 0.23
4 24 105.00 6.98 11.11 7.55

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -54.42
2 3 -80.01
3 5 -18.77
4 7 -41.89
5 9 25.20
6 11 148.02
7 13 -18.89
8 14 13.17
9 17 -8.58
10 18 12.78
11 20 19.34
12 22 -50.40
13 24 -15.33
14 25 14.67
【0064】
(数値実施例3)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 62.304 1.70 1.80400 46.6 45.07
2 19.433 0.20 33.92
3 19.433 2.30 1.52996 55.8 33.80
4* 12.025 11.34 28.20
5 25.935 0.90 1.77250 49.6 23.19
6 12.880 8.02 19.82
7 -19.426 0.80 1.59522 67.7 19.44
8 -85.193 0.15 19.86
9 56.600 3.28 1.72047 34.7 20.01
10 -49.434 (可変) 19.87
11 -211.721 1.73 1.48749 70.2 9.88
12 -29.805 1.07 10.15
13 22.774 0.70 1.91082 35.3 10.44
14 9.661 3.64 1.58144 40.8 10.20
15 -58.601 (可変) 10.34
16(絞り) ∞ 3.19 10.38
17 -27.572 0.70 1.83481 42.7 10.40
18 11.105 3.57 1.71736 29.5 10.87
19 -31.515 0.15 11.32
20 21.783 3.76 1.49700 81.5 11.63
21 -17.267 (可変) 11.55
22 -45.767 0.60 1.91082 35.3 10.46
23 49.785 (可変) 10.32
24 105.075 0.70 1.91082 35.3 10.31
25 12.506 5.05 1.49710 81.6 10.67
26* -14.235 (可変) 12.13
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-3.81397e+000 B= 1.78033e-005 C=-6.05780e-009 D=-5.40009e-011
E = 8.31988e-014 F=-1.64860e-017

第4面
K =-3.72017e-001 B=-1.05015e-005 C= 3.69314e-008 D= 1.44990e-009
E =-1.71363e-011 F= 2.40573e-014

第26面
K = 0.00000e+000 B=-1.23310e-005 C=-4.96373e-007 D= 1.19352e-008
E =-5.80436e-010 F= 5.32465e-012

各種データ
ズーム比 2.24
広角 中間 望遠
焦点距離 9.50 15.20 21.31
Fナンバー 4.40 5.08 5.80
半画角(度) 55.12 41.88 32.60
像高 13.63 13.63 13.63
レンズ全長 123.37 117.73 120.93
BF 37.30 48.94 60.58

d10 26.64 9.54 1.29
d15 3.21 3.21 3.21
d21 0.50 1.07 1.74
d23 2.20 1.43 0.58
d26 37.30 48.94 60.58

入射瞳位置 16.04 15.23 14.60
射出瞳位置 -22.20 -21.22 -20.15
前側主点位置 24.03 27.13 30.29
後側主点位置 27.80 33.74 39.27

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -13.24 28.68 5.32 -20.37
2 11 33.64 7.13 2.30 -2.67
3 16 24.97 11.37 9.46 1.91
4 22 -26.10 0.60 0.15 -0.16
5 24 74.82 5.75 8.97 5.89

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -35.76
2 3 -66.69
3 5 -34.15
4 7 -42.47
5 9 37.11
6 11 70.94
7 13 -18.90
8 14 14.55
9 17 -9.41
10 18 11.86
11 20 20.02
12 22 -26.10
13 24 -15.64
14 25 14.29
【0065】
(数値実施例4)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 41.995 2.00 1.48749 70.2 40.77
2 20.525 0.20 32.47
3 20.525 2.20 1.52996 55.8 32.32
4* 13.319 15.44 27.96
5 -431.645 0.90 1.80400 46.6 17.10
6 12.788 4.23 14.82
7 -27.672 0.80 1.43875 94.9 14.69
8 -50.804 0.15 14.76
9 25.460 3.01 1.80000 29.8 14.69
10 -7092.378 (可変) 14.14
11 -58.261 1.43 1.48749 70.2 8.75
12 -29.878 1.44 8.48
13 25.253 0.80 1.91082 35.3 8.27
14 10.706 3.96 1.59551 39.2 8.14
15 -34.577 2.22 8.26
16(絞り) ∞ 2.13 8.07
17 -24.628 0.80 1.83481 42.7 7.93
18 15.303 3.44 1.65844 50.9 8.75
19 -25.557 0.19 10.11
20 27.141 4.62 1.49700 81.5 11.03
21 -17.792 (可変) 11.97
22 -38.831 0.60 1.65160 58.5 12.15
23 79.759 (可変) 12.41
24 -121.211 1.20 1.52996 55.8 14.62
25* 378.042 (可変) 15.03
26 113.565 0.80 1.91082 35.3 15.38
27 23.771 4.30 1.55332 71.7 15.58
28* -22.352 (可変) 16.16
像面 ∞

非球面データ
第4面
K =-4.75949e-001 B=-6.29028e-006 C=-3.11309e-008 D=-1.05016e-010
E = 5.20437e-014 F=-3.03565e-015

第25面
K =-4.75949e-001 B=-3.82214e-005 C=-5.08157e-007 D=-7.83186e-009
E = 1.22990e-010 F=-7.47246e-013

第28面
K = 0.00000e+000 B= 5.68874e-005 C= 1.23900e-007 D= 1.40620e-008
E =-1.42260e-010 F= 7.39419e-013

各種データ
ズーム比 1.44
広角 中間 望遠
焦点距離 12.66 16.37 18.24
Fナンバー 4.64 5.16 5.44
半画角(度) 47.11 39.79 36.76
像高 13.63 13.63 13.63
レンズ全長 107.45 105.01 105.13
BF 30.88 36.91 40.32

d10 12.55 4.68 1.96
d21 1.00 1.46 1.51
d23 5.56 4.55 3.94
d25 0.60 0.57 0.53
d28 30.88 36.91 40.32

入射瞳位置 20.48 19.67 19.33
射出瞳位置 -29.60 -28.02 -26.82
前側主点位置 30.49 31.92 32.61
後側主点位置 18.22 20.54 22.08

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -15.52 28.93 9.55 -16.25
2 11 19.75 21.03 12.87 -5.63
3 22 -40.00 0.60 0.12 -0.24
4 24 -173.04 1.20 0.19 -0.59
5 26 55.00 5.10 4.02 0.88

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -84.95
2 3 -80.05
3 5 -15.43
4 7 -140.00
5 9 31.72
6 11 123.76
7 13 -20.95
8 14 14.19
9 17 -11.20
10 18 15.04
11 20 22.39
12 22 -40.00
13 24 -173.04
14 26 -33.15
15 27 21.54
【0066】
【表1】
【符号の説明】
【0067】
OL ズームレンズ
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
L5 第5レンズ群
Lf フォーカスレンズ群
img 最終レンズ群
SP 開口絞り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9