特許第6422232号(P6422232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6422232
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20181105BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   B41J2/165 207
   B41J2/01 303
   B41J2/01 305
   B41J2/01 451
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-88607(P2014-88607)
(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-223800(P2014-223800A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2017年4月21日
(31)【優先権主張番号】特願2013-90805(P2013-90805)
(32)【優先日】2013年4月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】小松 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】植月 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】弾塚 俊光
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大岳
(72)【発明者】
【氏名】伊部 剛
(72)【発明者】
【氏名】冨田 麻子
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−301145(JP,A)
【文献】 特開2007−290221(JP,A)
【文献】 特開2003−205654(JP,A)
【文献】 特開2008−114409(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0270327(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出して記録を行う記録ヘッドを搭載して第1の方向に移動するキャリッジと、
記録媒体を前記第1の方向と交差する第2の方向に搬送する搬送手段と、
前記記録ヘッドと対向する位置で記録媒体を支持するプラテンと、
前記記録ヘッドに予備吐出させる予備吐出手段と、
前記記録ヘッドにより記録が行われる記録領域の外側に配され、前記記録ヘッドから予備吐出されたインクを受ける予備吐出受け部と、
前記第2の方向における記録媒体の端部を検出する検出部と、を備えるインクジェット記録装置であって、
前記予備吐出手段は、前記端部が前記プラテン上に位置する場合は第1予備吐出受け部に予備吐出させ、前記端部が記プラテン上に位置しない場合は前記第1予備吐出受け部より記録媒体に近い第2予備吐出受け部に予備吐出させることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記検出部は前記キャリッジに搭載されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記予備吐出受け部は、前記プラテンに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
記録媒体を前記プラテンに吸着するための吸引手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記予備吐出手段は、記録媒体が前記吸引手段によって前記プラテンに吸着されている場合は、記録媒体が前記吸引手段によって前記プラテンに吸着されていない場合と比べて記録媒体から遠い位置に予備吐出させることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記予備吐出手段は、前記搬送手段による記録媒体の搬送量が所定量よりも小さい場合は、前記搬送量が前記所定量よりも大きい場合と比べて記録媒体から遠い位置に予備吐出させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
インクを吐出して記録を行う記録ヘッドを搭載して第1の方向に移動するキャリッジと、記録媒体を前記第1の方向と交差する第2の方向に搬送する搬送手段と、前記記録ヘッドと対向する位置で記録媒体を支持するプラテンと、前記記録ヘッドに予備吐出させる予備吐出手段と、前記記録ヘッドにより記録が行われる記録領域の外側に配され、前記記録ヘッドから予備吐出されたインクを受ける予備吐出受け部と、を備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
前記第2の方向における記録媒体の端部を検出する検出工程と、
前記端部が前記プラテン上に位置する場合は第1予備吐出受け部に予備吐出させ、前記端部が前記プラテン上に位置しない場合は前記第1予備吐出受け部より記録媒体に近い第2予備吐出受け部に予備吐出させる予備吐出制御工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置では、インクの吐出動作を行うと記録媒体に着弾する主滴の他に記録媒体に着弾しない、所謂インクミストと呼ばれる微小なインク粒子の飛散が生じる。そしてインクミストは、キャリッジの移動等によって記録装置内で発生する気流によって分散し、様々な場所に付着して記録装置内部を汚染してしまう。さらにインクミストは、記録媒体の裏にも回り込み記録媒体の裏面も汚染する。以下、裏汚れとも称する。
【0003】
ところで、インクジェット記録装置では、所定期間記録動作が行われないと記録ヘッドの吐出口内のインクが増粘して正常にインクを吐出できなくなるおそれがある。そのため記録動作中であっても予備吐出動作を定期的に行い、吐出口内のインクを定期的に排出させることで吐出口の状態を良好に保っている。そして、このような予備吐出動作は記録領域外の予備吐出位置やキャップ部で行われるため、記録動作時に比べて多量のインクミストが発生する。特許文献1には、記録領域から離れたキャップ位置で予備吐出動作を行うことでインクミスト量を抑制する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−105348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、予備吐出動作時のインクミストの量を抑制するために、常に記録領域から離れた位置で予備吐出動作を行うと、記録ヘッドを予備吐出位置まで移動させるためにかかる時間が増大し、スループットの低下が発生してしまうことになる。
【0006】
このような事情に鑑みて、本発明の目的は、スループットの低下を抑制しつつ、記録媒体の裏面の汚れを防止できるインクジェット記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、インクを吐出して記録を行う記録ヘッドを搭載して第1の方向に移動するキャリッジと、記録媒体を前記第1の方向と交差する第2の方向に搬送する搬送手段と、前記記録ヘッドと対向する位置で記録媒体を支持するプラテンと、前記記録ヘッドに予備吐出させる予備吐出手段と、前記記録ヘッドにより記録が行われる記録領域の外側に配され、前記記録ヘッドから予備吐出されたインクを受ける予備吐出受け部と、前記第2の方向における記録媒体の端部を検出する検出部と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記予備吐出手段は、前記端部が前記プラテン上に位置する場合は第1予備吐出受け部に予備吐出させ、前記端部が前記プラテン上に位置しない場合は前記第1予備吐出受け部より記録媒体に近い第2予備吐出受け部に予備吐出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スループットの低下を抑制しつつ、記録媒体の裏面の汚れを防止できるインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)第1の実施形態に係るインクジェット記録装置を概略的に示す斜視図である。(b)第1の実施形態に係るインクジェット記録装置を概略的に示す平面図である。
図2】インクジェット記録装置本体に搭載された制御系の構成を示すブロック図である。
図3】インクジェット記録装置を概略的に示す上面図である。
図4】記録媒体とプラテンとの隙間について説明するための図である。
図5】(a)予備吐出位置を決定するフローチャートである。(b)予備吐出位置を説明するための上面図である。
図6】第2の実施形態に係るインクジェット記録装置を概略的に示す上面図である。
図7】(a)第3の実施形態に係るインクジェット記録装置を概略的に示す上面図である。(b)予備吐出位置を説明するための上面図である。
図8】(a)第4の実施形態に係る記録動作時の時間経過に伴う搬送速度を示す概念図である。(b)記録動作時の時間経過に伴う記録媒体の端部位置を示す概念図である。
図9】(a)予備吐出位置を決定するフローチャートである。(b)予備吐出位置を説明するための上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
インクジェット記録装置は、インクを吐出してロール紙やカット紙などの記録媒体に対して記録動作を行う。インクジェット記録装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や、工業用生産機器などに用いられる。インクジェット記録装置によって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。
【0011】
本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
【0012】
さらに「インク」とは広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
【0014】
(第1の実施形態)
(装置本体概略構成)
図1(a)は、記録媒体1に記録動作を行うインクジェット記録装置の記録装置本体の概略の斜視図を示す。なお、本実施形態におけるインクジェット記録装置は、インクを吐出する複数の吐出口を備えた吐出口面を有する記録ヘッドを記録媒体の幅方向(x方向)に往復移動させて記録動作を行う、いわゆるシリアル型のインクジェット記録装置である。記録ヘッドの吐出口面と対向する位置には、記録ヘッドの移動領域にわたってプラテン4(支持部材)が設けられている。記録媒体がプラテン4に支持された状態で記録動作が行われる。
【0015】
また記録媒体は、搬送ローラ5や排紙ローラ12等を含む搬送手段よってx方向と交差するy1方向へ搬送される。搬送ローラ5は記録媒体の搬送方向においてプラテン4の上流側に設けられている。排紙ローラ12は搬送方向においてプラテン4の下流側に設けられている。なお、排紙ローラ12は、本発明において必須の構成ではない。
【0016】
記録ヘッド3はキャリッジ2に着脱可能に搭載されている。キャリッジ2はx方向に沿って往復移動する。具体的には、キャリッジ2は、x方向に沿って配置されたガイド軸6に沿って移動可能に支持されており、ガイド軸6と並行に移動する無端ベルト(不図示)に固定されている。無端ベルトは、キャリッジモータ(CRモータ)の駆動力によって往復運動し、それによってキャリッジ2をx方向に往復移動させる。
【0017】
そして、このような搬送手段による記録媒体の搬送動作と、キャリッジ2に搭載された記録ヘッド3を記録媒体1の搬送方向と交差する方向に移動させながら行う記録動作とを繰り返すことで画像の記録が行われる。
【0018】
またインクジェット記録装置では、吐出口から水分が蒸発して増粘したインクや吐出口内の気泡を除去して吐出口の状態を回復させるために吐出口から定期的に記録に用いないインクを排出する予備吐出動作を行っている。記録領域外に設けられた予備吐出受け部71、72は、このような予備吐出動作で排出されたインクを受容するために用いられる。また、記録ヘッド3のインク吐出状態を回復・維持する回復処理装置(不図示)を設けることもできる。
【0019】
キャリッジ2には、移動方向(x方向)に関する記録媒体の端部位置を検知することができる光学センサなどの端部位置検知センサ10が搭載されている。そして、この端部位置検知センサ10を用いて搬送方向(y方向)に関する記録媒体の先端部、後端部の通過を検知することもできる。このような記録媒体先端の検知動作は、端部位置検知センサ10を記録媒体が通過する領域に移動させて行われる。
【0020】
なお、記録媒体の先端位置を検知する方法としては、キャリッジ2とは独立に設置したセンサによって検出してもよく、搬送ローラ5の上流側に記録媒体の先端部や後端部の通過を検知できる給紙センサを設けてもよい。すなわち、記録媒体の先端または後端の位置を検出するための検出部を備える。そして、検出部の検出結果に基づいて、記録媒体の搬送方向における端部の位置を判断する。
【0021】
図1(b)は、インクジェット記録装置の記録装置本体の概略のxz平面図を示している。プラテン4には共通の吸引ポンプ9に接続された複数の吸引口8が設けられている。吸引ポンプ9によって吸引することで記録媒体1をプラテン4に吸着させることができる。記録媒体をプラテン4に吸着させた状態で記録動作を行うことで、インクの着弾位置を正確に制御することができる。
【0022】
なお、記録媒体1をプラテン4に密着させる方法としては、記録媒体1をプラテン4に対向する方向から押圧部材により押し付ける構成であってもよい。また、記録媒体1をプラテン4に密着させなくともよい。
【0023】
(制御システム)
図2は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の記録装置本体に搭載される制御システム(制御手段)の構成例を示すブロック図である。図2において、100は主制御部である。この主制御部100は演算、制御、判別、設定などの処理動作を実行するCPU101を備えている。そしてCPU101で実行すべき制御プログラム等を格納するROM102、インクの吐出/非吐出を表す2値の記録データを格納するバッファ、CPU101による処理のワークエリア等として用いられるRAM103、入出力ポート104などを備える。
【0024】
入出力ポート104には、搬送ローラおよび排紙ローラを駆動させる搬送モータ113、キャリッジモータ(CRモータ)114、記録ヘッド3などの各駆動回路105、106、107、108が接続されている。これらの各駆動回路105、106、107、108は、主制御部100により制御される。入出力ポート104には、記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度センサ112、キャリッジ2に固定されたエンコーダセンサ111、記録装置本体の使用環境である温度と湿度を検知する温湿度センサ109が接続されている。さらに、入出力ポート104には、端部位置検知センサ10等のセンサも接続され
ている。また、主制御部100はインターフェース回路110を介してホストコンピュータ115に接続されている。
【0025】
116は回復処理装置7によって記録ヘッド3から強制的にインクを排出させた場合に、そのインク量をカウントする回復処理カウンタである。117は記録開始前や記録終了時、記録中に行われる予備吐出をカウントする予備吐出カウンタである。118はフチ無し記録を行う場合に記録領域外に記録されるインクをカウンタするフチ無しインクカウンタ、119は記録中に吐出するインクをカウントする吐出ドットカウンタである。
【0026】
以上の構成を有するインクジェット記録装置によって実行される記録動作を説明する。ホストコンピュータ115からインターフェースを介して記録データを受信すると、その記録データはRAM103のバッファに展開される。そして、記録動作が指示されると、搬送ローラ5が作動し、記録媒体を記録ヘッド3と対向する位置へ搬送する。このとき、キャリッジ2に搭載した端部位置検知センサ10で、記録媒体の先端部の通過を検知し、検知信号を主制御部100へ出力する。主制御部100はこの信号に基づき、搬送方向に関する記録媒体1の先端の位置を特定する。
【0027】
キャリッジ2はガイド軸6に沿ってx方向へと移動する。キャリッジ2の移動に伴って、記録ヘッド3からはインク滴が吐出され、記録媒体に1バンド分の画像が記録される。この後、記録媒体は、搬送手段によって搬送方向に1バンド分だけ搬送される。以上の動作を繰り返すことにより、記録媒体には所定の画像が形成される。なお、ここでは、x方向の一方向への移動中に1バンド分の画像を記録する例を示したが、一方向への移動及び他方向への移動からなる複数の移動によって1バンド分の画像を記録してもよい。
【0028】
なお、キャリッジ2の位置は、キャリッジ2の移動に伴ってエンコーダセンサ111から出力されるパルス信号を主制御部100でカウントすることにより検出される。すなわち、エンコーダセンサ111は、x方向に沿って配置された不図示のエンコーダフィルムに一定の間隔で形成された検出部を検出することによってパルス信号を主制御部100へ出力する。主制御部100はこのパルス信号をカウントすることにより、キャリッジ2の位置を検出する。キャリッジ2のホームポジション及びその他の位置への移動は、エンコーダセンサ111からの信号に基づいて行われる。
【0029】
(予備吐出動作について)
次に、図3を用いて記録媒体の両端部の予備吐出位置(予備吐出受け部71および72)について詳細に説明する。図3はインクジェット記録装置本体の概略の上面図を示している。
【0030】
図3に示すように、予備吐出インク受け部71および72は、記録媒体に記録動作が行われる記録領域の外側に設けられている。なお予備吐出インク受け部は記録領域の外側であればプラテン4上に備えられていてもよい。ここでx方向に関する記録媒体の一方の端部から第1の予備吐出インク受け部71の端部までの距離をd1と示し、x方向に関する記録媒体の他方の端部から第2の予備吐出インク受け部72の端部までの距離をd2と示すこととする。なお、このような記録媒体としては、図3に示すようなロール状の記録媒体のみならず、カット紙であってもよい。
【0031】
インクジェット記録装置は、このような予備吐出インク受け部71および72に、走査毎に予備吐出動作を行うことで吐出口内のインクの増粘による吐出不良等を防止している。そして、予備吐出動作で吐出される予備吐出数は、吐出休止時間に係る記録画像や記録媒体の走査方向の大きさや、記録環境の条件に応じて制御されており、すなわち記録媒体の搬送方向に関する位置によらず常に一定の回数行われている。
【0032】
ところで、このような予備吐出動作で発生するインクミストによる記録媒体の裏汚れは、特に記録媒体の先端部分において酷いことが、本発明者らの検討によりわかった。これは、記録媒体の先端とプラテンとの間で生じる摩擦や記録媒体のカールの影響により記録媒体の先端領域の一部が浮き上がり、記録媒体とプラテンとの間に隙間が生じ、インクミストが流入しているためである。以下、図4を用いて詳細に説明する。
【0033】
図4はインクジェット記録装置本体の概略の平面図を示し、図4(a1)、(b1)、(c1)はyz平面図、図4(a2)、(b2)、(c2)はxy平面図を示している。また、図4(a1)と(a2)、(b1)と(b2)、(c1)と(c2)、はそれぞれ同時刻の様子を示している。
【0034】
図4(a1)および(a2)で示すように、記録媒体1が搬送ローラ5によりy1方向に搬送され、記録媒体1の先端がプラテン4上に移動する。次に図4(b1)に示すように、記録媒体1の先端とプラテン4との間の摩擦や記録媒体のカールによりプラテン上の記録媒体の一部分が浮き上がり、記録媒体1とプラテン4との間に隙間が生じる。図4(b2)に示す第1の予備吐出受け部71に対し予備吐出動作を行うと、第1の予備吐出受け部71内の位置によっては予備吐出動作に伴い発生するインクミストが隙間に流入し、記録媒体1の先端領域の裏面はインクミストにより汚れてしまうことがある。
【0035】
一方、図4(c1)(c2)に示すように、記録媒体1の先端がプラテン4の下流側まで移動すると、記録媒体が複数の吸引口による吸着や記録媒体1のプラテン4よりはみ出した領域の自重により、記録媒体1とプラテン4の間に生じていた隙間が解消される。このような状態であれば、図4(c2)に示す第1の予備吐出受け部71のいずれの位置に予備吐出動作を行っても、インクミストが記録媒体1とプラテン4との間に流入することはないため、記録媒体の裏面の汚れは発生しない。
【0036】
つまり記録媒体の先端がプラテン上に位置している間のみ記録媒体の裏面の汚れが発生する。そのため、本実施形態においては、記録媒体の先端がプラテン上に位置している間は、記録媒体の側端部から十分に離れた位置で予備吐出動作を行う。そして記録媒体の先端がプラテンの下流側まで移動した後は、記録媒体の側端部から最も近い位置で予備吐出動作を行う。このように記録媒体の先端の位置に応じて予備吐出動作を行う位置を変更することにより、インクミストによる記録媒体の裏汚れを防止することができる。また、記録ヘッドを予備吐出位置まで移動させるために必要となる時間を削減することができ、スループットの低下を抑止することができる。
【0037】
次に図5を用いて、予備吐出位置の決定に関して詳細に説明する。
【0038】
図5(a)は予備吐出位置を決定するフローチャートである。dはx方向に関する記録媒体の端部から予備吐出インク受け部までの距離を示している。すなわち、図3で言うところ、x方向に関する記録媒体1の一方の端部から第1の予備吐出受け部71までの距離であればd1、x方向に関する記録媒体1の他方の端部から第2の予備吐出受け部72までの距離であればd2を意味する。このような予備吐出位置の決定は予備吐出受け部71と72の両方においてそれぞれ行う。
【0039】
まず、予備吐出位置の決定制御が開始されると、x方向に関する記録媒体の端部とこれから予備吐出動作を行う予備吐出受け部の端部との距離dを閾値D(所定値)と比較する(S1)。ここで、閾値Dは記録媒体の先端領域であっても、予備吐出動作で発生したインクミストが裏回りしない最小距離を示している。
【0040】
S1において距離dが閾値未満(d<D)であれば、当該予備吐出受け部内の最も記録媒体に近い位置で予備吐出動作を行うと裏汚れが発生する可能性があると判断してS2に進む。距離dが閾値以上(d≧D)であれば、当該予備吐出受け部のいずれの位置で予備吐出動作を行っても裏汚れは発生しないと判断し、スループットの低下を抑止するために記録ヘッド3の移動距離が少ない記録媒体の端部に近い予備吐出位置Bを選択する。
【0041】
S2では、これから行われる予備吐出実施時点での記録媒体1の搬送方向に関する先端がプラテン上に位置しているか否かを判定する。記録媒体1の先端位置は、端部位置検知センサ10により記録媒体の先端が検知されたタイミングに基づいて取得することができる。具体的には先端が検知された後の搬送ローラ5の回転量から求めることができる。
【0042】
S2において、記録媒体の先端がプラテン上に位置していると判定された場合には、記録媒体の端部から前述の閾値Dよりも大きい距離だけ離れた予備吐出位置Aを選択する。また、記録媒体の先端がプラテン上に位置していないと判定された場合には、距離dが閾値D未満であっても裏汚れは発生しないため記録ヘッド3の移動距離が少ない記録媒体の端部に近い予備吐出位置Bを選択する。
【0043】
図5(b)を用いて予備吐出位置AおよびBの詳細な説明を行う。図5(b)は予備吐出受け部71および72を示す上面図である。第1の予備吐出インク受け部71内の、記録領域(プラテン4)に近い位置が予備吐出位置712、遠い位置が予備吐出位置711である。また、第2の予備吐出インク受け部72内の、記録領域(プラテン4)に近い位置が予備吐出位置722、遠い位置が予備吐出位置721である。上述の予備吐出位置Aとは、予備吐出位置711および721を指す。予備吐出位置Bとは、予備吐出位置712および722を指す。なお、予備吐出位置711と712、721と722はそれぞれ同一の予備吐出受け部71、72内に設けた例を示しているが、別個の予備吐出受け部を設ける構成であってもよい。
【0044】
次に図3におけるd1、d2がそれぞれd1<D、d2≧Dの関係にあるとした場合についての一例を示す。第1の予備吐出インク受け部71に対する予備吐出は、予備吐出実施時点での記録媒体1の先端がプラテン上に位置しているのであれば記録媒体1の端部から閾値Dよりも大きい距離だけ離れた予備吐出位置711に対して予備吐出動作を行う。そして予備吐出実施時点での記録媒体1の先端がプラテン上に位置していないのであれば記録領域に最も近い予備吐出位置712に対して実施する。予備吐出インク受け部72が記録媒体1の端部から閾値Dよりも大きい距離だけ離れている。そのため、第2の予備吐出インク受け部72に対する予備吐出は、予備吐出実施時点での記録媒体1の先端の位置にかかわらず、記録領域に最も近い予備吐出位置722に対して実施する。そして、記録媒体を吸引手段であるところの吸引ポンプによりプラテンに吸着させている場合は、上記閾値は少なくとも50mmであり、約60mm以上とできればさらに好ましい。
【0045】
また、吸引ポンプにより記録媒体をプラテンに吸着させている場合の方が記録媒体をプラテンに吸着させていない場合に比べて、予備吐出によるインクミストの影響を受けやすいことが知られている。これは予備吐出によるインクミストが、記録媒体を吸着するための吸引ポンプによって生じた空気の流れに従って引き寄せられるためである。つまり複数の吸引口へ引き寄せられる際に一部のインクミストが記録媒体の裏面に付着してしまう可能性が高いため、記録媒体の裏汚れが発生しやすいといえる。従って、記録媒体をプラテンに吸着させている場合の閾値Dは、記録媒体をプラテンに吸着させていない場合の閾値Dよりも大きい値としている。
【0046】
なお、本実施形態においては予備吐出受け部を2箇所備えたインクジェット記録装置を対象として説明を行ったが、1箇所であってもよい。また、S1の閾値Dによる判定をせずに、S2の記録媒体の先端がプラテン上に位置しているか否かの判定のみ行い、予備吐出位置を決定してもよい。
【0047】
なお、このような予備吐出位置の決定はA1サイズやA0サイズの記録媒体に対して記録を行う大型インクジェット記録装置のみならず、A3、A4版以下等の各種の記録媒体に対して記録を行うビジネスプリンタ等にも適用できることができる。
【0048】
また、カットされた記録媒体の場合には、記録媒体の後端がプラテン上に位置している場合にもインクミストによる裏汚れの影響が生じる可能性がある。これは、記録媒体の後端がプラテン上に位置している際には、排紙ローラ12のみで挟持された状態で記録動作および予備吐出動作が行われていることに加え、記録媒体のカールの影響もあるためである。つまりカットされた記録媒体の場合には、記録媒体の後端がプラテン上にある場合に記録媒体とプラテンとの間に隙間が生じる可能性があるため、記録媒体の端部から閾値Dよりも大きい距離だけ離れた位置で予備吐出動作を行うように制御することが好ましい。
【0049】
以上のように予備吐出位置を決定することにより、スループットの低下を抑制しつつ、記録媒体の裏汚れを防止できるインクジェット記録装置を提供することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では記録媒体の端部と予備吐出インク受け部との距離dが左右で異なる例を示したが、本実施形態では、記録媒体の端部と予備吐出インク受け部と距離dが左右で同じ場合を示す。
【0051】
図6は、このような予備吐出インク受け部を有するインクジェット記録装置本体の概略の上面図を示している。第1の実施形態と同様にx方向に関する記録媒体の一方の端部から第1の予備吐出インク受け部71の端部までの距離をd1と示し、x方向に関する記録媒体の他方の端部から第2の予備吐出インク受け部72の端部までの距離をd2とする。そして本実施形態においては、d1=d2となるように設けられている。
【0052】
このような場合においても、図5(a)のフローチャートを用いて予備吐出位置を決定することができる。なお、本実施形態においては、距離d1と距離d2が等しいため、予備吐出位置の決定制御は1回行えば両方の予備吐出位置を決定することができる。
【0053】
次に図6におけるd1、d2がd1=d2<Dの関係にあるとした場合の一例を示す。予備吐出インク受け部71および72に対する予備吐出は、それぞれ、記録媒体1の先端がプラテン上に位置している場合は、記録媒体1の端部から閾値Dよりも大きい距離だけ離れた予備吐出位置712および722に対して予備吐出を行う。そして予備吐出実施時点で記録媒体1の先端がプラテン上に位置していない場合は、予備吐出位置711および721に対して予備吐出を行う。なお、d1、d2、Dの関係はあくまで一例であり、これに限られない。
【0054】
以上のように予備吐出位置を決定することにより、スループットの低下を抑制しつつ、記録媒体の裏汚れを防止できるインクジェット記録装置を提供することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、予備吐出インク受け部がプラテン上に複数備えられている場合の例を示す。図7(a)は本実施形態に係るインクジェット記録装置本体の概略の上面図を示している。
【0056】
図7(a)において、予備吐出インク受け部71、73、74は記録媒体に記録動作が行われる領域外に設けられている。具体的には記録媒体を挟み一方の記録領域外に第1の予備吐出インク受け部71を備えており、他方の記録領域外のプラテン上に第3の予備吐出インク受け部73、第4の予備吐出インク受け部74が設けられている。なお、予備吐出インク受け部の個数はこれに限ったものではない。ここでx方向に関する記録媒体の一方の端部から第1の予備吐出インク受け部71までの距離をd1と示し、x方向に関する他方の端部から第3の予備吐出インク受け部73までの距離をd3と示すこととする。
【0057】
このような場合においても、図5(a)のフローチャートを用いて予備吐出位置を決定することができる。
【0058】
図7(b)を用いて予備吐出位置AおよびBの詳細な説明を行う。図7(b)は予備吐出受け部71、73、74を示す上面図である。第1の予備吐出インク受け部71のうち、記録領域(プラテン4)に近い位置が予備吐出位置712、遠い位置が予備吐出位置711である。また、記録領域(プラテン4)に近い位置に設けられた第3の予備吐出インク受け部73が予備吐出位置722である。また、記録領域(プラテン4)から遠い位置に設けられた第4の予備吐出インク受け部74が予備吐出位置721である。上述の予備吐出位置Aとは、予備吐出位置711および721を指し、予備吐出位置Bとは、予備吐出位置712および722を指す。図7(a)におけるd1、d3がそれぞれd1<D、d3<Dの関係にあるとした場合についての一例を示す。予備吐出インク受け部に対する予備吐出は、それぞれ、予備吐出実施時点で記録媒体1の先端がプラテン上に位置している場合は、予備吐出位置711および721(第4の予備吐出インク受け部74)に対して予備吐出を行う。そして予備吐出実施時点で記録媒体1の先端がプラテン上に位置していない場合は、予備吐出位置712および722(第3の予備吐出インク受け部73)に対して予備吐出を行う。なお、d1、d3、Dの関係はあくまで一例であり、これに限られない。
【0059】
以上のように予備吐出位置を決定することにより、スループットの低下を抑制しつつ、記録媒体の裏汚れを防止できるインクジェット記録装置を提供することができる。
【0060】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、一連の記録動作において記録媒体の搬送量(改行量)が一定でない場合の予備吐出位置の決定制御の例を示す。1回の搬送量が小さい場合には、1回の搬送量が大きい場合と比べ、記録媒体1の同一箇所が予備吐出動作に伴うインクミストの影響が及ぶ領域に長い時間留まることとなる。結果としてインクミストの影響によって、裏汚れがより顕著になるということが本発明者らの検討により分かった。
【0061】
図8(a)は一連の記録動作における、時間経過に伴う搬送速度を示す概念図である。図8(b)は一連の記録動作における、時間経過に伴う記録媒体の端部位置(先端位置および後端位置)を示す概念図である。
【0062】
図8(a)において、時刻T0で記録媒体1を搬送速度F1(インチ/秒)で搬送開始し、時刻T1で記録開始位置までの搬送が完了する。時刻T1から時刻T4までの間記録動作を実施する。時刻T1から時刻T2まで、時刻T3から時刻T4までは記録媒体は搬送せず(搬送速度0)記録ヘッドからインクを吐出して記録動作を実施する。時刻T2から時刻T3までは搬送速度F2(インチ/秒)で記録媒体を搬送する。なお、ここでの時間と搬送速度の関係はあくまで一例であり、これに限定されることではない。また、モータの立ち上げの影響もあり搬送速度は一定でない。
【0063】
図8(b)において、a1からa2までの範囲が記録媒体の先端位置がプラテン上に位置している範囲である。時刻T0に記録媒体1を搬送開始し、時刻T1で記録媒体1の先端がプラテン上の位置P1まで到達し、その後時刻T2まで位置P1上に位置している。次に時刻T2から搬送を再開し、時刻T5以降は記録媒体1の先端がプラテン4の範囲外に位置する。T6で記録媒体1の後端がプラテン上に位置する。時刻T3で記録媒体1の後端が位置P2に到達し、その後時刻T4まで位置P2に位置する。
【0064】
以上の動作における予備吐出位置の決定について、図9を用いて詳細に説明する。
【0065】
図9(a)は予備吐出位置の決定フローを示す図である。
【0066】
まず、予備吐出位置の決定制御が開始されると、x方向に関する記録媒体の端部からこれから予備吐出を行う予備吐出受け部の端部までの距離dと閾値D(所定値)とを比較する(S1)。ここで、閾値Dは記録媒体とプラテンとの間に隙間が生じる先端領域であっても、予備吐出動作で発生したインクミストが記録媒体の裏回りしない最小距離を示している。
【0067】
S1において距離dが閾値未満(d<D)であれば、予備吐出受け部の最も記録媒体に近い位置に対して予備吐出動作を行うと裏汚れが発生するおそれがあると判断してS2に進む。距離dが閾値以上(d≧D)であれば、予備吐出受け部のいずれの位置で予備吐出動作を行っても裏汚れは発生しないと判断し、スループットの低下を抑止するために、記録媒体の端部に近い予備吐出位置Bを選択する。すなわち、記録媒体の搬送量が所定量よりも小さい場合は搬送量が所定量よりも大きい場合と比べて記録ヘッドの位置を記録媒体に対して外側にする。
【0068】
S2では、予備吐出実施時点での記録媒体1の先端または後端がプラテン上に位置するか否かを判定する。記録媒体1の搬送方向に関する先端および後端の端部位置の情報は、端部位置検知センサ10により記録媒体の先端が検知されたタイミングを用いて求めることができる。具体的には先端が検知された後の搬送ローラ5の回転量から求めることができる。
【0069】
S2において、記録媒体の先端または後端がプラテン上に位置すると判定された場合には、S3に進む。また、記録媒体の先端または後端がプラテン上に位置しないと判定された場合には、予備吐出位置Bを選択する。
【0070】
S3では、搬送量(改行量)が搬送量閾値Fth以下かどうか判定する。
【0071】
搬送量がFthより大きいと判定された場合には、裏汚れを抑制するため記録媒体の端部から閾値Dよりも大きい距離だけ離れた予備吐出位置Aを選択する。
【0072】
そして、搬送量が搬送量閾値Fth以下であると判定された場合には、予備吐出位置Aよりも記録領域から遠い予備吐出位置Cを選択する。この予備吐出位置Cは、搬送量閾値Fth以下の状態で記録動作を行っても裏回りの影響がほとんど無視できる程度の位置である。
【0073】
すなわち記録媒体の端部がプラテン上に位置する場合には搬送量(改行量)も考慮し、予備吐出位置を決定することが好ましい。
【0074】
図9(b)を用いて予備吐出位置A、B、Cの詳細な説明を行う。図9(b)は予備吐出インク受け部71および72を示す上面図である。第1の予備吐出インク受け部71のうち、記録領域(プラテン4)に近い側から予備吐出位置712、711、713である。
【0075】
また、第2の予備吐出インク受け部72のうち、記録領域(プラテン4)に近い側から予備吐出位置722、721、723である。上述の予備吐出位置Aとは、予備吐出位置711および721を指す。予備吐出位置Bとは、予備吐出位置712および722を指し、予備吐出位置Cとは、予備吐出位置713および723を指す。なお、予備吐出位置711と712と713、721と722と723はそれぞれ同一の予備吐出受け部71、72内に設けた例を示しているが、別個の予備吐出受け部を設ける構成であってもよい。
【0076】
図9のフローチャートによれば、図8における時刻T1から時刻T2までは予備吐出位置Cを、時刻T2から時刻T5までは予備吐出位置Aを、時刻T5から時刻T6までは予備吐出位置Bをそれぞれ選択する。そして時刻T6から時刻T3までは予備吐出位置Aを、時刻T3から時刻T4までは予備吐出位置Cを、それぞれ選択することとなる。
【0077】
以上のように予備吐出位置を決定することにより、スループットの低下を抑制しつつ、記録媒体の裏汚れを防止できるインクジェット記録装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0078】
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
5 搬送ローラ
12 排紙ローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9