特許第6422259号(P6422259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6422259
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20181105BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   G06F13/00 540E
   G06F17/30 310Z
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-159897(P2014-159897)
(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公開番号】特開2016-38639(P2016-38639A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】514065564
【氏名又は名称】株式会社ステラリンク
(74)【代理人】
【識別番号】100119585
【弁理士】
【氏名又は名称】東田 潔
(72)【発明者】
【氏名】前田 保宏
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−127148(JP,A)
【文献】 特開2012−181748(JP,A)
【文献】 特開2014−017026(JP,A)
【文献】 特開2009−216993(JP,A)
【文献】 特開2010−218373(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0222426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元の固定情報が記録された携帯可能な媒体を介して、撮像機能及び画面表示機能を有する通信端末に情報を提供する情報提供システムであって、
前記通信端末からインターネットを介して、前記媒体に記録された固定情報を撮像した撮像画像を受信する受付手段と、
前記固定情報を構成する画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つと、前記固定情報に関連する複数の異なる提供情報を構成する提供データとを対応させて格納する情報格納手段と、
前記受信した撮像画像と前記情報格納手段に格納されている画像データのマッチング処理、文字データの認識処理、又は画像・文字データのマッチング処理及び認識処理をして画像データ、文字データ又は画像・文字データを特定する画像・文字特定手段と、
前記特定された画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つに対応する提供データを読み出して、前記受信した撮像画像に、前記読み出した提供データから構成される提供情報を合成させて前記通信端末の画面に表示させるための合成画像データを生成する提供情報生成手段と、
前記生成された合成画像データを前記通信端末に送信する送信手段と、を有するサーバを備え、
前記情報格納手段は、前記複数の異なる提供データを所定の位置データと所定の日時データの少なくともいずれか一方と対応させて格納し、
前記提供情報生成手段は、前記受付手段が、前記通信端末から前記撮像画像とともに受信する位置情報と前記受付手段で受け付けた日時情報の少なくともいずれか一方と、前記位置データと日時データの少なくともいずれか一方とが一致する提供データを読み出すことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記情報格納手段は、前記位置データを所定の領域範囲で特定し、前記日時データを所定の日時範囲で特定し、前記領域範囲又は前記日時範囲の単位で複数のセグメントを形成し、前記提供データをセグメントごとに対応させて格納し、前記位置情報と日時情報の少なくともいずれか一方が、包含される関係にあるセグメントに対応した提供データを読み出すことを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記提供情報生成手段は、前記位置情報及び日時情報が、前記位置データ及び日時データに一致せず、又は、前記セグメントに包含される関係にない場合、前記合成画像データの表示が可能な位置情報及び日時情報の配信条件データを生成し、前記送信手段は、前記通信端末に配信条件データを送信することを特徴とする請求項2記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記受け付けた撮像画像を構成する画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つ前記通信端末から前記インターネットを介して前記合成画像データの閲覧を要求するために、当該閲覧要求をする利用者によって設定された利用者識別情報に対応させて登録する記憶手段と、
前記通信端末から利用者識別情報を受信すると、前記記憶手段から当該利用者識別情報に対応付けられて登録されている画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つで構成された固定情報の一覧を生成し、前記一覧から固定情報の選択が可能な形式で前記通信端末に送信する一覧画像生成送信手段とを有し、
前記通信端末上で選択された固定情報は、当該選択時の位置情報と日時情報で前記受付手段によって受け付けられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記記憶手段に登録された画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つは、前記利用者識別情報とともに、通信端末にも蓄積され、前記受付手段は、前記通信端末から、前記蓄積された画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つで構成された固定情報が選択され、前記利用者識別情報とともに選択された固定情報を受け付けると、前記選択時の位置情報と日時情報で前記受付手段によって受け付けられることを特徴とする請求項4に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記利用者識別情報とともに、少なくとも、前記固定情報を記録した媒体に関連する利用者属性情報を対応づけて登録し、
前記読み出された提供データが複数ある場合、前記提供情報生成手段は、前記利用者属性情報に基づいて所定の演算処理をし、前記複数の提供データを前記演算結果に従って所定の順序で表示するスコアリング処理手段を有し、前記スコアリング処理された複数の提供データは、前記送信手段によって、前記通信端末上で選択可能な形式で表示するために送信されることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記情報格納手段は、前記画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つを所定のフレームによって分割し、分割された各フレームを部分画像データ部分文字データ又は部分の画像・文字データとして前記画像データ文字データ又は画像・文字データに対応させるとともに、各部分画像データ各部分文字データ又は各部分の画像・文字データは、前記画像データ文字データ又は画像・文字データに対応して格納されている提供データとは異なる提供データに対応させて格納し、
前記受付手段が、前記通信端末によって特定された前記部分画像データ部分文字データ又は部分の画像・文字データに対応する撮像部分画像を、前記インターネットを介して受信すると、
前記画像・文字特定手段は、前記受信した撮像部分画像と前記格納されている部分画像データのマッチング処理、部分文字データの認識処理又は部分の画像・文字データのマッチング処理及び認識処理をして画像、文字又は画像・文字を特定し、
前記提供情報生成手段は、前記特定された部分画像データ部分文字データ又は部分の画像・文字データに対応する前記提供データを読み出して前記合成画像データを生成することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記受付手段が、前記インターネットを介して前記通信端末から、前記一覧画像生成送信手段によって送信された一覧画像のうち、前記特定された撮像部分画像とともに、当該撮像部分画像を有する固定情報全体を撮像した撮像画像を選択した選択データを受け付けると、
前記画像・文字特定手段は、前記受信した撮像部分画像と、前記情報格納手段で前記選択された選択データに関連付けられた部分画像データのマッチング処理、部分文字データの認識処理又は部分の画像・文字データのマッチング処理及び認識処理をして特定することを特徴とする請求項7記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記通信端末による撮像部分画像の特定は、前記通信端末が有するズーム機能によって前記画像の一部を撮像することによって行うことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の情報提供システム。
【請求項10】
記サーバ、前記受付手段によって、前記通信端末から、前記固定情報全体を撮像した撮像画像又は前記固定情報全体を撮像した撮像画像の選択データを受け付けると、前記情報格納手段から前記部分画像データ又は部分文字データの少なくともいずれか一つを読み出して、前記分割された各フレーム単位で選択可能な部分画像データ群部分文字データ群又は部分の画像・文字データ群を生成する選択フレーム生成手段を有し、前記通信端末による撮像部分画像の特定は、前記選択フレームを受信した通信端末から選択されたフレームデータを受信することによって行うことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の情報提供システム。
【請求項11】
前記一部の画像の特定は、前記サーバが、前記受付手段によって、前記通信端末から、前記固定情報全体を撮像した撮像画像又は前記固定情報全体を撮像した撮像画像の選択データを受け付けると、前記情報格納手段から前記部分画像データ又は部分文字データの少なくともいずれか一つを読み出して、前記受け付けた画像データ文字データ又は画像・文字データに、読みだした部分画像データ部分文字データ又は部分の画像・文字データの配置情報を前記分割された各フレーム単位で設定し、前記画像データ文字データ又は画像・文字データに各フレームを表示するフレーム画像データを生成するフレーム画像データ生成手段を有し、前記フレーム画像データを受信した通信端末から、選択されたフレーム画像データを受信することによって行うことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の情報提供システム。
【請求項12】
前記情報格納手段は、前記格納されている画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つとは異なる撮像角度によって撮像された角度別画像データを当該画像データ文字データ又は画像・文字データに関連付けるとともに、前記画像データ文字データ又は画像・文字データに対応して格納されている提供データとは異なる提供データに対応させて格納し、
前記受付手段が、前記インターネットを介して、前記利用者識別情報とともに、前記通信端末によって撮像された前記異なる撮像角度の画像を受信すると、
前記画像・文字特定手段は、前記受信した異なる撮像角度の画像と前記格納されている角度別画像データとのマッチング処理角度別文字データとの認識処理、又は角度別の画像・文字データとのマッチング処理及び認識処理をして画像を特定し、
前記提供情報生成手段は、前記特定された角度別画像データ、角度別文字データ又は角度別の画像・文字データに対応する提供データを読み出して前記合成画像データを生成することを特徴とする請求項4から請求項11までのいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項13】
前記情報格納手段は、前記格納されている画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つとともに、当該画像データ文字データ又は画像・文字データから構成されている固定情報を記録した媒体と異なる固定情報が記録された媒体とを配列させた全体の画像を集合画像データ集合文字データ又は集合の画像・文字データとして、前記配列させた全体の画像を構成する各画像データ文字データ又は画像・文字データに関連づけるとともに、前記各画像データ文字データ又は画像・文字データに対応して格納されている提供データとは異なる提供データに対応させて登録し、
前記受付手段が、前記インターネットを介して、前記利用者識別情報とともに、前記通信端末によって撮像された前記配列させた全体の画像を受信すると、
前記画像・文字特定手段は、前記受信した配列させた全体の画像と前記格納されている集合画像データのマッチング処理、集合文字データの認識処理又は集合の画像・文字データのマッチング処理と認識処理をして画像・文字を特定し、
前記提供情報生成手段は、前記特定された集合画像データ集合文字データ又は集合の画像・文字データに対応する提供データを読み出して前記合成画像データを生成することを特徴とする請求項4から請求項12までのいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項14】
前記集合画像データ集合文字データ又は集合の画像・文字データは、前記配列の仕方によって対応する提供データが異なることを特徴とする請求項13記載の情報提供システム。
【請求項15】
前記記憶手段は、前記利用者属性情報に、前記部分画像データ部分文字データ、部分の画像・文字データ、角度別画像データ、角度別文字データ又は角度別の画像・文字データ、集合画像データ、集合文字データ、集合の画像・集合文字データのいずれかに対応する提供データから生成された合成画像データの閲覧履歴を追加登録することを特徴とする請求項13又は請求項14記載の情報提供システム。
【請求項16】
前記通信端末で撮像された固定情報の画像は、通信端末でのみ蓄積され、前記通信端末は、蓄積された画像からなる固定情報の一覧を生成し、前記一覧から固定情報が選択されると、前記受付手段は、前記選択時の位置情報と日時情報で前記受付手段よって受け付けられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末に情報を提供する情報提供システムであって、特に、二次元の固定情報が記録された携帯可能な媒体を介して、撮像機能及び画面表示機能を有する通信端末に情報を提供するものに関する。
【背景技術】
【0002】
情報を提供する媒体は、多種多様な形態が混在しているが、近年、多くの情報が電子化される一方で、二次元の固定情報が印刷されている物理的形状を有する媒体、たとえば、カードやチケット等の媒体も、依然として多数発行されている。特に、トレーディングカード、スポーツチームや芸能人のファンクラブ等の会員カード、観光カードあるいはプレミア的な価値を有するイベントチケット、さらには、レコードジャケットなど、は、当該媒体の保有者にとって、希少性等の観点から媒体自体が高い価値を有する。当該媒体の保有者は、このような媒体をコレクションすることに興趣をおぼえるため、当該印刷された固定情報が記録されている媒体には、電子化された情報とは異なる需要が存在し、かつ、当該固定情報に関連する独自の販売促進効果も認められている。
【0003】
また、近年、インターネットを利用した情報配信によって需要者動向やニーズを把握するシステムが多数存在するが、依然として、個々人の嗜好を確実に特定するのは困難な状況である。この点、前記二次元の固定情報が印刷されている媒体は、各需要者の明確な嗜好に従って入手されるものであるため、当該媒体の所持情報は、前記需要者動向やニーズの把握に資する精度の高い情報として有用性が期待できる。
【0004】
もっとも、前記固定情報は、時間の経過とともに情報が陳腐化するという本質的な欠点を有しており、高度にプレミア的なコレクション価値を有しない限り、ある時点で保有者の関心が希薄化し、価値が下落する。特に、近年のように、絶えず新しい情報が大量に提供されている状況では、情報の陳腐化が加速するため、単なるコレクションだけの用途に限定された媒体の需要は、マスで拡大しにくい状況になっている。従来、このような性質を有する二次元の固定情報が記録された媒体に新たな情報を提供するための機能を付加する工夫がなされてきた。
【0005】
たとえば、携帯電話から変換サーバに識別コードを送信し、課金コード管理テーブルから識別コードに一致するレコードを検索し、コンテンツ選択サーバのページアドレスを取得した後、携帯電話から取得したページアドレスのコンテンツ選択サーバに接続し、選択部において携帯電話の属性、接続回数を用いて印刷物の内容に対応するウェブコンテンツが格納されているページアドレスを取得し、携帯電話からで取得したページアドレスを基に特定されるコンテンツサイトに接続し、ウェブコンテンツの配信を受けるコンテンツ配信システムが提案されていた(例えば、特許文献1参照)。このシステムによれば、携帯電話から面倒な入力操作をおこなうことなく、印刷物の内容に応じたウェブコンテンツの配信を受けることができる。
【0006】
また、発行済みの商品に印刷され、該商品を一意に特定することが可能なシリアル情報が記憶された発行済シリアル情報記憶手段と、シリアル情報と提供対象のコンテンツが関連付けられて記憶されたコンテンツデータベースと、前記商品購入者の端末から送信した該商品に印刷されたシリアル情報を受信して、該シリアル情報が前記発行済シリアル情報記憶手段に記憶されているか否かに基づいて、該シリアル情報の妥当性を判定するシリアル情報判定手段と、前記シリアル情報の妥当性判定の結果、発行済みのシリアル情報である場合に、該シリアル情報に関連付けられたコンテンツデータを前記コンテンツデータベースから読み出して、該コンテンツデータを前記商品購入者の端末に対して送信するサービス提供手段と、を備えるサービス提供システムが提案されていた(例えば、特許文献2参照)。このシステムでは、シリアル番号が印刷された商品の具体例としてトレーディングカードを挙げて説明しており(特許文献2の段落番号0011参照)、当該商品(トレーディングカード)を介して電子化された情報が提供される。
【0007】
さらに、車内広告の見出しの近傍に印刷などの手段で表示されたマトリックス方式2次元コードをカメラ付き携帯端末で読み取りこれを解読し解読結果に従いネットワーク、サーバを経由してデータベースにアクセスしこのデータベースから先ほどの見出しに関連した詳細情報をさきのカメラ付き携帯端末に出力する情報提供システムが提案されていた(例えば、特許文献3参照)。このシステムによれば、一つの見出しに関連する詳細情報を簡単な操作で取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−70652号公報
【特許文献2】特開2005−25348号公報
【特許文献3】特開2006−38970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前記先行技術は、いずれも、媒体上に識別コード、シリアル情報、2次元コードなど、新たな情報を提供するために、媒体上に、電子的な処理に必要な専用のコードを記録(記述)しなければならない。前記のとおり、当該固定情報が記録された媒体は、コレクション的な価値を有する場合が多く、記録されている画像や文字に併記し、あるいは、重ねて前記専用のコードを記録すると、全体のデザイン性を阻害し、コレクション的な価値を低下させる可能性があった。
【0010】
また、そもそも、前記コレクション的価値の高いものは、前記のような電子情報を提供することは想定していないので、すでに発行された媒体については、前記専用コードを付すことができない。
【0011】
近年、カードの上面部と下面部との間にICチップを搭載し、外観を損なわずに、外部からの情報を入手する媒体もあるが、カード1枚当たりのコストは割高となるうえ、情報の読み取り等に専用リーダが必要になり、普及の障害になっていた。また、ICチップは、既存のカードに後付けで搭載することができないという問題もあった。
【0012】
さらに、前記専用コード、ICチップが記録、搭載されている場合、情報入手した時点で、カード等の媒体の役割は終了しており、以後は、専ら情報が表示されている端末装置の表示画面上での操作で閲覧が行われる。すなわち、情報入手に関する限り、媒体上に記録された固定情報の鑑賞上の価値は何らその役割を発揮することなく、専らインターネット上で提供する情報資源の場所を示すための媒体としてのみ機能しているため、当該媒体を介した情報入手という迂遠な方法によらず、最初から通常の検索エンジン等を利用した一般的な情報入手を行えばよいのであって、当該機能の必然性が見出せない。
【0013】
もちろん、当該固定情報に関して提供する情報が単一の情報であれば、検索エンジンを起動して、キーワードやURLの入力の手間を省くという効果は期待できる。しかし、閲覧要求される情報が、閲覧要求する場所や時間によって多種多様である場合、最初の操作で前記媒体を介した情報閲覧はできても、場所、時間に対応した多様な情報の入手をするためには、前記検索エンジン等を利用した情報検索と同様な操作が必要になるため、前記媒体が果たす役割はきわめて限定的なってしまうという問題があった。
【0014】
上記問題点に鑑みて、本発明は、低コストで、二次元の固定情報が記録されている携帯可能な媒体を介して、固定情報の外観を損なわずに、動的に多種多様な情報を提供しながら、前記固定情報の鑑賞的な価値も同時に発揮させることができる情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる情報提供システムは、二次元の固定情報が記録された携帯可能な媒体を介して、撮像機能及び画面表示機能を有する通信端末に情報を提供する情報提供システムであって、
前記通信端末からインターネットを介して、前記媒体に記録された固定情報を撮像した撮像画像を受信する受付手段と、
前記固定情報を構成する画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つと、前記固定情報に関連する複数の異なる提供情報を構成する提供データとを対応させて格納する情報格納手段と、
前記受信した画像と前記情報格納手段に格納されている画像データのマッチング処理、文字データの認識処理、又は画像・文字データのマッチング処理及び認識処理をして画像データ、文字データ又は画像・文字データを特定する画像・文字特定手段と、
前記特定された画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つに対応する提供データを読み出して、前記受信した撮像画像に、前記読み出した提供データから構成される提供情報を合成させて前記通信端末の画面に表示させるための合成画像データを生成する提供情報生成手段と、
前記生成された合成画像データを前記通信端末に送信する送信手段と、を有するサーバを備え、
前記情報格納手段は、前記複数の異なる提供データを所定の位置データと所定の日時データの少なくともいずれか一方と対応させて格納し、
前記提供情報生成手段は、前記受付手段が、前記通信端末から前記撮像撮像された画像とともに受信する位置情報と前記受付手段で受け付けた日時情報の少なくともいずれか一方と、前記位置データと日時データの少なくともいずれか一方とが一致する提供データを読み出すことを最も主要な特徴とする。
【0016】
この構成によれば、媒体上の固定情報に基づいて、場所、時間に対応した情報を媒体上の固定情報に合成させた画像で閲覧することができる。
【0017】
前記情報格納手段は、前記位置データを所定の領域範囲で特定し、前記日時データを所定の日時範囲で特定し、前記領域範囲又は前記日時範囲の単位で複数のセグメントを形成し、前記提供データをセグメントごとに対応させて格納し、前記位置情報と日時情報の少なくともいずれか一方が、包含される関係にあるセグメントに対応した提供データを読み出すようにしてもよい。この構成により、より広域あるいはより長期間の範囲で、情報の提供を受けることが可能になる。
【0018】
前記提供情報生成手段は、前記位置情報及び日時情報が、前記位置データ及び日時データに一致せず、又は、前記セグメントに包含される関係にない場合、前記合成画像データの表示が可能な位置情報及び日時情報の配信条件データを生成し、前記送信手段は、前記通信端末に配信条件データを送信するようにしてもよい。
【0019】
設定されている位置データ、日時データに一致又は包含される関係にない場合に、情報提供できる日時、位置の情報を提示することで、情報の提供サービスの享受を促進することができる。
【0020】
前記サーバは、前記受け付けた撮像画像を構成する画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つ前記通信端末から前記インターネットを介して前記合成画像データの閲覧を要求するために、当該閲覧要求をする利用者によって設定された利用者識別情報に対応させて登録する記憶手段と、前記通信端末から利用者識別情報を受信すると、前記記憶手段から当該利用者識別情報に対応付けられて登録されている画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つで構成された固定情報の一覧を生成し、前記一覧から固定情報の選択が可能な形式で前記通信端末に送信する一覧画像生成送信手段と、を有し、前記通信端末上で選択された固定情報は、当該選択時の位置情報と日時情報で前記受付手段によって受け付けるようにしてもよい。
【0021】
利用者が、すでに合成画像の閲覧履歴がある場合、再度、閲覧する場合の操作性を簡易化するために、通信端末の画面上で選択可能な構成としたものである。
【0022】
前記記憶手段は、前記利用者識別情報とともに、少なくとも、前記固定情報を記録した媒体に関連する利用者属性情報を対応づけて登録し、
前記読み出された提供データが複数ある場合、前記提供情報生成手段は、前記利用者属性情報に基づいて所定の演算処理をし、前記複数の提供データを前記演算結果に従って所定の順序で表示するスコアリング処理手段を有し、前記スコアリング処理された複数の提供データは、前記送信手段によって、前記通信端末上で選択可能な形式で表示するために送信するようにしてもよい。
【0023】
提供する情報が複数ある場合は、利用者属性情報に従ってスコアリングして選択可能な形式で表示することにより、提供情報の閲覧の利便性を図ることができる。
【0024】
前記情報格納手段は、前記画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つを所定のフレームによって分割し、分割された各フレームを部分画像データ部分文字データ又は部分の画像・文字データとして前記画像データ文字データ又は画像・文字データに対応させるとともに、各部分画像データ各部分文字データ又は各部分画像・文字データは、前記画像データ文字データ又は画像・文字データに対応して格納されている提供データとは異なる提供データに対応させて格納し、前記受付手段が、前記通信端末によって特定された前記部分画像データ部分文字データ又は部分の画像・文字データに対応する撮像部分画像を、前記インターネットを介して受信すると、前記画像・文字特定手段は、前記受信した部分撮像画像と前記格納されている部分画像データのマッチング処理、部分文字データの認識処理又は部分の画像・文字データのマッチング処理及び認識処理をして画像、文字又は画像・文字を特定し、前記提供情報生成手段は、前記特定された部分画像データ部分文字データ又は部分の画像・文字データに対応する前記提供データを読み出して前記合成画像データを生成するようにしてもよい。
【0025】
前記情報格納手段は、前記格納されている画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つとは異なる撮像角度によって撮像された角度別画像データを当該画像データ文字データ又は画像・文字データに関連付けるとともに、前記画像データ文字データ又は画像・文字データに対応して格納されている提供データとは異なる提供データに対応させて格納し、前記受付手段が、前記インターネットを介して、前記利用者識別情報とともに、前記通信端末によって撮像された前記異なる撮像角度の画像を受信すると、前記画像・文字特定手段は、前記受信した異なる撮像角度の画像と前記格納されている角度別画像データとのマッチング処理角度別文字データとの認識処理、又は角度別の画像・文字データとのマッチング処理及び認識処理をして画像を特定し、前記提供情報生成手段は、前記特定された角度別画像データ、角度別文字データ又は角度別の画像・文字データに対応する提供データを読み出して前記合成画像データを生成するようにしてもよい。
【0026】
さらに、前記情報格納手段は、前記格納されている画像データ又は文字データの少なくともいずれか一つとともに、当該画像データ文字データ又は画像・文字データから構成されている固定情報を記録した媒体と異なる固定情報が記録された媒体とを配列させた全体の画像を集合画像データ集合文字データ又は集合の画像・文字データとして、前記配列させた全体の画像を構成する各画像データ文字データ又は画像・文字データに関連づけるとともに、前記各画像データ文字データ又は画像・文字データに対応して格納されている提供データとは異なる提供データに対応させて登録し、前記受付手段が、前記インターネットを介して、前記利用者識別情報とともに、前記通信端末によって撮像された前記配列させた全体の画像を受信すると、前記画像・文字特定手段は、前記受信した配列させた全体の画像と前記格納されている集合画像データのマッチング処理、集合文字データの認識処理又は集合画像・文字データのマッチング処理と認識処理をして画像・文字を特定し、前記提供情報生成手段は、前記特定された集合画像データ集合文字データ又は集合画像・文字データに対応する提供データを読み出して前記合成画像データを生成するようにしてもよい。前記集合画像データ集合文字データ又は集合の画像・文字データは、前記配列の仕方によって対応する提供データが異なるようにしてもよい。
【0027】
固定情報の全体画像のほか、前記部分画像データ部分文字データ、部分の画像・文字データ、角度別画像データ、角度別文字データ又は角度別の画像・文字データ、集合画像データ、集合文字データ、集合の画像・文字データのいずれかに対応して別途提供データを格納することにより、印刷等された固定情報でありながら、多様な情報の提供が可能になる。
【0028】
なお、前記記憶手段で当該利用者識別情報に対応付けられて登録されている固定情報が複数ある場合、部分画像データ部分文字データ又は部分画像・文字データのみを受け付けても、画像・文字特定手段で一意に特定できない可能性がある。そこで、前記受付手段が、前記インターネットを介して前記通信端末から、前記一覧画像生成送信手段によって送信された一覧画像のうち、前記特定された撮像部分画像とともに、当該撮像部分画像を有する固定情報全体を撮像した撮像画像を選択した選択データを受け付けると、前記画像・文字特定手段は、前記受信した撮像部分画像と、前記情報格納手段で前記選択された選択データに関連付けられた部分画像データのマッチング処理、部分文字データの認識処理又は部分の画像・文字データのマッチング処理及び認識処理をして特定すればよい。
【0029】
前記記憶手段は、前記利用者属性情報に、前記部分画像データ部分文字データ、部分の画像・文字データ、角度別画像データ、、角度別文字データ又は角度別の画像・文字データ、集合画像データ、集合文字データ、集合の画像・集合文字データのいずれかに対応する提供データから生成された合成画像データの閲覧履歴を追加登録してもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の情報提供システムは、低コストで、二次元の固定情報が記録されている携帯可能な媒体を介して、固定情報の外観を損なわずに、動的に多種多様な情報を提供しながら、前記固定情報の鑑賞的な価値も同時に発揮させることができるという効果を奏する。
【0031】
また、本システムによって情報提供することにより、カード等、前記媒体のコレクションの需要を積極的に喚起することができ、媒体自体の売上はもとより、媒体に記録されている固定情報によって販売促進の向上を図ることも可能になるという効果を奏する。
【0032】
そもそもコレクション性の高いカード等の媒体は、それを所持しようとする行為自体が、粒度の高い利用者属性を示す可能性があり、高いコスト、高度な分析ツールを使用しなくても、本発明にかかる情報提供システムを利用することにより、利用者属性を容易に取得できるという効果も奏する。また、これらの媒体を所持するということは、当該媒体のコンテンツに関心があるからであり、所持しているという情報自体で所持するユーザの嗜好を高精度で把握することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明にかかる情報提供システムの構成図である。
図2図2は、本発明にかかる情報提供システムを構成するサーバのブロック構成図である。
図3図3は、情報格納テーブルの概念図である。
図4図4は、位置データと日時データのセグメントを有する情報格納テーブルの概念図である。
図5図5は、本発明にかかる情報提供システムの処理フロー図である。
図6図6は、位置データ及び日時データ確認処理フロー図であり、(a)は。位置データ確認処理フロー図、(b)は、日時データ確認処理フロー図である。
図7図7は、本発明にかかる情報提供システムによって通信端末に提供された情報の合成画像を示した図である。
図8図8は、サーバの第1変形例のブロック構成図である。
図9図9は、登録されたカードの一覧画像の表示例を示した図である。
図10図10は、サーバの第2変形例のブロック構成図である。
図11図11は、記憶部のテーブルの概念図である。
図12図12は、提供情報メニューを表示した画像例を示した図である。
図13図13は、部分画像データを含む情報格納テーブルの概念図である。
図14図14は、部分画像の特定をするための選択フレームを示した図である。
図15図15は、部分画像を特定するための部分画像の配置情報を示した図である。
図16図16は、部分画像データの特定の処理フロー図である。
図17図17は、撮像角度を変えて撮像している状態を示した図である。
図18図18は、集合画像を撮像している状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1を参照して、1は、本発明にかかる情報提供システムを構成するサーバである。サーバ1は、インターネットIを介して通信端末M1、M2と接続されている。サーバ1は、複数の通信端末と接続可能であり、以下、総称して通信端末Mして説明する。通信端末Mは、画像の撮像機能を有しており、カードC1、C1(通信端末Mに対応して、以下「カードC」と総称する。)に記録されている画像を撮像し、インターネットIを介して当該撮像画像をサーバ1に送信することができる。本実施の形態では、通信端末Mは携帯電話、スマートフォンを想定して説明するが、前記のとおり、サーバ1との通信が可能であり、かつ、画像の撮像機能、撮像された画像をサーバ1に送信する機能、及びサーバ1から送信された所定画像の表示機能を有するものであればこれに限定する趣旨ではない。
【0035】
カードCは、表面に二次元の固定画像が記録されている。記録方法は、カード表面上に印刷されたものであればよく、文字、画像、写真等、特に記録内容は限定されない。また、カード表面の文字等をエンボス加工したもの、ホログラム画像のように、観察する角度によって画像が変化するものも前記二次元の固定画像に含まれる。すなわち、固定情報とは、電子的にエンコード化されておらず、かつ、電子的に書換等を行うことができない固定化された情報のことをいう。カードC上に磁気ストライプ、バーコード、二次元コード及びICチップ等の電子的情報媒体が搭載されていてもかまわないが、本発明では、原則として、これらの電子的情報媒体はその本来的機能を使用しない。カードCは、具体的には、スポーツ、音楽、映画、観光地等の情報を印刷した会員カードや趣味性の高いトレーディングカードのほか、診察券、買い物ポイントカード、さらには、コンサートなどのチケット、などであるが、さらに、たとえば、野球ボールなどの球体に印刷された画像やサインなども対象とすることができる。すなわち、二次元の固定情報を記録する表面を有し、携帯可能なものであれば、形状はカード状のものに限定しない。本実施の形態では、以下、トレーディングカードを例として説明する。
【0036】
図2は、サーバ1のブロック構成図である。図2は、本発明に直接的に関係する機能のみを記載したものであり、実際にはコンピュータとしての汎用的機能を備えている。すなわち、サーバ1は、少なくとも、コンピュータプログラムによって各種処理及び制御を行うCPU、前記コンピュータプログラム及び前記処理で得られたデータを一時的に記憶するメモリ、各種データのやり取りを行う入出力装置、各種データを格納する外部記憶装置、前記インターネット網を介して、通信端末M、他の通信装置と通信を行うための通信部(いずれも図示せず)を備えている。そして、以下で説明する各機能は、コンピュータプログラムによって実行されるが、前記CPUが、前記メモリに格納された所定のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、サーバ1に存在する構成要素として機能するものである。すなわち、前記コンピュータプログラムであるソフトウェアが前記CPU等のハードウェアに読み込まれることにより、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働した具体的手段によって、使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現し、当該使用目的に応じた特有の情報処理装置が構築されているものである。
【0037】
通信端末MからカードCの固定情報を撮像した画像が送信されると、サーバ1の受付部11で受信する。サーバ1の情報格納部12は、後述するとおり、予め、前記固定情報を構成する画像データと当該固定情報に関連する複数の異なる提供情報を構成する提供データとを対応させて格納している。
【0038】
受付部11で受信した画像は、画像特定部13で、情報格納部12に格納されている画像データとのマッチング処理を行って、受信した画像を情報格納部12内の画像データによって特定する。画像のマッチング処理は、前記受信した画像と画像データとの比較によって画像データを特定できる方法であればよい。たとえば、画像を所定の等間隔な線でメッシュ分割し、分割線の交点の座標点ごとに特徴量を算出する一方、前記予め情報格納部12に格納されている画像データも同様に特徴量を算出し、双方のハミング距離を算出して、予め類似度を判定する閾値を設定しておき、当該閾値との比較から同一かどうかの判断を行えばよい。カードCには、画像だけでなく、たとえば、会員番号等、文字も記載されている場合がある。画像が文字のみ、又は文字を含むものの場合、撮像された画像を前記マッチング処理するよりも、文字の認識処理を行った方が良い場合もある。本発明は、画像の特定及び/又は文字の特定が可能であるが、以下、説明の便宜上、本実施の形態では、画像のマッチング処理を例に説明し、文字の認識処理についての説明は省略する。したがって、文字の認識処理も行う場合は、画像特定部13は、画像・文字特定部となる。なお、情報格納部12は、同一のカードCであっても、異なる方向、角度で撮像された画像を別のカードの固定情報として格納してもよい。したがって、前記異なる方向、角度で撮像された画像を受け付けた場合、画像特定部13は、当該方向、角度で撮像された画像を固定情報として有する別のカードCとのマッチング処理を実行することになる。典型的には、カードCの固定画像が前記ホログラム画像などの場合が該当するが、これに限定する趣旨ではない。
【0039】
画像特定部13で画像データが特定されると、提供情報生成部14において、特定された画像データに対応づけられている提供データを読み出す。そして、読みだされた提供データから、通信端末Mの表示画面上でカードC上に合成画像を表示させるための合成画像データを生成する。生成された合成画像データは、送信部15から通信端末Mに送信され、通信端末Mの表示画面上に、提供情報がカードCに対する合成画像として表示される。合成画像は、静止画のほか、動画であってもよい。単に、提供情報を通信端末Mに表示させるのではなく、カードCとの合成画像で表示することにより、カードCを収集する利用者の興趣を損なうことなく、新たな情報を提供することができる。したがって、合成画像は、単に、カードCに記録されている固定情報(コンテンツ)に新たな情報を提供するもののほか、コンテンツと恰も一体となっているような画像(例えば、スポーツ選手や芸能人と前記利用者が並んで写っているような画像、観光地の写真画像内に利用者が立っている画像)を提供することもできる。
【0040】
前記合成画像は、たとえば、公知のいわゆる拡張現実の技術を利用すればよい。特に、近年、マーカレスで拡張現実の合成画像を生成することが可能であることから、カードCが、既存の固定情報のみが記載されているものであっても、前記合成画像を提供することが可能である。
【0041】
図3は、サーバ1の情報格納部12で前記固定情報を構成する画像データと当該固定情報に関連する複数の異なる提供情報を構成する提供データとを対応させたテーブルT1の概念図である。テーブルT1は、画像データT11、位置データT12、日時データT13、提供データT14から構成されている。たとえば、画像データT11は、同一の画像データG1に対して複数の提供データT14が対応づけられている。これらの提供データT14のうち、いずれの提供データを選択して通信端末Mに提供するか、は、位置データT12及び/あるいは日時データT13によって決定される。
【0042】
位置データT12は、通信端末Mから前記撮像された画像が送信されてきた場所によって特定される。通信端末Mの位置情報は、たとえば、GPS(Global Positioning System)を利用するもの、通信端末M用の基地局の位置と通信端末Mとの距離を計算し、場所を推定するモバイル通信ネットワークを利用するもの、通信端末Mが無線LANを利用する場合は、当該無線LANのアクセスポイントを特定し、位置情報サーバ(図示せず)に記録されたアクセスポイントの位置情報から特定するもの、等、位置情報が特定できる方法であれば特に限定はしない。
【0043】
日時データT13は、サーバ1が携帯端末Mから撮像された前記画像を受け付けた時間(日時)のデータを受付部11で取得すればよい。なお、通信端末Mとサーバ1との間で時間の齟齬が生じる場合がある。この場合は、たとえば、通信端末Mとサーバ1とで、インターネット経由でNTP(Network Time Protocol)メッセージを共通のNTPサーバに問合せるようにし、内部時計を調整して時間の同期処理をおこなえばよい。
【0044】
通信端末Mからサーバ1に撮像した画像を送信することにより、受付部11で前記位置データと日時データを取得することにより、当該画像とマッチング処理された画像データに対応する位置データ、日時データがテーブルT1の位置データT12と日時データT13から読み出されて、1の画像データに複数対応付けられている提供データT14の提供データから一意に提供データが特定される。たとえば、通信端末Mが、2014年4月18日、15時に、○○球場内で撮像した画像(画像データG1に対応する画像)をサーバ1に送信すると、テーブルT1のG1に対応する提供データ(本実施形態では3つある。)のうち、位置データT12の「○○球場」、日時データT13の「2014.4.18 15:00」が特定され、結果、提供データT14では、「前売りチケット情報」が対応するため、通信端末Mに提供されるデータは、前売りチケット情報ということになる。なお、本実施の形態では、提供データを特定するために、位置データと日時データの双方の一致が条件づけられた例で説明したが、位置データ、日時データのいずれか一方のみの一致で提供データが特定されるようにしてもよい。
【0045】
ところで、図3では、位置データT12及び日時データT13がいずれも、特定の地点、特定の時間に限定されている形態を説明したが、実際には、位置データについては、一定範囲の領域、日時データについては、一定範囲の期間を設定した方が、利便性が高い。そこで、図4のテーブルT2で示すとおり、位置データT22、日時データT23について、一定範囲の領域、一定範囲の期間で設定するために、セグメント単位でテーブルを構成するようにしてもよい。たとえば、図4(a)テーブル2の位置データT22は、画像データT21の画像データG1についてセグメントZ−Seg.1からセグメントZ−Seg.3までの位置データが対応し、日時データT23については、セグメントT−Seg.1からセグメントT−Seg.3までが対応している。各位置データT22、日時データT23は、図4(b)で示す通り、セグメント単位に、一定範囲の領域、一定範囲の期間が具体的に特定されている。たとえば、セグメントZ−Seg.1は、「関東(1都6県)」の領域が特定され、セグメントT−Seg.1は、「2014.4.17 9:00−2014.4.18 24:00」の期間が特定されている。通信端末Mが、2014年4月18日、12:00に東京都で画像データG1に対応する画像を撮像し、サーバ1に送信すると、これに対応する提供データは、「前売りチケット情報」として一意に特定され、前売りチケット情報に関する合成画像が生成されて、通信端末Mに送信されることになる。
【0046】
図5は、本発明にかかる情報提供システムの処理フロー図である。以下、図5の処理フローを使って本発明にかかる情報提供システムの作用を説明する。
【0047】
通信端末Mから撮像された画像を受付部11で受け付けると(S1)、情報格納部12から読み出し画像があるか否か判断し(S2)、読み出し画像がある場合は(S2のYes)、格納された画像を読み出し(S3)、画像特定部13で画像マッチングを行う(S5)。画像マッチング処理で画像が一致した場合は(S6のYes)、位置データ確認処理及び日時データ確認処理を行う(S7、S8)。
【0048】
位置データ確認処理及び日時データ確認処理の詳細について、以下、図6(サブルーチン)で説明する。図6(a)は、位置データ確認処理のフロー図である。通信端末Mから位置情報を受け付けると(S71)、情報格納部12で読み出す位置データの有無を確認し(S72)、データがある場合は(S72のYes)、位置データを読み出して(S74)、前記受け付けた位置情報が、読み出した位置データのセグメントに包含されているかどうかを判断する(S75)。セグメントに包含される場合は(S75のYes)、対応提供データを特定し(S76)、位置データ確認処理を終了する。セグメントに包含されない場合は(S75のNo)、再度S72からS75の処理を繰り返す。S72において、読み出し位置データがない場合(S72のNo)、通信端末Mにエラー表示を返して終了してもよいが、処理フローで示す通り、合成画像データの表示が可能な位置情報を示す配信条件データを生成し(S73)、これを対応提供データとして特定し(S76)、通信端末Mに配信するようにしてもよい。配信条件データは、たとえば、合成画像データの表示が可能な場所をテキスト、画像、音声、動画等により、通知するものであればよい。
【0049】
図6(b)は、日時データ確認処理のフロー図である。処理内容は、位置データ確認処理の場合とほぼ同一である。すなわち、通信端末Mから画像を受け付けた日時情報を取得すると(S81)、情報格納部12で読み出す日時データの有無を確認し(S82)、データがある場合は(S82のYes)、日時データを読み出して(S84)、前記取得した日時情報が、読み出した日時データのセグメントに包含されているかどうかを判断する(S85)。セグメントに包含される場合は(S85のYes)、対応提供データを特定し(S86)、日時データ確認処理を終了する。セグメントに包含されない場合は(S85のNo)、再度S82からS85の処理を繰り返す。S82において、読み出し日時データがない場合(S82のNo)、合成画像データの表示が可能な日時情報を示す配信条件データを生成し(S73)、これを対応提供データとして特定し(S76)、通信端末Mに配信する。
【0050】
なお、図6は、(a)(b)いずれも本実施の形態では、情報格納部12の図4のテーブルT2を使用した処理フローである。図3で説明したテーブルT1を使用する場合は、S75又はS85は、位置データ又は日時データとの一致か不一致を判断するようにすればよい。また、本実施の形態では、位置データ、日時データの双方の一致、又は包含関係を判断しているが、いずれか一方のみをテーブルで対応付けて、他方は、条件として設定しないようにしてもよい。
【0051】
図5に戻り、S5の画像マッチングで一致しない場合は(S6のNo)、情報格納部12で別の画像データを読み出すために、S2の読み出し画像の有無の判断を行う。以降、読み出し画像が存在する限り、S2からS6の処理を繰り返す。なお、読み出し画像がない場合は(S4)、一致画像がなしという通知を通信端末Mに返せばよい(S4)。
【0052】
前記位置データ確認処理及び日時データ確認処理後、マッチングで一致した画像データ及び位置データ、日時データと対応づけられている提供データを情報格納部12から読み出す(S9)。読み出された提供データから、提供情報生成部14で合成画像データが生成される(S10)。生成された合成画像データは、送信部15により、通信端末Mに送信され(S11)、通信端末Mの表示画面に表示される。
【0053】
図7は、通信端末Mに合成画像を表示させている例を示した図である。通信端末MでカードCを撮像し、サーバ1に送信すると、サーバ1で生成された合成画像データが送信され、図7で示すとおり、カードC上に合成画像P(本実施の形態では、球場までのディレクションマップの画像)が表示される。
【0054】
ところで、同一のカードCについて、過去に通信端末Mで撮像してサーバ1に送信したものである場合、再度撮像の手間を省き、直ちに情報提供を受けることができるようにすれば、利用者にとって利便性が高くなる。図8のサーバ1のブロック構成図は、過去の通信端末Mで撮像した画像によって、情報の提供を受ける場合、画像の撮像をしなくても合成画像が得られるようにしたサーバ1の第1の変形例である。図2と同じ構成のものは、同一の番号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0055】
受付部11で受け付けられた画像は、受付済み画像データとして記憶部16に記憶される。記憶部16は、受付済み画像データと画像を送信してきた利用者識別情報とを対応させて記憶する。利用者識別情報は、最初に撮像した画像を送信するときに、通信端末Mから入力して登録するようにすればよい。
【0056】
サーバ1は、通信端末Mから、受付部11で前記利用者識別情報を受信すると、一覧画像生成送信部17では、記憶部16の利用者識別情報に対応づけられて登録されている画像データを読み出し、カードCの固定情報一覧を生成し、通信端末Mに当該一覧画像を送信する。図9は、一覧画像を通信端末Mの表示画面Md上に表示させた状態を示した図である。カードCの画像が一覧できるようにいわゆるアーカイブ画像が表示され、スクロールすることにより、すべての画像が閲覧できるようになっている。また、選択したい画像をタップすることにより、当該画像を選択したという信号がサーバ1に送信されるようにすればよい。
【0057】
一覧画像は、通信端末Mの画面上で選択可能になっており、選択された画像(固定情報)をサーバ1に送信すると、選択時の位置情報と選択画像をサーバ1で受け付けた日時情報によって受付部11で受け付けられ、以後の処理は、図5の処理フローと同一の処理が行われる。このような構成にすれば、同一のカードについて2回目以降は、カードCを撮像しなくても合成画像による情報の提供を受けることができる。なお、本発明にかかる情報提供システムを利用する場合、通信端末Mの初期画面において、新規に撮像した画像の送信をするのか、利用者識別情報を送信して記憶部16に記憶されている受付済み画像データを利用するのかの選択画面を表示してもよい(図示せず)。
【0058】
なお、通信端末M側でも、利用者識別情報とともに前記受付済み画像データを蓄積し、通信端末Mから、前記蓄積された画像データのうち、利用者が所望する固定情報を選択し、前記利用者識別情報とともにサーバ1に送信すると、受付部11は、前記選択時の位置情報と日時情報で受け付けるようにしてもよい。このようにすれば、オフラインでも、画像の選択が可能になり、情報提供の高速化を図ることが可能になる。さらに、前記固定情報一覧は、通信端末Mのみで生成し、サーバ1では生成しないようにしてもよい。したがって、この場合は、通信端末Mで撮像された画像は、各通信端末Mのみで蓄積され、サーバ1には記憶されない。この場合も、通信端末Mで表示させた前記固定情報一覧から所望の固定情報を選択し、サーバ1に送信した場合、前記選択時の位置情報と日時情報で受付部11が受け付けることになる。このような構成にすることでさらに情報提供の高速化を図ることができる。
【0059】
図10は、サーバ1の第2の変形例を示したブロック構成図である。情報格納部12に格納されている提供データが、同じ位置データ及び/又は日時データで複数ある場合、通信端末Mに合成画像を提供する前にどの合成画像を所望するかを選択できるようにするためのスコアリング処理部18を追加したものである。
【0060】
一般に、カードCに記録されている固定情報は、カードCの保有者(本発明にかかるシステムの利用者)の趣味、嗜好又は生活と密接に関係しており、カードCから利用者の属性が特定できる。そこで、記憶部16は、当該固定情報に関連する属性をデータ化し、利用者属性情報として、受付済み画像データ及び画像を送信してきた利用者識別情報とを対応づけて記憶する。
【0061】
提供情報生成部14において、同じ位置データ及び/又は日時データで提供データが複数ある場合、前記利用者属性情報から、複数の提供データに対して適合度を計算する所定の演算処理を行い、演算結果に従って演算結果のハイスコアの順序で列挙したデータを送信部15から通信端末M上で選択可能な形式で表示するために送信する。前記演算処理は、予め提供データごとに属性の適合度を数値化したテーブル(属性値テーブル)を設定し、一つの提供データに複数の属性値が関連する場合は、これを合算して、トータルポイントで高い得点順(降順)にソートすればよい(図示せず)。
【0062】
図11は、図10のサーバ1の第2の変形例において、記憶部16のテーブルT3の概念図を示したものである。テーブルT3は、利用者識別情報T31と受付済み画像データT32と利用者属性情報T33とが対応している。1の利用者識別情報に対して、受付済み画像データは、登録した画像データの数だけ対応するので、受付済み画像データT32の数が多くなると、これに対応して利用者属性情報T33も増えるので属性値の演算の精度が向上する可能性がある。なお、本実施の形態では、本発明の特徴を説明する便宜上、利用者属性情報T33は、カードCから得られる属性のみを登録しているが、実際には、性別、年齢、居住地等、他の属性も対応させて前記属性値の演算ができるようにすれば、より高い精度のスコアリングが可能になる。図12は、スコアリング処理されて適合度の高い順に提供情報メニューを通信端末Mに表示させている例を示している。提供情報メニューから所望の項目をタップして選択すると、当該選択された提供情報に基づく合成画像が表示されるようになっている(図示せず)。
【0063】
1枚のカードCには、通常、複数の情報が記録されている。図1から図12までの実施形態では、画像データとしてカードC全体の画像のみを対象としたが、1枚のカードCであっても、固定情報の一部を部分画像として特定することにより、全体画像とは異なる提供データを対応させることができる。したがって、図1から図12までの位置データ、日時データに対応した情報提供に加えて、1枚のカードCから撮像可能な部分画像を複数特定し、これに対応してさらに異なる提供データによる合成画像の送信が可能なる。すなわち、1枚のカードCであっても、場所、日時、画像の3つの要素が各々複数存在し、これらが相互に対応づけられることにより、動的かつ多様な情報を提供することができる。
【0064】
図13は、T1又はT2のテーブルに前記部分画像データを対応させたテーブルT4を示す概念図である(以下、テーブルT2をベースとして説明する)。テーブルT4は、T2同様、画像データT41,位置データT42、日時データT43を有する。相互に一意に対応する画像データT41、位置データT42及び日時データT43に対して、複数の部分画像データT44が対応付けられている。部分画像データT44には、1のカードCに記録されている部分画像データのほか、カードCの全体画像データも含まれる。本実施の形態では、画像データG1について、全体画像データをG1−Allとし、画像データG1を構成する各部分画像データは、たとえばG1−1、G1−2としている。そして、全体画像データを含む部分画像データの各々に異なる提供データが対応づけられている。たとえば、画像データG1に対応するカードCのG1−1に対応する部分のみを通信端末Mで撮像してサーバ1に送信すると、位置データがZ−Seg.1に包含され、日時データがT−Seg.1に包含されている場合、提供データは、前売りチケット販売店案内が特定される。
【0065】
通信端末Mで前記部分画像を特定するための操作としては、最も簡易な方法は、通信端末Mが有する撮像機能のズームを利用し、カードCの固定情報のうち、所望の情報をズームして撮影し、部分画像を取得し、これを送信すればよい。
【0066】
さらに、正確に部分画像を特定するためには、図14図15のようにすればよい。まず、テーブルT4について、T41の画像データを所定のフレームによって分割し、分割された各フレーム内の画像データをT44の部分画像データとして対応させる(図示せず)。図14図15で示す通り、カードCは、フレームF1、フレームF2、フレームF3によって、4つの部分画像エリアに分割される。たとえば、部分画像エリアCp1は、野球選手個人の成績情報、部分画像エリアCp2は、野球チームの成績情報、部分画像エリアCp3は、試合当日のシート案内他、試合中のリアルタイム情報、部分画像エリアCp4は、チケット前売り情報や更新情報、というように対応するとともに、カードC全体は、前記部分画像に対応する各情報のダイジェスト情報が対応すればよい。
【0067】
図14は、部分画像の特定について、部分画像データのアーカイブを生成して、所望の部分画像を選択する場合の画面表示例を示したものである。受付部11が、通信端末Mから、カードCの固定情報全体を撮像した画像又は図9で説明した一覧画像から選択された選択データを受け付けると、情報格納部12から図13で説明したテーブルT4からすべての部分画像データを読み出して、フレームF1からF3のそれぞれの単位で選択可能な部分画像データ群からなる選択フレームを生成する。本実施形態では、通信端末Mの表示画面Mdに、選択フレームを4つ表示したものを示した。これら4つの選択フレームから所望の部分画像を指でタップして選択し、サーバ1に送信すればよい。
【0068】
図15は、カードCの全体画像から所定の部分を選択して部分画像を特定する画面表示例を示したものである。受付部11が、通信端末Mから、カードCの固定情報全体を撮像した画像又は図9で説明した一覧画像から選択した選択データを受け付けると、情報格納部12から図13で説明したテーブルT4からすべての部分画像データを読み出して、前記受け付けた全体画像データに、読み出した部分画像データの配置情報をフレームF1、フレームF2、フレームF3の単位で設定し、フレーム画像データ生成する。設定は、各フレームの範囲を座標データで特定すればよい。図15では、説明の便宜上、通信端末Mの表示画面Md上に、座標データによる設定を明示するためにグリッド線を記載しているが、実際の画面ではグリッド線は表示しなくても良い。フレーム画像データ上で、利用者が所望の部分画像の箇所でタップすると、タップされた位置の座標データが、サーバ1に送信され、当該座標データがどのフレームの範囲内に属するか特定し、どの部分画像データに対応する情報の提供を要求しているかを判断する。
【0069】
前記部分画像を撮像した場合、全体画像に比べて情報量が少なく、また、部分画像の対象によっては、たとえば会員番号にように他のカードの情報との区別がつきにくい情報のみから構成される画像もある。このような場合、特定する部分画像データが異なる複数のカードCの部分画像として複数の候補が特定され、合成画像を生成する提供データが一意に特定できなくなる可能性がある。そこで、部分画像データから提供データを特定するのは、記憶部16に全体画像が登録されている画像データから構成される固定情報を含むカードCに限定し、図9で説明した一覧画像で、カードCを特定し、送信する部分画像は、特定された当該カードCの範囲内で特定する処理をすればよい。図16は、部分画像を特定する処理のフロー図である。まず、通信端末Mから利用者識別情報を受信して受け付けると(S101)、一覧画像を生成し通信端末Mに送信する(S102)。通信端末Mで表示された一覧画像からカードCを特定するために選択データを送信するとともに、当該カードCの部分画像をサーバ1に送信する。サーバ1でこれを受け付けると(S103)、受け付けた部分画像データについて読み出し画像が存在するかどうかを判断し(S104)、読み出し画像が存在する場合は(S104のYes)、前記選択データ内の部分画像データを情報格納部12から読み出して(S105)、部分画像についての画像マッチングを行う(S106)。画像が一致した場合は(S108のYes)、部分画像特定処理は終了し、以後は、図5のS7以降の処理と同じ処理行う。一方、画像が一致しない場合は(S108のNo)、再びS104以降の処理を繰り返す。なお、S104において、読み出し画像が存在しない場合は(S104のNo)、通信端末Mに対して一致画像なしの通知を行う(S106)。
【0070】
以上、部分画像も提供データを特定するためのデータとして使用することができれば、1のカードCで提供できる情報の量が位置データ、日時データのバリエーションに対応する画像データが、さらに細分化してバリエーションを形成することができ、固定情報が印刷等されたカードCから、多様な情報を入手することができる。さらに、撮影する方向、角度の違いによって、異なるカードCとして認識して処理することは前記したとおりであるが、図17で示す通り、カードCの撮影する方向、角度の違いによって、カードCの同一性は維持しつつ、異なる情報を提供する角度別画像データ、あるいは、図18で示す通り、複数のカードCを所定の並べ方で配列することにより、1のカードCとは異なる情報を提供する集合画像データのバリエーションを追加してもよい。また、前記集合画像データの場合は、同じ複数のカードCであっても配列の仕方によって異なる情報が提供できるようにしてもよい。
【0071】
なお、記憶部16のテーブルT3の利用者属性情報T33に、前記部分画像データ、角度別画像データ及び集合画像データに対応する提供データから生成された合成画像データの閲覧履歴を追加登録してもよい。これらの閲覧履歴は、カードC全体から得られる利用者の趣味、嗜好等をさらに細かい粒度で特定することができるため、前記スコアリング処理における属性値の信頼性がさらに向上する可能性がある。
【0072】
また、本発明によれば、たとえば、上記カード等の媒体は、コンサートや観光地など、実際に現地に行かなければ入手できないものである一方で、時間、場所、あるいはカード内の各種情報(部分画像に対する情報)によって、異なる情報をインターネットを介して提供できるという特性を有していることから、比較的高い精度でユーザニーズを把握でき、オムニチャネルの新たな切り口になることが期待できる。媒体個々には、マーケット規模は小さいものの、多様なカードが発行されている現実に鑑みると、ニッチなロングテール市場を幾層にも積み重ねることが可能になり、全体としては、大きなマーケットを形成することも期待できる。さらに、利用者識別情報、位置データ、日時データ、提供したデータなどから、高精度のユーザの嗜好分析が可能なることも期待できる。
【符号の説明】
【0073】
1 サーバ
11 受付部
12 情報格納部
13 画像特定部
14 提供情報生成部
15 送信部
16 記憶部
17 一覧画像生成送信部
18 スコアリング処理部
C カード
M 通信端末
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