【実施例】
【0048】
(実施例1)
試料の調製
実施例1の試料を以下のように調製した。使用した材料を表1に示す。
【0049】
工程1:受像フィルム(透明フィルム層)の調製 P1、P2及びCL1(組成は表1を参照)の混合溶液をミキサー(Tokushu Kika Kogyo Co.,Ltd.製のTK Autohomomixer)で混合した。P1、P2及びCL1の配合比は固形含有量として100:75:0.15であった。攪拌した溶液を、ナイフコーターを用いて厚さ50μmのポリエステルフィルム上にコーティングし、次いで、95℃で5分間及び155℃で2分間乾燥した。乾燥後、50μmの厚さを有する受像フィルム(ポリエステルフィルムを除く)が得られた。
【0050】
工程2:ビーズコート層1のコーティング
PU1、CL2、ビーズ1及びFA1(組成は表1を参照)の混合溶液をミキサー(Tokushu Kika Kogyo Co.,Ltd.製のTK Autohomomixer)で混合した。PU1、CL2、ビーズ1及びFA1の配合比は固形含有量として30:5:35:0.69であった。ビーズコート層1は、攪拌した溶液をナイフコーターを用いて受像層の上にコーティングしてから、65℃で2分間、90℃で3分間、及び155℃で2分間乾燥することにより形成した。乾燥後、ビーズコート層1のコーティング重量は37g/m
2であった。
【0051】
工程3:ビーズコート層2のコーティング
PU1、CL2、ビーズ2及びFA1の混合溶液をミキサー(Tokushu Kika Kogyo Co.,Ltd.製のTK Autohomomixer)で混合した。PU1、CL2、ビーズ2及びFA1の配合比は固形含有量として30:5:35:0.69であった。ビーズコート層2は、攪拌した溶液をナイフコーターを用いてビーズコート層1の上にコーティングしてから、65℃で2分間、90℃で3分間、及び155℃で2分間乾燥することにより形成した。乾燥後、ビーズコート層2のコーティング重量は28g/m
2であった。
【0052】
工程4:意匠層の印刷
意匠層は、ビーズコート層1及びビーズコート層2を含む受像フィルムのポリエステルフィルムを剥離し、溶剤インクジェットプリンタ(Roland DG Corporation製のSC540)を用いて受像フィルムの表面に印刷することにより形成した。
【0053】
工程5:両面に粘着質の接着剤を有するアルミ箔の接着
メチルイソブチルケトン(MIBK)40質量部を、10質量部のアクリル樹脂1(メチルメタクリレート(MMA)/ブチルメタクリレート(BMA)/ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)の組成比=60:34:6(質量比)、重量平均分子量(Mw)=約70,000、Tg=約66℃、エチルアセテート溶液として供給される)及び50質量部の酸化チタン(DuPont社製のTiPure R960)に添加し、塗料シェーカー(Thinky Corporation製のARE250)内で10分間攪拌して、顔料プレミックス溶液を得た。
【0054】
次いで、50質量部の酸化チタン1及び10質量部のアクリル樹脂1を、100質量部の接着性ポリマー1(アクリル酸ブチル(BA)/アクリル酸(AA)の組成比=96:4(質量比)、Tg=約−50℃、Mw=約580,000、エチルアセテート/トルエン溶液として供給)に添加して得られた接着剤組成物を、その得られた顔料プレミックスと混ぜ合わせることにより、白色の接着剤組成物溶液を調製した。0.2質量部(固形含有量として)の架橋剤1(ビスアミド系、1,1’−イソフタロイル−ビス(2−メチルアジリジン)を、100質量部の粘着質の接着性ポリマー1に添加した。粘着質の接着剤と顔料との相溶性は良好であり、容易に分散を達成した。白色の接着剤層は、乾燥後のコーティング層の厚さが30μmになるように、得られた白色接着剤組成物溶液をナイフコーターを用いて厚さ50μmのアルミ箔上にコーティングし、次いで、90℃で5分間加熱し、乾燥し、架橋することにより得られた。白色の接着剤は、25μmの厚さを有するシリコン処理したポリエステルライナーを接着することにより保護した。
【0055】
次いで、乾燥後のコーティング層の厚さが45μmになるように、両面がシリコーン処理されているポリエチレン積層された紙ライナー上に接着性ポリマー2(Soken Chemical & Engineering Co.,Ltd製のSK−Dyne 1429 F2)をコーティングした。乾燥工程後、得られた紙ライナーを、アルミ箔の白色の接着剤層が形成された側と反対側の表面上に接着することにより、両面に接着剤を有するアルミ箔を調製した。
【0056】
両面に接着剤を有する得られたアルミ箔の白色の接着剤層からライナーを剥離し、両面に接着剤を有するアルミ箔を意匠層の上に積層した。
【0057】
(実施例2)
実施例2は、ビーズコート層2のコーティング重量が33g/m
2であったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0058】
(実施例3)
実施例3は、ビーズコート層2のコーティング重量が37g/m
2であったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0059】
比較例
4
比較例
4は、ビーズコート層2を提供しなかったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0060】
比較例
5〜8
工程1:受像フィルムの調製
受像層は、実施例1と同じ方法で調製した。
【0061】
工程2:ビーズコート層1のコーティング
PU1、CL2、ビーズ1及びFA1(組成は表1を参照)の混合溶液をミキサー(Tokushu Kika Kogyo Co.,Ltd.製のTK Autohomomixer)で混合した。PU1、CL2、ビーズ3及びFA1の配合比は固形含有量として30:5:35:0.69であった。ビーズコート層1は、攪拌した溶液をナイフコーターを用いて受像層の上にコーティングしてから、65℃で2分間、90℃で3分間、及び155℃で2分間乾燥することにより形成した。乾燥後、比較例
5、6、7及び8のビーズコート層1のコーティング重量は、それぞれ74、84、88及び96g/m
2であった。
【0062】
工程3:意匠層の印刷
意匠層は、ビーズコート層1及びビーズコート層2を有する受像フィルムのポリエステルフィルムを剥離し、溶剤インクジェットプリンタ(Roland DG Corporation製のSC540)を用いて受像フィルムの表面に印刷することにより形成した。
【0063】
工程4:両面に粘着質の接着剤を有するアルミ箔の接着
実施例1の工程5と同じ方法で調製した両面に接着剤を有するアルミ箔の白色の接着剤層からライナーを剥離し、両面に接着剤を有するアルミ箔を意匠層の上に積層した。
【0064】
(
比較例1)
比較例1は、ビーズコート層2のアルミナビーズにビーズ1を使用したこと、及びビーズコート層2のコーティング重量が38.7g/m
2であったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0065】
(
比較例2)
比較例2は、ビーズコート層2のアルミナビーズにビーズ1とビーズ2の混合物(ビーズ1:ビーズ2の配合比は8:2)を使用したこと、及びビーズコート層2のコーティング重量が38.2g/m
2であったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0066】
(
比較例3)
比較例3は、ビーズコート層2のアルミナビーズにビーズ1とビーズ2の混合物(ビーズ1:ビーズ2の配合比は9:1)を使用したこと、及びビーズコート層2のコーティング重量が39.6g/m
2であったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0067】
(
比較例12)
比較例12は、ビーズコート層1のアルミナビーズにビーズ2を使用したこと、ビーズコート層2のアルミナビーズにビーズ1を使用したこと、及びビーズコート層1及びビーズコート層2のコーティング重量がそれぞれ35g/m
2及び44g/m
2であったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0068】
(
比較例13)
比較例13は、ビーズコート層1のアルミナビーズにビーズ1を使用したこと、ビーズコート層2のアルミナビーズにビーズ4を使用したこと、及びビーズコート層1及びビーズコート層2のコーティング重量がそれぞれ37g/m
2及び26g/m
2であったことを除き、実施例1と同じ方法で調製した。
【0069】
(
比較例14)
比較例14は、ビーズコート層2のコーティング重量が33g/m
2であったことを除き、
比較例13と同じ方法で調製した。
【0070】
比較例9〜11
工程1:受像フィルムの調製
受像フィルムは、実施例1と同じ方法で調製した。
【0071】
工程2:ビーズコート層1のコーティング
PU1、CL2、ビーズ2及びFA1(組成は表1を参照)の混合溶液をミキサー(Tokushu Kika Kogyo Co.,Ltd.製のTK Autohomomixer)で混合した。PU1、CL2、ビーズ2及びFA1の配合比は固形含有量として30:5:35:0.69であった。ビーズコート層1は、攪拌した溶液をナイフコーターを用いて受像層の上にコーティングしてから、65℃で2分間、90℃で3分間、及び155℃で2分間乾燥することにより形成した。乾燥後、
比較例9、10、及び11のビーズコート層1のコーティング重量は、それぞれ、80、88及び110g/m
2であった。
【0072】
工程3:意匠層の印刷
意匠層は、ビーズコート層1及びビーズコート層2を有する受像フィルムのポリエステルフィルムを剥離し、溶剤インクジェットプリンタ(Roland DG Corporation製のSC540)を用いて受像フィルムの表面に印刷することにより形成した。
【0073】
工程4:両面に粘着質の接着剤を有するアルミ箔の接着
実施例1の工程5と同じ方法で調製した両面に接着剤を有するアルミ箔の白色の接着剤層からライナーを剥離し、両面に接着剤を有するアルミ箔を意匠層の上に積層した。
【0074】
比較例
15
比較例
15は、ビーズコート層1のアルミナビーズにビーズ1とビーズ2の混合物(ビーズ1:ビーズ2の配合比は2:8)を使用したこと、及びビーズコート層1のコーティング重量が27g/m
2であったことを除き、
比較例3、12、13と同じ方法で調製した。
【0075】
比較例
16
比較例
16は、ビーズコート層1のアルミナビーズにビーズ1とビーズ2の混合物(ビーズ1:ビーズ2の配合比は5:5)を使用したこと、及びビーズコート層1のコーティング重量が25g/m
2であったことを除き、
比較例3、12、13と同じ方法で調製した。
【0076】
比較例
17
比較例
17は、ビーズコート層1のアルミナビーズにビーズ1とビーズ2の混合物(ビーズ1:ビーズ2の配合比は8:2)を使用したこと、及びビーズコート層1のコーティング重量が33g/m
2であったことを除き、
比較例3、12、13と同じ方法で調製した。
【0077】
試験方法
ドライステアリング試験
15cm×20cmの大きさに切断した試験片をアスファルトに接着した。試験片の上に、重量約2トン(1814.4kg)の乗用車(トヨタAlphard)の前輪を配置した。車を静止した状態で、ハンドルを右に回転し、タイヤをできるだけ右いっぱいまで回転した。次いで、ハンドルを中央位置に戻し、再びタイヤを車と平行にした。この手順を1周期として、同じやり方で周期を再び実行したが、タイヤを右ではなく左に回転し、次いで再びタイヤを右に回転して、合計3周期を行った。フィルムに引裂き又は剥離が生じなかった事例は合格とみなし、フィルムに引裂き又は剥離が生じた事例は不合格とみなし、結果を表2に示す。
【0078】
耐磨耗性試験
10mm(幅)×10mm(長さ)の大きさに切断した試料からライナーを剥離し、試料をアルミニウムのプレートに接着し、プレマスクを剥離して取り除いた。耐磨耗性は、JIS A 1453にしたがって評価した。S−42型布やすりを用いて、100回転毎にブラシでローラーを掃除し、500回転毎に布やすりを交換して、白色の接着剤層を磨耗し、図柄フィルムの白色が消滅するまでの回転数を測定した。結果を表2に示す。
【0079】
スキッド抵抗試験
試料からライナーを剥離し、試料をアスファルトに接着し、プレマスクを剥離して取り除いた。ウェットスキッド抵抗は、ASTM E303−83にしたがって測定した。結果を表2に示す。B.P.N(英国振り子番号)の値が高いほどスキッドは少ない。
【0080】
接着性試験
20℃
試料を幅25mm×長さ150mmに切断した。切断した試料をアルミニウムパネル及びモルタルパネルにそれぞれ適用した。20℃で48時間放置した後に、JIS Z 0237 8.2.3にしたがって引張り試験機(A&D Company,LImited製のTensilon)で180度剥離力を測定した。引張り速度は300mm/分であった。
【0081】
65℃
試料を幅25mm×長さ150mmに切断した。切断した試料をアルミニウムパネル及びモルタルパネルにそれぞれ適用した。20℃で48時間放置した後に、試料を65℃のオーブン内に保管し、次いで、引張り試験機(A&D Company,LImited製のTensilon)で180度剥離力を測定した。引張り速度は300mm/分であった。
【0082】
結果を表3に示す。
【0083】
(実施例
4)
試料の調製
実施例
4の試料を以下のように調製した。使用した材料を表1に示す。
【0084】
工程1〜4:
受像フィルム(透明フィルム層)の調製、ビーズコート層1のコーティング、ビーズコート層2のコーティング、及び意匠層の印刷は、実施例1と同じ方法で実行し、次いで、第1及び第2のビーズコート層を含む中間体試料、受像フィルム、及び意匠層を得た。
【0085】
工程5:アルミ箔上の白色の接着剤の調製
10質量部のP1、50質量部の酸化チタン(DuPont社製R960)、及び40質量部のMIBKを調製し、溶液を得た。溶液をPaintシェーカー(Thinky社製ARE250)で10分間混合した後、プレミックス溶液を得た。プレミックス溶液に、100質量部のP3及びCL3(P3:CL3=100:0.2固体比)を加えた。
【0086】
メチルイソブチルケトン(MIBK)40質量部を、10質量部のアクリル樹脂1(メチルメタクリレート(MMA)/ブチルメタクリレート(BMA)/ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)の組成比=60:34:6(質量比)、重量平均分子量(Mw)=約70,000、Tg=約66℃、エチルアセテート溶液として供給される)及び50質量部の酸化チタン(DuPont製のTiPure R960)に添加し、塗料シェーカー(Thinky Corporation製のARE250)内で10分間攪拌して顔料プレミックス溶液を得た。
【0087】
次いで、50質量部の酸化チタン1及び10質量部のアクリル樹脂1を、100質量部の接着性ポリマー1(ブチルアクリレート(BA)/アクリル酸(AA)の組成比=96:4(質量比)、Tg=約−50℃、Mw=約580,000、エチルアセテート/トルエン溶液として供給)に添加して得られた接着剤組成物をその顔料プレミックスと混ぜ合わせることにより、白色の接着剤組成物溶液を調製した。0.2質量部(固形含有量として)のCL3を100質量部のPSA1に添加した。粘着質の接着剤と顔料の相溶性は良好であり、容易に分散を達成した。白色の接着剤層は、乾燥後のコーティング層の厚さが30μmになるように、得られた白色接着剤組成物をナイフコーターを用いて厚さ50μmのアルミ箔上にコーティングし、次いで、90℃で5分間加熱し、乾燥し、架橋することにより得られた。白色の接着剤は、25μmの厚さを有するシリコン処理したポリエステルライナーを接着することにより保護した。
【0088】
工程6:PSAコーティング及び電子ビーム硬化
シリコーンコーティングした紙の剥離ライナーにナイフコーティングでゴムPSA1をコーティングし、90℃で5分間乾燥して、厚さ50μmのPSAを得た。得られたPSAを1Mradの電子ビームに曝露した。そのPSAを、工程5で得たアルミニウム層に積層した。
【0089】
(実施例
5)
実施例
5は、電子ビーム照射量を2Mradにしたことを除き実施例1と同じ方法で調製した。
【0090】
(実施例
6)
実施例
6は、電子ビーム照射量を4Mradにしたことを除き実施例1と同じ方法で調製した。
【0091】
(実施例
7)
実施例
7は、電子ビーム照射量を6Mradにしたことを除き実施例1と同じ方法で調製した。
【0092】
(実施例
8)
実施例
8は、PSA1:CL4=100:0.78の比率でCL4をPSA1に添加したことを除き実施例
5と同じ方法で調製した。
【0093】
(実施例
9)
実施例
9は、PSA1:CL4=100:0.78の比率でCL4をPSA1に添加したことを除き実施例
6と同じ方法で調製した。
【0094】
(実施例
10)
実施例
10は、PSA1:CL4=100:0.78の比率でCL4をPSA1に添加したことを除き実施例
7と同じ方法で調製した。
【0095】
(実施例
11)
実施例
11は、電子ビームに曝露しなかったことを除き実施例
8と同じ方法で調製した。
【0096】
(実施例
12)
実施例
12は、電子ビームに曝露しなかったことを除き実施例1と同じ方法で調製した。
【0097】
(実施例
13)
実施例
13は、2軸押出し機でPSA2をコーティングしたことを除き実施例1と同じ方法で調製した。PSA2のコーティング重量は87g/sqmであった。電子ビーム照射量は4Mradであった。
【0098】
(実施例
14)
実施例
14は、PSA2のコーティング重量が217g/sqmであったことを除き、実施例
13と同じ方法で調製した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
参照番号
10 装飾シート 1 接着剤層
2 金属層
3 結合層
4 意匠層
5 透明フィルム層(受像フィルム)
6 第1ビーズコート層
7 第2ビーズコート層
8 第1ビーズコート層中のビーズ
9 第2ビーズコート層中のビーズ